ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別に有用なSSRプライマー対及びその利用
【課題】簡便、迅速かつ正確にペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別を行うためのプライマー対、特定マーカー遺伝子及びその品種識別方法を提供する。
【解決手段】ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスのゲノム上のSSR領域の両側の塩基配列を用いて設計したプライマー対、対象となるペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの遺伝子をバルクすることで個体間の遺伝子のばらつきを無くし、品種特異的なSSRをPCRで特異的に増幅させた識別対象の遺伝子の特定マーカーの塩基配列、及び増幅された遺伝子断片の長さの違いを検出することで、品種の識別を行う方法。
【効果】従来の形態形質及び出穂期などの品種区別法と比べて、必要とする工程数が少なく、複数個体のバルクDNAをテンプレートDNAとして使用するペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別方法を提供することができる。
【解決手段】ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスのゲノム上のSSR領域の両側の塩基配列を用いて設計したプライマー対、対象となるペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの遺伝子をバルクすることで個体間の遺伝子のばらつきを無くし、品種特異的なSSRをPCRで特異的に増幅させた識別対象の遺伝子の特定マーカーの塩基配列、及び増幅された遺伝子断片の長さの違いを検出することで、品種の識別を行う方法。
【効果】従来の形態形質及び出穂期などの品種区別法と比べて、必要とする工程数が少なく、複数個体のバルクDNAをテンプレートDNAとして使用するペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別方法を提供することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別用のプライマー及びその利用に関するものであり、更に詳しくは、ペレニアルライグラス7品種及びハイブリッドライグラス1品種の合計8品種を識別することを可能とする、特定のSSR領域を増幅させるための遺伝子増幅用プライマーのFプライマー及びRプライマー対、及びその利用に関するものである。本発明は、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別用のSSRプライマー、及び該プライマーを利用してイタリアンライグラス及びハイブリッドライグラスのゲノムDNAをPCR増幅させた特定マーカー遺伝子、その増幅断片を比較することで品種を識別することを可能とするペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラス品種の識別方法に関する新技術・新製品を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
ペレニアルライグラス(Lolium perenne L.)及びハイブリッドライグラス(Lolium x boucheanum Kunth)は、主に飼料作物として利用される多年生の他殖性のイネ科植物である。先行技術として、主に飼料作物として利用される他殖性のイネ科牧草の品種識別法としては、イタリアンライグラスにおいて、12品種を識別する方法が開発されている(特許文献1参照)。
【0003】
この方法は、イタリアンライグラスのゲノム上のSSR(Simple Sequence Repeats)領域をPCRで増幅させ、増幅された断片の長さの違いを検出することで品種を識別するものである。しかし、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスにおいては、このような品種識別法が開発されていない。
【0004】
このため、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別は、これまで、圃場での特性調査により行われてきた。圃場での特性調査とは、例えば、一検体につき10個体6反復計60個体を栽培し、草丈、出穂月日、草型、葉身長等の形質を調査し、共に栽培した60個体の標準個体と比較して同品種かどうか判定を行う方法である。しかしながら、このような圃場での特性調査は、1)調査のための圃場が必要である、2)調査に多くの労力が必要である、3)調査結果が判明するまでに多くの時間が必要である、等の問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−237180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、短期間で、簡便且つ正確にペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラス8品種を識別できる新しい手法を開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、イタリアンライグラス及びペレニアルライグラスのゲノム上におけるSSR領域の両側の塩基配列を用いて作成したプライマーから増幅されるマーカーを用いることにより所期の目的を達成し得ることを見出し、更に研究を重ねて、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明は、労力及び時間が必要な従来の圃場での特性調査に代わり、短期間で、簡便且つ正確にペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別を可能にするPCR用のプライマー対、該プライマー対を利用して、PCR増幅させた特定マーカー遺伝子、及び該特定マーカーを利用したペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別用のプライマーであって、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスのゲノム上におけるSSR(Simple Sequence Repeats)領域を増幅させるための遺伝子増幅用プライマー対。
(2)イタリアンライグラスのゲノム上におけるSSR領域の両端の塩基配列を用いて設計した遺伝子増幅用プライマー対であって、配列表の配列番号1〜8のF(Forward)プライマー及び配列番号9〜16のR(Reverse)プライマーを1対とするプライマー対である、前記(1)に記載のプライマー対。
(3)ペレニアルライグラスのゲノム上におけるSSR領域の両端の塩基配列を用いて設計した遺伝子増幅用プライマー対であって、配列表の配列番号17〜22のF(Forward)プライマー及び配列番号23〜28のR(Reverse)プライマーを1対とするプライマー対である、前記(1)に記載のプライマー対。
(4)前記(2)及び(3)に記載のプライマー対の単数又は複数の組合せからなることを特徴とするペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別用プライマーセット。
(5)前記(1)から(4)のいずれかに記載のプライマーを利用してペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスのゲノム上におけるSSR領域をPCR増幅させたことを特徴とする特定マーカー遺伝子。
(6)配列表の配列番号29〜36のいずれかの塩基配列を有する、前記(5)に記載の特定マーカー遺伝子。
(7)ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスのゲノム上におけるSSR領域を増幅する前記(1)から(4)のいずれかに記載のプライマーから増幅されるマーカーを使用し、識別対象のペレニアルライグラス又はハイブリッドライグラスDNAのPCR増幅産物の多型を確認することで品種の識別を行うことを特徴とするペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別方法。
(8)識別対象のペレニアルライグラス又はハイブリッドライグラス遺伝子のPCR増幅産物である特定マーカー遺伝子のサイズ又はバンドパターンに基づいて、品種の識別を行うことを特徴とするペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別方法。
