説明

作業機械の表示装置

【課題】 エンジン負荷が適正負荷の領域を越えるような大きめのエンジン負荷になっていること、及び、エンジン負荷が適正負荷の領域に戻っていることを、作業者に認識させ易い状態で、エンジン負荷を表示することが可能となる作業機械の表示装置を提供する。
【解決手段】 最小負荷表示位置と最大負荷表示位置とに亘る負荷表示用設定経路Q2に沿って、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な複数の点灯部13aを並設し、各点灯部13a夫々が点灯表示色を複数種の色に変更可能に構成され、エンジン負荷が増大するほど最小負荷表示位置側に位置する点灯部13aから順に最大負荷表示位置側に隣接する点灯部13aを点灯状態に切り換えて、点灯状態の点灯部13aの個数を増加させる形態でエンジン負荷を表示し、且つ、点灯状態の点灯部13aのうちの最大負荷表示位置側の点灯部13aの位置が表示形態切換用設定位置を越えると、点灯状態の全ての点灯部の点灯表示色を異なる色に変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、最小負荷表示位置と最大負荷表示位置とに亘る負荷表示用設定経路に沿って、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な複数の点灯部を並設し、それら複数の点灯部のうちでエンジン負荷が増大するほど前記最大負荷表示位置に近い側の点灯部を消灯状態から点灯状態に切り換える形態でエンジン負荷を表示するように構成されているエンジン負荷表示手段を備えた作業機械の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記構成の作業機械の表示装置は、例えば作業機械の一例としてのコンバイン等において、刈取作業を行っているときに、作業者がエンジン負荷検出手段の表示内容からエンジン負荷が適正負荷の領域を越えて大きくなっていることが判ると、作業速度を減速させる処理等のエンジン負荷を適正負荷に領域に戻すための措置を取ることができるようにしたものである。
【0003】
そして、このような作業機械の表示装置の従来例としては、作業機械の一例であるコンバインに適用したものとして、次のように構成されたものがあった。
すなわち、円形の操向ハンドルの中央部分にエンジン負荷表示手段を構成する液晶表示式の画像表示部が設けられ、その画像表示部は、最小負荷表示位置から最大負荷表示位置に亘る負荷表示用設定経路に沿って、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な複数の点灯部を並設して、負荷が増大するほど最大負荷表示位置に近い側の点灯部を消灯状態から点灯状態に切り換えることにより、点灯状態の点灯部の個数を増加させてエンジン負荷を表示するように構成されるものであり、前記各点灯部は、液晶表示装置にて構成される画像表示部における白地の背景に対して黒色の表示状態にする点灯状態と白地の背景と同じ色に表示する消灯状態とに切り換える構成となっている(例えば、特許文献1参照。)(以下、第1の従来例という)。
【0004】
上記構成の作業機械の表示装置の別の従来例として、次のように構成されたものもあった。
すなわち、前記複数の点灯部として、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在であり且つその並び順に負荷レベルを表す番号(1〜5)を付した5個のランプ照明式表示部を負荷表示用設定経路に沿って並設して、エンジン負荷が増大するほど最大負荷表示位置に近い側のランプ照明式表示部を消灯状態から点灯状態に切り換える形態で、点灯状態とするランプ照明式表示部の位置を負荷表示用設定経路に沿って移動させてエンジン負荷を表示する構成となっており、前記各ランプ照明式表示部はランプを点灯して照明する状態とランプを消灯して照明しない状態とに切り換える構成である(例えば、特許文献2参照。)(以下、第2の従来例という)。
【0005】
【特許文献1】特開2005−80549号公報
【特許文献2】特開2001−1919872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記第1の従来例では、前記各点灯部は、液晶表示式の画像表示部における白地の背景に対して黒色の表示状態にする点灯状態と白地の背景と同じ色に表示する消灯状態とに切り換える構成であるから、例えばエンジン負荷が適正負荷の領域を越えて大きくなっている場合であっても、黒色の表示状態の点灯部の個数が多くなるだけであり、エンジン負荷の表示状態が分かり難いものであった。
【0007】
又、上記第2の従来例においては、点灯状態とするランプ照明式表示部の位置を負荷表示用設定経路に沿って移動させてエンジン負荷を表示する構成となっているが、この構成においても、前記各ランプ照明式表示部におけるランプは夫々同じものであって、どのランプ照明式表示部においても同じ色で表示されるものであるから、エンジン負荷が適正負荷の領域を越えて大きくなっており、そのエンジン負荷に対応するランプ照明式表示部が点灯していても、作業者には、エンジン負荷の状態が分かり難いものであった。
【0008】
特に、コンバイン等の作業機械では、作業者が機体前方を目視しながら機体の運転操作を行っているときに表示装置を短時間だけ目視することが多いものであるから、上記したような各従来例の構成では、エンジン負荷の表示状態が分かり難いものとなっていた。
【0009】
その結果、上記各従来例では、作業中においてエンジン負荷が適正負荷の領域を越えるような大きめのエンジン負荷になっている場合であっても、作業者がそのことに気付かずに作業を継続して、エンジンに過負荷がかかる状態が長く続いたり、エンストを起こしたりするおそれがあり、又、エンジン負荷を適正負荷に領域に戻すための措置を取る場合においても、エンジン負荷が適正負荷の領域に戻ったことが判り難く、過剰に戻し過ぎてしまうおそれがある等の不利があった。
【0010】
本発明の目的は、エンジン負荷が適正負荷の領域を越えるような大きめのエンジン負荷になっていること、及び、エンジン負荷が適正負荷の領域に戻っていることを、作業者に認識させ易い状態で、エンジン負荷を表示することが可能となる作業機械の表示装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る作業機械の表示装置は、最小負荷表示位置と最大負荷表示位置とに亘る負荷表示用設定経路に沿って、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な複数の点灯部を並設し、それら複数の点灯部のうちでエンジン負荷が増大するほど前記最大負荷表示位置に近い側の点灯部を消灯状態から点灯状態に切り換える形態でエンジン負荷を表示するように構成されているエンジン負荷表示手段を備えたものであって、その第1特徴構成は、前記各点灯部夫々の点灯表示色を複数種の色に変更可能に構成され、前記エンジン負荷表示手段が、エンジン負荷が増大するほど前記最小負荷表示位置側に位置する前記点灯部から順に前記最大負荷表示位置側に隣接する点灯部を点灯状態に切り換えて、点灯状態の点灯部の個数を増加させる形態でエンジン負荷を表示し、且つ、点灯状態の点灯部のうちの最大負荷表示位置側の点灯部の位置が表示形態切換用設定位置を越えると、点灯状態の全ての点灯部の点灯表示色を異なる色に変更するように構成されている点にある。
【0012】
