作業車両
【課題】走行装置に付着した泥土の除去作業を容易に行えるものとし、作業場間の移動を迅速に行えることによって作業能率を高める。
【解決手段】機台(2)の前部および後部に、機台(2)を対地支持する左右の支持脚(50,50)を下方に張り出した作用状態と上方に収納した非作用状態とに切り換え自在に取り付け、左右のローリングシリンダ(49,49)の伸長作動によって転輪フレーム(36,36)が機台(2)に対して最下降位置またはこの最下降位置に近い位置に移動した状態で支持脚(50,50)を作用状態に切り換え、この後、該ローリングシリンダ(49,49)の短縮作動によって左右の転輪フレーム(36,36)が機台(2)に対して上昇すると、前記支持脚(50,50)によって機体(1)全体が対地浮上状態で支持される構成とする。
【解決手段】機台(2)の前部および後部に、機台(2)を対地支持する左右の支持脚(50,50)を下方に張り出した作用状態と上方に収納した非作用状態とに切り換え自在に取り付け、左右のローリングシリンダ(49,49)の伸長作動によって転輪フレーム(36,36)が機台(2)に対して最下降位置またはこの最下降位置に近い位置に移動した状態で支持脚(50,50)を作用状態に切り換え、この後、該ローリングシリンダ(49,49)の短縮作動によって左右の転輪フレーム(36,36)が機台(2)に対して上昇すると、前記支持脚(50,50)によって機体(1)全体が対地浮上状態で支持される構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバイン等の作業車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の作業車両には、機台の前部に左右の前側ローリングアームの中間部を横軸回動自在に軸着し、機台の後部に左右の後側ローリングアームの中間部を横軸回動自在に軸着し、左右の前側ローリングアームの上端部と後側ローリングアームの上端部とを連動ロッドによって夫々連結し、左右の前側ローリングアームの下端部を転輪フレームの前部に横軸回動自在に軸着し、左右の後側ローリングアームの下端部を転輪フレームの後部に横軸回動自在に軸着し、機台側と左右の前側ローリングアームまたは後側ローリングアームのいずれか一方との間に、前側ローリングアームおよび後側ローリングアームを強制的に回動させる左右のローリングシリンダを取り付けたものがある。
【0003】
この機構は、左右の転輪フレームを左右背反的に昇降させることによって機台の左右傾斜を修正し、左右の転輪フレームを左右共に昇降させることによって車高を調節自在とするためのものである。
【0004】
一方、コンバイン等の作業車両は軟弱な作業場を走行しながら作業するため、走行装置に泥土が付着し、路上走行する際にこの泥土が走行装置から脱落して路面に落ち、他の自動車等の走行を阻害する問題がある。従って、作業場から路上へ移行する前に、走行装置に付着した泥土を除去する作業が必要である。
【0005】
そこで、上述の機構を利用して、走行装置から泥土を除去する作業を容易化する技術が試みられている。この例として、特許文献1には、機台を支えるスタンドを別途用意し、左右のローリングシリンダの伸長作動によって転輪フレームが機台に対して最下降位置またはこの最下降位置に近い位置に移動した状態でスタンドを機台の下側に取り付け、この後、ローリングシリンダの短縮作動によって左右の転輪フレームが機台に対して上昇すると、スタンドによって機体全体が対地浮上状態で支持される技術が開示されている。このように機体全体を対地浮上させた状態で走行装置を駆動しながら、付着していた泥土を落とそうとするものである。
【特許文献1】実公平7−18266号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1に開示された技術では、機台を支えるスタンドを別途容易し、作業場へ持ち運ぶ必要があり、作業車両が大型のものである場合には、このスタンドも機体重量に耐えうるだけの強度を備えた大型のものとなり、作業場への持ち運びを容易に行うことができない。
【0007】
このため、従来の作業車両では、走行装置のメンテナンスを容易に行うことができず、作業場から路上への移行に手間がかかり、作業場間移動に時間を要して作業能率が低下する問題があった。
【0008】
また、上述のスタンドを機台側に収納自在に設けようとしても、収納状態にしたスタンドが機台からはみ出しやすく、作業中や路上走行中に障害物に衝突するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、上述の如き課題を解決するために、次のような技術的手段を講じる。
即ち、請求項1記載の発明は、機台(2)の前部に左右の前側ローリングアーム(40,40)の中間部を横軸回動自在に軸着し、機台(2)の後部に左右の後側ローリングアーム(43,43)の中間部を横軸回動自在に軸着し、前記左右の前側ローリングアーム(40,40)の上端部と後側ローリングアーム(43,43)の上端部とを連動ロッド(46,46)によって夫々連結し、前記左右の前側ローリングアーム(40,40)の下端部を転輪フレーム(36,36)の前部に横軸回動自在に軸着し、前記左右の後側ローリングアーム(43,43)の下端部を転輪フレーム(36,36)の後部に横軸回動自在に軸着し、前記機台(2)側と左右の後側ローリングアーム(43,43)または連動ロッド(46,46)のいずれか一方との間に、該前側ローリングアーム(40,40)および後側ローリングアーム(43,43)を強制的に回動させる左右のローリングシリンダ(49,49)を取り付け、前記機台(2)の前部および後部に、機台(2)を対地支持する左右の支持脚(50,50)を下方に張り出した作用状態と上方に収納した非作用状態とに切り換え自在に取り付け、前記左右のローリングシリンダ(49,49)の伸長作動によって転輪フレーム(36,36)が機台(2)に対して最下降位置またはこの最下降位置に近い位置に移動した状態で支持脚(50,50)を作用状態に切り換え、この後、該ローリングシリンダ(49,49)の短縮作動によって左右の転輪フレーム(36,36)が機台(2)に対して上昇すると、前記支持脚(50,50)によって機体(1)全体が対地浮上状態で支持される構成としたことを特徴とする作業車両としたものである。
