ロック可能なジョイント
本発明は、旋回ヘッド(30)を有する第1のアーム(14)と、旋回ヘッド(30)が枢動可能に装着されたソケット(32)と、ソケット(32)に対して旋回ヘッド(30)をロックするように設けられたロック装置(90)と、を具備し、このロック装置(90)は、ピストン(70’)と、圧力ガス源(64)と、圧力ガス源(64)からピストン(70’)を接離可能に分離するように設けられた駆動装置(92)と、を有し、圧力ガス源が、ガスカートリッジ(64)を有するロック可能なジョイント、特にロック可能なボールソケットジョイントに関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、外科手術用器具の分野に関する。特に、本発明は、旋回ヘッドを有する第1のアームと、前記旋回ヘッドが枢動可能に装着されたソケットと、このソケットに対して前記旋回ヘッドをロックするように設けられたロック装置と、を具備し、このロック装置は、ピストンと、圧力ガス源と、この圧力ガス源から前記ピストンを接離可能に分離するように設けられた駆動装置と、を有する、ロック可能なジョイント、特にロック可能なボールソケットジョイントに関する。また、本発明は、手術台、又は他の固定される構造体に取着される関連した構造体の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなロック可能なジョイントは、米国特許第5,201,325号により知られている。この明細書において、ロック可能なジョイントは、ガス用ホースを介して吐出される加圧空気により駆動されることができる。ガス用ホースでは、加圧ガスのガス圧がロック可能なジョイントを安全に締め付けるのに十分でないので、圧力を高めるシステムが設けられる。他のロック可能なジョイントは、米国特許第5,271,384号により知られている。このロック可能なジョイントは、締付け力を与えるが、この締付け力は多くのアプリケーションにとって十分でない。
【発明の概要】
【0003】
本発明の課題は、従来技術から既知のロック可能なジョイントに関する問題を低減することである。
【0004】
本発明は、旋回ヘッドを有する第1のアームと、前記旋回ヘッドが枢動可能に装着されたソケットと、このソケットに対して前記旋回ヘッドをロックするように設けられたロック装置と、を具備し、このロック装置は、ピストンと、圧力ガス源と、この圧力ガス源からピストンを接離可能に分離するように設けられた駆動装置と、を有する、ロック可能なジョイント、特にロック可能なボールソケットジョイントにおいて、前記圧力ガス源は、ガスカートリッジを有することにより、課題を解決する。
【0005】
他の態様に係われば、本発明は、(a)旋回ヘッドを有する第1のアームと、(b)前記旋回ヘッドが枢動可能に装着されたソケットと、(c)このソケットに対して前記旋回ヘッドをロックするように設けられたロック装置と、を具備し、このロック装置は、(i) ピストンと、(ii)ガスカートリッジを着脱可能に収容するように設けられたガスカートリッジのリテーナと、(iii)前記ガスカートリッジ、又は前記ガスカートリッジのリテーナから前記ピストンを接離可能に分離するように設けられた駆動装置と、を有する、ロック可能なジョイント、特にロック可能なボールソケットジョイントにより、課題を解決する。
【0006】
さらに他の態様に係われば、本発明は、ロック可能なジョイントを固定するための請求項27に係る方法により、課題を解決する。
【0007】
通常、外科手術用開創器は、外科手術の処置の間、切開口を開いた状態で維持するために使用され、複数の曲がったフィンガー部を有する手で把持される器具であった。外科医又はアシスタントが、切開口の縁に沿って、外科手術用開創器のフィンガー部を留めて、外科医が体内の組織にアクセスすることができるように、切開口を開いた状態で維持するための張力を加えていた。
【0008】
最近約20年間では、開創器を絶えず維持する外科医又はアシスタントの必要なく開創が果され得るように、手術台又は他の構造体に取着される外科手術用開創器が発達してきている。
【0009】
本発明に係る外科手術用開創器システムでは、台のレールポストが、外科手術用開創器システムの基礎となることができる。これは、開創器具や他の外科手術用器具が取着されることが可能で、フレームセットや他の器具(hardware)のためのアンカーを与える。可変形状の開創器のフィンガー部を有する様々な開創器具が、外科手術の切開口を開いた状態で維持するように、即ち解剖組織(anatomical structure)を外側方向に移動させるように、外科手術において外科医を補助するために使用される。外科手術用開創器システムは、開創器システムの様々な部材を所定の位置にロックするように、カム機構、又は場合によってはねじクランプを使用することができる。
【0010】
本発明に係る外科手術用開創器システムは、丸いストックの開創器システムと、平らなストックの開創器システムと、の少なくとも一方を含む。平らなストックの開創器システムは、このようなシステムの様々な構成部材が、互いに接続されるようにほぼ直角で連結されなければならないので、直線形状による制限を受ける。従って、平らなストックが組み合わされることが可能な向きは、制限される。
【0011】
丸いストックの開創器システムは、様々なロッド形状の部分を有し、初めは、ねじ留めタイプのクランプによって互いに接続されている。ねじ留めタイプのクランプが使用されたとき、ねじクランプは、開創器システムの円筒形の部材を変形させる傾向にある可能性がある。さらに、セッティングの際、開創器システムの部分を位置決めして互いに接続するとき、しばしば両手を必要としたり、両手に加えて、システムを組立てるためのアシスタントを必要としたりする可能性がある。従って、カムロック、又はセンターロック接続システムは、外科手術用開創器を第1のアームに装着するためと、アンカー部材を第3のアームに固定するためと、の少なくとも一方のために好ましい。
【0012】
カムロックシステムは、互いに接続された2つのクランプを有する。これらクランプは、ロッド形状の開創器システムの構成部材を把持するように構成されており、回転の際、互いに関連して調節されることができる。一方のロッド形状の構成部材は、各クランプで把持される。互いに接続された2つのクランプは、レバーのようなアクチュエータ等によって駆動されて、2つのクランプを2つのロッド形状の部材にロックし、同時に、回転の際、互いに関連して2つのクランプをロックする。この構成の効果は、クランプが解放されたとき、再び締められる前に、完全に再位置決めされて再アライメントされる必要があるとき、クランプが、相対的な回転の際と同様に、ロッド形状の両部材から完全に解放されることである。
【0013】
外科手術用開創器システムは、生きた組織(living tissue)を操作するために使用される。生きた組織は、時間が長すぎると、圧力が加わることによって損傷する可能性がある。それ故、機械的な開創器が使用される外科手術の処置の間、この開創器が、断続的に緩められることが好ましい。即ち、組織の低酸素状態や起こり得る壊死状態を防ぐために、組織への血液の流れを増加させるように、開創器に対する張力が小さくされることが好ましい。この必要性は、現在の開創器システムの制限に加えて、外科手術チームにジレンマを生じさせる。外科手術チームは、外科手術用開創器システムを断続的に分離することができるが、このシステムに再接続するために、各々の外科手術用開創器を完全に調節する必要がある。代わって、外科手術チームは、長時間、所定の張力の下で生きた組織を開創した状態にし、組織が開創されて損傷又は壊死する危険性に晒されている。再調整に時間がかかったり扱いにくかったり、又は再調整が解剖組織の入念に位置決めされた関係を変えてしまうならば、外科手術チームのメンバーは、開創器システムを分離して再調整したがらない。
【0014】
他の問題は、現在の丸いストックの外科手術用開創器システムに関する以下の事実から生じる。一般的には、外科医が、所定の角度で開創のための張力を与えるように、開創器を設けることが好ましい。外科医は、一方の側に開創器を移動させるように、このようなアプローチを好む。ここで、外科医は、開創器が外科医の動きに関係しないように、作業をしなければならない。外科手術用開創器がずれた(offset)とき、開創器がロッド形状の部材の長軸線に対して完全に真っ直ぐに引っ張るように、開創器の位置決めをすることは、しばしば困難である。これは、開創器システムの円筒形状又はロッド形状の部材に取着されたクランプに、トーション力、又は回転力を加える。この力は、開創システムのクランプが回転するように、ロッドを中心とした滑動を生じがちである。この問題に対する通常の解決策は、ロッド形状の部材に設けられたクランプをかなり締めることである。不運にも、所定の点を超えて締められたとき、クランプは、ロッド形状の部材の変形、又は摩損を生じる傾向にあり、将来的な耐用年数のためにシステムを調節することを困難にしてしまう。
【0015】
現在入手可能な開創器システムで生じる他の問題は、開創器が現在のクランプによりシステムに固定されたとき、連結された構成部材が全ての軸線に対して移動しないように固定されるように、これら構成部材の間に生じる連結部が完全にロックされることである。通例、外科医又はアシスタントによって、所定の動きに対して、開創器を増加又は再調節する必要がある。開創器を調節することは、外科医又はアシスタントが、開創器を保持しているクランプを緩めて、開創器を再配置して、クランプを再設定しなければならないことを意味している。従来技術のクランプは、2つのロッドから完全に解放され、同時に回転するので、システムを再アライメントして再び締めるために、少なくとも両手が必要とされる。これは、かなり扱いにくい可能性がある。なぜならば、所定の時間、開創器に対する張力が減少され、このように張力が減少されたとき、組織が、好ましくないように移動する可能性があるからである。
【0016】
開創器のフレームは、一般的には、第1のフレームアームと、第2のフレームアームと、ロック装置とを有する。このロック装置は、クランプ部材と呼ばれることができ、外科手術用開創器が左右のフレームアームに取着されることができるように、固定位置で左のフレームアーム及び右のフレームアームに取着される。さらに、開創器のフレームは、一般的には、手術台のレールポストに取着されることができる第3の支持アームを有する。開創器のフレームの存在は、いくつかの制限を課す。例えば、左右のフレームアームに取着されるクランプ部材は、一般的には、所定の位置で左右のフレームアームを同時にロックする。適切なロックを行う際、両フレームアームは、互いに独立した左右のフレームアームを同時に調整することが困難である可能性がある。さらに、従来技術の多くの開創器のフレームにおいて、クランプ部材は、左右のフレームアームが取着されるのと同時に、支持アームとクランプ部材との間に枢動可能に接続されるように取着され、時々、所望のように開創器のフレームを調節することが困難である。
【0017】
以下で説明する目的のためのロック可能な装置は、ソケットに対して旋回ヘッドを固定するように設けられ、構成されたいかなる装置であっても良い。2つ以上のロック装置が設けられることが可能である。ロック装置は、旋回ヘッドに摩擦によるロックを与えることができる。代わって、ロック装置は、正の(positive)ロック、又は正のロック及び摩擦によるロックの両方を組み合わせるように構成されることができる。
【0018】
駆動装置は、ガスカートリッジとピストンとの間に気体連通を果し、塞ぐこともできるように設けられ、構成されたいかなる装置であっても良い。
【0019】
ガスカートリッジは、20℃の周辺温度で気体であり、1013hPaの周辺気圧である単一の化学組成物、又は混合物である化学組成物を収容しているカートリッジであることができる。代わって、ガスカートリッジは、このようなガスが発生されるように、化学反応するために他の化学組成物と接触するように与えられることができる化学組成物を収容していても良い。
【0020】
本発明の効果は、加圧空気の外部源を提供する必要がないことである。このような加圧空気の外部源は、入手できない可能性がある。特に、病院では、加圧空気システムは、しばしば、バクテリアに汚染されているため、この空気が、動作装置に使用されてはならないことがある。さらなる効果として、空気用ホースが必要ないことである。空気用ホースは、破裂の危険性に耐えるものであり、定期的に点検されなければならない。これらは、不便であり、作業者が作業を誤る危険性に耐えなければならない。他の効果は、ガスカートリッジが使い捨てガスカートリッジであることができることである。使い捨てガスカートリッジは、容易に扱え、容易に収容することができるので、ロック可能なジョイントは、高い信頼性及び入手可能性を有する。さらなる他の効果は、ロック可能なジョイントが容易に駆動されることができることである。それ故、ロック可能なジョイントは、高い歳差(precession)のアプリケーションにとって効果的である。
【0021】
好ましい実施の形態では、ガスカートリッジは、4MPa、即ち40barより大きな内圧を有する。特に、内圧は、5MPa、即ち50barより大きい。この高い圧力によって、ピストンでロック装置を直接駆動させることができる。例えば病院で使用される標準的な気圧システムは、ピストンの力が適切な装置によって増加されるように、通常は、0.7MPaより小さな圧力を有する。これら装置は、誤作動し易く、高価である。従って、4MPaより大きな内圧を有するガスカートリッジの使用を使用することは、製造が容易で、安価で、強固なロック可能なジョイントを導く。
