説明

ペルチェモジュール配設装置およびその装置を用いた筐体内冷却装置

【課題】複数のペルチェモジュールおよびそのリード線を的確な位置に整然として配設できる装置とその装置を用いた筐体内冷却装置を提供する。
【解決手段】熱電変換素子を挟む態様で互いに間隔を介して配設された2つの基板のうち一方側の基板を冷却側基板と成す複数のペルチェモジュール1と、モジュール配設基板3とを有する。モジュール配設基板3には、個々のペルチェモジュール1を嵌合するための貫通のモジュール嵌合穴4を複数形成し、そのモジュール嵌合穴4に各ペルチェモジュール1を嵌合する。モジュール配設基板3には該モジュール配設基板3に複数配設されたペルチェモジュール1同士を電気的に接続するための配線パターン8を形成しておき、配線パターン8に各ペルチェモジュール1を電気的に接続して複数のペルチェモジュール1を配線パターン8を介して互いに電気的に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペルチェモジュールを複数備えたペルチェモジュール配設装置およびその装置を用いた筐体内冷却装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図12(a)には、ペルチェモジュール1の一例が模式的な斜視図により示されており、図12(b)には、その断面図が模式的に示されている(例えば、特許文献1、2、参照。)。これらの図に示すように、ペルチェモジュール1は、互いに間隔を介して対向配置された2枚の基板6,7の間に、複数の熱電変換素子5(5a,5b)を、基板面方向に互いに間隔を介して立設配置して形成されている。なお、図12は、基板6を上側にし、基板7を下側にしてペルチェモジュール1を配置した例を示す。
【0003】
基板6,7は、電気絶縁性を有するアルミナ(Al)等のセラミック製の基板である。図12(b)に示すように、基板6,7の対向表面には、熱電変換素子5に導通する複数の電極2が、基板面方向に互いに間隔を介して形成されており、基板6の表面の電極2と基板7の表面の電極2とは互いに位置をずらした状態で形成されている。熱電変換素子5(5a,5b)は、対応する電極2を介して直列に接続されており、熱電変換素子5の接続回路が形成されている。なお、熱電変換素子5は、図示されていない半田によって前記電極2に固定されている。
【0004】
熱電変換素子5(5a,5b)は、ペルチェ素子として一般的に知られており、P型半導体により形成されたP型の熱電変換素子5aと、N型半導体により形成されたN型の熱電変換素子5bとを有する。P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bは交互に配置され、電極2を介して直列に接続されてPN素子対が形成されている。
【0005】
P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bは、それぞれ、例えばビスマス・テルル等の金属間化合物にアンチモン、セレン等の元素を添加することにより形成されており、その上下両端面には、前記半田との接合性を良好にするために、ニッケル(Ni)および、金(Au)メッキがされている。なお、半田接合性を良好にするために、前記メッキ上に、予備半田が形成されていてもよい。
【0006】
図12(b)において、例えば基板7に形成された、熱電変換素子5の接続回路の端部に位置する電極2(2a)には、リード線28が半田により半田付けされて接続されている。このペルチェモジュール1において、通電手段によってリード線28から電極2に電流を流すと(図12(a)、参照)、P型の熱電変換素子5aとN型の熱電変換素子5bに電流が流れる。そして、熱電変換素子5(5a,5b)と電極2との接合部(界面)で冷却・加熱効果が生じる。つまり、前記接合部を流れる電流の方向によって熱電変換素子5(5a,5b)の一方の端部が発熱せしめられると共に他方の端部が冷却せしめられるいわゆるペルチェ効果が生じる。
【0007】
このペルチェ効果によって熱電変換素子5(5a,5b)の一方の端部、例えば図の上端部が冷却せしめられると、基板6側が冷却側基板と成して、基板6の上側の部材等の冷却(吸熱)が行われる。また、その逆に、ペルチェ効果によって例えば同図における熱電変換素子5(5a,5b)の例えば上端部が発熱(放熱)せしめられると、この熱が基板6を介して、基板6の上側に設けられた部材に伝えられ、この部材の加熱が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平5−63244号公報
