説明

事故点標定システム及び事故点標定方法

【課題】短絡事故発生時における電圧データおよび電流データを取り込むことなく、短絡事故の事故点の標定を行うことができる事故点標定システムなどを提供する。
【解決手段】事故点標定システム1は、反限時特性を有する過電流継電器4と、母線2の電圧降下値が所定の値以下になったときに動作を開始する不足電圧継電器6と、母線2の電圧降下値が所定の値以下になったときに動作しかつ限時特性を有する限時特性型不足電圧継電器7と、不足電圧継電器6および限時特性型不足電圧継電器7の動作時間を示すデータに基づいて過電流継電器4の反限時特性および限時特性型不足電圧継電器7の限時特性を用いて短絡事故発生時における配電線3の電流値および母線2の電圧降下値を算出し、算出した配電線3の電流値および母線2の電圧降下値に基づいて事故点を標定する事故点標定部10とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配電線などの電線路において発生した短絡事故の発生箇所(以下、「事故点」と称する。)の標定を行う事故点標定システム及び事故点標定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、送電線を含む電力系統において発生した短絡事故の事故点を標定する装置として、フォールト・ロケーター(FL:fault locator)と称される装置が知られている。フォールト・ロケーターは、送電線などにおける短絡事故を検出すると、事故発生時の電圧データおよび電流データを取り込んで、予め整定ずみの送電線のインピーダンスを用いて、事故点までの距離を算出する装置である。
【0003】
以下の特許文献1には、事故時のリレー動作の復帰により、系統事故の除去を検出し、標定演算の起動信号とすることで事故継続時間による標定距離の誤差大になることを防止し、また、遮断器開放から起動ポイントを決定していることとなり、事故電流の安定したポイントのデータにより演算が可能となる、フォールト・ロケーターを用いた故障点標定装置が開示されている。
【特許文献1】特開2002−243788号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、フォールト・ロケーターは、事故発生時の電圧データおよび電流データを取り込む必要があるため、高価な装置となり、一般には、重要な電線路(たとえば、110kV以上の送電線や、送電距離の長い電線路)に用いられているにすぎず、たとえば、配電線など6.6kVまたは22kVの電線路には用いられていない。
【0005】
したがって、このような配電線では、配電線を複数の区間に分けて、DM(時限投入)機能を持つ開閉器を各区間に設置し、各開閉器を順次、開放及び閉塞することにより、短絡事故発生時に事故発生区間を特定して、特定された事故発生区間内を人が巡視して事故点を探索している。そのため、事故点を見つけるのに時間がかかり、事故の復旧までに時間がかかってしまうという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、短絡事故発生時における電圧データおよび電流データを取り込むことなく、配電線などの電線路で発生した短絡事故の事故点の標定を行うことができる事故点標定システムおよび事故点標定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の事故点標定システムは、母線(2)から分岐された電線路(3)において短絡事故が発生したときの事故点を標定する事故点標定システム(1)であって、前記電線路に設けられた、かつ、電流変化値が大きいほど動作時間が短くなる反限時特性を有する過電流継電器(4)と、該過電流継電器の動作時間経過後に該過電流継電器から出力されるトリップ信号(VOC)に基づいて前記電線路を遮断する遮断器(5)と、前記母線に設けられた、かつ、該母線の電圧降下値が所定の値以下になったときに動作を開始する不足電圧継電器(6)と、前記母線に設けられた、かつ、該母線の電圧降下値が所定の値以下になったときに動作し、かつ、電圧降下値が大きいほど復帰時間が長くなる限時特性を有する限時特性型不足電圧継電器(7)と、前記不足電圧継電器および前記限時特性型不足電圧継電器の動作時間を示すデータを該不足電圧継電器および該限時特性型不足電圧継電器から取得し、該取得した不足電圧継電器および限時特性型不足電圧継電器の動作時間を示すデータに基づいて、前記過電流継電器の反限時特性および前記限時特性型不足電圧継電器の限時特性を用いて、短絡事故発生時における前記電線路の電流値および前記母線の電圧降下値を算出し、該算出した前記電線路の電流値および前記母線の電圧降下値に基づいて前記事故点を標定する事故点標定手段(10,21,23,24)とを具備することを特徴とする。