【0022】
好ましい実施の形態では、ガスカートリッジは、1000gより少ないガスを収容している。特に、ガスカートリッジは、100gより少ない、例えば12gないし50gのガスを収容している。このようなガスカートリッジは、小さく、容易に扱うことができるが、ロック可能なジョイントの多くのアプリケーションにとって十分な量のガスを収容している。
【0023】
ガスカートリッジは、二酸化炭素、加圧空気、加圧窒素、加圧亜酸化窒素、加圧希ガス、加圧酸素、もしくはこれらのうちの2つ、3つ、4つ、又は5つの混合物を収容していることが好ましい。特に、ガスカートリッジは、二酸化炭素を収容していることが好ましく、それ故、二酸化炭素カートリッジと呼ぶことができる。二酸化炭素は、毒性がなく、容易に発生させることができ、扱う際に危険が少ない。圧力が5.8MPaより大きければ、二酸化炭素は、20℃の室温で液体であるということも効果的である。液体の場合、二酸化炭素は高密度であるので、小さな二酸化炭素カートリッジでも、十分な量の二酸化炭素を収容することができる。
【0024】
二酸化炭素カートリッジは、滅菌した二酸化炭素を収容していることが好ましい。滅菌した二酸化炭素カートリッジから使用される二酸化炭素は、手術室内であっても周辺空気に放出されることができる。
【0025】
ロック可能なジョイントは、本体を有する。この本体は、前記ロック装置内にソケットを有する。このロック装置は、前記本体内に収容された固定部材を有し、また、前記ピストンが、前記旋回ヘッドに前記固定部材を押圧するように設けられている。特に、前記ピストンと前記固定部材とは、前記ピストンをピストンの動作方向に移動させることによって、前記固定部材の移動を固定部材の動作方向へと案内するように接続されており、前記ピストンの動作方向は、前記固定部材の動作方向と平行である。これは、特に効果的な力のフラックス(flux)を生じさせる。
【0026】
前記ピストンと前記固定部材とが直接接続されていれば、前記ピストンが所定の距離だけ移動することによって、同じ所定の距離だけ、前記固定部材の移動を案内する。即ち、力を増加させるための機構は必要ない。これは、製造が容易なロック可能なジョイントを提供する。特に、ピストンは、前記旋回ヘッドを押圧するように設けられている。接触している部分は、固定部分と呼ばれることができる。
【0027】
好ましい実施の形態では、前記本体は、入口開口を有するシリンダを有し、前記ピストンは、前記シリンダ内に移動可能に収容されており、また、このピストンは、前記旋回ヘッドを押圧するように、固定部分の形態の前記固定部材を有し、さらに、前記固定部分は、前記シリンダの入口開口と対向して配置されている。この実施の形態では、シリンダ内の入口開口へのガス流は、旋回ヘッドに向かってピストンを押圧し、かくして、固定部材を押圧する。固定部材が旋回ヘッドに押圧されたとき、旋回ヘッドがソケットを押圧するように設けられている。従って、旋回ヘッドは、ソケットと固定部材との間にロックされる。ピストンがシリンダ内にしっかりと収容されると、ソケットが、本体にしっかりと装着されたとき、旋回ヘッドは、ロックされる、即ち本体に密接に固定、及び締め付けられる。例えば6MPaである高いガス圧が与えられたとき、4000Nより大きな締め付け力が、容易に果される。
【0028】
好ましい一実施の形態では、前記本体は、前記ガスカートリッジを交換可能に収容するためのガスカートリッジのリテーナを有する。そして、安価で容易に入手可能である使い捨ての、即ちワンウェイガスカートリッジを使用することが可能である。さらに、加圧空気システムが入手可能でない発展途上国や遠隔地でこのロック可能なジョイントを使用することが可能である。
【0029】
好ましくは、前記固定部材、特にピストンの固定部分は、固定部材の接触領域に前記旋回ヘッドを接触させるように設けられ、また、前記固定部材の接触領域は、1mmより小さなリング幅を有するリング形状である。これは、小さなリング幅が高圧を導き、代わって、旋回ヘッドの弾性変形を与えるので、旋回ヘッドに与えられるロック装置に特に強い締付け力を与える。
【0030】
好ましい一実施の形態では、前記固定部材は、前記固定部材と前記旋回ヘッドとの間を摩擦によりロックされるように設けられている。これは、製造が容易で強固なロック可能なジョイントを与える。
【0031】
接触部分の領域は、セグメント化(segmented)されることができる。これを果すために、例えばピストンの固定部分である固定部材には、クリアランス、又はカット部分が設けられることができる。これらクリアランスは、ロック可能なジョイントを使用、又は滅菌した後、ロック可能なジョイント、特に旋回ヘッドをクリーニングすることが可能であるように設けられることができる。
【0032】
前記旋回ヘッドは、旋回ヘッドの外径を有し、リング形状の旋回ヘッドの接触領域で前記固定部材と接触しており、また、前記接触領域は、前記旋回ヘッドの外径の0.94倍より大きな接触領域の外径を有することが好ましい。
【0033】
前記第1のアームは、アームの長手方向の軸線を有し、前記接触領域の外径と前記アームの長手方向の軸線とは、20°より小さな実質的な接触有効角を形成していることが好ましい。特に、前記有効角は、1°より大きいことが好ましい。
【0034】
多くのロック−解放サイクルを果すために、前記ガスカートリッジは、ガスカートリッジの出口開口を有し、また、前記シリンダと前記ガスカートリッジとは、前記ガスカートリッジの出口開口とシリンダの入口開口との間で、ガスダクトを介して気体連通しており、さらに、前記ガスダクトは、1000mm3より小さな、特に500mm3より小さな容積を有することが好ましい。ロック−解放サイクル数を最大にするために、前記ピストンは、2mmより小さな、特に1mmより小さなストロークを有することが好ましい。
【0035】
強い締付け力を与えるために、好ましくは、前記ピストンは、20mmより大きなピストンの直径を有する。
【0036】
他の態様に係われば、本発明は、(a)本発明の第1の態様に係るロック可能なジョイントと、(b)第2の旋回ヘッドを有する第2のアームと、(c)前記第2の旋回ヘッドが枢動可能に装着された第2のソケットと、(d)この第2のソケットに対して前記第2の旋回ヘッドをロックするように設けられた第2のロック装置と、を具備し、この第2のロック装置は、(i)前記ガスカートリッジと分離可能に気体連通している第2のピストンと、(ii)前記圧力ガスカートリッジから前記第2のピストンを接離可能に分離するように設けられた第2の駆動装置と、を有するロック可能なジョイントアセンブリに関する。容易に扱えるようにするために、好ましくは、前記第2のアームは、前記第1のアームに対向して設けられている。
【0037】
アンカー部材にロック可能なジョイントを固定するために、ロック可能なジョイントは、好ましくは、(a)支持アーム旋回ヘッドを有する支持アームと、(b)前記支持アーム旋回ヘッドが枢動可能に装着された支持アームソケットと、(c)この支持アームソケットに対して前記支持アーム旋回ヘッドをロックするように設けられた支持アームロック装置と、を具備し、この支持アームロック装置は、(i)前記ガスカートリッジと分離可能に気体連通している支持アームピストンと、(ii)前記ガスカートリッジから前記支持アームピストンを接離可能に分離するように設けられた支持アーム駆動装置と、を有する。
【0038】
さらなる態様に係われば、本発明は、(a)本発明に係るロック可能なジョイントアセンブリと、(b)手術台に前記ロック可能なジョイントアセンブリを装着するためのアンカー部材と、を具備し、このアンカー部材は、前記支持アームに解放可能に装着されており、第1のアームは、少なくとも1つの外科手術用開創器を収容するためのフレーム部材として機能するように構成された外科手術用開創器システムに関する。
【0039】
本発明の外科手術用開創器のフレームは、解剖組織の開創のために使用される外科手術用開創器の適用を果すために、手術台のレール、又は他の固定される構造体に取着される外科手術用ポストを留めるように構成されている。
【0040】
本発明の外科手術用開創器のフレームは、制御用ハンドピースの形態の本体と、支持アームと、2つのフレームアーム、即ち第1のアーム及び第2のアームと、を有することができる。
【0041】
支持アームと2つのフレームアーム(第1のアーム及び第2のアーム)とは、ボールジョイントを介して制御用ハンドピースと関節結合されることができる。各ボールジョイントは、支持アームと2つのフレームアームのうちの1つを支持している。各ボールジョイントは、関節部の範囲内のいかなる位置でも、独立してロック可能及び解放可能である。即ち、各ボールジョイントは、独立して解放され、調節され、他の2つのボールジョイントから独立して取着されることができる。
【0042】
本発明のロック機構を駆動する独立したガス圧は、例えば、二酸化炭素、窒素、圧縮空気のような加圧ガスを収容している小さな加圧ガスシリンダであるガスカートリッジの形態の加圧ガス源によって動作される。
【0043】
好ましい一実施の形態では、加圧ガスは、小さな二酸化炭素カートリッジ、又はシリンダにより供給される。二酸化炭素カートリッジは、本発明の制御用ハンドピース内に収容されている。二酸化炭素シリンダは、外科手術用開創器のフレームの使用に代わることを意図している。例えば、制御用ハンドピースは、加圧シリンダと代えられることができるほぼ円筒形のチャンバを有する。ガスシリンダがチャンバ内に置かれると、ガスシリンダを留める(carding)ためのねじが、ガスシリンダがトロカール、又は中空針に突き刺さるまで、ガスシリンダの後ろ側に挿入され、締め付けられることができる。同時に、ガスシリンダは、制御用ハンドピースに対してシール(seal)される。
【0044】
さらに、本体、又は制御用ハンドピースは、球形の各ボールジョイントを動作するための独立したプッシュボタン、又は他のバルブアクチュエータを有することができる。支持アームロック装置が、支持アームのためのボールジョイントを動作させる。
【0045】
本発明の一態様では、支持アームロック装置の動作は、駆動装置、例えばプッシュボタンが押されたとき、支持アームが、ボールジョイントの旋回ヘッド、即ち球形部材に支持アームのピストンを押圧する加圧ガスによってロックされる。支持アームロック装置は、プッシュボタンが押されたとき、支持アームピストンに対して機能する加圧ガスが放出されるように構成されている。また、ガス圧は、ガスが常に排出されないように、ガスカートリッジ内をシールしている。第1のアームのための駆動装置が、第1のアーム、即ち右側のフレームアームを動作させ、第2の駆動装置が、第2のアーム、即ち左側のフレームアームを動作させる。ボールジョイントは、ガス圧が解放されても同じ圧力がピストンによって球形部材に保たれるように設けられている。従って、フレームアームは、重力に応答して揺動する("flopping”)ことなく、所定の位置に調整されることができる。
【0046】
本発明の一態様では、医療スタッフが、ガスシリンダがなおも設置されている滅菌のためのオートクレーブ内に外科手術用開創器を誤って置いても、ガスシリンダが、オートクレーブ内で爆発する危険性を回避して安全に排出されることができるように、加圧ガスシリンダがフェールセーフ押圧解放部材を有する。
【0047】
本発明の一態様では、ボールジョイントの球体に対する固定部材に耐えるピストンが、内部にステンレス鋼のばねを含むピストンシールを有する。また、シールのないO−リング、又はピストンが使用されても良い。
【0048】
外科手術用開創器のフレームでピストンを動作させるために使用される加圧ガスは、1平方インチ当たり約200ないし350ポンドの圧力で供給されることができる。本発明の一態様では、このシステムは、1平方インチあたりおよそ300ポンドの圧力で動作される。
【0049】
外科手術用開創器のフレーム内のピストンの移動は、非常に小さく、1ミリメートルよりも小さいオーダであることが注意されなければならない。ピストンに対する圧力が解放されたとき、シリンダ内のピストンの嵌合は、ピストンが、ボールジョイントの球体に張力を与えるように、かなり締まっている。ピストンとボールジョイントの球体とは、例えば、Nitronic 60、Galltough、V4A鋼の金属材料で形成されることができる。
【0050】
ロック装置は、夫々のピストンとシリンダとからの圧力を排出し、同時に、加圧ガス源からガス経路、又はダクトを封止する二重機能のプッシュボタンバルブを有することができる。
【0051】
制御用ハンドピースは、人間工学に基づいたハンドグリップを有することができる。制御用ハンドピースの本体は、例えば、400シリーズのステンレス鋼、又はV4A鋼により形成されることができる。
【0052】
本発明の一実施の形態では、第1及び第2の、例えば左右のフレームアームと、支持アームとは、代表的な固体バーよりも関節結合構造体であることができる。これは、強度を犠牲にすることなく、外科手術用開創器の構造体を軽くする。ボールジョイントの球体は、固体、又は中空であることができる。本発明の金属部材の全ては、チタン、又はステンレス鋼のような材料で形成されることができる。
【0053】
