説明

ロボット制御装置

【課題】筐体内の放熱効率の高いロボット制御装置を提供することにある。
【解決手段】筐体2の背板7の内側面に設けた駆動制御ボードCBの前側に、各モータドライバ40a〜40dを駆動制御ボードCBに案内して配置固定するためのガイドレールR1〜R4を有する支持台50を設けた。そして、ガイドレールR1〜R4に沿って各モータドライバ40a〜40dを摺動させて、モータドライバ40a,40b及びモータドライバ40c,40dの各放熱フィン62の上面62dを互いに向かい合わせて配置固定した。さらに、その放熱フィン62間の間隙と対向する位置に冷却ファン65を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、産業用ロボットは、ロボットに搭載されたモータに電力を供給するための電力用ケーブルや動作制御に必要な情報を伝送する信号用ケーブル等の接続ケーブルを介してロボット制御装置と電気的に接続されている。そして、これらの接続ケーブルを介して、ロボット制御装置が動作指令を産業用ロボットに与えることにより、産業用ロボットに任意の動作を行わせている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−188686号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、ロボット制御装置の筐体には、産業用ロボットのモータを駆動するサーボアンプをモータの数だけ内蔵する。これらサーボアンプは、発熱量が多いため、ロボット制御装置を連続作動させると筐体内の温度が上昇する。そして、筐体内の温度が上昇すると、筐体内の制御装置等が誤作動を起こす虞があった。
【0004】
本発明は、前述した上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、筐体内の放熱効率の高いロボット制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のロボット制御装置は、産業用ロボットと接続ケーブルを介して電気的に接続されて、同産業用ロボットの動作を制御するロボット制御装置において、前記産業用ロボットに搭載される各アクチュエータを駆動する複数のアクチュエータドライバが格納される筐体内に、前記アクチュエータドライバに設けられる放熱フィンの一側面同士を向かい合わせて同アクチュエータドライバを配置し、前記放熱フィンの一側面同士によって形成される間隙と対向するように冷却ファンを設けた。
【0006】
本発明のロボット制御装置によれば、アクチュエータドライバに設けられる放熱フィンの一側面同士を向かい合わせて配置した。これによって、アクチュエータドライバが発した熱を放熱するための放熱フィンを集中して配置することができる。さらに、冷却ファンを放熱フィンの一側面同士によって形成される間隙に対向するように設けたため、その間隙を冷却ファンによる放熱流路の一部とすることができる。従って、アクチュエータドライバを冷却ファンによって効率的に放熱することができる。
【0007】
このロボット制御装置において、前記放熱フィンの一側面は、前記放熱フィンの側面のうち最も表面積の広い側面としてもよい。
このロボット制御装置によれば、放熱フィンの表面積の広い側面を放熱流路に沿って配置することができるため、アクチュエータドライバを冷却ファンによってより効率的に放熱することができる。
【0008】
このロボット制御装置において、前記アクチュエータドライバを制御する駆動制御ボードに、同アクチュエータドライバを案内する案内機構を設けるようにしてもよい。
このロボット制御装置によれば、案内機構によってアクチュエータドライバを容易に駆動制御ボードに案内することができる。
【0009】
このロボット制御装置において、前記各案内機構同士の間に連通部を形成してもよい。
このロボット制御装置によれば、案内機構同士の間に連通部を形成したため、案内機構を冷却ファンと対向する位置に設けても、放熱フィンの一側面同士によって形成される間隙と連通部とを放熱流路の一部とすることができる。従って、アクチュエータドライバを容易に駆動制御ボードに案内することができ、且つアクチュエータドライバを効率的に放熱することができる。
【0010】
このロボット制御装置において、前記放熱フィンの一側面同士によって形成される複数の間隙が一直線になるように前記各アクチュエータドライバを配置してもよい。
