説明

レンズ駆動装置およびその製造方法

【課題】 小型化や低コスト化を図ることができ、かつ、移動レンズ体の移動に必要な十分なトルクを確保することができるレンズ駆動装置を提供すること。
【解決手段】 レンズ駆動装置1では、駆動機構5を構成するステータ50、ロータマグネット60、および回転部材70を固定側部材20に塔載した状態で移動レンズ体10の軸線方向に開口する挿入口6を備えた移動レンズ体配置部7が構成される。従って、挿入口6から移動レンズ体配置部7内に移動レンズ体10を配置した後、挿入口6の側にキャップ部材23を装着する。従って、組み立て工程を簡素化できれる。また、キャップ部材23を外すだけで移動レンズ体10を移動レンズ体配置7から取り外すことができので、レンズ2、3からの異物や汚れの除去などといった移動レンズ体10に対する作業を容易に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラなどに用いられるレンズ駆動装置およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カメラ付き携帯機器などに搭載される薄型カメラでは、レンズを保持する移動レンズ体と、この移動レンズ体の外周に取り付けられたリング状のマグネットと、マグネットに対向する駆動コイルとを有し、駆動コイルへの通電を制御することにより、レンズを光軸方向に直動させるとともに、そこにレンズを磁気保持する構成のものが案出されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−150759号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このようなレンズ駆動装置では、一般に、移動レンズ体を容易に着脱できる構成になっていない。このため、組み立て工程の途中でレンズ表面に異物や汚れ、あるいは交換を要する傷が付着した場合、不良品として廃棄せざるを得ないため、歩留まりが低く、生産コストが高いという問題点がある。また、特性の異なるレンズに切り換えたい場合でも、組み立て後、移動レンズ体のみを交換するということができないため、新機種への切り換えが遅れ、また、在庫品を処分できないという問題点がある。
【0004】
また、特許文献1に記載のレンズ駆動装置は、直動式であるため、レンズの移動位置精度が低いという問題点がある。そこで、回転部材の回転動作を変換して移動レンズ体を直動させるように構成した場合、回転部材から移動レンズ体への伝達機構や移動レンズ体の供回りを防止するための機構などを付加する必要があるため、移動レンズ体のみを着脱可能にすることが益々、困難になってしまう。また、移動レンズ体の可動範囲を規定するためのストッパなどを設けた場合にも、移動レンズ体のみを着脱可能にすることが益々、困難になってしまう。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明では、移動レンズ体を容易に着脱可能にして組み立て工程の簡素化、および組み立て後の移動レンズ体への作業を可能にしたレンズ駆動装置およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では、レンズを備えた移動レンズ体と、該移動レンズ体が前記レンズの光軸方向に沿って移動可能に塔載された固定側部材と、前記移動レンズ体を前記光軸に沿って移動させるための駆動手段とを有するレンズ駆動装置において、前記駆動手段を前記固定側部材に塔載した状態で、光軸方向に開口する挿入口を備えた移動レンズ体配置部が構成され、前記移動レンズ体配置部内には前記移動レンズ体が配置されているとともに、前記挿入口の側には、前記レンズに対する光路を確保可能なキャップ部材が装着されていることを特徴とする。ここで、前記移動レンズ体は、光軸方向に移動可能であれば、固定側部材に直接、塔載された構成、あるいは他の部材を介して固定側部材に塔載された状態のいずれであってもよい。
【0007】
このようなレンズ駆動装置の製造方法では、前記駆動手段を前記固定側部材に塔載した状態で、光軸方向に開口する挿入口を備えた移動レンズ体配置部を構成し、前記挿入口から前記移動レンズ体配置部内に前記移動レンズ体を配置した後、前記挿入口の側に、前記レンズに対する光路を確保可能なキャップ部材を装着することを特徴とする。
【0008】
本発明では、駆動手段を前記固定側部材に塔載した状態で移動レンズ体の軸線方向に開口する挿入口を備えた移動レンズ体配置部が構成されるので、挿入口から移動レンズ体配置部内に移動レンズ体を配置した後、挿入口の側にキャップ部材を装着すればよい。従って、組み立て工程を簡素化できる。また、キャップ部材を外すだけで移動レンズ体を移動レンズ体配置から取り外すことができるので、レンズからの異物や汚れの除去などといった移動レンズ体に対する作業を容易に行うことができる。
【0009】
本発明において、前記キャップ部材は、前記固定側部材に装着され、前記キャップ部材と前記固定側部材との間には、当該キャップ部材を前記固定側部材に着脱自在な係合機構が構成されていることが好ましい。このように構成した場合には、係合機構によってキャップ部材を固定側部材に仮止めした後、キャップ部材を固定側部材に完全に固定するなどの組み立て作業を行うことができる。また、係合機構は、一定の角度位相でのみ嵌合を許容するように構成して、マグネットの停止時の位相角と極歯の位相角を一定の励磁パターンの時に一定の回転方向に特定されるようにし、レンズ位置の制御精度を向上させることが好ましい。
