説明

作業車両

【課題】油圧アクチュエータを流れる作動油の最大流量と、実際に作業している最中の作動油の流量とを確認することができる作業車両を提供する。
【解決手段】アタッチメントを装着可能な作業装置4と、作動油の最大流量を設定する流量制限設定手段55と、作動油の現在の流量を計測するエンジン回転数センサー52、斜板角度センサー53、及びバルブ開度センサー54と、単動式若しくは複動式に切り換えるための切換バルブ51と、作動油の流量及び前記油圧アクチュエータが単動式若しくは複動式のいずれかであることを表示するための表示装置84と、流量制限設定手段55、エンジン回転数センサー52、斜板角度センサー53、バルブ開度センサー54、切換バルブ51、及び表示装置84、と接続する主制御装置16と、を備え、表示装置84には、流量制限設定手段55により設定した最大流量Qmaxと、現在の流量qとを同時に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の油圧アクチュエータを備える作業車両に関し、より詳細には、運転席の近傍に表示部を設ける作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業車両は、複数の油圧アクチュエータを複数の操作レバー装置によって操作することで作業車両に具備される作業装置に所望の動作や作業を行わせるように構成されている。作業装置は、その作業用途に合わせて、チルトバケット、ブレーカ、クラムシェル、オーガ、グラップル、ブラッシュカッターなどのアタッチメントを交換することができる構成となっている。ここで、各種アタッチメントの交換に伴い、油圧アクチュエータ内に流す作動油の最大既定流量が変化するので、その設定された流量を作業者に知らせるために、メータパネル等の表示部を運転席の近傍に設け、表示部に油圧アクチュエータ内を流れる作動油の最大流量を表示するものが公知となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−92763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、表示部に作動油の最大流量を表示した場合であっても、実際に作業している最中の作動油の流量が表示されておらず、実際に作業している最中の作動油の流量の変化をリアルタイムで作業者に知らせることができなかった。すなわち、従来のように最大流量が表示されているだけでは、作業者はあとどれくらいの負荷をかけると最大流量を越えてしまうのかが分からなかった。
【0005】
そこで、本発明は係る課題に鑑み、油圧アクチュエータを流れる作動油の最大流量と、実際に作業している最中の作動油の流量とを確認することができる作業車両を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、油圧アクチュエータによって動作するアタッチメントを装着可能な作業装置と、前記油圧アクチュエータに対して給排される作動油の最大流量を設定する流量制限設定手段と、作動油の現在の流量を計測する計測手段と、前記油圧アクチュエータの種類に応じて単動式若しくは複動式に切り換えるための切換設定手段と、作動油の流量及び前記油圧アクチュエータが単動式若しくは複動式のいずれかであることを表示するための表示手段と、前記流量制限設定手段、計測手段、切換設定手段、及び表示手段、と接続する主制御装置と、を備え、前記表示手段には、流量制限設定手段により設定した最大流量と、現在の流量とを同時に表示させるものである。
【0008】
請求項2においては、前記表示手段において、最大流量表示の表示若しくは非表示、及び現在の流量表示の表示若しくは非表示を選択可能とするものである。
【0009】
請求項3においては、前記表示手段には、最大流量表示と現在の流量表示とが数値で表示されるものである。
【0010】
請求項4においては、前記表示手段には、最大流量表示と現在の流量表示とが図で表示されるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0012】
請求項1においては、作動油の最大流量と実際に流れている流量とを同時に確認することができる。また、アタッチメントを作動させる油圧アクチュエータが単動式か複動式か確認することができる。
【0013】
請求項2においては、作業者が最大流量と現在の流量のうち知りたい情報を選択して確認することができる。
【0014】
請求項3においては、作動油の最大流量と実際に流れている流量を数値で一度に確認することができる。
【0015】
