説明

交換レンズ及びレンズデータ通信方法

【課題】交換レンズの種類によって必要なレンズデータ容量が異なっていても、随時適切な容量のメモリ手段を搭載することが可能であって、搭載したメモリ手段の容量が異なっていても、カメラボディ側のメモリ管理が簡単な交換レンズ及びレンズデータ通信方法を提供する。
【解決手段】着脱自在に装着されたカメラボディとの間でレンズ情報を通信する通信機能を備えた交換レンズであって、カメラボディとの通信を仲介するロジックICと、このロジックICとは別個に形成され、このロジックICに接続された、交換レンズ情報を記憶したメモリ手段とを備え、ロジックICは、接続されたメモリ手段のメモリ容量を識別する容量設定端子を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交換レンズとカメラボディとが着脱可能なカメラシステムにおける交換レンズ、及び交換レンズとカメラボディとの間のレンズデータ通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一眼レフカメラはカメラボディと交換レンズが種々組み合わされて使用されるため、交換レンズ固有のデータを交換レンズに搭載したメモリに予め書き込んでおき、撮影の際にはカメラボディがこのメモリからデータを読み出して撮影制御に使用している。例えば、ズームレンズではズーミングによる焦点距離の変動によってレンズ情報を変化させる必要があるので、レンズ情報は焦点距離毎にページメモリ方式でメモリに書き込んでいた(特許文献1、2)。そうして、ズーミングにより焦点距離が変動すると、変動した焦点距離に対応するページをハード的に指定し、カメラボディ側はその指定されたページのデータを全て読み込んでいた。
【特許文献1】特開平11-223865号公報
【特許文献2】特開平11-231398号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の一眼レフカメラシステムでは、ズーミングにより焦点距離が変動するとハード的に対応するページに切り替わるので、素早いデータ読み込みを行える。しかしながら、メモリ容量、各ページの容量、ページ数は固定で変更することができなかった。
【0004】
さらに近年、交換レンズとの通信によりレンズ情報を読み込むカメラシステムにおいて、コストダウン及び機能拡大の自由度を高めるために、レンズ側のインターフェースをロジックIC(ゲートアレイ)で行いこのロジックICにメモリを接続する構成として、最適な容量のメモリを選択できるようにすることが望まれている。しかもこの場合においても、ズーミングによる焦点距離の変動や焦点調節による撮影距離の変動によって変化するレンズ情報を、カメラボディ側からレンズの焦点距離や撮影距離を判断することなく、素早く取得できることが望まれている。さらに、できるだけ従来製品との互換性を維持することも望まれている。
【0005】
本発明は、かかる従来技術の課題に基づいてなされたものであって、交換レンズの種類によって必要なレンズデータ容量が異なっていても、随時適切な容量のメモリ手段を搭載することが可能であって、搭載したメモリ手段の容量が異なっていても、カメラボディ側のメモリ管理を必要としない交換レンズ及びレンズデータ通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決する本発明は、着脱自在に装着されたカメラボディとの間でレンズ情報を通信する通信機能を備えた交換レンズであって、カメラボディとの通信を仲介するロジックICと、このロジックICとは別個に形成され、このロジックICに接続された、交換レンズ情報を記憶したメモリ手段とを備えたことに特徴を有する。
【0007】
実際的には、前記ロジックICは、接続されたメモリ手段のメモリ容量を識別する容量設定ピンを備える。
【0008】
交換レンズはズーミング機能を備え、該交換レンズは、ズーミングにより変動する焦点距離を所定ズーム範囲毎にズームコード化して現在のズームコードを検知するズームコード検知手段と、焦点調節より変動する撮影距離を所定撮影距離範囲毎に距離コード化して現在の距離コードを検知する距離コード検知手段と、前記ズームコード及び距離コード毎に対応するレンズデータを予め前記メモリ手段に記憶させたことが好ましい。
【0009】
前記ロジックICは、搭載された交換レンズの固定情報が設定された、第1の設定ピン群、第2の設定ピン群及び第3の設定ピン群を備えていて、前記ロジックICは、これら第1乃至第3の設定ピン群の状態から固定情報をデコードしてカメラボディに通信する。
【0010】
また前記ロジックICは、前記ズームコード検知手段及び距離コード検知手段が検知したコードを入力する複数の入力ピンを備え、該入力ピンを介して入力したズームコード及び距離コードから、対応するレンズ情報を格納したメモリ手段のページを選択し、そのページに書き込まれているレンズ情報をカメラボディに通信する。
【0011】
前記メモリ手段は、ページメモリ領域と、拡張領域とを有する。前記容量設定ピンは、前記メモリ手段の容量に応じてアドレスを1バイト指定または2バイト指定に設定する。
【0012】
実際的には、前記ロジックICは、カメラボディから出力されるクロックに同期して通信し、該通信において、前記容量設定ピンが1バイトアドレス指定に設定されていたときは、1バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対しては何もせずに前記カメラボディに対して第1の設定ピン群情報を出力し、2バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対してリードコマンドを送信すると共にカメラボディに対して第2の設定ピン群情報を出力し、3バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対して前記ズームコードに対応した1バイトのアドレスを送信すると共に前記カメラボディに対して第3の設定ピン群情報を送信し、4バイト目以降のクロックでは前記メモリ手段の前記アドレスに対応するページから順に出力されるレンズデータを前記カメラボディに送信する。