【特許文献2】特開平5−160441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、ペルチェモジュール1は冷却能力に優れていることから、例えば電子部品等が収容された筐体内の空気を、ペルチェモジュール1を用いて冷却し、筐体内を冷却することが行われている。この場合、ペルチェモジュールを複数用いることになるが、ペルチェモジュール1のリード線28をつなぎ合わせてペルチェモジュール1同士を接続し、かつ、ペルチェモジュール1の位置を的確な位置に配設するのが容易ではない。そのため、例えば図13に示すように、ペルチェモジュール1の配設枠30を設けて、その内側にペルチェモジュール1を配設した場合のように、どうしてもペルチェモジュール1同士が整然と配設されずに曲がって配設されたり、リード線28の配線が煩雑になってしまったりするといった問題があった。
【0010】
本発明は、前記課題を解決するために成されたものであり、その目的は、複数のペルチェモジュールおよびそのリード線を的確な位置に整然として配設することができるペルチェモジュール配設装置および、その装置を用いた筐体内冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の発明のペルチェモジュール配設装置は、互いに間隔を介して配設された2つの基板と、該基板間に配置されて基板面に対して互いに間隔を介して配設された複数の熱電変換素子とを有して、前記2つの基板のうち一方側の基板を冷却側基板と成すペルチェモジュールを複数備え、これらの個々のペルチェモジュールを嵌合するための貫通のモジュール嵌合穴を複数形成したモジュール配設基板の前記モジュール嵌合穴に前記各ペルチェモジュールが嵌合されており、前記モジュール配設基板には該モジュール配設基板に複数配設されたペルチェモジュール同士を電気的に接続するための配線パターンが形成され、該配線パターンに前記各ペルチェモジュールが電気的に接続されて複数のペルチェモジュールが前記配線パターンを介して互いに電気的に接続されている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0012】
また、第2の発明のペルチェモジュール配設装置は、前記第1の発明の構成に加え、前記ペルチェモジュールの2つの基板の少なくとも一方には熱電変換素子の配設面の反対側の面にヒートシンクとヒートパイプの少なくとも一方が設けられていることを特徴とする。
【0013】
さらに、第3の発明の筐体内冷却装置は、筐体の壁に、前記第1または第2の発明のペルチェモジュール配設装置を嵌合するための貫通の装置嵌合穴が形成され、該装置嵌合穴に前記ペルチェモジュール配設装置が嵌合されてペルチェモジュールの冷却側基板側が前記筐体の内側に配置され、前記ペルチェモジュール配設装置のモジュール配設基板が前記筐体の壁を兼ねる構成とした構成をもって課題を解決する手段としている。
【0014】
さらに、第4の発明の筐体内冷却装置は、前記第3の発明の構成に加え、前記筐体の壁にはペルチェモジュール配設装置の配設領域を含む壁側領域を覆って前記筐体の壁に沿って風を流すためのダクトが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のペルチェモジュール配設装置によれば、モジュール配設基板に、個々のペルチェモジュールを嵌合するための貫通のモジュール嵌合穴を複数形成し、そのモジュール嵌合穴に前記各ペルチェモジュールを嵌合するので、ペルチェモジュールをモジュール配設基板の的確な位置に整然と配設することができる。また、モジュール配設基板には、前記ペルチェモジュール同士を電気的に接続するための配線パターンが形成され、該配線パターンに前記各ペルチェモジュールが電気的に接続されて複数のペルチェモジュールが前記配線パターンを介して互いに電気的に接続されているので、ペルチェモジュールの配線が煩雑になることを防ぐことができる。
【0016】
そして、ペルチェモジュール配設装置に配設されたペルチェモジュールの2つの基板の少なくとも一方に、熱電変換素子の配設面と反対側の面にヒートシンクとヒートパイプの少なくとも一方を設けることによって、ペルチェモジュールの冷却効率を高めることができる。
【0017】
また、本発明の筐体内冷却装置によれば、筐体の壁に、本発明のペルチェモジュール配設装置を嵌合するための貫通の装置嵌合穴を形成し、該装置嵌合穴にペルチェモジュール配設装置を嵌合することにより、ペルチェモジュールおよびその配線を整然と配設した状態で筐体の壁に設けることができる。そして、ペルチェモジュールの冷却側基板側を前記筐体の内側に配置し、ペルチェモジュール配設装置のモジュール配設基板が筐体の壁を兼ねる構成とすることにより、ペルチェモジュール配設装置を簡単に筐体の壁に取り付けて筐体内冷却装置を形成することができるし、筐体の内側と外側とで高温側流体と低温側流体との熱絶縁の役割を果たすことができ、ペルチェモジュールにより筐体内の空気を効率的に冷却することができる。
