説明

二重反転式軸流ファン

【課題】二重反転式軸流ファンの作動音の特性を向上する。
【解決手段】二重反転式軸流ファンでは、第1軸流ファン2の複数の第1翼211の吸気側に複数の第2支持リブ34が設けられ、排気側に複数の第1支持リブ24が設けられる。二重反転式軸流ファンでは、複数の第1翼211のそれぞれにおいて、第1翼211の後縁2112の一部が任意の1本の第1支持リブ24に重なる状態において、当該第1翼211の前縁2111全体が、いずれの第2支持リブ34とも重なることなく、2本の第2支持リブ34の間に位置する。このため、第1翼211により導入されるエアと第2支持リブ34との干渉、および、第1翼211から送出されるエアと第1支持リブ24との干渉が同時に発生することを防止することができ、その結果、二重反転式軸流ファンの作動音の特性を向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二重反転式軸流ファンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パーソナルコンピュータやサーバ等の電子機器では、筐体内部の電子部品を冷却するための冷却ファンが設けられており、筐体内部の電子部品の密度上昇に伴って冷却ファンの性能向上が要求されている。特に、サーバ等の比較的大型の電子機器では、静圧が高く、かつ、風量が大きい冷却ファンが求められており、このような冷却ファンの1つとして、特許文献1では、所定の中心軸に沿って2つの軸流ファンを接続した直列ファンが開示されている。特許文献1の直列ファンでは、メインフレームの内部において、第1動翼用のモータを支持する第1サポートと第2動翼用のモータを支持する第2サポートとが、第1動翼と第2動翼との間に配置される。
【0003】
また、特許文献2および特許文献3は、互いに反対方向に回転する2つのインペラを中心軸方向に配列した二重反転式軸流送風機に関し、当該二重反転式軸流送風機では、第1のモータをケースに固定する3本のウエブと第2のモータをケースに固定する3本のウエブとが、第1のインペラと第2のインペラとの間に配置される。
【特許文献1】特開2002−349476号公報
【特許文献2】特開2004−278370号公報
【特許文献3】特開2004−278371号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電子機器に使用されるファンモータでは、当該電子機器が使用される作業環境の向上等の観点から、ファンモータの作動音の特性向上が求められている。作動音の特性を評価する基準の1つとして、可聴音域における顕著な離散周波数音の割合を示すプロミネンス・レシオ(prominence ratio)が利用されており、プロミネンス・レシオを低減することにより、作動音の特性を向上することができる。
【0005】
一方、二重反転式軸流ファン等の直列ファンでは、設計上の都合等により、各軸流ファンのインペラに対して同じ側に当該インペラを支持する支持リブを配置することが要求されることがある。この場合、一のインペラの排気側および吸気側に支持リブが配置されることとなり、当該インペラの回転時にインペラの排気側および吸気側においてエアの流れや圧力の変化が干渉すると、作動音の特性が低下してしまう(すなわち、可聴音域における耳障りな騒音が大きくなってしまう)恐れがある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、二重反転式軸流ファンの作動音の特性を向上することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、二重反転式軸流ファンであって、所定の中心軸を中心として放射状に配置された複数の第1翼を有する第1インペラと、前記中心軸を中心として前記第1インペラを回転することにより、前記中心軸方向のエアの流れを発生する第1モータ部と、前記中心軸に沿って前記第1インペラに隣接して配置され、前記中心軸を中心として放射状に配置された複数の第2翼を有する第2インペラと、前記第1インペラとは反対方向に前記第2インペラを回転することにより、前記第1インペラによるエアの流れと同方向のエアの流れを発生する第2モータ部と、前記第1インペラおよび前記第2インペラの外周を囲む筒状のハウジングと、前記第1インペラの前記第2インペラとは反対側において、前記第1モータ部から前記中心軸を中心として放射状に伸びるとともに前記ハウジングに接続されて前記第1モータ部を支持する複数の第1支持リブと、前記第1インペラと前記第2インペラとの間において、前記第2モータ部から前記中心軸を中心として放射状に伸びるとともに前記ハウジングに接続されて前記第2モータ部を支持する複数の第2支持リブとを備え、各第1翼の前記複数の第1支持リブ側のエッジの径方向中央よりも外側の部分が任意の1つの第1支持リブに重なる状態において、前記各第1翼の前記複数の第2支持リブ側のエッジの前記径方向中央よりも外側の部分が前記複数の第2支持リブの間に位置する。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の二重反転式軸流ファンであって、前記各第1翼の前記複数の第1支持リブ側の前記エッジが任意の1つの第1支持リブに重なる状態において、前記各第1翼の前記複数の第2支持リブ側の前記エッジ全体が前記複数の第2支持リブの間に位置する。
【0009】