ガスカートリッジは、滅菌した、又は滅菌していない状態で供給されることができる。滅菌していないカートリッジが使用されたとき、必要であれば、外科手術の間、カートリッジの交換を果すために、手術室内の滅菌した状態を維持するために使用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は、本発明に係る外科手術用開創器システムの好ましい一実施の形態の斜視図である。
【図2】図2は、本発明に係るロック可能なジョイントアセンブリの好ましい一実施の形態の斜視図である。
【図3a】図3aは、ロック位置での、図2に示された実施の形態の平面Aに係る側断面図である。
【図3b】図3bは、図3aの細部の概略的な断面図である。
【図3c】図3cは、解放位置を示し、図3aに係る図である。
【図4a】図4aは、本発明に係るロック可能なジョイントアセンブリの代わりの実施の形態の第1の正面断面図である。
【図4b】図4bは、図4aの実施の形態の第2の正面断面図である。
【図5a】図5aは、固定部材を有するピストンの斜視図である。
【図5b】図5bは、図5aのピストンの側断面図である。
【図5c】図5cは、図5a並びに図5bに示されたピストンの正面図である。
【図6a】図6aは、本発明に係るロック可能なジョイントのためのソケットを示す斜視図である。
【図6b】図6bは、図6aのソケットの断面図である。
【図6c】図6cは、図6a並びに図6bのソケットの側面図である。
【図6d】図6dは、図6cのG−G線に沿った断面図である。
【図7】図7は、本発明に係る外科手術用開創器のフレームの支持アーム及び2つのフレームアームの斜視図である。
【図8】図8は、本発明に係るロック可能なジョイントの他の実施の形態の断面図である。
【図9】図9は、本発明に係るロック可能なジョイントのさらなる他の実施の形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1は、4つの外科手術用開創器12.1、12.2、12.3、12.4を有する外科手術用開創器システム10を示している。以下において、末尾の数字(counting suffix)なしの参照符号は、このような対象物を示している。外科手術用開創器12は、外科手術用開創器のフレーム18の第1のアーム14、又は第2のアーム16に、機械的に締め付けられている。
【0056】
また、前記外科手術用開創器のフレーム18は、手術台(図示されない)に装着されるように設けられたアンカー部材20を有する。このアンカー部材20は、クランプロッド24に接続された連結アンカー部22を有する。また、アンカー部材用のジョイント26が、外科手術用開創器のフレーム18の支持アーム28を解放可能かつ枢動可能に装着するように設けられている。前記第1のアーム14及び第2のアーム16は、同じ形状を有し、断面全体に亘って円筒形状であり、湾曲部(bow)を形成している。前記支持アーム28、第1のアーム14、第2のアーム16、並びにこれらを互いに連結し、概略的に示された本体34(以下で詳しく説明される)は、ロック可能なジョイントアセンブリ49の構成部分である(以下で詳しく説明される)。
【0057】
図2は、ロック可能なジョイントアセンブリ49を示している。第1のアーム14は、ソケット32に収容された旋回ヘッド30を有する。このソケット32は、制御用のハンドピースと呼ばれ得る本体34の構成部分である。この本体34は、ロック装置のプッシュボタン36を有する。このプッシュボタンは、本体34に第1のアーム14をロック又は解放するように使用される構成部材であり、以下で詳しく説明される。また、本体、即ち制御用のハンドピース34は、解放可能に構成されたガスカートリッジのチャンバのねじ40を有するガスカートリッジのリテーナ38を有する。さらに、図2は、本体34の構成部分である支持アームソケット42も示している。
【0058】
図3aは、本発明に係わるロック可能なジョイント43の断面図である。同時に、図3aは、図2の平面Aに関して、ロック可能なジョイントアセンブリ49の断面を示している。図より、ロック可能なジョイント43は、1つのアーム及び1つのジョイント、特に1つのボールジョイントのみを有することが注意されなければならない。1つ以上のアームを有する装置が、ロック可能なジョイントアセンブリとして参照される。好ましくは、ロック可能なジョイントアセンブリの全てのアームが、単一の硬い本体に装着されている。従って、ロック可能なジョイント43は、ロック可能なジョイントアセンブリ49の構成部分である。
【0059】
図3aには、支持アーム用のロック装置44が示されている。この支持アーム用のロック装置44は、本体、即ち制御用のハンドピース34に支持アーム28の支持アーム旋回ヘッド46を解放可能にロックするように設けられている。この支持アームロック装置44は、フィンガーチップにより容易に駆動されることができるように、本体34を超えて突出した支持アームプッシュボタン48を有する。代わって、支持アームプッシュボタン48は、不慮の駆動から保護されるように、完全にリセス内に位置されることができる。
【0060】
支持アームロック装置44は、ほぼ円筒形状を有し、ボア52にしっかりと収容され、このボアに対して気密に封止された支持アームバルブ部材50を有する。支持アームバルブ部材50は、前記支持アームプッシュボタン48に装着されている。また、この支持アームバルブ部材は、前記支持アームプッシュボタン48に対向して位置されたばね54によって、ロック位置(図3aに示される)に予め付勢される。
【0061】
ロック位置では、支持アームバルブ部材50内の環状リセス56が、第1のガスチャネル58から第2のガスチャネル60への気体連通を与える。両チャネルは、3mmの直径を有する。環状リセス56、第1のガスチャネル58及び第2のガスチャネル60は、容積Vを有するガスダクト61を形成している。この容積Vは、理論的には小さいことが好ましく、例えば250mm3以下である。しかし、大きな容積Vも同様に可能である。第1のガスチャネル58は、ボア52からガスカートリッジのリテーナ38に、特に二酸化炭素カートリッジ64のガスカートリッジの出口開口62へと延びることができる。二酸化炭素カートリッジ64は、例えばX線、又はγ線照射によって、滅菌されることができる。
【0062】
二酸化炭素カートリッジ64は、約6MPaの圧力pcartridgeで、二酸化炭素約12gを収容している。室温では、二酸化炭素の大部分は、高い圧力のために液体である。二酸化炭素は、二酸化炭素カートリッジ64から出て、第1のガスチャネル58、環状リセス56並びに第2のガスチャネル60を通り、円筒形の入口開口66を通ってシリンダ68へと流れる。シリンダ68では、支持アームピストン70が、O−リング72によって気密にされるようにして、収容され、封止される。代わって、ガスケット、又はワッシャが使用されても良い。
【0063】
図3aに示されたロック位置では、シリンダ68内のガス圧pcylinderが、二酸化炭素カートリッジ64内のガス圧pcartridgeと等しい。従って、ピストン70は、シリンダ68の固定部分74が、支持アーム旋回ヘッド46に対して押圧されるように機能するように、ピストンの動作方向[P]に押圧される(以下、[P]はPの上に→を付したものを表し、ベクトルPの代用表現である)。言い換えれば、ピストン70は、旋回ヘッドを直接押圧する。図3aでは、ピストンの動作方向[P]は、固定部材の動作方向に等しい。支持アームピストン70のロック位置と、完全に開創される位置、即ちシリンダの入口開口66に関して壁と当接する位置と、の間の距離が、ストロークsと呼ばれる。言い換えれば、ストロークsは、ピストンの最大行程である。これは、0.5mmに等しい。
【0064】
図3bは、支持アームピストン70と、支持アーム旋回ヘッド46との概略的な断面図である。固定部分74の形態の固定部材は、固定部材接触領域76で、この支持アーム旋回ヘッド46と接触する。この固定部材接触領域76は、リング形状であり、約0.5mmのリング幅wを有する。支持アーム旋回ヘッド46と固定部分74との表面は、摩擦ロックが与えられるように、研磨、又は研削されている。この支持アーム旋回ヘッド46は、ボール、即ち球体であり、旋回ヘッドの外径Dshを有する。また、支持アームピストン70は、直径Dpistonを有し、この直径は、前記外径Dshの0.94倍以上である。さらに、接触領域76は、前記旋回ヘッドの外径Dshの0.94倍以上の接触領域の外径Dcaを有する。
【0065】
前記支持アーム28は、長手方向の軸線Lを有する。この長手方向の軸線Lが、支持アームのピストン70の長手方向の軸線とアライメントされていれば、図3bに示されるように、有効角αが、長手方向の軸線Lに垂直な平面Eと、接触領域の外径Dcaとの間に形成される。
【0066】
図3cは、解放位置において、ばね54の付勢力に抗して下方に押圧される支持アームプッシュボタン48を有する支持アームロック装置44を示している。環状リセス56は、第1のガスチャネル58から第2のガスチャネル60へとつながっておらず、従って、二酸化炭素カートリッジ64からシリンダ68を遮っていることが理解されることができる。解放位置では、第2の環状リセス78は、第1の出口チャネル80から第2の出口チャネル82へと接続しており、排出開口(図示されない)に案内する。従って、開放位置では、シリンダ68内のガス圧pcylinderが周辺の気圧pambientと等しくなるまで、第1の出口チャネル80、第2の環状リセス78及び第2の出口チャネル82を通って、二酸化炭素が出る。支持アーム旋回ヘッド46は、本体34に対して自由に枢動されることができる。
【0067】
第1のアーム14と第2のアーム16とは、支持アーム旋回ヘッド46と支持アームピストン70とに対して、上述のようなピストンと夫々協同する旋回ヘッドを夫々有する。プッシュボタン36(図2)は、第1のアーム16を解放するために使用され、また、第2のプッシュボタン86は、第2のアーム16を解放するために使用される。
【0068】
図4aは、ロック可能なジョイントアセンブリ49の第2の実施の形態の図2の平面Bに係る断面図である。図4aでは、プッシュボタン36及び第2のプッシュボタン86が、本体34の底面に位置されている。この実施の形態は、メカニズムの理解を容易にするために選択されている。しかし、図2に示された実施の形態が、構造体を夫々有する。図4aに示されるように、第2のアーム16は、第2のソケット88に収容された第2の旋回ヘッド84を有する。
【0069】
図4aは、シリンダ68’と、ガスカートリッジ64と、駆動装置92と、を有する第1のアーム14のためのロック装置90を示している。この駆動装置92は、プッシュボタン36と、バルブ部材50’と、を有する。繰り返しを避けるために、上述と同様の部材には、同じ参照符号に’を付して示す。例えば、シリンダ68’は、シリンダ68と同じ特徴を有する。図4aでは、プッシュボタン36は、ガスカートリッジ64のみと 気体連通しているシリンダ68’とのロック位置にある。また、プッシュボタン86は、周辺空気とのみ気体連通しているシリンダ68’’との解放位置にある。
【0070】
図4bは、図4aと比較して異なるレベルでの、即ち平面Bに平行で、支持アーム28(図2を見よ)から離れた平面Cに対する断面図である。図4bでは、2つの排出開口94’、94’’が見られることができる。これら排出開口94’、94’’は、第2の出口チャネル82’、82’’(図4aを見よ)と気体連通している。
【0071】
図5aは、O−リング72(図示されない)のための環状リセス98を有するシリンダ68を示している。シリンダ68は、4つのクリアランス100.1、100.2、100.3、100.4を有する。これらクリアランスにより、固定部材の接触領域76が、セグメント化されている(図3bを見よ)。
【0072】
図5bは、シリンダ68の断面を示している。また、図5cは、正面図である。図5bは、図5cのF−F線に沿った断面図である。
【0073】
図6aは、ソケット32の斜視図を示している。第2のソケット88及び支持アームソケット42は、これと同一の形状を有する。このソケット32は、本体34に夫々ねじと係合するためのスレッド102を有する(図3aを見よ)。このソケット32は、複数のボア104.1、104.2等を有し、これらボアは、ソケット32内に取り込まれた液体、又は気体が旋回ヘッド30の複数の構成部分に達することを可能にする。これは、特に、クリーニング及び滅菌のために効果的である。
【0074】
図6bは、ソケット32の断面を示している。また、図6cは、側面図である。図6dは、図6cのG−G線に沿った断面図である。
【0075】
図7は、第1のアーム14、第2のアーム16並びに支持アーム28を示す図である。
【0076】
図8は、発明性あるロック可能なジョイント43の代わりの実施の形態を示している。容易に操作できるように、プッシュボタンが、レバー106に代えられており、このレバーは、ヒンジ108によって本体34に枢動可能に接続されている。
【0077】
図9は、発明性あるロック可能なジョイントアセンブリ49の一実施の形態の断面図である。
【0078】
図3a並びに図4aを参照して、圧縮ガスカートリッジ64は、制御用のハンドピース34内に配置されることができる。留めるためのねじ40が、ガスカートリッジ64の展性シールを貫通する中空のせん孔部材(図示されない)に対して圧縮ガスカートリッジ64を押圧すし、制御用のハンドピース34の内部に接続されたガスコンジットを有する圧縮ガスカートリッジ64の内部と接続する。そして、ガス流が、ボールジョイントをロック、又はロック解除するために、ピストンを選択的に押圧するように、プッシュボタン、又は他のバルブアクチュエータによって制御される。