【0018】
さらに、本発明の筐体内冷却装置において、筐体の壁にはペルチェモジュール配設装置の配設領域を含む壁側領域を覆い、前記筐体の壁に沿って風を流すためのダクトを設けることにより、より一層効率的に筐体内の空気を冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係るペルチェモジュール配設装置の一実施例を、平面図と断面図により模式的に示す説明図である。
【図2】実施例のペルチェモジュール配設装置を作製する際の一工程を示す模式的な説明図である。
【図3】その他の実施例のペルチェモジュール配設装置の構成を示す側面断面図である。
【図4】本発明に係る筐体内冷却装置において、ペルチェモジュール配設装置を取り付ける前の構成を示す模式的な斜視説明図(a)とそのA−A断面図(b)である。
【図5】実施例の筐体内冷却装置において、ペルチェモジュール配設装置を設けた壁を、壁に設けられているダクトを透かして示す図であり、側面がわから見た図(a)と壁の内側から見た図(b)である。
【図6】実施例の筐体内冷却装置において、ペルチェモジュール配設装置を設けた壁側から見た外観斜視図を、ダクトを透かして示す図である。
【図7】実施例の筐体内冷却装置の壁部構成を、壁の内側から見た図により示す説明図である。
【図8】実施例の筐体内冷却装置の壁部構成を、壁の外側から見た図により示す説明図である。
【図9】実施例の筐体内冷却装置の壁部において、ダクトを流れる風の流れの説明図である。
【図10】筐体冷却装置の壁部形成工程を示す説明図である。
【図11】筐体冷却装置の図10に続く壁部形成工程を示す説明図である。
【図12】ペルチェモジュールの例を示す模式的な説明図である。
【図13】複数のペルチェモジュールを配設枠に配設した状態例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、実施例の説明において、これまでの説明と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略または簡略化する。
【実施例1】
【0021】
図1には、本発明に係るペルチェモジュール配設装置の一実施例が模式的に示されている。図1(a)には、その平面図が、後述のヒートシンクを省略して示されており、図1(b)には、図1(a)のA−A断面図が、図1(c)には、図1(a)のB−B断面図が、それぞれ示されている。また、図2には、本実施例のペルチェモジュール配設装置9を作製する際の、一工程が示されている。これらの図に示すように、本実施例のペルチェモジュール配設装置は、ペルチェモジュール1を複数(ここでは4つ)とモジュール配設基板3とを備えている。モジュール配設基板3には、個々のペルチェモジュール1を嵌合するための貫通のモジュール嵌合穴4が複数形成されており、モジュール嵌合穴4には、螺子嵌合穴15が連通形成されている。モジュール嵌合穴4には、対応する各ペルチェモジュール1が嵌合されている。
【0022】
なお、図2は、1つのペルチェモジュール1の嵌合工程を示しているが、モジュール配設基板3に設けられている全てのモジュール嵌合穴4に、対応するペルチェモジュール1が嵌合される。また、図1(b)、(c)の断面図において、各ペルチェモジュール1の断面構成は詳細には示されていないため、基板6,7および熱電変換素子5の配列構成は示されていないが、これらの構成は、図12に示したペルチェモジュール1と同様に構成されている。
【0023】
モジュール配設基板3には、該モジュール配設基板3に複数配設されたペルチェモジュール1同士を電気的に接続するための配線パターン8が形成され、該配線パターン8に各ペルチェモジュール1が電気的に接続されて、複数のペルチェモジュール1が、配線パターン8を介して互いに電気的に接続されている。配線パターン8は、2つのペルチェモジュール1を並列に接続するパターンに形成されており、図の破線部位Cにも配線パターン8を形成したり、破線部位Cの両側の配線パターン8を導通する線等を設けたりすることにより、4つのペルチェモジュール1を直列に接続することができる。なお、配線パターン8は、始めから4つのペルチェモジュール1を直列接続するように形成してもよく、配線パターンの形成態様は適宜設定されるものである。
【0024】