【0010】
これにより、機台2の前部および後部に、機台2を対地支持する左右の支持脚50,50を下方に張り出した作用状態と上方に収納した非作用状態とに切り換え自在に取り付け、左右のローリングシリンダ49,49の伸長作動によって転輪フレーム36,36が機台2に対して最下降位置またはこの最下降位置に近い位置に移動した状態で支持脚50,50を作用状態に切り換え、この後、該ローリングシリンダ49,49の短縮作動によって左右の転輪フレーム36,36が機台2に対して上昇すると、支持脚50,50によって機体1全体が対地浮上状態で支持され、転輪フレーム36,36を中心とした走行装置のメンテナンスを容易に行える状態となる。メンテナンス終了後は、支持脚50,50を上方へ収納する。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、前記前後の支持脚(50,50)を非作用状態に切り換えると、該前後の支持脚(50,50)の各接地部が対向する状態となる構成としたことを特徴とする請求項1記載の作業車両としたものである。
【0012】
これにより、収納状態の支持脚50,50が機台2からはみ出しにくくなる。
また、請求項3記載の発明は、前記支持脚(50,50)を、機台(2)側のフレーム(52)の内部に収納自在に構成したことを特徴とする請求項1記載の作業車両としたものである。
【0013】
このように、支持脚50,50を機台2側のフレーム52内に収納することによって、支持脚50,50が機台2からはみ出さなくなる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によると、作業場から路上へ移行する前に、機体1全体を対地浮上状態で支持して走行装置に付着した泥土の除去作業を容易に行え、作業場間の移動を迅速に行えることによって作業能率を高めることができる。また、このように機体1を対地浮上させるために必要な支持脚50、50を機台2側に収納できるために、この支持脚50,50のような支持部材を作業場へ持ち運ぶ必要がなく、作業能率を更に高めることができる。
【0015】
また、請求項2記載の発明によると、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、収納状態の支持脚50,50が機台2からはみ出しにくいために、作業走行時や路上走行時に支持脚 が障害物に衝突しにくくなり、安全性を高めることができる。
【0016】
また、請求項3記載の発明によると、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、支持脚50,50が機台2側のフレーム52内に収納されることによって機台2からはみ出さず、作業走行時や路上走行時に支持脚50,50が障害物に衝突しにくくなり、安全性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この発明における作業車両の実施の形態を、自脱型のコンバインを例示して説明する。
図1に示すように、コンバインの機体1は、平面視矩形に枠組み形成した機台2の前部上側に操縦部3を搭載し、該操縦部3の後側に原動部4を搭載し、該原動部4の後側に穀粒貯留装置5を搭載し、該穀粒貯留装置5の横側に脱穀装置6を搭載し、該脱穀装置6の前方に刈取装置7を昇降自在に設け、機台2の下側に走行装置8を設けて構成する。9は脱穀装置6の後側に設けた排藁カッターである。
【0018】
前記操縦部3は、後述する原動部4のエンジンカバー10の上側に設置した操縦席11と、該操縦席11の前下方に設けたステップ12と、操縦席11の前方に立設したフロント操作ポスト13と、操縦席11の左側に配置したサイド操作パネル14とから構成する。前記フロント操作ポスト13上には、左右方向操作によって機体を左右に操向し、前後方向操作によって刈取装置7を昇降させる操向レバー15と、該操向レバー15を握った手の手首を載せる支持台を備えたハンドル16を設け、フロント操作ポスト13の外側部には、駐車ブレーキを入り切り操作する駐車ブレーキ操作レバー17を設ける。また、前記サイド操作パネル14には、ミッションを駆動する静油圧式無段変速装置を変速操作する主変速レバー18と、ミッション内のギヤ変速機構を変速操作する副変速レバー19と、スロットルレバー20と、刈取・脱穀クラッチレバー(図示省略)を設ける。
【0019】
前記原動部4は、機台2上にマウントしたエンジン21と、該エンジン21およびラジエータ等の補機を覆うエンジンカバー22と、該エンジンカバー22の上部に取り付けた操縦席11およびエアクリーナ23から構成する。
【0020】