【0079】
本発明は、外科手術用開創器のフレームの例を用いて説明されてきた。外科手術用、及び外科手術用以外の設定においても、また、限定的ではないが、ボールジョイントのような関節結合ジョイントを固定、又はロックすることが好ましい健康器具(health care)の内部及び外部においても、本発明の他の多くの適用形態が存在することが理解されることができる。本発明は、限定的ではないが、内視鏡のスコープホルダ、内視鏡の開創器ホルダ、ファン、他の内視鏡器具ホルダや装置ホルダ、外科手術用スクリーンホルダ、足を吊る器具、及び垂直な手術台のポストのクランプ装置を含む関節結合アームジョイント保持装置のような他の装置にも適用可能であることが理解されることができる。関節結合クランプ、又はジョイントは、患者に対する位置決め、背骨へのアプリケーションのためのウィルソンフレーム(Wilson frame)、手術台、調節及びロック機構、整形外科用の接触器具および骨セメントアプリケータに使用される。
【符号の説明】
【0080】
10…外科手術用開創器システム、12…外科手術用開創器、14…第1のアーム、16…第2のアーム、18…外科手術用フレーム、20…アンカー部材、22…連結アンカー部、24…クランプロッド、26…アンカー部材用のジョイント、28…支持アーム、30…旋回ヘッド、32…ソケット、34…本体、36…プッシュボタン、38…ガスカートリッジのリテーナ、40…ガスカートリッジのチャンバのねじ、42…支持アームソケット、43…ロック可能なジョイント、44…支持アームロック装置、46…支持アーム旋回ヘッド、48…支持アームプッシュボタン、49…ロック可能なジョイントアセンブリ、50…支持アームバルブ部材、52…ボア、54…ばね、56…環状リセス、58…第1のガスチャネル、60…第2のガスチャネル、61…ガスダクト、62…ガスカートリッジの出口開口、64…二酸化炭素カートリッジ、66…円筒形の入口開口、68…シリンダ、70…支持アームのピストン、72…O−リング、74…固定部分、76…固定部材の接触領域、78…第2の環状リセス、80…第1の出口チャネル、82…第2の出口チャネル、84…第2の旋回ヘッド、86…第2のプッシュボタン、88…第2のソケット、90…ロック装置、92…駆動装置、94、96…排出開口、98…環状リセス、100…スラック、102…スレッド、104…ボア、106…レバー、108…ヒンジ、A、B、C、D…平面、d…接触領域の外径、Dpiston…ピストンの直径、Dsh…旋回ヘッドの外径、Dca…接触領域の外径、L…長手方向の軸線、p…ガスの圧力、[P]…ピストンの動作位置、s…ストローク、V…体積、w…リング幅。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、外科手術用器具の分野に関する。特に、本発明は、旋回ヘッドを有する第1のアームと、前記旋回ヘッドが枢動可能に装着されたソケットと、このソケットに対して前記旋回ヘッドをロックするように設けられたロック装置と、を具備し、このロック装置は、ピストンと、圧力ガス源と、この圧力ガス源から前記ピストンを接離可能に分離するように設けられた駆動装置と、を有する、ロック可能なジョイント、特にロック可能なボールソケットジョイントに関する。また、本発明は、手術台、又は他の固定される構造体に取着される関連した構造体の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなロック可能なジョイントは、米国特許第5,201,325号により知られている。この明細書において、ロック可能なジョイントは、ガス用ホースを介して吐出される加圧空気により駆動されることができる。ガス用ホースでは、加圧ガスのガス圧がロック可能なジョイントを安全に締め付けるのに十分でないので、圧力を高めるシステムが設けられる。他のロック可能なジョイントは、米国特許第5,271,384号により知られている。このロック可能なジョイントは、締付け力を与えるが、この締付け力は多くのアプリケーションにとって十分でない。
【発明の概要】
【0003】
本発明の課題は、従来技術から既知のロック可能なジョイントに関する問題を低減することである。
【0004】
本発明は、旋回ヘッドを有する第1のアームと、前記旋回ヘッドが枢動可能に装着されたソケットと、このソケットに対して前記旋回ヘッドをロックするように設けられたロック装置と、を具備し、このロック装置は、ピストンと、圧力ガス源と、この圧力ガス源からピストンを接離可能に分離するように設けられた駆動装置と、を有する、ロック可能なジョイント、特にロック可能なボールソケットジョイントにおいて、前記圧力ガス源は、ガスカートリッジを有することにより、課題を解決する。
【0005】
他の態様に係われば、本発明は、(a)旋回ヘッドを有する第1のアームと、(b)前記旋回ヘッドが枢動可能に装着されたソケットと、(c)このソケットに対して前記旋回ヘッドをロックするように設けられたロック装置と、を具備し、このロック装置は、(i) ピストンと、(ii)ガスカートリッジを着脱可能に収容するように設けられたガスカートリッジのリテーナと、(iii)前記ガスカートリッジ、又は前記ガスカートリッジのリテーナから前記ピストンを接離可能に分離するように設けられた駆動装置と、を有する、ロック可能なジョイント、特にロック可能なボールソケットジョイントにより、課題を解決する。
【0006】
さらに他の態様に係われば、本発明は、ロック可能なジョイントを固定するための請求項27に係る方法により、課題を解決する。
【0007】
通常、外科手術用開創器は、外科手術の処置の間、切開口を開いた状態で維持するために使用され、複数の曲がったフィンガー部を有する手で把持される器具であった。外科医又はアシスタントが、切開口の縁に沿って、外科手術用開創器のフィンガー部を留めて、外科医が体内の組織にアクセスすることができるように、切開口を開いた状態で維持するための張力を加えていた。
【0008】
最近約20年間では、開創器を絶えず維持する外科医又はアシスタントの必要なく開創が果され得るように、手術台又は他の構造体に取着される外科手術用開創器が発達してきている。
【0009】
本発明に係る外科手術用開創器システムでは、台のレールポストが、外科手術用開創器システムの基礎となることができる。これは、開創器具や他の外科手術用器具が取着されることが可能で、フレームセットや他の器具(hardware)のためのアンカーを与える。可変形状の開創器のフィンガー部を有する様々な開創器具が、外科手術の切開口を開いた状態で維持するように、即ち解剖組織(anatomical structure)を外側方向に移動させるように、外科手術において外科医を補助するために使用される。外科手術用開創器システムは、開創器システムの様々な部材を所定の位置にロックするように、カム機構、又は場合によってはねじクランプを使用することができる。
【0010】
本発明に係る外科手術用開創器システムは、丸いストックの開創器システムと、平らなストックの開創器システムと、の少なくとも一方を含む。平らなストックの開創器システムは、このようなシステムの様々な構成部材が、互いに接続されるようにほぼ直角で連結されなければならないので、直線形状による制限を受ける。従って、平らなストックが組み合わされることが可能な向きは、制限される。
【0011】
丸いストックの開創器システムは、様々なロッド形状の部分を有し、初めは、ねじ留めタイプのクランプによって互いに接続されている。ねじ留めタイプのクランプが使用されたとき、ねじクランプは、開創器システムの円筒形の部材を変形させる傾向にある可能性がある。さらに、セッティングの際、開創器システムの部分を位置決めして互いに接続するとき、しばしば両手を必要としたり、両手に加えて、システムを組立てるためのアシスタントを必要としたりする可能性がある。従って、カムロック、又はセンターロック接続システムは、外科手術用開創器を第1のアームに装着するためと、アンカー部材を第3のアームに固定するためと、の少なくとも一方のために好ましい。
【0012】
カムロックシステムは、互いに接続された2つのクランプを有する。これらクランプは、ロッド形状の開創器システムの構成部材を把持するように構成されており、回転の際、互いに関連して調節されることができる。一方のロッド形状の構成部材は、各クランプで把持される。互いに接続された2つのクランプは、レバーのようなアクチュエータ等によって駆動されて、2つのクランプを2つのロッド形状の部材にロックし、同時に、回転の際、互いに関連して2つのクランプをロックする。この構成の効果は、クランプが解放されたとき、再び締められる前に、完全に再位置決めされて再アライメントされる必要があるとき、クランプが、相対的な回転の際と同様に、ロッド形状の両部材から完全に解放されることである。
【0013】
外科手術用開創器システムは、生きた組織(living tissue)を操作するために使用される。生きた組織は、時間が長すぎると、圧力が加わることによって損傷する可能性がある。それ故、機械的な開創器が使用される外科手術の処置の間、この開創器が、断続的に緩められることが好ましい。即ち、組織の低酸素状態や起こり得る壊死状態を防ぐために、組織への血液の流れを増加させるように、開創器に対する張力が小さくされることが好ましい。この必要性は、現在の開創器システムの制限に加えて、外科手術チームにジレンマを生じさせる。外科手術チームは、外科手術用開創器システムを断続的に分離することができるが、このシステムに再接続するために、各々の外科手術用開創器を完全に調節する必要がある。代わって、外科手術チームは、長時間、所定の張力の下で生きた組織を開創した状態にし、組織が開創されて損傷又は壊死する危険性に晒されている。再調整に時間がかかったり扱いにくかったり、又は再調整が解剖組織の入念に位置決めされた関係を変えてしまうならば、外科手術チームのメンバーは、開創器システムを分離して再調整したがらない。
【0014】
他の問題は、現在の丸いストックの外科手術用開創器システムに関する以下の事実から生じる。一般的には、外科医が、所定の角度で開創のための張力を与えるように、開創器を設けることが好ましい。外科医は、一方の側に開創器を移動させるように、このようなアプローチを好む。ここで、外科医は、開創器が外科医の動きに関係しないように、作業をしなければならない。外科手術用開創器がずれた(offset)とき、開創器がロッド形状の部材の長軸線に対して完全に真っ直ぐに引っ張るように、開創器の位置決めをすることは、しばしば困難である。これは、開創器システムの円筒形状又はロッド形状の部材に取着されたクランプに、トーション力、又は回転力を加える。この力は、開創システムのクランプが回転するように、ロッドを中心とした滑動を生じがちである。この問題に対する通常の解決策は、ロッド形状の部材に設けられたクランプをかなり締めることである。不運にも、所定の点を超えて締められたとき、クランプは、ロッド形状の部材の変形、又は摩損を生じる傾向にあり、将来的な耐用年数のためにシステムを調節することを困難にしてしまう。
【0015】
現在入手可能な開創器システムで生じる他の問題は、開創器が現在のクランプによりシステムに固定されたとき、連結された構成部材が全ての軸線に対して移動しないように固定されるように、これら構成部材の間に生じる連結部が完全にロックされることである。通例、外科医又はアシスタントによって、所定の動きに対して、開創器を増加又は再調節する必要がある。開創器を調節することは、外科医又はアシスタントが、開創器を保持しているクランプを緩めて、開創器を再配置して、クランプを再設定しなければならないことを意味している。従来技術のクランプは、2つのロッドから完全に解放され、同時に回転するので、システムを再アライメントして再び締めるために、少なくとも両手が必要とされる。これは、かなり扱いにくい可能性がある。なぜならば、所定の時間、開創器に対する張力が減少され、このように張力が減少されたとき、組織が、好ましくないように移動する可能性があるからである。
【0016】
開創器のフレームは、一般的には、第1のフレームアームと、第2のフレームアームと、ロック装置とを有する。このロック装置は、クランプ部材と呼ばれることができ、外科手術用開創器が左右のフレームアームに取着されることができるように、固定位置で左のフレームアーム及び右のフレームアームに取着される。さらに、開創器のフレームは、一般的には、手術台のレールポストに取着されることができる第3の支持アームを有する。開創器のフレームの存在は、いくつかの制限を課す。例えば、左右のフレームアームに取着されるクランプ部材は、一般的には、所定の位置で左右のフレームアームを同時にロックする。適切なロックを行う際、両フレームアームは、互いに独立した左右のフレームアームを同時に調整することが困難である可能性がある。さらに、従来技術の多くの開創器のフレームにおいて、クランプ部材は、左右のフレームアームが取着されるのと同時に、支持アームとクランプ部材との間に枢動可能に接続されるように取着され、時々、所望のように開創器のフレームを調節することが困難である。
【0017】
