ランド形体を作り出すための半ピッチ間隔のダイヤモンド切削チップが含まれる切削工具組立品
本発明は、複数の切削チップを画定する複数個のダイヤモンドが含まれる切削工具組立品を対象とする。第一のダイヤモンドが、切削工具組立品中で位置決めされて微小複製工具内に第一の溝を作り出し、及び第二のダイヤモンドが、切削工具組立品中で位置決めされて微小複製工具に第二の溝を作り出し、第一と第二の溝が、微小複製工具を使用して作り出されるべき微小複製構造体の整数ピッチ間隔を規定する。加えて、第三のダイヤモンドが、切削工具組立品中で第一と第二のダイヤモンドの間に位置決めされて、微小複製工具内の第一と第二の溝の間にランド形体を作り出す。本発明は、ランド形体を工具加工されないまま残して微小複製工具の元の未加工表面で画定するよりもむしろ、第三のダイヤモンドチップの使用によってランド形体の作成を改善することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小複製された構造物を作成するために使用される、微小複製工具などの被削材のダイヤモンド加工に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイヤモンド加工技法を用いて、微小複製工具などの多様な被削材を作り出すことができる。微小複製工具は、押出しプロセス、射出成形プロセス、型押しプロセス、キャスティングプロセスなどに普通に使用されて、微小複製された構造物を作り出している。微小複製された構造物は、約1000ミクロン未満の寸法のような比較的小さな寸法で微小複製された形体を有する光学フィルム、研磨フィルム、接着フィルム、自己噛み合い特性を有する機械的ファスナ、又はいずれかの成型若しくは押出し部品を含んでもよい。
【0003】
微小複製工具には、キャスティングベルト、キャスティングローラ、射出成形金型、押出し又は形押し工具などが挙げられる。微小複製工具は、ダイヤモンド加工法によって作り出すことができ、その際、切削工具組立品が使用されて、溝又は他の形体が微小複製工具に切り込まれる。切削工具組立品を使用して微小複製工具を作り出す方法は、コストが高い、若しくは時間を消費する場合もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、一般に、複数の切削チップを画定する複数個のダイヤモンドが含まれる切削工具組立品を対象とする。複数個のダイヤモンドを有する切削工具組立品を使用して、微小複製工具又は他の被削材を作り出すことができる。本発明に従うと、少なくとも2個のダイヤモンドが、1つは溝切削用及び1つはランド形体切削用のものが、切削工具組立品中で正確に位置決めされる。ある場合には、3個のダイヤモンドが、切削工具組立品中で正確に位置決めされ、例えば、ランド形体が2つの溝形体の間に切削される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
例えば、ダイヤモンドの切削チップの使用により、微小複製工具内に溝を形成することができ、及び微小複製工具内の溝の間に、ランド形体が形成される。第一のダイヤモンドが、切削工具組立品中に位置決めされて、微小複製工具内に第一の溝を作り出し、及び第二のダイヤモンドが、切削工具組立品中に位置決めされて、微小複製工具に第二の溝を作り出す。第一と第二の溝が、微小複製工具を使用して作り出されるべき微小複製構造体の整数ピッチ間隔を規定する。加えて、第三のダイヤモンドが、切削工具組立品内の第一と第二のダイヤモンドの間に位置決めされて、微小複製工具内の第一と第二の溝の間にランド形体を作り出す。この意図で、第三のダイヤモンドの切削チップは、第一及び第二のダイヤモンドの切削チップに関して整数ピッチ間隔+1/2ピッチ間隔に位置決めされる。
【0006】
切削工具組立品には、取付け構造体と取付け構造体中に取付けられた複数の工具シャンクとが含まれてもよい。工具シャンクのそれぞれは、切削工具組立品の切削チップとして使用されるダイヤモンドチップを画定することができる。工具シャンクのダイヤモンド切削チップの少なくとも2つは、微小複製工具内に作り出されるべき溝に対応するように正確に形成及び位置決めすることができる。工具シャンクのダイヤモンド切削チップの少なくとも1つは、微小複製工具内の溝の間に作り出されるべきランド形体に対応するように正確に形成及び位置決めされてもよい。
【0007】
顕微鏡による整列を使用して、第一及び第二の工具シャンクは、第一及び第二のダイヤモンドのチップの切削位置が相互に対して1ピッチ間隔を規定するように、取付け構造体中で正確に位置決めすることができる。それ故に、切削工具組立品の第一及び第二のダイヤモンドチップは、ダイヤモンドチップの切削位置により規定される整数ピッチ間隔を有して、微小複製工具内に作り出されるべき異なる溝に対応してもよい。第三の工具シャンクは、第三のダイヤモンドのチップの切削位置が第一と第二のダイヤモンドの切削位置の間になるように、顕微鏡による整列を使用して、取付け構造体中で正確に位置決めすることができる。第三のダイヤモンドは、第一と第二のダイヤモンドにより作り出される溝の間にランド形体を作り出し可能にするために、第一及び第二のダイヤモンドより浅い深さに切削するように位置決めされる。ランド形体は、2つの溝の間に平面的なランドを形成してもよく、又は第一及び第二のダイヤモンドチップにより作り出される溝より浅い深さを有するより複雑なランド形体を形成してもよい。
【0008】
一実施形態において、本発明は、切削工具組立品を提供しており、これは、取付け構造体と、取付け構造体中に取り付けられた第一の工具シャンクであって、第一の工具シャンクが被削材内に作り出されるべき第一の溝に対応する第一のダイヤモンドチップを画定する第一の工具シャンクと、取付け構造体中に取り付けられた第二の工具シャンクであって、第二の工具シャンクが被削材内に作り出されるべき第二の溝に対応する第二のダイヤモンドチップを画定し、第一及び第二のダイヤモンドチップの位置が被削材内に作り出されるべき溝の間で整数ピッチを規定する第二の工具シャンクと、を含む。加えて、切削工具組立品は、取付け構造体中の第一と第二の工具シャンクの間に取り付けられた第三の工具シャンクであって、第三の工具シャンクが被削材内の第一と第二の溝の間にランド形体を作り出す第三のダイヤモンドチップを画定する第三の工具シャンクを含む。
【0009】
別の実施形態において、本発明は、微小複製工具内に溝を作り出すために使用されるダイヤモンド工具取り付け機械を提供しており、これは、切削工具組立品と切削工具組立品を受け入れて微小複製工具に対する切削工具組立品の位置決めを制御するための装置とを含む。切削工具組立品には、取付け構造体と、取付け構造体中に取り付けられた第一の工具シャンクであって、第一の工具シャンクが微小複製工具内に作り出されるべき第一の溝に対応する第一のダイヤモンドチップを画定する第一の工具シャンクと、取付け構造体中に取り付けられた第二の工具シャンクであって、第二の工具シャンクが微小複製工具内に作り出されるべき第二の溝に対応する第二のダイヤモンドチップを画定し、第一及び第二のダイヤモンドチップの位置が微小複製工具内に作り出されるべき溝の整数ピッチを規定する第二の工具シャンクと、取付け構造体中に取り付けられた第三の工具シャンクであって、第三の工具シャンクが微小複製工具内の第一と第二の溝の間にランド形体を作り出す第三のダイヤモンドチップを画定する第三の工具シャンクとが含まれる。
【0010】
別の実施形態において、本発明は、切削工具組立品を提供しており、これは、取付け構造体と、取付け構造体中に取り付けられた第一の工具シャンクであって、第一の工具シャンクが被削材内に作り出されるべき第一の溝に対応する第一のダイヤモンドチップを画定する第一の工具シャンクと、取付け構造体中に取り付けられた第二の工具シャンクであって、第二の工具シャンクが被削材内に作り出されるべき第二の溝に対応する第二のダイヤモンドチップを画定し、第一及び第二のダイヤモンドチップの位置が被削材の隣接溝の間にピッチを規定する第二の工具シャンクと、取付け構造体中に取り付けられた第三の工具シャンクであって、第三の工具シャンクが被削材内の第一と第二の溝の間にランド形体を作り出す第三のダイヤモンドチップを画定する第三の工具シャンクと、第一のダイヤモンドチップの第二のダイヤモンドチップに対する切削位置が約10ミクロン未満の許容誤差内のピッチを規定するように、及び第三のダイヤモンドチップの切削位置が約10ミクロン未満の許容誤差内の第一及び第二のダイヤモンドチップの両方に対する半ピッチ位置を画定するように、第一、第二及び第三の工具シャンクを取付け構造体中で固定するための手段とを含む。
【0011】
別の実施形態において、本発明は方法を提供しており、これは、微小複製工具用のピッチ間隔を規定すること、並びに微小複製工具を作り出すための切削工具組立品を作り出すことであって、切削工具組立品を作り出すことが、第一及び第二の工具シャンクを取付け構造体中に位置決めすることであって、第一の工具シャンクに関連付けられた第一のダイヤモンドチップの切削位置が第二の工具シャンクに関連付けられた第二のダイヤモンドチップの切削位置から定義された距離にあり、定義された距離が整数のピッチ間隔に相当し、定義された距離が約10ミクロン未満の許容誤差内の精度であるように、第一及び第二の工具シャンクを取付け構造体中に位置決めすることと、第三の工具シャンクを取付け構造体中に位置決めすることであって、第三の工具シャンクに関連付けられた第三のダイヤモンドチップの切削位置が第一と第二のダイヤモンドチップの切削位置の間にあって、微小複製工具内にランド形体を作り出すように、第三の工具シャンクを取付け構造体中に位置決めすることとによるものである、微小複製工具を作り出すための切削工具組立品を作り出すことを含む。
【0012】
別の実施形態において、本発明は、切削工具組立品を含んでおり、これは、取付け構造体と、取付け構造体中に取り付けられた第一の工具シャンクであって、第一の工具シャンクが被削材内に作り出されるべき溝に対応する第一のダイヤモンドチップを画定する第一の工具シャンクと、取付け構造体中に取り付けられた第二の工具シャンクであって、第二の工具シャンクが被削材内に作り出されるべきランド形体に対応する第二のダイヤモンドチップを画定し、第二のダイヤモンドチップが第一のダイヤモンドチップに対して整数ピッチ間隔+1/2ピッチ間隔をあけられ、ピッチが被削材内に作り出される隣接溝間の距離を示している、第二の工具シャンクとを含む。
【0013】
複数のダイヤモンド切削チップを同一切削工具組立品中で使用することによって、微小複製工具の作成が、改善される又は簡単化されてもよい。特に、微小複製工具内に溝及びランド形体を切削するために、切削工具組立品のより少ない切削パスが必要とされてもよく、このことにより、工具加工コストが低減可能となる。
【0014】
加えて、本発明は、ランド形体を工具加工されないまま残して微小複製工具の元の未加工表面で形成するよりもむしろ、第三のダイヤモンドチップの使用によってランド形体の作成を改善することができる。この意図で、本発明は、2つの溝切削チップの間で第三のダイヤモンドチップを使用し、第三のダイヤモンドチップが溝切削チップより浅い深さに切削して、工具加工されたランドを作り出す。第三のダイヤモンドチップは、第一及び第二のダイヤモンドチップと比較して、微小複製工具に作り出されるべき異なる形体を画定する。再び、一例では、第三のダイヤモンドチップにより作り出されるべき形体は、平面的なランド形体を含む。この場合、本発明は、ダイヤモンド切削工具により作り出される微小複製工具の平面性を改善することができる。別の例では、第三のダイヤモンドチップにより作り出されるべき形体は、第一及び第二のダイヤモンドによって作り出される第一及び第二の溝よりも浅いサブ溝が含まれるランド形体を含む。この場合、第一と第二の溝の間のランド形体そのものが、微小複製構造体内に作り出されるべき光学的形体を画定することができる。ランド形体内に形成されるサブ溝の幅は、ランド形体の幅未満であってもよい。
【0015】
これら及び他の実施形態の追加の詳細を添付図及び以下の説明にて提示する。他の特徴、目的及び利点は、説明及び図面から、並びに請求項から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、複数個のダイヤモンドが含まれる切削工具組立品を対象とする。複数個のダイヤモンドを有する切削工具組立品は、微小複製工具又は他の被削材の作成に使用可能である。微小複製工具が今度は使用されて、約1000ミクロン未満の寸法のような比較的小さな寸法の微小複製された形体を有する光学フィルム、研磨フィルム、接着フィルム、自己噛み合い特性を有する機械的ファスナ、又はいずれかの成型若しくは押出し部品などの、微小複製された構造物を作成してもよい。
【0017】
続く説明において、本発明の態様が、光学フィルムの作成の文脈で記述されている。その場合、本明細書で説明される切削工具組立品は、微小複製工具の作成に使用され、これが今度は使用されて、光学フィルムを作り出す。しかしながら、説明される切削工具組立品が、他の様々な被削材を作り出すのに使用されてもよい。それ故に、説明される切削工具組立品は、微小複製工具又は光学フィルムを作り出す使用に限定されるものではなく、多数の他の工具加工の用途に使用を見出してもよい。
【0018】
図1は、取付け構造体14中に取り付けられた3つの工具シャンク11、12及び13が含まれる、切削工具組立品10の平面図である。切削工具組立品10は、組立品10が軸線15周りで回転されるフライカッティング用に構成されている。例えば、組立品10は、駆動軸16に取付け可能であってもよく、これが工具ツーリング機械(図示せず)のモータにより駆動可能であって、組立品10を回転させる。取付け構造体14は、ダイヤモンドチップ17、18及び19を有する工具シャンク11、12及び13を保持するための構造を含んでもよい。シャンク11、12及び13が、金属又は複合材料で形成されて、ダイヤモンドが、軟ろう、硬ろう、又は接着剤などの実質的に永久的な固定形体により、シャンク11、12及び13に固定可能であってもよい。或いは、シャンクが、カートリッジ(図示せず)に永久的に固定されて、これが今度は、フライホイールに取外し可能に固定されてもよい。図14は、フライカッティング工具140の斜視図であり、シャンク147がカートリッジ146に永久的に固定されており、これが今度は、フライホイール142に取外し可能に固定されている。図14については、以降で更に詳細に説明される。
【0019】
図1を再び参照して、少なくとも3つのダイヤモンド切削面が、例えばダイヤモンドチップ17、18及び19が、切削工具組立品10中で正確に位置決めされる。次に、切削工具組立品10が使用されて、微小複製工具を形成する被削材内に溝を形成し、微小複製工具内の溝の間にランド形体を形成する。更に具体的には、第一のダイヤモンドは、第一のダイヤモンドチップ17が第一の溝を微小複製工具内に作り出すように位置決めされ、及び第二のダイヤモンドは、第二のダイヤモンドチップ18が第二の溝を微小複製工具に作り出すように位置決めされる。第一と第二の溝は、微小複製工具内に整数ピッチ間隔を規定し、微小複製工具を使用して次に作り出される、光学フィルム内に形成されるピッチに対応する。第一及び第二のチップ17、18は、同程度の深さの切削する溝として示されているが、本発明は、必ずしもこの点に限定されない。例えば、本発明では、第一の深さで第一の溝を切削するチップと、第二の深さで第二の溝を切削するチップと、第一及び第二の溝切削チップの間のランド切削チップであって、ランド切削チップが第一及び第二の深さ未満の第三の深さでランド形体を形成するランド切削チップとが含まれる、工具も考えられている。
【0020】
図1において、1ピッチ間隔が、「P」と標識付けされている。しかしながら、より一般的には、「P」は、整数ピッチを指してもよい。間隔が1ピッチより大きい場合には、工具の次の切削パスは、ピッチでの形体の作成を可能にするために、切削チップを1ピッチだけ並進させてもよい。次の説明においては、簡単化のために、本発明は、溝切削ダイヤモンドチップ17と18の間にピッチ間隔という文脈で説明される。しかしながら、より一般的には、溝切削ダイヤモンドチップが、整数ピッチ間隔をあけられ、ランド切削ダイヤモンドチップ19が、整数ピッチ間隔+1/2ピッチ間隔をあけられてもよいと理解される。
【0021】