請求項4においては、作動油の最大流量と実際に流れている流量を図で一度に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る作業車両の全体的な構成を示す側面図。
【図2】本発明の一実施形態に係る作業車両の操縦部の構成を示す斜視図。
【図3】本発明の一実施形態に係る作業車両の表示装置の構成を示す正面図。
【図4】本発明の一実施形態に係る制御構成を示すブロック図。
【図5】本発明の一実施形態に係る表示装置に表示される画面のうち警告・エラー画面を示す図。
【図6】(a)本発明の一実施形態に係る表示装置に表示される画面のうち掘削モード画面を示す図。(b)本発明の一実施形態に係る表示装置に表示される画面のうちメニュー画面を示す図。
【図7】(a)本発明の一実施形態に係る表示装置に表示される画面のうちアタッチメント画面を示す図。(b)本発明の一実施形態に係る表示装置に表示される画面のうちアタッチメント表示画面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず、図1から図3を用いて、本発明の一実施形態に係る作業車両であるバックホー1について説明する。なお、本実施形態においては、バックホー1を作業車両の一実施形態として説明するが、作業車両はこれに限るものではなく、その他の農業車両、建設車両、産業車両等であっても良い。
以下の説明では矢印F方向をバックホー1の前方向、矢印L方向をバックホー1の左方向として前後左右上下方向を規定して説明する。
【0018】
バックホー1は、主として走行装置2、旋回装置3、及び作業装置4を具備する。
【0019】
走行装置2は、主として左右一対のクローラ5・5、油圧アクチュエータである左走行用油圧モータ5L、及び油圧アクチュエータである右走行用油圧モータ5Rを具備する。
走行装置2は、左走行用油圧モータ5Lにより機体左側のクローラ5を、右走行用油圧モータ5Rにより機体右側のクローラ5を、それぞれ駆動することで、バックホー1を前後進させ、若しくは進行方向を変更させることができる。
【0020】
旋回装置3は、主として旋回台6、油圧アクチュエータである旋回モータ7、操縦部8、及びエンジン9を具備する。
旋回台6は、旋回装置3の主たる構造体となるものである。旋回台6は、走行装置2の上方に配置され、走行装置2に旋回可能に支持される。旋回装置3は、旋回モータ7を駆動することで、当該旋回台6を走行装置2に対して旋回させることができる。また、旋回台6上には、種々の操作具を備える操縦部8、動力源となるエンジン9等のほか図示せぬ作動油タンクが配置される。
【0021】
作業装置4は、主としてブーム10、アーム11、バケット12、油圧アクチュエータであるブームシリンダ13、油圧アクチュエータであるアームシリンダ14、及びアタッチメント用油圧アクチュエータ15であるバケットシリンダ15Aを具備する。
ブーム10は、その一端部が旋回台6の前部に枢支され、伸縮自在に駆動するブームシリンダ13によって回動される。より詳細には、ブームシリンダ13が伸ばされた場合、ブーム10は上方に回動され、ブームシリンダ13が縮められた場合、ブーム10は下方に回動される。
アーム11は、その一端部がブーム10の他端部に枢支され、伸縮自在に駆動するアームシリンダ14によって回動される。より詳細には、アームシリンダ14が伸ばされた場合、アーム11は下方(アーム11の他端側がブーム10に近接する方向)に回動され、アームシリンダ14が縮められた場合、アーム11は上方(アーム11の他端側がブーム10から離間する方向)に回動される。
バケット12は、アタッチメントの一例であり、その一端部がアーム11の他端部に支持されて、伸縮自在に駆動するアタッチメント用油圧アクチュエータ15の一種であるバケットシリンダ15Aによって回動される。より詳細には、バケットシリンダ15Aが伸ばされた場合、バケット12は下方(バケット12の他端側がアーム11に近接する方向)に回動され、バケットシリンダ15Aが縮められた場合、バケット12は上方(バケット12の他端側がアーム11から離間する方向)に回動される。
【0022】
ブームシリンダ13、アームシリンダ14及びバケットシリンダ15Aは作動油によって動作するようになっている。旋回台6上に設けられた図示せぬ作動油タンク内の作動油をコントロールバルブ41(図4参照)を介してブームシリンダ13、アームシリンダ14及びアタッチメント用油圧アクチュエータ15の一種であるバケットシリンダ15Aに送ることによってブーム10、アームシリンダ14及びバケットシリンダ15Aが作動するようになっている。
【0023】
