説明

人体局部洗浄装置

【課題】 本発明は上記問題点に鑑みて成されたものであり、洗浄ノズルの前面を洗浄する人体局部洗浄装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
人体局部を洗浄するお尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20と、お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20を収納するノズルガイド30と、お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20を待機位置と洗浄位置との間を進退させる駆動部40と、を備える人体局部洗浄装置1であって、ノズルガイド30は、ノズルガイド30の前面にお尻洗浄ノズル10とビデ洗浄ノズル20が進退する開口12、22が形成され、ノズルガイド30の前面と隙間S5を形成するシャッター70が回動自在に設けられ、シャッター70は、開口12、22から流出する清掃水をシャッター70と開口12、22とを伝って隙間S5に流し、便器内部へ流すことを特徴とする構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体局部を洗浄する人体局部洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、人体局部洗浄装置として種々のものが提案されている。例えば、便器に搭載される基部に進退可能に洗浄ノズルが装備され、洗浄ノズルの上方から洗浄ノズルの上面及び左右方向側面に向けて清掃水を噴射する清掃水噴射体を有するものがある(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−7849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の人体局部洗浄装置では、清掃水噴射体が洗浄ノズルの上方に設けられ、清掃水を洗浄ノズルの上方から噴射する。これにより、前進方向における洗浄ノズルの前面には清掃水が噴射されず、洗浄ノズルの前面を十分に洗浄できない問題がある。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みて成されたものであり、洗浄ノズルの前面を洗浄する人体局部洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の課題解決手段は、人体局部を洗浄する洗浄ノズルと、中空形状を有するとともに前記洗浄ノズルを収納するノズルガイドと、前記洗浄ノズルを前記ノズルガイドに収納した待機位置と前記人体局部側へ前記洗浄ノズルを前進させた洗浄位置との間を進退させる駆動部と、備える人体局部洗浄装置であって、前記ノズルガイドは、前記洗浄ノズルの進退方向における前記ノズルガイドの先端部に前記洗浄ノズルが進退する開口が形成され、前記先端部と対向するとともに前記先端部との間に隙間を形成するシャッターが回動自在に設けられ、前記シャッターは、前記開口から流出する前記洗浄ノズルを洗浄する清掃水を前記シャッターと前記開口とを伝って前記隙間に流し、便器内部へ流すことを特徴とする構成である。
【0007】
本発明の第2の課題解決手段は、前記シャッターは、前記開口から流出する前記清掃水が前記シャッターから跳ね返って前記開口に当たる態様で設けられる請求項1に記載の人体局部洗浄装置。
【0008】
本発明の第3の課題解決手段は、前記ノズルガイドは、前記ノズルガイドの全周に亘り設けられるとともに、前記洗浄ノズルと前記ノズルガイドとの間に前記清掃水が流れる空隙を形成する溝を有し、前記溝は、前記ノズルガイド内に前記清掃水を供給する給水部が設けられ、前記清掃水は、前記洗浄ノズルの周方向に沿って前記溝を流れることを特徴とする構成である。
【0009】
本発明の第4の課題解決手段は、前記洗浄ノズルは、お尻洗浄ノズルとビデ洗浄ノズルとからなり、前記ノズルガイドは、前記お尻洗浄ノズルと前記ビデ洗浄ノズルとを仕切って収納する構成である。
【0010】
本発明の第5の課題解決手段は、前記給水部は、前記お尻洗浄ノズルに前記清掃水を供給するお尻洗浄ノズル用給水口と、前記ビデ洗浄ノズルに前記清掃水を供給するビデ洗浄ノズル用給水口と、を有する構成である。
