説明

住宅用表示システム

【課題】表示手段の使い勝手を向上することを目的とする。
【解決手段】台所30の流し台52付近の床54に荷重センサ36を設けて、荷重センサ36によって検出された荷重に基づいて台所30への在室を検出し、在室が検出された場合に、モータドライバを制御してモニタ移動モータを駆動して、モニタ26を天井内の格納位置から使用位置に移動する。一方、荷重センサの検出結果に基づいて離室が検出された場合に、モータドライバを制御してモニタ移動モータを駆動して、モニタ26を天井内の格納位置に移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅用表示システムにかかり、特に、住宅の台所等に設け、住宅に関わる各種情報を表示する住宅用表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、レシピやテレビを見ながら調理することができるようにしたシステムキッチンが提案されている。詳細には、特許文献1に記載の技術では、モニタを備えたシステムキッチンにおいて、吊戸棚の扉またはカウンターにモニタを収納する収納スペースを設け、モニタをその収納スペースに引き出しおよび収納可能に配設して、収納されたモニタの表示面が位置する扉またはカウンターの部分に透明部材を備えた窓を形成している。これによって、収納部材を必要とせず、省スペースでモニタを収納することができ、収納された状態でモニタの表示面を見ることができると共に、引き出して見やすい位置にモニタを移動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−270337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、モニタの起動時の操作を行う際には、収納スペースから引き出してから、モニタの起動操作を行う必要があり、起動時の操作性に関して改善の余地がある。
【0005】
また、特許文献1に記載の技術では、モニタ位置を手動で移動しない限り、不在時と在室時とで同じ位置にモニタが位置することになるが、モニタの望ましい位置としては不在時に収納して在室時に操作可能な位置にする等のように異なる位置が望ましいと考えられ、モニタの位置調整に関して改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、表示手段の使い勝手を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、天井内に格納した格納位置と天井内から予め定めた位置まで降下した使用位置の各々の位置に移動可能に設けられた表示手段と、前記表示手段を前記各々の位置へ移動する移動手段と、台所への在室を検出する検出手段と、前記検出手段によって台所への在室が検出された場合に、前記表示手段が前記格納位置から前記使用位置へ移動して前記表示手段が起動するように前記移動手段及び前記表示手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、表示手段は、天井内に格納した格納位置と天井内から予め定めた位置まで降下した使用位置の各々の位置に移動可能に設けられており、移動手段によって各々の位置に移動される。
【0009】
検出手段では、台所への在室が検出される。そして、制御手段では、検出手段によって台所への在室が検出された場合に、表示手段が格納位置から使用位置へ移動して表示手段が起動するように移動手段及び表示手段が制御される。すなわち、台所へ行くことにより、表示手段が使用位置まで移動して起動されるので、利便的に表示手段を使用することができる。従って、表示手段の使い勝手を向上することができる。
【0010】
なお、制御手段は、請求項2に記載の発明のように、検出手段の検出結果に基づいて在室者を特定し、予め登録された在室者が検出された場合に、表示手段が使用位置へ移動して表示手段が起動するように移動手段及び表示手段を制御するようにしてもよい。
【0011】
また、制御手段は、請求項3に記載の発明のように、検出手段によって台所への在室が検出されなくなった場合に、表示手段が格納位置へ移動して表示手段の表示が停止するように移動手段及び表示手段を更に制御するようにしてもよい。
【0012】
また、表示手段は、請求項4に記載の発明のように、スライド上下移動によって各々の位置に移動可能とした構成を適用するようにしてもよい。
【0013】
