説明

マルチウィンドウ表示装置

【課題】 汎用のウィンドウ表示装置を利用可能であり、且つ、最終の合成映像の出力までの遅延のバラツキが低減されたマルチウィンドウ表示装置を提供する
【解決手段】 本発明の一実施形態に係るマルチウィンドウ表示装置では、m入力1出力の第1及び第2のウィンドウ表示装置を含む複数のウィンドウ表示装置がカスケード接続されている。第1のウィンドウ表示装置は、m個の映像入力部に外部からの映像ソースを受け、当該映像ソース各々を任意のウィンドウ内に表示してなる合成映像を出力する。第2のウィンドウ表示装置は、m個の映像入力部に第1のウィンドウ表示装置又は下段のウィンドウ表示装置からの合成映像を入力映像として受け、当該入力映像を合成してなる合成映像であって、当該入力映像に含まれているウィンドウの表示位置及び表示優先度を反映した合成映像を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチウィンドウ表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マルチウィンドウ表示装置は、複数の映像ソースを任意の表示位置及び任意の表示優先度の個別のウィンドウ内に各々表示してなる合成映像を出力する装置である。下記特許文献1には、従来のマルチウィンドウ表示装置が開示されている。当該文献に開示されたマルチウィンドウ表示装置は、入力映像ソースの数に応じて設計された専用機であり、複数の入力映像ソースを格納するための複数のフレームメモリ、各ウィンドウの表示位置及び表示優先度を記憶するメモリ等を有している。また、当該文献には、N個の入力映像ソースを、それぞれを表示するウィンドウの表示位置及び表示優先度に基づいて、N段の2入力切替え器によって合成するマルチウィンドウ表示装置も開示されている。
【特許文献1】特開平5−346773号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述の従来のマルチウィンドウ表示装置のうち前者のマルチウィンドウ表示装置は、入力映像ソースの数を増加する場合に、メモリの構成等を設計する必要が生じ、結果として高価な装置となる。また、後者のマルチウィンドウ表示装置は、最終の合成映像が得られるまでの段数が多く、当該合成映像の出力までの遅延のバラツキが大きい。
【0004】
そこで、本発明は、汎用のウィンドウ表示装置を利用可能であり、且つ、最終の合成映像の出力までの遅延のバラツキが低減されたマルチウィンドウ表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のマルチウィンドウ表示装置は、各々が全入力信号数Nよりも少ないm個の映像入力部と一つの映像出力部とを有し、カスケード接続された複数のウィンドウ表示装置を備える。複数のウィンドウ表示装置は、第1のウィンドウ表示装置と、第2のウィンドウ表示装置とを含む。第1のウィンドウ表示装置は、当該装置のm個の映像入力部各々に外部からの映像ソースを受け、当該映像ソース各々を個別のウィンドウ内に表示してなる合成映像を出力する。第2のウィンドウ表示装置は、該装置のm個の映像入力部各々に第1のウィンドウ表示装置又は下段のウィンドウ表示装置からの合成映像を入力映像として受け、当該入力映像を合成してなる合成映像を出力する。第1のウィンドウ表示装置は、第1の選択手段と第1の切替手段とを有する。第1の選択手段は、m個の映像入力部に入力されたm個の映像ソースを表示するm個のウィンドウの表示位置及び表示優先度に基づいて、映像出力部に出力する合成映像における各位置の信号をm個の映像入力部に入力されるm個の映像ソースから選択するための選択信号を生成する。第1の切替手段は、第1の選択手段によって生成された選択信号に基づいて、映像入力部と映像出力部との接続を切り替える。第2のウィンドウ表示装置は、第2の選択手段と第2の切替手段とを有する。第2の選択手段は、m個の映像入力部に入力されたm個の入力映像に含まれている各ウィンドウの表示位置及び表示優先度に基づいて、映像出力部に出力する合成映像における各位置の信号をm個の映像入力部に入力されるm個の入力映像から選択するための選択信号を生成する。第2の切替手段は、第2の選択手段によって生成された選択信号に基づき、映像入力部と映像出力部との接続を切り替える。
