説明

保冷性運搬容器

【課題】被運搬物を一次貯蔵または運搬するための保冷性に優れた保冷性運搬容器を提供する。
【解決手段】保冷性運搬容器1〜6、25〜29であって、断熱材にて形成された折り畳み可能な蓋付き箱体1〜6と、箱体の内部に収容される内袋25〜29とを備え、前記内袋25〜29は、底部25と四つの側部26〜29と蓋部30〜41からなり、かつ被運搬物を直方体状に包み込むことができ、かつ前記被運搬物の六面全体を覆うように構成されていることを特徴とする保冷性運搬容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保冷性運搬容器に関する。
【背景技術】
【0002】
ドライアイスなどの低温物品を収容して運搬する際には、これが外気により加温され変化する(例えばドライアイスの場合はその一部が昇華する)のを防止するために、断熱手段を有する直方体状の箱型の運搬容器が用いられている。
【0003】
例えば特許文献1、2には、ドライアイスを容器に収容して一次貯蔵と運搬をするに際し、運搬後にドライアイス収容容器を回収する際の嵩張りを少なくするために、折り畳み可能な容器を用いることが開示されている。
【0004】
また、ドライアイス収容容器を折畳み可能にするために、容器上面を形成する蓋板が開閉自在または取り外し自在となるように成形するほかに、容器側面を形成する側板と底面を形成する底板とを接合している辺のうち、一部を同時に取り外すことができるようにし、それ以外の辺を隣接する側板の辺と接合して平面状に展開できるように構成することが提案されている。
【0005】
他方、収容する容器を構成する断熱材料としては、一般に独立気泡を持つ発泡体のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンまたはポリウレタンのフォームボードを芯材とし、繊維基材を樹脂加工したシート材料を表面材として用いてこれを外装としたものが用いられている。また外装を袋状として前記発泡体からなる芯材を挿入し、前記外装によって直接にまたは接着剤などを介して前記発泡体からなる芯材を包囲することで形成された壁、底および蓋となる、側板、底板、蓋板も用いられている。これら各板は外層シートの端部をヒンジとして各辺で接続して前記直方体の容器を展開形状とすることで折畳み可能な直方体形状としている。
【0006】
特許文献3、4には、直方体形状に組み立てた後に未接続の各辺を接離可能にする手段として、ベルト、面ファスナーを用いることが開示されている。また、特許文献5には、スライドファスナーを併用することが好ましいということが開示されている。
【0007】
特許文献6には、容器外部からの外気進入を抑制し高い断熱性能を持つように、内部が収容部とされ、上面を開口した袋体を併用するということが提案されている。
【0008】
特許文献7には、断熱材に関して、独立気泡の発泡体を使用していない高性能な断熱材として、ガラス繊維の集合体からなる芯材と、芯材を被覆するガスバリア性を有する外包材とを備え、外包材の内部が減圧して密閉された真空断熱材が提案されており、断熱性能が大幅に改善することによって同じ断熱性能であれば厚みの減少に有効に働くものと期待される。
【0009】
特許文献8,9には、このような真空断熱材を内包する発泡体が提案されており発泡断熱材と真空断熱体とを併用することで断熱性能の向上を図ることが提案されている。
【特許文献1】特開平10−230993号公報
【特許文献2】特開2000−043958号公報
【特許文献3】特開平10−338278号公報
【特許文献4】特開2000−043958号公報
【特許文献5】特開2005−289475号公報
【特許文献6】特開平10−230993号公報
【特許文献7】特開2005−220954号公報
【特許文献8】特開平10−219865号公報
【特許文献9】特開2008−008431号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の方法による折畳み可能な断熱性のドライアイスの運搬容器においては、断熱性を改善するために、運搬容器を形成する断熱性フォームボードの原料樹脂の選定と発泡気体の選定、発泡倍率、発泡セルの大きさ、断熱材層の厚みなどを適宜選択する事項が公知である一方、折畳みや組み立てに要するヒンジ部分からの外気の流入と熱の流入を抑制するための構造の改良に重点が置かれてきた。しかしながら、上記特許文献1〜9の方法により、断熱材の種々の構成要件とヒンジ構造を最適化してもなおドライアイスの昇華減量を充分に抑制することができないという問題があった。
