説明

低床用根太ユニット及びそれに用いる根太受金具

【課題】二重床構造の低床化を図ることができる低床用根太ユニット及びそれに用いる根太受金具を提供する。
【解決手段】部屋の壁際に取り付けられる長尺の根太材20を支持する根太受金具10であって、基礎床101上に配設される防振ゴム11(接床台座)と、防振ゴム11に垂直に支持された支持ボルト12と、支持ボルト12に係合する雌ねじ部14aを有してその回転動作に伴い上下移動し高さを調節する支持プレート13とを有し、支持プレート13は、雌ねじ部14aが形成されるねじ受部14の一端に、縦板部15を介してねじ受部14よりも低い位置になるように根太材20の下面を支持する根太支持部16が屈曲形成されるとともに、ねじ受部14の裏面と縦板部15とにより形成される空所に、防振ゴム11の一部が収納可能に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートスラブ等の基礎床上に形成される二重床構造の施工において使用される低床用根太ユニット及びそれに用いる根太受金具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、集合住宅やオフィスビル等の多くの建造物に、二重床構造が採用されている。この二重床構造においては、コンクリートスラブ等の基礎床と床パネルとの間に空間部を形成することにより、遮音性を高めるとともに、その空間部に設備配管や配線等を設けることができるようになっている。
この種の二重床構造の施工において、床パネルは、基礎床上に配設された支持脚と部屋の壁際に設けられた際根太によって支持される。そして、際根太の施工は、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されているように、長尺の根太材に高さ調節可能な受部材(支持プレート)を有する複数の根太受金具を取り付けて行われる。
【0003】
特許文献1には、L字型受部で根太材を支持し、その根太材の高さを上下調節可能な受部材と、基礎床上に回転自在に立設され、受部材に形成されたねじ穴と螺合するねじ部が形成された支持脚部とからなる根太受金具が提案されている。この場合、根太受金具は、L字型受部で根太材を支持しながら壁に沿って配置され、受部材を所定の床高さに設定した後に、根太材を壁に釘もしくは粘着シート等の適当な手段によって固定することにより、際根太が施工されている。
【0004】
また、特許文献2には、長尺状の根太材を木材等ではなく金属や合成樹脂等のチャンネル材により形成したものが提案されている。チャンネル材の上面に、長手方向に所定間隔で多数の透孔を設けるとともに、その透孔位置に合わせて支持脚(根太受金具)を固定することにより、根太を高さ調整可能に形成している。そして、根太材が固定された支持脚を、基礎床上に接着又は固定金具等によって固定することにより、際根太が施工されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3115662号公報
【特許文献2】特開2002‐30787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、集合住宅等においては、広い室内空間を確保するため、床下空間を狭くして床面を低くした低床の二重床構造が望まれている。
しかしながら、従来の一般的な根太受金具は、特許文献1の図15に示されるように、根太材の真下に支持脚を支持する台座(接床台座)が配置されており、根太材の厚みと接床台座の厚みとの合計の厚みよりも、根太の施工高さを低くすることができなかった。
また、特許文献1及び特許文献2の根太受金具においても、根太材の設置高さよりも下方に接床台座が設置される構成となっており、低床化としての対策が十分ではなかった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、二重床構造の低床化を図ることができる低床用根太ユニット及びそれに用いる根太受金具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、部屋の壁際に取り付けられる長尺の根太材を支持する根太受金具であって、コンクリートスラブ等の基礎床上に配設される接床台座と、該接床台座に垂直に支持された支持ボルトと、該支持ボルトに係合する雌ねじ部を有してその回転動作に伴い上下移動し高さを調節する支持プレートとを有し、前記支持プレートは、前記雌ねじ部が形成されるねじ受部の一端に、縦板部を介して前記ねじ受部よりも低い位置になるように前記根太材の下面を支持する根太支持部が屈曲形成されるとともに、前記ねじ受部の裏面と前記縦板部とにより形成される空所に、前記接床台座の一部が収納可能に形成されていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の低床用根太ユニットは、長尺の根太材と、該根太材の長さ方向の途中位置に設けられる複数の前記根太受金具とを備えてなり、前記根太材は、前記部屋の壁際と前記縦板部との間に挟まれた状態で固定されることを特徴とする。