請求項3に記載の発明は、二重反転式軸流ファンであって、所定の中心軸を中心として放射状に配置された複数の第1翼を有する第1インペラと、前記中心軸を中心として前記第1インペラを回転することにより、前記中心軸方向のエアの流れを発生する第1モータ部と、前記中心軸に沿って前記第1インペラに隣接して配置され、前記中心軸を中心として放射状に配置された複数の第2翼を有する第2インペラと、前記第1インペラとは反対方向に前記第2インペラを回転することにより、前記第1インペラによるエアの流れと同方向のエアの流れを発生する第2モータ部と、前記第1インペラおよび前記第2インペラの外周を囲む筒状のハウジングと、前記第1インペラの前記第2インペラとは反対側において、前記第1モータ部から前記中心軸を中心として放射状に伸びるとともに前記ハウジングに接続されて前記第1モータ部を支持する複数の第1支持リブと、前記第1インペラと前記第2インペラとの間において、前記第2モータ部から前記中心軸を中心として放射状に伸びるとともに前記ハウジングに接続されて前記第2モータ部を支持する複数の第2支持リブとを備え、前記複数の第1翼のそれぞれの径方向中央よりも外側の部位並びに前記複数の第1支持リブおよび前記複数の第2支持リブを前記中心軸を中心とする任意の径の円筒面により切断した場合に、各第1翼の断面の両端部を前記円筒面に沿って結ぶ線の前記中心軸に対する傾きが、任意の第1支持リブおよび任意の第2支持リブの断面を前記円筒面に沿って結ぶ線の前記中心軸に対する傾きと異なる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の二重反転式軸流ファンであって、前記複数の第1翼並びに前記複数の第1支持リブおよび前記複数の第2支持リブを前記中心軸を中心とする任意の径の円筒面により切断した場合に、前記各第1翼の断面の両端部を前記円筒面に沿って結ぶ線の前記中心軸に対する傾きが、任意の第1支持リブおよび任意の第2支持リブの断面を前記円筒面に沿って結ぶ線の前記中心軸に対する傾きと異なる。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の二重反転式軸流ファンであって、各第1支持リブが、前記複数の第2支持リブの間に位置する。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の二重反転式軸流ファンであって、前記複数の第1支持リブの本数が、前記複数の第2支持リブの本数と等しい。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の二重反転式軸流ファンであって、前記複数の第1支持リブが、前記第1インペラの排気側に配置されるとともに前記中心軸から離れるに従って前記第1インペラの回転方向とは反対方向に傾いている。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の二重反転式軸流ファンであって、前記複数の第2支持リブが、前記第2インペラの排気側に配置されるとともに前記中心軸から離れるに従って前記第2インペラの回転方向とは反対方向に傾いている。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の二重反転式軸流ファンであって、前記複数の第1支持リブおよび前記複数の第2支持リブがそれぞれ、前記中心軸を中心として等ピッチにて配置される。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれかに記載の二重反転式軸流ファンであって、前記ハウジングが、前記第1インペラの外周を囲むとともに前記複数の第1支持リブが接続される第1ハウジング部材と、前記第2インペラの外周を囲むとともに前記複数の第2支持リブが接続される第2ハウジング部材とを備える。
【発明の効果】
【0017】
請求項1および3の発明では、二重反転式軸流ファンの作動音の特性を向上することができる。請求項2、4および5の発明では、二重反転式軸流ファンの作動音の特性をより向上することができる。
【0018】
請求項6の発明では、二重反転式軸流ファンの作動音の特性を向上するための支持リブの配置を容易に実現することができる。請求項7の発明では、第1軸流ファンの作動音の特性を向上することができる。請求項8の発明では、第2軸流ファンの作動音の特性を向上することができる。
【0019】
請求項9の発明では、第1モータ部および第2モータ部を安定して支持することができる。請求項10の発明では、ハウジングを容易に形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る二重反転式軸流ファン1を示す斜視図である。図2は、二重反転式軸流ファン1を分解して示す斜視図である。二重反転式軸流ファン1は、例えば、サーバ等の電子機器を空冷するための電動式冷却ファンとして用いられる。図1に示すように、二重反転式軸流ファン1は、図1中の下側に配置される第1軸流ファン2、および、中心軸J1に沿って第1軸流ファン2に接続された図1中の上側に配置される第2軸流ファン3を備える。第1軸流ファン2および第2軸流ファン3はビス(図示省略)等により互いに対して固定される。
【0021】
二重反転式軸流ファン1では、第1軸流ファン2および第2軸流ファン3が駆動されると、図1中の上側(すなわち、第2軸流ファン3側)からエアが取り込まれて下側(すなわち、第1軸流ファン2側)へと送出されることにより、中心軸J1方向のエアの流れが発生する。以下の説明では、中心軸J1方向において、エアが取り込まれる側である図1中の上側を「吸気側」と呼び、エアが排出される側である図1中の下側を「排気側」と呼ぶ。
【0022】
