説明

ポジ型感光性ポリイミド組成物

【課題】有機溶剤に可溶で、しかも接着性、耐熱性、機械的特性及びフレキシブル性に優れ、光照射によってアルカリ可溶の高感度ポジ型フォトレジストの特性を示す感光性ポリイミド組成物を提供する。
【解決手段】光酸発生剤と、該光酸発生剤の存在下にポジ型感光性を示す溶剤可溶のポリイミドとを含むポジ型感光性ポリイミド組成物。前記ポリイミドは、光増感性芳香族ジアミン及び/又は光分解酸によりアルカリ可溶性を示す芳香族ジアミンをジアミン成分として含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポジ型感光性ポリイミド組成物、それから形成された絶縁膜及びそれを用いる絶縁膜パターンの形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
感光性樹脂組成物は、A)露光した部分の極性が変化し、溶解性に差の出る極性変化型、B)露光により化学結合が切れ、露光部が可溶化する切断型、C)架橋反応が進み露光部分が不溶化する架橋型に分類される。極性変化型は、現像液組成によって、ポジ型としてもネガ型としても利用できる。切断型はポジ型として、架橋型は原理上ネガ型として利用可能である。また、架橋型感光材料は、有機溶媒現像により、露光部の膨潤が起こるため高解度の微細加工を行う上で不利となる。
【0003】
近年、フレキシブル配線板のオーバーコート材や多層基板の層間絶縁膜、半導体工業における固体素子への絶縁膜やパッシベーション膜の成型材料、及び半導体集積回路や多層プリント配線板等の層間絶縁材料は、耐熱性に富むことが要請され、また高密度化、高集積化の要求から感光性を有する耐熱材料が求められている。
【0004】
ミクロ電子工業の半導体集積部品となる半導体基材は、フォトレジストで被覆する。フォトレジスト層の画像形成及び現像によって、フォトレジストレリーフ構造を作り出す。このレリーフ構造は、回路パターンを半導体基材上に作るためのマスクとして使用する。この加工サイクルによって、マイクロチップのレリーフ構造を基材に移すことができる。
【0005】
フォトレジストには、異なる2種のフォトレジスト、ポジ型フォトレジストとネガ型フォトレジストがある。この違いは、ポジ型フォトレジストの露光域が現像プロセスによって除去され、未現像領域が基材上に残る。一方、ネガ型フォトレジストの照射域はレリーフ構造として残る。ポジ型フォトレジストは、本質的に高い画像分解能を有し、VLSI(超大規模集積回路)の製造に適する。
【0006】
従来より用いられているポジ型フォトレジストは、水性アルカリに可溶な一種のノボラック型樹脂と、アルカリ中においてこの樹脂の溶解度を低減させる感光性キノンジアジドを含有する。このフォトレジスト層を照射するとキノンジアジドは光励起してカルボン酸に構造変換し、露光域ではアルカリへの溶解度を増大する。従って、水性アルカリ現像をして、ポジ型フォトレジストレリーフ構造が得られる(USP36664735他)。
【0007】
工業的実施に要するフォトレジスト組成物の特性は、塗布溶剤中でのフォトレジストの溶解度、フォトレジストの感光速度、現像コントラスト、環境面で許される現像液の溶解度、フォトレジストの密着性、高温での寸法安定性及び耐摩耗性である。
【0008】
露光、現像によって得られたフォトレジストレリーフの構造は、通常、120℃乃至180℃の範囲内で熱処理(ポストベーク)を受ける。この目的は、基材に対するフォトレジストの接着性の向上、フォトレジスト構造の硬化及びその後に続くエッチングによる浸蝕の低減をもたらすために、なお残る全ての揮発成分を除去することにある。
【0009】
しかし、プラズマエッチングでは200℃を超える温度が基材に生じる。ノボラック樹脂に安定化改質剤をベースにするフォトレジストを180℃以上に熱安定化することはできない。
【0010】
ポリイミド樹脂は、約400℃の高温に耐え、かつ、薬品に対しても安定である。従って、耐熱性フォトレジスト層の形成に有効である。
【0011】
従来使用されているポリイミドのフォトレジストは、ネガ型の作用をする。このネガ型フォトレジストの基本系は光反応性側鎖を持つポリアミド酸ポリマーから成り立つ。しかし、この基材は、貯蔵安定性が悪く、感光速度が非常に遅く、且つ現像、硬化後に過大な構造収縮(ポストベーク後の収縮率が60%程度)を生じるという難点がある。この組成の材料は、高い分解度の構造体を得るためには10分間程度の露光処理が必要であり、厚膜フィルムを塗布する高濃度溶液では、特に貯蔵安定性が悪い。
【0012】
ポジ型フォトレジストは、解像度が高く、短時間の露光、アルカリ現像性に優れている。フェノール基をもつポジ型高温型フォトレジストが開発された。3,3'―ジヒドキシー4,4’―ジアミノビフェニルとイソフタル酸ジクロリドの反応によるポリオキサゾール前躯体が合成された。この組成物は、O−キノンジアジド又はナフトキノンジアジドと混合して、高感度のポジ型感光性ポリオキサゾール前躯体を作り、加工後にポリオキサゾールとしてポリイミド膜とほぼ同じレベルの耐熱性、機械的特性を示す材料であることが示されている(USP4339521、USP4395482)。
【0013】
ヘキサフルオロー2、2―ビス(ヒドロキシアミノフェノール)プロパンと ヘキサフルオロー2、2―ビス(ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物(6FDA)、又は3,4,3',4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(BTDA)、又は5,5’ーオキシービスー1,3―イソベンゾフランジオン(4,4'―オキシジフタル酸二無水物)とで溶剤可溶のポリイミドが合成され、これにO−ナフトキノンジアジドが混合されてポジ型感光性ポリイミドとされた。この方法(特開昭64―60630公報、USP4927736)においては、フッ素原子含有のポリイミドは、極性溶媒に可溶である。p−トルエンスルホン酸を触媒として、140〜160℃に加熱して、直接ポリイミド溶液を合成する新規な方法が採用された。しかし、触媒とポリイミドとを分離するためにポリイミド溶液をメタノール中に注いでポリイミド樹脂を沈殿として回収し、ついで再溶解するという工業的に不適当な方法が採用されている。
【0014】
フェノール基、又はカルボン酸基をテトラヒドロー2H−ピラニル基で保護してアルカリ可溶性を消失させ,これに光酸発生剤を加え、光照射すると光で酸が発生し、この酸によってヒドロキシル基、又はカルボン酸基のブロックが分解してアルカリ可溶となる。露光後に加熱処理を行うと酸が触媒的に複数のブロックを外して増幅効果が生じて高感度化される(T.Omote他;Macromol., 23, 4788 (1990),K.Naitoh他;Polym. Adv. Technol. 4, 294 (1993)、K.Naitoh他;J. Photopolym. Sci. Technol. 4, 294 (1993)、 T.Yamaoka他;Photosensitive Polyimides Fundamental & Application, 177-211, Technomic Publish Company Inc. USA(1995))。
【0015】
ポリアミド酸のカルボキシ基を2―ニトロベンジルアルコールのエステルにして、アルカリ可溶性を防ぎ、これに光照射することによって、2―ニトロベンジル基のエステルは分解してカルボン酸を生成することによりアルカリ可溶となるポジ型感光性ポリアミド酸が発表された(S.Kubota他;J. Macromol. Sci. Chem. A24 (10) 1407 (1987)、山岡亜夫他;Polyfile 2, 14(1990))。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】USP36664735
【特許文献2】USP4339521
【特許文献3】USP4395482
【特許文献4】特開昭64―60630公報
【特許文献5】USP4927736
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】T.Omote他;Macromol., 23, 4788 (1990),K.Naitoh他;Polym. Adv. Technol. 4, 294 (1993)
【非特許文献2】K.Naitoh他;J. Photopolym. Sci. Technol. 4, 294 (1993)
【非特許文献3】T.Yamaoka他;Photosensitive Polyimides Fundamental & Application, 177-211, Technomic Publish Company Inc. USA(1995)
【非特許文献4】S.Kubota他;J. Macromol. Sci. Chem. A24 (10) 1407 (1987)
【非特許文献5】山岡亜夫他;Polyfile 2, 14(1990)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、有機溶剤に可溶で、しかも接着性、耐熱性、機械的特性及びフレキシブル性に優れ、光照射によってアルカリ可溶の高感度ポジ型フォトレジストの特性を示す感光性ポリイミド組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本願発明者らは、鋭意研究の結果、溶剤可溶なポリイミドと光酸発生剤とを組み合わせることにより、光照射によってアルカリ可溶となる高感度のポジ型感光性ポリイミド組成物が得られ、該ポジ型感光性ポリイミド組成物から構成される絶縁膜が接着性、耐熱性、機械的特性及びフレキシブル性に優れていることを見出し、本発明を完成した。
【0020】
すなわち、本発明は、光酸発生剤と、該光酸発生剤の存在下にポジ型感光性を示す溶剤可溶のポリイミドとを含むポジ型感光性ポリイミド組成物を提供する。また、本発明は、溶剤に溶解した上記本発明の組成物を製膜したポジ型感光性樹脂フィルムを提供する。さらに、本発明は、溶剤に溶解した上記本発明の組成物を基材上に被覆し、乾燥し、光線又は電子線照射によって画像を露光し、その照射域をアルカリ性溶液現像液で除去して形成したパターンを有するポリイミド絶縁膜を提供する。さらに、本発明は、溶剤に溶解した上記本発明の組成物を基材上に被覆し、乾燥し、光線又は電子線照射によって画像を露光し、その照射域をアルカリ性溶液現像液で除去するポリイミド絶縁膜パターンの形成方法を提供する。
【0021】
本発明により、光照射によってアルカリ可溶となるポジ型感光性ポリイミド組成物が提供された。該ポジ型感光性ポリイミド組成物は、感度が高い、すなわち、極めて良好な画像解像度が得られる。本発明のポジ型感光性ポリイミド組成物から構成される絶縁膜は接着性、耐熱性、機械的特性及びフレキシブル性に優れている。従って、該絶縁膜は、高温度耐熱性、電気絶縁性、接着性を有したポリイミド絶縁膜であり、半導体や電子部品等の製造分野に幅広く利用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
上述のように、本発明のポジ型感光性ポリイミド組成物は、光酸発生剤と、該光酸発生剤の存在下にポジ型感光性を示す溶剤可溶のポリイミドとを含むものである。
【0023】
ここで、光酸発生剤とは、光線又は電子線の照射を受けると酸を発生する化合物である。酸の作用により、ポリイミドは分解されてアルカリ可溶性になるので、本発明で採用される光酸発生剤は特に限定されず、光線又は電子線の照射を受けると酸を発生するいずれの化合物をも用いることができる。好ましい光酸発生剤として感光性キノンジアジド化合物及びオニウム塩を挙げることができる。
【0024】
感光性キノンジアジド化合物の好ましい例として、1,2―ナフトキノンー2―ジアジドー5―スルホン酸、1,2―ナフトキノンー2―ジアジドー4―スルホンの低分子芳香族ヒドロキシ化合物、例えば2,3,4―トリヒドロキシベンゾフェノン、1,3,5―トリヒドロキシベンゼン並びに2―及び4―メチルーフェノール、4,4'―ヒドロキシープロパンのエステルを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0025】
オニウム塩の好ましい例として、アリールジアゾニウム塩、例えば4(N−フェニル)アミノフェニルジアゾニウム塩、ジアリールハロニウム塩、例えばジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、例えばビス{4―(ジフェニルスルホニオ)フェニル}スルフィド、ビスヘキサフルオロアンチモナートを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0026】
本発明のポリイミド組成物中に含まれるポリイミドは、本質的に芳香族ジアミン成分と芳香族酸成分とから成り、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸ジ無水物との直接的なイミド化反応により製造されるものである。
【0027】
本発明のポリイミド組成物中に含まれるポリイミドを構成する芳香族ジアミン成分の好ましい例(モノマーの形態で記載)として、4,4’―ジアミノジフェニルエーテル、3,4’―ジアミノジフェニルエーテル、ビス(4―フェノキシ)1,4―ベンゼン、ビス(3―フェノキシ)1,4―ベンゼン、ビス(3―フェノキシ)1,3―ベンゼン、2,2―ビス(4―アミノフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3―ヘキサフルオロー2―ビス(4―アミノフェニル)プロパン、4,4’―ジアミノジフェニルメタン、ビス(4―アミノフェノキシ)4,4’―ジフェニル、2,2―ビス{(4―アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、2,2―ビス{(4―アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオルプロパン、1,3―ジアミノベンゼン、1,4―ジアミノベンゼン、2,4―ジアミノトルエン、3,3’―ジメチルー4,4’―ジアミノビフェニル、2,2’―ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、α,α’―ビス(4―アミノフェニル)―1,4―ジイソプロピルベンゼン、ビス(4―アミノフェノキシ)―1,3―(2,2―ジメチル)プロパン及びジアミノシロキサンを挙げることができる。これらの芳香族ジアミン成分は、単独で又は組み合わせて採用することができる。
【0028】
本発明のポリイミド組成物中に含まれるポリイミドを構成する芳香族酸成分の好ましい例(モノマーの形態で記載)として、3,4,3’,4’―ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物、3,4,3’,4’―ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物、ピロメリット酸ジ無水物、2,3,3’,4’―ビフェニルエーテルテトラカルボン酸ジ無水物、1,2,5,6―ナフタレンテトラカルボン酸ジ無水物、2,3,5,6―ピリジンテトラカルボン酸ジ無水物、3,4,3’,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸ジ無水物、ビシクロ(2,2,2)−オクト−7−エン−2,3,5,6―テトラカルボン酸ジ無水物、4,4’―{2及び2,2―トリフルオロー1―(トリフルオロメチル)エチリデン}ビス(1,2―ベンゼンジカルボン酸ジ無水物)を挙げることができる。これらの芳香族酸成分は、単独で又は組み合わせて採用することができる。
【0029】
ポリイミドを構成する芳香族ジアミンとして、カルボニル基、ニトロ基、メトキシ基、スルホン基、スルフィド基、アントラセン基又はフルオレン基が導入されたもの(以下、「光増感性芳香族ジアミン」ということがある)を用いると、光酸発生剤を添加して紫外線照射した際に、容易に光励起して、少ない線量で高感度高解像度の画像を形成することができるので好ましい。
【0030】
光増感性芳香族ジアミンの好ましい例として、先ず、3,3’―ジメチルー4,4’―ジアミノービフェニルスルホン及び3,3’―ジメトキシー4,4’―ジアミノービフェニルスルホンのようなジアルキルージアミノービフェニルスルホン及びジアルコキシージアミノービフェニルスルホンを挙げることができる。これらのビフェニルスルホンを含有するポリイミドは、機械的強度が強く、弾性率が高い線状高分子となり、高弾性のポリイミド繊維として研究され、更にフィルム特性を示すためガス分離膜としても研究されている。繊維として、又フィルムとして使用が可能であり、感光性フィルムとしても使用できる。これらビフェニルスルホンを含むポリイミドは、下記実施例に示すように、増感剤のミヘラーケトンやラジカル発生剤を添加しても感光性は示さない。しかし、キノンジアジド化合物を添加して光照射すると、アルカリ可溶性になることが見出された。ポリイミドの分子量(スチレン換算)が、3万、5万、10万と変化しても光照射によってアルカリ可溶性になる。この事実からキノンジアジドが光分解してラジカルを発生すると同時にインデン酸となり、ポリイミド基、ビフェニルスルホン基と相互作用をして、ポリイミドがアルカリ可溶性になるものと考えられる。すなわち、紫外線照射によって、キノンジアジド化合物が光分解し、更にインデン酸が生成する。この結果、ビフェニル基のアルキル基又はアルコキシ基が活性化し、スルホン結合が開裂し、これにインデン酸の付加によってアルカリに対する溶解性を増大するものと推定される。
【0031】
さらに、光増感性芳香族ジアミンの好ましい例として、9,9―ビス(アミノフェニル)フルオレン及び9,9―ビス(アミノアルキルーフェニル)フルオレンを挙げることができる。これらのフルオレンを含有するポリイミドは、機械的強度が強く、弾性率が高い線状高分子となり、フィルム特性の優れたポリイミドとなり、ガス分離膜としても優れた性能を示すことが認められている。繊維として、又フィルムとして使用が可能であり、感光性フィルムとしても使用できる。下記実施例に示すように、増感剤のミヘラーケトンを添加しても感光性は示さない。しかし、キノンジアジド化合物を添加して光照射すると、アルカリ可溶性の現像画像が鮮明になることが見出された。感光性ポリイミドの重量平均分子量(スチレン換算)が、3万、5万、10万と変化してもキノンジアジドが光分解してラジカルと酸になり、これらと相互作用してアルカリ可溶のポリイミドを生成して、鮮明なポジ型画像を形成する。すなわち、9,9―ビス(アミノフェニル)フルオレンは、酸触媒の存在下、フルオレノンとアニリンから合成される(Beilstein 13,III,548a)。フルオレノンはミヘラーケトンやベンザンスロンと同様に常用されている光増感剤である。フルオレノン含有のポリイミドは、光照射によって増感するけれども、通常光分解しない。しかし、キノンジアジドが共存する場合、キノンジアジドが光によりラジカルを発生しインデン酸となって相互作用を及ぼしてビス(アミノフェニル)フルオレン含有のポリイミドはアルカリ可溶になることが見出された。これはポリイミド鎖中にあるビス(アミノフェニル)フルオレン基の9位にあるSP3炭素構造が、一時的に共鳴安定化してSP2炭素構造に変化すると推定される。その結果、アニリン基は脱離し、ポリイミド鎖が開裂すると推定される。フルオレノンは各種の異性体が知られている。例えば、2―ニトロ、2,7―ジニトロ化合物、7―クロル化合物等がある。また、アニリンも2―メチルアニリン、2―メトキシアニリン等の各種の異性体が知られている。上記フルオレノン誘導体とアニリン誘導体とから、酸触媒の存在下に各種の9,9―ビス(アミノフェニル)フルオレン誘導体が生成する。これらの誘導体もまたポジ型感光性組成物となる。フルオレノンの代わりにベンザンスロン化合物もポジ型感光性ポリイミド組成物となる。
【0032】
さらに、光増感性芳香族ジアミンの好ましい例として、ニトロ芳香族ジアミンを挙げることができる。1,4―ジアミノー2―ニトロベンゼン、又は/及び、3,3'―ジニトロー4,4’―ジアミノビフェニルは、イミド基の中のN原子の付いたC原子の隣りのC原子がニトロ化されている。ニトロ基とベンゼン環は、電子共鳴によって光照射すると励起すると共に、ニトロ基の酸素原子がイミド基のN原子に作用して電子効果を大きくする。ジアゾキノンの光照射によって生成したプロトンはイミド結合のN原子を攻撃してイミド結合が切断してアミド結合となり、アルカリ可溶性になるものと推定される。ニトロ芳香族ジアミンの好ましい例として、1,4―ジアミノー2―ニトロベンゼン、1,5―ジアミノー2―ニトロベンゼン、3―ニトロー4,4'―ジアミノビフェニル、3,3’―ジニトロー4,4'―ジアミノビフェニル等を挙げることができ、これらのうち1,4―ジアミノニトロベンゼン及び3,3’―ジニトロー4,4'―ジアミノビフェニルが特に好ましい。
【0033】
さらに、光増感性芳香族ジアミンの好ましい例として、1,5―ジアミノアントラキノンを挙げることができる。1,5―ジアミノアントラキノン含有のポリイミドでは、アントラキノンは容易に光励起する。アントラキノンのN原子の付いたC原子の隣のC原子と結合したカルボニル基は、イミド結合のN原子に電子効果を及ぼし、ジアゾキノンの光照射によって生成したプロトンは、イミド結合のN原子を攻撃してイミド結合が切断して、アミド結合となり、アルカリ可溶性になるものと推定される。アントラキノンは、光増感剤でもあり、少ないエネルギー照射によって有効にポジ型パターンが形成される。1,5―ジアミノアントラキノンの作用類似の化合物としては、2,4―ジアミノアセトフェノン、2,4―ジアミノベンゾフェノン、2―アミノー4'―アミノベンゾフェノン、2―アミノー5―アミノフルオレノン等があり、これらを用いることもできる、好ましくは、1,5―ジアミノアントラキノンが用いられる。
【0034】
さらに、光増感性芳香族ジアミンの好ましい例として、4,4’―ジアミノジフェニルスルフィドのようなジフェニルスルフィド基含有ジアミンを挙げることができる。なお、この場合、ジフェニルスルフィド基は、主鎖中に含まれる。主鎖中にジフェニルスルフィドを含むポリイミドは、主鎖中のジフェニルスルフィドがキノンジアジドの存在下に光照射されることによって酸が生成し、この酸とスルフィド基が結合して、スルフィド基がチオールとなって開裂するものと考えられる。ポリイミド主鎖中のジフェニルスルフィド基は、4,4'―ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’―ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'―ジアミノー3,3’―ジメチルスルフィド、ビス(4―アミノフェノキシフェニル)スルフィドやチオニン等のジアミノ化合物から由来するものであってよい。これらのうち、入手しやすく、かつ、効果の高い4,4'―ジアミノジフェニルスルフィドが好ましい。
【0035】
さらに、光増感性芳香族ジアミンの好ましい例として、4,4’―ジアミノジフェニルジスルフィドのようなジフェニルジスルフィド基を含有するジアミンを挙げることができる。なお、この場合、ジフェニルジスルフィド基はポリイミドの主鎖中に含まれる。主鎖中にジフェニルジスルフィド基を含有するポリイミドは、キノンジアジドの光照射によって生成したプロトンと結合して容易に2分子のチオールとなると考えられる。事実、ジスルフィド化合物は、スルフィド化合物よりも容易に開裂し、さらに鋭いパターンを生成する。ポリイミド主鎖中のジフェニルジスルフィド基は、4,4'―ジアミノジフェニルジスルフィド、3,4’―ジアミノジフェニルジスルフィド、4,4'―ジアミノー3,3’―ジメチルジスルフィド、ビス(4―アミノフェノキシフェニル)ジスルフィドやチオニン等のジアミノ化合物から由来するものであってよい。これらのうち、入手しやすく、かつ、効果の高い4,4'―ジアミノジフェニルジスルフィドが好ましい。
さらに、光増感性芳香族ジアミンの好ましい例として、9,10―ビス(4―アミノフェニル)アントラセンを挙げることができる。芳香族ジアミンの一成分として、主鎖中に9,10―ビス(4―アミノフェニル)アントラセンを含有する溶剤可溶のポジ型感光性ポリイミドは、機械的強度が強く、弾性率が高い線状高分子となり、フィルム特性の優れたポリイミドとなり、ガス分離膜としても優れた性質を示すことが認められている。繊維として、又、フィルムとして使用が可能であり、感光性フィルムとしても使用できる。アントラキノンは、光照射すると容易に励起して増感剤として広く使用されている。9,10―ビス(4―アミノフェニル)アントラセン基は、光照射によって増感し、活性化すると共に、キノンジアジドが共存すると、キノンジアジドが光分解して生成した酸と作用して、9位及び10位のアミノフェニル基がプロトンの攻撃を受けてアントラセン基から離脱してアントラキノンが生成すると推定される。この結果、ポリイミド主鎖は切断され、アルカリ可溶のポリイミドとなり、鮮明なポジ型画像を形成することができると考えられる。アントラキノンは、増感剤として知られているように、この系の光増感作用が大きく、特別に増感剤を併用する必要がなく、短時間、少ないエネルギーの照射によって、ポジ型のパターンが有効に形成される。
【0036】
さらに、光増感性芳香族ジアミンの好ましい例として、3,3’―ジアミノジフェニルスルホン、4,4’―ジアミノジフェニルスルホン、ビスー{4―(3―アミノフェノキシ)ビフェニル}スルホン及びビスー{4―(4―アミノフェノキシ)ビフェニル}スルホンのような、ビフェニルスルホン基を持つ芳香族ジアミンを挙げることができる。なお、この場合、ビフェニルスルホン基はポリイミドの主鎖中に含まれる。ビフェニルスルホン基を主鎖中に含有するポリイミドは、機械的強度が強く、弾性率が高い線状高分子となり、高弾性のポリイミド繊維として研究され、更にフィルム特性を示すためガス分離膜としても研究されている。繊維として、又フィルムとして使用が可能であり、感光性フィルムとして使用ができる。また、実施例に示すように、ビフェニルスルホン基を主鎖中に含有するポリイミドは、キノンジアジド化合物を添加して光照射すると、アルカリ可溶性になることが見出された。ポリイミドの分子量(スチレン換算)が、4万、10万、15万と変化しても光照射によってアルカリ可溶性になる。この事実からキノンジアジドが光分解してラジカルを発生すると同時にインデン酸となり、光照射によって励起されるビフェニルスルホン基に作用をして、フェニルスルホン酸として分解し、ポリイミドがアルカリ可溶性になるものと考えられる。紫外線照射によって、キノンジアジド化合物が光分解し、更にインデン酸が生成する。この結果、ビフェニルスルホン基が活性化し、インデン酸の作用でスルホン結合が開裂し、フェニルスルホン酸となりアルカリに対する溶解性を増大するものと推定される。
