説明

伝送ケーブル、伝送装置及びレーザ加工装置

【課題】捩れや屈曲等による応力発生箇所の発見を容易にすることができる伝送ケーブル、伝送装置及びレーザ加工装置を提供する。
【解決手段】外皮チューブ23の表面には、伝送ケーブル3への応力により発光する応力発光材料を含む発光ライン41が設けられるため、伝送ケーブル3に捩れ、又は屈曲の応力が加わるとそれらの応力が加わった箇所A,Bにおける発光ライン41が発光する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバを有する伝送ケーブル、該ケーブルを用いた伝送装置及びレーザ光源を含むレーザ発振器と該レーザ発振器から出射されるレーザ光を加工対象物に照射して所定の加工を行うヘッドユニットとを、該伝送ケーブルにて接続してなるレーザ加工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のレーザ加工装置は、例えば特許文献1にて開示されている。この特許文献1では、レーザ発振器から出射されるレーザ光は、光ファイバを有する伝送ケーブルにてヘッドユニットに伝送されるとともに、該ヘッドユニット内に備えた集光レンズから加工対象物に照射され、所定のレーザ加工が行われるようになっている。このようなレーザ加工装置では、ヘッドユニットを小型とすることができるため、ヘッドユニットの取り付けの自由度が増し、様々な角度からのレーザ加工を可能としている。
【特許文献1】特開2000−42771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記構成のレーザ加工装置において、伝送ケーブルの敷設の際に該伝送ケーブルの捩れや屈曲等の応力が加わると、その応力発生箇所ではレーザ光の伝送効率が低下してしまい、加工に十分なレーザ出力が得られない虞があった。そのため、伝送ケーブルの敷設の際に、該ケーブルに捩れや屈曲等の応力発生箇所を極力少なくする必要があるが、その伝送ケーブルの応力発生箇所を発見することは、特に伝送ケーブルの全長が長い場合ほど非常に困難であった。また、該伝送ケーブル及び該伝送ケーブルを用いた伝送装置においても同様の課題があり、この点においてなお、改善の余地を残すものとなっていた。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、捩れや屈曲等による応力発生箇所の発見を容易にすることができる伝送ケーブル、伝送装置及びレーザ加工装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、レーザ光を伝送する光ファイバを有する伝送ケーブルであって、前記光ファイバを被覆する外皮チューブには、該ケーブルへの応力により発光する応力発光材料を含む発光部位が該チューブの少なくとも表面に全長に亘り設けられていることをその要旨とする。
【0006】
この発明では、外皮チューブの表面には、応力により発光する応力発光材料を含む発光部位が設けられるため、捩れや屈曲等の応力が加わるとそれらの応力が加わった箇所における発光部位が発光する。これにより、伝送ケーブルの捩れや屈曲等による応力発生箇所の発見を容易にすることができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の伝送ケーブルにおいて、前記外皮チューブの発光部位は、該チューブの表面に前記応力発光材料を含む塗料を塗布されてなることをその要旨とする。
【0008】
この発明では、外皮チューブの発光部位は、該外皮チューブの表面に応力発光材料を含む塗料を塗布することで形成される。このため、発光部位を容易に形成することができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の伝送ケーブルにおいて、前記外皮チューブの発光部位は、該チューブの長手方向に沿った直線状をなすとともに、該チューブの他の部位とは異なる有色をなしていることをその要旨とする。
【0010】
この発明では、発光部位は、外皮チューブの長手方向に沿った直線状をなすとともに、該チューブとは異なる有色をなしているため、伝送ケーブルの捩れによる応力発生箇所をより容易に発見することができる。また、応力発光材料を含んだ塗料の塗布量も少なくて済む。
【0011】
