説明

ロンドレーション容器およびロンドレーション容器の製造方法

【解決課題】収容される物品の保持性等に優れるとともに、簡易な構造であって、安価に製造することのできるロンドレーション容器およびロンドレーション容器の製造方法を提供する。
【解決手段】ロンドレーション容器10は、ベースシート11と、山部14と谷部15とが交互に連続して成形されるとともに、間隔Sを存する複数列をなしてベースシート11上に固着され、収容される物品25の複数部位を非隣接状態にて抱持する成形シート12、12と、を備えて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロンドレーション容器およびロンドレーション容器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばアンプル等の破損し易い物品の収容に適した容器として、いわゆるロンドレーションと呼ばれる形態を有するもの(ロンドレーション容器)が知られている。このロンドレーション容器は一般に、ベースシートと、山部と谷部とが交互に連続して成形され、ベースシート上に固着される成形シートと、を備えて構成されており、成形シートの山部間に、収容される物品が略全長に亘って載置されるようになっている。
【0003】
上記のロンドレーション容器において、収容される物品の保持性等を向上させるために、成形シートの上面に所定の「弾性緩衝部」を設けたものがある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−12813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載される容器では、泡状化したホットメルト接着剤等を用いて「弾性緩衝部」を形成する必要があるため、容器の構造や製造工程が煩雑となり、安価に製造することが難しかった。
【0006】
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的とするところは、収容される物品の保持性等に優れるとともに、簡易な構造であって、安価に製造することのできるロンドレーション容器およびロンドレーション容器の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のロンドレーション容器は、ベースシートと、山部と谷部とが交互に連続して成形されるとともに、所定間隔を存する複数列をなして該ベースシート上に固着され、収容される物品の複数部位を非隣接状態にて抱持する成形シートと、を備えて構成される。
【0008】
本発明のロンドレーション容器は好ましくは、該山部が、凸状の頭部と、該頭部と該谷部とを括れ状に接続する括れ部と、を備えて構成される。
【0009】
本発明のロンドレーション容器はさらに好ましくは、該成形シートにおける二の列間で、該頭部の間隔、該括れ部の高さ、該谷部の長さの少なくとも何れかが非同一に設けられる。
【0010】
本発明のロンドレーション容器はさらに好ましくは、該成形シートにおける一の列内で、該頭部の間隔、該括れ部の高さ、該谷部の長さの少なくとも何れかが非同一に設けられる。
【0011】
本発明のロンドレーション容器はさらに好ましくは、該ベースシートの端部に、収容される物品の小口に対向して折り曲げ可能な起立片が連設される。
【0012】
また、本発明のロンドレーション容器の製造方法は、ベースシートと、山部と谷部とが交互に連続して成形されるとともに、所定間隔を存する複数列をなして該ベースシート上に固着され、収容される物品の複数部位を非隣接状態にて抱持する成形シートと、を備えたロンドレーション容器の製造方法であって、ベースシートを一定の搬送方向に搬送する第1工程と、該ベースシートに対して一定の案内角度にて複数列の成形シートを供給し、各合流位置で該ベースシート上に合流させる第2工程と、該ベースシートの搬送にあわせて、複数列をなす該成形シートに、それぞれ所定の山部と谷部とを、複数列併行して成形する第3工程と、を含み、該第3工程が、各列同時または各列ごとに、該合流位置において、該ベースシートと該成形シートとの間に、該搬送方向に略直交して成形ブレードを移動自在に挿入する工程と、該成形ブレードを挟み得るように該合流位置の前後において昇降自在に対設されるスタンパーにより、該成形ブレードに被装される該成形シートを該ベースシートに順次押圧する工程と、
を有するように構成される。
【0013】
本発明のロンドレーション容器の製造方法は好ましくは、該スタンパーにより、該成形ブレードに被装される該成形シートを、それぞれ所定の斜め角度にて押圧し、該成形ブレードの前後の突端部よりも内方に向けて該成形シートを押込むことで、該成形シートの該山部に、凸状の頭部と、該頭部と該谷部とを括れ状に接続する括れ部と、を成形可能に構成される。
【0014】
本発明のロンドレーション容器の製造方法はさらに好ましくは、該成形ブレードに被装される該成形シートを、該搬送方向の後方に向けて引っ張り、該スタンパーによって押圧される前の該成形シートを、それぞれ所定の緊張状態とするように構成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、収容される物品の保持性等に優れるとともに、簡易な構造であって、安価に製造することのできるロンドレーション容器およびロンドレーション容器の製造方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態に係るロンドレーション容器を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態に係るロンドレーション容器を示す側面図である。
【図3】第1実施形態に係るロンドレーション容器の製造装置を示す概略平面図である。
【図4】第1実施形態に係るロンドレーション容器の製造状況を示す図である。
【図5】第2実施形態に係るロンドレーション容器を示す斜視図である。