図1に示すように、第三のダイヤモンドは、第三のダイヤモンドチップ19が微小複製工具内の第一と第二の溝の間にランド形体を作り出すように、第一と第二のダイヤモンドの間に位置決めされる。この意図で、第三のダイヤモンドの切削チップは、第一及び第二のダイヤモンドの切削チップに関して1/2ピッチ間隔で位置決めされる。1/2ピッチ間隔は、図1で「1/2P」と標識付けされている。しかしながらより一般的には、再び、第三のダイヤモンドチップ19は、整数ピッチ間隔+1/2ピッチ間隔をあけられてもよい。ピッチ間隔及び1/2ピッチ間隔の表記法が、次の説明において簡単化のために使用されているが、より一般的には、溝切削チップについて整数ピッチ間隔が、及びランド切削チップについて整数ピッチ間隔+1/2ピッチ間隔が、本開示より考えられている。
【0022】
作り出されるべき微小複製工具の寸法次第で、ピッチ間隔は、約5000ミクロン未満、約1000ミクロン未満、約500ミクロン未満、約200ミクロン未満、約100ミクロン未満、約50ミクロン未満、約10ミクロン未満、約5ミクロン未満、又は約1ミクロン未満であってもよい。
【0023】
工具シャンク11、12及び13のそれぞれは、切削工具組立品10の切削チップとして使用される少なくとも1つのダイヤモンドチップを画定するが、複数チップのダイヤモンドもシャンク11、12及び13の1つ以上中で使用可能である。再び、ダイヤモンド切削チップの少なくとも2つ(例えば、チップ17及び18)が、微小複製工具内に作り出されるべき溝に対応するように正確に形成及び位置決めされ、並びにダイヤモンド切削チップの少なくとも1つ(例えば、チップ19)が、微小複製工具内の溝の間に作り出されるべきランド形体に対応するように正確に形成及び位置決めされる。溝がピッチ間隔(又は整数ピッチ間隔)で、及びランドが1/2ピッチ間隔(又は整数ピッチ間隔+1/2ピッチ間隔)で画定されてならば、いずれの数のダイヤモンドをも使用することができる。切削工具組立品10で作り出される微小複製工具が、光学フィルムの作成に使用されるとき、微小複製工具内の溝が、フィルム内のランドに対応してもよく、及び微小複製工具内のランドが、フィルム内の溝に対応してもよい。
【0024】
第三のダイヤモンドチップ19は、微小複製工具内の溝の間でランド形体を作成可能にするために、第一及び第二のダイヤモンドチップ17、18より浅い深さに切削するように位置決めされる。例えば、ダイヤモンドチップ17、18から軸線15までの距離がダイヤモンドチップ19から軸線15までの距離よりも大きくなるように、高さH1は、高さH2より高くてもよい。したがって、ダイヤモンドチップ17、18によって実施される切削が、ダイヤモンドチップ19によって実施される切削よりも深く微小複製工具に掘り下げて、ダイヤモンドチップ17、18が溝を作成し、ダイヤモンドチップ19がランド形体を作り出すようになっている。
【0025】
ランド形体は、2つの溝の間に平面的なランドを形成してもよく、又は第一及び第二のダイヤモンドチップによって作り出される溝よりも浅い深さを有するより複雑なランド形体を形成してもよい。いずれの場合でも、工具加工の方法が、特にランド形体作成について、改善可能である。図1の例では、第三のダイヤモンドチップ19によって作り出されるべき形体は、平面的なランド形体を含んでもよく、この場合、本発明は、切削工具組立品10によって作り出される微小複製工具の平面性を改善できる。特に、工具加工されたランド形体の平面性が、被削材の元の表面に一致する未加工ランド形体を有する微小複製工具と比較して改善される可能性がある。別の(例えば、図5及び6を参照して以下で示される及び説明されるような)例では、第三のダイヤモンド(又は1/2ピッチ間隔で配置された他のダイヤモンド)によって作り出されるべきランド形体は、第一及び第二のダイヤモンドによって作り出される第一及び第二の溝と比較して、浅い溝が含まれるランド形体を含んでもよい。この場合、第一と第二の溝の間のランド形体そのものが、微小複製工具により微小複製構造体内に作り出されるべき別の光学的形体を画定することができる。
【0026】
切削工具組立品10は、切削工具組立品10の単一切削パスで、複数の溝と溝間の少なくとも1つのランドとを微小複製工具上に切削するように使用されてもよい。したがって、微小複製工具の作成に関連する切削時間は、単一チップ工具を使用するのと比較して短縮可能であり、又はより複雑なパターンが、所与の時間内で形成可能である。この方法にて、微小複製構造体の最終作成に関連する生産サイクルが、短縮可能であり、及び生産プロセスが簡単化される可能性がある。ランドの上で引き続く切削パスも無しで済ませる可能性があり、これにより、そのような引き続く切削パスに関連する従来の整列問題が回避される。
【0027】
工具シャンク11、12及び14中のダイヤモンドのチップ17、18及び19は、例えば、ラッピング技法、グラインディング技法、又は集束イオンビーム加工プロセスを使用して形成することができる。様々な形状及び大きさのダイヤモンドチップも、説明されており、これらは種々の微小複製工具の作成に有用である可能性がある。集束イオンビーム加工プロセスが、特に、所望の形状のダイヤモンドチップを極度の正確さで完成させるために使用されてもよい。
【0028】
切削工具組立品の種々の工具シャンクは、顕微鏡による位置決め技法を使用して取付け構造体中に取付け可能である。その技法は、例えば、位置決め制御が付いた工具ツーリング用顕微鏡の使用を伴ってもよい。顕微鏡は、工具シャンクを取付け構造体中で適切に位置決め可能とするために、ダイヤモンドチップの相互に対する位置を確認及び測定するように使用可能である。ダイヤモンドチップの位置決めを定量化するために、例えば、デジタル読取り、アナログ読取り、グラフィックディスプレイなどの形体の、位置決めフィードバックを設けることができる。フィードバックの使用により、種々の工具シャンクを取付け構造体中で正確に位置決めすることができる。工具シャンクは、一旦位置決めされると、いずれかの好適な固定形体によって、取付け構造体中に固定可能である。この方法にて、工具シャンクは、第一のダイヤモンドチップの切削位置が第二のダイヤモンドチップの切削位置から1ピッチであり、及び第三のダイヤモンドチップの切削位置が第一及び第二の切削チップに対して1/2ピッチ間隔に位置決めされるように、取付け構造体中に位置決めできる。
【0029】
複数の工具シャンクを取付け構造体中で正確に位置決めするための顕微鏡及び位置決めフィードバックの使用により、微小複製工具の有効な工具ツーリングのために必要とされる許容誤差で、ダイヤモンドチップを相互に対して確実に配置することができる。特に、10ミクロン未満の、より好ましくは1ミクロン未満の許容誤差内の場所への位置決めが、達成可能である。更に、相互に対して0.5ミクロンのオーダーの許容誤差内の場所へのダイヤモンドチップの位置決めが、本明細書で説明されるような工具ツーリング用顕微鏡を使用して達成可能である。そのような正確な配置は、微小複製された光学フィルム、微小複製された機械的ファスナ、微小複製された研磨フィルム、微小複製された接着フィルムなどの広範囲の微小複製された構造物を作り出すために使用可能な、微小複製工具を有効に作り出すために望ましい。
【0030】
ダイヤモンドを工具シャンク11、12及び13中に固定し、これにより、ダイヤモンドチップ17、18及び19を画定するために、硬ろう、軟ろう、エポキシのような接着剤などの、実質的に永久的な固定形体を使用することができる。ダイヤモンドチップ17、18及び19を有する工具シャンク11、12及び13は、次に、1つ以上のボルト、クランプ、又は止めねじ(図示せず)などの一時的な固定形体により、取付け構造体14中に取付け可能である。或いは、硬ろう、軟ろう、エポキシのような接着剤、又は他のより永久的な固定形体が、工具シャンク11、12及び13を取付け構造体14中に固定するために使用されてもよい。いずれの場合でも、位置決め制御付き工具ツーリング用顕微鏡と位置決めフィードバックとを使用すると、工具シャンク11、12及び13は、ダイヤモンドチップ17、18及び19が微小複製工具を有効に作成するのに必要とされる精度で相互に対して位置決めされるように、取付け構造体14中で確実に位置決め可能である。取付け構造体14は、切削工具組立品10がダイヤモンド工具ツーリング機械に挿入可能となる形状を有してもよい。
【0031】
図2は、スクライブ(scribe)切削、プランジ切削、又はねじ切削用に構成された、複数個ダイヤモンド切削工具組立品20の概念的な平面図である。図2から理解できるように、本発明による切削工具組立品は、フライカッティング用に設計されるか、又は他のタイプの切削用に設計されるかによって決まる、異なる構成をとってもよい。フライカッティングでない他の例には、スクライブ(scribe)切削、プランジ切削、又はねじ切削が挙げられる。プランジ切削においては、切削工具組立品20が、他の場所に移動して様々な溝又は他の形体を切削する前に、規定された場所において時間間隔にわたって、動いている被削材に押し込まれる。ねじ切削は、プランジ切削に類似している。しかしながらねじ切削においては、切削工具組立品20が、より長い時間にわたって、動いている被削材の中へ変位され、長いねじ溝を切削する。スクライブ(scribe)切削又は罫線引きは、ねじ切削に類似しているが、スクライブ(scribe)切削においては、切削工具組立品20が、非常にゆっくり被削材を通り変位される。
【0032】
図1の組立品10と同様に、図2の切削工具組立品20には、取付け構造体24中に固定された複数の工具シャンク21、22及び23が含まれる。ダイヤモンドを工具シャンク21、22及び23中に固定し、これにより、ダイヤモンドチップ27、28及び29を画定するために、硬ろう、軟ろう、エポキシのような接着剤などの、実質的に永久的な固定形体を使用することができる。ダイヤモンドチップ27、28及び29を有する工具シャンク21、22及び23は、次に、1つ以上のボルト、クランプ、又は止めねじなどの一時的な固定形体により、取付け構造体24中に取付け可能である。或いは、硬ろう、軟ろう、エポキシのような接着剤、又は他のより永久的な固定形体が使用されて、工具シャンク21、22及び23を取付け構造体24中に固定してもよい。
【0033】
位置決めフィードバック付き工具ツーリング用顕微鏡の使用により、微小複製工具の有効な工具ツーリングのために必要とされる精度で、工具シャンク21、22及び23のダイヤモンドチップ27、28及び29が、取付け構造体24中で確実に位置決め可能である。取付け構造体24は、プランジ切削、ねじ切削、スクライブ(scribe)切削又は罫線引き用に構成されたダイヤモンド工具ツーリング機械に、切削工具組立品20が挿入可能となる形状を有してもよい。
【0034】
図1と同様に、図2の切削工具組立品20は、1ピッチ(P)離れた間隔の2つのダイヤモンドチップ27及び28が含まれ、被削材内に溝を形成する。第三のダイヤモンドチップ29は、チップ27及び28に対して1/2ピッチ(1/2P)の間隔にあり、被削材内にランド形体を画定する。再び、ピッチ間隔及び1/2ピッチ間隔の表記法は、本明細書で説明される実施形態における簡単化のために使用されている。より一般的には、溝切削チップの整数ピッチ間隔とランド切削チップの整数ピッチ間隔+1/2ピッチ間隔とが、本開示より考えられている。チップの間隔が1ピッチより大きい(すなわち、1より大きい整数ピッチ間隔の)場合には、工具の次の切削パスが、所望のピッチで溝を作り出す。次に続く説明において、ダイヤモンドチップのピッチ間隔へのあらゆる参照は、そのようなチップの整数ピッチ間隔をも考えており、及びダイヤモンドチップの1/2ピッチ間隔へのあらゆる参照は、整数ピッチ間隔+1/2ピッチ間隔を考えている。
【0035】
図3は、フライカッティング用に構成された複数個ダイヤモンド切削工具組立品30の別の実施形態の概念的平面図である。この例では、より多くの工具シャンク及びより多くのダイヤモンドチップが使用されている。実際、いかなる数の工具シャンク及びダイヤモンドチップも使用可能である。図3の切削工具組立品30では、溝形体作成用のダイヤモンドチップ32A、32B、32C及び32D(集合的にダイヤモンドチップ32)を画定する四つの工具シャンク31A、31B、31C及び31D(集合的にシャンク31)が使用されている。ダイヤモンドチップ32は、相互から1ピッチ(P)離れた間隔にある。更に、チップ32は、高さH1に位置決めされて、微小複製工具中の溝深さを画定している。
【0036】
切削工具組立品30には又、ランド形体作成用のダイヤモンドチップ34A、34B、34C及び34D(集合的にダイヤモンドチップ34)を画定する四つの追加工具シャンク33A、33B、33C及び33D(集合的にシャンク33)が含まれる。ダイヤモンドチップ34も、相互から1ピッチ(P)離れた間隔にあるが、溝の作成に使用されるチップ32に対して1/2ピッチの間隔である。チップ34は、チップ32の高さH1より低い、高さH2に位置決めされている。この方法にて、ランド形体の平面性が、微小複製された構造体を作成するために使用される微小複製工具の加工において改善可能である。
【0037】
図4は、スクライブ(scribe)切削、プランジ切削、又はねじ切削用に構成された、別の実施形態の複数個ダイヤモンド切削工具組立品40の概念的な平面図である。図4では、図3の例と同様に、幾つかの工具シャンク及び幾つかのダイヤモンドチップが使用されている。再び、いかなる数の工具シャンク及びダイヤモンドチップも使用可能である。図4の切削工具組立品40では、溝形体作成用のダイヤモンドチップ42A、42B、42C及び42D(集合的にダイヤモンドチップ42)を画定する四つの工具シャンク41A、41B、41C及び41D(集合的にシャンク41)が使用されている。ダイヤモンドチップ42は、相互から1ピッチ(P)離れた間隔にある。更に、チップ42は、微小複製工具中の溝深さを画定する高さに位置決めされている。
【0038】
切削工具組立品40には又、シャンク41の間に配置された、4つの追加工具シャンク43A、43B、43C及び43D(集合的にシャンク43)が含まれる。工具シャンク43は、ランド形体作成用のダイヤモンドチップ44A、44B、44C及び44D(集合的にダイヤモンドチップ44)を画定する。ダイヤモンドチップ44も、相互から1ピッチ(P)離れた間隔にあるが、溝を作り出すことに使用されるチップ42に対して1/2ピッチの間隔である。チップ44は、チップ42の高さよりも低い高さに位置決めされている。この方法にて、ランド形体の平面性が、微小複製された構造体を作り出すために使用される微小複製工具の加工において改善可能である。
【0039】
図5は、フライカッティング用に構成された、別の実施形態の複数個ダイヤモンド切削工具組立品50の概念的な平面図である。図5の切削工具組立品50には、溝形体作成用のダイヤモンドチップ54A、54B、54C及び54D(集合的にダイヤモンドチップ54)を画定する四つの工具シャンク53A、53B、53C及び53D(集合的にシャンク53)が使用されている。ダイヤモンドチップ54は、相互から1ピッチ(P)離れた間隔にある。更に、チップ54は、高さH1に位置決めされて、微小複製工具中の溝深さを画定する。
【0040】
切削工具組立品50には又、ランド形体作成用のダイヤモンドチップ52A、52B、52C及び52D(集合的にダイヤモンドチップ52)を画定する四つの追加工具シャンク51A、51B、51C及び51D(集合的にシャンク51)が含まれる。ダイヤモンドチップ52も、相互から1ピッチ(P)離れた間隔にあるが、溝の作成に使用されるチップ54に対して1/2ピッチの間隔である。チップ52は、チップ54の高さH1より低い、高さH2に位置決めされている。この方法にて、ランド形体の平面性が、微小複製された構造体を作り出すために使用される微小複製工具の加工において改善可能である。その上、図3の切削工具組立品30とは対照的に、ランド形体作成に使用されるダイヤモンドチップ52には、ランド形体内に微小溝サブ形体を画定するサブチップが含まれる。この方法にて、より複雑なランド形体が作成可能、例えばより複雑な光学フィルムが作成可能となる。
【0041】
図6は、スクライブ(scribe)切削、プランジ切削、又はねじ切削用に構成された、別の実施形態の複数個ダイヤモンド切削工具組立品60の概念的な平面図である。図6では、図4の例と同様に、幾つかの工具シャンク及び幾つかのダイヤモンドチップが使用されている。再び、いかなる数の工具シャンク及びダイヤモンドチップも使用可能である。図6の切削工具組立品60では、溝形体作成用のダイヤモンドチップ62A、62B、62C及び62D(集合的にダイヤモンドチップ62)を画定する四つの工具シャンク61A、61B、61C及び61D(集合的にシャンク61)が使用されている。ダイヤモンドチップ62は、相互から1ピッチ(P)離れた間隔にある。更に、チップ62は、微小複製工具中の溝深さを画定する高さに位置決めされている。