図3は、二重反転式軸流ファン1を中心軸J1を含む平面で切断した縦断面図であり、図4は、第1軸流ファン2を吸気側から見た平面図である。図3および図4に示すように、第1軸流ファン2は、中心軸J1を中心として放射状に等ピッチにて配置された複数(本実施の形態では、5枚)の第1翼211を有する第1インペラ21、中心軸J1を中心として第1インペラ21を図2および図4中における反時計回りに回転することにより中心軸J1方向のエアの流れ(すなわち、図3中の上側から下側へと向かうエアの流れ)を発生する第1モータ部22、第1インペラ21の外周を囲む第1ハウジング23、および、第1モータ部22から中心軸J1を中心として放射状に伸びるとともに第1ハウジング23に接続されて第1モータ部22を支持する複数(本実施の形態では、3本)の第1支持リブ24を備える。
【0023】
図3に示すように、第1モータ部22は、固定組立体であるステータ部221、および、回転組立体であるロータ部222を備え、ロータ部222は、後述する軸受機構を介して中心軸J1を中心にステータ部221に対して回転可能に支持される。以下の説明では、便宜上、中心軸J1に沿ってロータ部222側を上側、ステータ部221側を下側として説明するが、中心軸J1は必ずしも重力方向と一致する必要はない。
ステータ部221は、平面視において中心軸J1を中心とする略円環状のベース部2211を備え、ベース部2211は、図3および図4に示すように、複数の第1支持リブ24を介して第1ハウジング23の略円筒状の内側面231に固定されてステータ部221の各部を保持する。ベース部2211は樹脂製であり、同じく樹脂製の複数の第1支持リブ24および第1ハウジング23と共に射出成形により形成される。
【0024】
図3に示すように、ベース部2211の中央の開口には、ベース部2211から上側(すなわち、ロータ部222側)に突出する略円筒状の軸受保持部2212が固定されている。軸受保持部2212の内側には、軸受機構の一部となる玉軸受2213,2214が中心軸J1方向の上部および下部に設けられる。
【0025】
ステータ部221は、また、軸受保持部2212の外周に取り付けられる(すなわち、軸受保持部2212の周囲にてベース部2211に取り付けられる)電機子2215、および、電機子2215の下側に取り付けられるとともに電機子2215に電気的に接続されて電機子2215を制御する略円環板状の回路基板2216をさらに備える。回路基板2216は、複数のリード線を束ねたリード線群を介して二重反転式軸流ファン1の外部に設けられた外部電源に接続される。なお、図3では、リード線群および外部電極の図示は省略している。
【0026】
ロータ部222は、中心軸J1を中心とする略有蓋円筒状であって磁性を有する金属製のヨーク2221、ヨーク2221の側壁部の内側(すなわち、内側面)に固定されて電機子2215と対向する略円筒状の界磁用磁石2222、および、ヨーク2221の蓋部から下向きに突出するシャフト2223を備える。
【0027】
シャフト2223は、軸受保持部2212に挿入されて玉軸受2213,2214により回転可能に支持される。第1軸流ファン2では、シャフト2223および玉軸受2213,2214が、中心軸J1を中心にヨーク2221をベース部2211に対して回転可能に支持する軸受機構の役割を果たす。
【0028】
第1インペラ21は、第1モータ部22のヨーク2221の外側を覆う略有蓋円筒状のハブ212、および、ハブ212の側壁部の外側(すなわち、外側面)から放射状に伸びる複数の第1翼211を備える。ハブ212は樹脂製であり、同じく樹脂製の第1翼211と共に射出成形により形成される。
【0029】
第1軸流ファン2では、第1モータ部22の回路基板2216を介して電機子2215に供給される駆動電流が制御されて電機子2215と界磁用磁石2222との間で中心軸J1を中心とするトルクが発生することにより、ロータ部222に取り付けられた第1インペラ21の複数の第1翼211が、中心軸J1を中心として図4中における反時計回りに回転する。これにより、図3中の上側(すなわち、第2軸流ファン3側)からエアが取り込まれて下側(すなわち、第1支持リブ24側)へと送出される。
【0030】
第1軸流ファン2の第1インペラ21では、図2に示すように、各第1翼211のハブ212の外側面上のエッジ(すなわち、第1翼211とハブ212の外側面との境界線)が中心軸J1に対して傾斜しており、中心軸J1方向において吸気側から排気側へと(図2中における上側から下側へと)向かうに従って、中心軸J1を中心とする周方向において第1インペラ21の回転方向とは反対方向に向かう。換言すれば、中心軸J1を中心とする周方向において、図4に示す各第1翼211の吸気側のエッジ(以下、「前縁」という。)2111は、排気側のエッジ(以下、「後縁」という。)2112よりも第1インペラ21の回転方向(すなわち、図4中における反時計回り)側に位置する。
【0031】
第1軸流ファン2では、第1インペラ21の排気側に配置される複数の第1支持リブ24が、図4に示すように、中心軸J1を中心として等ピッチにて配置される。すなわち、第1支持リブ24と第1モータ部22との接続位置、および、第1支持リブ24と第1ハウジング23との接続位置が、共に中心軸J1を中心として等ピッチとなっている。また、複数の第1支持リブ24のそれぞれは、中心軸J1から離れるに従って第1インペラ21の回転方向とは反対方向に傾いている。
【0032】
図5は、第2軸流ファン3を吸気側から見た平面図である。図3および図5に示すように、第2軸流ファン3は、中心軸J1に沿って第1インペラ21に隣接して配置される第2インペラ31を備え、第2インペラ31は、中心軸J1を中心として放射状に等ピッチにて配置された複数(本実施の形態では、7枚)の第2翼311を有する。
【0033】