【0037】
さらに光増感性芳香族ジアミンの好ましい例として、ビス{4―(4―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、O−トリジンスルホン、4,4’―ジアミノベンゾフェノン、3,3’―ジアミノベンゾフェノン、2―ニトロー1,4―ジアミノベンゼン、3,3’―ジニトロー4,4’―ジアミノビフェニル、3,3’―ジメトキシー4,4’―ジアミノビフェニル及び1,5―ジアミノナフタリンを挙げることができる。
【0038】
上記した各種の光増感性芳香族ジアミンは、単独でも2種以上を組み合わせても採用することができる。
【0039】
また、ポリイミドを構成する芳香族ジアミンとして、ヒドロキシル基、ピリジン基、オキシカルボニル基又は第3級アミン基が導入されたもの(以下、便宜的に「アルカリ溶解性増大芳香族ジアミン」ということがある)を用いると、光発生酸と結合、又は相互作用してアルカリ易溶解となり、アルカリ処理によってポジ型の画像を形成しやすくなる。
【0040】
アルカリ溶解性増大芳香族ジアミンの好ましい例として、先ず、ジアミノピリジン及びジアミノアクリジニウムを挙げることができる。ポリイミド主鎖中に含まれるピリジン基が弱塩基であり、ジアゾナフトキノンの紫外線照射によって生成した酸と酸―塩基結合を生成してアルカリ可溶性となる性質を利用する。本発明のポリイミド主鎖中のジアミノピリジンとしては、2,6―ジアミノピリジン、3,5―ジアミノピリジン、3,5―ジアミノー2,4―ジメチルピリジン等があるが、好ましくは、2,6―ジアミノピリジン、3,5―ジアミノピリジンが用いられる。また、ピリジン核を持つ化合物として、ジアミノアクリジウムがある。例えば、アクリフラビン、アクリジンイエロー、プロフラビン等があるが、アクリフラビンが好ましい。
【0041】
さらに、アルカリ溶解性増大芳香族ジアミンの好ましい例として、ジアミノジヒドロキシベンゼン、ジアミノジヒドロキシビフェニル又はジアミノジアルコキシビフェニルであるヒドロキシル基又はアルコキシル基含有芳香族ジアミンを挙げることができる。これらのヒドロキシル基又はアルコキシル基含有芳香族ジアミンは、ニ成分以上の芳香族ジアミンを含むポリイミド中の一成分として含まれることが好ましい。これらの好ましい例として、1,4―ジアミノー2―ヒドロキシベンゼン、3,3’―ジヒドロキシー4,4’―ジアミノビフェニル及び3,3’―ジメトキシー4,4’―ジアミノビフェニルを挙げることができる。ポリイミド主鎖中のヒドロキシ基及びメトキシ基は、キノンジアジドの光照射によって生成した酸と結合してアルカリ可溶性になる。
【0042】
さらに、アルカリ溶解性増大芳香族ジアミンの好ましい例として、1,4―ビスー(3―アミノプロピル)ピペラジン(以降ジアミノピペラジンという)を挙げることができる。これは、ポリイミド主鎖中に、他の芳香族ジアミンと共に含まれることが好ましい。ポリイミド主鎖中に、芳香族ジアミンと共に含まれるジアミノピペラジンは、2つの第3級アミンをもつ強アルカリ性を示す化合物である。したがって、ジアゾナフトキノンの光照射によって生成したカルボン酸とピペラジン基が結合して、酸―塩基結合を形成してアルカリ可溶性を示す。
【0043】
さらに、アルカリ溶解性増大芳香族ジアミンの好ましい例として、3,9―ビス(3―アミノプロピル)―2,4,8,10―テトラオキサスピロー(5,5)―ウンデカンを挙げることができる。これは、ポリイミド主鎖中に、他の芳香族ジアミンと共に含まれることが好ましい。ジアミノテトラオキサスピロウンデカンは、酸の作用によって分解し、アルデヒドとアルコールになることが知られている。ジアミノテトラオキサスピロウンデカンを含有するポリイミドは、ジアゾナフトキノンの光照射によって生成したカルボン酸の作用によってポリイミド主鎖中にあるテトラオキサスピロ基が分解してアルカリ可溶性を示し、ポジ型の感光性フォトレジストの特性を示すものと推定される。
【0044】
さらに、アルカリ溶解性増大芳香族ジアミンの好ましい例として、ジアミノ安息香酸の酸アミドを挙げることができる。この場合、ポリイミド主鎖中に、二成分以上の芳香族ジアミンを含み、その一つがジアミノ安息香酸の酸アミドであることが好ましい。ジアミノ安息香酸の酸アミドとしては3,5―ジアミノ安息香酸のモルホリンアミド及びN−メチルピペラジンアミドが好ましい。もっとも、ジアミノ安息香酸の酸アミドは、これらに限定されるものではなく、酸アミドを形成するためのアミンとして、脂肪族第一級、第二級、及び第三級のアミンを用いることができ、これらの塩基を含むアルコール、脂肪族アミンを用いることもできる。ここで、「脂肪族アミン」の炭素数は、特に限定されないが、通常2ないし6程度が好ましい。
【0045】
さらに、アルカリ溶解性増大芳香族ジアミンの好ましい例として、3,5―ジアミノ安息香酸及び2―ヒドロキシー1、4―ジアミノベンゼンを挙げることができる。
【0046】
上記した各種の光増感性芳香族ジアミンは、単独でも2種以上を組み合わせても採用することができる。
【0047】
なお、上記のような光増感性芳香族ジアミン及び/又はアルカリ溶解性増大芳香族ジアミンの使用は必須的ではなく、上記した芳香族ジアミン成分及び芳香族酸成分の組合せから成るポリイミドを用いることができ、特に露光に電子ビームを用いる場合には、光増感性芳香族ジアミン及び/又はアルカリ溶解性増大芳香族ジアミンを用いずとも良好なポジ型画像を高感度に形成することができる。
【0048】
また、ポリイミドのジアミン成分は、上記のような光増感性芳香族ジアミン及び/又はアルカリ溶解性増大芳香族ジアミンのみから成っていてもよいし、上記した芳香族ジアミン成分と共にポリイミドを構成していてもよい。光増感性芳香族ジアミン及び/又はアルカリ溶解性増大芳香族ジアミンの全芳香族ジアミン成分中の含有量は、30〜100モル%が好ましく、さらには50〜100モル%が好ましい。
【0049】
なお、上記した各種化合物又は成分において、アルキル基又はアルキル部分を含む基においては、特に断りがない限り、当該アルキル基又はアルキル部分の炭素数は1〜6が好ましい。また、芳香族としては、特に断りがない限り、ベンゼン環、ナフタレン環及びアントラセン環並びにこれらの複素環が好ましい。
【0050】
本発明の組成物中のポリイミドは、溶剤可溶である。ここで、「溶剤可溶」とは、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に、5重量%以上、好ましくは10重量%以上の濃度で溶解することを意味する。
【0051】
本発明の組成物中のポリイミドの分子量は、ポリスチレン換算の重量平均分子量として2万5千〜40万が好ましく、さらに好ましくは3万〜20万である。重量平均分子量が2万5千〜40万の範囲内にあると、良好な溶剤可溶性と膜形成性、膜強度及び絶縁性を達成することができる。また、上記分子量範囲を満足すると共に、熱分解開始温度が450℃以上であることが耐熱性の観点から好ましい。
【0052】
本発明の組成物中のポリイミドは、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸ジ無水物により直接イミド化反応によって製造することができる。従来から用いられているネガ型ポリイミドフォトレジストは、光反応性側鎖をもつポリアミック酸を使用する。このポリアミック酸は、空気中で容易に分解し、貯蔵安定性が悪い。更に、このポリアミック感光性は、現像後に250―350℃に加熱してイミド化反応を必要とする。これに対し、本発明の組成物中のポリイミドは、ポリアミック酸を経由せずに芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸ジ無水物とのイミド化反応により直接製造されるものであり、この点で従来のネガ型感光性ポリイミドとは大きく異なる。
【0053】
芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸ジ無水物との直接イミド化反応は、ラクトンと塩基と水との次の平衡反応を利用した触媒系を用いて行なうことができる。
{ラクトン}+{塩基}+{水} = {酸基}{塩基}
【0054】
この{酸基}{塩基}系を触媒として、140―180℃に加熱してポリイミド溶液を得ることができる。イミド化反応により生成する水は、トルエンと共沸させて反応系外へ除く。反応系のイミド化が終了した時点で、{酸基}{塩基}はラクトンと塩基になり、触媒作用を失うと同時にトルエンと共に反応系外へ除かれる。この方法によるポリイミド溶液は、上記触媒物質が、反応後のポリイミド溶液に含まれないため高純度のポリイミド溶液として、そのまま工業的に使用可能となる。
【0055】
上記イミド化反応に使われる反応溶媒は、上記したトルエンに加え、極性の有機溶媒が使用される。これらの有機溶媒としては、N−メチルー2―ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、テトラメチル尿素等があげられる。
【0056】
また、ラクトンとしてはγ−バレロラクトンが好ましく、塩基としてはピリジン及び/又はメチルモルフォリンが好ましい。
【0057】
上記イミド化反応に供する芳香族酸ジ無水物と芳香族ジアミンとの混合比率(酸/ジアミン)は、モル比で1.05〜0.95程度が好ましい。また、反応開始時における反応混合物全体中の酸ジ無水物の濃度は4〜16重量%程度が好ましく、ラクトンの濃度は0.2〜0.6重量%程度が好ましく、塩基の濃度は0.3〜0.9重量%程度が好ましく、トルエンの濃度は6〜15重量%程度が好ましい。また、反応時間は特に限定されず、製造しようとするポリイミドの分子量等により異なるが、通常2〜10時間程度である。また、反応は撹拌下に行なうことが好ましい。
【0058】
なお、ラクトン及び塩基から成る2成分系触媒を用いたポリイミドの製造方法自体は公知であり、例えば米国特許第5,502,143に記載されている。
【0059】
上記のイミド化反応を、異なる酸ジ無水物及び/又は異なるジアミンを用いて逐次的に2段階行なうことにより、ブロック共重合ポリイミドを製造することができる。従来のポリアミック酸を経由するポリイミドの製造方法によれば、共重合体はランダム共重合体しか製造できなかった。任意の酸及び/又はジアミン成分を選択してブロック共重合ポリイミドを製造することができるので、接着性や寸法安定性の付与、低誘電率化等の任意の所望の性質又は機能をポリイミドに付与することができる。本発明の組成物では、このような共重合ポリイミドを好ましく採用することもできる。
【0060】
ブロック共重合ポリイミドを製造する場合の好ましい方法として、上記のラクトンと塩基により生成した酸触媒を用いて、芳香族ジアミンとテトラカルボン酸ジ無水物のいずれかの成分を多量にして、ポリイミドオリゴマーとし、ついで芳香族ジアミン及び/又はテトラカルボン酸ジ無水物を加えて(全芳香族ジアミンと全テトラカルボン酸ジ無水物のモル比は、1.05―0.95である)2段階重縮合する方法を挙げることができる。
【0061】
本発明の感光性ポリイミド組成物は、前記光酸発生剤を前記ポリイミドの重量に対し10から50重量%含むことが好ましい。
【0062】
本発明の感光性ポリイミド組成物は、基材上に適用するのに適した、溶液の形態にあることができる。この場合、溶剤としては、イミド化反応の溶媒として用いられる、N−メチルー2―ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、テトラメチル尿素等の極性溶媒を用いることができる。溶液中のポリイミドの濃度は5重量%〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは10重量%〜40重量%である。なお、上記のラクトンと塩基から成る触媒系を用いた直接イミド化反応により得られるポリイミドは、極性溶媒中に溶解された溶液の形態で得られ、しかも、ポリイミドの濃度も上記の好ましい範囲内で得られるので、上記方法により製造されたポリイミド溶液をそのままで好ましく用いることができる。もっとも、所望により、製造されたポリイミド溶液を希釈剤により、さらに希釈することができる。希釈剤としては、溶解性を著しく減じないような溶剤、例えば、ジオキサン、ジオキソラン、ガンマーブチロラクトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、アニソール、酢酸エチル等があげられるが、特にこれらに限定されない。
【0063】
本発明の組成物は、それぞれの最終用途に適合するために、本発明の感光性ポリイミドに光増感剤を付与してパターン解像の感度を高めることができる。この光増感剤としては、特に限定されないが、例えば、ミヒラーケトン、ベンゾインエーテル、2―メチルアントラキノン、ベンゾフェノン等が用いられる。さらに、通常の感光性ポリイミドの中に添加される改質剤、例えば、カップリング剤、可塑剤、膜形成樹脂、界面活性剤、安定剤、スペクトル感度調節剤等を添加してもよい。
【0064】
溶液の形態にある本発明の感光性ポリイミド組成物を基材上に塗布し、乾燥し、選択露光し、現像することにより、基材上に任意のパターンを有するポリイミド膜を形成することができる。あるいは、ポリイミド組成物から押出し法等の常法によりポリイミドフィルムを形成し、これを基材上に接着し、選択露光し、現像することによっても、基材上に任意のパターンを有するポリイミド膜を形成することができる。このようなポリイミド膜は、耐熱性及び絶縁性を有するので、半導体装置等の絶縁膜又は誘電層としてそのまま利用することができるし、また、基材を選択露光するためのフォトレジストとして利用することもできる。
【0065】
本発明の感光性ポリイミドが使用される基材としては、半導体ディスク、シリコンウエハー、ゲルマニウム、ガリウム砒素、ガラス、セラミック,銅箔、プリント基板等を例示することができる。
【0066】
被覆は、通常、浸漬、噴霧、ロール塗り、又はスピンコーティング等の方法によって行われる。また、接着フィルムは、通常熱圧着することによって、均一な被膜製品とすることができる。これらの方法によって、本発明の感光性ポリイミドは、0.1乃至200ミクロンの厚さを有する塗膜層、及びレリーフ構造を作るのに有効に使用できる。
【0067】
多層回路における薄膜は、例えば一時の間に合わせ用のフォトレジストとして、または絶縁膜層もしくは誘電層として使用される場合、厚さは0.1乃至5ミクロン程度が好ましい。厚い層、例えば、不動層としての使用のためには、半導体記憶要素をアルファー放射線から保護するために10―200ミクロンの厚さを有することが好ましい。
【0068】
感光性ポリイミドを基材に塗布した後、これを80乃至120℃の温度範囲で予備乾燥することが好ましい。この場合、オーブン又は加熱プレートが使用されるが、赤外線ヒーターによる加熱が望ましい。この場合の乾燥時間は、5―20分間程度でよい。
【0069】
この後、感光性ポリイミド層は、輻射を受ける。普通の場合、紫外線が用いられるが、高エネルギー放射線、例えば、X線または電子ビーム或いは超高圧水銀灯の高出力発振線等を使用することもできる。照射又は露光はマスクを介して行うが、輻射線ビームを感光性ポリイミド層の表面に当てることもできる。普通、輻射は、250―450nm、好ましくは300―400nmの範囲における波長を発する紫外線ランプを用いて行われる。露光は単色、又は多色的な方法を用いても良い。市販で入手できる輻射装置、例えば接触および層間露光器、走査投光型装置、またはウェハーステッパーを使用することが望ましい。
【0070】
露光後、パターンはフォトレジスト層の照射域を、アルカリ水溶液性の現像液で感光性層を処理することにより、照射域の部分を取り除く事ができる。これら処理は、例えば、浸漬するか又は加圧噴霧することにより基材の露光部分を溶出させることによって可能となる。現像液として用いるアルカリとしては、特に限定されないが、アミノエタノールのようなアミノアルコール、メチルモルホリン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、ジメチルアミノエタノール、水酸化テトラメチルアンモニウム等を挙げることができ、また、これらのアルカリの現像液中の濃度は、特に限定されないが、通常30〜5重量%程度である。
【0071】
これらの現像時間は、露光エネルギー、現像液の強さ、現像の形式、予備乾燥温度、及び現像剤の処理温度等に依存する。一般には、浸漬現像においては、1―10分間程度であり、噴霧現像処理では10―60秒間程度である。現像は、不活性溶剤、例えばイソプロパノール、又は脱イオン水中への浸漬又はそれらの噴霧によって停止される。
【0072】
本発明のポジ型感光性ポリイミド組成物を用い、0.5―200ミクロンの層の厚さを有するポリイミド被膜、及び鋭い輪郭のつけられたレリーフ構造を作ることができる。
【0073】
本発明の組成物中のポリイミドは、完全な線状ポリイミドから出来ているため水や熱に対して変化せず、保存安定性が良い。従って、感光性フィルムとして使用可能である。また、パターンの現像後は、従来のポリアミック酸分子のようなポストベーク温度250―450℃の加熱処理は必要でなく、120―200℃の加熱乾燥によって、溶剤を飛散させるだけでよい。また、パターン形成後のポリイミド膜は、強靭で高温度耐熱性、機械的特性に優れている。
【0074】
ここに、ノボラック感光性材料とジアゾナフトキノンからなるフォトレジストは、ノボラックの分子量が1万以下であり、5000―10000の分子量の平均化した材料が、解像度、感光性共に優れているといわれている。
【0075】
ポジ型感光性ポリイミドも、分子量及び分子量分布によって解像度、及び感光性感度が異なり、またポリイミドの耐熱性、耐薬品性、機械的強度が異なる。分子量が大きく、カルボン酸含量の小さい程、現像時間、アルカリ液の浸漬時間が長くなる傾向にある。
【0076】
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明する。もっとも、下記実施例は例示のためにのみ記載するものであり、いかなる意味においても限定的に解釈してはならない。種々の酸ジ無水物、芳香族ジアミンの組み合わせによって、特性のある感光性ポリイミドが得られることは当業者にとって明らかである。
【実施例】
【0077】
実施例1
ステンレススチール製の碇型攪拌器を取り付けた1リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。4,4’―{2、2、2―トリフルオロー1―(トリフルオロメチル)エチリデン}ビス(1、2―ベンゼンジカルボン酸ジ無水物)(ヘキストセラニーズ社製品、分子量444.25、以降6FDAという)22.21g(50ミリモル)、2,2―ビス{4―(4―アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン25.93g(50ミリモル、以降HFBAPPという)、γ―バレロラクトン1.0g(10ミリモル)及びピリジン1.6g(20ミリモル)、N−メチルピロリドン185g、トルエン30gを上記フラスコに仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで0.5時間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで2.0時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0078】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、高速液体クロマトグラフィー(東ソー社製)で測定したところ、ポリスチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)57,800、重量平均分子量(Mw)108,100、Z平均分子量(Mz)192,300、Mw/Mn=1.87、Mz/Mn=3.33であった。なお、分子量の測定はより詳細には次のように行なった。すなわち、東ソー社製高速液体クロマトグラフィーで分子量を測定した。展開液は、LiBr含有ジメチルホルムアミドを使用した。スチレン換算の分子量を測定し、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、Z平均分子量(Mz)、Mw/Mn比及びMz/Mn比を測定した。
【0079】
実施例2
基本的に実施例1と同様に操作した。
【0080】
3,4,3’,4’―ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物(宇部興産株式会社製品、以下BPDAという)14.71g(50ミリモル)、2,3―ジアミノジフェニルエーテル5.00g(25ミリモル)、2,2―ビス{4―(4―アミノフェノキシ)フェニル}プロパン10.27g(25ミリモル、以降BAPPという)、γ―バレロラクトン0.5g(5ミリモル)及びピリジン0.8g(10ミリモル)、N−メチルピロリドン113g、トルエン30gをセパラブル3つ口フラスコに仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで0.5時間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで0.5時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0081】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。実施例1と同様に測定したところ、ポリスチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)26,000、重量平均分子量(Mw)42,900、Z平均分子量(Mz)60,800、Mw/Mn=1.65、Mz/Mn=2.33であった。
【0082】
実施例3
基本的に実施例1と同様に操作した。
【0083】
6FDA8.89g(20モル)、HFBAPP5.19g(10ミリモル)、γ―バレロラクトン0.3g(3ミリモル)及びピリジン0.5g(6ミリモル)、N−メチルピロリドン70g、トルエン20gをセパラブル3つ口フラスコに仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで0.5時間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した。反応後、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0084】
室温に冷却して、BPDA2.94g(10ミリモル)、2,2’―ビス(トリフルオロメチルーベンチジン)6.40g(20ミリモル)、N−メチルピロリドン57g、トルエン10gを加えて室温で1時間攪拌後、180℃、180rpmで3.75時間攪拌した。反応後、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0085】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、15重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、ポリスチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)24800、重量平均分子量(Mw)41700、Z平均分子量(Mz)63300、Mw/Mn=1.68、Mz/Mn=2.56であった。
【0086】
実施例4
基本的に実施例3と同様に操作した。
【0087】
3,4,3’,4’―ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(以下BTDAという)9.67g(30ミリモル)、2,4―ジアミノトルエン4.89g(40ミリモル)、ジアミノシロキサン(信越化学工業株式会社製品、アミン価440)8.80g(10ミリモル)、γ―バレロラクトン1.0g(10ミリモル)及びピリジン1.6g(20ミリモル)、N−メチルピロリドン60g、トルエン30gをセパラブル3つ口フラスコに仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで0.5時間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0088】
室温に冷却して、BPDA 14.71g(50ミリモル)、3,4’―ジアミノジフェニルエーテル4.00g(20ミリモル)、BAPP 4.105g(10ミリモル)、N−メチルピロリドン70g、トルエン30gを加えて室温で25分間攪拌後、180℃、180rpmで4時間攪拌した。反応後、N−メチルピロリドン43gを加えた。
【0089】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、ポリスチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)31700、重量平均分子量(Mw)56400、Z平均分子量(Mz)88900、Mw/Mn=1.78、Mz/Mn=2.81であった。
【0090】
実施例5 感光性組成物の調製及び選択露光によるパターン形成
【0091】
(1)感光性組成物の調製
感光性組成物は、下記表1に示す成分を混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0092】
【表1】