【0042】
切削工具組立品60には又、シャンク61の間に配置された、4つの追加工具シャンク63A、63B、63C及び63D(集合的にシャンク63)が含まれる。工具シャンク63は、ランド形体作成用のダイヤモンドチップ64A、64B、64C及び64D(集合的にダイヤモンドチップ64)を画定する。ダイヤモンドチップ64も、相互から1ピッチ(P)離れた間隔にあるが、溝の作成に使用されるチップ62に対して1/2ピッチの間隔である。チップ64は、チップ62の高さよりも低い高さに位置決めされている。この方法にて、ランド形体の平面性が、微小複製された構造体を作り出すために使用される微小複製工具の加工において改善可能である。図5の切削工具組立品50と同様に、図6の切削工具組立品60は、ランド形体内に微小溝サブ形体を画定するサブチップが含まれる、ランド切削ダイヤモンドチップ64を使用している。この方法にて、より複雑なランド形体が作成可能、例えばより複雑な光学フィルムが作成可能となる。
【0043】
図7及び8は、複数個ダイヤモンド切削工具組立品10及び20を使用して、微小複製工具72(図7)又は82(図8)の作成中に2つの溝を同時に切削するシステム70及び80の概念的な斜視図である。図7及び8の例では、それぞれの微小複製工具72又は82が、キャスティングロールを含んでいるが、キャスティングベルト、射出金型、押出し若しくは型押し工具、又は他の被削材などの他の微小複製工具も、切削工具組立品10又は切削工具組立品20を使用して作成可能である。幾つかの例では、被削材は、図7及び8に示されるようなロールよりもむしろ平面的であってもよい。図7では、切削工具組立品10が、軸線周りで回されてもよい。切削工具組立品10は又、微小複製工具72に対して横方向に(矢印により示されるように)移動されてもよい。同時に、微小複製工具72が、軸線周りで回転されてもよい。切削工具組立品10が回されるとき、2つのダイヤモンドチップが、微小複製工具72中に溝を切削し、一方、第三のダイヤモンドチップが、溝の間にランドを切削する。この方法にて、2つの溝が、切削工具組立品10の単一切削パスで形成され、及び高品質のランドが、溝の間に形成される。より複雑なランド形体も、例えば、ランド形体を作り出すチップ用により複雑なダイヤモンドチップ形状を用いることによって、画定されてもよい。
【0044】
図8に示されるように、切削工具組立品20が、ダイヤモンド工具ツーリング機械84中に固定されてもよく、これが切削工具組立品20を微小複製工具82に対して位置決めして、切削工具組立品20を微小複製工具82に対して例えば横方向に(矢印に示されるように)移動させてもよい。同時に、微小複製工具82が、軸線周りで回転されてもよい。ダイヤモンド工具ツーリング機械84は、微小複製工具82中に溝を切削するために、切削工具組立品20をプランジ又はねじ切削技法により回転している微小複製工具82に通すように構成されていてもよい。或いは、ダイヤモンド工具ツーリング機械84は、スクライブ(scribe)又は罫線引き用に構成されていて、切削工具組立品20が、非常にゆっくり微小複製工具82を通り変位されてもよい。いずれの場合でも、溝及び高品質のランドが、微小複製工具82上に形成可能である。形成される溝及びランドは、例えば押出成形プロセス中に微小複製工具72(図7)又は82(図8)を使用して作り出される、微小複製された構造体の最終形体を画定してもよい。
【0045】
所望の場合、システム70及び80は、高速工具サーボ(図示せず)を使用してもよい。例えば、図8を参照して、高速工具サーボは、切削工具組立品20と切削工具組立品20を受け入れる工具ツーリング機械84との間で使用可能である。この場合、高速工具サーボは、特定の微小構造を微小複製工具82中に作り出すために、切削工具組立品20を振動させてもよい。
【0046】
切削工具組立品10、20が、複数の工具シャンクを、したがって複数のダイヤモンド切削チップを提供するので、微小複製工具上に溝を切削するのに、切削工具組立品のより少ないパスしか必要とされない。これにより、生産コストが低減できると共に、微小複製工具の作成に関連する生産サイクルを高速化することができる。更に、システム70及び80は、ランド形体を工具加工されないまま残して微小複製工具72又は82の元の未加工表面で画定するよりもむしろ、第三のダイヤモンドチップの使用によってランド形体の作成を改善してもよい。図7及び8に示される例では、第三のダイヤモンドチップにより作り出される形体は、平面的なランド形体を含む。この場合、本発明は、ダイヤモンド切削工具10、20により作り出される微小複製工具72、82の平面性を改善することができる。しかしながら、他の例では、第三のダイヤモンドチップにより作り出される形体は、小さい及び浅い溝(又は他のサブ形体)が含まれるランド形体を含む。この場合、第一と第二の溝の間のランド形体そのものが、微小複製構造体中に作り出されるべき光学形体を画定することができる。ランド形体内に形成されるサブ形体の幅は、ランド形体の幅未満であってもよい。
【0047】
微小複製工具72及び82、又は本明細書で説明される技法を用いて作り出されるいずれかの被削材は、銅、ニッケル、アルミニウム、アクリルのようなプラスチック、又は機械加工が可能ないずれかの材料で形成されもよい。一般に、本明細書で説明される機械加工技法は、ダイヤモンド切削チップだけを移動させることによって、被削材だけをダイヤモンド切削チップに対して移動させることによって、又は被削材とダイヤモンド切削チップの両方を移動させることによって、実施されてもよい。
【0048】
本明細書で説明されるダイヤモンドチップの寸法は、切削高さ(H切削)、切削幅(W切削)、並びに上で定義されたピッチ変数(P)及び(1/2P)により規定されてもよい。切削高さ(H切削)は、ダイヤモンドが被削材中に切削可能な最大深さを規定するものであって、切削深さとも呼ばれてもよい。切削幅(W切削)は、チップの平均切削幅又は最大切削幅として定義されてもよい。切削チップの寸法を規定するのに使用可能な他の量は、アスペクト比と呼ばれる。アスペクト比とは、高さ(H切削)対幅(W切削)の比である。集束イオンビーム加工プロセスにより作り出されるダイヤモンドチップは、様々な高さ、幅、ピッチ、及びアスペクト比を達成することができる。
【0049】
例えば、高さ(H切削)及び/又は幅(W切削)は、約500ミクロン未満、約200ミクロン未満、約100ミクロン未満、約50ミクロン未満、約10ミクロン未満、約1.0ミクロン未満、又は約0.1ミクロン未満であるように形成することができる。加えて、ピッチ変数(P)は、約5000ミクロン未満、約1000ミクロン未満、約500ミクロン未満、約200ミクロン未満、約100ミクロン未満、約50ミクロン未満、約10ミクロン未満、約5ミクロン未満、約1.0ミクロン未満であるように規定されてもよく、及び0.5ミクロン近くとなってもよい。ある場合には、工具シャンクのオフセット配置を用いることによって、ピッチ(P)が、工具シャンクの幅未満であってもよい。
【0050】
アスペクト比(H切削:W切削)は、約1:5を超える、約1:2を超える、約1:1を超える、約2:1を超える、又は約5:1を超えるように規定されてもよい。より大きい又はより小さいアスペクト比も、集束イオンビーム加工を用いて達成されてもよい。これらの種々の形状および大きさは、様々な用途に対して有利なことがある。
【0051】
集束イオンビーム加工とは、ガリウムイオンなどのイオンをダイヤモンドに向けて加速して、ダイヤモンドの原子を除去するためのプロセスを示している(アブレーションと呼ばれることもある)。ガリウムイオンを加速すると、ダイヤモンドから原子を原子ごとに除去する可能性がある。水蒸気を使用する蒸気強化技法をも用いて、集束イオンビーム加工プロセスを改善してもよい。1つの好適な集束イオンビーム加工機には、オレゴン州ポートランド(Portland Oregon)のFEI社(FEI Inc.)から購入可能なミクリオン(Micrion)モデル9500がある。一般に、集束イオンビーム加工を実施して、作り出されるべき形体に相当する精密なチップが付いたダイヤモンドを作り出すことができる。イオンビーム加工された1個以上のダイヤモンドを作り出すのに使用されてもよい集束イオンビーム加工業務の1つの代表的な提供者に、ノースカロライナ州ラレイ(Raleigh, North Carolina)のマテリアルスアナリティカルサービス(Materials Analytical Services)がある。
【0052】
集束イオンビーム加工は、一般に、非常に高価である。したがって、複数チップが付いたダイヤモンドの作成に関連するコストの低減のために、ダイヤモンドチップを集束イオンビーム加工プロセスにかける前に、イオンビーム加工されることになっているダイヤモンドチップを初期加工することが望ましい。例えば、ラッピング又はグラインディングなどのより安価な技法を使用して、ダイヤモンドチップのかなりの部分を除去してもよい。集束イオンビーム加工プロセスは、上で列挙した寸法又は形体の1つ以上を確実に達成可能にするものであってもよい。それでも、ダイヤモンドチップを集束イオンビーム加工の前に初期加工することによって、最終イオンビーム加工されたダイヤモンドチップを作り出すのに必要とされる集束イオンビーム加工時間が、短縮可能である。ラッピングは、遊離砥粒を用いてダイヤモンドから材料を除去するプロセスを指し、一方、グラインディングは、媒体または基体に固定された研磨材を用いてダイヤモンドから材料を除去するプロセスを示している。
【0053】
図9A〜9Dは、溝を被削材92中に切削している切削工具組立品90を示す上断面図である。特に、図9Aは、第一組の溝及びランドを被削材92中に切削している複数個ダイヤモンド切削工具組立品90を示す上断面図である。図9Bは、第二組の溝及びランドを被削材92中に切削している切削工具組立品90を示す上断面図であり、図9Cは、第三組の溝及びランドを被削材92中に切削している切削工具組立品90を示す上断面図である。図9Dは、切削工具組立品90の4パス後の、作り出された被削材92を示す平面図である。被削材92は、上で概略的に説明されたような微小複製工具に相当してもよいが、本発明は、必ずしもこの点に限定されない。図示されるように、ランド形体は、溝切削ダイヤモンドチップに対して1/2ピッチ間隔をあけられたランド切削ダイヤモンドチップにより画定されるように、平らであり同一平面上にある。
【0054】
図10A〜10Dは、溝を被削材102中に切削している切削工具組立品100を示す上断面図である。特に、図10Aは、第一組の溝及びランドを被削材102中に切削している複数個ダイヤモンド切削工具組立品100を示す上断面図である。図10Bは、第二組の溝及びランドを被削材102中に切削している切削工具組立品100を示す上断面図であり、図10Cは、第三組の溝及びランドを被削材102中に切削している切削工具組立品100を示す上断面図である。図10Dは、切削工具組立品100の4パス後の、作り出された被削材102を示す平面図である。図9Dにおけるように、図10Dの作り出された被削材102は、上で概略的に説明されたような微小複製工具に相当してもよいが、本発明は、必ずしもこの点に限定されない。図示されるように、ランド形体106は、平らであり同一平面上にあるが、サブ形体107が含まれており、これはこの例では、溝形体105より浅い微小溝の形体をとる。
【0055】
図11は、工具シャンク中に固定可能であり、次に切削工具組立品中で使用可能な、ダイヤモンド110の斜視図である。ダイヤモンド110は、上で説明されたダイヤモンドチップ17、18、27又は28のいずれに相当してもよい。ダイヤモンド110は、図11に示されるように、少なくとも3面(S1〜S3)により画定される、切削チップ112を画定してもよい。面S1、S2及びS3は、グラインディング又はラッピング技法により作り出されてもよく、及び集束イオンビーム加工技法により完成されてもよい。
【0056】
図12は、工具シャンク中に固定可能であり、次に切削工具組立品中で使用可能な、ダイヤモンド120の斜視図である。ダイヤモンド120は、上で説明されたダイヤモンドチップ19又は29のいずれに相当してもよい。ダイヤモンド120は、図12に示されるように、平らなランド形体を作成可能な、平らな切削チップ122を画定してもよい。
【0057】
図13は、工具シャンク中に固定可能であり、次に切削工具組立品中で使用可能な、ダイヤモンド130の斜視図である。ダイヤモンド130は、図13に示されるように、微小溝サブ形体をランド形体中に画定する小さなサブチップ134が含まれる、平らな切削チップ132を画定してもよい。サブチップ134は、図11のダイヤモンド110のような形状を有してもよいが、より大きなダイヤモンド130より小さい突出形体である。平らな切削チップ132及びサブチップ134を有するダイヤモンド130を使用して、微小溝が含まれるランド形体を画定してもよい。再び、集束イオンビーム加工技法を使用して、本明細書で説明されるダイヤモンド形状を画定してもよい。
【0058】
図14は、本発明の実施形態によるフライカッティング工具の別の斜視図である。図14の工具140では、フライホイール142が、フライカッティング機械144の駆動軸上で回転する。カートリッジ146A〜146G(集合的にカートリッジ146)が、取外し可能にフライホイール142中に固定されている。フライホイール142は、例えば取外し可能なカートリッジ146中に固定された、工具シャンク147A〜147Gを受入れ可能な取付け構造体の一例である。カートリッジ146のそれぞれには、形体を被削材中に切削するための少なくとも1つのダイヤモンドチップが含まれる、工具シャンク147の少なくとも1つが含まれる。この例では、カートリッジ146A、146C及び146Eは、フライホイールの回転軸に関して横方向に離れた間隔の溝切削チップを画定する。同様に、カートリッジ146B、146D及び146Fは、フライホイールの回転軸に関して横方向に離れた間隔のランド切削チップを画定する。
【0059】
カートリッジ146A、146C及び146E中の溝切削チップは、漸増的間隔であって、3つのピッチ間隔の溝を被削材内に画定してもよく、一方、カートリッジ146B、146D及び146F中のランド切削チップは、1/2ピッチの間隔にあって、3つのランド間隔の溝を被削材内に画定する。溝切削チップ及びランド切削チップは、交互する配置にあるとして示されているが、フライホイールの別のカートリッジ内に置かれてもよい。また、カートリッジ146B、146D及び146F中のランド切削チップは、平らなチップであるとして示されているが、これらの平らなチップには、例えば図13のダイヤモンド130に示されるような、微小溝サブ形体をランド形体内に画定する小さなサブチップも含まれてもよい。
【0060】
図15は、顕微鏡的に整列されているフライカッティング工具の斜視図である。特に、本明細書で説明された許容誤差内のダイヤモンドチップの整列を得るために、顕微鏡152が使用されてもよい。顕微鏡152下にある間に、工具150のダイヤモンドチップの位置は、様々な切削チップの正確なピッチ及び1/2ピッチの間隔を画定するように調節可能である。ゴニオメーター調節を実施して、フライホイール156の適切な角度位置決めを確実にすることができる。加えて、X−Yたわみ装置(X-Y flexure device)158を使用して、フライホイール156中に固定された様々なカートリッジ中の切削チップの適切な空間位置決めを確実にしてもよい。顕微鏡152は、切削チップの角度及び平面の両方の位置決めを確実に本明細書で説明された許容誤差内にするために使用される。
【0061】
フライカッティング工具の回転中心は、フライカッティング工具に取り付けられた位置決め球(locating sphere)とフライカッティング工具のスピンドルに取り付けられたレシーバボア(receiver bore)とにより維持することができる。レシーバボア(receiver bore)は、スピンドルの回転軸に整列することができる。フライカッティング工具のパイロットボールも、フライカッティング工具の回転中心を規定して、フライカッティング工具の噛み合い面に沿って配置してもよい。微動回転調節を用いて、顕微鏡ステージの焦点調節を動かさずに、フライカッティング工具を焦点に持ってくることができる。これにより、その自由度を固定できるので、顕微鏡の焦点ステージからのいかなる精密整列及び移動要求も無くなる。ゴニオメーター調節を実施して、フライホイール156の適切な角度位置決めを確実にすることができる。フライカッティング工具のチップを回転中心に置くと、そうでなければ存在することがある並進を排除することができる。精密なX−Yたわみ装置(X-Y flexure device)158を使用して、バックラッシュ無しにロータ本体に対して切削工具を2自由度で並進させてもよい。