アタッチメントは、チルトバケット、ブレーカ、クラムシェル、オーガ、グラップル、ブラッシュカッター等であり、バケット12の代わりに装着することができる。アタッチメントを動かす油圧シリンダや油圧モータ等のアタッチメント用油圧アクチュエータ15は、アタッチメントの種類によって単動式若しくは複動式のいずれかによって構成される。単動式のアタッチメント用油圧アクチュエータ15は、圧油を供給する作動油路を一つ備え、ピストンを1方向に駆動して、逆方向は自重または弾性部材等により動作させる油圧シリンダ、または、一方向にのみ回転駆動させる油圧モータである。また、複動式のアタッチメント用油圧アクチュエータ15は、圧油を供給する作動油路を二つ備え、ピストンの両側の部屋に圧油を供給可能として伸ばす動作及び縮む動作を行える油圧シリンダ、または、正転駆動または逆転駆動を可能とする油圧モータである。バケットシリンダ15Aは複動式のアタッチメント用油圧アクチュエータ15である。単動式と複動式との間の選択は、切換設定手段である切換バルブ51(図4参照)によって行われる。
【0024】
また、バックホー1は油圧ポンプ40(図4参照)を具備する。油圧ポンプ40は、エンジン9によって駆動され、作動油を吐出する。油圧ポンプ40は、図示しない可動斜板の斜板角度を変更することによって吐出量を変更可能に構成した可変容量型のポンプである。また、図4に示すように、油圧ポンプ40と接続された作動油路内には、方向切換弁(バルブ)のスプールを動かすための切換バルブ51が設けられている。
【0025】
図2に示すように、操縦部8には、略中央に操縦席81が設けられ、その左右両側に右側操作レバー装置82及び左側操作レバー装置83が配置される。各操作レバー装置を操作することにより、コントロールバルブ41を操作可能に構成し、コントロールバルブ41を操作することで、旋回モータ7、ブームシリンダ13、アームシリンダ14、及びバケットシリンダ15Aを作動させる。操縦席81の左右一側(本実施形態では右側)には、表示手段である表示装置84が設けられる。表示装置84は、表示部分が操縦席81に着座した操縦者と対向するように配置される。また、操縦部8には、エンジン9のスロットル開度を変更する図示しないスロットル調整具(スロットルレバーまたはダイヤル)が備えられる。操縦者は、スロットル調整具を操作することによってエンジン9の出力を変更することができる。
【0026】
図2及び図3に示すように、表示装置84は、枠体84a、点灯表示部84b、画像表示部84c、画面操作部84d、表示制御部84e(図4参照)を具備する。
【0027】
枠体84aは、側面視略L字の箱状に形成される。枠体84aは、その短辺部が操縦席81と対向するように端部を上側に向けて操縦席81の右側側方に配置される。
【0028】
点灯表示部84bは、枠体84aの短辺部上側部分に設けられる。点灯表示部84bには、バックホー1の動作状態や、警告の有無等を表す複数の図形が表示され、各図形に点灯部材としてLEDが配置される。点灯表示部84bは、所定の条件において対応するLEDが点灯することで特定の図形のみが点灯する。このようにして、点灯表示部84bは、操縦者に情報を伝達可能なように構成される。なお、本実施形態において、点灯表示部84bはLEDを点灯させて表示するものとしたが、これに限定されるものではなく、点灯制御できる光源であればよい。
【0029】
画像表示部84cは、枠体84aの短辺部分であって点灯表示部84bの下側部分に配置される。画像表示部84cは、情報を表示する液晶画面から構成される。画像表示部84cは、後述の画面操作部84dの操作により液晶画面を各作業モードに応じた表示に切り換えてバックホー1の稼動状態を確認することができる。このようにして、画像表示部84cは、操縦者に情報を伝達可能なように構成される。なお、本実施形態において、画像表示部84cは液晶画面によって表示するものとしたが、これに限定されるものではなく、複数の情報を任意に表示できるものであればよい。
【0030】
画面操作部84dは、枠体84aの短辺部分であって画像表示部84cの下側部分に配置される。画面操作部84dは、複数の操作ボタンを具備する。画面操作部84dは、操作ボタンを操作することで、画像表示部84cに表示される画面を選択可能に構成される。
【0031】
表示制御部84eは、点灯表示部84b及び画像表示部84cの制御を行うものである。表示制御部84eは、点灯表示部84b及び画像表示部84cと近接する枠体84aの内部に、又は後述の主制御装置16と一体的に構成される(図4参照)。
【0032】
次に、図4を用いて、本発明に係るバックホー1が具備する主制御装置16、及び表示装置84が具備する表示制御部84eについて具体的に説明する。
