説明

中継コネクタ

【課題】締結による破損等の不具合なく、良好なシール性能を維持することが可能な中継コネクタを提供すること。
【解決手段】筺体15の取付孔16へ嵌合される挿入部19と、挿入部19に装着されて取付孔16との間をシールするOリング13と、挿入部19における取付孔16への挿入側と反対側に形成されたフランジ部20と、フランジ部20の一部に形成されて筺体15の外面に締結固定される締結部23とを備えた中継コネクタ11であって、フランジ部20には、筺体15への取付側の周縁に、筺体15への取付側へ突出する弾性変形可能なリップ部17が全周にわたって形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、エンジン、ミッションあるいはモータ等の筺体に装着されて内部の電線と外部の電線とを接続する中継コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
中継コネクタには、Oリングが装着された挿入部及びボルト挿通孔が形成されたフランジを有し、筺体の貫通孔に挿入部を挿入してフランジを筺体の貫通孔の開口縁に突き当て、フランジのボルト挿通孔へボルトを挿入して筺体と締結させることにより、筺体に取り付けられるものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。このコネクタによれば、Oリングで筺体の内部と外部との防水性を確保し、筺体の内部と外部との電気的接続が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−8791号公報
【特許文献2】特開平8−250245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記構造の中継コネクタでは、ボルトによる筺体への締結箇所に大きな締結力が作用するため、締結部と反対側などの締結箇所以下の箇所で締結方向と逆方向の反力が生じてしまう。そして、このように、中継コネクタに反力が生じると、締結力と反力とでコネクタに回転力が生じて取付孔の軸線に対して傾いてしまい、筺体へのフランジの突き当て力のバランスが崩れてフランジが浮き上がり、Oリングによるシール性能が低下するおそれがある。また、大きな締結力がフランジに作用すると、フランジ自体が破損するおそれがある。
【0005】
この場合、フランジのボルト挿通孔へカラーを装着し、ボルトの締結力がフランジにかからないようにすることが考えられるが、このようにすると、筺体へのフランジの突き当て力が十分に得られず、シール性能の低下が生じるおそれがある。特に、高圧洗浄機による高圧水で筺体を洗浄するような場合には、筺体とフランジとの隙間から筺体内部へ水が浸入するおそれがある。
【0006】
また、筺体内部の圧力を受けた場合も、その圧力によって締結部と反対側などの締結箇所以外の箇所で締結方向と逆方向の反力が生じ、締結力と反力とで回転力が生じて取付孔の軸線に対してコネクタが傾き、筺体へのフランジの突き当て力のバランスが崩れてフランジが浮き上がり、Oリングによるシール性能が低下するおそれがある。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、締結による破損等の不具合なく、良好なシール性能を維持することが可能な中継コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明に係る中継コネクタは、下記(1)から(3)のいずれかを特徴としている。
(1) 筺体の取付孔へ嵌合される挿入部と、
前記挿入部に装着されて前記取付孔との間をシールするOリングと、
前記挿入部における前記取付孔への挿入側と反対側に形成されたフランジ部と、
前記フランジ部の一部に形成されて前記筺体の外面に締結固定される締結部とを備えた中継コネクタであって、
前記フランジ部には、前記筺体への取付側の周縁に、前記筺体への取付側へ突出する弾性変形可能なリップ部が全周にわたって形成されていること。
(2) 上記(1)の構成の中継コネクタにおいて、前記締結部には、孔部が形成され、該孔部には、前記締結部の厚さ寸法よりも大きい長さ寸法を有する筒状のカラーが挿入され、該カラーには、前記筺体に形成されたネジ孔へ締結されるボルトが挿入されること。
(3) 上記(1)または(2)の構成の中継コネクタにおいて、前記リップ部には、前記フランジ部の周方向へ間隔をあけて溝部が形成されていること。