(9)対象品種のバルクDNAをテンプレートDNAとして使用したペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラス遺伝子のPCRによる増幅を行い、同時に、数品種の識別を行う、前記(7)又は(8)に記載の方法。
(10)エバガード、カリブラ、トーブ、ポコロ、ヤツカゼ、ヤツカゼ2、ヤツユタカの7品種からなるペレニアルライグラス、及びハイフローラの1品種からなるハイブリッドライグラスの合計8品種を識別する、前記(7)から(9)のいずれかに記載の方法。
【0009】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別用のプライマーであって、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスのゲノム上におけるSSR領域を増幅させるための遺伝子増幅用プライマー対の点に特徴を有するものである。また、本発明は、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別方法であって、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスのゲノム上におけるSSR領域を増幅する上記のプライマーから増幅されるマーカーを使用し、識別対象のペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスDNAのPCRによる増幅を行い、その増幅産物の多型を確認することで、品種の識別を行うことを特徴とするものである。
【0010】
本発明では、イタリアンライグラス及びペレニアルライグラスのゲノム上におけるSSR領域の両側の塩基配列を用いて作成したプライマー対から、識別対象のペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラス遺伝子の特定マーカーをPCR増幅し、そのマーカー遺伝子のサイズ又はバンドパターン(複数の遺伝子座のバンドの有無による組み合わせ)を確認することで、品種の識別を行う。
【0011】
本発明では、個体単位での解析が不要となるため、対象品種のバルクDNAを使用したペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラス遺伝子のPCRによる増幅を行い、同時に、数品種の識別を行う。他殖性であるペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスは、個体間で遺伝的に異なるが、バルクDNAをテンプレートとして用いることによって、この品種の非特異的な個体間の差異を無くし、且つ効率よく、品種の識別が可能となる。
【0012】
本発明では、2〜5塩基が高頻度に繰り返された配列からなるSSR領域の両側を挟むように設計した遺伝子増幅用プライマーの14対のプライマー(表1参照)で、単数又は複数のプライマー対を使用し、対象となるペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラス8品種について、PCR増幅を行い、その増幅断片を比較することで、品種を識別する。
【0013】
本発明では、実際の使用時に、バルクDNAをテンプレートとすることを想定し、品種特異的なSSRマーカーを選抜するため、対象品種のゲノムDNAを複数個体バルクしたDNAをテンプレートとすることにより識別を行う。そのため、本発明では、例えば、濃度を一定にしたペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスのDNAを10個体合わせて、バルクDNAテンプレートとして使用する。
【0014】
本発明で使用されるSSRプライマー対は、プライマー設計ソフトウエア「Primer0.5,ftp://ftp−genome.wi.mit.edu/distribution/software/Primer0.5」を使用して作成した。本発明のペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別に有用なプライマー対の配列を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
次に、上記表1の配列のプライマー対の9品種内での増幅型の詳細について説明する(表2参照)。プライマー「04−09F」は、エバガードを識別するプライマー対で、350bp付近で増幅しない、すなわち、品種特異的に特定bpの増幅がみられない、というパターンを示す。
【0017】
プライマー「03−04E」は、エバガードを識別するプライマー対で、350bp付近で増幅する、すなわち、品種特異的に特定bpの増幅がある、というパターンを示す。
【0018】
プライマー「10−10C」は、ヤツユタカを識別するプライマー対で、250bp付近で増幅する、というパターンを示す。
【0019】
プライマー「A09A18」は、エバガードを識別するプライマー対で、120bp付近で増幅する、というパターンを示す。
【0020】
プライマー「A09F11」は、ハイフローラを識別するプライマー対で、300bp付近で増幅する、というパターンを示す。
【0021】
プライマー「C07H06」は、エバガードを識別するプライマー対で、200bp付近で増幅する、というパターンを示す。
【0022】
プライマー「D02C22」は、エバガード及びカリブラを識別するプライマー対で、1000bp付近でエバガードが増幅しない、というパターンを示し、200bp〜250bpの間でカリブラが増幅する、というパターンを示す。
【0023】
プライマー「D09M22」は、エバガードを識別するプライマー対で、250bp〜300bpの間で増幅しない、というパターンを示す。
【0024】
プライマー「ES699118」は、ヤツカゼ2を識別するプライマー対で、140bp付近で増幅しない、というパターンを示す。しかし、同サイズで、エバガード及びヤツカゼも増幅しない、というパターンを示すため、「04−09F」、「03−04E」、「A09A18」、「C07H06」、「D02C22」のいずれかのプライマー対を使用して、エバガードと比較するとともに、「ES700403」のプライマー対を使用して、ヤツカゼと比較する必要がある。
【0025】
プライマー「ES699126」は、ポコロを識別するプライマー対で、250bp付近で増幅しない、というパターンを示す。しかし、同サイズで、エバガードも増幅しない、というパターンを示すため、「04−09F」、「03−04E」、「A09A18」、「C07H06」、「D02C22」のいずれかのプライマー対を使用して、エバガードと比較する必要がある。
【0026】
プライマー「ES699689」は、ヤツユタカを識別するプライマー対で、200bp付近で増幅する、というパターンを示す。
【0027】
プライマー「ES699983」は、トーブを識別するプライマー対で、160bp〜200bpの間で増幅する、というパターンを示す。しかし、同サイズで、カリブラも増幅が見られることから、「D02C22」又は「ES699164」のプライマー対を使用して、カリブラと比較する必要がある。
【0028】
プライマー「ES700403」は、ヤツカゼを識別するプライマー対で、150bp付近で増幅しない、というパターンを示す。
【0029】
プライマー「ES699164」は、カリブラを識別するプライマー対で、300bp付近で増幅しない、というパターンを示す。上記のプライマーを9品種内で比較した場合、見られるバンドパターンを、次の表2にまとめて示す。
【0030】
【表2】
【0031】
本発明では、ペレニアルライグラスのエバガード、カリブラ、トーブ、フレンド(本発明に含まれていない)、ポコロ、ヤツカゼ、ヤツカゼ2、ヤツユタカ及びハイブリッドライグラスのハイフローラの9品種から、CTAB法を用いて、ゲノムDNAを抽出する。
【0032】
抽出したゲノムDNA溶液は、一定濃度に調整し、10個体を混合し、バルクしたものをPCR用のテンプレートDNAとして使用する。
【0033】
ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラス対象品種から抽出したバルクDNAを用いて、PCR反応液を調製する。PCR反応液及びPCR条件は、後記する実施例に示したものが好適であるが、これらに制限されるものではなく、使用する機器に応じて、適宜修正することができる。
【0034】
PCR増幅産物は、色素マーカーを加え、ディネーチャーを行った後、遮光し、氷上に静置して、安定化させる。次いで、アクリルアミドゲルを使用して、電気泳動を行い、マーカーの増幅を確認する。本発明では、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの9品種のバルクDNAを使用して、電気泳動を行い、9品種内の複数の品種を同時に比較することができる。