【0033】
図4に示すように、主制御装置16は、エンジン9や油圧装置等を制御するものである。主制御装置16は、エンジン9や油圧装置等を制御するために種々のプログラムが格納される。また、主制御装置16は、これらのプログラム等に従って所定の演算を行うことができ、当該演算の結果等を記憶することができる。
【0034】
主制御装置16は、実体的には、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であってもよく、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であってもよい。
【0035】
主制御装置16は、エンジン9に設けられるエンジン回転数センサー52や燃料噴射装置に接続され、エンジン9を制御することが可能である。
【0036】
主制御装置16は、燃料計17に接続され、燃料計17が検出する図示しない燃料タンク内の燃料残量Flを取得することが可能である。
【0037】
主制御装置16は、水温計18に接続され、水温計18が検出するエンジン9の冷却水温度Tを取得することが可能である。
【0038】
主制御装置16は、油圧ポンプ40に設けられる斜板角度センサー53や図示しない圧力センサー等に接続され、油圧ポンプ40の可動斜板の角度等を制御することが可能である。
【0039】
主制御装置16は、コントロールバルブ41に設けられるコントロールバルブ41のスプールストロークを検知する、またはスプールを作動させるパイロット圧力を検知するバルブ開度センサー54に接続され、コントロールバルブ41の開度を取得することが可能である。なお、電磁比例弁を用いた場合は制御電流値により指示流量を取得することが可能である。
【0040】
主制御装置16は、切換バルブ51に接続され、方向切換弁(バルブ)のスプールを動かし作動油の流れる方向を切り換えることが可能である。
【0041】
主制御装置16は、流量制限設定手段55に接続され、例えば、ブレーカを使用する場合にはアタッチメントに応じたアタッチメント用油圧アクチュエータ15に対して給排される作動油の最大流量Qmaxを設定することが可能である。
流量制限設定手段55は、主制御装置16に予め記憶された制御マップを使用して、ブレーカに対して給排される作動油の最大流量Qmaxを可変設定する。
【0042】
主制御装置16は、切換スイッチ56に接続され、切換スイッチ56が操作されることにより、切換バルブを「単動」または「複動」のいずれの状態にするかという切換情報が主制御装置16へと送信される。
【0043】
主制御装置16は、エンジン回転数センサー52から送られるエンジン回転数情報、斜板角度センサー53から入力される斜板角度情報、及びバルブ開度センサー54から入力されるバルブ開度情報を用いて、現在の作動油の流量qを演算することが可能である。
【0044】
主制御装置16は、表示装置84の表示制御部84eに接続され、表示制御部84eに警告・エラー情報、燃料残量Fl、及び冷却水温度T、切換バルブ51の状態情報、作動油の最大流量Qmax、現在の作動油の流量q等についての信号を伝達し、表示制御部84eの制御により点灯表示部84bまたは画像表示部84cにおいて所定の表示を行う。
【0045】
次に、表示装置84が具備する表示制御部84eについて具体的に説明する。
【0046】
表示制御部84eは、表示装置84を制御するものである。表示制御部84eは、表示装置84を制御するために種々のプログラムが格納される。また、表示制御部84eは、これらのプログラム等に従って所定の演算を行うことができ、当該演算の結果等を記憶する記憶部84fを有する。
【0047】
表示制御部84eは、実体的には、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であってもよく、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であってもよい。また、表示制御部84eは、本実施形態において後述の主制御装置16と別構成としたが、これに限定されず主制御装置16と一体に構成されていてもよい。
【0048】
表示制御部84eは、点灯表示部84bに接続され、点灯表示部84bに制御信号を伝達することが可能である。すなわち、表示制御部84eは、表示装置84の点灯表示部84bに制御信号を伝達することで点灯表示部84bにおける所定のLEDを点灯させることが可能である。
【0049】