【0093】
(2)画像形成
上記の感光性組成物を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。この感光性膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0094】
この感光性塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドスペースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。なお、波長領域は320〜390nmで、ピークは360nmであった(以下の実施例においても同じ)。紫外線照射量と現像時間を下記表2に示す。
【0095】
【表2】

【0096】
現像液組成は、アミノエタノール30g、N−メチルピロリドン30g、水30gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を上記時間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、約9ミクロンであった。
【0097】
組成物I、II、III、IV共にポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドスペースパターンでは、15ミクロンの線像が確認された。
【0098】
実施例6
基本的に実施例1と同様に操作した。
【0099】
ステンレススチール製の碇型攪拌器を取り付けた1リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。
【0100】
6FDA 17.77g(40ミリモル)、m―BAPS 8.65g(20ミリモル)、3,3’―ジメチルベンチジン4.25g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン0.4g(4ミリモル)及びピリジン0.6g(8ミリモル)、N−メチルピロリドン117g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで0.5時間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで4.75時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0101】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、ポリスチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)67300、重量平均分子量(Mw)128300、Z平均分子量(Mz)219500、Mw/Mn=1.90、Mz/Mn=3.26であった。
【0102】
実施例7
基本的に実施例6と同様に操作した。
【0103】
ピロメリット酸ジ無水物13.09g(60ミリモル)、ビシクロ(2,2,2)―オクトー7―エンー2,3,5,6―テトラカルボン酸ジ無水物(以降BCDという)14.89g(60ミリモル)、m―BAPS61.9g(120ミリモル)、γ―バレロラクトン1.2g(12ミリモル)及びピリジン1.2g(24ミリモル)、N−メチルピロリドン302g、トルエン50gをセパラブル3つ口フラスコに仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで0.5時間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで3.75時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0104】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様に測定したところ、ポリスチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)71100、重量平均分子量(Mw)113600、Z平均分子量(Mz)167100、Mw/Mn=1.60、Mz/Mn=2.35であった。
【0105】
実施例8
基本的に実施例3と同様に操作した。
【0106】
BTDA9.67g(30モル)、3,5―ジアミノ安息香酸9.13g(60ミリモル)、γ―バレロラクトン1.2g(12ミリモル)及びピリジン2.4g(24ミリモル)、N−メチルピロリドン150g、トルエン30gをセパラブル3つ口フラスコに仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで0.5時間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した。反応後、トルエンー水の共沸分を除いた。室温に冷却して、BPDA 29.00g(90ミリモル)、m―BAPS 12.98g(30ミリモル)、9,9―ビス(4―アミノフェニル)フルオレン10.46g(30ミリモル)、N−メチルピロリドン118g、トルエン20gを加えて室温で0.45時間攪拌後、180℃、180rpmで2.60時間攪拌した。反応後、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0107】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、ポリスチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)29900、重量平均分子量(Mw)77400、Z平均分子量(Mz)175400、Mw/Mn=2.59、Mz/Mn=5.86であった。
【0108】
実施例9
基本的に実施例3と同様に操作した。
【0109】
BTDA 12.89g(40モル)、m―BAPS 8.65g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン0.4g(4ミリモル)及びピリジン0.64g(8ミリモル)、N−メチルピロリドン77g、トルエン30gをセパラブル3つ口フラスコに仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで0.5時間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した。反応後、トルエンー水の共沸分を除いた。室温に冷却して、3,3’―ジハイドロオキシー4、4’―ジアミノビフェニル2.16g(10ミリモル)、3,4’―ジアミノジフェニルエーテル2.00g(10ミリモル)、N−メチルピロリドン20g、トルエン10gを加えて室温で0.45時間攪拌後、180℃、180rpmで1.0時間攪拌した。反応後、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0110】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、15重量%であった。このポリイミドの分子量を、高速液体クロマトグラフィー(東ソ製品)で測定したところ、ポリスチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)32300、重量平均分子量(Mw)140200、Z平均分子量(Mz)442000、Mw/Mn=4.34、Mz/Mn=13.68であった。
【0111】
実施例10
基本的に実施例5と同様の操作を行った。
【0112】
(1)感光性組成物の調製
感光性組成物は、下記表3に示す成分を混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0113】
【表3】

【0114】
(2)画像形成方法
上記の感光性組成物を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。この感光性膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0115】
この感光性組成物塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドスペースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。紫外線照射量と現像時間を下記表4に示す。
【0116】
【表4】

【0117】
現像液組成は、アミノエタノール30g、N−メチルピロリドン70g、水30gの混合液であった。
【0118】
この液中に、上記照射後の塗布膜を上記時間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、約9ミクロンであった。
【0119】
組成物V,VI,VII共にポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドスペースパターンでは、15ミクロンの線像が確認された。
【0120】
実施例11
基本的に実施例3と同様に操作した。
【0121】
BTDA19.33g(60ミリモル)、4,4’―ジアミノジフェニルスルフィド14.97g(90ミリモル)、γ―バレロラクトン1.5g(15ミリモル)及びピリジン2.4g(30ミリモル)、N−メチルピロリドン150g、トルエン30gをセパラブル3つ口フラスコに仕込んだ。
【0122】
室温で窒素雰囲気下で180rpmで0.5時間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
室温に冷却して、BPDA26.48g(90ミリモル)、3,3’―ジヒドロオキシベンチジン6.4g(30ミリモル)、m―BAPS12.98g(30ミリモル)、N−メチルピロリドン85g、トルエン30gを加えて室温で25分間攪拌後、180℃、180rpmで2時間攪拌した。反応後、N−メチルピロリドン79gを加えた。
【0123】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、ポリスチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)24000、重量平均分子量(Mw)48500、Z平均分子量(Mz)82100、Mw/Mn=2.02、Mz/Mn=3.41であった。
【0124】
実施例12
基本的に実施例3と同様に操作した。
【0125】
BTDA9.67g(30モル)、3,5―ジアミノ安息香酸9.13g(60ミリモル)、γ―バレロラクトン1.2g(12ミリモル)及びピリジン2.0g(24ミリモル)、N−メチルピロリドン150g、トルエン30gをセパラブル3つ口フラスコに仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで0.5時間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した。反応後、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0126】
室温に冷却して、BTDA29.00g(90ミリモル)、m―BAPS12.98g(30ミリモル)、3,3’―ジハイドロオキシベンチジン6.49g(30ミリモル)、N−メチルピロリドン102g、トルエン20gを加えて室温で0.45時間攪拌後、180℃、180rpmで2.50時間攪拌した。反応後、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0127】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、ポリスチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)24000、重量平均分子量(Mw)45700、Z平均分子量(Mz)82300、Mw/Mn=1.90、Mz/Mn=3.42であった。
【0128】
実施例13
基本的に実施例12と同様に操作した。
【0129】
ピロメリット酸ジ無水物2.18g(10ミリモル)、2,2’―ジートリフルオロメチルーベンチジン6.40g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン0.4g(4ミリモル)及びピリジン0.8g(10ミリモル)、N−メチルピロリドン86g、トルエン20gをセパラブル3つ口フラスコに仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで0.5時間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1.0時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0130】
室温に冷却して、BPDA8.83g(30ミリモル)、BAPP4.79g(11.67ミリモル)、3,5―ジアミノ安息香酸1.52g(10ミリモル)、N−メチルピロリドン30g、トルエン10gを加えて室温で0.5時間攪拌後、180℃、180rpmで3時間攪拌した。反応後、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0131】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、15重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、ポリスチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)17800、重量平均分子量(Mw)31100、Z平均分子量(Mz)48200、Mw/Mn=1.74、Mz/Mn=2.70であった。
【0132】
実施例14
基本的に実施例3と同様に操作した。
【0133】
BPDA2.94g(10モル)、2,2’―ジートリフルオロメチルーベンチジン6.40g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン0.3g(3ミリモル)及びピリジン0.48g(6ミリモル)、N−メチルピロリドン78g、トルエン20gをセパラブル3つ口フラスコに仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで0.5時間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した。反応後、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0134】
室温に冷却して、BPDA5.88g(20ミリモル)、BAPP2.74g(6.67ミリモル)、3,5―ジアミノ安息香酸0.76g(5ミリモル)、N−メチルピロリドン20g、トルエン10gを加えて室温で0.5時間攪拌後、マレイン酸無水物0.33g(3.33ミリモル)、N−メチルピロリドン10gを加えて室温で0.5時間攪拌し、180℃、180rpmで3時間攪拌した。反応後、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0135】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、15重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、ポリスチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)17000、重量平均分子量(Mw)28000、Z平均分子量(Mz)42300、Mw/Mn=1.54、Mz/Mn=2.48であった。
【0136】
実施例15
基本的に実施例5と同様の操作を行った。
【0137】
(1)感光性組成物の調製
感光性組成物は、下記表5に示す成分を混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0138】
【表5】