【0011】
本発明は、ドライアイスを一次貯蔵または運搬する収納容器であって、従来の収納容器よりもドライアイスの昇華減量を更に抑制する保冷性に優れた保冷性運搬容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、この課題について鋭意研究を重ねた結果、断熱材で形成された折り畳み可能な蓋付きの箱体に収容される特定の形状を有する内袋を用いて、被運搬物であるドライアイスの六面全面を直方体状に包み込むことにより、箱体内における運搬時のドライアイスの昇華減量を低減できる顕著な効果を見出した。
【0013】
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
(1)保冷性運搬容器であって、断熱材にて形成された折り畳み可能な蓋付き箱体と、箱体の内部に収容される内袋とを備え、前記内袋は、底部と四つの側部と蓋部からなり、かつ被運搬物を直方体状に包み込むことができ、かつ前記被運搬物の六面全体を覆うように構成されていることを特徴とする保冷性運搬容器、
(2)内袋は、横倒し可能な側部を有するとともに、この横倒し可能な側部と、この横倒し可能な側部に隣り合う他の側部との縁部同士を連結する折り畳み部を有し、前記折り畳み部は横倒し可能な側部が立ち上がった姿勢では、折り畳まれて側部に沿って配置され、横倒し可能な側部が横倒しになった姿勢では、立ち上がった姿勢に広げられることを特徴とする(1)に記載の保冷性運搬容器、
(3)内袋は、隣り合う二つの側部が、直接または折り畳み部を介して連続していることを特徴とする(1)または(2)に記載の保冷性運搬容器、
(4)内袋は、側部の上辺を介して設けられた第1蓋部と、前記第1蓋部の側辺の片側又は両側に設けられた第2蓋部とを有し、前記第1蓋部と第2蓋部とは側部の上辺に沿って外側に広げられることが可能であり、かつ側部の上辺に沿って外側に広げられた前記第1蓋部と前記第2蓋部は共に、底部と平行な姿勢をとることが可能である(1)〜(3)のいずれか1つに記載の保冷性運搬容器、
(5)第1蓋部が、第2蓋部及び折り畳み部のうち少なくとも一方を介して他の第1蓋部と連続していることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1つに記載の保冷性運搬容器、
(6)箱体は、一つの側板又は隣り合う二つの側板を選択的に横倒しすることが可能であり、かつ内袋は横倒し可能な箱体の側板に対応する一つの側部又は隣り合う二つの側部が、立ち上がった状態から横倒しされることにより、その横倒しされた箇所に開口部を作ることが可能であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1つに記載の保冷性運搬容器、
(7)内袋の底部が、箱体の底板と固定されていることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1つに記載の保冷性運搬容器、
(8)断熱材が、真空断熱性材料を有することを特徴とする(1)〜(7)のいずれか1つに記載の保冷性運搬容器。
【発明の効果】
【0014】
本発明の保冷性運搬容器は、被運搬物が例えばドライアイスである場合にその六面全体を内袋で覆うことができるため、従来の保冷容器に較べて収容したドライアイスの一次貯蔵と運搬の際におけるドライアイスの昇華による減量を抑制できるほか、昇華により生じた冷気を伴った二酸化炭素を不必要に大気中へ放出することを防止することができることから、保冷性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0016】
本発明の保冷性運搬容器は、断熱材にて形成された折り畳み可能な蓋付き箱体と、箱体の内部に収容される内袋とを備え、前記内袋は、底部と四つの側部と蓋部からなり、かつ被運搬物を直方体状に包み込むことができ、かつ前記被運搬物の六面全体を覆うように構成されていることが必要である。