【0062】
幾つかの切削工具について、顕微鏡ステージを動かすこと無く、調節の全プロセスを達成することができる。全ての工具シャンクが適所に取り付けられているとき、顕微鏡ステージは、顕微鏡対象物が邪魔にならないように移動させる及び適所に戻すように使用可能であり、その結果、該切り刃を完全に検査することができる。切削チップが所望の位置及び回転に調節された時、その位置が接着剤によって適所に固定される。接着剤が次の切削作業中に破断する場合、安全ピンが供給されてもよい。次の検査において1つ以上のチップが適切に配置されていないことが見出された場合、仕様外れのカートリッジ及び工具を取り外して、他の工具の邪魔をすることなく空カートリッジに置き換えることができる。
【0063】
バランスウエイトを取り付けるために、ねじ孔が設けられていてもよい。加えて、放射状のねじ孔を用いて、バランスの微調節用の止めねじが配設されてもよい。6つの定数に満たない工具が負荷される場合、ダミーカートリッジをカウンタウエイトとして使用することができる。ダミーカートリッジには、バランスの粗調節用のねじが含まれてもよい。円盤状の設計であるので、ダイナミックバランスは必要とされないことがある。ストレートエッジ間の簡単なスタティックバランスにより、優れたバランス結果が提供される。バランス用シャフトとして、貫通孔を使用することができる。
【0064】
図16は、本発明による代替実施形態のフライカッティング工具160のチップ図である。図16の切削工具組立品160には、図1の切削工具組立品10と同様に、少なくとも3つのダイヤモンド切削面、例えばダイヤモンドチップ167、168及び169が含まれる。更に、ダイヤモンドチップ167及び168は、1ピッチを画定する間隔にされ、一方、ダイヤモンドチップ169は、ダイヤモンドチップ167及び168に関して1/2ピッチ間隔に位置決めされてもよい。
【0065】
しかしながら、図1の工具10と異なり、フライカッティング工具160は、ダイヤモンドチップ167、168及び169の切削位置がフライカッティング工具160の回転軸165に平行であるように構成されている。この場合、ダイヤモンドチップ167、168及び169は、円形の溝及びランド形体を被削材中に形成してもよい。
【0066】
多数の実施形態が説明された。特に、微小複製工具内に作り出されるべき溝に対応する少なくとも2つのダイヤモンド切削チップと微小複製工具内の溝の間に作り出されるべきランド形体に対応する少なくとも1つのダイヤモンド切削チップとを画定する切削工具組立品が説明された。本発明は、ランド形体を工具加工されないまま残して微小複製工具の元の未加工表面で画定するよりもむしろ、第三のダイヤモンドチップの使用によってランド形体の作成を改善することにおいて、特に有用である。
【0067】
それでも、本明細書で説明された構造及び技法に対して、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な修正がなされてもよい。例えば、切削工具組立品は、溝及びランドを他のタイプの被削材に切削するのに、例えば微小複製工具以外の被削材に切削するのに使用されてもよい。また、他の用途では、2つ以上の溝切削ダイヤモンドが、本明細書で説明されたような工具シャンク中に固定されてもよいが、切削チップを異なる深さに固定されてもよい。その場合、溝切削ダイヤモンドは、整数ピッチ間隔をあけられて、同一溝を切削するように使用することができ、例えば、工具の引き続くパス中に、異なるダイヤモンドが、ますます深く切削してもよい。この場合、ランド切削ダイヤモンドがやはり使用されて、平らな同一平面上のランド又は本明細書で説明されたようなサブ形体付きランドを作り出してもよい。
【0068】
更に別の場合、2個のランド切削ダイヤモンドが、1個の溝切削ダイヤモンドと共に切削工具中で使用されてもよい。また、更により複雑な形体を形成するために、ランド切削ダイヤモンドが非平面状であって、工具の単一切削パスにより異なる深さのランドを作り出すようになっていてもよい。それ故に、他の実施および実施形態も、続く特許請求の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】フライカッティング用に構成された、複数個ダイヤモンド切削工具組立品の概念的な平面図。
【図2】プランジ切削、ねじ切削、又はスクライブ(scribe)切削用に構成された、複数個ダイヤモンド切削工具組立品の概念的な平面図。
【図3】フライカッティング用に構成された、複数個ダイヤモンド切削工具組立品の別の実施形態の概念的な平面図。
【図4】プランジ切削、ねじ切削、又はスクライブ(scribe)切削用に構成された、複数個ダイヤモンド切削工具組立品の別の実施形態の概念的な平面図。
【図5】フライカッティング用に構成された、複数個ダイヤモンド切削工具組立品の別の実施形態の概念的な平面図である。
【図6】プランジ切削、ねじ切削、又はスクライブ(scribe)切削用に構成された、複数個ダイヤモンド切削工具組立品の別の実施形態の概念的な平面図。
【図7】微小複製工具の作成中に2つの溝と1つのランドとを同時に切削している、複数個ダイヤモンドフライカッティング工具組立品の概念的な斜視図。
【図8】微小複製工具の作成中に2つの溝と1つのランドとを同時に切削している、複数個ダイヤモンド切削工具組立品の概念的な斜視図。
【図9A】溝及び平らなランド形体を被削材中に切削している、複数個ダイヤモンド切削工具組立品を示す上断面図。
【図9B】溝及び平らなランド形体を被削材中に切削している、複数個ダイヤモンド切削工具組立品を示す上断面図。
【図9C】溝及び平らなランド形体を被削材中に切削している、複数個ダイヤモンド切削工具組立品を示す上断面図。
【図9D】溝及び平らなランド形体を被削材中に切削している、複数個ダイヤモンド切削工具組立品を示す上断面図。
【図10A】溝及びサブ形体付きランドを被削材中に切削している、複数個ダイヤモンド切削工具組立品を示す上断面図。
【図10B】溝及びサブ形体付きランドを被削材中に切削している、複数個ダイヤモンド切削工具組立品を示す上断面図。
【図10C】溝及びサブ形体付きランドを被削材中に切削している、複数個ダイヤモンド切削工具組立品を示す上断面図。
【図10D】溝及びサブ形体付きランドを被削材中に切削している、複数個ダイヤモンド切削工具組立品を示す上断面図。
【図11】複数個ダイヤモンド切削工具組立品中でピッチ間隔にある溝切削ダイヤモンドの1個として使用可能な、代表的なダイヤモンドの斜視図。
【図12】複数個ダイヤモンド切削工具組立品中で半ピッチ間隔にあるランド切削ダイヤモンドとして使用可能な、代表的なダイヤモンドの斜視図。
【図13】複数個ダイヤモンド切削工具組立品中で半ピッチ間隔にあるランド切削ダイヤモンドとして使用されて、微小溝付きランド形体を切削可能な、代表的なダイヤモンドの斜視図。
【図14】本発明の実施形態によるフライカッティング工具の別の斜視図。
【図15】顕微鏡的に整列されているフライカッティング工具の斜視図。
【図16】本発明によるフライカッティング工具の代替実施形態のチップ図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小複製された構造物を作成するために使用される、微小複製工具などの被削材のダイヤモンド加工に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイヤモンド加工技法を用いて、微小複製工具などの多様な被削材を作り出すことができる。微小複製工具は、押出しプロセス、射出成形プロセス、型押しプロセス、キャスティングプロセスなどに普通に使用されて、微小複製された構造物を作り出している。微小複製された構造物は、約1000ミクロン未満の寸法のような比較的小さな寸法で微小複製された形体を有する光学フィルム、研磨フィルム、接着フィルム、自己噛み合い特性を有する機械的ファスナ、又はいずれかの成型若しくは押出し部品を含んでもよい。
【0003】
微小複製工具には、キャスティングベルト、キャスティングローラ、射出成形金型、押出し又は形押し工具などが挙げられる。微小複製工具は、ダイヤモンド加工法によって作り出すことができ、その際、切削工具組立品が使用されて、溝又は他の形体が微小複製工具に切り込まれる。切削工具組立品を使用して微小複製工具を作り出す方法は、コストが高い、若しくは時間を消費する場合もある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、一般に、複数の切削チップを画定する複数個のダイヤモンドが含まれる切削工具組立品を対象とする。複数個のダイヤモンドを有する切削工具組立品を使用して、微小複製工具又は他の被削材を作り出すことができる。本発明に従うと、少なくとも2個のダイヤモンドが、1つは溝切削用及び1つはランド形体切削用のものが、切削工具組立品中で正確に位置決めされる。ある場合には、3個のダイヤモンドが、切削工具組立品中で正確に位置決めされ、例えば、ランド形体が2つの溝形体の間に切削される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
例えば、ダイヤモンドの切削チップの使用により、微小複製工具内に溝を形成することができ、及び微小複製工具内の溝の間に、ランド形体が形成される。第一のダイヤモンドが、切削工具組立品中に位置決めされて、微小複製工具内に第一の溝を作り出し、及び第二のダイヤモンドが、切削工具組立品中に位置決めされて、微小複製工具に第二の溝を作り出す。第一と第二の溝が、微小複製工具を使用して作り出されるべき微小複製構造体の整数ピッチ間隔を規定する。加えて、第三のダイヤモンドが、切削工具組立品内の第一と第二のダイヤモンドの間に位置決めされて、微小複製工具内の第一と第二の溝の間にランド形体を作り出す。この意図で、第三のダイヤモンドの切削チップは、第一及び第二のダイヤモンドの切削チップに関して整数ピッチ間隔+1/2ピッチ間隔に位置決めされる。
【0006】
切削工具組立品には、取付け構造体と取付け構造体中に取付けられた複数の工具シャンクとが含まれてもよい。工具シャンクのそれぞれは、切削工具組立品の切削チップとして使用されるダイヤモンドチップを画定することができる。工具シャンクのダイヤモンド切削チップの少なくとも2つは、微小複製工具内に作り出されるべき溝に対応するように正確に形成及び位置決めすることができる。工具シャンクのダイヤモンド切削チップの少なくとも1つは、微小複製工具内の溝の間に作り出されるべきランド形体に対応するように正確に形成及び位置決めされてもよい。
【0007】
顕微鏡による整列を使用して、第一及び第二の工具シャンクは、第一及び第二のダイヤモンドのチップの切削位置が相互に対して1ピッチ間隔を規定するように、取付け構造体中で正確に位置決めすることができる。それ故に、切削工具組立品の第一及び第二のダイヤモンドチップは、ダイヤモンドチップの切削位置により規定される整数ピッチ間隔を有して、微小複製工具内に作り出されるべき異なる溝に対応してもよい。第三の工具シャンクは、第三のダイヤモンドのチップの切削位置が第一と第二のダイヤモンドの切削位置の間になるように、顕微鏡による整列を使用して、取付け構造体中で正確に位置決めすることができる。第三のダイヤモンドは、第一と第二のダイヤモンドにより作り出される溝の間にランド形体を作り出し可能にするために、第一及び第二のダイヤモンドより浅い深さに切削するように位置決めされる。ランド形体は、2つの溝の間に平面的なランドを形成してもよく、又は第一及び第二のダイヤモンドチップにより作り出される溝より浅い深さを有するより複雑なランド形体を形成してもよい。
【0008】
一実施形態において、本発明は、切削工具組立品を提供しており、これは、取付け構造体と、取付け構造体中に取り付けられた第一の工具シャンクであって、第一の工具シャンクが被削材内に作り出されるべき第一の溝に対応する第一のダイヤモンドチップを画定する第一の工具シャンクと、取付け構造体中に取り付けられた第二の工具シャンクであって、第二の工具シャンクが被削材内に作り出されるべき第二の溝に対応する第二のダイヤモンドチップを画定し、第一及び第二のダイヤモンドチップの位置が被削材内に作り出されるべき溝の間で整数ピッチを規定する第二の工具シャンクと、を含む。加えて、切削工具組立品は、取付け構造体中の第一と第二の工具シャンクの間に取り付けられた第三の工具シャンクであって、第三の工具シャンクが被削材内の第一と第二の溝の間にランド形体を作り出す第三のダイヤモンドチップを画定する第三の工具シャンクを含む。
【0009】
別の実施形態において、本発明は、微小複製工具内に溝を作り出すために使用されるダイヤモンド工具取り付け機械を提供しており、これは、切削工具組立品と切削工具組立品を受け入れて微小複製工具に対する切削工具組立品の位置決めを制御するための装置とを含む。切削工具組立品には、取付け構造体と、取付け構造体中に取り付けられた第一の工具シャンクであって、第一の工具シャンクが微小複製工具内に作り出されるべき第一の溝に対応する第一のダイヤモンドチップを画定する第一の工具シャンクと、取付け構造体中に取り付けられた第二の工具シャンクであって、第二の工具シャンクが微小複製工具内に作り出されるべき第二の溝に対応する第二のダイヤモンドチップを画定し、第一及び第二のダイヤモンドチップの位置が微小複製工具内に作り出されるべき溝の整数ピッチを規定する第二の工具シャンクと、取付け構造体中に取り付けられた第三の工具シャンクであって、第三の工具シャンクが微小複製工具内の第一と第二の溝の間にランド形体を作り出す第三のダイヤモンドチップを画定する第三の工具シャンクとが含まれる。
【0010】
別の実施形態において、本発明は、切削工具組立品を提供しており、これは、取付け構造体と、取付け構造体中に取り付けられた第一の工具シャンクであって、第一の工具シャンクが被削材内に作り出されるべき第一の溝に対応する第一のダイヤモンドチップを画定する第一の工具シャンクと、取付け構造体中に取り付けられた第二の工具シャンクであって、第二の工具シャンクが被削材内に作り出されるべき第二の溝に対応する第二のダイヤモンドチップを画定し、第一及び第二のダイヤモンドチップの位置が被削材の隣接溝の間にピッチを規定する第二の工具シャンクと、取付け構造体中に取り付けられた第三の工具シャンクであって、第三の工具シャンクが被削材内の第一と第二の溝の間にランド形体を作り出す第三のダイヤモンドチップを画定する第三の工具シャンクと、第一のダイヤモンドチップの第二のダイヤモンドチップに対する切削位置が約10ミクロン未満の許容誤差内のピッチを規定するように、及び第三のダイヤモンドチップの切削位置が約10ミクロン未満の許容誤差内の第一及び第二のダイヤモンドチップの両方に対する半ピッチ位置を画定するように、第一、第二及び第三の工具シャンクを取付け構造体中で固定するための手段とを含む。
【0011】
別の実施形態において、本発明は方法を提供しており、これは、微小複製工具用のピッチ間隔を規定すること、並びに微小複製工具を作り出すための切削工具組立品を作り出すことであって、切削工具組立品を作り出すことが、第一及び第二の工具シャンクを取付け構造体中に位置決めすることであって、第一の工具シャンクに関連付けられた第一のダイヤモンドチップの切削位置が第二の工具シャンクに関連付けられた第二のダイヤモンドチップの切削位置から定義された距離にあり、定義された距離が整数のピッチ間隔に相当し、定義された距離が約10ミクロン未満の許容誤差内の精度であるように、第一及び第二の工具シャンクを取付け構造体中に位置決めすることと、第三の工具シャンクを取付け構造体中に位置決めすることであって、第三の工具シャンクに関連付けられた第三のダイヤモンドチップの切削位置が第一と第二のダイヤモンドチップの切削位置の間にあって、微小複製工具内にランド形体を作り出すように、第三の工具シャンクを取付け構造体中に位置決めすることとによるものである、微小複製工具を作り出すための切削工具組立品を作り出すことを含む。
【0012】