ペルチェモジュール1の2つの基板6,7には、熱電変換素子5の配設面の反対側の面、つまり、例えば図12に示した態様で、基板6を上側に配置した場合には、基板6の上側と基板7の下側にヒートシンク14(14a,14b)が設けられており、例えば基板7側に配置されたヒートシンク14bが、螺子嵌合穴15に嵌合された螺子12およびモジュール配設基板3の中央部に配設された螺子13によってモジュール配設基板3に固定され、基板6側に配置されたヒートシンク14aは、接着剤等により基板6に固定されている。なお、その逆に、基板6側に設けたヒートシンク14を螺子12,13を用いてモジュール配設基板3に固定してもよいし、図3に示すように、モジュール配設基板3とヒートシンク14aとの間の隙間に、スペーサ27等を設けてもよい。図1に示すように、ヒートシンク14は、基板6,7側に設けられる板部10と、板部10に固定されて互いに間隔を介して配設された複数のフィン11を有している。
【実施例2】
【0025】
次に、本発明に係る筐体内冷却装置の一実施例について説明する。本実施例の筐体内冷却装置は、図4(a)、(b)の模式図に示すように、筐体16の1つの側壁に開口部31を形成し、その開口部31を塞ぐ壁17をビス32によって筐体16に固定することにより筐体16の1つの壁17を形成し、この壁17に形成した貫通の装置嵌合穴18に、前記実施例のペルチェモジュール配設装置9(図4には図示せず)を嵌合して形成されている。なお、装置嵌合穴18は、ペルチェモジュール配設装置9を嵌合するために、例えば矩形状に形成されており、装置嵌合穴18にペルチェモジュール配設装置9を配設した状態が、図5、図6に示されている。
【0026】
このペルチェモジュール配設装置9の配設状態において、モジュール配設基板3が筐体16の壁17を兼ねる構成としており、ペルチェモジュール1の冷却側基板側が筐体16の内側に配置されるように、ペルチェモジュール1がモジュール配設基板3に配設されている。冷却側基板側に配設されたヒートシンク14は、筐体16内の空気の冷却効率を向上させ、筐体16の外側に配置された放熱側基板側のヒートシンク14は、放熱側基板を外気によって冷ます役割を果たす。なお、筐体16の態様は特に限定されるものではないが、例えば電子部品等が収容される筐体に適用できる。
【0027】
また、図5(a)および図7〜図9に示すように、壁17には、ペルチェモジュール配設装置9の配設領域を含む壁側領域を板部19によって覆って形成したダクト20(20a,20b)が設けられている。ダクト20は、図9の模式的な動作断面図における矢印A、Bに示すように、筐体16の壁17に沿って風を流すためのものである。なお、図9において、ペルチェモジュール配設装置9の図示は省略している。図5〜図9に示すように、内側に設けられているダクト20aの下端部には1つのファン21が設けられ、外側に設けられているダクト20bの上端部側には2つのファン22が設けられている。ダクト20aの上端部には開口部23が形成され、外側のダクト20bの下端部には開口部24が形成されている。
【0028】
図10、図11には、本実施例の筐体冷却装置において、壁17にペルチェモジュール配設装置9を取り付ける工程例が模式的に示されており、これらの図に基づいて、ペルチェモジュール配設装置9の取り付け工程について簡単に説明する。なお、図10、図11において、ペルチェモジュール配設装置9におけるヒートシンク14のフィン11の高さ等の構成や、その取り付け構成および、螺子嵌合穴15の形成位置等の詳細な構成は、この実施例に適用しているペルチェモジュール配設装置9(図1に示したペルチェモジュール配設装置9)とは異なるが、その基本構成は同様である。
【0029】
図10、図11に示す例においては、図10(a)に示すように、ペルチェモジュール配設装置9のモジュール配設基板3のモジュール嵌合穴4にそれぞれ対応するペルチェモジュール1を嵌合して、図10(b)に示すように、ペルチェモジュール配設装置9を形成し、図11(a)に示すように、ペルチェモジュール配設装置9を壁17の装置嵌合穴18に嵌合固定する。その状態で、図11(b)に示すように、ヒートシンク14を、ビス嵌合穴34に嵌合したビス33によって壁17に固定することにより、ペルチェモジュール配設装置9のペルチェモジュール1の基板にヒートシンク14を熱的に接続する。筐体冷却装置を形成するときには、以上のように、ヒートシンク14は、モジュール配設基板3に取り付けるのではなく、壁17に取り付けるようにしてもよい。
【0030】