【0013】
さらに前記ロジックICは、カメラボディから出力されるクロックに同期して通信し、該通信において、前記容量設定ピンが2バイトアドレス指定に設定されていたときは、1バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対してリードコマンドを送信すると共にカメラボディに対して第1の設定ピン群情報を出力し、2バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対して前記ズームコードに対応した1バイト目のアドレスを送信する共にカメラボディに対しては第2の設定ピン群情報を出力し、3バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対して前記ズームコードに対応した2バイト目のアドレスを送信すると共に前記カメラボディに対して第3の設定ピン群情報を送信し、4バイト目以降のクロックでは前記メモリ手段の前記2バイト分のアドレスに対応するページから順に出力されるレンズデータを前記カメラボディに送信する。
【0014】
以上のメモリ手段としてはEEPROMを使用することが好ましい。
【0015】
別の観点からなる本発明は、着脱自在に装着されたカメラボディとの間でレンズ情報を通信する通信機能を備えた交換レンズであって、カメラボディとの通信を仲介するインターフェース回路と、このインターフェース回路とは別個に形成され、このインターフェース回路に接続された、交換レンズ情報を記憶したメモリ手段とを備え、前記インターフェース回路は、接続されたメモリ手段のメモリ容量を識別する容量設定ピンを備えたことに特徴を有する。
【0016】
さらに別の観点からなる本発明は、カメラボディから出力されるクロックに同期して通信するレンズデータ通信方法であって、前記ロジックICは、前記容量設定ピンが1バイトアドレス指定に設定されていたときは、1バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対しては何もせずに前記カメラボディに対して第1の設定ピン群情報を出力し、2バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対してリードコマンドを送信すると共にカメラボディに対して第2の設定ピン群情報を出力し、3バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対して前記ズームコードに対応した1バイトのアドレスを送信すると共に前記カメラボディに対して第3の設定ピン群情報を送信し、前記容量設定ピンが2バイトアドレス指定に設定されていたときは、1バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対してリードコマンドを送信すると共にカメラボディに対して第1の設定ピン群情報を出力し、2バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対して前記ズームコードに対応した1バイト目のアドレスを送信する共にカメラボディに対しては第2の設定ピン群情報を出力し、3バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対して前記ズームコードに対応した2バイト目のアドレスを送信すると共に前記カメラボディに対して第3の設定ピン群情報を送信し、いずれの場合も4バイト目以降のクロックでは前記メモリ手段の前記アドレスに対応するページから順に出力されるレンズデータを前記カメラボディに送信することに特徴を有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、交換レンズの種類によって必要とするメモリ容量が異なっても、最適なメモリ容量のメモリ手段を搭載することが可能になった。特に、従来よりも必要とするメモリ容量が大幅に増えても、大容量のメモリを従来製品との互換性を維持しつつ簡単に搭載することができる。
メモリ手段のページ切り替え(アドレッシング)は交換レンズのロジックICが行うので、カメラボディ側でのメモリアドレス管理は不要であり、簡易な通信アルゴリズムで必要なレンズ情報を読み込むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明を適用した一眼レフカメラシステムの主要部をブロックで示す図である。
【0019】
カメラボディ10は、カメラ全体を統括的に制御するカメラCPU11と、カメラCPU11と通信しながら補助動作をするカメラ周辺回路13と、これらの回路及び装着された交換レンズ50に電源を供給する電池15を備えている。
【0020】
一方、交換レンズ50は、交換レンズ50の機能を制御するレンズCPU51と、レンズCPU51の制御下で搭載されたAFモータなどを駆動するレンズ周辺回路53と、レンズ情報を記憶した不揮発性メモリとしてのEEPROM55と、カメラCPU11とレンズCPU51、EEPROM55との間の通信を中継するロジックIC(インターフェース回路)としてレンズインターフェースIC(ゲートアレイ)57を備えている。交換レンズ50に搭載された電子回路は、カメラ周辺回路13から供給された電源で動作する。なお、この実施形態においてはEEPROM55の通信方式はSPI方式を採用している。
【0021】
なお、このカメラボディ10は、従来の一眼レフカメラと同様に、位相差方式のAFセンサユニットやAFモータなど基本的なカメラ機能を備えている。一方交換レンズ50は、従来のズームレンズと同様のズーム光学系、絞り機構、焦点調節機構などを備え、さらに焦点調節機構を手動、ボディ内AFモータに代わって駆動するレンズ内AFモータなどを備えることもできる。
【0022】