【0035】
本発明では、識別対象のペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラス遺伝子の特定マーカーをPCR増幅し、そのマーカー遺伝子のサイズを確認することにより、又はバンドパターンを確認すること、すなわち、複数の遺伝子座のバンドの有無による組み合わせを確認することにより、品種の識別を実施する。本発明に係るプライマーを用いてPCR増幅した特定マーカー遺伝子の塩基配列を、図15〜19に示す。
【発明の効果】
【0036】
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)本発明により、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種を識別するペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスのSSRマーカーが提供される。
(2)単数又は複数のプライマー対を使用したPCRによる識別対象の遺伝子を増幅させ、そのマーカーのサイズ及びバンドパターンを検証することにより、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別を行うことができる。
(3)本発明により、エバガード、カリブラ、トーブ、ポコロ、ヤツカゼ、ヤツカゼ2、ヤツユタカ、ハイフローラからなる8品種相互での品種識別を行うことができる。
(4)個体単位の解析ではなく、複数個体のDNAを混合するバルクDNAをテンプレートDNAとすることにより、解析時間の短縮及び正確な品種識別が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施例における04−09Fを用いたPCRの電気泳動の結果を示す。Mは、サイズマーカーを示す。それぞれ5サンプルの電気泳動した結果を示す。図2〜14も同様である。
【図2】実施例における03−04Eを用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図3】実施例における10−10Cを用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図4】実施例におけるA09A18を用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図5】実施例におけるA09F11を用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図6】実施例におけるC07H06を用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図7】実施例におけるD02C22を用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図8】実施例におけるD09M22を用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図9】実施例におけるES699118を用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図10】実施例におけるES699126を用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図11】実施例におけるES699689を用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図12】実施例におけるES699983を用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図13】実施例におけるES700403を用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図14】実施例におけるES699164を用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図15】本発明に係るプライマーを用いてPCR増幅した特定マーカー遺伝子の塩基配列を示す。
【図16】本発明に係るプライマーを用いてPCR増幅した特定マーカー遺伝子の塩基配列を示す。
【図17】本発明に係るプライマーを用いてPCR増幅した特定マーカー遺伝子の塩基配列を示す。
【図18】本発明に係るプライマーを用いてPCR増幅した特定マーカー遺伝子の塩基配列を示す。
【図19】本発明に係るプライマーを用いてPCR増幅した特定マーカー遺伝子の塩基配列を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0039】
本実施例で使用した機器は、以下の通りである。
すなわち、本実施例では、TaKaRa PCR Thermal Cycler Dice Gradient (タカラバイオ株式会社)、及び、GeneAmp PCR System 9700(アプライドバイオシステムズジャパン株式会社)を用いた。
【0040】
本実施例で使用した試薬は、以下の通りである。
〈6%アクリルアミドゲル〉
アクリルアミドゲルとして、尿素(和光純薬工業株式会社)、アクリルアミド/ビス40%溶液19:1(日本バイオ・ラッドラボラトリーズ株式会社)、10xTBE buffer、10%APS、TEMED(和光純薬工業株式会社)を用いた。
【0041】
〈PCR反応液〉
PCR反応液として、AmpliTaq Gold(アプライドバイオシステムズジャパン株式会社)、1pmol/μl M13 Forward(−29)Primer:IRD700もしくはIRD800の蛍光標識を含む(日清紡)を用いた。色素マーカーとしては、GeneScan 500(アプライドバイオシステムズジャパン株式会社)又は100bp Fluorescein Ruler(日本バイオ・ラッドラボラトリーズ株式会社)を用いた。
【0042】
本実施例では、ペレニアルライグラスのエバガード、カリブラ、トーブ、フレンド、ポコロ、ヤツカゼ、ヤツカゼ2、ヤツユタカ、及びハイブリッドライグラスのハイフローラの9品種をテンプレートとして使用した。
【0043】
ペレニアルライグラスのエバガード、カリブラ、トーブ、フレンド、ポコロ、ヤツカゼ、ヤツカゼ2、ヤツユタカ及びハイブリッドライグラスのハイフローラの9品種から、CTAB法を用いて、ゲノムDNAを抽出した。
【0044】
抽出したDNA溶液は、滅菌水でDNA濃度を50ng/μlに調整し、10個体を混合し、バルクしたものを、PCR用のテンプレートDNAとして用いた。
【0045】
PCR反応液:計10μlは、以下の通りである。
ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラス対象品種から抽出したバルクDNA:1μl
GeneAmp 10×PCR Gold Buffer:1μl
GeneAmp dNTP MIX:1μl
25mM MgCl2:0.6μl
ddH2O:5.64μl
Primer Forwad(20pmol/μl):0.06μl
Primer Reverse(20pmol/μl):0.3μl
M13Forward(−29)Primer:0.3μl
AmpliTaq Gold(5 Units/μl):0.1μl
【0046】
PCR条件は、以下の通りである。
94℃1分−65℃1分−72℃1分30秒(2サイクル)94℃1分−65℃1分−72℃1分30秒(10サイクル。1サイクルごとに65℃を1℃ずつ下げていく)94℃1分−55℃1分−72℃1分30秒(30サイクル)で反応させた。PCR増幅産物は、色素マーカー20μlを加え、94℃3分のディネーチャーを行った後、遮光し、氷上で3分以上静置させた後、アクリルアミドゲルを使用して、電気泳動を行い、マーカーの増幅を確認した。
【0047】
本実施例では、ペレニアルライグラス8品種、及びハイブリッドライグラス1品種の合計9品種それぞれのバルクしたDNAを5サンプル使用して、電気泳動を行い、9品種を同時に比較した。
【0048】
プライマー「04−09F」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図1に示す。このプライマー対では、エバガードのみ350bp付近で増幅が無く、エバガードの識別に有効であった。
【0049】
プライマー「03−04E」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図2に示す。このプライマー対では、エバガードのみ350bp付近で増幅を示し、エバガードの識別に有効であった。
【0050】