別の実施形態において、本発明は、切削工具組立品を含んでおり、これは、取付け構造体と、取付け構造体中に取り付けられた第一の工具シャンクであって、第一の工具シャンクが被削材内に作り出されるべき溝に対応する第一のダイヤモンドチップを画定する第一の工具シャンクと、取付け構造体中に取り付けられた第二の工具シャンクであって、第二の工具シャンクが被削材内に作り出されるべきランド形体に対応する第二のダイヤモンドチップを画定し、第二のダイヤモンドチップが第一のダイヤモンドチップに対して整数ピッチ間隔+1/2ピッチ間隔をあけられ、ピッチが被削材内に作り出される隣接溝間の距離を示している、第二の工具シャンクとを含む。
【0013】
複数のダイヤモンド切削チップを同一切削工具組立品中で使用することによって、微小複製工具の作成が、改善される又は簡単化されてもよい。特に、微小複製工具内に溝及びランド形体を切削するために、切削工具組立品のより少ない切削パスが必要とされてもよく、このことにより、工具加工コストが低減可能となる。
【0014】
加えて、本発明は、ランド形体を工具加工されないまま残して微小複製工具の元の未加工表面で形成するよりもむしろ、第三のダイヤモンドチップの使用によってランド形体の作成を改善することができる。この意図で、本発明は、2つの溝切削チップの間で第三のダイヤモンドチップを使用し、第三のダイヤモンドチップが溝切削チップより浅い深さに切削して、工具加工されたランドを作り出す。第三のダイヤモンドチップは、第一及び第二のダイヤモンドチップと比較して、微小複製工具に作り出されるべき異なる形体を画定する。再び、一例では、第三のダイヤモンドチップにより作り出されるべき形体は、平面的なランド形体を含む。この場合、本発明は、ダイヤモンド切削工具により作り出される微小複製工具の平面性を改善することができる。別の例では、第三のダイヤモンドチップにより作り出されるべき形体は、第一及び第二のダイヤモンドによって作り出される第一及び第二の溝よりも浅いサブ溝が含まれるランド形体を含む。この場合、第一と第二の溝の間のランド形体そのものが、微小複製構造体内に作り出されるべき光学的形体を画定することができる。ランド形体内に形成されるサブ溝の幅は、ランド形体の幅未満であってもよい。
【0015】
これら及び他の実施形態の追加の詳細を添付図及び以下の説明にて提示する。他の特徴、目的及び利点は、説明及び図面から、並びに請求項から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、複数個のダイヤモンドが含まれる切削工具組立品を対象とする。複数個のダイヤモンドを有する切削工具組立品は、微小複製工具又は他の被削材の作成に使用可能である。微小複製工具が今度は使用されて、約1000ミクロン未満の寸法のような比較的小さな寸法の微小複製された形体を有する光学フィルム、研磨フィルム、接着フィルム、自己噛み合い特性を有する機械的ファスナ、又はいずれかの成型若しくは押出し部品などの、微小複製された構造物を作成してもよい。
【0017】
続く説明において、本発明の態様が、光学フィルムの作成の文脈で記述されている。その場合、本明細書で説明される切削工具組立品は、微小複製工具の作成に使用され、これが今度は使用されて、光学フィルムを作り出す。しかしながら、説明される切削工具組立品が、他の様々な被削材を作り出すのに使用されてもよい。それ故に、説明される切削工具組立品は、微小複製工具又は光学フィルムを作り出す使用に限定されるものではなく、多数の他の工具加工の用途に使用を見出してもよい。
【0018】
図1は、取付け構造体14中に取り付けられた3つの工具シャンク11、12及び13が含まれる、切削工具組立品10の平面図である。切削工具組立品10は、組立品10が軸線15周りで回転されるフライカッティング用に構成されている。例えば、組立品10は、駆動軸16に取付け可能であってもよく、これが工具ツーリング機械(図示せず)のモータにより駆動可能であって、組立品10を回転させる。取付け構造体14は、ダイヤモンドチップ17、18及び19を有する工具シャンク11、12及び13を保持するための構造を含んでもよい。シャンク11、12及び13が、金属又は複合材料で形成されて、ダイヤモンドが、軟ろう、硬ろう、又は接着剤などの実質的に永久的な固定形体により、シャンク11、12及び13に固定可能であってもよい。或いは、シャンクが、カートリッジ(図示せず)に永久的に固定されて、これが今度は、フライホイールに取外し可能に固定されてもよい。図14は、フライカッティング工具140の斜視図であり、シャンク147がカートリッジ146に永久的に固定されており、これが今度は、フライホイール142に取外し可能に固定されている。図14については、以降で更に詳細に説明される。
【0019】
図1を再び参照して、少なくとも3つのダイヤモンド切削面が、例えばダイヤモンドチップ17、18及び19が、切削工具組立品10中で正確に位置決めされる。次に、切削工具組立品10が使用されて、微小複製工具を形成する被削材内に溝を形成し、微小複製工具内の溝の間にランド形体を形成する。更に具体的には、第一のダイヤモンドは、第一のダイヤモンドチップ17が第一の溝を微小複製工具内に作り出すように位置決めされ、及び第二のダイヤモンドは、第二のダイヤモンドチップ18が第二の溝を微小複製工具に作り出すように位置決めされる。第一と第二の溝は、微小複製工具内に整数ピッチ間隔を規定し、微小複製工具を使用して次に作り出される、光学フィルム内に形成されるピッチに対応する。第一及び第二のチップ17、18は、同程度の深さの切削する溝として示されているが、本発明は、必ずしもこの点に限定されない。例えば、本発明では、第一の深さで第一の溝を切削するチップと、第二の深さで第二の溝を切削するチップと、第一及び第二の溝切削チップの間のランド切削チップであって、ランド切削チップが第一及び第二の深さ未満の第三の深さでランド形体を形成するランド切削チップとが含まれる、工具も考えられている。
【0020】
図1において、1ピッチ間隔が、「P」と標識付けされている。しかしながら、より一般的には、「P」は、整数ピッチを指してもよい。間隔が1ピッチより大きい場合には、工具の次の切削パスは、ピッチでの形体の作成を可能にするために、切削チップを1ピッチだけ並進させてもよい。次の説明においては、簡単化のために、本発明は、溝切削ダイヤモンドチップ17と18の間にピッチ間隔という文脈で説明される。しかしながら、より一般的には、溝切削ダイヤモンドチップが、整数ピッチ間隔をあけられ、ランド切削ダイヤモンドチップ19が、整数ピッチ間隔+1/2ピッチ間隔をあけられてもよいと理解される。
【0021】
図1に示すように、第三のダイヤモンドは、第三のダイヤモンドチップ19が微小複製工具内の第一と第二の溝の間にランド形体を作り出すように、第一と第二のダイヤモンドの間に位置決めされる。この意図で、第三のダイヤモンドの切削チップは、第一及び第二のダイヤモンドの切削チップに関して1/2ピッチ間隔で位置決めされる。1/2ピッチ間隔は、図1で「1/2P」と標識付けされている。しかしながらより一般的には、再び、第三のダイヤモンドチップ19は、整数ピッチ間隔+1/2ピッチ間隔をあけられてもよい。ピッチ間隔及び1/2ピッチ間隔の表記法が、次の説明において簡単化のために使用されているが、より一般的には、溝切削チップについて整数ピッチ間隔が、及びランド切削チップについて整数ピッチ間隔+1/2ピッチ間隔が、本開示より考えられている。
【0022】
作り出されるべき微小複製工具の寸法次第で、ピッチ間隔は、約5000ミクロン未満、約1000ミクロン未満、約500ミクロン未満、約200ミクロン未満、約100ミクロン未満、約50ミクロン未満、約10ミクロン未満、約5ミクロン未満、又は約1ミクロン未満であってもよい。
【0023】
工具シャンク11、12及び13のそれぞれは、切削工具組立品10の切削チップとして使用される少なくとも1つのダイヤモンドチップを画定するが、複数チップのダイヤモンドもシャンク11、12及び13の1つ以上中で使用可能である。再び、ダイヤモンド切削チップの少なくとも2つ(例えば、チップ17及び18)が、微小複製工具内に作り出されるべき溝に対応するように正確に形成及び位置決めされ、並びにダイヤモンド切削チップの少なくとも1つ(例えば、チップ19)が、微小複製工具内の溝の間に作り出されるべきランド形体に対応するように正確に形成及び位置決めされる。溝がピッチ間隔(又は整数ピッチ間隔)で、及びランドが1/2ピッチ間隔(又は整数ピッチ間隔+1/2ピッチ間隔)で画定されてならば、いずれの数のダイヤモンドをも使用することができる。切削工具組立品10で作り出される微小複製工具が、光学フィルムの作成に使用されるとき、微小複製工具内の溝が、フィルム内のランドに対応してもよく、及び微小複製工具内のランドが、フィルム内の溝に対応してもよい。
【0024】
第三のダイヤモンドチップ19は、微小複製工具内の溝の間でランド形体を作成可能にするために、第一及び第二のダイヤモンドチップ17、18より浅い深さに切削するように位置決めされる。例えば、ダイヤモンドチップ17、18から軸線15までの距離がダイヤモンドチップ19から軸線15までの距離よりも大きくなるように、高さH1は、高さH2より高くてもよい。したがって、ダイヤモンドチップ17、18によって実施される切削が、ダイヤモンドチップ19によって実施される切削よりも深く微小複製工具に掘り下げて、ダイヤモンドチップ17、18が溝を作成し、ダイヤモンドチップ19がランド形体を作り出すようになっている。
【0025】
ランド形体は、2つの溝の間に平面的なランドを形成してもよく、又は第一及び第二のダイヤモンドチップによって作り出される溝よりも浅い深さを有するより複雑なランド形体を形成してもよい。いずれの場合でも、工具加工の方法が、特にランド形体作成について、改善可能である。図1の例では、第三のダイヤモンドチップ19によって作り出されるべき形体は、平面的なランド形体を含んでもよく、この場合、本発明は、切削工具組立品10によって作り出される微小複製工具の平面性を改善できる。特に、工具加工されたランド形体の平面性が、被削材の元の表面に一致する未加工ランド形体を有する微小複製工具と比較して改善される可能性がある。別の(例えば、図5及び6を参照して以下で示される及び説明されるような)例では、第三のダイヤモンド(又は1/2ピッチ間隔で配置された他のダイヤモンド)によって作り出されるべきランド形体は、第一及び第二のダイヤモンドによって作り出される第一及び第二の溝と比較して、浅い溝が含まれるランド形体を含んでもよい。この場合、第一と第二の溝の間のランド形体そのものが、微小複製工具により微小複製構造体内に作り出されるべき別の光学的形体を画定することができる。
【0026】
切削工具組立品10は、切削工具組立品10の単一切削パスで、複数の溝と溝間の少なくとも1つのランドとを微小複製工具上に切削するように使用されてもよい。したがって、微小複製工具の作成に関連する切削時間は、単一チップ工具を使用するのと比較して短縮可能であり、又はより複雑なパターンが、所与の時間内で形成可能である。この方法にて、微小複製構造体の最終作成に関連する生産サイクルが、短縮可能であり、及び生産プロセスが簡単化される可能性がある。ランドの上で引き続く切削パスも無しで済ませる可能性があり、これにより、そのような引き続く切削パスに関連する従来の整列問題が回避される。
【0027】
工具シャンク11、12及び14中のダイヤモンドのチップ17、18及び19は、例えば、ラッピング技法、グラインディング技法、又は集束イオンビーム加工プロセスを使用して形成することができる。様々な形状及び大きさのダイヤモンドチップも、説明されており、これらは種々の微小複製工具の作成に有用である可能性がある。集束イオンビーム加工プロセスが、特に、所望の形状のダイヤモンドチップを極度の正確さで完成させるために使用されてもよい。
【0028】
切削工具組立品の種々の工具シャンクは、顕微鏡による位置決め技法を使用して取付け構造体中に取付け可能である。その技法は、例えば、位置決め制御が付いた工具ツーリング用顕微鏡の使用を伴ってもよい。顕微鏡は、工具シャンクを取付け構造体中で適切に位置決め可能とするために、ダイヤモンドチップの相互に対する位置を確認及び測定するように使用可能である。ダイヤモンドチップの位置決めを定量化するために、例えば、デジタル読取り、アナログ読取り、グラフィックディスプレイなどの形体の、位置決めフィードバックを設けることができる。フィードバックの使用により、種々の工具シャンクを取付け構造体中で正確に位置決めすることができる。工具シャンクは、一旦位置決めされると、いずれかの好適な固定形体によって、取付け構造体中に固定可能である。この方法にて、工具シャンクは、第一のダイヤモンドチップの切削位置が第二のダイヤモンドチップの切削位置から1ピッチであり、及び第三のダイヤモンドチップの切削位置が第一及び第二の切削チップに対して1/2ピッチ間隔に位置決めされるように、取付け構造体中に位置決めできる。
【0029】
複数の工具シャンクを取付け構造体中で正確に位置決めするための顕微鏡及び位置決めフィードバックの使用により、微小複製工具の有効な工具ツーリングのために必要とされる許容誤差で、ダイヤモンドチップを相互に対して確実に配置することができる。特に、10ミクロン未満の、より好ましくは1ミクロン未満の許容誤差内の場所への位置決めが、達成可能である。更に、相互に対して0.5ミクロンのオーダーの許容誤差内の場所へのダイヤモンドチップの位置決めが、本明細書で説明されるような工具ツーリング用顕微鏡を使用して達成可能である。そのような正確な配置は、微小複製された光学フィルム、微小複製された機械的ファスナ、微小複製された研磨フィルム、微小複製された接着フィルムなどの広範囲の微小複製された構造物を作り出すために使用可能な、微小複製工具を有効に作り出すために望ましい。
【0030】
ダイヤモンドを工具シャンク11、12及び13中に固定し、これにより、ダイヤモンドチップ17、18及び19を画定するために、硬ろう、軟ろう、エポキシのような接着剤などの、実質的に永久的な固定形体を使用することができる。ダイヤモンドチップ17、18及び19を有する工具シャンク11、12及び13は、次に、1つ以上のボルト、クランプ、又は止めねじ(図示せず)などの一時的な固定形体により、取付け構造体14中に取付け可能である。或いは、硬ろう、軟ろう、エポキシのような接着剤、又は他のより永久的な固定形体が、工具シャンク11、12及び13を取付け構造体14中に固定するために使用されてもよい。いずれの場合でも、位置決め制御付き工具ツーリング用顕微鏡と位置決めフィードバックとを使用すると、工具シャンク11、12及び13は、ダイヤモンドチップ17、18及び19が微小複製工具を有効に作成するのに必要とされる精度で相互に対して位置決めされるように、取付け構造体14中で確実に位置決め可能である。取付け構造体14は、切削工具組立品10がダイヤモンド工具ツーリング機械に挿入可能となる形状を有してもよい。
【0031】
図2は、スクライブ(scribe)切削、プランジ切削、又はねじ切削用に構成された、複数個ダイヤモンド切削工具組立品20の概念的な平面図である。図2から理解できるように、本発明による切削工具組立品は、フライカッティング用に設計されるか、又は他のタイプの切削用に設計されるかによって決まる、異なる構成をとってもよい。フライカッティングでない他の例には、スクライブ(scribe)切削、プランジ切削、又はねじ切削が挙げられる。プランジ切削においては、切削工具組立品20が、他の場所に移動して様々な溝又は他の形体を切削する前に、規定された場所において時間間隔にわたって、動いている被削材に押し込まれる。ねじ切削は、プランジ切削に類似している。しかしながらねじ切削においては、切削工具組立品20が、より長い時間にわたって、動いている被削材の中へ変位され、長いねじ溝を切削する。スクライブ(scribe)切削又は罫線引きは、ねじ切削に類似しているが、スクライブ(scribe)切削においては、切削工具組立品20が、非常にゆっくり被削材を通り変位される。
【0032】
図1の組立品10と同様に、図2の切削工具組立品20には、取付け構造体24中に固定された複数の工具シャンク21、22及び23が含まれる。ダイヤモンドを工具シャンク21、22及び23中に固定し、これにより、ダイヤモンドチップ27、28及び29を画定するために、硬ろう、軟ろう、エポキシのような接着剤などの、実質的に永久的な固定形体を使用することができる。ダイヤモンドチップ27、28及び29を有する工具シャンク21、22及び23は、次に、1つ以上のボルト、クランプ、又は止めねじなどの一時的な固定形体により、取付け構造体24中に取付け可能である。或いは、硬ろう、軟ろう、エポキシのような接着剤、又は他のより永久的な固定形体が使用されて、工具シャンク21、22及び23を取付け構造体24中に固定してもよい。