また、請求項5に記載の発明のように、水又は火の使用を検出する使用検出手段を更に備えて、制御手段が、使用検出手段によって水又は火の使用が検出された場合に、表示手段が予め定めた位置へ退避するように移動手段を更に制御するようにしてもよい。なお、表示手段が予め定めた位置としては、格納位置へ移動するようにしてもよいし、使用位置よりも天井に近い他の位置に移動するようにしてもよい。
【0014】
また、請求項6に記載の発明のように、表示手段と在室者の距離を検出する距離検出手段を更に備えて、制御手段が、距離検出手段によって所定距離以上の距離が検出された場合に、表示手段に表示される文字サイズを拡大するように、表示手段を更に制御するようにしてもよい。
【0015】
また、請求項7に記載の発明のように、消音可能なインターホン及び電話の少なくとも一方の機器を更に備えて、制御手段が、表示手段の使用中に機器が発音した場合に、機器を消音するように機器を更に制御するようにしてもよい。
【0016】
また、請求項8に記載の発明のように、火の使用を検出する火検出手段と、警告音を発生する警告音発生手段を更に備えて、制御手段が、火検出手段によって火の使用が検出され、かつ検出手段によって台所への在室が検出されなくなった場合に、警告するように警告音発生手段を更に制御するようにしてもよい。
【0017】
さらに、請求項9に記載の発明のように、検出手段によって複数人の在室が検出された場合に、表示手段の利用制限及び利用の優先順を設定する設定手段を更に備えて、制御手段が、設定手段の設定に応じて表示手段を更に制御するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば、台所への在室が検出された場合に表示手段が使用位置に移動して起動されるので、表示手段の使い勝手を向上することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係わる住宅用表示システムのモニタの配置例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる住宅用表示システムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる住宅用表示システムのコンピュータで行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図4】操作に対応する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係わる住宅用表示システムのモニタの配置例を示す図であり、図2は、本発明の実施の形態に係わる住宅用表示システムの概略構成を示すブロック図である。
【0021】
本発明の実施の形態に係わる住宅用表示システム10は、住宅に備えた電気機器に関する情報や、住宅の各種情報、テレビ等を表示するためのモニタ26を備えている。なお、モニタ26に表示される内容としては、例えば、住宅内のエネルギ使用量(日別、月間、年間等)、料理レシピ、料理カロリや塩分、糖分、油分等の管理内容(家族の健康状態管理)、ニュース、音楽等の各種情報が表示される。なお、モニタ26に表示される内容としては、これらに限るものではない。
【0022】
モニタ26は、図1矢印X方向に移動可能とされて、台所30の天井50に格納可能に設けられており、格納位置(図1の点線位置)と使用位置(図1の実線位置)の各々の位置に移動可能とされている。なお、格納位置と使用位置とへの移動する方法としては、種々の方法を適用することができ、例えば、アンテナ状に収縮可能な部材をモニタ26に接続して、当該部材をモータ等のアクチュエータによって駆動することにより、格納位置と使用位置の各々の位置へ移動することができる。
【0023】
また、台所30の流し台52付近の床54には、台所30への在室を検出するための荷重センサ36が設けられており、本実施の形態に係わる住宅用表示システム10では、荷重センサ36の検出結果に基づいて台所30への在室が検出されると、モニタ26が格納位置から使用位置へ移動され、不在が検出されると、格納位置へモニタ26が格納されるようになっている。
【0024】
住宅用表示システム10は、詳細には、図2に示すように、CPU14、ROM16、RAM18、メモリ20、及び入出力ポート22がそれぞれバス24に接続されたコンピュータ12を備えている。なお、図2では、コンピュータ12はモニタ26とは別に示すが、モニタ26内にコンピュータ12の構成を備えるようにしてもよいし、モニタ26とコンピュータ12は別の構成としてそれぞれ異なる位置に設けるようにしてもよい。
【0025】