プライマー「10−10C」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図3に示す。このプライマー対では、ヤツユタカのみ250bp付近で増幅を示し、ヤツユタカの識別に有効であった。
【0051】
プライマー「A09A18」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図4に示す。このプライマー対では、エバガードのみ120bp付近で増幅を示し、エバガードの識別に有効であった。
【0052】
プライマー「A09F11」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図5に示す。このプライマー対では、ハイフローラのみ300bp付近で増幅を示し、ハイフローラの識別に有効であった。
【0053】
プライマー「C07H06」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図6に示す。このプライマー対では、エバガードのみ200bp付近で増幅を示し、エバガードの識別に有効であった。
【0054】
プライマー「D02C22」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図7に示す。このプライマー対では、エバガードのみ1000bp付近で増幅が無く、エバガードの識別に有効であった。また、カリブラのみ200〜250bpの間で増幅を示し、カリブラの識別にも有効であった。
【0055】
プライマー「D09M22」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図8に示す。このプライマー対では、エバガードのみ250〜300bpの間で増幅が無く、エバガードの識別に有効であった。
【0056】
プライマー「ES699118」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図9に示す。このプライマー対では、ヤツカゼ2の140bp付近に増幅が無く、ヤツカゼ2の識別に有効であった。なお、エバガード及びヤツカゼも同サイズに増幅が無いため、「04−09F」、「03−04E」、「A09A18」、「C07H06」、「D02C22」のいずれかのプライマー対を使用して、エバガードと比較するとともに、「ES700403」のプライマー対を使用して、ヤツカゼと比較する必要がある。
【0057】
プライマー「ES699126」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図10に示す。このプライマー対では、ポコロの250bp付近に増幅が無く、ポコロの識別に有効であった。なお、エバガードも同サイズに増幅が無いため、「04−09F」、「03−04E」、「A09A18」、「C07H06」、「D02C22」のいずれかのプライマー対を使用して、エバガードと比較する必要がある。
【0058】
プライマー「ES699689」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図11に示す。このプライマー対では、ヤツユタカのみ200bp付近で増幅を示し、ヤツユタカの識別に有効であった。
【0059】
プライマー「ES699983」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図12に示す。このプライマー対では、トーブの160〜200bpの間で増幅を示し、トーブの識別に有効であった。なお、カリブラも同サイズで増幅を示すため、「D02C22」又は「ES699164」のプライマー対を使用して、カリブラと比較する必要がある。
【0060】
プライマー「ES700403」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図13に示す。このプライマー対では、ヤツカゼのみ150bp付近で増幅が無く、ヤツカゼの識別に有効であった。
【0061】
プライマー「ES699164」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図14に示す。このプライマー対では、カリブラのみ300bp付近で増幅が無く、カリブラの識別に有効であった。本発明に係るプライマーを用いてPCR増幅した特定マーカー遺伝子の塩基配列を、図15〜19に示す。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上詳述したように、本発明は、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別に有用なSSRプライマー対及びその利用に係るものであり、本発明により、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラス8品種の特定のSSR領域を増幅させるための遺伝子増幅用プライマーのFプライマー及びRプライマー対、該プライマーを利用してPCR増幅させた特定マーカー遺伝子を提供することができる。また、本発明は、単数又は複数のプライマー対を使用したPCRにより識別対象の遺伝子を増幅させ、そのマーカーのサイズ及びバンドパターンを検証することにより、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別を行うことができる。本発明により、ペレニアルライグラスのエバガード、カリブラ、トーブ、ポコロ、ヤツカゼ、ヤツカゼ2、ヤツユタカ及びハイブリッドライグラスのハイフローラからなる8品種相互での品種識別を行うことができる。本発明は、短い時間で、正確なペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別を可能にする新しい品種識別方法を提供するものとして有用である。
【符号の説明】
【0063】
1 エバガード
2 カリブラ
3 トーブ
4 フレンド
5 ポコロ
6 ヤツカゼ
7 ヤツカゼ2
8 ヤツユタカ
9 ハイフローラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別用のプライマー及びその利用に関するものであり、更に詳しくは、ペレニアルライグラス7品種及びハイブリッドライグラス1品種の合計8品種を識別することを可能とする、特定のSSR領域を増幅させるための遺伝子増幅用プライマーのFプライマー及びRプライマー対、及びその利用に関するものである。本発明は、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別用のSSRプライマー、及び該プライマーを利用してイタリアンライグラス及びハイブリッドライグラスのゲノムDNAをPCR増幅させた特定マーカー遺伝子、その増幅断片を比較することで品種を識別することを可能とするペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラス品種の識別方法に関する新技術・新製品を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
ペレニアルライグラス(Lolium perenne L.)及びハイブリッドライグラス(Lolium x boucheanum Kunth)は、主に飼料作物として利用される多年生の他殖性のイネ科植物である。先行技術として、主に飼料作物として利用される他殖性のイネ科牧草の品種識別法としては、イタリアンライグラスにおいて、12品種を識別する方法が開発されている(特許文献1参照)。
【0003】
この方法は、イタリアンライグラスのゲノム上のSSR(Simple Sequence Repeats)領域をPCRで増幅させ、増幅された断片の長さの違いを検出することで品種を識別するものである。しかし、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスにおいては、このような品種識別法が開発されていない。
【0004】