【0010】
本発明において、前記挿入口は、前記レンズの像側に構成してもよいが、前記レンズの
物体側に構成されていることが好ましい。
【0011】
本発明において、前記駆動手段は、前記移動レンズ体の外周側で回転駆動される回転部材を有し、前記移動レンズ体に対しては、該移動レンズ体に前記回転部材の回転力が伝達されたときに当該移動レンズ体の供周りを阻止して当該移動レンズ体を光軸に沿って直動させる供回り阻止機構が構成されていることが好ましい。このように構成すると、回転部材の回転位置でレンズ位置を制御できるので、レンズの移動位置の精度を高めることができる。
【0012】
このように構成した場合、前記供回り阻止機構は、前記移動レンズ体および前記キャップ部材のうちの一方に形成された突起と、他方側に対して光軸方向に延びたガイド溝とによって構成されていることが好ましい。このように構成すると、キャップ部材を装着する際に供回り阻止機構を構成することになるので、キャップ部材を装着する前の段階では供回り阻止機構が構成されていない。従って、キャップ部材を装着しない状態において移動レンズ体に機構的に接続する部材を減らすことができるので、レンズ駆動装置の組み立て工程を簡素化できるとともに、キャップ部材を外せば移動レンズ体を容易に取り外すことができる。
【0013】
また、前記突起および前記ガイド溝は、前記光軸の周りにおいて周方向に離間する3箇所に略等角度間隔に構成されていることが好ましい。このように構成すると、移動レンズ体は、突起およびガイド溝によってセンター出しされることになる。ここで、突起およびガイド溝を光軸の周りに略等角度間隔の3箇所に構成すると、3箇所のいずれにおいても、突起とガイド溝とが確実に位置規定し合うので、移動レンズ体を正確にセンター出しすることができる。また、配置する位相角の時のみ、突起とガイド溝との嵌合を許容するように構成して、マグネットの停止時の位相角と極歯の位相角を一定の励磁パターンの時に一定の回転方向に特定されるようにし、レンズ位置の制御精度を向上させることが好ましい。
【0014】
本発明において、前記回転部材の回転は、周方向に複数の極歯を備えるステータコア、ステータコイル、および周方向にS極とN極とを交互に備えたロータマグネットを備えたステッピングモータ機構によって行われ、前記突起および前記ガイド溝は、前記移動レンズ体の角度位置を前記ステッピングモータ機構の位相に対応させる位置に形成されていることが好ましい。
【0015】
本発明において、前記回転部材の内周面および前記移動レンズ体の外周面の一方側には螺旋溝が形成され、他方側には前記螺旋溝に係合する凸部が形成されていることにより前記回転部材が回転したとき前記移動レンズ体が光軸に沿って直動し、前記移動レンズ体に対しては、該移動レンズ体を光軸方向に付勢して前記螺旋溝と前記凸部との間のバックラッシュを防止する付勢手段が構成されていることが好ましい。本発明において、前記凸部とは、螺旋条を含む意味である。ここで、前記螺旋溝および前記凸部は、例えば、前記回転部材の内周面および前記移動レンズ体の外周面の各々に形成されたねじ部の谷部分と山部分とによって構成してもよい。また、前記螺旋溝および前記凸部は、前記回転部材の内周面および前記移動レンズ体の外周面の各々に形成されたカム溝とカムピンとによって構成してもよい。
【0016】
本発明において、前記螺旋溝は、光軸方向の一方側に向けては閉じることなく開放状態にあり、前記挿入口から前記移動レンズ体配置部内に前記移動レンズ体を挿入する際、当該螺旋溝内への前記凸部の挿入が可能になっていることが好ましい。ここで、一方側とは、螺旋溝を移動レンズ体の側に形成するか回転部材の側に形成するかによって、光軸方向で逆となるが、いずれの場合でも、挿入口から移動レンズ体配置部内に移動レンズ体を挿入する際、螺旋溝内への前記凸部の挿入が可能である。すなわち、螺旋溝を回転部材の側に形成する場合には、螺旋溝は、挿入口の側に向けては閉じることなく開放状態にある。このように構成すると、回転部材を配置した後、挿入口の側から内側の移動レンズ体配置部内に移動レンズ体を挿入すると、螺旋溝内に凸部が挿入されることになる。
【0017】
本発明において、前記螺旋溝は、前記回転部材側に対して前記挿入口とは反対側に閉じた端部を有するように形成されている一方、前記螺旋溝の前記挿入口側の内部にはストッパ部材が装着されており、前記螺旋溝の前記挿入口とは反対側の端部と前記凸部との干渉、および前記ストッパ部材と前記凸部との干渉により、前記移動レンズ体の光軸方向における可動範囲が規定されていることが好ましい。
【0018】
本発明において、前記回転部材の回転は、周方向に複数の極歯を備えるステータコア、ステータコイル、および周方向にS極とN極とを交互に備えたロータマグネットを備えたステッピングモータ機構によって行われる場合、前記ストッパ部材および前記螺旋溝の前記挿入口とは反対側の端部は、前記ステッピングモータ機構の位相に対応する位置で前記移動レンズ体の停止位置を規定するように構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明のレンズ駆動装置およびその製造方法では、駆動手段を前記固定側部材に塔載した状態で移動レンズ体の軸線方向に開口する挿入口を備えた移動レンズ体配置部が構成されるので、挿入口から移動レンズ体配置部内に移動レンズ体を配置した後、挿入口の側にキャップ部材を装着する。従って、組み立て工程を簡素化できれる。また、キャップ部材を外すだけで移動レンズ体を移動レンズ体配置から取り外すことができので、レンズからの異物や汚れの除去などといった移動レンズ体に対する作業を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したレンズ駆動装置を説明する。
