人事管理システム
【課題】各業務分野における各能力レベル取得に要求される受講すべく講習を記憶するキャリアテーブルのメンテナンスの簡素化を図る。
【解決手段】講習内容が類似している講習コースどうしをまとめてコーステンプレートとして、各業務分野における各能力レベル取得に要求される受講すべく各講習コースを1つ又は複数のコーステンプレートで記憶したキャリアテーブルを設けている。そして、業務分野及び能力レベルを指定した検索要求に応じて、キャリアテーブルにおける業務分野及び能力レベルで指定されるコーステンプレートを読出し、この読出したコーステンプレートに所属する各講習コースを検索結果として出力する。
【解決手段】講習内容が類似している講習コースどうしをまとめてコーステンプレートとして、各業務分野における各能力レベル取得に要求される受講すべく各講習コースを1つ又は複数のコーステンプレートで記憶したキャリアテーブルを設けている。そして、業務分野及び能力レベルを指定した検索要求に応じて、キャリアテーブルにおける業務分野及び能力レベルで指定されるコーステンプレートを読出し、この読出したコーステンプレートに所属する各講習コースを検索結果として出力する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば企業の人事担当部署に設置された人事管理システムに係わり、特に、各業務分野における各能力レベルの取得に要求される受講すべく講習コースの候補を管理する人事管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば企業の人事担当者においては、人事異動を行う時に、組織の各部署の配属先が要求する能力レベルと、該当部署に配属しようとする社員が有する能力レベルとが一致する必要がある。少なくとも新規に配属される社員は配属先が要求する能力レベル以上の能力レベルを有する必要がある。さらに、各部署毎に、要求される能力の分野が異なる。例えば、ソフトウェアのシステム開発の部署においては、業務分野として、ネットワーク、Java(登録商標)、DB(データベース)、OS等があり、各業務分野において複数段階の能力レベルが設定されている。例えば、DBの分野の業務を行う部署の一般担当者は、業務分野OSの最低(基礎的)の能力レベルを所持している社員を配属すればよいが、部署の部長は、業務分野OSの最高の能力レベルを所持している社員を配属する必要がある。
【0003】
したがって、特許文献1においては、各能力レベル毎に実施すべき処理課題をデータベースに記憶しておき、各社員は、自己が就きたい部署の役職に要求される能力レベルの処理課題をデータベースから読出して、実行する。
【特許文献1】特開2003―114961号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したデータベースに、各業務分野における複数段階の各能力レベル毎に実施すべき処理課題を設定するようにした能力管理システムおいてもまだ解消すべき次のような課題があった。
【0005】
すなわち、各業務分野毎の各能力レベルに要求される処理課題が、該当業務分野に対する講習コースの受講の指示である場合においては、受講者は、予め指定されている互いに関連する、又は類似する複数の講習コースの候補の中から1つの講習コースを選択して受講するのが一般的である。
【0006】
さらに、該当業務分野に対する「講習コース」の候補は、該当会社の社内で実施する講習コースの他に、社外の教育サービス提供会社が実施する講習コースもある。さらに、講習内容が類似している講習コース、同一講習内容で実施場所又は実施時期が異なる講習コースもある。
【0007】
これら現在時点で受講可能な全ての講習コースを、各業務分野毎のさらに各能力レベル毎に実施すべき処理課題としてデータベースに書込む必要がある。したがって、データベースの作成作業時間が増大する。さらに、各業務分野における複数段階の各能力レベルに要求される講習コースは、業務分野間で共通している場合もある。
【0008】
また、別の課題として、受講可能な講習コースは、例えば予定された講習コースが終了した等の要因も含めて、頻繁に削除、追加、変更等の更新が実施される。したがって、その都度、各業務分野毎のさらに各能力レベル毎に実施すべき処理課題を変更する必要があり、管理システムの維持管理に多大の手間と費用が生じる。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、たとえ各講習コースにおいて頻繁に削除、追加、変更等の更新が発生したとしても、この更新に伴って実行すべき設定データの削除、追加、変更等の更新操作を極力抑制でき、システムとしてのメンテナンスの容易化を図ることができ、操作性を向上できる人事管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、各業務分野における各能力レベル毎に該当能力レベル取得に要求される受講すべく講習コースの候補を記憶し、業務分野及び能力レベルを指定した検索要求に応じて、対応する講習コースを検索結果として出力する人事管理システムにおいて、講習内容が類似している講習コースどうし、及び同一講習内容で実施場所又は実施時期が異なるものどうしをまとめてコーステンプレートとして記憶するコーステンプレートメモリと、各業務分野における各能力レベル取得に要求される受講すべく各講習コースを1つ又は複数のコーステンプレートで記憶したキャリアテーブルと、入力部を介して入力された業務分野及び能力レベルを指定した検索要求に応じて、キャリアテーブルにおける業務分野及び能力レベルで指定されるコーステンプレートを読出すキャリアテーブル検索手段と、このキャリアテーブル検索手段で読出されたコーステンプレートに所属する各講習コースをコーステンプレートメモリから読出すコーステンプレートメモリ検索手段と、この読出された各講習コースを検索結果として出力する検索結果出力手段とを備えている。
【0011】
このように構成された人事管理システムにおいては、講習内容が類似している講習コースどうし、及び同一講習内容で実施場所又は実施時期が異なるものどうしをまとめてコーステンプレートとしてコーステンプレートメモリに記憶されている。
【0012】
そして、本来は、各業務分野における各能力レベル取得に要求される受講すべく各講習コースを記憶するキャリアテーブルに、各講習コースに代えて、1つ又は複数のコーステンプレートを記憶している。したがって、講習コースの削除、追加、変更等の更新が生じた場合は、コーステンプレートメモリに記憶されている当該講習コースに関係するコーステンプレートを変更するのみでよい。すなわち、キャリアテーブルに設定されているコーステンプレート自体の更新の必要性は極めて低い。
