説明

低アレルギー性フード組成物

【課題】動物による消費のための低アレルギー性組成物を提供する。
【解決手段】凍結されたか、真空乾燥されたか、噴霧乾燥されたか、ドラム乾燥された、半個体配合物加水分解産物を含む組成物、並びに、食品アレルギーの症状を軽減するための、このような組成物の製造及び使用方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対するクロスリファレンス
本出願は、2004年9月24日に出願された米国特許出願第60/612,661号及び2004年11月23日に出願された米国特許出願第10/996,223号に対する優先権を請求し、これらの全開示を本明細書において参考のために引用する。
【0002】
本発明は一般に、動物による消費のための組成物に関し、特に、加水分解産物を含む低アレルギー性組成物(hypoallergenic composition)並びにこのような組成物の使用方法及びこのような組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
コンパニオン動物(例えば、犬及び猫)を含む哺乳類は、食品に対するアレルギーに苦しみ得る。場合によっては、苦しんでいるコンパニオン動物の介護者は、単数または複数の食品アレルゲンを低減するかまたは除外する制限食を動物に摂取させることによって、動物の食品アレルギーの症状を軽減しようと試みる。アレルゲン制限食に適合するペットフードに対する需要に答えて、幾つかの市販のペットフードの製造者は、低アレルギー性ペットフードを開発した。幾つかのこのようなフードは、固体または“ドライフード”形式の例えばキブルで販売されてきた。こうした低アレルギー性ペットフードは、特定のコンパニオン動物にとってはおいしくないかまたは不適切であり得る。このようなドライフードは、その上、様々な他の理由でペット所有者にとって望ましくなくなり得る。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、動物による消費のための、加水分解産物を含む低アレルギー性組成物、例えば、ヒドロシレート(hydrosylate)を含むフード、栄養補助剤、トリート、またはトイを提供する。このような組成物は、様々な哺乳類の及び非哺乳類の動物の場合に使用するのに適している。1つのこのような具体例においては、組成物は、半固体配合物を含む。本発明はまた、このような組成物、トリート、及びトイの製造方法並びに動物の利益のためのこのような組成物、トリート、及びトイの使用方法を提供する。
【0005】
本発明の他の目的、特徴及び利点並びにさらなる目的、特徴及び利点は、当業者には容易に明白であろう。
【発明を実施するための形態】
【0006】
好適な具体例のこの詳細な説明は、当分野において熟練した他の人が、特定の使用の要件に最も適することができる多数の形態で本発明を適合させ、利用できるように、当分野において熟練した他の人に、本発明、その原理、及びその実際的な利用を知らせることのみを意図されている。この詳細な説明及びその具体的な例は、本発明の好適な具体例を示すが、説明するためのみのものである。本発明は、従って、本明細書に説明されている好適な具体例に限定されず、様々に修正してよい。
【0007】
本発明の組成物及び方法は、ヒト以外の哺乳類の例えばヒト以外の霊長類(例えばサル、チンパンジー等)、コンパニオン動物(例えば、犬、猫、馬等)、家畜(例えば、ヤギ、ヒツジ、豚、牛等)、実験動物(例えば、マウス、ラット等)、並びに野生の及び動物園の動物(例えば、狼、熊、鹿等)を含む様々な哺乳類のために有用である。幾つかの具体例においては、動物は肉食哺乳類、すなわち、肉を食する哺乳類である。他の具体例においては、動物は雑食哺乳類、すなわち、植物及び肉の両方を食する哺乳類である。さらなる具体例においては、動物はコンパニオン動物である。他の具体例においては、動物は猫または犬である。
【0008】
本発明は、コンパニオン動物に対して低アレルギー性であり、半固体配合物状態であるペットフードを提供する。こうした組成物は、コンパニオン動物の食餌のためのタンパク質、ポリペプチド及び/またはアミノ酸の低アレルギー性栄養源として役立つ加水分解産物を含む。
【0009】
様々な具体例においては、低アレルギー性ペットフードは、許容可能な半固体配合物状態で加水分解産物を含む組成物を含むことができる。幾つかの構成においては、本明細書において説明する低アレルギー性ペットフードによって含まれる加水分解産物は、凍結加水分解産物、新たに製造される加水分解産物または使用する前に冷却して貯蔵される加水分解産物とすることができる。その上、本明細書において様々な構成において説明する低アレルギー性ペットフードによって含まれる加水分解産物は、加水分解産物を凍結するか、加水分解産物を真空乾燥するか、加水分解産物を噴霧乾燥するか、加水分解産物をドラム乾燥するかまたは加水分解産物を凍結乾燥することを含む方法によって製造される加水分解産物とすることができる。幾つかの構成においては、加水分解産物は、加水分解産物を凍結することを含む方法によって製造できる。
【0010】
他の具体例においては、低アレルギー性ペットフードは、ペット動物及びペットの介護者の両方にとって許容可能な組成物を含むことができる。本発明の様々な具体例におけるペットフード組成物の許容可能性は、動物にとっての感覚器官の許容可能性(organoleptic acceptability)を含み、これは、例えば、消費試験において試験動物によって消費される組成物の平均量を決定することによって測定できる。消費試験において試験動物によって消費される平均量が少なくとも栄養的に十分な量で栄養素を提供する場合、組成物は、本明細書において、感覚器官的に許容可能であるとみなされる。許容可能性はまた、特定の態様においては、介護者が有利に組成物をペットに提供する気持ちになるような、ペット介護者にとっての組成物の魅力を含むことができる。加えて、許容可能な組成物は、有毒であるかまたは一般にペット動物による消費のために安全とみなされない成分を含まない組成物とすることができる。
【0011】
追加の具体例においては、感覚器官的に許容可能なペットフードは、ペット動物にとっておいしいペットフードとすることができる。こうした具体例のおいしい低アレルギー性ペットフードは、例えば、限定するものではなく、半固体形式、液体形式、例えばスラリー、グレービー、ゲル、ハッシュ、ピューレ、またはセミモイストペットフード配合物形式であるが、しかしグルーエルではない形式のペットフードとすることができる。感覚器官の許容可能性またはおいしさは、こうした具体例においては、おいしさ試験において標準化された条件下で動物による消費を試験することによって決定することができる。1つのおいしさ試験においては、複数の試験動物は、下記に説明する試験条件下で、本明細書において開示する組成物を有する試験低アレルギー性ペットフードと周知の組成物のペットフードを含む比較体食(comparator diet)との間で選択できる。摂取された試験ペットフード対摂取された総ペットフードの平均比と定義される摂取比(IR)を、試験配合物に関して決定することができる。様々な構成においては、低アレルギー性ペットフードは、IR少なくとも約0.20、少なくとも約0.25、少なくとも約0.3、少なくとも約0.4、少なくとも約0.5以上を生じることができる。
【0012】
第2の試験においては、低アレルギー性ペットフードのおいしさは、標準化された条件下で試験動物による平均摂取を測定することによって決定することができる。幾つかの構成においては、摂取の平均量は、ペット動物の栄養上の必要性のために少なくとも十分なカロリーを提供する量とすることができ、これは、動物のサイズによって決定することができる。特定の態様においては、本明細書において説明するおいしい低アレルギー性ペットフードは、本明細書において0.75乗したキログラム単位の重量と定義される、代謝身体サイズ(metabolic body size)の少なくとも約63倍の最小一日カロリー摂取量を提供するのに十分な量で犬によって摂取されることができる低アレルギー性犬のペットフードとすることができる。特定の他の態様においては、本明細書において説明するおいしい低アレルギー性ペットフードは、0.75乗したキログラム単位の重量によって定義される、代謝身体サイズの少なくとも約56倍の最小一日カロリー摂取量を提供するのに十分な量で猫によって摂取されることができる低アレルギー性猫のペットフードとすることができる。様々な具体例においては、本明細書において説明する低アレルギー性ペットフードは、固体形式ペットフードの例えばキブルのものを超える水分を有することができる。様々な具体例においては、ペットフード組成物は、少なくとも約15重量%の割合(重量で)、少なくとも約20重量%、少なくとも約40重量%、または少なくとも約60重量%〜約80重量%の水分を有することができる。幾つかの構成においては、水分は、約50重量%〜約85重量%または約75重量%〜約78重量%とすることができる。