【0006】
かかる構成のマルチウィンドウ表示装置によれば、第1のウィンドウ表示装置には、汎用のウィンドウ表示装置を用いることができる。したがって、入力映像ソースの数を増やす場合においても、低コストにマルチウィンドウ表示装置を製造することが可能である。また、全てのウィンドウ表示装置がm入力1出力になっており、下段の二つのウィンドウ表示装置からの出力映像を入力映像ソースとして合成映像を生成するので、N段の入力映像ソースをN段の2入力切替器によって順次合成する装置に比して、最終の合成映像の出力までの遅延のバラツキを低減することが可能である。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように、本発明によれば、汎用のウィンドウ表示装置を利用可能であり、且つ、最終の合成映像の出力までの遅延のバラツキが低減されたマルチウィンドウ表示装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0009】
図1は、本発明の実施形態に係るマルチウィンドウ表示装置の構成を示す図である。本実施形態は、各々が2入力1出力の複数のウィンドウ表示装置を備えるマルチウィンドウ表示装置の例である。図1に示すマルチウィンドウ表示装置10は、4入力1出力のマルチウィンドウ表示装置となっている。
【0010】
マルチウィンドウ表示装置10では、二つのウィンドウ表示装置(第1のウィンドウ表示装置)12と、ウィンドウ表示装置(第2のウィンドウ表示装置)14とがカスケード接続されている。
【0011】
二つのウィンドウ表示装置12は各々、2入力1出力のウィンドウ表示装置であり、同様の構成を有している。ウィンドウ表示装置12は、外部からの二つの映像ソースを入力するための映像入力部12a及び12b、H/Vカウンタ12c、イネーブル信号出力部12d,12e、セレクタ12f、切替部12g、並びに映像出力部12hを有している。
【0012】
図2は、イネーブル信号出力部の構成を示す図である。図2に示すように、H/Vカウンタ12cは、Hカウンタ20a及びVカウンタ20bを有している。Hカウンタ20aは、このマルチウィンドウ表示装置10に含まれている全てのウィンドウ表示装置に供給に入力される外部からの基準同期信号REF−H/Vに基づいて、水平同期カウントを出力する。Vカウンタ20bは、基準同期信号REF−H/Vに基づくV−Reset信号とHカウンタ20aからの水平同期信号HSとに基づき、垂直同期カウントを出力する。
【0013】
イネーブル信号出力部12dは、映像入力部12aに入力される映像ソースを表示するウィンドウの表示位置及び表示優先度に基づき、イネーブル信号をセレクタ12fに出力する。具体的に、イネーブル信号出力部12dは、レジスタ16a、16b、16d、16e、及び16h、SRラッチ16c及び16f、及びAND演算器16gを有している。
【0014】
イネーブル信号出力部12eは、映像入力部12bに入力される映像ソースを表示するウィンドウの表示位置及び表示優先度に基づき、イネーブル信号をセレクタ12fに出力する。具体的に、イネーブル信号出力部12eは、レジスタ18a、18b、18d、18e、及び18h、SRラッチ18c及び18f、及びAND演算器18gを有している。
【0015】
なお、各ウィンドウの表示位置及び表示優先度は、このマルチウィンドウ表示装置10に設けられたユーザインターフェイスを用いて任意に設定される。当該ユーザインターフェイスは、専用ソフトによる入力画面、或いはキー入力装置としてマルチウィンドウ表示装置10に提供されるものである。
【0016】
ここで、図4に示す4入力1出力の場合の合成映像の一例を参照しつつ、イネーブル信号出力部12d及び12eの説明を行う。以下の説明においては、ウィンドウ表示装置12の一方に、ウィンドウWin1及びウィンドウWin2に表示する映像ソースが入力され、ウィンドウ表示装置12の他方に、ウィンドウWin3及びウィンドウWin4に表示する映像ソースが入力されるものとする。また、マルチウィンドウ表示装置10は、合成映像における各ウィンドウの左上座標及び右下座標各々を水平方向X座標値と垂直方向Y座標値によって規定し、当該左上座標及び右下座標によって各ウィンドウの表示位置を規定するものとする。更に、以下の説明では、図4に示されるように、ウィンドウWin1、ウィンドウWin4、ウィンドウWin2、ウィンドウWin3の順に低くなる表示優先度が設定されているものとする。