【図6】第2実施形態に係るロンドレーション容器の製造状況を示す図である。
【図7】第3実施形態に係るロンドレーション容器を示す平面図である。
【図8】第3実施形態に係るロンドレーション容器を示す側面図である。
【図9】第3実施形態に係るロンドレーション容器の製造装置を示す概略平面図である。
【図10】変形例に係るロンドレーション容器を示す平面図である。
【図11】変形例に係るロンドレーション容器を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。図1〜図2は本実施形態に係るロンドレーション容器10を示す図であり、図1は斜視図、図2は側面図である。図3は本実施形態に係るロンドレーション容器10を製造するための製造装置30を示す概略平面図であり、図4はロンドレーション容器10の製造状況を示す図である。
【0018】
図1〜図2に示すように、本実施形態に係るロンドレーション容器10は、ベースシート11と、ベースシート11上に固着された成形シート12、12と、を備える。ベースシート11は平面視矩形状(X:長さ方向、Y:幅方向)で、ベースシート11の長さ方向Xに沿って、成形シート12、12が2列をなして配設される。成形シート12、12は互いに間隔Sをあけ、ベースシート11上の適宜位置(本実施形態では幅方向Yの両端部近傍)に設けられる。ベースシート11の幅方向Yの両端部には、起立片19、19がそれぞれ連設されている。ベースシート11および成形シート12の構成材料は特に限定されないが、代表的には紙が用いられる。ベースシート11は比較的厚手のものが好ましい。
【0019】
成形シート12には、図1〜図2に示すように、山部14と谷部15とが交互に連続して成形されている。山部14はさらに、図2に示すように、側面視で略半円弧凸状の頭部16と、この頭部16と谷部15とを滑らかな湾曲面にて括れ状に接続する括れ部17と、を有する。そして、成形シート12では、隣り合う頭部16の間隔21、括れ部17の高さ22、谷部15の長さ23が各一定に設けられている。本実施形態では、各列の成形シート12、12は長さ方向Xに沿って互いに同一断面をなし、且つ両者の山部14ないし谷部15の長さ方向Xに沿った位置が一致するように構成されている。谷部15が、接着剤等を用いてベースシート11に貼着されるが、谷部15の長さ23は、ごく短いものであっても構わない。また、成形シート12は比較的細幅に形成され得るが、成形シート12、12は互いに同一幅でなくてもよい。
【0020】
ロンドレーション容器10は、図1〜図2に示すように、円筒断面をなす棒状の物品25を収容する際に好適に用いられる。物品25は、上記幅方向Yと平行に横たえて収容される。成形シート12、12は、間隔Sを介して互いに隣接しない非隣接状態とされ、収容される物品25の複数部位を抱持する。各列の成形シート12、12において、隣り合う山部14、14間の谷部15上に、物品25の両端部位がそれぞれ載置されるとともに、谷部15を介して対向する括れ部17、17が斜め上方から物品25の両端部位にそれぞれ弾力的に当接する。これにより、物品25が安定して保持される。括れ部17は、物品25の両端部位の外周面にそれぞれ密着状に当接するような形状であってもよい。また、成形シート12の各山部14は、外部からの衝撃に対する緩衝材としての機能も有しており、物品25が例えばガラス製や陶磁器製等の脆弱なものであっても、輸送時等における破損や変形を防止できるようになっている。本実施形態のロンドレーション容器10の場合、物品25としては、軸方向(=幅方向Y)に略同一断面を有するものが適しているが、円筒断面以外に、楕円形や矩形、多角形状等の断面を有するものであってもよい。
【0021】
物品25が収容されたロンドレーション容器10は好ましくは、図1に示すような適宜の外装ケース29に装填される。外装ケース29は、天蓋開閉式等のものであってもよい。図示しないが、ロンドレーション容器10と外装ケース29とを適当な係止手段で係止可能としたり、複数のロンドレーション容器10を積重等したものを、外装ケース29に装填するような構成とすることもできる。
【0022】
本実施形態のロンドレーション容器10では、ベースシート11に上記起立片19、19が連設されている。起立片19は、折目を介し、物品25の小口に対向するように略鉛直に折り曲げて用いられる。これにより、ロンドレーション容器10が上記外装ケース29に出し入れ等される際に、収容された物品25を各成形シート12から誤って落下等させ難くできる。また、起立片19を設けることで、ロンドレーション容器10(ベースシート11)の剛性も向上する。図示しないが、起立片19は、物品25の側等にさらに折り曲げ可能な延設部を有するものであってもよい。
【0023】
上記のロンドレーション容器10によれば、収容される物品25の保持性等に優れるとともに、簡易な構造であって、安価に製造することができる。
また、ロンドレーション容器10では、成形シート12、12が互いに間隔Sをあけて設けられ、収容される物品25の両端部位が、各列の成形シート12、12により非隣接状態にて抱持される構成であるため、物品25の略全長に相当する広幅の成形シートが一列に設けられる従来容器等と比べて、無駄が少なく、効率的に物品25を安定して保持することができる。しかも、物品25の両端部位以外は、成形シート12、12により抱持されていないため、物品25の中間部位を掴む等して、物品25の取り出しを容易におこなえる。さらに、ロンドレーション容器10によれば、成形シート12、12が細幅に形成されたものであっても物品25の十分な保持が可能であるため、成形シート12、12の材料使用量が少なくて済み、材料コストの削減と省資源化が図られる。ロンドレーション容器10を紙によって構成する場合には、プラスチック製容器等と比べて、環境への負荷も抑制できる。
【0024】
上記したロンドレーション容器10の製造方法の一例について説明する。
【0025】