【0013】
様々な具体例においては、低アレルギー性ペットフードは、乾物ベースで少なくとも約0.5重量%〜約85重量%の量で加水分解産物を含む組成物を含むことができる。幾つかの構成においては、低アレルギー性ペットフードの加水分解産物含量は、乾物ベースで少なくとも約4重量%〜約70重量%、少なくとも約4重量%〜約14重量%、少なくとも約6重量%〜約14重量%、または少なくとも約25重量%〜約85重量%とすることができる。
【0014】
特定の構成においては、低アレルギー性ペットフードは、貯蔵安定な組成物(shelf-stable composition)を含むことができる。様々な構成においては、低アレルギー性ペットフードは、猫のためのペットフードまたは犬のためのペットフードとすることができる。
【0015】
特定の具体例においては、低アレルギー性ペットフード組成物は、ポリペプチド及び遊離アミノ酸を含む加水分解産物を含むことができ、ここで、ポリペプチド及び遊離アミノ酸の約60%〜約95%は、平均分子量約15,000ドルトン未満、約12,000ドルトン未満、または約10,000ドルトン未満を有する。より好ましくは、加水分解産物のポリペプチド及び遊離アミノ酸の約60%〜約95%は、平均分子量約8,000ドルトン未満、さらに好ましくは約6000ドルトン未満を有するとして特徴付けられる。幾つかの態様においては、加水分解産物によって含まれるポリペプチド及び遊離アミノ酸の集合は、重み付き平均分子量(weighted average molecular weight)約2,000ドルトン、約4,000ドルトン、約6,000ドルトン、約12,000ドルトン、または約18,000ドルトンを有することができる。様々な態様においては、加水分解産物は、植物加水分解産物または動物加水分解産物とすることができる。植物加水分解産物は、限定するものではなく、穀物、果物、根、塊茎、茎、葉、または野菜の可食組織から得られるタンパク質の加水分解産物とすることができる。動物加水分解産物は、限定するものではなく、哺乳類、魚、鳥、は虫類、両生類、または無脊椎動物の組織から得られるタンパク質の加水分解産物とすることができる。
【0016】
様々な構成においては、低アレルギー性ペットフードは、加水分解産物及び水に加えて、1つ以上の栄養補助剤を含むことができる。こうした栄養補助剤は、幾つかの構成においては、ペットフードの物理特性、例えば、ペットフードの堅さ、香味またはテクスチャーを修正できる。栄養補助剤は、非限定例においては、単糖、二糖、オリゴ糖、デンプン、粉末、セルロース、塊茎、米、小麦、コーン及びライムギから選択される穀物、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、及びパントテン酸から選択されるビタミン、タウリン、DL−メチオニン、香味料、及びリン酸二カルシウム、塩化カリウム、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化コリン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸第一鉄、酸化マンガン、硫酸銅、ヨウ素酸カルシウム及びナトリウムセレンからなる群から選択されるミネラルとすることができる。
【0017】
低アレルギー性ペットフード組成物は、“低アレルゲン”及び“超低アレルゲン”構成の両方を含む。後者は、タンパク質栄養の少なくとも約95%、タンパク質栄養の少なくとも約99%、またはタンパク質栄養の100%の源として加水分解産物を含むことができ、一方、前者は、加水分解産物に加えて、低アレルゲン性(low allergenicity)のある非加水分解タンパク質、例えば、植物性タンパク質の例えば大豆タンパク質を含むことができる。
【0018】
低アレルギー性ペットフード組成物は、様々な具体例においては、包装されて消費者に提供されることができるペットフード組成物とすることができる。包装は、気密包装、例えば、幾つかの構成においては、金属缶とすることができる。
【0019】
幾つかの具体例においては、本発明は、低アレルギー性ペットフード組成物の製造方法を提供する。本方法を使用して製造できる低アレルギー性ペットフード組成物は、様々な構成において、半固体組成物、液体組成物、ペースト組成物、またはスラリー組成物とすることができる。こうした具体例における低アレルギー性ペットフード組成物の製造方法は、加水分解産物及び少なくとも約15重量%の水を含む半固体混合物を形成することを含むことができる。加水分解産物は、様々な態様においては、液体加水分解産物、凍結加水分解産物、または乾燥した加水分解産物とすることができる。様々な構成においては、混合物を形成する前に、本方法は、液体加水分解産物を凍結するか、加水分解産物を真空乾燥するか、加水分解産物を噴霧乾燥するか、加水分解産物をドラム乾燥するか、または加水分解産物を凍結乾燥することをさらに含むことができる。幾つかの構成においては、加水分解産物は、凍結加水分解産物とすることができる。様々な態様においては、本方法は、液体成分は存在してもしなくてもよいが組成物の固体成分の例えば凍結加水分解産物を切断すること、刻むこと、または粉砕することを含むことができる。特定の態様においては、混合物を形成することは、混合物の成分を組み合わせることを含むことができる。様々な構成においては、本方法は、少なくとも約15重量%の水、少なくとも約40重量%の水または少なくとも約50重量%の水〜最高約85重量%までの水を含む混合物を形成することを含むことができる。様々な構成においては、成分を一緒に混合して混合物を形成することができる。
【0020】
様々な構成においては、混合物は、少なくとも約0.5重量%〜約85重量%、少なくとも約5重量%〜約70重量%、少なくとも約4重量%〜約14重量%、少なくとも約6重量%〜約14重量%、または少なくとも約55重量%〜約65重量%の量で加水分解産物を含むことができる。
【0021】
様々な具体例においては、本発明は、低アレルギー性ペットフード組成物のおいしさを改良する方法を提供する。こうした方法は、ペットフード組成物を、凍結加水分解産物を用いて製造することを含むことができる。こうした具体例においては、改良されたおいしさは、乾燥した加水分解産物を用いて製造した同一の組成物のものと比較したおいしさとすることができる。こうした方法は、ペットフード組成物を、少なくとも約15重量%の水を用いて製造することをさらに含むことができる。凍結加水分解産物及び水の量は、本明細書において説明する他の具体例のものと同じとすることができる。その上、こうした方法の様々な構成は、ペットフード組成物を、本明細書において具体例において説明する栄養補助剤のうちの1つ以上を用いて製造することをさらに含むことができる。
【0022】
様々な具体例においては、低アレルギー性半固体ペットフード組成物の製造方法は、混合物に1つ以上の栄養補助剤を加えることをさらに含むことができる。幾つかの非限定栄養補助剤は、単糖、二糖、オリゴ糖、デンプン、粉末、セルロース、塊茎、穀物の例えば米、小麦、コーン及びライムギ、ビタミンの例えばビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、及びパントテン酸、タウリン、DL−メチオニン、並びにミネラルの例えばリン酸二カルシウム、塩化カリウム、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化コリン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸第一鉄、酸化マンガン、硫酸銅、ヨウ素酸カルシウム及びナトリウムセレンとすることができる。
【0023】
低アレルギー性半固体ペットフード組成物の製造方法は、混合物を容器中で少なくとも約65℃(約150°F)の温度で、または、幾つかの構成においては、約96℃(約205°F)に加熱することをさらに含むことができる。様々な構成においては、混合物を包装し、温度少なくとも約116℃(約240°F)〜約132℃(約270°F)への、または、幾つかの態様においては、温度約123℃(約254°F)へのさらなる加熱にさらすことができる。幾つかの態様においては、後者の加熱は、混合物を滅菌するのに十分な、または、包装済みのペットフード配合物、例えば缶入りペットフード配合物を生成するのに十分な加熱とすることができ、この配合物は、少なくとも約6か月間、少なくとも約1年間、または少なくとも約2年間貯蔵安定とすることができる。