前記穀粒貯留装置5は、グレンタンク24と、該グレンタンク24内の穀粒を排出する排出筒25とから構成する。前記グレンタンク24は、底部搬送螺旋を内装した下部受樋と、該下部受樋の上側に嵌合して取り付ける合成樹脂製の上部タンク26から構成する。また、前記排出筒25は基部側排出筒27と先端部側排出筒28とに分割し、先端部側排出筒28を基部側排出筒27に対して摺動自在に嵌合させ、基部側排出筒27を摺動させる伸縮駆動装置29を設けて、伸縮自在な排出筒を構成する。
【0021】
前記脱穀装置6は、扱胴および処理胴を内装した上部の扱室と、揺動選別棚、唐箕、1番螺旋、2番螺旋を内装した下部の選別室から構成する。
前記刈取装置7は、機台2の前端部に横軸支持された支持フレーム30の先端部に、分草フレーム31を取り付け、該分草フレーム31の前端部に分草杆32を取り付け、該分草杆32の後側に引起装置33を斜設し、該引起装置33の後側低部に刈刃装置34を設け、該刈刃装置34の上側から後上方へ向けて搬送装置35を設けて構成する。尚、前記支持フレーム30を昇降回動させる刈取上下シリンダを設ける。
【0022】
前記走行装置8は、左右の転輪フレーム36,36に多数の転輪37,37を軸支し、該転輪37,37と機台2の前部に取り付けたミッションケースから駆動される駆動スプロケット38,38とにわたってクローラ39,39を巻き掛けて構成する。
【0023】
即ち、図2に示すように、前記機台2の前部に、側面視へ字状に形成した左右の前側ローリングアーム40,40の中間部を、機台2の前部下面側に固定した支持部材41に軸42中心に横軸回動自在に軸着する。また、機台2の後部に、同じく側面視へ字状に形成した左右の後側ローリングアーム43,43の中間部を、機台2の後部下面側に固定した支持部材44に軸45中心に横軸回動自在に軸着する。
【0024】
そして、前記左右の前側ローリングアーム40,40の上端部と後側ローリングアーム43,43の上端部とを連動ロッド46,46によって夫々連結し、前記左右の前側ローリングアーム40,40の下端部を転輪フレーム36,36の前部に軸47,47で横軸回動自在に軸着し、前記左右の後側ローリングアーム43,43の下端部を転輪フレーム36,36の後部に軸48,48で横軸回動自在に軸着する。
【0025】
そして、前記機台2の後部上側に固定した左右の取付ステー51,52に左右のローリングシリンダ49,49の基部を軸着し、該左右のローリングシリンダ49,49のピストン先端を連動ロッド46,46に軸着する。
【0026】
そして、前記機台2の前部および後部に、機台2を対地支持する左右の支持脚50,50を下方に張り出した作用状態と上方に収納した非作用状態とに切り換え自在に取り付ける。即ち、機台2の前部上側と後部上側に左右方向の筒状フレーム52,52を固定し、該筒状フレーム52,52の左右両端部に支持脚50,50の上端部に直交する向きに固着した回動支点軸53,53を回動自在に遊嵌して取り付ける。
【0027】
以上により、図2(a)に示す通常走行状態では、前後左右の4つの支持脚50,50を上方回動させて機台2に沿わせた収納状態(非作用状態)では、前後の支持脚50,50の自由端部の各接地部が対向する状態になり、この状態をピン54,54によって前後の支持脚50,50の各接地部を連結して保持する。これにより、支持脚50,50が機台2からはみ出しにくいために、作業走行時や路上走行時に支持脚50,50が障害物に衝突しにくくなり、安全性を高めることができる。
【0028】
そして、図2(b)に示すメンテナンス開始状態では、まず、左右のローリングシリンダ49,49を最大に伸長作動させて機台2に対して左右の転輪フレーム36,36を下降させ、これによって車高を最高位置まで上昇させる。そして、前記ピン54,54を外して前後左右の支持脚50,50を下方に垂下した姿勢(作用状態)に回動させる。この状態では、支持脚50,50の接地部は対地浮上している。尚、支持脚50,50を垂下した状態で固定する固定手段を設けるとよい。
【0029】
そして、図2(c)に示すように、左右のローリングシリンダ49,49を短縮作動させて機台2に対して左右の転輪フレーム36,36を上昇させる。これによって、支持脚50,50の接地部が接地して機体1の重量を支持し、左右のクローラ39,39の接地面は対地浮上する。
【0030】
この状態で駆動スプロケット38,38を前進側または後進側に駆動させ、左右のクローラ39,39を空転させながら、該クローラ39,39や転輪フレーム36,36や転輪37,37等に付着していた泥土を容易に除去することができる。
【0031】
尚、図3は支持脚50,50を非作用状態とした側面図、図4は図3の状態の背面図、図5は支持脚50,50を作用状態とした背面図である。
また、図6に示すように、機台2の後部に取り付ける左右の支持脚50,50を、機台2の後端面に機体前後方向の軸芯を有する左右の軸55,55によって軸着して設けてもよい。該左右の軸55,55は、左右のクローラ39,39の接地間隔内に間隔をおいて配置する。この構成によって、左右の支持脚50,50を左右のクローラ39,39の接地間隔内において起立させることができ、狭い場所でも機体1を対地浮上させてメンテナンスを行うことができる。
【0032】
また、図7に示すように、上記図2の構成を基本として、前後左右の4つの支持脚50,50,50,50の接地部以外の部分を筒状フレーム(フレーム)52,52の内部に収納できるように構成してもよい。即ち、支持脚50の上端部に取り付けた回動支点軸53を、支持脚50の上端部に屈折回動自在に軸56によって軸着し、この支持脚50と回動支点軸53とが一直線状となるように伸ばした状態で、この回動支点軸53と支持脚50とを筒状フレーム52の内部に挿入できるように構成する。これによって、非作用状態の支持脚50をコンパクトに収納することができ、支持脚50が障害物に衝突するような不具合を解消することができる。作用状態とするには、この支持脚50を外側方へ引き出し、下方へ屈折回動させればよい。
