説明

レンズキャップ

【課題】レンズ鏡胴に装着された状態でその可動筒を繰り出すための操作が為された場合であっても、可動筒に傷をつけてしまったりレンズ鏡胴における駆動部分に負荷をかけてしまったりすることを防止するレンズキャップを提供する。
【解決手段】光軸(OA)方向にレンズを移動させる可動筒(32、33)と、その可動筒を収納する収納部(31)と、を備えたレンズ鏡胴13に装着されるレンズキャップ50である。可動筒が収納部に収納された状態における収納部へ装着するための装着部(51)と、収納部に装着されたことを検出する検出部(40)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ鏡胴を保護するためのレンズキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ(以下、「デジタルカメラ」という)等の撮影装置では、少なくとも1つ以上のレンズを保持する可動筒が収納部としての固定筒の内方に設けられ、固定筒内から適宜繰り出すことと、固定筒内に収納することと、を行うレンズ鏡胴を用いるものがある。このようなレンズ鏡胴には、可動筒の収納時に固定筒にレンズキャップが着脱され、レンズキャップを装着することによりレンズ鏡胴、特にその可動筒に設けられたレンズを保護することが知られている。このようなレンズキャップでは、レンズ鏡胴に装着された状態において、可動筒が固定筒内から繰り出されると、その可動筒と干渉してしまうことから、可動筒に傷をつけてしまったり、レンズ鏡胴から脱落してしまったり、レンズ鏡胴における駆動部分に負荷をかけてしまったりする虞がある。特に、レンズキャップでは、高級感を醸し出す観点から金属製のものが好まれるが、金属製であると可動筒に傷をつけてしまったり、レンズ鏡胴における駆動部分に負荷をかけてしまったりする可能性が高まってしまう。
【0003】
このため、レンズキャップでは、レンズ鏡胴に装着した状態で、可動筒の突起と固定筒の突起とに挟まれる係合取付部を設けることが考えられている(特許文献1参照)。このレンズキャップでは、レンズ鏡胴に装着された状態で、可動筒が固定筒内から繰り出されると、係合取付部が可動筒の突起と固定筒の突起とに挟まれることにより、可動筒がそれ以上繰り出されることを防止するとともに、レンズキャップ自身がレンズ鏡胴から脱落することを防止することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したレンズキャップでは、可動筒の突起に接触することを前提とするものであることから、可動筒に傷をつけてしまったり、レンズ鏡胴における駆動部分に負荷をかけてしまったりする虞を解消する観点から改良の余地がある。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、レンズ鏡胴に装着された状態でその可動筒を繰り出すための操作が為された場合であっても、可動筒に傷をつけてしまったりレンズ鏡胴における駆動部分に負荷をかけてしまったりすることを防止するレンズキャップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載のレンズキャップは、光軸方向にレンズを移動させる可動筒と、該可動筒を収納する収納部と、を備えたレンズ鏡胴に装着されるレンズキャップであって、前記可動筒が前記収納部に収納された状態における該収納部へ装着するための装着部と、前記収納部に装着されたことを検出する検出部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載のレンズキャップでは、レンズ鏡胴に装着された状態でその可動筒を繰り出すための操作が為された場合であっても、可動筒に傷をつけてしまったりレンズ鏡胴における駆動部分に負荷をかけてしまったりすることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る撮像装置の一例としてのデジタルカメラ10を示す正面図である。
【図2】デジタルカメラ10(そのレンズ鏡胴13)にレンズキャップ50を装着した状態を示す斜視図である。
【図3】デジタルカメラ10における制御ブロックを示す説明図である。
【図4】デジタルカメラ10におけるレンズ鏡胴13の状態の変化の様子を示す説明図であり、(a)は可動筒(回転筒32および直進筒33)を固定筒31内に収納された沈胴位置を示し、(b)は可動筒が固定筒31から進出された撮影待機位置を示す。
【図5】装着検知部40の構成を概略的に示す説明図である。
【図6】レンズキャップ50を示す説明図であり、(a)は斜視図で示し、(b)は(a)に示す矢印A1から見た様子を部分断面図で示す。
【図7】図6(a)のI−I線に沿って得られた模式的な断面図である。
【図8】図6(b)のII−II線に沿って得られた模式的な断面図である。
【図9】図7と同様の断面図にレンズ鏡胴13を加えた説明図である。
【図10】デジタルカメラ10の動作を統括的に制御する制御部21における検出報知の制御処理の内容の一例を示すフローチャートである。
【図11】表示部24に、装着状態である旨の文章を表示させる(警告表示)ことにより、装着状態である旨の報知を行っている様子を示す説明図である。
【図12】デジタルカメラ10の動作を統括的に制御する制御部21における検出報知の制御処理の内容の他の例を示すフローチャートである。
【図13】本発明である撮像装置に装着して使用するレンズキャップ50を示す正面図である。このレンズキャップ50は、図2に示すように、レンズ鏡胴が収納された状態において装着され、レンズ鏡胴およびレンズを保護する。
【図14】図13を基準とする背面図であり、キャップ側連結部51の筒状部分53、そこに設けられた内縁突起部分54、3つの爪部分55、および端子取付部分56を実線で示すとともにそれ以外を破線で示している。
【図15】図13を基準とする左側面図である。
【図16】図13を基準とする右側面図である。
【図17】図13を基準とする平面図である。
【図18】図13を基準とする底面図である。
【図19】図14に示すA−A線に沿って得られた断面図である。
【図20】図13を基準とする背面側から見たレンズキャップ50を示す斜視図である。
【図21】図13を基準とする背面側であって図20とは異なる方向から見たレンズキャップ50を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願発明に係るレンズキャップ、そのレンズキャップが装着される撮像装置、およびそのレンズキャップと撮像装置とを備える撮像装置システムの実施例について図面を参照しつつ説明する。
【実施例】
【0010】
本発明に係るレンズキャップの一実施例としてのレンズキャップ50およびそれが装着される撮像装置の一実施例としてのデジタルカメラ10の概略的な構成を、図1から図11を用いて説明する。
【0011】
まず、レンズ鏡胴13を有する撮像装置の一例としてのデジタルカメラ10を、図1から図4を用いて説明する。デジタルカメラ10は、図1および図2に示すように、筐体11の前面(図1を正面視して手前側の面)側に撮影光学系12(図4(b)参照)を有するレンズ鏡胴13が設けられている。この撮影光学系12は、最も被写体側に配置される対物レンズ34(図4(b)参照)や、図示は略すが、固定レンズ、ズームレンズ、シャッタユニットおよび絞りユニット等の複数の光学部材を備える。レンズ鏡胴13は、撮影光学系12の光軸(以下、撮影光軸OA(図4参照)ともいう)に沿って、所定の収納位置(図4(a)参照)と所定の撮影待機位置(図4(b)参照)との間で進退移動(繰り出しおよび繰り入れ)可能とされている。なお、図4では、理解容易のために、筐体11およびレンズ鏡胴13の構成を簡略化して示している。
【0012】
筐体11では、上面(図1を正面視して上側の面)に、操作部としての電源ボタン14(図2参照)、レリーズボタン15、モード切替ダイアル16が設けられている。電源ボタン14は、デジタルカメラ10を起動するための操作(起動操作)と、デジタルカメラ10を停止するための操作(停止操作)と、をするものである。レリーズボタン15は、被写体を撮影する際に押し下げる押下操作部材である。モード切替ダイアル16は、各種のシーンモード、静止画モード、動画モード等を設定するものである。また、筐体11の背面には、表示部24(その表示面)やその他の操作スイッチ17が設けられている(図11参照)。この表示部24は、撮像された画像データや記録媒体に記録された画像データに基づき画像を表示する。また、操作スイッチ17は、各メニュー等の設定のための方向指示用スイッチや各種スイッチである。
【0013】
デジタルカメラ10では、レリーズボタン15の押下操作により、撮影光学系12を通して後述する撮像素子22(図3参照)の受光面に受光した被写体像の画像データが記録処理される。図1および図2に示すデジタルカメラ10は、電源オフ時(電源ボタン14がOFF状態)であって、撮影光学系12(後述する可動筒)が後述する固定筒31(収納部)内の収納位置とされている。また、図4(b)に示すデジタルカメラ10は、電源オン時(電源ボタン14がON状態)であって、撮影光学系12(後述する可動筒)が後述する固定筒31(収納部)から撮影光軸OA方向に繰り出された撮影待機位置とされている。
【0014】