第1特徴構成によれば、エンジン負荷表示手段は、エンジン負荷が増大するほど最小負荷表示位置側に位置する点灯部から順に最大負荷表示位置側に隣接する点灯部を点灯状態に切り換えて、点灯状態の点灯部の個数を増加させる形態でエンジン負荷を表示する。説明を加えると、エンジン負荷が零又は零に近い小さい負荷であるときはいずれの点灯部も点灯せず、エンジン負荷が増大するほど最小負荷表示位置側に位置する点灯部から順に最大負荷表示位置側に向けて点灯する点灯部の個数が増加していくので、点灯状態の点灯部のうちの最大負荷表示位置側の点灯部の位置がエンジン負荷の大きさを表すことになる。
【0013】
そして、各点灯部夫々が点灯表示色を複数種の色に変更可能に構成されており、点灯状態の点灯部のうちの最大負荷表示位置側の点灯部の位置が表示形態切換用設定位置を越えると、点灯状態の全ての点灯部の点灯表示色を異なる色に変更する状態でエンジン負荷を表示する。すなわち、点灯状態の点灯部のうちの最大負荷表示位置側の点灯部の位置が、表示形態切換用設定位置よりも最小負荷表示位置側の位置にあれば、点灯状態の全ての点灯部の点灯表示色が例えば小負荷に対応するような色で表示されており、表示形態切換用設定位置を越えると、その点灯状態の全ての点灯部の点灯表示色をそれまで表示していた色とは異なる色、例えば作業者に注意を促すような色に変更するのである。
【0014】
そして、前記表示形態切換用設定位置として、エンジン負荷が適正負荷の領域の上限値またはそれよりも大きな値に対応する表示位置に設定しておくと、点灯状態の点灯部のうちの最大負荷表示位置側の点灯部の位置が表示形態切換用設定位置を越えることは、エンジン負荷が適正負荷の領域の上限値またはそれよりも大きな値を越えたことを意味するが、エンジン負荷がそのような大きな値になると点灯状態の全ての点灯部の点灯表示色が変更されることになる。
つまり、エンジン負荷が適正負荷の領域を越えるような大きめのエンジン負荷になると、複数の点灯部の全てのものの点灯表示色が変化することにより、作業者は、エンジン負荷が適正負荷の領域を越えるような大きめのエンジン負荷になっていることを認識し易いものとなる。
【0015】
ところで、点灯部の色を変化させる構成として、点灯状態の点灯部のうちの最大負荷表示位置側の点灯部の位置が前記表示形態切換用設定位置を越えると、その表示形態切換用設定位置よりも最小負荷表示位置側に位置する複数の点灯部は点灯表示色を変化させずに、表示形態切換用設定位置を越えた箇所にある点灯部を他の複数の点灯部とは異なる点灯表示色に変化させて表示させる構成も考えられるが、この構成では、点灯表示色が変化する点灯部の個数が少ないものであるから、作業者が点灯表示色の変化を認識し難いものとなる。
これに対して、上記構成によれば、点灯状態の全ての点灯部の点灯表示色が変更されるから、点灯表示色が変化する点灯部の個数が多くなるので、作業者は点灯表示色の変化を認識し易いものとなるのである。
【0016】
又、エンジン負荷が増大している場合だけでなく、エンジンが適正負荷の領域を超えて大きくなったのちに、作業者が、作業速度を減速させる処理等のエンジン負荷を適正負荷に領域に戻すための措置を取るときにおいても、エンジン負荷が適正負荷の領域に戻ると、点灯状態の全ての点灯部の点灯表示色が変化することになるから、点灯表示色が変化する点灯部の個数が多くなって作業者は点灯表示色の変化を認識し易いものとなるのである。
【0017】
従って、エンジン負荷が適正負荷の領域を越えるような大きめのエンジン負荷になったこと、及び、エンジン負荷が適正負荷の領域に戻ったことを、作業者に認識させ易い状態で、エンジン負荷を表示することが可能となる作業機械の表示装置を提供できるに至った。
【0018】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記エンジン負荷表示手段は、前記各点灯部夫々の点灯表示色として、適正負荷対応色、注意負荷対応色、及び、過負荷対応色に変更可能に構成され、且つ、前記点灯状態の点灯部のうちの最大負荷表示位置側の点灯部の位置が適正負荷に対応する位置にあるときには前記点灯部の点灯表示色を適正負荷対応色に変更し、前記点灯状態の点灯部のうちの最大負荷表示位置側の点灯部の位置が前記表示形態切換用設定位置としての注意負荷用の閾値を越えると、点灯している全ての点灯部の点灯表示色を注意負荷対応色に変更し、前記点灯状態の点灯部のうちの最大負荷表示位置側の点灯部の位置が前記表示形態切換用設定位置としての過大負荷用の閾値を越えると、点灯している全ての点灯部の点灯表示色を過負荷対応色に変更するように構成されている点にある。
【0019】
第2特徴構成によれば、前記点灯状態の点灯部のうちの最大負荷表示位置側の点灯部の位置、すなわち、エンジン負荷の大きさを表す位置が、適正負荷に対応する位置にあるときには点灯部の点灯表示色を適正負荷対応色に変更する。この適正負荷対応色としては、例えば、緑色や青色等の適正で且つ安全なイメージを表す色を用いるとよいが、他の種類の色でもよい。
【0020】
そして、点灯状態の点灯部のうちの最大負荷表示位置側の点灯部の位置、すなわち、エンジン負荷の大きさを表す位置が注意負荷用の閾値を越えると、言い換えるとエンジン負荷が注意負荷になると、点灯している全ての点灯部の点灯表示色を注意負荷対応色に変更するのである。この注意負荷対応色としては、例えば、黄色等の注意を促すイメージを表す色を用いるとよいが、他の種類の色でもよい。尚、エンジン負荷が注意負荷であるときには、そのまま作業を継続すると過大負荷になるおそれがあるから、作業者は適正負荷になるようにエンジン負荷を低下させる処理を行うことになる。
【0021】
又、点灯状態の点灯部のうちの最大負荷表示位置側の点灯部の位置、すなわち、エンジン負荷の大きさを表す位置が過大負荷用の閾値を越えると、言い換えるとエンジン負荷が過大負荷になると、点灯している全ての点灯部の点灯表示色を過負荷対応色に変更する。この過大負荷対応色としては、例えば、赤色等の緊急停止のイメージを表す色を用いるとよいが、他の種類の色でもよい。尚、エンジン負荷が過大負荷であるときには、エンジン負荷が大き過ぎてエンストを起こすおそれがあるので、作業者は即座にエンジン負荷を大きく低下させて適正負荷にさせる処理を実行することになる。
【0022】
従って、エンジン負荷が注意負荷用の閾値を越える注意負荷になっていること及びエンジン負荷が過大負荷用の閾値を越える過大負荷になっていることを作業者に認識させ易い状態でエンジン負荷を表示することが可能となり、エンジン負荷の大きさに応じて適切な処理を実行することが可能となる。
【0023】
本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、最低速度表示位置と最高速度表示位置とに亘る上向き突出の円弧状の作業速度表示用設定経路に沿って作業速度表示用指示部としての指示針を作業速度に応じて移動させる形態で作業速度を表示する作業速度表示手段が備えられ、前記エンジン負荷表示手段は、前記負荷表示用設定経路が上向き突出の円弧状に形成されて前記作業速度表示手段における前記作業速度表示用設定経路の外方側に並ぶ状態で備えられている点にある。
【0024】
第3特徴構成によれば、前記作業速度表示手段は、作業速度表示用指示部としての指示針を上向き突出の円弧状の作業速度表示用設定経路に沿って移動させることによって、作業速度を表示することになる。つまり、指示針を作業速度に応じて最低速度表示位置から最高速度表示位置に亘る作業速度表示用設定経路に沿って移動させることにより作業速度を表示するのであり、作業者は指示針の位置から作業速度を読み取ることができる。
【0025】
そして、円弧状に形成された作業速度表示用設定経路に沿って指示針を移動させて作業速度を表示するので、例えば直線状の経路に構成するものに比べて、限られた表示スペースを有効に利用して作業速度表示用設定経路を極力長くすることができ、作業速度が単位量変化するときの指示針の単位移動量を極力大きくして分解能を高くする状態で作業速度を表示することができる。つまり、作業者ができるだけ精度よく読み取ることが可能な状態で作業速度を表示することができる。