【0011】
本発明の第6の課題解決手段は、前記駆動部は、前記お尻洗浄ノズル及び前記ビデ洗浄ノズルの洗浄時に前記お尻洗浄ノズル及び前記ビデ洗浄を進退させる構成である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の人体局部洗浄装置では、ノズルガイドの先端部の開口から流出する清掃水がシャッターとノズルガイドの先端部の開口とを伝って流れる為、洗浄ノズルが待機位置の状態において、洗浄ノズルの前面に清掃水が流れ、洗浄ノズルの前面に付着した汚れを洗浄することができる。
【0013】
また、開口から流出する清掃水がシャッターから跳ね返って開口に当たるように、シャッターがノズルガイドに設けられる。これにより、シャッターと開口を伝って隙間を流れる清掃水を確実に形成することができる。
【0014】
また、洗浄ノズルとノズルガイドとの間に清掃水が流れる空隙を形成する溝がノズルガイドの全周に亘り設けられ、清掃水は溝内を洗浄ノズルの周方向に沿って流れる。これにより、溝に設けられる給水部から供給される清掃水が洗浄ノズルの下面を含めて全周に亘り流れる為、洗浄ノズルの下面を含めた全周に付着した汚れを洗浄することができる。ここで、「周方向」は、洗浄ノズルの長手方向を中心軸とした円周方向を意味する。
【0015】
また、人体局部洗浄装置をお尻洗浄ノズルとビデ洗浄ノズルのどちらにも適用することができ、また、両方のノズルを備えた構成にも適用することができる。また、ノズルガイドに収納されたお尻洗浄ノズルとビデ洗浄ノズルは、ノズルガイド内で仕切られている為、ノズル洗浄時にお尻洗浄ノズルに付着した汚れがビデ洗浄ノズルに飛散することがなく、ビデ洗浄ノズルの清潔性を向上することができる。
【0016】
また、給水部がお尻洗浄ノズル用給水口及びビデ洗浄ノズル用給水口を有する為、一つの給水部から、お尻洗浄ノズル及びビデ洗浄ノズルに清掃水を供給できる。これにより、各ノズルに給水部を設けることによる部品点数の増加を抑えることができる。
【0017】
また、お尻洗浄ノズル及びビデ洗浄ノズルの洗浄時に、駆動部によりお尻洗浄ノズル及びビデ洗浄ノズルを進退させて、ノズルガイドの溝内を移動させることができる。これにより、お尻洗浄ノズル及びビデ洗浄ノズルを長手方向において広範囲に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】ノズルガイドの正面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図3のB−B断面図の説明図である。
【図5】本発明の第2の実施形態を示す斜視図である。
【図6】図5のC−C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施形態)
以下に本発明の第1の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の人体局部洗浄装置1を説明する斜視図である。人体局部洗浄装置1は、ユニットケース2と、お尻洗浄ノズル10(洗浄ノズル)と、ビデ洗浄ノズル20(洗浄ノズル)と、駆動部40と、を備えている。
【0021】
尚、以降において、ノズルの長手方向を中心軸とした円周方向を「周方向C」と称する。
【0022】
ユニットケース2は、図1に示されるように縦長形状で、図中右下が便器の内部側、図中左上が便器の後部側となっている。ユニットケース2には、ノズルガイド30が設けられ、ノズルガイド30は、長手方向に並行して延びる2つの中空形状のお尻洗浄ノズル用ガイド11とビデ洗浄ノズル用ガイド21を有する。また、お尻洗浄ノズル用ガイド11及びビデ洗浄ノズル用ガイド21は、長手方向に延びる仕切り壁31により空間が仕切られている。また、お尻洗浄ノズル用ガイド11とビデ洗浄ノズル用ガイド21は上下方向において上からビデ洗浄ノズル用ガイド21、お尻洗浄ノズル用ガイド11の順に併設される。また、ノズルガイド30は、後方から前方に向かって斜め下方に傾けて設けられる。
【0023】