【0139】
(2)画像形成方法
上記の感光性組成物を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。この感光性膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0140】
この感光性組成物塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドスペースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。紫外線照射量と現像時間を下記表6に示す。
【0141】
【表6】

【0142】
現像液組成は、アミノエタノール30g、N−メチルピロリドン30g、水30gの混合液であった。
【0143】
この液中に、上記照射後の塗布膜を上記時間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、約9ミクロンであった。
【0144】
組成物VIII,IX,X,XI共にポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドスペースパターンでは、15ミクロンの線像が確認された。
【0145】
実施例16
ステンレススチール製の碇型攪拌器を取り付けた1リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。窒素ガスを通しながら、シリコン浴中に上記フラスコをつけて加熱攪拌し、3,4,3’,4’―ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物(Himie Linz Ges. m.b.H社製品、分子量322.23、以下BTDAという)32.23g(100モル)、ビスー4―(3―アミノフェノキシ)フェニルスルホン(和歌山精化株式会社製品、分子量432.5)21.63g(50ミリモル)、3,3’―ジアミノー4,4’―ジメチルビフェニルスルホン(和歌山精化株式会社製品、分子量274.3、以下O−トリジンスルホンという)13.27g(50ミリモル)、γ―バレロラクトン1.0g(10ミリモル)及びピリジン1.6g(20ミリモル)、N−メチルピロリドン257g、トルエン60gを仕込む。室温で窒素雰囲気下で200rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温(浴温度)し、180rpmで4.5時間攪拌した。トラップに溜まったトルエンー水(14ml)の共沸分を除きながら反応を終えた。
【0146】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)26760、重量平均分子量(Mw)39540、Z平均分子量(Mz)57160、Mw/Mn=1.48であった。このポリイミドを、メタノールに注ぎ粉末にして熱分析した。ポリイミドの分解開始温度は、484℃であった。
【0147】
実施例17
基本的に実施例16と同様の操作を行なった。
【0148】
ステンレススチール製の碇型攪拌器を取り付けた0.5リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。窒素ガスを通しながら加熱攪拌し、6FDA(ヘキストセラニーズ社製品)17.77g(40ミリモル)、ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン8.65g(20ミリモル)、O−トリジンスルホン5.49g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン0.5g(5ミリモル)及びピリジン0.8g(10ミリモル)、N−メチルピロリドン122g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で200rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで6.15時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0149】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)66590、重量平均分子量(Mw)102450、Z平均分子量(Mz)148540、Mw/Mn=1.54であった。このポリイミドを、メタノールに注ぎ粉末にして熱分析した。ポリイミドの分解開始温度は、431℃と506℃であった。
【0150】
実施例18
基本的に実施例16と同様な操作を行なった。
【0151】
窒素ガスを通しながら加熱攪拌し、6FDA17.77g(40ミリモル)、2,2―ビスー4(4’―アミノフェノキシ)フェニルプロパン(和歌山精化株式会社製品、分子量410.5)8.21g(20ミリモル)、O−トリジンスルホン5.49g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン0.5g(5ミリモル)及びピリジン0.8g(10ミリモル)、N−メチルピロリドン120g、トルエン30gを仕込む。
【0152】
室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで3.15時間攪拌した。反応中のトルエンー水の共沸分を除いた。
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)54400、重量平均分子量(Mw)74800、Z平均分子量(Mz)100200、Mw/Mn=1.37であった。
【0153】
実施例19
(1) 感光性組成物の調製
感光性組成物は、下記表7に示す成分を混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0154】
【表7】

【0155】
(2)画像形成方法
上記感光性組成物XII、XIII、XIVを、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。この感光性膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0156】
この感光性塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。
【0157】
組成物XIIは、300mJで照射した後、下記条件で現像した。現像液組成は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール25g、メタノール25g、水10gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を5分間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0158】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0159】
このポリイミド塗布膜を、150℃で30分間の赤外線加熱処理をすると、膜厚は8ミクロンで殆ど変化がなかった。さらに、このポリイミド塗布膜を、260℃で30分間の赤外線加熱処理すると、膜厚は6ミクロンとなった。
【0160】
さらに、上記ポリイミド膜と銅箔との密着性を碁盤目試験法で評価した。ナイフで塗布膜に、1mmX1mmの碁盤目の切り傷をつけ、セロテープ(登録商標)で剥離する試験では、100/100(剥離部分なし)を示し、ポリイミド膜と銅箔は、充分実用可能な密着性を示した。
【0161】
また、本ポリイミド膜の、熱分解開始温度は、484℃であり、高温度領域において良好な耐熱特性を示した。
【0162】
実施例20
基本的に実施例4と同様に行った。
【0163】
組成物XIIIは、500mJで照射した後、下記条件で現像した。現像液組成は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール25g、メタノール25g、水10gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を2分間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。90℃で30分間の乾燥処理で膜厚は、20ミクロンであった。
【0164】
このポリイミド膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で20ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0165】
実施例21
基本的に実施例4と同様に行った。
【0166】
組成物XIVは、300mJで照射した後、下記条件で現像した。現像液組成は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール25g、メタノール25g、水10gの混合液である。この液中に、上記照射後の塗布膜を3分間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。90度Cで30分間の乾燥処理で膜厚は、11ミクロンであった。
【0167】
このポリイミド膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0168】
比較例1
実施例16のポリイミド液25g(ポリイミド5g)にミヘラーケトン1.5gを加え、混合機で混合し、銅箔上に塗布膜の乾燥後の厚さが約10ミクロンの厚さになるようスピンコートした。実施例19に準じて光照射して現像した。500mJの照射では、画像は得られなかった。2、500mJの照射でわずかな画像が認められた。
【0169】
比較例2
実施例16のポリイミド液25g(ポリイミド5g)に2,6―ビス(アジドベンジリデン)4―メチルシクロヘキサノン0.5g、及びミヘラーケトン1.5gを加え、混合機で混合し、銅箔上に塗布膜の乾燥後の厚さが約10ミクロンの厚さになるようスピンコートした。実施例19に準じて光照射して現像した。2500mJの照射では、画像は得られなかった。
【0170】
実施例22
実施例16のポリイミド液25g(ポリイミド5g)にミヘラーケトン1.5g及びナフトキノンジアジドー1,2,5―O−クレゾールエステル1.5gを加え、混合機で混合し、銅箔上に塗布膜の乾燥後の厚さが約10ミクロンの厚さになるようスピンコートした。実施例19に準じて光照射して現像した。300mJの照射で、感度の良い画像が得られた。
【0171】
実施例23
実施例16のポリイミド液25g(ポリイミド5g)にナフトキノンジアジドー1,2,5―O−クレゾールエステル1.5gを加え、混合機で混合し、均一な溶液とした。この溶液を実施例19に準じて、銅箔上に塗布膜の乾燥後の厚さが約10ミクロンの厚さになるようスピンコートして得たポリイミド膜を赤外線炉で90℃、10分間乾燥して300mJの紫外線を照射して、直ちに現像液で処理すると、約30秒で画像が現れ、水洗した。このものを乾燥後150℃,30分間熱処理した。スルーホールテストでは、20ミクロンの細孔が確認されたが、鋭さに欠けていた。
【0172】
これに対して、光照射後、150℃、10分間赤外線炉で処理した後、現像し、ついで、150℃、30分間熱処理した。ついで現像液で5分間処理、水洗し、ポジ型のテストマスクでは、15ミクロンの細孔は確認できたが、10ミクロンの細孔の確認は困難であった。従って、ネガ型のテストマスクを利用すると、細孔の部分が突起となり、10ミクロンの鋭い突起物として観察され、10ミクロンの画像が確認された。
【0173】
実施例24
ステンレススチール製の碇型攪拌器を取り付けた1リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。窒素ガスを通しながら加熱攪拌し、6FDA(ヘキストセラニーズ社製品)17.77g(40ミリモル)、m―BAPS8.65g(20ミリモル)、9,9―ビス(4―アミノフェニル)フルオレン(和歌山精化株式会社製品、以降「FDA」という)6.97g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン0.4g(4ミリモル)及びピリジン0.6g(8ミリモル)、N−メチルピロリドン128g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で200rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで5.85時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0174】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)49700、重量平均分子量(Mw)85200、Z平均分子量(Mz)123000、Mw/Mn=1.71であった。このポリイミドを、メタノールに注ぎ粉末にして熱分析した。ポリイミドの分解開始温度は、540℃であった。
【0175】
実施例25
(1) 感光性組成物の調製
感光性組成物は、実施例24で得られたポリイミド溶液15g(ポリイミド含量3g)と、1,2―ナフトキノンー2―ジアジドー5―スルホン酸 ―O―クレゾールエステル0.9gとを混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0176】
(2) 画像形成
上記の感光性組成物を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。この感光性膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0177】
この感光性組成物塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。
【0178】
上記感光性組成物は、300mJで照射した後、下記条件で現像した。現像液組成は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール25g、メタノール25g、水10gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を1分25秒間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0179】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0180】
比較例3
実施例24のポリイミド溶液15gにミヘラーケトン0.9gを加え、混合して均一な溶液とした後、2500mJの紫外線を照射し、実施例25で示したと同様に処理したが、画像は得られなかった。
【0181】
比較例4
実施例24のポリイミド溶液15gにミヘラーケトン0.9g、2,6ービス(4―アジドベンジリデン)―4―メチルシクロヘキサノン0.3gを加え、混合して均一な溶液とした後、2500mJの紫外線を照射し、実施例25で示したと同様に処理したが、画像は得られなかった。
【0182】
実施例26
基本的に実施例24と同様に操作した。
【0183】
ステンレススチール製の碇型攪拌器を取り付けた1リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。窒素ガスを通しながら加熱攪拌し、BTDA12.89g(40モル)、ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン8.65g(20ミリモル)、9,9―ビス(4―アミノフェニル)フルオレン6.97g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン0.4g(4ミリモル)及びピリジン0.6g(8ミリモル)、N−メチルピロリドン108g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で200rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温(浴温度)し、180rpmで2時間攪拌した。トラップに溜まったトルエンー水(14ml)の共沸分を除きながら反応を終えた。
【0184】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)32300、重量平均分子量(Mw)83100、Z平均分子量(Mz)196000、Mw/Mn=2.58であった。このポリイミドを、メタノールに注ぎ粉末にして熱分析した。ポリイミドの分解開始温度は、549℃であった。
【0185】
実施例27
(1) 感光性組成物の調製
感光性組成物は、実施例26で得られたポリイミド溶液15g(ポリイミド含量3g)と、1,2―ナフトキノンー2―ジアジドー5―スルホン酸 ―O―クレゾールエステル0.9gとを混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0186】
(2) 画像形成
上記の感光性組成物を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。このフォトレジスト膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0187】
このフォトレジスト配合塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。
【0188】
感光性組成物は、300mJで照射した後、下記条件で現像した。現像液組成は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール25g、メタノール25g、水10gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を3分間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0189】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で20ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、15ミクロンの線像が確認された。
【0190】
実施例28
実施例26と同じ組成の出発混合物を室温で窒素雰囲気下で200rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温(浴温度)し、180rpmで2.4時間攪拌した。トラップに溜まったトルエンー水(14ml)の共沸分を除きながら反応を終えた。
【0191】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)46800、重量平均分子量(Mw)214000、Z平均分子量(Mz)738000、Mw/Mn=4.57、Mz/Mn=15.74であった。
【0192】
実施例26と同様にして、光照射し、現像を行った。500mJの光照射の後、同様の液で12分間浸漬処理し、水洗した。ラインアンドベースパターンでは、15ミクロンの鋭い線像が確認された。
【0193】
実施例29
(1) 9,9―ビス(3―メチルー4―アミノフェニル)フルオレンの合成
フルオレノン10g(55.5ミリモル)、O−トリジン20g(186ミリモル)、パラトルエンスルホン酸1水塩3g(15.8ミリモル)、スルホラン100g、トルエン20gを加え、実施例24と同じ装置で180℃、2時間反応した。10%水酸化カリウム水溶液400mL、水200mL加えると、沈殿物ができた。この沈殿をデカントした後、熱水で4回洗った。さらに、熱水で2回洗い、減圧乾燥した。
【0194】
(2) ポリイミドの合成
上記化合物7.53g(20ミリモル、分子量376.5)、BTDA12.89g(40ミリモル)、m―BAPS8.65g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン0.4g(4ミリモル)及びピリジン0.6g(8ミリモル)、N−メチルピロリドン111g、トルエン30gを仕込み、180℃,180rpmで3.7時間、実施例24と同様に反応させた。
【0195】
(3) 感光性組成物の調製及び画像形成
上記反応液15gと実施例26の反応液15gをとり、ナフトキノンジアジドスルホン酸ーO−クレゾールエステル1.8gを加えて均一の溶液にした。実施例25と同様の操作を行い、100mJの光照射後、30秒間現像で高感度の解像度で良好な画像が得られた。
【0196】
実施例30
基本的に実施例24と同様に操作した。
【0197】
BTDA25.7g(80ミリモル)、FDA13.94g(40ミリモル)、γ―バレロラクトン0.8g(8ミリモル)及びピリジン1.2g(16ミリモル)、N−メチルピロリドン113g、トルエン30gを仕込み、180℃、180rpmで1時間、実施例24と同様に反応させた。
【0198】
ついで室温に冷却し、2,2―ビス{4―(4―アミノフェノキシ)フェニル}プロパン16.42g(40ミリモル)、N−メチルピロリドン100g、トルエン20gを加え、室温で1時間反応後、180℃,180rpmで1.5時間反応させた。反応後、N−メチルピロリドン30gを追加した。この液の一部をガラス板の上にとり、130℃で乾燥すると強いフィルムとなる18%濃度のポリイミド溶液を得た。
このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)26300、重量平均分子量(Mw)131700、Z平均分子量(Mz)445200、Mw/Mn=5.00、Mz/Mn=15.91であった。このポリイミドの熱分解開始温度は559℃であった。
【0199】
上記反応液20gをとり、ナフトキノンジアジドスルホン酸ーO−クレゾールエステル2.8gを加えて均一の溶液にした。実施例25と同様の操作を行い、300mJの光照射後、170℃で5秒間加熱し、現像液に2.5分間浸漬し、水洗して赤外線で乾燥した。ネガ型マスク及びポジ型マスクによって解像度を求めた。この結果、10ミクロンの鋭い円形の孔が、また、10ミクロンの鋭い線形の画像が高感度の解像度で良好な画像として得られた。
【0200】
実施例31
ステンレススチール製の碇型攪拌器を取り付けた1リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。窒素ガスを通しながら加熱攪拌し、BTDA32.22g(100ミリモル)、2,6―ジアミノピリジン(Aldrich社製品)5.45g(50ミリモル)、m―BAPS21.625g(50ミリモル)、γ―バレロラクトン1.0g(10ミリモル)及びピリジン1.6g(20ミリモル)、N−メチルピロリドン223g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで3.5時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0201】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=10500、重量平均分子量(Mw)=15800、Z平均分子量(Mz)=22600、Mw/Mn=1.51、Mz/Mn=2.15であった。
【0202】
実施例32
(1) 感光性組成物の調製
感光性組成物は、実施例31で得られたポリイミド溶液15g(ポリイミド含量3g)と、1,2―ナフトキノンー2―ジアジドー5―スルホン酸 ―O―クレゾールエステル0.9gとを混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0203】
(2) 画像形成
上記の感光性組成物を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。この感光性膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0204】
この感光性組成物塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。
【0205】
300mJで照射した後、下記条件で現像した。現像液組成は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール10g、メタノール25g、水25gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を1分15秒間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0206】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0207】
実施例33
基本的に実施例31と同様に操作した。
【0208】
窒素ガスを通しながら加熱攪拌し、BPDA29.422g(100ミリモル)、2,6―ジアミノピリジン(Aldrich社製品)5.45g(50ミリモル)、ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン(和歌山精化株式会社製品)29.975g(50ミリモル)、γ―バレロラクトン1.0g(10ミリモル)及びピリジン1.6g(20ミリモル)、N−メチルピロリドン229g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで2.0時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、高速液体クロマトグラフィー(東ソ製品)で測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=9300、重量平均分子量(Mw)=14600、Z平均分子量(Mz)=21300、Mw/Mn=1.55、Mz/Mn=2.26であった。
【0209】
実施例34
(1) 感光性組成物の調製
感光性組成物は、実施例33で得られたポリイミド溶液15g(ポリイミド含量3g)と、1,2―ナフトキノンー2―ジアジドー5―スルホン酸 ―O―クレゾールエステル0.9gとを混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0210】
(2) 画像形成
実施例32(2)に記載した方法により感光性組成物膜を作製した。
この感光性組成物膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。
【0211】
200mJで照射した後、下記条件で現像した。現像液組成は、メタノール10g、15%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド溶液20g、水40gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を5分間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0212】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0213】
実施例35
基本的に実施例31と同様の操作を行った。
【0214】
ステンレススチール製の碇型攪拌器を取り付けた1リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。窒素ガスを通しながら加熱攪拌し、BTDA19.33g(60ミリモル)、2,4―ジアミノトルエン3.66g(30ミリモル)、γ―バレロラクトン1.0g(10ミリモル)及びピリジン1.6g(20ミリモル)、N−メチルピロリドン100g、トルエン20gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0215】
ついで、3,4,3’,4’―ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物8.827g(30ミリモル)、2,6―ジアミノピリジン3.274g(30ミリモル)、2,2―ビス{4―(4―アミノフェノキシ)フェニル}プロパン(和歌山精化株式会社製品)12.315g(30ミリモル)、N−メチルピロリドン77g、トルエン10gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。この2段目の反応を2時間10分間行った。
【0216】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=12300、重量平均分子量(Mw)=20000、Z平均分子量(Mz)=29900、Mw/Mn=1.62、Mz/Mn=2.42であった。
【0217】
実施例36
(1) 感光性組成物の調製
感光性組成物は、実施例35で得られたポリイミド溶液15g(ポリイミド含量3g)と、1,2―ナフトキノンー2―ジアジドー5―スルホン酸 ―O―クレゾールエステル0.9gとを混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0218】
(2) 画像形成
実施例32(2)に記載した方法により感光性組成物膜を作製した。
【0219】
この感光性組成物塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。
【0220】
100mJで照射した後、実施例32で示した現像液で現像した。この液中に上記塗膜を、1分間浸漬後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0221】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0222】
実施例37
基本的に実施例35と同様に2段階反応を行った。
【0223】
ステンレススチール製の碇型攪拌器を取り付けた1リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。窒素ガスを通しながら加熱攪拌し、ビシクロ(2,2,2)―オクトー7エンー2,3,5,6―テトラカルボン酸ジ無水物(Aldrich社製品)9.93g(40ミリモル)、3,4’―ジアミノジフェニルエーテル4.00g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン0.6g(10ミリモル)及びピリジン1.0g(12ミリモル)、N−メチルピロリドン76g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0224】
ついで、BTDA6.44g(20ミリモル)、2,6―ジアミノピリジン2.18g(20ミリモル)、ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン8.65g(20ミリモル)、N−メチルピロリドン40g、トルエン10gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。この2段目の反応を3時間行った。
【0225】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=10300、重量平均分子量(Mw)=14000、Z平均分子量(Mz)=18600、Mw/Mn=1.36、Mz/Mn=1.81であった。
【0226】
実施例38
(1) 感光性組成物の調製
感光性組成物は、実施例37で得られたポリイミド溶液15g(ポリイミド含量3g)と、1,2―ナフトキノンー2―ジアジドー5―スルホン酸 ―O―クレゾールエステル0.9gとを混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0227】
(2) 画像形成
実施例32(2)に記載した方法により感光性組成物膜を作製した。
【0228】
この感光性組成物塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。
【0229】
300mJで照射した後、下記現像液で現像した。現像液組成は、水酸化カリウム30g、水100gであった。この液中に上記塗膜を、3分間浸漬後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90度C、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0230】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0231】
実施例39
ステンレススチール製の碇型攪拌器を取り付けた0.5リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。BTDA19.33g(60モル)、2,4―ジアミノフェノール2塩酸塩(東京化成株式会社製品)5.91g(30ミリモル)、ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン(和歌山精化株式会社製品)2.98g(30ミリモル)、γ―バレロラクトン1.0g(10ミリモル)、N−メチルモルホリン10g(100ミリモル)、N−メチルピロリドン144g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温(浴温度)し、180rpmで0.5時間攪拌した。トラップに溜まったトルエンー水の共沸分を除きながら反応を終えた。
【0232】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様に測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=42500、重量平均分子量(Mw)=66000、Z平均分子量(Mz)=1007500、Mw/Mn=3.91、Mz/Mn=11.96であった。このポリイミドの一部を、メタノールに注ぎ、濾過、赤外線乾燥炉で30分間200℃で乾燥してポリイミド粉末とした。
【0233】
実施例40
基本的に実施例39と同様に操作した。
【0234】
6FDA26.66g(60ミリモル)、2,4―ジアミノフェノールジ塩酸塩(東京化成株式会社製品)5.91g(30ミリモル)、2,2―ビス{4―(4―アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン(和歌山精化株式会社製品)15.56g(30ミリモル)、γ―バレロラクトン1.0g(10ミリモル)、N−メチルモルホリン10g(100ミリモル)、N−メチルピロリドン184g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で200rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで70分間攪拌した。N−メチルピロリドン77gを追加して加えた。また、反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0235】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、15重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=111500、重量平均分子量(Mw)=303600、Z平均分子量(Mz)=682400、Mw/Mn=2.72、Mz/Mn=6.12であった。このポリイミドの一部を、メタノールに注ぎ粉末にした。
【0236】
実施例41
基本的に実施例39と同様に操作した。
【0237】
3,4,3’,4’―ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物17.65g(60モル)、2,4―ジアミノフェノール2塩酸塩5.91g(30ミリモル)、2,2―ビス{4―(4―アミノフェノキシ)フェニル}プロパン(和歌山精化株式会社製品)12.32g(30ミリモル)、γ―バレロラクトン1.0g(10ミリモル)、N−メチルモルホリン10g(100ミリモル)、N−メチルピロリドン135g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温(浴温度)し、180rpmで1時間攪拌した。トラップに溜まったトルエンー水の共沸分を除きながら反応を終えた。
【0238】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=31700、重量平均分子量(Mw)=57200、Z平均分子量(Mz)=89500、Mw/Mn=1.81、Mz/Mn=2.82であった。このポリイミドの一部を、メタノールに注ぎ、濾過後、赤外線乾燥炉で30分間200℃で乾燥してポリイミド粉末とした。
【0239】
実施例42
(1) 感光性組成物の調製
感光性組成物は、下記表8及び表9に示す成分を混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0240】
【表8】