請求項4に記載の発明は、レーザ光を伝送する光ファイバを有する伝送ケーブルにて第1の機器と第2の機器とが接続されてなる伝送装置であって、前記伝送ケーブルの前記光ファイバを被覆する外皮チューブには、該ケーブルへの応力により発光する応力発光材料を含む発光部位が該チューブの少なくとも表面に全長に亘り設けられていることをその要旨とする。
【0012】
この発明では、第1及び第2の機器間がレーザ光を伝送する光ファイバを有する伝送ケーブルにて接続され、伝送ケーブルの外皮チューブの表面には、伝送ケーブルへの応力により発光する応力発光材料を含む発光部位が設けられる。このため、伝送ケーブルに捩れや屈曲等の応力が加わるとそれらの応力が加わった箇所における発光部位が発光する。これにより、伝送ケーブルの捩れや屈曲等による応力発生箇所の発見を容易にすることができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の伝送装置において、前記外皮チューブの発光部位は、該チューブの表面に前記応力発光材料を含む塗料を塗布されてなることをその要旨とする。
【0014】
この発明では、外皮チューブの発光部位は、該外皮チューブの表面に応力発光材料を含む塗料を塗布することで形成される。このため、発光部位を容易に形成することができる。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の伝送装置において、前記外皮チューブの発光部位は、該チューブの長手方向に沿った直線状をなすとともに、該チューブの他の部位とは異なる有色をなしていることをその要旨とする。
【0016】
この発明では、発光部位は、外皮チューブの長手方向に沿った直線状をなすとともに、該チューブとは異なる有色をなしているため、伝送ケーブルの捩れによる応力発生箇所をより容易に発見することができる。また、応力発光材料を含んだ塗料の塗布量も少なくて済む。
【0017】
請求項7に記載の発明は、レーザ光を生成するレーザ光源を含んでなるレーザ発振器と、前記レーザ発振器にて生成された前記レーザ光を加工対象物に照射して所定の加工を行うための走査手段及び集光レンズを含んでなるヘッドユニットとを備え、前記レーザ光源から出射された光を前記ヘッドユニットに伝送する光ファイバを有する伝送ケーブルにて前記レーザ発振器と前記ヘッドユニットとが接続されてなるレーザ加工装置であって、前記伝送ケーブルの前記光ファイバを被覆する外皮チューブには、該ケーブルへの応力により発光する応力発光材料を含む発光部位が該チューブの少なくとも表面に全長に亘り設けられていることをその要旨とする。
【0018】
この発明では、レーザ発振器からのレーザ光をヘッドユニットに伝送するための光ファイバを有する伝送ケーブルの外皮チューブの表面には、伝送ケーブルへの応力により発光する応力発光材料を含む発光部位が設けられるため、伝送ケーブルに捩れや屈曲等の応力が加わるとそれらの応力が加わった箇所における発光部位が発光する。これにより、伝送ケーブルの捩れや屈曲等による応力発生箇所の発見を容易にすることができる。
【0019】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のレーザ加工装置において、前記外皮チューブの発光部位は、該チューブの表面に前記応力発光材料を含む塗料を塗布されてなることをその要旨とする。
【0020】
この発明では、外皮チューブの発光部位は、該外皮チューブの表面に応力発光材料を含む塗料を塗布することで形成される。このため、発光部位を容易に形成することができる。
【0021】
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載のレーザ加工装置において、前記外皮チューブの発光部位は、該チューブの長手方向に沿った直線状をなすとともに、該チューブの他の部位とは異なる有色をなしていることをその要旨とする。
【0022】
この発明では、発光部位は、外皮チューブの長手方向に沿った直線状をなすとともに、該チューブとは異なる有色をなしているため、伝送ケーブルの捩れによる応力発生箇所をより容易に発見することができる。また、応力発光材料を含んだ塗料の塗布量も少なくて済む。
【0023】
請求項10に記載の発明は、請求項7〜9のいずれか1項に記載のレーザ加工装置において、前記外皮チューブは、前記光ファイバを保護する保護チューブと兼用されたことをその要旨とする。