【0017】
レジスタ16aは、映像入力部12aに入力される映像ソースを表示するウィンドウの左上座標のX座標値を記憶し、レジスタ16bは、当該ウィンドウの右下座標のX座標値を記憶する。レジスタ16a及び16bは、記憶しているX座標値とHカウンタ20aから出力される水平同期カウントとが一致する場合に、パルスを出力する。したがって、レジスタ16a及び16bからの出力を受けるSRラッチ16cは、水平同期カウントがレジスタ16aに記憶されたX座標値からレジスタ16bに記憶されたX座標値の間の値になっている間、アクティブ信号を出力する。
【0018】
レジスタ16dは、映像入力部12aに入力される映像ソースを表示するウィンドウの左上座標のY座標値を記憶し、レジスタ16eは、当該ウィンドウの右下座標のY座標を記憶する。レジスタ16d及び16eは、記憶しているY座標値とVカウンタ20bから出力される垂直同期カウントとが一致する場合に、パルスを出力する。したがって、レジスタ16d及び16eからの出力を受けるSRラッチ16fは、垂直同期カウントがレジスタ16dに記憶されたY座標値からレジスタ16eに記憶されたY座標値の間の値になっている間、アクティブ信号を出力する。
【0019】
AND演算器16gは、SRラッチ16c及び16fからの信号のAND演算を実行して、その演算結果を出力する。したがって、AND演算器16gは、SRラッチ16c及び16fの出力が共にアクティブ信号である場合に、イネーブル信号を出力する。
【0020】
レジスタ16hは、映像入力部12aに入力される映像ソースを表示するウィンドウの表示優先度を記憶しており、AND演算器16gからのイネーブル信号をセレクタ12fに出力する。
【0021】
イネーブル信号出力部12eでは、レジスタ18aが、映像入力部12bに入力される映像ソースを表示するウィンドウの左上座標のX座標値を記憶し、レジスタ18bが、当該ウィンドウの右下座標のX座標値を記憶する。レジスタ18a及び18bは、記憶しているX座標値とHカウンタ20aから出力される水平同期カウントとが一致する場合に、パルスを出力する。したがって、レジスタ18a及び18bからの出力を受けるSRラッチ18cは、水平同期カウントがレジスタ18aに記憶されたX座標値からレジスタ18bに記憶されたX座標値の間の値になっている間、アクティブ信号を出力する
【0022】
また、イネーブル信号出力部12eでは、レジスタ18dが、映像入力部12bに入力される映像ソースを表示するウィンドウの左上座標のY座標値を記憶し、レジスタ18eが、当該ウィンドウの右下座標のY座標値を記憶する。レジスタ18d及び18eは、記憶しているY座標値とVカウンタ20bから出力される垂直同期カウントとが一致する場合に、パルスを出力する。したがって、レジスタ18d及び18eからの出力を受けるSRラッチ18fは、垂直同期カウントがレジスタ18dに記憶されたY座標値からレジスタ18eに記憶されたY座標値の間の値になっている間、アクティブ信号を出力する。
【0023】
AND演算器18gは、SRラッチ18c及び18fからの信号のAND演算を実行して、その演算結果を出力する。したがって、AND演算器18gは、SRラッチ18c及び18fの出力が共にアクティブ信号である間、イネーブル信号を出力する。
【0024】
レジスタ18hは、映像入力部12bに入力される映像ソースを表示するウィンドウの優先度を記憶しており、AND演算器18gからのイネーブル信号をセレクタ12fに出力する。
【0025】
セレクタ12fは、イネーブル信号出力部12dのみからイネーブル信号が出力された場合には、映像入力部12aに入力された映像ソースを選択するための選択信号を出力し、一方、イネーブル信号出力部12eのみからイネーブル信号が出力された場合には、映像入力部12bに入力された映像ソースを選択するための選択信号を出力する。
【0026】