このロボット制御装置によれば、放熱フィンの一側面同士によって形成される複数の間隙が一直線になる。そのため、その間隙と対向する位置に冷却ファンを設けることによって、筐体内に設けた全てのアクチュエータドライバを効率的に放熱することができる。従って、例えば放熱フィンの一側面同士によって形成される複数の間隙が複数段構造になっている場合に比べて、冷却ファンを小型化することができる。または、放熱フィンの一側面同士によって形成される複数の間隙が複数段構造になっている場合に比べて、冷却ファンの設置個数を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。図1は、ロボットRBとロボットコントローラ1との配線を説明するための斜視図、図2及び図3は、ロボットコントローラ1の筐体2の内部構造を説明するための分解斜視図である。なお、図2及び図3では、ボード等に実装されるコンデンサ等の回路素子の図示を省略している。
【0012】
図1において、ロボットRBは、4軸制御の水平多関節型の産業用ロボットであって、ロボットコントローラ1によって駆動制御されている。ロボットコントローラ1の筐体2は、底板3と、左右両側板4,5と、底板3と相対向する天板6と、背板7と、背板7と相対向する前面板8とによって、略直方体状の箱体が形成されている。
【0013】
図2に示すように、筐体2内には、略上下中央に隔壁9が形成され、隔壁9によって、筐体2内を上側収容空間S1及び下側収容空間S2に分割して筐体2内を2段構造にしている。下側収容空間S2の左側下側に配置されるように、電源入力端子10が前面板8の裏面の左側下側部に取着される。電源入力端子10には、電源ケーブル12の基端が電気的に接続されて、電源ケーブル12の先端に電気的に接続される外部電源(図示しない)から交流電源が給電されるようになっている。電源入力端子10から延設される内部入力配線(図示しない)は、電源入力端子10の右方の底板3の内側面に設けられたノイズフィルタ14に電気的に接続されている。また、ノイズフィルタ14は、ノイズフィルタ14の右側に設けられたサーキットプロテクタ16と電気的に接続されている。
【0014】
サーキットプロテクタ16は、隔壁9の底面9aに取着された主電源ボードDBに電気的に接続されている。これによって、電源ケーブル12を介して外部電源から給電された交流電源が、主電源ボードDBに給電されるようになっている。なお、電源ケーブル12と、サーキットプロテクタ16に形成された電源スイッチSWとは、筐体2が前面板8によって閉塞されると、図1に示すように、前面板8に形成された貫通孔20及び貫通穴22にそれぞれ貫通される。
【0015】
図2に示すように、隔壁9の底面9aに取着された主電源ボードDBは、下側収容空間S2の背板7の内側面に取着されたスイッチング電源ボード24と電気的に接続されている。スイッチング電源ボード24は、主電源ボードDBから供給される交流電源から直流電源を生成して、その直流電源を上側収容空間S1に設けられた駆動制御ボードCBに供給するようになっている。
【0016】
また、下側収容空間S2の右側板5の内側面には、冷却ファン30が設けられている。また、左右両側板4,5であって、その冷却ファン30と対向する位置には、通気口W1,W2がそれぞれ形成されている。そして、冷却ファン30を駆動させることにより、外気が通気口W2から筐体2内に取り込まれ、スイッチング電源ボード24等の各回路素子にて熱せられた筐体2内の空気が通気口W1から筐体2外に放出される。
【0017】
上側収容空間S1であって背板7の内側面には、前記主電源ボードDB及びスイッチング電源ボード24とそれぞれ電気的に接続された前記駆動制御ボードCBが取着されている。駆動制御ボードCBは、主電源ボードDBから交流電源が供給されるとともに、スイッチング電源ボード24から直流電源が供給される。
【0018】
駆動制御ボードCBの前面板8側の面(前面)左上部には、ボード側電力用コネクタ32aが取着されている。また、そのボード側電力用コネクタ32aの右隣には、ボード側信号用コネクタ34aが取着されている。そして、ボード側電力用コネクタ32aの下側にはボード側信号用コネクタ34bが取着されるとともに、ボード側信号用コネクタ34aの下側にはボード側電力用コネクタ32bが取着されている。すなわち、駆動制御ボードCBの前面の左半分において、ボード側電力用コネクタ32a,32b及びボード側信号用コネクタ34a,34bが、上下方向で互い違いになるように所定の間隔を置いて取着されている。同様に、駆動制御ボードCBの前面の右半分において、ボード側電力用コネクタ32c,32d及びボード側信号用コネクタ34c,34dが、上下方向で互い違いになるように所定の間隔を置いて配置されている。