このため、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別は、これまで、圃場での特性調査により行われてきた。圃場での特性調査とは、例えば、一検体につき10個体6反復計60個体を栽培し、草丈、出穂月日、草型、葉身長等の形質を調査し、共に栽培した60個体の標準個体と比較して同品種かどうか判定を行う方法である。しかしながら、このような圃場での特性調査は、1)調査のための圃場が必要である、2)調査に多くの労力が必要である、3)調査結果が判明するまでに多くの時間が必要である、等の問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−237180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、短期間で、簡便且つ正確にペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラス8品種を識別できる新しい手法を開発することを目標として鋭意研究を重ねた結果、イタリアンライグラス及びペレニアルライグラスのゲノム上におけるSSR領域の両側の塩基配列を用いて作成したプライマーから増幅されるマーカーを用いることにより所期の目的を達成し得ることを見出し、更に研究を重ねて、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明は、労力及び時間が必要な従来の圃場での特性調査に代わり、短期間で、簡便且つ正確にペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別を可能にするPCR用のプライマー対、該プライマー対を利用して、PCR増幅させた特定マーカー遺伝子、及び該特定マーカーを利用したペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別用のプライマーであって、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスのゲノム上におけるSSR(Simple Sequence Repeats)領域を増幅させるための遺伝子増幅用プライマー対。
(2)イタリアンライグラスのゲノム上におけるSSR領域の両端の塩基配列を用いて設計した遺伝子増幅用プライマー対であって、配列表の配列番号1〜8のF(Forward)プライマー及び配列番号9〜16のR(Reverse)プライマーを1対とするプライマー対である、前記(1)に記載のプライマー対。
(3)ペレニアルライグラスのゲノム上におけるSSR領域の両端の塩基配列を用いて設計した遺伝子増幅用プライマー対であって、配列表の配列番号17〜22のF(Forward)プライマー及び配列番号23〜28のR(Reverse)プライマーを1対とするプライマー対である、前記(1)に記載のプライマー対。
(4)前記(2)及び(3)に記載のプライマー対の単数又は複数の組合せからなることを特徴とするペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別用プライマーセット。
(5)前記(1)から(4)のいずれかに記載のプライマーを利用してペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスのゲノム上におけるSSR領域をPCR増幅させたことを特徴とする特定マーカー遺伝子。
(6)配列表の配列番号29〜36のいずれかの塩基配列を有する、前記(5)に記載の特定マーカー遺伝子。
(7)ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスのゲノム上におけるSSR領域を増幅する前記(1)から(4)のいずれかに記載のプライマーから増幅されるマーカーを使用し、識別対象のペレニアルライグラス又はハイブリッドライグラスDNAのPCR増幅産物の多型を確認することで品種の識別を行うことを特徴とするペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別方法。
(8)識別対象のペレニアルライグラス又はハイブリッドライグラス遺伝子のPCR増幅産物である特定マーカー遺伝子のサイズ又はバンドパターンに基づいて、品種の識別を行うことを特徴とするペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別方法。
(9)対象品種のバルクDNAをテンプレートDNAとして使用したペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラス遺伝子のPCRによる増幅を行い、同時に、数品種の識別を行う、前記(7)又は(8)に記載の方法。
(10)エバガード、カリブラ、トーブ、ポコロ、ヤツカゼ、ヤツカゼ2、ヤツユタカの7品種からなるペレニアルライグラス、及びハイフローラの1品種からなるハイブリッドライグラスの合計8品種を識別する、前記(7)から(9)のいずれかに記載の方法。
【0009】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別用のプライマーであって、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスのゲノム上におけるSSR領域を増幅させるための遺伝子増幅用プライマー対の点に特徴を有するものである。また、本発明は、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別方法であって、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスのゲノム上におけるSSR領域を増幅する上記のプライマーから増幅されるマーカーを使用し、識別対象のペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスDNAのPCRによる増幅を行い、その増幅産物の多型を確認することで、品種の識別を行うことを特徴とするものである。
【0010】
本発明では、イタリアンライグラス及びペレニアルライグラスのゲノム上におけるSSR領域の両側の塩基配列を用いて作成したプライマー対から、識別対象のペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラス遺伝子の特定マーカーをPCR増幅し、そのマーカー遺伝子のサイズ又はバンドパターン(複数の遺伝子座のバンドの有無による組み合わせ)を確認することで、品種の識別を行う。
【0011】
本発明では、個体単位での解析が不要となるため、対象品種のバルクDNAを使用したペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラス遺伝子のPCRによる増幅を行い、同時に、数品種の識別を行う。他殖性であるペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスは、個体間で遺伝的に異なるが、バルクDNAをテンプレートとして用いることによって、この品種の非特異的な個体間の差異を無くし、且つ効率よく、品種の識別が可能となる。
【0012】
本発明では、2〜5塩基が高頻度に繰り返された配列からなるSSR領域の両側を挟むように設計した遺伝子増幅用プライマーの14対のプライマー(表1参照)で、単数又は複数のプライマー対を使用し、対象となるペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラス8品種について、PCR増幅を行い、その増幅断片を比較することで、品種を識別する。
【0013】
本発明では、実際の使用時に、バルクDNAをテンプレートとすることを想定し、品種特異的なSSRマーカーを選抜するため、対象品種のゲノムDNAを複数個体バルクしたDNAをテンプレートとすることにより識別を行う。そのため、本発明では、例えば、濃度を一定にしたペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスのDNAを10個体合わせて、バルクDNAテンプレートとして使用する。
【0014】
本発明で使用されるSSRプライマー対は、プライマー設計ソフトウエア「Primer0.5,ftp://ftp−genome.wi.mit.edu/distribution/software/Primer0.5」を使用して作成した。本発明のペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別に有用なプライマー対の配列を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
次に、上記表1の配列のプライマー対の9品種内での増幅型の詳細について説明する(表2参照)。プライマー「04−09F」は、エバガードを識別するプライマー対で、350bp付近で増幅しない、すなわち、品種特異的に特定bpの増幅がみられない、というパターンを示す。
【0017】
プライマー「03−04E」は、エバガードを識別するプライマー対で、350bp付近で増幅する、すなわち、品種特異的に特定bpの増幅がある、というパターンを示す。
【0018】
プライマー「10−10C」は、ヤツユタカを識別するプライマー対で、250bp付近で増幅する、というパターンを示す。
【0019】
プライマー「A09A18」は、エバガードを識別するプライマー対で、120bp付近で増幅する、というパターンを示す。