【0021】
(全体構成)
図1(a)、(b)はそれぞれ、本発明を適用したレンズ駆動装置の平面図および断面図である。なお、図1(b)の左半分には、レンズが被写体側(物体側)に位置する状態を示し、図1(b)の右半分には、レンズが被写体側とは反対側(像側)に位置する状態を示してある。
【0022】
図1(a)、(b)において、本形態のレンズ駆動装置1は、カメラ付き携帯電話などに搭載されている薄型カメラにおいて、2枚のレンズ2、3を光軸Lに沿って被写体(物体側)に近づくA方向、および被写体とは反対側(像側)に近づくB方向の双方向に移動させるためのものであり、概ね、2枚のレンズ2、3をレンズホルダ11上に一体に保持した移動レンズ体10と、この移動レンズ体10を光軸Lに沿って移動させる駆動機構5と、駆動機構5および移動レンズ体10が搭載された固定側部材20を有している。本形態において、固定側部材20は、像側に位置するベース21と、物体側に位置するカバー22とから構成されている。
【0023】
本形態では、詳しくは後述するが、駆動機構5をベース21に搭載した後、移動レンズ体10を塔載する前の状態では、移動レンズ体10に対して被写体側には部材が一切存在せず、被写体側に挿入口6を向けた移動レンズ体配置部7が構成されるようになっている。従って、本形態では、移動レンズ体10を挿入口6から移動レンズ体配置部7に挿入した後、キャップ部材23を被せてレンズ駆動装置1を構成する。
【0024】
(駆動機構の構成)
図2(a)、(b)はそれぞれ、図1に示すレンズ駆動装置に用いた駆動コイルの平面図および断面図である。図3(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ、図1に示すレンズ駆動装置に用いた第1のステータコアの平面図、断面図、半断面図、および極歯の説明図である。図4(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ、図1に示すレンズ駆動装置に用いた第2のステータコアの平面図、断面図、極歯の説明図、および端子部分の側面図である。図5(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ、図1に示すレンズ駆動装置に用いた第3のステータコアの平面図、断面図、極歯の説明図、およびコイル端末の引き出し部分の側面図である。図6(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ、図1に示すレンズ駆動装置に用いた第4のステータコアの平面図、断面図、半断面図、および極歯の説明図である。図7(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ、図1に示すレンズ駆動装置の端子台の平面図、底面図、図7(a)のB−B′線における断面図、および図7(a)のA−A′線における断面図である。図8(a)、(b)はそれぞれ、図1に示すレンズ駆動装置のロータマグネットの平面図、および断面図である。図9(a)、(b)、(c)、(d)、(e)はそれぞれ、図1に示すレンズ駆動装置の回転部材の平面図、側面図、断面図、底面図、および螺旋溝の説明図である。
【0025】
図1(b)および図2(a)、(b)に示すように、駆動機構5は、フランジ付きの円筒状の絶縁体からなるボビン555にコイル線550が巻回された駆動コイル55を2つ、備えており、そのうちの1つは、図3に示す第1のステータコア51と、図4に示す第2のステータコア52との間に配置され、他の1つは、図5に示す第3のステータコア53と、図6に示す第4のステータコア54との間に配置されている。
【0026】
図3に示す第1のステータコア51と、図6に示す第4のステータコア54は、ステータ50のケースとして用いられており、内側に駆動コイル55を配置するために断面U字形状を有している。ここで、図3に示す第1のステータコア51、および図6に示す第4のステータコア54には、図2(a)、(b)に示すコイル端末551を引き出すための切り欠き515、545が形成されている。図4に示す第2のステータコア52と、図5に示す第3のステータコア53は、第1のステータコア51あるいは第4のステータコア54との間に駆動コイル55を挟んで重ねて配置されている。この状態で、下段側では、第1のステータコア51の極歯511と第2のステータコア52の極歯521が周方向に交互に配置され、上段側では、第3のステータコア53の極歯531と第4のステータコア54の極歯541が周方向に交互に配置される。なお、第1のステータコア51および第4のステータコア54には、図1(b)に示すベース21に対する角度位置を合わせるための穴516、546が形成されている。
【0027】
また、図4に示す第2のステータコア52には、半径方向外側に向けて突き出た矩形の突出部520が形成され、この突出部520の先端側からは、斜め上方に向けてアース用の端子85が延びている。
【0028】