【0024】
この発明では、外皮チューブは、光ファイバを保護する保護チューブと兼用されるため、保護チューブを別部材として設けなくて済む。従って、レーザ加工装置の部品点数を減らすことができる。
【0025】
請求項11に記載の発明は、請求項7〜10のいずれか1項に記載のレーザ加工装置において、前記伝送ケーブルにて伝送された前記レーザ光の少なくとも一部を受光する受光手段と、前記受光手段にて受光された前記レーザ光の受光量に基づいて前記レーザ光の光量低下異常を判定する判定手段と、前記判定手段の判定に基づいて前記レーザ光の光量低下異常を報知する報知手段とを備えたことをその要旨とする。
【0026】
この発明では、判定手段は、受光手段にて受光されたレーザ光の受光量に基づいてレーザ光の光量低下異常を判定する。これにより、発光部位が発光しない若しくは発光の小さい応力が伝送ケーブルの多数の箇所に作用して結果的に加工に用いるレーザ光の光量が大きく低下するような異常が生じた場合でも、その光量低下異常を的確に検出することができる。また、該判定手段の判定に基づいてレーザ光の光量低下異常を報知する報知手段により、伝送ケーブルの捩れや屈曲等による応力発生箇所をより確実に発見することができる。
【0027】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載のレーザ加工装置において、前記判定手段は、前記レーザ光の受光量と第1及び第2の閾値との比較に基づいて前記レーザ光の光量低下異常を2段階で判定することをその要旨とする。
【0028】
この発明では、判定手段により前記レーザ光の受光量と第1及び第2の閾値との比較に基づいて2段階でレーザ光の光量低下異常が判定されるため、その光量低下異常をより的確に検出することができる。
【0029】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載のレーザ加工装置において、前記レーザ光の受光量と前記第1の閾値との比較による前記判定手段の判定に基づいて前記レーザ光の光量低下異常を前記報知手段にて報知するとともに、前記レーザ光の受光量と前記第1の閾値よりも値が小さい前記第2の閾値との比較による前記判定手段の判定に基づいて前記レーザ発振器のレーザ出力を停止させることをその要旨とする。
【0030】
この発明では、第1の閾値による判定に基づいてレーザ光の光量低下異常が報知手段にて報知され、その第1の閾値よりも小さい値である第2の閾値による判定に基づいてレーザ発振器のレーザ出力が止められるため、レーザ光の光量低下によるレーザ加工のミスを低減することができる。
【発明の効果】
【0031】
従って、上記記載の発明によれば、捩れや屈曲等による応力発生箇所の発見を容易にすることができる伝送ケーブル、伝送装置及びレーザ加工装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施の形態のレーザ加工装置1を示す。レーザ加工装置1は、レーザ光Lを発振するレーザ発振器2と、このレーザ発振器2に一端が接続された伝送ケーブル3と、伝送ケーブル3の他端が接続されたヘッドユニット4とからなる。
【0033】
レーザ発振器2は、レーザ光Lを生成するレーザ光源11と、制御装置12とからなり、レーザ光源11は、制御装置12にてその発振が制御されている。レーザ光源11から出射されたレーザ光Lは、伝送ケーブル3を介してヘッドユニット4に伝送される。
【0034】
ヘッドユニット4は、伝送ケーブル3にて伝送されたレーザ光Lを走査する走査手段としての一対のガルバノミラー31x,31yと、集光レンズ33とからなる。各ガルバノミラー31x,31yは、制御装置12の制御に基づく駆動装置32の駆動によりそれぞれ角度制御されており、これらガルバノミラー31x,31yによりレーザ光Lが2次元的に走査される。そして、各ガルバノミラー31x,31yにより走査されたレーザ光Lは、集光レンズ33にて集光されることにより加工対象Wに照射され、これにより、該加工対象Wにレーザ加工が行われるようになっている。
【0035】