本実施形態では、図3に示す製造装置30を使用する。この製造装置30は、図3に示すように、所定の成形ステーション31を備える。成形ステーション31には、成形シート12、12を、ベースシート11に対して適宜の案内角度36(図4(a)参照)にて案内し、成形ステーション31内の合流位置(=基準面P)に合流させる案内ガイド35、35がそれぞれ付設支持されている。案内ガイド35を幅広に形成し、一の案内ガイド35が、各列の成形シート12、12で併用される構成としてもよい。図示しないが、製造装置30はこの他に、ベースシート11を搬送方向Aに沿って間欠的に水平搬送する搬送ローラ等の搬送手段、各成形シート12を成形ステーション31にそれぞれ供給する供給ローラ等の供給手段等を適宜備える。
【0026】
成形ステーション31は、図3に示すように、塗布部40と、成形ブレード50と、挿入支援部60と、第1スタンパー70および第2スタンパー70’と、バックテンション部80と、を主に備えて構成される。塗布部40は、ノズルガン等からなり、各列の成形シート12、12ごとにそれぞれ配設される。成形ブレード50、挿入支援部60、第1スタンパー70、第2スタンパー70’、バックテンション部80は何れも幅広に形成され、各列の成形シート12、12で併用されるようになっている。成形ブレード50は、所定の断面形状を有する棒状体で、搬送方向Aに直交する移動方向Bに沿って水平に往復動し、ベースシート11と各成形シート12との間にそれぞれ挿入自在とされる。挿入支援部60は、好ましくは略円形断面の棒状体で、搬送方向Aの前後に揺動自在に設けられる。第1スタンパー70および第2スタンパー70’は、ベースシート11に対してそれぞれ所定の斜め角度θ、θ(図4(d)(e)参照)をなして配設される板状体で、挿入された成形ブレード50を挟み得るように、搬送方向Aの前後において昇降自在に対設される。本実施形態の第1スタンパー70、第2スタンパー70’は、本体部材72と、本体部材72の先端に着脱可能に取設される先端部材73と、をそれぞれ備える(図4(a)参照)。バックテンション部80は、好ましくは略円形断面の棒状体で、コイルばね等の付勢手段81を介して弾設されている。成形ブレード50、挿入支援部60、第1スタンパー70、第2スタンパー70’は、図示しないカム機構等の機械的な機構やサーボ機構等の電気的な機構により、それぞれ所定のタイミングで動作するように適宜制御される。
【0027】
上記製造装置30を用いたロンドレーション容器10の製造方法では、ベースシート11の搬送にあわせて、2列をなす成形シート12、12に、所定の成形が併行して施され、ベースシート11上に固着される。成形シート12、12には、成形ブレード50や第1スタンパー70、第2スタンパー70’等を介して、それぞれ山部14と谷部15とが各列同時に成形されており、以下では便宜上、一方の成形シート12における成形を対象に説明をおこなう。
【0028】
上記製造装置30の成形ステーション31において、ベースシート11、成形シート12が供給され、基準面Pの位置でこれらが合流する。図4(a)に示すように、所定の山部14(1)および谷部15(1)を既に成形された成形シート12がベースシート11上に固着され、搬送方向Aに搬送されている。挿入支援部60は後方の位置にあり、案内ガイド35を介して案内された成形シート12は、バックテンション部80と挿入支援部60との間を縫って供給される。バックテンション部80は、成形シート12の表側に当接し、押下げ角度38にて成形シート12を押下げている。このような成形シート12の押下げにより、後述する引張力TないしTを成形シート12に作用させ易いものとなる。バックテンション部80は、挿入支援部60よりも上方の高さ位置に配設されるのが好ましい。
【0029】
図4(a)に示すように、塗布部40のノズル41からは、接着剤43が吐出され、上記搬送中のベースシート11上に順次塗布されている。接着剤43としては、例えばホットメルト接着剤が用いられ、オープンタイムが数秒程度と短く、硬化性のもの(硬化タイプ)、または粘着力が一定時間持続する粘着性のもの(粘着タイプ)が用いられる。硬化タイプの接着剤43を用いる場合には、ロンドレーション容器10の製造中ないし製造後における余分なゴミや埃の付着を防止でき、接着剤43を乾燥固化等させる別途のスペースも不要となる。一方、粘着タイプの接着剤43を用いる場合には、オープンタイムの管理が容易であり、取扱性が良好となる。
なお、ノズル41先端に、図示しない遮蔽板を適宜付設して、成形シート12の裏側に飛散し得る接着剤43が、成形ブレード50や挿入支援部60の動作を妨げるおそれを低下させるようにしてもよい。
【0030】
ベースシート11および成形シート12が所定距離だけ前進すると、上記搬送は一旦停止される。そして、図4(b)に示すように、ベースシート11と成形シート12との間に成形ブレード50が挿入される。このとき挿入支援部60が、成形ブレード50と第2スタンパー70’との間を、成形ブレード50を超えるところまで揺動される。挿入支援部60は、成形シート12の裏側に当接して、成形シート12を前方に移動させる。これにより、基準面Pにおいて、成形シート12がベースシート11から離間され、成形ブレード50を所定位置に容易に挿入できるようになっている。挿入支援部60は、成形前の成形シート12が、接着剤43を塗布されたベースシート11上に膠着してしまわないようなタイミングにて揺動されるのが好ましい。成形シート12の前方移動に伴い、バックテンション部80も、上記付勢手段81の付勢力に抗して前方に揺動される。
【0031】
次いで、挿入支援部60が後方に揺動され、図4(c)に示すように、再び元の位置に移動する。挿入支援部60の揺動に伴い、バックテンション部80も、上記付勢手段81の付勢力に従って後方に揺動されるが、この付勢力によって、成形ブレード50に被装される成形シート12に搬送方向Aの後方に向かう引張力Tが作用し、成形シート12のバックテンション部80よりも前方部分12Tが、成形ブレード50に接触した適度の緊張状態となっている。