【0010】
この根太受金具及び低床用根太ユニットにおいては、ねじ受部よりも根太支持部を低い位置に形成するとともに、ねじ受部の裏面と縦板部とにより形成される空所に、接床台座の一部を収納可能にすることで、二重床構造の低床化を図ることができる。
また、部屋の壁際と支持プレートの縦板部との間にパッキンを介して根太材を挟んだ状態で固定して際根太を施工することにより、入居後に設置される重量物による上方からの荷重にも対応でき、含水率の変化などによる伸縮により発生する床パネルの変形を防止することができる。さらに、根太材を根太受金具に固定した状態で高さ調節をすることができるので、根太の施工作業を容易に行うことができる。
【0011】
本発明は、部屋の壁際に取り付けられる長尺の根太材を支持する根太受金具であって、コンクリートスラブ等の基礎床上に配設される接床台座と、該接床台座に垂直に支持された支持ボルトと、該支持ボルトに係合する雌ねじ部を有してその回転動作に伴い上下移動し高さを調節する支持プレートとを有し、前記支持プレートは、前記雌ねじ部が形成されるねじ受部の両端に、縦板部を介して前記ねじ受部よりも低い位置になるように前記根太材の下面を支持する根太支持部が屈曲形成されることにより前記ねじ受部を上面とする凸部が形成されるとともに、該凸部の裏面に形成される空所に前記接床台座の一部が収納可能に形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の低床用根太ユニットは、長尺の根太材と、該根太材の長さ方向の途中位置に設けられる複数の前記根太受金具とを備えてなり、前記根太材は、その下面側に前記支持プレートの凸部を収納可能な凹部と、該凹部の上面に前記支持ボルトの上端部を配置可能な調整孔とが設けられており、該凹部に前記支持プレートの凸部を収納するとともに、前記根太材の下面が前記根太支持部により支持されていることを特徴とする。
【0013】
この場合、支持プレートのねじ受部よりも根太支持部を低い位置に形成し、支持プレートの凸部の裏側に接床台座の一部を収納可能にするとともに、根太材の下面に支持プレートの凸部を収納可能な凹部を設けることにより、二重床構造の低床化を図ることができる。
また、ねじ受部の両側に設けられる根太支持部により根太材を支持する構成としたので、低床用根太ユニットを基礎床上に自立させることができ、根太施工時における作業性を向上させることができる。さらに、入居後に設置される重量物による上方からの荷重にも対応でき、含水率の変化などによる伸縮により発生する床パネルの変形を防止することができる。
【0014】
本発明の低床用根太ユニットにおいて、前記根太受金具は、前記支持プレートを最下降位置に配置した際に、前記支持ボルトの頭部が、前記根太支持部に載置された前記根太材の上端面より低くなるように設定されているとよい。
この場合、支持ボルトの頭部は、根太材の上端面よりも常に下方に配置されることになるので、床パネルを敷設する際にも接触する心配がなく、二重床構造の施工時における作業性の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、支持プレートのねじ受部よりも根太支持部を低い位置に形成するとともに、ねじ受部の裏面と縦板部とにより形成される空所に接床台座の一部を収納可能にしたので、二重床構造の低床化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態の低床用根太ユニットを用いた二重床構造を説明する断面図である。
【図2】図1の根太受金具の斜視図である。
【図3】図1の低床用根太ユニットを用いた根太の施工方法を説明する図である。
【図4】本発明の第1実施形態の低床用根太ユニットを用いた二重床構造を示す床の平面図である。
【図5】支持脚を説明する断面図である。
【図6】図5の支持脚の上面図である。
【図7】本発明の第2実施形態の根太受金具の斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態の低床用根太ユニットを説明する断面図である。
【図9】図8の低床用根太ユニットを用いた根太の施工方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の根太受金具を用いた低床用根太ユニットの一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
第1実施形態の低床用根太ユニット1は、図1及び図3に示すように、長尺の根太材20と、根太材20の長さ方向の途中位置に設けられる複数の根太受金具10とを備え、高さ調整可能な支持プレート13を有する根太受金具10により根太材20を支持するとともに、根太材20を壁101の壁際に沿って配置し、支持プレート13を所定の高さに設定した後に固定することにより、際根太100を施工するものである。
