説明

作業機械

【課題】作業機械の排気ガス浄化装置の振動を抑制する。
【解決手段】前端の補強部材142が作動油タンク125で、後端の補強部材146が建屋カバー支持部材160でそれぞれ支持されたエンジンフード140に対して、排気ガス浄化装置320を排気ガス浄化装置着脱用開口141aを介して排気ガス浄化装置マウントブラケット150で吊り下げて支持するように構成した。これにより、排気ガス浄化装置320にエンジン301の振動が伝わり難くなり、排気ガス浄化装置320の振動を抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイールローダなどの作業機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ホイールローダや油圧ショベルなどの作業機械では、建屋カバーで画成された機械室にエンジンや、エンジンの補機等が配設される。エンジンの補機として、たとえば、エンジン冷却用のラジエータや、エンジンから排出される排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するフィルタを有する排気ガス浄化装置などが挙げられる。これら補機のうち、排気ガス浄化装置は、たとえば、エンジンに取り付けられたマウントに固定されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−138832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献に記載の作業機械のように、エンジンに取り付けられたマウントに排気ガス浄化装置を固定する場合、排気ガス浄化装置がエンジンから離れた位置に配設されるため、エンジンの振動によって排気ガス浄化装置が振動しやすくなる。そのため、排気ガス浄化装置のフィルタや排気ガス浄化装置に取り付けられる各種のセンサの許容加速度を超えて排気ガス浄化装置が振動するおそれがある。また、過給器やEGRクーラを搭載するなど、補機類の増加により、限られた車体スペース内で排気ガス浄化装置を固定するためのマウントをエンジンに取り付けるのが困難になりつつある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 請求項1の発明による作業機械は、作業機械のフレームと、作業機械の機械室内でフレームに支持されるエンジンと、エンジンから排出される排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するフィルタを有する排気ガス浄化装置と、機械室を画成する建屋カバーと、建屋カバーを支持する部材であって、フレーム上に設けられる建屋カバー支持部材と、エンジンの上方で機械室を覆う天板と、排気ガス浄化装置を機械室から上方に取り出すために天板に設けられた開口と、開口の周縁に配設されて排気ガス浄化装置の支持荷重を負担する補強部材とを有し、少なくとも建屋カバー支持部材で支持されるエンジンフードと、排気ガス浄化装置を、開口を介して下方に吊り下げて支持する排気ガス浄化装置支持部材と、エンジンフードに着脱可能に取り付けられて、開口を閉鎖または開放する開口カバーとを備え、排気ガス浄化装置支持部材は、排気ガス浄化装置に取り付けられる取付部と、補強部材に支持されて固定される固定部とを有し、固定部の固定が解除されると取付部に取り付けられた排気ガス浄化装置とともに開口の上方へ取り外し可能であることを特徴とする。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載の作業機械において、エンジンフードは、前方に延在する前方延在部と下方に延在する下方延在部とが略直角に交差して作業機械の側方から見たときに略L字状の断面を有するL字状部材が前端に設けられ、前後方向に延在する補強部材の前端が下方延在部の後方の面に接続され、エンジンフードの前端は、前方延在部の下面が作動油タンクの上面に当接して支持され、エンジンフードの後端は、建屋カバー支持部材で支持されることを特徴とする。
(3) 請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の作業機械において、天板の高さは、開口カバーの上面の高さよりも低いことを特徴とする。
(4) 請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の作業機械において、排気ガス浄化装置支持部材は、固定部が設けられた固定部材と、取付部が設けられた取付部材と、固定部材と取付部材との間に介挿される弾性部材とを有し、取付部材が、弾性部材を介して固定部材に支持されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、エンジンの上方で機械室を覆う天板と、排気ガス浄化装置を機械室から上方に取り出すために天板に設けられた開口と、開口の周縁に配設されて排気ガス浄化装置の支持荷重を負担する補強部材とを有し、少なくとも建屋カバー支持部材で支持されるエンジンフードを設け、排気ガス浄化装置を排気ガス浄化装置支持部材でエンジンフードの開口を介して下方に吊り下げて支持するように構成した。これにより、排気ガス浄化装置の振動を抑制できるので、排気ガス浄化装置の耐久性、信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】ホイールローダの側面図である。
