説明

レンジファインダカメラのファインダのためのアングルアタッチメント

【課題】覗き込み角度が変化してもファインダ画像が上下左右正しく表示されるレンジファインダカメラのファインダ軸の周りで任意の方向に回動可能に構成されたアングルアタッチメントの提供。
【解決手段】画像反転素子として、1つの面で2回反射を行うバウエルンファイントプリズム(5)の基底面(4)の第1領域(A、A’)に対向する面は、ミラー面(8)として構成され、かつ第1領域(A、A’)に垂直に入射するビーム(2)が、全反射される角度で、基底面(4)の第2領域(B、B’)に向かって反射されるように、該基底面(4)に対し傾斜して配置され、第1領域(A、A’)と第2領域(B、B’)は、共通のオーバーラップ領域(A、B)を有し、かつバウエルンファイントプリズム(5)の光出射面(10)は、前記全反射されたビームが該光出射面(10)に垂直に入射するように基底面(4)に対し傾斜して配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、覗き込み角度が変化してもファインダ画像が上下左右正しく表示されるレンジファインダカメラのファインダ接眼部に結合するためのケーシングを備えるアングルアタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
この形式のアングルアタッチメントは、アングルファインダ(Winkelsucher)とも称されるが、それ自体は既知である。
【0003】
写真カメラでは、通常の場合、ビューファインダ(ないしファインダ)を覗き込む眼ないし撮影者は、撮影対象に向かい合わされている(真向いに位置する)。通常とは異なる場合、例えば地面付近に位置する植物又は動物を接写(マクロ撮影)する場合、または座っている人物のポートレート撮影の場合では、この通常の覗き込み方向は有利ではない。
【0004】
このため、ポートレート撮影の分野では、中判レフレックスカメラが好まれている。このカメラでは、撮影者は、対物レンズを通過しミラーによって直角に上方に(反射され)焦点ガラスに投影される撮影モティーフを、いわゆるファインダボックスで、撮影対象に対し90゜の角度で観察することができる。この観察画像は、この(一回の)単純なミラー反射のため、上下は正しいが左右は反転されるため(上下は正像であるが左右は逆像であるため)、画像構成ないし構図決定(Bildgestaltung)は困難になる。
【0005】
【特許文献1】DE 29 52 207 A1
【特許文献2】DE−PS 657 348
【特許文献3】DE 199 58 332 A1
【特許文献4】DE−PS 678 276
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ミラーケースから分離可能に構成されたアングルファインダについて記載する文献は存在する(上掲特許文献1参照)。プリズムファインダと称されるアングルファインダにより、覗き込み角は対物レンズの光軸に対して凡そ45°可変にされている。このアングルファインダは、ファインダ画像を左右正しく(左右を正像で)表示するために、屋根縁を備えたペンタプリズムを有し、かつ上下正しく(上下を正像で)表示するために、1つの面内で2回の反射を行う。
【0007】
しかしながら、レンジファインダカメラによる画像撮影は、上述の態様と大きく異なる。即ち、レンジファインダカメラでは、構図決定とシャープネス調整は、撮影対物レンズを介することにより上下左右反転して生成された観察画像に基づいて行われるのではない。レンジファインダカメラのファインダ画像は、別個の光学系によって上下左右正しく(上下・左右共に正像で)ファインダ接眼部に生成される。ファインダを覗き込む眼は、撮影対象に向かい合わされており(正面に位置しており)、シャープネス調整は混合画像(二重像)(Mischbild)に基づいて行われる。
【0008】
直進的な覗き込み角の他に、変化された即ち撮影方向に対し垂直に変化された覗き込み角が実現可能に構成された交換可能なアングルファインダについて記載する文献も存在する(上掲特許文献2参照)。この交換可能なアングルアタッチメントは、構成は大掛かりであり、2つのレンズと1つのペンタプリズムを有する。