【0018】
根太受金具10は、図1及び図2に示すように、基礎床102上に配設される防振ゴム11(接床台座)と、防振ゴム11に垂直に支持された支持ボルト12と、支持ボルト12の上部に係合して支持ボルト12の回転動作に伴って上下移動する支持プレート13とから構成されている。
防振ゴム11は、円錐台形状に設けられており、床パネル103上からの衝撃を減衰させて基礎床102への伝達を抑制し、遮音性や衝撃緩和性を高めるものである。そして、この防振ゴム11に支持ボルト12が回転自在に支持されている。
支持ボルト12の上端部には、プラスドライバ等が挿入可能な工具挿入溝12aが形成されており、支持ボルト12を回転させることにより、支持プレート13を上下方向に移動させ、基礎床102からの根太の高さを調整することができる。
【0019】
支持プレート13は、支持ボルト12の雄ねじ部12bと係合する雌ねじ部14aが形成されたねじ受部14の一端に、縦板部15を介して、そのねじ受部14よりも低い位置になるように、根太材20の下面を支持する根太支持部16が屈曲形成されている。そして、ねじ受部14の裏面と縦板部15とにより形成される空所に、防振ゴム11の一部が収納可能なように、縦板部15が防振ゴム11の外周面から離れて形成されている。
ねじ受部14の根太支持部16からの高さhは、根太材20の厚みtよりも低く形成されている。このねじ受部14の高さhは、根太材20の厚みtの1/4〜3/4に設定されているとよく、根太材20の厚みtとねじ受部14の高さhとの差分が調整代となる。より好ましくは、ねじ受部14の高さhは、根太材20の厚みtの1/2程度とするのがよい。
また、ねじ受部14と根太支持部16とを繋ぐ縦板部15は、ねじ受部14より幅広に形成され、ねじ受部14の両側方に張り出して形成されている。そして、その張り出して設けられる両側部17は、上方に延長するように突出して設けられており、両側部17により根太材20を安定して支持することができる。また、この両側部17には、根太材20を固定する固定部材(釘又はビス等)を通すための貫通孔17aが設けられている。このように、支持プレート13においては、両側部17を上方に延長するように突出させて設けることにより、貫通孔17aを設ける際の自由度が向上している。
【0020】
また、図1に二点鎖線で示すように、支持プレート13を最下降位置に配置した際に、縦板部15の両側部17の先端部分及び支持ボルト13の頭部は、根太支持部16に載置された根太材20の上端面より低くなるように設定されている。この場合、支持ボルト12の頭部は、根太材20の上端面よりも常に下方に配置されることになる。
また、ねじ受部14の雌ねじ部14aは、下方に折り曲げたバーリング加工によって形成されている。そして、ねじ受部14の上面には、雌ねじ部14aを囲む接着剤溜め18が周縁部を残して一回り小さい凹状に形成されている。
なお、支持プレート13は、金属板やプラスチック板(ポリプロピレン、ナイロン等)等で形成されており、本実施形態においては、例えば、板厚2〜3mmの金属板が用いられ、プレス加工により形成されている。
根太支持部16は、根太材20を下方から支持する。本実施形態においては、低床用根太ユニット1の組立時の作業性を向上させるため、この根太支持部16の上面に、根太材20の仮止め用の両面テープ及び剥離紙(図示略)が設けられている。なお、両面テープ及び剥離紙は、組立作業時の便宜のために設けたものであり、低床用根太ユニットの組立時に必ず必要となるものではない。
【0021】
このように構成された低床用根太ユニット1及び根太受金具10を用いて、根太を施工する。
まず、複数の根太受金具10を根太材20に固定し、低床用根太ユニット1を組み立てる。支持プレート13を所定の高さに設定しておいた各根太受金具10を、一定の間隔をおいて複数並べて立設する。そして、各根太受金具10の根太支持部16表面の剥離紙を剥がして両面テープを露出させ、その上に根太材20を載置する。次に、支持プレート13の縦板部15の裏面側から貫通孔17aを介して釘又はビス等の固定部材19を打ち込み、根太受金具10を根太材20に固定して低床用根太ユニット1を構成する。この際、根太材20の壁101への取付面20aにパッキン21を取り付ける。
なお、パッキン21は、両面に粘着面が形成された緩衝材であり、床パネル103上からの振動を減衰させて壁101への伝達を抑制し、遮音性や衝撃緩和性を高めるものである。また、パッキン21は、低床用根太ユニット1が基礎床102上に垂直に自立するのを補助しており、根太施工時における作業性を向上させることができる。
【0022】
次に、低床用根太ユニット1を、パッキン21を介して部屋の壁際に沿って配置し、根太材20を、壁101と縦板部15との間に挟まれた状態で配置する。このとき、支持ボルト12の工具挿入溝12aに工具を係合させ、支持ボルト12を軸心回りに回転させる。これにより、支持プレート13を上下移動させ、根太の基礎床102からの高さを微調整し、施工高さに調整することができる。