レーザ発振器2とヘッドユニット4とを繋ぐ伝送ケーブル3は、レーザ発振器2及びヘッドユニット4に接続された光ファイバ21と、同じく双方に接続された信号線22と、これら光ファイバ21及び信号線22をその略全長に亘り被覆及び保護する外皮チューブ23とからなる。光ファイバ21はレーザ光Lを、信号線22は制御装置12からの制御信号をそれぞれヘッドユニット4に伝送する。
【0036】
外皮チューブ23は、弾性部材からなるとともに黒色をなしており、光ファイバ21と信号線22とを保護する保護チューブを兼ねている。また、この外皮チューブ23は、光ファイバ21にて伝送されるレーザ光Lの減衰を抑制している。
【0037】
外皮チューブ23の表面には、応力を加えることにより発光する応力発光材料(アルミ系又はストロンチウム系の金属)を含む塗料が該チューブ23の長手方向に沿って且つ全長に亘り連続した直線状に塗布されて発光部位としての発光ライン41が設けられている。発光ライン41は、捻れや屈曲等により生じる一定の応力が加わることにより蛍光に発光し、例えば非発光時では外皮チューブ23とは異なるオレンジ色であり、応力が加わることによりそのオレンジ色が蛍光に発光する。また、この発光ライン41は、可逆反応範囲内の応力が加えられる場合において繰り返し発光することが可能である。
【0038】
このような構成のレーザ加工装置1において、図2(a)に示すように伝送ケーブル3の箇所Aにて捻れが生じた場合には、その捩れの応力が加わった箇所Aの発光ライン41が発光する。また、図2(b)に示すように伝送ケーブル3の箇所Bにて屈曲が生じた場合には、その屈曲の応力が加わった箇所Bの発光ライン41が発光する。これにより、伝送ケーブル3の敷設時に捻れや屈曲等、伝送効率低下に繋がる応力発生箇所が敷設作業者の目視により容易に発見が可能となっている。
【0039】
次に、本実施の形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)外皮チューブ23の表面には、伝送ケーブル3への応力により発光する応力発光材料を含む発光ライン41が設けられるため、伝送ケーブル3に捩れ、又は屈曲の応力が加わるとそれらの応力が加わった箇所A,Bにおける発光ライン41が発光する。これにより、伝送ケーブルの捩れや屈曲等による応力発生箇所の発見を容易にすることができる。
【0040】
(2)外皮チューブ23の発光ライン41は、該外皮チューブ23の表面に応力発光材料を含む塗料を塗布することで形成される。このため、発光ライン41を容易に形成することができる。
【0041】
(3)発光ライン41は、外皮チューブ23の全長に亘り連続した直線状をなしているため、伝送ケーブル3の捩れによる応力発生箇所をより容易に発見することができる。また、発光ライン41を形成するための応力発光材料を含んだ塗料の塗布量も少なくて済む。
【0042】
(4)外皮チューブ23は、光ファイバ21及び信号線22を保護する保護チューブと兼用されるため、保護チューブを別部材として設けなくて済む。従って、レーザ加工装置1の部品点数を減らすことができる。
【0043】
尚、本発明の実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、発光ライン41は、連続した直線状であるが、連続していない例えば破線状であってもよい。
【0044】
・上記実施の形態では、外皮チューブ23は、黒色としたが、黒以外の有色で例えば白でもよい。
・上記実施の形態では、発光ライン41には、オレンジ色のものを用いたが、特にこれに限定されず、外皮チューブ23とは異なる色であればよい。
【0045】
・上記実施の形態では、応力発光材料には、アルミ系、又はストロンチウム系の金属を用いたが、特にこれに限定されず、応力を加えることにより発光する材料であれば適宜変更してもよい。
【0046】
・上記実施の形態のレーザ加工装置1において、伝送ケーブル3にて伝送されたレーザ光Lの少なくとも一部を受光する受光手段としての受光装置51と、該受光装置51にて受光されたレーザ光Lの受光量に基づいてレーザ光Lの光量低下異常を判定する判定手段を有する制御装置12と、制御装置12の判定に基づいてレーザ光Lの光量低下異常を報知する報知手段としての報知装置52とを備えた構成としてもよい。詳述すると、図1の波線にて示すように、受光装置51は、ヘッドユニット4内に設けられるとともに、レーザ発振器2内に設けられた制御装置12と信号線22を介して電気的に接続される。そして、受光装置51は、受光したレーザ光Lの受光量の信号を該制御装置12に出力し、制御装置12は、レーザ光Lの受光量と第1の閾値及び第2の閾値との比較に基づいてレーザ光Lの光量低下異常を2段階で判定する。レーザ発振器2内に設けられた報知装置52は、レーザ光Lの受光量と第1の閾値との比較による制御装置12の判定に基づいてレーザ光Lの光量低下異常を報知する。また、制御装置12は、レーザ光Lの受光量と第1の閾値より小さい第2の閾値との比較による該制御装置12の判定に基づいてレーザ光源11から出射されるレーザ光Lのレーザ出力を停止させる。
