説明

ポリエステル化粧合板及びその製造方法

【課題】 健康被害のおそれがあるスチレンを含有しない樹脂により表面を加工したポリエステル化粧合板を作成すること
【解決手段】 合板3と該合板の一表面に形成された樹脂層5とからなり、上記樹脂層5は変性不飽和ポリエステルとメタクリル酸メチルモノマーとを主成分とする樹脂5aからなり、スチレンを含有しない。上記樹脂5aを所定の含水率の合板に所定の温度及び湿度の下で付与する。上記含水率は約6%乃至約15%である。上記温度は約18℃乃至約30℃である。上記湿度は約40%乃至約70%である。上記樹脂中変性不飽和ポリエステルとメタクリル酸メチルモノマーとの比が約5対5乃至4対6である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、スチレンを含有しない樹脂を表面に塗布してなるポリエステル化粧合板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のポリエステル化粧合板は、例えば樹脂層が不飽和カルボン酸、飽和カルボン酸、グリコール及びスチレンを主成分とする樹脂からなり、一般にスチレンが含有されていた。これはスチレンを加えないと樹脂が固化せず、ポリエステル化粧合板として製品にすることができないからである。
【0003】
しかしながら、今般厚生労働省より「化学物質の室内濃度の指針値」(以下「VOC指針値」という)が告示された。これは、シックハウス症候群の原因になると言われている特定の化学物質につき、その規制濃度値を設定するものである。また建築基準法が改正されており、VOC指針値で規制対象となる化学物質については指針値超の放散量を有する建材は使用することが困難である。
【0004】
この規制対象物質の中に従来ポリエステル化粧合板の樹脂成分となっているスチレンが含まれている。
【0005】
このため、たとえば文部科学省では学校環境衛生の基準が平成16年4月1日より一部改正施行され、VOC指針値以上のスチレンを含有する建材を事実上使用することができなくなった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ポリエステル化粧合板の樹脂層となる主成分樹脂の選択をスチレンを除くという制約条件において行なうのは大変な作業であるところ、本発明者は漸くにして変性不飽和ポリエステル及びメタクリル酸メチルモノマーを見出した。しかしながら、これら樹脂成分をスチレンを除くという制約条件において固化させるのはさらに至難であり、当初、不良率約90%という失敗の連続であった。本願発明はかかる過程の末漸くにしてなされたものである。
【0007】
本願発明の目的は、健康被害のおそれがあるスチレンを含有しない樹脂により表面を加工したポリエステル化粧合板を作成することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的達成のため、本願発明によるポリエステル化粧合板は、合板と該合板の一表面に形成された樹脂層とからなり、上記樹脂層は変性不飽和ポリエステルとメタクリル酸メチルモノマーとを主成分とする樹脂からなり、上記樹脂を所定の含水率の合板に所定の温度及び湿度の下で付与することを特徴とする。
また、請求項1記載のポリエステル化粧合板において、上記含水率は約6%乃至約15%であることを特徴とする。
また、請求項1記載のポリエステル化粧合板において、上記温度は約18℃乃至約30℃であることを特徴とする。
また、請求項1記載のポリエステル化粧合板において、上記湿度は約40%乃至約70%であることを特徴とする。
また、請求項1記載のポリエステル化粧合板において、上記樹脂中変性不飽和ポリエステルとメタクリル酸メチルモノマーとの比が約5対5であることを特徴とする。
また、請求項1記載のポリエステル化粧合板において、上記樹脂中変性不飽和ポリエステルとメタクリル酸メチルモノマーとの比が約4対6であることを特徴とする。
また本願発明によるポリエステル化粧合板の製造方法は、所定の含水率を有する合板の一表面に変性不飽和ポリエステル及びメタクリル酸メチルモノマーを主成分とする樹脂を付与する工程と、上記樹脂の上に伸展用フィルムを載置する工程と、上記伸展用フィルムの上から圧力をかけて上記樹脂を伸展する工程と、上記樹脂を硬化する工程と、上記伸展用フィルムを剥離する工程とからなることを特徴とする。
また、請求項7記載のポリエステル化粧合板の製造方法において、上記含水率は約6%乃至約15%であることを特徴とする。
また、請求項7記載のポリエステル化粧合板の製造方法において、上記温度は約18℃乃至約30℃であることを特徴とする。
また、請求項7記載のポリエステル化粧合板の製造方法において、上記湿度は約40%乃至約70%であることを特徴とする。
また、請求項7記載のポリエステル化粧合板の製造方法において、上記樹脂中変性不飽和ポリエステルとメタクリル酸メチルモノマーとの比が約5対5であることを特徴とする。