このような構成のステータ50からは、2つの駆動コイル55から計4本のコイル端末551が引き出され、これらのコイル端末551は各々、図7(a)、(b)、(c)、(d)に示す端子台80に直線的に配列された端子81、82、83、84の下端部810、820、830、840に接続される。端子台80は、「く」の字形状に屈曲した4本の端子81、82、83、84の中央付近を樹脂で一体化したものである。
【0029】
ここで、端子台80は、図4に示す第2のステータコア52の突出部520の上面に載置され、接着などの方法で固定されている。この状態で、アース用の端子85は、4本の端子81、82、83、84の中央に位置し、計5本の端子81、82、83、84、85が一列に配列される。そこで、本形態では、図1(b)に示すように、これら5本の端子81、82、83、84、85に対して可撓性基板88を接続し、各駆動コイル55に対する給電と、アース用の端子85の接地とを行う。従って、アース用の端子85についても、他の端子81、82、83、84と同時に可撓性基板88に接続することができる。また、アースリード線をステータコアなどに直接、ハンダ付けする場合と違って、熱容量が小さくて済むので、ハンダ付け時の熱で駆動コイル55が損傷することもない。
【0030】
図1(b)に示すように、本形態のレンズ駆動装置1の駆動機構5では、ステータ50の内側に図8(a)、(b)に示すロータマグネット60が配置され、このロータマグネット60の上面には、ロータマグネット60の角度位置を合わせるための半円形の切り欠き61が形成されている。ロータマグネット60の外周面には、S極とN極が周方向に交互に配列されている。
【0031】
ロータマグネット60の内側には、図9(a)〜(e)に示すスリーブ状の回転部材70が配置されている。回転部材70の外周面には、接着剤を充填するための凹部75が形成されており、この凹部75を利用して、ロータマグネット60の内周面と回転部材70の外周面とが接着固定されている。ここで、回転部材70の物体側には、ロータマグネット60を接着固定するときの角度位相を合わせるための横穴(図示せず)を形成しておく。
【0032】
回転部材70は、カバー22とベース21との間に、光軸方向への移動が阻止された状態で配置されている。ここで、回転部材70は、ベース21の上面に形成された環状突起211の内側、およびカバー22の段差222の内側で軸線周り(光軸L)に回転可能な状態にある。従って、可撓性基板88を介して2つの駆動コイル55に給電すると、ロータマグネット60と回転部材70は、光軸L周りに一体に回転する。このようにして本形態では、ステータ50およびロータマグネット60によって、回転部材70をロータとして回転させる駆動源としてのステッピングモータ機構58が構成されている。
【0033】
なお、図9(c)、(e)に示すように、回転部材70の内周面には、以下に説明する移動レンズ体10に回転力を伝達するための雌ネジ72が形成されている。
【0034】
(移動レンズ体の構成)
図10(a)、(b)はそれぞれ、図1に示すレンズ駆動装置の移動レンズ体の平面図、および側面図である。
【0035】
図1(b)および図10(a)、(b)において、本形態のレンズ駆動装置1では、回転部材70の内側には、2枚のレンズ2、3と絞り4とをレンズホルダ11で保持した円筒状の移動レンズ体10が同軸状に配置されている。ここで、回転部材70の内周面には雌ネジ72が形成されている一方(図9(c)、(e)参照)、移動レンズ体10においてレンズホルダ11の大径部12の外周面には雄ネジ14が形成されており、移動レンズ体10は、雄ネジ14が雌ネジ72に係合することにより、回転部材70に対して、光軸周りに回転可能、かつ、光軸に沿って移動可能に支持されている。移動レンズ体10において、レンズホルダ11の上側の小径部分13の外周面には、後述する供回り阻止機構を構成するためのガイド溝151、152、153が3本、略等角度間隔に形成されており、これらのガイド溝151、152、153は、光軸方向に沿って直線的に延びている。ここで、ガイド溝151、152、153は、定められた位相角のときのみ、キャップ部材23の突起236、237、238と係合する。
【0036】
(カバーおよびキャップの構成)
図11(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ、図1に示すレンズ駆動装置のカバーの平面図、底面図、断面構造を示す説明図、および丸Gで囲った部分の拡大断面図である。図12(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ、図1に示すレンズ駆動装置のキャップ部材の平面図、底面図、側面図、および断面図である。
【0037】
図1(b)に示すように、駆動機構5および移動レンズ体10は、図11に示す矩形の平面形状を備えたカバー22によって覆われる。カバー22には、レンズ2、3の光路を確保するための円形の穴220が形成されている。また、本形態では、図1(b)に示すように、カバー22の上面には、図12に示す円盤状のキャップ部材23が固定されている。キャップ部材23にも、レンズ2、3の光路を確保するための円形の穴230が形成されている。
【0038】
キャップ部材23は、フランジ状の上面部の下方に円筒部231が突き出ており、この円筒部231は、カバー22の穴220内に嵌め込み可能な外径寸法を備えている。
【0039】