【0013】
また、別の発明は、上述した発明の人事管理システムにおいて、複数種類の講習コースを記憶する講習コースデータベースを有し、コーステンプレートメモリは、講習コースデータベースに記憶された複数の講習コースのうち、講習内容が類似している講習コースどうし、及び同一講習内容で実施場所又は実施時期が異なるものどうしを抽出してこれらをまとめてコーステンプレートとして記憶している。
【0014】
さらに、別の発明は、上述した発明の人事管理システムにおいて、講習コースの削除、追加、変更の指示入力に応じて、講習コースデータベースに対する講習コースの削除、追加、変更を行う講習コースデータベース更新手段と、コーステンプレートを指定した、講習コースの削除、追加、変更の指示入力に応じて、コーステンプレートメモリに記憶されている当該コーステンプレートに所属する講習コースの削除、追加、変更を行うコーステンプレート更新手段と備えている。
【発明の効果】
【0015】
本発明においては、講習内容が類似している講習コースどうし、及び同一講習内容で実施場所又は実施時期が異なるものどうしをまとめてコーステンプレートとして、各業務分野における各能力レベル取得に要求される受講すべく各講習コースに代えてキャリアテーブルに設定することによって、講習コースの削除、追加、変更等の更新が生じたとしても、キャリアテーブルの更新が必要なく、システムとしてのメンテナンスの容易化を図ることができ、操作性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係わる人事管理システムの概略構成を示すブロック図である。
【0018】
例えばコンピュータ等の情報処理装置で構成された人事管理システムは、企業の人事担当部署に設置されている。この人事管理システム内には、キーボードやマウス等からなる入力部1と表示部2とが設けられた操作部3、HDD等で構成された記憶装置4、インターネットを介して教育担当者から講習コースの情報が入力されるWeb通信部5のハード構成部材が設けられている。
【0019】
記憶装置4内には、キャリアテーブル6、コーステンプレートメモリ7、講習コースデータベース8が設けられている。
【0020】
講習コースデータベース8内には、図2に示すように、複数の講習コース9が、講習項目10毎に分類されて記憶されている。例えば、「DB」の講習項目10に対して、「DB基礎 1月開講東京コース」、「DB基礎 2月開講東京コース」、「DB基礎 2月開講大阪コース」、「DE基礎 eラーニング」等の各講習コース9が登録されている。また、[OS]の講習項目10に対して、「OS応用コース」の講習コース9が設けられている。また、各講習項目10に対して、基礎、中級、応用等の講習内容の難易度が異なる複数の講習コース9が設定されている。 この講習コースデータベース8内に設定された各講習コース9に対する削除、追加、変更等の更新は教育担当者からインターネットを介した指示に従って実施される。
【0021】
コーステンプレートメモリ7内には、図3に示すように、講習コースデータベース8内に登録されている多数の講習コース9のうち講習内容が類似している講習コース9どうし、及び同一講習内容で実施場所又は実施時期が異なる講習コース9どうしをまとめたコーステンプレート13が記憶されている。
【0022】
具体的には、「DB基礎教育」のコード「k1」のコーステンプレート13には、「DB基礎 1月開講東京コース」、「DB基礎 2月開講東京コース」、「DB基礎 2月開講大阪コース」、「DB基礎 eラーニング」の講習内容が類似し、同一講習内容で実施場所又は実施時期が異なるので、この4つの講習コース9が所属する。
【0023】
このことは、受講者は、この「DB基礎教育」のコーステンプレート13に所属する複数の講習コース9の中から1つの講習コース9を選択して受講すればよいことを示す。
【0024】
また、「SQL基礎教育」のコード「k2」のコーステンプレート13には、「SQL基礎 1月開講東京コース」、「SQL基礎 2月開講東京コース」、「SQL基礎 2月開講大阪コース」、「SQL基礎 eラーニング」等の講習コース9が登録されている。
【0025】
キャリアマップとも称されるキャリアテーブル6においては、図4に示すように、「ネットワーク」、「Java」、「DB」、「OS」の各業務分野14に対して、「1」、「2」、「3」の各能力レベル15毎に、該当能力レベル15の取得に要求される受講すべく講習コース9を指定する情報を書込む領域16が形成されている。なお、能力レベル15において、「1」の能力レベル15が最高の能力としている。
【0026】
各領域16には、該当能力レベル15の取得に要求される受講すべく講習コースの候補を指定する情報として、1つ又は複数のコーステンプレート13が書込まれている。なお、実際には、コーステンプレート13のコードk1、k2、k3、…が書込まれる。そして、能力レベル15の取得希望者は、キャリアテーブル6における希望業務分野14と希望能力レベル15とに対応する領域16に設定されたコーステンプレート13に所属する複数の講習コース9の中から1つの講習コース9を選択すればよい。なお、複数のコーステンプレート13が設定されていた場合は、各コーステンプレート13からそれぞれ1つの講習コース9を選択して、合計2つの講習コース9を受講する。
【0027】
例えば、DBの業務分野14で、「3」の能力レベル15の領域16には、「DB基礎教育」のコーステンプレート13と、「SQL基礎教育」のコーステンプレート13との2つのコーステンプレート13が設定されているので、DB基礎の講習コース9とSQL基礎の講習コース9とを受講する必要がある。
【0028】
次に、図1の人事管理システムにおいて、人事担当者又は能力レベルの取得を希望する社員が、入力部1から業務分野14と能力レベル15を指定した検索要求を入力すると、アプリケーションプログラム上に形成された検索要求入力部17が、検索要求をキャリアテーブル検索部18へ転送する。キャリアテーブル検索部18は、キャリアテーブル6における検索要求で指定された業務分野14及び能力レベル15で指定される領域16に書込まれている1つ又は複数のコーステンプレート13を読出して、コーステンプレートメモリ検索部19へ送出する。
【0029】