表示制御部84eは、主制御装置16に接続され、主制御装置16からの燃料残量Fl、冷却水温度T、警告、エラー情報、切換バルブの状態情報、作動油の最大流量Qmax、および現在の作動油の流量q、等の情報を取得することが可能である。また、表示制御部84eは、画像表示部84c及び画面操作部84dに接続され、画像表示部84cに制御信号を伝達し、画面操作部84dからの入力信号を取得することが可能である。すなわち、表示制御部84eは、画像表示部84cに制御信号を伝達することで画像表示部84cにおいてバックホー1の稼動状態についての情報を表示させることが可能である。
【0050】
次に、図5及び図6を用いて、表示装置84の表示制御部84eによって画像表示部84cに表示される情報について説明する。
【0051】
表示制御部84eは、エンジン9を始動する際に、主制御装置16から表示すべき警告・エラーの制御信号を取得すると、図5に示すように、当該制御信号に基づいて所定の図形及びマニュアルの該当ページ等からなる警告・エラー画面85を画像表示部84cに表示する。
【0052】
表示制御部84eは、警告・エラー画面85を表示後、図6(a)に示すように、掘削作業時に表示される掘削モード画面86を画像表示部84cに表示する。掘削モード画面86は、時刻、稼動時間、操作パターン、燃料残量Fl、及び冷却水温度Tについての情報が表示される。なお、掘削モード画面表示中に警告エラーが発生した場合は、警告・エラー画面85を画像表示部84cに表示する。
【0053】
表示制御部84eは、画面操作部84dのメニューボタンの操作により入力される入力信号を取得すると、図6(b)に示すように、メニュー画面87を画像表示部84cに表示する。メニュー画面87は、複数のモード選択ボタンが表示され、モード選択ボタンを選択することでメニュー画面87から対応するモード画面に切換可能に構成される。
【0054】
次に、図7を用いて、アタッチメント表示画面88について説明する。
メニュー画面87において、アタッチメントモードのモード選択ボタンを選択することで、作動油の最大流量Qmax、作動油の現在の流量q、及び切換バルブ51の状態情報(アタッチメント用油圧アクチュエータ15が単動式であるか複動式であるかの情報)を示す画面(以下、アタッチメント表示画面88という)が表示される。
【0055】
アタッチメント表示画面88において、表示制御部84eは、最大流量Qmax及び最大流量Qmaxに対する現在の流量qの割合、及びアタッチメント用油圧アクチュエータ15が単動式であるか複動式であるかの情報を一つの枠内で表示する。本実施形態においては、前記情報は画面の中段右側に表示される。
【0056】
表示制御部84eは、図7(a)に示すように、最大流量Qmax表示を数値で表示し、最大流量Qmaxに対する現在の流量qの割合を図(グラフ)で表示する。ここで最大流量Qmaxに対する現在の流量qの割合は、棒グラフを等分した十個のマスで表し、10%上昇するごとに一つのマスが点灯するように構成した。最大流量Qmaxの数値及び最大流量Qmaxに対する現在の流量qの割合を表した図は、同時に表示される。このように構成することにより、作動油の最大流量Qmaxと実際に流れている流量qとを同時に確認することができる。なお、作動油の最大流量Qmaxと実際に流れている流量qの表示は、棒グラフに限定するものではなく、円グラフ等で表すこともできる。また、棒グラフの等分は十個に限定するものではない。
【0057】
また、図7(b)に示すように、表示制御部84eは、最大流量Qmax及び最大流量Qmaxに対する現在の流量qの割合を数値で表示することもできる。ここで最大流量Qmaxに対する現在の流量qの割合は、百分率で表示される。最大流量Qmax及び最大流量Qmaxに対する現在の流量qの割合を表した数値は、同時に表示される。このように構成することにより、作動油の最大流量Qmaxと実際に流れている流量qとを同時に確認することができる。
【0058】
また、表示制御部84eは、アタッチメント用油圧アクチュエータ15が単動式であるか複動式であるかの情報を図で表示する。ここでアタッチメント用油圧アクチュエータ15が単動式であるか複動式であるかの情報は、アタッチメント用油圧アクチュエータ15のイラストとその上部に表示される二つの矢印の表示で示す。アタッチメント用油圧アクチュエータ15が単動式である場合には図7(a)に示すように、下向きの矢印が一つ表示される。アタッチメント用油圧アクチュエータ15が複動式である場合には図7(b)に示すように、上向き及び下向きの矢印が表示される。例えば、アタッチメントがバケット12であり、アタッチメント用油圧アクチュエータ15が複動式のバケットシリンダ15Aである場合には、上向き及び下向きの矢印が表示される。このように構成することにより、アタッチメント用油圧アクチュエータ15が単動式か複動式か確認することができる。