ここで、キャップ部材23の円筒部231の側面には、3つの係合突起234が略等角度間隔に形成されている。これに対して、カバー22には、穴220の周りに3つの切り欠きが略等角度間隔に形成されており、キャップ部材23の円筒部231をカバー22の穴220内に嵌め込む際、キャップ部材23の円筒部231に形成された3つの係合突起234はそれぞれ、切り欠き224を通り抜けることになる。
【0040】
また、カバー22において、穴220の開口縁は、3つの切り欠き224の各々に対して時計周りの方向CWで隣接する部分が肉薄部分225になっている。このため、キャップ部材23の円筒部231をカバー22の穴220内に嵌め込んだ後、キャップ部材23を時計周りの方向CWに回すと、フランジ状の上面部232と係合突起234との間にカバー22の肉薄部分234が嵌り、キャップ部材23はカバー22に着脱自在に装着される。このようにして、キャップ部材23とカバー22との間には、キャップ部材23をカバー22上で仮止めするための係合機構24が構成されている。
【0041】
なお、キャップ部材23の下面側には、その外周縁に3つの突起239が形成されている。これに対して、カバー22において穴220を囲む環状段差228の外周縁には、キャップ部材23の突起239と係合するガイド面229が形成され、ガイド面229には突起239に係合する突起223が形成されている。これらの突起223、239も係合機構24として機能する。
【0042】
(供回り阻止機構の構成)
このように構成したレンズ駆動装置1において、キャップ部材23の穴230の内周縁には、3つの突起236、237、238が略等角度間隔に形成されており、キャップ部材23をカバー22に装着した状態で、3つの突起236、237、238はそれぞれ、移動レンズ体10の3本のガイド溝151、152、153に嵌っている。これらの突起151、152、153およびガイド溝236、237、238は、移動レンズ体10に雄ネジ14および雌ネジ72を介して回転部材70の回転力が伝達されたときに移動レンズ体10の供周りを阻止する供回り阻止機構16を構成するものであり、この供回り阻止機構16によって、移動レンズ体10は、光軸Lに沿って直動することになる。なお、供回り阻止機構16を構成するにあたっては、移動レンズ体10に突起を形成し、キャップ部材23にガイド溝を形成してもよい。いずれの場合も、供回り阻止機構16は、互いの位相角が一定の時のみ係合可能となるように、その配置角度を考慮する。
【0043】
(バックラッシュ防止機構の構成)
図13は、図1に示すレンズ駆動装置のバックラッシュ防止バネの側面図である。
【0044】
移動レンズ体10は、回転部材70の回転力が雄ネジ14および雌ネジ72を介して伝達されるので、雄ネジ14および雌ネジ72との間のバックラッシュを防止するために、移動レンズ体10の端面とキャップ部材23との間には、図13に示すバックラッシュ防止用のコイルバネ40(付勢部材)が配置されている。
【0045】
(ストッパ機構の構成)
図14は、図1に示すレンズ駆動装置のストッパ部材の平面図である。
【0046】
さらに、本形態では、回転部材70の内周面に形成された雌ネジ72の谷部分(螺旋溝)は、光軸方向の一方側(矢印Aで示す被写体側/物体側)に向けては閉じることなく開放状態にある。このため、移動レンズ体配置部7内に移動レンズ体10を挿入する際、移動レンズ体10の雄ネジの山部分は、回転部材70の雌ネジの谷部分に容易に挿入される。
【0047】
これに対して、光軸方向の他方側(矢印Bで示す被写体とは反対側/像側)において、回転部材70の内周面に形成された雌ネジ72の谷部分は、閉じた端部722を有するように形成されている。従って、回転部材70が回転して移動レンズ体10が、矢印Bで示す被写体とは反対側(像側)に移動すると、回転部材70の雌ネジ72の谷部分の端部722と、移動レンズ体10の雄ネジの山部分の端部141とが干渉し、それ以上の移動レンズ体10の移動を阻止する。
【0048】
また、本形態では、回転部材70の雌ネジ72の谷部分は、光軸方向の一方側(矢印Aで示す被写体側/物体側)に向けては閉じることなく開放状態にあるが、そこには、図14に示すようなC形留め具90(ストッパ部材)が雌ネジ72の谷部分に沿って装着されている。このC形留め具90は、一方の端部91が半径方向外側に向けて折れ曲がっている一方、図9(b)、(c)に示すように、回転部材70の光軸方向における被写体側には、C形留め具90の端部91を嵌める小穴76が形成されている。また、C形留め具90の外径寸法は、回転部材70の雌ネジ72の谷部分の内径寸法よりやや大きい。このため、C形留め具90(ストッパ部材)は、広がろうとする弾性復帰力を発揮している状態で、一方の端部91が小穴76に嵌められているため、回転部材70の雌ネジ72の谷部分に沿って固定されている。このため、回転部材70が回転して移動レンズ体10が、矢印Aで示す被写体の側(物体側)に移動すると、回転部材70の雌ネジ72の谷部分に装着されたC形留め具90の他方の端部92と、移動レンズ体10の雄ネジ14の山部分の端部142とが干渉し、それ以上の移動レンズ体10の移動を阻止する。
【0049】
このようにして本形態では、移動レンズ体10の光軸方向における可動範囲を規定するストッパ機構8が構成されている。ここで、C形留め具90と雄ネジ14の端部142の位置関係、および雄ネジ14の端部141と雌ネジ72の端部722の位置関係は、ステッピングモータ機構58の位相に対応する位置で移動レンズ体10が停止するように設定されている。
【0050】
(レンズ駆動装置の製造方法)