【0033】
図8、図9に示すように、上記図7の構成のように前部の支持脚50を筒状フレーム52内に収納できる構成において、機台2の後部に取り付ける左右の支持脚50,50を、機台2の後部に左右方向に所定間隔をおいて前後方向姿勢に取り付けた左右の筒状フレーム57,57内に収納できるように取り付けてもよい。該左右の筒状フレーム57,57は、左右のクローラ39,39の接地間隔内に間隔をおいて配置する。この構成によって、左右の支持脚50,50を引き出して下向きに屈折回動させ、左右のクローラ39,39の接地間隔内において起立させることができ、狭い場所でも機体1を対地浮上させてメンテナンスを行うことができる。
【0034】
図10に示すように、機台2における左右のクローラ39,39の後部上方位置に、スクレーパ58,58の上端部を横軸59によって上下回動自在に軸着し、該スクレーパ58,58を下降付勢するスプリング60,60を設ける。これによって、スクレーパ58,58をクローラ39,39の上面から上昇対退避させた状態では、該スクレーパ58,58が機台2よりも上方にまで退避し、このスクレーパ58,58の退避位置がスプリング60,60の支点越えや別途設けるロック装置によって保持される。そして、このスクレーパ58,58を下降回動させた状態では、このスクレーパ58,58の下端部(自由端部)がクローラ39,39の上部外面に接触し、このクローラ39,39を対地浮上状態で前進駆動することによって、クローラ39,39の外面に付着している泥土を削ぎ落とすことができる。尚、クローラ39,39のラグ63,63の根元の曲率半径は、スクレーパ58,58の先端りも大きい曲率で形成されるが、このラグ63,63は十分な高さを有するために、走行時に牽引力が不足することはない。また、図11に示すように、クローラ39,39の外面側には、駆動スプロケット38,38が係合する駆動穴62,62の左右両側にスクレーパレール61,61がゴム材で一体形成されており、このスクレーパレール61,61の上端面にスクレーパ58,58が押し上げられて、クローラ39,39の外表面とスクレーパ58,58の先端との間隔が維持される。スクレーパ58,58はこのスクレーパレール61,61の上端面に摺接し、クローラ39,39の外表面に直接接触しないために、該スクレーパ58,58の先端の摩耗や変形が防止される。
【0035】
尚、図1に示すコンバインのグレンタンク24の下部側面を覆うカバー部には、左右のローリングシリンダ49,49を伸縮操作する上昇スイッチ64および下降スイッチ65と、静油圧式無段変速装置の出力回転を変速して駆動スプロケット38,38の回転速度を任意に変速操作できる車速増速スイッチ66および車速減速スイッチ67を設ける。これによって、メンテナンス作業時に、作業者が走行装置8側からこの走行装置8の変速や機体1の浮上操作を行うことができ、作業能率が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】コンバインの側面図
【図2】作用状態の説明図
【図3】支持脚を非作用状態とした側面図
【図4】図3の状態の背面図
【図5】支持脚を作用状態とした背面図
【図6】支持脚を作用状態とした背面図
【図7】作用状態の説明図
【図8】支持脚の作用状態を示す側面図
【図9】支持脚を作用状態とした背面図
【図10】スクレーパの作用状態の説明用側面図
【図11】クローラの形状を示す説明図
【符号の説明】
【0037】
2 機台
36 転輪フレーム
40 前側ローリングアーム
43 後側ローリングア−ム
46 連動ロッド
49 ローリングシリンダ
50 支持脚
52 筒状フレーム(フレーム)
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバイン等の作業車両に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の作業車両には、機台の前部に左右の前側ローリングアームの中間部を横軸回動自在に軸着し、機台の後部に左右の後側ローリングアームの中間部を横軸回動自在に軸着し、左右の前側ローリングアームの上端部と後側ローリングアームの上端部とを連動ロッドによって夫々連結し、左右の前側ローリングアームの下端部を転輪フレームの前部に横軸回動自在に軸着し、左右の後側ローリングアームの下端部を転輪フレームの後部に横軸回動自在に軸着し、機台側と左右の前側ローリングアームまたは後側ローリングアームのいずれか一方との間に、前側ローリングアームおよび後側ローリングアームを強制的に回動させる左右のローリングシリンダを取り付けたものがある。
【0003】
この機構は、左右の転輪フレームを左右背反的に昇降させることによって機台の左右傾斜を修正し、左右の転輪フレームを左右共に昇降させることによって車高を調節自在とするためのものである。
【0004】
一方、コンバイン等の作業車両は軟弱な作業場を走行しながら作業するため、走行装置に泥土が付着し、路上走行する際にこの泥土が走行装置から脱落して路面に落ち、他の自動車等の走行を阻害する問題がある。従って、作業場から路上へ移行する前に、走行装置に付着した泥土を除去する作業が必要である。
【0005】