コーステンプレートメモリ検索部19は、読出された1つ又は複数のコーステンプレート13に所属する各講習コース9をコーステンプレートメモリ7から読出して、次の検索結果表示出力部20へ送出する。検索結果表示出力部20は、読出した各講習コース9を図5示す検索結果画面21に編集して、表示部2に表示出力する。検索結果画面21には、図5に示すように、
1.業務分野と能力レベルとからなる検索条件(検索要求)
2.検索された1つ又は複数のコーステンプレート13
3.受講すべき各コーステンプレートに含まれる複数の講習コース9
等が表示される。
【0030】
講習コース9の実施が終了したり、新規の講習コース9を開設したり、講習コースデータベース8に登録済みの講習コース9に変更が生じた場合には、教育担当者からインターネットを介してWeb通信部5へ更新指示が入力されると、講習コースデータベース更新部12が、講習コースデータベース8内の該当講習コース9に対する削除、追加、変更等の更新を行う。
【0031】
さらに、講習コースデータベース更新部12は、更新内容が削除の場合、コーステンプレートメモリ7における当該講習コース9が登録されているコーステンプレート13に所属する当該講習コース9を削除する。
【0032】
次に、人事担当者が、入力部1を介してコーステンプレートの更新要求を入力すると、コーステンプレート更新入力部22が更新画面表示部26を起動する。更新画面表示部26は、図6に示すコーステンプレート更新画面23を表示部2に表示する。人事担当者が、このコーステンプレート更新画面23上で、新規作成(追加)、変更、削除の更新の動作種別をマウスで選択し、更新対象のコーステンプレート13をドロップダウン選択又はキー入力する。
【0033】
次に、変更の場合は、コーステンプレートアクセス部25用いて、コーステンプレートメモリ7に設定されている該当コーステンプレート13に所属する全部の講習コース9を読出して、編集枠24内に表示し、人事担当者の講習コース9の追加、変更、削除操作が実施される。追加の場合は、新規のコーステンプレート13の所属する全部の講習コース9を編集枠24内に書込む。
【0034】
コーステンプレート更新画面23に対するコーステンプレート13の更新入力が終了すると、コーステンプレート更新部27が、図3のコーステンプレートメモリ7内の対応するコーステンプレート13自体の追加、削除を実施すると共に、当該コーステンプレート13に所属する各講習コース9に対する追加、変更、削除等の更新処理を行う。
【0035】
また、入力部1から、キャリアテーブル6の各領域16に設定されているコーステンプレート13の追加、変更、削除等の更新指示が入力されると、キャリアテーブル更新入力部28が、更新画面表示部29を起動する。更新画面表示部29は、図7に示すキャリアテーブル更新画面30を表示部2に表示する。このキャリアテーブル更新画面30には、キャリアテーブルアクセス部33を用いてキャリアテーブル6全体が読出されてウインドウ表示される。
【0036】
そして、人事担当者が、このウインドウ表示されているキャリアテーブル更新画面30上で、各領域16のコーステンプレート13に対する新規作成(追加)、変更、削除の更新の動作をマウス、キーボード等で実施する。具体的には、図7のキャリアテーブル更新画面30上で更新したい領域16をマウスで指定すると、図8に示す領域更新画面31を表示する。この領域更新画面31には、マウス指定された更新すべき領域16に対応する業務分野14及び能力レベル16、現在のコーステンプレート13が編集枠32内に表示される。
【0037】
人事担当者が、編集枠32内に表示されたコーステンプレート13に対する新規作成(追加)、変更、削除の更新操作を実施すると、キャリアテーブル更新部34が起動して、記憶装置4のキャリアテーブル6内の領域更新画面31で更新された領域16のコーステンプレート13を更新する。
【0038】
このように構成された人事管理システムの全体動作を図9、図10の流れ図を用いて説明する。
【0039】
ステップS1にて、入力部1から業務分野14と能力レベル15を指定した検索要求が入力されると、業務分野14と能力レベル15との条件でキャリアテーブル6を検索して、該当業務分野14における該当能力レベル15の領域16に設定されているコーステンプレート13を読出す(ステップS2)。
【0040】
この読出したコーステンプレート13でコーステンプレートメモリ7をアクセスして、該当コーステンプレート13に所属する全部の講習コース9を読み出して(ステップS3)、表示部2に検索結果画面21として表示出力する(ステップS4)。
【0041】
また、インターネットを介して、教育担当者から講習コース9の更新指示が入力されると(ステップS5)、講習コースデータベース8内の該当講習コース9に対する削除、追加、変更等の更新を行う(ステップS6)。この更新が削除の更新の場合(ステップS7)、コーステンプレートメモリ7における当該講習コース9が登録されているコーステンプレート13に所属する当該講習コース9を削除する(ステップS8)。一方、更新が追加の場合は(ステップS9)、追加メッセージを表示部2に表示出力する(ステップS10)。
【0042】
入力部1からコーステンプレート13に対する更新指示が入力されると(ステップS11)、コーステンプレートメモリ7内に設定されているコーステンプレート13に対する図6に示すコーステンプレート更新画面23を表示する(ステップS13)。コーステンプレート更新画面23を用いた更新(追加、変更、削除)指示が入力されると(ステップS13)、コーステンプレートメモリ7における該当コーステンプレート13の更新処理を実施する(ステップS14)。
【0043】
入力部1を介して、キャリアテーブル6に対する更新指示が入力されると(ステップS15)、図7に示すキャリアテーブル更新画面30を表示する(ステップS16)。そして、更新対象の業務分野16、能力レベル15の領域16がマウスでクリックされると(ステップS17)、図8に示す領域更新画面31を表示する(ステップS18)。この領域更新画面31を用いて、編集枠32内のコーステンプレート13に対する追加、変更、削除等の更新操作がなされると(ステップS19)、キャリアテーブル6内の該当領域16のコーステンプレート13を実際に更新する(ステップS20)。
【0044】
このように構成された人事管理システムにおいては、講習内容が類似している講習コース9どうし、及び同一講習内容で実施場所又は実施時期が異なる講習コース9どうしをまとめてコーステンプレート13としてコーステンプレートメモリ7に登録している。
【0045】