ここで、前記事故点標定手段(10)が、前記不足電圧継電器および前記限時特性型不足電圧継電器の動作時間を示すデータを該不足電圧継電器および該限時特性型不足電圧継電器から取得し、前記不足電圧継電器および限時特性型不足電圧継電器の動作時間を示すデータに基づいて、前記過電流継電器の動作時間,前記不足電圧継電器の動作時間および前記限時特性型不足電圧継電器の復帰時間を算出する処理部(11)と、該処理部により算出された過電流継電器の動作時間、不足電圧継電器の動作時間および限時特性型不足電圧継電器の復帰時間に基づいて、短絡事故発生時における前記電線路の電流値および前記母線の電圧降下値を算出する演算処理部(13)と、該演算処理部により算出された短絡事故発生時における電線路の電流値および母線の電圧降下値に基づいて前記事故点までの距離を算出して、該事故点を標定する標定部(14)とを備えてもよい。
前記事故点標定手段(21,23,24)が、前記不足電圧継電器および前記限時特性型不足電圧継電器の動作時間を示すデータを該不足電圧継電器および該限時特性型不足電圧継電器から取得する子局側遠方監視制御装置(21)と、該子局側遠方監視制御装置と通信回線(22)を介して相互接続された親局側遠方監視制御装置(23)であって、前記電線路において短絡事故が発生すると、該短絡事故の継続時間を含む時間範囲の前記不足電圧継電器および前記限時特性型不足電圧継電器の動作時間を示すデータの送信を前記子局側遠方監視制御装置に要求する要求信号を前記通信回線を介して該子局側遠方監視制御装置に送信し、該子局側遠方監視制御装置から前記不足電圧継電器および限時特性型不足電圧継電器の動作時間を示すデータを受信する、親局側遠方監視制御装置(23)と、該親局側遠方監視制御装置から入力される前記不足電圧継電器および限時特性型不足電圧継電器の動作時間を示すデータに基づいて、前記過電流継電器の動作時間,前記不足電圧継電器の動作時間および前記限時特性型不足電圧継電器の復帰時間を算出し、該算出された過電流継電器の動作時間、不足電圧継電器の動作時間および限時特性型不足電圧継電器の復帰時間に基づいて、短絡事故発生時における前記電線路の電流値および前記母線の電圧降下値を算出し、該算出された短絡事故発生時における電線路の電流値および母線の電圧降下値に基づいて前記事故点までの距離を算出して前記事故点を標定する、親局端末装置(24)とを備えてもよい。
【0008】
本発明の事故点標定方法は、母線(2)から分岐された電線路(3)において短絡事故が発生したときの事故点を標定する事故点標定方法であって、前記母線の電圧降下値が所定の値以下になったときに動作を開始する不足電圧継電器(6)の動作時間を示すデータと、前記母線の電圧降下値が所定の値以下になったときに動作する限時特性型不足電圧継電器(7)の動作時間を示すデータとを、該不足電圧継電器および該限時特性型不足電圧継電器から取得する第1のステップ(S15)と、該取得した不足電圧継電器および限時特性型不足電圧継電器の動作時間を示すデータに基づいて、前記電線路を流れる電流の電流変化値が大きいほど動作時間が短くなる過電流継電器(4)の反限時特性と、前記母線の電圧降下値が大きいほど復帰時間が長くなる前記限時特性型不足電圧継電器の限時特性とを用いて、短絡事故発生時における前記電線路の電流値および前記母線の電圧降下値を算出する第2のステップ(S16、S17)と、該算出した前記電線路の電流値および前記母線の電圧降下値に基づいて前記事故点を標定する第3のステップ(S18)と、
を具備することを特徴とする。
ここで、前記第2のステップが、前記過電流継電器の動作時間(x)経過後に該過電流継電器から出力されるトリップ信号(VOC)に基づいて前記電線路を遮断する遮断器(5)に固有の動作時間(a)を前記不足電圧継電器の動作時間(y)から減算して、該過電流継電器の動作時間(x)を求め、該求めた過電流継電器の動作時間(x)に基づいて該過電流継電器の反限時特性を用いて短絡事故発生時における前記電線路の電流値を算出し、前記限時特性型不足電圧継電器の動作時間(z)から前記不足電圧継電器の動作時間(y)を減算して該限時特性型不足電圧継電器の復帰時間(b)を求め、該求めた限時特性型不足電圧継電器の復帰時間(b)に基づいて該限時特性型不足電圧継電器の限時特性を用いて短絡事故発生時における前記母線の電圧降下値を算出し、前記算出した短絡事故発生時における前記電線路の電流値および前記母線の電圧降下値に基づいて前記事故点までの距離を求めて、該事故点を標定してもよい。
前記第1のステップが、子局側遠方監視制御装置(21)によって行われ、前記第2のステップの前に、前記子局側遠方監視制御装置と通信回線(22)を介して相互接続された親局側遠方監視制御装置(23)から、前記電線路において短絡事故が発生すると、該短絡事故の継続時間を含む時間範囲の前記不足電圧継電器および前記限時特性型不足電圧継電器の動作時間を示すデータの送信を前記子局側遠方監視制御装置に要求する要求信号を前記通信回線を介して該子局側遠方監視制御装置に送信する第4のステップをさらに備え、該第4のステップ後に、前記第2および第3のステップが、前記親局側遠方監視制御装置に接続された親局側端末装置(24)よって行われてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の事故点標定システムおよび事故点標定方法は、以下に示すような効果を奏する。