【図2】後部車体を左側面から見た図である。
【図3】エンジンフードの斜視図である。
【図4】エンジンフードの取付状態を説明するための斜視図である。
【図5】エンジンフードの取付状態を説明するための斜視図である。
【図6】開口カバーを取り外したエンジンフードの斜視図である。
【図7】排気ガス浄化装置の取付状態を説明する図である。
【図8】排気ガス浄化装置の取付状態を説明する図である。
【図9】排気ガス浄化装置の取付状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1〜9を参照して、本発明による作業機械の一実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態に係る作業機械の一例であるホイールローダの側面図である。ホイールローダ100は、アーム111,バケット112,タイヤ113等を有する前部車体110と、運転室121,機械室(エンジン室)122,タイヤ123等を有する後部車体120とで構成される。エンジン室122は、上方がエンジンフード140で、側方が開閉可能な建屋カバー130で覆われている。後部車体120の後方にはカウンタウェイト124が取り付けられている。エンジン室122の前方には、作動油タンク125が設けられている。
【0009】
アーム111はアームシリンダ117の駆動により上下方向に回動(俯仰動)し、バケット112はバケットシリンダ115の駆動により上下方向に回動(ダンプまたはクラウド)する。前部車体110と後部車体120はセンタピン101により互いに回動自在に連結され、ステアリングシリンダ116の伸縮により後部車体120に対し前部車体110が左右に屈折する。説明の便宜上、本実施の形態では各図に記載するように前後左右方向および上下方向を規定する。また、本実施の形態では、各図において、ホイールローダ100を構成する部材のうち説明のために記載を省略する必要があるものについては、その一部または全部についての記載を省略している。
【0010】
図2は、後部車体120を左側面から見た図であり、左側面の建屋カバー130を取り外した状態を示している。エンジン室122内で、エンジン301は後部車体120の不図示のエンジン取り付け用ブラケットに取り付けられている。なお、エンジン301にはEGRクーラ等、様々な補機類が取り付けられているが、符号302を付した過給器(ターボチャージャ)も補機の1つである。
【0011】
エンジン室122内で、エンジン301の上方には、後述するようにエンジンフード140から吊られて支持されている排気ガス浄化装置320が設けられている。エンジン室122の上方には、上述したようにエンジンフード140が設けられている。図3はエンジンフード140の斜視図であり、図4,5はエンジンフード140の取付状態を説明するための斜視図である。なお、図5では、説明の便宜上、エンジンフード140から後述する天板141を除いた状態を示している。エンジンフード140は、エンジン室122を覆う天板141と、エンジンフード140を補強する補強部材142〜146とを備えている。また、エンジンフード140には、後述する開口カバー170が取り付けられている(図3)。
【0012】
天板141は、左右側端と後端部が下方に折り曲げられた板状の部材であり、排気ガス浄化装置着脱用開口141aが設けられている。排気ガス浄化装置着脱用開口141aは、後述するように、エンジンフード140を取り外すことなく、排気ガス浄化装置320を着脱するためにエンジンフード140に設けられた開口である。図5に示すように、天板141の下面には、補強部材142〜146が取り付けられている。
【0013】
補強部材142は、前方に延在する前方延在部142aと下方に延在する下方延在部142bとが略直角に交差してホイールローダ100の側方から見たときに略L字状の断面を有するL字状部材であり、エンジンフード140の前端に設けられて左右方向に延在している。下方延在部142bの後方の面には、前後方向に延在する補強部材143〜145の前端が接続されている。補強部材143は、前後に延在する右側の部材であり、補強部材144は、前後に延在する左側の部材である。補強部材145は、排気ガス浄化装置着脱用開口141aの右横で排気ガス浄化装置着脱用開口141aを避けて前後方向に延在する部材である。補強部材146は、エンジンフード140の後端に設けられて左右方向に延在する部材であり、補強部材143〜145の後端が接続されている。
【0014】
エンジンフード140は、前端では、補強部材142の前方延在部142aの下面が作動油タンク125の上面に当接して支持され、後端では、補強部材146が建屋カバー支持部材160で支持される。建屋カバー支持部材160は、後部車体120にそれぞれ立設される左右一対の支柱161を有する。なお、建屋カバー支持部材160は、エンジンフード140(特に補強部材146)の強度を補強している。
【0015】