【0241】
【表9】

【0242】
(2) 画像形成
上記6種類の感光性組成物を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。このフォトレジスト膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0243】
この感光性組成物塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。
【0244】
配合物XV-XXは、それぞれ下記表10に示す適当量の紫外線照射量で照射した後、表10に示す条件で現像した。この液中に、紫外線照射後の塗布膜を表10に示す条件で浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0245】
【表10】

(組成1=N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール10g、メタノール25g、水25g)
(組成2=水酸化カリウム3g、水100g)
【0246】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0247】
実施例43
基本的に実施例39と同様に操作した。
【0248】
3,4,3’,4’―ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物11.77g(40モル)、3,3’―ジヒドロオキシー4,4’―ジアミノビフェニル(和歌山精化株式会社製品)4.29g(20ミリモル)、1,3―ビス(4―アミノフェノキシ)ベンゼン(和歌山精化株式会社製品)5.85g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン0.8g(8ミリモル)、ピリジン1.6g(20ミリモル)、N−メチルピロリドン82g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温(浴温度)し、180rpmで1時間攪拌した。トラップに溜まったトルエンー水の共沸分を除きながら反応を終えた。上記反応後、N−メチルピロリドン34gを添加した。
【0249】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、18重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=31800、重量平均分子量(Mw)=59600、Z平均分子量(Mz)=102300、Mw/Mn=1.87、Mz/Mn=3.22であった。このポリイミドを、メタノールに注ぎ、濾過後、赤外線乾燥炉で30分間200℃で乾燥してポリイミド粉末とした。このポリイミド粉末を熱分析した。熱分解開始温度は、559℃であった。
【0250】
実施例44
基本的に実施例39と同様に操作した。
【0251】
3,4,3’,4’―ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物12.87g(40モル)、3,3’―ジヒドロオキシー4,4’―ジアミノビフェニル(和歌山精化株式会社製品)4.29g(20ミリモル)、ビスー{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン(和歌山精化株式会社製品)8.65g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン0.8g(8ミリモル)、ピリジン1.2g(16ミリモル)、N−メチルピロリドン98g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温(浴温度)し、180rpmで1.5時間攪拌した。トラップに溜まったトルエンー水の共沸分を除きながら反応を終えた。
【0252】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=19000、重量平均分子量(Mw)=35800、Z平均分子量(Mz)=60300、Mw/Mn=1.86、Mz/Mn=3.14であった。このポリイミドの一部を、メタノールに注ぎ、濾過後、赤外線乾燥炉で30分間200℃で乾燥してポリイミド粉末とした。このポリイミド粉末を熱分析した。熱分解開始温度は、552℃であった。
【0253】
実施例45
基本的に実施例39と同様に操作した。
【0254】
6FDA17.77g(40モル)、3,3’―ジヒドロオキシー4,4’―ジアミノビフェニル(和歌山精化株式会社製品)4.29g(20ミリモル)、ビスー{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン(和歌山精化株式会社製品)8.65g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン0.8g(8ミリモル)、ピリジン1.2g(16ミリモル)、N−メチルピロリドン117g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温(浴温度)し、180rpmで3.7時間攪拌した。トラップに溜まったトルエンー水の共沸分を除きながら反応を終えた。
【0255】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=111600、重量平均分子量(Mw)=196000、Z平均分子量(Mz)=311700、Mw/Mn=1.76、Mz/Mn=2.79であった。このポリイミドを、メタノールに注ぎ、濾過後、赤外線乾燥炉で30分間200℃で乾燥してポリイミド粉末とした。このポリイミド粉末を熱分析した。熱分解開始温度は、552℃であった。
【0256】
実施例46
(1) 感光性組成物の調製
感光性組成物は、下記表11に示す成分を混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0257】
【表11】

【0258】
(2) 画像形成
上記の感光性組成物(XXI、XXII、XXIII)を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。このフォトレジスト膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0259】
このフォトレジスト配合塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。
【0260】
組成物XXI、XXII、XXIIIは、それぞれ表12に示す適当量の紫外線照射量で照射した後、表12に示す条件で現像した。この液中に、紫外線照射後の塗布膜を表12に示す条件で浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0261】
【表12】

(組成3=アミノエタノール20g、グリセリン10g、水50g)
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0262】
上記ポリイミドの塗布膜は、260℃、30分間の赤外線乾燥機での熱処理をした後、このポリイミド膜と銅箔の密着性について、碁盤目試験(1mmX1mm間隔クロス試験)を行い、100/100で好ましい密着性を示した。
【0263】
実施例47
基本的に実施例39と同様に操作した。
【0264】
BTDA12。89g(40ミリモル)、ビスー{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン8。65g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン0。4g(4ミリモル)、ピリジン0。64g(8ミリモル)、N−メチルピロリドン77g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温(浴温度)し、180rpmで1時間攪拌した。トラップに溜まったトルエンー水の共沸分を除きながら反応を終えた。
【0265】
これに、3,3’―ジヒドロオキシー4,4’―ジアミノビフェニル2.16g(10ミリモル)、3,4’―ジアミノジフェニルエーテル2.00g(10ミリモル)、N−メチルピロリドン20g、トルエン10gを加え、室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温(浴温度)し、180rpmで1.0時間攪拌した。トラップに溜まったトルエンー水の共沸分を除きながら反応を終えた。反応後、N−メチルピロリドン41gを加えた。
【0266】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、15重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=32300、重量平均分子量(Mw)=140200、Z平均分子量(Mz)=442000、Mw/Mn=4.34、Mz/Mn=13.68であった。このポリイミドを、メタノールに注ぎ、濾過後、赤外線乾燥炉で30分間200度Cで乾燥してポリイミド粉末とした。このポリイミド粉末を熱分析した。熱分解開始温度は、569℃であった。
【0267】
実施例48
基本的に実施例39と同様に操作した。
【0268】
ビシクロ(2,2,2)―オクトー2,3,5,6―テトラカルボン酸ジ無水物(Aldrich社製品)9.93g(40ミリモル)、1,3―ビスー(3―アミノフェノキシ)ベンゼン(三井東圧株式会社製品)5.85g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン0.4g(4ミリモル)、ピリジン0.64g(8ミリモル)、N−メチルピロリドン55g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温(浴温度)し、180rpmで1.0時間攪拌した。トラップに溜まったトルエンー水の共沸分を除く。冷却後、3,3’―ジヒドロキシー4,4’―ジアミノビフェニル4.32g(20ミリモル)、N−メチルピロリドン20g、トルエン10gを仕込み、室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温(浴温度)し、180rpmで1.45時間攪拌した。トラップに溜まったトルエンー水の共沸分を除いた。
【0269】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=54300、重量平均分子量(Mw)=88400、Z平均分子量(Mz)=130400、Mw/Mn=2.16、Mz/Mn=2.40であった。このポリイミドを、メタノールに注ぎ、濾過後、赤外線乾燥炉で30分間200℃で乾燥してポリイミド粉末とした。このポリイミド粉末を熱分析した。熱分解開始温度は、457℃であった。
【0270】
実施例49
基本的に実施例47と同様に操作した。
【0271】
ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物29.42g(100ミリモル)、ジアミノシラン(信越化学工業株式会社製品、アミン当量416)41.6g(50ミリモル)、γ―バレロラクトン1.5g(15ミリモル)、ピリジン2.4g(30ミリモル)、N−メチルピロリドン200g、トルエン100gを仕込んだ。
【0272】
室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温(浴温度)し、180rpmで1時間攪拌した。トラップに溜まったトルエンー水の共沸分を除きながら反応を終えた。
【0273】
これに、BTDA16.11g(50ミリモル)、3,3’―ジヒドロキシー4,4’―ジアミノビフェニル10.72g(50ミリモル)、3,4’―ジアミノジフェニルエーテル10.01g(50ミリモル)、N−メチルピロリドン210g、トルエン20gを加え、室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温(浴温度)し、180rpmで3.0時間攪拌した。トラップに溜まったトルエンー水の共沸分を除きながら反応を終えた。
【0274】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、10重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=33000、重量平均分子量(Mw)=66300、Z平均分子量(Mz)=116700、Mw/Mn=2.0、Mz/Mn=3.53であった。
【0275】
実施例50
実施例47、48、49のポリイミドについて、実施例46と同様な操作を行った。
【0276】
(1) 感光性組成物の調製
感光性組成物は、下記表13に示す成分を混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0277】
【表13】

【0278】
(2) 画像形成
上記の感光性組成物(XXIV、XXV、XXVI)を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。この感光性膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0279】
この感光性組成物塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。
【0280】
組成物XXIV、XXV、XXVIは、それぞれ下記表14に示す適当量の紫外線照射量で照射した後、表14に示す条件で現像した。この液中に、紫外線照射後の塗布膜を表14に示す条件で浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0281】
【表14】

(組成1=N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール10g、メタノール25g、水25g)
(組成3=アミノエタノール20g、グリセリン10g、水50g)
【0282】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0283】
実施例51
基本的に実施例39と同様に操作した。
【0284】
BTDA38.67g(120ミリモル)、2,4−ジアミノトルエン11.00g(90ミリモル)、3,3’―ジメトオキシー4,4’―ジアミノビフェニル(和歌山精化株式会社製品)7.33g(30ミリモル)、γ―バレロラクトン1.2g(12ミリモル)、ピリジン1.9g(24ミリモル)、N−メチルピロリドン211g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温(浴温度)し、180rpmで3.0時間攪拌した。トラップに溜まったトルエンー水の共沸分を除く。トラップに溜まったトルエンー水の共沸分を除いた。
【0285】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=20300、重量平均分子量(Mw)=40200、Z平均分子量(Mz)=72200、Mw/Mn=1.98、Mz/Mn=3.55であった。
【0286】
実施例52
6FDA26.66g(60ミリモル)、ビスー{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン(和歌山精化株式会社製品)10.37g(20ミリモル)、3,3’―ジメトキシー4、4’―ジアミノビフェニル4.89g(20ミリモル)、3,3’―ジメチルー4,4’―ジアミノビフェニル4.25g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン0.6g(6ミリモル)、ピリジン1.0g(12ミリモル)、N−メチルピロリドン176g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温(浴温度)し、180rpmで1.75時間攪拌した。トラップに溜まったトルエンー水の共沸分を除きながら反応を終えた。
【0287】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=23600、重量平均分子量(Mw)=34400、Z平均分子量(Mz)=49600、Mw/Mn=1.45、Mz/Mn=2.06であった。
【0288】
実施例53
実施例51、52のポリイミドについて、実施例42と同様な操作を行った。
【0289】
(1) 感光性組成物の調製
感光性組成物は、下記表15に示す成分を混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0290】
【表15】

【0291】
(2) 画像形成
上記の感光性組成物(XXVII、XXVIII)を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。この感光性膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0292】
この感光性組成物塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。
【0293】
組成物XXVII、XXVIIIは、それぞれ下記表16に示す適当量の紫外線照射量で照射した後、表16に示す条件で現像した。この液中に、紫外線照射後の塗布膜を表16に示す条件で浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0294】
【表16】

(組成3=アミノエタノール20g、グリセリン10g、水50g)
【0295】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0296】
実施例54
ステンレススチール製の碇型攪拌器を取り付けた1リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。6FDA26.66g(60ミリモル)、3,3’―ジニトロー4,4’―ジアミノビフェニル5.48g(東京化成株式会社製品、20ミリモル)、3,3’―ジメチルー4,4’―ジアミノビフェニル(和歌山精化株式会社製品)8.49g(40ミリモル)、γ―バレロラクトン0.8g(8ミリモル)及びN−メチルモルホリン1.6g(16ミリモル)、N−メチルピロリドン154g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで7.50時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0297】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=7100、重量平均分子量(Mw)=10000、Z平均分子量(Mz)=14000、Mw/Mn=1.41、Mz/Mn=1.97であった。
【0298】
実施例55
基本的に実施例54と同様の操作を行った。
【0299】
6FDA26.66g(60ミリモル)、3,3’―ジニトロー4,4’―ジアミノビフェニル5.48g(20ミリモル)、3,3’―ジメチルー4,4’―ジアミノビフェニル4.25g(20ミリモル)、2,2―ビス{4―(4―アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン10.37g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン0.8g(8ミリモル)及びピリジン1.2g(16ミリモル)、N−メチルピロリドン178g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで4時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0300】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=7400、重量平均分子量(Mw)=9600、Z平均分子量(Mz)=12400、Mw/Mn=1.29、Mz/Mn=1.66であった。
【0301】
実施例56
実施例54と同様の操作を行った。
【0302】
BTDA19.33g(60モル)、3,3’―ジニトロー4,4’―ジアミノビフェニル5.48g(20ミリモル)、2,4―ジアミノトルエン(三井東圧化学株式会社製品)2.44g(20ミリモル)、ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン8.65g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン0.8g(8ミリモル)及びピリジン1.2g(16ミリモル)、N−メチルピロリドン123g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで4.25時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0303】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=5300、重量平均分子量(Mw)=7200、Z平均分子量(Mz)=9600、Mw/Mn=1.37、Mz/Mn=1.81であった。
【0304】
実施例57
基本的に実施例54と同様の操作を行った。
【0305】
6FDA17.77g(40モル)、3,3’―ジニトロー4,4’―ジアミノビフェニル5.48g(20ミリモル)、2,2―ビス{4―(4―アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン10.37g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン0.4g(4ミリモル)及びN―メチルモルホリン0.8g(8ミリモル)、N−メチルピロリドン129g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで5.50時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、高速液体クロマトグラフィー(東ソ製品)で測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=4900、重量平均分子量(Mw)=6700、Z平均分子量(Mz)=9200、Mw/Mn=1.37、Mz/Mn=1.89であった。
【0306】
実施例58
基本的に実施例54と同様の操作を行った。
【0307】
BTDA16.11g(50モル)、3,3’―ジニトロー4,4’―ジアミノビフェニル6.86g(25ミリモル)、ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン10.81g(25ミリモル)、γ―バレロラクトン0.5g(5ミリモル)及びN―メチルモルホリン1.0g(10ミリモル)、N−メチルピロリドン128g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで5.75時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0308】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=4300、重量平均分子量(Mw)=6100、Z平均分子量(Mz)=8500、Mw/Mn=1.40、Mz/Mn=1.95であった。
【0309】
実施例59
(1)感光性組成物の調製
感光性組成物(XXIX〜XXXIII)は、上記実施例54〜58で得られたポリイミド溶液を下記表17に示すように他の成分と混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0310】
【表17】