【0024】
様々な具体例においては、本発明は、動物における食品アレルギーの症状を軽減する方法を提供する。本方法は、本明細書において説明する配合物、例えば半固体配合物状態で加水分解産物を含む低アレルギー性ペットフード組成物を動物に供給することを含むことができる。様々な構成においては、動物は、コンパニオン動物、例えば、非限定例においては、飼い犬または飼い猫とすることができる。幾つかの態様においては、動物における食品アレルギーの症状を軽減することは、他のフード組成物を除外して、これに加えて、またはこの部分的交換として、本明細書において説明する低アレルギー性ペットフードを動物に供給することを含むことができる。幾つかの構成においては、動物における食品アレルギーの症状を軽減することは、固体フード及び本明細書において説明する低アレルギー性組成物の組合せを動物に供給することを含むことができる。
【0025】
様々な具体例においては、本発明は、貯蔵安定な低アレルギー性ペットフード組成物を消費者に提供する方法を提供する。様々な構成においては、本方法は、容器中に、加水分解産物及び少なくとも約15重量%の水を含む低アレルギー性ペットフード組成物を提供することと、ペットフード組成物を消費者に販売することとを含むことができる。幾つかの構成においては、容器は、気密容器とすることができ、特定の態様においては、気密容器は、金属缶とすることができる。こうした具体例においては、低アレルギー性ペットフード組成物は、少なくとも約15重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、または少なくとも約80重量%の量で水を含むことができる。特定の態様においては、水分は、少なくとも約75重量%〜約80重量%とすることができる。こうした具体例の様々な構成においては、低アレルギー性ペットフードの加水分解産物含量は、乾物ベースで約0.5重量%の加水分解産物〜約85重量%の加水分解産物、約4重量%の加水分解産物〜約30重量%の加水分解産物、約4重量%の加水分解産物〜約14重量%の加水分解産物、約6重量%の加水分解産物〜約14重量%の加水分解産物、または約55重量%の加水分解産物〜約65重量%の加水分解産物の量とすることができる。こうした具体例の様々な構成においては、貯蔵安定な低アレルギー性ペットフードは、動物の例えばペット動物にとっておいしい組成物を含むことができる。こうした構成においては、おいしさは、主要なタンパク質栄養源として非加水分解タンパク質を含む低アレルギー性ペットフード組成物、または主要なタンパク質栄養源として粉末状加水分解産物を含む低アレルギー性ペットフード組成物とすることができる対照低アレルギー性ペットフードを用いた競争的試験(competitive test)において決定されるおいしさとすることができる。おいしさは、こうした構成においては、少なくとも1つの対照ペットフードに対して試験した場合、摂取比少なくとも約0.5を有するおいしさとすることができる。こうした具体例の様々な構成においては、貯蔵安定な低アレルギー性ペットフード組成物は、貯蔵安定性少なくとも約6か月、貯蔵安定性少なくとも約1年、または貯蔵安定性少なくとも約2年を有することができる。
【0026】
本発明は、コンパニオン動物に対して低アレルギー性であり、半固体配合物状態であるペットフード組成物を提供する。
成分量を、本明細書において、重量%(weight percentage)(重量%(% by weight))、すなわち組成物の総重量の分数として報告される成分の重量に換算して報告する。本明細書において使用する“半固体配合物”は、約15重量%を超える水を含み、しかもなお、ともかく、温度及び外力の例えば重力の周囲条件下でゆっくりと流れる混合物である。本発明の半固体配合物は、その容器(例えば金属缶)の形状を周囲条件下で実質的に保持することができる。様々な構成においては、半固体配合物は、一般的な食事用具の例えばフォーク、スプーンまたはナイフの助けによって消費者によって容易に分割することができる。半固体配合物は、従来の缶入りローフペットフード、パテまたはムースのものと同様の密度、テクスチャー及び堅さを有することができる。様々な構成においては、半固体配合物は、グレービー、ゲル、ハッシュ、ピューレ、またはセミモイストペットフード配合物の密度、テクスチャー及び堅さ、しかしグルーエルのものではない密度、テクスチャー及び堅さを有することができる。本発明の半固体配合物の成分は、均一なテクスチャー、または不均一なテクスチャーを有することができる。半固体配合物は、繊維質材料を含むことができる。半固体配合物は、例えば、コロイド、ゲル、またはガムとすることができる。
【0027】
本明細書において使用する“低アレルギー性の”は、被術者動物に投与した場合、非加水分解タンパク質を含む同等の組成物よりも少ないアレルギー応答を引き出す、加水分解産物を含む組成物、または加水分解産物それ自体を説明する。幾つかの構成においては、低アレルギー配合物の投与に続いて、アレルギー応答は検出されない。
【0028】
低アレルギー性を含むアレルゲン性を、当業者には周知の任意の方法を使用して、例えば、非限定例においては、ELISAアッセイ、または、IgE応答を、組成物を投与された動物の血清試料において測定する免疫沈降アッセイを行って、配合物に関して測定し、定量化することができる。アレルゲン性はまた、直接観察、例えば所有者、介護者または獣医による動物の観察によって決定することができる。こうした構成においては、所有者、介護者または獣医は、当分野において周知の動物の世話及び治療の原則及び基準に従って、被術者動物における食品アレルギーに関連した症状の程度を観察することによって、アレルゲン性を決定する。
【0029】
本発明の低アレルギー性ペットフード組成物は加水分解産物を含む。本明細書において使用する“加水分解産物”は、ポリペプチド及び遊離アミノ酸を含む化学的に不均一な混合物を意味し、ここで、アミノ酸含量の少なくとも85%は、オリゴペプチド鎖、平均分子量約18キロドルトン(kD)未満を有するポリペプチド鎖、及び遊離アミノ酸によって占められる。本明細書において使用する“ポリペプチド”という用語は、オリゴペプチド、ジペプチド、トリペプチド、及びより大きなペプチドを含む任意の長さのアミノ酸鎖を含むことができる。低アレルギー性フード組成物の加水分解産物は、本明細書においてタンパク質栄養の源とすることができる。本明細書において使用する“加水分解産物”という用語は、その製造方法にかかわらず、アミノ酸及びポリペプチド鎖の混合物を説明する。従って、加水分解産物は、任意の周知の化学的または酵素的方法、例えば、非限定例においては、米国特許第5,589,357号、米国特許第4,879,131号、米国特許第5,039,532号または欧州特許第EP001236405号において開示する方法によって製造できる。加水分解産物はまた、化学合成によって、例えば、遊離アミノ酸及びカップリング試薬の例えば1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを使用したランダムペプチドポリマーの合成によって製造できる。
【0030】
低アレルギー性ペットフード組成物は、“低アレルゲン”及び“超低アレルゲン”構成の両方を含むことができる。本明細書において使用する“超低アレルゲン”構成は典型的に、タンパク質栄養の少なくとも約95%、タンパク質栄養の少なくとも約99%、またはタンパク質栄養の100%の源として加水分解産物を含むが、“低アレルゲン”構成は、低アレルゲン性のある非加水分解タンパク質(すなわち、植物性タンパク質の例えば大豆タンパク質)を、タンパク質栄養の源として、加水分解産物に加えて含んでよい。本明細書においてさらに使用する“タンパク質栄養”及び“タンパク質栄養素”という用語は、アミノ酸の源として役立つことができる任意の単数または複数のタンパク質、単数または複数のポリペプチド、単数または複数のオリゴペプチド、単数または複数の遊離アミノ酸、またはこれらの組合せを意味する。例えば、任意の完全な長さのタンパク質を欠き、オリゴペプチド及び遊離アミノ酸のみを含むタンパク質加水分解産物を、タンパク質栄養の源とすることができる。
【0031】
本明細書において使用する“凍結加水分解産物”という用語は、その製造に続いて乾燥するかまたは粉末にしたのではなく、凍結した加水分解産物を意味する。“凍結加水分解産物を含む組成物”(及び同様の用語)は、凍結加水分解産物が組成物の製造において使用されることを示す。しかしながら、このような用語は、組成物の形成の前に解凍した凍結加水分解産物を包含することができる。
【0032】