入出力ポート22には、上述のモニタ26が接続されていると共に、モニタ26を格納位置と使用位置の各々の位置へ移動するモニタ移動モータ32を駆動するためのモータドライバ28、及び荷重センサ36が接続されている。すなわち、荷重センサ36の検出結果に基づいて、コンピュータ12がモータドライバ28を制御することにより、モニタ移動モータ32を駆動してモニタ26を各々の位置に移動させる。また、モニタ26は、タッチパネル等の操作部を備えており、表示する情報の選択や、住宅に備えた各種電気機器の操作指示等が可能とされていると共に、スピーカを備えて、警告音の発生や、各種情報を報知するための音声を出力可能とされている。
【0026】
また、入出力ポート22には、水滴センサ34、着火センサ38、インターホン40、電話42、施錠装置44、各種電気機器46、及び人感センサ48等が接続されている。
【0027】
水滴センサ34は、流し台や水道の蛇口付近等に設けられ、水滴を検出することにより、水の使用を検出し、検出結果をコンピュータ12に出力する。なお、本実施の形態では、水滴センサ34を用いた例を説明するが、水滴センサ34の代わりに、蛇口にスイッチ等を設けて水道の使用を検出するようにしてもよい。
【0028】
荷重センサ36は、上述したように、台所30の流し台52付近の床54に設けられており、床に加わる荷重を検出し、検出結果をコンピュータ12に出力する。
【0029】
着火センサ38は、ガスレンジ付近に設けられ、火の使用を検出し、検出結果をコンピュータ12に出力する。
【0030】
インターホン40及び電話42は、外部から消音可能に構成されており、コンピュータ12からの指示によって呼び出し音が消音可能とされている。本実施の形態では、モニタ26から音声が発生されている場合に、インターホン40や電話42の呼び出し音が発音されたときには、インターホン40や電話42の読み出し音をコンピュータ12の指示によって消音する。なお、本実施の形態では、インターホン40及び電話42を共に消音するが、少なくとも一方を備えて、少なくとも一方を消音するようにしてもよい。
【0031】
施錠装置44は、玄関等の施錠や解錠を制御し、施錠装置44による施錠状態をモニタ26に表示可能とされている。すなわち、モニタ26により住宅の施錠状態を確認することができるようになっている。
【0032】
各種電気機器46は、例えば、住宅内の各部屋の照明や、テレビ等の電気機器を適用することができ、コンピュータ12からの指示によって電源のオンオフ等の制御が可能とされている。
【0033】
人感センサ48は、住宅内の各部屋や玄関等に設けられ、人の存在を検出して、検出結果をコンピュータ12に出力し、コンピュータ12は、人感センサ48に基づいて、施錠装置44の施錠状態を監視して、不在で施錠されていない場合に施錠したり、各種電気機器46をオフしたり等の制御を行う。また、セキュリティシステム等を備える場合には、人感センサ48によって住人の不在が検出された場合に、セキュリティシステムを起動する等の処理を行うようにしてもよい。
【0034】
ここで、上述のように構成された本発明の実施の形態に係わる住宅用表示システム10の主な機能について説明する。
【0035】
本実施の形態に係わる住宅用表示システム10では、上述したように、荷重センサ36によって検出された荷重に基づいて台所30への在室が検出され、在室が検出されると、モータドライバ28を制御してモニタ移動モータ32を駆動して、モニタ26を天井内の格納から使用位置に移動する。一方、荷重センサの検出結果に基づいて離室が検出された場合には、モータドライバ28を制御してモニタ移動モータ32を駆動して、モニタ26を天井内の格納位置に移動する。
【0036】
また、住宅用表示システム10は、水滴センサ34の検出結果に基づいて、水の使用を検出し、水の使用が検出されると、モータドライバ28を制御してモニタ移動モータ32を駆動して、モニタ26を天井内に格納する。なお、格納位置まで移動せずに、パネルが濡れない位置に回避するようにしてもよい。
【0037】
また、着火センサ38及び荷重センサ36の検出結果に基づいて、在室中の火の使用を検出し、火をつけた状態で部屋を離れたことが検出された場合には、警告音を発生する機能も備えている。
【0038】
また、モニタ26が使用されているとき(例えば、音声等が出力されているとき)に、インターホン40や電話42が発音された場合には、これを検出して、インターホン40や電話42を制御して消音する機能も備えている。
【0039】
また、荷重センサ36の検出結果に基づいて、モニタ26からの操作者の距離を検出して、所定距離以上離れた場合に、モニタ26の表示する文字の大きさを拡大し、所定距離未満になった場合に元の大きさに戻す文字サイズ変更機能も備えている。