【0009】
上記(1)の構成の中継コネクタでは、締結部を筺体に締結させると、フランジ部に形成されたリップ部が弾性変形しながら筺体の外面に押し付けられる。これにより、挿入部に装着したOリングによる取付孔の内周面との間のシールとともにリップ部によってもフランジ部と筺体の外面との間がシールされることとなり、よって、フランジ部を大きな締結力で筺体の外面に押し付けることなく極めて良好なシール性能を確保することができる。つまり、締結によるフランジ部の破損等の不具合なく、良好なシール性能を維持することができる。
また、締結部での筺体への大きな締結力や筺体内部の圧力により、締結部と反対側などの締結箇所以外の箇所で締結方向と逆方向の反力が生じてフランジ部が筺体から多少浮き上がったとしても、筺体の外面に弾性変形して密着するリップ部がフランジ部の周縁に全周にわたって設けられているので、フランジ部と筺体の外面との間をリップ部によって塞がれた状態に維持することができる。よって、挿入部に装着したOリングによる取付孔の内周面との間のシールとともにリップ部におけるシールも長期にわたって維持することができる。
上記(2)の構成の中継コネクタでは、フランジ部の締結部の厚さ寸法よりも大きい長さ寸法を有する筒状のカラーが締結部の孔部に挿入され、このカラーに挿入されたボルトが筺体のネジ孔へねじ込まれるので、ボルトをネジ孔へねじ込んで締め付けても、その締結力がフランジ部に及んでフランジ部が破損するような不具合を防止することができる。また、フランジ部にボルトの締結力があまり及ばないことから、フランジ部が筺体の外面に強く押し付けられなくても、フランジ部のリップ部が筺体の外面に弾性変形して密着するので、フランジ部と筺体の外面との隙間をリップ部で塞いでシールすることができる。
上記(3)の構成の中継コネクタでは、リップ部にフランジ部の周方向へ間隔をあけて溝部を形成したので、筺体へ締結固定する際に、リップ部が小さな力で弾性変形することとなる。これにより、筺体への締結力を低めることができ、取り付け作業の容易化を図ることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、締結力や圧力による傾きをなくし、良好なシール性能を維持することが可能な中継コネクタを提供できる。
【0011】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態に係る中継コネクタを示す斜視図である。
【図2】実施形態に係る中継コネクタを示す筺体への締結前の状態の側断面図である。
【図3】実施形態に係る中継コネクタを示す筺体への締結前の状態の締結部を通る側断面図である。
【図4】実施形態に係る中継コネクタのホルダアッセンブリを示す斜視図である。
【図5】実施形態に係る中継コネクタの筺体への締結状態を示す締結部を通る側断面図である。
【図6】実施形態に係る中継コネクタの変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施形態の例を、図面を参照して説明する。
【0014】
図1は実施形態に係る中継コネクタを示す斜視図、図2は実施形態に係る中継コネクタを示す筺体への締結前の状態の側断面図、図3は実施形態に係る中継コネクタを示す筺体への締結前の状態の締結部を通る側断面図、図4は実施形態に係る中継コネクタのホルダアッセンブリを示す斜視図、図5は実施形態に係る中継コネクタの筺体への締結状態を示す締結部を通る側断面図である。
【0015】
図1から図3に示すように、本実施形態に係る中継コネクタ11は、非導電性の合成樹脂製のハウジング12と、ゴム製のOリング13と、カラー14とを有している。この中継コネクタ11は、例えば、エンジン、ミッションあるいはモータ等の筺体15の取付孔16に取り付けられて筐体15の内部の図示略の内部ケーブルと筐体15の外部の図示略の外部ケーブルとを電気的に接続させるコネクタである。
【0016】
ハウジング12は、挿入部19と、フランジ部20と、外側コネクタ部21と、内側コネクタ部22と、締結部23とを有している。挿入部19は、円形状に形成されており、筐体15の取付孔16に嵌合される。挿入部19の周面には、周方向へわたって装着溝19aが形成されており、Oリング13は、この挿入部19の装着溝19aに収容されて装着されている。そして、このOリング13は、筐体15の取付孔16へ挿入部19を嵌合させることにより、取付孔16の内周面と密着し、筺体15と中継コネクタ11とをシールする。なお、取付孔16には、その開口縁部を面取りすることにより、挿入ガイド面16aが形成されており、挿入部19の挿入の円滑化が図られている。