図3,4から明らかなように、エンジンフード140の天板141の排気ガス浄化装置着脱用開口141aは、開口カバー170で覆われている。開口カバー170は、不図示の排気用開口を有し、図6に示すブラケット172を介してエンジンフード140にボルト等で着脱可能に取り付けられている。なお、図6は、開口カバー170を取り外したエンジンフード140の斜視図である。排気用開口は、排気ガス浄化装置320で浄化、消音された排気ガスを外部に放出するための開口であり、排気ガスを排気するためのテールパイプ171が取り付けられている。排気ガスは、テールパイプ171から大気中へ排出される。
【0016】
本実施の形態では、図3に示すように、開口カバー170の上面の高さは、エンジンフード140の天板141の上面の高さよりも高い。これは、後述するように、排気ガス浄化装置320を天板141の排気ガス浄化装置着脱用開口141aを介して吊り下げて支持するための排気ガス浄化装置マウントブラケット150との干渉を防止するためである。換言すると、本実施の形態では、排気ガス浄化装置マウントブラケット150との干渉を防止するために必要な範囲以外のエンジンフード140の高さを低く抑えている。これは、運転室121の後方に位置するエンジンフード140の高さをできる限り低くすることで、後方視界を確保するためである。
【0017】
図7〜9は、エンジンフード140に対する排気ガス浄化装置320の取付状態を説明するために要部のみを記載した図である。図7は斜視図であり、図8は側面図であり、図9は底面図である。なお、図8では、補強部材144の記載を省略している。上述したように、排気ガス浄化装置マウントブラケット150は、排気ガス浄化装置320をエンジンフード140から吊り下げて支持するためのブラケットである。本実施の形態では、排気ガス浄化装置320の前部近傍と後部近傍の2箇所に排気ガス浄化装置マウントブラケット150が取り付けられている。排気ガス浄化装置マウントブラケット150は、エンジンフード140に固定される固定部材151と、排気ガス浄化装置320に取り付けられる取付部材152と、固定部材151と取付部材152との間に介挿されて振動を吸収する防振部材153とを備えている。
【0018】
固定部材151は、排気ガス浄化装置マウントブラケット150をエンジンフード140に固定する固定部の役割を果たす。固定部材151は、排気ガス浄化装置着脱用開口141a上で左右に延在する部材であり、右端が補強部材145の上方で、左端が補強部材144の上方でそれぞれエンジンフード140上に載置され、たとえばボルト181等でエンジンフード140に対して固定される。
【0019】
取付部材152は、排気ガス浄化装置320に取り付けられる取付部の役割を果たす。取付部材152は、固定部材151および防振部材153を介して排気ガス浄化装置320を吊り下げる吊り下げ部材1521と、排気ガス浄化装置320を吊り下げ部材1521の下部に取り付けるためのUボルト1522とを有する。吊り下げ部材1521は、上部で略直角に折り曲げられた折り曲げ部1521aと、下部で略円筒形状を呈する排気ガス浄化装置320の外周に沿うように円弧状に湾曲した帯状の部位である帯状部1521bとを有する。排気ガス浄化装置320は、帯状部1521bの下面と、排気ガス浄化装置320を下方から支えるUボルト1522との間で挟持されることで、取付部材152に対して取り付けられる。なお、図8,9に示すように、排気ガス浄化装置320とUボルト1522との間に、排気ガス浄化装置320の外周に沿うように円弧状に湾曲した帯状の部材が設けられていてもよい。
【0020】
防振部材153は、たとえばゴム等の弾性体で構成されて振動を吸収する部位と、固定部材151および取付部材152に固定される部位とを有する。
【0021】
このように構成される排気ガス浄化装置マウントブラケット150がエンジンフード140に固定されると、上述したように、固定部材151の右端が補強部材145の上方で、左端が補強部材144の上方でそれぞれエンジンフード140上に載置されることになる。したがって、排気ガス浄化装置マウントブラケット150がエンジンフード140に固定されると、排気ガス浄化装置320が排気ガス浄化装置マウントブラケット150を介してエンジンフード140の補強部材144,145で支持されることとなる。すなわち、補強部材144,145が排気ガス浄化装置320の支持荷重を負担する。
【0022】
補強部材144,145の前端および後端は、それぞれ補強部材142および補強部材146に接続されている。そして、補強部材142の前方延在部142aの下面が作動油タンク125の上面に当接して支持され、補強部材146が建屋カバー支持部材160で支持されている。
【0023】
上述したように、排気ガス浄化装置320は、略円筒形状を呈しており、排気ガスの流れに沿って上流から順に接続された不図示の酸化触媒部と、不図示のDPF部と、不図示の消音部とを有する。酸化触媒部には、不図示の酸化触媒が収容されている。DPF部には、不図示の粒子状物質除去フィルタが収容されている。消音部は、エンジン301が発する排気音を低減する装置である。消音部の排気ガスの出口には、排気管324が取り付けられている。図2に示すように、排気管324と、開口カバー170に取り付けられたテールパイプ171との間には隙間がある。なお、図2において325は、過給器302と排気ガス浄化装置320とを接続する排気管である。略円筒形状を呈する排気ガス浄化装置320は、エンジン室122の上部左側で円筒の軸線方向とホイールローダ100の前後方向とが略一致するように配設されている。