【0040】
さらに、モニタ26を操作する人が複数人存在する場合には、利用制限や優先順位を予め設定しておくことにより、利用制限や優先順位に従って操作を許可する機能を備えている。具体的には、荷重センサ36によって個人を特定するために、各個人毎の荷重センサ36の検出結果を予め登録する。すなわち、荷重センサ36の検出結果から足の大きさや体重を検出することができるので、これらの情報と共に各個人の情報を予め登録しておくことにより、荷重センサ36の検出結果に基づいて、利用者を特定して、利用制限された人物や優先順位が低い人物が検出された場合には、モニタ26の利用を制限する等の処理が可能となる。
【0041】
これらの機能は、住宅制御プログラムとしてROM16に予めインストールされており、住宅制御プログラムをCPU14が実行することにより実現される。
【0042】
続いて、上述のように構成された本発明の実施の形態に係わる住宅用表示システム10で行われる具体的な処理の流れについて詳細に説明する。図3は、本発明の実施の形態に係わる住宅用表示システム10のコンピュータ12で行われる処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図3の処理は、荷重センサ36によって荷重が検出されたときに開始されるものとして説明する。
【0043】
ステップ100では、在室者が特定されてステップ102へ移行する。すなわち、荷重センサ36の検出結果から足の大きさや体重を特定して、予め登録された人物の中から在室者を特定する。なお、本実施の形態では、荷重センサ36は流し台付近の床に設けられているので、流し台付近の在室者を特定する。
【0044】
ステップ102では、登録されている人物であるか否かが判定される。該判定は、ステップ100の在室者の特定よって予め登録されている人物が特定されたか否かを判定し、該判定が否定された場合にはステップ100に戻って上述の処理が繰り返され、判定が肯定された場合にはステップ104へ移行する。
【0045】
ステップ104では、モニタ26が使用位置に移動されると共に、起動されてステップ106へ移行する。すなわち、モータドライバ28を制御することによってモニタ移動モータ32を駆動して天井50内からモニタ26を使用位置へ移行すると共に、モニタ26の起動を行う。なお、このとき、利用者の身長等に応じてモニタ26の位置を予め定めておき、特定された人物に応じてモニタ26を降下させる高さを変化するようにしてもよい。これによって見やすい高さにモニタ26を移動することができる。
【0046】
ステップ106では、モニタ26への操作が行われたか否かが判定される。該判定は、モニタ26のタッチパネル等の操作部が操作されたか否かを判定し、該判定が肯定された場合にはステップ108へ移行し、否定された場合にはステップ110へ移行する。
【0047】
ステップ108では、操作に対応する処理が行われてステップ110へ移行する。ここで、図4を参照して、操作に対応する処理について説明する。図4は、操作に対応する処理の一例を示すフローチャートである。
【0048】
ステップ200では、操作に対応する項目が表示されると共に、対応する処理が実行されてステップ202へ移行する。例えば、レシピの表示や、テレビの表示、施錠装置44による施錠状態の表示、制御可能な電気機器46に対する操作画面の表示等が操作に対応する項目として表示され、各表示内容に対して操作が行われた場合に対応する処理を行う。
【0049】
ステップ202では、他の人の操作があるか否かが判定される。該判定は、荷重センサ36の検出結果に基づいて、モニタ26付近の人物が特定され、特定された人物が前回の操作と異なる人物であるか否かを判定し、該判定が肯定された場合にはステップ204へ移行し、否定された場合にはそのまま当該処理をリターンして、図3のステップ110へ移行する。
【0050】
ステップ204では、操作優先順位が確認されてステップ206へ移行する。すなわち、予め設定されている操作の優先順位が確認される。
【0051】
ステップ206では、モニタ26を操作した人物が優先であるか否かが判定される。該判定は、優先順位を確認した結果から操作した人の優先順位が高い、或いは操作した人物が前回と同じ場合に判定が肯定されてステップ208へ移行し、それ以外の場合には判定が否定されてステップ210へ移行する。
【0052】
ステップ208では、新たな操作に対応する項目が表示されると共に、対応する処理が実行されて、当該処理をリターンして、図3のステップ110へ移行する。