幾つかの構成においては、本明細書においてペットフード組成物において使用する加水分解産物は、遊離アミノ酸及びサイズが不均一なポリペプチドを含むことができ、ここで、遊離アミノ酸及びポリペプチドの少なくとも約99%は、平均分子量約50,000ドルトン未満を有する。本明細書においてペットフード組成物の幾つかの構成において使用する加水分解産物は、約10重量%以下は平均分子量約10,000ドルトン以上を有するポリペプチド及び遊離アミノ酸の不均一な集まりを含むことができる。本発明の幾つかの具体例においては、加水分解産物を占めるポリペプチド及び遊離アミノ酸は、平均分子量約18,000ドルトン以下、約12,000ドルトン以下、約10,000ドルトン以下、約8,000ドルトン以下、約6,000ドルトン以下、約4,000ドルトン以下、または約2,000ドルトン以下を有することができる。平均分子量の例えば重量平均分子量を含む、加水分解産物またはその成分の分子量は、当業者には周知の任意の方法を使用して決定することができる。非限定例においては、加水分解産物によって含まれるポリペプチドの分子量分布は、媒質の例えばセファデックス(登録商標)(Sephadex(登録商標))(ファルマシア(Pharmacia))中のサイズ排除クロマトグラフィー、またはSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を使用した電気泳動を使用して、当業者には周知の方法を使用して決定することができる。特定の具体例においては、低アレルギー性ペットフード組成物は、ポリペプチド及び遊離アミノ酸を含む加水分解産物を含むことができ、ここで、ポリペプチド及び遊離アミノ酸の約60%〜約95%は、平均分子量約15,000ドルトン未満、約12,000ドルトン未満、約10,000ドルトン未満、約8,000ドルトン未満または約6,000ドルトン未満を有する。様々な構成においては、本明細書においてペットフード組成物において使用する加水分解産物は、複数のポリペプチド及び遊離アミノ酸を含むことができ、ここで、ポリペプチド及び遊離アミノ酸の約80%〜約95%は、平均分子量約6,000ドルトン未満を有する。様々な構成においては、本明細書においてペットフード組成物において使用する加水分解産物は、複数のポリペプチド及び遊離アミノ酸を含むことができ、ここで、ポリペプチド及び遊離アミノ酸の少なくとも約90%は、平均分子量約3,000ドルトン未満を有する。
【0033】
本発明のペットフードにおいて使用する加水分解産物は、当業者には周知の方法を使用して製造した加水分解産物とすることができる。非限定例においては、本明細書において使用する加水分解産物は、タンパク質栄養素の生物学的源を、1つ以上の酵素の例えばプロテアーゼ、例えばトリプシンまたはキモトリプシン;1つ以上の非酵素化学的試薬、例えば酸、例えば酢酸;またはこれらのある組合せを用いて処理することによって製造した加水分解産物とすることができる。非限定例においては、加水分解産物を形成する方法は、米国特許第5,589,357号、米国特許第4,879,131号、米国特許第5,039,532号、米国特許第6,403,142号、米国特許第6,589,574号、米国特許第6,455,273号、米国特許出願第2003/0035882 A1号または欧州特許第EP1236405 A1号において開示する方法とすることができる。
【0034】
様々な構成においては、加水分解産物は、凍結加水分解産物とすることができる。ペットフードの製造における凍結加水分解産物の使用は、例えば、下記に実施例1に示すように、乾燥した加水分解産物を使用して製造したが他の点では実質的に同一に製造したペットフードと比較して、増強された感覚器官の許容可能性またはおいしさを有するペットフードを生じることができる。
【0035】
特定の構成においては、加水分解産物は、ポリペプチド及び遊離アミノ酸に加えて、他の化学物質、例えば、生化学物質の例えば脂質、脂肪、油、ビタミン及び炭水化物を含むことができる。幾つかの構成においては、加水分解産物を占める物質は、加水分解産物を生成するために使用した生物学的材料に由来する成分とすることができるか、または加水分解産物製造者によって加えられる化学物質とすることができる。こうした物質は、非限定例においては、炭水化物の例えばスクロース、タピオカデンプン、コーン甘味料、コーンスターチ、部分加水分解済みデンプン、セルロース、または部分加水分解済みセルロースとすることができる。加水分解産物によって含まれることができる成分の幾つかの他の限定例は、有機油、例えば大豆油、サフラワー油、パーム油、ヤシ油、ヒマワリ油、落花生油またはカノーラ油である。
【0036】
様々な具体例においては、本明細書において説明するペットフード組成物のための加水分解産物を製造するために使用できるポリペプチドを含む生物学的材料は、動物性タンパク質の例えば、非限定例においては、哺乳類のタンパク質、鳥類のタンパク質、は虫類のタンパク質、両生類のタンパク質、魚のタンパク質、無脊椎動物のタンパク質またはこれらの組合せからとすることができる。非限定例においては、哺乳類のタンパク質源は、ウシ、ヒツジ、豚、ヤギ、鹿、ウサギ、ウマ、カンガルー、これらの乳、カード、ホエーまたは血液、並びに内部組織及び器官の例えば平滑筋、横紋筋、肝臓、腎臓、腸または心臓とすることができ;鳥類のタンパク質源は、鶏、七面鳥、ガチョウ、アヒル、ダチョウ、ウズラ、ハト、これらの卵並びに内部組織及び器官の例えば平滑筋、横紋筋、肝臓、腎臓、腸または心臓とすることができ;両生類の源は、カエルまたはサンショウウオとすることができ;は虫類タンパク質源は、アリゲーター、トカゲ、カメまたはヘビとすることができ;魚のタンパク質源は、ナマズ、ヘリング、さけ、マグロ、ブルーフィッシュ、タラ、オヒョウ、マス、メカジキ及びこれらの卵とすることができ;無脊椎動物のタンパク質源は、ロブスター、カニ、ハマグリ、ムラサキイガイまたはカキ、及びこれらの組合せとすることができる。
【0037】
様々な具体例においては、加水分解産物において使用できるポリペプチドを含む生物学的材料は、植物性タンパク質源の例えば、非限定例においては、豆類、藻、穀物及びこれらの組合せからとすることができる。非限定例においては、加水分解産物のためのタンパク質の幾つかの植物源は、大豆、エンドウ豆、豆、藻、亜麻仁、コーン、小麦、エンバク、モロコシ、ケルプ、大麦、アルファルファ、ライムギ、キノア、落花生、米、じゃがいも及びこれらの組合せとすることができる。
【0038】
特定の具体例においては、加水分解産物は、鶏、家禽、酵母、大豆及びこれらの組合せからなる群から選択される源からの加水分解済みタンパク質を含むことができる。
様々な具体例においては、加水分解産物において使用できるポリペプチドを含む生物学的材料は、微生物源の例えば、非限定例においては、細菌の例えば大腸菌、または酵母の例えばビール酵母(Saccharomyces cerevisiae)からとすることができる。
【0039】
様々な具体例においては、本明細書において説明する低アレルギー性ペットフード組成物は、固体形式ペットフードの例えば典型的に水分約12重量%以下を有するキブルのものを超える水分を有することができる。様々な具体例においては、ペットフード組成物は、少なくとも約15重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約40重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、または少なくとも約80重量%の水分を有することができる。特定の態様においては、水分は少なくとも約75重量%〜約80重量%とすることができる。加えて、様々な具体例においては、低アレルギー性ペットフード組成物は、少なくとも約0.5重量%〜約85重量%の量で加水分解産物を含むことができる。本明細書において使用する、任意の配合物の任意の非水成分の重量含量は、乾燥重量である。実例においては、1重量%の加水分解産物を含むペットフード組成物の100グラムの試料は、1グラムの乾燥加水分解産物を含む。加水分解産物の乾燥重量は、非限定例においては、加水分解産物の試料を乾燥し、乾燥試料を化学はかり上で秤量することよって決定することができる。幾つかの構成においては、低アレルギー性ペットフードの加水分解産物含量は、少なくとも約4重量%の加水分解産物〜約70重量%の加水分解産物、少なくとも約4重量%の加水分解産物〜約14重量%の加水分解産物、少なくとも約6重量%の加水分解産物〜約14重量%の加水分解産物、または少なくとも約55重量%の加水分解産物〜約65重量%の加水分解産物とすることができる。様々な構成においては、低アレルギー性ペットフードは、コンパニオン動物の例えば犬または猫のための“栄養的に完全な”食餌とすることができる。“栄養的に完全な”食餌は、被術者動物の通常の健康の維持のために必要な全ての栄養素を含む食餌とすることができる。従って、本明細書において開示するペットフードは、犬のためにまたは猫のために栄養的に完全であるとすることができる。