お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20は、お尻洗浄ノズル用ガイド11及びビデ洗浄ノズル用ガイド21に沿って進退方向Lに延びる略筒状である。また、お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20の前方先端上面には略円形の噴出口(図略)が形成されて、人体局部を洗浄する洗浄水を噴出する。お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20は、お尻洗浄ノズル用ガイド11及びビデ洗浄ノズル用ガイド21の内部に進退可能に収納され、図1においては後退して待機位置に収納されている。ノズルガイド30の前方先端右側面には、上下方向略中央位置に右方向に延びる略筒状の給水口50が設けられる。そして、清掃水を貯留した清掃水タンク(図略)からホース(図略)を介して給水口50へ清掃水が供給され、清掃水がノズルガイド30の内部に供給される。供給された清掃水は、ノズルガイド30の内部からお尻洗浄ノズル用ガイド11及びビデ洗浄ノズル用ガイド21の開口12、22から流出する。
【0024】
駆動部40は、お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20の前進後退動作を駆動するものである。駆動部40は、お尻洗浄ノズル用モータ42と、ビデ洗浄ノズル用モータ41と、ビデ用第1ギヤ43と、ビデ用第2ギヤ44と、お尻用ギヤ(図略)とで構成されている。なお、本実施例では、お尻洗浄ノズル用モータ42及びビデ洗浄ノズル用モータ41には、例えばステッピングモータを使用する。ビデ洗浄ノズル用モータ41は、ノズルガイド30の進退方向Lの略中央の位置のユニットケース2に設けられる。ビデ洗浄ノズル用モータ41の出力軸には、ビデ用第1ギヤ43とビデ用第2ギヤ44が設けられる。なお、本実施例では、ビデ用第1ギヤ43、ビデ用第2ギヤ44、お尻用ギヤには、例えばピニオンギヤを使用する。また、お尻洗浄ノズル用モータ42は、ビデ洗浄ノズル用モータ41の位置より進退方向Lの前方側のユニットケース2に設けられる。お尻洗浄ノズル用モータ42の出力軸には、お尻用ギヤが設けられる。そして、ビデ洗浄ノズル用モータ41及びお尻洗浄ノズル用モータ42の出力軸が回転することにより、お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20は人体局部を洗浄する洗浄位置に向かって前進し、出力軸が逆回転すると洗浄ノズル用ガイド11及びビデ洗浄ノズル用ガイド21内に後退して待機位置に収納されるように構成されている。
【0025】
また、進退方向L後方のお尻洗浄ノズル10の左側面には、お尻洗浄ノズル10に洗浄水を供給するお尻洗浄ノズル用給水部16が設けられる。同様に、進退方向L後方のビデ洗浄ノズル20の左側面には、ビデ洗浄ノズル20に洗浄水を供給するビデ洗浄ノズル用給水部26が設けられる。また、お尻洗浄ノズル用給水部16にお尻用給水ホース(図略)が配設され、ビデ洗浄ノズル用給水部26にビデ用給水ホース27が配設される。そして、洗浄水を貯留する洗浄水タンク(図略)から洗浄水が、お尻用給水ホース内を流れてお尻洗浄ノズル用給水部16からお尻洗浄ノズル10に供給される。同様に、洗浄水タンクから洗浄水が、ビデ用給水ホース27内を流れてビデ洗浄ノズル用給水部26からビデ洗浄ノズル20に供給される。
【0026】
お尻洗浄ノズル用給水部16に曲げて配設されるお尻用給水ホースは、元の形状に戻る力が働くことにより、お尻用給水ホースに上方向へ力F1が働き、お尻洗浄ノズル用給水部16にも上方向に力F1が生じる。同様に、洗浄ノズル用給水部26に曲げて配設されるビデ用給水ホース27は、元の形状に戻る力が働くことにより、ビデ用給水ホース27に上方向へ力F2が働き、ビデ洗浄ノズル用給水部26にも上方向に力F2が生じる。そして、力F1、F2によりお尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20の周方向Cに回転する動作が生じる。なお、周方向Cは、お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20の進退方向Lを中心軸とした円周方向である。
【0027】