また、セレクタ12fは、イネーブル信号出力部12d及び12eの両者からイネーブル信号が出力された場合には、レジスタ16h及びレジスタ18hに記憶されている表示優先度を参照する。レジスタ16hに記憶されている表示優先度がレジスタ18hに記憶されている表示優先度より高い場合に、セレクタ12fは、映像入力部12aに入力された映像ソースを選択するための選択信号を出力し、一方、レジスタ18hに記憶されている表示優先度がレジスタ16hに記憶されている表示優先度より高い場合に、セレクタ12fは、映像入力部12bに入力された映像ソースを選択するための選択信号を出力する。
【0027】
切替部12gは、セレクタ12fからの選択信号を受け、当該選択信号から選択すべき映像入力部が映像入力部12aであると特定される場合には、映像入力部12aと映像出力部12hとを接続し、一方、当該選択信号から選択すべき映像入力部が映像入力部12bであると特定される場合には、映像入力部12bと映像出力部12hとを接続する。
【0028】
かかる構成を有する二つのウィンドウ表示装置12によれば、図4に示す例では、一方のウィンドウ表示装置12によって、任意の表示位置及び表示優先度の個別のウィンドウWin1及びウィンドウWin2に、映像入力部12aに入力される映像ソース及び映像入力部12bに入力される映像ソースのうち対応の映像ソースが表示された合成映像が生成され、映像出力部12hに出力される。また、他方のウィンドウ表示装置12によって、任意の表示位置及び表示優先度の個別のウィンドウWin3及びウィンドウWin4に、映像入力部12aに入力される映像ソース及び映像入力部12bに入力される映像ソースのうち対応の映像ソースが表示された合成映像が生成され、映像出力部12hに出力される。
【0029】
ウィンドウ表示装置14は、映像入力部14a及び14b、H/Vカウンタ14c、イネーブル信号出力部14d、14e、14f、及び14g、セレクタ14h、切替部14i、並びに映像出力部14jを有する。映像入力部14aには、一方のウィンドウ表示装置12からの合成映像が入力映像として入力され、映像入力部14bには、他方のウィンドウ表示装置12からの合成映像が入力映像として入力される。
【0030】
図3は、イネーブル信号出力部の構成を示す図である。H/Vカウンタ14cは、ウィンドウ表示装置12のH/Vカウンタ12cと同様に、Hカウンタ22a及びVカウンタ22bを有している。Hカウンタ22a及びVカウンタ22bそれぞれの機能は、H/Vカウンタ12cのHカウンタ20a及びVカウンタ20bの対応の機能と同様である。
【0031】
イネーブル信号出力部14dは、一方のウィンドウ表示装置12の映像入力部12aに入力される映像ソースを表示するウィンドウの表示位置及び表示優先度に基づきイネーブル信号を出力する。イネーブル信号出力部14eは、一方のウィンドウ表示装置12の映像入力部12bに入力される映像ソースを表示するウィンドウの表示位置及び表示優先度に基づきイネーブル信号を出力する。イネーブル信号出力部14fは、他方のウィンドウ表示装置12の映像入力部12aに入力される映像ソースを表示するウィンドウの表示位置及び表示優先度に基づきイネーブル信号を出力する。イネーブル信号出力部14gは、他方のウィンドウ表示装置12の映像入力部12bに入力される映像ソースを表示するウィンドウの表示位置及び表示優先度に基づきイネーブル信号を出力する。
【0032】
具体的に、イネーブル信号出力部14dでは、一方のウィンドウ表示装置12の映像入力部12aに入力される映像ソースを表示するウィンドウWin1の左上座標のX座標値xs1がレジスタ24aに記憶され、ウィンドウWin1の右下座標のX座標値xe2がレジスタ24bに記憶される。また、レジスタ24dには、ウィンドウWin1の左上座標のY座標値ys1が記憶され、レジスタ24eには、ウィンドウWin1の右下座標のY座標値ye1が記憶される。
【0033】
レジスタ24a及びレジスタ24bは、Hカウンタ22aからの水平同期カウントとそれぞれに記憶しているX座標値が一致する場合に、パルス信号を出力する。したがって、レジスタ24a及び24bからの出力を受けるSRラッチ24cは、水平同期カウントがレジスタ24aに記憶されたX座標値からレジスタ24bに記憶されたX座標値のまでの値になっている間、アクティブ信号を出力する。
【0034】
レジスタ24d及びレジスタ24eは、Vカウンタ22bからの垂直同期カウントとそれぞれに記憶しているY座標値が一致する場合に、パルス信号を出力する。したがって、レジスタ24d及び24eからの出力を受けるSRラッチ24fは、垂直同期カウントがレジスタ24dに記憶されたY座標値からレジスタ24eに記憶されたY座標値までの値になっている間、アクティブ信号を出力する。