【0311】
(2)画像形成
上記の感光性組成物(XXIX〜XXXIII)を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。このフォトレジスト膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0312】
このフォトレジスト配合塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる下記表18に示す露光量で照射した。
【0313】
組成物(XXIX〜XXXIII)は、表18に示す条件で紫外線照射した後、表18に示す条件で現像した。
【0314】
【表18】

【0315】
現像液組成1は、苛性カリ30g、水100g、現像液組成2は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール10g、メタノール10g、水25gの混合液である。この液中に、上記照射後の塗布膜を上記現像時間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0316】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0317】
実施例60
基本的に実施例54と同様の操作を行った。
【0318】
6FDA22.21g(50モル)、2―ニトロー1,4―ジアミノベンゼン3.83g(25ミリモル)、2,2―ビス{4―(4―アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン12.96g(25ミリモル)、γ―バレロラクトン0.5g(5ミリモル)及びN―メチルモルホリン1.0g(10ミリモル)、N−メチルピロリドン149g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで4時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0319】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=4800、重量平均分子量(Mw)=6400、Z平均分子量(Mz)=9600、Mw/Mn=1.43、Mz/Mn=2.00であった。
【0320】
実施例61
基本的に実施例54と同様の操作を行った。
【0321】
3,4,3’,4’―ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物14.71g(50モル)、2―ニトロー1、4―ジアミノベンゼン3.83g(25ミリモル)、3,4’―ジアミノジフェニルエーテル5.01g(25ミリモル)、γ―バレロラクトン0.5g(5ミリモル)及びN―メチルモルホリン1.0g(10ミリモル)、N−メチルピロリドン87g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで4時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0322】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、高速液体クロマトグラフィー(東ソ製品)で測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=2900、重量平均分子量(Mw)=3700、Z平均分子量(Mz)=4900、Mw/Mn=1.25、Mz/Mn=1.69であった。
【0323】
実施例62
基本的に実施例54と同様の操作を行った。
【0324】
BTDA16.11g(50モル)、2―ニトロー1,4―ジアミノトルエン3.83g(25ミリモル)、ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン10.81g(25ミリモル)、3,4’―ジアミノジフェニルエーテル5.01g(25ミリモル)、γ―バレロラクトン0.5g(5ミリモル)及びN―メチルモルホリン1.0g(10ミリモル)、N−メチルピロリドン116g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで3時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0325】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=4300、重量平均分子量(Mw)=5800、Z平均分子量(Mz)=7700、Mw/Mn=1.34、Mz/Mn=1.78であった。
【0326】
実施例63
実施例60〜62で作成したポリイミド溶液を用いて実施例59と同様の感光性組成物を作成し、2KW超高圧水銀灯照射で、表19に示す条件で画像を形成する操作を行った。
【0327】
【表19】

【0328】
現像液組成3は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール10g、メタノール25g、水25gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を上記表19に示す現像時間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0329】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0330】
実施例64
基本的に実施例54と同様の操作を行った。
【0331】
6FDA22.21g(50モル)、1,5―ジアミノアントラキノン(東京化成株式会社製品)5.96g(25ミリモル)、2,2―ビス{4―(4―アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン12.96g(25ミリモル)、γ―バレロラクトン0.5g(5ミリモル)及びピリジン0.8g(10ミリモル)、N−メチルピロリドン157g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで7時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0332】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=4600、重量平均分子量(Mw)=6500、Z平均分子量(Mz)=8800、Mw/Mn=1.42、Mz/Mn=1.93であった。
【0333】
実施例65
基本的に実施例54と同様の操作を行った。
【0334】
BTDA19.33g(60モル)、1,5―ジアミノアントラキノン7.14g(30ミリモル)、ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン12.98g(30ミリモル)、γ―バレロラクトン0.6g及びピリジン1.0g、N−メチルピロリドン149g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで3時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0335】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=3800、重量平均分子量(Mw)=5500、Z平均分子量(Mz)=7500、Mw/Mn=1.43、Mz/Mn=1.94であった。
【0336】
実施例66
基本的に実施例54と同様の操作を行った。
【0337】
3,4,3’,4’―ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物17.65g(60モル)、1,5―ジアミノアントラキノン7.14g(30ミリモル)、2,2―ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}プロパン12.32g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン0.6g及びピリジン1.0g、N−メチルピロリドン140g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで7時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0338】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=3300、重量平均分子量(Mw)=4800、Z平均分子量(Mz)=6700、Mw/Mn=1.43、Mz/Mn=2.01であった。
【0339】
実施例67
実施例64〜66で作成したポリイミド溶液を用いて実施例59と同様の感光性組成物を作成し、2KW超高圧水銀灯照射で、表20に示す条件で画像を形成する操作を行った。
【0340】
【表20】

【0341】
現像液組成4は、メタノール10g、水40g、15%テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド溶液20gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を上記表20に示す現像時間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0342】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0343】
実施例68
ステンレススチール製の碇型攪拌器を取り付けた1リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。6FDA26.66g(60ミリモル)、4,4’―ジアミノジフェニルスルフィド4.33g(20ミリモル)、2,2―ビス{4―(4―アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン(和歌山精化株式会社製品)20.74g(40ミリモル)、γ―バレロラクトン0.6g(6ミリモル)及びピリジン1.0g(12ミリモル)、N−メチルピロリドン198g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で200rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで2.25時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0344】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=33900、重量平均分子量(Mw)=57200、Z平均分子量(Mz)=94200、Mw/Mn=1.75、Mz/Mn=2.78であった。
【0345】
実施例69
基本的に実施例68と同様の操作を行なった。
【0346】
BTDA19.33g(60ミリモル)、4,4’―ジアミノジフェニルスルフィド4.33g(20ミリモル)、ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン(和歌山精化株式会社製品)17.3g(40ミリモル)、γ―バレロラクトン0.6g(6ミリモル)及びピリジン1.0g(12ミリモル)、N−メチルピロリドン155g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で200rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで2.4時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0347】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=42200、重量平均分子量(Mw)=126500、Z平均分子量(Mz)=334900、Mw/Mn=3.00、Mz/Mn=7.93であった。
【0348】
実施例70
基本的に実施例68と同様の操作を行なった。
【0349】
3,4,3’,4’―ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物17.65g(60ミリモル)、4,4’―ジアミノジフェニルスルフィド4.33g(20ミリモル)、3,4’―ジアミノジフェニルエーテル(三井石油化学株式会社製品)8.01g(40ミリモル)、γ―バレロラクトン0.6g(6ミリモル)及びピリジン0.96g、N−メチルピロリドン111g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で200rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで2.0時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0350】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=44000、重量平均分子量(Mw)=136200、Z平均分子量(Mz)=368800、Mw/Mn=3.10、Mz/Mn=8.38であった。
【0351】
実施例71
(1) 感光性組成物の調製
感光性組成物は、下記表21に示す成分を混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0352】
【表21】

【0353】
(2) 画像形成
上記の感光性組成物(XL,XLI,XLII)を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。このフォトレジスト膜の厚さは、各約10ミクロンであった。
【0354】
この感光性組成物塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。3種類の塗布膜とも300mJで照射した後、現像液で28分間(組成物IL)、8分間(組成物ILI)又は13分間(組成物ILII)現像した。現像液組成は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール10g、メタノール25g、水25gの混合液であった。
この液中に、上記照射後の塗布膜を上記時間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0355】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0356】
実施例72
基本的に実施例68と同様に操作した。
【0357】
BCD9.93g(40モル)、4,4’―ジアミノジフェニルスルフィド12.98g(60ミリモル)、γ―バレロラクトン1.2g(12ミリモル)及びピリジン1.4g(18ミリモル)、N−メチルピロリドン150g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で200rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温(浴温度)し、180rpmで2時間攪拌した。トラップに溜まったトルエンー水(15ml)の共沸分を除きながら反応を終えた。
【0358】
室温に冷やし、3,4,3’,4’―ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物23.53g(80ミリモル)、1,3―ビス(4―アミノフェノキシ)ベンゼン(和歌山精化株式会社製品)17.54g(60ミリモル)、N−メチルピロリドン89g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、170℃に昇温(浴温度)し、180rpmで4時間攪拌した。トラップに溜まったトルエンー水(15ml)の共沸分を除きながら、N−メチルピロリドン100gを追加して反応を終えた。
【0359】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、15重量%であった。このポリイミドの分子量を、高速液体クロマトグラフィー(東ソ製品)で測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=22700、重量平均分子量(Mw)=40800、Z平均分子量(Mz)=65600、Mw/Mn=1.80、Mz/Mn=2.89であった。
【0360】
実施例73
基本的に実施例72と同様に操作した。
【0361】
BCD19.86g(80モル)、4,4’―ジアミノジフェニルスルフィド25.96g(120ミリモル)、γ―バレロラクトン2.4g(24ミリモル)、N−メチルモルホリン4.86g(48ミリモル)、N−メチルピロリドン250g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で200rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温(浴温度)し、180rpmで1時間攪拌した。トラップに溜まったトルエンー水の共沸分を除きながら反応を終えた。
【0362】
室温に冷やし、BPDA47.08g(160ミリモル)、ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン49.26g(120ミリモル)、N−メチルピロリドン284g、トルエン30gを仕込んだ。
【0363】
室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温(浴温度)し、180rpmで3.20時間攪拌した。トラップに溜まったトルエンー水の共沸分を除きながら、N−メチルピロリドン223gを追加して反応を終えた。
【0364】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、15重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=39600、重量平均分子量(Mw)=61500、Z平均分子量(Mz)=83400、Mw/Mn=1.55、Mz/Mn=2.11であった。
【0365】
実施例74
(1) 感光性組成物の調製
感光性組成物は、下記表22に示す成分を混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0366】
【表22】

【0367】
(2) 画像形成
上記の感光性組成物(XLIII,XLIV)を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。この感光性膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0368】
この感光性組成物塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。紫外線照射量は300mJであり、現像時間は24分間(組成物XLIII)又は5分間(組成物XLIV)であった。現像液組成は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール10g、メタノール25g、水25gの混合液であった。
【0369】
この液中に、上記照射後の塗布膜を上記時間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、各約9ミクロンであった。
【0370】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で20ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、15ミクロンの線像が確認された。
【0371】
実施例75
ステンレススチール製の碇型攪拌器を取り付けた0。5リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。
BTDA32.22g(100ミリモル)、1,4―ビス(3―アミノプロピル)ピペラジン(東京化成株式会社製品)10.01g(50ミリモル)、ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン(和歌山精化株式会社製品)21.6g(50ミリモル)、γ―バレロラクトン1.0g(10ミリモル)及びピリジン1。6g(20ミリモル)、N−メチルピロリドン240g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で200rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで3時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0372】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=6100、重量平均分子量(Mw)=8700、Z平均分子量(Mz)=11600、Mw/Mn=1.42、Mz/Mn=1.90であった。
【0373】
実施例76
基本的に実施例75と同様の操作を行なった。
【0374】
BPDA23.54g(80ミリモル)、1,3―ビス(3―アミノプロピル)ピペラジン4.01g(20ミリモル)、ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン24.63g(60ミリモル)、γ―バレロラクトン0.8g(8ミリモル)及びピリジン1.0g(12ミリモル)、N−メチルピロリドン262g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で200rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで2。3時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0375】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、15重量%であった。
【0376】
実施例77
(1) 感光性組成物の調製
感光性組成物は、下記表23に示す成分を混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0377】
【表23】

【0378】
(2) 画像形成
上記の感光性組成物(XLVIII,XLIX)を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。この感光性膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0379】
この感光性組成物塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる下記表24に示す露光量で照射した。
【0380】
【表24】

【0381】
現像液組成は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール10g、メタノール25g、水25gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を上記時間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0382】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0383】
実施例78
基本的に実施例75と同様の操作を行なった。
【0384】
ピロメリット酸ジ無水物13.09g(60ミリモル)、ジアミノシラン(信越化学株式会社製品、アミン価416)29.46g(30ミリモル)、γ―バレロラクトン1.0g(10ミリモル)及びピリジン1.6g(20ミリモル)、N−メチルピロリドン150g、トルエン70gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で200rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0385】
室温に冷やし、3,4,3’,4’―ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物8.83g(30ミリモル)、1,3―ビス(3―アミノプロピル)ピペラジン6.01g(30ミリモル)、2,2―ビス{4―(4―アミノフェノキシ)フェニル}プロパン12.32g(30ミリモル)、N−メチルピペラジン98g、トルエン20gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで4時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0386】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=16200、重量平均分子量(Mw)=22200、Z平均分子量(Mz)=29200、Mw/Mn=1.37、Mz/Mn=1.80であった。
【0387】
実施例79
(1) 感光性組成物の調製
実施例78で得られたポリイミド溶液を用い,実施例78と同様にして感光性組成物を調製した。
【0388】
(2) 画像形成
上記の感光性組成物を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。この感光性膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0389】
この感光性組成物塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量、すなわち、紫外線照射量100mJで照射した。次いで22秒間現像を行なった。現像液組成は、アミノエタノール30g、エタノール50g、水15gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を上記時間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0390】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0391】
実施例80
実施例75と同様の操作を行なった。
【0392】
BTDA25.78g(80ミリモル)、3,9―ビス(3―アミノプロピル)―2,4,8,10―テトラオキサスピロー(5、5)―ウンデカン10.97g(40ミリモル)、ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン17.3g(40ミリモル)、γ―バレロラクトン0.8g(8ミリモル)及びピリジン1.3g(16ミリモル)、N−メチルピロリドン205g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で200rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで3時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0393】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=50300、重量平均分子量(Mw)=226600、Z平均分子量(Mz)=712900、Mw/Mn=4.42、Mz/Mn=14.15であった。
【0394】
実施例81
基本的に実施例80と同様に操作した。
【0395】
6FDA17.77g(40ミリモル)、3,4―ビス(3―アミノプロピル)―2,4,8,10―テトラオキサスピロー(5,5)―ウンデカン5.49g(20ミリモル)、ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン8.65g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン0.4g(4ミリモル)及びピリジン0.6g(8ミリモル)、N−メチルピロリドン122g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で200rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1。75時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0396】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、高速液体クロマトグラフィー(東ソ製品)の紫外線検出器で測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=21200、重量平均分子量(Mw)=33500、Z平均分子量(Mz)=48500、Mw/Mn=1.58、Mz/Mn=2.28であった。
【0397】
実施例82
基本的に実施例80と同様に操作した。
【0398】
6FDA35.45g(80ミリモル)、3,9―ビス(3―アミノプロピル)―2,4,8,10―テトラオキサスピロー(5、5)―ウンデカン10.97g(40ミリモル)、2,2―ビス{4―(4―アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン20.74g(40ミリモル)、γ―バレロラクトン0.8g(8ミリモル)及びピリジン1.2g(16ミリモル)、N−メチルピロリドン286g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで3時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0399】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=64300、重量平均分子量(Mw)=129100、Z平均分子量(Mz)=239500、Mw/Mn=2.01、Mz/Mn=3.73であった。
【0400】
実施例83
(1) 感光性組成物の調製
感光性組成物は、下記表25に示す成分を混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0401】
【表25】

【0402】
(2) 画像形成
上記の感光性組成物(L,LI,LII)を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。この感光性膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0403】
この感光性組成物塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量、すなわち、紫外線照射量300mJで照射した。次いで、現像時間3.0分間(組成物L)、1.0分間(組成物LI)又は1.5分間(組成物LII)で現像した。現像液組成は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール10g、メタノール25g、水25gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を上記時間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0404】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0405】
実施例84
基本的に実施例78と同様に操作した。
【0406】
BTDA19.33g(60ミリモル)、2,4―ジアミノトルエン3.67g(30ミリモル)、γ―バレロラクトン1.0g(10ミリモル)及びピリジン1.2g(15ミリモル)、N−メチルピロリドン100g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で200rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0407】
室温に冷やし、BTDA9.67g(30ミリモル)、3,9―ビス(3―アミノプロピル)―2,4,8,10―テトラオキサスピロー(5,5)―ウンデカン8.23g(30ミリモル)、2,2―ビス{4―(4―アミノフェノキシ)フェニル}プロパン12.32g(30ミリモル)、N−メチルピロリドン100g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで2時間攪拌後、N−メチルピロリドン60gを加え、さらに1時間加熱し、モルホリン2.5gを加えた。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0408】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、10重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=41800、重量平均分子量(Mw)=155200、Z平均分子量(Mz)=414100、Mw/Mn=3.71、Mz/Mn=9.90であった。
【0409】
実施例85
基本的に実施例78と同様に操作した。
【0410】
ピロメリット酸ジ無水物13.09g(60ミリモル)、ジアミノシラン(アミン当量416)24.96g(30ミリモル)、γ―バレロラクトン1.0g(10ミリモル)及びピリジン1.2g(15ミリモル)、N−メチルピロリドン160g、トルエン60gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で200rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0411】
室温に冷やし、BTDA9.67g(30ミリモル)、3,9―ビス(3―アミノプロピル)―2,4,8,10―テトラオキサスピロー(5,5)―ウンデカン8.23g(30ミリモル)、2,2―ビス{4―(4―アミノフェノキシ)フェニル}プロパン12.32g(30ミリモル)、N−メチルピロリドン100g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで3.15時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0412】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=37600、重量平均分子量(Mw)=83200、Z平均分子量(Mz)=156000、Mw/Mn=2.11、Mz/Mn=4.14であった。
【0413】
実施例86
(1) 感光性組成物の調製
感光性組成物は、下記表26に示す成分を混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0414】
【表26】