第2軸流ファン3は、また、中心軸J1を中心として第2インペラ31を第1インペラ21とは反対方向(すなわち、図2および図5中における時計回り)に回転することにより第1インペラ21によるエアの流れと同方向のエアの流れ(すなわち、図3中の上側から下側へと向かう中心軸J1方向のエアの流れ)を発生する第2モータ部32、第2インペラ31の外周を囲む第2ハウジング33、および、第1インペラ21と第2インペラ31との間において第2モータ部32から中心軸J1を中心として放射状に伸びるとともに第2ハウジング33に接続されて第2モータ部32を支持する複数(本実施の形態では、3本)の第2支持リブ34を備える。本実施の形態では、第2支持リブ34の本数が第1支持リブ24(図4参照)の本数と等しくされる。
【0034】
図3に示すように、第2モータ部32の構成は第1モータ部22の構成と同様であり、ステータ部321、および、ステータ部321の上側(すなわち、吸気側)に配置されてステータ部321に対して回転可能に支持されるロータ部322を備える。
【0035】
ステータ部321は、複数の第2支持リブ34を介して第2ハウジング33の略円筒状の内側面331に固定されてステータ部321の各部を保持するベース部3211、玉軸受3213,3214が内側に設けられる略円筒状の軸受保持部3212、軸受保持部3212の外周に取り付けられる電機子3215、および、電機子3215の下側に取り付けられるとともに電機子3215に電気的に接続されて電機子3215を制御する略円環板状の回路基板3216を備える。
【0036】
ベース部3211は樹脂製であり、同じく樹脂製の複数の第2支持リブ34および第2ハウジング33と共に射出成形により形成される。回路基板3216は、複数のリード線を束ねたリード線群を介して二重反転式軸流ファン1の外部に設けられた外部電源に接続される。
【0037】
ロータ部322は、金属製のヨーク3221、ヨーク3221の内側面に固定される界磁用磁石3222、および、ヨーク2221から下向きに突出するシャフト3223を備える。シャフト3223は、軸受保持部3212内において玉軸受3213,3214により回転可能に支持される。第2軸流ファン3では、シャフト3223および玉軸受3213,3214が、中心軸J1を中心にヨーク3221をベース部3211に対して回転可能に支持する軸受機構の役割を果たす。
【0038】
第2インペラ31は、第2モータ部32のヨーク3221の外側を覆う略有蓋円筒状のハブ312、および、ハブ312の外側面から放射状に伸びる複数の第2翼311を備える。ハブ312は樹脂製であり、同じく樹脂製の第2翼311と共に射出成形により形成される。
【0039】
第2軸流ファン3では、第2モータ部32が駆動されて第2インペラ31の複数の第2翼311が中心軸J1を中心として図5中における時計回りに回転することにより、図3中の上側(すなわち、第2モータ部32のロータ部322側)からエアが取り込まれて下側(すなわち、第2支持リブ34および第1軸流ファン2側)へと送出される。
【0040】
図2に示すように、第2軸流ファン3の第2インペラ31では、第1インペラ21と同様に、各第2翼311のハブ312の外側面上のエッジが中心軸J1に対して傾斜しており、中心軸J1方向において吸気側から排気側へと向かうに従って、中心軸J1を中心とする周方向において第2インペラ31の回転方向とは反対方向に向かう。換言すれば、中心軸J1を中心とする周方向において、図5に示す各第2翼311の吸気側のエッジである前縁3111は、排気側のエッジである後縁3112よりも第2インペラ31の回転方向(すなわち、図5中における時計回り)側に位置する。
【0041】
第2軸流ファン3では、第1軸流ファン2と同様に、第2インペラ31の排気側に配置される複数の第2支持リブ34が、図5に示すように、中心軸J1を中心として等ピッチにて配置される。また、複数の第2支持リブ34のそれぞれは、中心軸J1から離れるに従って第2インペラ31の回転方向とは反対方向に傾いている。
【0042】
図6は、第1軸流ファン2を吸気側(すなわち、第2軸流ファン3側)から見た平面図である。図6では、中心軸J1方向において第1支持リブ24との間に第1インペラ21を挟む第2軸流ファン3の第2支持リブ34も二点鎖線にて併せて描いている。図6に示すように、二重反転式軸流ファン1では、各第1支持リブ24の全体が、中心軸J1方向において(すなわち、平面視において)いずれの第2支持リブ34とも重なることなく、2本の第2支持リブ34の間に位置する。
【0043】
図6では、破線111にて囲むように、5枚の第1翼211のうち、図6中の最も下側(紙面上における下側)の1枚の第1翼211(以下、他の第1翼211と区別するために、「第1翼211a」という。)の後縁2112(すなわち、第1支持リブ24側のエッジ)の一部が、中心軸J1方向において(すなわち、平面視において)1本の第1支持リブ24に重なった状態を描いている。図6に示すように、第1翼211aでは、後縁2112の一部が第1支持リブ24に重なった状態において、前縁2111(すなわち、第2支持リブ34側のエッジ)の全体が、中心軸J1方向においていずれの第2支持リブ34とも重なることなく、2本の第2支持リブ34の間に位置する。
【0044】
二重反転式軸流ファン1では、第1翼211、第1支持リブ24および第2支持リブ34が中心軸J1を中心として等ピッチに配置されているため、複数の第1翼211のそれぞれにおいて、第1翼211の後縁2112の一部が任意の1本の第1支持リブ24に重なる状態において、当該第1翼211の前縁2111全体が、いずれの第2支持リブ34とも重なることなく、2本の第2支持リブ34の間に位置する。
【0045】