【0019】
ボード側電力用コネクタ32a〜32d及びボード側信号用コネクタ34a〜34dには、ロボットRBのアクチュエータとしての各モータを駆動するための各種回路素子を実装したアクチュエータドライバとしてのモータドライバ40a〜40dのコネクタ部C1,C2がそれぞれ電気的に接続される。
【0020】
詳述すると、駆動制御ボードCBの前側には、支持台50が設けられている。支持台50は、そのベース部50aが隔壁9の上面9bに載置されるとともに、支持台50の前フレーム50bには、左右一対の四角形状の装着口52a,52bが貫通形成されている。前フレーム50bの裏面であって装着口52a,52bのそれぞれ左右の外周には、モータドライバ40a〜40dを駆動制御ボードCBに案内して配置固定するための案内機構としてのガイドレールR1〜R4が後方に向かって延出形成されている。
【0021】
詳しくは、左側の装着口52aの左右両側の上側には、一対のガイドレールR1が延出形成されるとともに、そのガイドレールR1の下側には、所定の間隔を置いて一対のガイドレールR2が延出形成されている。また、右側の装着口52bの左右両側の上側には、一対のガイドレールR3が延出形成されるとともに、そのガイドレールR3の下側には、所定の間隔を置いて一対のガイドレールR4が延出形成されている。そして、ガイドレールR1〜R4を挟んだ上下の空間をそれぞれ連通部54としている。
【0022】
モータドライバ40a〜40dは、サーボアンプ等の回路素子(図示しない)が実装される回路基板60と、その回路基板60の先端に設けられるコネクタ部C1,C2と、前記回路素子の上面に設けられる放熱フィン62とから構成されている。放熱フィン62は、回路素子と接する底面62aと、底面62aと左右両側面62b,62c(モータドライバ40b,40d参照)を介して相対向する上面62dと、互いに対向する前面62e及び背面62fとによって直方体が形成されている。なお、放熱フィン62の左右両側面62b,62cには、案内部材64が形成されており、この案内部材64が各ガイドレールR1〜R4に沿って摺動されるようになっている。
【0023】
モータドライバ40aは、放熱フィン62の一側面としての上面62dを下側に向けて、案内部材64を介してガイドレールR1に沿ってX矢印方向に摺動されると、モータドライバ40aのコネクタ部C1,C2が駆動制御ボードCBのボード側電力用コネクタ32a及びボード側信号用コネクタ34aにそれぞれ電気的に接続されるようになっている。また、モータドライバ40bは、放熱フィン62の上面62dを上側に向けて、案内部材64を介してガイドレールR2に沿ってX矢印方向に摺動されると、モータドライバ40bのコネクタ部C1,C2が駆動制御ボードCBのボード側電力用コネクタ32b及びボード側信号用コネクタ34bにそれぞれ電気的に接続されるようになっている。
【0024】
これによって、図3に示すように、モータドライバ40a及びモータドライバ40bは、放熱フィン62の側面のうち表面積の最も広い上面62dが上下方向に所定の間隔を置いて互いに向かい合うように配置固定されるようになっている。同様に、モータドライバ40c,40dは、ガイドレールR3,R4に沿ってそれぞれ摺動されて、放熱フィン62の上面62dが上下方向に所定の間隔を置いて互いに向かい合うように配置固定されるようになっている。
【0025】
また、上側収容空間S1の右側板5の内側面であって、各モータドライバ40a〜40dと対向する位置には、冷却ファン65が設けられている。また、左右両側板4,5であって、その冷却ファン65と対向する位置には、通気口W3,W4がそれぞれ形成されている。そして、冷却ファン65を駆動させることにより、外気が通気口W4から筐体2内に取り込まれ、各モータドライバ40a〜40d及び駆動制御ボードCB等の各回路素子にて熱せられた筐体2内の空気が通気口W3から筐体2外に放出される。
【0026】
本実施形態では、この冷却ファン65による放熱流路を筐体2内でY方向に確保するとともに、モータドライバ40a及びモータドライバ40b(モータドライバ40c及びモータドライバ40d)の放熱フィン62の上面62dを向かい合わせて上下方向に所定の間隔を置いて配置し、その放熱フィン62間の間隙が放熱流路の一部になるようにした。そのため、冷却ファン65からの冷却風を放熱フィン62間の間隙に通すことによって、冷却風を放熱フィン62の側面のうち表面積の広い上面62dに効率的に当てることができ、モータドライバ40a〜40dを効率的に冷却することができる。従って、大型の冷却ファンを設けずに、筐体2内を効率良く冷却することができるため、ロボットコントローラ1を小型化することができる。