(1)短絡事故発生時における電線路の電流値および母線の電圧降下値を、母線に設けた不足電圧継電器および限時特性型不足電圧継電器の動作時間に基づいて、電線路に設けた過電流継電器の反限時特性および限時特性型不足電圧継電器の限時特性を用いて求めるため、短絡事故発生時の電圧データおよび電流データを取り込むことなく事故点の標定を行うことができる。
すなわち、不足電圧継電器の動作時間および遮断器固有の動作時間に基づいて過電流継電器の動作時間を求め、求めた過電流継電器の動作時間に基づいて過電流継電器の反限時特性を用いて短絡事故発生時における電路線の電流値を算出し、かつ、限時特性型不足電圧継電器の動作時間および不足電圧継電器の動作時間に基づいて限時特性型不足電圧継電器の復帰時間を求め、求めた限時特性型不足電圧継電器の復帰時間に基づいて限時特性型不足電圧継電器の限時特性を用いて短絡事故発生時における母線の電圧降下値を算出するため、短絡事故発生時の電圧データおよび電流データを取り込むことなく事故点の標定を行うことができる。
(2)過電流継電器および遮断器は電線路に既に設置されているものを使用できるため、複数の電線路が母線から分岐している場合であっても、不足電圧継電器および限時特性型不足電圧継電器を母線に設けるだけで事故点標定システムを実現することができる。
(3)通信回線を介して子局側遠方監視制御装置と親局側遠方監視制御装置とを接続することにより、たとえば遠隔地の監視所に設置された親局側遠方監視制御装置から子局側遠方監視制御装置に、短絡事故発生時における電路線の電流値および母線の電圧降下値の算出に必要なデータの伝送を要求することができる結果、監視所において電線路の短絡事故に関する情報を一括管理することができるとともに、事故復旧のための指令を迅速にかつ適切な電力所や事業者などに出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
短絡事故発生時における電圧データおよび電流データを取り込むことなく、配電線などの電線路で発生した短絡事故の事故点の標定を行うことができるという目的を、母線に設けた不足電圧継電器および限時特性型不足電圧継電器の動作時間に基づいて、電線路に設けた過電流継電器の反限時特性と限時特性型不足電圧継電器の限時特性とを用いて事故発生時における電線路の電流値および母線の電圧降下値を算出して、事故点までの距離を求めることにより実現した。
【実施例1】
【0011】
以下、本発明の事故点標定システムおよび事故点標定方法の実施例について図面を参照して説明する。
本発明の第1の実施例による事故点標定システム1は、図1に示すように、分岐点において母線2から分岐された配電線(電線路)3に設けられた過電流継電器(OC)4と、配電線3に設けられたかつ過電流継電器4からのトリップ信号VOCに基づいて配電線3を遮断する遮断器(CB)5と、母線2に設けられた不足電圧継電器(UV)6と、母線2に設けられた限時特性型不足電圧継電器(UV/T)7と、事故点標定部10とを備えている。
【0012】
ここで、配電線3には変流器(CT)8が設けられており、配電線3(1次側)を流れる大電流を変流器8により小電流に変換して過電流継電器4(2次側)に供給するようにしている。また、母線2には変成器(PT)9が設けられており、母線2側(1次側)の高電圧を変成器9により低電圧に変換して不足電圧継電器6および限時特性型不足電圧継電器7(2次側)に出力するようにしている。
なお、変成器9,不足電圧継電器6および限時特性型不足電圧継電器7は、三相3線式送電の場合にあっては、各相にそれぞれ設けられる。
【0013】
過電流継電器4は、変流器(CT)8から供給される電流の電流値が所定の電流値(閾値)よりも大きくなると動作を開始するが、図2に一例を示すような反限時特性(電流変化値が大きいほど動作時間が短くなる特性)を有する。なお、図2に示す2本の特性曲線は、タップ(TL)を切り替えて時限値を1.0および0.5としたときの過電流継電器4の反限時特性を示している。また、過電流継電器4の反限時特性を用いると、短絡事故発生時に変流器(CT)8から過電流継電器4に供給される電流の電流値iは、過電流継電器4の動作時間をxとすると、以下に示す式(1)で与えられる。
電流値i={0.453/(動作時間x/時限定数N−0.147)}+1 (1)
ここで、
時限定数N=動作時間x/{0.453/(タップ倍率−1)+0.147}
【0014】
不足電圧継電器6は、変成器9の2次側電圧の電圧降下値が所定の電圧降下値(閾値)よりも小さくなるとほぼ同時に動作し、変成器9の2次側電圧が所定の電圧値(閾値)に回復するとほぼ同時に動作を停止する。