【0017】
フランジ部20は、挿入部19における取付孔16の挿入側と反対側である上端部分に一体に形成されている。このフランジ部20は、取付孔16よりも大径の円形状に形成されており、筺体15の取付孔16へ挿入部19を挿入することにより、筺体15の外面側における取付孔16の開口縁に突き当てられる。外側コネクタ部21は、フランジ部20の上面から垂直に突出した後、屈曲して上面と平行に延出する。内側コネクタ部22は、挿入部19の下面から垂直に突出する。
【0018】
ハウジング12のフランジ部20には、周方向の一部に、締結部23が形成されている。この締結部23には、カラー装着孔(孔部)24が形成されており、このカラー装着孔24にカラー14が上方側から挿入されている。カラー14は、このボルト18の締結力がハウジング12に及ぶのを抑制しハウジング12を保護するもので、例えば、金属等から形成されている。
【0019】
カラー14には、挿通孔14aが形成されており、中継コネクタ11を筐体15に取り付ける際にボルト18が挿通孔14aに挿通される。カラー14は、円筒部14bと、この円筒部14bの上端に形成されたつば部14cとを有しており、円筒部14bをカラー装着孔24に挿入することにより、つば部14cが締結部23の上面に係止されて締結部23に保持される。カラー14の円筒部14bの長さ寸法は、締結部23の厚さ寸法よりも僅かに大きくされている。
【0020】
また、筺体15には、ボルト18が螺合可能なネジ孔15aが形成されている。そして、カラー装着孔24に装着したカラー14へボルト18を挿し込み、このボルト18を筺体15のネジ孔15aへねじ込むことにより、ネジ孔15aへのボルト18の締結力によってハウジング12が筺体15に締結される。これにより、中継コネクタ11が筺体15に取り付けられる。
【0021】
また、ハウジング12のフランジ部20には、挿入部19側における周縁に、フランジ部20の全周にわたってリップ部17が形成されている。このリップ部17は、合成樹脂からなるハウジング12に一体的に形成されたもので、弾性変形可能とされている。このリップ部17は、フランジ部20の周縁から挿入部19側へ向かって突出されて外方へ傾斜されている。これにより、挿入部19を筺体15の取付孔16に嵌め込むと、リップ部17が筺体15の外面に当接される(図2及び図3参照)。
【0022】
ハウジング12内には、導電性金属からなる端子25と、非導電性の合成樹脂製のホルダ26と、非導電性の合成樹脂製のカバー27とからなるホルダアッセンブリ60が一体的に埋設されている。外側コネクタ部21には、図示略の外部ケーブルのコネクタを嵌合させる嵌合開口部30が形成されている。また、内側コネクタ部22にも、内部ケーブルのコネクタを嵌合させる嵌合開口部31が形成されている。嵌合開口部30は外側コネクタ部21の先端側に開口しており、嵌合開口部31は下方に開口している。
【0023】
ホルダアッセンブリ60の端子25は、一端が嵌合開口部30内に突出し他端が嵌合開口部31内に突出していて、中間部がハウジング12内に埋設されている。その結果、外側コネクタ部21及び端子25が、中継コネクタ11の一端の雄側コネクタ32を構成し、内側コネクタ部22及び端子25が、中継コネクタ11の他端の雄側コネクタ33を構成する。カバー27は、ハウジング12内の嵌合開口部30の底部近傍に埋設されている。ホルダ26は、ハウジング12内で嵌合開口部30の底部近傍と嵌合開口部31の底部近傍とを結ぶように埋設されている。
【0024】
図4に示すように、ホルダアッセンブリ60は、八本の端子25を備えている。端子25は、側面視L字状をなしており、ホルダ26の表裏に四本ずつ保持されている。カバー27は、端子25が挿通される挿入孔58を有しており、これらの挿入孔58に端子を挿通させながらホルダ26の上端側に取り付けられる。これにより、端子25は、その一端側がホルダ26とカバー27とで挟まれて保持される。
【0025】
そして、端子25をホルダ26の表面側に保持しホルダ26とカバー27とで挟持してなるホルダアッセンブリ60を、金型の所定位置にセットし、この金型に合成樹脂を充填してハウジング12を形成する。つまり、ホルダアッセンブリ60をインサート成形する。これにより、中継コネクタ11が形成されることになる。