レンズインターフェースIC57は、複数の設定ピンのひとつを容量設定ピン(メモリ容量設定ピンEEP)として使用し、そのレベルによって、EEPROM55のアドレッシングのバイトを切り替えるように設定してある。メモリ容量が小さい場合は1バイトでアドレッシング可能だが、メモリ容量が大きくなるとアドレッシングに2バイトが必要になる。そこで、1バイトでアドレッシングする場合はメモリ容量設定ピンEEPをロー(“L”)レベルに、2バイトでアドレッシングする場合はメモリ容量設定ピンEEPをハイ(“H”)レベルに設定する。このように、メモリ容量に応じてアドレッシングのバイト数を選択できるので、搭載されたメモリ容量に対応させることができる。
【0023】
この実施形態では、EEPROMの通信方式にSPI方式を採用しているため、4キロビット(アドレス指定9ビット)以下を小さいメモリ容量、8キロビット(アドレス指定10ビット)以上を大きいメモリ容量としてある。そうしてこの実施形態のEEPROM55は容量を8キロビット以上としてある。したがって、この実施形態ではメモリ容量設定ピンEEPがハイレベルに設定されている。
【0024】
さらにこの実施形態では、レンズインターフェースIC57が備えた3個の入力ピンDC0〜DC2には距離コードを、8個の入力ピンZC0〜ZC7にはズームコードを割り当ててある。入力ピンDC0〜DC2には、変動する撮影距離を複数の範囲に分割し、各範囲を識別する距離コードを出力して現在の撮影距離を検知可能とする距離コード出力装置61が接続される。入力ピンZC0〜ZC7には、変動する焦点距離を複数の距離範囲に分割し、各範囲を識別するズーム(焦点距離)コードを出力して現在の焦点距離範囲を検知可能とするズームコード出力装置63が接続される。4個の入力ピンGP0〜GP3には汎用データに関する汎用コードを割り当ててあり、ハイ/ロー信号を接地したか否かにより設定する。
【0025】
距離コード出力装置61及びズームコード出力装置63は公知のものが使用される。例えば、焦点調節レンズ群と相対的に移動する鏡筒等に設けたコード板と、焦点調節レンズ群と一体に移動してこのコード板と摺接するブラシとによって構成される。より具体的には、コード板は最短撮影距離から無限遠までの距離範囲が3ビットで識別できる個数に分割され、各範囲の導電部にブラシが接触することによって生じる3ビットの電気的なハイ/ロー信号からなる距離コードが割り当てられている。そうしてブラシが接触した領域に対応した電気的なハイ/ロー信号が距離コードとして入力ピンDC0〜DC2に入力される。ズームコード出力装置63も同様に8ビットのコード板及びブラシ機構によって構成され、ブラシが導電部に接触することにより生じる、焦点距離範囲に応じた電気的なハイ/ロー信号がズームコートとして入力ピンZC0〜ZC7に入力される。
【0026】
レンズインターフェースIC57は、距離コード入力ピンDC0〜DC2、ズームコード入力ピンZC0〜ZC7のハイ/ローの組み合わせによる距離コード、ズームコードを解析(デコード)して、EEPROM55の対応するページをアドレスにより指定するロジック回路を備えている。
【0027】
カメラボディ10は、EEPROM55から、距離コード入力ピンDC0〜DC2、ズームコード入力ピンZC0〜ZC7でアドレッシングされるページのレンズデータを読み出すことができる。EEPROM55との通信は、距離コード入力ピンDC0〜DC2、ズームコード入力ピンZC0〜ZC7のレベルに応じてレンズインターフェースIC57がハード的かつシーケンシャルにアドレッシングを行い実行する。
【0028】
交換レンズ50に搭載した回路によって、ズーミングや焦点調節で変化するズームコード信号、距離コード信号により、ハード的にEEPROM55の対応するページを切り替えることができるので、カメラボディ10側ではメモリのアドレス管理をすることなく、焦点距離及び撮影距離に応じたレンズデータの高速取得ができる。
【0029】
EEPROM55は、ページメモリ領域と、アドレス指定する拡張メモリ領域を備えている。EEPROM55の各ページには、撮影距離及び焦点距離の組み合わせに対応するレンズデータが書き込まれている。例えば、この交換レンズ50のEEPROM55には、従来の交換レンズで使われていたページメモリ方式で1ページ毎にズームコードに対応したデータを書き込んである(図2(A)、図3(A))。さらにこれらの実施形態では、アドレス指定によりデータアクセスを行うROM領域が設けられている(図2(B)、図3(B))。従来方式では、ズームコードによってページを切り換え、そのページに書き込まれたデータを読み出す。この実施例では、各ページの容量はPD0〜PD15までの16バイト分を確保してあり、2バイト単位で所定のデータを割り当ててある。
【0030】
図2、3では、ページを00〜07の全8ページとしてあるので、これらのページには1バイトでアドレッシングできる。1ページを16バイトとすると、1バイトアドレッシング(アドレス指定9ビット)でも最大32ページまで増やすことができるが、本発明の実施形態では、2バイトアドレッシングにも対応させることで、32ページを越えさらにページを増やすことができる。つまり、焦点距離範囲をさらに多数に分割することができるため、高ズーム倍率の交換レンズにおいても、焦点距離に応じた適切なデータを記憶させることができる。この場合も、カメラボディの通信アルゴリズムを変更する必要が無い。
【0031】
図2(B)には、ページメモリ方式で管理されていたズームデータに、更に追加を行えるようにしたインデックス方式を示している。インデックス方式では、8バイト分の領域(アドレスFFF8h〜FFFFh)をインデックスとして確保し、追加ズームデータ先頭アドレス及び追加ズームデータバイト数、追加共通データ先頭アドレス及び追加共通データバイト数をインデックスデータとして設定してある。このインデックスデータを読み込むことにより、追加ズームデータ、追加共通データのアドレスおよびデータ長が分かり、これらのデータの読み込みが可能になる。
【0032】
この例のメモリ容量は、2バイトアドレッシングで対応できる最大容量512Kビットであるが、2バイトアドレッシングの最小容量8Kビット以上のメモリならば、常にアドレスFFF8〜FFFFhの指定で最終番地から配置した8バイトのインデックスデータを読み込むことができる。もちろん、1バイトアドレッシングの場合においても、最終番地指定を1FFhに変更するだけで、同様にインデックス方式を採用することも可能である。