【0017】
図1に示される本発明の保冷性運搬容器は、断熱性を有する蓋付き箱体の内部に、被運搬物の六面全面(以下、六面全体ともいう。)を覆うことのできる直方体状の内袋を収容したものである。
【0018】
ここで、被運搬物の六面全面を覆うとは、直方体状の被運搬物の外側六面をすべて覆うことをいう。また、内袋は、隣り合う二つの側部が、直接又は折り畳み部を介して連続していることが好ましい。かかる構成であると、内袋の隣り合う二つの側部同士の間に隙間がなくなるため、被運搬物から発生する冷気等が内袋の外に移動しにくくなることから、さらに保冷性の優れた内袋が得られる。なお、被運搬物が複数から構成され、直方体状に並べられたあるいは積み上げられた形態である場合には、直方体状に並べられたあるいは積み上げられた形態において、その外側六面をすべて覆えばよい。
【0019】
図9に示すように、箱体は底板1、四つの側板2〜5、蓋6の六面からなる直方体状の形態である。箱体は、運搬容器として用いられたあと、図5,6に示すように折り畳んで収納することが可能な仕様となっている。
【0020】
箱体の展開構造を図2,4に示す。図2は、図9の状態から箱体の四つの側板を外側に広げて横倒しすることによって箱体の内側が表された展開図であり、図4は、箱体の外側が表された展開図である。
【0021】
図2,4,7に示すように、底板1と四つの側板2〜5は、シート状のつなぎ部7,8を介してつながれている。図2および図4に示すように、底板1と側板2および底板1と側板3は、底板1の底面側においてつなぎ部7でつなげられており、底板1と側板4および底板1と側板5は、底板1の上面側においてつなぎ部8でつなげられている。つなぎ部7,8は、箱体を組み立てる際および折り畳む際に、ヒンジの働きをするように設計されている。
【0022】
箱体の側部は、四つの側板2〜5で構成される。図4に示すように、側板2,3には、箱体として組み立てられた際に側板4,5と接することになる部分に、シート状の張り出し部9が設けられ、シート状の張り出し部9には面ファスナー10および止め具11が設けられている。側板2,3における箱体の外側を構成する面には、箱体として組み立てられた際に、側板2,3の上辺となる位置の近傍に、この上辺と平行な方向に面ファスナー固定部16と、この上辺と垂直な方向の複数のベルト13とが設けられている。
【0023】
図4に示すように、側板4,5における箱体の外側を構成する面には、箱体として組み立てられた際に、側板4,5の上辺となる位置の近傍に、この上辺と平行な方向に面ファスナー固定部17、その下方にベルト22、この上辺と垂直な方向に面ファスナー固定部21と複数のベルト14とが設けられている。
【0024】
図3は、横倒しされた側板2〜5を立ち上がった姿勢にし、側板同士が固定された箱体の上面をふさぐ蓋6を表している。図3に示すように、蓋6の四つの辺には、それぞれシート状の張り出し部12,18が設けられ、シート状の張り出し部12,18にはそれぞれ面ファスナー19,20および止め具15が設けられている。
【0025】
図8は、図2,4のように展開された状態の四つの側板2〜5をつなぎ部7,8を介して立ち上げた姿勢にし、図4に示す側板2、3の面ファスナー10と側板4,5の面ファスナー固定部21とを固定し、側板2,3に設けられた止め具11と側板4,5に設けられたベルト22とを固定することによって、底板1と側板2〜5とが組み立てられた状態を表している。そして、この状態から図8に示すように、上面から蓋6をかぶせたあと、蓋6に設けられた面ファスナー19と側板2,3の面ファスナー固定部16および蓋6の面ファスナー20と側板4,5の面ファスナー固定部17および蓋6の止め具15と側板2,3のベルト13および側板4,5のベルト14を用いて固定することにより、図9に示す箱体が、組み立てられる。
【0026】
組み立てられた状態で、底板1と側板2,3の間は、つなぎ部7でそれぞれ塞がれ、底板1と側板4,5の間は、つなぎ部8でそれぞれ塞がれ、側板2,3と側板4,5の間はシート状の張り出し部9で塞がれる。さらに、蓋6と箱体との間は、シート状の張り出し部12,18で塞がれる。これにより、箱体の内外における気体の流入がある程度以上阻止された状態で、箱体が組み立てられる。
【0027】