【0026】
このようにして形成された中継コネクタ11は、図2に示すように、端子25の一端側が内側コネクタ部22の嵌合開口部31内に突出して雄側コネクタ33のタブとなり、端子25の他端側が外側コネクタ部21の嵌合開口部30内に突出して雄側コネクタ32のタブとなる。これにより、端子25の一端側が内部ケーブルのコネクタの雌型端子に嵌合し、端子25の他端側が外部ケーブルのコネクタの雌型端子に嵌合する。その結果、内部ケーブル及び外部ケーブルの間の電気信号が端子25を介して伝達可能となる。
【0027】
上記構造の中継コネクタ11を筺体15に装着するには、Oリング13が装着された挿入部19を筺体15の取付孔16へ、フランジ部20のリップ部17が筺体15の外面側における取付孔16の開口縁に突き当たるまで押し込んで嵌合させる(図2及び図3参照)。
【0028】
このようにすると、挿入部19に装着されたOリング13が筐体15の取付孔16の内周面に密着し、これにより、筺体15と中継コネクタ11とがシールされる。
【0029】
取付孔16に挿入部19を嵌合させたら、締結部23に装着されたカラー14の挿通孔14aへボルト18を挿し込んで筺体15のネジ孔15aへねじ込む。
【0030】
このようにすると、図5に示すように、ネジ孔15aへのボルト18の締結力によってフランジ部20の締結部23が筺体15に締結され、中継コネクタ11が筺体15に取り付けられる。
【0031】
また、このように、ボルト18をネジ孔15aへねじ込んで締め付けると、ボルト18がねじ込まれることにより中継コネクタ11が筺体15側へ近接される。これにより、フランジ部20に形成されたリップ部17が弾性変形しながら筺体15の外面に押し付けられる。そして、ボルト18の締結完了時には、筺体15へのボルト18の締結力によってリップ部17が強い力で筺体15の外面に押し付けられて密着する。これにより、フランジ部20と筺体15の外面とがリップ部17によって塞がれ、筺体15と中継コネクタ11とがシールされる。
【0032】
また、カラー14の円筒部14bは、その長さが、フランジ部20の締結部23の厚さよりも僅かに大きくされているため、ボルト18を筺体15に締結した状態で、フランジ部20と筺体15の外面との間には、僅かな隙間が形成される。したがって、ボルト18の締結力がフランジ部20の締結部23に過剰に付与されることによるフランジ部20の破損が防止される。なお、このように、フランジ部20と筺体15の外面との間に僅かな隙間が形成されていても、フランジ部20と筺体15の外面とは、リップ部17によって塞がれているのでフランジ部20と筺体15の外面との間でのシールは確実に確保される。
【0033】
ここで、フランジ部20の締結部23に大きな締結力が作用したとすると、中継コネクタ11には、ボルト18による筺体15への締結箇所と反対側などの締結箇所以外の箇所に、締結方向と逆方向の反力が作用する。すると、締結力と反力とを受ける中継コネクタ11には、回転力が生じることとなり、このため、取付孔16の中心軸に対して傾いてフランジ部20が筺体15の外面から浮き上がろうとする。
【0034】
しかし、本実施形態に係る中継コネクタ11では、筺体15の外面に弾性変形して密着するリップ部17がフランジ部20の周縁に全周にわたって設けられているので、フランジ部20が筺体15の外面から多少浮き上がったとしても、フランジ部20と筺体15の外面との間は、リップ部17によって塞がれた状態に維持される。
【0035】
また、筺体15の内部が高圧である場合、その圧力が中継コネクタ11に作用する。この圧力は、ボルト18の締結力と逆方向に作用するため、締結力と圧力とを受ける中継コネクタ11には、回転力が生じることとなる。すると、取付孔16の中心軸に対して中継コネクタ11が傾いてフランジ部20が筺体15の外面から浮き上がろうとする。
【0036】
しかし、この場合も、本実施形態に係る中継コネクタ11では、筺体15の外面に弾性変形して密着するリップ部17がフランジ部20の周縁に全周にわたって設けられているので、フランジ部20が筺体15の外面から多少浮き上がったとしても、フランジ部20と筺体15の外面との間は、リップ部17によって塞がれた状態に維持される。
【0037】