そこで、上述の機構を利用して、走行装置から泥土を除去する作業を容易化する技術が試みられている。この例として、特許文献1には、機台を支えるスタンドを別途用意し、左右のローリングシリンダの伸長作動によって転輪フレームが機台に対して最下降位置またはこの最下降位置に近い位置に移動した状態でスタンドを機台の下側に取り付け、この後、ローリングシリンダの短縮作動によって左右の転輪フレームが機台に対して上昇すると、スタンドによって機体全体が対地浮上状態で支持される技術が開示されている。このように機体全体を対地浮上させた状態で走行装置を駆動しながら、付着していた泥土を落とそうとするものである。
【特許文献1】実公平7−18266号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1に開示された技術では、機台を支えるスタンドを別途容易し、作業場へ持ち運ぶ必要があり、作業車両が大型のものである場合には、このスタンドも機体重量に耐えうるだけの強度を備えた大型のものとなり、作業場への持ち運びを容易に行うことができない。
【0007】
このため、従来の作業車両では、走行装置のメンテナンスを容易に行うことができず、作業場から路上への移行に手間がかかり、作業場間移動に時間を要して作業能率が低下する問題があった。
【0008】
また、上述のスタンドを機台側に収納自在に設けようとしても、収納状態にしたスタンドが機台からはみ出しやすく、作業中や路上走行中に障害物に衝突するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、上述の如き課題を解決するために、次のような技術的手段を講じる。
即ち、請求項1記載の発明は、機台(2)の前部に左右の前側ローリングアーム(40,40)の中間部を横軸回動自在に軸着し、機台(2)の後部に左右の後側ローリングアーム(43,43)の中間部を横軸回動自在に軸着し、前記左右の前側ローリングアーム(40,40)の上端部と後側ローリングアーム(43,43)の上端部とを連動ロッド(46,46)によって夫々連結し、前記左右の前側ローリングアーム(40,40)の下端部を転輪フレーム(36,36)の前部に横軸回動自在に軸着し、前記左右の後側ローリングアーム(43,43)の下端部を転輪フレーム(36,36)の後部に横軸回動自在に軸着し、前記機台(2)側と左右の後側ローリングアーム(43,43)または連動ロッド(46,46)のいずれか一方との間に、該前側ローリングアーム(40,40)および後側ローリングアーム(43,43)を強制的に回動させる左右のローリングシリンダ(49,49)を取り付け、前記機台(2)の前部および後部に、機台(2)を対地支持する左右の支持脚(50,50)を下方に張り出した作用状態と上方に収納した非作用状態とに切り換え自在に取り付け、前記左右のローリングシリンダ(49,49)の伸長作動によって転輪フレーム(36,36)が機台(2)に対して最下降位置またはこの最下降位置に近い位置に移動した状態で支持脚(50,50)を作用状態に切り換え、この後、該ローリングシリンダ(49,49)の短縮作動によって左右の転輪フレーム(36,36)が機台(2)に対して上昇すると、前記支持脚(50,50)によって機体(1)全体が対地浮上状態で支持される構成としたことを特徴とする作業車両としたものである。
【0010】
これにより、機台2の前部および後部に、機台2を対地支持する左右の支持脚50,50を下方に張り出した作用状態と上方に収納した非作用状態とに切り換え自在に取り付け、左右のローリングシリンダ49,49の伸長作動によって転輪フレーム36,36が機台2に対して最下降位置またはこの最下降位置に近い位置に移動した状態で支持脚50,50を作用状態に切り換え、この後、該ローリングシリンダ49,49の短縮作動によって左右の転輪フレーム36,36が機台2に対して上昇すると、支持脚50,50によって機体1全体が対地浮上状態で支持され、転輪フレーム36,36を中心とした走行装置のメンテナンスを容易に行える状態となる。メンテナンス終了後は、支持脚50,50を上方へ収納する。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、前記前後の支持脚(50,50)を非作用状態に切り換えると、該前後の支持脚(50,50)の各接地部が対向する状態となる構成としたことを特徴とする請求項1記載の作業車両としたものである。
【0012】
これにより、収納状態の支持脚50,50が機台2からはみ出しにくくなる。
また、請求項3記載の発明は、前記支持脚(50,50)を、機台(2)側のフレーム(52)の内部に収納自在に構成したことを特徴とする請求項1記載の作業車両としたものである。
【0013】
このように、支持脚50,50を機台2側のフレーム52内に収納することによって、支持脚50,50が機台2からはみ出さなくなる。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によると、作業場から路上へ移行する前に、機体1全体を対地浮上状態で支持して走行装置に付着した泥土の除去作業を容易に行え、作業場間の移動を迅速に行えることによって作業能率を高めることができる。また、このように機体1を対地浮上させるために必要な支持脚50、50を機台2側に収納できるために、この支持脚50,50のような支持部材を作業場へ持ち運ぶ必要がなく、作業能率を更に高めることができる。
【0015】
また、請求項2記載の発明によると、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、収納状態の支持脚50,50が機台2からはみ出しにくいために、作業走行時や路上走行時に支持脚 が障害物に衝突しにくくなり、安全性を高めることができる。