【0026】
又、前記エンジン負荷表示手段は、前記負荷表示用設定経路が上向き突出の円弧状に形成されて前記作業速度表示手段における前記作業速度表示用設定経路の外方側に並ぶ状態で備えられているので、前記作業速度表示用設定経路の外方側のスペースを有効利用して、表示装置全体を大型にすることなく、エンジン負荷表示手段における複数の点灯部を合理的に配置することができる。
【0027】
本発明の第4特徴構成は、第1特徴構成〜第3特徴構成のいずれかに加えて、前記エンジン負荷表示手段を備えた主表示部の左右両側に並設される状態で一対の副表示部が備えられ、それら一対の副表示部が、エンジン回転速度と燃料残量とを表示するように構成されている点にある。
【0028】
第4特徴構成によれば、前記エンジン負荷表示手段を備えた主表示部の左右両側に並設される一対の副表示部にエンジン回転速度と燃料残量とを表示するようにしたので、作業機械の動力源であるエンジンの回転速度とエンジンに供給すべき燃料の残量を判り易い状態で表示することができる。このようなエンジン回転速度及び燃料残量は、作業を適正に且つ継続して行うために作業者が適宜確認する必要があるが、主表示部の左右両側に並設される一対の副表示部にエンジン回転速度と燃料残量とを表示することで、作業者は、作業の継続に必要となるそれらの情報を容易に確認することができる。
【0029】
本発明の第5特徴構成は、第4特徴構成に加えて、前記主表示部の下方側に補助表示部が並設され、この補助表示部が、画像表示式に構成され、且つ、前記主表示部にて表示される報知情報及び前記副表示部にて表示される報知情報以外の複数種の報知情報を並べて表示するように構成されている点にある。
【0030】
第5特徴構成によれば、主表示部の下方側に並設されて画像表示式に構成された補助表示部に、前記主表示部にて表示される報知情報及び前記副表示部にて表示される報知情報以外の複数種の報知情報を並べて表示する構成としたから、表示状態を切り換えることにより複数種の報知情報を順次表示させる等の煩わしい手間のない状態で、作業者に知らせるべき報知情報を適切に表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明に係る作業機械の表示装置の実施形態を作業機械としてのコンバインに適用した場合について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、コンバインは、左右一対のクローラ走行装置30を備えた機体Vの前部に、刈取昇降シリンダ5によって横軸心X周りに上下揺動操作自在な状態で刈取部1が設けられ、機体Vには、運転部31、刈取穀稈の扱処理並びに穀粒選別処理を行う脱穀部2、脱穀部2から供給される穀粒を貯留する貯留部としてのグレンタンク3、及び、グレンタンク3から穀粒を排出するための排出用のアンローダ32等が装備されて構成されている。前記グレンタンク3にはその内部に貯留されている穀粒(モミ)の量を検出するモミセンサS6が設けられている。
【0032】
刈取部1は、先端部に付設された分草具33、穀稈の引き起こし装置34、引き起こした穀稈の株元を切断する刈り刃35、先端側で刈取穀稈を受け取って脱穀部2のフィードチェーン52に受け渡す縦搬送装置36等を備えている。又、刈取部1の地面に対する高さを検出するための超音波センサS1と、刈取穀稈の存在を検知してオン作動することにより刈取り作業中であることを検出する株元センサS2とが設けられている。そして、超音波センサS1の情報に基づいて、刈取部1の対地高さが目標設定高さに維持されるように刈取昇降シリンダ5の作動を制御する刈高制御が実行される。
【0033】
前記アンローダ32は、先端部に下向き姿勢の排出口32aを備え、基端側が横軸心Z周りに上下揺動自在な状態で支持部32bに支持され、その支持部32bが縦軸心Y周りに旋回操作自在な状態で機体Vに支持されている。そして、前記アンローダ32を上下揺動駆動するためのアンローダ用油圧シリンダ62、旋回駆動用のアンローダ旋回用モータM3、その支持部32bの旋回位置を検出するためのポテンショメータ式のアンローダ位置センサS3が設けられている。そして、上記アンローダ位置センサS3以外にも上昇方向や左右方向への旋回操作の限界位置を検出するリミットスイッチ(図示しない)等も備えられ、それらの情報に基づいてアンローダ32の作動を制御するアンローダ制御が実行されるように構成されている。
【0034】
脱穀部2は、図2に示すように、扱胴51を収納する扱室A、刈取部1から供給される穀稈を搬送するフィードチェーン52、トウミ53及び揺動選別板54等からなる選別装置B、穀粒回収用の一番口55、及び、穀粒と藁屑との混合物(二番物)を回収するための二番口56等を備えている。そして、扱室Aで扱処理された処理物は、扱室Aの下部に設けられた受網57から選別装置Bに漏下し、それ以外の処理物は受網57の後端部より選別装置Bに落下する。尚、上記一番口55にて回収された穀粒は、図示しないスクリュー式の搬送装置によってグレンタンク3に搬送され、二番口56にて回収された二番物は、スクリュー式の二番搬送装置63によって、上記揺動選別板54の始端側に戻されるように構成されている。又、脱穀部2の後方側には、脱穀部2から排出される排藁を切断する排ワラカッタ部64が設けられ、その排ワラカッタ部64の詰まりを検出するための排ワラ詰まり検出スイッチS15が設けられている。
【0035】
選別装置Bの揺動選別板54は、トウミ53の上方に位置するグレンパン58、そのグレンパン58の後方に位置するチャフシーブ59、そのチャフシーブ59の下方に位置するグレンシーブ61等を備えている。チャフシーブ59は、処理物移送方向に並置された複数個の帯板状部材からなり、その隣接する帯板状部材の間隔(チャフ開度)がチャフ開度調節モータM4によって変更されるように構成されている。尚、S8は、揺動選別板54上の選別処理物量を検出するシーブセンサである。トウミ53は、選別風を送風するためのものであり、後方側のファンケースカバー53aをトウミ風力調節モータM5にて開閉操作することにより、揺動選別板54上の処理物に及ぼす風力(トウミ風力)が変更されるように構成されている。
【0036】
そして、選別装置Bでの選別処理が適正に行われるように、扱室Aからの揺動選別板上の漏下処理物量が目標値になるようにチャフ開度調節モータM4及びトウミ風力調節モータM5の作動を制御する脱穀制御が実行される。このとき、作業速度が速くなると、扱室Aに供給される刈取穀稈量が多くなって扱室Aからの漏下処理物量が多くなるので、後述の速度センサS4の情報に基づいて判別される扱室Aへの穀稈供給量が多いほどチャフ開度及びトウミ風力が大になるように補正する構成となっている。従って、揺動選別板54上の漏下処理物量が目標値を変更したり、作業速度を変更することで、エンジン負荷を変更調整することができる。
【0037】
次に、動力伝達系を図3に示す。機体Vに搭載されたエンジンEの出力は、脱穀クラッチ37を介して脱穀部2に伝達されるとともに、走行クラッチ38及び無段変速装置39を介してクローラ走行装置30のミッション部40に伝達される。ミッション部40に伝達された出力は、ミッション部40内に設けられた副変速装置42を介してクローラ走行装置30に伝達される一方、刈取変速装置43及び刈取クラッチ41を介して刈取部1に伝達される。そして、副変速装置42にて変速された後の動力にて駆動されるクローラ走行装置30の入力軸の回転速度に基づいて前記作業速度を検出する車速センサS4、エンジンEの回転速度を検出するエンジン回転速度センサS5、エンジンEの冷却水の水温を検出する水温センサS7等が設けられている。