【0027】
また、支持台50の上面50cには、CPUボードPBが設けられている。CPUボードPBは、図示しない接続ケーブル及びコネクタによって前記主電源ボードDB及び駆動制御ボードCBとそれぞれ電気的に接続されている。また、CPUボードPBの上面には、ベース側インターフェースコネクタ66,67が取着されたコネクタボード68が設けられている。なお、CPUボードPBは、コネクタボード68を介してベース側インターフェースコネクタ66,67と電気的に接続されている。
【0028】
図1に示すように、ベース側インターフェースコネクタ66,67は、先端がパーソナルコンピュータPC及びティーチングペンダントTPにそれぞれ接続された接続ケーブル69,70の基端のケーブル側インターフェースコネクタ71,72とそれぞれ電気的に接続される。そして、ベース側インターフェースコネクタ66,67には、パーソナルコンピュータPC及びティーチングペンダントTPから前記ロボットRBの情報や教示データ等のロボットRBを駆動させるための駆動情報信号が入力されるようになっている。そして、ベース側インターフェースコネクタ66,67は、パーソナルコンピュータPC及びティーチングペンダントTPから入力された駆動情報信号をCPUボードPBに出力するようになっている。なお、CPUボードPBは、その駆動情報信号に基づいて位置指令
信号を生成して、その位置指令信号を駆動制御ボードCBに出力するようになっている。また、前面板8によって筐体2が閉塞されると、コネクタボード68は、前面板8の上部に形成された貫通孔8aを貫通して外部に露出するようになっている。
【0029】
また、図1及び図4に示すように、前面板8の前記貫通孔8aの左側には、パネル側電力用コネクタ80が取着されている。パネル側電力用コネクタ80は、その長手方向が水平になるように前面板8の上部に取着されるとともに、先端が前記ロボットRBに接続された電力用接続ケーブル82の基端のケーブル側電力用コネクタ84と電気的に接続される。また、パネル側電力用コネクタ80には、前面板8の裏面から筐体2内に設けられた前記駆動制御ボードCBに電気的に接続される内部電源配線(図示しない)が接続されている。
【0030】
パネル側電力用コネクタ80の下側には、パネル側信号用コネクタ90が取着されている。パネル側信号用コネクタ90は、その長手方向が水平になるように前面板8に取着されるとともに、先端が前記ロボットRBに接続された信号用接続ケーブル92の基端のケーブル側信号用コネクタ94と電気的に接続される。また、パネル側信号用コネクタ90には、前面板8の裏面から筐体2内の駆動制御ボードCBに電気的に接続される内部信号配線(図示しない)が接続されている。これによって、駆動制御ボードCBによって制御される各モータドライバ40a〜40dは、電力用接続ケーブル82を介してロボットRBの各モータに3相電流を供給するとともに、各モータからの各モータの位置情報を含むエンコーダ信号を、信号用接続ケーブル92を介して受信するようになっている。
【0031】
次に、上記のように構成したロボットコントローラ1の作用について説明する。
筐体2内に設けた隔壁9の上面9bに、ガイドレールR1〜R4を有する支持台50を設けた。また、その支持台50よりも背板7側には、駆動制御ボードCBを設けた。駆動制御ボードCBに、ボード側電力用コネクタ32a,32b(ボード側電力用コネクタ32c,32d)及びボード側信号用コネクタ34a,34b(ボード側信号用コネクタ34c,34d)を上下方向で互い違いにして所定の間隔を置いて取着した。そして、モータドライバ40a〜40dをガイドレールR1〜R4に沿って背板7側に摺動させて、モータドライバ40a〜40dのコネクタ部C1,C2をそれぞれボード側電力用コネクタ32a〜32d及びボード側信号用コネクタ34a〜34dに電気的に接続した。この時、モータドライバ40a,40b(モータドライバ40c,40d)の放熱フィン62の上面62dが互いに向かい合うように配置固定した。
【0032】
また、各放熱フィン62間の間隙と対向する位置であって、右側板5の内側面に冷却ファン65を設けるとともに、その冷却ファン65と対向する左右両側板4,5に、通気口W3,W4をそれぞれ形成した。また、ガイドレールR1〜R4を挟んだ上下の空間をそれぞれ連通部54とした。