本形態のレンズ駆動装置1を製造する際には、ベース21に対して、駆動機構5としてのステータ50、ロータマグネット60、回転部材70を塔載する。その結果、回転部材70の内側には、被写体側に挿入口6を向けた移動レンズ体配置部7が構成される。また、端子台80を第2のステータコア52の突出部520の上面に固定し、コイル端末551を端子81、82、83、84に接続する。
【0051】
次に、挿入口6から移動レンズ体配置部7内に移動レンズ体10を挿入する。その際、回転部材70の内周面に形成された雌ネジ72の谷部分は、光軸方向の一方側(矢印Aで示す被写体側/物体側)に向けては閉じることなく開放状態にあるため、移動レンズ体10の雄ネジ14の山部分は、回転部材70の雌ネジ72の谷部分に容易に挿入される。
【0052】
次に、ステータ50、ロータマグネット60、および回転部材70を覆うようにカバー22を被せる。その結果、回転部材70は、カバー22とベース21との間に、光軸方向への移動が阻止された状態で光軸周りに回転可能な状態で挟まれ、支持される。
【0053】
次に、C形留め具90全体を回転部材70の雌ネジ72の谷部分に沿って装着する。その際、C形留め具90の端部91を回転部材70の小穴76に嵌める。
【0054】
次に、移動レンズ体10の上面にコイルバネ40を重ねた後、カバー22の穴220に重ねるようにキャップ部材23を配置し、キャップ部材23を時計周りに回転させる。その結果、キャップ部材23のフランジ状の上面部232と係合突起234との間にカバー22の肉薄部分225が嵌って係合するなど、キャップ部材22はカバー23に着脱自在に装着される。その際、キャップ部材23の突起236、237、238は、移動レンズ体10のガイド溝151、152、153内に挿入され、供回り阻止機構16が構成される。また、キャップ部材23の突起236、237、238の角度位置によって、移動レンズ体10のガイド溝151、152、153の角度位置が規定される。従って、突起236、237、238の角度位置は、ステッピングモータ機構58の位相に対応する位置で移動レンズ体10が停止するように設定されている。
【0055】
このようにして仮固定した後、可撓性基板88を端子81、82、83、84、85に接続し、この状態で検査を行う。その結果、不具合が無ければ、キャップ部材23をカバー22に接着などの方法で完全固定する。これに対して、不具合が発見された場合には、キャップ部材23を反時計周りの方向CCWに回転させて、キャップ部材23をカバー22から外し、レンズ2などに異物や汚れが付着している場合にはそれらを除去する。また、場合によっては、移動レンズ体10を交換する。しかる後に、キャップ部材23をカバー22に仮固定し、再び検査を行い、不具合が無ければ、キャップ部材23をカバー22に接着などの方法で完全固定する。
【0056】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、駆動機構5を構成するステータ50、ロータマグネット60、および回転部材70を固定側部材20(ベース21およびカバー22)に塔載した状態で被写体側で挿入口6が開口する移動レンズ体配置部7が構成される。従って、挿入口6から移動レンズ体配置部7内に移動レンズ体10を配置した後、挿入口6の側にキャップ部材23を装着する。従って、組み立て工程を簡素化できれる。また、キャップ部材23を外すだけで移動レンズ体10を移動レンズ体配置部7から取り外すことができので、レンズ2からの異物や汚れの除去などといった移動レンズ体10に対する作業を容易に行うことができる。
【0057】
また、キャップ部材23とカバー22との間には、キャップ部材23をカバーに着脱自在な係合機構24が構成されているので、係合機構24によってキャップ部材23を固定側部材20のカバー22に仮止めした後、キャップ部材23を固定側部材20に完全に固定するなどの組み立て作業を行うことができる。
【0058】
さらに、回転部材70の内周面に形成された雌ネジ72の谷部分(螺旋溝)は、光軸方向の一方側(矢印Aで示す被写体側/物体側)に向けては閉じることなく開放状態にあるため、移動レンズ体10を移動レンズ体収納部7に挿入する際、移動レンズ体10を光軸周りに回すだけで、雄ネジ14の山部分は、回転部材70の雌ネジ72の谷部分に容易に挿入される。
【0059】
また、回転部材70の雌ネジ72の谷部分は、光軸方向の一方側(矢印Aで示す被写体側/物体側)に向けては閉じることなく開放状態にあるが、そこには、C形留め具90を雌ネジ72の谷部分に沿うように装着してストッパ機構8を構成している。それ故、移動レンズ体10を移動レンズ体収納部7に挿入する際、雄ネジ14の山部分を回転部材70の雌ネジ72の谷部分に挿入するように構成した場合でも、移動レンズ体10の被写体側への移動を規制するストッパ機構8を構成することができる。
【0060】
また、移動レンズ体10に対して供回り阻止機構16が構成されているので、移動レンズ体10に回転部材の回転力が伝達されたとき、移動レンズ体10は、光軸に沿って直動する。従って、回転部材70の回転位置でレンズ2、3の移動位置を制御できる。このため、レンズ2、3の移動位置の精度を高めることができる。しかも、移動レンズ体10が直動するため、レンズ2、3が回転しないので、レンズ光軸がずれない。
【0061】