なお、本発明は前記実施例に限定されることなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、前記実施例の筐体内冷却装置は、2つのペルチェモジュール配設装置9を設け、また、ダクト20aの下端部側には2つのファン21を設け、ダクト20bの上端部側に1つのファン22を設けて形成したが、ペルチェモジュール配設装置9やファン21,22の配設数、配設態様、ダクト20の形状等は特に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。例えば筐体16の大きさやペルチェモジュール配設装置9の配設数、配設態様等に合わせてダクト20の形状等を適宜設定してもよい。また、ファン21,22は省略することもできるし、ダクト20を省略することもできる。ただし、ダクト20やファン21を設けることにより、筐体内の冷却効率を高めることができる。
【0031】
また、前記実施例のペルチェモジュール配設装置9は、4つのペルチェモジュール1を配設して形成されていたが、ペルチェモジュール配設装置9に配設されるペルチェモジュール1の数や大きさ、形状等は特に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。
【0032】
さらに、前記実施例のペルチェモジュール配設装置9は、ペルチェモジュール1の両方の基板6,7の、熱電変換素子5の配設面とは反対側の面に、ヒートシンク14を設けて形成したが、ヒートシンク14は、一方側の基板側にのみ設けてもよいし、省略することもできる。また、ヒートシンク14の代わりに、ペルチェモジュール1の少なくとも一方の基板6,7の、熱電変換素子5の配設面とは反対側の面にヒートパイプを設けてもよいし、ヒートパイプとヒートシンク14の両方を設けてもよい。なお、ヒートシンク14やヒートパイプの詳細な構成は特に限定されるものでなく、適宜設定されるものであり、これまで提案されている構成や、今後提案される様々な構成が適宜適用される。
【0033】
さらに、前記実施例の筐体内冷却装置においては、電子部品等を収容する装置に適用する例を述べた、本発明の筐体内冷却装置は、例えば冷蔵庫にも適用できる。その場合、例えば冷蔵庫の背面の壁に本発明のペルチェモジュール配設装置を設けて冷却側基板を内側にし、壁の外側の面にはヒートシンク等を設けずに、平面状に形成するとよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明のペルチェモジュール配設装置は、ペルチェモジュールおよびその配線を整然とできるので、筐体内冷却装置等に利用でき、その筐体内冷却装置は、電子部品等の収容筐体や冷蔵庫等として利用できる。
【符号の説明】
【0035】
1 ペルチェモジュール
2 電極
3 モジュール配設基板
4 モジュール嵌合穴
5,5a,5b 熱電変換素子
6,7 基板
8 配設パターン
9 ペルチェモジュール配設装置
14 ヒートシンク
16 筐体
17 壁
18 装置嵌合穴
20,20a,20b ダクト
21,22 ファン
27 スペーサ
28 リード線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに間隔を介して配設された2つの基板と、該基板間に配置されて基板面に対して互いに間隔を介して配設された複数の熱電変換素子とを有して、前記2つの基板のうち一方側の基板を冷却側基板と成すペルチェモジュールを複数備え、これらの個々のペルチェモジュールを嵌合するための貫通のモジュール嵌合穴を複数形成したモジュール配設基板の前記モジュール嵌合穴に前記各ペルチェモジュールが嵌合されており、前記モジュール配設基板には該モジュール配設基板に複数配設されたペルチェモジュール同士を電気的に接続するための配線パターンが形成され、該配線パターンに前記各ペルチェモジュールが電気的に接続されて複数のペルチェモジュールが前記配線パターンを介して互いに電気的に接続されていることを特徴とするペルチェモジュール配設装置。
【請求項2】
ペルチェモジュールの2つの基板の少なくとも一方には熱電変換素子の配設面の反対側の面にヒートシンクとヒートパイプの少なくとも一方が設けられていることを特徴とする請求項1記載のペルチェモジュール配設装置。
【請求項3】
筐体の壁に、請求項1または請求項2記載のペルチェモジュール配設装置を嵌合するための貫通の装置嵌合穴が形成され、該装置嵌合穴に前記ペルチェモジュール配設装置が嵌合されてペルチェモジュールの冷却側基板側が前記筐体の内側に配置され、前記ペルチェモジュール配設装置のモジュール配設基板が前記筐体の壁を兼ねる構成としたことを特徴とする筐体内冷却装置。
【請求項4】
筐体の壁にはペルチェモジュール配設装置の配設領域を含む壁側領域を覆って前記筐体の壁に沿って風を流すためのダクトが設けられていることを特徴とする請求項3記載の筐体内冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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