【0015】
限時特性型不足電圧継電器7は、変成器9の2次側電圧の電圧降下値が所定の電圧降下値(閾値)よりも小さくなるとほぼ同時に動作し、変成器9の2次側電圧が所定の電圧値(閾値)に回復すると動作を停止するが、図3に一例示すような限時特性(電圧降下値に比例して復帰時間(電圧値が回復してから動作が停止するまでの時間)が大きくなる特性)を有する。図3に示した例では、変成器9の2次側電圧の電圧降下値が20Vであるときには、限時特性型不足電圧継電器7の復帰時間は0.2秒であり、また、母線2の電圧降下値が60Vであるときには、限時特性型不足電圧継電器7の復帰時間=0.6秒である。また、図3に示した限時特性型不足電圧継電器7の限時特性は、限時特性型不足電圧継電器7の復帰時間をbとし、変成器9の2次側電圧の電圧降下値をΔvで表すと、以下に示す式(2)で表される。
復帰時間b=Δv/100 (2)
ただし、V=0〜60ボルト
【0016】
したがって、限時特性型不足電圧継電器7は、母線2の電圧が所定の電圧降下値以上に降下するとほぼ同時に動作するが、母線2の電圧の回復と同時に動作を停止するのではなく、母線2の電圧の回復後、限時特性に基づく復帰時間bが経過したのちに動作を停止する。
【0017】
事故点標定部10は、図1に示すように、所定の時間間隔(たとえば、30ミリ秒間隔)で不足電圧継電器6および限時特性型不足電圧継電器7の動作状態を示すデータを取得して過電流継電器4の動作時間x,不足電圧継電器6の動作時間yおよび限時特性型不足電圧継電器7の復帰時間bを算出する処理部11と、処理部11により取得された不足電圧継電器6および限時特性型不足電圧継電器7の動作状態を示すデータを格納するための記憶部12と、処理部11により算出された過電流継電器4の動作時間x、不足電圧継電器6の動作時間yおよび限時特性型不足電圧継電器7の復帰時間bに基づいて短絡事故発生時における配電線3の電流値および母線2の電圧降下値をそれぞれ算出する演算処理部13と、演算処理部13により算出された短絡事故発生時における配電線3の電流値および母線2の電圧降下値に基づいて事故点を標定する標定部14とを有する。
【0018】
次に、本実施例による事故点標定システム1の動作(本発明の第1の実施例による事故点標定方法)について、図4に示すフローチャートおよび図5に示すタイミングチャートを参照して説明する。
図5に示す時刻t1に配電線3において短絡事故が発生すると、配電線3には通常の電流値よりも大きな電流値の電流が流れるとともに、母線2に大きな電圧降下が生じる。その結果、短絡事故の発生とほぼ同時に、過電流継電器4,不足電圧継電器6および限時特性型不足電圧継電器7が動作を開始する(図4のステップS11)。
【0019】
過電流継電器4が動作を開始すると、遮断器5に配電線3を遮断させるトリップ信号VOCが過電流継電器4から遮断器5に出力される。このとき、トリップ信号VOCは、過電流継電器4の図2に示した反限時特性により、短絡事故発生時における配電線3の電流の電流変化値に応じた過電流継電器4の動作時間xが経過した時刻t2に遮断器5に出力される(ステップS12)。
【0020】
遮断器5は、過電流継電器4からトリップ信号VOCが入力されると、配電線3を遮断する動作を開始するが、遮断機5に固有の一定の動作時間a(たとえば、40ミリ秒)が経過した時刻t3に配電線3を遮断する(ステップS13)。
【0021】
遮断器5により配電線3が遮断されると、配電線3を流れる電流が遮断されると同時に母線2の電圧が回復する。事故継続時間Tは、配電線3に短絡事故が発生した時刻t1から遮断器5により配電線3が遮断される時刻t3までの時間(すなわち、T=t3−t1)である。
【0022】
また、時刻t3で母線2の電圧が回復すると同時に、不足電圧継電器6は動作を停止する(ステップS13)。したがって、不足電圧継電器6の動作時間yと事故継続時間Tとは等しく(y=T)なる。また、過電流継電器4の動作時間xは、不足電圧継電器6の動作時間yから遮断器5の動作時間aを減算した時間y−aとなる。
【0023】
ただし、厳密に言えば、短絡事故発生から不足電圧継電器6の動作開始までには過渡時間があり、また、母線2の電圧回復から不足電圧継電器6の動作停止までには過渡時間があるため、不足電圧継電器6の動作開始時および動作停止時と短絡事故発生時及び短絡事故終了時とは一致しない。しかしながら、一般には、これら過渡時間がほぼ同じであるため、また、事故継続時間Tに比べて不足電圧継電器6の動作開始時および動作停止時の過渡時間は非常に短いため、不足電圧継電器6の動作時間yと事故継続時間Tとは等しいと言える。
なお、これらの過渡時間が予め分かっている場合には、過渡時間を考慮して事故継続時間Tを算出するようにしてもよい。
【0024】
さらに、時刻t3で母線2の電圧が回復すると、限時特性型不足電圧継電器7も動作を停止するが、図3に示した限時特性型不足電圧継電器7の限時特性により、限時特性型不足電圧継電器7は、時刻t3から母線2の電圧降下値に応じた復帰時間bが経過した時刻t4に、動作を停止する(ステップS14)。
