説明

三輪車両

【課題】旋回性能を向上し、安定して旋回すると共に、簡単な機構で快適な乗り心地の三輪車両を提供する。
【解決手段】車体2と、車体前方の前輪4と、車体後方の2つの後輪5と、を有する三輪車両1において、支持部材に対して回転可能に連結されるリンク機構と、支持部材22に支持される固定部と、リンク機構に連結される回転部とを有し、回転部が固定部に対して回転することによりリンク機構を作動するアクチュエータと、アクチュエータを駆動するバッテリー14と、を備え、バッテリー14の重心を車体2の前後方向で前輪4の中心4cよりも後輪5の中心5cに近い側に配置する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三輪車両に関し、特に、後二輪の三輪車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、後二輪の三輪車両において、車両の旋回時に車体を傾斜させ、旋回性能を向上し、安定して旋回するものがあった。(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−104445号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、サスペンションにより旋回時の安定性を確保しているが、予期せぬ外乱等に対して何も考慮していない。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するものであって、旋回性能を向上し、安定して旋回すると共に、予期せぬ外乱等に対しても安定性を確保することが可能な三輪車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのために本発明は、車体と、前記車体前方の前輪と、前記車体後方の2つの後輪と、を有する三輪車両において、前記車体に連結される支持部材と、前記支持部材に対して回転可能に連結される軸部及び前記軸部と一体に設けられたリンク部を有する第1リンク部材、前記車体に対して回転可能に連結されると共に前記第1リンク部材に平行な第2リンク部材、前記第1リンク部材の前記リンク部の車体幅方向の一方の端部と第2リンク部材の車体幅方向の一方の端部を連結すると共に一方の前記後輪を支持する第3リンク部材及び前記第1リンク部材の前記リンク部の車体幅方向の他方の端部と第2リンク部材の車体幅方向の他方の端部を連結すると共に他方の前記後輪を支持する第4リンク部材を有し、前記支持部材に対して回転可能に連結されるリンク機構と、前記支持部材に支持される固定部と、前記リンク機構に連結される回転部とを有し、前記回転部が前記固定部に対して回転することにより前記リンク機構を作動するアクチュエータと、前記アクチュエータを駆動するバッテリーと、を備え、前記バッテリーの重心を前記車体の前後方向で前記前輪の中心よりも前記後輪の中心に近い側に配置することを特徴とする。
【0007】
また、乗員が着座するシートをさらに備え、前記バッテリーは、前記シートの下方に配置されることを特徴とする。
【0008】
また、前記車体は、前記シートを支持するシートフレームを有し、前記バッテリーは、前記シートフレームに支持されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、車体と、前記車体前方の前輪と、前記車体後方の2つの後輪と、を有する三輪車両において、前記車体に連結される支持部材と、前記支持部材に対して回転可能に連結される軸部及び前記軸部と一体に設けられたリンク部を有する第1リンク部材、前記車体に対して回転可能に連結されると共に前記第1リンク部材に平行な第2リンク部材、前記第1リンク部材の前記リンク部の車体幅方向の一方の端部と第2リンク部材の車体幅方向の一方の端部を連結すると共に一方の前記後輪を支持する第3リンク部材及び前記第1リンク部材の前記リンク部の車体幅方向の他方の端部と第2リンク部材の車体幅方向の他方の端部を連結すると共に他方の前記後輪を支持する第4リンク部材を有し、前記支持部材に対して回転可能に連結されるリンク機構と、前記支持部材に支持される固定部と、前記リンク機構に連結される回転部とを有し、前記回転部が前記固定部に対して回転することにより前記リンク機構を作動するアクチュエータと、前記アクチュエータを駆動するバッテリーと、を備え、前記バッテリーの重心を前記車体の前後方向で前記前輪の中心よりも前記後輪の中心に近い側に配置するので、旋回性能を向上し、安定して旋回すると共に、予期せぬ外乱等に対しても安定性を確保し、転倒を低減することが可能となる。
【0010】
