説明

ラジオ受信機

【課題】 本発明は、ラジオを聴取中の好みでない曲の聴取は飛ばすが、その曲の終了後にラジオを継続して聴取することのできるラジオ受信機を提供することを目的とする。
【解決手段】 制御部6は、スピーカ10へ出力するオーディオ信号が受信部7からの出力である時に、操作部5が曲を飛ばす操作を受け付けると、この制御部6は、スピーカ10へ出力するオーディオ信号を記憶部8が保持するオーディオ信号へ切り替え、その後、受信部7から出力されるオーディオ信号の曲終了を検出するとスピーカ10へ出力するオーディオ信号を受信部7から出力されるオーディオ信号に切り替える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車載用に用いられるラジオ受信機に関し、特にユーザが好みの音楽を継続して聴取可能なラジオ受信機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種ラジオ受信機の構成は、以下のような構成となっていた。
【0003】
すなわち、放送を受信する受信部と、この受信部に接続された制御部と、この制御部に接続されたオーディオ信号を保持する記憶部、およびユーザの操作を受け付ける操作部とを備え、前記制御部は、前記操作部により選択された受信部、あるいは記憶部の出力をスピーカへ出力する構成となっていた。(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−318082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来例では、ユーザがラジオを試聴する為に、操作部により受信部を選択していた場合に、ラジオから好みでない曲が流れてきた時に、その曲が流れている間は記憶部(例えばCD)など別のソースに切り替え、その曲が終了すると再度、ラジオに切り替える場合がある。
【0006】
しかしながら、従来の構成では、ラジオの好みでない曲を飛ばすために、CDなど他のソースに切り替えた後、再度ラジオに戻すタイミングが分からず、使い勝手の悪いものとなっていた。
【0007】
本発明は、ラジオを聴取中の好みでない曲の聴取は飛ばすが、その曲の終了後にラジオを継続して聴取することのできるラジオ受信機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、前記制御部を、前記操作部により、スピーカへ出力するオーディオ信号として前記受信部からの出力が選択されている時に、前記操作部により曲を飛ばす操作がされると、この制御部からスピーカへ出力するオーディオ信号を、前記記憶部が保持するオーディオ信号へ切り替え、その後、前記受信部から出力されるオーディオ信号の曲終了を検出すると、この制御部からスピーカへ出力するオーディオ信号を、前記受信部から出力されるオーディオ信号へと切り替える構成とし、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0009】
以上のように本発明によれば、前記制御部が、前記操作部により、スピーカへ出力するオーディオ信号として前記受信部からの出力が選択されている時に、前記操作部により曲を飛ばす操作がされると、この制御部からスピーカへ出力するオーディオ信号を、前記記憶部が保持するオーディオ信号へ切り替え、その後、前記受信部から出力されるオーディオ信号の曲終了を検出すると、この制御部からスピーカへ出力するオーディオ信号を、前記受信部から出力されるオーディオ信号へと切り替える構成としたので、ラジオ聴取中の好みでない曲を飛ばし、その曲の終了後にラジオを継続して聴取することができるので、
その結果として、使い勝手が向上するのである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態にかかる自動車の車内を模式的に示した図
【図2】本発明の実施の形態にかかるラジオ受信機の構成を示す図
【図3】同構成を示すブロック図
【図4】同動作状態を示す図
【図5】同制御フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態におけるラジオ受信機について図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1は、自動車の車内を模式的に示したものであって、ハンドル1の左方には、ラジオ受信機2が配置されている。