【0040】
様々な具体例においては、低アレルギー性ペットフードは、おいしいペットフード組成物を含むことができる。こうした構成のおいしい低アレルギー性ペットフード組成物は、例えば、非限定例においては、半固体形式、液体形式の例えばスラリー、グレービー、ゲル、ハッシュ、ピューレ、またはセミモイストペットフード配合物形式であるが、しかしグルーエルではない形式のペットフードとすることができる。特定の構成においては、ペットフード組成物のおいしさは、粉末状または他の乾燥した加水分解産物と異なり、乾燥にさらされていない加水分解産物をペットフード組成物中に含めることによって増強することができる。幾つかの構成においては、低アレルギー性ペットフードによって含まれる加水分解産物は、凍結加水分解産物とすることができる。粉末状加水分解産物として商業的に供給されており、水分約10重量%未満を有することができる乾燥された加水分解産物は、典型的に、蒸発、オーブン中での温度少なくとも約90℃(192°F)への加熱、及び/または噴霧乾燥を含む製造を含むことができる。特定の理論によって束縛されるものではないが、加水分解産物を乾燥プロセスにさらすことは、加水分解産物にそのおいしさの多くを失わせ得ると考えられている。従って、乾燥した加水分解産物を含む低アレルギー性ペットフードは、動物にとって、凍結加水分解産物を含む同様の低アレルギー性ペットフードよりもおいしくなくなり得る。従って、幾つかの構成においては、低アレルギー性ペットフードによって含まれる加水分解産物は、凍結加水分解産物とすることができる。
【0041】
様々な具体例においては、半固体低アレルギー性ペットフードは、乾燥されておらず粉末に形成されてもいない加水分解産物を使用して製造できる。従って、様々な構成のペットフード組成物は、生成した後に凍結した加水分解産物を含むことができる。生成した後に凍結した加水分解産物は、そのおいしさを維持するまたは増強することができる。その上、様々な具体例のペットフード組成物は、生成した後にペットフード配合物中に新たに直接に取り入れられるか、または生成した後に冷却される加水分解産物を含むことができる。特定の理論に限定されるものではないが、凍結加水分解産物を含む低アレルギー性ペットフードは、動物にとって、乾燥した加水分解産物を含む低アレルギー性ペットフードよりもおいしくなり得ると考えられている。
【0042】
従って、ペットフード組成物は、対照ペットフード組成物と比較して増強されたおいしさを有することができる。増強されたおいしさは、おいしさ試験において摂取比を決定することによって定量化できる。1つのタイプの競争的おいしさ試験において、試験ペットフードの例えば本具体例のペットフード配合物を、試験動物(犬または猫)に個別に提供する。各試験動物は、試験ペットフード配合物を含む前秤量済みのフードの皿、及び、同時に、比較体ペットフード配合物、例えば、低アレルギー性ウエット形式ペットフードを含む前秤量済みのフードの皿を受ける。フードの皿を予め定められた継続時間(犬の場合45分、猫の場合16時間)動物と共に残す。予め定められた時間間隔の終りに、フードの皿を除去し、再秤量し、各配合物の摂取量を決定することができる。摂取比(IR)を次に、式IR=A/(A+B)[式中、A=動物によって消費された試験配合物の量、及びB=同じ動物によって消費された比較体配合物の量であり、予め定められた継続時間にわたって平均した。]を使用して決定することができる。様々な具体例においては、おいしさ試験のための比較体配合物は、約55重量%の水、約17重量%の米、約21%の肉並びに米粉、セルロース、べんがら、大豆油、炭酸カルシウム、塩、塩化カリウム、リン酸二カルシウム、ミネラル混合物、ビタミン予備混合物及びタウリンを含む約7重量%の追加の成分を含む“ウエットフード”組成物とすることができる。本明細書において使用する“肉”という用語は、動物源から得られる任意のタンパク性材料と定義される。上記に説明した比較体配合物に対して試験した場合、本発明の組成物を含むペットフードは、摂取比少なくとも約0.20、少なくとも約0.25、少なくとも約0.3、少なくとも約0.4、または少なくとも約0.5を生じることができる。
【0043】
特定の構成においては、他の競争的消費試験を使用して、本発明のペットフードのおいしさを決定することができる。特定の構成においては、ペットフードの消費を、主要なタンパク質栄養源として非加水分解タンパク質を含む低アレルギー性ペットフードである対照配合物に対して採点できる。こうした構成においては、本明細書において教示する半固体組成物の場合のおいしさスコアは、少なくともほぼIR=0.5、IR=0.6、IR=0.7、またはIR=0.8とすることができる。別のおいしさ試験において、本発明の組成物を、主要なタンパク質栄養源として粉末状加水分解産物を含む低アレルギー性固体形式ペットフードに対して採点できる。こうした構成においては、本明細書において教示する半固体組成物の場合のおいしさスコアは、少なくともほぼIR=0.5、少なくともほぼIR=0.6、少なくともほぼIR=0.7、または少なくともほぼIR=0.8とすることができる。
【0044】
様々な具体例においては、本明細書において説明するペットフードの感覚器官の許容可能性は、おいしさの交差試験において測定できるる。こうした試験においては、2つの配合物を、犬の集団に関して試験することができる。集団を2つの群に分割できる。交差研究の1〜5日の間、第1の群に第1の配合物を供給し、第2の群に第2の配合物を供給する。6及び7日目に、配合物の分配に交差法を行い、その結果、第1の配合物を受けていた犬はここから第2の配合物を受け、逆もまた同様である。各一日供給は、45分間続くことができ、動物は、供給の間中自由に食することができる。最終日の間中の交差配合物の動物による消費は、上記に説明したように供給皿を秤量することによって決定することができる。消費を次に比較し、標準的な統計試験の例えばステューデントのt−検定を使用して統計的に分析することができる。統計的に有意な嗜好は、P値0.05未満を有することができる。許容可能な大便の格付けを有する低アレルギー性フード配合物に関するこうした研究からの結果を、下記の実施例において提出する。
【0045】
様々な具体例においては、本明細書において説明するペットフードの感覚器官の許容可能性は、ペットフードの摂取を試験条件下で測定することによって測定することができる。様々な構成においては、低アレルギー性ペットフードは、毎日少なくとも最小の必要なカロリーを提供するのに十分な量でペット動物によって消費される低アレルギー性ペットフードとすることができる。十分な量は、例えば、ペットフードを摂取する犬に供給する量、少なくとも約112kcal/キログラムの犬の代謝体重とすることができる。非限定例においては、秤量して50lbs.のビーグル犬は、少なくとも約1166kcalの本明細書において説明する低アレルギー性ペットフードを毎日消費できる。
【0046】
様々な構成においては、本明細書において説明するペットフード組成物の許容可能性を、犬の大便試験を使用して分析できる。こうした試験においては、研究用の犬を、研究の初め及び終り(1及び8日目)に秤量する。犬はその最初の重量を維持するべきである。大便を、許容可能性に関して等級1〜5に基づいて毎日格付けし、ここで、格付け“5”は最も許容可能とみなされる。データを分析して、大便の格付けから“大便スコア”を提供し、フードの一日摂取も測定する。健康な成犬のみを研究のために使用し、研究の最中に薬剤または他の薬物を投与しない。動物の一日摂取、動物の一日大便スコア、動物の平均摂取、及び動物の平均一日大便スコアを全て記録することができ;大便スコアの頻度ヒストグラムを生成することができる。調べた大便の少なくとも約80%が格付け“5”を有する大便の格付けは、ペットフード配合物にとって許容可能とみなされる。許容可能な大便の格付けを有する低アレルギー性フード配合物に関するこうした研究からの結果を、下記の実施例において提出する。
【0047】
特定の構成においては、低アレルギー性ペットフード組成物は、貯蔵安定なペットフード組成物とすることができる。本明細書において使用する貯蔵安定なペットフード組成物は、周囲条件で貯蔵時に、その使用目的に対するその適性を少なくとも約6か月間、少なくとも約1年間、または少なくとも約2年間保持するペットフード組成物を意味する。こうした構成においては、ペットフード組成物は、容器の例えば、非限定例においては、レトルトパウチ、テトラパック、瓶、トレイ、または金属缶の例えばブリキ缶とすることができる気密容器中に包装されることができる。幾つかの構成においては、組成物を無菌条件で包装する。こうした構成においては、ペットフードは、その容器を開けるまで安定であることができる。様々な具体例においては、貯蔵安定性は、当業者には周知の方法、例えば、非限定例においては、熱滅菌、非熱滅菌、レトルト殺菌処理、無菌処理、UHT、及び/または高圧を使用して実現することができる。