【0038】
前記無段変速装置39は、運転部31に設けられた手動操作式の主変速レバー7にて手動で変速操作可能に構成されている。又、変速モータM6によっても変速操作可能である。前記副変速装置42は、副変速用油圧シリンダ65の操作により、路上走行用の高速状態、刈取作業用の低速状態、クローラ走行装置30への動力伝達を断つ中立状態の3つの変速状態に切り換え自在に構成されている。そして、副変速装置42がどの変速位置にあるかを検出する副変速センサS10が設けられている。
【0039】
前記刈取変速装置43は、刈取変速用油圧シリンダ66の操作により高速状態と低速状態とに切り換え自在に構成され、コンバインの作業速度に対する刈取部1の刈取作業速度の相対速度を作物の種類の違いや植立穀稈の倒伏状態の違い等に応じて高低2段階に切り換えることができる。そして、刈取変速装置43がどの変速状態にあるかを検出する刈取変速センサS11が設けられている。
【0040】
前記副変速装置42は、取り付け構成については図示しないが、主変速レバー7の握り部に指操作可能に設けられたトグル操作式の副変速切換スイッチ9及び運転部31における主変速レバー7とは別の箇所に設けられた副変速中立スイッチ10による指令に基づいて変速状態が切り換わる構成であり(図9参照)、副変速中立スイッチ10を切操作している状態で副変速切換スイッチ9を切り換え操作することで高速状態と低速状態とに切り換え自在であり、副変速中立スイッチ10を入操作することで中立状態に切り換える構成となっている。
【0041】
又、刈取変速装置43は、主変速レバー7の握り部に指操作可能に設けられたトグル操作式の刈取変速切換スイッチ11を切り換え操作することで高速状態と低速状態とに切り換え自在に構成されている(図9参照)。
【0042】
運転部31には、刈取部1を昇降操作する刈取昇降指令具と機体Vを左右に旋回操作する旋回操作指令具とに兼用構成された十字操作式の刈高操向レバー8が設けられている。つまり、この刈高操向レバー8を後方側に揺動操作すると刈取部1が上昇し、前方側に揺動操作すると刈取部1が下降する。又、刈高操向レバー8を左側に揺動操作すると機体が左旋回し、右側に揺動操作すると機体が右旋回するように構成されている。
【0043】
そして、このコンバインでは、最小負荷表示位置と最大負荷表示位置とに亘る負荷表示用設定経路に沿って、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な複数の点灯部を並設し、それら複数の点灯部のうちでエンジン負荷が増大するほど前記最大負荷表示位置に近い側の点灯部を消灯状態から点灯状態に切り換える形態でエンジン負荷を表示するように構成されているエンジン負荷表示手段EHが備えられている。
【0044】
又、前記各点灯部夫々が点灯表示色を複数種の色に変更可能に構成され、前記エンジン負荷表示手段EHが、エンジン負荷が増大するほど前記最小負荷表示位置側に位置する前記点灯部から順に前記最大負荷表示位置側に隣接する点灯部を点灯状態に切り換えて、点灯状態の点灯部の個数を増加させる形態でエンジン負荷を表示し、且つ、点灯状態の点灯部のうちの最大負荷表示位置側の点灯部の位置が表示形態切換用設定位置を越えると、点灯状態の全ての点灯部の点灯表示色を異なる色に変更するように構成されている。
【0045】
すなわち、各点灯部夫々の点灯表示色として、適正負荷対応色としての緑色、注意負荷対応色としての黄色、及び、過負荷対応色としての赤色の夫々に変更可能に構成され、且つ、点灯状態の点灯部のうちの最大負荷表示位置側の点灯部の位置が適正負荷に対応する位置にあるときには点灯部の点灯表示色を適正負荷対応色(緑色)に変更し、点灯状態の点灯部のうちの最大負荷表示位置側の点灯部の位置が表示形態切換用設定位置としての注意負荷用の閾値を越えると、点灯している全ての点灯部の点灯表示色を注意負荷対応色(黄色)に変更し、点灯状態の点灯部のうちの最大負荷表示位置側の点灯部の位置が前記表示形態切換用設定位置としての過大負荷用の閾値を越えると、点灯している全ての点灯部の点灯表示色を過負荷対応色(赤色)に変更するように構成されている。
【0046】
先ず、コンバインの運転において作業者に知らせるべき複数種の報知情報を表示するための表示ユニットCの構成について説明する。
この表示ユニットCは、運転部31における運転座席の前方側に設けられ、主表示部C1、その主表示部C1の左右両側に並設される状態で備えられる一対の副表示部、主表示部C1の下方側に並設する状態で備えられる補助表示部C3の夫々を備えて構成されている。
【0047】
前記主表示部C1について説明すると、この主表示部C1は、報知情報として、作業速度及びエンジン負荷を表示するように構成されている。すなわち、作業速度を表示する作業速度表示手段としての作業速度計12と、エンジン負荷を表示するエンジン負荷表示計13とを備えて構成されている。
【0048】
説明を加えると、図4に示すように、表示ユニットCの左右方向の中央部に位置する主表示部C1に、前記速度センサS4にて検出される作業速度を表示する作業速度計12が設けられ、この作業速度計12は、作業速度表示用設定経路Q1を上向き突出の円弧状として、作業速度表示用指示部としての指示針12aを作業速度表示用設定経路Q1に沿って移動させるように構成されている。
【0049】
前記作業速度計12は、指示針12aがその長手方向一端側を回動支点として長手方向他端側が上向き突出の円弧状の軌跡を描くように回動する構成となっており、その回動支点となる箇所における背面パネルの内奥側には、図示はしないが、車速センサS4にて検出される作業速度が大きいほど大きい回動角となるように指示針12aを回動駆動する回動駆動部が備えられている。そして、背面パネルに表示した目盛12bと対応させて指示針12aの長手方向他端側がどの位置にあるかを判別することにより現在の作業速度を読み取ることができる構成となっている。
【0050】
又、作業速度が零速のときは指示針12aは最も反時計方向に回動した零速位置にあり、作業速度が大きいほど回動角が大になる状態で指示針12aが時計方向に回動移動する構成であり、前記指示針12aは、零速位置においては水平方向よりも少し左下方側に傾いた姿勢となり、最大速度位置においては水平方向よりも少し右下方側に傾いた姿勢となるように回動位置が設定されており、180度を越える広い範囲にわたって回動移動可能な構成となっており、分解能を高めて精度よく作業速度を表示することができる構成となっている。尚、この実施形態では最大速度位置にあるときの作業速度は4m/secに設定されている。
【0051】
次に、前記エンジン負荷表示計13の構成について説明する。
図5に示すように、エンジン負荷表示計13は、前記負荷表示用設定経路Q2を作業速度表示用設定経路Q1の外方側に並ぶ上向き突出の円弧状とし、且つ、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な複数の点灯部としてのセグメント表示部13aを負荷表示用設定経路Q2に沿って並設して、最小負荷表示位置から最大負荷表示位置に向けて並ぶ複数のセグメント表示部13aのうちで負荷が増大するほど最大負荷表示位置に近い側のセグメント表示部13aを消灯状態から点灯状態に切り換える形態で、点灯状態とするセグメント表示部13aの位置を前記負荷表示用設定経路Q2に沿って移動させるように構成されている。
【0052】
すなわち、エンジン負荷表示計13は、複数(具体的には13個)のセグメント表示部13aを一列に並べる状態で備えており、複数のセグメント表示部13aは、夫々に、3種類の異なる発光色を有する3個の発光ダイオ−ド(LED)が各別に内装されており、各別に点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な構成となっている。