【0013】
さて、図2は、ラジオ受信機2の具体的な構成を示すものであって、図2に示す本体ケース3と、この本体ケース3の表面側に設けたディスプレイ4と、このディスプレイ4の下方にボタン類で構成される操作部5とを有する。また、ディスプレイ4の上方には、ディスク挿入口5aを有する。なお、ディスプレイ4は、液晶パネルを用いることが好適で、受信中の放送局名や周波数、再生中の楽曲タイトルやアルバム、歌手名などを表示する。
【0014】
さらに、図3に示すように、ラジオ受信機2は、これら操作部5およびディスプレイ4に接続されるとともに本体ケース3内に設けた制御部6と、この制御部6に接続された受信部7、記憶部8とを備えている。また、制御部6には、オーディオ信号を増幅するアンプ9、およびアンプ9を経由してスピーカ10が接続されている。なお、記憶部8は、CD(compact disc)に代表されるディスクドライブ8aやメモリ8bであり、オーディオ信号を保持している。
【0015】
次に、各構成について説明する。
【0016】
FM放送に代表される放送電波をアンテナ7aを経由して受信した受信部7は、オーディオ信号を制御部6へ出力する。
【0017】
また、記憶部8は、オーディオ信号を保持しており、操作部5に再生指示があるとオーディオ信号を制御部6へ入力する。制御部6は、操作部5が受け付けたユーザの操作に従い、受信部7や記憶部8にオーディオ信号を再生するよう指示したり、スピーカから出力するオーディオ信号を切り替える。
【0018】
例えば、図2の操作部5における「FM」と表示されたボタンがユーザにより操作されると、制御部6は、受信部7にFM放送を受信するよう指示し、受信部7から入力されたオーディオ信号をスピーカ10から出力するオーディオ信号とする(つまりFMラジオが聴取される)。
【0019】
同様に、図2の操作部5における「CD」と表示されたボタンがユーザにより操作されると、制御部6は、ディスクドライブ8aに挿入されたCDを再生するよう指示し、ディスクドライブ8aから出力されたオーディオ信号をスピーカ10から出力するオーディオ信号とする(つまりCDが聴取される)。
【0020】
ここで、図4を用いてユーザが聴取中の曲を飛ばす操作について説明する。
【0021】
まず、CDを再生中に、ユーザが図2の操作部5における「TRACK」と表示されたボタンの右側を押下する。すると、制御部6は、次のトラックの曲へジャンプするようディスクドライブ8aに指示する。
【0022】
一方、FMラジオを聴取中に、ユーザが操作部5における「TRACK」と表示されたボタンの右側を押下する。すると、制御部6は、CDなど記憶部8に保持されたオーディオ信号を再生するよう指示し、記憶部8から出力されたオーディオ信号をスピーカ10から出力するオーディオ信号とする(図4のユーザ操作でのソース切替11)。
【0023】
このようにして、このオーディオ信号の試聴はFMラジオからCDへと切り替えられるが、本実施形態において特徴的なのは、この時にも、受信部7の受信は継続されていることであり、ボタンが押されたときの曲の終了(FMラジオの曲の終了)を検出する処理を行う。
【0024】
このようにして、制御部6が、曲終了(FMラジオの曲の終了)を検出すると、受信部7から出力されたオーディオ信号を、スピーカ10から出力するオーディオ信号に戻す(図4の曲終了検出でのソース切替12)。なお、ソース切替とは、制御部6がスピーカ10から出力するオーディオ信号を切り替えることであり、この時にはCDからFMラジオへと切り替え、戻される。
【0025】
このようにすることで、ユーザは、FMラジオで聴取中の曲を飛ばしたいときに、CDなど記憶部8のオーディオ信号を再生中と同じボタンの操作で曲を飛ばすことができ、非常に使い勝手が良いものとなる。
【0026】
以上の構成において、以下本実施の形態における動作について、図5のフローチャートを用いて詳しく説明する。
【0027】
まず、ユーザが操作部5の「FM」と表示されたボタンの操作し、ラジオ聴取中とする(ステップ50)。この時、ユーザにより操作部5の「TRACK」と表示されたボタンの右側(TRACKUPと呼ぶ)が押下される(ステップ51)。すると、制御部6は、現在聴取中のソースを判断、つまりスピーカ10から出力しているオーディオ信号が何かを判断し、ラジオ以外であればステップ53へ進み、それぞれのソースに応じた処理を実行する。例えば、ソースがCDであれば、制御部6は、次のトラックの曲へジャンプするようディスクドライブ8aに指示する。一方、ラジオ聴取中であれば、ステップ54へ進む。