【0032】
上記状態において、図4(d)に示すように、第1スタンパー70が昇降方向Cに沿って下降する。成形シート12は、第1スタンパー70の押込み部74によって、成形ブレード50の前側突端部55よりも内方に向けて押込まれ、圧着部75によって、ベースシート11上に圧着される。押込み部74により、括れ部17(図2参照)が成形されるが、この押込み部74が括れ部17に沿った凸状の湾曲面をなす場合には、押込み時に成形シート12が破損等するおそれを著しく低下させることができる。また、上記引張力Tによって成形シート12の上記部分12Tが所定の緊張状態となっているため、成形シート12を弛みなく密着状に成形ブレード50および押込み部74に沿わせながら、第1スタンパー70で押圧することが可能となっている。
【0033】
第1スタンパー70による成形シート12の押圧に伴い、図4(d)に示すように、バックテンション部80が再度前方に少し揺動されるため、上記付勢手段81の付勢力によって、成形ブレード50に被装される成形シート12に搬送方向Aの後方に向かう引張力Tが作用し、成形シート12の上記部分12Tが、(第1スタンパー70によって押圧されながら)成形ブレード50に接触した適度の緊張状態となっている。
この状態において、図4(e)に示すように、第2スタンパー70’が昇降方向C’に沿って下降する。成形シート12は、成形ブレード50の前後を覆うように被装されるとともに、第2スタンパー70’の押込み部74によって、成形ブレード50の後側突端部55よりも内方に向けて押込まれ、圧着部75によって、ベースシート11上に圧着される。押込み部74によって、上記同様、括れ部17が成形される。このとき、上記引張力Tによって成形シート12の上記部分12Tが所定の緊張状態となっているため、成形シート12を弛みなく密着状に成形ブレード50および押込み部74に沿わせながら、第2スタンパー70’で押圧することが可能となっている。
【0034】
その後、第1スタンパー70、第2スタンパー70’が順次昇降方向C、C’に沿って上昇するとともに、成形ブレード50が引き抜かれ、所定の山部14(2)および谷部15(2)が成形された成形シート12と、ベースシート11とが、再び搬送方向Aに搬送される。バックテンション部80は、上記付勢手段81の付勢力に従って、案内ガイド35から成形シート12を繰り出しながら後方に移動する(このとき、ベースシート11上に固着された成形シート12が剥離しないように、上記付勢力または接着剤43の固化時間等が適宜調節されている)。そして、図4(a)に示した如くの状況に戻って、以下これが繰り返され、ロンドレーション容器10が製造される。図4(a)〜(e)のサイクルは、実際にはきわめて短時間(数秒以内程度)でおこなわれている。
【0035】
なお、第1スタンパー70および第2スタンパー70’の各圧着部75の圧着長さd(図4(d)(e)参照)については、谷部15の長さ23(図1、図2参照)の1/2以上であることが好ましい。一の谷部15において、谷部15の前半側を第2スタンパー70’の圧着部75が先行して圧着し、次いで谷部15の後半側を第1スタンパー70の圧着部75が圧着している。よって、上記の場合には、各圧着部75により、最終的に谷部15の長さ23に亘る全体を圧着することが可能となり、ベースシート11と成形シート12との固着を強固にできる。また、第1スタンパー70の斜め角度θは、昇降時に前方の山部14(14(1))と衝突しないようなものであることが好ましい。
【0036】
上記によって製造されたロンドレーション容器10は、図示しない後工程によって、印字・ラベリング、起立片19の折曲げ、物品25の収容、裁断、各種検査、外装ケース29への装填等の必要な処理をさらに施される。
【0037】
以上説明した方法によれば、ベースシート11の搬送にあわせて、複数列をなす成形シート12、12を有するロンドレーション容器10を簡単に製造することができる。また、効率よく短時間で大量のロンドレーション容器10が得られ、ロンドレーション容器10を安価に製造することが可能となる。
【0038】
上記製造装置30を用いれば、各部材の配置・動作等の調整や交換・メンテナンス等を、手間やコストをかけることなく簡単におこなうことができ、装置の小型化も図られる。
また、上記製造装置30によれば、挿入支援部60とバックテンション部80とを備えているため、ベースシート11と各成形シート12との間に成形ブレード50を挿入し易いうえに、成形シート12を弛みなく密着状に成形ブレード50および各押込み部74に沿わせながら、第1スタンパー70および第2スタンパー70’で押圧することが可能となる。よって、各成形シート12に成形される山部14および谷部15の形状を確実に均一化してベースシート11上に固着させることが容易におこなえる。
しかも、上記製造装置30によれば、挿入支援部60とバックテンション部80とが、上記した如くの所定構成であるため、挿入支援部60の制御を介して、バックテンション部80をこれに連動して効果的に動作させることができる。そして、挿入支援部60が、成形ブレード50と第2スタンパー70’との間を(略水平に)前後移動するため、例えば挿入支援部60が第2スタンパー70’の後方で上下移動されるようなもの等に比べ、第2スタンパー70’(したがって第1スタンパー70も)の配設高さやストロークを小さくできる。よって、ロンドレーション容器10を非常に精度よく高速で製造することが可能となる。
【0039】
なお、成形ブレード50としては、図4に示した以外に様々な断面形態のものを用いることができるが、ロンドレーション容器10の頭部16に対応した略半円断面の形状を備えたものであれば、成形ブレード50の上面に各成形シート12を沿わせることで、成形される山部14(頭部16廻り)の形状を均一化し易い。