【0053】
さらに説明を加えると、エンジン負荷表示計13は、図6に示すように、作業速度計12の円弧状の外周部に沿うように円弧状に屈曲する状態で一体的に形成されたケーシング70が設けられ、このケーシング70には、13個のセグメント表示部13aを形成するための13個の光透過用開口部が円弧状に一列に並ぶ状態で区画形成されている。そして、ケーシング70にて区画形成された光透過用開口部の夫々に、その内奥側箇所に位置させて緑色発光ダイオード71G、黄色発光ダイオード71Y、赤色発光ダイオード71Rが各別に設けられ、光透過用開口部の表面側箇所に位置させて発光ダイオードが発光した光を拡散させる拡散板72が設けられる構成となっている。そして、このエンジン負荷表示計13は、後述するように、反時計方向側端部に位置する1番目のものから点灯表示するセグメント表示部13aの個数を順次多くする形態でエンジン負荷を表示する構成となっている。
【0054】
図4に示すように、前記主表示部C1の左右両側に位置する副表示部C2のうち主表示部C1の左側に位置する副表示部C2には、前記エンジン回転速度センサS5にて検出されるエンジン回転速度を表示する指示針式のエンジン回転速度計14が設けられ、主表示部C1の右側に位置する副表示部C2には、燃料タンク内の燃料残量を示す指示針式の燃料計15が設けられている。従って、一対の副表示部C2が、報知情報として、エンジン回転速度及び燃料残量を表示するように構成されている。
前記燃料タンクは図示は省略しているが、この燃料タンク内の燃料残量を検出する燃料残量センサS9が設けられている(図9参照)。
【0055】
前記エンジン回転速度計14は、作業速度計12と同様に、指示部の一例である指示針14aがその長手方向一端側を回動支点として長手方向他端側が円弧状の軌跡を描くように回動する構成となっており、その回動支点となる箇所における背面パネルの内奥側には、図示はしないが、エンジン回転速度センサS5にて検出されるエンジン回転速度が大きいほど大きい回動角となるように指示針14aを回動駆動する回動駆動部が備えられている。そして、背面パネルに表示した目盛14bと対応させて指示針14aの長手方向他端側がどの位置にあるかを判別することにより現在のエンジン回転速度を読み取ることができる構成となっている。
【0056】
エンジン回転速度が零速のときは指示針14aは最も反時計方向に回動した零速位置にあり、エンジン回転速度が大きいほど回動角が大になる状態で指示針14aが時計方向に回動移動する構成となっており、この実施形態では最大回転速度は3000rpmに設定されている。
【0057】
前記燃料計15は、作業速度計12と同様に、指示部の一例である指示針15aがその長手方向一端側を回動支点として長手方向他端側が円弧状の軌跡を描くように回動する構成となっており、その回動支点となる箇所における背面パネルの内奥側には、図示はしないが、燃料残量センサS9にて検出される燃料残量が残り少ないほど大きい回動角となるように指示針15aを回動駆動する回動駆動部が備えられている。そして、背面パネルに表示した目盛15bと対応させて指示針15aの長手方向他端側がどの位置にあるかを判別することにより現在の燃料残量を読み取ることができる構成となっている。
【0058】
そして、燃料残量が満量であるときは指示針15aは最も反時計方向に回動した位置にあり、燃料残量が減少するとその減少量に応じて指示針15aが時計方向に回動移動する構成となっており、指示針15aは最も時計方向に回動した位置になると、燃料残量が零又は略零であることを示すことになる。
【0059】
前記作業速度計12に対してその下方側に並ぶ状態で、作業者に報知すべき複数の報知情報のうちの燃料残量、エンジン回転速度、作業速度、エンジン負荷の各情報を除く他の複数の報知情報を並べて表示する補助表示部C3が設けられている。この補助表示部C3は、画像情報を表示可能なドットマトリクス形式の液晶表示装置にて構成され、画像表示により前記複数の報知情報を並べて表示するように構成されている。
【0060】
この補助表示部C3は、複数種の報知情報を並べて表示する複数情報表示状態と、複数種の報知情報のうちの複数情報表示状態にて表示する報知情報の数よりも少ない数の報知情報を表示する少数情報表示状態とに切り換え自在に構成され、且つ、少数情報表示状態において表示する報知情報を複数情報表示状態にて表示する複数種の報知情報の中から変更自在に構成されている。尚、補助表示部C3の表示状態の切り換えは、後述するようなモード切換スイッチ80の操作により行われる。
【0061】
具体的な表示形態について説明すると、前記複数情報表示状態においては、図10(イ)に示すように、グレンタンク3内に貯留される穀粒(図では「もみ」と表記している)の貯留量、シーブセンサS8にて検出される揺動選別板54上の選別処理物量(図では「シーブ」と表記している)、及び、水温センサS7にて検出されるエンジンEにおける冷却水の水温の各情報が表示される。又、補助表示部C3には、それらの情報に加えて、左右のウインカー表示74、コンバインの累計稼動時間を示すアワーメータ75、バッテリーの充電量が残り少ないことを表す充電警報表示76、オイルの異常を表示するオイル警報表示77も並べて表示されることになる。
【0062】
前記少数情報表示状態においては、図12に示すように、穀粒貯留量、選別処理物量、エンジン冷却水の水温のうちの1つの情報を複数情報表示状態のときよりも拡大させた状態で表示する。表示する情報の切り換えは、後述する表示切換スイッチ81の操作により行われる。
【0063】
又、前記補助表示部C3は、コンバインに異常が発生している異常状態においては、前記上記したような報知情報に代えて、前記異常に対応するためのメッセージ情報を表示するように構成されている。
【0064】
そして、前記エンジン回転速度計14に対してその下方側に並ぶ状態で、副変速装置42の現在の変速状態を表示する副変速表示部C4が設けられている。
この副変速表示部C4は、高速状態を示す高速表示部分16、低速状態を示す低速表示部分17、中立状態を示す中立表示部分18の夫々を横方向に並べて備えており、それらの3つの各表示部分16、17、18には,LEDランプ等からなる照明ランプ73が内装されており、3つの各表示部分のうちの現在の変速状態に対応する表示部分の照明ランプ73を点灯させ、それ以外の表示部分の照明ランプ73を消灯させることで、副変速装置42の現在の変速状態を表示するように構成されている。
【0065】
具体的には、図7に示すように、副変速表示部C4の表示面は、光を透過しない遮光性のパネル19にて覆われる構成となっており、高速表示部分16は、その表示面部分のパネル19の一部が照明ランプ73が点灯すると「H」の文字が明るく表示されるようなH字状の透光性部材20にて構成され、照明ランプ73を消灯すると「H」の文字が陰影表示となるように構成されている。低速表示部分17も同様に、その表示面部分のパネル19の一部が照明ランプ73が点灯すると「L」の文字が明るく表示されるようなL字状の透光性部材21にて構成され、照明ランプ73を消灯すると「L」の文字が陰影表示となるように構成されている。又、中立表示部分18は、その表示面部分のパネル19の一部が照明ランプ73が点灯すると「N」の文字が明るく表示されるようなN字状の透光性部材22にて構成され、照明ランプ73を消灯すると「N」の文字が陰影表示となるように構成されている。
【0066】