【0020】
プライマー「A09F11」は、ハイフローラを識別するプライマー対で、300bp付近で増幅する、というパターンを示す。
【0021】
プライマー「C07H06」は、エバガードを識別するプライマー対で、200bp付近で増幅する、というパターンを示す。
【0022】
プライマー「D02C22」は、エバガード及びカリブラを識別するプライマー対で、1000bp付近でエバガードが増幅しない、というパターンを示し、200bp〜250bpの間でカリブラが増幅する、というパターンを示す。
【0023】
プライマー「D09M22」は、エバガードを識別するプライマー対で、250bp〜300bpの間で増幅しない、というパターンを示す。
【0024】
プライマー「ES699118」は、ヤツカゼ2を識別するプライマー対で、140bp付近で増幅しない、というパターンを示す。しかし、同サイズで、エバガード及びヤツカゼも増幅しない、というパターンを示すため、「04−09F」、「03−04E」、「A09A18」、「C07H06」、「D02C22」のいずれかのプライマー対を使用して、エバガードと比較するとともに、「ES700403」のプライマー対を使用して、ヤツカゼと比較する必要がある。
【0025】
プライマー「ES699126」は、ポコロを識別するプライマー対で、250bp付近で増幅しない、というパターンを示す。しかし、同サイズで、エバガードも増幅しない、というパターンを示すため、「04−09F」、「03−04E」、「A09A18」、「C07H06」、「D02C22」のいずれかのプライマー対を使用して、エバガードと比較する必要がある。
【0026】
プライマー「ES699689」は、ヤツユタカを識別するプライマー対で、200bp付近で増幅する、というパターンを示す。
【0027】
プライマー「ES699983」は、トーブを識別するプライマー対で、160bp〜200bpの間で増幅する、というパターンを示す。しかし、同サイズで、カリブラも増幅が見られることから、「D02C22」又は「ES699164」のプライマー対を使用して、カリブラと比較する必要がある。
【0028】
プライマー「ES700403」は、ヤツカゼを識別するプライマー対で、150bp付近で増幅しない、というパターンを示す。
【0029】
プライマー「ES699164」は、カリブラを識別するプライマー対で、300bp付近で増幅しない、というパターンを示す。上記のプライマーを9品種内で比較した場合、見られるバンドパターンを、次の表2にまとめて示す。
【0030】
【表2】
【0031】
本発明では、ペレニアルライグラスのエバガード、カリブラ、トーブ、フレンド(本発明に含まれていない)、ポコロ、ヤツカゼ、ヤツカゼ2、ヤツユタカ及びハイブリッドライグラスのハイフローラの9品種から、CTAB法を用いて、ゲノムDNAを抽出する。
【0032】
抽出したゲノムDNA溶液は、一定濃度に調整し、10個体を混合し、バルクしたものをPCR用のテンプレートDNAとして使用する。
【0033】
ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラス対象品種から抽出したバルクDNAを用いて、PCR反応液を調製する。PCR反応液及びPCR条件は、後記する実施例に示したものが好適であるが、これらに制限されるものではなく、使用する機器に応じて、適宜修正することができる。
【0034】
PCR増幅産物は、色素マーカーを加え、ディネーチャーを行った後、遮光し、氷上に静置して、安定化させる。次いで、アクリルアミドゲルを使用して、電気泳動を行い、マーカーの増幅を確認する。本発明では、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの9品種のバルクDNAを使用して、電気泳動を行い、9品種内の複数の品種を同時に比較することができる。
【0035】
本発明では、識別対象のペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラス遺伝子の特定マーカーをPCR増幅し、そのマーカー遺伝子のサイズを確認することにより、又はバンドパターンを確認すること、すなわち、複数の遺伝子座のバンドの有無による組み合わせを確認することにより、品種の識別を実施する。本発明に係るプライマーを用いてPCR増幅した特定マーカー遺伝子の塩基配列を、図15〜19に示す。
【発明の効果】
【0036】
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)本発明により、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種を識別するペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスのSSRマーカーが提供される。
(2)単数又は複数のプライマー対を使用したPCRによる識別対象の遺伝子を増幅させ、そのマーカーのサイズ及びバンドパターンを検証することにより、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別を行うことができる。
(3)本発明により、エバガード、カリブラ、トーブ、ポコロ、ヤツカゼ、ヤツカゼ2、ヤツユタカ、ハイフローラからなる8品種相互での品種識別を行うことができる。
(4)個体単位の解析ではなく、複数個体のDNAを混合するバルクDNAをテンプレートDNAとすることにより、解析時間の短縮及び正確な品種識別が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施例における04−09Fを用いたPCRの電気泳動の結果を示す。Mは、サイズマーカーを示す。それぞれ5サンプルの電気泳動した結果を示す。図2〜14も同様である。
【図2】実施例における03−04Eを用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図3】実施例における10−10Cを用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図4】実施例におけるA09A18を用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図5】実施例におけるA09F11を用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図6】実施例におけるC07H06を用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図7】実施例におけるD02C22を用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図8】実施例におけるD09M22を用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図9】実施例におけるES699118を用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図10】実施例におけるES699126を用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図11】実施例におけるES699689を用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図12】実施例におけるES699983を用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図13】実施例におけるES700403を用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図14】実施例におけるES699164を用いたPCRの電気泳動の結果を示す。
【図15】本発明に係るプライマーを用いてPCR増幅した特定マーカー遺伝子の塩基配列を示す。
【図16】本発明に係るプライマーを用いてPCR増幅した特定マーカー遺伝子の塩基配列を示す。
【図17】本発明に係るプライマーを用いてPCR増幅した特定マーカー遺伝子の塩基配列を示す。
【図18】本発明に係るプライマーを用いてPCR増幅した特定マーカー遺伝子の塩基配列を示す。
【図19】本発明に係るプライマーを用いてPCR増幅した特定マーカー遺伝子の塩基配列を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0039】
本実施例で使用した機器は、以下の通りである。
すなわち、本実施例では、TaKaRa PCR Thermal Cycler Dice Gradient (タカラバイオ株式会社)、及び、GeneAmp PCR System 9700(アプライドバイオシステムズジャパン株式会社)を用いた。