図5,6は、上述のようにして組み立てられた箱体を使用後に分解して折り畳んだ状態を表している。図5に示すように、箱体を折り畳む際には、底板1の上面側とつなぎ部8を介して接合されている側板4,5を底板1の上面に折り畳んで重ね、底板1の下面側でつなぎ部7を介して接合されている側板2,3を底板1の下面に折り畳んで重ねる。そのあと、蓋6を上からかぶせることによって、当該箱体は、図6に示すように嵩張らないように折り畳んで収容することができる仕様になっている。
【0028】
箱体を構成する底板1、四つの側板2〜5、蓋6は、フォームボードからなる芯材の周囲を外装用シートで覆った断熱材により構成される。図7は、つなぎ部7でつながれた底板1と側板2とを示しているが、図7に示すように、底板1および底板2の芯材となるフォームボード23は、外装用シート24で覆われている。外装用シート24は、フォームボード23の周囲で熱接合されている。
【0029】
芯材に用いられるフォームボード23としては、ビーズ法によるポリスチレンの発泡体である発泡スチロールが良く知られているが、その他にポリプロピレンやポリエチレン、あるいはエチレンとスチレンの共重合体などによるものや、イソシアネートとポリオールとの反応によって発泡しながら硬化する二液性ポリウレタンがある。フォームボードからなる芯材の組成と発泡倍率、厚みは、箱体に求める断熱性能と、箱体を形成する板としての性状を維持するに足る自立性に応じて設計すればよいが、目安として、発泡スチロールを用いて約1m角の直方体の箱体を成形する場合は、発泡倍率が15〜45倍の範囲であって、厚みが50mm〜100mm程度であることが好ましい。発泡倍率が低すぎると断熱効率が低下し、一方高すぎると脆く壊れやすい。厚みが薄すぎるとフォームボードが割れやすく、箱体としての耐久性に劣るため、箱体の芯材として用いることが困難となる。一方、厚すぎると内容量に較べて外形の体積が大きくなるため、保冷性運搬容器を車両で運搬するときの輸送効率や倉庫での貯蔵効率が著しく悪くなる。
【0030】
フォームボード23を覆う外装用シート24は、可撓性と気密性を有するシートであって低温物品を取扱う上で結露の可能性があるため耐水性が必要となる。また、外装用シート24には該フォームボード23の外傷や破損を防ぐ目的で適当な引張強度と引裂き強度が要求される。なお、つなぎ部7は、外装用シート24と同じ材料で外装用シート24と一体に形成される。外装用シート24としてはプラスチックシート、紙を内包するプラスチックシート、繊維か布帛を内包するプラスチックシートが好適に用いられる。繊維を内包するプラスチックシートであれば概ねいかなるものでもこの外装用シートに適し、繊維の材質等は、箱体の寸法と重量によって適宜設定すればよい。例えば、平織の布帛を内包するプラスチックシートが強度の点でより好ましい。ここで、繊維を内包したプラスチックシートとは、繊維基材に該プラスチックを含浸するか塗布するかまたは積層するか、これらの複数を組み合わせたプラスチックシートのことをいう。プラスチックの種類は特に限定しないが、箱体の外装用シートとして使用するほか、つなぎ部7は折畳みと組み立てのためのヒンジとして作用することから可撓性が必要である。例示すれば塩化ビニルシート、エチレン−酢酸ビニルシート、熱可塑性ポリウレタンシート、熱可塑性ポリエステルエラストマーシート、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシートをはじめとするポリオレフィンシート、並びにポリアミドシート、アクリル系共重合体シートなどの熱可塑性樹脂シート、シリコーンゴムシートや軟質エポキシ樹脂シートなどの熱硬化性樹脂シート、加硫ゴム製のシートなどを好適に用いることができる。
【0031】