【0009】
結像ビームを1つの面で2回反射するバウエルンファイントプリズムを有する、実像ファインダのための複雑な光学システムについて記載する文献も存在する(上掲特許文献3参照)。このプリズムには、対物レンズが前置されかつ更なるプリズムが後置されている。このシステムは大きな構造空間(ないし組付け空間)を必要とし、上記プリズムはコンパクトな構造を有しない。
【0010】
レンジファインダカメラに対し、焦点距離が互いに異なる複数の交換可能な撮影対物レンズが使用可能にされる場合、レンジファインダシステムは、ブライトフレーム(輝線枠)(Leuchtrahmen)(を生成する手段)として、互いに異なる複数のマスクを有する。これらのブライトフレームは、夫々の焦点距離の夫々の画像野に対応付けられ、かつレンジファインダビーム路に差込入射される。計算又は調整された露光時間は、ブライトフレームの外側の領域に表示される。撮影者は、自身の眼がレンジファインダカメラのファインダ接眼部に直接的かつ間隔を置かずに位置する場合にしか、ファインダ画像野全体を把握(視認)することができない。
【0011】
単純に構成されたアングルファインダについて記載する文献も存在する(上掲特許文献4参照)。このアングルファインダは、ファインダ接眼部から間隔を置いて斜めに配設されたミラーからなる。このミラーを収容するためのケーシングは、ファインダ軸の周りで回転可能であり、かつ該ファインダ軸に対して横方向に延在する複数の異なった覗き込み方向の実現を可能にする。しかしながら、(一回の)単純なミラー反射のため、ファインダ画像は、上方から覗き込む場合は上下反転され、横から覗き込む場合は左右反転されて表示される。また、このミラーをファインダ接眼部から大きく離隔して配設すると、ファインダ画像を全体としては把握(視認)することができない。更に、外部に位置する表示エレメントとマスクフレームは最早見ることはできない。
【0012】
それゆえ、本発明の課題は、上下・左右が正しく表示されるファインダの可及的に大きな領域を視認可能なように、単純かつコンパクトに構成されかつ同時にファインダ軸の周りで任意の方向に回動可能なように、アングルアタッチメントを改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本発明の一視点により、特許請求の範囲請求項1の特徴を有するアングルアタッチメント、即ち、覗き込み角度が変化してもファインダ画像が上下左右正しく表示されるレンジファインダカメラのファインダ接眼部に結合するためのケーシングを備えるアングルアタッチメントが提供される。このアングルアタッチメントにおいて、画像反転素子として、1つの面内で2回反射を行うバウエルンファイントプリズム(Bauernfeindprisma)を含むと共に、前記バウエルンファイントプリズムの基底面には、所定の空気間隔をおいて、平面ガラスディスクが前置され、前記バウエルンファイントプリズムの前記基底面の第1領域は、前記ファインダ接眼部に後置され、前記バウエルンファイントプリズムの前記第1領域に対向する面は、ミラー面として構成され、かつ前記第1領域に垂直に入射するビームが、(前記基底面の第2領域によって)全反射される角度で、前記基底面の第2領域に向かって反射されるように該基底面に対し傾斜して配置され、前記第1領域と前記第2領域は、共通のオーバーラップ領域を有し、かつ前記バウエルンファイントプリズムの光出射面は、前記(第2領域によって)全反射されたビームが該光出射面に垂直に入射するように前記基底面に対し傾斜して配置されていることを特徴とする(形態1・基本構成)。
【発明の効果】
【0014】
本発明の独立請求項1により、上記課題に対応する効果が達成される。即ち、本発明のアングルアタッチメントは、上下・左右が正しく表示されたファインダの可及的に大きな領域を視認可能にすることができ、更に、単純かつコンパクトに構成されかつ同時にファインダ軸の周りで任意の方向に回動可能に構成されることが可能である。