したがって、人事担当者又は能力レベルの取得を希望する社員が、入力部1から業務分野14と能力レベル15を指定した検索要求を入力すると、キャリアテーブル6における検索要求で指定された業務分野14及び能力レベル15で指定される領域16に書込まれている1つ又は複数のコーステンプレート13が読出され、さらに、このコーステンプレート13に所属する各講習コース9がコーステンプレートメモリ7から読出されて、表示部2に図5示す検索結果画面21として表示出力される。
【0046】
このように、各業務分野14と能力レベル15とを入力すると、当該業務分野における該当能力レベル取得に受講要求される講習コース9の候補一覧が表示されるので、このシステムの操作性が大幅に向上する。
【0047】
さらに、講習コース9の削除、追加、変更等の更新が生じた場合は、コーステンプレートメモリ7に記憶されている当該講習コース9に関係するコーステンプレート13の内容を変更するのみでよい。すなわち、キャリアテーブル6に設定されているコーステンプレート13自体の更新の必要性は極めて低い。
【0048】
すなわち、コーステンプレート13自体は、講習内容が類似している講習コースどうし、及び同一講習内容で実施場所又は実施時期が異なるものどうしをまとめたものの総称であり、その中の一つの講習コース9を受講すればよいので、コーステンプレート13に所属する講習コース9の一部が変更になったとしても、キャリアテーブル6に設定されているコーステンプレート13を更新する必要はない。
【0049】
この結果、同一コーステンプレート13を含む多数のコーステンプレート13が組込まれたキャリアテーブル6の更新の必要性が大幅に低下するので、この人事管理システムのメンテナンスを大幅に簡素化できる。
【0050】
尚、本システムにて利用される講習コースの提供および管理について、当該システムを利用する会社内で対応する例で説明したが、これに限らず講習コースの提供、管理を例えば教育サービス会社によって実現しても良い。
【0051】
その場合、講習コースデータベース8の構成を図11に示すように、各教育サービス会社11毎に提供する講習コース9を講習項目10毎に管理することで実現できる。
【0052】
教育サービス会社11が各講習コース9を提供する場合の講習コースデータベース8に登録されている講習コース9の変更に伴う削除、追加、変更の操作は、図1に示すWeb通信部5にインターネットを経由して更新指示を行うことにより、講習コースデータベース更新部12が起動し、該当の講習コース9に対する指示に基づく更新が行われる。
【0053】
尚、講習コースデータベース更新部12における更新動作およびその他、検索、コーステンプレートの更新等の動作については、図9、10の流れ図に基づき動作する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態に係わる人事管理システムの概略構成を示すブロック図
【図2】同実施形態の人事管理システムにおける記憶装置内に形成された講習コースデータベースの記憶内容を示す図
【図3】同記憶装置内に形成されたコーステンプレートの記憶内容を示す図
【図4】同記憶装置内に形成されたキャリアテーブルの記憶内容を示す図
【図5】同実施形態の人事管理システムにおける表示部に表示された検索結果画面を示す図
【図6】同表示部に表示されたコーステンプレート更新画面を示す図
【図7】同表示部に表示されたキャリアテーブル更新画面を示す図
【図8】同表示部に表示された領域更新画面を示す図
【図9】同実施形態の人事管理システムにおける全体動作を示す流れ図
【図10】同じく同実施形態の人事管理システムにおける全体動作を示す流れ図
【図11】同実施形態の人事管理システムにおける記憶装置内に形成された、教育サービス会社が講習コースを提供する場合の講習コースデータベースの記憶内容を示す図
【符号の説明】
【0055】
1…入力部、2…表示部、3…操作部、4…記憶装置、6…キャリアテーブル、7…コーステンプレートメモリ、8…講習コースデータベース、9…講習コース、11…教育サービス会社、12…講習コースデータベース更新部、13…コーステンプレート、14…業務分野、15…能力レベル、16…領域、17…検索要求入力部、18…キャリアテーブル検索部、19…コーステンプレートメモリ検索部、20…検索結果出力部、21…検索結果画面、22…コーステンプレート入力部、23…コーステンプレート更新画面、24,32…編集領域、25…コーステンプレートアクセス部、26,29…更新画面表示部、27…コーステンプレート更新部、28…キャリアテーブル更新入力部、30…キャリアテーブル更新画面、31…領域更新画面、33…キャリアテーブルアクセス部、34…キャリアテーブル更新部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば企業の人事担当部署に設置された人事管理システムに係わり、特に、各業務分野における各能力レベルの取得に要求される受講すべく講習コースの候補を管理する人事管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば企業の人事担当者においては、人事異動を行う時に、組織の各部署の配属先が要求する能力レベルと、該当部署に配属しようとする社員が有する能力レベルとが一致する必要がある。少なくとも新規に配属される社員は配属先が要求する能力レベル以上の能力レベルを有する必要がある。さらに、各部署毎に、要求される能力の分野が異なる。例えば、ソフトウェアのシステム開発の部署においては、業務分野として、ネットワーク、Java(登録商標)、DB(データベース)、OS等があり、各業務分野において複数段階の能力レベルが設定されている。例えば、DBの分野の業務を行う部署の一般担当者は、業務分野OSの最低(基礎的)の能力レベルを所持している社員を配属すればよいが、部署の部長は、業務分野OSの最高の能力レベルを所持している社員を配属する必要がある。
【0003】
したがって、特許文献1においては、各能力レベル毎に実施すべき処理課題をデータベースに記憶しておき、各社員は、自己が就きたい部署の役職に要求される能力レベルの処理課題をデータベースから読出して、実行する。
【特許文献1】特開2003―114961号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したデータベースに、各業務分野における複数段階の各能力レベル毎に実施すべき処理課題を設定するようにした能力管理システムおいてもまだ解消すべき次のような課題があった。
【0005】