また、請求項7記載のポリエステル化粧合板の製造方法において、上記樹脂中変性不飽和ポリエステルとメタクリル酸メチルモノマーとの比が約4対6であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本願発明によるポリエステル化粧合板はスチレンを含有しないから、建材として使用する場合VOC指針値による規制の対象外となる。よって、例えば、文部科学省の設定する学校環境衛生改定基準の規制の対象外となり、学校建材として使用することができる。また表面硬度が向上するから、一般建材としても適用範囲が拡大する効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、実施の形態を示す図面に基づき本願発明によるポリエステル化粧合板の製造方法をさらに詳しく説明する。なお、便宜上同一の機能を奏する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0011】
ポリエステル化粧合板1は、合板3と、該合板3の上表面に形成された樹脂層5とからなり、該樹脂層5は合板3の上面に接着剤7により貼着されたチタン紙9の上に形成される。
【0012】
上記樹脂層5は、変性不飽和ポリエステル及びメタクリル酸メチルモノマーを主成分とし、これらに顔料を配合し、さらにコバルト、乳酸、促進助剤、専用硬化剤を配した樹脂5aからなる。これらの配合比は、変性不飽和ポリエステル及びメタクリル酸メチルモノマー8割に対し顔料2割である。また添加剤として、コバルト0.5%、乳酸0.02%、促進助剤0.5%、専用硬化剤1%を配合する。
【0013】
ポリエステル化粧合板1の大きさは適宜に形成することができる。ポリエステル化粧合板1の厚さHも適宜に形成することができ、例えば2.5mmである。
【0014】
図3はポリエステル化粧合板1の製造工程を示す。まず合板3を検品後、合板3の上面に接着剤7を塗布し、その上にチタン紙9を載置しローラ11により貼着する(図3(A)(B))。次に上記合板3をプレス機13により加圧する(図3(C))。次に上記合板3の含水率をチェックし(図3(D))、所定の含水率のもののみ次工程に移行する。次に上記合板3のチタン紙9上に上記配合の樹脂5aを付与する(図3(E))。次に上記樹脂5aの上から伸展用フィルム15を載せ(図3(F))、ローラ11により樹脂5aを合板3の上面に伸展させる(図3(G))。次に所定の温度及び湿度の条件下において、上記樹脂5aを伸展用フィルム15を載置した状態で硬化させる(図3(H))。次に樹脂5a硬化後伸展用フィルム15を剥離する(図3(I))。次に合板3の周囲に喰み出たバリ5bを除去する(図3(J))。検品後製品となったポリエステル化粧合板1の間に合紙17を挟んで積層し(図3(K))、適宜梱包出荷する。
【0015】
ここで合板3の含水率及び樹脂5aの硬化条件について述べる。本願発明によるポリエステル化粧合板1は上記配合の樹脂5aを特殊の条件下で硬化させる。その条件は合板3の含水率並びに温度及び湿度の徹底管理である。
【0016】
合板3の含水率につき、室内温度25℃、室内湿度50%の条件において、合板3の含水率を変化させ試験した結果は次表の通りである。
【0017】
┌───────┬────┬───────┬────┬───────┬────┐
│ 合板含水率 │ 評価 │ 合板含水率 │ 評価 │ 合板含水率 │ 評価 │
├───────┼────┼───────┼────┼───────┼────┤
│ 3% │ 不良 │ 9% │ 優良 │ 15% │ 優良 │
├───────┼────┼───────┼────┼───────┼────┤
│ 4% │ 不良 │ 10% │ 優良 │ 16% │ 良 │
├───────┼────┼───────┼────┼───────┼────┤
│ 5% │ 良 │ 11% │ 優良 │ 17% │ 良 │
├───────┼────┼───────┼────┼───────┼────┤
│ 6% │ 優良 │ 12% │ 優良 │ 18% │ 良 │
├───────┼────┼───────┼────┼───────┼────┤
│ 7% │ 優良 │ 13% │ 優良 │ 19% │ 不良 │
├───────┼────┼───────┼────┼───────┼────┤
│ 8% │ 優良 │ 14% │ 優良 │ 20% │ 不良 │
└───────┴────┴───────┴────┴───────┴────┘
【0018】
次に樹脂5aの硬化温度につき、合板含水率10%、室内湿度50%の条件において、室内温度を変化させ試験した結果は次表の通りである。
【0019】
┌──────┬────┬──────┬────┬──────┬────┐
│ 室内温度 │ 評価 │ 室内温度 │ 評価 │ 室内温度 │ 評価 │