【0033】
図3(B)には、従来のページメモリ方式とは別の領域に、共通データを追加した例を示している。共通データはメモリの最終アドレスから順次配置していくことにより、メモリ容量によらず最大アドレスから指定することで読み込みが可能となる。例えば、図3(B)では全メモリ容量は256バイト(2Kビット)であるが、1バイトアドレッシング(9ビット)の最大アドレス1FFhによって、256バイトの最終アドレスFFhを指定することができる。図3のメモリ配置状態からページ数や共通データが増加し2Kビットでは不足となった場合は、4Kビットのメモリに変更し、共通データを、最終アドレス(1FFh)から同様に配置するだけで対応することができる。
【0034】
この実施形態では、追加ズームデータとしてAFパルスの1パルス当たりのピント面の移動量(Δピント面/AFパルス)を、複数の撮影距離範囲毎に設定してある。共通データとしては、ROMデータバージョン、製造年月日を設定してある。これらの情報は、インデックスデータから読み込んだ先頭アドレスとデータバイト数、更にコード板情報通信によって得られるズームコード(必要ならば距離コードも)を元にアドレスを演算して読み取られる。
【0035】
この交換レンズ50はこのページメモリ方式により、共通データ拡張方式またはインデックス方式に対応していない従来のカメラボディに装着されたときはズームコードに対応したEEPROM55のページデータのみが読み出され、共通データ拡張方式またはインデックス方式に対応したカメラボディ10に装着されたときは、ズームコードに対応したEEPROM55のページデータに加えて、共通データ拡張方式またはインデックス方式で設定され追加分のデータを読み出すことができる。
【0036】
次に、このカメラシステムにおいて前記データ読み込み処理を含むAF処理について、図4乃至図7に示したフローチャート及び、図8乃至図12に示したタイミングチャート及びデータ対応表を参照して説明する。図4乃至図6はカメラCPU11によって制御されるカメラボディ10側の処理、図7はレンズインターフェースIC57の動作をシーケンシャルに示した交換レンズ50側の処理である。
【0037】
図4に示したAF処理は、公知のカメラシステムに関するメイン処理中のサブルーチンであって、レリーズボタンの半押しにより測光スイッチがONしたときなどにメイン処理より呼び出される。このAF処理について、カメラシステムにおける主要な通信に関するタイミングの全体像を示す図8(A)、(B)を参照して説明する。
【0038】
AF処理に入ると、先ず、交換レンズ50との間でレンズ通信を実行する(S101)。このレンズ通信では、いわゆる旧通信であるLROM通信のみを実行する。つまり、交換レンズ50から、距離コード入力ピンDC0〜DC2、ズームコード入力ピンZC0〜ZC7でアドレッシングされたEEPROM55のページデータを読み込む。
【0039】
次に、装着されている交換レンズが共通データ拡張方式またはインデックス方式対応のレンズであるかどうか、つまり拡張レンズ通信に対応した交換レンズ50であるかどうかをチェックする(S103)。拡張レンズ通信対応レンズである場合(S103:YES)は、拡張レンズ通信を実行する(S105)。拡張レンズ通信では、インデックスデータを参照し距離コード及びズームコードに対応したアドレスのデータをEEPROM55から読み込む。
【0040】
続いて、AFセンサから焦点検出データ(一対の被写体像データ)を受信し(S107)、位相差によるデフォーカス演算を実行してデフォーカス量を求める(S109)。そうして、求めたデフォーカス量に基づいて合焦しているか否かチェックし(S111)、合焦していたらAF処理を終了する(S111;YES、AF終了)。合焦していなかった場合(S111:NO)は、以下の処理を実行する。
【0041】
求めたデフォーカス量に基づいて、合焦させるために必要なAF駆動パルス数及び駆動方向を演算し、拡張レンズ通信により撮影距離に応じたレンズ情報(Δピント面/AFパルス)を受信していた場合は、このレンズ情報に基づいてAF駆動パルス数を補正する(S113)。次に、CPU搭載レンズか否か、つまりレンズ内AFモータを搭載しているか否かをチェックする(S115)。レンズ内AFモータを搭載していない場合(S115:NO)は、カメラ内AFモータを、ステップS113で求めた駆動方向にAF駆動パルス数分駆動して(S121)からS107に戻る。以上のS107乃至S111:NO、S113、S115:NO、S121のループ処理を、合焦していない間繰り返し、合焦したらこのAF処理を終了する(S111:YES、AF終了)。
【0042】
装着された交換レンズ50がレンズ内AFモータを搭載している場合(S115:YES)は、レンズ通信を実行し、駆動方向及び補正した駆動パルス数を交換レンズ50に送信して、レンズCPU51にレンズ内AFモータを駆動させる(S117)。そうして、レンズCPU51から出力されるレンズ内AFモータ駆動終了信号をレンズ通信によって受信するのを待って(S119)、受信したらS107に戻る。以上のS107乃至S111:NO、S113、S115:YES、S117、S119のループ処理を合焦していない間繰り返し、合焦したらこのAF処理を終了する(S111:YES、AF終了)。なお、レンズCPU51は、受信したAF駆動パルス分だけレンズ内AFモータを駆動し、駆動が終了したらレンズ内AFモータ駆動終了信号をレンズインターフェースIC57を介してカメラCPU11に出力する。
【0043】
S101、S117、S119で実行されるレンズ通信の詳細について、図5に示したフローチャート及び図9乃至図11に示したタイミングチャートを参照して説明する。
【0044】
レンズ通信処理に入ると、先ず、装着された交換レンズ50との間で旧通信(レンズROM通信)を実行して、EEPROM55から距離コード及びズームコードに応じたレンズ情報を読み込む(S201)。
【0045】