したがって、限時特性型不足電圧継電器7の復帰時間bは、限時特性型不足電圧継電器7の動作時間zから不足電圧継電器6の動作時間yを減算した時間z−yとなる。
【0025】
なお、不足電圧継電器6および限時特性型不足電圧継電器7は、不足電圧継電器6および限時特性型不足電圧継電器7の動作状態(すなわち、動作時間y,z)を示すデータとして、不足電圧継電器6および限時特性型不足電圧継電器7の接点状態を示す第1および第2の接点情報を所定の時間間隔で処理部11に出力しており、第1および第2の接点情報は、事故点標定部10の記憶部12に格納される(ステップS15)。
【0026】
事故点標定部10の処理部11は、記憶部12に格納された第1および第2の接点情報に基づいて、以下のようにして過電流継電器4の動作時間x,不足電圧継電器6の動作時間yおよび限時特性型不足電圧継電器7の復帰時間bを算出する(ステップS16)。
【0027】
(A)不足電圧継電器6の動作時間y
処理部11は、不足電圧継電器6の動作状態を示すデータである第1の接点情報を記憶部12から読み出して、読み出した第1の接点情報から不足電圧継電器6の動作時間yを算出する。
【0028】
(B)過電流継電器4の動作時間xの算出
過電流継電器4の動作時間xは、上述したように、不足電圧継電器6の動作時間yから遮断器5の動作時間aを減算した時間(図5参照)となる。遮断器5の動作時間aは遮断器によって決まっているため、処理部11は、予め記憶部12に格納されている遮断器5の動作時間aを記憶部12から読み出して、上記(A)において算出した不足電圧継電器6の動作時間yから、読み出した遮断器5の動作時間aを減算することにより、過電流継電器4の動作時間x(=y−a)を算出する。
【0029】
(C)限時特性型不足電圧継電器7の復帰時間bの算出
限時特性型不足電圧継電器7の復帰時間bは、上述したように、限時特性型不足電圧継電器7の動作時間zから不足電圧継電器6の動作時間yを減算した時間(図5参照)となる。処理部11は、限時特性型不足電圧継電器7の動作状態を示すデータである第2の接点情報を記憶部12から読み出して、読み出した第2の接点情報から限時特性型不足電圧継電器7の動作時間zを算出する。その後、処理部11は、この算出した限時特性型不足電圧継電器7の動作時間zから、上記(A)において算出した不足電圧継電器6の動作時間yを減算することにより、限時特性型不足電圧継電器7の復帰時間a(=z−y)を算出する。
【0030】
続いて、演算処理部13は、処理部11により算出された過電流継電器4の動作時間x、不足電圧継電器6の動作時間yおよび限時特性型不足電圧継電器7の復帰時間bに基づいて、以下のようにして短絡事故発生時における配電線3の電流値Iおよび母線2の電圧降下値ΔVを算出する(ステップS17)。
【0031】
(A)短絡事故発生時における配電線3の電流値I
過電流継電器4は、図2に示したように、電流変化値が大きいほど動作時間が短くなる反限時特性を有する。したがって、過電流継電器4の動作時間xが分かれば、上述した式(1)で与えられる過電流継電器4の反限時特性より、短絡事故発生時に変流器(CT)8から過電流継電器4に供給される電流の電流値iが分かる。
そこで、過電流継電器4は変流器8の2次側に設けられているため、演算処理部13は、式(1)を用いて、処理部11により算出された過電流継電器4の動作時間xに基づいて、過電流継電器4を動作させた変流器8の2次側の電流値iを求めたのち、求めた変流器8の2次側の電流値iを変流器8の1次側の電流値に換算することにより、短絡事故発生時における配電線3の電流値Iを算出する。
【0032】
(B)短絡事故発生時における母線2の電圧降下値ΔVの算出
限時特性型不足電圧継電器7は、図3に示したように、電圧降下値が大きいほど復帰時間が長くなる限時特性を有する。したがって、限時特性型不足電圧継電器7の復帰時間bが分かれば、上述した式(2)で与えられる限時特性型不足電圧継電器7の限時特性より、限時特性型不足電圧継電器7が動作を開始した時の電圧降下値Δvが分かる。たとえば、図3に示した例では、限時特性型不足電圧継電器7の復帰時間bが0.2秒であった場合には、限時特性型不足電圧継電器7は20Vの電圧降下値Δvで動作したことが分かる。
そこで、限時特性型不足電圧継電器7は変成器9の2次側に設けられているため、演算処理部13は、式(2)を用いて、処理部11により算出された限時特性型不足電圧継電器7の復帰時間bに基づいて、限時特性型不足電圧継電器7を動作させた変成器9の2次側の電圧降下値Δvを求めたのち、求めた変成器9の2次側の電圧降下値Δvを変成器9の1次側の電圧降下値に換算することにより、短絡事故発生時における母線2の電圧降下値ΔVを算出する。
【0033】