更に、各従属請求項により、付加的な効果が夫々達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、上記基本構成を形態1として示すが、これらは従属請求項の対象でもある。
(形態1) 上掲。
(形態2) 上記形態1のアングルアタッチメントにおいて、前記ミラー面は前記基底面に対し24°の角度をなすよう形成され、前記光出射面は前記基底面に対し48°の角度をなすよう形成されることが好ましい。
(形態3) 上記形態1のアングルアタッチメントにおいて、前記空気間隔の間隔維持要素として、フレーム形状の粘着シートを有することが好ましい。
(形態4) 上記形態1〜3のアングルアタッチメントにおいて、前記ケーシングは、光出射側に、接眼フレームを有し、該接眼フレームは、ケーシング内部側において平面ガラスディスクによって閉鎖されかつ覗き込み側(接眼側)にゴム補強部材が設けられていることが好ましい。
(形態5) 上記形態4のアングルアタッチメントにおいて、前記接眼フレームは、覗き込み側(接眼側)に、ジオプトリ調整レンズを保持するための内ネジを有することが好ましい。
(形態6) 上記形態1〜5のアングルアタッチメントにおいて、前記ケーシングに(滑り突起等の滑動要素を介して)回動可能に支承されると共に前記レンジファインダカメラの前記ファインダ接眼部に螺合するための外ネジを有する固定ネジ要素を光入射側に有することが好ましい。
(形態7) 上記形態6のアングルアタッチメントにおいて、前記固定ネジ要素は、前記ケーシングから外部に(部分的に)突出する刻み付きリングを有することが好ましい。
(形態8) 上記形態5又は6のアングルアタッチメントにおいて、前記内ネジ及び前記外ネジは、型式M12×0.5であることが好ましい。
【0016】
本発明のアングルアタッチメントは、画像反転素子(Bildumkehrelement)として、1つの面内で2回反射を行うバウエルンファイントプリズムを有する。このため、このアングルアタッチメントを通過する光路は非常に短く維持されると共に、光出射面にはファインダ画像が上下左右正しく(正像に)表示される。バウエルンファイントプリズムの基底面の第1領域は、レンジファインダカメラのファインダ接眼部に後置され、この第1領域に対向する面はミラー面として構成されている。このミラー面は、第1領域に垂直に入射し当該ミラー面によって反射され基底面の第2領域に入射するビームが、当該第2領域おいて全反射される角度で当該第2領域に入射することを可能にするように(該基底面に対して)傾斜されている。このため、基底面は、ビーム透過と全反射に対して同時に利用可能であると共に、当該基底面上に大掛かりなマスク形成(Maskierungen)及び異なる複数の光学的被膜(形成)が必須でないため有利である。全反射は、光学的により密な媒体から光学的により疎な媒体へ移行する境界部に、いわゆる臨界角より大きい角度で入射する場合何時でも生じる。臨界角は、屈折法則により、光学的により密な媒体に対する光学的により疎な媒体の屈折率の比のアークサインから得られる。光出射面は、本発明のバウエルンファイントプリズムでは、全反射されたビームが当該光出射面に垂直に入射するように、基底面に対し傾斜されている。このため、不所望な屈折効果は回避される。画像偏向角は、プリズムの回転(角度位置)に依存しない。
【0017】
本発明の有利な一実施形態では、アングルアタッチメントへの覗き込みを快適にするために、ミラー面は基底面に対し24°の角度をなし、光出射面は基底面に対し48°の角度をなすよう構成される。このため、バウエルンファイントプリズムは、ガラス容積が小さくとりわけコンパクトに構成することができる。この場合、アングルアタッチメントの覗き込みは、レンジファインダカメラのビューファインダないしファインダ接眼部(Einblicksucher)の光軸に対して48°の角度で行われると、ユーザに対してとりわけ一般的かつ快適であることが判明している。その他の覗き込み角度も可能であり、かつ全反射のための条件の範囲内において、バウエルンファイントプリズムのガラスの屈折率を適切に選択することによって変更することも勿論可能である。光ビームが、全反射のための条件を充足するために、例えば凡そ39°の最小角で基底面に入射すべきものとすれば、バウエルンファイントプリズムの使用されるべきガラスの最小屈折率は、n=1.589である。