また、請求項2記載の発明によれば、乗員が着座するシートをさらに備え、前記バッテリーは、前記シートの下方に配置されるので、重心が低くなり、さらに安定して旋回することが可能となる。
【0011】
また、請求項3記載の発明によれば、前記車体は、前記シートを支持するシートフレームを有し、前記バッテリーは、前記シートフレームに支持されるので、バッテリーを強固に支持することができ、さらに安定して旋回することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る実施形態の三輪車両を示す正面図である。
【図2】本発明に係る実施形態の三輪車両を示す側面図である。
【図3】図1の後輪部分のD−D断面を矢印方向から見た図である。
【図4】本実施形態の三輪車両の主要部分を示す側面図である。
【図5】本実施形態の三輪車両の主要部分を示す後方図である。
【図6】図1の後輪部分を矢印E方向から見た図である。
【図7】本実施形態の後輪が傾斜した状態を示す図である。
【図8】本実施形態の傾斜した状態の車両を後方から見た図である。
【図9】本実施形態の旋回内輪側から外輪側の方向へ外乱が入力した状態の車両を後方から見た図である。
【図10】本実施形態の傾斜した状態の車両を後方から見た図である。
【図11】本実施形態の旋回外輪側から内輪側の方向へ外乱が入力した状態の車両を後方から見た図である。
【図12】本実施形態の三輪車両を模式的に示した平面図である。
【図13】旋回時の重力と遠心力との合力の方向D1の路面上での状態を模式的に示した図である。
【図14】旋回時の重力と遠心力との合力の方向D2の路面上での状態を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一例としての実施形態を図面に基づいて説明する。図1及び図2は本実施形態の三輪車両を示す外観図であり、図1は三輪車両の正面図、図2は三輪車両の側面図である。なお、図1の矢印Aの方向を幅方向、図2の矢印Bの方向を前方、その反対を後方とする。
【0014】
三輪車両1は、車体2の前方にフロントフォーク3を介して前輪4を有し、後方の車体2の幅方向中心線Cを挟んで両側に二つの後輪5a,5bを有している。車体2の前方には、前輪4を操作するハンドル6を有し、ハンドル6と前輪4を連結する図示しないハンドルポストの前方にはフロントカウル7を設け、後方にはハンドルポストカバー8を設けている。ハンドルポストカバー8の後方には、低床式フロアー9が設けられ、低床式フロアー9の後方にシートカウル10が立ち上がる。シートカウル10には、シート11が置かれる。また、シート11には、背もたれ12が設けられ、背もたれ12から後方に向けて荷台13が延びている。また、低床式フロアー9の下方からは、連結部材21を介して後輪支持部材としての後輪支持フレーム22が低床式フロアー9に連結されている。後輪支持フレーム22は、低床式フロアー9の下方から荷台13の下方に延び、後述するリンク機構Lを介して後輪5を支持している。なお、後輪支持フレーム22は、車体2の進行方向に対して中心部分にフレームを1本設けてもよいし、車体2の幅方向に対して平行にフレームを2本設けてもよい。
【0015】
次に、後輪5付近の構成について説明する。図3は図1の後輪部分のD−D断面を矢印D方向から見た図である。
【0016】
図3に示すように、支持部材は、後輪支持フレーム22と、後輪支持フレーム22の図2に示した荷台13の前方側から下方に延びる第1支持部材としての第1支持フレーム23と、後輪支持フレーム22の下方で第1支持フレーム23と連結され前後方向に伸びる第2支持部材としての第2支持フレーム24と、後輪支持フレーム22の荷台13の後方側及び第1支持フレーム23の後方から下方に延び第2支持フレーム24と連結される第3支持部材としての第3支持フレーム25と、を有する。なお、第2支持フレーム24及び第3支持フレーム25は一体に形成されてもよい。
【0017】
後輪支持フレーム22には、アクチュエータ連結部材としての後輪傾斜用のモータ連結部材30によりアクチュエータとしての後輪傾斜用のモータ31のケース等の固定部31aが連結固定されている。後輪傾斜モータ31の回転部31bは、前方で減速機32を介して第1リンク部材としてのシャフト一体リンク部材33に連結される。後輪傾斜モータ31の回転は、減速機32で減速され、シャフト一体リンク部材33に出力される。
【0018】
次に、本発明にかかる実施形態について説明する。図4は本実施形態の三輪車両の主要部分を示す側面図、図5は本実施形態の三輪車両の主要部分を示す後方図である。
【0019】