【0053】
ステップ210では、操作優先順位が低い旨がモニタ26に表示され、操作に対応する処理が行われずに、当該処理をリターンして、図3のステップ110へ移行する。
【0054】
次に、上述の操作に対応する処理が行われてステップ110へ移行すると、操作者が移動したか否かが判定される。該判定は、荷重センサ36によって荷重の移動を検出したか否かを判定し該判定が肯定された場合にはステップ112へ移行し、否定された場合にはステップ130へ移行する。
【0055】
ステップ112では、着火中か否かが判定される。該判定は着火センサ38によって火の使用が検出されているか否かが判定され、該判定が肯定された場合にはステップ122へ移行し、否定された場合にはステップ114へ移行する。
【0056】
ステップ114では、在室者がモニタ26から所定距離以上離れたか否かが判定され、該判定が肯定された場合にはステップ116へ移行し、否定された場合にはステップ100に戻って上述の処理が繰り返される。なお、所定距離は、文字サイズを拡大する必要がある距離として予め設定可能としてもよい。
【0057】
ステップ116では、モニタ26に表示される文字の文字サイズが拡大されてステップ118へ移行する。すなわち、モニタ26から離れると、モニタ26に表示される文字の大きさが拡大されるので、モニタ26から離れても文字が見難くなることを防止することができる。
【0058】
ステップ118では、在室者が所定距離範囲内に戻ったか否かが判定され、該判定が肯定されるまで待機してステップ120へ移行する。
【0059】
ステップ120では、モニタ26に表示される文字のサイズが元の大きさに戻されてステップ100に戻って上述の処理が繰り返される。なお、本実施の形態では、説明を簡単するために、在室者が所定距離以上離れて文字サイズを拡大した後に、所定距離範囲内に戻ったところで文字サイズを元のサイズにするまでを一つの動作としてステップ118の判定が肯定されるまで待機する構成として説明したが、これに限るものでなく、例えば、文字サイズを拡大した後に、ステップ100に戻って他の処理を行って、モニタ26から所定距離範囲内に近づいたところで文字サイズを元の大きさに戻す構成としてもよい。
【0060】
一方、着火中と判定されステップ122へ移行すると、所定時間以上離室したか否かが判定される。該判定は、荷重センサ36によって荷重が検出されない時間が所定時間以上経過したか否かを判定し該判定が肯定された場合にはステップ124へ移行し、否定された場合にはステップ142へ移行する。なお、当該判定は、人感センサ48の検出結果に基づいて、判定するようにしてもよい。
【0061】
ステップ124では、警告音解除設定がされているか否かが判定される。該判定は、火をつけたまま火から離れた場合に警告を行う設定を解除する設定が予め行われているか否かを判定する。すなわち、とろ火で調理する場合には、警告が煩わしいので、モニタ26を操作して警告解除を予め設定することを可能とし、当該設定が行われているか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ126へ移行し、肯定された場合にはステップ142へ移行する。
【0062】
ステップ126では、警告音が発生されてステップ128へ移行する。すなわち、火をつけたまま所定時間以上荷重センサ36によって荷重が検出されない領域に離れた場合には、警告を行うことにより、注意を促すことができる。
【0063】
ステップ128では、警告音停止が指示されたか否かが判定される。該判定は、例えば、モニタ26が操作されて警告音の停止指示が行われたか否かを判定し、該判定が肯定されるまで待機してステップ142へ移行する。
【0064】
一方、ステップ130では、水を使用中か否かが判定される。該判定は、水滴センサ34によって水滴を検出したか否かを判定し、該判定が肯定された場合には水をしていると判断してステップ132へ移行し、否定された場合にはステップ138へ移行する。なお、当該ステップは、この形態に限られるものではなく、例えば、水を一定時間流したか否かを蛇口等に設けたスイッチ等に基づいて判定するようにしてもよい。
【0065】
ステップ132では、モニタ26が格納位置へ移動されてステップ134へ移行する。すなわち、水が使用されている場合にはモニタ26が濡れないようにモニタ26を退避させるために、モータドライバ28が制御されてモニタ移動モータ32が駆動され、天井50内の格納位置へモニタ26が移動される。なお、格納位置まで移動せずに、予め定めた濡れない位置までモニタ26を上昇させるようにしてもよい。