続いて、標定部14は、演算処理部13により算出された事故発生時における配電線3の電流値Iおよび母線2の電圧降下値ΔVに基づいて、次式を用いて事故点までの距離を算出することにより、事故点を標定する(ステップS18)。
事故点までの距離(km)=(ΔV/I)/(1km当りのインピーダンス)
【0034】
なお、過電流継電器4の動作時間xは過電流継電器4の接点状態から算出することもできるが、このようにすると、母線3から複数の配電線3が分岐している場合には、各過電流継電器4と処理部11とを個別に接続して、各過電流継電器4の接点情報を取得しなければならず、装置が複雑化してしまう。
これに対して、本発明のように、不足電圧継電器6の動作時間yから遮断器5の動作時間aを減算して過電流継電器4の動作時間xを算出する場合には、母線3から複数の配電線3が分岐している場合でも、処理部11と各過電流継電器4とを接続する必要はなく、装置を簡単化することができる。
【0035】
また、本実施例による事故点標定システム1では、過電流継電器4および遮断器5は既設のものを使用することができ、不足電圧継電器6および限時特性型不足電圧継電器7を母線2に設けるだけでよいという利点もある。
さらに、不足電圧継電器6の動作時間yを算出することにより事故継続時間Tが求まるため、電気設備技術基準で規定する「事故が発生した電線路の除去時間」を遵守しているかの検証を、短絡事故発生時に確認することができる。すなわち、電気設備技術基準では、配電線で短絡事故が発生した場合には配電線を短絡事故発生から所定時間内に除去することを規定しているが、すべての配電線について、短絡事故発生後直ちに、配電線が所定時間内に除去されたかどうかを検証することはできなかった。しかし、本実施例による事故点標定システム1では、不足電圧継電器6の動作時間y=除去時間とすることができるため、電気設備技術基準を遵守しているか否かを短絡事故発生後直ちに判断することができる。
【実施例2】
【0036】
次に、本発明の第2の実施例による事故点標定システム20について、図6を参照して説明する。
本実施例による事故点標定システム20は、遠方監視制御装置(テレコン)を用いて事故点の標定を行うものである。
事故点標定システム20は、事故点標定部10の代わりに、子局側遠方監視制御装置(以下、「子局側テレコン」と称する。)21と、子局側テレコン21と通信回線22を介して接続された親局側遠方監視制御装置(以下、「親局側テレコン」と称する。)23と、親局側テレコン23に接続された親局端末装置24とを備える点で、図1に示した第1の実施例による事故点標定システム1と異なる。
【0037】
子局側テレコン21は、不足電圧継電器6および限時特性型不足電圧継電器7の第1および第2の接点情報を所定の時間間隔で取り込んで、取り込んだ第1および第2の接点情報(時刻+動作内容)を格納する。また、子局側テレコン21は、SOE(Sequence of Events)機能を備えており、親局側テレコン23のSOE要求に応じて、不足電圧継電器6および限時特性型不足電圧継電器7の第1および第2の接点情報のうちの要求された時間範囲のものを親局側テレコン23に通信回線22を介して伝送(たとえば、パケット伝送)する。
【0038】
親局側テレコン23は、監視所に設置されており、短絡事故の継続時間を含む時間範囲の不足電圧継電器6および限時特性型不足電圧継電器7の動作時間を示すデータの送信を子局側テレコン21に要求するSOE要求信号を子局側テレコン21に送信することによって、子局側テレコン21から不足電圧継電器6および限時特性型不足電圧継電器7の第1および第2の接点情報を取得する。
親局端末装置24は、親局側テレコン23から入力される不足電圧継電器6および限時特性型不足電圧継電器7の第1および第2の接点情報に基づいて、配電線3に短絡事故が発生した場合の事故点を標定する。
【0039】
次に、本実施例による事故点標定システム20の動作(本発明の第2の実施例による事故点標定方法)について説明する。
配電線3において短絡事故が発生したときの過電流継電器4,不足電圧継電器6および限時特性型不足電圧継電器7の動作は、上述した第1の実施例による事故点標定システム1におけるそれらの動作と同様であるため、その説明は省略する。
【0040】
子局側テレコン21は、不足電圧継電器6および限時特性型不足電圧継電器7の動作状態(すなわち、動作時間y,z)を示すデータである不足電圧継電器6および限時特性型不足電圧継電器7の第1および第2の接点情報を所定の時間間隔で常時取り込んで格納する。
【0041】
配電線3において短絡事故が発生すると、親局側テレコン23は、短絡事故の継続時間を含む時間範囲の第1および第2の接点情報の送信を子局側テレコン21に要求するSOE要求信号を、通信回線22を介して子局側テレコン21に送信する。
子局側テレコン21は、このSOE要求信号を受信すると、要求された時間範囲の第1および第2の接点情報を親局側テレコン23に通信回線22を介してパケット伝送する。
【0042】