このため、第1翼211により導入されるエアと第2支持リブ34との干渉、および、第1翼211から送出されるエアと第1支持リブ24との干渉が同時に発生することを防止することができ、その結果、二重反転式軸流ファン1の作動音の特性を向上することができる。二重反転式軸流ファン1では、特に、作動音の特性を評価する基準の1つである、可聴音域における顕著な離散周波数音の割合を示すプロミネンス・レシオ(prominence ratio)を大きく低減することができる。
【0046】
図7は、二重反転式軸流ファン1の第1翼211、第1支持リブ24および第2支持リブ34を、中心軸J1を中心とする所定の径の円筒面100(図6中において、一点鎖線にて示す。)により切断した断面を、当該円筒面100の一部を周方向に展開した状態にて示す断面図である。図7では、中心軸J1方向も符号J11を付して併せて描いている。
【0047】
図7では、円筒面100上において、第1翼211aの断面の前縁2111および後縁2112(すなわち、両端部)を円筒面100に沿って結ぶ線101を破線にて描いており、線101の中心軸J1(の方向J11)に対する傾きをθ1とする。また、図7では、第1翼211aの後縁2112に最も近接する1本の第1支持リブ24の断面と、第1翼211aの前縁2111に最も近接する1本の第2支持リブ34の断面とを円筒面100に沿って結ぶ線102も破線にて描いており、線102の中心軸J1に対する傾きをθ2とする。
【0048】
図7に示すように、円筒面100上では、線101および線102の中心軸J1に対する傾きθ1,θ2が互いに異なる。したがって、線101の傾きθ1は、円筒面100上における任意の第1支持リブ24の断面と任意の第2支持リブ34の断面とを円筒面100に沿って結ぶ線の中心軸J1に対する傾きと異なる。二重反転式軸流ファン1では、円筒面100の径を、第1インペラ21のハブ212(図6参照)の外径から第1インペラ21の外径までの間で任意に変更した場合であっても、第1翼211aの両端部を結ぶ線の傾きは、任意の第1支持リブ24の断面と任意の第2支持リブ34の断面とを円筒面100に沿って結ぶ線の中心軸J1に対する傾きと異なる。
【0049】
二重反転式軸流ファン1では、複数の第1翼211の中心軸J1に対する傾斜が等しく、さらに、第1翼211、第1支持リブ24および第2支持リブ34が中心軸J1を中心として等ピッチに配置されている。このため、複数の第1翼211並びに複数の第1支持リブ24および複数の第2支持リブ34を中心軸J1を中心とする任意の径の円筒面により切断した場合に、各第1翼211の断面の両端部を当該円筒面に沿って結ぶ線の中心軸J1に対する傾きが、任意の第1支持リブ24の断面および任意の第2支持リブ34の断面を当該円筒面に沿って結ぶ線の中心軸J1に対する傾きと異なる。換言すれば、二重反転式軸流ファン1では、各第1翼211の両端部を結ぶ線を延長した延長線上に、第1支持リブ24および第2支持リブ34が同時に存在することはない。
【0050】
その結果、第1翼211により導入されるエアと第2支持リブ34との干渉、および、第1翼211から送出されるエアと第1支持リブ24との干渉が同時に発生することを防止することができ、二重反転式軸流ファン1の作動音の特性を向上する(特に、プロミネンス・レシオを大きく低減する)ことができる。
【0051】
以上に説明したように、二重反転式軸流ファン1では、吸気側および排気側に第2支持リブ34および第1支持リブ24が配置された第1インペラ21において、各第1翼211の前縁2111および後縁2112が同時に第2支持リブ34および第1支持リブ24に重なること防止し、また、第1翼211の傾きと第1支持リブ24と第2支持リブ34とを結ぶ線の傾きとを異ならせることにより、作動音の特性を向上することができる。さらに、各第1支持リブ24が第2支持リブ34と重なることを防止することにより、二重反転式軸流ファン1の作動音の特性をより向上することができる。
【0052】
二重反転式軸流ファン1では、第1支持リブ24の本数と第2支持リブ34の本数とを等しくすることにより、第1翼211と第1支持リブ24および第2支持リブ34との上記位置関係、すなわち、二重反転式軸流ファン1の作動音の特性を向上するための支持リブの配置を容易に実現することができる。
【0053】
第1軸流ファン2では、第1インペラ21の排気側に配置される第1支持リブ24が、中心軸J1から離れるに従って第1インペラ21の回転方向とは反対方向に傾いているため、第1インペラ21から送出されるエアと第1支持リブ24との干渉をより低減することができ、第1軸流ファン2の作動音の特性をより向上することができる。また、各第1支持リブ24が第1インペラ21の回転方向に凸状となるように湾曲していることにより、第1軸流ファン2の作動音の特性をさらに向上することができる。
【0054】
第2軸流ファン3では、第1軸流ファン2と同様に、第2インペラ31の排気側に配置される第2支持リブ34が、中心軸J1から離れるに従って第2インペラ31の回転方向とは反対方向に傾いているため、第2インペラ31から送出されるエアと第2支持リブ34との干渉をより低減することができ、第2軸流ファン3の作動音の特性をより向上することができる。また、各第2支持リブ34が第2インペラ31の回転方向に凸状となるように湾曲していることにより、第2軸流ファン3の作動音の特性をさらに向上することができる。
【0055】
第1軸流ファン2および第2軸流ファン3では、第1支持リブ24および第2支持リブ34の上記傾きにより、第1インペラ21および第2インペラ31から送出されるエアの中心軸J1から離れる方向への広がりを抑制することができ、二重反転式軸流ファン1の送風効率を向上することもできる。
【0056】
第1軸流ファン2では、複数の第1支持リブ24が中心軸J1を中心として等ピッチにて配置されることにより、第1モータ部22を安定して支持することができる。また、第2軸流ファン3では、複数の第2支持リブ34が中心軸J1を中心として等ピッチにて配置されることにより、第2モータ部32を安定して支持することができる。