【0024】
排気ガス浄化装置320の点検や交換の際には、図6に示すように、エンジンフード140から開口カバー170を取り外せば、排気ガス浄化装置着脱用開口141a越しに排気ガス浄化装置320が露出する。これにより、たとえば、粒子状物質除去フィルタの入口側と出口側の排気ガスの差圧を検出する不図示の差圧センサ等の点検等を容易に実施できる。また、図7に示すように、エンジンフード140からブラケット172を取り外し、さらに排気ガス浄化装置マウントブラケット150の固定部材151とエンジンフード140とのボルト181による締結を解除し、排気ガス浄化装置320と排気管325との接続を解除することで、エンジンフード140を取り外さなくても、排気ガス浄化装置着脱用開口141aを介して排気ガス浄化装置マウントブラケット150に取り付けられた排気ガス浄化装置320を容易に取り外すことができる。
【0025】
上述した本実施の形態のホイールローダ100では、次の作用効果を奏する。
(1) 前端の補強部材142が作動油タンク125で、後端の補強部材146が建屋カバー支持部材160でそれぞれ支持されたエンジンフード140に対して、排気ガス浄化装置320を排気ガス浄化装置着脱用開口141aを介して排気ガス浄化装置マウントブラケット150で吊り下げて支持するように構成した。これにより、排気ガス浄化装置320にエンジン301の振動が伝わり難くなり、排気ガス浄化装置320の振動を抑制できる。したがって、振動に起因する粒子状物質除去フィルタや不図示のセンサ等の故障を防止して、粒子状物質除去フィルタやセンサ等の交換コストを抑制できるとともに、排気ガス浄化装置320の耐久性、信頼性を高めることができる。
【0026】
また、排気ガス浄化装置320を取り付けるためにエンジン301にマウント等を設ける必要がないため、エンジン301の補機類を避けてマウント等を無理に設置する必要がなく、排気ガス浄化装置320の配設位置の制約が緩和されるとともに、エンジン301の補機類の配置を制限することがない。
【0027】
(2) エンジンフード140から開口カバー170およびブラケット172を取り外し、排気ガス浄化装置マウントブラケット150の固定部材151とエンジンフード140とのボルト181による締結を解除し、排気ガス浄化装置320と排気管325との接続を解除することで、エンジンフード140を取り外さなくても、排気ガス浄化装置着脱用開口141aを介して排気ガス浄化装置320を容易に取り外すことができる。したがって、排気ガス浄化装置320のメンテナンスの作業性が向上する。
【0028】
(3) エンジンフード140の前端では、補強部材142の前方延在部142aの下面が作動油タンク125の上面に当接して支持されるように構成した。そして、補強部材142の下方延在部142bの後方の面に補強部材143〜145の前端が接続されるように構成した。これにより、エンジンフード140の天板141の上面の高さを作動油タンク125の上面の高さと略等しくすることができる。したがって、エンジンフード140の強度を確保しつつ、エンジンフード140の天板141の上面の高さを抑制して、運転室121からの後方視界を良好に保つことができる。
【0029】
(4) エンジンフード140の天板141の上面の高さが開口カバー170の上面の高さよりも低くなるように構成した。これにより、排気ガス浄化装置マウントブラケット150との干渉を防止するために必要な範囲以外のエンジンフード140の高さを低く抑えて、運転室121からの後方視界を良好に保つことができる。
【0030】
(5) 排気ガス浄化装置マウントブラケット150が固定部材151と取付部材152との間に介挿されて振動を吸収する防振部材153を備えるように構成した。これにより、エンジンフード140側からの排気ガス浄化装置320への振動の伝達を抑制できるので、振動に起因する粒子状物質除去フィルタや不図示のセンサ等の故障を防止して、粒子状物質除去フィルタやセンサ等の交換コストを抑制できるとともに、排気ガス浄化装置320の耐久性、信頼性を高めることができる。
【0031】
−−−変形例−−−
(1) 上述の説明では、排気ガス浄化装置320の前部近傍と後部近傍の2箇所に排気ガス浄化装置マウントブラケット150が取り付けられているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、排気ガス浄化装置マウントブラケット150が1箇所だけ取り付けられていてもよく、3箇所以上取り付けられていてもよい。
【0032】
(2) 上述の説明では、固定部材151と取付部材152との間に防振部材153が介挿されているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、固定部材151と取付部材152とを一体的に構成し、固定部材151の下面と天板141の上面との間に振動を吸収する弾性部材を介挿させるようにしてもよい。