【0040】
本実施例で使用した試薬は、以下の通りである。
〈6%アクリルアミドゲル〉
アクリルアミドゲルとして、尿素(和光純薬工業株式会社)、アクリルアミド/ビス40%溶液19:1(日本バイオ・ラッドラボラトリーズ株式会社)、10xTBE buffer、10%APS、TEMED(和光純薬工業株式会社)を用いた。
【0041】
〈PCR反応液〉
PCR反応液として、AmpliTaq Gold(アプライドバイオシステムズジャパン株式会社)、1pmol/μl M13 Forward(−29)Primer:IRD700もしくはIRD800の蛍光標識を含む(日清紡)を用いた。色素マーカーとしては、GeneScan 500(アプライドバイオシステムズジャパン株式会社)又は100bp Fluorescein Ruler(日本バイオ・ラッドラボラトリーズ株式会社)を用いた。
【0042】
本実施例では、ペレニアルライグラスのエバガード、カリブラ、トーブ、フレンド、ポコロ、ヤツカゼ、ヤツカゼ2、ヤツユタカ、及びハイブリッドライグラスのハイフローラの9品種をテンプレートとして使用した。
【0043】
ペレニアルライグラスのエバガード、カリブラ、トーブ、フレンド、ポコロ、ヤツカゼ、ヤツカゼ2、ヤツユタカ及びハイブリッドライグラスのハイフローラの9品種から、CTAB法を用いて、ゲノムDNAを抽出した。
【0044】
抽出したDNA溶液は、滅菌水でDNA濃度を50ng/μlに調整し、10個体を混合し、バルクしたものを、PCR用のテンプレートDNAとして用いた。
【0045】
PCR反応液:計10μlは、以下の通りである。
ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラス対象品種から抽出したバルクDNA:1μl
GeneAmp 10×PCR Gold Buffer:1μl
GeneAmp dNTP MIX:1μl
25mM MgCl2:0.6μl
ddH2O:5.64μl
Primer Forwad(20pmol/μl):0.06μl
Primer Reverse(20pmol/μl):0.3μl
M13Forward(−29)Primer:0.3μl
AmpliTaq Gold(5 Units/μl):0.1μl
【0046】
PCR条件は、以下の通りである。
94℃1分−65℃1分−72℃1分30秒(2サイクル)94℃1分−65℃1分−72℃1分30秒(10サイクル。1サイクルごとに65℃を1℃ずつ下げていく)94℃1分−55℃1分−72℃1分30秒(30サイクル)で反応させた。PCR増幅産物は、色素マーカー20μlを加え、94℃3分のディネーチャーを行った後、遮光し、氷上で3分以上静置させた後、アクリルアミドゲルを使用して、電気泳動を行い、マーカーの増幅を確認した。
【0047】
本実施例では、ペレニアルライグラス8品種、及びハイブリッドライグラス1品種の合計9品種それぞれのバルクしたDNAを5サンプル使用して、電気泳動を行い、9品種を同時に比較した。
【0048】
プライマー「04−09F」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図1に示す。このプライマー対では、エバガードのみ350bp付近で増幅が無く、エバガードの識別に有効であった。
【0049】
プライマー「03−04E」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図2に示す。このプライマー対では、エバガードのみ350bp付近で増幅を示し、エバガードの識別に有効であった。
【0050】
プライマー「10−10C」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図3に示す。このプライマー対では、ヤツユタカのみ250bp付近で増幅を示し、ヤツユタカの識別に有効であった。
【0051】
プライマー「A09A18」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図4に示す。このプライマー対では、エバガードのみ120bp付近で増幅を示し、エバガードの識別に有効であった。
【0052】
プライマー「A09F11」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図5に示す。このプライマー対では、ハイフローラのみ300bp付近で増幅を示し、ハイフローラの識別に有効であった。
【0053】
プライマー「C07H06」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図6に示す。このプライマー対では、エバガードのみ200bp付近で増幅を示し、エバガードの識別に有効であった。
【0054】
プライマー「D02C22」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図7に示す。このプライマー対では、エバガードのみ1000bp付近で増幅が無く、エバガードの識別に有効であった。また、カリブラのみ200〜250bpの間で増幅を示し、カリブラの識別にも有効であった。
【0055】
プライマー「D09M22」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図8に示す。このプライマー対では、エバガードのみ250〜300bpの間で増幅が無く、エバガードの識別に有効であった。
【0056】
プライマー「ES699118」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図9に示す。このプライマー対では、ヤツカゼ2の140bp付近に増幅が無く、ヤツカゼ2の識別に有効であった。なお、エバガード及びヤツカゼも同サイズに増幅が無いため、「04−09F」、「03−04E」、「A09A18」、「C07H06」、「D02C22」のいずれかのプライマー対を使用して、エバガードと比較するとともに、「ES700403」のプライマー対を使用して、ヤツカゼと比較する必要がある。
【0057】
プライマー「ES699126」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図10に示す。このプライマー対では、ポコロの250bp付近に増幅が無く、ポコロの識別に有効であった。なお、エバガードも同サイズに増幅が無いため、「04−09F」、「03−04E」、「A09A18」、「C07H06」、「D02C22」のいずれかのプライマー対を使用して、エバガードと比較する必要がある。
【0058】
プライマー「ES699689」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図11に示す。このプライマー対では、ヤツユタカのみ200bp付近で増幅を示し、ヤツユタカの識別に有効であった。
【0059】
プライマー「ES699983」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図12に示す。このプライマー対では、トーブの160〜200bpの間で増幅を示し、トーブの識別に有効であった。なお、カリブラも同サイズで増幅を示すため、「D02C22」又は「ES699164」のプライマー対を使用して、カリブラと比較する必要がある。
【0060】
プライマー「ES700403」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図13に示す。このプライマー対では、ヤツカゼのみ150bp付近で増幅が無く、ヤツカゼの識別に有効であった。
【0061】
プライマー「ES699164」を使用し、PCRを行った。その電気泳動の結果を図14に示す。このプライマー対では、カリブラのみ300bp付近で増幅が無く、カリブラの識別に有効であった。本発明に係るプライマーを用いてPCR増幅した特定マーカー遺伝子の塩基配列を、図15〜19に示す。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上詳述したように、本発明は、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別に有用なSSRプライマー対及びその利用に係るものであり、本発明により、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラス8品種の特定のSSR領域を増幅させるための遺伝子増幅用プライマーのFプライマー及びRプライマー対、該プライマーを利用してPCR増幅させた特定マーカー遺伝子を提供することができる。また、本発明は、単数又は複数のプライマー対を使用したPCRにより識別対象の遺伝子を増幅させ、そのマーカーのサイズ及びバンドパターンを検証することにより、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別を行うことができる。本発明により、ペレニアルライグラスのエバガード、カリブラ、トーブ、ポコロ、ヤツカゼ、ヤツカゼ2、ヤツユタカ及びハイブリッドライグラスのハイフローラからなる8品種相互での品種識別を行うことができる。本発明は、短い時間で、正確なペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別を可能にする新しい品種識別方法を提供するものとして有用である。