【0415】
(2) 画像形成
上記の感光性組成物(LIII,LIV)を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。この感光性膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0416】
この感光性組成物塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量、すなわち、紫外線量200mJで照射した。次いで、現像時間90秒間(組成物LIII)又は50秒間(組成物LIV)で現像した。現像液組成は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール10g、メタノール25g、水25gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を上記時間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0417】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0418】
実施例87
基本的に実施例75と同様の操作を行なった。
【0419】
BTDA32.22g(100ミリモル)、3,7―ビス(3―アミノプロピル)―2,4,8,10―テトラオキサスピロー(5,5)―ウンデカン13.72g(50ミリモル)、1、4―ビス(3―アミノプロピル)ピペラジン13。72g(50ミリモル)、γ―バレロラクトン1.0g(10ミリモル)及びピリジン1.6g(20ミリモル)、N−メチルピロリドン309g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で200rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1.5時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0420】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、15.4重量%であった。
【0421】
実施例88
基本的に実施例78と同様に操作した。
【0422】
BTDA9.67g(30ミリモル)、3,9―ビス(3―アミノプロピル)―2,4,8,10―テトラオキサスピロー(5,5)―ウンデカン8.23g(30ミリモル)、2,2―ビス{4―(4―アミノフェノキシ)フェニル}プロパン12.32g(30ミリモル)、γ―バレロラクトン1.0g(10ミリモル)及びピリジン1.6g(20ミリモル)、N−メチルピロリドン103g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で200rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0423】
室温に冷やし、N−メチルピロリドン89gとモルホリン2.0gを加え、BTDA19.32g(60ミリモル)、1,4―ビス(3―アミノプロピル)ピペラジン3.0g(15ミリモル)、2,2―ビス{4―(4―アミノフェノキシ)フェニル}プロパン6.16g(15ミリモル)、N−メチルピロリドン119g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで2.45時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0424】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、15重量%であった。このポリイミドの分子量を、高速液体クロマトグラフィー(東ソ製品)の紫外線検出器で測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=19700、重量平均分子量(Mw)=30700、Z平均分子量(Mz)=45400、Mw/Mn=1.55、Mz/Mn=2.30であった。
【0425】
実施例89
(1) 感光性組成物の調製
感光性組成物は、下記表27に示す成分を混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0426】
【表27】

【0427】
(2) 画像形成
上記の感光性組成物(LV,LVI)を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。この感光性膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0428】
この感光性組成物塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量、すなわち、紫外線量100mJ(組成物LV)又は200mJ(組成物LVI)で照射した。次いで、35秒間現像した。現像液組成は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール10g、メタノール25g、水25gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を上記時間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0429】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0430】
実施例90
ステンレススチール製の碇型攪拌器を取り付けた1リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。6FDA26.66g(60ミリモル)、ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン17.3g(40ミリモル)、9,10―ビス(4―アミノフェニル)アントラキノン(和歌山精化株式会社製品、以降ADAという)7.21g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン0.6g(6ミリモル)及びピリジン1.0g(12ミリモル)、N−メチルピロリドン196g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで2.50時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0431】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、紫外線検出器を用いた高速液体クロマトグラフィー(東ソ製品)で測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=31700、重量平均分子量(Mw)=49400、Z平均分子量(Mz)=72400、Mw/Mn=1.56、Mz/Mn=2.29であった。
【0432】
実施例91
基本的に実施例90と同様の操作を行った。
【0433】
BTDA19.33g(60ミリモル)、ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン17.3g(40ミリモル)、ADA7.21g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン0.6g(6ミリモル)及びピリジン1.0g(12ミリモル)、N−メチルピロリドン236g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで2.5時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0434】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、15重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=47100、重量平均分子量(Mw)=135600、Z平均分子量(Mz)=347000、Mw/Mn=2.88、Mz/Mn=7.28であった。
【0435】
実施例92
(1) 感光性組成物の調製
感光性組成物は、下記表28に示す成分を混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0436】
【表28】

【0437】
(2) 画像形成
上記の感光性組成物(LVII,LVIII)を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。この感光性膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0438】
この感光性組成物塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。下記表29に示す条件で紫外線照射した後、表29に示す条件で現像した。
【0439】
【表29】

【0440】
現像液組成は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール10g、メタノール25g、水25gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を上記現像時間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0441】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0442】
実施例93
基本的に実施例90と同様の操作を行った。
【0443】
BTDA14.89g(60モル)、2,6―ジアミノトルエン3.67g(30ミリモル)、γ―バレロラクトン0.9g(9ミリモル)及びピリジン1.0g(12ミリモル)、N−メチルピロリドン100g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0444】
ついで室温に冷却し、BTDA9.67g(30ミリモル)、ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン12.98g(30ミリモル)、ADA10.82g(30ミリモル)、N−メチルピロリドン95g、トルエン10gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで60分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで2.15時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。反応後、N−メチルピロリドン100gを追加した。
【0445】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、14重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=18600、重量平均分子量(Mw)=80700、Z平均分子量(Mz)=342200、Mw/Mn=4.34、Mz/Mn=18.42であった。
【0446】
実施例94
(1) 感光性組成物の調製
実施例93で得られたポリイミド溶液19g(ポリイミド含量2.7g)と1,2―ナフトキノンー2―ジアジドー5―スルホン酸 ―O―クレゾールエステル0.8gとを混合して感光性組成物を調製した。
【0447】
(2) 画像形成
実施例92と基本的に同様にして上記感光性組成物に対して画像形成を行なった。ただし、紫外線照射量は300mJ、現像時間は6分間、現像液組成は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール10g、メタノール25g、水25gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を上記現像時間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0448】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0449】
実施例95
基本的に実施例93と同様の操作を行った。
【0450】
ビシクロ(2,2,2)―オクトー7―エンー2,3,5,6―テトラカルボン酸ジ無水物14.89g(40ミリモル)、3,4’―ジアミノービフェニルエーテル6.01g(30ミリモル)、γ―バレロラクトン0.6g(6ミリモル)及びピリジン1.0g(12ミリモル)、N−メチルピロリドン100g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0451】
ついで室温に冷却し、6FDA13.33g(30ミリモル)、2,2―ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン21.26g(41ミリモル)、ADA6.96g(19ミリモル)、N−メチルピロリドン137g、トルエン10gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで60分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで2.15時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0452】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、高速液体クロマトグラフィー(東ソ製品)で測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)=62100、重量平均分子量(Mw)=35000、Z平均分子量(Mz)=123300、Mw/Mn=2.00、Mz/Mn=13.53であった。
【0453】
実施例96
(1) 感光性組成物の調製
実施例95で得られたポリイミド溶液を用い、実施例92と同様にして感光性組成物を調製した。
【0454】
(2) 画像形成
実施例92と基本的に同様にして上記感光性組成物に対して画像形成を行なった。ただし、紫外線照射量は300mJ、現像時間は8.45分間、現像液組成は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール10g、メタノール25g、水25gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を上記現像時間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0455】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0456】
実施例97
ステンレススチール製の碇型攪拌器を取り付けた1リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。窒素ガスを通しながら、シリコン浴中に上記フラスコをつけて攪拌し、BPDA58.845g(200モル)、ビスー4―(3―アミノフェノキシ)フェニルスルホン(和歌山精化株式会社製品)43.25g(100ミリモル)、2,2―ビスー{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン(和歌山精化株式会社製品)51.85g(100ミリモル)、γ―バレロラクトン2.0g(20ミリモル)及びピリジン3.2g(40ミリモル)、N−メチルピロリドン587g、トルエン50gを仕込む。室温で窒素雰囲気下で200rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温(浴温度)し、180rpmで3時間攪拌した。トラップに溜まったトルエンー水の共沸分を除きながら反応を終えた。
【0457】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)52600、重量平均分子量(Mw)80300、Z平均分子量(Mz)105800、Mw/Mn=1.53、Mz/Mn=2.01であった。
【0458】
実施例98
基本的に実施例1と同様な操作を行なった。
【0459】
ステンレススチール製の碇型攪拌器を取り付けた0。5リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。BPDA26.48g(90ミリモル)、ビス{4―(4―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン12.98g(30ミリモル)、4,4’―ジアミノジフェニルスルホン14.90g(60ミリモル)、γ―バレロラクトン1.0g(10ミリモル)及びピリジン1.7g(20ミリモル)、N−メチルピロリドン205g、トルエン50gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で200rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで3時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0460】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)18700、重量平均分子量(Mw)29300、Z平均分子量(Mz)39700、Mw/Mn=1.52、Mz/Mn=2.13であった。
【0461】
実施例99
実施例97と同様な操作を行なった。
【0462】
BPDA26.48g(90ミリモル)、2,2―ビスー4(4'―アミノフェノキシ)フェニルプロパン(和歌山精化株式会社製品)12.32g(30ミリモル)、4,4’―ジアミノジフェニルスルホン14.90g(60ミリモル)、γ―バレロラクトン1.0g(10ミリモル)及びピリジン1.2g(15ミリモル)、N−メチルピロリドン182g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで3時間攪拌した。反応中のトルエンー水の共沸分を除いた。
【0463】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)33300、重量平均分子量(Mw)43400、Z平均分子量(Mz)55400、Mw/Mn=1.30、Mz/Mn=1.66であった。
【0464】
実施例100
実施例97と同様な操作を行なった。
【0465】
BTDA96.67g(300ミリモル)、ビスー4―{(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン47.58g(110ミリモル)、ビス(3,3’―ジアミノプロピル)シラン(信越化学工業株式会社製品、アミン当量890)178g(200ミリモル)、5―ノルボルネンー2,3―ジカルボン酸無水物3.28g(20ミリモル)、γ―バレロラクトン3.0g(30ミリモル)及びピリジン4.0g(50ミリモル)、N−メチルピロリドン473g、トルエン100gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで5.5時間攪拌した。反応中のトルエンー水の共沸分を除いた。反応後、ベンジルアルコール73gを加えた。
【0466】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、40重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)22800、重量平均分子量(Mw)41400、Z平均分子量(Mz)67000、Mw/Mn=1.81、Mz/Mn=2.44であった。
【0467】
実施例101
基本的に実施例1と同様な操作を行なった。
【0468】
ピロメリット酸ジ無水物13.09g(60ミリモル)、ビシクロ(2,2,2)―オクトー7―エンー2,3,5,6―テトラカルボン酸ジ無水物(Aldrich社製品)14.89g(60ミリモル)、ビスー4―{(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン61.9g(120ミリモル)、γ―バレロラクトン1.2g(12ミリモル)及びピリジン1.12g(24ミリモル)、N−メチルピロリドン302g、トルエン50gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで3.75時間攪拌した。反応中のトルエンー水の共沸分を除いた。
【0469】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)71100、重量平均分子量(Mw)113600、Z平均分子量(Mz)167200、Mw/Mn=1.60、Mz/Mn=2.35であった。
【0470】
実施例102
(1)感光性組成物の調製
感光性組成物は、下記表30に示成分を混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0471】
【表30】

【0472】
(2)画像形成
上記5種類の感光性組成物を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。この感光性膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0473】
この感光性組成物塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、下記表31に示す、画像が得られる露光量で照射した。
【0474】
【表31】

【0475】
現像液組成は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール10g、メタノール25g、水25gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を上記時間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0476】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0477】
このポリイミド塗布膜を、150℃で30分間の赤外線加熱処理をすると、膜厚は8ミクロンで殆ど変化がなかった。さらに、このポリイミド塗布膜を、260℃で30分間の赤外線加熱処理すると、膜厚は6ミクロンとなった。 さらに、上記ポリイミド膜と銅箔との密着性を碁盤目試験法で評価した。ナイフで塗布膜に、1mmX1mmの碁盤目の切り傷をつけ、セロテープ(登録商標)で剥離する試験では、100/100(剥離部分なし)を示し、ポリイミド膜と銅箔は、充分実用可能な密着性を示した。
【0478】
実施例103
基本的に実施例97と同様な操作を行なった。
【0479】
BTDA38.62g(120ミリモル)、ジアミノトルエン7.33g(60ミリモル)、γ―バレロラクトン1.8g(18ミリモル)及びピリジン2.4g(36ミリモル)、N−メチルピロリドン100g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した。反応中のトルエンー水の共沸分を除いた。
【0480】
ついで室温に冷却し、ビスー4―{(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン12.32g(30ミリモル)、2,2―ビスー4(4’―アミノフェノキシ)フェニルプロパン12。96g(30ミリモル)、N−メチルピロリドン94g、トルエン20gを仕込んだ。その後、室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで2。8時間攪拌した。反応中のトルエンー水の共沸分を除いた。
【0481】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、25重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)36000、重量平均分子量(Mw)158800、Z平均分子量(Mz)559200、Mw/Mn=4.40、Mz/Mn=15.52であった。
【0482】
実施例104
基本的に実施例103と同様な操作を行なった。
【0483】
窒素ガスを通しながら、BTDA38.67g(120ミリモル)、ビスー4―{(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン25.95g(60ミリモル)、γ―バレロラクトン1.8g(18ミリモル)及びピリジン2.9g(36ミリモル)、N−メチルピロリドン200g、トルエン40gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した。反応中のトルエンー水の共沸分を除いた。
【0484】
ついで室温に冷却し、BPDA17.65g(60ミリモル)、3,4’―ジアミノジフェニルエーテル12.01g(60ミリモル)、2,2―ビスー4(4’―アミノフェノキシ)フェニルプロパン24.63g(60ミリモル)、N−メチルピロリドン250g、トルエン20gを仕込む。その後、室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで3時間攪拌した。反応中のトルエンー水の共沸分を除いた。
【0485】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、25重量%であった。このポリイミドの分子量を、高速液体クロマトグラフィー(東ソ製品)で測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)39700、重量平均分子量(Mw)113800、Z平均分子量(Mz)270000、Mw/Mn=2.86、Mz/Mn=6.80であった。
【0486】
実施例105
基本的に実施例103と同様な操作を行なった。
【0487】
窒素ガスを通しながら、BTDA48.34g(150ミリモル)、2,4―ジアミノトルエン9.165g(75ミリモル)、γ―バレロラクトン1.5g(15ミリモル)及びピリジン1.78g(30ミリモル)、N−メチルピロリドン130g、トルエン70gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1。3時間攪拌した。反応中のトルエンー水の共沸分を除いた。
【0488】
ついで室温に冷却し、ビスー4―{(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン32.44g(75ミリモル)、N−メチルピロリドン67g、トルエン40gを仕込んだ。その後、室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで4.5時間攪拌した。反応中のトルエンー水の共沸分を除いた。反応後、N−メチルピロリドン52gを追加した。
【0489】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、25重量%であった。このポリイミドの分子量を、高速液体クロマトグラフィー(東ソ製品)で測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)21900、重量平均分子量(Mw)59000、Z平均分子量(Mz)146600、Mw/Mn=2.70、Mz/Mn=6.71であった。
【0490】
実施例106
(1)感光性組成物の調製
感光性組成物は、下記表32に示成分を混合し、3ミクロン細孔径の濾過膜で濾過して製造した。
【0491】
【表32】