次に、新通信実行が可能か否かをチェックし(S203)、新通信実行が可能でない場合(S203;NO)はリターンする(RETURN)。新通信が可能なレンズでは、カメラCPU11とレンズCPU51とで通信を行うレンズCPU通信、カメラCPU11とEEPROM55との間で通信を行うEEPROM通信、コード板情報をインターフェースIC57から受信するコード板情報通信の追加された3つの機能が可能である。新通信実行が可能な場合(S203:YES)は、通信手段がレンズCPU通信、EEPROM通信、コード板情報通信のいずれであるかをチェックして(S205)、通信手段に応じて以下の通信処理を実行する。なお、この通信は、図4のS117、S119、S105(図6)の処理に応じて実行される。
【0046】
「レンズCPU通信」
レンズCPU通信の場合(S205:CPU)について、図9(A)に示したタイミングチャートを参照して説明する。図9(A)は、カメラCPU11とレンズインターフェースIC57間の通信に関するタイミングチャートを示している。レンズCPU通信では先ず、リセット/セット端子RESLをローレベルに落としてからハイレベルに立ち上げてレンズインターフェースIC57の通信初期化を行う(S211)。その後、クロック端子SCKLから出力するシリアルクロックに同期してシリアル入出力端子SIOLからCPUコマンドを送信し(S213)、続いてCPUコマンドに対応したデータを送受信するCPU通信を実行して(S215)リターンする(RETURN)。
【0047】
S213で出力するCPUコマンドは2バイトであり、レンズCPU51は、リセット/セット端子RESLがローレベルに落ちた後ハイレベルに立ち上がってから入力した2バイト分の情報をコマンドと解釈し、3バイト目以降をデータと解釈する。受信するデータのバイト数はコマンドによって予め決められている。CPUコマンドの2バイト目の最下位ビット(LSB)でデータ入出力方向が決定される。“0”の場合はカメラからレンズ方向、“1”の場合はレンズからカメラ方向である。図9(B)、(C)はレンズCPU51とレンズインターフェースIC57間の通信に関するタイミングチャートを示していて、図9(B)は、レンズCPU51がレンズインターフェースIC57を介してカメラCPU11からデータを入力し、図9(C)は、レンズCPU51がレンズインターフェースIC57を介してカメラCPU11にデータを出力するタイミングチャートを示している。
【0048】
「EEPROM通信」
EEPROM通信の場合(S205:EEPROM)について、さらに図12に示したタイミングチャートを参照して説明する。EEPROM通信に入ると先ず、リセット/セット端子RESLをローに落としてからハイレベルに立ち上げてレンズインターフェースIC57の通信初期化を行う(S221)。
【0049】
次に、EEPROMコマンドを送信してレンズインターフェースIC57の通信端子の接続をEEPROM55に切り替える(S223)。この切り替えにより、カメラCPU11がEEPROM55とダイレクトに通信できるEEPROM通信状態になる。
【0050】
続いて、リセット/セット端子RESLをローレベルに落とし(S225)、EEPROM通信を実行してリターンする(S227、RETURN)。このEEPROM通信では、カメラCPU11が直接EEPROM55の読み書き制御を実行し、カメラCPU11のアドレス指定によるデータ書き込みおよびデータ読み込みを行うことができる。
【0051】
このEEPROM通信において、書き込みのときは、カメラCPU11は先ず、書き込み許可(ライトイネーブル)信号を出力し(図12(A))、続いて、書き込み命令、書き込み上位アドレス、書き込み下位アドレス、書き込みデータを出力し、その後リセット/セット端子RESLをハイレベルに立ち上げる(図12(B))。以上のシーケンスによりEEPROM55の上位アドレス、下位アドレスに対応するデータのダイレクト書き込みが可能になる。
【0052】
EEPROM通信において、読み込みのときは書き込み許可信号の出力は不要であり、EEPROM通信状態になった後、読み込み命令、読み込み上位アドレス、読み込み下位アドレスを出力し、その後、シリアルクロックに同期してデータを受信することができる。通信を終了する時は、リセット/セット端子RESLをハイレベルに立ち上げる(図12(C))。以上のシーケンスにより、EEPROM55の上位アドレス、下位アドレスから対応するデータのダイレクト読み込みが可能になる。これらEEPROM通信の書き込み/読み込みのシーケンスは、SPI通信仕様に則ったものである。
【0053】
「コード板情報通信」
コード板情報通信の場合(S205:CODE)の処理について、さらに図11に示したタイミングチャートを参照して説明する。図11において、(A)はコード板情報通信のタイミングチャート、(B)はデータ対応表を示す図である。コード板情報通信に入ると先ず、リセット/セット端子RESLをローに落としてからハイレベルに立ち上げてレンズインターフェースIC57の通信初期化を行った後(S231)、コード板情報読み込みコマンドを送信してコード板情報の読み込みが可能な状態とする(S233)。続いてリセット/セット端子RESLにローレベルを出力した後(S235)、シリアルクロックを出力してレンズインターフェースIC57からコード板情報を受信したらリターンする(S237、RETURN)。このコード板情報通信では、EEPROM55のアドレッシングバイト数を識別するメモリ容量設定ピンEEP、距離コード入力ピンDC0〜2、汎用コード入力ピンGP0〜3、ズームコード入力ピンZC0〜7のレベルを入力する。その内容は図11(B)に示した通りであり、1バイト目ではEEPROM容量、距離情報、汎用信号データとして受信し、2バイト目ではズーム情報データとして受信する。
【0054】
『拡張レンズ通信』
次に、S105で実行する拡張レンズ通信について、図6に示したフローチャートを参照して説明する。拡張レンズ通信は、EEPROM通信と同等のプロトコルによって実行される通信処理である。なお、拡張レンズ通信のうち共通データ拡張方式は、EEPROMの最終アドレスから規定のバイト数を、順次読み込むことで実行される。読み込むバイト数はROMデータバージョン(FCh、FDhのデータ)に従ってカメラ側で管理される(図2(B)参照)。以下では、拡張レンズ通信のうち残るインデックス方式について説明する。