【0048】
様々な構成においては、低アレルギー性ペットフードは、加水分解産物及び水に加えて、1つ以上の補助成分を含むことができる。こうした補助成分は、幾つかの構成においては、ペットフードの物理特性、例えば、ペットフードの堅さまたはテクスチャーを修正する及び/または栄養補助剤として働くことができる。栄養補助剤は、非限定例においては、単糖、二糖、オリゴ糖、デンプンの例えばタピオカデンプンまたはコーンスターチ、粉末の例えば小麦粉、ライムギ粉、またはコーンフラワー、セルロース、塊茎、穀物(完全体、粉砕したかまたは挽いた)の例えば米、小麦、コーン及びライムギ、グルテンの例えば米グルテン、ビタミンの例えばビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、及びパントテン酸、タウリン、DL−メチオニン、並びにミネラルの例えば炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸二カルシウム、塩化ナトリウム(ヨウ素化した)、塩化コリン、硫酸カルシウム二水和物及び酸化マグネシウム、酸化亜鉛、硫酸第一鉄、酸化マンガン、硫酸銅、ヨウ素酸カルシウム、及びナトリウムセレンとすることができる。幾つかの補助成分の幾つかの他の非限定例はまた、乾燥じゃがいも、じゃがいもデンプン、大豆油(未精製、脱ガム)、及びセルロースを含む。幾つかの構成においては、栄養補助剤は、低アレルゲン性のタンパク質、例えば植物性タンパク質の例えば大豆タンパク質とすることができる。
【0049】
幾つかの具体例においては、本発明は、低アレルギー性ペットフードの製造方法を提供する。様々な具体例においては、こうした方法は、ペットフード組成物を凍結加水分解産物を使用して製造することによって、低アレルギー性ペットフード組成物のおいしさを改良する方法を含むことができる。こうした具体例の様々な構成においては、改良されたおいしさは、乾燥した加水分解産物を使用して製造した同一の組成物のものと比較したおいしさとすることができる。こうした具体例の方法を使用して製造できる低アレルギー性ペットフードは、様々な構成において、半固体組成物、液体組成物、ペースト組成物、スラリー組成物、グレービー組成物、ゲル組成物、ハッシュ組成物、ピューレ組成物、またはセミモイストペットフード配合物形式組成物であるが、しかしグルーエル組成物ではないものを含むことができる。こうした具体例における低アレルギー性ペットフードの製造方法は、加水分解産物及び少なくとも約15重量%の水を含む混合物を形成することを含むことができる。様々な構成においては、加水分解産物は凍結加水分解産物とすることができる。本方法は、凍結加水分解産物を粉砕することをさらに含むことができる。特定の態様においては、混合物を形成することは、混合物の成分を組み合わせることを含むことができる。様々な構成においては、混合物は、少なくとも約20重量%の水、少なくとも約40重量%の水、少なくとも約60重量%の水または少なくとも約80重量%の水を含むことができる。幾つかの態様においては、粉砕することは、凍結加水分解産物を水と組み合わせる前に行うことができる。
【0050】
様々な構成においては、混合物は、乾物ベースで少なくとも約0.5重量%〜約85重量%、少なくとも約4重量%〜約60重量%、少なくとも約4重量%〜約14重量%、少なくとも約6重量%〜約14重量%、または少なくとも約55重量%〜約65重量%の加水分解産物の量で凍結加水分解産物を含むことができる。本明細書において使用する“乾物ベース”で報告する重量は、総重量のパーセントとしての乾燥重量を意味する。実例においては、“乾物ベースで4重量%”として報告される混合物の成分の重量を使用して、成分の任意の水分を除外して1グラムの成分を含む混合物の25グラムの試料を説明することができる。
【0051】
様々な具体例においては、低アレルギー性半固体ペットフード組成物の製造方法は、混合物に1つ以上の補助成分の例えば上記に説明した栄養補助剤を加えることをさらに含むことができる。
【0052】
様々な態様においては、本方法は、水性成分は存在してもしなくてもよいが組成物の固体成分を切断すること、刻むこと、または粉砕することを含むことができる。成分を、切断するか、刻むか若しくは粉砕すると同時にまたはこれらから一時的に別に、一緒に混合して混合物を形成することができる。低アレルギー性半固体ペットフード組成物の製造方法は、混合物を容器中で約65℃(約150°F)への温度で、または、幾つかの構成においては、約96℃(約205°F)に加熱することをさらに含むことができる。様々な構成においては、混合物を包装し、温度少なくとも約116℃(約240°F)〜約132℃(約270°F)への、または、幾つかの態様においては、温度約123℃(約254°F)へのさらなる加熱にさらすことができる。幾つかの態様においては、加熱は、混合物を滅菌するのに十分な加熱とすることができる。
【0053】
こうした方法の幾つかの構成においては、組成物を、バッチ処理によって製造することができる。こうした具体例においては、凍結ブロック形態の加水分解産物を含む全ての成分を、撹拌がま(agitating kettle)に加えることができる。成分を4℃〜93℃(40〜200°F)に加熱することができる。生成物を次に包装し、滅菌装置中に123℃(254°F)で18〜74分間置く。
【0054】
こうした方法の幾つかの構成においては、組成物は、連続処理によって製造することができる。こうした具体例においては、成分を、制御された温度帯域はあってもなくてもよい連続加熱調理ユニットに加え、サイクリング時間(逆動、前進、休止)は用いても用いなくてもよく、約1〜約65rpmの速度で動く撹拌系を用いて温度約4℃〜約96℃(約40°〜約205°F)で加熱調理することができる。生成物を次に包装し、滅菌装置中に温度約123℃(254°F)で約18〜約74分間の時間置く。
【0055】
様々な具体例においては、本発明は、動物における食品アレルギーの症状を軽減する方法を提供する。本明細書において使用する“食品アレルギーの症状を軽減する”は、食品アレルギーを有すると診断された動物における食品アレルギーの症状の程度を低減することか、またはこのような症状の現れ若しくは悪化を予防することを意味することができる。こうした具体例の方法は、本明細書において説明する配合物、例えば半固体配合物状態で加水分解産物を含む低アレルギー性ペットフード組成物を動物に供給することを含むことができる。様々な構成においては、動物は、コンパニオン動物、例えば、非限定例においては、飼い犬または飼い猫とすることができる。幾つかの態様においては、動物における食品アレルギーの症状を軽減することは、他のフード組成物を除外して、これに加えて、またはこの部分的交換として、本明細書において説明する低アレルギー性ペットフードを動物に供給することを含むことができる。幾つかの構成においては、動物における食品アレルギーの症状を軽減することは、固体フード及び本明細書において説明する低アレルギー性組成物の組合せを動物に供給することを含むことができる。
【0056】
様々な具体例においては、本発明は、貯蔵安定な低アレルギー性ペットフード組成物を消費者に提供する方法を提供する。様々な構成においては、本方法は、容器中に、加水分解産物及び少なくとも約15重量%の水を含む低アレルギー性ペットフード組成物を提供することと、ペットフード組成物を消費者に販売することとを含むことができる。幾つかの構成においては、容器は、気密容器とすることができ、特定の態様においては、気密容器は、金属缶とすることができる。こうした具体例においては、低アレルギー性ペットフード組成物は、少なくとも約15重量%、少なくとも約20重量%、少なくとも約40重量%または少なくとも約60重量%〜約80重量%の水分を含むことができる。幾つかの構成においては、水分は約75重量%〜約78重量%とすることができる。こうした具体例の様々な構成においては、低アレルギー性ペットフードの加水分解産物含量は、約0.5重量%の加水分解産物〜約85重量%の加水分解産物、約4重量%の加水分解産物〜約30重量%の加水分解産物、約4重量%の加水分解産物〜約14重量%の加水分解産物、約6重量%の加水分解産物〜約14重量%の加水分解産物、または約55重量%の加水分解産物〜約65重量%の加水分解産物の量とすることができる。こうした具体例の様々な構成においては、貯蔵安定な低アレルギー性ペットフード組成物は、動物の例えばペット動物にとっておいしい組成物とすることができる。こうした構成においては、おいしさは、主要なタンパク質栄養源として非加水分解タンパク質を含む低アレルギー性ペットフード組成物、または主要なタンパク質栄養源として粉末状加水分解産物を含む低アレルギー性ペットフード組成物とすることができる対照低アレルギー性ペットフードを用いた競争的試験において決定されるおいしさとすることができる。おいしさは、こうした構成においては、上記に説明したように、少なくとも1つの対照ペットフードに対して試験した場合、摂取比少なくとも約0.5を有するおいしさとすることができる。こうした具体例の様々な構成においては、貯蔵安定な低アレルギー性ペットフード組成物は、密閉された容器の例えば金属缶内部に含まれる場合、貯蔵安定性少なくとも約6か月、貯蔵安定性少なくとも約1年、または貯蔵安定性少なくとも約2年を有することができる。