【0492】
(2)画像形成
上記3種類の感光性組成物を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。この感光性膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0493】
この感光性組成物塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量、すなわち、紫外線照射量300mJで照射した。次いで、現像時間2.0分間(組成物LXIV)、2.8分間(組成物LXV)又は0.15分間(組成物LXVI)で現像した。現像液組成は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール25g、メタノール25g、水10gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を上記時間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0494】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、F及びGの組成では、10ミクロンの線像が、Hにおいては15ミクロンの線像が確認された。
【0495】
実施例107
ステンレススチール製の碇型攪拌器を取り付けた1リットルのセパラブル3つ口フラスコに、水分分離トラップを備えた玉付冷却管を取り付けた。窒素ガスを通しながら、BTDA6.44g(20ミリモル)、3,5―ジアミノ安息香酸(以下DABZという)6.09g(40ミリモル)、γ―バレロラクトン0.6g(6ミリモル)及びピリジン3.2g(40ミリモル)、N−メチルピロリドン60g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で200rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。ついで、N−メチルピロリドン192gを追加した。
【0496】
室温に冷却し、6FDA17.77g(40ミリモル)、2,2―ビス{4―(4―アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン10.37g(20ミリモル)、N−メチルピロリドン94g、トルエン10gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで0。5時間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで2。7時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0497】
さらに、室温に冷却後、モルホリン3.8g(40ミリモル)、N−メチルピロリドン10gを加え30分間攪拌し、ついで130℃で130rpm攪拌で1時間反応した。
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、10重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)13400、重量平均分子量(Mw)23700、Z平均分子量(Mz)37300、Mw/Mn=1.77、Mz/Mn=2.79であった。
【0498】
上記2段目の反応時間を2.7時間よりも長くすると、Mwは50000以上になった。
【0499】
実施例108
基本的に実施例107と同様に操作した。
【0500】
BTDA6.44g(20ミリモル)、DABZ6.09g(40ミリモル)、γ―バレロラクトン0.6g(6ミリモル)及びピリジン3.2g(40ミリモル)、N−メチルピロリドン60g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0501】
室温に冷却し、BTDA12.89g(40ミリモル)、2,2―ビス{4―(4―アミノフェノキシ)フェニル}プロパン8.21g(20ミリモル)、N−メチルピロリドン223g、トルエン10gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで0.5時間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで2.7時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0502】
さらに、室温に冷却後、N−メチルピペラジン4.41g(44ミリモル)、N−メチルピロリドン10gを加え30分間攪拌し、ついで120℃で120rpm攪拌で1時間反応した。
【0503】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、10重量%であった。このポリイミドのジメチルホルムアミドに不溶で分子量は測定できなかった。
【0504】
実施例109
(1) 感光性組成物の調製
実施例107又は108で得たポリイミド溶液30g(ポリイミド含有量はいずれも3g)と、1,2―ナフトキノンー2―ジアジドー5―スルホン酸 ―O―クレゾールエステル0.9gとを混合し、感光性組成物LXVII(実施例107)及び感光性組成物LXVIII(実施例108)を調製した。
【0505】
(2) 画像形成
上記2種類の感光性組成物を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。この感光性膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0506】
この感光性組成物塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。
【0507】
組成物LXVIIは、500mJで照射した後、下記条件で現像した。現像液組成は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール10g、メタノール25g、水25gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を3分間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0508】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0509】
組成物LXVIIIは、500mJで照射した後、下記条件で現像した。現像液組成は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール10g、メタノール25g、水25gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を1.5分間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。このポリイミド塗布膜の90℃、30分間の乾燥処理におけるポリイミド膜厚は、9ミクロンであった。
【0510】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で10ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、10ミクロンの線像が確認された。
【0511】
実施例110
基本的に実施例107と同様の操作を行った。
【0512】
6FDA17.77g(40ミリモル)、DABZ3.04g(20ミリモル)、4,4’―ジアミノジフェニルエーテル6.01g(30ミリモル)、γ―バレロラクトン0.8g(8ミリモル)及びピリジン1.3g(16ミリモル)、N−メチルピロリドン107g、トルエン25gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで2時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0513】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)14800、重量平均分子量(Mw)25400、Z平均分子量(Mz)62500、Mw/Mn=1.71、Mz/Mn=4.21であった。
【0514】
実施例111
(1) 感光性組成物の調製
実施例110で得られたポリイミド溶液15g(ポリイミド含有量3g)と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸−O−クレゾールエステル0.9gとを混合して感光性組成物を調製した。
【0515】
(2) 画像形成
(1)で調製した感光性組成物を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。この感光性膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0516】
この感光性組成物塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。
【0517】
300mJで照射した後、下記条件で現像した。現像液組成は、アミノエタノール30g、エタノール50g、水15gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を1.25分間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。この結果、シャープさにはやや劣るもののパターンに対応した画像が認められた。
【0518】
また、この感光性組成物は500mJで照射した後、下記条件で現像した。現像液組成は、N−メチルピロリドン40g、アミノエタノール10g、メタノール25g、水15gの混合液である。この液中に、上記照射後の塗布膜を2.5分間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。この結果、シャープさにはやや劣るもののパターンに対応した画像が認められた。
【0519】
実施例112
基本的に実施例107と同様の操作を行った。
【0520】
ビシクロー(2,2,2)―オクトー7―エンー2,3,5,6―テトラカルボン酸ジ無水物24.82g(100ミリモル)、DABZ7.61g(50ミリモル)、γ―バレロラクトン1.5g(15ミリモル)及びピリジン2.4g(30ミリモル)、N−メチルピロリドン120g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0521】
室温に冷却し、3,4,3’,4’―ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物14.71g(50ミリモル)、3,4’―ジアミノジフェニルエーテル10.01g(50ミリモル)、2,2―ビス{4―(4―アミノフェノキシ)フェニル}プロパン20.53g(50ミリモル)、N−メチルピロリドン109g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで0.5時間攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで2時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0522】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)46700、重量平均分子量(Mw)102600、Z平均分子量(Mz)82400、Mw/Mn=2.20、Mz/Mn=3.90であった。
【0523】
実施例113
(1) 感光性組成物の調製
実施例112で得られたポリイミド溶液15g(ポリイミド含有量3g)と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸−O−クレゾールエステル0.9gとを混合して感光性組成物を調製した。
【0524】
(2) 画像形成
(1)で得られた上記感光性組成物を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90度C10分間乾燥した。この感光性膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0525】
この感光性組成物塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。
【0526】
300mJで照射した後、下記条件で現像した。現像液組成は、アミノエタノール30g、エタノール50g、水15gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を6分間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。この結果、シャープさにはやや劣るもののパターンに対応した画像が認められた。
【0527】
実施例114
基本的に実施例1と同様に操作した。
【0528】
BTDA11.11g(50ミリモル)、DABZ3.80g、ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン10.81g(25ミリモル)、γ―バレロラクトン1.0g(10ミリモル)及びピリジン2.9g(30ミリモル)、N−メチルピロリドン106g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで3時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0529】
室温に冷却し、モルホリン2。61g(30ミリモル)、N−メチルピロリドン210gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで0。5時間攪拌した後、160℃に昇温し、180rpmで1時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0530】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)13100、重量平均分子量(Mw)22400、Z平均分子量(Mz)36700、Mw/Mn=1.71、Mz/Mn=2.65であった。
【0531】
実施例115
基本的に実施例1と同様に操作した。
【0532】
BTDA29.00g(90ミリモル)、DABZ6.85g(45ミリモル)、ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン19.46g(45ミリモル)、γ―バレロラクトン0.9g(9ミリモル)及びピリジン3.6g(45ミリモル)、N−メチルピロリドン208g、トルエン30gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで2時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0533】
室温に冷却し、N−メチルピペリジン5.41g(54ミリモル)、トルエン10gを加え、室温で窒素雰囲気下で160rpmで1.3時間攪拌し、反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
【0534】
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、20重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)5200、重量平均分子量(Mw)8900、Z平均分子量(Mz)13000、Mw/Mn=1.71、Mz/Mn=2.50であった。
【0535】
実施例116
(1) 感光性組成物の調製
実施例114又は115で得たポリイミド溶液15g(ポリイミド含有量はいずれも3g)と、1,2―ナフトキノンー2―ジアジドー5―スルホン酸 ―O―クレゾールエステル0.9gとを混合し、感光性組成物LXIX(実施例114)及び感光性組成物LXX(実施例115)を調製した。
【0536】
(2) 画像形成
上記2種類の感光性組成物を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。この感光性膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0537】
この感光性組成物塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。
【0538】
2種類の組成物とも300mJで照射した後、下記条件で現像した。現像液組成は、アミノエタノール30g、エタノール50g、水15gの混合液であった。この液中に、上記照射後の塗布膜を組成物LXIXは15秒間、LXXは2.5分間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。
【0539】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、鋭く輪郭の丸みの切り口で15ミクロン口径の孔が確認された。ラインアンドベースパターンでは、15ミクロンの線像が確認された。
【0540】
実施例117
基本的に実施例107と同様に操作した。
【0541】
BTDA96.67g(300ミリモル)、DABZ22.82g(150ミリモル)、ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン64.88g(150ミリモル)、γ―バレロラクトン3.0g(30ミリモル)及びピリジン12g(150ミリモル)、N−メチルピロリドン405g、トルエン50gを仕込んだ。室温で窒素雰囲気下で180rpmで30分攪拌した後、180℃に昇温し、180rpmで2.7時間攪拌した。反応中、トルエンー水の共沸分を除いた。
このようにして得られたポリイミド溶液のポリマー濃度は、30重量%であった。このポリイミドの分子量を、実施例1と同様にして測定したところ、スチレン換算分子量は、数平均分子量(Mn)20100、重量平均分子量(Mw)42700、Z平均分子量(Mz)19800、Mw/Mn=2.12、Mz/Mn=3.97であった。
【0542】
実施例118
(1) 感光性組成物の調製
実施例117で得られたポリイミド溶液10g(ポリイミド含有量3g)と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸−O−クレゾールエステル0.9gとを混合して感光性組成物を調製した。
【0543】
(2) 画像形成
上記(1)で調製した感光性組成物を、表面処理した直径5cmの銅箔(日本電解株式会社製品、18ミクロン厚さ)の表面上に、スピンコート法で塗布した。ついで、赤外線熱風乾燥機中で90℃10分間乾燥した。この感光性膜の厚さは、約10ミクロンであった。
【0544】
このフォトレジスト配合塗布膜上に、ポジ型フォトマスク用のテストパターン(10、15、20、25、――、200ミクロンのスルーホール及びラインアンドベースパターン)を置き、2kw超高圧水銀灯照射装置(オーク製作所製品:JP−2000G)を用いて、画像が得られる露光量で照射した。
【0545】
紫外線量300mJで照射した後、下記条件で現像した。現像液組成は、アミノエタノール30g、エタノール50g、水15gの混合液である。この液中に、上記照射後の塗布膜を6.5分間浸漬した後、脱イオン水で水洗し、赤外線ランプで乾燥後、解像度を観察した。
【0546】
このポリイミド塗布膜のスルーホールパターンは、コントラストがやや悪いものの、パターンに対応した画像が得られた。
【産業上の利用可能性】
【0547】
以上の通り、本発明によれば、芳香族酸ジ無水物、芳香族ジアミンを原料とし、酸触媒の存在下直接重縮合した溶剤可溶のポリイミドは、酸発生剤の存在下に紫外線照射することによって、極めて良好な画像解像度が得られた。本発明の感光性ポリイミドを、耐熱性絶縁膜として利用する場合は、分子量が2万5000―20万のポリイミドが、高温度耐熱性、電気絶縁性、接着性を有した絶縁膜となり、半導体や電子部品等の製造分野に幅広く利用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光酸発生剤と、該光酸発生剤の存在下にポジ型感光性を示す溶剤可溶のポリイミドとを含むポジ型感光性ポリイミド組成物。
【請求項2】
前記ポリイミドは、光増感性芳香族ジアミン及び/又は光分解酸によりアルカリ可溶性を示す芳香族ジアミンをジアミン成分として含む請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記光増感性芳香族ジアミンが、4,4’―ジアミノジフェニルスルホン、3,3’―ジアミノジフェニルスルホン、ビス{4―(4―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、ビス{4―(3―アミノフェノキシ)フェニル}スルホン、O−トリジンスルホン、4,4’―ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’―ジアミノジフェニルジスルフィド、4,4’―ジアミノベンゾフェノン、3,3’―ジアミノベンゾフェノン、1,5―ジアミノアントラキノン、2―ニトロー1,4―ジアミノベンゼン、3,3’―ジニトロー4,4’―ジアミノビフェニル、3,3’―ジメトキシー4,4’―ジアミノビフェニル、1,5―ジアミノナフタリン、9,9―ビス(4―アミノフェニル)フルオレン及び9,10―ビス(4―アミノフェニル)アントラセンから成る群より選ばれる少なくとも1種である請求項2記載の組成物。
【請求項4】
光分解酸によりアルカリ可溶性を示す前記芳香族ジアミンが、3,5―ジアミノ安息香酸、3,5―ジアミノ安息香酸のモルホリンアミド、3,5―ジアミノ安息香酸のN−メチルピペリジンアミド、2,6―ジアミノピリジン、3,5―ジアミノピリジン、2―ヒドロキシー1,4―ジアミノベンゼン及び3,3’―ジヒドロキシー4,4’―ジアミノビフェニルから成る群より選ばれる少なくとも1種である請求項2又は3記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリイミドは、芳香族ジアミン成分として、4,4’―ジアミノジフェニルエーテル、3,4’―ジアミノジフェニルエーテル、ビス(4―フェノキシ)1,4―ベンゼン、ビス(3―フェノキシ)1,4―ベンゼン、ビス(3―フェノキシ)1,3―ベンゼン、2,2―ビス(4―アミノフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3―ヘキサフルオロー2―ビス(4―アミノフェニル)プロパン、4,4’―ジアミノジフェニルメタン、ビス(4―アミノフェノキシ)4,4’―ジフェニル、2,2―ビス{(4―アミノフェノキシ)フェニル}プロパン、2,2―ビス{(4―アミノフェノキシ)フェニル}ヘキサフルオルプロパン、1,3―ジアミノベンゼン、1,4―ジアミノベンゼン、2,4―ジアミノトルエン、3,3’―ジメチルー4,4’―ジアミノビフェニル、2,2’―ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、α,α’―ビス(4―アミノフェニル)―1,4―ジイソプロピルベンゼン、ビス(4―アミノフェノキシ)―1,3―(2,2―ジメチル)プロパン及びジアミノシロキサンから成る群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記ポリイミドは、酸成分として、3,4,3’,4’―ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物、3,4,3’,4’―ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物、ピロメリット酸ジ無水物、2,3,3’,4’―ビフェニルエーテルテトラカルボン酸ジ無水物、1,2,5,6―ナフタレンテトラカルボン酸ジ無水物、2,3,5,6―ピリジンテトラカルボン酸ジ無水物、3,4,3’,4’―ビフェニルスルホンテトラカルボン酸ジ無水物、ビシクロ(2,2,2)―オクトー7―エンー2,3,5,6―テトラカルボン酸ジ無水物、4,4’―{2及び2,2―トリフルオロー1―(トリフルオロメチル)エチリデン}ビス(1,2―ベンゼンジカルボン酸ジ無水物)から成る群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1ないし5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記ポリイミドは、芳香族ジアミンの一成分として、ジアルキルージアミノービフェニルスルホン及び/又はジアルコオキシージアミノービフェニルスルホンを含有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記ジアルキルージアミノービフェニルスルホン及び/又はジアルコオキシージアミノービフェニルスルホンが、3,3’―ジメチルー4,4’―ジアミノービフェニルスルホン及び/又は3,3’―ジメトキシー4,4’―ジアミノービフェニルスルホンである請求項7記載の組成物。
【請求項9】
前記ポリイミドは、芳香族ジアミンの一成分として、9,9―ビス(アミノフェニル)フルオレン及び/又は9,9―ビス(アミノアルキルーフェニル)フルオレンを含有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記9,9―ビス(アミノフェニル)フルオレン及び/又は9,9―ビス(アミノアルキルーフェニル)フルオレンが、9,9―ビス(4―アミノフェニル)フルオレン及び/又は9,9―ビス(3―メチルー4―アミノフェニル)フルオレンである請求項9記載の組成物。
【請求項11】
前記ポリイミドは、芳香族ジアミンの一成分としてジアミノピリジン及び/又はジアミノアクリジニウムを含有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記ジアミノピリジン及び/又はジアミノアクリジニウムが、2,6―ジアミノピリジン及び/又はアクリフラビンである請求項11記載の組成物。
【請求項13】
前記ポリイミドは、二成分以上の芳香族ジアミンを含み、その一つがジアミノジヒドロキシベンゼン、ジアミノジヒドロキシビフェニル及びジアミノジアルコキシビフェニルから成る群より選ばれる少なくとも1種のヒドロキシル基又はアルコキシル基含有芳香族ジアミンである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
前記ヒドロキシル基又はアルコキシル基含有芳香族ジアミンが、1,4―ジアミノー2―ヒドロキシベンゼン、3,3’―ジヒドロキシー4,4’―ジアミノビフェニル及び3,3’―ジメトキシー4,4’―ジアミノビフェニルから成る群より選ばれる少なくとも1種である請求項13記載の組成物。
【請求項15】
前記ポリイミドは、芳香族ジアミンの一成分として、ニトロ芳香族ジアミンを含有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記ニトロ芳香族ジアミン成分が、1,4―ジアミノー2―ニトロベンゼン及び/又は3,3’―ジニトロー4,4’―ジアミノビフェニルである請求項15記載の組成物。
【請求項17】
前記ポリイミドは、芳香族ジアミンの一成分として、1,5―ジアミノアントラキノンを含有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記ポリイミドは、ポリイミド主鎖中に、ジフェニルスルフィド基を含有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
ジフェニルスルフィド基が、4,4’―ジアミノジフェニルスルフィド中のジフェニルスルフィド基である請求項18記載の組成物。
【請求項20】
前記ポリイミドは、ポリイミド主鎖中に、ジフェニルジスルフィド基を含有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
前記ジフェニルジスルフィド基が、4,4’―ジアミノジフェニルジスルフィド中のジフェニルジスルフィド基である請求項20記載の組成物。
【請求項22】
前記ポリイミドは、ポリイミド主鎖中に、芳香族ジアミンと共に1,4―ビスー(3―アミノプロピル)ピペラジンを含む請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
前記ポリイミドは、ポリイミド主鎖中に、芳香族ジアミン成分と共に3,9―ビス(3―アミノプロピル)―2,4,8,10―テトラオキサスピロー(5,5)―ウンデカンを含む請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
前記ポリイミドは、ポリイミド主鎖中に、芳香族ジアミンの一成分として、9,10―ビス(4―アミノフェニル)アントラセンを含有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
前記ポリイミドは、ポリイミド主鎖中にビフェニルスルホン基を持つ芳香族ジアミンを含有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
ビフェニルスルホン基を持つ前記芳香族ジアミン成分が、3,3’―ジアミノジフェニルスルホン、4,4’―ジアミノジフェニルスルホン、ビスー{4―(3―アミノフェノキシ)ビフェニル}スルホン及びビスー{4―(4―アミノフェノキシ)ビフェニル}スルホンから成る群より選ばれる少なくとも1種である請求項25記載の組成物。
【請求項27】
前記ポリイミドは、ポリイミド主鎖中に、二成分以上の芳香族ジアミンを含み、その一つがジアミノ安息香酸の酸アミドである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項28】
前記ジアミノ安息香酸の酸アミドが3,5―ジアミノ安息香酸のモルホリンアミド及び/又はN−メチルピペラジンアミドである請求項27記載の組成物。
【請求項29】
前記ポリイミドは、3成分以上により構成された請求項2ないし4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項30】
前記ポリイミドは、ラクトンと塩基により生成した酸触媒の存在下に、極性溶媒中で加熱 して、酸ジ無水物と芳香族ジアミンをモル比が1.05〜0.95となるように加えて、加熱、脱水して得られたものである請求項1ないし29のいずれか1項に記載の組成物.
【請求項31】
前記ラクトンはγ−バレロラクトンであり、前記塩基はピリジン及び/又はメチルモルフォリンである請求項30記載の組成物。
【請求項32】
前記ポリイミドは、ジアミン成分としての芳香族ジアミンと酸成分としてのテトラカルボン酸ジ無水物のいずれかの成分を多量にして、ポリイミドオリゴマーとし、ついで芳香族ジアミン又は/及びテトラカルボン酸ジ無水物を加えて二段階重縮合して得られた、全芳香族ジアミンと全テトラカルボン酸ジ無水物のモル比が1.05―0.95であるポリイミドブロック共重合体である請求項30又は31記載の組成物。
【請求項33】
前記ポリイミドのポリスチレン換算の重量平均分子量が2万5000乃至40万であり、その熱分解開始温度が450℃以上である請求項1ないし32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
前記重量平均分子量が3万ないし20万である請求項33記載の組成物。
【請求項35】
前記光酸発生剤を前記ポリイミドの重量に対し10から50重量%含む請求項1ないし34のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項36】
前記光酸発生剤はキノンジアジド化合物である請求項1ないし35のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項37】
溶媒に溶解された溶液の形態にあり、かつ、前記ポリイミドの含有量が5重量%以上である請求項1ないし36のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項38】
請求項37の組成物を製膜したポジ型感光性樹脂フィルム。
【請求項39】
請求項37記載の組成物を基材上に被覆し、乾燥し、光線又は電子線照射によって画像を露光し、その照射域をアルカリ性溶液現像液で除去して形成したパターンを有するポリイミド絶縁膜。
【請求項40】
請求項37記載の組成物を基材上に被覆し、乾燥し、光線又は電子線照射によって画像を露光し、その照射域をアルカリ性溶液現像液で除去するポリイミド絶縁膜パターンの形成方法。
【請求項41】
波長250〜450nmの光線を照射することにより画像を露光する請求項40記載の方法。
【請求項42】
請求項2ないし4、7ないし28のいずれか1項に記載された組成物中に含まれるポリイミド。
ができる。

【公開番号】特開2010−266868(P2010−266868A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125339(P2010−125339)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【分割の表示】特願2000−516260(P2000−516260)の分割
【原出願日】平成10年10月12日(1998.10.12)
【出願人】(397025417)株式会社ピーアイ技術研究所 (50)
【Fターム(参考)】