このデジタルカメラ10は、図3に示すように、制御部21と、撮像素子22と、レンズ鏡胴駆動ユニット23と、表示部24と、装着検知部40と、を有する。制御部21は、操作部としての電源ボタン14、レリーズボタン15、モード切替ダイアル16および操作スイッチ17に為された操作に基づく駆動処理や、撮像素子22からの信号に基づく画像データの生成処理や、レンズ鏡胴駆動ユニット23および表示部24の駆動等の制御を、記憶部21aに格納されたプログラムにより統括的に行う。制御部21は、撮影光学系12を経て撮像素子22で画像を取得し、その画像を筐体11の後面側に設けられた表示部24に適宜表示させる。また、制御部21には、装着検知部40から検出信号が入力される。
【0015】
撮像素子22は、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の固体撮像素子で構成されており、撮影光学系12を通して受光面(図示せず)上に結像された被写体像を電気信号(画像データ)に変換して出力する。その出力された電気信号(画像データ)は、制御部21へと伝送される。
【0016】
レンズ鏡胴駆動ユニット23は、レンズ鏡胴13を収納位置(図4(a)参照)と撮影待機位置(図4(b)参照)とで移行すべく、後述するように固定筒31に対して可動筒(回転筒32および直進筒33)を移動させることにより、撮影光学系12の各光学部材を各々支持する光学部材保持枠(図示せず)を移動させる。
【0017】
そのレンズ鏡胴13は、撮影光学系12の対物レンズ34を含む各光学部材を撮影光軸OA方向に移動可能に保持する。レンズ鏡胴13は、図1および図4に示すように、固定筒31と、回転筒32と、直進筒33と、を備える。その固定筒31は、図示は略すが筐体11の内方に固定されて設けられるベース板に一体的に形成されている。この固定筒31の内周面には、図示は略すが、軸方向に沿う直進溝や、軸を取り巻いて伸びるカム溝が形成されている。その直進溝には、図示は略すが後述するライナーのキー部が干渉可能に挿通され、そのカム溝には、回転筒32のカムフォロワ(図示せず)が干渉可能に挿入される。この固定筒31の内方に、回転筒32が設けられる。
【0018】
その回転筒32は、固定筒31の内方に挿入可能な筒状を呈する。回転筒32の基端部外周面には、図示は略すが、ヘリコイド状のカムフォロワと、歯車状のギア部と、が形成されている。そのカムフォロワは、図示は略すが固定筒31のカム溝に干渉可能に挿入される。また、ギア部には、図示は略すがレンズ鏡胴駆動ユニット23(図3参照)を構成するモータの出力軸に設けられたギアが噛み合わされる。このような構成により、回転筒32は、ギア部(図示せず)に噛み合わされたレンズ鏡胴駆動ユニット23のギア(図示せず)を介してモータ(図示せず)の駆動力が適宜ギア伝達されると、固定筒31内において撮影光軸回りに回転する。このとき、回転筒32では、上述したように、カムフォロワを固定筒31のカム溝に干渉可能に挿通していることから、そのカムフォロワとカム溝との案内作用により、回転筒32が固定筒31に対して撮影光軸OA方向に移動する。この回転筒32の内方に、直進筒33が設けられる。
【0019】
その直進筒33は、回転筒32内に挿入可能な筒状を呈する。その直進筒33と回転筒32との間には、図示は略すが、回転筒32に対して撮影光軸OA方向(Z軸方向)に一体的に移動するとともに撮影光軸OA回りに相対的な回転移動が可能とされたライナーが設けられている。直進筒33は、回転筒32との撮影光軸OA回りの相対的な回転が可能とされているとともに、図示は略すが、ライナーに設けられた直進溝を経て回転筒32の内周面に設けられたカム溝にカムフォロワを干渉可能に挿入して設けられている。このため、直進筒33は、回転筒32が固定筒31に対して撮影光軸OA回りに回転しつつ撮影光軸OA方向へと移動されると、ライナーの直進溝とカムフォロワとの干渉により撮影光軸OA回りの回転が防止されつつ、回転筒32のカム溝とカムフォロワとの干渉により撮影光軸OA方向へと移動する。
【0020】
この直進筒33には、図示は略すが対物レンズ34(図4(b)参照)を保持するレンズ保持枠が固定的に設けられている。また、回転筒32には、図示は略すが、撮影光学系12(図1等参照)の各光学部材(図示せず)を各々保持する光学部材保持枠や、その光学部材保持枠を撮影光軸方向に移動させるための他の回転筒や他のライナー等が適宜設けられる。
【0021】
これにより、レンズ鏡胴13では、回転筒32が、そのギア部に噛み合わされたギア(図示せず)を介して、レンズ鏡胴駆動ユニット23(図3参照)(そのモータ)の駆動力が適宜ギア伝達されて、固定筒31内で回転される。これにより、レンズ鏡胴13では、回転筒32および直進筒33が所定の沈胴位置(収納状態(図4(a)参照))と所定の繰出位置(撮影待機状態(図4(b)参照))とで移行し、撮影光学系12(図1参照)の各光学部材(図示せず)を所定のごとく移動させる。本実施例では、レンズ鏡胴13は、電源ボタン14がOFF状態からON状態とされると、撮影光学系12(後述する可動筒)を固定筒31(収納部)から繰り出す要求があったものとして、撮影光学系12(可動筒)を固定筒31(収納部)から撮影光軸OA方向に繰り出して撮影待機位置(図4(b)参照)とする。
【0022】
このため、固定筒31と回転筒32と直進筒33とは、図示を略す光学部材保持枠や他の回転筒や他のライナー等とともに、対物レンズ34に加えて撮影光学系12(図4(b)参照)の各光学部材(図示せず)を収容する光学部材収容枠として機能する。また、回転筒32と直進筒33とは、図示を略す光学部材保持枠や他の回転筒や他のライナー等とともに、レンズ鏡胴13において固定筒31に対して進退自在とされ、光軸方向にレンズを移動させる可動筒として機能する。さらに、固定筒31は、その可動筒を収納する収納部として機能する。ついで、レンズ鏡胴駆動ユニット23は、図示を略すモータで回転筒32を適宜回転させることにより、光学部材収容枠を適宜駆動する収容枠駆動手段として機能する。
【0023】
次に、本発明に係るレンズキャップ50、デジタルカメラ10、およびそのレンズキャップ50とデジタルカメラ10とを備える撮像装置システムの特徴部分の概略的な構成を、図1、図2および図4から図11を用いて説明する。なお、図6から図9では、理解容易のためにレンズキャップ50の構成を簡略化して示すとともに、図9では、理解容易のために筐体11およびレンズ鏡胴13の構成を簡略化して示しており、必ずしも実際の構成と一致するものではない。
【0024】
デジタルカメラ10では、図2に示すように、レンズ鏡胴13にレンズキャップ50が装着可能とされている。この装着のために、レンズ鏡胴13では、固定筒31に鏡胴側連結部35(図1等参照)が設けられている。その鏡胴側連結部35は、レンズキャップ50の後述するキャップ側連結部51との連結および解除することにより、レンズキャップ50のレンズ鏡胴13への装着および分離するものである。鏡胴側連結部35は、図1に示すように、環状凹所35aと3つの連結箇所35bとを有する。その環状凹所35aは、固定筒31の外周が全周に渡り、径方向(撮影光軸OAを中心とする放射方向)へと縮められているとともに、撮影光軸OA方向で筐体11側へと凹まされて形成されている。
【0025】
また、3つの連結箇所35bは、環状凹所35aにおいて、撮影光軸OAを中心とする回転方向で見て互いに等しい間隔で設けられている。この各連結箇所35bは、固定筒31における環状凹所35aにより径方向に縮められた箇所の外周が部分的にさらに径方向へと縮められて、撮影光軸OAを中心とする回転方向に沿って湾曲されて形成されている。各連結箇所35bでは、図1を正面視した時計回り方向を上記回転方向の正側として、正側の端部に爪部分35cが設けられている。この爪部分35cは、撮影光軸OA方向で見た被写体側の端部が径方向に沿って外側に突出され、撮影光軸OAを中心とする回転方向に沿って湾曲されて形成されている。このため、各連結箇所35bでは、上記回転方向の負側の端部が、撮影光軸OAに沿う方向での被写体側からの進入が可能に開放された開放部分35dとされている。これにより、各爪部分35cは、各開放部分35dに対して径方向の外側へと庇のように突き出されて形成されている。この各連結箇所35bは、レンズ鏡胴13(デジタルカメラ10)とレンズキャップ50との撮影光軸OA方向への相対的な接近により、後述するキャップ側連結部51の爪部分55を開放部分35dで受け入れるとともに、レンズ鏡胴13(デジタルカメラ10)とレンズキャップ50との相対的な回転により、その爪部分55を爪部分35cへと引っ掛かる所謂バヨネット式の装着機構の一方を構成している。
【0026】
このレンズ鏡胴13では、可動筒(回転筒32および直進筒33)の収納状態において、当該可動筒の先端と固定筒31の先端とが同一平面に存在するものとされている。その固定筒31の先端は、鏡胴側連結部35(3つの連結箇所35b)が設けられていない箇所と、各連結箇所35bの各爪部分35cが設けられている箇所と、により構成されている。また、本実施例では、その固定筒31の先端と同一平面に存在される可動筒のうちの直進筒33の先端面に装飾部分33aが設けられている。この装飾部分33aは、直進筒33の先端面から突出されて形成されている(図9参照)。装飾部分33aは、種々の情報の表示のために設けられており、本実施例では撮影光学系12の特性を示す表示とされている。
【0027】