さらに、供回り阻止機構16は、移動レンズ体10とキャップ部材23に形成されたガイド溝151、152、153と突起236、237、238を利用しているので、キャップ部材23を装着する際に供回り阻止機構16を構成することになる。すなわち、キャップ部材23を装着する前の段階では供回り阻止機構16が構成されていない。従って、キャップ部材23を装着しない状態において移動レンズ体10に機構的に接続する部材を減らすことができるので、レンズ駆動装置1の組み立て工程を簡素化できるとともに、キャップ部材23を外せば移動レンズ体10を取り外すのも容易である。
【0062】
また、ガイド溝151、152、153と突起236、237、238は、光軸の周りにおいて周方向に離間する3箇所に略等角度間隔に構成されているので、移動レンズ体10は、ガイド溝151、152、153と突起236、237、238によってセンター出しされることになる。しかも、ガイド溝151、152、153と突起236、237、238を光軸の周りに略等角度間隔の3箇所に構成されているため、3箇所のいずれにおいても、ガイド溝151、152、153と突起236、237、238とが確実に位置規定し合うので、移動レンズ体10を正確にセンター出しすることができる。
【0063】
(その他の実施の形態)
なお、本発明は、上記形態に限らず、例えば、レンズ移動体10を光軸方向で離間する2箇所に移動するタイプのレンズ駆動装置に適用することもできる。また、上記形態では、レンズ2、3のうち、被写体側のレンズ2の方が小さいので、被写体側に供回り阻止機構16やコイルバネ40などを配置したが、被写体側とは反対側に供回り阻止機構16やコイルバネ40などを配置してもよい。その場合、駆動機構5としてのステータ50、ロータマグネット60、回転部材70を塔載した状態で、被写体とは反対側に挿入口6を向けた移動レンズ体配置部7が構成される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】(a)、(b)はそれぞれ、本発明を適用したレンズ駆動装置の平面図および断面図である。
【図2】(a)、(b)はそれぞれ、図1に示すレンズ駆動装置に用いた駆動コイルの平面図および断面図である。
【図3】(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ、図1に示すレンズ駆動装置に用いた第1のステータコアの平面図、断面図、半断面図、および極歯の説明図である。
【図4】(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ、図1に示すレンズ駆動装置に用いた第2のステータコアの平面図、断面図、極歯の説明図、および端子部分の側面図である。
【図5】(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ、図1に示すレンズ駆動装置に用いた第3のステータコアの平面図、断面図、極歯の説明図、およびコイル端末の引き出し部分の側面図である。
【図6】(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ、図1に示すレンズ駆動装置に用いた第4のステータコアの平面図、断面図、半断面図、および極歯の説明図である。
【図7】(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ、図1に示すレンズ駆動装置の端子台の平面図、底面図、図7(a)のB−B′線における断面図、および図7(a)のA−A′線における断面図である。
【図8】(a)、(b)はそれぞれ、図1に示すレンズ駆動装置のロータマグネットの平面図、および断面図である。
【図9】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)はそれぞれ、図1に示すレンズ駆動装置の回転部材の平面図、側面図、断面図、底面図、および螺旋溝の説明図である。
【図10】(a)、(b)はそれぞれ、図1に示すレンズ駆動装置の移動レンズ体の平面図、および側面図である。
【図11】(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ、図1に示すレンズ駆動装置のカバーの平面図、底面図、断面構造を示す説明図、および丸Gで囲った部分の拡大断面図である。
【図12】(a)、(b)、(c)、(d)はそれぞれ、図1に示すレンズ駆動装置のキャップ部材の平面図、底面図、側面図、および断面図である。
【図13】図1に示すレンズ駆動装置のバックラッシュ防止バネの側面図である。
【図14】図1に示すレンズ駆動装置のストッパ部材の平面図である。
【符号の説明】
【0065】
1 レンズ駆動装置
2、3 レンズ
5 駆動機構
6 挿入口
7 移動レンズ体配置部
8 ストッパ機構
10 移動レンズ体
14 雄ネジ
16 供回り阻止機構
20 固定側部材
21 ベース
22 カバー
23 キャップ部材
40 バックラッシュ防止用のコイルバネ(付勢部材)
51〜54 ステータコア
55 駆動コイル
60 ロータマグネット
70 回転部材
72 雌ネジ
24 係合機構
90 C形留め具(ストッパ部材)
151、152、153 ガイド溝
236、237、238 供回り防止用の突起
L 光軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズを備えた移動レンズ体と、該移動レンズ体が前記レンズの光軸方向に沿って移動可能に塔載された固定側部材と、前記移動レンズ体を前記光軸に沿って移動させるための駆動手段とを有するレンズ駆動装置において、