また、お尻洗浄ノズル用ガイド11の左側面に進退方向Lに延びるお尻洗浄ノズル用ガイド穴(図略)が設けられる。また、ビデ洗浄ノズル用ガイド21の左側面に進退方向Lに延びるビデ洗浄ノズル用ガイド穴(図略)が設けられる。お尻洗浄ノズル用給水部16は、お尻洗浄ノズル用給水部16の上下面がお尻洗浄ノズル用ガイド穴内を円滑に摺動できる最小限の隙間をもって係合している。そして、お尻洗浄ノズル10が進退方向Lに移動すると、お尻洗浄ノズル用給水部16は進退方向Lにおいてお尻洗浄ノズル用ガイド穴内を移動する。同様に、ビデ洗浄ノズル用給水部26は、ビデ洗浄ノズル用給水部26の上下面がビデ洗浄ノズル用ガイド穴内を円滑に摺動できる最小限の隙間をもって係合している。そして、ビデ洗浄ノズル20が進退方向Lに移動すると、ビデ用給水部26は進退方向Lにおいてビデ洗浄ノズル用ガイド穴内を移動する。
【0028】
また、移動時のお尻洗浄ノズル10は、お尻洗浄ノズル用モータ42の出力軸及びお尻用ギヤの回転により左方向に押される力を受ける。同様に、移動時のビデ洗浄ノズル20は、ビデ洗浄ノズル用モータ41の出力軸、ビデ用第1ギヤ43、ビデ用第2ギヤ44の回転により左方向に押される力を受ける。
【0029】
図2は、ノズルガイド30の正面図である。お尻洗浄ノズル用ガイド11の開口部12には、上下方向に突出するお尻用第1突出部14及び左右方向に突出するお尻用第2突出部15が形成される。お尻洗浄ノズル用ガイド11に収納されるお尻洗浄ノズル10は、お尻洗浄ノズル10の上下面がお尻用第1突出部14と接触する。これにより、お尻洗浄用ノズル給水部16に加わる力F1による図中反時計周りの回転動作を抑制し、回転によるお尻洗浄ノズル10のガタの発生を防いでいる。また、左右方向においてお尻洗浄ノズル10の左側面がお尻用第2突出部15に接触する。これにより、お尻洗浄ノズル用モータ42の出力軸及びお尻用ギヤの回転によるお尻洗浄ノズル10の左方向への移動を抑制し、お尻洗浄ノズル10の左右方向へのガタの発生を防いでいる。
【0030】
同様に、ビデ洗浄ノズル用ガイド21の開口部22には、上下方向に突出するビデ用第1突出部24及び左右方向に突出するビデ用第2突出部25が形成される。ビデ洗浄ノズル用ガイド21に収納されるビデ洗浄ノズル20は、ビデ洗浄ノズル20の上下面がビデ用第1突出部24と接触する。これにより、ビデ洗浄用ノズル給水部26に加わる力F2による図中反時計周りの回転を抑制し、回転によるビデ洗浄ノズル20のガタの発生を防いでいる。また、左右方向においてビデ洗浄ノズル20の左側面がビデ用第2突出部25に接触する。これにより、ビデ洗浄ノズル用モータ41の出力軸、ビデ用第1ギヤ43、ビデ用第2ギヤ44の回転によるビデ洗浄ノズル20の左方向への移動を抑制し、ビデ洗浄ノズル20の左右方向へのガタの発生を防いでいる。
【0031】
また、お尻洗浄ノズル用ガイド11とお尻洗浄ノズル10との間には隙間S1が形成される。お尻洗浄ノズル用ガイド11とお尻洗浄ノズル10の上面との幅D1は0.3mmであり、お尻洗浄ノズル10の下面との幅D2は0.2mmである。同様に、ビデ洗浄ノズル用ガイド21とビデ洗浄ノズル20間には隙間S2が形成される。ビデ洗浄ノズル用ガイド21とビデ洗浄ノズル20の上面との幅D3は0.3mmであり、ビデ洗浄ノズル20の下面との幅D4は0.2mmである。給水口50から供給される清掃水は、お尻洗浄ノズル用ガイド11及びビデ洗浄ノズル用ガイド21の内部を流れて開口部12及び開口部22の隙間S1及び隙間S2から流出し、便器の内部に流れる。
【0032】
図3は、図2のノズルガイド30の前方向先端部のA−A断面図である。お尻洗浄ノズル用ガイド11の内周には、全周に亘りお尻ガイド用溝13(溝)が設けられる。お尻ガイド用溝13の深さは、全周に亘り距離H1であり、距離H1は0.5mmである。また、お尻ガイド用溝13とお尻洗浄ノズル10との間には隙間S3(空隙)が形成される。また、お尻ガイド用溝13は、待機位置のお尻洗浄ノズル10の噴出口(図略)を覆う位置に形成される。同様に、ビデ洗浄ノズル用ガイド21の内周には、全周に亘りビデガイド用溝23(溝)が設けられる。ビデガイド用溝23の深さは、全周に渡り距離H2であり、距離H2は0.5mmである。また、ビデガイド用溝23とビデ洗浄ノズル21との間には隙間S4(空隙)が形成される。また、ビデガイド用溝23は、待機位置のビデ洗浄ノズル20の噴出口(図略)を覆う位置に形成される。また、お尻用第1突出部14及びお尻用第2突出部15は、お尻洗浄ノズル用ガイド11の前面とお尻ガイド用溝13の間において、お尻洗浄ノズル用ガイド11の内周に設けられる。また、ビデ用第1突出部24及びビデ用第2突出部25は、ビデ洗浄ノズル用ガイド21の前面とビデガイド用溝23の間において、ビデ洗浄ノズル用ガイド21の内周に設けられる。