また、レンズ鏡胴13では、装着検知部40が設けられている。この装着検知部40は、電気的な接続の有無の判断により、制御部21でのレンズキャップ50がレンズ鏡胴13(デジタルカメラ10)に装着されているか否かを検知するものである。装着検知部40は、本実施例では、固定筒31に設けられ、電気的な接点となる第1端子41と第2端子42と第3端子43とを有する。この3つの端子(41、42、43)は、固定筒31において、鏡胴側連結部35の環状凹所35aを部分的に径方向へと縮めた切欠箇所36における上記回転方向の正側に設けられている。3つの端子(41、42、43)は、鏡胴側連結部35の3つの連結箇所35bのうちの2つの中間位置で、撮影光軸OAを中心とする回転方向に等間隔で並んでいる。
【0028】
この3つの端子(41、42、43)は、図5に示すように、基準電圧端子44と抵抗45と抵抗46と協働して、装着検知部40を構成している。第1端子41は、制御部21における第1検出端子In1に接続されている。第2端子42は、グランドレベルに電気的に接続されている。なお、第2端子42は、グランドレベルに替えて、制御部21を構成する電子回路における基準電位に接続されるものであってもよい。第3端子43は、制御部21における第2検出端子In2に接続されている。
【0029】
基準電圧端子44は、所定の電位(例えば、電源電圧)の印加が可能とされている。この基準電圧端子44は、抵抗45を介して、第1端子41と第1検出端子In1との電路(接続線)上の接続点47に接続されている。また、基準電圧端子44は、抵抗46を介して、第3端子43と第2検出端子In2との電路(接続線)上の接続点48に接続されている。
【0030】
この装着検知部40では、基準電圧端子44に所定の電位が印加されると、抵抗45を介して第1検出端子In1に所定の電位から抵抗45での電圧降下分を減算した電位が印加(以下、H信号とする)され、かつ抵抗46を介して第2検出端子In2に所定の電位から抵抗46の電圧降下分を減算した電位が印加される(以下、H信号とする)。ここで、第1端子41と第2端子42とが短絡されると、接続点47の電位がグランドレベルとなるので、第1検出端子In1もグランドレベルとなる(以下、L信号とする)。また、第3端子43と第2端子42とが短絡されると、接続点48の電位がグランドレベルとなるので、第2検出端子In2もグランドレベルとなる(以下、L信号とする)。
【0031】
このため、装着検知部40は、基準電圧端子44に所定の電位を印加させることにより、3つの端子(41、42、43)が互いに開放されている状態では、第1検出端子In1および第2検出端子In2にH信号を出力し、第1端子41と第2端子42とが短絡されている状態では、第1検出端子In1にL信号を出力するとともに第2検出端子In2にH信号を出力し、第3端子43と第2端子42とが短絡されている状態では、第1検出端子In1にH信号を出力するとともに第2検出端子In2にL信号を出力し、3つの端子(41、42、43)が互いに短絡されている状態では、第1検出端子In1および第2検出端子In2にL信号を出力する。このため、制御部21では、装着検知部40からの第1検出端子In1および第2検出端子In2への出力信号の組み合わせにより、装着検知部40における電気的な接続の4通りの状態を検知することができる。この装着検知部40は、本実施例では、第1端子41と第2端子42とを用いて、レンズ鏡胴13へのレンズキャップ50の装着の有無の判断を行う。このため、本実施例では、第1端子41と第2端子42とは、レンズ鏡胴における収納部としての固定筒31に設けられた収納部側接点として機能する。
【0032】
そのレンズキャップ50は、レンズ鏡胴13、特に可動筒の先端位置で保持された光学素子(本実施例では対物レンズ34)の保護のために、レンズ鏡胴13に対して適宜装着されるものである(図2参照)。このレンズキャップ50は、図6および図7に示すように、環状のキャップ側連結部51と、その一方の開放端(レンズ鏡胴13への装着状態において被写体側)を塞ぐ前端部52と、を有する。
【0033】
そのキャップ側連結部51は、レンズキャップ50をレンズ鏡胴13に取り付ける、すなわちその鏡胴側連結部35との連結のために設けられている。キャップ側連結部51は、本実施例では樹脂材料から形成され、筒状部分53と、その一方の開放端に連続する内縁突起部分54と、その内縁突起部分54および筒状部分53の内方に設けられた3つの爪部分55と、内縁突起部分54および筒状部分53の内方に設けられた端子取付部分56と、を有する。
【0034】
筒状部分53は、レンズ鏡胴13の固定筒31に設けられた鏡胴側連結部35の環状凹所35aを取り囲むことが可能な大きさ寸法の筒状を呈する。また、筒状部分53は、固定筒31に等しい外径寸法とされている(図2および図9参照)。内縁突起部分54は、筒状部分53の一方の開放端から、軸線方向に直交する方向に沿って内側に突出されて形成されており、当該開放端の全周に渡って設けられている。この内縁突起部分54は、後述するように前端部52の取り付け箇所を形成するとともに、各爪部分55や端子取付部分56を設ける箇所となる。
【0035】
その3つの爪部分55は、筒状部分53の軸線を中心とする回転方向で見て互いに等しい間隔で設けられており、固定筒31に設けられた鏡胴側連結部35の3つの連結箇所35bに対応する位置関係とされている。各爪部分55は、筒状部分53の他方の開放端(レンズ鏡胴13への装着状態において筐体11側)から、径方向(軸線を中心とする放射方向)に沿って内側に突出され、軸線を中心とする回転方向に沿って湾曲されて形成されている。この各爪部分55では、軸線を中心とする回転方向でみた一方の端部に、軸線方向に沿って内縁突起部分54側へ向けて延びるとともに、その内縁突起部分54に連続された縦壁箇所55aが設けられている。この3つの爪部分55は、レンズ鏡胴13(デジタルカメラ10)とレンズキャップ50との撮影光軸OA方向への相対的な接近により、固定筒31の鏡胴側連結部35の3つの連結箇所35bの開放部分35dから挿入可能であり、レンズ鏡胴13(デジタルカメラ10)とレンズキャップ50との相対的な回転により、その連結箇所35bの爪部分35cへと引っ掛かる所謂バヨネット式の装着機構の他方を構成している。また、各爪部分55の縦壁箇所55aは、レンズ鏡胴13(デジタルカメラ10)とレンズキャップ50との相対的な回転の限界位置を規定する。この3つの爪部分55のうちの2つの中間位置に、端子取付部分56が設けられている。
【0036】
その端子取付部分56は、鏡胴側連結部35に設けられた装着検知部40へと接触することにより、その装着検知部40(制御部21)での電気的な接続が為された旨の判断を行うものであり、レンズキャップ50(その装着部)がレンズ鏡胴13の収納部(固定筒31)に装着されたことの検出する検出部を構成する。端子取付部分56は、固定筒31に設けられた鏡胴側連結部35の装着検知部40(その3つの端子(41、42、43))に対応する位置関係に設けられている。この端子取付部分56は、筒状部分53の周壁を径方向の内側へと部分的に増大させる柱状を呈し、内縁突起部分54から軸線方向に向けて筒状部分53の他方の開放端に至るものとされている。端子取付部分56では、筒状部分53の他方の開放端と同一平面となる先端面から突出されて第1端子57と第2端子58とが設けられている。この第1端子57と第2端子58とは、筒状部分53の軸線を中心とする回転方向に等間隔で並んで設けられている。本実施例では、3つの連結箇所35b(その爪部分35c)と3つの爪部分55との引っ掛かりにより鏡胴側連結部35とキャップ側連結部51とが適切に連結された状態において、第1端子57が装着検知部40の第1端子41に撮影光軸OA方向で対向して接触し、第2端子58が装着検知部40の第2端子42に撮影光軸OA方向で対向して接触する位置関係とされている。このため、本実施例では、第1端子57と第2端子58とは、一方が第1接点として機能するとともに他方が第2接点として機能し、双方でレンズキャップ側接点として機能する。また、本実施例では、収納部側接点としての第1端子41と第2端子42とは、一方が第3接点として機能するとともに他方が第4接点として機能する。
【0037】
端子取付部分56では、図8に示すように、2つの装着穴56aが設けられ、その一方に第1端子57が配置され、他方に第2端子58が配置されている。各装着穴56aは、端子取付部分56が筒状部分53の軸線方向に貫通されて形成され、その一端が前端部52により塞がれている。この各装着穴56aでは、前端部52により塞がれる一端側が大径部56bとされ、そこに連続する他端側が大径部56bよりも小さな内径寸法の小径部56cとされて、その径寸法の差異により段差部56dが形成されている。この各装着穴56aに第1端子57および第2端子58が配置されている。この第1端子57と第2端子58とは、互いに等しい形状とされていることから、以下では、基本的に第1端子57を用いて説明する。
【0038】