【0047】
この構成によれば、レーザ光Lの光量低下異常を的確に検出することができる。特に、発光ライン41が発光しない若しくは発光の小さい応力が伝送ケーブル3の多数の箇所に作用して結果的に加工に用いるレーザ光Lの光量が大きく低下するような異常が生じた場合でも、その光量低下異常を的確に検出することができる。また、レーザ光Lの光量低下異常を報知する報知装置52により伝送ケーブルの捩れや屈曲等による応力発生箇所をより確実に発見することができる。更に、第2の閾値による判定に基づいてレーザ発振器のレーザ出力が止められるため、レーザ光Lの光量低下によるレーザ加工のミスを低減することができる。
【0048】
尚、上記した受光装置51は、ヘッドユニット4に設けられたが、それに限らず、例えばヘッドユニット4に伝送されたレーザ光Lの一部をレーザ発振器2に返す構成とし、レーザ発振器2内に設けた受光装置51にてレーザ光Lを受光してもよい。また、上記構成では、制御装置12にて判定を行っているが、それに限らず、例えば判定手段を設けたヘッドユニット4側で判定させてもよい。更に、上記構成では、報知装置52は、レーザ発振器2に設けられたが、それに限らず、例えばヘッドユニット4に設けてもよい。
【0049】
・上記実施の形態では、外皮チューブ23は、光ファイバ21及び信号線22を保護する保護チューブと兼用したが、保護チューブを別部材として設けてもよい。
・上記実施の形態では、発光部位は、外皮チューブ23の全長に亘り連続した直線状をなす発光ライン41としたが、特にこれに限定されるものではなく、例えば外皮チューブ23の表面全体に応力発光材料を含む塗料を塗布して設けられていればよい。また、応力発光材料を含む塗料を外皮チューブ23の表面に塗布して発光部位を設けたが、外皮チューブ23自体に応力発光材料を含ませて形成し、その応力発光材料を含む外皮チューブ23表面を発光部位としてもよい。
【0050】
・上記実施の形態では、伝送ケーブル3は、レーザ加工装置1に用いられたが、特にそれに限定されるものではなく、光ファイバを有する伝送ケーブルにて第1の機器と第2の機器とが接続された伝送装置や、それ以上の数の機器間を接続した伝達装置等に用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本実施の形態におけるレーザ加工装置の概略構成図である。
【図2】(a)は、捩れの応力が加わった伝送ケーブルを示す正面図であり、(b)は、屈曲の応力が加わった伝送ケーブルを示す正面図である。
【符号の説明】
【0052】
L…レーザ光、W…加工対象、1…レーザ加工装置、2…レーザ発振器、3…伝送ケーブル、4…ヘッドユニット、11…レーザ光源、12…判定手段を有する制御装置、21…光ファイバ、23…外皮チューブ、31x,31y…走査手段としてのガルバノミラー、33…集光レンズ、41…発光部位としての発光ライン、51…受光装置、52…報知装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を伝送する光ファイバを有する伝送ケーブルであって、
前記光ファイバを被覆する外皮チューブには、該ケーブルへの応力により発光する応力発光材料を含む発光部位が該チューブの少なくとも表面に全長に亘り設けられていることを特徴とする伝送ケーブル。
【請求項2】
請求項1に記載の伝送ケーブルにおいて、
前記外皮チューブの発光部位は、該チューブの表面に前記応力発光材料を含む塗料を塗布されてなることを特徴とする伝送ケーブル。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の伝送ケーブルにおいて、