【0033】
給水口50の内部には、お尻洗浄ノズル用給水口51及びビデ洗浄ノズル用給水口52がノズルガイド30に貫設されている。お尻洗浄ノズル用給水口51は、お尻洗浄ノズル用ガイド11のお尻ガイド用溝13に貫設され、ビデ洗浄ノズル用給水口52は、ビデ洗浄ノズル用ガイド21のビデガイド用溝23に貫設される。
【0034】
図4は、図3のB−B断面図の説明図である。給水口50の内部には、右方向に延びる略矩形板状の分岐壁53がノズルガイド30に設けられる。分岐壁53は、上下方向において、お尻洗浄ノズル用給水口51とビデ洗浄ノズル用給水口52との間に設けられる。そして、清掃水タンクからホース60内を流れて供給される清掃水は、給水口50内の分岐壁53により分けられて流路A、Bを通る2つの水流を形成する。ここで、給水口50と分岐壁53の上面との距離D5とお尻洗浄ノズル用給水口51の幅D5は等しく設定される。また、給水口50と分岐壁53の下面との距離D6とビデ洗浄ノズル用給水口52の幅D6は等しく設定される。さらに、D5、D6は等しく設定されており、流路A、Bを流れる清掃水の流量は1対1の関係にある。また、お尻洗浄ノズル用給水口51はお尻ガイド用溝13の上端右側面に設けれ、ビデ洗浄ノズル用給水口52はビデガイド用溝23の下端右側面に設けられる。
【0035】
次に人体局部洗浄装置1の動作、作用について説明する。
【0036】
人体局部洗浄装置1による洗浄開始時において、お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20は、ノズルガイド30に待機位置にて収納された状態である。そして、洗浄を開始すると清掃水タンクから清掃水がホース60内を流れて給水口50に供給される。そして、供給された清掃水が分岐壁53により2つの水流に分けられて流路A、Bを通る。流路A、Bには等しい流量の清掃水が流れ、お尻洗浄ノズル用給水口51及びビデ洗浄ノズル用給水口52を通り、お尻ガイド用溝13及びビデガイド用溝23へ供給される。また、給水口50と分岐壁53によって形成される流路A、Bを流れることにより、お尻洗浄ノズル10の上面及びビデ洗浄ノズル20の下面を沿うように流れる直線状の水流A1及びB1が形成される。
【0037】
水流A1は、お尻ガイド用溝13内を図中時計回りに流れる。つまり、水流A1は、お尻洗浄ノズル10の周方向Cに沿って流れることにより、お尻洗浄ノズル10の上下面及び左右方向側面に付着した汚れを取る流れとなる。また、水流A1から分流して図中反時計回りに流れる水流A2が形成される。水流A2は、重力により下方に落ちることで形成されるか、もしくはお尻ガイド用溝13内が清掃水で満たされた後に形成される。この水流A2も、お尻洗浄ノズル10に付着した汚れを取る流れとなる。
【0038】
水流B1は、ビデガイド用溝23内を図中反時計回りに流れる。つまり、水流B1は、ビデ洗浄ノズル20の周方向Cに沿って流れることにより、ビデ洗浄ノズル20の上下面及び左右方向側面に付着した汚れを取る流れとなる。また水流B1から分流して図中時計回りに流れる水流B2が形成される。水流B2は、ビデガイド用溝23内が清掃水で満たされた後に形成され、ビデ洗浄ノズル20に付着した汚れを取る流れとなる。これらの水流A1、A2、B1、B2は、お尻ガイド用溝13及びビデガイド用溝23内を流れた後、ノズルガイド30の内部を進退方向L前方に流れて、ノズルガイド30の開口部12、22から流出し、便器内部に流れる。また、お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20の洗浄時において、お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20を前進させる。この前進により、待機位置においてお尻ガイド用溝13及びビデガイド用溝23よりも進退方向L後方に収納されたお尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20を洗浄する。