【0059】
また、表示された最大流量Qmaxの数値、最大流量Qmaxに対する現在の流量qの割合を表した図、及びアタッチメント用油圧アクチュエータ15が単動式であるか複動式であるかの情報を示す図は、表示若しくは非表示を操作ボタンによって選択することができる。操作ボタンによって表示若しくは非表示が選択されると、制御部は、表示部の表示された最大流量Qmaxの数値、最大流量Qmaxに対する現在の流量qの割合を表した図、及びアタッチメント用油圧アクチュエータ15が単動式であるか複動式であるかの情報を示す図を表示し、若しくは非表示にする。
【0060】
以上のように、バックホー1は、油圧アクチュエータによって動作するアタッチメントを装着可能な作業装置4と、油圧アクチュエータに対して給排される作動油の最大流量を設定する流量制限設定手段55と、作動油の現在の流量を計測するエンジン回転数センサー52、斜板角度センサー53、及びバルブ開度センサー54と、油圧アクチュエータの種類に応じて単動式若しくは複動式に切り換えるための切換バルブ51と、作動油の流量及び前記油圧アクチュエータが単動式若しくは複動式のいずれかであることを表示するための表示装置84と、流量制限設定手段55、エンジン回転数センサー52、斜板角度センサー53、バルブ開度センサー54、切換バルブ51、及び表示装置84、と接続する主制御装置16と、を備え、表示装置84には、流量制限設定手段55により設定した最大流量Qmaxと、現在の流量qとを同時に表示させるものである。
このように構成することにより、作動油の最大流量Qmaxと実際に流れている流量qとを同時に確認することができる。また、アタッチメントが単動式か複動式か確認することができる。
【0061】
また、表示装置84において、最大流量Qmaxの表示若しくは非表示、及び現在の流量qの表示若しくは非表示を選択可能とするものである。
このように構成することにより、作業者が最大流量Qmaxと現在の流量qのうち知りたい情報を選択して確認することができる。
【0062】
また、表示装置84には、最大流量Qmaxの表示と現在の流量qの表示とが数値で表示されるものである。
このように構成することにより、作動油の最大流量Qmaxと実際に流れている流量qを一度に確認することができる。
【0063】
また、表示装置84には、最大流量Qmaxの表示と現在の流量qの表示とが図で表示されるものである。
このように構成することにより、作動油の最大流量Qmaxと実際に流れている流量qを一度に確認することができる。
【符号の説明】
【0064】
7 旋回モータ(油圧アクチュエータ)
9 エンジン
13 ブームシリンダ(油圧アクチュエータ)
14 アームシリンダ(油圧アクチュエータ)
15 アタッチメント用油圧アクチュエータ
15A バケットシリンダ
81 操縦席
84c 画像表示部
84e 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧アクチュエータによって動作するアタッチメントを装着可能な作業装置と、
前記油圧アクチュエータに対して給排される作動油の最大流量を設定する流量制限設定手段と、
作動油の現在の流量を計測する計測手段と、
前記油圧アクチュエータの種類に応じて単動式若しくは複動式に切り換えるための切換設定手段と、
作動油の流量及び前記油圧アクチュエータが単動式若しくは複動式のいずれかであることを表示するための表示手段と、
前記流量制限設定手段、計測手段、切換設定手段、及び表示手段、と接続する主制御装置と、を備え、
前記表示手段には、流量制限設定手段により設定した最大流量と、現在の流量とを同時に表示させる、作業車両。
【請求項2】
前記表示手段において、最大流量表示の表示若しくは非表示、及び現在の流量表示の表示若しくは非表示を選択可能とする、
請求項1に記載の作業車両。
【請求項3】
前記表示手段には、最大流量表示と現在の流量表示とが数値で表示される、
請求項1または請求項2に記載の作業車両。
【請求項4】
前記表示手段には、最大流量表示と現在の流量表示とが図で表示される、
請求項1または請求項2に記載の作業車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−92587(P2012−92587A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241554(P2010−241554)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】