【0033】
これによって、各放熱フィン62間の間隙を冷却ファン65による放熱流路の一部とすることができるため、冷却ファン65による冷却風を各放熱フィン62に効率的に当てることができる。そのため、発熱量の多いモータドライバ40a〜40dを効率的に冷却することができ、筐体2内の温度上昇を好適に抑制することができる。その結果、温度上昇に伴う筐体2内の駆動制御ボードCB及びCPUボードPB等の誤作動を好適に抑制することができる。
【0034】
次に、本実施形態の効果を以下に記載する。
(1)本実施形態によれば、モータドライバ40a,40b(モータドライバ40c,40d)の放熱フィン62の側面のうち最も表面積の広い上面62dを互いに向かい合わせて配置固定した。さらに、その放熱フィン62間の間隙と対向する位置に冷却ファン6
5を設けた。これによって、各放熱フィン62間の間隙を冷却ファン65による放熱流路の一部とすることができるため、冷却ファン65による冷却風を各放熱フィン62に効率的に当てることができる。そのため、発熱量の多いモータドライバ40a〜40dを効率的に冷却することができ、筐体2内の温度上昇を好適に抑制することができる。その結果、温度上昇に伴う筐体2内の駆動制御ボードCB及びCPUボードPB等の誤作動を好適に抑制することができる。
【0035】
(2)本実施形態によれば、駆動制御ボードCBの前側に、各モータドライバ40a〜40dを駆動制御ボードCBに案内して配置固定するためのガイドレールR1〜R4を有する支持台50を設けた。従って、ガイドレールR1〜R4によって、各モータドライバ40a〜40dを駆動制御ボードCBに容易に案内でき、各モータドライバ40a〜40dのコネクタ部C1及びコネクタ部C2と駆動制御ボードCBに取着したボード側電力用コネクタ32a〜32d及びボード側信号用コネクタ34a〜34dとを容易に接続することができる。
【0036】
さらに、そのガイドレールR1〜R4を挟んで上下の空間をそれぞれ連通部54とした。そのため、ガイドレールR1〜R4に配置固定されるモータドライバ40a〜40dの放熱フィン62間の間隙と連通部54とを連通することができる。従って、冷却ファン65による冷却風を放熱フィン62間の間隙に通すことができ、その冷却風を各放熱フィン62に効率的に当てることができる。
【0037】
(3)本実施形態によれば、モータドライバ40aとモータドライバ40c及びモータドライバ40bとモータドライバ40dとを、それぞれY方向に並設させた。これによって、モータドライバ40a,40bの各放熱フィン62によって形成される間隙と、モータドライバ40c,40dの各放熱フィン62によって形成される間隙とを、一直線に形成することができる。従って、1つの冷却ファン65によって放熱フィン62を効率的に冷却することができる。
【0038】
なお、上記実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
・上記実施形態では、上側収容空間S1に各モータドライバ40a〜40dを設けたが、各モータドライバ40a〜40dの放熱フィン62の一側面(例えば、前面62e、上面62d等)が向かい合うように配置されれば配置位置に特に制限はない。例えば下側収容空間S2に各モータドライバ40a〜40dを設けるようにしてもよい。また、隔壁9を省略して筐体2の略中央部に各モータドライバ40a〜40dを設けるようにしてもよい。
【0039】
・上記実施形態では、モータドライバ40aとモータドライバ40c及びモータドライバ40bとモータドライバ40dとを、それぞれY方向に並設させた。これに限らず、例えばモータドライバ40a〜40dを上下方向(図3においてZ方向)に全て並設するようにしてもよい。詳しくは、モータドライバ40a,40bの各放熱フィン62の上面62d、モータドライバ40c,40dの各放熱フィン62の上面62dが向かい合うように配置する。そして、モータドライバ40a,40bの各放熱フィン62によって形成される間隙と、モータドライバ40c,40dの各放熱フィン62によって形成される間隙とが2段構造になるようにする。なお、この場合、モータドライバ40a,40bの放熱フィン62によって形成される間隙に対向する位置と、モータドライバ40c,40dの放熱フィン62によって形成される間隙に対向する位置に、冷却ファンがそれぞれ設けられることが好ましい。
【0040】
・上記実施形態では、ガイドレールR1〜R4を挟んだ上下の空間に連通部54を形成するようにした。これに限らず、例えばガイドレールR1とガイドレールR2の間の空間