【0057】
本発明は、本明細書において説明する特定の方法、プロトコール、及び試薬に限定されず、というのはこれらは変化することがあるからである。さらに、本明細書において使用する用語は、特定の具体例を説明することのみを目的としており、本発明の範囲を限定することを意図していない。本明細書において使用するように、また添付の請求の範囲において、単数形の“ある(a)”、“ある(an)”、及び“その(the)”は、文脈が明らかに他に指示しない限り複数の参照を含み、例えば、“ある加水分解産物”への参照は、複数のこのような加水分解産物を含む。
【0058】
特に断らない限り、本明細書において使用する全ての術語及び科学的用語及び任意の頭文字語は、発明の分野における当業者によって一般に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書において説明するものと同様であるかまたは等しい任意の方法及び材料を本発明の実施において使用できるが、好ましい方法、装置、及び材料を本明細書において説明する。
【0059】
本明細書において言及する全ての特許、特許出願、及び刊行物を、本発明と共に使用できるかもしれないとその中で報告される化合物及び方法を説明し、開示するために、本明細書において法律によって許される程度に参考のために引用する。しかしながら、本明細書においては、何も、本発明は、前の発明によるこのような開示に先行する権利がないと認めるものと解釈すべきではない。
【実施例】
【0060】
本発明を、その好適な具体例の以下の実施例によってさらに示すことができるが、特に断らない限り、こうした実施例は単に示すために含まれ、本発明の範囲を限定することを意図されていないことは理解できよう。こうした実施例及び本出願における全てのパーセントは、特に断らない限り重量%である。
実施例1
この実施例は、本発明の幾つかの適切な加水分解産物含有低アレルギー性ペットフード組成物を示す。
【0061】
本発明を例示する典型的な犬の食餌の組成物は、重量で約60%〜約80%の水、重量で約10%〜約15%の炭水化物、重量で約10%〜約15%の脂肪、及び重量で約4%〜約10%のヒドロシレートを、他の成分、例えば炭酸カルシウム、セルロース、塩化コリン、植物性タンパク質、デキストロース、リン酸カルシウム、メチオニン、グリシン、システインHCl・H2O、ミネラル、塩化カリウム、塩、大豆油、タウリン、ビタミン、及び香味料と共に含むことができる。
【0062】
本発明を例示する典型的な猫の食餌の組成物は、重量で最高約78%までの水、重量で最高約20%までの炭水化物、及び重量で約55%〜約65%の加水分解産物を、他の成分、例えば炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、セルロース、塩化コリン、リン酸カルシウム、メチオニン、ミネラル、塩化カリウム、塩、大豆油、タウリン、ビタミン、及び香味料と共に含むことができる。
【0063】
下記の表1は、ドッグフード配合物(実施例C1〜C8)及びキャットフード配合物(実施例F1〜F3)において使用した様々なヒドロシレート源を示す。
【0064】
【表1】

【0065】
配合物C1は、非加水分解植物性タンパク質、DL−メチオニン、及びタウリンを含んだが、配合物C6はそうではなかった。配合物C2は、非加水分解植物性タンパク質、DL−メチオニン、及びタウリンを含んだが、配合物C3はそうではなかった。配合物C4は、非加水分解植物性タンパク質及びタウリンを含んだが、配合物C5はそうではなかった。配合物F2を、凍結加水分解産物を使用して製造した。
実施例2
この実施例は、本明細書において説明する比較体配合物に対して試験した、本発明の特定の低アレルギー性ペットフード配合物のおいしさを示す。
【0066】
この実施例においては、実施例1において説明した様々な低アレルギー性ペットフード組成物を、バッチ処理によってまたは連続処理によって製造した。組成物を次に、上記に説明した競争的おいしさ試験において、比較体配合物に対しておいしさに関して試験し、ここで、摂取を6または14日目に測定した。表2に示すように、本具体例の試験した組成物は各々、犬用の組成物の場合少なくとも1つの測定について0.2を超える摂取比(IR)を有した。こうした結果は、こうした低アレルギー性ペットフード配合物は全て有利なおいしさの格付けを有することを示す。
【0067】
【表2】

【0068】
実施例3
この実施例は、食品アレルギーを有すると疑われる動物のために推奨された市販のペットフード製品に対して試験した、本発明の特定の低アレルギー性ペットフード配合物のおいしさを示す。
【0069】
この実施例においては、実施例1において説明した様々な低アレルギー性ペットフード組成物を、バッチ処理によってまたは連続処理によって製造した。組成物を次に、上記に説明した競争的おいしさ試験を使用して、比較ペットフードの例えば市販のペットフードに対しておいしさに関して試験した。おいしさ試験において、実施例1において説明した犬用の低アレルギー性ペットフードを、市販のドライ形式低アレルギー性犬用の配合に対して試験し、実施例1において説明した猫用の低アレルギー性ペットフード組成物を、市販のウエット形式の猫用のグリーンピースプラス子羊肉配合物、市販のウエット形式の猫用のグリーンピースプラスウサギ配合物、または乾燥加水分解産物を使用して製造した猫用の配合物に対して試験した。市販の犬用の配合物は、主成分として、じゃがいも、ヘリングミール(魚油の源)、ナマズ、動物脂肪、乾燥したビートパルプ(糖を除去した)及び魚消化物を含んだ。市販の猫用のグリーンピースプラス子羊肉配合物は、主成分として、子羊肉副産物、処理するために十分な水、子羊肉、粉砕したエンドウ豆、カノーラ油及び天然子羊肉香味料を含んだ。市販の猫用のグリーンピースプラスウサギ配合物は、主成分として、ウサギ副産物、ウサギ、処理するために十分な水、粉砕したエンドウ豆及びカノーラ油を含んだ。表3に示すように、本具体例の試験した組成物は各々犬用の組成物の場合摂取比(IR)少なくとも0.6318、及び猫用の組成物の場合摂取比少なくとも0.5795を有した。こうした結果は、実施例1において説明した低アレルギー性ペットフード配合物は全て有利なおいしさの格付けを有することを示す。
【0070】
【表3】

【0071】
実施例4
この実施例は、食品アレルギーを有すると疑われる犬のために推奨された市販の犬のペットフード製品に対して交差試験において試験した、実施例1において説明した犬用の配合物のおいしさを示す。
【0072】
この実施例においては、本発明の様々な低アレルギー性犬用のペットフード組成物を、バッチ処理によってまたは連続処理によって製造した。おいしさの交差試験において、本明細書において実施例1において説明した特定の犬用のフード組成物を、上記に説明したプロトコールに従って、比較体(上記の56節において説明した)に対して試験した。こうした交差試験において、30匹の犬の集団を15匹の2つの群に分割した。各試験につき、1〜5日に、第1の群は、実施例1において説明した試験配合物を受け、第2の群は、市販のドライ形式低アレルギー性犬用の配合を受けた。6及び7日目に、フードの分配を逆にし、その結果、第1の群は、市販のドライ形式低アレルギー性犬用の配合を受け、第2の群は、試験配合物を受けた。6及び7日目のフードの消費を測定し、表4に示すように、結果を統計的に比較した。
【0073】
【表4】

【0074】
実施例5
この実施例は、犬の大便試験における、実施例1において説明したペットフード組成物の許容可能性を示す。10匹の健康な成犬に、毎日1回8日間の期間にわたって供給した。各供給は、200グラムの低アレルギー性ペットフード配合物を含んだ。大便の許容可能性を、研究の間の毎日、各犬につき評価した。大便を等級1〜5に基づいて格付けし、スコア5は最も許容可能な大便の格付けを表す。試験した様々な配合物に関する大便の格付けを表5に示す(大便試験)。