【0055】
この拡張レンズ通信では、先ず、交換レンズ50(レンズインターフェースIC57)との間でコード板情報通信(図5のS231乃至S237、図11)を実行してメモリ容量設定ピンEEP情報を読み込み、EEPROM55の容量が4Kビット以下なのか8Kビット以上なのかを判別する(S301)。
【0056】
次に、EEPROM通信を実行して、EEPROM55のインデックス部のデータを読み込む(S303)。この実施形態では、EEPROM55の最終アドレスから4バイトがインデックスデータとして固定されている(図2(B)参照)。メモリ容量設定ピンEEPにより、8Kビット以上の場合は最終アドレスをFFFFh、4Kビット以下の場合は最終アドレスを1FFhとして指定することで、EEPROMの実際の容量に関わりなくインデックスデータを読み込むことができる。また、これらのEEPROMとの通信は、S221乃至S227及び図12に沿ったアルゴリズム及びシーケンスで実行される。
【0057】
カメラCPU11は、読み込んだインデックス部のデータを解析して、拡張データのアドレス及び容量を算出する(S305)。再びコード板情報通信を実行して、距離コード出力装置61、ズームコード出力装置63が検知している距離コード及びズームコードを取得する(S307)。EEPROM通信により、S307で取得した距離コード及びズームコードに対応するEEPROM55のアドレスから拡張データを読み込んでリターンする(S309、RETURN)。
【0058】
『交換レンズのLROM通信処理』
交換レンズ50側のLROM通信処理について、図7に示したフローチャート及び図10を参照して説明する。図10において、(A)はカメラボディ10側(カメラボディ10とレンズインターフェースIC57間)のタイミングチャート、(B)は交換レンズ50側(レンズインターフェースIC57とEEPROM55間)のタイミングチャート、(C)はデータ対応関係を表で示す図である。
【0059】
リセット/セット端子RESLがローレベルに落ちると、端子CSEEをローレベルに落として、クロック端子SCKLから出力されるクロックに同期して、最初の3バイト分の通信においては設定ピンデータSP0〜SP2の3バイトを出力する。設定ピンデータSP0〜SP2は、レンズインターフェースIC57のレンズ種類設定ピン(第1の設定ピン群)LT1、LT2、レンズ機能設定ピン(第2の設定ピン群)LD0〜LD7、最短撮影距離を表す最短撮影距離設定ピン(第3の設定ピン群)ND0〜ND4であって、各設定ピンのレベルがレンズインターフェースIC57によりハード的およびシーケンシャルに読み込まれ、デコードされて出力される。その内容の一例は図10(C)に表図で示した通り、レンズ種類設定ピンLT1、LT2はレンズ種類を設定するレンズ種類設定ピンLT情報、レンズ機能設定ピンLD0〜LD7はAF、AF方向、マクロ、投光などのレンズ機能を設定するレンズ機能設定ピンLD情報、最短撮影距離設定ピンND0〜ND4は最短撮影距離を表す最短撮影距離設定ピンND情報である。
【0060】
4バイト目以降の16バイト分の通信で、ズームコード入力ピンにより指定されるEEPROM55のページデータを読み出す。この実施形態のレンズインターフェースIC57は、クロック端子SCKLから入力したクロックを端子SCKEEに出力し、読み込みコマンド、アドレスデータを端子SIEEに出力して、端子SOEEから出力されるデータを読み込む。読み込んだデータは、端子SIOLを介してカメラCPU11に送信(転送)する。
【0061】
この交換レンズ50側のLROM通信処理について、図7のフローチャート及び図10のタイミングチャートを参照して説明する。図7は、LROM通信に関するレンズインターフェースIC57のシーケンスをフローチャートで示す図である。ただし、この実施形態のレンズインターフェースIC57はロジックICであり、図7のフローチャートで示した処理はハード的に処理される。レンズインターフェースIC57は、カメラCPU11がリセット/セット端子RESLをローレベルに落とした状態でクロック端子SCKLに出力するシリアルクロックによって(同期して)LROM通信を実行する。
【0062】
レンズインターフェースIC57は、リセット/セット端子RESLのレベルがローレベルに落ちるのを待つ(S401:NO、S401)。リセット/セット端子RESLがローレベルに落ちると(S401:YES)、ズームコード(入力ピンZC0〜ZC7のレベル)を読み込んで、読み込んだズームコードをEEPROM51のアドレスデータに変換する(S403)。
【0063】
次に、メモリ容量設定ピンEEPのレベルを読み込み、ハイ/ローをチェックする(S405)。EEPROM55が4Kビット以下の場合はメモリ容量設定ピンEEPがローレベルに、EEPROM55が8Kビット以上の場合はメモリ容量設定ピンEEPがハイレベルに設定されている。
【0064】
メモリ容量設定ピンEEPがローレベルの場合(S405:Low)は、1バイト目の通信では、EEPROM55に対しては何もせず、カメラCPU11に対してはレンズ種類設定ピンLT情報を送信する(S411)。2バイト目の通信では、EEPROM55に対してはリードコマンドを送信し、カメラCPU11に対してはレンズ機能設定ピンLD情報を送信する(S413)。3バイト目の通信では、EEPROM55に対してはS403で変換した1バイトのアドレスを送信し、カメラCPU11に対しては最短撮影距離設定ピンND情報を送信する(S415)。そうして、4バイト目乃至19バイト目の通信では、S415で送信したアドレスから順次EEPROM55のデータを受信し、受信したデータをカメラCPU11に送信(転送)する(S431)。そうして、リセット/セット端子RESLがハイレベルに変化するのを待ち(S433:NO、S433)、ハイレベルに変化したらこのLROM通信処理を終了する(S433:YES、END)。