及びガイドレールR3とガイドレールR4の間の空間にのみ連通部54を形成するようにしてもよい。
【0041】
・上記実施形態では、ガイドレールR1〜R4を有する支持台50を設けるようにしたが、この支持台50及びガイドレールR1〜R4を省略するようにしてもよい。
・上記実施形態における上側収容空間S1に設けた冷却ファン30を省略するようにしてもよい。
【0042】
・上記実施形態では、ロボットコントローラ1にパーソナルコンピュータPC及びティーチングペンダントTPを接続するようにしたが、これに制限されない。例えば、パーソナルコンピュータPC及びティーチングペンダントTPの他に、非常停止スイッチやプログラマブル・ロジック・コントローラ等をロボットコントローラ1に接続するようにしてもよい。
【0043】
・上記実施形態では、ロボットRBを4軸制御の水平多関節型の産業用ロボットに具体化したが、これに限らず、例えば単軸〜3軸制御の産業用ロボットや5軸以上の産業用ロボット(例えば、6軸制御の垂直多関節型の産業用ロボット)に変更してもよい。この場合、ロボットRBに搭載されるモータに応じたモータドライバを内蔵することのできるロボットコントローラに変更する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本実施形態におけるロボットとロボットコントローラとの配線を説明するための斜視図。
【図2】同じく、ロボットコントローラの筐体の内部構造を説明するための分解斜視図。
【図3】同じく、ロボットコントローラの筐体の内部構造を説明するための分解斜視図。
【図4】同じく、ロボットコントローラの前面板を説明するための斜視図。
【符号の説明】
【0045】
CB…駆動制御ボード、DB…主電源ボード、PB…CPUボード、RB…ロボット、R1〜R4…案内機構としてのガイドレール、W1〜W4…通気口、1…ロボットコントローラ、2…筐体、30,65…冷却ファン、32a〜32d…ボード側電力用コネクタ、34a〜34d…ボード側信号用コネクタ、40a〜40d…アクチュエータドライバとしてのモータドライバ、50…支持台、54…連通部、62…放熱フィン、62d…一側面としての上面、82…電力用接続ケーブル、92…信号用接続ケーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業用ロボットと接続ケーブルを介して電気的に接続されて、同産業用ロボットの動作を制御するロボット制御装置において、
前記産業用ロボットに搭載される各アクチュエータを駆動する複数のアクチュエータドライバが格納される筐体内に、前記アクチュエータドライバに設けられる放熱フィンの一側面同士を向かい合わせて同アクチュエータドライバを配置し、前記放熱フィンの一側面同士によって形成される間隙と対向するように冷却ファンを設けたことを特徴とするロボット制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のロボット制御装置において、
前記放熱フィンの一側面は、前記放熱フィンの側面のうち最も表面積の広い側面としたことを特徴とするロボット制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のロボット制御装置において、
前記アクチュエータドライバを制御する駆動制御ボードに、同アクチュエータドライバを案内する案内機構を設けたことを特徴とするロボット制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載のロボット制御装置において、
前記各案内機構同士の間に連通部を形成したことを特徴とするロボット制御装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載のロボット制御装置において、
前記放熱フィンの一側面同士によって形成される複数の間隙が一直線になるように前記各アクチュエータドライバを配置したことを特徴とするロボット制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−144589(P2007−144589A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−344653(P2005−344653)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】