【0018】
基底面におけるガラス/空気移行境界面を汚染から保護するために、本発明の更なる一実施形態では、基底面には、平面ガラスディスク(平行平面板 Planglasscheibe)が所定の空気間隔(空隙)をおいて前置される。この絶対的に清浄な境界面を保証することによって、入射光線束の縁部領域と、ミラー反射され全反射された光線束の縁部領域とが、妨害的な(不都合な)光学的オーバーラップ効果を引き起こすことなく、基底面においてオーバーラップすることが可能になる。
【0019】
本発明の更なる一実施形態では、上記空気間隔の間隔維持要素として、上記平面ガラスディスクとバウエルンファイントプリズムの基底面との間に、フレーム状の粘着シートが配される。このため、平面ガラスディスクをバウエルンファイントプリズムに簡単に固定することができると同時に、中間空間を気密に密閉することができる。従って、バウエルンファイントプリズムの基底面は、使用中汚染に対し常時かつ確実に保護される。このため、全反射の妨害は阻止される。
【0020】
本発明のアングルアタッチメントの有利な一態様では、ケーシングには、光出射側に、接眼フレームが配設される。この接眼フレームは、ケーシング内部側では平面ガラスディスク(Planglasscheibe)によって閉鎖され、覗き込み側(接眼側)ではゴム枠(補強)部材が配される。この措置により、偏向プリズム(バウエルンファイントプリズム)の光出射面に対する外部からの接触、従ってその汚染が効果的に阻止される。眼は、ゴム枠部材に快適に当てることができる。
【0021】
眼鏡使用者に対しては、その眼が眼鏡によって既に相当の距離を隔ててファインダ接眼部の後方に位置し、ファインダ領域を完全には視認できない点が不利になる。従って、本発明の一改善形態では、アングルアタッチメントの接眼フレームは、覗き込み側(接眼側)に、ジオプトリ調整レンズを収容(保持)するための内ネジを有する。このため、眼鏡使用者は、眼鏡なしでも鮮鋭かつ可及的に完全なファインダ画像を視認することが可能になる。
【0022】
とりわけ有利な一実施形態では、光入射側に、ケーシング内で回動可能に支承される固定ネジ要素を有する。この固定ネジ要素は、カメラのファインダ接眼部に螺合するための外ネジを有する。このため、ケーシングは、カメラのビューファインダないしファインダ接眼部の光軸の周りで回動可能に(ファインダ接眼部に)結合できると共に、当該光軸に対し横断方向(半径方向)に延在する複数の覗き込み方向を実現することを可能にし、その際、画像表示(正像性)は維持される(上下・左右の反転が起こらない)。
【0023】
固定ネジ要素が、ケーシングの内部から外部に(少なくとも部分的に)突出する刻み(ノッチ)付リングを有するととりわけ有利である。このため、ネジ固定の解除ないし緩和はとりわけ容易に実行することができ、ケーシングは、撮影者の所望の位置へ快適に回転され、そこで再びネジ固定されることができる。
【0024】
更なる一実施形態では、接眼フレームの内ネジ及びファインダ接眼部への螺合のための外ネジの型式は同一であり、有利には、M12×0.5mmである。このため、他の補充装置(アッタチメント、アクセサリ)との高い互換性が保証され、カメラのビューファインダのために設けられた付属装置(アッタチメント、アクセサリ)を新たな(別の)ケーシングに同様に使用することができる。
【0025】
以下に、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例は、発明の理解の容易化のためのものであり、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において当業者により実施可能な付加、置換等の適用を排除することは意図しない。また、特許請求の範囲に付した図面参照符号も発明の理解の容易化のためのものであり、本発明を図示の態様に限定することは意図しない。なお、これらの点に関しては、補正・訂正後においても同様である。
【実施例】
【0026】