├──────┼────┼──────┼────┼──────┼────┤
│ 13℃ │ 不良 │ 20℃ │ 優良 │ 27℃ │ 優良 │
├──────┼────┼──────┼────┼──────┼────┤
│ 14℃ │ 不良 │ 21℃ │ 優良 │ 28℃ │ 優良 │
├──────┼────┼──────┼────┼──────┼────┤
│ 15℃ │ 良 │ 22℃ │ 優良 │ 29℃ │ 優良 │
├──────┼────┼──────┼────┼──────┼────┤
│ 16℃ │ 良 │ 23℃ │ 優良 │ 30℃ │ 優良 │
├──────┼────┼──────┼────┼──────┼────┤
│ 17℃ │ 良 │ 24℃ │ 優良 │ 31℃ │ 良 │
├──────┼────┼──────┼────┼──────┼────┤
│ 18℃ │ 優良 │ 25℃ │ 優良 │ 32℃ │ 良 │
├──────┼────┼──────┼────┼──────┼────┤
│ 19℃ │ 優良 │ 26℃ │ 優良 │ 33℃ │ 不良 │
└──────┴────┴──────┴────┴──────┴────┘
【0020】
次に樹脂5aの硬化湿度につき、合板含水率10%、室内温度25℃の条件において、室内湿度を変化させ試験した結果は次表の通りである。
【0021】
┌───────┬────┬───────┬────┬───────┬────┐
│ 室内湿度 │ 評価 │ 室内湿度 │ 評価 │ 室内湿度 │ 評価 │
├───────┼────┼───────┼────┼───────┼────┤
│ 20% │ 不良 │ 45% │ 優良 │ 70% │ 優良 │
├───────┼────┼───────┼────┼───────┼────┤
│ 25% │ 不良 │ 50% │ 優良 │ 75% │ 良 │
├───────┼────┼───────┼────┼───────┼────┤
│ 30% │ 良 │ 55% │ 優良 │ 80% │ 良 │
├───────┼────┼───────┼────┼───────┼────┤
│ 35% │ 良 │ 60% │ 優良 │ 85% │ 不良 │
├───────┼────┼───────┼────┼───────┼────┤
│ 40% │ 優良 │ 65% │ 優良 │ 90% │ 不良 │
└───────┴────┴───────┴────┴───────┴────┘
【0022】
上記各表において、「優良」とは不良率5%未満、「良」とは不良率5%以上20%未満、「不良」とは不良率20%以上をいう。また、「不良率」とは、合板3の表面に付与された樹脂5aが硬化しないとき実験対象物全体に対する当該硬化しない対象物の割合をいう。
【0023】
上記結果より、「優良」と評価したものは、合板3の含水率につき6%乃至15%、室内の温度につき18℃乃至30℃、室内の湿度につき40%乃至70%である。よって合板3の含水率につき約6%乃至約15%、室内の温度につき約18℃乃至約30℃、室内の湿度につき約40%乃至約70%のとき製品化可能と判断する。
【0024】
樹脂5a中変性不飽和ポリエステルとメタクリル酸メチルモノマーとの成分割合比は5対5乃至4対6である。この値は室内温度によって変化し、例えば温度が低い程メタクリル酸メチルモノマーの割合を増加させるのが望ましい。
【0025】
このようにして製造されたポリエステル化粧合板1について化学物質の放散速度を測定した。測定対象は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、揮発性有機化合物(VOC)7物質(トルエン、キシレン、p−ジクロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレン、テトラデカン、ノナナール)とTVOC(総揮発性有機化合物)の計10物質である。試験体の寸法は165mm×165mm×2.5mm、曝露面積0.044m2である。
【0026】
試験は、埼玉県草加市稲荷5−21−20所在財団法人建材試験センターにより行なわれた。試験方法はJIS A 1901〔建築材料の揮発性有機化合物(VOC)、ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散測定方法−小形チャンバー法〕に従って、小形チャンバーADPAC System(20l)(アドテック社製)を使用して行なった。チャンバーの運転条件は、温度 28±1℃、湿度 50±5%、換気回数 0.5回/h、試料負荷 2.2m2/m3、内容積 20Lである。