【0033】
(3) 上述の説明では、作業機械の一例としてホイールローダ100について説明したが、油圧ショベル等、他の作業機械に本発明を適用してもよい。
(4) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
【0034】
なお、本発明は、上述した実施の形態のものに何ら限定されず、作業機械のフレームと、作業機械の機械室内でフレームに支持されるエンジンと、エンジンから排出される排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するフィルタを有する排気ガス浄化装置と、機械室を画成する建屋カバーと、建屋カバーを支持する部材であって、フレーム上に設けられる建屋カバー支持部材と、エンジンの上方で機械室を覆う天板と、排気ガス浄化装置を機械室から上方に取り出すために天板に設けられた開口と、開口の周縁に配設されて排気ガス浄化装置の支持荷重を負担する補強部材とを有し、少なくとも建屋カバー支持部材で支持されるエンジンフードと、排気ガス浄化装置を、開口を介して下方に吊り下げて支持する排気ガス浄化装置支持部材と、エンジンフードに着脱可能に取り付けられて、開口を閉鎖または開放する開口カバーとを備え、排気ガス浄化装置支持部材は、排気ガス浄化装置に取り付けられる取付部と、補強部材に支持されて固定される固定部とを有し、固定部の固定が解除されると取付部に取り付けられた排気ガス浄化装置とともに開口の上方へ取り外し可能であることを特徴とする各種構造の作業機械を含むものである。
【符号の説明】
【0035】
100 ホイールローダ 120 後部車体
122 機械室(エンジン室) 125 作動油タンク
140 エンジンフード 141 天板
142〜146 補強部材
150 排気ガス浄化装置マウントブラケット
151 固定部材 152 取付部材
153 防振部材 160 建屋カバー支持部材
170 開口カバー 301 エンジン
320 排気ガス浄化装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械のフレームと、
作業機械の機械室内で前記フレームに支持されるエンジンと、
前記エンジンから排出される排気ガスに含まれる粒子状物質を捕集するフィルタを有する排気ガス浄化装置と、
前記機械室を画成する建屋カバーと、
前記建屋カバーを支持する部材であって、前記フレーム上に設けられる建屋カバー支持部材と、
前記エンジンの上方で前記機械室を覆う天板と、前記排気ガス浄化装置を前記機械室から上方に取り出すために前記天板に設けられた開口と、前記開口の周縁に配設されて前記排気ガス浄化装置の支持荷重を負担する補強部材とを有し、少なくとも前記建屋カバー支持部材で支持されるエンジンフードと、
前記排気ガス浄化装置を、前記開口を介して下方に吊り下げて支持する排気ガス浄化装置支持部材と、
前記エンジンフードに着脱可能に取り付けられて、前記開口を閉鎖または開放する開口カバーとを備え、
前記排気ガス浄化装置支持部材は、前記排気ガス浄化装置に取り付けられる取付部と、前記補強部材に支持されて固定される固定部とを有し、前記固定部の固定が解除されると前記取付部に取り付けられた前記排気ガス浄化装置とともに前記開口の上方へ取り外し可能であることを特徴とする作業機械。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械において、
前記エンジンフードは、前方に延在する前方延在部と下方に延在する下方延在部とが略直角に交差して前記作業機械の側方から見たときに略L字状の断面を有するL字状部材が前端に設けられ、前後方向に延在する前記補強部材の前端が前記下方延在部の後方の面に接続され、
前記エンジンフードの前端は、前記前方延在部の下面が作動油タンクの上面に当接して支持され、
前記エンジンフードの後端は、前記建屋カバー支持部材で支持されることを特徴とする作業機械。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の作業機械において、
前記天板の高さは、前記開口カバーの上面の高さよりも低いことを特徴とする作業機械。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の作業機械において、
前記排気ガス浄化装置支持部材は、前記固定部が設けられた固定部材と、前記取付部が設けられた取付部材と、前記固定部材と前記取付部材との間に介挿される弾性部材とを有し、前記取付部材が、前記弾性部材を介して前記固定部材に支持されることを特徴とする作業機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−11126(P2013−11126A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145471(P2011−145471)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】