また、成形ブレード50や、第1スタンパー70および第2スタンパー70’の各先端部材73等は、適宜位置調整がおこなわれたり、交換部品として交換可能に構成されてもよい。このような必要最小限の部材の変更により、手間やコストをかけることなく、各成形シート12に多様な形状の山部14、谷部15を自在に成形することが可能となる。第1スタンパー70および第2スタンパー70’の配設角度を略90度にして、これらを略鉛直方向に沿って昇降させる構成とすれば、括れ部17を有しない山部14を成形することもできる。
本実施形態では、成形ブレード50、挿入支援部60、第1スタンパー70、第2スタンパー70’、バックテンション部80が、各列の成形シート12、12で併用されるようにしたが、これらの全部または一部を各列ごとに設ける構成とすることもできる。また、ロンドレーション容器10の製造ラインは、適宜増設され得る。成形ブレード50、挿入支援部60、第1スタンパー70、第2スタンパー70’、バックテンション部80をさらに幅広に形成し、一の成形ステーション31により、ロンドレーション容器10が複数の製造ラインで同時併行的に製造されるようにしてもよい。
【0040】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について、図5〜図6を参照して説明する。図5は本実施形態に係るロンドレーション容器210を示す斜視図、図6はロンドレーション容器210の製造状況を示す図である。なお、以降の実施形態では、上記第1実施形態と同様の構成に同一符号を付して詳細な説明を省略し、主に上記第1実施形態と異なる点について述べる。
【0041】
図5に示すように、本実施形態に係るロンドレーション容器210は、ベースシート11と、ベースシート11上に固着された成形シート212、212と、を備える。ロンドレーション容器210は、成形シート212、212における一の列内で、頭部の間隔、括れ部の高さ、谷部の長さが非同一に設けられた例を示すものである。
各成形シート212には、図5に示すように、山部214aと谷部215aとが交互に連続して成形されるとともに、これに延在して山部214bと谷部215bとが交互に連続して成形されている。そして、各成形シート212は、隣り合う頭部216aの間隔221a、括れ部217aの高さ222a、谷部215aの長さ223aからなる部分と、隣り合う頭部216bの間隔221b、括れ部217bの高さ222b、谷部215bの長さ223bからなる部分と、を有する(図6(a)(b)参照)。本実施形態では、各列の成形シート212、212は長さ方向Xに沿って互いに同一断面をなし、且つ両者の山部214a、214bないし谷部215a、215bの長さ方向Xに沿った位置が一致するように構成されている。
【0042】
ロンドレーション容器210は、図5に示すように、大きさ・形状等の異なる2種類の物品225a、225bを収容する際に好適に用いられる。物品225a、225bはそれぞれ、上記幅方向Yと平行に横たえて収容される。成形シート212、212は、間隔Sを介して互いに隣接しない非隣接状態とされ、収容される物品225a、225bの複数部位をそれぞれ抱持する。各列の成形シート212、212において、隣り合う山部214a、214a間の谷部215a上に、物品225aの両端部位がそれぞれ載置されるとともに、谷部215aを介して対向する括れ部217a、217aが斜め上方から物品225aの両端部位にそれぞれ弾力的に当接する。これにより、小径の物品225aが安定して保持される。また、隣り合う山部214b、214b間の谷部215b上に、物品225bの両端部位がそれぞれ載置されるとともに、谷部215bを介して対向する括れ部217b、217bが斜め上方から物品225bの両端部位にそれぞれ弾力的に当接する。これにより、大径の物品225bが安定して保持される。
【0043】
上記のロンドレーション容器210によれば、一の容器内に大きさ・形状等の異なる複数種類の物品225a、225bを収容することができるため、利便性が向上する。
なお、本実施形態では、成形シート212、212における一の列内で、頭部216aの間隔221a、括れ部217aの高さ222a、谷部215aの長さ223aと、頭部216bの間隔221b、括れ部217bの高さ222b、谷部215bの長さ223bと、をそれぞれ非同一に構成したが、これらの少なくとも何れかが非同一に設けられたものであれば、複数種類の適宜の物品を収容することが可能となる。
【0044】
上記したロンドレーション容器210の製造方法の一例について説明する。
【0045】
ロンドレーション容器210は、図3に示した製造装置30と同様に構成されたものを使用して製造することができる。但し、本実施形態では、ロンドレーション容器210の製造のために、成形ブレード50が、上下動して高さ位置を変更自在に構成されるとともに、図示しない搬送ローラ等の搬送手段によるベースシート11の送りピッチが、成形ブレード50の高さ位置に応じて適宜制御されるようになっている。
【0046】
本実施形態においても、ベースシート11の搬送にあわせて、2列をなす成形シート212、212に、所定の成形が併行して施され、ベースシート11上に固着される。成形シート212、212には、成形ブレード50や第1スタンパー70、第2スタンパー70’等を介して、それぞれ山部214a(214b)と谷部215a(215b)とが各列同時に成形されており、以下では便宜上、一方の成形シート212における成形を対象に説明をおこなう。なお、図6(a)(b)では、挿入支援部60やバックテンション部80等の図示を省略している。
【0047】
図6(a)に示すように、成形ブレード50が一定の高さ位置(第1段の位置)に挿入され、上記第1実施形態と同様の要領で、山部214a(頭部216a、括れ部217a)および谷部215aが順次成形された成形シート212がベースシート11上に固着され、搬送方向Aに搬送されている。隣り合う頭部216aは間隔221a、括れ部217aは高さ222a、谷部215aは長さ223aをそれぞれ有する。