この第1端子57(第2端子58)は、導電性を有する金属材料から形成されて、突出部57a(58a)と、フランジ部57b(58b)と、固定部57c(58c)と、を有する。突出部57aは、装着穴56aの小径部56cに通すことが可能な外径寸法とされており、その突出端が球面状とされている。フランジ部57bは、装着穴56aの大径部56bに通すことが可能であって、装着穴56aの小径部56cに通すことのできない外径寸法とされている。固定部57cは、後述するコイルスプリング59の内方に通すことが可能であって、フランジ部57bよりも小さな外径寸法とされている。この第1端子57(第2端子58)は、一端側から装着穴56a内に挿入されて、突出部57a(58a)が小径部56cに挿通されて設けられている。第1端子57(第2端子58)は、一端が前端部52に固定されたコイルスプリング59により、固定部57c(58c)が支持されて装着穴56a内に設けられている。そのコイルスプリング59は、導電性を有する金属材料から形成されており、装着穴56aの大径部56b内に通すことが可能な外径寸法とされて、第1端子57(第2端子58)の固定部57c(58c)を受け入れることが可能であってフランジ部57bを受け入れることのできない内径寸法とされている。
【0039】
このため、第1端子57(第2端子58)は、装着穴56aの大径部56b内において、フランジ部57bがコイルスプリング59により小径部56c側(他端側)へ向けて押され、そのフランジ部57bが装着穴56aの段差部56dに押し当てられることにより、他端側への移動が制限されて設けられている。このとき、第1端子57(第2端子58)では、フランジ部57b(58b)にコイルスプリング59の他端が接触するとともに内方に通された固定部57c(58c)にコイルスプリング59の他端部が接触していることから、コイルスプリング59と導通(電気的に接続)されている。なお、本実施例では、第1端子57および第2端子58と前端部52とをコイルスプリング59により固定するものとしているが、導電性を有する材料で構成されているものであれば、他の構造であって同様な方向に押す力を付与する弾性部材や、双方を単に掛け渡す部材であってもよく、本実施例に限定されるものではない。
【0040】
レンズキャップ50では、図6および図7に示すように、このように構成されたキャップ側連結部51に、前端部52が取り付けられている。この前端部52は、キャップ側連結部51の外径寸法に等しい外径寸法の円板状を呈し、筒状部分53の一方の開放端を塞ぎつつ内縁突起部分54に固定されている。このため、前端部52は、後述するように、装着部としてのキャップ側連結部51が鏡胴側連結部35と適切に連結されて、レンズキャップ50がレンズ鏡胴13(その収納部(固定筒31))に適切に装着された際、撮影光学系12の対物レンズ34を覆うことができる。その前端部52は、本実施例では、導電性を有する金属材料から形成されている。このため、一端が固定された2つのコイルスプリング59(図8参照)を導通(電気的に接続)することができるので、一方のコイルスプリング59が支持する第1端子57と、他方のコイルスプリング59が支持する第2端子58と、を導通(電気的に接続)することができる。
【0041】
また、この前端部52では、キャップ側連結部51が取り付けられる側の内側面に凹所52aが設けられている。この凹所52aは、レンズ鏡胴13の固定筒31もしくは可動筒(回転筒32および直進筒33)の先端面から突出して設けられる装飾部分が前端部52と干渉することを防止するためのものである。凹所52aは、本実施例では、レンズ鏡胴13の直進筒33の先端面に設けられた装飾部分33a(図1参照)に対応して設けられている。凹所52aは、前端部52(筒状部分53)の軸線から見て装飾部分33aが設けられた半径位置において、当該軸線を中心とする回転方向に沿って湾曲して設けられている。この凹所52aは、径方向で見て装飾部分33aよりも大きい大きさ寸法とされている(図9参照)とともに、軸線を中心とする回転方向で見て鏡胴側連結部35とキャップ側連結部51との連結のための相対的な回転に伴い相対的に変化する装飾部分33aの位置に拘らず当該装飾部分33aとの干渉を防止することのできる大きさ寸法とされている。また、凹所52aは、直進筒33の先端面からの装飾部分33aの突出量よりも大きな深さ寸法とされている。
【0042】
このレンズキャップ50は、次のようにデジタルカメラ10のレンズ鏡胴13に装着することができる。先ず、所定の収納位置(図4(a)参照)とされたレンズ鏡胴13の先端面に対して、被写体側から撮影光軸OA方向にレンズキャップ50を移動させて接近させ、キャップ側連結部51の各爪部分55を、固定筒31の鏡胴側連結部35の対応する連結箇所35bの開放部分35dへと進行させつつ、キャップ側連結部51の筒状部分53を鏡胴側連結部35の環状凹所35aへと宛がう。その後、レンズ鏡胴13(デジタルカメラ10)とレンズキャップ50とを相対的に回転させて、各爪部分55を対応する連結箇所35bの爪部分35cの内方へと進入させる。すると、各爪部分55が対応する爪部分35cに引っ掛かることにより、鏡胴側連結部35とキャップ側連結部51とが適切に連結される(図9参照)。これにより、レンズキャップ50は、レンズ鏡胴13(その収納部(固定筒31))に適切に装着される(図2参照)。このため、キャップ側連結部51は、可動筒(回転筒32および直進筒33)が収納部(固定筒31)に収納された状態において、その収納部への装着するための装着部として機能する。
【0043】
このとき、レンズキャップ50では、被写体側となる前端部にレンズ鏡胴13(固定筒31および可動筒(回転筒32および直進筒33))の先端面に沿って前端部52が存在する(図9参照)とともに、そのレンズ鏡胴13の固定筒31(その外周面)を取り巻いてキャップ側連結部51が存在している(図2参照)。また、固定筒31に設けられた装着検知部40の第1端子41には、レンズキャップ50に設けられた端子取付部分56の第1端子57(その突出部57a)が接触され(図9参照)、装着検知部40の第2端子42には、端子取付部分56の第2端子58(その突出部58a)が接触される。これにより、装着検知部40の第1端子41と第2端子42とは、第1端子57、それを支持するコイルスプリング59、その一端が固定された前端部52、そこに一端が固定された他方のコイルスプリング59、およびそれに支持された第2端子58を経て、導通される。
【0044】
次に、本実施例のレンズキャップ50とデジタルカメラ10とを備える撮像装置システムにおけるレンズキャップ50のレンズ鏡胴13(デジタルカメラ10)への装着の有無の検出および装着を検出した際の報知(検出報知)の動作について説明する。図10は、デジタルカメラ10の動作を統括的に制御する制御部21における検出報知の制御処理の内容の一例を示すフローチャートである。以下、この検出報知のための制御部21における制御処理の一例である図10のフローチャートの各ステップについて説明する。このフローチャートは、デジタルカメラ10の電源ボタン14(図1等参照)がOFF状態とされ、レンズ鏡胴13が所定の収納位置(図4(a)参照)とされてデジタルカメラ10が駆動停止されている状態で実行される。すなわち、制御部21が、電源ボタン14の状態の変化を検知することにより電源ボタン14がOFF状態とされたことを認識して(停止検知工程)、レンズ鏡胴駆動ユニット23を適宜駆動制御することにより、固定筒31内で回転筒32を回転させて、回転筒32および直進筒33を所定の沈胴位置(収納状態(図4(a)参照))へと移行するとともに、デジタルカメラ10を駆動停止した(停止工程)状態で実行される。
【0045】
ステップS1では、キースキャンのタイミングとなったか否かを判断し、Yesの場合はステップS2へ進み、Noの場合はステップS1を繰り返す。このステップS1では、制御部21において、予め設定されたキースキャンのタイミングとなったか否かを判断する。このキースキャンとは、デジタルカメラ10の電源ボタン14がOFF状態とされている際、電源ボタン14がON状態とされたことを認識すべく電源ボタン14の状態の変化を検知することをいい、そのタイミングとは、所定の時間間隔をおいて電源ボタン14の状態の変化の検知を実行する時期をいう。このキースキャンのタイミングは、制御部21に設けられた記憶部21a(図3参照)に格納され、その制御部21により適宜取得される。
【0046】
ステップS2では、ステップS1でキースキャンのタイミングとなったとの判断に続き、装着検知部40からの出力信号を読み込んで、ステップS3へ進む。このステップS2では、装着検知部40からの出力信号を読み込む、すなわち第1検出端子In1および第2検出端子In2(図5参照)への出力信号をそれぞれ取得する。このため、ステップS2は、2つの収納部側接点である第1端子41と第2端子42とが導通されていることを検知する導通検知工程となる。
【0047】
ステップS3では、ステップS2での装着検知部40からの出力信号の読み込みに続き、電源ボタン14の状態を読み込んで、ステップS4へ進む。このステップS3では、電源ボタン14の状態(OFF状態またはON状態)を取得する。このため、ステップS3は、起動操作が為されたことを検知する起動検知工程となる。
【0048】
ステップS4では、ステップS3での電源ボタン14の状態の読み込みに続き、電源ボタン14がON状態とされたか否かを判断し、Yesの場合はステップS5へ進み、Noの場合はステップS1へと戻る。本実施例では、電源ボタン14がON状態とされると、撮影光学系12(後述する可動筒)を固定筒31(収納部)から繰り出す要求があったものとしていることから、このステップS4は繰り出し要求が為されたか否かを判断している。
【0049】