図7に示されるフォームボード23を覆う2枚の外装用シート24を接合する方法としては、接着剤による接着、ミシン縫製、熱溶着、高周波ウェルダ溶着など公知の方法を用いることができる。気密かつ水密とするには、高周波ウェルダ溶着で接合するのが好ましい。高周波ウェルダ溶着接合が可能なシートとしては、軟質塩化ビニルシート、エチレン−酢酸ビニルシート、熱可塑性ポリウレタンシートおよび熱可塑性ポリエステルエラストマーシートなどを好適に用いることができる。また熱溶着接合が可能なシートとしては、ポリエチレンシート、ポリプロピレンシートをはじめとするポリオレフィンシート、並びにポリアミドシート、アクリル系共重合体シートなどの熱可塑性シートを好適に用いることができる。シリコーンシートやエポキシ樹脂シートなどの熱硬化性樹脂シートと加硫ゴム製のシートは接着剤による接着かミシン縫製を適宜選択して使用できる。このうち液状可塑剤を添加して可撓性とした軟質塩化ビニルシートは、極低温でドライアイスを運搬するのには適さない場合がある。これは、可塑剤の種類によっては液状可塑剤が凝固するために低温での風合いが常温時よりも硬化することによる。硬化が著しい場合は折り曲げによって樹脂層にひび割れが発生する。
【0032】
本発明の保冷性運搬容器に用いられる内袋は、収容した直方体状の被運搬物の六面全体を包み込むことができる仕様になっており、防水性、気密性、通常考えられ得る強度、耐水性、耐久性があれば、箱体の底板、側板、蓋を覆っている外装用シートに用いることができるものと同じ素材を用いることができる。
【0033】
本発明の保冷性運搬容器に用いられる内袋は、蓋部を有する。蓋部は、四つの側部の上辺とつながっている四つの第1蓋部と、第1蓋部の側辺の片側または両側に設けられた第2蓋部から形成される。四つの第1蓋部を側部の上辺に沿って内側に折り畳むことによって、被運搬物の上部の全面が第1蓋部により覆われる。このとき、第1蓋部は側部の上辺とつながっているため、直方体状の被運搬物の上部の稜線の部分を覆うことができる。さらに、第2蓋部を有するため、蓋部を閉じた状態にした場合、直方体状の被運搬物の上部四隅を第2の蓋部によって覆うことができる。このように、直方体状の被運搬物の上面および稜線の部分および上部四隅を密閉性の高い状態で覆うことが可能となる。これにより、内袋中における内気の外気への移動が抑制されるとともに、外気の内袋中への移動も抑制されるため、保冷性に優れた内袋を得ることが可能となる。
【0034】
また、被運搬物をより密閉性の高い状態で覆う観点から、内袋は第1蓋部が、前記第2蓋部及び前記折り畳み部のうち少なくとも一方を介して他の第1蓋部と連続していることが好ましい。詳細には、第1蓋部は第2蓋部を介して他の第1蓋部と連続していてよく、又は、内袋の隣り合う側部が横倒し可能な形状である場合には、横倒し可能な側部とこの横倒し可能な側部に隣り合う他の側部との縁部同士を連結する折り畳み部を介して第1蓋部は他の第1蓋部と連続していてよく、あるいは第2蓋部と折り畳み部の両方を介して第1蓋部は他の第1蓋部と連続していてよい。
【0035】
内袋を斜めから見た図を図11、12に示す。図12に示すように、内袋は、底部25、四つの側部26〜29、蓋(蓋部30〜41から形成)の六面からなる直方体状の形態である。当該蓋は、図11のように、側部26〜29の上端部分により形成される開口部の回りを囲む蓋部30〜41が連続して接合された面状体により形成されている。
【0036】
図11の内袋の展開図は、図10で示される。図10に示すように、短形に形成された底部25の辺58〜61につながった状態で側部26〜29が設けられ、側部26〜29を立ち上げたときに上側となる辺62〜65を介して短形状の蓋部30〜33が設けられている。蓋部30、31、32、33の両側には、それぞれ直角三角形状の蓋部34,35、および36,37、および38,39、および40,41が設けられている。側部26〜29の両側には、それぞれ接着部42,49、および43,44、および45,46、および47,48が設けられ、直角三角形状の蓋部34〜41の斜辺にはそれぞれ接着部50〜57が設けられている。
【0037】
内袋を得るためには、図10の四つの側部26〜29を図示の状態から底部25の辺58〜61に沿って谷折りし、その際四つの側部26〜29の側辺に設けられた接着部42と43、44と45、46と47、48と49同士を接着する。こうすることで、図11に示すように、直角三角形状の蓋部34〜41の斜辺同士を接触させることができるため、これらの斜辺に設けられた接着部50と51、52と53、54と55、56と57同士を接着することで、図11に示すように開口部を囲んで配置される蓋部30〜41が連続して接合された蓋が得られる。
【0038】