捕集条件は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドにつき、捕集管Sep−Pak DNPH−Silica(Waters社製)、流速0.167L/min、捕集量10L;VOC(7物質)、TVOCにつき、捕集管Tenax TA(SUPELCO社製)、流速0.167L/min、捕集量3.2Lである。ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドの分析には高速液体クロマトグラフ(LC−VPシステム(島津製作所製))を用い、VOC(7物質)の分析には加熱脱着装置ATD400(パーキンエルマー社製)及びガスクロマトグラフ・質量分析計(GC/MS)を用いた。ホルムアルデヒド・アセトアルデヒドの分析条件(HPLC)は、検出波長 360nm、カラム ZORBAX Bonus−RP(φ4.6×150mm)、移動相 水:アセトニトリル=52:48、カラム流量 1.5mL/min、カラム温度 40℃である。VOC分析条件は、加熱脱着装置につき、〈捕集チューブの条件〉脱着温度 250℃、脱着流量 30mL/min.、脱着時間 5min.、入口スプリット流量 5mL/min.、〈トラップチューブの条件〉トラップ温度 10℃、脱着温度 250℃、脱着時間 1min.出口スプリット 10mL/min.であり、GC/MSにつき、ガスクロマトグラフ SHIMADZU GC−17A GAS CHROMATOGRAPH(島津製作所製)、カラム RTX−1 60m、0.25mmID、1.4μm df、温度 40℃(3min)−(10℃/min)−260℃(15min)、質量分析計 SHIMADZU GAS CHROMATOGRAPH MASS SPECTROMETER GC−MS QP5050A(島津製作所製)、モード SCAN、マスレンジ 35〜280である。
【0027】
放散速度は、3.1で得られた測定値(チャンバー内化学物質濃度)から次式を用いて算出した。
EF=n/L(Ct−Ctb,t
ここに、EF:放散速度(μg/m2h)
n:換気回数(回/h)
L:試料負荷率(m2/m3
t:経過時間tにおける小形チャンバー内の化学物質濃度(μg/m3
tb,t:経過時間tにおけるトラベルブランク濃度(μg/m3
である。
【0028】
ポリエステル化粧合板1の放散速度算出結果を次に示す。
【0029】
┌──────────┬────────┬────────┬────────┐
│ 物質名 │ 放散速度 │ 濃度換算結果 │ VOC指針値 │
│ │(μg/m2h) │ (ppm) │ (ppm) │
├──────────┼────────┼────────┼────────┤
│ホルムアルデヒド │ 3 │ 0.005 │ 0.08 │
├──────────┼────────┼────────┼────────┤
│アセトアルデヒド │ 5 │ 0.006 │ 0.03 │
├──────────┼────────┼────────┼────────┤
│トルエン │ <1 │ 0.001 │ 0.07 │
├──────────┼────────┼────────┼────────┤
│キシレン │ <1 │ 0.001 │ 0.20 │
├──────────┼────────┼────────┼────────┤
│パラジクロロベンゼン│ <1 │ 0 │ 0.04 │
├──────────┼────────┼────────┼────────┤
│エチルベンゼン │ <1 │ 0.001 │ 0.88 │
├──────────┼────────┼────────┼────────┤
│スチレン │ <1 │ 0.001 │ 0.05 │
├──────────┼────────┼────────┼────────┤
│テトラデカン │ <1 │ 0 │ 0.04 │
├──────────┼────────┼────────┼────────┤
│ノナナール │ <1 │ 0 │ 0.007 │
├──────────┼────────┼────────┼────────┤
│TVOC │ 263 │ − │ − │
└──────────┴────────┴────────┴────────┘
【0030】
ここで、スチレン、トルエン、キシレン、エチルベン等についての値「<1μg/m2h」は測定機器の限界という意味である。またスチレンについては、「0.001ppm」程度は空気中に含まれる数値である。なお、TVOCはVOC13物質以外の空気中に含まれるあらゆる物質を含むので換算することができない。
【0031】
次に本願発明によるポリエステル化粧合板1の建材としての性能に関し、例えば、引きかき硬度試験については、日本工業規格(JIS)によりその硬度が標準化されている鉛筆芯によりポリエステル化粧合板の表面を引きかいたところ、従来のスチレン含有ポリエステル化粧合板は「2H」の鉛筆芯によりきずが付いたが、本願発明によるポリエステル化粧合板1では「3H」の鉛筆芯によらなければきずが付かなかった。よって本願発明によるポリエステル化粧合板1は、表面硬度の向上があった。