【0035】
AND演算器24gは、SRラッチ24c及び24fからの信号のAND演算を実行して、その演算結果を出力する。したがって、AND演算器24gは、SRラッチ24c及び24fの出力が共にアクティブ信号である場合に、イネーブル信号を出力する。
【0036】
レジスタ24hは、ウィンドウWin1の優先度を記憶しており、AND演算器24gからのイネーブル信号をセレクタ24fに出力する。
【0037】
イネーブル信号出力部14eは、一方のウィンドウ表示装置12の映像入力部12bに入力される映像ソースが表示されるウィンドウWin2に対して、レジスタ24a、レジスタ24b、レジスタ24d、レジスタ24e、レジスタ24h、SRラッチ24c、SRラッチ24f、AND演算器24g、レジスタ24hと同様の機能をそれぞれ提供するレジスタ26a、レジスタ26b、レジスタ26d、レジスタ26e、レジスタ26h、SRラッチ26c、SRラッチ26f、AND演算器26g、レジスタ26hを有している。
【0038】
また、イネーブル信号出力部14fは、他方のウィンドウ表示装置12の映像入力部12aに入力される映像ソースが表示されるウィンドウWin3に対して、レジスタ24a、レジスタ24b、レジスタ24d、レジスタ24e、レジスタ24h、SRラッチ24c、SRラッチ24f、AND演算器24g、レジスタ24hと同様の機能をそれぞれ提供するレジスタ28a、レジスタ28b、レジスタ28d、レジスタ28e、レジスタ28h、SRラッチ28c、SRラッチ28f、AND演算器28g、レジスタ28hを有している。
【0039】
さらに、イネーブル信号出力部14gは、他方のウィンドウ表示装置12の映像入力部12bに入力される映像ソースが表示されるウィンドウWin4に対して、レジスタ24a、レジスタ24b、レジスタ24d、レジスタ24e、レジスタ24h、SRラッチ24c、SRラッチ24f、AND演算器24g、レジスタ24hと同様の機能をそれぞれ提供するレジスタ30a、レジスタ30b、レジスタ30d、レジスタ30e、レジスタ30h、SRラッチ30c、SRラッチ30f、AND演算器30g、レジスタ30hを有している。
【0040】
セレクタ14hは、レジスタ24h及びレジスタ26hの一方のみ又は両者のみからイネーブル信号が出力された場合には、映像入力部14aに入力された入力映像を選択するための選択信号を出力し、レジスタ28h及びレジスタ30hの一方のみ又は両者のみからイネーブル信号が出力された場合には、映像入力部14bに入力された入力映像を選択するための選択信号を出力する。一方、レジスタ24h及びレジスタ26hの一方又は両者とレジスタ28h及びレジスタ30hの一方又は両者から同時にイネーブル信号が出力された場合には、セレクタ14hは、レジスタ24h、レジスタ26h、レジスタ28h、及びレジスタ30hのうちイネーブル信号を出力したレジスタに記憶されている表示優先度を参照して、最も表示優先度の高いウィンドウを含む入力映像を選択するための選択信号を出力する。したがって、レジスタ24h又はレジスタ26hに記憶されている表示優先度が最も高い場合には、映像入力部14aに入力される入力映像を選択するための選択信号がセレクタ14hによって出力される。一方、レジスタ28h又はレジスタ30hに記憶されている表示優先度が最も高い場合には、映像入力部14bに入力される入力映像を選択するための選択信号がセレクタ14hによって出力される。
【0041】
切替部14iは、セレクタ14hからの選択信号を受け、当該選択信号から選択すべき映像入力部が映像入力部14aであると特定される場合には映像入力部14aと映像出力部14jとを接続し、一方、当該選択信号から選択すべき映像入力部が映像入力部14bであると特定される場合には、映像入力部14bと映像出力部14jとを接続する。
【0042】
かかる構成を有するウィンドウ表示装置14によって、図4に示す例では、ウィンドウWin1とウィンドウWin2とが重畳された合成映像と、ウィンドウWin3とウィンドウWin4とが重畳された合成映像とが、更に合成された最終の合成映像が生成され、当該最終の合成映像に各々のウィンドウの表示位置及び表示優先度が反映される。