【0057】
二重反転式軸流ファン1では、個別に形成された第1ハウジング23および第2ハウジング33が互いに固定されることにより、第1インペラ21および第2インペラ31の外周を囲む筒状のハウジングが形成される。このように、個別に形成された2つのハウジング部材を互いに固定することにより、二重反転式軸流ファン1のハウジングを容易に形成することができるとともに、第1インペラ21および第2インペラ31、並びに、第1モータ部22および第2モータ部32のハウジングへの取り付けを容易とすることができる。
【0058】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る二重反転式軸流ファンについて説明する。第2の実施の形態に係る二重反転式軸流ファンの構成は、図1ないし図5に示す二重反転式軸流ファン1と同様であり、以下の説明において同符号を付す。第2の実施の形態に係る二重反転式軸流ファンでは、第1支持リブ24の第2支持リブ34に対する相対位置のみが異なる。
【0059】
図8は、第2の実施の形態に係る二重反転式軸流ファンの第1軸流ファン2を吸気側から見た平面図である。図8では、図6と同様に、中心軸J1方向において第1支持リブ24との間に第1インペラ21を挟む第2軸流ファンの第2支持リブ34も二点鎖線にて併せて描いている。図8では、破線112にて囲むように第1翼211aの後縁2112(すなわち、第1支持リブ24側のエッジ)の径方向中央よりも外側の部位が、中心軸J1方向において(すなわち、平面視において)1本の第1支持リブ24に重なった状態を描いている。
【0060】
図8に示すように、第1翼211aでは、後縁2112の径方向中央よりも外側の部位が第1支持リブ24に重なった状態において、前縁2111(すなわち、第2支持リブ34側のエッジ)の径方向中央よりも内側の部位は、破線113にて囲むように1本の第2支持リブ34と重なっているが、前縁2111の径方向中央よりも外側の部位は、中心軸J1方向においていずれの第2支持リブ34とも重なることなく、2本の第2支持リブ34の間に位置する。
【0061】
第2の実施の形態に係る二重反転式軸流ファンでは、第1の実施の形態と同様に、第1翼211、第1支持リブ24および第2支持リブ34が中心軸J1を中心として等ピッチに配置されているため、複数の第1翼211のそれぞれにおいて、第1翼211の後縁2112の径方向中央よりも外側の部位が任意の1本の第1支持リブ24に重なる状態において、当該第1翼211の前縁2111の径方向中央よりも外側の部位が、いずれの第2支持リブ34とも重なることなく、2本の第2支持リブ34の間に位置する。
【0062】
このため、第1翼211の径方向中央よりも外側において、第1翼211により導入されるエアと第2支持リブ34との干渉、および、第1翼211から送出されるエアと第1支持リブ24との干渉が同時に発生することを防止することができる。二重反転式軸流ファンでは、第1翼211の径方向中央よりも外側におけるエアの流速が、径方向中央よりも内側(すなわち、中心軸J1側)におけるエアの流速よりも大きい。従って、第1翼211の径方向中央よりも外側において、第1翼211の吸気側および排気側におけるエアと支持リブとの干渉の同時発生を防止することにより、二重反転式軸流ファンの作動音の特性を向上する(特に、プロミネンス・レシオを大きく低減する)ことができる。
【0063】
図8に示すように、第2の実施の形態に係る二重反転式軸流ファンでは、第1の実施の形態と同様に、各第1支持リブ24の全体が、中心軸J1方向において(すなわち、平面視において)いずれの第2支持リブ34とも重なることなく、2本の第2支持リブ34の間に位置する。このため、二重反転式軸流ファンの作動音の特性をより向上することができる。
【0064】
図9は、第2の実施の形態に係る二重反転式軸流ファンの第1翼211、第1支持リブ24および第2支持リブ34を、中心軸J1を中心とする所定の径の円筒面100a(図8中において、一点鎖線にて示す。)により切断した断面を、当該円筒面100aの一部を周方向に展開した状態にて示す断面図である。円筒面100aは、第1翼211の径方向中央よりも外側に位置する。図9では、中心軸J1の方向も符号J11を付して併せて描いている。
【0065】
図9に示すように、円筒面100a上では、第1翼211aの断面の前縁2111および後縁2112(すなわち、両端部)を円筒面100aに沿って結ぶ線101、および、第1翼211aの後縁2112に最も近接する1本の第1支持リブ24の断面と第1翼211aの前縁2111に最も近接する1本の第2支持リブ34の断面とを円筒面100aに沿って結ぶ線102の中心軸J1に対する傾きθ1,θ2が互いに異なる。
【0066】
したがって、線101の傾きθ1は、円筒面100a上における任意の第1支持リブ24の断面と任意の第2支持リブ34の断面とを円筒面100aに沿って結ぶ線の中心軸J1に対する傾きと異なる。第2の実施の形態に係る二重反転式軸流ファンでは、円筒面100aの径を、第1翼211の径方向中央を通る円周の径から第1インペラ21の外径までの間で任意に変更した場合であっても、第1翼211aの両端部を結ぶ線の傾きは、任意の第1支持リブ24の断面と任意の第2支持リブ34の断面とを円筒面100aに沿って結ぶ線の中心軸J1に対する傾きと異なる。
【0067】