【0016】
また、請求項3記載の発明によると、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、支持脚50,50が機台2側のフレーム52内に収納されることによって機台2からはみ出さず、作業走行時や路上走行時に支持脚50,50が障害物に衝突しにくくなり、安全性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この発明における作業車両の実施の形態を、自脱型のコンバインを例示して説明する。
図1に示すように、コンバインの機体1は、平面視矩形に枠組み形成した機台2の前部上側に操縦部3を搭載し、該操縦部3の後側に原動部4を搭載し、該原動部4の後側に穀粒貯留装置5を搭載し、該穀粒貯留装置5の横側に脱穀装置6を搭載し、該脱穀装置6の前方に刈取装置7を昇降自在に設け、機台2の下側に走行装置8を設けて構成する。9は脱穀装置6の後側に設けた排藁カッターである。
【0018】
前記操縦部3は、後述する原動部4のエンジンカバー10の上側に設置した操縦席11と、該操縦席11の前下方に設けたステップ12と、操縦席11の前方に立設したフロント操作ポスト13と、操縦席11の左側に配置したサイド操作パネル14とから構成する。前記フロント操作ポスト13上には、左右方向操作によって機体を左右に操向し、前後方向操作によって刈取装置7を昇降させる操向レバー15と、該操向レバー15を握った手の手首を載せる支持台を備えたハンドル16を設け、フロント操作ポスト13の外側部には、駐車ブレーキを入り切り操作する駐車ブレーキ操作レバー17を設ける。また、前記サイド操作パネル14には、ミッションを駆動する静油圧式無段変速装置を変速操作する主変速レバー18と、ミッション内のギヤ変速機構を変速操作する副変速レバー19と、スロットルレバー20と、刈取・脱穀クラッチレバー(図示省略)を設ける。
【0019】
前記原動部4は、機台2上にマウントしたエンジン21と、該エンジン21およびラジエータ等の補機を覆うエンジンカバー22と、該エンジンカバー22の上部に取り付けた操縦席11およびエアクリーナ23から構成する。
【0020】
前記穀粒貯留装置5は、グレンタンク24と、該グレンタンク24内の穀粒を排出する排出筒25とから構成する。前記グレンタンク24は、底部搬送螺旋を内装した下部受樋と、該下部受樋の上側に嵌合して取り付ける合成樹脂製の上部タンク26から構成する。また、前記排出筒25は基部側排出筒27と先端部側排出筒28とに分割し、先端部側排出筒28を基部側排出筒27に対して摺動自在に嵌合させ、基部側排出筒27を摺動させる伸縮駆動装置29を設けて、伸縮自在な排出筒を構成する。
【0021】
前記脱穀装置6は、扱胴および処理胴を内装した上部の扱室と、揺動選別棚、唐箕、1番螺旋、2番螺旋を内装した下部の選別室から構成する。
前記刈取装置7は、機台2の前端部に横軸支持された支持フレーム30の先端部に、分草フレーム31を取り付け、該分草フレーム31の前端部に分草杆32を取り付け、該分草杆32の後側に引起装置33を斜設し、該引起装置33の後側低部に刈刃装置34を設け、該刈刃装置34の上側から後上方へ向けて搬送装置35を設けて構成する。尚、前記支持フレーム30を昇降回動させる刈取上下シリンダを設ける。
【0022】
前記走行装置8は、左右の転輪フレーム36,36に多数の転輪37,37を軸支し、該転輪37,37と機台2の前部に取り付けたミッションケースから駆動される駆動スプロケット38,38とにわたってクローラ39,39を巻き掛けて構成する。
【0023】
即ち、図2に示すように、前記機台2の前部に、側面視へ字状に形成した左右の前側ローリングアーム40,40の中間部を、機台2の前部下面側に固定した支持部材41に軸42中心に横軸回動自在に軸着する。また、機台2の後部に、同じく側面視へ字状に形成した左右の後側ローリングアーム43,43の中間部を、機台2の後部下面側に固定した支持部材44に軸45中心に横軸回動自在に軸着する。
【0024】
そして、前記左右の前側ローリングアーム40,40の上端部と後側ローリングアーム43,43の上端部とを連動ロッド46,46によって夫々連結し、前記左右の前側ローリングアーム40,40の下端部を転輪フレーム36,36の前部に軸47,47で横軸回動自在に軸着し、前記左右の後側ローリングアーム43,43の下端部を転輪フレーム36,36の後部に軸48,48で横軸回動自在に軸着する。
【0025】
そして、前記機台2の後部上側に固定した左右の取付ステー51,52に左右のローリングシリンダ49,49の基部を軸着し、該左右のローリングシリンダ49,49のピストン先端を連動ロッド46,46に軸着する。
【0026】
そして、前記機台2の前部および後部に、機台2を対地支持する左右の支持脚50,50を下方に張り出した作用状態と上方に収納した非作用状態とに切り換え自在に取り付ける。即ち、機台2の前部上側と後部上側に左右方向の筒状フレーム52,52を固定し、該筒状フレーム52,52の左右両端部に支持脚50,50の上端部に直交する向きに固着した回動支点軸53,53を回動自在に遊嵌して取り付ける。
【0027】