【0023】
高さ調整後、接着剤6を支持プレート13から突出する支持ボルト12の先端部分に供給し、接着剤6を支持ボルト12と支持プレート13の雌ねじ部14aとの係合部に注入して支持ボルト12を固定し、根太の高さが変動しないようにする。上述したように、支持プレート13の雌ねじ部14aの周囲には、凹状の接着剤溜め18が設けられているので、この接着剤溜め18で接着剤が保持され、支持ボルト12と支持プレート13の雌ねじ部14aとの間に接着剤6が入り込み易くなっている。
そして、防振ゴム11を基礎床102上に接着剤等で固定し、際根太の施工を仕上げる。
【0024】
なお、二重床構造110は、図1及び図4に示すように、部屋の壁際に設けられた際根太100と、基礎床102上に配設された支持脚30との上に下地パネル104を介して床パネル103を配置することにより、基礎床102と床パネル103との間に空間部4を構成する。
床パネル103を支持する支持脚30について簡単に説明しておくと、支持脚30は、図4に示すように、基礎床102上に設置され、際根太100に接しない下地パネル104の他の縁部、及び際根太100から離れた部屋の中央部において、下地パネル104を支持するものである。
【0025】
支持脚30は、例えば、図5に示すように、基礎床102上に配設される防振ゴム31と、防振ゴム31に垂直に支持された支持ボルト32と、下地パネル104を支持するとともに、支持ボルト32の上部に係合して支持ボルト32の回転動作に伴って上下移動する支持プレート33とから構成されており、支持プレート33を上下移動させることにより、下地パネル104の基礎床102からの高さを調整することができる。
図5に示す支持脚30においては、支持プレート33の中央部分にカップ状の凸部34が突設され、凸部34の裏面側に同時に形成される凹部35に防振ゴム31の一部が収納可能なように、防振ゴム31の外径と比べて十分大きい内径の凹部35が形成されている。そして、図6に示すように、支持プレート33の凸部34の側面と下地パネル104の側面とを当接させて配置することにより、下地パネル104を一定の隙間38を設けて敷設することができる。
なお、下地パネル104と支持脚30とは、セルフタッピングスクリュ39を下地パネル104の上面側から支持プレート33に打ち込むことにより固定される。
【0026】
このように、本実施形態の根太受金具10及び低床用根太ユニット1においては、支持プレート13のねじ受部14よりも根太支持部16を低い位置に形成するとともに、ねじ受部14の裏面と縦板部15とにより形成される空所に、防振ゴム11の一部を収納可能にすることで、二重床構造の低床化を図ることができる。また、この低床用根太ユニット1とともに用いられる支持脚30においても、下地パネル104を支持する支持プレート33に凸部34を設け、その裏面側の凹部35に防振ゴム31の一部が収納可能にすることで、二重床構造の低床化が図られている。
また、部屋の壁際と支持プレート13の縦板部15との間に根太材20を挟んだ状態で固定して際根太100を施工することにより、入居後に設置される重量物による上方からの荷重にも対応でき、含水率の変化などによる伸縮により発生する床パネル103の変形を防止することができる。さらに、根太材20を根太受金具10に固定した状態で高さ調節をすることができるので、根太の施工作業を容易に行うことができる。
また、支持ボルト12の頭部は、根太材20の上端面よりも常に下方に配置されるので、床パネル103を敷設する際にも接触する心配がなく、二重床構造の施工時における作業性の向上を図ることができる。
【0027】
次に、本発明の第2実施形態の根太受金具及び低床用根太ユニットについて説明する。
図7及び図8に示すように、根太受金具40の支持プレート43は、雌ねじ部44aが形成されたねじ受部44の両端に、縦板部45を介して、ねじ受部44よりも低い位置になるように根太材50の下面を支持する根太支持部46が屈曲形成されることにより、ねじ受部44を上面とする凸部47が形成されている。凸部47は、その裏側に形成される空所に防振ゴム41の一部が収納可能に形成されている。
また、根太材50は、図8及び図9に示すように、その下面側に、支持プレート43の凸部47を収納可能な凹部51と、その凹部51の上面に支持ボルト42の上端部を配置可能な調整孔52とが設けられている。この凹部51に、支持プレート43の凸部47を収納するとともに、根太材50を、凸部47の両側に配置された根太支持部46で支持することにより、低床用根太ユニット2を構成する。
なお、根太支持部46には、支持プレート43に根太材50を固定する固定部材19(釘又はビス等)を通すための貫通孔46aが設けられている。
【0028】