山部214aおよび谷部215aが各所定数だけ成形されると、挿入される成形ブレード50の高さ位置が変更される。この実施形態では、成形ブレード50が、ベースシート11からさらに離間した高さ位置(第2段の位置)に挿入され、併せて搬送ローラ等(図示せず)によるベースシート11の送りピッチが大きくなる。これにより、図6(b)に示すように、山部214b(頭部216b、括れ部217b)および谷部215bが順次成形された成形シート212がベースシート11上に続けて固着されるようになる。隣り合う頭部216bは間隔221b、括れ部217bは高さ222b、谷部215bは長さ223bをそれぞれ有するが、これらは、上記の間隔221a、高さ222a、長さ223aよりもそれぞれ大きく形成されている。山部214bおよび谷部215bが各所定数だけ成形されると、挿入される成形ブレード50の高さ位置が再び上記第1段の位置に変更され、図6(a)に示した如くの状況に戻る。
【0048】
そして、上記が繰り返されることで、各所定数の山部214aおよび谷部215aと、各所定数の山部214bおよび谷部215bと、がそれぞれ周期的に且つ連続的に成形され、ロンドレーション容器210が製造される。各所定数の山部214aおよび谷部215aと、各所定数の山部214bおよび谷部215bと、を一単位として、これが搬送方向Aに沿って繰り返し成形されており、図5に示すように一単位ごとに裁断されて、ロンドレーション容器210が得られるようになっている。
【0049】
図示しないが、本実施形態では、第1スタンパー70、第2スタンパー70’および挿入支援部60が、それぞれサーボ機構を介して所定のタイミングで動作するように制御されている。第1スタンパー70、第2スタンパー70’を搬送方向Aに平行する前後方向にも移動自在な構成とすれば、成形される括れ部217a、217bの形状を調整することも可能となる。挿入される成形ブレード50の高さ位置に応じて、上記挿入支援部60を適宜上下動させるようにしてもよい。
【0050】
以上説明した方法によれば、ベースシート11の搬送にあわせて、複数列をなす成形シート212、212を有するロンドレーション容器210を簡単に製造できる。また、上記方法によれば、特定の金型等も不要であり、手間や製造コストを大幅に削減できる。しかも、成形シート212、212の各列内で、頭部の間隔、括れ部の高さ、谷部の長さを自在に設定し得るため、一の装置で多種多様な大きさ・形状等の物品に対応することが可能となる。例えば、成形ブレード50の高さ位置を変えずに、搬送ローラ等(図示せず)によるベースシート11の送りピッチを変えるようにすれば、括れ部217aの高さ222aと括れ部217bの高さ222bとを同一に保ち、頭部216aの間隔221aと頭部216bの間隔221b、谷部215aの長さ223aと谷部215bの長さ223bを異ならせることができる。あるいは搬送ローラ等(図示せず)によるベースシート11の送りピッチを変えずに、成形ブレード50の高さ位置を変えるようにすれば、頭部216aの間隔221aと頭部216bの間隔221b、谷部215aの長さ223aと谷部215bの長さ223bを同一に保ち、括れ部217aの高さ222aと括れ部217bの高さ222bを異ならせることができる。
【0051】
なお、本実施形態では、成形ブレード50を上下動させる構成としたが、あらかじめ所定の高さ位置に複数の成形ブレード50、50を配備しておき、これらのうち必要な成形ブレード50を適時のタイミングで動作させることで、成形ブレード50が、ベースシート11に対する高さ位置を変更可能に挿入されるようにすることもできる。各成形ブレード50は、搬送方向Aの左右いずれの側から挿入されてもよい。この場合、各成形ブレード50の大きさや形状として異なったものを採用すれば、成形される頭部216a、216bや括れ部217a、217bの形状を調整することも可能となる。
【0052】
また、本実施形態では、ロンドレーション容器210について物品225a、225bを収容する態様の一例を示したが、山部214a(214b)や谷部215a(215b)の配置は任意に設定され得ることは言うまでもない。例えば、物品225a、225bを交互に収容するようなものであってもよい。また、成形ブレード50を3段階以上の高さ位置で挿入される構成等とすることで、3種類以上の適宜の物品を収容できるようにしてもよい。
【0053】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態について、図7〜図9を参照して説明する。図7〜図8は本実施形態に係るロンドレーション容器310を示し、図7は平面図、図8は側面図である。図9はロンドレーション容器310の製造装置330を示す概略平面図である。
【0054】
図7〜図8に示すように、本実施形態に係るロンドレーション容器310は、ベースシート11と、ベースシート11上に固着された成形シート312a、312bと、を備える。ロンドレーション容器310は、成形シート312a、312bにおける各列の間で、頭部の間隔、括れ部の高さ、谷部の長さが非同一に設けられた例を示すものである。
成形シート312aには、図7および図8(a)に示すように、山部314aと谷部315aとが交互に連続して成形され、成形シート312bには、図7および図8(b)に示すように、山部314bと谷部315bとが交互に連続して成形される。そして、成形シート312aでは、隣り合う頭部316aの間隔321a、括れ部317aの高さ322a、谷部315aの長さ323aが各一定に設けられ、成形シート312bでは、隣り合う頭部316bの間隔321b、括れ部317bの高さ322b、谷部315bの長さ323bが各一定に設けられる。各列の成形シート312a、312bは長さ方向Xに沿って互いに異なる断面をなし、且つ両者の谷部315a、315bにおける幅方向Yに沿った中心線328a、328b(図7参照)が所定間隔ごとに一致するように構成されている。