【0043】
かかる構成のマルチウィンドウ表示装置10は、汎用のウィンドウ表示装置をウィンドウ表示装置12として用いることができる。したがって、マルチウィンドウ表示装置10は、低コストの装置となっている。
【0044】
更に、このマルチウィンドウ表示装置10では、全てのウィンドウ表示装置が2入力1出力になっており、下段の二つのウィンドウ表示装置から出力された合成映像を入力映像ソースとして更に合成映像を生成する構成とされているので、N個の入力映像ソースをN段の2入力切替器によって順次合成する従来の装置に比して、最終の合成映像の出力までの遅延のバラツキが低減されている。
【0045】
なお、本発明は上記した本実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態は4入力1出力のマルチウィンドウ表示装置であるが、8入力1出力といった複数入力1出力のマルチウィンドウ表示装置が本発明によって提供されることは、当業者であれば容易に理解され得る。このように、本発明によれば、システムとしての拡張性・可変性により、マルチウィンドウ表示装置の映像入力数を増やす場合や、故障装置交換時の変更が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係るマルチウィンドウ表示装置の構成を示す図である。
【図2】図2は、イネーブル信号出力部の構成を示す図である。
【図3】図3は、イネーブル信号出力部の構成を示す図である。
【図4】図4は、4入力1出力の場合の合成映像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
10…マルチウィンドウ表示装置、12…ウィンドウ表示装置(第1のウィンドウ表示装置)、14…ウィンドウ表示装置(第2のウィンドウ表示装置)、12a,12b,14a,14b…映像入力部、12d,12e,14d,14e,14f,14g…イネーブル信号出力部、12f,14h…セレクタ、12g,14i…切替部、12h,14j…映像出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が全入力信号数Nよりも少ないm個の映像入力部と一つの映像出力部とを有し、カスケード接続された複数のウィンドウ表示装置を備え、
前記複数のウィンドウ表示装置は、
該装置の前記m個の映像入力部各々に外部からの映像ソースを受け、該映像ソース各々を個別のウィンドウ内に表示してなる合成映像を出力する第1のウィンドウ表示装置と、
該装置の前記m個の映像入力部各々に前記第1のウィンドウ表示装置又は下段のウィンドウ表示装置からの合成映像を入力映像として受け、該入力映像を合成してなる合成映像を出力する第2のウィンドウ表示装置と、
を含み、
前記第1のウィンドウ表示装置は、
該装置のm個の映像入力部に入力されたm個の映像ソースを表示するm個のウィンドウの表示位置及び表示優先度に基づいて、該装置の映像出力部に出力する前記合成映像における各位置の信号を前記m個の映像入力部に入力される前記m個の映像ソースから選択するための選択信号を生成する第1の選択手段と、
前記第1の選択手段によって生成された選択信号に基づいて、前記映像入力部と前記映像出力部との接続を切り替える第1の切替手段と、
を有し、
前記第2のウィンドウ表示装置は、
該装置のm個の映像入力部に入力されたm個の入力映像に含まれている各ウィンドウの表示位置及び表示優先度に基づいて、該装置の映像出力部に出力する前記合成映像における各位置の信号を前記m個の映像入力部に入力される前記m個の入力映像から選択するための選択信号を生成する第2の選択手段と、
前記第2の選択手段によって生成された選択信号に基づき、前記映像入力部と前記映像出力部との接続を切り替える第2の切替手段と、
を有する、
マルチウィンドウ表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−106358(P2006−106358A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−292916(P2004−292916)
【出願日】平成16年10月5日(2004.10.5)
【出願人】(000101330)アストロデザイン株式会社 (28)
【Fターム(参考)】