【0033】
位置決めフィードバック付き工具ツーリング用顕微鏡の使用により、微小複製工具の有効な工具ツーリングのために必要とされる精度で、工具シャンク21、22及び23のダイヤモンドチップ27、28及び29が、取付け構造体24中で確実に位置決め可能である。取付け構造体24は、プランジ切削、ねじ切削、スクライブ(scribe)切削又は罫線引き用に構成されたダイヤモンド工具ツーリング機械に、切削工具組立品20が挿入可能となる形状を有してもよい。
【0034】
図1と同様に、図2の切削工具組立品20は、1ピッチ(P)離れた間隔の2つのダイヤモンドチップ27及び28が含まれ、被削材内に溝を形成する。第三のダイヤモンドチップ29は、チップ27及び28に対して1/2ピッチ(1/2P)の間隔にあり、被削材内にランド形体を画定する。再び、ピッチ間隔及び1/2ピッチ間隔の表記法は、本明細書で説明される実施形態における簡単化のために使用されている。より一般的には、溝切削チップの整数ピッチ間隔とランド切削チップの整数ピッチ間隔+1/2ピッチ間隔とが、本開示より考えられている。チップの間隔が1ピッチより大きい(すなわち、1より大きい整数ピッチ間隔の)場合には、工具の次の切削パスが、所望のピッチで溝を作り出す。次に続く説明において、ダイヤモンドチップのピッチ間隔へのあらゆる参照は、そのようなチップの整数ピッチ間隔をも考えており、及びダイヤモンドチップの1/2ピッチ間隔へのあらゆる参照は、整数ピッチ間隔+1/2ピッチ間隔を考えている。
【0035】
図3は、フライカッティング用に構成された複数個ダイヤモンド切削工具組立品30の別の実施形態の概念的平面図である。この例では、より多くの工具シャンク及びより多くのダイヤモンドチップが使用されている。実際、いかなる数の工具シャンク及びダイヤモンドチップも使用可能である。図3の切削工具組立品30では、溝形体作成用のダイヤモンドチップ32A、32B、32C及び32D(集合的にダイヤモンドチップ32)を画定する四つの工具シャンク31A、31B、31C及び31D(集合的にシャンク31)が使用されている。ダイヤモンドチップ32は、相互から1ピッチ(P)離れた間隔にある。更に、チップ32は、高さH1に位置決めされて、微小複製工具中の溝深さを画定している。
【0036】
切削工具組立品30には又、ランド形体作成用のダイヤモンドチップ34A、34B、34C及び34D(集合的にダイヤモンドチップ34)を画定する四つの追加工具シャンク33A、33B、33C及び33D(集合的にシャンク33)が含まれる。ダイヤモンドチップ34も、相互から1ピッチ(P)離れた間隔にあるが、溝の作成に使用されるチップ32に対して1/2ピッチの間隔である。チップ34は、チップ32の高さH1より低い、高さH2に位置決めされている。この方法にて、ランド形体の平面性が、微小複製された構造体を作成するために使用される微小複製工具の加工において改善可能である。
【0037】
図4は、スクライブ(scribe)切削、プランジ切削、又はねじ切削用に構成された、別の実施形態の複数個ダイヤモンド切削工具組立品40の概念的な平面図である。図4では、図3の例と同様に、幾つかの工具シャンク及び幾つかのダイヤモンドチップが使用されている。再び、いかなる数の工具シャンク及びダイヤモンドチップも使用可能である。図4の切削工具組立品40では、溝形体作成用のダイヤモンドチップ42A、42B、42C及び42D(集合的にダイヤモンドチップ42)を画定する四つの工具シャンク41A、41B、41C及び41D(集合的にシャンク41)が使用されている。ダイヤモンドチップ42は、相互から1ピッチ(P)離れた間隔にある。更に、チップ42は、微小複製工具中の溝深さを画定する高さに位置決めされている。
【0038】
切削工具組立品40には又、シャンク41の間に配置された、4つの追加工具シャンク43A、43B、43C及び43D(集合的にシャンク43)が含まれる。工具シャンク43は、ランド形体作成用のダイヤモンドチップ44A、44B、44C及び44D(集合的にダイヤモンドチップ44)を画定する。ダイヤモンドチップ44も、相互から1ピッチ(P)離れた間隔にあるが、溝を作り出すことに使用されるチップ42に対して1/2ピッチの間隔である。チップ44は、チップ42の高さよりも低い高さに位置決めされている。この方法にて、ランド形体の平面性が、微小複製された構造体を作り出すために使用される微小複製工具の加工において改善可能である。
【0039】
図5は、フライカッティング用に構成された、別の実施形態の複数個ダイヤモンド切削工具組立品50の概念的な平面図である。図5の切削工具組立品50には、溝形体作成用のダイヤモンドチップ54A、54B、54C及び54D(集合的にダイヤモンドチップ54)を画定する四つの工具シャンク53A、53B、53C及び53D(集合的にシャンク53)が使用されている。ダイヤモンドチップ54は、相互から1ピッチ(P)離れた間隔にある。更に、チップ54は、高さH1に位置決めされて、微小複製工具中の溝深さを画定する。
【0040】
切削工具組立品50には又、ランド形体作成用のダイヤモンドチップ52A、52B、52C及び52D(集合的にダイヤモンドチップ52)を画定する四つの追加工具シャンク51A、51B、51C及び51D(集合的にシャンク51)が含まれる。ダイヤモンドチップ52も、相互から1ピッチ(P)離れた間隔にあるが、溝の作成に使用されるチップ54に対して1/2ピッチの間隔である。チップ52は、チップ54の高さH1より低い、高さH2に位置決めされている。この方法にて、ランド形体の平面性が、微小複製された構造体を作り出すために使用される微小複製工具の加工において改善可能である。その上、図3の切削工具組立品30とは対照的に、ランド形体作成に使用されるダイヤモンドチップ52には、ランド形体内に微小溝サブ形体を画定するサブチップが含まれる。この方法にて、より複雑なランド形体が作成可能、例えばより複雑な光学フィルムが作成可能となる。
【0041】
図6は、スクライブ(scribe)切削、プランジ切削、又はねじ切削用に構成された、別の実施形態の複数個ダイヤモンド切削工具組立品60の概念的な平面図である。図6では、図4の例と同様に、幾つかの工具シャンク及び幾つかのダイヤモンドチップが使用されている。再び、いかなる数の工具シャンク及びダイヤモンドチップも使用可能である。図6の切削工具組立品60では、溝形体作成用のダイヤモンドチップ62A、62B、62C及び62D(集合的にダイヤモンドチップ62)を画定する四つの工具シャンク61A、61B、61C及び61D(集合的にシャンク61)が使用されている。ダイヤモンドチップ62は、相互から1ピッチ(P)離れた間隔にある。更に、チップ62は、微小複製工具中の溝深さを画定する高さに位置決めされている。
【0042】
切削工具組立品60には又、シャンク61の間に配置された、4つの追加工具シャンク63A、63B、63C及び63D(集合的にシャンク63)が含まれる。工具シャンク63は、ランド形体作成用のダイヤモンドチップ64A、64B、64C及び64D(集合的にダイヤモンドチップ64)を画定する。ダイヤモンドチップ64も、相互から1ピッチ(P)離れた間隔にあるが、溝の作成に使用されるチップ62に対して1/2ピッチの間隔である。チップ64は、チップ62の高さよりも低い高さに位置決めされている。この方法にて、ランド形体の平面性が、微小複製された構造体を作り出すために使用される微小複製工具の加工において改善可能である。図5の切削工具組立品50と同様に、図6の切削工具組立品60は、ランド形体内に微小溝サブ形体を画定するサブチップが含まれる、ランド切削ダイヤモンドチップ64を使用している。この方法にて、より複雑なランド形体が作成可能、例えばより複雑な光学フィルムが作成可能となる。
【0043】
図7及び8は、複数個ダイヤモンド切削工具組立品10及び20を使用して、微小複製工具72(図7)又は82(図8)の作成中に2つの溝を同時に切削するシステム70及び80の概念的な斜視図である。図7及び8の例では、それぞれの微小複製工具72又は82が、キャスティングロールを含んでいるが、キャスティングベルト、射出金型、押出し若しくは型押し工具、又は他の被削材などの他の微小複製工具も、切削工具組立品10又は切削工具組立品20を使用して作成可能である。幾つかの例では、被削材は、図7及び8に示されるようなロールよりもむしろ平面的であってもよい。図7では、切削工具組立品10が、軸線周りで回されてもよい。切削工具組立品10は又、微小複製工具72に対して横方向に(矢印により示されるように)移動されてもよい。同時に、微小複製工具72が、軸線周りで回転されてもよい。切削工具組立品10が回されるとき、2つのダイヤモンドチップが、微小複製工具72中に溝を切削し、一方、第三のダイヤモンドチップが、溝の間にランドを切削する。この方法にて、2つの溝が、切削工具組立品10の単一切削パスで形成され、及び高品質のランドが、溝の間に形成される。より複雑なランド形体も、例えば、ランド形体を作り出すチップ用により複雑なダイヤモンドチップ形状を用いることによって、画定されてもよい。
【0044】
図8に示されるように、切削工具組立品20が、ダイヤモンド工具ツーリング機械84中に固定されてもよく、これが切削工具組立品20を微小複製工具82に対して位置決めして、切削工具組立品20を微小複製工具82に対して例えば横方向に(矢印に示されるように)移動させてもよい。同時に、微小複製工具82が、軸線周りで回転されてもよい。ダイヤモンド工具ツーリング機械84は、微小複製工具82中に溝を切削するために、切削工具組立品20をプランジ又はねじ切削技法により回転している微小複製工具82に通すように構成されていてもよい。或いは、ダイヤモンド工具ツーリング機械84は、スクライブ(scribe)又は罫線引き用に構成されていて、切削工具組立品20が、非常にゆっくり微小複製工具82を通り変位されてもよい。いずれの場合でも、溝及び高品質のランドが、微小複製工具82上に形成可能である。形成される溝及びランドは、例えば押出成形プロセス中に微小複製工具72(図7)又は82(図8)を使用して作り出される、微小複製された構造体の最終形体を画定してもよい。
【0045】
所望の場合、システム70及び80は、高速工具サーボ(図示せず)を使用してもよい。例えば、図8を参照して、高速工具サーボは、切削工具組立品20と切削工具組立品20を受け入れる工具ツーリング機械84との間で使用可能である。この場合、高速工具サーボは、特定の微小構造を微小複製工具82中に作り出すために、切削工具組立品20を振動させてもよい。
【0046】
切削工具組立品10、20が、複数の工具シャンクを、したがって複数のダイヤモンド切削チップを提供するので、微小複製工具上に溝を切削するのに、切削工具組立品のより少ないパスしか必要とされない。これにより、生産コストが低減できると共に、微小複製工具の作成に関連する生産サイクルを高速化することができる。更に、システム70及び80は、ランド形体を工具加工されないまま残して微小複製工具72又は82の元の未加工表面で画定するよりもむしろ、第三のダイヤモンドチップの使用によってランド形体の作成を改善してもよい。図7及び8に示される例では、第三のダイヤモンドチップにより作り出される形体は、平面的なランド形体を含む。この場合、本発明は、ダイヤモンド切削工具10、20により作り出される微小複製工具72、82の平面性を改善することができる。しかしながら、他の例では、第三のダイヤモンドチップにより作り出される形体は、小さい及び浅い溝(又は他のサブ形体)が含まれるランド形体を含む。この場合、第一と第二の溝の間のランド形体そのものが、微小複製構造体中に作り出されるべき光学形体を画定することができる。ランド形体内に形成されるサブ形体の幅は、ランド形体の幅未満であってもよい。
【0047】
微小複製工具72及び82、又は本明細書で説明される技法を用いて作り出されるいずれかの被削材は、銅、ニッケル、アルミニウム、アクリルのようなプラスチック、又は機械加工が可能ないずれかの材料で形成されもよい。一般に、本明細書で説明される機械加工技法は、ダイヤモンド切削チップだけを移動させることによって、被削材だけをダイヤモンド切削チップに対して移動させることによって、又は被削材とダイヤモンド切削チップの両方を移動させることによって、実施されてもよい。
【0048】
本明細書で説明されるダイヤモンドチップの寸法は、切削高さ(H切削)、切削幅(W切削)、並びに上で定義されたピッチ変数(P)及び(1/2P)により規定されてもよい。切削高さ(H切削)は、ダイヤモンドが被削材中に切削可能な最大深さを規定するものであって、切削深さとも呼ばれてもよい。切削幅(W切削)は、チップの平均切削幅又は最大切削幅として定義されてもよい。切削チップの寸法を規定するのに使用可能な他の量は、アスペクト比と呼ばれる。アスペクト比とは、高さ(H切削)対幅(W切削)の比である。集束イオンビーム加工プロセスにより作り出されるダイヤモンドチップは、様々な高さ、幅、ピッチ、及びアスペクト比を達成することができる。
【0049】
例えば、高さ(H切削)及び/又は幅(W切削)は、約500ミクロン未満、約200ミクロン未満、約100ミクロン未満、約50ミクロン未満、約10ミクロン未満、約1.0ミクロン未満、又は約0.1ミクロン未満であるように形成することができる。加えて、ピッチ変数(P)は、約5000ミクロン未満、約1000ミクロン未満、約500ミクロン未満、約200ミクロン未満、約100ミクロン未満、約50ミクロン未満、約10ミクロン未満、約5ミクロン未満、約1.0ミクロン未満であるように規定されてもよく、及び0.5ミクロン近くとなってもよい。ある場合には、工具シャンクのオフセット配置を用いることによって、ピッチ(P)が、工具シャンクの幅未満であってもよい。
【0050】
アスペクト比(H切削:W切削)は、約1:5を超える、約1:2を超える、約1:1を超える、約2:1を超える、又は約5:1を超えるように規定されてもよい。より大きい又はより小さいアスペクト比も、集束イオンビーム加工を用いて達成されてもよい。これらの種々の形状および大きさは、様々な用途に対して有利なことがある。
【0051】
集束イオンビーム加工とは、ガリウムイオンなどのイオンをダイヤモンドに向けて加速して、ダイヤモンドの原子を除去するためのプロセスを示している(アブレーションと呼ばれることもある)。ガリウムイオンを加速すると、ダイヤモンドから原子を原子ごとに除去する可能性がある。水蒸気を使用する蒸気強化技法をも用いて、集束イオンビーム加工プロセスを改善してもよい。1つの好適な集束イオンビーム加工機には、オレゴン州ポートランド(Portland Oregon)のFEI社(FEI Inc.)から購入可能なミクリオン(Micrion)モデル9500がある。一般に、集束イオンビーム加工を実施して、作り出されるべき形体に相当する精密なチップが付いたダイヤモンドを作り出すことができる。イオンビーム加工された1個以上のダイヤモンドを作り出すのに使用されてもよい集束イオンビーム加工業務の1つの代表的な提供者に、ノースカロライナ州ラレイ(Raleigh, North Carolina)のマテリアルスアナリティカルサービス(Materials Analytical Services)がある。
【0052】
集束イオンビーム加工は、一般に、非常に高価である。したがって、複数チップが付いたダイヤモンドの作成に関連するコストの低減のために、ダイヤモンドチップを集束イオンビーム加工プロセスにかける前に、イオンビーム加工されることになっているダイヤモンドチップを初期加工することが望ましい。例えば、ラッピング又はグラインディングなどのより安価な技法を使用して、ダイヤモンドチップのかなりの部分を除去してもよい。集束イオンビーム加工プロセスは、上で列挙した寸法又は形体の1つ以上を確実に達成可能にするものであってもよい。それでも、ダイヤモンドチップを集束イオンビーム加工の前に初期加工することによって、最終イオンビーム加工されたダイヤモンドチップを作り出すのに必要とされる集束イオンビーム加工時間が、短縮可能である。ラッピングは、遊離砥粒を用いてダイヤモンドから材料を除去するプロセスを指し、一方、グラインディングは、媒体または基体に固定された研磨材を用いてダイヤモンドから材料を除去するプロセスを示している。
【0053】