すなわち、各業務分野毎の各能力レベルに要求される処理課題が、該当業務分野に対する講習コースの受講の指示である場合においては、受講者は、予め指定されている互いに関連する、又は類似する複数の講習コースの候補の中から1つの講習コースを選択して受講するのが一般的である。
【0006】
さらに、該当業務分野に対する「講習コース」の候補は、該当会社の社内で実施する講習コースの他に、社外の教育サービス提供会社が実施する講習コースもある。さらに、講習内容が類似している講習コース、同一講習内容で実施場所又は実施時期が異なる講習コースもある。
【0007】
これら現在時点で受講可能な全ての講習コースを、各業務分野毎のさらに各能力レベル毎に実施すべき処理課題としてデータベースに書込む必要がある。したがって、データベースの作成作業時間が増大する。さらに、各業務分野における複数段階の各能力レベルに要求される講習コースは、業務分野間で共通している場合もある。
【0008】
また、別の課題として、受講可能な講習コースは、例えば予定された講習コースが終了した等の要因も含めて、頻繁に削除、追加、変更等の更新が実施される。したがって、その都度、各業務分野毎のさらに各能力レベル毎に実施すべき処理課題を変更する必要があり、管理システムの維持管理に多大の手間と費用が生じる。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、たとえ各講習コースにおいて頻繁に削除、追加、変更等の更新が発生したとしても、この更新に伴って実行すべき設定データの削除、追加、変更等の更新操作を極力抑制でき、システムとしてのメンテナンスの容易化を図ることができ、操作性を向上できる人事管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、各業務分野における各能力レベル毎に該当能力レベル取得に要求される受講すべく講習コースの候補を記憶し、業務分野及び能力レベルを指定した検索要求に応じて、対応する講習コースを検索結果として出力する人事管理システムにおいて、講習内容が類似している講習コースどうし、及び同一講習内容で実施場所又は実施時期が異なるものどうしをまとめてコーステンプレートとして記憶するコーステンプレートメモリと、各業務分野における各能力レベル取得に要求される受講すべく各講習コースを1つ又は複数のコーステンプレートで記憶したキャリアテーブルと、入力部を介して入力された業務分野及び能力レベルを指定した検索要求に応じて、キャリアテーブルにおける業務分野及び能力レベルで指定されるコーステンプレートを読出すキャリアテーブル検索手段と、このキャリアテーブル検索手段で読出されたコーステンプレートに所属する各講習コースをコーステンプレートメモリから読出すコーステンプレートメモリ検索手段と、この読出された各講習コースを検索結果として出力する検索結果出力手段とを備えている。
【0011】
このように構成された人事管理システムにおいては、講習内容が類似している講習コースどうし、及び同一講習内容で実施場所又は実施時期が異なるものどうしをまとめてコーステンプレートとしてコーステンプレートメモリに記憶されている。
【0012】
そして、本来は、各業務分野における各能力レベル取得に要求される受講すべく各講習コースを記憶するキャリアテーブルに、各講習コースに代えて、1つ又は複数のコーステンプレートを記憶している。したがって、講習コースの削除、追加、変更等の更新が生じた場合は、コーステンプレートメモリに記憶されている当該講習コースに関係するコーステンプレートを変更するのみでよい。すなわち、キャリアテーブルに設定されているコーステンプレート自体の更新の必要性は極めて低い。
【0013】
また、別の発明は、上述した発明の人事管理システムにおいて、複数種類の講習コースを記憶する講習コースデータベースを有し、コーステンプレートメモリは、講習コースデータベースに記憶された複数の講習コースのうち、講習内容が類似している講習コースどうし、及び同一講習内容で実施場所又は実施時期が異なるものどうしを抽出してこれらをまとめてコーステンプレートとして記憶している。
【0014】
さらに、別の発明は、上述した発明の人事管理システムにおいて、講習コースの削除、追加、変更の指示入力に応じて、講習コースデータベースに対する講習コースの削除、追加、変更を行う講習コースデータベース更新手段と、コーステンプレートを指定した、講習コースの削除、追加、変更の指示入力に応じて、コーステンプレートメモリに記憶されている当該コーステンプレートに所属する講習コースの削除、追加、変更を行うコーステンプレート更新手段と備えている。
【発明の効果】
【0015】
本発明においては、講習内容が類似している講習コースどうし、及び同一講習内容で実施場所又は実施時期が異なるものどうしをまとめてコーステンプレートとして、各業務分野における各能力レベル取得に要求される受講すべく各講習コースに代えてキャリアテーブルに設定することによって、講習コースの削除、追加、変更等の更新が生じたとしても、キャリアテーブルの更新が必要なく、システムとしてのメンテナンスの容易化を図ることができ、操作性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係わる人事管理システムの概略構成を示すブロック図である。
【0018】
例えばコンピュータ等の情報処理装置で構成された人事管理システムは、企業の人事担当部署に設置されている。この人事管理システム内には、キーボードやマウス等からなる入力部1と表示部2とが設けられた操作部3、HDD等で構成された記憶装置4、インターネットを介して教育担当者から講習コースの情報が入力されるWeb通信部5のハード構成部材が設けられている。
【0019】
記憶装置4内には、キャリアテーブル6、コーステンプレートメモリ7、講習コースデータベース8が設けられている。
【0020】
講習コースデータベース8内には、図2に示すように、複数の講習コース9が、講習項目10毎に分類されて記憶されている。例えば、「DB」の講習項目10に対して、「DB基礎 1月開講東京コース」、「DB基礎 2月開講東京コース」、「DB基礎 2月開講大阪コース」、「DE基礎 eラーニング」等の各講習コース9が登録されている。また、[OS]の講習項目10に対して、「OS応用コース」の講習コース9が設けられている。また、各講習項目10に対して、基礎、中級、応用等の講習内容の難易度が異なる複数の講習コース9が設定されている。 この講習コースデータベース8内に設定された各講習コース9に対する削除、追加、変更等の更新は教育担当者からインターネットを介した指示に従って実施される。