【0028】
ステップ54では、制御部6は、記憶部8から出力されたオーディオ信号をスピーカ10から出力するオーディオ信号とする(ステップ58)。
【0029】
この時、記憶部8のディスクドライブ8aまたはメモリ8bを優先して切り替えるように設定しておいてもよい。また、ディスプレイ4に表示する内容は、記憶部8のオーディオ信号を聴取中と同じとしてもよいし、一時的にFMラジオの聴取中を中断していることをユーザに伝える内容としてもよい。
【0030】
そして、この処理の実施と平行して、受信部7の受信を継続し、ユーザが操作部5の「TRACK」と表示されたボタンの右側(TRACKUPと呼ぶ)を押下する前に聴取していた曲の終了検知を行う(ステップ55)。
【0031】
この処理は、一定時間経過するまで継続するようにしても良い(ステップ56)。
【0032】
ステップ55において、制御部6は、曲終了を検出すると、ソースをFMラジオに切り替え、ディスプレイ4の表示もFMラジオ聴取中の内容に戻す(ステップ57)。
【0033】
以上により処理を終了する。
【0034】
なお、制御部6は、受信部7のオーディオ信号の無音部分の検出により曲終了を判断することができる。その他、ラジオ放送にテキスト情報が含まれるものもあり、この場合、テキスト情報を基に曲の終了を判断してもよい。
【0035】
以上のごとく本実施形態においては、ラジオ聴取中の好みでない曲を飛ばし、その曲の終了後にラジオを継続して聴取することができるので、その結果として、使い勝手が向上するのである。
【0036】
また、ユーザは、FMラジオで聴取中の曲を飛ばしたいときに、CDなど記憶部8のオーディオ信号を再生中と同じボタンの操作で曲を飛ばすことができ、非常に使い勝手が良いものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上のように、ラジオ聴取中の好みでない曲を飛ばし、その曲の終了後にラジオを継続して聴取することができるので、その結果として、使い勝手が向上するのである。
【0038】
したがって、車載用として広く活用が期待されるものとなる。
【符号の説明】
【0039】
1 ハンドル
2 ラジオ受信機
3 本体ケース
4 ディスプレイ
5 操作部
5a ディスク挿入口
6 制御部
7 受信部
7a アンテナ
8 記憶部
8a ディスクドライブ
8b メモリ
9 アンプ
10 スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送を受信する受信部と、この受信部に接続された制御部と、この制御部に接続されたオーディオ信号を保持する記憶部、およびユーザの操作を受け付ける操作部とを備え、
前記制御部は、前記操作部により、スピーカへ出力するオーディオ信号として前記受信部からの出力が選択されている時に、前記操作部により曲を飛ばす操作がされると、この制御部からスピーカへ出力するオーディオ信号を、前記記憶部が保持するオーディオ信号へ切り替え、その後、前記受信部から出力されるオーディオ信号の曲終了を検出すると、この制御部からスピーカへ出力するオーディオ信号を、前記受信部から出力されるオーディオ信号へと切り替える構成としたラジオ受信機。
【請求項2】
前記操作部の曲を飛ばす操作を受け付けるスイッチは、スピーカへ出力するオーディオ信号が、前記受信部および前記記憶部のどちらが出力している場合でも同じであることを特徴とする請求項1に記載のラジオ受信機。
【請求項3】
前記制御部は、前記受信部から出力のオーディオ信号の無音部分を検出することにより曲終了を検出することを特徴とする請求項1に記載のラジオ受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−124691(P2012−124691A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273161(P2010−273161)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】