前記駆動手段を前記固定側部材に塔載した状態で、光軸方向に開口する挿入口を備えた移動レンズ体配置部が構成され、
前記移動レンズ体配置部内には前記移動レンズ体が配置されているとともに、前記挿入口の側には、前記レンズに対する光路を確保可能なキャップ部材が装着されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項2】
請求項1において、前記キャップ部材は、前記固定側部材に装着され、
前記キャップ部材と前記固定側部材との間には、当該キャップ部材を前記固定側部材に着脱自在な係合機構が構成されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項3】
請求項1または2において、前記挿入口は、前記レンズの物体側に構成されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記駆動手段は、前記移動レンズ体の外周側で回転駆動される回転部材を有し、
前記移動レンズ体に対しては、該移動レンズ体に前記回転部材の回転力が伝達されたときに当該移動レンズ体の供周りを阻止して当該移動レンズ体を光軸に沿って直動させる供回り阻止機構が構成されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項5】
請求項4において、前記供回り阻止機構は、前記移動レンズ体および前記キャップ部材のうちの一方に形成された突起と、他方側に対して光軸方向に延びたガイド溝とによって構成されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項6】
請求項5において、前記突起および前記ガイド溝は、前記光軸の周りにおいて周方向に離間する3箇所に略等角度間隔に構成されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項7】
請求項5または6において、前記回転部材の回転は、周方向に複数の極歯を備えるステータコア、ステータコイル、および周方向にS極とN極とを交互に備えたロータマグネットを備えたステッピングモータ機構によって行われ、
前記突起および前記ガイド溝は、前記移動レンズ体の角度位置を前記ステッピングモータ機構の位相に対応させる位置に形成されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項8】
請求項4ないし6のいずれかにおいて、前記回転部材の内周面および前記移動レンズ体の外周面の一方側には螺旋溝が形成され、他方側には前記螺旋溝に係合する凸部が形成されていることにより前記回転部材が回転したとき前記移動レンズ体が光軸に沿って直動し、
前記移動レンズ体に対しては、該移動レンズ体を光軸方向に付勢して前記螺旋溝と前記凸部との間のバックラッシュを防止する付勢手段が構成されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項9】
請求項8において、前記螺旋溝は、光軸方向の一方側に向けては閉じることなく開放状態にあり、前記挿入口から前記移動レンズ体配置部内に前記移動レンズ体を挿入する際、当該螺旋溝内への前記凸部の挿入が可能になっていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項10】
請求項9において、前記螺旋溝は、前記回転部材側に対して前記挿入口とは反対側に閉じた端部を有するように形成されている一方、前記螺旋溝の前記挿入口側の内部にはストッパ部材が装着されており、
前記螺旋溝の前記挿入口とは反対側の端部と前記凸部との干渉、および前記ストッパ部材と前記凸部との干渉により、前記移動レンズ体の光軸方向における可動範囲が規定されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項11】
請求項10において、前記回転部材の回転は、周方向に複数の極歯を備えるステータコア、ステータコイル、および周方向にS極とN極とを交互に備えたロータマグネットを備えたステッピングモータ機構によって行われ、
前記ストッパ部材および前記螺旋溝の前記挿入口とは反対側の端部は、前記ステッピングモータ機構の位相に対応する位置で前記移動レンズ体の停止位置を規定するように構成されていることを特徴とするレンズ駆動装置。
【請求項12】
レンズを備えた移動レンズ体と、前記移動レンズ体を前記レンズの光軸に沿って移動させるための駆動手段と、該駆動手段および前記移動レンズ体が塔載された固定側部材とを有するレンズ駆動装置の製造方法において、
前記駆動手段を前記固定側部材に塔載した状態で、光軸方向に開口する挿入口を備えた移動レンズ体配置部を構成し、
前記挿入口から前記移動レンズ体配置部内に前記移動レンズ体を挿入した後、
前記挿入口の側に、前記レンズに対する光路を確保可能なキャップ部材を装着することを特徴とするレンズ駆動装置の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2006−78871(P2006−78871A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−264092(P2004−264092)
【出願日】平成16年9月10日(2004.9.10)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】