第2の実施の形態に係る二重反転式軸流ファンでは、第1の実施の形態と同様に、複数の第1翼211の中心軸J1に対する傾斜が等しく、さらに、第1翼211、第1支持リブ24および第2支持リブ34が中心軸J1を中心として等ピッチに配置されている。このため、複数の第1翼211のそれぞれの径方向中央よりも外側の部位、並びに、複数の第1支持リブ24および複数の第2支持リブ34を中心軸J1を中心とする任意の径の円筒面により切断した場合に、各第1翼211の断面の両端部を当該円筒面に沿って結ぶ線の中心軸J1に対する傾きが、任意の第1支持リブ24の断面および任意の第2支持リブ34の断面を当該円筒面に沿って結ぶ線の中心軸J1に対する傾きと異なる。換言すれば、第2の実施の形態に係る二重反転式軸流ファンでは、第1翼211の径方向中央よりもの外側において、各第1翼211の両端部を結ぶ線を延長した延長線上に、第1支持リブ24および第2支持リブ34が同時に存在することはない。
【0068】
その結果、第1翼211により導入されるエアと第2支持リブ34との干渉、および、第1翼211から送出されるエアと第1支持リブ24との干渉が、第1翼211の径方向中央よりも外側において同時に発生することを防止することができ、二重反転式軸流ファンの作動音の特性を向上する(特に、プロミネンス・レシオを大きく低減する)ことができる。
【0069】
二重反転式軸流ファンでは、作動音の特性をより確実に、かつ、より一層向上するという観点からは、第1の実施の形態に係る二重反転式軸流ファン1のように、第1翼211の後縁2112の一部が任意の1本の第1支持リブ24に重なる状態において、当該第1翼211の前縁2111全体が第2支持リブ34の間に位置することが好ましく、また、中心軸J1を中心とする任意の径の円筒面上において、第1翼211の断面の両端部を結ぶ線の中心軸J1に対する傾きが、任意の第1支持リブ24の断面および任意の第2支持リブ34の断面を結ぶ線の中心軸J1に対する傾きと異なることが好ましい。
【0070】
ただし、装置構造の制限等により、第1支持リブ24の第2支持リブ34に対する相対位置を第1の実施の形態と同様の位置とすることができない場合であっても、第2の実施の形態に係る二重反転式軸流ファンのように、第1翼211の径方向中央よりも外側において、第1支持リブ24と第2支持リブ34とが1枚の第1翼211の前縁2111および後縁2112と重なることを防止し、また、第1翼211の傾きを第1支持リブ24と第2支持リブ34とを結ぶ線の傾きと異ならせることにより、第2軸流ファン3の作動音の特性を十分に向上することができる。
【0071】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0072】
上記実施の形態に係る二重反転式軸流ファンでは、中心軸J1を中心とする円筒面における第1支持リブ24および第2支持リブ34の断面形状は略三角形とされるが、両支持リブの断面はそれぞれ他の形状とされてもよい。例えば、第1支持リブ24および第2支持リブ34の断面形状が翼型とされ、第1支持リブ24および第2支持リブ34が、第1インペラ21および第2インペラ31から送出されるエアの中心軸J1から離れる方向への広がりをより一層抑制する静翼の役割を兼ね備えてもよい。
【0073】
第1支持リブ24および第2支持リブ34の本数は必ずしも等しくされる必要はなく、例えば、4本の第1支持リブ24が第1軸流ファン2に設けられ、3本の第2支持リブ34が第2軸流ファン3に設けられてもよい。
【0074】
上記実施の形態に係る二重反転式軸流ファンでは、第1ハウジング23および第2ハウジング33が互いに固定されることにより、第1ハウジング23および第2ハウジング33を備えるハウジングが形成されるが、当該ハウジングは、必要に応じて一体物として形成されてもよい。
【0075】
二重反転式軸流ファンでは、第1インペラ21および第2インペラ31において第1翼211および第2翼311の翼型や配置、回転方向等が変更されることにより、図3中の下側(すなわち、第1軸流ファン2の第1支持リブ24側)からエアが取り込まれて上側(すなわち、第2軸流ファン3の第2モータ部32側)からエアが送出されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】第1の実施の形態に係る二重反転式軸流ファンの斜視図である。
【図2】二重反転式軸流ファンの分解斜視図である。
【図3】二重反転式軸流ファンの縦断面図である。
【図4】第1軸流ファンの平面図である。
【図5】第2軸流ファンの平面図である。
【図6】第1軸流ファンの平面図である。
【図7】第1翼、第1支持リブおよび第2支持リブの断面図である。
【図8】第2の実施の形態に係る第1軸流ファンの平面図である。
【図9】第1翼、第1支持リブおよび第2支持リブの断面図である。
【符号の説明】
【0077】
1 二重反転式軸流ファン
2 第1軸流ファン
3 第2軸流ファン
21 第1インペラ
22 第1モータ部
23 第1ハウジング
24 第1支持リブ
31 第2インペラ
32 第2モータ部
33 第2ハウジング
34 第2支持リブ
100,100a 円筒面
101,102 線
211,211a 第1翼
311 第2翼
2111 前縁
2112 後縁
J1 中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重反転式軸流ファンであって、
所定の中心軸を中心として放射状に配置された複数の第1翼を有する第1インペラと、
前記中心軸を中心として前記第1インペラを回転することにより、前記中心軸方向のエアの流れを発生する第1モータ部と、
前記中心軸に沿って前記第1インペラに隣接して配置され、前記中心軸を中心として放射状に配置された複数の第2翼を有する第2インペラと、
前記第1インペラとは反対方向に前記第2インペラを回転することにより、前記第1インペラによるエアの流れと同方向のエアの流れを発生する第2モータ部と、