【0032】
また浸せき剥離試験、平面引張り試験、寒熱繰返試験、耐アルカリ試験、曲げ試験、耐水試験、湿熱試験、摩耗試験、衝撃試験、退色試験等日本農林規格(JAS)所定の試験をしてみたが、従来のスチレン含有ポリエステル化粧合板と同等であった。
【0033】
よって、従来のスチレン含有ポリエステル化粧合板と同様に建材として使用することができる。
【0034】
このように上記実施の形態によるポリエステル化粧合板1によれば、建材として使用することができ、しかもスチレンを含有しないから、シックハウス症候群の原因になると言われている化学物質に関するVOC指針値の規制対象外であり、例えば学校建材としても使用することができる。
【0035】
また表面硬度が向上するから、一般建材としても適用範囲が拡大する効果がある。
【0036】
本願発明は上記した実施例に限定されない。例えば合板3の厚さは任意である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本願発明によるポリエステル化粧合板は建材として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本願発明によるポリエステル化粧合板の実施の形態を示す平面図である。
【図2】図1のII−II線拡大断面図である。
【図3】本願発明によるポリエステル化粧合板の製造方法を示す説明図である。
【符号の説明】
【0039】
1 ポリエステル化粧合板
3 合板
5 樹脂層
5a 樹脂
5b バリ
7 接着剤
9 チタン紙
11 ローラ
13 プレス機
15 伸展用フィルム
17 合紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合板と該合板の一表面に形成された樹脂層とからなり、上記樹脂層は変性不飽和ポリエステルとメタクリル酸メチルモノマーとを主成分とする樹脂からなり、上記樹脂を所定の含水率の合板に所定の温度及び湿度の下で付与することを特徴とするポリエステル化粧合板。
【請求項2】
請求項1記載のポリエステル化粧合板において、上記含水率は約6%乃至約15%であることを特徴とするポリエステル化粧合板。
【請求項3】
請求項1記載のポリエステル化粧合板において、上記温度は約18℃乃至約30℃であることを特徴とするポリエステル化粧合板。
【請求項4】
請求項1記載のポリエステル化粧合板において、上記湿度は約40%乃至約70%であることを特徴とするポリエステル化粧合板。
【請求項5】
請求項1記載のポリエステル化粧合板において、上記樹脂中変性不飽和ポリエステルとメタクリル酸メチルモノマーとの比が約5対5であることを特徴とするポリエステル化粧合板。
【請求項6】
請求項1記載のポリエステル化粧合板において、上記樹脂中変性不飽和ポリエステルとメタクリル酸メチルモノマーとの比が約4対6であることを特徴とするポリエステル化粧合板。
【請求項7】
所定の含水率を有する合板の一表面に変性不飽和ポリエステル及びメタクリル酸メチルモノマーを主成分とする樹脂を付与する工程と、上記樹脂の上に伸展用フィルムを載置する工程と、上記伸展用フィルムの上から圧力をかけて上記樹脂を伸展する工程と、上記樹脂を硬化する工程と、上記伸展用フィルムを剥離する工程とからなることを特徴とするポリエステル化粧合板の製造方法。
【請求項8】
請求項7記載のポリエステル化粧合板の製造方法において、上記含水率は約6%乃至約15%であることを特徴とするポリエステル化粧合板の製造方法。
【請求項9】
請求項7記載のポリエステル化粧合板の製造方法において、上記温度は約18℃乃至約30℃であることを特徴とするポリエステル化粧合板の製造方法。
【請求項10】
請求項7記載のポリエステル化粧合板の製造方法において、上記湿度は約40%乃至約70%であることを特徴とするポリエステル化粧合板の製造方法。
【請求項11】
請求項7記載のポリエステル化粧合板の製造方法において、上記樹脂中変性不飽和ポリエステルとメタクリル酸メチルモノマーとの比が約5対5であることを特徴とするポリエステル化粧合板の製造方法。
【請求項12】
請求項7記載のポリエステル化粧合板の製造方法において、上記樹脂中変性不飽和ポリエステルとメタクリル酸メチルモノマーとの比が約4対6であることを特徴とするポリエステル化粧合板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−7545(P2006−7545A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−186937(P2004−186937)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(390039815)アルプス株式会社 (2)
【Fターム(参考)】