蓋を閉じるときには、連続面からなる蓋部30、34〜36、41を側部26の上辺62に沿って内側に折り畳み、また連続面からなる蓋部32、37〜40を側部28の上辺64に沿って内側に折り畳む。その後、蓋部31および上記のように折り畳まれることにより蓋部31と重なった蓋部35〜38を側部27の上辺63に沿って内側に折り畳み、蓋部33および上記のように折り畳まれることによって蓋部33と重なった蓋部34,39〜41を側部29の上辺65に沿って内側に折り畳む。これによって、図12に示す閉止状態となった直方体状の内袋が得られる。
【0039】
内袋は、図1に示すように箱体の内部に収容されたうえで、この箱体と一体にして使用されてよい。箱体と内袋とを一体にするため、内袋は、その底部25において、箱体の底板1の内側で底板1に固定される。具体的には、図13(a),(b)に示すように箱体の底板1の表面を構成する外装用シート24と内袋の底部25とをシート状の張り出し部67を介して一体にする。底板1の内面が内袋の底部と固定されるとは、接着により取り外し不能に接合される場合のほか、取り外し可能な手段で接続される場合を含む。取り外し可能な手段としては面ファスナーで内袋の底部と箱体の底板と接続する方法や、スライドファスナーを用いる方法や、複数の紐やバックルなどで締結する方法があげられる。好ましくは、図13(a)に示すように、シート状の張り出し部67を底板1の四つの辺の内の対向する二つの辺に沿って設けて接合させる。これによって被運搬物の運搬積載時の衝撃によって内袋がずれることを抑制しつつ、被運搬物による箱体への衝撃をやわらげることができる。箱体および内袋を用いて被運搬物を運搬する場合には、個別包装された直方体状のドライアイスを上下左右に積み上げて大きな直方体を形成することが通例であるが、上述した緩衝特性は、個別包装されたドライアイスを箱体に収容するときや、箱体内で積み上げるときに特に好ましい特性であるのみならず、箱体の運搬の自動化を行うときにも特に好ましい特性である。
【0040】
内袋の底部25と箱体の底板1との接合は、箱体の側板2〜5を横倒しにして展開した状態で行い、箱体の底板1上に内袋の底部25を接合させた状態で、展開された箱体の四つの側板2〜5を立ち上がった姿勢にし、上述の方法により箱体を組み立てる。
【0041】
被運搬物を収容する際には、図8のように組み立てられた箱体の蓋6を取りはずし、箱体の内部に収容された内袋の蓋部30〜41を図11に示すように箱体の外側に向けて広げた状態にする。すなわち、蓋部30〜41を開口面に対して容器の内側に向かないように広げる。図11,12の内袋の場合、被運搬物は、上部の開口を通して出し入れするが、蓋部30〜41を外側に広げて上面を開口することによって、収容時の作業性が向上する。被運搬物を収容したあとは、上述した方法で被運搬物の上面を覆うように蓋部を折り畳む。これにより、内袋に収容された被運搬物の六面全体を覆うことが可能になる。被運搬物を内袋で覆ったあと、蓋6を取り付け、面ファスナーによる固定とベルトによる固定とを併用することにより、被運搬物を収容した保冷性運搬体が得られる。
【0042】
このように、図12に示す内袋は、内袋に収容された被運搬物の上面を隙間無く覆うことが可能な蓋部が設けられているため、内袋の内部へ外気が入ってきにくく、また内袋の内気が外部へ出にくいため、被運搬物の保冷効果を高めることが可能となる。
【0043】
被運搬物を取り出す際には、箱体の蓋6を取り外し、内袋の蓋部30〜41を箱体の外側に広げた状態にし、開口部の上方から被運搬物を取り出す。取り出し後の箱体の解体時には、上述のように箱体の四つの側板2〜5を横倒しして展開した状態にし、箱体の底板1の上に内袋を嵩張らないように折り畳む。そのあと、横倒しになった側板2〜5をつなぎ部7,8を介して折り畳み、蓋6を上からかぶせることによって、箱体と内袋とを嵩張らないように折り畳んで収容する。
【0044】
図15は、上記とは別仕様の好ましく用いられる内袋を斜めから見た図である。図15の内袋は、図11の内袋と異なり、一つの側部26を横倒しすることにより、開口部が設けられる仕様になっている。
【0045】