このように横方向に並べて備えられる高速表示部分16、低速表示部分17、中立表示部分18は、夫々、照明ランプ73が点灯すると文字情報が明るく表示される表示状態となり、照明ランプ73を消灯すると陰影表示となるように切り換わる構成となっており、しかも、それらのうちのいずれかのものが表示状態となり、それ以外のものは陰影表示となるように表示状態が制御されることで、作業者は、明るく表示される表示部分は勿論、陰影表示される表示部分もその存在は判るので、変速操作される変速段数がいくつ存在し、現在はそのうちのどの変速状態にあるかが判り易い状態で表示できるものになる。
【0067】
前記燃料計15に対してその下方側に並ぶ状態で、刈取変速装置43の現在の変速状態を表示する刈取変速表示部C5が設けられている。
この刈取変速表示部C5は、副変速表示部C4と同様に、高速状態を示す高速表示部分23及び低速状態を示す低速表示部分24の夫々を照明ランプ73を内装する状態で備えており、現在の変速状態に対応する表示部分の照明ランプ73を点灯させ、それ以外の表示部分の照明ランプ73を消灯させることで、刈取変速装置43の現在の変速状態を表示するように構成されている。
【0068】
具体的には、図8に示すように、刈取変速表示部C5は、表示面が遮光性のパネル25にて覆われる構成となっており、高速表示部分23は、そのパネル25の一部が照明ランプ73が点灯すると「H」の文字が明るく表示されるようなH字状の透光性部材26にて構成され、照明ランプ73を消灯すると「H」の文字が陰影表示となるように構成されている。低速表示部分24も同様に、パネル25の一部が照明ランプ73が点灯すると「L」の文字が明るく表示されるようなL字状の透光性部材27にて構成され、照明ランプ73を消灯すると「L」の文字が陰影表示となるように構成されている。
【0069】
又、表示ユニットCの横側方には、補助表示部C3における表示状態の切り換えを指令するモード切換スイッチ80と、表示内容の切り換えを指令する表示切換スイッチ81とが設けられ、この両スイッチ80,81は、押し操作されているときだけオン状態になり、押し操作されないときはオフ状態となる押ボタン式のスイッチにて構成されている。
【0070】
次に、コンバインの各部の動作を制御するための制御構成について説明する。
図9に示すように、マイクロコンピュータを利用して構成された制御部28が設けられ、この制御部28に、超音波センサS1、株元センサS2、アンローダ位置センサS3、車速センサS4、エンジン回転速度センサS5、シーブセンサS8の各検出情報が入力され、モミセンサS6、水温センサS7、燃料残量センサS9、副変速センサS10、刈取変速センサS11の各検出情報も制御部28に入力されている。又、副変速切換スイッチ9、副変速中立スイッチ10、刈取変速切換スイッチ11、モード切換スイッチ80、表示切換スイッチ81の情報も制御部28に入力されている。
【0071】
一方、前記制御部28からは、刈取昇降シリンダ5、アンローダ用油圧シリンダ62、アンローダ旋回用モータM3、チャフ開度調節モータM4、トウミ風力調節モータM5、車速変速用の変速モータM6、副変速用油圧シリンダ65、刈取変速用油圧シリンダ66、表示ユニットCに対する各駆動信号が出力されている。そして、制御部28が、上記各センサの情報に基づいて、上記各シリンダや各モータを駆動して、刈高制御、アンローダ制御、脱穀制御等の各種制御を実行するように構成されている。
【0072】
そして、前記制御部28は表示ユニットCにおける表示動作を制御する構成となっている。以下、制御部28による表示制御の具体内容について説明する。
図11に示すように、制御部28は、速度センサS4の検出情報に基づいて現在の作業速度に対応するように作業速度計12を作動させ、エンジン回転速度センサS5の検出情報に基づいてエンジンEの回転速度に対応するようにエンジン回転速度計14を作動させ、燃料残量センサS9の検出情報に基づいて燃料タンクの燃料残量に対応するように燃料計15を作動させる(ステップ1)。
【0073】
作業速度の表示について説明を加えると、制御部28は、作業速度計12の指示針12aの回動角が車速センサS4にて検出される現在の作業速度に対応する回動角になるように、作業速度計12の回動駆動部の作動を制御するのである。
【0074】
エンジン回転速度計14についても同様にして、エンジン回転速度計14の指示針14aの回動角が、エンジン回転速度センサS5にて検出される現在のエンジン回転速度に対応する回動角になるようにエンジン回転速度計14の回動駆動部の作動を制御する。又、燃料計15についても同様に、燃料計15の指示針15aの回動角が、燃料残量センサS9にて検出される現在の燃料残量に対応する回動角になるように燃料計15の回動駆動部の作動を制御する。
【0075】
又、副変速切換スイッチ9及び副変速中立スイッチ10の指令情報に基づいて対応する変速状態になるように副変速用油圧シリンダ65の作動を制御して副変速装置42を変速操作することになるが、そのとき副変速センサS10の検出情報に基づいて現在の副変速装置42がどの変速状態であるかを判別することができるから、その判別結果に基づいて副変速表示部C4にて現在の副変速装置42がどの変速状態であるかを表示する(ステップ2)。つまり、副変速表示部C4の高速表示部分16、低速表示部分17、中立表示部分18のいずれか対応するものについて照明ランプ73を点灯して明るく表示し、それ以外のものは照明ランプ73を消灯して暗くする。
【0076】
又、制御部28は、刈取変速切換スイッチ11の指令情報に基づいて対応する変速状態になるように刈取変速用油圧シリンダ66の作動を制御して刈取変速装置43を変速操作することになるが、刈取変速センサS11の検出情報に基づいて現在の刈取変速装置43がどの変速状態であるかを判別することができるから、その判別結果に基づいて刈取変速表示部C5にて現在の刈取変速装置43がどの変速状態であるかを表示する(ステップ2)。具体的には、刈取変速表示部C5の高速表示部分19及び低速表示部分20のいずれか対応するものの照明ランプ73を点灯し、それ以外の照明ランプ73を消灯する。
【0077】
そして、制御部28は、コンバインが正常に作動している通常状態においては、後述するようにエンジン負荷表示計13における複数のセグメント表示部13aをその並び方向の一端側から点灯表示するセグメント表示部13aの個数を順次多くさせることによりエンジン負荷を表示するが、コンバインに異常が発生している異常状態においては、複数のセグメント表示部13aの全てのものの赤色発光ダイオード71Rを点滅表示する(ステップ4)。
【0078】
エンジン負荷を検出する構成について説明を加えると、このコンバインにおいては、エンジンEに負荷が掛かっていない無負荷状態になっているときに、作業者がアクセル操作を行うことによって、エンジン回転速度が予め設定されている基準回転速度(例えば、2800rpm)になるようにエンジンEのアクセル操作位置が調整され、エンジン回転速度が基準回転速度になると、そのアクセル操作位置にて位置固定して、その後の作業を行う構成となっている。
【0079】
そして、エンジンEに負荷が掛かると、エンジン負荷の大きさに応じてエンジン回転速度が基準回転速度から低下することになるので、予め実験データ等により基準回転速度からのエンジン回転速度低下量とエンジン負荷の大きさとが対応付けた状態でマップデータとして設定されており、制御部28は、エンジン回転速度センサS5により検出されるエンジン回転速度と前記基準回転速度との差、つまり、エンジン回転速度低下量を演算にて求めて、そのエンジン回転速度低下量とマップデータとに基づいてエンジン負荷を求める構成となっている。
【0080】
具体的な数値で例示すると、エンジンEに負荷が掛かると、エンジン回転速度が基準回転速度Nsから低下するが、基準回転速度Nsとエンジン回転速度センサS5により検出されるエンジン回転速度Nxとの差(Ns−Nx)、すなわち、そのときのエンジン回転速度低下量に応じて、表1に示すように、各負荷レベルが設定されている。