図4に示すように、車体2は、前方フレーム2a、中央フレーム2b及び後方フレーム2cを有する。前方フレーム2aは、前方でハンドルポスト6aを支持し後方に向かって下方に延びて、中央フレーム2bに連結する。中央フレーム2bは、前方で前方フレーム2a、後方で後方フレーム2cと連結すると共に、シート11を支持するシートフレーム2dを支持する。後方フレーム2cは、前方で中央フレーム2bと連結され、後方に向かって上方に延びて、後輪5の上方に位置し図3に示した荷台13を形成する。シートフレーム2dは、シート11を支持すると共に、モータ31を駆動するバッテリー14等の部品を収納する空間を形成する。
【0020】
図6は図4の後輪部分を矢印E方向から見た図、図7は後輪が傾斜した状態を示す図である。
【0021】
三輪車両1は、図6に示すように、シャフト一体リンク部材33と、第2リンク部材28と、第3リンク部材及び第4リンク部材としての左右のホイールモータブラケット42とで形成されるリンク機構Lを有する。
【0022】
図3に示したように、シャフト一体リンク部材33は、前方で第1支持フレーム23に第1ベアリング35を介して回転可能に支持され、後輪傾斜モータ31及び減速機32を貫通し、後方で第3支持フレーム25に第2ベアリング36を介して回転可能に支持されていると共に、後方第1リンク部材26に回転可能に連結されている軸部33aを有する。
【0023】
また、図6に示すように、シャフト一体リンク部材33は、軸部33aと一体に設けられ三輪車両1が直進状態の時に車体幅方向に延びるリンク部33bと、軸部33aの軸方向に対して直交する方向に突出したフランジ部33cとを有する。
【0024】
軸部33aとリンク部33bとを一体に設けることにより、部品点数を少なくすることができ、低コスト化が可能となる。また、部品点数を少なくすることで、スペース及び質量を小さくすることが可能となる。さらに、部品同士を連結する部分のガタを低減することが可能となる。
【0025】
なお、軸部33aは必ずしも図3に示した後輪傾斜モータ31及び減速機32を貫通する必要はない。この場合、後方第1リンク部材26は、第3支持フレーム25に回転可能に支持されていればよい。
【0026】
また、シャフト一体リンク部材33と後方第1リンク部材26は、それぞれ車両幅方向の一端で第1ホイールモータ41Rを支持する第1車輪支持部材としての第1ホイールモータブラケット42Rの上方と第1連結軸27Rを介して回動可能に連結され、他端で第2ホイールモータ41Lを支持する第2車輪支持部材としての第2ホイールモータブラケット42Lの上方と第2連結軸27Lを介して回動可能に連結されている。
【0027】
第2リンク部材としての前方第2リンク部材28aは、車両幅方向の中央部分で、第2支持フレーム24の前方側と回動可能に連結されている。また、後方第2リンク部材28bは、第2支持フレーム24の後方側と回動可能に連結されている。
【0028】
また、前方第2リンク部材28aと後方第2リンク部材28bは、それぞれ車両幅方向の一端側で第1ホイールモータ41Rを支持する第3リンク部材としての第1ホイールモータブラケット42Rの下方と第3連結軸29Rを介して回動可能に連結され、他端側で第2ホイールモータ41Lを支持する第4リンク部材としての第2ホイールモータブラケット42Lの下方と第4連結軸29Lを介して回動可能に連結されている。
【0029】
図7は、第1実施形態の後輪傾斜モータ31の動力により後輪5が傾斜した状態を示す図である。後輪傾斜モータ31が前方から見て反時計方向に回転したとすると、後輪傾斜モータ31の回転は、図3で示した減速機32で減速され、シャフト一体リンク部材33に伝達され、シャフト一体リンク部材33を反時計方向に回転させる。シャフト一体リンク部材33が反時計方向に回転すると、反作用により第1支持フレーム23がシャフト一体リンク部材33と逆方向に時計方向に回転すると共に、リンク機構Lが作動する。
【0030】
図7に示すように、リンク機構Lは、シャフト一体リンク部材33及び図示しない後方第1リンク部材26と前方第2リンク部材28a及び図示しない後方第2リンク部材28bが前方から見て反時計方向に回転し、第1ホイールモータブラケット42R及び第2ホイールモータブラケット42Lが時計方向に回転する。そして、後輪5が傾斜する。
【0031】
また、後輪傾斜モータ31が前方から見て時計方向に回転したとすると、第1ホイールモータブラケット42R及び第2ホイールモータブラケット42Lは、反時計方向に回転し、後輪5が傾斜する。
【0032】
図8は、本実施形態の傾斜した状態の車両を後方から見た図である。車両1は、リンク機構Lが作動して、車体2が傾斜した状態となる。この時、重力Fgと遠心力Fcとの合力Fm1が車体2の傾斜角と同じ方向となるので、リンク機構Lは、ロール方向の外乱を吸収することが可能であり、旋回性能が向上し、安定して旋回することが可能となる。