前記外皮チューブの発光部位は、該チューブの長手方向に沿った直線状をなすとともに、該チューブの他の部位とは異なる有色をなしていること特徴とする伝送ケーブル。
【請求項4】
レーザ光を伝送する光ファイバを有する伝送ケーブルにて第1の機器と第2の機器とが接続されてなる伝送装置であって、
前記伝送ケーブルの前記光ファイバを被覆する外皮チューブには、該ケーブルへの応力により発光する応力発光材料を含む発光部位が該チューブの少なくとも表面に全長に亘り設けられていることを特徴とする伝送装置。
【請求項5】
請求項4に記載の伝送装置において、
前記外皮チューブの発光部位は、該チューブの表面に前記応力発光材料を含む塗料を塗布されてなることを特徴とする伝送装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の伝送装置において、
前記外皮チューブの発光部位は、該チューブの長手方向に沿った直線状をなすとともに、該チューブの他の部位とは異なる有色をなしていること特徴とする伝送装置。
【請求項7】
レーザ光を生成するレーザ光源を含んでなるレーザ発振器と、前記レーザ発振器にて生成された前記レーザ光を加工対象物に照射して所定の加工を行うための集光レンズを含んでなるヘッドユニットとを備え、
前記レーザ光源から出射された光を前記ヘッドユニットに伝送する光ファイバを有する伝送ケーブルにて前記レーザ発振器と前記ヘッドユニットとが接続されてなるレーザ加工装置であって、
前記伝送ケーブルの前記光ファイバを被覆する外皮チューブには、該ケーブルへの応力により発光する応力発光材料を含む発光部位が該チューブの少なくとも表面に全長に亘り設けられていることを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項8】
請求項7に記載のレーザ加工装置において、
前記外皮チューブの発光部位は、該チューブの表面に前記応力発光材料を含む塗料を塗布されてなることを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のレーザ加工装置において、
前記外皮チューブの発光部位は、該チューブの長手方向に沿った直線状をなすとともに、該チューブの他の部位とは異なる有色をなしていること特徴とするレーザ加工装置。
【請求項10】
請求項7〜9のいずれか1項に記載のレーザ加工装置において、
前記外皮チューブは、前記光ファイバを保護する保護チューブと兼用されたことを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項11】
請求項7〜10のいずれか1項に記載のレーザ加工装置において、
前記伝送ケーブルにて伝送された前記レーザ光の少なくとも一部を受光する受光手段と、
前記受光手段にて受光された前記レーザ光の受光量に基づいて前記レーザ光の光量低下異常を判定する判定手段と、
前記判定手段の判定に基づいて前記レーザ光の光量低下異常を報知する報知手段と
を備えたことを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項12】
請求項11に記載のレーザ加工装置において、
前記判定手段は、前記レーザ光の受光量と第1及び第2の閾値との比較に基づいて前記レーザ光の光量低下異常を2段階で判定することを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項13】
請求項12に記載のレーザ加工装置において、
前記レーザ光の受光量と前記第1の閾値との比較による前記判定手段の判定に基づいて前記レーザ光の光量低下異常を前記報知手段にて報知するとともに、前記レーザ光の受光量と前記第1の閾値よりも値が小さい前記第2の閾値との比較による前記判定手段の判定に基づいて前記レーザ発振器のレーザ出力を停止させることを特徴とするレーザ加工装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−89899(P2008−89899A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−269863(P2006−269863)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000106221)サンクス株式会社 (578)
【Fターム(参考)】