【0081】
【表1】

【0082】
そして、求めたエンジン負荷を表示するときは、制御部28は、表1にも示すように、13個のセグメント表示部13aをその並び方向の一端側、すなわち、反時計方向側端部に位置する1番目のものから点灯表示するセグメント表示部13aの個数を順次多くする形態でエンジン負荷を表示するようにエンジン負荷表示計13の作動を制御する。
そのとき、エンジン負荷が適正負荷の領域内であれば、具体的には負荷レベルが「1」〜「8」までの範囲であるときは、点灯するセグメント表示部13aの夫々における緑色発光ダイオード71Gを点灯させる。つまり、図5(イ)に示すように、点灯する全てのセグメント表示部13aは緑色で点灯表示することになる。
【0083】
制御部28は、エンジン負荷が適正負荷の領域を越えて大きくなり注意負荷になると、具体的には負荷レベルが「9」〜「11」までの範囲であるときは、点灯する全てのセグメント表示部13aの夫々における黄色発光ダイオード71Yを点灯させるようにエンジン負荷表示計13の作動を制御する。つまり、図5(ロ)に示すように、点灯する全てのセグメント表示部13aは黄色で点灯表示することになる。従って、点灯状態のセグメント表示部13aのうちの最大負荷表示位置側のセグメント表示部13aの位置が注意負荷用の閾値である負荷レベル「8」に相当する8番目のセグメント表示部13aの位置を越えると、点灯している全てのセグメント表示部13aの点灯表示色を注意負荷対応色としての黄色に変更することになる。
【0084】
エンジン負荷が注意負荷であるときには、そのまま作業を継続すると過大負荷になるおそれがあるから、作業者は適正負荷になるようにエンジン負荷を低下させる処理を行うことになる。前記エンジン負荷を低減させる処理としては、具体的には、主変速レバー7を減速側に操作して作業速度を減速させる処理や、脱穀部2における作業負荷を軽減させるような処理、例えば揺動選別板54上の目標処理物量を少なめに調整する等の処理を実行することになる。
【0085】
制御部28は、エンジン負荷が注意負荷よりも大きくなり過大負荷になると、具体的には負荷レベルが「12」、「13」の範囲であるときは、点灯する全てのセグメント表示部13aの夫々における赤色発光ダイオード71Rを点灯させるようにエンジン負荷表示計13の作動を制御する。つまり、図5(ハ)に示すように、点灯する全てのセグメント表示部13aは赤色で点灯表示することになる。従って、点灯状態のセグメント表示部13aのうちの最大負荷表示位置側のセグメント表示部13aの位置が過大負荷用の閾値である負荷レベル「11」に相当する11番目のセグメント表示部13aの位置を越えると、点灯している全てのセグメント表示部13aの点灯表示色を過大負荷対応色としての赤色に変更することになる。
【0086】
エンジン負荷が過大負荷になっていると、エンストを起こすおそれが大であるから、作業者は、エンジン負荷が大きく低下するように、例えば、車体の走行を停止させる等の対策を取ることになる。
【0087】
従って、この実施形態では、エンジン負荷を表示するエンジン負荷表示計13と、そのエンジン負荷表示計13の表示動作を制御する制御部28とによりエンジン負荷表示手段EHが構成されている。
【0088】
又、このコンバインでは、エンジン負荷が適正負荷の領域の最大値又はその近傍にあるとき、具体的には、負荷レベル「7」〜「8」にあるときは、エンジンEが最も仕事をしている状態又はそれに近い状態に対応するエンジン負荷に相当するものであり、そのときのエンジン負荷の大きさが作業用適正値ということができる。すなわち、エンジンEが過負荷ではなく適正負荷になっている状態においてエンジンEの仕事量が最も大きくなっている状態、又は、それに近い状態に対応するエンジン負荷である。
【0089】
エンジン負荷の大きさが上記作業用適正値にある状態で刈取作業を実行することが能率よく作業する上で有効であるが、例えば、作物の状況や走行路面の状況の違い等から常にそれが適正であるとは限らず、例えば3番ロス等の発生が多くなるようなおそれがあるときは作業負荷としての脱穀負荷を軽くした状態で作業を行うこともあり、しかも、そのときは作業状況に応じてエンジン負荷は精度よく表示させる必要があるので、適正負荷として表示される領域の段数を多い段数(8段階)で表示する構成としている。
【0090】
そして、制御部28は、コンバインが正常に作動している通常状態においては、補助表示部C3にて、上記したような各種の報知情報を表示する表示処理を実行する(ステップ5)。この表示処理では、モード切換スイッチ80が押し操作される毎に前記複数情報表示状態と前記少数情報表示状態とに交互に切り換わる。
【0091】
具体的には、前記複数情報表示状態では、複数種の報知情報として、図10(イ)に示すように、前記グレンタンク3内に貯留される穀粒(図では「もみ」と表記している)の量、シーブセンサS8にて検出される揺動選別板54上の選別処理物量(図では「シーブ」と表記している)、及び、水温センサS7にて検出されるエンジンEにおける冷却水の温度(図では「水温」と表記している)の各情報が表示される。又、それらの情報に加えて、左右のウインカー表示74、コンバインの累計稼動時間を示すアワーメータ75、バッテリーの充電量が残り少ないことを表す充電警報表示76、オイルの異常を表示するオイル警報表示77も並べて表示される。
【0092】
又、前記少数情報表示状態に切り換わっている状態では、表示切換スイッチ81が押し操作される毎に、図12に示すような、選別処理物量、穀粒貯留量、冷却水の温度のうちのいずれかの情報が予め設定された順序で表示内容が順次切り換わる状態で拡大表示することになる。
【0093】
尚、前記少数情報表示状態としては、前記複数の報知情報のうちのいずれか1つを拡大させた状態で表示させる構成に限らず、図13に示すように、エンジンEの冷却水の温度(水温)と穀粒貯留量(モミ)とを並べて表示する状態、揺動選別板54上の選別処理物量(シーブ)と穀粒貯留量(モミ)とを並べて表示する状態等、前記複数の報知情報のうちの2つの報知情報を表示する状態にて、表示切換スイッチ81を操作する毎に予め設定される順序で切り換わる構成としてもよい。
【0094】
そして、制御部28は、コンバインに異常が発生している異常状態においては、エンジン負荷表示計13における13個のセグメント表示部13aの全てのものについて赤色発光ダイオード71Rを点滅表示させる(ステップ6)。ここでいう異常状態とは、コンバインのいずれかの箇所において、刈取作業を継続して実行することが困難となるような異常が発生しているような場合であり、例えば、排ワラ詰り検出スイッチS15がオンして排ワラカッタ部64において排ワラが詰まっている排ワラ詰り異常等がある。前記異常には、この排ワラ詰り以外にも、刈取部1における刈取穀稈の詰まり異常やエンジンEがオーバーヒートしている異常等がある。
【0095】
又、制御部28は、コンバインに異常が発生している異常状態においては、上記したような貯留穀粒量、選別処理物量、水温等の複数種の報知情報に代えて、前記異常に対応するためのメッセージ情報を補助表示部C3に表示する(ステップ7)。上記したような排ワラが詰まっている異常が発生したときには、図10(イ)に示すような複数種の報知情報に代えて、例えば図10(ロ)に示すように、そのときに発生した異常に対応するためのメッセージ情報、「排ワラカッタにワラが詰まっています。ワラを取り除いて下さい。」というようなメッセージ情報を表示する。
【0096】
この実施形態では、エンジン回転速度低下量とエンジン負荷の大きさとを対応付けたマップデータとして表1に示すものを例示したが、この表1に示すマップデータは例示であって、本発明は、このような数値に限定されるものではなく適宜変更して実施してもよい。