【0066】
ステップ134では、水使用が終了したか否かが判定される。該判定は、水滴センサ34によって水滴が検出されなくなったか否かが判定され、該判定が肯定されるまで待機してステップ136へ移行する。
【0067】
ステップ136では、モニタ26が使用位置に移動、すなわち、元の使用位置に戻されてステップ142へ移行する。なお、本実施の形態では、説明を簡単にするために、モニタ26を退避させて、元の位置に戻すまでを一つの動作としてステップ134の判定が肯定されるまで待機する構成として説明したが、これに限るものではなく、例えば、モニタ26を退避させてからステップ100に戻って他の処理を行って、水の使用が検出されなくなったところでモニタ26を元の位置に戻す構成としてもよいし、水の使用が終了してから所定時間経過してから使用位置へ移動する構成としてもよい。所定時間経過してから使用位置へ移動する場合には、一時的に水の使用をやめて、再度、使用する際に、無駄なモニタ26の移動を防止することができ、当該移動に伴う電力の消費を防止することができる。
【0068】
また、ステップ138では、モニタ26から音声が発生されているときにインターホン40や電話42の呼び出し音が発音されたか否かが判定され、該判定が肯定された場合にはステップ140へ移行し、否定された場合にはステップ142へ移行する。
【0069】
ステップ140では、インターホン40や電話42の呼び出し音が消音されてステップ142へ移行する。すなわち、本実施の形態では、モニタ26から音声が発生されているときに、インターホン40や電話42が発音された場合には、モニタ26の音声が優先され、インターホン40や電話42が消音される。
【0070】
そして、ステップ142では、離室したか否かが判定される。該判定は、荷重センサ36によって荷重が検出されなくなったか否かを判定し、該判定が否定された場合にはステップ100に戻って上述の処理が繰り返され、肯定された場合にはステップ144へ移行する。
【0071】
ステップ144では、モニタ26が停止されて天井50内に格納されて一連の処理を終了する。すなわち、モータドライバ28が制御されてモニタ移動モータ32が駆動されて、モニタ26が天井50内の格納位置に移動される。
【0072】
このように、本実施の形態では、台所への在室が検出されると、モニタ26が格納位置から使用位置まで移動されると共に、起動され、台所から離れるとモニタ26が停止されて格納位置に格納されるので、モニタ26の使い勝手を向上することができる。
【0073】
また、水を使用したときには、モニタ26が濡れないように退避されるので、モニタ26の水濡れによる故障を防止することができる。
【0074】
また、所定距離以上モニタ26から離れた場合には文字サイズが拡大されるので、さらなる使い勝手の向上が可能となる。
【0075】
また、モニタ26の使用中(例えば、音声が出力されているとき)にインターホン40や電話42の呼び出し音が発音された場合には、インターホン40や電話42の呼び出し音が消音されるので、モニタ26からの音声等を聞き逃すことがなくなり、使い勝手が向上する。
【0076】
さらには、火をつけたまま台所30を離れた場合には、警告するので、火事を防止することもできる。
【0077】
なお、上記の実施の形態では、台所30への在室を荷重センサ36で検出するようにしたが、これに限るものではなく、人感センサ48によって台所30への在室を検出するようにしてもよし、カメラ等を用いて台所30への在室を検出するようにしてもよい。またあ、カメラを用いる場合には、画像処理等によって在室者を特定することもでき、不審者の特定も可能となる。
【0078】
また、上記の実施の形態では、モニタ26を使用しているときに、インターホン40や電話42の呼び出し音が発音された場合に、インターホン40や電話42を消音するようにしたが、当該処理は在宅者がいる場合に行われることが好ましい。他に在宅者がいない場合には、モニタ26を消音する構成としてもよいし、モニタ26、インターホン40、電話42の何れを消音するかの設定を可能として、設定に応じて消音を行うようにしてもよい。
【0079】
また、上記の実施の形態では、水を使用している時に、モニタ26を退避するように制御するようにしたが、これに限るものではなく、例えば、着火センサ38によって火の使用を検出した場合にも、モニタ26を退避するように制御するようにしてもよいし、水及び火の少なくとも一方の使用を検出した場合に、モニタ26を退避するように制御するようにしてもよい。