以下で説明する目的のためのロック可能な装置は、ソケットに対して旋回ヘッドを固定するように設けられ、構成されたいかなる装置であっても良い。2つ以上のロック装置が設けられることが可能である。ロック装置は、旋回ヘッドに摩擦によるロックを与えることができる。代わって、ロック装置は、正の(positive)ロック、又は正のロック及び摩擦によるロックの両方を組み合わせるように構成されることができる。
【0018】
駆動装置は、ガスカートリッジとピストンとの間に気体連通を果し、塞ぐこともできるように設けられ、構成されたいかなる装置であっても良い。
【0019】
ガスカートリッジは、20℃の周辺温度で気体であり、1013hPaの周辺気圧である単一の化学組成物、又は混合物である化学組成物を収容しているカートリッジであることができる。代わって、ガスカートリッジは、このようなガスが発生されるように、化学反応するために他の化学組成物と接触するように与えられることができる化学組成物を収容していても良い。
【0020】
本発明の効果は、加圧空気の外部源を提供する必要がないことである。このような加圧空気の外部源は、入手できない可能性がある。特に、病院では、加圧空気システムは、しばしば、バクテリアに汚染されているため、この空気が、動作装置に使用されてはならないことがある。さらなる効果として、空気用ホースが必要ないことである。空気用ホースは、破裂の危険性に耐えるものであり、定期的に点検されなければならない。これらは、不便であり、作業者が作業を誤る危険性に耐えなければならない。他の効果は、ガスカートリッジが使い捨てガスカートリッジであることができることである。使い捨てガスカートリッジは、容易に扱え、容易に収容することができるので、ロック可能なジョイントは、高い信頼性及び入手可能性を有する。さらなる他の効果は、ロック可能なジョイントが容易に駆動されることができることである。それ故、ロック可能なジョイントは、高い歳差(precession)のアプリケーションにとって効果的である。
【0021】
好ましい実施の形態では、ガスカートリッジは、4MPa、即ち40barより大きな内圧を有する。特に、内圧は、5MPa、即ち50barより大きい。この高い圧力によって、ピストンでロック装置を直接駆動させることができる。例えば病院で使用される標準的な気圧システムは、ピストンの力が適切な装置によって増加されるように、通常は、0.7MPaより小さな圧力を有する。これら装置は、誤作動し易く、高価である。従って、4MPaより大きな内圧を有するガスカートリッジの使用を使用することは、製造が容易で、安価で、強固なロック可能なジョイントを導く。
【0022】
好ましい実施の形態では、ガスカートリッジは、1000gより少ないガスを収容している。特に、ガスカートリッジは、100gより少ない、例えば12gないし50gのガスを収容している。このようなガスカートリッジは、小さく、容易に扱うことができるが、ロック可能なジョイントの多くのアプリケーションにとって十分な量のガスを収容している。
【0023】
ガスカートリッジは、二酸化炭素、加圧空気、加圧窒素、加圧亜酸化窒素、加圧希ガス、加圧酸素、もしくはこれらのうちの2つ、3つ、4つ、又は5つの混合物を収容していることが好ましい。特に、ガスカートリッジは、二酸化炭素を収容していることが好ましく、それ故、二酸化炭素カートリッジと呼ぶことができる。二酸化炭素は、毒性がなく、容易に発生させることができ、扱う際に危険が少ない。圧力が5.8MPaより大きければ、二酸化炭素は、20℃の室温で液体であるということも効果的である。液体の場合、二酸化炭素は高密度であるので、小さな二酸化炭素カートリッジでも、十分な量の二酸化炭素を収容することができる。
【0024】
二酸化炭素カートリッジは、滅菌した二酸化炭素を収容していることが好ましい。滅菌した二酸化炭素カートリッジから使用される二酸化炭素は、手術室内であっても周辺空気に放出されることができる。
【0025】
ロック可能なジョイントは、本体を有する。この本体は、前記ロック装置内にソケットを有する。このロック装置は、前記本体内に収容された固定部材を有し、また、前記ピストンが、前記旋回ヘッドに前記固定部材を押圧するように設けられている。特に、前記ピストンと前記固定部材とは、前記ピストンをピストンの動作方向に移動させることによって、前記固定部材の移動を固定部材の動作方向へと案内するように接続されており、前記ピストンの動作方向は、前記固定部材の動作方向と平行である。これは、特に効果的な力のフラックス(flux)を生じさせる。
【0026】
前記ピストンと前記固定部材とが直接接続されていれば、前記ピストンが所定の距離だけ移動することによって、同じ所定の距離だけ、前記固定部材の移動を案内する。即ち、力を増加させるための機構は必要ない。これは、製造が容易なロック可能なジョイントを提供する。特に、ピストンは、前記旋回ヘッドを押圧するように設けられている。接触している部分は、固定部分と呼ばれることができる。
【0027】
好ましい実施の形態では、前記本体は、入口開口を有するシリンダを有し、前記ピストンは、前記シリンダ内に移動可能に収容されており、また、このピストンは、前記旋回ヘッドを押圧するように、固定部分の形態の前記固定部材を有し、さらに、前記固定部分は、前記シリンダの入口開口と対向して配置されている。この実施の形態では、シリンダ内の入口開口へのガス流は、旋回ヘッドに向かってピストンを押圧し、かくして、固定部材を押圧する。固定部材が旋回ヘッドに押圧されたとき、旋回ヘッドがソケットを押圧するように設けられている。従って、旋回ヘッドは、ソケットと固定部材との間にロックされる。ピストンがシリンダ内にしっかりと収容されると、ソケットが、本体にしっかりと装着されたとき、旋回ヘッドは、ロックされる、即ち本体に密接に固定、及び締め付けられる。例えば6MPaである高いガス圧が与えられたとき、4000Nより大きな締め付け力が、容易に果される。
【0028】
好ましい一実施の形態では、前記本体は、前記ガスカートリッジを交換可能に収容するためのガスカートリッジのリテーナを有する。そして、安価で容易に入手可能である使い捨ての、即ちワンウェイガスカートリッジを使用することが可能である。さらに、加圧空気システムが入手可能でない発展途上国や遠隔地でこのロック可能なジョイントを使用することが可能である。
【0029】
好ましくは、前記固定部材、特にピストンの固定部分は、固定部材の接触領域に前記旋回ヘッドを接触させるように設けられ、また、前記固定部材の接触領域は、1mmより小さなリング幅を有するリング形状である。これは、小さなリング幅が高圧を導き、代わって、旋回ヘッドの弾性変形を与えるので、旋回ヘッドに与えられるロック装置に特に強い締付け力を与える。
【0030】
好ましい一実施の形態では、前記固定部材は、前記固定部材と前記旋回ヘッドとの間を摩擦によりロックされるように設けられている。これは、製造が容易で強固なロック可能なジョイントを与える。
【0031】
接触部分の領域は、セグメント化(segmented)されることができる。これを果すために、例えばピストンの固定部分である固定部材には、クリアランス、又はカット部分が設けられることができる。これらクリアランスは、ロック可能なジョイントを使用、又は滅菌した後、ロック可能なジョイント、特に旋回ヘッドをクリーニングすることが可能であるように設けられることができる。
【0032】
前記旋回ヘッドは、旋回ヘッドの外径を有し、リング形状の旋回ヘッドの接触領域で前記固定部材と接触しており、また、前記接触領域は、前記旋回ヘッドの外径の0.94倍より大きな接触領域の外径を有することが好ましい。
【0033】
前記第1のアームは、アームの長手方向の軸線を有し、前記接触領域の外径と前記アームの長手方向の軸線とは、20°より小さな実質的な接触有効角を形成していることが好ましい。特に、前記有効角は、1°より大きいことが好ましい。
【0034】
多くのロック−解放サイクルを果すために、前記ガスカートリッジは、ガスカートリッジの出口開口を有し、また、前記シリンダと前記ガスカートリッジとは、前記ガスカートリッジの出口開口とシリンダの入口開口との間で、ガスダクトを介して気体連通しており、さらに、前記ガスダクトは、1000mm3より小さな、特に500mm3より小さな容積を有することが好ましい。ロック−解放サイクル数を最大にするために、前記ピストンは、2mmより小さな、特に1mmより小さなストロークを有することが好ましい。
【0035】
強い締付け力を与えるために、好ましくは、前記ピストンは、20mmより大きなピストンの直径を有する。
【0036】
他の態様に係われば、本発明は、(a)本発明の第1の態様に係るロック可能なジョイントと、(b)第2の旋回ヘッドを有する第2のアームと、(c)前記第2の旋回ヘッドが枢動可能に装着された第2のソケットと、(d)この第2のソケットに対して前記第2の旋回ヘッドをロックするように設けられた第2のロック装置と、を具備し、この第2のロック装置は、(i)前記ガスカートリッジと分離可能に気体連通している第2のピストンと、(ii)前記圧力ガスカートリッジから前記第2のピストンを接離可能に分離するように設けられた第2の駆動装置と、を有するロック可能なジョイントアセンブリに関する。容易に扱えるようにするために、好ましくは、前記第2のアームは、前記第1のアームに対向して設けられている。
【0037】
アンカー部材にロック可能なジョイントを固定するために、ロック可能なジョイントは、好ましくは、(a)支持アーム旋回ヘッドを有する支持アームと、(b)前記支持アーム旋回ヘッドが枢動可能に装着された支持アームソケットと、(c)この支持アームソケットに対して前記支持アーム旋回ヘッドをロックするように設けられた支持アームロック装置と、を具備し、この支持アームロック装置は、(i)前記ガスカートリッジと分離可能に気体連通している支持アームピストンと、(ii)前記ガスカートリッジから前記支持アームピストンを接離可能に分離するように設けられた支持アーム駆動装置と、を有する。
【0038】
さらなる態様に係われば、本発明は、(a)本発明に係るロック可能なジョイントアセンブリと、(b)手術台に前記ロック可能なジョイントアセンブリを装着するためのアンカー部材と、を具備し、このアンカー部材は、前記支持アームに解放可能に装着されており、第1のアームは、少なくとも1つの外科手術用開創器を収容するためのフレーム部材として機能するように構成された外科手術用開創器システムに関する。
【0039】
本発明の外科手術用開創器のフレームは、解剖組織の開創のために使用される外科手術用開創器の適用を果すために、手術台のレール、又は他の固定される構造体に取着される外科手術用ポストを留めるように構成されている。
【0040】
本発明の外科手術用開創器のフレームは、制御用ハンドピースの形態の本体と、支持アームと、2つのフレームアーム、即ち第1のアーム及び第2のアームと、を有することができる。
【0041】
支持アームと2つのフレームアーム(第1のアーム及び第2のアーム)とは、ボールジョイントを介して制御用ハンドピースと関節結合されることができる。各ボールジョイントは、支持アームと2つのフレームアームのうちの1つを支持している。各ボールジョイントは、関節部の範囲内のいかなる位置でも、独立してロック可能及び解放可能である。即ち、各ボールジョイントは、独立して解放され、調節され、他の2つのボールジョイントから独立して取着されることができる。
【0042】
本発明のロック機構を駆動する独立したガス圧は、例えば、二酸化炭素、窒素、圧縮空気のような加圧ガスを収容している小さな加圧ガスシリンダであるガスカートリッジの形態の加圧ガス源によって動作される。
【0043】
好ましい一実施の形態では、加圧ガスは、小さな二酸化炭素カートリッジ、又はシリンダにより供給される。二酸化炭素カートリッジは、本発明の制御用ハンドピース内に収容されている。二酸化炭素シリンダは、外科手術用開創器のフレームの使用に代わることを意図している。例えば、制御用ハンドピースは、加圧シリンダと代えられることができるほぼ円筒形のチャンバを有する。ガスシリンダがチャンバ内に置かれると、ガスシリンダを留める(carding)ためのねじが、ガスシリンダがトロカール、又は中空針に突き刺さるまで、ガスシリンダの後ろ側に挿入され、締め付けられることができる。同時に、ガスシリンダは、制御用ハンドピースに対してシール(seal)される。
【0044】
さらに、本体、又は制御用ハンドピースは、球形の各ボールジョイントを動作するための独立したプッシュボタン、又は他のバルブアクチュエータを有することができる。支持アームロック装置が、支持アームのためのボールジョイントを動作させる。
【0045】
本発明の一態様では、支持アームロック装置の動作は、駆動装置、例えばプッシュボタンが押されたとき、支持アームが、ボールジョイントの旋回ヘッド、即ち球形部材に支持アームのピストンを押圧する加圧ガスによってロックされる。支持アームロック装置は、プッシュボタンが押されたとき、支持アームピストンに対して機能する加圧ガスが放出されるように構成されている。また、ガス圧は、ガスが常に排出されないように、ガスカートリッジ内をシールしている。第1のアームのための駆動装置が、第1のアーム、即ち右側のフレームアームを動作させ、第2の駆動装置が、第2のアーム、即ち左側のフレームアームを動作させる。ボールジョイントは、ガス圧が解放されても同じ圧力がピストンによって球形部材に保たれるように設けられている。従って、フレームアームは、重力に応答して揺動する("flopping”)ことなく、所定の位置に調整されることができる。
【0046】