【0039】
以上詳述したように、本発明の実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
【0040】
(1)本発明の人体局部洗浄装置では、お尻洗浄ノズル10とお尻洗浄ノズル用ガイド11との間にお尻ガイド用溝13が設けられ、ビデ洗浄ノズル11とビデ洗浄ノズル用ガイド21との間にビデガイド用溝23が設けられる。そして、給水口50から供給される清掃水が、お尻ガイド用溝13及びビデガイド用溝23内をお尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20の周方向Cに沿って流れる。これにより、清掃水は、お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20の上下面及び左右方向側面に沿って流れる為、お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20に付着した汚れを下面を含めた全周に亘り洗浄することができる。
【0041】
(2)人体局部洗浄装置1をお尻洗浄ノズル10とビデ洗浄ノズル20の両方のノズルを備えた構成にも適用することができる。また、ノズルガイド30に収納されたお尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20は、お尻洗浄ノズル用ガイド11及びビデ洗浄ノズル用ガイド21に収納される為、ノズル洗浄時に、お尻洗浄ノズル10に付着した汚れがビデ洗浄ノズル20に飛散することがなく、ビデ洗浄ノズル20の清潔性を向上することができる。
【0042】
(3)給水口50がお尻洗浄ノズル用給水口51及びビデ洗浄ノズル用給水口52を有する為、一つの給水口50から、お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20に清掃水を供給できる。これにより、お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20へ清掃水を供給する構造を簡単化することができる。
【0043】
(4)お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20の洗浄時に、駆動部40によりお尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20を進退させて、お尻ガイド用溝13及びビデガイド用溝23内を移動させることができる。これにより、お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20を進退方向Lの広範囲に亘って洗浄することができる。
【0044】
(第2の実施形態)
以下に本発明の第2の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、第2の実施形態は、フィルター70を設けたことが第1の実施形態と異なる点であるため、共通する構成についてはその詳細な説明は省略する。
【0045】
図5は、シャッター70を設けた人体局部洗浄装置1を説明する斜視図である。シャッター70は、ノズルガイド30の進退方向L前方に設けられ、シャッター本体71と軸支部72とから構成される。シャッター本体71は、ノズルガイド30の進退方向Lのノズルガイド前面32(先端部)の外形と同形状である。シャッター本体71の上端からは、進退方向L後方へノズルガイド30の上面に沿って延びる軸支部72が形成される。そして、軸支部72が、ノズルガイド30の先端上面に設けられた軸受部(図略)に嵌合することによりノズルガイド30にシャッター70が回動自在に軸支される。また、図1のようにお尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20が待機位置にある場合は、シャッター70がノズルガイド前面32を覆い隠す状態となっている。