【0080】
また、上記の実施の形態において、モニタ26を格納する場合には、格納速度を、例えば、図3のステップ132とステップ144とで異なるようにしてもよい。例えば、水が飛び跳ねて機器が濡れて故障になる恐れがあるため、ステップ132における格納速度をステップ144における格納速度より速く設定してもよい。また、ステップ132における格納速度を可変としてもよい。この場合には、水滴センサ34をモニタ26付近に設けて、水滴センサ34が段階的に感知するようにしてもよい。段階的に感知する場合には、一定の基準値よりも高くなった場合の段階でステップ132における格納速度を加速するように可変としてもよい。
【符号の説明】
【0081】
10 住宅用表示システム
12 コンピュータ
26 モニタ
28 モータドライバ
30 台所
32 モニタ移動モータ
34 水滴センサ
36 荷重センサ
38 着火センサ
40 インターホン
42 電話
50 天井

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井内に格納した格納位置と天井内から予め定めた位置まで降下した使用位置の各々の位置に移動可能に設けられた表示手段と、
前記表示手段を前記各々の位置へ移動する移動手段と、
台所への在室を検出する検出手段と、
前記検出手段によって台所への在室が検出された場合に、前記表示手段が前記格納位置から前記使用位置へ移動して前記表示手段が起動するように前記移動手段及び前記表示手段を制御する制御手段と、
を備えた住宅用表示システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記検出手段の検出結果に基づいて在室者を特定し、予め登録された在室者が検出された場合に、前記表示手段を前記使用位置へ移動して前記表示手段が起動するように前記移動手段及び前記表示手段を制御する請求項1に記載の住宅用表示システム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記検出手段によって台所への在室が検出されなくなった場合に、前記表示手段を前記格納位置へ移動して前記表示手段の表示が停止するように前記移動手段及び前記表示手段を更に制御する請求項1又は請求項2に記載の住宅用表示システム。
【請求項4】
前記表示手段は、スライド上下移動によって前記各々の位置に移動可能とされている請求項1〜3の何れか1項に記載の住宅用表示システム。
【請求項5】
水又は火の使用を検出する使用検出手段を更に備え、前記制御手段が、前記使用検出手段によって水又は火の使用が検出された場合に、前記表示手段が予め定めた位置へ退避するように前記移動手段を更に制御する請求項1〜4の何れか1項に記載の住宅用表示システム。
【請求項6】
前記表示手段と在室者の距離を検出する距離検出手段を更に備え、前記制御手段が、前記距離検出手段によって所定距離以上の前記距離が検出された場合に、前記表示手段に表示される文字サイズを拡大するように、前記表示手段を更に制御する請求項1〜5の何れか1項に記載の住宅用表示システム。
【請求項7】
消音可能なインターホン及び電話の少なくとも一方の機器を更に備え、前記制御手段が、前記表示手段の使用中に前記機器が発音した場合に、前記機器を消音するように前記機器を更に制御する請求項1〜6の何れか1項に記載の住宅用表示システム。
【請求項8】
火の使用を検出する火検出手段と、警告音を発生する警告音発生手段を更に備え、前記制御手段が、前記火検出手段によって火の使用が検出され、かつ前記検出手段によって台所への在室が検出されなくなった場合に、警告するように前記警告音発生手段を更に制御する請求項1〜7の何れか1項に記載の住宅用表示システム。
【請求項9】
前記検出手段によって複数人の在室が検出された場合に、前記表示手段の利用制限及び利用の優先順位を設定する設定手段を更に備え、前記制御手段が、前記設定手段の設定に応じて前記表示手段を更に制御する請求項1〜8の何れか1項に記載の住宅用表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−161408(P2012−161408A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22717(P2011−22717)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(504093467)トヨタホーム株式会社 (391)
【Fターム(参考)】