根太の施工は、第1実施形態と同様に、根太受金具40と根太材50とを固定し、低床用根太ユニット2を組み立てた後に、低床用根太ユニット2を、パッキン21を介して部屋の壁際に沿って配置して行う。なお、低床用根太ユニット2は、施工現場に持ち込む前に予め組み立てておいてもよい。そして、調整孔52に露出した支持ボルト42の工具溝に工具を挿入し、根太の基礎床102からの高さを微調整した後に、支持ボルト42を接着剤で固定する。防振ゴム41を基礎床102上に接着剤等で固定し、際根太の施工を仕上げる。
【0029】
この第2実施形態の根太受金具40及び低床用根太ユニット2においては、支持プレート43のねじ受部44よりも根太支持部46を低い位置に形成し、支持プレート43の凸部47の裏側に防振ゴム41の一部を収納可能にするとともに、根太材50の下面に支持プレート43の凸部47を収納可能な凹部51を設けることにより、二重床構造の低床化を図ることができる。
また、ねじ受部44の両側に設けられる根太支持部46により根太材50を支持する構成としたので、低床用根太ユニット2を基礎床102上に自立させることができ、根太施工時における作業性を向上させることができる。
【0030】
なお、本発明は上記実施形態の構成のものに限定されるものではなく、細部構成においては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、根太材の壁への固定手段は、上述したパッキンの他、釘等を使用してもよい。
【符号の説明】
【0031】
1,2 低床用根太ユニット
4 空間部
6 接着剤
10,40 根太受金具
11,31,41 防振ゴム
12,32,42 支持ボルト
13,33,43 支持プレート
14,44 ねじ受部
15,45 縦板部
16,46 根太支持部
17 両側部
18 接着剤溜め
19 固定部材
20,50 根太材
21 パッキン
30 支持脚
34 凸部
35 凹部
38 隙間
39 セルフタッピングスクリュ
51 凹部
52 調整孔
100 際根太
101 壁
102 基礎床
103 床パネル
104 下地パネル
110 二重床構造


【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋の壁際に取り付けられる長尺の根太材を支持する根太受金具であって、コンクリートスラブ等の基礎床上に配設される接床台座と、該接床台座に垂直に支持された支持ボルトと、該支持ボルトに係合する雌ねじ部を有してその回転動作に伴い上下移動し高さを調節する支持プレートとを有し、前記支持プレートは、前記雌ねじ部が形成されるねじ受部の一端に、縦板部を介して前記ねじ受部よりも低い位置になるように前記根太材の下面を支持する根太支持部が屈曲形成されるとともに、前記ねじ受部の裏面と前記縦板部とにより形成される空所に、前記接床台座の一部が収納可能に形成されていることを特徴とする根太受金具。
【請求項2】
請求項1記載の根太受金具を用いた低床用根太ユニットであって、長尺の根太材と、該根太材の長さ方向の途中位置に設けられる複数の前記根太受金具とを備えてなり、前記根太材は、前記部屋の壁際と前記縦板部との間に挟まれた状態で固定されることを特徴とする低床用根太ユニット。
【請求項3】
部屋の壁際に取り付けられる長尺の根太材を支持する根太受金具であって、コンクリートスラブ等の基礎床上に配設される接床台座と、該接床台座に垂直に支持された支持ボルトと、該支持ボルトに係合する雌ねじ部を有してその回転動作に伴い上下移動し高さを調節する支持プレートとを有し、前記支持プレートは、前記雌ねじ部が形成されるねじ受部の両端に、縦板部を介して前記ねじ受部よりも低い位置になるように前記根太材の下面を支持する根太支持部が屈曲形成されることにより前記ねじ受部を上面とする凸部が形成されるとともに、該凸部の裏面に形成される空所に前記接床台座の一部が収納可能に形成されていることを特徴とする根太受金具。
【請求項4】
請求項3記載の根太受金具を用いた低床用根太ユニットであって、長尺の根太材と、該根太材の長さ方向の途中位置に設けられる複数の前記根太受金具とを備えてなり、前記根太材は、その下面側に前記支持プレートの凸部を収納可能な凹部と、該凹部の上面に前記支持ボルトの上端部を配置可能な調整孔とが設けられており、該凹部に前記支持プレートの凸部を収納するとともに、前記根太材の下面が前記根太支持部により支持されていることを特徴とする低床用根太ユニット。
【請求項5】
前記根太受金具は、前記支持プレートを最下降位置に配置した際に、前記支持ボルトの頭部が、前記根太支持部に載置された前記根太材の上端面より低くなるように設定されていることを特徴とする請求項2又は4に記載の低床用根太ユニット。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−79529(P2013−79529A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220273(P2011−220273)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(591173833)淡路技建株式会社 (7)
【Fターム(参考)】