ステップS5では、ステップS4での電源ボタン14がON状態とされたとの判断に続き、レンズ鏡胴13にレンズキャップ50が装着されているか否かを判断し、Yesの場合はステップS7へ進み、Noの場合はステップS6へ進む。このステップS5では、ステップS2で読み込んだ装着検知部40からの出力信号、すなわち第1検出端子In1および第2検出端子In2への出力信号の組み合わせから、レンズキャップ50が装着されているか否かを判断する。ここで、本実施例では、鏡胴側連結部35とキャップ側連結部51とが適切に連結されると(図9参照)、装着検知部40の第1端子41と第2端子42とがレンズキャップ50の端子取付部分56により導通されることから、第1検出端子In1にL信号が出力されるとともに第2検出端子In2にH信号が出力されると、レンズキャップ50が装着されているものと判断し、それ以外の組み合わせではレンズキャップ50が装着されていないものと判断する。このステップS5では、ステップS4においてデジタルカメラ10の電源ボタン14がON状態とされたことから、レンズキャップ50を考慮してデジタルカメラ10を起動しても問題ないか否かを判断している。
【0050】
ステップS6では、ステップS5でのレンズキャップ50が装着されていないとの判断に続き、デジタルカメラ10の起動処理を行い、このフローチャートを終了する。このステップS6では、レンズキャップ50が装着されていないことから、デジタルカメラ10を起動しても問題ないので、撮影光学系12を撮影可能な状態とすべくレンズ鏡胴13を撮影待機位置とする制御を実行する。このとき、レンズ鏡胴駆動ユニット23(図2参照)を駆動制御することにより、レンズ鏡胴13において、可動筒(回転筒32および直進筒33)を固定筒31内の沈胴位置(図4(a)参照)から前方側(物体側)の撮影待機位置(図4(b)参照)へと移動させる。これにより、撮影光学系12すなわちデジタルカメラ10では、撮影動作の実行が可能な状態となる。このとき、表示部24(図2参照)には、制御部21の制御下で取得した画像が表示され、モニタリング状態となる。
【0051】
ステップS7では、ステップS5でのレンズキャップ50が装着されているとの判断に続き、装着状態である旨の報知を行い、ステップS1へと戻る。このステップS7では、レンズキャップ50が装着されていることから、デジタルカメラ10を起動すると問題があるので、撮影光学系12を撮影可能な状態とすることなくすなわちレンズ鏡胴13において収納部(固定筒31)から可動筒(回転筒32および直進筒33)を繰り出させることなく、レンズキャップ50が装着されている旨の報知を行う。本実施例では、図11に示すように、表示部24に、装着状態である旨の文章を表示させる(警告表示)ことにより、装着状態である旨の報知を行う。また、本実施例では、表示部24での装着状態である旨の表示(警告表示)を数秒間行った後、その表示を停止して、デジタルカメラ10を駆動停止の状態とする。この後、ステップS1へと戻り、再び検出報知の動作を繰り返すこととなる。
【0052】
このレンズキャップ50とデジタルカメラ10とを備える撮像装置システムでは、デジタルカメラ10の停止状態である場合、図10のフローチャートにおいてステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進むことにより、レンズ鏡胴13にレンズキャップ50が装着されたか否か(収納部側接点とレンズキャップ側接点とが接続されたか否か)の検出(判断)と、電源ボタン14がON状態とされたか否かの検出(判断)と、を定期的に行う。この電源ボタン14がON状態とされたか否かの検出(判断)は、上述したように、繰り出し要求が為されたか否かを検出(判断)していることとなる。その定期的な検出のうちの直近の検出結果により、電源ボタン14がON状態とされたか否かが判断され、電源ボタン14がON状態とされるとステップS5へと進み、電源ボタン14がOFF状態であるとステップS1へ戻って電源ボタン14がON状態とされるまで電源ボタン14の変化の検知を続ける。このことから、上記撮像装置システムにおいて、図10のフローチャートにおけるステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4が、検出工程となる。
【0053】
ここで、電源ボタン14がON状態とされた場合であって、上記した直近の検出結果に基づきレンズ鏡胴13にレンズキャップ50が装着されていないと、ステップS4→ステップS5→ステップS6へと進むことにより、レンズ鏡胴13が撮影待機位置(図4(b)参照)とされて、デジタルカメラ10では撮影動作の実行が可能な状態となる。このことから、上記撮像装置システムにおいて、図10のフローチャートにおけるステップS4→ステップS5→ステップS6が、起動工程となる。
【0054】
また、電源ボタン14がON状態とされた場合であって、上記した直近の検出結果に基づきレンズ鏡胴13にレンズキャップ50が装着されていると、ステップS4→ステップS5→ステップS7へと進むことにより、レンズ鏡胴13が沈胴位置(図4(a)参照)のまま駆動されることなく、表示部24で装着状態である旨の表示(警告表示)を行い、デジタルカメラ10が停止状態で維持される。このことから、上記撮像装置システムにおいて、図10のフローチャートにおけるステップS4→ステップS5→ステップS7が、報知工程となる。
【0055】
本実施例のレンズキャップ50では、レンズ鏡胴13(デジタルカメラ10)に装着されると、検出部としての端子取付部分56が装着検知部40に接触することにより、その装着検知部40での電気的な接続が為された旨の判断を行うことから、デジタルカメラ10の制御部21に装着検知部40での電気的な接続の有無を判断させることにより、レンズキャップ50の装着の有無を判断させることができる。このため、制御部21において、レンズキャップ50が装着されていることを認識した際に装着状態である旨の報知を行うことにより、使用者にレンズキャップ50を装着したままであることを認識させることができるので、可動筒の繰り出し操作の中止を促すことができ、可動筒(回転筒32および直進筒33)に傷をつけてしまったりレンズ鏡胴13における駆動部分(各カムの構成やレンズ鏡胴駆動ユニット23)に負荷をかけてしまったりすることを防止することができる。また、制御部21において、レンズキャップ50が装着されていることを認識した際に可動筒の繰り出し操作の実行を行わないものとすることにより、可動筒(回転筒32および直進筒33)に傷をつけてしまったりレンズ鏡胴13における駆動部分(各カムの構成やレンズ鏡胴駆動ユニット23)に負荷をかけてしまったりすることを防止することができる。
【0056】
また、本実施例のレンズキャップ50では、検出部としての端子取付部分56において、鏡胴側連結部35とキャップ側連結部51とが適切に連結されると固定筒31に設けられた装着検知部40の第1端子41に接触する第1端子57とその装着検知部40の第2端子42に接触する第2端子58とが設けられているとともに、その第1端子57と第2端子58とが互いに導通されていることから、デジタルカメラ10の制御部21に装着検知部40における第1端子41と第2端子42とが導通(短絡)されたか否かを判断させることにより、レンズキャップ50の装着の有無を判断させることができる。このため、装着検知部40における回路構成を簡易なものとしつつレンズキャップ50の装着の有無の判断を行うことができる。
【0057】
さらに、本実施例のレンズキャップ50では、検出部としての端子取付部分56において、鏡胴側連結部35とキャップ側連結部51とが適切に連結されると固定筒31に設けられた装着検知部40の第1端子41に接触する第1端子57とその装着検知部40の第2端子42に接触する第2端子58とが設けられているとともに、その第1端子57と第2端子58とが互いに導通されていることから、電源等を設けることなくかつ極めて簡易な構成で、デジタルカメラ10の制御部21でのレンズキャップ50の装着の有無を判断することができる。
【0058】
本実施例のレンズキャップ50では、キャップ側連結部51の内縁突起部分54に固定された導電性を有する前端部52により、端子取付部分56における第1端子57と第2端子58とを互いに導通させるものであることから、その導通のためだけに新たな構成を設けることなく、簡易な構成とすることができる。
【0059】
本実施例のレンズキャップ50では、端子取付部分56において、第1端子57および第2端子58がコイルスプリング59により他端側へ向けて押されているとともに、その両コイルスプリング59が前端部52に固定されていることから、鏡胴側連結部35とキャップ側連結部51とが適切に連結された状態において、第1端子57を装着検知部40の第1端子41により確実に接触させることができるとともに第2端子58を装着検知部40の第2端子42により確実に接触させることができる。
【0060】
本実施例のレンズキャップ50では、キャップ側連結部51がデジタルカメラ10の固定筒31の鏡胴側連結部35と協働してバヨネット式の装着機構を構成するものであることから、鏡胴側連結部35との連結およびその解除を簡易なものとすることができる。
【0061】
本実施例のレンズキャップ50では、端子取付部分56において第1端子57および第2端子58がコイルスプリング59により他端側へ向けて押されているとともに、キャップ側連結部51がデジタルカメラ10の固定筒31の鏡胴側連結部35と協働してバヨネット式の装着機構を構成するものであることから、レンズ鏡胴13(デジタルカメラ10)への装着および分離のために当該レンズ鏡胴13に対する回転を第1端子57および第2端子58が阻害することを防止しつつ、第1端子57および第2端子58が装着検知部40の第1端子41もしくは第2端子42により確実に接触させることができる。加えて、本実施例では、第1端子57および第2端子58の突出部57a(58a)の突出端が球面状とされていることから、レンズ鏡胴13に対する回転が阻害されることをより確実に防止することができる。