図1は、本発明のアングルアタッチメント1の一例を、その構成要素と共に、縦断面で示す。ケーシング1に入射するビーム2は、平面ガラスディスク3に垂直に入射し、該平面ガラスディスク3を通過した後、バウエルンファイントプリズム5の基底面4の第1領域(A−A’)に同様に垂直に入射する。平面ガラスディスク3は、粘着シート6によってバウエルンファイントプリズム5に固定され、かくして空気間隔7を形成する。バウエルンファイントプリズム5に入射するビーム2は、ミラー面8に入射し、(基底面4の第2領域(B−B’)によって)全反射される角度で、基底面4の第2領域に向かって(ミラー面8によって)反射され、全反射されたビーム9として、入射ビーム2に対し48°の角度をなして、光出射面10から(この面に対して)垂直に出射する。
【0027】
ケーシング1の光出射側の閉鎖部を構成するのは、接眼フレーム11に保持される接眼平面ガラスディスク12である。接眼フレーム11は、眼を快適にあてるためのゴム枠部材13を有し、更に、ジオプトリ調整レンズ(不図示)を保持するための内ネジ14を有する。
【0028】
カメラのファインダ接眼部15へのケーシング1の結合は、外ネジ17を有する固定ネジ要素16によって行われる。固定ネジ要素16は、ケーシング1の内部から外部に(少なくとも部分的に)突出する刻み付きリング18を介してスムーズに回動することができる。刻み付きリング18は、半径方向外方に延在する両側の面に、それぞれ、規則的に分散配置される滑り突起19を有する。この滑り突起19は、ケーシング1内における固定ネジ要素16の位置を支持し、かつ回転の際の騒音を小さくすることを可能にする。滑り突起19の滑り能力を改善するために、ケーシング1と平面ガラスディスク3には、テフロンシートを配する(テフロンコーティングする)ことができる。
【0029】
入射ビーム2に対応するファインダ光線束については詳細には図示していないが、固定ネジ要素16の入口直径20によって幾何的に影響を受ける。入射ビーム2と関連して言及したバウエルンファイントプリズム5の基底面4の第1領域には、理解の容易化のため、ファインダ光線束によって通過される第1領域の境界ないし範囲を定める図面参照符号A、A’を付して明示した。同様に、図面参照符号B、B’によって、光線束の全反射に関する第2領域(の境界ないし範囲)を示す。これによって、バウエルンファイントプリズム5の基底面4における第1領域A−A’と第2領域B−B’とのオーバーラップ(領域)A/Bが概略的に示されている。
【0030】
図2は、レンジファインダカメラ21のファインダ接眼部15に垂直位置(垂直配向状態)でネジ固定された図1のケーシング1を示す。図2には、ケーシング1の内部から(部分的に)側方に突出した刻み付きリング18が明瞭に示されている。
【0031】
図3は、同様に、レンジファインダカメラ21のファインダ接眼部にネジ固定された図1のケーシング1を示すが、この場合、ケーシング1は水平位置(水平配向状態)で固定されている。図3では、ケーシング1がネジ固定されているにも拘わらず裏側のフィルム押圧プレート(カメラ裏蓋)22を介して(開いて)新しいフィルムを装填することを可能にするコンパクトな構造をとりわけ明瞭に見出すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、実施例として、従来の光学的レンジファインダカメラを例として記載したが、レンジファインダカメラとしては同様のレンジファインダ構造を備えた電子カメラないし光電子式画像記録装置にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】アングルアタッチメントの一例の断面図。
【図2】レンジファインダカメラに対し垂直方向に位置調整・固定された図1のアングルアタッチメント。
【図3】レンジファインダカメラに対し水平方向に位置調整・固定された図1のアングルアタッチメント。
【符号の説明】
【0034】
1 アングルアタッチメントのケーシング
2 入射ビーム
3 平面ガラスディスク(平行平面板)(Planglasscheibe)
4 基底面
5 バウエルンファイントプリズム(Bauernfeindprisma)
6 粘着シート
7 空気間隔(空隙)
8 ミラー面