図9A〜9Dは、溝を被削材92中に切削している切削工具組立品90を示す上断面図である。特に、図9Aは、第一組の溝及びランドを被削材92中に切削している複数個ダイヤモンド切削工具組立品90を示す上断面図である。図9Bは、第二組の溝及びランドを被削材92中に切削している切削工具組立品90を示す上断面図であり、図9Cは、第三組の溝及びランドを被削材92中に切削している切削工具組立品90を示す上断面図である。図9Dは、切削工具組立品90の4パス後の、作り出された被削材92を示す平面図である。被削材92は、上で概略的に説明されたような微小複製工具に相当してもよいが、本発明は、必ずしもこの点に限定されない。図示されるように、ランド形体は、溝切削ダイヤモンドチップに対して1/2ピッチ間隔をあけられたランド切削ダイヤモンドチップにより画定されるように、平らであり同一平面上にある。
【0054】
図10A〜10Dは、溝を被削材102中に切削している切削工具組立品100を示す上断面図である。特に、図10Aは、第一組の溝及びランドを被削材102中に切削している複数個ダイヤモンド切削工具組立品100を示す上断面図である。図10Bは、第二組の溝及びランドを被削材102中に切削している切削工具組立品100を示す上断面図であり、図10Cは、第三組の溝及びランドを被削材102中に切削している切削工具組立品100を示す上断面図である。図10Dは、切削工具組立品100の4パス後の、作り出された被削材102を示す平面図である。図9Dにおけるように、図10Dの作り出された被削材102は、上で概略的に説明されたような微小複製工具に相当してもよいが、本発明は、必ずしもこの点に限定されない。図示されるように、ランド形体106は、平らであり同一平面上にあるが、サブ形体107が含まれており、これはこの例では、溝形体105より浅い微小溝の形体をとる。
【0055】
図11は、工具シャンク中に固定可能であり、次に切削工具組立品中で使用可能な、ダイヤモンド110の斜視図である。ダイヤモンド110は、上で説明されたダイヤモンドチップ17、18、27又は28のいずれに相当してもよい。ダイヤモンド110は、図11に示されるように、少なくとも3面(S1〜S3)により画定される、切削チップ112を画定してもよい。面S1、S2及びS3は、グラインディング又はラッピング技法により作り出されてもよく、及び集束イオンビーム加工技法により完成されてもよい。
【0056】
図12は、工具シャンク中に固定可能であり、次に切削工具組立品中で使用可能な、ダイヤモンド120の斜視図である。ダイヤモンド120は、上で説明されたダイヤモンドチップ19又は29のいずれに相当してもよい。ダイヤモンド120は、図12に示されるように、平らなランド形体を作成可能な、平らな切削チップ122を画定してもよい。
【0057】
図13は、工具シャンク中に固定可能であり、次に切削工具組立品中で使用可能な、ダイヤモンド130の斜視図である。ダイヤモンド130は、図13に示されるように、微小溝サブ形体をランド形体中に画定する小さなサブチップ134が含まれる、平らな切削チップ132を画定してもよい。サブチップ134は、図11のダイヤモンド110のような形状を有してもよいが、より大きなダイヤモンド130より小さい突出形体である。平らな切削チップ132及びサブチップ134を有するダイヤモンド130を使用して、微小溝が含まれるランド形体を画定してもよい。再び、集束イオンビーム加工技法を使用して、本明細書で説明されるダイヤモンド形状を画定してもよい。
【0058】
図14は、本発明の実施形態によるフライカッティング工具の別の斜視図である。図14の工具140では、フライホイール142が、フライカッティング機械144の駆動軸上で回転する。カートリッジ146A〜146G(集合的にカートリッジ146)が、取外し可能にフライホイール142中に固定されている。フライホイール142は、例えば取外し可能なカートリッジ146中に固定された、工具シャンク147A〜147Gを受入れ可能な取付け構造体の一例である。カートリッジ146のそれぞれには、形体を被削材中に切削するための少なくとも1つのダイヤモンドチップが含まれる、工具シャンク147の少なくとも1つが含まれる。この例では、カートリッジ146A、146C及び146Eは、フライホイールの回転軸に関して横方向に離れた間隔の溝切削チップを画定する。同様に、カートリッジ146B、146D及び146Fは、フライホイールの回転軸に関して横方向に離れた間隔のランド切削チップを画定する。
【0059】
カートリッジ146A、146C及び146E中の溝切削チップは、漸増的間隔であって、3つのピッチ間隔の溝を被削材内に画定してもよく、一方、カートリッジ146B、146D及び146F中のランド切削チップは、1/2ピッチの間隔にあって、3つのランド間隔の溝を被削材内に画定する。溝切削チップ及びランド切削チップは、交互する配置にあるとして示されているが、フライホイールの別のカートリッジ内に置かれてもよい。また、カートリッジ146B、146D及び146F中のランド切削チップは、平らなチップであるとして示されているが、これらの平らなチップには、例えば図13のダイヤモンド130に示されるような、微小溝サブ形体をランド形体内に画定する小さなサブチップも含まれてもよい。
【0060】
図15は、顕微鏡的に整列されているフライカッティング工具の斜視図である。特に、本明細書で説明された許容誤差内のダイヤモンドチップの整列を得るために、顕微鏡152が使用されてもよい。顕微鏡152下にある間に、工具150のダイヤモンドチップの位置は、様々な切削チップの正確なピッチ及び1/2ピッチの間隔を画定するように調節可能である。ゴニオメーター調節を実施して、フライホイール156の適切な角度位置決めを確実にすることができる。加えて、X−Yたわみ装置(X-Y flexure device)158を使用して、フライホイール156中に固定された様々なカートリッジ中の切削チップの適切な空間位置決めを確実にしてもよい。顕微鏡152は、切削チップの角度及び平面の両方の位置決めを確実に本明細書で説明された許容誤差内にするために使用される。
【0061】
フライカッティング工具の回転中心は、フライカッティング工具に取り付けられた位置決め球(locating sphere)とフライカッティング工具のスピンドルに取り付けられたレシーバボア(receiver bore)とにより維持することができる。レシーバボア(receiver bore)は、スピンドルの回転軸に整列することができる。フライカッティング工具のパイロットボールも、フライカッティング工具の回転中心を規定して、フライカッティング工具の噛み合い面に沿って配置してもよい。微動回転調節を用いて、顕微鏡ステージの焦点調節を動かさずに、フライカッティング工具を焦点に持ってくることができる。これにより、その自由度を固定できるので、顕微鏡の焦点ステージからのいかなる精密整列及び移動要求も無くなる。ゴニオメーター調節を実施して、フライホイール156の適切な角度位置決めを確実にすることができる。フライカッティング工具のチップを回転中心に置くと、そうでなければ存在することがある並進を排除することができる。精密なX−Yたわみ装置(X-Y flexure device)158を使用して、バックラッシュ無しにロータ本体に対して切削工具を2自由度で並進させてもよい。
【0062】
幾つかの切削工具について、顕微鏡ステージを動かすこと無く、調節の全プロセスを達成することができる。全ての工具シャンクが適所に取り付けられているとき、顕微鏡ステージは、顕微鏡対象物が邪魔にならないように移動させる及び適所に戻すように使用可能であり、その結果、該切り刃を完全に検査することができる。切削チップが所望の位置及び回転に調節された時、その位置が接着剤によって適所に固定される。接着剤が次の切削作業中に破断する場合、安全ピンが供給されてもよい。次の検査において1つ以上のチップが適切に配置されていないことが見出された場合、仕様外れのカートリッジ及び工具を取り外して、他の工具の邪魔をすることなく空カートリッジに置き換えることができる。
【0063】
バランスウエイトを取り付けるために、ねじ孔が設けられていてもよい。加えて、放射状のねじ孔を用いて、バランスの微調節用の止めねじが配設されてもよい。6つの定数に満たない工具が負荷される場合、ダミーカートリッジをカウンタウエイトとして使用することができる。ダミーカートリッジには、バランスの粗調節用のねじが含まれてもよい。円盤状の設計であるので、ダイナミックバランスは必要とされないことがある。ストレートエッジ間の簡単なスタティックバランスにより、優れたバランス結果が提供される。バランス用シャフトとして、貫通孔を使用することができる。
【0064】
図16は、本発明による代替実施形態のフライカッティング工具160のチップ図である。図16の切削工具組立品160には、図1の切削工具組立品10と同様に、少なくとも3つのダイヤモンド切削面、例えばダイヤモンドチップ167、168及び169が含まれる。更に、ダイヤモンドチップ167及び168は、1ピッチを画定する間隔にされ、一方、ダイヤモンドチップ169は、ダイヤモンドチップ167及び168に関して1/2ピッチ間隔に位置決めされてもよい。
【0065】
しかしながら、図1の工具10と異なり、フライカッティング工具160は、ダイヤモンドチップ167、168及び169の切削位置がフライカッティング工具160の回転軸165に平行であるように構成されている。この場合、ダイヤモンドチップ167、168及び169は、円形の溝及びランド形体を被削材中に形成してもよい。
【0066】
多数の実施形態が説明された。特に、微小複製工具内に作り出されるべき溝に対応する少なくとも2つのダイヤモンド切削チップと微小複製工具内の溝の間に作り出されるべきランド形体に対応する少なくとも1つのダイヤモンド切削チップとを画定する切削工具組立品が説明された。本発明は、ランド形体を工具加工されないまま残して微小複製工具の元の未加工表面で画定するよりもむしろ、第三のダイヤモンドチップの使用によってランド形体の作成を改善することにおいて、特に有用である。
【0067】
それでも、本明細書で説明された構造及び技法に対して、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な修正がなされてもよい。例えば、切削工具組立品は、溝及びランドを他のタイプの被削材に切削するのに、例えば微小複製工具以外の被削材に切削するのに使用されてもよい。また、他の用途では、2つ以上の溝切削ダイヤモンドが、本明細書で説明されたような工具シャンク中に固定されてもよいが、切削チップを異なる深さに固定されてもよい。その場合、溝切削ダイヤモンドは、整数ピッチ間隔をあけられて、同一溝を切削するように使用することができ、例えば、工具の引き続くパス中に、異なるダイヤモンドが、ますます深く切削してもよい。この場合、ランド切削ダイヤモンドがやはり使用されて、平らな同一平面上のランド又は本明細書で説明されたようなサブ形体付きランドを作り出してもよい。
【0068】
更に別の場合、2個のランド切削ダイヤモンドが、1個の溝切削ダイヤモンドと共に切削工具中で使用されてもよい。また、更により複雑な形体を形成するために、ランド切削ダイヤモンドが非平面状であって、工具の単一切削パスにより異なる深さのランドを作り出すようになっていてもよい。それ故に、他の実施および実施形態も、続く特許請求の範囲内にある。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】フライカッティング用に構成された、複数個ダイヤモンド切削工具組立品の概念的な平面図。
【図2】プランジ切削、ねじ切削、又はスクライブ(scribe)切削用に構成された、複数個ダイヤモンド切削工具組立品の概念的な平面図。
【図3】フライカッティング用に構成された、複数個ダイヤモンド切削工具組立品の別の実施形態の概念的な平面図。
【図4】プランジ切削、ねじ切削、又はスクライブ(scribe)切削用に構成された、複数個ダイヤモンド切削工具組立品の別の実施形態の概念的な平面図。
【図5】フライカッティング用に構成された、複数個ダイヤモンド切削工具組立品の別の実施形態の概念的な平面図である。
【図6】プランジ切削、ねじ切削、又はスクライブ(scribe)切削用に構成された、複数個ダイヤモンド切削工具組立品の別の実施形態の概念的な平面図。
【図7】微小複製工具の作成中に2つの溝と1つのランドとを同時に切削している、複数個ダイヤモンドフライカッティング工具組立品の概念的な斜視図。
【図8】微小複製工具の作成中に2つの溝と1つのランドとを同時に切削している、複数個ダイヤモンド切削工具組立品の概念的な斜視図。
【図9A】溝及び平らなランド形体を被削材中に切削している、複数個ダイヤモンド切削工具組立品を示す上断面図。
【図9B】溝及び平らなランド形体を被削材中に切削している、複数個ダイヤモンド切削工具組立品を示す上断面図。
【図9C】溝及び平らなランド形体を被削材中に切削している、複数個ダイヤモンド切削工具組立品を示す上断面図。
【図9D】溝及び平らなランド形体を被削材中に切削している、複数個ダイヤモンド切削工具組立品を示す上断面図。
【図10A】溝及びサブ形体付きランドを被削材中に切削している、複数個ダイヤモンド切削工具組立品を示す上断面図。
【図10B】溝及びサブ形体付きランドを被削材中に切削している、複数個ダイヤモンド切削工具組立品を示す上断面図。
【図10C】溝及びサブ形体付きランドを被削材中に切削している、複数個ダイヤモンド切削工具組立品を示す上断面図。
【図10D】溝及びサブ形体付きランドを被削材中に切削している、複数個ダイヤモンド切削工具組立品を示す上断面図。
【図11】複数個ダイヤモンド切削工具組立品中でピッチ間隔にある溝切削ダイヤモンドの1個として使用可能な、代表的なダイヤモンドの斜視図。
【図12】複数個ダイヤモンド切削工具組立品中で半ピッチ間隔にあるランド切削ダイヤモンドとして使用可能な、代表的なダイヤモンドの斜視図。
【図13】複数個ダイヤモンド切削工具組立品中で半ピッチ間隔にあるランド切削ダイヤモンドとして使用されて、微小溝付きランド形体を切削可能な、代表的なダイヤモンドの斜視図。
【図14】本発明の実施形態によるフライカッティング工具の別の斜視図。
【図15】顕微鏡的に整列されているフライカッティング工具の斜視図。
【図16】本発明によるフライカッティング工具の代替実施形態のチップ図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切削工具組立品において、
取付け構造体と、
前記取付け構造体中に取り付けられた第一の工具シャンクであって、前記第一の工具シャンクが、被削材内に作り出されるべき第一の溝に対応する第一のダイヤモンドチップを画定する第一の工具シャンクと、
前記取付け構造体中に取り付けられた第二の工具シャンクであって、前記第二の工具シャンクが、前記被削材内に作り出されるべき第二の溝に対応する第二のダイヤモンドチップを画定し、前記第一及び第二のダイヤモンドチップの位置が、前記被削材内に作り出されるべき溝の間で整数ピッチを規定する第二の工具シャンクと、
前記取付け構造体中の前記第一と第二の工具シャンクの間に取り付けられた第三の工具シャンクであって、前記第三の工具シャンクが、前記被削材内の前記第一と第二の溝の間にランド形体を作り出す第三のダイヤモンドチップを画定する第三の工具シャンクと、
を含む切削工具組立品。
【請求項2】
前記第三のダイヤモンドチップの切削位置が、前記第一及び第二のダイヤモンドチップの切削位置に対して整数ピッチ+1/2ピッチの間隔に位置決めされている、請求項1の切削工具組立品。
【請求項3】
前記第一と第二のチップの間の間隔が、約100ミクロン未満であり、及び前記第三のダイヤモンドチップの前記切削位置が、前記第一及び第二のダイヤモンドチップの前記切削位置から50ミクロン未満に位置決めされている、請求項2の切削工具組立品。
【請求項4】
前記第三のダイヤモンドチップが、実質的に平らな切削面を画定して、平らなランド形体を前記被削材内に形成する、請求項1の切削工具組立品。
【請求項5】
実質的に平らな切削面を画定する第四のダイヤモンドチップを更に含み、前記第三及び第四のダイヤモンドチップが、同一平面上のランドを前記被削材内に形成する、請求項4の切削工具組立品。
【請求項6】
前記第三のダイヤモンドチップが、非平面の切削面を画定して、非平面のランド形体を前記被削材内に形成する、請求項1の切削工具組立品。
【請求項7】
前記第三のダイヤモンドチップに、平らな部分及びサブチップが含まれて、前記ランド形体内に微小溝サブ形体が含まれるランド形体を前記被削材内に形成する、請求項1の切削工具組立品。
【請求項8】
前記切削工具組立品が、前記ダイヤモンドチップの切削方向に垂直な軸線周りで回転するように構成されたフライカッティング組立品である、請求項1の切削工具組立品。
【請求項9】