以上により、図2(a)に示す通常走行状態では、前後左右の4つの支持脚50,50を上方回動させて機台2に沿わせた収納状態(非作用状態)では、前後の支持脚50,50の自由端部の各接地部が対向する状態になり、この状態をピン54,54によって前後の支持脚50,50の各接地部を連結して保持する。これにより、支持脚50,50が機台2からはみ出しにくいために、作業走行時や路上走行時に支持脚50,50が障害物に衝突しにくくなり、安全性を高めることができる。
【0028】
そして、図2(b)に示すメンテナンス開始状態では、まず、左右のローリングシリンダ49,49を最大に伸長作動させて機台2に対して左右の転輪フレーム36,36を下降させ、これによって車高を最高位置まで上昇させる。そして、前記ピン54,54を外して前後左右の支持脚50,50を下方に垂下した姿勢(作用状態)に回動させる。この状態では、支持脚50,50の接地部は対地浮上している。尚、支持脚50,50を垂下した状態で固定する固定手段を設けるとよい。
【0029】
そして、図2(c)に示すように、左右のローリングシリンダ49,49を短縮作動させて機台2に対して左右の転輪フレーム36,36を上昇させる。これによって、支持脚50,50の接地部が接地して機体1の重量を支持し、左右のクローラ39,39の接地面は対地浮上する。
【0030】
この状態で駆動スプロケット38,38を前進側または後進側に駆動させ、左右のクローラ39,39を空転させながら、該クローラ39,39や転輪フレーム36,36や転輪37,37等に付着していた泥土を容易に除去することができる。
【0031】
尚、図3は支持脚50,50を非作用状態とした側面図、図4は図3の状態の背面図、図5は支持脚50,50を作用状態とした背面図である。
また、図6に示すように、機台2の後部に取り付ける左右の支持脚50,50を、機台2の後端面に機体前後方向の軸芯を有する左右の軸55,55によって軸着して設けてもよい。該左右の軸55,55は、左右のクローラ39,39の接地間隔内に間隔をおいて配置する。この構成によって、左右の支持脚50,50を左右のクローラ39,39の接地間隔内において起立させることができ、狭い場所でも機体1を対地浮上させてメンテナンスを行うことができる。
【0032】
また、図7に示すように、上記図2の構成を基本として、前後左右の4つの支持脚50,50,50,50の接地部以外の部分を筒状フレーム(フレーム)52,52の内部に収納できるように構成してもよい。即ち、支持脚50の上端部に取り付けた回動支点軸53を、支持脚50の上端部に屈折回動自在に軸56によって軸着し、この支持脚50と回動支点軸53とが一直線状となるように伸ばした状態で、この回動支点軸53と支持脚50とを筒状フレーム52の内部に挿入できるように構成する。これによって、非作用状態の支持脚50をコンパクトに収納することができ、支持脚50が障害物に衝突するような不具合を解消することができる。作用状態とするには、この支持脚50を外側方へ引き出し、下方へ屈折回動させればよい。
【0033】
図8、図9に示すように、上記図7の構成のように前部の支持脚50を筒状フレーム52内に収納できる構成において、機台2の後部に取り付ける左右の支持脚50,50を、機台2の後部に左右方向に所定間隔をおいて前後方向姿勢に取り付けた左右の筒状フレーム57,57内に収納できるように取り付けてもよい。該左右の筒状フレーム57,57は、左右のクローラ39,39の接地間隔内に間隔をおいて配置する。この構成によって、左右の支持脚50,50を引き出して下向きに屈折回動させ、左右のクローラ39,39の接地間隔内において起立させることができ、狭い場所でも機体1を対地浮上させてメンテナンスを行うことができる。
【0034】
図10に示すように、機台2における左右のクローラ39,39の後部上方位置に、スクレーパ58,58の上端部を横軸59によって上下回動自在に軸着し、該スクレーパ58,58を下降付勢するスプリング60,60を設ける。これによって、スクレーパ58,58をクローラ39,39の上面から上昇対退避させた状態では、該スクレーパ58,58が機台2よりも上方にまで退避し、このスクレーパ58,58の退避位置がスプリング60,60の支点越えや別途設けるロック装置によって保持される。そして、このスクレーパ58,58を下降回動させた状態では、このスクレーパ58,58の下端部(自由端部)がクローラ39,39の上部外面に接触し、このクローラ39,39を対地浮上状態で前進駆動することによって、クローラ39,39の外面に付着している泥土を削ぎ落とすことができる。尚、クローラ39,39のラグ63,63の根元の曲率半径は、スクレーパ58,58の先端りも大きい曲率で形成されるが、このラグ63,63は十分な高さを有するために、走行時に牽引力が不足することはない。また、図11に示すように、クローラ39,39の外面側には、駆動スプロケット38,38が係合する駆動穴62,62の左右両側にスクレーパレール61,61がゴム材で一体形成されており、このスクレーパレール61,61の上端面にスクレーパ58,58が押し上げられて、クローラ39,39の外表面とスクレーパ58,58の先端との間隔が維持される。スクレーパ58,58はこのスクレーパレール61,61の上端面に摺接し、クローラ39,39の外表面に直接接触しないために、該スクレーパ58,58の先端の摩耗や変形が防止される。
【0035】
尚、図1に示すコンバインのグレンタンク24の下部側面を覆うカバー部には、左右のローリングシリンダ49,49を伸縮操作する上昇スイッチ64および下降スイッチ65と、静油圧式無段変速装置の出力回転を変速して駆動スプロケット38,38の回転速度を任意に変速操作できる車速増速スイッチ66および車速減速スイッチ67を設ける。これによって、メンテナンス作業時に、作業者が走行装置8側からこの走行装置8の変速や機体1の浮上操作を行うことができ、作業能率が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】コンバインの側面図