本発明の一態様では、医療スタッフが、ガスシリンダがなおも設置されている滅菌のためのオートクレーブ内に外科手術用開創器を誤って置いても、ガスシリンダが、オートクレーブ内で爆発する危険性を回避して安全に排出されることができるように、加圧ガスシリンダがフェールセーフ押圧解放部材を有する。
【0047】
本発明の一態様では、ボールジョイントの球体に対する固定部材に耐えるピストンが、内部にステンレス鋼のばねを含むピストンシールを有する。また、シールのないO−リング、又はピストンが使用されても良い。
【0048】
外科手術用開創器のフレームでピストンを動作させるために使用される加圧ガスは、1平方インチ当たり約200ないし350ポンドの圧力で供給されることができる。本発明の一態様では、このシステムは、1平方インチあたりおよそ300ポンドの圧力で動作される。
【0049】
外科手術用開創器のフレーム内のピストンの移動は、非常に小さく、1ミリメートルよりも小さいオーダであることが注意されなければならない。ピストンに対する圧力が解放されたとき、シリンダ内のピストンの嵌合は、ピストンが、ボールジョイントの球体に張力を与えるように、かなり締まっている。ピストンとボールジョイントの球体とは、例えば、Nitronic 60、Galltough、V4A鋼の金属材料で形成されることができる。
【0050】
ロック装置は、夫々のピストンとシリンダとからの圧力を排出し、同時に、加圧ガス源からガス経路、又はダクトを封止する二重機能のプッシュボタンバルブを有することができる。
【0051】
制御用ハンドピースは、人間工学に基づいたハンドグリップを有することができる。制御用ハンドピースの本体は、例えば、400シリーズのステンレス鋼、又はV4A鋼により形成されることができる。
【0052】
本発明の一実施の形態では、第1及び第2の、例えば左右のフレームアームと、支持アームとは、代表的な固体バーよりも関節結合構造体であることができる。これは、強度を犠牲にすることなく、外科手術用開創器の構造体を軽くする。ボールジョイントの球体は、固体、又は中空であることができる。本発明の金属部材の全ては、チタン、又はステンレス鋼のような材料で形成されることができる。
【0053】
ガスカートリッジは、滅菌した、又は滅菌していない状態で供給されることができる。滅菌していないカートリッジが使用されたとき、必要であれば、外科手術の間、カートリッジの交換を果すために、手術室内の滅菌した状態を維持するために使用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】図1は、本発明に係る外科手術用開創器システムの好ましい一実施の形態の斜視図である。
【図2】図2は、本発明に係るロック可能なジョイントアセンブリの好ましい一実施の形態の斜視図である。
【図3a】図3aは、ロック位置での、図2に示された実施の形態の平面Aに係る側断面図である。
【図3b】図3bは、図3aの細部の概略的な断面図である。
【図3c】図3cは、解放位置を示し、図3aに係る図である。
【図4a】図4aは、本発明に係るロック可能なジョイントアセンブリの代わりの実施の形態の第1の正面断面図である。
【図4b】図4bは、図4aの実施の形態の第2の正面断面図である。
【図5a】図5aは、固定部材を有するピストンの斜視図である。
【図5b】図5bは、図5aのピストンの側断面図である。
【図5c】図5cは、図5a並びに図5bに示されたピストンの正面図である。
【図6a】図6aは、本発明に係るロック可能なジョイントのためのソケットを示す斜視図である。
【図6b】図6bは、図6aのソケットの断面図である。
【図6c】図6cは、図6a並びに図6bのソケットの側面図である。
【図6d】図6dは、図6cのG−G線に沿った断面図である。
【図7】図7は、本発明に係る外科手術用開創器のフレームの支持アーム及び2つのフレームアームの斜視図である。
【図8】図8は、本発明に係るロック可能なジョイントの他の実施の形態の断面図である。
【図9】図9は、本発明に係るロック可能なジョイントのさらなる他の実施の形態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1は、4つの外科手術用開創器12.1、12.2、12.3、12.4を有する外科手術用開創器システム10を示している。以下において、末尾の数字(counting suffix)なしの参照符号は、このような対象物を示している。外科手術用開創器12は、外科手術用開創器のフレーム18の第1のアーム14、又は第2のアーム16に、機械的に締め付けられている。
【0056】
また、前記外科手術用開創器のフレーム18は、手術台(図示されない)に装着されるように設けられたアンカー部材20を有する。このアンカー部材20は、クランプロッド24に接続された連結アンカー部22を有する。また、アンカー部材用のジョイント26が、外科手術用開創器のフレーム18の支持アーム28を解放可能かつ枢動可能に装着するように設けられている。前記第1のアーム14及び第2のアーム16は、同じ形状を有し、断面全体に亘って円筒形状であり、湾曲部(bow)を形成している。前記支持アーム28、第1のアーム14、第2のアーム16、並びにこれらを互いに連結し、概略的に示された本体34(以下で詳しく説明される)は、ロック可能なジョイントアセンブリ49の構成部分である(以下で詳しく説明される)。
【0057】
図2は、ロック可能なジョイントアセンブリ49を示している。第1のアーム14は、ソケット32に収容された旋回ヘッド30を有する。このソケット32は、制御用のハンドピースと呼ばれ得る本体34の構成部分である。この本体34は、ロック装置のプッシュボタン36を有する。このプッシュボタンは、本体34に第1のアーム14をロック又は解放するように使用される構成部材であり、以下で詳しく説明される。また、本体、即ち制御用のハンドピース34は、解放可能に構成されたガスカートリッジのチャンバのねじ40を有するガスカートリッジのリテーナ38を有する。さらに、図2は、本体34の構成部分である支持アームソケット42も示している。
【0058】
図3aは、本発明に係わるロック可能なジョイント43の断面図である。同時に、図3aは、図2の平面Aに関して、ロック可能なジョイントアセンブリ49の断面を示している。図より、ロック可能なジョイント43は、1つのアーム及び1つのジョイント、特に1つのボールジョイントのみを有することが注意されなければならない。1つ以上のアームを有する装置が、ロック可能なジョイントアセンブリとして参照される。好ましくは、ロック可能なジョイントアセンブリの全てのアームが、単一の硬い本体に装着されている。従って、ロック可能なジョイント43は、ロック可能なジョイントアセンブリ49の構成部分である。
【0059】
図3aには、支持アーム用のロック装置44が示されている。この支持アーム用のロック装置44は、本体、即ち制御用のハンドピース34に支持アーム28の支持アーム旋回ヘッド46を解放可能にロックするように設けられている。この支持アームロック装置44は、フィンガーチップにより容易に駆動されることができるように、本体34を超えて突出した支持アームプッシュボタン48を有する。代わって、支持アームプッシュボタン48は、不慮の駆動から保護されるように、完全にリセス内に位置されることができる。
【0060】
支持アームロック装置44は、ほぼ円筒形状を有し、ボア52にしっかりと収容され、このボアに対して気密に封止された支持アームバルブ部材50を有する。支持アームバルブ部材50は、前記支持アームプッシュボタン48に装着されている。また、この支持アームバルブ部材は、前記支持アームプッシュボタン48に対向して位置されたばね54によって、ロック位置(図3aに示される)に予め付勢される。
【0061】
ロック位置では、支持アームバルブ部材50内の環状リセス56が、第1のガスチャネル58から第2のガスチャネル60への気体連通を与える。両チャネルは、3mmの直径を有する。環状リセス56、第1のガスチャネル58及び第2のガスチャネル60は、容積Vを有するガスダクト61を形成している。この容積Vは、理論的には小さいことが好ましく、例えば250mm3以下である。しかし、大きな容積Vも同様に可能である。第1のガスチャネル58は、ボア52からガスカートリッジのリテーナ38に、特に二酸化炭素カートリッジ64のガスカートリッジの出口開口62へと延びることができる。二酸化炭素カートリッジ64は、例えばX線、又はγ線照射によって、滅菌されることができる。
【0062】
二酸化炭素カートリッジ64は、約6MPaの圧力pcartridgeで、二酸化炭素約12gを収容している。室温では、二酸化炭素の大部分は、高い圧力のために液体である。二酸化炭素は、二酸化炭素カートリッジ64から出て、第1のガスチャネル58、環状リセス56並びに第2のガスチャネル60を通り、円筒形の入口開口66を通ってシリンダ68へと流れる。シリンダ68では、支持アームピストン70が、O−リング72によって気密にされるようにして、収容され、封止される。代わって、ガスケット、又はワッシャが使用されても良い。
【0063】
図3aに示されたロック位置では、シリンダ68内のガス圧pcylinderが、二酸化炭素カートリッジ64内のガス圧pcartridgeと等しい。従って、ピストン70は、シリンダ68の固定部分74が、支持アーム旋回ヘッド46に対して押圧されるように機能するように、ピストンの動作方向[P]に押圧される(以下、[P]はPの上に→を付したものを表し、ベクトルPの代用表現である)。言い換えれば、ピストン70は、旋回ヘッドを直接押圧する。図3aでは、ピストンの動作方向[P]は、固定部材の動作方向に等しい。支持アームピストン70のロック位置と、完全に開創される位置、即ちシリンダの入口開口66に関して壁と当接する位置と、の間の距離が、ストロークsと呼ばれる。言い換えれば、ストロークsは、ピストンの最大行程である。これは、0.5mmに等しい。
【0064】
図3bは、支持アームピストン70と、支持アーム旋回ヘッド46との概略的な断面図である。固定部分74の形態の固定部材は、固定部材接触領域76で、この支持アーム旋回ヘッド46と接触する。この固定部材接触領域76は、リング形状であり、約0.5mmのリング幅wを有する。支持アーム旋回ヘッド46と固定部分74との表面は、摩擦ロックが与えられるように、研磨、又は研削されている。この支持アーム旋回ヘッド46は、ボール、即ち球体であり、旋回ヘッドの外径Dshを有する。また、支持アームピストン70は、直径Dpistonを有し、この直径は、前記外径Dshの0.94倍以上である。さらに、接触領域76は、前記旋回ヘッドの外径Dshの0.94倍以上の接触領域の外径Dcaを有する。
【0065】
前記支持アーム28は、長手方向の軸線Lを有する。この長手方向の軸線Lが、支持アームのピストン70の長手方向の軸線とアライメントされていれば、図3bに示されるように、有効角αが、長手方向の軸線Lに垂直な平面Eと、接触領域の外径Dcaとの間に形成される。
【0066】
図3cは、解放位置において、ばね54の付勢力に抗して下方に押圧される支持アームプッシュボタン48を有する支持アームロック装置44を示している。環状リセス56は、第1のガスチャネル58から第2のガスチャネル60へとつながっておらず、従って、二酸化炭素カートリッジ64からシリンダ68を遮っていることが理解されることができる。解放位置では、第2の環状リセス78は、第1の出口チャネル80から第2の出口チャネル82へと接続しており、排出開口(図示されない)に案内する。従って、開放位置では、シリンダ68内のガス圧pcylinderが周辺の気圧pambientと等しくなるまで、第1の出口チャネル80、第2の環状リセス78及び第2の出口チャネル82を通って、二酸化炭素が出る。支持アーム旋回ヘッド46は、本体34に対して自由に枢動されることができる。
【0067】
第1のアーム14と第2のアーム16とは、支持アーム旋回ヘッド46と支持アームピストン70とに対して、上述のようなピストンと夫々協同する旋回ヘッドを夫々有する。プッシュボタン36(図2)は、第1のアーム16を解放するために使用され、また、第2のプッシュボタン86は、第2のアーム16を解放するために使用される。
【0068】
図4aは、ロック可能なジョイントアセンブリ49の第2の実施の形態の図2の平面Bに係る断面図である。図4aでは、プッシュボタン36及び第2のプッシュボタン86が、本体34の底面に位置されている。この実施の形態は、メカニズムの理解を容易にするために選択されている。しかし、図2に示された実施の形態が、構造体を夫々有する。図4aに示されるように、第2のアーム16は、第2のソケット88に収容された第2の旋回ヘッド84を有する。
【0069】
図4aは、シリンダ68’と、ガスカートリッジ64と、駆動装置92と、を有する第1のアーム14のためのロック装置90を示している。この駆動装置92は、プッシュボタン36と、バルブ部材50’と、を有する。繰り返しを避けるために、上述と同様の部材には、同じ参照符号に’を付して示す。例えば、シリンダ68’は、シリンダ68と同じ特徴を有する。図4aでは、プッシュボタン36は、ガスカートリッジ64のみと 気体連通しているシリンダ68’とのロック位置にある。また、プッシュボタン86は、周辺空気とのみ気体連通しているシリンダ68’’との解放位置にある。
【0070】