9 全反射されたビーム
10 光出射面
11 接眼フレーム
12 接眼側平面ガラスディスク
13 ゴム枠部材
14 内ネジ
15 ファインダ接眼部(ないしビューファインダ)
16 固定ネジ要素
17 外ネジ
18 刻み付きリング
19 滑り(スライド)突起
20 入口直径
21 カメラ
22 フィルム押圧プレート(カメラ裏蓋)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
覗き込み角度が変化してもファインダ画像が上下左右正しく表示されるレンジファインダカメラのファインダ接眼部に結合するためのケーシングを備えるアングルアタッチメントにおいて、
画像反転素子として、1つの面内で2回反射を行うバウエルンファイントプリズム(5)を含むと共に、
前記バウエルンファイントプリズム(5)の基底面(4)には、所定の空気間隔(7)をおいて、平面ガラスディスク(3)が前置され、
前記バウエルンファイントプリズム(5)の前記基底面(4)の第1領域(A、A’)は、前記ファインダ(15)に後置され、
前記バウエルンファイントプリズム(5)の前記第1領域(A、A’)に対向する面は、ミラー面(8)として構成され、かつ前記第1領域(A、A’)に垂直に入射するビーム(2)が、全反射される角度で、前記基底面(4)の第2領域(B、B’)に向かって反射されるように、該基底面(4)に対し傾斜して配置され、
前記第1領域(A、A’)と前記第2領域(B、B’)は、共通のオーバーラップ領域(A、B)を有し、かつ前記バウエルンファイントプリズム(5)の光出射面(10)は、前記全反射されたビーム(9)が該光出射面(10)に垂直に入射するように前記基底面(4)に対し傾斜して配置されていること
を特徴とするアングルアタッチメント。
【請求項2】
前記ミラー面(8)は前記基底面(4)に対し24°の角度をなすよう形成され、前記光出射面(10)は前記基底面(4)に対し48°の角度をなすよう形成されること
を特徴とする請求項1に記載のアングルアタッチメント。
【請求項3】
前記空気間隔の間隔維持要素として、フレーム形状の粘着シート(6)を有すること
を特徴とする請求項1に記載のアングルアタッチメント。
【請求項4】
前記ケーシング(1)は、光出射側に、接眼フレーム(11)を有し、該接眼フレーム(11)は、ケーシング内部側において平面ガラスディスク(12)によって閉鎖されかつ覗き込み側にゴム補強部材(13)が設けられていること
を特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のアングルアタッチメント。
【請求項5】
前記接眼フレーム(11)は、覗き込み側に、ジオプトリ調整レンズを保持するための内ネジ(14)を有すること
を特徴とする請求項4に記載のアングルアタッチメント。
【請求項6】
前記ケーシング(1)に(滑動要素(19)を介して)回動可能に支承されると共に前記レンジファインダカメラ(21)の前記ファインダ接眼部(15)に螺合するための外ネジ(17)を有する固定ネジ要素(16)を光入射側に有すること
を特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のアングルアタッチメント。
【請求項7】
前記固定ネジ要素(16)は、前記ケーシング(1)から外部に突出する刻み付きリング(18)を有すること
を特徴とする請求項6に記載のアングルアタッチメント。
【請求項8】
前記内ネジ(14)及び前記外ネジ(17)は、型式M12×0.5であること
を特徴とする請求項5又は6に記載のアングルアタッチメント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−301637(P2006−301637A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−114352(P2006−114352)
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(597114889)ライカ カメラ アクチエンゲゼルシャフト (11)
【Fターム(参考)】