【0055】
ロンドレーション容器310は、図7〜図8に示すように、例えばアンプル等の物品325を収容する際に好適に用いられる。物品325は、上記幅方向Yと平行に横たえて収容される。成形シート312a、312bは、間隔Sを介して互いに隣接しない非隣接状態とされ、収容される物品325の複数部位をそれぞれ抱持する。成形シート312aにおいて、隣り合う山部314a、314a間の谷部315a上に、物品325の胴体部位326が載置されるとともに、谷部315aを介して対向する括れ部317a、317aが斜め上方から物品325の胴体部位326にそれぞれ弾力的に当接する。成形シート312bにおいては、所定位置の隣り合う山部314b、314b間の谷部315b上方に、物品325の枝部位327が定置されるとともに、谷部315bを挟んで対向する括れ部317b、317bが斜め上方から物品325の枝部位327にそれぞれ弾力的に当接する。これにより、物品325が安定して保持される。物品325は、軸方向(=幅方向Y)に沿って形状が変化し、抱持される部位の断面形状が相違するものが適している。このような物品325は、アンプルに限定されず、他にも例えばバイアル、プレフィルドシリンジ、ビン、ボトル、カートリッジ等が好ましく収容され得る。
【0056】
上記のロンドレーション容器310によれば、軸方向に沿って形状が変化する物品325を、効果的に安定して保持することができる。物品325における枝部位327の頸部付近は特に破損し易いが、ロンドレーション容器310であれば、成形シート312b(括れ部317b)により、これを確実に保護することが可能となる。
なお、本実施形態では、成形シート312a、312bにおける各列の間で、頭部316aの間隔321a、括れ部317aの高さ322a、谷部315aの長さ323aと、頭部316bの間隔321b、括れ部317bの高さ322b、谷部315bの長さ323bと、をそれぞれ非同一に構成したが、これらの少なくとも何れかが非同一に設けられたものであれば、軸方向に沿って形状が変化する適宜の物品を収容することが可能となる。さらに、第2実施形態のように、成形シート312a、312bにおける各列内で、頭部の間隔、括れ部の高さ、谷部の長さを非同一に設けるようにすれば、軸方向に沿って形状が変化する複数種類の適宜の物品を収容することもできる。
【0057】
上記したロンドレーション容器310の製造方法の一例について説明する。
【0058】
本実施形態では、図9に示す製造装置330を使用する。この製造装置330は、図9に示すように、所定の成形ステーション331a、331bを備える。成形ステーション331a、331bは、それぞれ各列の成形シート312a、312bに対応し、搬送方向Aの前後に所定距離を隔てて並設される。各成形ステーション331a、331bの基本的な構成は上記実施形態の成形ステーション31におけるものと共通しており、塗布部40a、40bと、成形ブレード50a、50bと、挿入支援部60a、60bと、第1スタンパー70a、70bと、第2スタンパー70’a、70’bと、バックテンション部80a、80bと、をそれぞれ備える。成形ブレード50a、50bの断面形状や高さ位置、第1スタンパー70a、70b、第2スタンパー70’a、70’bの先端形状や斜め角度θ(図4(d)(e)参照)等は、成形シート312a、312bに成形すべき山部314a、314bと谷部315a、315bの形状に応じて適宜設定される。各成形ステーション331a、331bには、所定の案内ガイド335a、335bがそれぞれ付設支持されている。
【0059】
上記製造装置330を用いたロンドレーション容器310の製造方法では、ベースシート11の搬送にあわせて、2列をなす成形シート312a、312bに、成形ステーション331a、331bで、所定の成形が前後併行して施され、ベースシート11上にそれぞれ固着される。これにより、ロンドレーション容器310を一連の工程で効率よく安価に製造することが可能となる。本実施形態では、成形シート312aの一の山部314aが成形され次の山部314aが成形される間に、成形シート312bの二つの山部314b、314bが成形されるようになっている。成形シート312a、312bの成形は、ベースシート11の搬送にあわせて併行しておこなわれるが、各成形はそれぞれ独立して(各列ごとに)おこなわれている。ベースシート11は、図示しない搬送ローラ等の搬送手段により、この成形動作に応じて適宜間欠停止を繰り返しながら搬送される。成形ステーション331a、331bの間に、図示しないバッファ区間を形成し、このバッファ区間の前後で、ベースシート11が別個に搬送制御されるような構成としてもよい。また、成形ステーション331a、331bを、互いに所定距離を隔てることなく搬送方向Aの略同一位置に横並びに設けてもよく、この場合にはロンドレーション容器310の製造ラインの長さが短縮され、製造装置330を小型化することが可能となる。
なお、各成形ステーション331a、331bにおける成形シート312a、312bの具体的な成形動作等については、上記第1実施形態のものと同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0060】
上記第3実施形態の変形例を図10〜図11に示す。図10〜図11は変形例に係るロンドレーション容器410を示し、図10は平面図、図11は側面図である。
【0061】
図10〜図11に示すように、変形例に係るロンドレーション容器410は、ベースシート11と、ベースシート11上に固着された成形シート412a、412bと、を備える。成形シート412aには、図10および図11(a)に示すように、山部414aと谷部415aとが交互に連続して成形され、成形シート412bには、図10および図11(b)に示すように、山部414bと谷部415bとが交互に連続して成形される。そして、成形シート412aでは、隣り合う頭部416aの間隔421a、括れ部417aの高さ422a、谷部415aの長さ423aが各一定に設けられ、成形シート412bでは、隣り合う頭部416bの間隔421b、括れ部417bの高さ422b、谷部415bの長さ423bが各一定に設けられる。各列の成形シート412a、412bは長さ方向Xに沿って互いに異なる断面をなし、且つ両者の谷部415a、415bにおける幅方向Yに沿った中心線428a、428b(図10参照)が一致するように構成されている。