【0065】
メモリ容量設定ピンEEPがハイレベルの場合(S405:High)は、1バイト目の通信では、EEPROM55に対してリードコマンドを送信し、カメラCPU11に対してはレンズ種類設定ピンLT情報を送信する(S421)。2バイト目の通信では、EEPROM55に対してはS403で変換したアドレス中、上位アドレス_Hを送信し、カメラCPU11に対してはレンズ機能設定ピンLD情報を送信する(S423)。3バイト目の通信では、EEPROM55に対してはS403で変換したアドレス中、下位アドレス_Lを送信し、カメラCPU11に対しては最短撮影距離設定ピンND情報を送信する(S425)。そうして、4バイト目乃至19バイト目の通信では、EEPROM55からはS423、S425で送信した上位アドレス_H、下位アドレス_Lの示すアドレスから順次データを受信し、それらのデータをカメラCPU11に送信する(S431)。送信終了すると、リセット/セット端子RESLがハイレベルに変化するのを待ち(S433:NO、S433)、ハイレベルに変化したらこのLROM通信処理を終了する(S433:YES、END)。
【0066】
以上の実施形態によれば、交換レンズの種類によって必要なレンズデータ容量が異なっていても、随時適切な容量のメモリ手段を搭載することが可能であり、搭載したメモリ手段の容量によりアドレッシングバイト数が異なっても、従来通りのカメラボディ側のメモリ管理で対応できる交換レンズ及びレンズデータ通信方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明を適用した交換レンズを備えた一眼レフカメラシステムの主要部をブロックで示す図である。
【図2】本発明を適用した交換レンズのメモリ手段におけるメモリマップの実施例を示す図であって、(A)は従来部分のメモリマップ、(B)はインデックス方式を用いた拡張部分のメモリマップを示す図である。
【図3】本発明を適用した交換レンズのメモリ手段におけるメモリマップの他の実施例を示す図であって、(A)は従来部分のメモリマップ、(B)は共通データ拡張方式を用いた拡張部分のメモリマップを示す図である。
【図4】本発明を適用した交換レンズを備えた一眼レフカメラシステムにおけるAF処理の実施形態をフローチャートで示す図である。
【図5】本発明を適用した交換レンズを備えた一眼レフカメラシステムにおけるレンズ通信処理の実施形態をフローチャートで示す図である。
【図6】本発明を適用した交換レンズを備えた一眼レフカメラシステムにおける拡張レンズ通信処理の実施形態をフローチャートで示す図である。
【図7】本発明を適用した交換レンズにおけるLROM通信処理の実施形態をフローチャートで示す図である。
【図8】本発明を適用した交換レンズを備えた一眼レフカメラシステムにおける通信の全体概要のタイミングチャートを(A)、(B)に分割して示す図である。
【図9】本発明を適用した交換レンズを備えた一眼レフカメラシステムにおけるレンズCPU通信のタイミングチャートを示す図であって、(A)はカメラボディと交換レンズ(レンズインターフェースIC)間の通信、(B)、(C)はレンズインターフェースICとレンズCPU間の通信をそれぞれ示す図である。
【図10】本発明を適用した交換レンズを備えた一眼レフカメラシステムにおけるレンズROM通信のタイミングチャートを示す図であって、(A)はカメラボディと交換レンズ(レンズインターフェースIC)間のタイミングチャートを説明する図、(B)はレンズインターフェースICとEEPROM間のタイミングチャートを示す図、(C)は設定ピン情報とその内容の一例を表で示す図である。
【図11】(A)は本発明を適用した交換レンズを備えた一眼レフカメラシステムにおける設定ピン読み込み処理をタイミングチャートで示す図、(B)は設定ピンの内容の実施例を表で示す図である。
【図12】本発明を適用した交換レンズを備えた一眼レフカメラシステムにおけるEEPROMの読み書き処理をタイミングチャートで示す図であって、(A)はライトイネーブル、(B)は書き込み、(C)は読み込みに関する動作をタイミングチャートで示す図である。
【符号の説明】
【0068】
10 カメラボディ
11 カメラCPU
50 交換レンズ
51 レンズCPU
55 EEPROM
57 レンズインターフェースIC
EEP メモリ容量設定ピン
LT1 LT2 設定ピン(第1の設定ピン群)
LD0〜LD7 設定ピン(第2の設定ピン群)
ND0〜ND4 設定ピン(第3の設定ピン群)
DC0〜DC2 距離コード入力ピン
ZC0〜ZC7 ズームコード入力ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着脱自在に装着されたカメラボディとの間でレンズ情報を通信する通信機能を備えた交換レンズであって、
カメラボディとの通信を仲介するロジックICと、
このロジックICとは別個に形成され、このロジックICに接続された、交換レンズ情報を記憶したメモリ手段とを備えたことを特徴とする交換レンズ。
【請求項2】
請求項1記載の交換レンズにおいて、前記ロジックICは、接続されたメモリ手段のメモリ容量を識別する容量設定ピンを備えている交換レンズ。
【請求項3】
請求項1または2記載の交換レンズはズーミング機能を備え、該交換レンズは、ズーミングにより変動する焦点距離を所定ズーム範囲毎にズームコード化して現在のズームコードを検知するズームコード検知手段と、焦点調節より変動する撮影距離を所定撮影距離範囲毎に距離コード化して現在の距離コードを検知する距離コード検知手段と、前記ズームコード及び距離コード毎に対応するレンズデータを予め前記メモリ手段に記憶させた交換レンズ。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項記載の交換レンズにおいて、前記ロジックICは、搭載された交換レンズの固定情報が設定された、第1の設定ピン群、第2の設定ピン群及び第3の設定ピン群を備えていて、前記ロジックICは、これら第1乃至第3の設定ピン群の状態から固定情報をデコードしてカメラボディに通信する交換レンズ。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項記載の交換レンズにおいて、前記ロジックICは、前記ズームコード検知手段及び距離コード検知手段が検知したコードを入力する複数の入力ピンを備え、該入力ピンを介して入力したズームコード及び距離コードから、対応するレンズ情報を格納したメモリ手段のページを選択し、そのページに書き込まれているレンズ情報をカメラボディに通信する交換レンズ。