【0062】
本実施例のレンズキャップ50では、前端部52に凹所52aが設けられていることから、レンズ鏡胴13(デジタルカメラ10)への装着および分離の際にレンズ鏡胴13の固定筒31もしくは可動筒(回転筒32および直進筒33)の先端面から突出して装飾部分(本実施例では装飾部分33a)が設けられている場合であっても、その装飾部分に傷をつけてしまうことをより確実に防止することができるとともに、前端部52に傷がついてしまうことをより確実に防止することができる。
【0063】
本実施例のレンズキャップ50では、前端部52には直進筒33の先端面からの装飾部分33aの突出量よりも大きな深さ寸法の凹所52aが設けられていることから、例え装着検知部40が設けられていない、もしくは制御部21においてレンズキャップ50が装着されていることを認識する機能が設けられていないデジタルカメラ10のレンズ鏡胴13に装着した状態でその可動筒が繰り出された場合であっても、装飾部分33aと前端部52との接触を防止することができるので、より目立ち易い装飾部分33aに傷が付くことを防止することができる。
【0064】
本実施例のレンズキャップ50では、レンズ鏡胴13に装着された状態においてデジタルカメラ10において正面視される際の前側(被写体側)となる端部となる前端部52が金属材料により形成されているので、高級な印象を与えることができる。このため、レンズキャップ50は、デジタルカメラ10の外観の印象を向上させるための高い装飾機能を併せ持つこととなる。このように前端部52が金属材料で形成されている場合、可動筒(回転筒32および直進筒33)と接触すると、その可動筒に傷をつけてしまったりレンズ鏡胴13における駆動部分(各カムの構成やレンズ鏡胴駆動ユニット23)に負荷をかけてしまったりする可能性が高くなることから、上記した端子取付部分56や凹所52aが設けられていることによる各作用をより効果的に得ることができる。
【0065】
本実施例のレンズキャップ50とデジタルカメラ10とを備える撮像装置システムでは、レンズキャップ50がレンズ鏡胴13(デジタルカメラ10)に装着されると、検出部としての端子取付部分56が装着検知部40に接触して、デジタルカメラ10の制御部21が装着検知部40での電気的な接続が為された旨を判断することができるので、レンズキャップ50の装着の有無を制御部21で判断することができる。このため、制御部21において、レンズキャップ50が装着されていることを認識した際に装着状態である旨の報知を行うことにより、使用者にレンズキャップ50を装着したままであることを認識させることができるので、可動筒の繰り出し操作の中止を促すことができ、可動筒(回転筒32および直進筒33)に傷をつけてしまったりレンズ鏡胴13における駆動部分(各カムの構成やレンズ鏡胴駆動ユニット23)に負荷をかけてしまったりすることを防止することができる。また、制御部21において、レンズキャップ50が装着されていることを認識した際に可動筒の繰り出し操作の実行を行わないものとすることにより、可動筒(回転筒32および直進筒33)に傷をつけてしまったりレンズ鏡胴13における駆動部分(各カムの構成やレンズ鏡胴駆動ユニット23)に負荷をかけてしまったりすることを防止することができる。
【0066】
本実施例のレンズキャップ50とデジタルカメラ10とを備える撮像装置システムでは、鏡胴側連結部35とキャップ側連結部51とが適切に連結されると、レンズキャップ50の検出部としての端子取付部分56の第1端子57と固定筒31に設けられた装着検知部40の第1端子41とが接触するとともに、端子取付部分56の第2端子58と装着検知部40の第2端子42とが接触するものであって、レンズキャップ50において第1端子57と第2端子58とが互いに導通され、デジタルカメラ10の制御部21に装着検知部40における第1端子41と第2端子42とが導通(短絡)されたか否かを判断することでレンズキャップ50の装着の有無を判断するものであることから、装着検知部40における回路構成を簡易なものとしつつレンズキャップ50の装着の有無を判断することができる。
【0067】
本実施例のレンズキャップ50とデジタルカメラ10とを備える撮像装置システムでは、レンズキャップ50の検出部としての端子取付部分56において、鏡胴側連結部35とキャップ側連結部51とが適切に連結されると固定筒31の装着検知部40の第1端子41に接触する第1端子57とその装着検知部40の第2端子42に接触する第2端子58とが設けられているとともに、その第1端子57と第2端子58とが互いに導通されていることから、装着検知部40において第1端子41と第2端子42とが短絡されたか否かを判断させる構成とするだけで良いので、レンズキャップ50を電源等を設けることのない極めて簡易な構成とすることができるとともに、装着検知部40を極めて簡易な構成とすることができる。
【0068】
本実施例のレンズキャップ50とデジタルカメラ10とを備える撮像装置システムでは、制御部21が、レンズキャップ50が装着されていることを認識すると、装着状態である旨の報知を行うことから、使用者にレンズキャップ50を装着したままであることを認識させることができるので、可動筒の繰り出し操作の中止を促すことができ、可動筒(回転筒32および直進筒33)に傷をつけてしまったりレンズ鏡胴13における駆動部分(各カムの構成やレンズ鏡胴駆動ユニット23)に負荷をかけてしまったりすることを防止することができる。
【0069】
本実施例のレンズキャップ50とデジタルカメラ10とを備える撮像装置システムでは、制御部21が、レンズキャップ50が装着されていることを認識すると、表示部24に装着状態である旨の文章を表示(警告表示)させることから、デジタルカメラ10で撮影を行うべく表示部24を見た使用者にレンズキャップ50を装着したままであることをより確実に認識させることができる。
【0070】
本実施例のレンズキャップ50とデジタルカメラ10とを備える撮像装置システムでは、制御部21が、レンズキャップ50が装着されていることを認識すると、表示部24に装着状態である旨の文章を表示(警告表示)させるとともに、その表示を数秒間行った後に当該表示を停止することから、電力消費量を抑制しつつレンズ鏡胴13およびレンズキャップ50を保護することができる。
【0071】
本実施例のレンズキャップ50とデジタルカメラ10とを備える撮像装置システムでは、制御部21が、レンズキャップ50が装着されていることを認識すると、レンズ鏡胴13において固定筒31から可動筒(回転筒32および直進筒33)を繰り出させることを実行しないので、可動筒(回転筒32および直進筒33)に傷をつけてしまったりレンズ鏡胴13における駆動部分(各カムの構成やレンズ鏡胴駆動ユニット23)に負荷をかけてしまったりすることを確実に防止することができる。
【0072】
本実施例のレンズキャップ50とデジタルカメラ10とを備える撮像装置システムでは、制御部21が、レンズキャップ50が装着されていることを認識すると、レンズ鏡胴13において固定筒31から可動筒(回転筒32および直進筒33)を繰り出させることを実行することなくレンズキャップ50が装着状態である旨の報知を行うことから、可動筒(回転筒32および直進筒33)に傷をつけてしまったりレンズ鏡胴13における駆動部分(各カムの構成やレンズ鏡胴駆動ユニット23)に負荷をかけてしまったりすることを確実に防止しつつ使用者が違和感を覚えることを防止することができる。
【0073】
本実施例のレンズキャップ50とデジタルカメラ10とを備える撮像装置システムでは、キャップ側連結部51と鏡胴側連結部35とがバヨネット式の装着機構を構成するものであることから、キャップ側連結部51と鏡胴側連結部35との連結およびその解除、すなわちレンズキャップ50のレンズ鏡胴13(デジタルカメラ10)への装着および分離を簡易なものとすることができる。
【0074】
したがって、本実施例のレンズキャップ50では、レンズ鏡胴13に装着された状態でその可動筒(回転筒32および直進筒33)を繰り出すための操作が為された場合であっても、その可動筒に傷をつけてしまったりレンズ鏡胴13における駆動部分(各カムの構成やレンズ鏡胴駆動ユニット23)に負荷をかけてしまったりすることを防止することができる。
【0075】
なお、上記した実施例では、制御部21における検出報知の制御処理(図10参照)において、デジタルカメラ10が駆動停止されている状態で定期的に装着検知部40からの出力信号を読み込む構成とされていたが、繰り出し要求が為された(実施例では、電源ボタン14がON状態とされた)ことを検知してから、撮影光学系12(可動筒(回転筒32および直進筒33))を固定筒31(収納部)から繰り出す動作を開始する際に、レンズキャップ50が装着されているか否かの判断を行う構成としてもよく、上記した実施例に限定されるものではない。例えば、デジタルカメラ10が再生モードで起動した後に、撮影モードに切り替えられたことを検知した場合に、装着検知部40を駆動してその第1端子41と第2端子42とが導通されているか否かを判断する構成とする。