親局側テレコン23は、この第1および第2の接点情報を受信すると、親局側端末装置24に出力する。
親局側端末装置24は、この第1および第2の接点情報に基づいて、上述した第1の実施例による事故点標定システム1の処理部11,演算処理部13および標定部14と同様の動作(図4のステップS16〜S18参照)を行うことにより、事故点までの距離を算出する。
【0043】
したがって、本実施例による事故点標定システム20では、遠隔地の監視所に設けられた親局側端末装置24おいて事故点の標定を行うことができるので、事故復旧のための指令を迅速にかつ適切な電力所および事業者などに発信することができる。
また、遠隔地の監視所に設けられた親局側テレコン23および親局側端末装置24において事故情報を取得することができるため、短絡事故に関する情報を一括管理することもできる。
【0044】
なお、本発明の事故点標定システム及び事故点標定方法は、6.6kVおよび22kVなどの配電線に限らず、22kV以上の送電線にも適用することができる。
また、配電線で現在用いられているDM遠方制御装置(配電自動化システム)を組み合わせることもできる。
さらに、送電方式は三相3線式送電に限られず、直流送電であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上説明したように、本発明の事故点標定システム及び事故点標定方法は、配電線などの電線路において発生した短絡事故の発生箇所の標定を行うのに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1の実施例による事故点標定システムの構成を示す図である。
【図2】図1に示した過電流継電器4の反限時特性を示すグラフである。
【図3】図1に示した限時特性型不足電圧継電器7の限時特性を示すグラフである。
【図4】図1に示した過電流継電器4,不足電圧継電器6および限時特性型不足電圧継電器7の動作時間(接点状態)を示すタイミングチャートである。
【図5】図1に示した事故点標定システム1の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施例による事故点標定システムの構成を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
1,20 事故点標定システム
2 母線
3 配電線
4 過電流継電器
5 遮断器
6 不足電圧継電器
7 限時特性型不足電圧継電器
8 変流器
9 変成器
10 事故点標定部
11 処理部
12 記憶部
13 演算処理部
14 標定部
21 子局側テレコン
22 通信回線
23 親局側テレコン
24 親局側端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
母線(2)から分岐された電線路(3)において短絡事故が発生したときの事故点を標定する事故点標定システム(1)であって、
前記電線路に設けられた、かつ、電流変化値が大きいほど動作時間が短くなる反限時特性を有する過電流継電器(4)と、
該過電流継電器の動作時間経過後に該過電流継電器から出力されるトリップ信号(VOC)に基づいて前記電線路を遮断する遮断器(5)と、
前記母線に設けられた、かつ、該母線の電圧降下値が所定の値以下になったときに動作を開始する不足電圧継電器(6)と、
前記母線に設けられた、かつ、該母線の電圧降下値が所定の値以下になったときに動作し、かつ、電圧降下値が大きいほど復帰時間が長くなる限時特性を有する限時特性型不足電圧継電器(7)と、
前記不足電圧継電器および前記限時特性型不足電圧継電器の動作時間を示すデータを該不足電圧継電器および該限時特性型不足電圧継電器から取得し、該取得した不足電圧継電器および限時特性型不足電圧継電器の動作時間を示すデータに基づいて、前記過電流継電器の反限時特性および前記限時特性型不足電圧継電器の限時特性を用いて、短絡事故発生時における前記電線路の電流値および前記母線の電圧降下値を算出し、該算出した前記電線路の電流値および前記母線の電圧降下値に基づいて前記事故点を標定する事故点標定手段(10,21,23,24)と、
を具備することを特徴とする、事故点標定システム。
【請求項2】
前記事故点標定手段(10)が、
前記不足電圧継電器および前記限時特性型不足電圧継電器の動作時間を示すデータを該不足電圧継電器および該限時特性型不足電圧継電器から取得し、前記不足電圧継電器および限時特性型不足電圧継電器の動作時間を示すデータに基づいて、前記過電流継電器の動作時間,前記不足電圧継電器の動作時間および前記限時特性型不足電圧継電器の復帰時間を算出する処理部(11)と、
該処理部により算出された過電流継電器の動作時間、不足電圧継電器の動作時間および限時特性型不足電圧継電器の復帰時間に基づいて、短絡事故発生時における前記電線路の電流値および前記母線の電圧降下値を算出する演算処理部(13)と、