【0033】
図9は旋回内輪側から外輪側の方向へ外乱が入力した状態の傾斜した車両を後方から見た図である。
【0034】
図8に示すように安定して旋回している三輪車両1に対して、図9に示すように風や路面の凹凸等により旋回内輪側から外輪側の方向に外乱Fnが加わった時に、合力Fm2の方向が路面上で後述する図12に示す三角形からなる安定領域よりも外側となり、その結果、三輪車両1の有する重心位置が安定領域から外れる場合がある。この場合、三輪車両1は旋回外輪側に傾斜するおそれがある。
【0035】
図10は、本実施形態の傾斜した状態の車両を後方から見た図である。車両1は、リンク機構Lが作動して、車体2が傾斜した状態となる。この時、重力Fgと遠心力Fcとの合力Fm1が車体2の傾斜角と同じ方向となるので、リンク機構Lは、ロール方向の外乱を吸収することが可能であり、旋回性能が向上し、安定して旋回することが可能となる。
【0036】
図11は旋回外輪側から内輪側の方向へ外乱が入力した状態の傾斜した車両を後方から見た図である。
【0037】
図10に示すように安定して旋回している三輪車両1に対して、図11に示すように風や路面の凹凸等により旋回外輪側から内輪側の方向に外乱Fnが加わった時に、合力Fm3の方向が路面上で後述する図12に示す三角形からなる安定領域よりも外側となり、その結果、三輪車両1の有する重心位置が安定領域から外れる場合がある。この場合、三輪車両1は旋回内輪側にさらに傾斜するおそれがある。
【0038】
図12は本実施形態の三輪車両を模式的に示した平面図である。図中、前輪4の中心を4a、右後輪5Rの中心を5Ra、左後輪5Lの中心を5Laとし、三輪車両1の重心位置を車両前方に設定した場合の重心位置における重力にかかる方向の路面上での位置D1とし、同様に重心位置をD1と比べて車両後方に設定した場合の重心位置における重力にかかる方向の路面上での位置D2とする。この重心位置における重力のかかる方向の路面上での位置D1又はD2が図12に示す第1の点4a、第2の点5Ra及び第3の点5Laで形成される三角形からなる安定領域の内側となっていれば、三輪車両1が傾斜しすぎることなく、安定して走行する。
【0039】
また、旋回時には、重心位置における重力と遠心力との合力の方向が、路面上で、図12に示す第1の点4a、第2の点5Ra及び第3の点5Laで形成される三角形からなる安定領域の内側となっていれば、三輪車両1が傾斜しすぎることなく、安定して旋回走行する。
【0040】
したがって、重心が前方にある場合(車両の重心位置を路面上で位置D1に設定した場合)、位置D1において、三輪車両が傾斜することによる重力と遠心力との合力が路面上での安定領域内で移動できる許容移動範囲は、第1の幅W1となる。また、重心が後方にある場合(車両の重心位置を路面上で位置D2に設定した場合)、位置D1において、三輪車両が傾斜することによる重力と遠心力との合力が路面上での安定領域内で移動できる許容移動範囲は、第1の幅W1より長い第2の幅W2となる。
【0041】
図13は三輪車両の重心を位置D1に設定した場合に、旋回時の重力と遠心力との合力の路面上での状態を模式的に示した図、図14は三輪車両の重心を位置D2に設定した場合に、旋回時の重力と遠心力との合力の路面上での状態を模式的に示した図である。
【0042】
図13に示すように、重力と遠心力との合力の方向の路面上の第1の位置D1は、例えば、左旋回時には三輪車両が傾斜することでD1’に移動する。したがって、紙面右方向から外乱が入力し、外乱による影響で車体が浮き上がる等した場合、重力と遠心力と外乱との合力の方向の路面上での位置D1’は、安定領域外となるまでに第1の長さL1だけ許容移動範囲として残っている。
【0043】
同様に、図14に示すように、重力と遠心力との合力の方向の路面上の第2の位置D2は、例えば、左旋回時には三輪車両が傾斜することでD2’に移動する。したがって、紙面右方向から外乱が入力し、外乱による影響で車体が浮き上がる等した場合、重力と遠心力と外乱との合力の方向の路面上での位置D2’は、安定領域外となるまでに第1の長さL1より長い第2の長さL2だけ許容移動範囲として残っている。
【0044】
したがって、図12に示した重心位置における重力の方向の路面上での位置を第1の位置D1よりも第2の位置D2とした方が、外乱が入力した場合の許容移動範囲が長く、安定している。つまり、重量の大きいバッテリー等を車体の後方に配置し、重心位置を後方にすると三輪車両が傾斜させた場合に傾斜し過ぎたりすることなく走行安定性が保たれる。
【0045】