【0046】
図6は、図5のC−C断面図である。お尻洗浄ノズル用ガイド11に収納されるお尻洗浄ノズル10は、待機位置においてお尻洗浄ノズル10の前面が開口12と略面一である。同様に、ビデ洗浄ノズル用ガイド21に収納されたビデ洗浄ノズル20は、待機位置においてビデ洗浄ノズル20の前面が開口22と略面一である。シャッター70とノズルガイド前面32とは、距離H3の間隔である隙間S5が形成され、距離H3は3mmである。お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20とお尻洗浄ノズル用ガイド11及びビデ洗浄ノズル用ガイド21とのから流出する清掃水は、隙間S5内の水流Dとして下方に流れる。なお、清掃水の水量に応じて、距離H3を3mm以内に設定してもよい。
【0047】
次に人体局部洗浄装置1の動作、作用について説明する。
【0048】
待機位置の状態であるお尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20は、両ノズルの前面が開口12及び開口22と略面一である。この状態において、人体局部洗浄装置1が洗浄開始すると、清掃水がお尻洗浄ノズル用給水口51及びビデ洗浄ノズル用給水口52から供給される。清掃水は、お尻ガイド用溝13及びビデガイド用溝23内を流れるとともに、お尻洗浄ノズル用ガイド11及びビデ洗浄ノズル用ガイド21の中をお尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20の進退方向Lに沿って下方へ流れる。そして、清掃水は、開口12及び開口22からシャッター70側へ流出する。流出した清掃水は、シャッター70に衝突し、跳ね返った清掃水が隙間S5に流れるか、ノズルガイド前面32、お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20の前面に衝突する。そして、隙間S5には、清掃水が水流シャッター70とノズルガイド前面32の開口12及び開口22との両方を伝って下方へ流れる水流Dが形成される。これにより、水流Dは、ノズルガイド前面、お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20の前面に付着した汚れを洗浄する流れとなる。そして、水流Dは、便器内部に流れ落ちる。
【0049】
また、シャッター70は、シャッター70の自重によりノズルガイド30の開口12及び開口22を閉塞する位置に垂下しており、お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20が洗浄時に進退方向L前方に前進する際、お尻洗浄ノズル10もしくはビデ洗浄ノズル20の先端部によりシャッター70を上方に押し開けながら移動する。収納時はその逆の動作を行い、お尻洗浄ノズル10もしくはビデ洗浄ノズル20上面に当接したシャッター70の下端はお尻洗浄ノズルもしくはビデ洗浄ノズル20の上面に沿って上下に開閉し収納時には元の状態に閉じる。
【0050】
以上詳述したように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態における(1)〜(4)の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
【0051】
(1)本発明の人体局部洗浄装置1では、開口12、22から流出する清掃水がシャッター70と開口12、22とを伝って流れる為、お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20が待機位置の状態において、お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20の前面に清掃水が流れ、お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20の前面に付着した汚れを洗浄することができる。また、水流Dは、隙間S5に溜まった状態の清掃水である為、多量の清掃水を一度にシャッター70と開口12及び開口22とを伝って流すことができる。これにより、清掃水による洗浄力を向上させることができる。