このように、上記構成の中継コネクタ11によれば、締結部23を筺体15に締結させると、フランジ部20に形成されたリップ部17が弾性変形しながら筺体15の外面に押し付けられる。これにより、挿入部19に装着したOリング13による取付孔16の内周面との間のシールとともにリップ部17によってもフランジ部20と筺体15の外面との間がシールされることとなり、よって、フランジ部20を大きな締結力で筺体15の外面に押し付けることなく極めて良好なシール性能を確保することができる。つまり、締結によるフランジ部20の破損等の不具合なく、良好なシール性能を維持することができる。
【0038】
また、締結部23での筺体15への大きな締結力や筺体15の内部の圧力により、締結部23と反対側などの締結箇所以外の箇所で締結方向と逆方向の反力が生じてフランジ部20が筺体15から多少浮き上がったとしても、筺体15の外面に弾性変形して密着するリップ部17がフランジ部20の周縁に全周にわたって設けられているので、フランジ部20と筺体15の外面との間をリップ部17によって塞がれた状態に維持することができる。よって、挿入部19に装着したOリング13による取付孔16の内周面との間のシールとともにリップ部17におけるシールも長期にわたって維持することができる。
【0039】
また、フランジ部20の締結部23の厚さ寸法よりも大きい長さ寸法を有する円筒部14bを有するカラー14が締結部23のカラー装着孔24に挿入され、このカラー14に挿入されたボルト18が筺体15のネジ孔15aへねじ込まれるので、ボルト18をネジ孔15aへねじ込んで締め付けても、その締結力でフランジ部20が破損するような不具合を防止することができる。また、フランジ部20にボルト18の締結力があまり及ばないことから、フランジ部20が筺体15の外面に強く押し付けられなくても、フランジ部20のリップ部17が筺体15の外面に弾性変形して密着するので、フランジ部20と筺体15の外面との隙間をリップ部17で塞いでシールすることができる。
【0040】
ここで、図6に示すものは、変形例に係る中継コネクタ11である。この中継コネクタ11のフランジ部20に形成されたリップ部17には、フランジ部20の周方向へ間隔をあけて溝部17aが形成されている。これらの溝部17aは、リップ部17の径方向に沿って形成されている。
【0041】
このように、リップ部17に溝部17aを形成すると、中継コネクタ11をボルト18で筺体15へ締結固定する際に、リップ部17が小さな力で弾性変形することとなる。これにより、中継コネクタ11を筺体15へ取り付ける際のボルト18の締結力を低めることができ、取り付け作業の容易化を図ることができる。
【0042】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0043】
11 中継コネクタ
13 Oリング
14 カラー
15 筺体
15a ネジ孔
16 取付孔
17 リップ部
17a 溝部
18 ボルト
19 挿入部
20 フランジ部
23 締結部
24 カラー装着孔(孔部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筺体の取付孔へ嵌合される挿入部と、
前記挿入部に装着されて前記取付孔との間をシールするOリングと、
前記挿入部における前記取付孔への挿入側と反対側に形成されたフランジ部と、
前記フランジ部の一部に形成されて前記筺体の外面に締結固定される締結部とを備えた中継コネクタであって、
前記フランジ部には、前記筺体への取付側の周縁に、前記筺体への取付側へ突出する弾性変形可能なリップ部が全周にわたって形成されていることを特徴とする中継コネクタ。
【請求項2】
前記締結部には、孔部が形成され、該孔部には、前記締結部の厚さ寸法よりも大きい長さ寸法を有する筒状のカラーが挿入され、該カラーには、前記筺体に形成されたネジ孔へ締結されるボルトが挿入されることを特徴とする請求項1に記載の中継コネクタ。
【請求項3】
前記リップ部には、前記フランジ部の周方向へ間隔をあけて溝部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の中継コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−151029(P2012−151029A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9789(P2011−9789)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】