【0021】
コーステンプレートメモリ7内には、図3に示すように、講習コースデータベース8内に登録されている多数の講習コース9のうち講習内容が類似している講習コース9どうし、及び同一講習内容で実施場所又は実施時期が異なる講習コース9どうしをまとめたコーステンプレート13が記憶されている。
【0022】
具体的には、「DB基礎教育」のコード「k1」のコーステンプレート13には、「DB基礎 1月開講東京コース」、「DB基礎 2月開講東京コース」、「DB基礎 2月開講大阪コース」、「DB基礎 eラーニング」の講習内容が類似し、同一講習内容で実施場所又は実施時期が異なるので、この4つの講習コース9が所属する。
【0023】
このことは、受講者は、この「DB基礎教育」のコーステンプレート13に所属する複数の講習コース9の中から1つの講習コース9を選択して受講すればよいことを示す。
【0024】
また、「SQL基礎教育」のコード「k2」のコーステンプレート13には、「SQL基礎 1月開講東京コース」、「SQL基礎 2月開講東京コース」、「SQL基礎 2月開講大阪コース」、「SQL基礎 eラーニング」等の講習コース9が登録されている。
【0025】
キャリアマップとも称されるキャリアテーブル6においては、図4に示すように、「ネットワーク」、「Java」、「DB」、「OS」の各業務分野14に対して、「1」、「2」、「3」の各能力レベル15毎に、該当能力レベル15の取得に要求される受講すべく講習コース9を指定する情報を書込む領域16が形成されている。なお、能力レベル15において、「1」の能力レベル15が最高の能力としている。
【0026】
各領域16には、該当能力レベル15の取得に要求される受講すべく講習コースの候補を指定する情報として、1つ又は複数のコーステンプレート13が書込まれている。なお、実際には、コーステンプレート13のコードk1、k2、k3、…が書込まれる。そして、能力レベル15の取得希望者は、キャリアテーブル6における希望業務分野14と希望能力レベル15とに対応する領域16に設定されたコーステンプレート13に所属する複数の講習コース9の中から1つの講習コース9を選択すればよい。なお、複数のコーステンプレート13が設定されていた場合は、各コーステンプレート13からそれぞれ1つの講習コース9を選択して、合計2つの講習コース9を受講する。
【0027】
例えば、DBの業務分野14で、「3」の能力レベル15の領域16には、「DB基礎教育」のコーステンプレート13と、「SQL基礎教育」のコーステンプレート13との2つのコーステンプレート13が設定されているので、DB基礎の講習コース9とSQL基礎の講習コース9とを受講する必要がある。
【0028】
次に、図1の人事管理システムにおいて、人事担当者又は能力レベルの取得を希望する社員が、入力部1から業務分野14と能力レベル15を指定した検索要求を入力すると、アプリケーションプログラム上に形成された検索要求入力部17が、検索要求をキャリアテーブル検索部18へ転送する。キャリアテーブル検索部18は、キャリアテーブル6における検索要求で指定された業務分野14及び能力レベル15で指定される領域16に書込まれている1つ又は複数のコーステンプレート13を読出して、コーステンプレートメモリ検索部19へ送出する。
【0029】
コーステンプレートメモリ検索部19は、読出された1つ又は複数のコーステンプレート13に所属する各講習コース9をコーステンプレートメモリ7から読出して、次の検索結果表示出力部20へ送出する。検索結果表示出力部20は、読出した各講習コース9を図5示す検索結果画面21に編集して、表示部2に表示出力する。検索結果画面21には、図5に示すように、
1.業務分野と能力レベルとからなる検索条件(検索要求)
2.検索された1つ又は複数のコーステンプレート13
3.受講すべき各コーステンプレートに含まれる複数の講習コース9
等が表示される。
【0030】
講習コース9の実施が終了したり、新規の講習コース9を開設したり、講習コースデータベース8に登録済みの講習コース9に変更が生じた場合には、教育担当者からインターネットを介してWeb通信部5へ更新指示が入力されると、講習コースデータベース更新部12が、講習コースデータベース8内の該当講習コース9に対する削除、追加、変更等の更新を行う。
【0031】
さらに、講習コースデータベース更新部12は、更新内容が削除の場合、コーステンプレートメモリ7における当該講習コース9が登録されているコーステンプレート13に所属する当該講習コース9を削除する。
【0032】
次に、人事担当者が、入力部1を介してコーステンプレートの更新要求を入力すると、コーステンプレート更新入力部22が更新画面表示部26を起動する。更新画面表示部26は、図6に示すコーステンプレート更新画面23を表示部2に表示する。人事担当者が、このコーステンプレート更新画面23上で、新規作成(追加)、変更、削除の更新の動作種別をマウスで選択し、更新対象のコーステンプレート13をドロップダウン選択又はキー入力する。
【0033】
次に、変更の場合は、コーステンプレートアクセス部25用いて、コーステンプレートメモリ7に設定されている該当コーステンプレート13に所属する全部の講習コース9を読出して、編集枠24内に表示し、人事担当者の講習コース9の追加、変更、削除操作が実施される。追加の場合は、新規のコーステンプレート13の所属する全部の講習コース9を編集枠24内に書込む。
【0034】
コーステンプレート更新画面23に対するコーステンプレート13の更新入力が終了すると、コーステンプレート更新部27が、図3のコーステンプレートメモリ7内の対応するコーステンプレート13自体の追加、削除を実施すると共に、当該コーステンプレート13に所属する各講習コース9に対する追加、変更、削除等の更新処理を行う。
【0035】
また、入力部1から、キャリアテーブル6の各領域16に設定されているコーステンプレート13の追加、変更、削除等の更新指示が入力されると、キャリアテーブル更新入力部28が、更新画面表示部29を起動する。更新画面表示部29は、図7に示すキャリアテーブル更新画面30を表示部2に表示する。このキャリアテーブル更新画面30には、キャリアテーブルアクセス部33を用いてキャリアテーブル6全体が読出されてウインドウ表示される。
【0036】