本実施形態では、図4に示すように、バッテリー14の重心が、車体2の前後方向で前輪4の中心4cよりも後輪5の中心5cに近い側となるように配置する。また、バッテリー14は重量が重いため、強度の高い部材に重心を低く配置すると安定するので、中央フレーム2b、後方フレーム2c、シートフレーム2dのうちの少なくとも1つに、例えばシート11の下方等のできるだけ低い位置で支持するとよい。
【0046】
このように本実施形態によれば、車体2と、車体前方の前輪4と、車体後方の2つの後輪5と、を有する三輪車両1において、車体2に連結される支持部材22と、支持部材23,24,25に対して回転可能に支持される軸部33a及び軸部33aと一体に設けられたリンク部33bを有する第1リンク部材33、支持部材23,24,25に対して回転可能に連結されると共に第1リンク部材33に平行な第2リンク部材28、第1リンク部材33のリンク部33bの車体幅方向の一方の端部と第2リンク部材28の車体幅方向の一方の端部を連結すると共に一方の後輪5Rを支持する第3リンク部材42R、及び第1リンク部材33のリンク部33bの車体幅方向の他方の端部と第2リンク部材28の車体幅方向の他方の端部を連結すると共に他方の後輪5Lを支持する第4リンク部材42L、を有し、支持部材23,24,25に対して回転可能に連結されるリンク機構Lと、支持部材22に支持される固定部31aと、リンク機構Lに連結される回転部31bとを有し、回転部31bが固定部31aに対して回転することによりリンク機構Lを作動するアクチュエータ31と、アクチュエータ31を駆動するバッテリー14と、を備え、バッテリー14の重心を車体2の前後方向で前輪4の中心4aよりも後輪5の中心5aに近い側に配置するので、旋回性能を向上し、安定して旋回すると共に、予期せぬ外乱等に対しても安定性を確保し、転倒を低減することが可能となる。
【0047】
また、乗員が着座するシート11をさらに備え、バッテリー14は、シート11の下方に配置されるので、重心が低くなり、さらに安定して旋回することが可能となる。
【0048】
また、車体2は、シート11を支持するシートフレーム2dを有し、バッテリー14は、シートフレーム2dに支持されるので、バッテリー14を強固に支持することができ、さらに安定して旋回することが可能となる。
【符号の説明】
【0049】
1…三輪車両、2…車体、4…前輪、5…後輪、6…ハンドル、14…バッテリー、22…後輪支持フレーム(支持部材)、23…第1支持フレーム(支持部材)、24…第2支持フレーム(支持部材)、25…第3支持フレーム(支持部材)、28a…前方第2リンク部材(第2リンク部材)、31…後輪傾斜モータ(アクチュエータ)、32…減速機、33…シャフト一体リンク部材(第1リンク部材)、41…ホイールモータ、42R…第1ホイールモータブラケット(第3リンク部材)、42L…第2ホイールモータブラケット(第4リンク部材)、L…リンク機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
前記車体前方の前輪と、
前記車体後方の2つの後輪と、
を有する三輪車両において、
前記車体に連結される支持部材と、
前記支持部材に対して回転可能に連結される軸部及び前記軸部と一体に設けられたリンク部を有する第1リンク部材、前記車体に対して回転可能に連結されると共に前記第1リンク部材に平行な第2リンク部材、前記第1リンク部材の前記リンク部の車体幅方向の一方の端部と第2リンク部材の車体幅方向の一方の端部を連結すると共に一方の前記後輪を支持する第3リンク部材及び前記第1リンク部材の前記リンク部の車体幅方向の他方の端部と第2リンク部材の車体幅方向の他方の端部を連結すると共に他方の前記後輪を支持する第4リンク部材を有し、前記支持部材に対して回転可能に連結されるリンク機構と、
前記支持部材に支持される固定部と、前記リンク機構に連結される回転部とを有し、前記回転部が前記固定部に対して回転することにより前記リンク機構を作動するアクチュエータと、
前記アクチュエータを駆動するバッテリーと、
を備え、
前記バッテリーの重心を前記車体の前後方向で前記前輪の中心よりも前記後輪の中心に近い側に配置する
ことを特徴とする三輪車両。
【請求項2】
乗員が着座するシートをさらに備え、
前記バッテリーは、前記シートの下方に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の三輪車両。
【請求項3】
前記車体は、前記シートを支持するシートフレームを有し、
前記バッテリーは、前記シートフレームに支持される
ことを特徴とする請求項2に記載の三輪車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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