【請求項6】
請求項5記載の交換レンズにおいて、前記メモリ手段は、ページメモリ領域と、拡張領域とを有する交換レンズ。
【請求項7】
請求項5または6記載の交換レンズにおいて、前記容量設定ピンは、前記メモリ手段の容量に応じてアドレスを1バイト指定または2バイト指定に設定する交換レンズ。
【請求項8】
請求項7記載の交換レンズにおいて、前記ロジックICは、カメラボディから出力されるクロックに同期して通信し、該通信において、前記容量設定ピンが1バイトアドレス指定に設定されていたときは、1バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対しては何もせずに前記カメラボディに対して第1の設定ピン群情報を出力し、2バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対してリードコマンドを送信すると共にカメラボディに対して第2の設定ピン群情報を出力し、3バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対して前記ズームコードに対応した1バイトのアドレスを送信すると共に前記カメラボディに対して第3の設定ピン群情報を送信し、4バイト目以降のクロックでは前記メモリ手段の前記アドレスに対応するページから順に出力されるレンズデータを前記カメラボディに送信する交換レンズ。
【請求項9】
請求項7または8記載の交換レンズにおいて、前記ロジックICは、カメラボディから出力されるクロックに同期して通信し、該通信において、前記容量設定ピンが2バイトアドレス指定に設定されていたときは、1バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対してリードコマンドを送信すると共にカメラボディに対して第1の設定ピン群情報を出力し、2バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対して前記ズームコードに対応した1バイト目のアドレスを送信する共にカメラボディに対しては第2の設定ピン群情報を出力し、3バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対して前記ズームコードに対応した2バイト目のアドレスを送信すると共に前記カメラボディに対して第3の設定ピン群情報を送信し、4バイト目以降のクロックでは前記メモリ手段の前記2バイト分のアドレスに対応するページから順に出力されるレンズデータを前記カメラボディに送信する交換レンズ。
【請求項10】
請求項1乃至9記載の交換レンズにおいて、前記メモリ手段はEEPROMである交換レンズ。
【請求項11】
着脱自在に装着されたカメラボディとの間でレンズ情報を通信する通信機能を備えた交換レンズであって、
カメラボディとの通信を仲介するインターフェース回路と、
このインターフェース回路とは別個に形成され、このインターフェース回路に接続された、交換レンズ情報を記憶したメモリ手段とを備え、
前記インターフェース回路は、接続されたメモリ手段のメモリ容量を識別する容量設定ピンを備えていることを特徴とする交換レンズ。
【請求項12】
請求項7乃至10に記載された交換レンズとカメラボディとの間において、カメラボディから出力されるクロックに同期して通信するレンズデータ通信方法であって、
前記ロジックICは、前記容量設定ピンが1バイトアドレス指定に設定されていたときは、1バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対しては何もせずに前記カメラボディに対して第1の設定ピン群情報を出力し、
2バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対してリードコマンドを送信すると共にカメラボディに対して第2の設定ピン群情報を出力し、
3バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対して前記ズームコードに対応した1バイトのアドレスを送信すると共に前記カメラボディに対して第3の設定ピン群情報を送信し、
前記容量設定ピンが2バイトアドレス指定に設定されていたときは、1バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対してリードコマンドを送信すると共にカメラボディに対して第1の設定ピン群情報を出力し、
2バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対して前記ズームコードに対応した1バイト目のアドレスを送信すると共にカメラボディに対しては第2の設定ピン群情報を出力し、
3バイト目のクロックでは前記メモリ手段に対して前記ズームコードに対応した2バイト目のアドレスを送信すると共に前記カメラボディに対して第3の設定ピン群情報を送信し、
いずれの場合も4バイト目以降のクロックでは前記メモリ手段の前記アドレスに対応するページから順に出力されるレンズデータを前記カメラボディに送信することを特徴とするレンズデータ通信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2008−122549(P2008−122549A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−304711(P2006−304711)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】