該演算処理部により算出された短絡事故発生時における電線路の電流値および母線の電圧降下値に基づいて前記事故点までの距離を算出して、該事故点を標定する標定部(14)と、
を備えることを特徴とする、請求項1記載の事故点標定システム。
【請求項3】
前記事故点標定手段(21,23,24)が、
前記不足電圧継電器および前記限時特性型不足電圧継電器の動作時間を示すデータを該不足電圧継電器および該限時特性型不足電圧継電器から取得する子局側遠方監視制御装置(21)と、
該子局側遠方監視制御装置と通信回線(22)を介して相互接続された親局側遠方監視制御装置(23)であって、前記電線路において短絡事故が発生すると、該短絡事故の継続時間を含む時間範囲の前記不足電圧継電器および前記限時特性型不足電圧継電器の動作時間を示すデータの送信を前記子局側遠方監視制御装置に要求する要求信号を前記通信回線を介して該子局側遠方監視制御装置に送信し、該子局側遠方監視制御装置から前記不足電圧継電器および限時特性型不足電圧継電器の動作時間を示すデータを受信する、親局側遠方監視制御装置(23)と、
該親局側遠方監視制御装置から入力される前記不足電圧継電器および限時特性型不足電圧継電器の動作時間を示すデータに基づいて、前記過電流継電器の動作時間,前記不足電圧継電器の動作時間および前記限時特性型不足電圧継電器の復帰時間を算出し、該算出された過電流継電器の動作時間、不足電圧継電器の動作時間および限時特性型不足電圧継電器の復帰時間に基づいて、短絡事故発生時における前記電線路の電流値および前記母線の電圧降下値を算出し、該算出された短絡事故発生時における電線路の電流値および母線の電圧降下値に基づいて前記事故点までの距離を算出して前記事故点を標定する、親局端末装置(24)と、
を備える、請求項1記載の事故点標定システム。
【請求項4】
母線(2)から分岐された電線路(3)において短絡事故が発生したときの事故点を標定する事故点標定方法であって、
前記母線の電圧降下値が所定の値以下になったときに動作を開始する不足電圧継電器(6)の動作時間を示すデータと、前記母線の電圧降下値が所定の値以下になったときに動作する限時特性型不足電圧継電器(7)の動作時間を示すデータとを、該不足電圧継電器および該限時特性型不足電圧継電器から取得する第1のステップ(S15)と、
該取得した不足電圧継電器および限時特性型不足電圧継電器の動作時間を示すデータに基づいて、前記電線路を流れる電流の電流変化値が大きいほど動作時間が短くなる過電流継電器(4)の反限時特性と、前記母線の電圧降下値が大きいほど復帰時間が長くなる前記限時特性型不足電圧継電器の限時特性とを用いて、短絡事故発生時における前記電線路の電流値および前記母線の電圧降下値を算出する第2のステップ(S16、S17)と、
該算出した前記電線路の電流値および前記母線の電圧降下値に基づいて前記事故点を標定する第3のステップ(S18)と、
を具備することを特徴とする、事故点標定方法。
【請求項5】
前記第2のステップが、
前記過電流継電器の動作時間(x)経過後に該過電流継電器から出力されるトリップ信号(VOC)に基づいて前記電線路を遮断する遮断器(5)に固有の動作時間(a)を前記不足電圧継電器の動作時間(y)から減算して、該過電流継電器の動作時間(x)を求め、
該求めた過電流継電器の動作時間(x)に基づいて該過電流継電器の反限時特性を用いて短絡事故発生時における前記電線路の電流値を算出し、
前記限時特性型不足電圧継電器の動作時間(z)から前記不足電圧継電器の動作時間(y)を減算して該限時特性型不足電圧継電器の復帰時間(b)を求め、
該求めた限時特性型不足電圧継電器の復帰時間(b)に基づいて該限時特性型不足電圧継電器の限時特性を用いて短絡事故発生時における前記母線の電圧降下値を算出し、
前記算出した短絡事故発生時における前記電線路の電流値および前記母線の電圧降下値に基づいて前記事故点までの距離を求めて、該事故点を標定する、
ことを特徴とする、請求項4記載の事故点標定方法。
【請求項6】
前記第1のステップが、子局側遠方監視制御装置(21)によって行われ、
前記第2のステップの前に、前記子局側遠方監視制御装置と通信回線(22)を介して相互接続された親局側遠方監視制御装置(23)から、前記電線路において短絡事故が発生すると、該短絡事故の継続時間を含む時間範囲の前記不足電圧継電器および前記限時特性型不足電圧継電器の動作時間を示すデータの送信を前記子局側遠方監視制御装置に要求する要求信号を前記通信回線を介して該子局側遠方監視制御装置に送信する第4のステップをさらに備え、
該第4のステップ後に、前記第2および第3のステップが、前記親局側遠方監視制御装置に接続された親局側端末装置(24)よって行われる、
ことを特徴とする、請求項4または5記載の事故点標定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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