【0097】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態について説明する。
【0098】
(1)上記実施形態では、前記エンジン負荷表示手段における各点灯部夫々の点灯表示色として、適正負荷対応色としての緑色、注意負荷対応色としての黄色、及び、過負荷対応色としての赤色に変更可能に構成されるものを例示したが、このような色に限定されるものではなく、互いに異なる色であればどのような色であってもよい。
又、上記実施形態では、点灯部が発光ダイオードを備えて点灯表示色を複数種の色に変更自在な構成としたが、このような構成に代えて、例えば、エンジン負荷表示部をカラー表示が可能な液晶表示装置やCRT表示装置等で構成して、点灯表示色を変更させる構成としてもよい。
【0099】
(2)上記実施形態では、エンジン負荷が増大すると、適正負荷対応色としての緑色、注意負荷対応色としての黄色、過負荷対応色としての赤色に順に変更する構成として、前記表示形態切換用設定位置が異なる負荷レベルにて複数設定されるものを例示したが、このような構成に限らず、表示形態切換用設定位置は所定の負荷レベルに1つだけ設定するものでもよく、又、異なる負荷レベルに3つ以上設定するものでもよい。
【0100】
(3)上記実施形態では、前記エンジン負荷表示手段における前記負荷表示用設定経路が上向き突出の円弧状に形成される構成としたが、このような構成に限らず、要するに、最小負荷表示位置と最大負荷表示位置とに亘る負荷表示用設定経路に沿って負荷表示用指示部をエンジン負荷に応じて移動させる形態であればよく、負荷表示用設定経路を直線状に形成するものや楕円曲線等、各種の形態で構成するものでもよい。
【0101】
(4)上記実施形態では、前記エンジン負荷表示手段において、点灯状態と消灯状態に切り換わる複数の点灯部を並べる構成として、上記実施形態のようにセグメント表示部に構成するものを例示したが、このような構成に代えて、例えば丸形の表示ランプを間隔をあけて複数並べる構成として、その丸形の表示ランプを点灯状態と消灯状態とに切り換える形態等、各種の形態で実施してもよい。
【0102】
(5)上記実施形態では、前記エンジン負荷表示手段が、コンバインに異常が発生している異常状態においては、13個のセグメント表示部の全ての赤色発光ダイオードが点滅表示する構成としたが、このような異常用の点滅表示を行わない構成としてもよい。
【0103】
(6)上記実施形態では、前記補助表示部が、作業機械に異常が発生している異常状態においては、前記複数種の報知情報に代えて前記異常に対応するためのメッセージ情報を表示する構成としたが、このようなメッセージ情報を表示しない構成としてもよい。
【0104】
(7)上記実施形態では、前記補助表示部が、複数種の報知情報として、揺動選別板上の選別処理物量(シーブ)、グレンタンクにおける穀粒貯留量(モミ)、及び、エンジンの冷却水の温度(水温)の情報等を並べて表示するようにしたが、複数種の報知情報としては、例示したこれらの報知情報に限るものではなく、他の各種の報知情報を表示するようにしてもよい。
【0105】
(8)上記実施形態では、本発明を作業機械としての刈取収穫用のコンバインに適用したが、本発明はコンバイン以外のトラクタや建設機械などの作業機械に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】全体側面図
【図2】脱穀部の構成図
【図3】動力伝達系を示す図
【図4】表示ユニットの正面図
【図5】エンジン負荷表示計の表示状態を示す図
【図6】エンジン負荷表示計の構成を示す図
【図7】副変速表示部の構成を示す図
【図8】刈取変速表示部の構成を示す図
【図9】制御ブロック図
【図10】補助表示部の表示状態を示す図
【図11】制御動作のフローチャート
【図12】補助表示部の表示状態を示す図
【図13】補助表示部の表示状態を示す図
【符号の説明】
【0107】
12 作業速度表示手段
13a 点灯部
C1 主表示部
C2 副表示部
C3 補助表示部
EH エンジン負荷表示手段
Q1 作業速度表示用設定経路
Q2 負荷表示用設定経路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
最小負荷表示位置と最大負荷表示位置とに亘る負荷表示用設定経路に沿って、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な複数の点灯部を並設し、それら複数の点灯部のうちでエンジン負荷が増大するほど前記最大負荷表示位置に近い側の点灯部を消灯状態から点灯状態に切り換える形態でエンジン負荷を表示するように構成されているエンジン負荷表示手段を備えた作業機械の表示装置であって、
前記各点灯部夫々が点灯表示色を複数種の色に変更可能に構成され、
前記エンジン負荷表示手段が、エンジン負荷が増大するほど前記最小負荷表示位置側に位置する前記点灯部から順に前記最大負荷表示位置側に隣接する点灯部を点灯状態に切り換えて、点灯状態の点灯部の個数を増加させる形態でエンジン負荷を表示し、且つ、点灯状態の点灯部のうちの最大負荷表示位置側の点灯部の位置が表示形態切換用設定位置を越えると、点灯状態の全ての点灯部の点灯表示色を異なる色に変更するように構成されている作業機械の表示装置。
【請求項2】
前記エンジン負荷表示手段は、
前記各点灯部夫々の点灯表示色として、適正負荷対応色、注意負荷対応色、及び、過負荷対応色に変更可能に構成され、且つ、前記点灯状態の点灯部のうちの最大負荷表示位置側の点灯部の位置が適正負荷に対応する位置にあるときには前記点灯部の点灯表示色を適正負荷対応色に変更し、
前記点灯状態の点灯部のうちの最大負荷表示位置側の点灯部の位置が前記表示形態切換用設定位置としての注意負荷用の閾値を越えると、点灯している全ての点灯部の点灯表示色を注意負荷対応色に変更し、
前記点灯状態の点灯部のうちの最大負荷表示位置側の点灯部の位置が前記表示形態切換用設定位置としての過大負荷用の閾値を越えると、点灯している全ての点灯部の点灯表示色を過負荷対応色に変更するように構成されている請求項1記載の作業機械の表示装置。
【請求項3】
最低速度表示位置と最高速度表示位置とに亘る上向き突出の円弧状の作業速度表示用設定経路に沿って作業速度表示用指示部としての指示針を作業速度に応じて移動させる形態で作業速度を表示する作業速度表示手段が備えられ、
前記エンジン負荷表示手段は、前記負荷表示用設定経路が上向き突出の円弧状に形成されて前記作業速度表示手段における前記作業速度表示用設定経路の外方側に並ぶ状態で備えられている請求項1又は2記載の作業機械の表示装置。
【請求項4】
前記エンジン負荷表示手段を備えた主表示部の左右両側に並設される状態で一対の副表示部が備えられ、それら一対の副表示部が、エンジン回転速度と燃料残量とを表示するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業機械の表示装置。
【請求項5】
前記主表示部の下方側に補助表示部が並設され、
この補助表示部が、画像表示式に構成され、且つ、前記主表示部にて表示される報知情報及び前記副表示部にて表示される報知情報以外の複数種の報知情報を並べて表示するように構成されている請求項4記載の作業機械の表示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−68515(P2007−68515A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−262396(P2005−262396)
【出願日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】