図4bは、図4aと比較して異なるレベルでの、即ち平面Bに平行で、支持アーム28(図2を見よ)から離れた平面Cに対する断面図である。図4bでは、2つの排出開口94’、94’’が見られることができる。これら排出開口94’、94’’は、第2の出口チャネル82’、82’’(図4aを見よ)と気体連通している。
【0071】
図5aは、O−リング72(図示されない)のための環状リセス98を有するシリンダ68を示している。シリンダ68は、4つのクリアランス100.1、100.2、100.3、100.4を有する。これらクリアランスにより、固定部材の接触領域76が、セグメント化されている(図3bを見よ)。
【0072】
図5bは、シリンダ68の断面を示している。また、図5cは、正面図である。図5bは、図5cのF−F線に沿った断面図である。
【0073】
図6aは、ソケット32の斜視図を示している。第2のソケット88及び支持アームソケット42は、これと同一の形状を有する。このソケット32は、本体34に夫々ねじと係合するためのスレッド102を有する(図3aを見よ)。このソケット32は、複数のボア104.1、104.2等を有し、これらボアは、ソケット32内に取り込まれた液体、又は気体が旋回ヘッド30の複数の構成部分に達することを可能にする。これは、特に、クリーニング及び滅菌のために効果的である。
【0074】
図6bは、ソケット32の断面を示している。また、図6cは、側面図である。図6dは、図6cのG−G線に沿った断面図である。
【0075】
図7は、第1のアーム14、第2のアーム16並びに支持アーム28を示す図である。
【0076】
図8は、発明性あるロック可能なジョイント43の代わりの実施の形態を示している。容易に操作できるように、プッシュボタンが、レバー106に代えられており、このレバーは、ヒンジ108によって本体34に枢動可能に接続されている。
【0077】
図9は、発明性あるロック可能なジョイントアセンブリ49の一実施の形態の断面図である。
【0078】
図3a並びに図4aを参照して、圧縮ガスカートリッジ64は、制御用のハンドピース34内に配置されることができる。留めるためのねじ40が、ガスカートリッジ64の展性シールを貫通する中空のせん孔部材(図示されない)に対して圧縮ガスカートリッジ64を押圧すし、制御用のハンドピース34の内部に接続されたガスコンジットを有する圧縮ガスカートリッジ64の内部と接続する。そして、ガス流が、ボールジョイントをロック、又はロック解除するために、ピストンを選択的に押圧するように、プッシュボタン、又は他のバルブアクチュエータによって制御される。
【0079】
本発明は、外科手術用開創器のフレームの例を用いて説明されてきた。外科手術用、及び外科手術用以外の設定においても、また、限定的ではないが、ボールジョイントのような関節結合ジョイントを固定、又はロックすることが好ましい健康器具(health care)の内部及び外部においても、本発明の他の多くの適用形態が存在することが理解されることができる。本発明は、限定的ではないが、内視鏡のスコープホルダ、内視鏡の開創器ホルダ、ファン、他の内視鏡器具ホルダや装置ホルダ、外科手術用スクリーンホルダ、足を吊る器具、及び垂直な手術台のポストのクランプ装置を含む関節結合アームジョイント保持装置のような他の装置にも適用可能であることが理解されることができる。関節結合クランプ、又はジョイントは、患者に対する位置決め、背骨へのアプリケーションのためのウィルソンフレーム(Wilson frame)、手術台、調節及びロック機構、整形外科用の接触器具および骨セメントアプリケータに使用される。
【符号の説明】
【0080】
10…外科手術用開創器システム、12…外科手術用開創器、14…第1のアーム、16…第2のアーム、18…外科手術用フレーム、20…アンカー部材、22…連結アンカー部、24…クランプロッド、26…アンカー部材用のジョイント、28…支持アーム、30…旋回ヘッド、32…ソケット、34…本体、36…プッシュボタン、38…ガスカートリッジのリテーナ、40…ガスカートリッジのチャンバのねじ、42…支持アームソケット、43…ロック可能なジョイント、44…支持アームロック装置、46…支持アーム旋回ヘッド、48…支持アームプッシュボタン、49…ロック可能なジョイントアセンブリ、50…支持アームバルブ部材、52…ボア、54…ばね、56…環状リセス、58…第1のガスチャネル、60…第2のガスチャネル、61…ガスダクト、62…ガスカートリッジの出口開口、64…二酸化炭素カートリッジ、66…円筒形の入口開口、68…シリンダ、70…支持アームのピストン、72…O−リング、74…固定部分、76…固定部材の接触領域、78…第2の環状リセス、80…第1の出口チャネル、82…第2の出口チャネル、84…第2の旋回ヘッド、86…第2のプッシュボタン、88…第2のソケット、90…ロック装置、92…駆動装置、94、96…排出開口、98…環状リセス、100…スラック、102…スレッド、104…ボア、106…レバー、108…ヒンジ、A、B、C、D…平面、d…接触領域の外径、Dpiston…ピストンの直径、Dsh…旋回ヘッドの外径、Dca…接触領域の外径、L…長手方向の軸線、p…ガスの圧力、[P]…ピストンの動作位置、s…ストローク、V…体積、w…リング幅。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) 旋回ヘッド(30)を有する第1のアーム(14)と、
(b) 前記旋回ヘッド(30)が枢動可能に装着されたソケット(32)と、
(c) このソケット(32)に対して前記旋回ヘッド(30)をロックするように設けられたロック装置(90)と、を具備し、このロック装置(90)は、
(i) ピストン(70’)と、
(ii) 圧力ガス源(64)と、
(iii) この圧力ガス源(64)から前記ピストン(70’)を接離可能に分離するように設けられた駆動装置(92)と、を有する、ロック可能なジョイント、特にロック可能なボールソケットジョイントにおいて、
(d) 前記圧力ガス源は、ガスカートリッジ(64)を有することを特徴とする、ロック可能なジョイント。
【請求項2】
前記ガスカートリッジ(64)は、4MPaより大きな、特に6MPaより大きな内圧(pcartridge)を有する請求項1のロック可能なジョイント。
【請求項3】
前記ガスカートリッジ(64)は、1000gより少ないガスを収容している請求項1又は2のロック可能なジョイント。
【請求項4】
前記ガスカートリッジ(64)は、二酸化炭素、加圧空気、加圧窒素、加圧亜酸化窒素、もしくはこれらのうちの2つ又は3つの混合物を収容している請求項1ないし3のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項5】
前記ガスカートリッジは、液体の二酸化炭素を収容している二酸化炭素カートリッジである請求項4のロック可能なジョイント。
【請求項6】
前記二酸化炭素カートリッジは、滅菌した二酸化炭素を収容している請求項5のロック可能なジョイント。
【請求項7】
前記ソケット(32)と、前記ロック装置(90)と、を有する本体(34)を有するロック可能なジョイント(43)であって、
前記ロック装置(90)は、前記本体(34)内に収容された固定部材(74)を有し、また、
前記ピストン(70’)は、前記旋回ヘッド(30)に前記固定部材(74)を押圧するように設けられている請求項1ないし6のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項8】
前記ピストンと前記固定部材(74)とは、前記ピストン(70’)をピストンの動作方向([P])に移動させることによって、前記固定部材の移動を固定部材の動作方向([P])へと案内するように接続されており、
前記ピストンの動作方向([P])は、前記固定部材の動作方向([P])と平行である請求項7のロック可能なジョイント。
【請求項9】
前記ピストン(70’)と前記固定部材(74)とは、前記ピストン(70’)が所定の距離だけ移動することによって、同じ所定の距離だけ、前記固定部材の移動を案内するように、直接接続されている請求項7又は8のロック可能なジョイント。
【請求項10】
前記本体(34)は、シリンダの入口開口(66’)を有するシリンダ(68)を有し、
前記ピストン(70’)は、前記シリンダ(68’)内に移動可能に収容されており、また、このピストン(70’)は、前記旋回ヘッド(30)を押圧するように、固定部分(74’)の形態の前記固定部材を有し、さらに、
前記固定部分(74’)は、前記シリンダの入口開口(66’)と対向して配置されている請求項7ないし9のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項11】
前記本体(34)は、前記ガスカートリッジ(64)を交換可能に収容するためのガスカートリッジのリテーナ(38)を有する請求項7ないし10のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項12】
前記固定部材(74’)は、固定部材の接触領域(76’)に、前記旋回ヘッド(30)を押圧するように設けられ、また、
前記固定部材の接触領域(76’)は、1mmより小さなリング幅を有するリング形状である請求項7ないし11のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項13】
前記固定部材(74’)は、前記固定部材(74’)と前記旋回ヘッド(30)との間を摩擦によりロックするように設けられている請求項7ないし12のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項14】
前記固定部材の接触領域(76’)は、セグメント化されている請求項12又は13のロック可能なジョイント。
【請求項15】
前記旋回ヘッドは、旋回ヘッドの外径(Dsh)を有し、リング形状の旋回ヘッドの接触領域で前記固定部材と接触しており、また、
前記接触領域は、前記旋回ヘッドの外径(Dsh)の0.94倍より大きな接触領域の外径(Dca)を有する請求項13又は14のロック可能なジョイント。
【請求項16】
前記第1のアームは、アームの長手方向の軸線(L)を有し、
前記接触領域の外径(Dca)と前記アームの長手方向の軸線(L)とは、20°より小さな実質的な接触有効角(α)を形成している請求項1ないし15のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項17】
前記有効角(α)は、1°より大きい請求項1ないし16のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項18】
前記ガスカートリッジ(64)は、ガスカートリッジの出口開口(62)を有し、また、
前記シリンダ(68’)と前記ガスカートリッジとは、前記ガスカートリッジの出口開口(62)と前記シリンダの入口開口(66’)との間で、ガスダクト(61’)を介して気体連通しており、さらに、
前記ガスダクト(61’)は、1000mm3より小さな、特に500mm3より小さな容積(V)を有する請求項1ないし17のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項19】
前記ピストン(70’)は、2mmより小さな、特に1mmより小さなストローク(s)を有する請求項1ないし18のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項20】
前記ピストンは、20mmより大きなピストンの直径(Dpiston)を有する請求項1ないし19のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項21】
ロック可能なジョイント(43)は、少なくとも10分間、大気圧で、140℃の滅菌温度に耐えるように構成されている請求項1ないし20のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項22】
(a) 請求項1ないし21に係るロック可能なジョイント(43)と、
(b) 第2の旋回ヘッド(84)を有する第2のアーム(16)と、
(c) 前記第2の旋回ヘッド(84)が枢動可能に装着された第2のソケット(88)と、
(d) この第2のソケット(88)に対して前記第2の旋回ヘッド(84)をロックするように設けられた第2のロック装置と、を具備し、この第2のロック装置は、
(i) 前記ガスカートリッジ(64)と分離可能に気体連通している第2のピストン(70’’)と、
(ii) 前記圧力ガスカートリッジ(64)から前記第2のピストン(70’’)を接離可能に分離するように設けられた第2の駆動装置(86、50’’)と、を有するロック可能なジョイントアセンブリ。
【請求項23】
前記第2のアーム(16)は、前記第1のアーム(14)に対向して設けられている請求項22のロック可能なジョイントアセンブリ。
【請求項24】
(a) 支持アーム旋回ヘッド(46)を有する支持アーム(28)と、
(b) 前記支持アーム旋回ヘッド(46)が枢動可能に装着された支持アームソケット(42)と、
(c) この支持アームソケット(42)に対して前記支持アーム旋回ヘッド(46)をロックするように設けられた支持アームロック装置(44)と、を具備し、この支持アームロック装置(44)は、
(i) 前記ガスカートリッジ(64)と分離可能に気体連通している支持アームピストン(70)と、