そして、人事担当者が、このウインドウ表示されているキャリアテーブル更新画面30上で、各領域16のコーステンプレート13に対する新規作成(追加)、変更、削除の更新の動作をマウス、キーボード等で実施する。具体的には、図7のキャリアテーブル更新画面30上で更新したい領域16をマウスで指定すると、図8に示す領域更新画面31を表示する。この領域更新画面31には、マウス指定された更新すべき領域16に対応する業務分野14及び能力レベル16、現在のコーステンプレート13が編集枠32内に表示される。
【0037】
人事担当者が、編集枠32内に表示されたコーステンプレート13に対する新規作成(追加)、変更、削除の更新操作を実施すると、キャリアテーブル更新部34が起動して、記憶装置4のキャリアテーブル6内の領域更新画面31で更新された領域16のコーステンプレート13を更新する。
【0038】
このように構成された人事管理システムの全体動作を図9、図10の流れ図を用いて説明する。
【0039】
ステップS1にて、入力部1から業務分野14と能力レベル15を指定した検索要求が入力されると、業務分野14と能力レベル15との条件でキャリアテーブル6を検索して、該当業務分野14における該当能力レベル15の領域16に設定されているコーステンプレート13を読出す(ステップS2)。
【0040】
この読出したコーステンプレート13でコーステンプレートメモリ7をアクセスして、該当コーステンプレート13に所属する全部の講習コース9を読み出して(ステップS3)、表示部2に検索結果画面21として表示出力する(ステップS4)。
【0041】
また、インターネットを介して、教育担当者から講習コース9の更新指示が入力されると(ステップS5)、講習コースデータベース8内の該当講習コース9に対する削除、追加、変更等の更新を行う(ステップS6)。この更新が削除の更新の場合(ステップS7)、コーステンプレートメモリ7における当該講習コース9が登録されているコーステンプレート13に所属する当該講習コース9を削除する(ステップS8)。一方、更新が追加の場合は(ステップS9)、追加メッセージを表示部2に表示出力する(ステップS10)。
【0042】
入力部1からコーステンプレート13に対する更新指示が入力されると(ステップS11)、コーステンプレートメモリ7内に設定されているコーステンプレート13に対する図6に示すコーステンプレート更新画面23を表示する(ステップS13)。コーステンプレート更新画面23を用いた更新(追加、変更、削除)指示が入力されると(ステップS13)、コーステンプレートメモリ7における該当コーステンプレート13の更新処理を実施する(ステップS14)。
【0043】
入力部1を介して、キャリアテーブル6に対する更新指示が入力されると(ステップS15)、図7に示すキャリアテーブル更新画面30を表示する(ステップS16)。そして、更新対象の業務分野16、能力レベル15の領域16がマウスでクリックされると(ステップS17)、図8に示す領域更新画面31を表示する(ステップS18)。この領域更新画面31を用いて、編集枠32内のコーステンプレート13に対する追加、変更、削除等の更新操作がなされると(ステップS19)、キャリアテーブル6内の該当領域16のコーステンプレート13を実際に更新する(ステップS20)。
【0044】
このように構成された人事管理システムにおいては、講習内容が類似している講習コース9どうし、及び同一講習内容で実施場所又は実施時期が異なる講習コース9どうしをまとめてコーステンプレート13としてコーステンプレートメモリ7に登録している。
【0045】
したがって、人事担当者又は能力レベルの取得を希望する社員が、入力部1から業務分野14と能力レベル15を指定した検索要求を入力すると、キャリアテーブル6における検索要求で指定された業務分野14及び能力レベル15で指定される領域16に書込まれている1つ又は複数のコーステンプレート13が読出され、さらに、このコーステンプレート13に所属する各講習コース9がコーステンプレートメモリ7から読出されて、表示部2に図5示す検索結果画面21として表示出力される。
【0046】
このように、各業務分野14と能力レベル15とを入力すると、当該業務分野における該当能力レベル取得に受講要求される講習コース9の候補一覧が表示されるので、このシステムの操作性が大幅に向上する。
【0047】
さらに、講習コース9の削除、追加、変更等の更新が生じた場合は、コーステンプレートメモリ7に記憶されている当該講習コース9に関係するコーステンプレート13の内容を変更するのみでよい。すなわち、キャリアテーブル6に設定されているコーステンプレート13自体の更新の必要性は極めて低い。
【0048】
すなわち、コーステンプレート13自体は、講習内容が類似している講習コースどうし、及び同一講習内容で実施場所又は実施時期が異なるものどうしをまとめたものの総称であり、その中の一つの講習コース9を受講すればよいので、コーステンプレート13に所属する講習コース9の一部が変更になったとしても、キャリアテーブル6に設定されているコーステンプレート13を更新する必要はない。
【0049】
この結果、同一コーステンプレート13を含む多数のコーステンプレート13が組込まれたキャリアテーブル6の更新の必要性が大幅に低下するので、この人事管理システムのメンテナンスを大幅に簡素化できる。
【0050】
尚、本システムにて利用される講習コースの提供および管理について、当該システムを利用する会社内で対応する例で説明したが、これに限らず講習コースの提供、管理を例えば教育サービス会社によって実現しても良い。
【0051】
その場合、講習コースデータベース8の構成を図11に示すように、各教育サービス会社11毎に提供する講習コース9を講習項目10毎に管理することで実現できる。
【0052】
教育サービス会社11が各講習コース9を提供する場合の講習コースデータベース8に登録されている講習コース9の変更に伴う削除、追加、変更の操作は、図1に示すWeb通信部5にインターネットを経由して更新指示を行うことにより、講習コースデータベース更新部12が起動し、該当の講習コース9に対する指示に基づく更新が行われる。
【0053】
尚、講習コースデータベース更新部12における更新動作およびその他、検索、コーステンプレートの更新等の動作については、図9、10の流れ図に基づき動作する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態に係わる人事管理システムの概略構成を示すブロック図
【図2】同実施形態の人事管理システムにおける記憶装置内に形成された講習コースデータベースの記憶内容を示す図
【図3】同記憶装置内に形成されたコーステンプレートの記憶内容を示す図