【図2】作用状態の説明図
【図3】支持脚を非作用状態とした側面図
【図4】図3の状態の背面図
【図5】支持脚を作用状態とした背面図
【図6】支持脚を作用状態とした背面図
【図7】作用状態の説明図
【図8】支持脚の作用状態を示す側面図
【図9】支持脚を作用状態とした背面図
【図10】スクレーパの作用状態の説明用側面図
【図11】クローラの形状を示す説明図
【符号の説明】
【0037】
2 機台
36 転輪フレーム
40 前側ローリングアーム
43 後側ローリングア−ム
46 連動ロッド
49 ローリングシリンダ
50 支持脚
52 筒状フレーム(フレーム)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機台(2)の前部に左右の前側ローリングアーム(40,40)の中間部を横軸回動自在に軸着し、機台(2)の後部に左右の後側ローリングアーム(43,43)の中間部を横軸回動自在に軸着し、前記左右の前側ローリングアーム(40,40)の上端部と後側ローリングアーム(43,43)の上端部とを連動ロッド(46,46)によって夫々連結し、前記左右の前側ローリングアーム(40,40)の下端部を転輪フレーム(36,36)の前部に横軸回動自在に軸着し、前記左右の後側ローリングアーム(43,43)の下端部を転輪フレーム(36,36)の後部に横軸回動自在に軸着し、前記機台(2)側と左右の後側ローリングアーム(43,43)または連動ロッド(46,46)のいずれか一方との間に、該前側ローリングアーム(40,40)および後側ローリングアーム(43,43)を強制的に回動させる左右のローリングシリンダ(49,49)を取り付け、前記機台(2)の前部および後部に、機台(2)を対地支持する左右の支持脚(50,50)を下方に張り出した作用状態と上方に収納した非作用状態とに切り換え自在に取り付け、前記左右のローリングシリンダ(49,49)の伸長作動によって転輪フレーム(36,36)が機台(2)に対して最下降位置またはこの最下降位置に近い位置に移動した状態で支持脚(50,50)を作用状態に切り換え、この後、該ローリングシリンダ(49,49)の短縮作動によって左右の転輪フレーム(36,36)が機台(2)に対して上昇すると、前記支持脚(50,50)によって機体(1)全体が対地浮上状態で支持される構成としたことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記前後の支持脚(50,50)を非作用状態に切り換えると、該前後の支持脚(50,50)の各接地部が対向する状態となる構成としたことを特徴とする請求項1記載の作業車両。
【請求項3】
前記支持脚(50,50)を、機台(2)側のフレーム(52)の内部に収納自在に構成したことを特徴とする請求項1記載の作業車両。
【請求項1】
機台(2)の前部に左右の前側ローリングアーム(40,40)の中間部を横軸回動自在に軸着し、機台(2)の後部に左右の後側ローリングアーム(43,43)の中間部を横軸回動自在に軸着し、前記左右の前側ローリングアーム(40,40)の上端部と後側ローリングアーム(43,43)の上端部とを連動ロッド(46,46)によって夫々連結し、前記左右の前側ローリングアーム(40,40)の下端部を転輪フレーム(36,36)の前部に横軸回動自在に軸着し、前記左右の後側ローリングアーム(43,43)の下端部を転輪フレーム(36,36)の後部に横軸回動自在に軸着し、前記機台(2)側と左右の後側ローリングアーム(43,43)または連動ロッド(46,46)のいずれか一方との間に、該前側ローリングアーム(40,40)および後側ローリングアーム(43,43)を強制的に回動させる左右のローリングシリンダ(49,49)を取り付け、前記機台(2)の前部および後部に、機台(2)を対地支持する左右の支持脚(50,50)を下方に張り出した作用状態と上方に収納した非作用状態とに切り換え自在に取り付け、前記左右のローリングシリンダ(49,49)の伸長作動によって転輪フレーム(36,36)が機台(2)に対して最下降位置またはこの最下降位置に近い位置に移動した状態で支持脚(50,50)を作用状態に切り換え、この後、該ローリングシリンダ(49,49)の短縮作動によって左右の転輪フレーム(36,36)が機台(2)に対して上昇すると、前記支持脚(50,50)によって機体(1)全体が対地浮上状態で支持される構成としたことを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記前後の支持脚(50,50)を非作用状態に切り換えると、該前後の支持脚(50,50)の各接地部が対向する状態となる構成としたことを特徴とする請求項1記載の作業車両。
【請求項3】
前記支持脚(50,50)を、機台(2)側のフレーム(52)の内部に収納自在に構成したことを特徴とする請求項1記載の作業車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−207374(P2009−207374A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−51339(P2008−51339)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]