【0062】
ロンドレーション容器410は、図10〜図11に示すように、例えばチューブ形状の物品425を収容する際に好適に用いられる。成形シート412aにおいて、隣り合う山部414a、414a間の谷部415a上に、物品425の肩部位426が載置されるとともに、谷部415aを介して対向する括れ部417a、417aが斜め上方から物品425の肩部位426にそれぞれ弾力的に当接する。成形シート412aと間隔Sを介して配される成形シート412bにおいては、隣り合う山部414b、414b間の谷部415b上方に、物品425の薄厚部位427が傾斜状態に定置されるとともに、谷部415bを介して対向する括れ部417b、417bが物品425の薄厚部位427にそれぞれ弾力的に当接する。これにより、物品425が安定して保持される。
このようなロンドレーション容器410も、図9に示した製造装置330と同様に構成されたもの等を使用して製造することができる。
【0063】
以上の実施形態の記述は、本発明をこれに限定するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の修正や設計変更等が可能である。
例えば、成形シートは、収容される物品の形状等に応じて、ベースシート上の任意の位置に配設してよく、収容される物品において好都合な部位が、成形シートにより適宜抱持され得る。成形シートを3列以上設ける構成とすることもできる。
また、本発明に係るロンドレーション容器は、上記実施形態で例示した製造方法以外の方法で製造されたものであってもよい。
【符号の説明】
【0064】
10 ロンドレーション容器
11 ベースシート
12 成形シート
14 山部
15 谷部
16 頭部
17 括れ部
19 起立片
21 間隔
22 高さ
23 長さ
25 物品
30 製造装置
35 案内ガイド
40 塗布部
50 成形ブレード
60 挿入支援部
70 第1スタンパー
70’ 第2スタンパー
80 バックテンション部
S 間隔
A 搬送方向
B 移動方向
C、C’ 昇降方向
θ 斜め角度
P 基準面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースシートと、
山部と谷部とが交互に連続して成形されるとともに、所定間隔を存する複数列をなして該ベースシート上に固着され、収容される物品の複数部位を非隣接状態にて抱持する成形シートと、
を備えたロンドレーション容器。
【請求項2】
該山部が、
凸状の頭部と、
該頭部と該谷部とを括れ状に接続する括れ部と、
を備えた請求項1に記載のロンドレーション容器。
【請求項3】
該成形シートにおける二の列間で、
該頭部の間隔、該括れ部の高さ、該谷部の長さの少なくとも何れかが非同一に設けられた請求項2に記載のロンドレーション容器。
【請求項4】
該成形シートにおける一の列内で、
該頭部の間隔、該括れ部の高さ、該谷部の長さの少なくとも何れかが非同一に設けられた請求項2または3に記載のロンドレーション容器。
【請求項5】
該ベースシートの端部に、
収容される物品の小口に対向して折り曲げ可能な起立片が連設された請求項1乃至4の何れかに記載のロンドレーション容器。
【請求項6】
ベースシートと、山部と谷部とが交互に連続して成形されるとともに、所定間隔を存する複数列をなして該ベースシート上に固着され、収容される物品の複数部位を非隣接状態にて抱持する成形シートと、を備えたロンドレーション容器の製造方法であって、
ベースシートを一定の搬送方向に搬送する第1工程と、
該ベースシートに対して一定の案内角度にて複数列の成形シートを供給し、各合流位置で該ベースシート上に合流させる第2工程と、
該ベースシートの搬送にあわせて、複数列をなす該成形シートに、それぞれ所定の山部と谷部とを、複数列併行して成形する第3工程と、
を含み、
該第3工程が、各列同時または各列ごとに、
該合流位置において、該ベースシートと該成形シートとの間に、該搬送方向に略直交して成形ブレードを移動自在に挿入する工程と、
該成形ブレードを挟み得るように該合流位置の前後において昇降自在に対設されるスタンパーにより、該成形ブレードに被装される該成形シートを該ベースシートに順次押圧する工程と、
を有するロンドレーション容器の製造方法。
【請求項7】
該スタンパーにより、該成形ブレードに被装される該成形シートを、それぞれ所定の斜め角度にて押圧し、該成形ブレードの前後の突端部よりも内方に向けて該成形シートを押込むことで、
該成形シートの該山部に、凸状の頭部と、該頭部と該谷部とを括れ状に接続する括れ部と、を成形可能とした請求項6に記載のロンドレーション容器の製造方法。
【請求項8】
該成形ブレードに被装される該成形シートを、該搬送方向の後方に向けて引っ張り、該スタンパーによって押圧される前の該成形シートを、それぞれ所定の緊張状態とする請求項7に記載のロンドレーション容器の製造方法。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−116548(P2012−116548A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269782(P2010−269782)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(595039900)株式会社フジヤマ技研 (5)
【出願人】(000137904)株式会社ミューチュアル (37)
【Fターム(参考)】