【0052】
(2)開口12、22から流出する清掃水がシャッター70から跳ね返って開口12、22に当たるように、シャッター70がノズルガイド30に設けられる。これにより、シャッター70と開口12、22を伝って隙間S5を流れる清掃水を確実に形成することができる。
【0053】
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態では、ノズルガイド30の先端右側面には、右方向に延びる略筒状の給水部50が設けられるが、ノズルガイド30の先端左側面に給水部50を設けてもよい。この場合にも上記実施形態の各効果に準じた効果を奏することができる。また、ノズルガイド30は、上下方向においてビデ洗浄ノズル用ガイド21、お尻洗浄ノズル用ガイド11が併設されるが、左右方向において併設してもよい。さらに、この場合において、給水部50はノズルガイド30の先端上面もしくは先端下面に設ける。この場合にも上記実施形態の各効果に準じた効果を奏することができる。
【0054】
また、お尻洗浄ノズル10及びビデ洗浄ノズル20は、お尻洗浄及びビデ洗浄の両機能を持った1本のノズルでもよい。この場合にも上記実施形態の各効果に準じた効果を奏することができる。また、シャッター70は、着脱可能に取り付けられたシャッターユニットでもよい。この場合にも上記実施形態の各効果に準じた効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 人体局部洗浄装置
10 お尻洗浄ノズル(洗浄ノズル)
11 お尻洗浄ノズル用ガイド
13 お尻ガイド用溝(溝)
20 ビデ洗浄ノズル(洗浄ノズル)
21 ビデ洗浄ノズル用ガイド
23 ビデガイド用溝(溝)
30 ノズルガイド
32 ノズルガイド前面(先端部)
40 駆動部
50 給水部
51 お尻洗浄ノズル用給水口
52 ビデ洗浄ノズル用給水口
70 シャッター
S3、S4 隙間(空隙)
S1、S2、S5 隙間
C 周方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体局部を洗浄する洗浄ノズルと、
中空形状を有するとともに前記洗浄ノズルを収納するノズルガイドと、
前記洗浄ノズルを前記ノズルガイドに収納した待機位置と前記人体局部側へ前記洗浄ノズルを前進させた洗浄位置との間を進退させる駆動部と、
を備える人体局部洗浄装置であって、
前記ノズルガイドは、前記洗浄ノズルの進退方向における前記ノズルガイドの先端部に前記洗浄ノズルが進退する開口が形成され、前記先端部と対向するとともに前記先端部との間に隙間を形成するシャッターが回動自在に設けられ、
前記シャッターは、前記開口から流出する前記洗浄ノズルを洗浄する清掃水を前記シャッターと前記開口とを伝って前記隙間に流し、便器内部へ流すことを特徴とする人体局部洗浄装置。
【請求項2】
前記シャッターは、前記開口から流出する前記清掃水が前記シャッターから跳ね返って前記開口に当たる態様で設けられる請求項1に記載の人体局部洗浄装置。
【請求項3】
前記ノズルガイドは、前記ノズルガイドの全周に亘り設けられるとともに、前記洗浄ノズルと前記ノズルガイドとの間に前記清掃水が流れる空隙を形成する溝を有し、
前記溝は、前記溝内に前記清掃水を供給する給水口が設けられ、
前記清掃水は、前記洗浄ノズルの周方向に沿って前記溝を流れることを特徴とする請求項2に記載の人体局部洗浄装置。
【請求項4】
前記洗浄ノズルは、お尻洗浄ノズルとビデ洗浄ノズルとからなり、
前記ノズルガイドは、前記お尻洗浄ノズルと前記ビデ洗浄ノズルとを仕切って収納する請求項3に記載の人体局部洗浄装置。
【請求項5】
前記給水部は、前記お尻洗浄ノズルに前記清掃水を供給するお尻洗浄ノズル用給水口と、前記ビデ洗浄ノズルに前記清掃水を供給するビデ洗浄ノズル用給水口と、を有する請求項4に記載の人体局部洗浄装置。
【請求項6】
前記駆動部は、前記お尻洗浄ノズル及び前記ビデ洗浄ノズルの洗浄時に前記お尻洗浄ノズル及び前記ビデ洗浄を進退させる請求項5に記載の人体局部洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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