(ii) 前記ガスカートリッジ(64)から前記支持アームピストン(70)を接離可能に分離するように設けられた支持アーム駆動装置(48、50)と、を有する請求項22又は23のロック可能なジョイントアセンブリ。
【請求項25】
(a) 請求項22ないし24のいずれか1のロック可能なジョイントアセンブリ(49)であって、
(b) 前記第1のアーム(14)が、外科手術用開創器(12)を受けるように構成されたロック可能なジョイントアセンブリと、
(c) 手術台に前記ロック可能なジョイントアセンブリ(49)を装着するためのアンカー部材(20)と、を具備し、
(d) このアンカー部材(20)は、前記支持アーム(28)に解放可能に装着されている外科手術用開創器のフレーム。
【請求項26】
請求項25に係る外科手術用開創器のフレーム(18)と、
前記第1のアーム(14)に解放可能に装着された少なくとも1つの外科手術用開創器(12)と、を具備する外科手術用開創器システム。
【請求項27】
旋回ヘッド(30)を有する第1のアーム(14)と、
前記旋回ヘッド(30)が枢動可能に装着されたソケット(32)と、
このソケットに対して前記旋回ヘッドをロックするように設けられたロック装置と、を具備し、このロック装置は、
ピストンと、
ガスカートリッジ、特に二酸化炭素カートリッジと、
このガスカートリッジから前記ピストンを接離可能に分離するように設けられた駆動装置と、を有する、ロック可能なジョイント(43)、特にロック可能なボールソケットジョイントを固定するための方法であって、
前記駆動装置を駆動させる工程と、
かくして、前記第1のアームが、前記ソケットに対して枢動可能であるように、前記ピストンを減圧する工程と、
前記駆動装置を解放する工程と、
かくして、前記ロック装置が前記ソケットに対して前記旋回ヘッドをロックするように、前記ガスカートリッジと気体連通することによって、前記ピストンを加圧する工程と、を具備する方法。
【請求項1】
(a) 旋回ヘッド(30)を有する第1のアーム(14)と、
(b) 前記旋回ヘッド(30)が枢動可能に装着されたソケット(32)と、
(c) このソケット(32)に対して前記旋回ヘッド(30)をロックするように設けられたロック装置(90)と、を具備し、このロック装置(90)は、
(i) ピストン(70’)と、
(ii) 圧力ガス源(64)と、
(iii) この圧力ガス源(64)から前記ピストン(70’)を接離可能に分離するように設けられた駆動装置(92)と、を有する、ロック可能なジョイント、特にロック可能なボールソケットジョイントにおいて、
(d) 前記圧力ガス源は、ガスカートリッジ(64)を有することを特徴とする、ロック可能なジョイント。
【請求項2】
前記ガスカートリッジ(64)は、4MPaより大きな、特に6MPaより大きな内圧(pcartridge)を有する請求項1のロック可能なジョイント。
【請求項3】
前記ガスカートリッジ(64)は、1000gより少ないガスを収容している請求項1又は2のロック可能なジョイント。
【請求項4】
前記ガスカートリッジ(64)は、二酸化炭素、加圧空気、加圧窒素、加圧亜酸化窒素、もしくはこれらのうちの2つ又は3つの混合物を収容している請求項1ないし3のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項5】
前記ガスカートリッジは、液体の二酸化炭素を収容している二酸化炭素カートリッジである請求項4のロック可能なジョイント。
【請求項6】
前記二酸化炭素カートリッジは、滅菌した二酸化炭素を収容している請求項5のロック可能なジョイント。
【請求項7】
前記ソケット(32)と、前記ロック装置(90)と、を有する本体(34)を有するロック可能なジョイント(43)であって、
前記ロック装置(90)は、前記本体(34)内に収容された固定部材(74)を有し、また、
前記ピストン(70’)は、前記旋回ヘッド(30)に前記固定部材(74)を押圧するように設けられている請求項1ないし6のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項8】
前記ピストンと前記固定部材(74)とは、前記ピストン(70’)をピストンの動作方向([P])に移動させることによって、前記固定部材の移動を固定部材の動作方向([P])へと案内するように接続されており、
前記ピストンの動作方向([P])は、前記固定部材の動作方向([P])と平行である請求項7のロック可能なジョイント。
【請求項9】
前記ピストン(70’)と前記固定部材(74)とは、前記ピストン(70’)が所定の距離だけ移動することによって、同じ所定の距離だけ、前記固定部材の移動を案内するように、直接接続されている請求項7又は8のロック可能なジョイント。
【請求項10】
前記本体(34)は、シリンダの入口開口(66’)を有するシリンダ(68)を有し、
前記ピストン(70’)は、前記シリンダ(68’)内に移動可能に収容されており、また、このピストン(70’)は、前記旋回ヘッド(30)を押圧するように、固定部分(74’)の形態の前記固定部材を有し、さらに、
前記固定部分(74’)は、前記シリンダの入口開口(66’)と対向して配置されている請求項7ないし9のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項11】
前記本体(34)は、前記ガスカートリッジ(64)を交換可能に収容するためのガスカートリッジのリテーナ(38)を有する請求項7ないし10のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項12】
前記固定部材(74’)は、固定部材の接触領域(76’)に、前記旋回ヘッド(30)を押圧するように設けられ、また、
前記固定部材の接触領域(76’)は、1mmより小さなリング幅を有するリング形状である請求項7ないし11のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項13】
前記固定部材(74’)は、前記固定部材(74’)と前記旋回ヘッド(30)との間を摩擦によりロックするように設けられている請求項7ないし12のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項14】
前記固定部材の接触領域(76’)は、セグメント化されている請求項12又は13のロック可能なジョイント。
【請求項15】
前記旋回ヘッドは、旋回ヘッドの外径(Dsh)を有し、リング形状の旋回ヘッドの接触領域で前記固定部材と接触しており、また、
前記接触領域は、前記旋回ヘッドの外径(Dsh)の0.94倍より大きな接触領域の外径(Dca)を有する請求項13又は14のロック可能なジョイント。
【請求項16】
前記第1のアームは、アームの長手方向の軸線(L)を有し、
前記接触領域の外径(Dca)と前記アームの長手方向の軸線(L)とは、20°より小さな実質的な接触有効角(α)を形成している請求項1ないし15のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項17】
前記有効角(α)は、1°より大きい請求項1ないし16のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項18】
前記ガスカートリッジ(64)は、ガスカートリッジの出口開口(62)を有し、また、
前記シリンダ(68’)と前記ガスカートリッジとは、前記ガスカートリッジの出口開口(62)と前記シリンダの入口開口(66’)との間で、ガスダクト(61’)を介して気体連通しており、さらに、
前記ガスダクト(61’)は、1000mm3より小さな、特に500mm3より小さな容積(V)を有する請求項1ないし17のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項19】
前記ピストン(70’)は、2mmより小さな、特に1mmより小さなストローク(s)を有する請求項1ないし18のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項20】
前記ピストンは、20mmより大きなピストンの直径(Dpiston)を有する請求項1ないし19のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項21】
ロック可能なジョイント(43)は、少なくとも10分間、大気圧で、140℃の滅菌温度に耐えるように構成されている請求項1ないし20のいずれか1のロック可能なジョイント。
【請求項22】
(a) 請求項1ないし21に係るロック可能なジョイント(43)と、
(b) 第2の旋回ヘッド(84)を有する第2のアーム(16)と、
(c) 前記第2の旋回ヘッド(84)が枢動可能に装着された第2のソケット(88)と、
(d) この第2のソケット(88)に対して前記第2の旋回ヘッド(84)をロックするように設けられた第2のロック装置と、を具備し、この第2のロック装置は、
(i) 前記ガスカートリッジ(64)と分離可能に気体連通している第2のピストン(70’’)と、
(ii) 前記圧力ガスカートリッジ(64)から前記第2のピストン(70’’)を接離可能に分離するように設けられた第2の駆動装置(86、50’’)と、を有するロック可能なジョイントアセンブリ。
【請求項23】
前記第2のアーム(16)は、前記第1のアーム(14)に対向して設けられている請求項22のロック可能なジョイントアセンブリ。
【請求項24】
(a) 支持アーム旋回ヘッド(46)を有する支持アーム(28)と、
(b) 前記支持アーム旋回ヘッド(46)が枢動可能に装着された支持アームソケット(42)と、
(c) この支持アームソケット(42)に対して前記支持アーム旋回ヘッド(46)をロックするように設けられた支持アームロック装置(44)と、を具備し、この支持アームロック装置(44)は、
(i) 前記ガスカートリッジ(64)と分離可能に気体連通している支持アームピストン(70)と、
(ii) 前記ガスカートリッジ(64)から前記支持アームピストン(70)を接離可能に分離するように設けられた支持アーム駆動装置(48、50)と、を有する請求項22又は23のロック可能なジョイントアセンブリ。
【請求項25】
(a) 請求項22ないし24のいずれか1のロック可能なジョイントアセンブリ(49)であって、
(b) 前記第1のアーム(14)が、外科手術用開創器(12)を受けるように構成されたロック可能なジョイントアセンブリと、
(c) 手術台に前記ロック可能なジョイントアセンブリ(49)を装着するためのアンカー部材(20)と、を具備し、
(d) このアンカー部材(20)は、前記支持アーム(28)に解放可能に装着されている外科手術用開創器のフレーム。
【請求項26】
請求項25に係る外科手術用開創器のフレーム(18)と、
前記第1のアーム(14)に解放可能に装着された少なくとも1つの外科手術用開創器(12)と、を具備する外科手術用開創器システム。
【請求項27】
旋回ヘッド(30)を有する第1のアーム(14)と、
前記旋回ヘッド(30)が枢動可能に装着されたソケット(32)と、
このソケットに対して前記旋回ヘッドをロックするように設けられたロック装置と、を具備し、このロック装置は、
ピストンと、
ガスカートリッジ、特に二酸化炭素カートリッジと、
このガスカートリッジから前記ピストンを接離可能に分離するように設けられた駆動装置と、を有する、ロック可能なジョイント(43)、特にロック可能なボールソケットジョイントを固定するための方法であって、
前記駆動装置を駆動させる工程と、
かくして、前記第1のアームが、前記ソケットに対して枢動可能であるように、前記ピストンを減圧する工程と、
前記駆動装置を解放する工程と、
かくして、前記ロック装置が前記ソケットに対して前記旋回ヘッドをロックするように、前記ガスカートリッジと気体連通することによって、前記ピストンを加圧する工程と、を具備する方法。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2010−506109(P2010−506109A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530799(P2009−530799)
【出願日】平成19年10月3日(2007.10.3)
【国際出願番号】PCT/EP2007/008582
【国際公開番号】WO2008/040537
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(509046103)
【氏名又は名称原語表記】FRICKE, Helmut
【住所又は居所原語表記】Fuhrenweg 3, 38536 Meinersen, Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月3日(2007.10.3)
【国際出願番号】PCT/EP2007/008582
【国際公開番号】WO2008/040537
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(509046103)
【氏名又は名称原語表記】FRICKE, Helmut
【住所又は居所原語表記】Fuhrenweg 3, 38536 Meinersen, Germany
【Fターム(参考)】
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