前記被削材が、光学フィルムを作り出す際に使用される微小複製工具であり、前記第一及び第二のダイヤモンドチップが、前記光学フィルム内に作り出されるべき形体に対応する溝を前記微小複製工具内に作り出すように形作られており、前記第三のダイヤモンドチップが、平らなランド形体を前記微小複製工具内に作り出すように形作られている、請求項1の切削工具組立品。
【請求項10】
前記被削材が、光学フィルムを作り出す際に使用される微小複製工具であり、前記第一及び第二のダイヤモンドチップが、前記光学フィルム内に作り出されるべき形体に対応する溝を前記微小複製工具内に作り出すように形作られており、及び前記第三のダイヤモンドチップが、前記光学フィルム内に作り出されるべき異なる形体に対応する非平面のランド形体を前記微小複製工具内に作り出すように形作られている、請求項1の切削工具組立品。
【請求項11】
前記第一と第二のダイヤモンドチップの形状が実質的に同様であり、前記第三のダイヤモンドチップの形状が前記第一及び第二のダイヤモンドチップの前記形状と実質的に異なる、請求項1の切削工具組立品。
【請求項12】
前記第一及び第二の工具シャンクが、約10ミクロン未満の許容誤差内の整数ピッチを規定するように取り付けられている、請求項1の切削工具組立品。
【請求項13】
微小複製工具内に溝を作り出すために使用されるダイヤモンド工具ツーリング機械において、
切削工具組立品であって、
取付け構造体と、
該取付け構造体中に取り付けられた第一の工具シャンクであって、前記第一の工具シャンクが、前記微小複製工具内に作り出されるべき第一の溝に対応する第一のダイヤモンドチップを画定する第一の工具シャンクと、
前記取付け構造体中に取り付けられた第二の工具シャンクであって、前記第二の工具シャンクが、前記微小複製工具内に作り出されるべき第二の溝に対応する第二のダイヤモンドチップを画定し、前記第一及び第二のダイヤモンドチップの位置が、前記微小複製工具内に作り出されるべき溝の整数ピッチを規定する第二の工具シャンクと、
前記取付け構造体中に取り付けられた第三の工具シャンクであって、前記第三の工具シャンクが、前記微小複製工具内の前記第一と第二の溝の間にランド形体を作り出す第三のダイヤモンドチップを画定する第三の工具シャンクと、を含む切削工具組立品と、
前記切削工具組立品を受入れ、前記微小複製工具に対して前記切削工具組立品の位置決めを制御するための装置と、
を含むダイヤモンド工具ツーリング機械。
【請求項14】
前記機械が前記切削工具組立品を軸線周りで回転させるフライカッティング機械であり、前記装置が前記取付け構造体をモータに連結する動力伝達系を含む、請求項13のダイヤモンド工具ツーリング機械。
【請求項15】
前記第一及び第二のダイヤモンドチップが、光学フィルム内に作り出されるべき形体に対応する溝を前記微小複製工具内に作り出すように形作られており、前記第三のダイヤモンドチップが、平らなランド形体を前記微小複製工具内に作り出すように形作られている、請求項13のダイヤモンド工具ツーリング機械。
【請求項16】
前記第一及び第二のダイヤモンドチップが、光学フィルム内に作り出されるべき形体に対応する溝を前記微小複製工具内に作り出すように形作られており、前記第三のダイヤモンドチップが、前記光学フィルム内に作り出されるべき異なる形体に対応する非平面のランド形体を前記微小複製工具内に作り出すように形作られている、請求項13のダイヤモンド工具ツーリング機械。
【請求項17】
微小複製工具用のピッチ間隔を規定すること、
前記微小複製工具を作り出すための切削工具組立品を作り出すことであって、前記切削工具組立品を作り出すことが、
第一及び第二の工具シャンクを取付け構造体中に位置決めすることであって、前記第一の工具シャンクに関連付けられた第一のダイヤモンドチップの切削位置が前記第二の工具シャンクに関連付けられた第二のダイヤモンドチップの切削位置から定義された距離にあり、前記定義された距離が整数の前記ピッチ間隔に相当し、前記定義された距離が約10ミクロン未満の許容誤差内の精度であるように、第一及び第二の工具シャンクを取付け構造体中に位置決めすることと、
第三の工具シャンクを取付け構造体中に位置決めすることであって、前記第三の工具シャンクに関連付けられた第三のダイヤモンドチップの切削位置が前記第一と第二のダイヤモンドチップの切削位置の間にあって、前記微小複製工具内にランド形体を作り出すこととによるものである、前記微小複製工具を作り出すための切削工具組立品を作り出すこと、
を含む方法。
【請求項18】
前記第三の工具シャンクを位置決めすることが更に、前記第一及び第二のダイヤモンドチップの両方に対して整数ピッチ間隔+1/2ピッチ間隔にて約10ミクロン未満の許容誤差内に前記第三のダイヤモンドチップを位置決めすることを含む、請求項17の方法。
【請求項19】
更に、前記切削工具組立品を使用して前記微小複製工具を作り出すことと、
前記微小複製工具を使用して微小複製された構造体を作り出すことと、
を含む請求項17の方法。
【請求項20】
切削工具組立品において、
取付け構造体と、
前記取付け構造体中に取り付けられた第一の工具シャンクであって、前記第一の工具シャンクが、被削材内に作り出されるべき溝に対応する第一のダイヤモンドチップを画定する第一の工具シャンクと、
前記取付け構造体中に取り付けられた第二の工具シャンクであって、前記第二の工具シャンクが、前記被削材内に作り出されるべきランド形体に対応する第二のダイヤモンドチップを画定し、前記第二のダイヤモンドチップが、前記第一のダイヤモンドチップに対して整数ピッチ間隔+1/2ピッチ間隔をあけ、ピッチが、前記被削材内に作り出される隣接溝間の距離を示している第二の工具シャンクと、
を含む切削工具組立品。
【請求項21】
前記取付け構造体中に取り付けられた第三の工具シャンクを更に含み、前記第三の工具シャンクが、被削材内に作り出されるべき第二の溝に対応する第三のダイヤモンドチップを画定し、前記第三のダイヤモンドチップが、前記第一のダイヤモンドチップに対して整数ピッチの間隔にあり、前記第二のダイヤモンドチップに対して整数ピッチ+1/2ピッチの間隔にある、請求項20の切削工具組立品。
【請求項22】
前記取付け構造体中に取り付けられた第三の工具シャンクを更に含み、前記第三の工具シャンクが、被削材内に作り出されるべき第二のランドに対応する第三のダイヤモンドチップを画定し、前記第三のダイヤモンドチップが、前記第二のダイヤモンドチップに対して整数ピッチの間隔にあり、前記第一のダイヤモンドチップに対して整数ピッチ+1/2ピッチの間隔にある、請求項20の切削工具組立品。
【請求項1】
切削工具組立品において、
取付け構造体と、
前記取付け構造体中に取り付けられた第一の工具シャンクであって、前記第一の工具シャンクが、被削材内に作り出されるべき第一の溝に対応する第一のダイヤモンドチップを画定する第一の工具シャンクと、
前記取付け構造体中に取り付けられた第二の工具シャンクであって、前記第二の工具シャンクが、前記被削材内に作り出されるべき第二の溝に対応する第二のダイヤモンドチップを画定し、前記第一及び第二のダイヤモンドチップの位置が、前記被削材内に作り出されるべき溝の間で整数ピッチを規定する第二の工具シャンクと、
前記取付け構造体中の前記第一と第二の工具シャンクの間に取り付けられた第三の工具シャンクであって、前記第三の工具シャンクが、前記被削材内の前記第一と第二の溝の間にランド形体を作り出す第三のダイヤモンドチップを画定する第三の工具シャンクと、
を含む切削工具組立品。
【請求項2】
前記第三のダイヤモンドチップの切削位置が、前記第一及び第二のダイヤモンドチップの切削位置に対して整数ピッチ+1/2ピッチの間隔に位置決めされている、請求項1の切削工具組立品。
【請求項3】
前記第一と第二のチップの間の間隔が、約100ミクロン未満であり、及び前記第三のダイヤモンドチップの前記切削位置が、前記第一及び第二のダイヤモンドチップの前記切削位置から50ミクロン未満に位置決めされている、請求項2の切削工具組立品。
【請求項4】
前記第三のダイヤモンドチップが、実質的に平らな切削面を画定して、平らなランド形体を前記被削材内に形成する、請求項1の切削工具組立品。
【請求項5】
実質的に平らな切削面を画定する第四のダイヤモンドチップを更に含み、前記第三及び第四のダイヤモンドチップが、同一平面上のランドを前記被削材内に形成する、請求項4の切削工具組立品。
【請求項6】
前記第三のダイヤモンドチップが、非平面の切削面を画定して、非平面のランド形体を前記被削材内に形成する、請求項1の切削工具組立品。
【請求項7】
前記第三のダイヤモンドチップに、平らな部分及びサブチップが含まれて、前記ランド形体内に微小溝サブ形体が含まれるランド形体を前記被削材内に形成する、請求項1の切削工具組立品。
【請求項8】
前記切削工具組立品が、前記ダイヤモンドチップの切削方向に垂直な軸線周りで回転するように構成されたフライカッティング組立品である、請求項1の切削工具組立品。
【請求項9】
前記被削材が、光学フィルムを作り出す際に使用される微小複製工具であり、前記第一及び第二のダイヤモンドチップが、前記光学フィルム内に作り出されるべき形体に対応する溝を前記微小複製工具内に作り出すように形作られており、前記第三のダイヤモンドチップが、平らなランド形体を前記微小複製工具内に作り出すように形作られている、請求項1の切削工具組立品。
【請求項10】
前記被削材が、光学フィルムを作り出す際に使用される微小複製工具であり、前記第一及び第二のダイヤモンドチップが、前記光学フィルム内に作り出されるべき形体に対応する溝を前記微小複製工具内に作り出すように形作られており、及び前記第三のダイヤモンドチップが、前記光学フィルム内に作り出されるべき異なる形体に対応する非平面のランド形体を前記微小複製工具内に作り出すように形作られている、請求項1の切削工具組立品。
【請求項11】
前記第一と第二のダイヤモンドチップの形状が実質的に同様であり、前記第三のダイヤモンドチップの形状が前記第一及び第二のダイヤモンドチップの前記形状と実質的に異なる、請求項1の切削工具組立品。
【請求項12】
前記第一及び第二の工具シャンクが、約10ミクロン未満の許容誤差内の整数ピッチを規定するように取り付けられている、請求項1の切削工具組立品。
【請求項13】
微小複製工具内に溝を作り出すために使用されるダイヤモンド工具ツーリング機械において、
切削工具組立品であって、
取付け構造体と、
該取付け構造体中に取り付けられた第一の工具シャンクであって、前記第一の工具シャンクが、前記微小複製工具内に作り出されるべき第一の溝に対応する第一のダイヤモンドチップを画定する第一の工具シャンクと、
前記取付け構造体中に取り付けられた第二の工具シャンクであって、前記第二の工具シャンクが、前記微小複製工具内に作り出されるべき第二の溝に対応する第二のダイヤモンドチップを画定し、前記第一及び第二のダイヤモンドチップの位置が、前記微小複製工具内に作り出されるべき溝の整数ピッチを規定する第二の工具シャンクと、
前記取付け構造体中に取り付けられた第三の工具シャンクであって、前記第三の工具シャンクが、前記微小複製工具内の前記第一と第二の溝の間にランド形体を作り出す第三のダイヤモンドチップを画定する第三の工具シャンクと、を含む切削工具組立品と、
前記切削工具組立品を受入れ、前記微小複製工具に対して前記切削工具組立品の位置決めを制御するための装置と、
を含むダイヤモンド工具ツーリング機械。
【請求項14】
前記機械が前記切削工具組立品を軸線周りで回転させるフライカッティング機械であり、前記装置が前記取付け構造体をモータに連結する動力伝達系を含む、請求項13のダイヤモンド工具ツーリング機械。
【請求項15】
前記第一及び第二のダイヤモンドチップが、光学フィルム内に作り出されるべき形体に対応する溝を前記微小複製工具内に作り出すように形作られており、前記第三のダイヤモンドチップが、平らなランド形体を前記微小複製工具内に作り出すように形作られている、請求項13のダイヤモンド工具ツーリング機械。
【請求項16】
前記第一及び第二のダイヤモンドチップが、光学フィルム内に作り出されるべき形体に対応する溝を前記微小複製工具内に作り出すように形作られており、前記第三のダイヤモンドチップが、前記光学フィルム内に作り出されるべき異なる形体に対応する非平面のランド形体を前記微小複製工具内に作り出すように形作られている、請求項13のダイヤモンド工具ツーリング機械。
【請求項17】
微小複製工具用のピッチ間隔を規定すること、
前記微小複製工具を作り出すための切削工具組立品を作り出すことであって、前記切削工具組立品を作り出すことが、
第一及び第二の工具シャンクを取付け構造体中に位置決めすることであって、前記第一の工具シャンクに関連付けられた第一のダイヤモンドチップの切削位置が前記第二の工具シャンクに関連付けられた第二のダイヤモンドチップの切削位置から定義された距離にあり、前記定義された距離が整数の前記ピッチ間隔に相当し、前記定義された距離が約10ミクロン未満の許容誤差内の精度であるように、第一及び第二の工具シャンクを取付け構造体中に位置決めすることと、
第三の工具シャンクを取付け構造体中に位置決めすることであって、前記第三の工具シャンクに関連付けられた第三のダイヤモンドチップの切削位置が前記第一と第二のダイヤモンドチップの切削位置の間にあって、前記微小複製工具内にランド形体を作り出すこととによるものである、前記微小複製工具を作り出すための切削工具組立品を作り出すこと、
を含む方法。
【請求項18】
前記第三の工具シャンクを位置決めすることが更に、前記第一及び第二のダイヤモンドチップの両方に対して整数ピッチ間隔+1/2ピッチ間隔にて約10ミクロン未満の許容誤差内に前記第三のダイヤモンドチップを位置決めすることを含む、請求項17の方法。
【請求項19】
更に、前記切削工具組立品を使用して前記微小複製工具を作り出すことと、
前記微小複製工具を使用して微小複製された構造体を作り出すことと、
を含む請求項17の方法。
【請求項20】
切削工具組立品において、
取付け構造体と、
前記取付け構造体中に取り付けられた第一の工具シャンクであって、前記第一の工具シャンクが、被削材内に作り出されるべき溝に対応する第一のダイヤモンドチップを画定する第一の工具シャンクと、
前記取付け構造体中に取り付けられた第二の工具シャンクであって、前記第二の工具シャンクが、前記被削材内に作り出されるべきランド形体に対応する第二のダイヤモンドチップを画定し、前記第二のダイヤモンドチップが、前記第一のダイヤモンドチップに対して整数ピッチ間隔+1/2ピッチ間隔をあけ、ピッチが、前記被削材内に作り出される隣接溝間の距離を示している第二の工具シャンクと、
を含む切削工具組立品。
【請求項21】
前記取付け構造体中に取り付けられた第三の工具シャンクを更に含み、前記第三の工具シャンクが、被削材内に作り出されるべき第二の溝に対応する第三のダイヤモンドチップを画定し、前記第三のダイヤモンドチップが、前記第一のダイヤモンドチップに対して整数ピッチの間隔にあり、前記第二のダイヤモンドチップに対して整数ピッチ+1/2ピッチの間隔にある、請求項20の切削工具組立品。
【請求項22】
前記取付け構造体中に取り付けられた第三の工具シャンクを更に含み、前記第三の工具シャンクが、被削材内に作り出されるべき第二のランドに対応する第三のダイヤモンドチップを画定し、前記第三のダイヤモンドチップが、前記第二のダイヤモンドチップに対して整数ピッチの間隔にあり、前記第一のダイヤモンドチップに対して整数ピッチ+1/2ピッチの間隔にある、請求項20の切削工具組立品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2009−512568(P2009−512568A)
【公表日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−536746(P2008−536746)
【出願日】平成18年10月17日(2006.10.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/040616
【国際公開番号】WO2007/047712
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月17日(2006.10.17)
【国際出願番号】PCT/US2006/040616
【国際公開番号】WO2007/047712
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】
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