【図4】同記憶装置内に形成されたキャリアテーブルの記憶内容を示す図
【図5】同実施形態の人事管理システムにおける表示部に表示された検索結果画面を示す図
【図6】同表示部に表示されたコーステンプレート更新画面を示す図
【図7】同表示部に表示されたキャリアテーブル更新画面を示す図
【図8】同表示部に表示された領域更新画面を示す図
【図9】同実施形態の人事管理システムにおける全体動作を示す流れ図
【図10】同じく同実施形態の人事管理システムにおける全体動作を示す流れ図
【図11】同実施形態の人事管理システムにおける記憶装置内に形成された、教育サービス会社が講習コースを提供する場合の講習コースデータベースの記憶内容を示す図
【符号の説明】
【0055】
1…入力部、2…表示部、3…操作部、4…記憶装置、6…キャリアテーブル、7…コーステンプレートメモリ、8…講習コースデータベース、9…講習コース、11…教育サービス会社、12…講習コースデータベース更新部、13…コーステンプレート、14…業務分野、15…能力レベル、16…領域、17…検索要求入力部、18…キャリアテーブル検索部、19…コーステンプレートメモリ検索部、20…検索結果出力部、21…検索結果画面、22…コーステンプレート入力部、23…コーステンプレート更新画面、24,32…編集領域、25…コーステンプレートアクセス部、26,29…更新画面表示部、27…コーステンプレート更新部、28…キャリアテーブル更新入力部、30…キャリアテーブル更新画面、31…領域更新画面、33…キャリアテーブルアクセス部、34…キャリアテーブル更新部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各業務分野における各能力レベル毎に該当能力レベル取得に要求される受講すべく講習コースの候補を記憶し、業務分野及び能力レベルを指定した検索要求に応じて、対応する講習コースを検索結果として出力する人事管理システムにおいて、
講習内容が類似している講習コースどうし、及び同一講習内容で実施場所又は実施時期が異なるものどうしをまとめてコーステンプレートとして記憶するコーステンプレートメモリと、
前記各業務分野における各能力レベル取得に要求される各受講すべく講習コースを1つ又は複数のコーステンプレートで記憶したキャリアテーブルと、
入力部を介して入力された業務分野及び能力レベルを指定した検索要求に応じて、前記キャリアテーブルにおける前記業務分野及び能力レベルで指定されるコーステンプレートを読出すキャリアテーブル検索手段と、
このキャリアテーブル検索手段で読出されたコーステンプレートに所属する各講習コースを前記コーステンプレートメモリから読出すコーステンプレートメモリ検索手段と、
この読出された各講習コースを検索結果として出力する検索結果出力手段と
を備えたことを特徴とする人事管理システム。
【請求項2】
複数種類の講習コースを記憶する講習コースデータベースを有し、
前記コーステンプレートメモリは、前記講習コースデータベースに記憶された複数の講習コースのうち、講習内容が類似している講習コースどうし、及び同一講習内容で実施場所又は実施時期が異なるものどうしを抽出してこれらをまとめてコーステンプレートとして記憶していること
を特徴とする請求項1記載の人事管理システム。
【請求項3】
講習コースの削除、追加、変更の指示入力に応じて、前記講習コースデータベースに対する講習コースの削除、追加、変更を行う講習コースデータベース更新手段と、
コーステンプレートを指定した、講習コースの削除、追加、変更の指示入力に応じて、前記コーステンプレートメモリに記憶されている当該コーステンプレートに所属する講習コースの削除、追加、変更を行うコーステンプレート更新手段と
を備えたことを特徴とする請求項2記載の人事管理システム。
【請求項1】
各業務分野における各能力レベル毎に該当能力レベル取得に要求される受講すべく講習コースの候補を記憶し、業務分野及び能力レベルを指定した検索要求に応じて、対応する講習コースを検索結果として出力する人事管理システムにおいて、
講習内容が類似している講習コースどうし、及び同一講習内容で実施場所又は実施時期が異なるものどうしをまとめてコーステンプレートとして記憶するコーステンプレートメモリと、
前記各業務分野における各能力レベル取得に要求される各受講すべく講習コースを1つ又は複数のコーステンプレートで記憶したキャリアテーブルと、
入力部を介して入力された業務分野及び能力レベルを指定した検索要求に応じて、前記キャリアテーブルにおける前記業務分野及び能力レベルで指定されるコーステンプレートを読出すキャリアテーブル検索手段と、
このキャリアテーブル検索手段で読出されたコーステンプレートに所属する各講習コースを前記コーステンプレートメモリから読出すコーステンプレートメモリ検索手段と、
この読出された各講習コースを検索結果として出力する検索結果出力手段と
を備えたことを特徴とする人事管理システム。
【請求項2】
複数種類の講習コースを記憶する講習コースデータベースを有し、
前記コーステンプレートメモリは、前記講習コースデータベースに記憶された複数の講習コースのうち、講習内容が類似している講習コースどうし、及び同一講習内容で実施場所又は実施時期が異なるものどうしを抽出してこれらをまとめてコーステンプレートとして記憶していること
を特徴とする請求項1記載の人事管理システム。
【請求項3】
講習コースの削除、追加、変更の指示入力に応じて、前記講習コースデータベースに対する講習コースの削除、追加、変更を行う講習コースデータベース更新手段と、
コーステンプレートを指定した、講習コースの削除、追加、変更の指示入力に応じて、前記コーステンプレートメモリに記憶されている当該コーステンプレートに所属する講習コースの削除、追加、変更を行うコーステンプレート更新手段と
を備えたことを特徴とする請求項2記載の人事管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−191934(P2008−191934A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−25831(P2007−25831)
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月5日(2007.2.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】
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