【0076】
また、上記した実施例では、制御部21における検出報知の制御処理(図10参照)において、定期的に装着検知部40からの出力信号を読み込む構成とされていたが、繰り出し要求が為されたことを検知してから、撮影光学系12(可動筒(回転筒32および直進筒33))を固定筒31(収納部)から繰り出す動作を開始する際に、レンズキャップ50が装着されているか否かの判断を行うものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。この一例について、以下で、制御部21における検出報知の制御処理の他の形態を変形例として説明する。なお、以下の変形例は、本発明に係るレンズキャップ、撮像装置および撮像装置システムの他の形態を説明するものであることから、基本的な構成としては上記した実施例のレンズキャップ50、デジタルカメラ10およびそれらを備える撮像装置システムを用いて説明を行い、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0077】
[変形例]
図12は、デジタルカメラ10の動作を統括的に制御する制御部21における検出報知の制御処理の内容の他の例を示すフローチャートである。以下、この検出報知のための制御部21における制御処理の他の例である図12のフローチャートの各ステップについて説明する。このフローチャートは、レンズ鏡胴13が所定の収納位置(図4(a)参照)とされている状態で実行される。すなわち、制御部21が、繰り入れ要求を検知することにより、レンズ鏡胴駆動ユニット23を適宜駆動制御し、固定筒31内で回転筒32を回転させて、回転筒32および直進筒33を所定の沈胴位置(収納状態(図4(a)参照))へと移行させた状態で実行される。その繰り入れ要求は、上記した実施例のように電源ボタン14をOFF状態としたり、再生モードや動作を設定するモード等の撮影モード以外の動作モードへの切替を行うことにより発生し、モード切替ダイアル16または操作スイッチ17における1つの操作態様として設定すればよい。
【0078】
ステップS11では、キースキャンのタイミングとなったか否かを判断し、Yesの場合はステップS12へ進み、Noの場合はステップS11を繰り返す。このステップS11は、基本的に図10のフローチャートのステップS1と同様であり、後述する繰り出し要求が為されることを、所定の時間間隔をおいて検知する。
【0079】
ステップS12では、ステップS11でキースキャンのタイミングとなったとの判断に続き、繰り出し要求としての出力信号を読み込んで、ステップS13へ進む。このステップS12では、繰り出し要求として設定された操作が実行されたことを示す出力信号を取得する。この繰り出し要求として設定された操作は、例えば、上記した実施例のように電源ボタン14をON状態とすることや、デジタルカメラ10を撮影モード以外の動作モードで起動させた後に撮影モードへ切替ることである。このため、ステップS12は、繰り出し要求検知工程となる。
【0080】
ステップS13では、ステップS12での繰り出し要求としての出力信号の読み込みに続き、繰り出し要求としての操作がなされたか否かを判断し、Yesの場合はステップS14へ進み、Noの場合はステップS11へと戻る。
【0081】
ステップS14では、ステップS13での繰り出し要求としての操作がなされたとの判断に続き、装着検知部40からの出力信号を読み込んで、ステップS15へ進む。このステップS14は、図10のフローチャートのステップS2と同様であり、導通検知工程となる。
【0082】
ステップS15では、ステップS14での装着検知部40からの出力信号の読み込みに続き、レンズ鏡胴13にレンズキャップ50が装着されているか否かを判断し、Yesの場合はステップS17へ進み、Noの場合はステップS16へ進む。このステップS15では、ステップS14で読み込んだ装着検知部40からの出力信号、すなわち第1検出端子In1および第2検出端子In2への出力信号の組み合わせから、レンズキャップ50が装着されているか否かを判断する。この装着の有無の判断の態様は、上記した実施例と同様である。このステップS15では、ステップS13において繰り出し要求としての操作がなされたことから、レンズキャップ50を考慮して撮影光学系12(可動筒(回転筒32および直進筒33))を固定筒31(収納部)から繰り出しても問題ないか否かを判断している。
【0083】
ステップS16では、ステップS15でのレンズキャップ50が装着されていないとの判断に続き、デジタルカメラ10の起動処理を行い、このフローチャートを終了する。このステップS16は、図10のフローチャートのステップS6と同様である。
【0084】
ステップS17では、ステップS15でのレンズキャップ50が装着されているとの判断に続き、装着状態である旨の報知を行い、ステップS11へと戻る。このステップS17は、図10のフローチャートのステップS7と同様であり、レンズ鏡胴13において収納部(固定筒31)から可動筒(回転筒32および直進筒33)を繰り出させることなく、レンズキャップ50が装着されている旨の報知を行う。この変形例でも、図11に示すように、表示部24に、装着状態である旨の文章を表示させる(警告表示)ことにより、装着状態である旨の報知を行う。また、この変形例でも、表示部24での装着状態である旨の表示(警告表示)を数秒間行った後、その表示を停止して、デジタルカメラ10を駆動停止の状態とする。この後、ステップS11へと戻り、再び検出報知の動作を繰り返すこととなる。
【0085】
これにより、この変形例の検出報知の制御処理(図12参照)では、レンズ鏡胴13に装着された状態でその可動筒(回転筒32および直進筒33)を繰り出すための操作が為された場合であっても、その可動筒に傷をつけてしまったりレンズ鏡胴13における駆動部分(各カムの構成やレンズ鏡胴駆動ユニット23)に負荷をかけてしまったりすることを防止することができる。
【0086】
なお、上記した実施例(変形例も含む)では、本発明に係るレンズキャップの一例としてのレンズキャップ50について説明したが、光軸方向にレンズを移動させる可動筒と、該可動筒を収納する収納部と、を備えたレンズ鏡胴に装着されるレンズキャップであって、前記可動筒が前記収納部に収納された状態における該収納部へ装着するための装着部と、前記収納部に装着されたことを検出する検出部と、を備えるレンズキャップであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
【0087】
また、上記した実施例(変形例も含む)では、表示部24に装着状態である旨の文章を表示(警告表示)させることにより装着状態である旨の報知を行うものとされていたが、使用者に装着状態である旨を認識させることができるものであれば、例えば、ランプの点灯による報知であってもよく、音による報知であってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。また、表示部24における表示の態様は、使用者に装着状態である旨を認識させることができるものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
【0088】
さらに、上記した実施例(変形例も含む)では、キャップ側連結部51の内縁突起部分54に固定された前端部52が導電性を有する金属材料により形成されていたが、端子取付部分56の第1端子57と第2端子58とを互いに導通させる観点からは導電性を有する材料であればよく、上記した実施例に限定されるものではない。加えて、端子取付部分56の第1端子57と第2端子58とを、例えば電線を掛け渡すことにより互いに導通させる構成とすれば、導電性を有さない材料であってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
【0089】
上記した実施例(変形例も含む)では、レンズキャップ50のキャップ側連結部51と、レンズ鏡胴13の鏡胴側連結部35と、がバヨネット式の装着機構を構成するものとされていたが、レンズキャップ50のレンズ鏡胴13(デジタルカメラ10)への装着および分離を可能とすべくキャップ側連結部と鏡胴側連結部との連結およびその解除を可能とするものであれば、例えば、弾性部材から押されつつ移動自在とされた突起を穴に嵌め込む構成や、筒状箇所の内方に円柱状箇所を嵌め入れる構成であってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
【0090】
上記した実施例(変形例も含む)では、表示部24に装着状態である旨の文章を表示(警告表示)させることにより装着状態である旨の報知を数秒間行った後、その表示を停止する構成とされていたが、何らかの操作が為されるまで装着状態である旨の報知を継続するものであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
【0091】
上記した実施例では、制御部21における検出報知の制御処理(図10参照)において、導通検知工程を行った後に起動検知工程を行っていたが、電源ボタン14がON状態とされたことを検知してからデジタルカメラ10を起動させるまでの間にレンズキャップ50が装着されているか否かの判断を行うものであれば、順番は逆であってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
【0092】