【0075】
【表5】

【0076】
表5に示すように、試験した全ての配合物が、調べた試料の80%を超えるものに関して大便の格付け“5”を生じた。こうした結果は、実施例1において説明した配合物を供給された犬は、許容可能な格付けを有する大便を生じたことを示す。
【0077】
本明細書において、本発明の典型的な好適な具体例を開示し、特定の用語を用いたが、これは一般的な及び説明の意味でのみ使用し、限定及び請求の範囲において述べる本発明の範囲のためではない。明らかに、上記の教示を考慮して、本発明の多くの修正及び変形が可能である。従って、添付の請求の範囲内で、本発明は、具体的に説明したものとは異なって実施してよいことは理解できるはずである。“含む(comprise)”、“含む(comprises)”、及び“含むこと(comprising)”という語は、排他的にではなく含めて解釈すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半固体配合物状態で加水分解産物を含む低アレルギー性フード組成物。
【請求項2】
前記加水分解産物は、凍結されたか、真空乾燥されたか、噴霧乾燥されたか、ドラム乾燥されたか、または凍結乾燥された、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記加水分解産物は凍結された、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物は、重量で少なくとも約15%の水をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物は、重量で少なくとも約50%の水をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物は、重量で85%以下の水を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物は、乾物ベースで重量で約0.5%〜約85%の加水分解産物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物は、乾物ベースで約4重量%〜約14重量%の量で前記加水分解産物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物は、乾物ベースで約25重量%〜最高約85重量%までの量で前記加水分解産物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物は、おいしさ試験において比較体食に対して試験された場合、摂取比少なくとも約0.20を生じる、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物は、少なくとも栄養的に十分な量である平均消費によって測定して、感覚器官的に許容可能である、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記加水分解産物は複数のポリペプチド及び遊離アミノ酸を含み、該ポリペプチド及び遊離アミノ酸の約60%〜約95%は、平均分子量約6,000ドルトン未満を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記加水分解産物は複数のポリペプチド及び遊離アミノ酸を含み、該ポリペプチド及び遊離アミノ酸の約80%〜約95%は、平均分子量約6,000ドルトン未満を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記加水分解産物は複数のポリペプチド及び遊離アミノ酸を含み、該ポリペプチド及び遊離アミノ酸の少なくとも約90%は、平均分子量約3,000ドルトン未満を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記加水分解産物は動物性タンパク質加水分解産物を含み、動物性タンパク質の源は、哺乳類のタンパク質、鳥類のタンパク質、は虫類のタンパク質、両生類のタンパク質、魚のタンパク質無脊椎動物のタンパク質及びこれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記加水分解産物は植物性タンパク質加水分解産物を含み、植物性タンパク質の源は、豆類、藻、穀物、酵母及びこれらの組合せからなる群から選択される植物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記加水分解産物は、鶏、家禽、酵母、及び大豆からなる群から選択される源からの加水分解済みタンパク質を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
a)加水分解産物及びb)重量で少なくとも約15%の水を含む半固体混合物を形成することを含む、低アレルギー性フード組成物の製造方法。
【請求項19】
前記混合物を形成する前に、前記方法は、前記加水分解産物を凍結すること、前記加水分解産物を真空乾燥すること、前記加水分解産物を噴霧乾燥すること、前記加水分解産物をドラム乾燥すること、または前記加水分解産物を凍結乾燥することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記方法は、前記加水分解産物を凍結することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記方法は、凍結加水分解産物を粉砕することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記加水分解産物は、前記混合物中に乾物ベースで少なくとも約0.5重量%〜最高約85重量%までの量で存在する、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記低アレルギー性フード組成物は、乾物ベースで約4重量%〜最高約14重量%までの量で前記加水分解産物を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項24】
前記低アレルギー性フード組成物は、乾物ベースで約25重量%〜最高約85重量%までの量で前記加水分解産物を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
請求項18に記載の方法によって製造された低アレルギー性フード組成物。
【請求項26】
動物における食品アレルギーの症状を軽減する方法であって、乾物ベースで重量で約0.5%〜約85%の加水分解産物を含む半固体低アレルギー性フード組成物を前記動物に供給することを含む方法。
【請求項27】
前記低アレルギー性フード組成物は:
乾物ベースで重量で約4%〜約14%の加水分解産物と、
重量で少なくとも約15%の水と;を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記低アレルギー性フード組成物は:
乾物ベースで重量で約25%〜約85%の加水分解産物と、
重量で少なくとも約15%の水と;を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記組成物は、コンパニオン動物を用いて比較体低アレルギー性ペットフード組成物に対して試験された場合、平均摂取比少なくとも約0.2を有する、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
試験動物による前記組成物の平均消費は、消費試験において少なくとも栄養的に十分な量である、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記加水分解産物は複数のポリペプチド及び遊離アミノ酸を含み、
前記ポリペプチド及び遊離アミノ酸の約60%〜約95%は、平均分子量約6000ドルトン未満を有する、請求項26に記載の方法。
【請求項32】
前記加水分解産物は複数のポリペプチド及び遊離アミノ酸を含み、
前記ポリペプチド及び遊離アミノ酸の少なくとも約90%は、平均分子量約3000ドルトン未満を有する、請求項26に記載の方法。

【公開番号】特開2011−97951(P2011−97951A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137(P2011−137)
【出願日】平成23年1月4日(2011.1.4)
【分割の表示】特願2007−533644(P2007−533644)の分割
【原出願日】平成17年9月23日(2005.9.23)
【出願人】(502329223)ヒルズ・ペット・ニュートリシャン・インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】