【符号の説明】
【0063】
1 エバガード
2 カリブラ
3 トーブ
4 フレンド
5 ポコロ
6 ヤツカゼ
7 ヤツカゼ2
8 ヤツユタカ
9 ハイフローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別用のプライマーであって、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスのゲノム上におけるSSR(Simple Sequence Repeats)領域を増幅させるための遺伝子増幅用プライマー対。
【請求項2】
イタリアンライグラスのゲノム上におけるSSR領域の両端の塩基配列を用いて設計した遺伝子増幅用プライマー対であって、配列表の配列番号1〜8のF(Forward)プライマー及び配列番号9〜16のR(Reverse)プライマーを1対とするプライマー対である、請求項1に記載のプライマー対。
【請求項3】
ペレニアルライグラスのゲノム上におけるSSR領域の両端の塩基配列を用いて設計した遺伝子増幅用プライマー対であって、配列表の配列番号17〜22のF(Forward)プライマー及び配列番号23〜28のR(Reverse)プライマーを1対とするプライマー対である、請求項1に記載のプライマー対。
【請求項4】
請求項2及び3に記載のプライマー対の単数又は複数の組合せからなることを特徴とするペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別用プライマーセット。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のプライマーを利用してペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスのゲノム上におけるSSR領域をPCR増幅させたことを特徴とする特定マーカー遺伝子。
【請求項6】
配列表の配列番号29〜36のいずれかの塩基配列を有する、請求項5に記載の特定マーカー遺伝子。
【請求項7】
ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスのゲノム上におけるSSR領域を増幅する請求項1から4のいずれかに記載のプライマーから増幅されるマーカーを使用し、識別対象のペレニアルライグラス又はハイブリッドライグラスDNAのPCR増幅産物の多型を確認することで品種の識別を行うことを特徴とするペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別方法。
【請求項8】
識別対象のペレニアルライグラス又はハイブリッドライグラス遺伝子のPCR増幅産物である特定マーカー遺伝子のサイズ又はバンドパターンに基づいて、品種の識別を行うことを特徴とするペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別方法。
【請求項9】
対象品種のバルクDNAをテンプレートDNAとして使用したペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラス遺伝子のPCRによる増幅を行い、同時に、数品種の識別を行う、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
エバガード、カリブラ、トーブ、ポコロ、ヤツカゼ、ヤツカゼ2、ヤツユタカの7品種からなるペレニアルライグラス、及びハイフローラの1品種からなるハイブリッドライグラスの合計8品種を識別する、請求項7から9のいずれかに記載の方法。
【請求項1】
ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別用のプライマーであって、ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスのゲノム上におけるSSR(Simple Sequence Repeats)領域を増幅させるための遺伝子増幅用プライマー対。
【請求項2】
イタリアンライグラスのゲノム上におけるSSR領域の両端の塩基配列を用いて設計した遺伝子増幅用プライマー対であって、配列表の配列番号1〜8のF(Forward)プライマー及び配列番号9〜16のR(Reverse)プライマーを1対とするプライマー対である、請求項1に記載のプライマー対。
【請求項3】
ペレニアルライグラスのゲノム上におけるSSR領域の両端の塩基配列を用いて設計した遺伝子増幅用プライマー対であって、配列表の配列番号17〜22のF(Forward)プライマー及び配列番号23〜28のR(Reverse)プライマーを1対とするプライマー対である、請求項1に記載のプライマー対。
【請求項4】
請求項2及び3に記載のプライマー対の単数又は複数の組合せからなることを特徴とするペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別用プライマーセット。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のプライマーを利用してペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスのゲノム上におけるSSR領域をPCR増幅させたことを特徴とする特定マーカー遺伝子。
【請求項6】
配列表の配列番号29〜36のいずれかの塩基配列を有する、請求項5に記載の特定マーカー遺伝子。
【請求項7】
ペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスのゲノム上におけるSSR領域を増幅する請求項1から4のいずれかに記載のプライマーから増幅されるマーカーを使用し、識別対象のペレニアルライグラス又はハイブリッドライグラスDNAのPCR増幅産物の多型を確認することで品種の識別を行うことを特徴とするペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別方法。
【請求項8】
識別対象のペレニアルライグラス又はハイブリッドライグラス遺伝子のPCR増幅産物である特定マーカー遺伝子のサイズ又はバンドパターンに基づいて、品種の識別を行うことを特徴とするペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラスの品種識別方法。
【請求項9】
対象品種のバルクDNAをテンプレートDNAとして使用したペレニアルライグラス及びハイブリッドライグラス遺伝子のPCRによる増幅を行い、同時に、数品種の識別を行う、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
エバガード、カリブラ、トーブ、ポコロ、ヤツカゼ、ヤツカゼ2、ヤツユタカの7品種からなるペレニアルライグラス、及びハイフローラの1品種からなるハイブリッドライグラスの合計8品種を識別する、請求項7から9のいずれかに記載の方法。
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図1】
【図2】
【図3】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−211933(P2011−211933A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81534(P2010−81534)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(501025388)社団法人日本草地畜産種子協会 (11)
【出願人】(301029403)独立行政法人家畜改良センター (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(501025388)社団法人日本草地畜産種子協会 (11)
【出願人】(301029403)独立行政法人家畜改良センター (12)
【Fターム(参考)】
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