上記した実施例(変形例も含む)では、装着検知部40が電気的な接続の4通りの状態を検知する構成とされていたが、レンズキャップ50の検出部(端子取付部分56)が接触されることにより、電気的な接続が為された旨を判断するものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。
【0093】
以上、本発明のレンズキャップ、そのレンズキャップが装着される撮像装置、およびそのレンズキャップと撮像装置とを備える撮像装置システムを実施例(変形例も含む)に基づき説明してきたが、具体的な構成については実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【符号の説明】
【0094】
10 (撮像装置の一例としての)デジタルカメラ
13 レンズ鏡胴
21 制御部
31 固定筒
32 (可動筒の一例としての)回転筒
33 (可動筒の一例としての)直進筒
35 鏡胴側連結部
40 装着検知部
41 (収納部側接点の一例としての)第1端子
42 (収納部側接点の一例としての)第2端子
43 (収納部側接点の一例としての)第3端子
50 レンズキャップ
51 (装着部の一例としての)キャップ側連結部
52 保護本体部
56 (検出部の一例としての)端子取付部分
57 (レンズキャップ側接点の一例としての)第1端子
58 (レンズキャップ側接点の一例としての)第2端子
OA (光軸の一例としての)撮影光軸
【先行技術文献】
【特許文献】
【0095】
【特許文献1】特開平04−128729号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸方向にレンズを移動させる可動筒と、該可動筒を収納する収納部と、を備えたレンズ鏡胴に装着されるレンズキャップであって、
前記可動筒が前記収納部に収納された状態における該収納部へ装着するための装着部と、
前記収納部に装着されたことを検出する検出部と、を備えることを特徴とするレンズキャップ。
【請求項2】
前記検出部は、電気的な接点であるレンズキャップ側接点からなり、
前記収納部には、電気的な接点であり前記レンズキャップ側接点に対応する収納部側接点が設けられ、
前記レンズキャップ側接点と前記収納部側接点とが電気的に接続することで、前記収納部への装着を検出することを特徴とする請求項1に記載のレンズキャップ。
【請求項3】
前記レンズキャップ側接点は、少なくとも第1接点と第2接点とを有し、
前記収納部側接点は、前記第1接点と電気的に接続する第3接点と、前記第2接点と電気的に接続する第4接点とを有し、
前記第1接点と前記第2接点とは、前記レンズキャップ内において電気的に導通していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレンズキャップ。
【請求項4】
請求項3に記載のレンズキャップであって、
さらに、前記レンズを覆うための前端部を備え、
該前端部は、導電性を有する金属により構成され、
前記第1接点と前記前端部とが導通し、前記第2接点と前記前端部とが導通することにより、前記第1接点と前記第2接点とが電気的に導通していることを特徴とするレンズキャップ。
【請求項5】
前記収納部は、前記レンズ鏡胴の固定筒であり、
前記装着部は、前記固定筒に装着されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレンズキャップ。
【請求項6】
前記装着部は、前記固定筒に設けられた鏡胴側連結部との連結およびその解除が可能とされたキャップ側連結部であり、
該キャップ側連結部は、前記鏡胴側連結部との協働により、相対的な回転により双方の爪部分が引っ掛かることで連結可能なバヨネット式の装着機構を構成することを特徴とする請求項5に記載のレンズキャップ。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のレンズキャップを装着する撮像装置であって、
前記レンズ鏡筒を備え、
該レンズ鏡筒を収納状態から繰り出す際、前記レンズキャップが装着されているか否かの判断を行い、前記レンズキャップが装着されていなければ、前記可動筒の光軸方向への移動を行い、前記レンズキャップが装着されていれば、前記可動筒の光軸方向への移動を行わないことを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
請求項2から請求項6のいずれか1項に記載のレンズキャップを装着する撮像装置であって、
前記レンズ鏡筒を備え、
該レンズ鏡筒を収納状態から繰り出す際、前記収納部側接点と前記レンズキャップ側接点とが接続されていなければ、前記可動筒の光軸方向への移動を行い、前記収納部側接点と前記レンズキャップ側接点とが接続されていれば、前記可動筒の光軸方向への移動を行わないことを特徴とする撮像装置。
【請求項9】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のレンズキャップを装着する撮像装置であって、
前記レンズ鏡筒を備え、
該レンズ鏡筒が収納状態の際、前記レンズキャップが装着されているか否かの検出を定期的に行い、
前記レンズ鏡筒を収納状態から繰り出す際、直近の検出結果に基づき、前記レンズキャップが装着されていなければ、前記可動筒の光軸方向への移動を行い、前記レンズキャップが装着されていれば、前記可動筒の光軸方向への移動を行わないことを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
請求項2から請求項6のいずれか1項に記載のレンズキャップを装着する撮像装置であって、
前記レンズ鏡筒を備え、
該レンズ鏡筒が収納状態の際、前記収納部側接点と前記レンズキャップ側接点とが接続されているか否かの検出を定期的に行い、
前記レンズ鏡筒を収納状態から繰り出す際、直近の検出結果に基づき、前記収納部側接点と前記レンズキャップ側接点とが接続されていなければ前記可動筒の光軸方向への移動を行い、前記収納部側接点と前記レンズキャップ側接点とが接続されていれば前記可動筒の光軸方向への移動を行わないことを特徴とする撮像装置。
【請求項11】
請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の撮像装置であって、
さらに、表示部を備え、
前記レンズ鏡筒を収納状態から繰り出す際、前記レンズキャップが装着されていると判断した場合に、前記表示部で警告表示を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項12】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のレンズキャップと、前記レンズ鏡胴を有する撮像装置と、を備える撮像装置システムであって、
前記レンズ鏡筒を収納状態から繰り出す際、前記レンズキャップが装着されているか否かの判断を行い、前記レンズキャップが装着されていなければ、前記可動筒の光軸方向への移動を行い、前記レンズキャップが装着されていれば、前記可動筒の光軸方向への移動を行わないことを特徴とする撮像装置システム。
【請求項13】
請求項2から請求項6のいずれか1項に記載のレンズキャップと、前記レンズ鏡胴を有する撮像装置と、を備える撮像装置システムであって、
前記レンズ鏡筒を収納状態から繰り出す際、前記収納部側接点と前記レンズキャップ側接点とが接続されていなければ、前記可動筒の光軸方向への移動を行い、前記収納部側接点と前記レンズキャップ側接点とが接続されていれば、前記可動筒の光軸方向への移動を行わないことを特徴とする撮像装置システム。
【請求項14】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のレンズキャップと、前記レンズ鏡胴を有する撮像装置と、を備える撮像装置システムであって、
前記レンズ鏡筒が収納状態の際、前記レンズキャップが装着されているか否かの検出を定期的に行い、
前記レンズ鏡筒を収納状態から繰り出す際、直近の検出結果に基づき、前記レンズキャップが装着されていなければ、前記可動筒の光軸方向への移動を行い、前記レンズキャップが装着されていれば、前記可動筒の光軸方向への移動を行わないことを特徴とする撮像装置システム。
【請求項15】
請求項2から請求項6のいずれか1項に記載のレンズキャップと、前記レンズ鏡胴を有する撮像装置と、を備える撮像装置システムであって、
前記レンズ鏡筒が収納状態の際、前記収納部側接点と前記レンズキャップ側接点とが接続されているか否かの検出を定期的に行い、
前記レンズ鏡筒を収納状態から繰り出す際、直近の検出結果に基づき、前記収納部側接点と前記レンズキャップ側接点とが接続されていないと検出した場合は前記可動筒の光軸方向への移動を行い、前記収納部側接点と前記レンズキャップ側接点とが接続されていると検出した場合は、前記可動筒の光軸方向への移動を行わないことを特徴とする撮像装置システム。
【請求項16】
請求項12から請求項15のいずれか1項に記載の撮像装置システムであって、
さらに、表示部を備え、
前記レンズ鏡筒を収納状態から繰り出す際、前記レンズキャップが装着されていると判断した場合に、前記表示部で警告表示を行うことを特徴とする撮像装置システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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