前記第1インペラおよび前記第2インペラの外周を囲む筒状のハウジングと、
前記第1インペラの前記第2インペラとは反対側において、前記第1モータ部から前記中心軸を中心として放射状に伸びるとともに前記ハウジングに接続されて前記第1モータ部を支持する複数の第1支持リブと、
前記第1インペラと前記第2インペラとの間において、前記第2モータ部から前記中心軸を中心として放射状に伸びるとともに前記ハウジングに接続されて前記第2モータ部を支持する複数の第2支持リブと、
を備え、
各第1翼の前記複数の第1支持リブ側のエッジの径方向中央よりも外側の部分が任意の1つの第1支持リブに重なる状態において、前記各第1翼の前記複数の第2支持リブ側のエッジの前記径方向中央よりも外側の部分が前記複数の第2支持リブの間に位置することを特徴とする二重反転式軸流ファン。
【請求項2】
請求項1に記載の二重反転式軸流ファンであって、
前記各第1翼の前記複数の第1支持リブ側の前記エッジが任意の1つの第1支持リブに重なる状態において、前記各第1翼の前記複数の第2支持リブ側の前記エッジ全体が前記複数の第2支持リブの間に位置することを特徴とする二重反転式軸流ファン。
【請求項3】
二重反転式軸流ファンであって、
所定の中心軸を中心として放射状に配置された複数の第1翼を有する第1インペラと、
前記中心軸を中心として前記第1インペラを回転することにより、前記中心軸方向のエアの流れを発生する第1モータ部と、
前記中心軸に沿って前記第1インペラに隣接して配置され、前記中心軸を中心として放射状に配置された複数の第2翼を有する第2インペラと、
前記第1インペラとは反対方向に前記第2インペラを回転することにより、前記第1インペラによるエアの流れと同方向のエアの流れを発生する第2モータ部と、
前記第1インペラおよび前記第2インペラの外周を囲む筒状のハウジングと、
前記第1インペラの前記第2インペラとは反対側において、前記第1モータ部から前記中心軸を中心として放射状に伸びるとともに前記ハウジングに接続されて前記第1モータ部を支持する複数の第1支持リブと、
前記第1インペラと前記第2インペラとの間において、前記第2モータ部から前記中心軸を中心として放射状に伸びるとともに前記ハウジングに接続されて前記第2モータ部を支持する複数の第2支持リブと、
を備え、
前記複数の第1翼のそれぞれの径方向中央よりも外側の部位並びに前記複数の第1支持リブおよび前記複数の第2支持リブを前記中心軸を中心とする任意の径の円筒面により切断した場合に、各第1翼の断面の両端部を前記円筒面に沿って結ぶ線の前記中心軸に対する傾きが、任意の第1支持リブおよび任意の第2支持リブの断面を前記円筒面に沿って結ぶ線の前記中心軸に対する傾きと異なることを特徴とする二重反転式軸流ファン。
【請求項4】
請求項3に記載の二重反転式軸流ファンであって、
前記複数の第1翼並びに前記複数の第1支持リブおよび前記複数の第2支持リブを前記中心軸を中心とする任意の径の円筒面により切断した場合に、前記各第1翼の断面の両端部を前記円筒面に沿って結ぶ線の前記中心軸に対する傾きが、任意の第1支持リブおよび任意の第2支持リブの断面を前記円筒面に沿って結ぶ線の前記中心軸に対する傾きと異なることを特徴とする二重反転式軸流ファン。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の二重反転式軸流ファンであって、
各第1支持リブが、前記複数の第2支持リブの間に位置することを特徴とする二重反転式軸流ファン。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の二重反転式軸流ファンであって、
前記複数の第1支持リブの本数が、前記複数の第2支持リブの本数と等しいことを特徴とする二重反転式軸流ファン。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の二重反転式軸流ファンであって、
前記複数の第1支持リブが、前記第1インペラの排気側に配置されるとともに前記中心軸から離れるに従って前記第1インペラの回転方向とは反対方向に傾いていることを特徴とする二重反転式軸流ファン。
【請求項8】
請求項7に記載の二重反転式軸流ファンであって、
前記複数の第2支持リブが、前記第2インペラの排気側に配置されるとともに前記中心軸から離れるに従って前記第2インペラの回転方向とは反対方向に傾いていることを特徴とする二重反転式軸流ファン。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の二重反転式軸流ファンであって、
前記複数の第1支持リブおよび前記複数の第2支持リブがそれぞれ、前記中心軸を中心として等ピッチにて配置されることを特徴とする二重反転式軸流ファン。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の二重反転式軸流ファンであって、
前記ハウジングが、
前記第1インペラの外周を囲むとともに前記複数の第1支持リブが接続される第1ハウジング部材と、
前記第2インペラの外周を囲むとともに前記複数の第2支持リブが接続される第2ハウジング部材と、
を備えることを特徴とする二重反転式軸流ファン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−303333(P2007−303333A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−131426(P2006−131426)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【出願人】(000232302)日本電産株式会社 (697)
【Fターム(参考)】