図15の内袋の展開図は、図14で示される。図14,15に示すように、側部27の立ち上がり辺97と側部26の立ち上がり辺96との間に折り畳み部69が設けられている点で図10の展開図と相違する。折り畳み部69は、四辺形における一つの角部を取り除いた形である。折り畳み部69には、蓋部30,31に連続して形成されている直角三角形状の蓋部72,73が連続している。直角三角形状の蓋部72,73は、図10の直角三角形状の蓋部35,36と較べて、向きが異なり接着部が設けられていない点で相違する。一方、側部29の立ち上がり辺98と側部26の立ち上がり辺99との間にも同様の構成の折り畳み部70が設けられている。折り畳み部70には、蓋部30,33に連続して形成されている直角三角形状の蓋部71,74が連続しており、図10の直角三角形状の蓋部56,34と較べて、向きが異なり接着部が設けられていない点で相違している。
【0046】
図15の内袋を形成させるためには、図14で示す底部25の辺59〜61につながった状態で設けられた三つの側部27〜29を図示の状態から底部25の辺59〜61に沿って谷折りし、その際三つの側部27〜29の側辺に設けられた接着部44と45、46と47同士を接着する。これにより図15に示すように、底部25に対して、三つの側部27〜29と折り畳み部69,70と直角三角形状の蓋部71,72とが立ち上がった姿勢となる。また、直角三角形状の蓋部37の斜辺に設けられた接着部52と直角三角形状の蓋部38の斜辺に設けられた接着部53、直角三角形状の蓋部39の斜辺に設けられた接着部54と直角三角形状の蓋部40の斜辺に設けられた接着部55同士を接着したあと、底部25と平行になるよう、図示の状態から蓋部31,37,38,73、および蓋部32、および蓋部33,39,40,74を側部27〜29の上辺に沿って図示のように山折りにする。これによって、図15に示すように側板27〜29の上端部分により形成される開口部の回りを囲む蓋部31〜33、37〜40,73,74からなる連続して接合された外側に向けられた蓋、および横倒しされた状態の側部26によって形成される開口部が前方に設けられた図10の内袋が得られる。
【0047】
図15の内袋を閉じた状態にするには、図15に示すように、外側に広げられた蓋部31、37,38,73、および蓋部33,39,40,74を図16に示すようにそれぞれ、側部27と折り畳み部69、および側部29と折り畳み部70の上辺に沿って、底部25とそれぞれ垂直になるように立ち上がった姿勢にする。次に、図17に示すように、折り畳み部69,70および直角三角形状の蓋部71〜74を内側に向けて折り畳みながら側部26と蓋部30とを立ち上がった姿勢にする。それによって、図18に示すように折り畳み部69,70が折り畳まれた状態で側部26の内面に沿って配置され、直角三角形状の蓋部72,73、および直角三角形状の蓋部71,74が蓋部30に重なった状態で配置される。このとき、蓋部30と蓋部30に畳まれて配置された蓋部71〜74が立ち上がった姿勢となる。次に、図19に示すように蓋部31,37,38、および蓋部33,39,40を側部27,29の上辺に沿ってそれぞれ内側に向けて折り畳み、最後に蓋部30と折り畳まれた蓋部71〜74、蓋部32と折り畳まれた蓋部37〜40とを側部26,28の上辺に沿ってそれぞれ内側に折り畳むことによって図20に示す閉止状態となった内袋が得られる。
【0048】
上述した図11の内袋の場合と同様の方法で、図15の内袋の底部を図9の箱体と接合することができる。
【0049】
被運搬物を収容する際には、図21のように、箱体の蓋を取りはずし、箱体の側板2および内袋の側部26を横倒しして展開し、図示の状態から内袋の蓋部31〜33および直角三角形状の蓋部37〜40,73,74を箱体の外側に向けて広げた状態にする。図11の内袋では、被運搬物の収容は上方のみから行っていたが、図21に示すように図15の内袋は、前方からも収容することが可能となるため、作業性が向上する。被運搬物を収容したあとは、上述した方法で被運搬物の上面を覆うように内袋の蓋部を折り畳み、被運搬物の六面全体を覆ったあと、上述と同様の方法で箱体を固定する。
【0050】
被運搬物を取り出す際には、上述した方法と同様に、箱体の蓋6を取り外し、箱体の側板2および内袋の側部26を横倒しして展開し、内袋の蓋部31〜33、直角三角形状の蓋部37〜40,73,74を箱体の外側に向けて、開口部の上方および前方から被運搬物を取り出す。このため、上方からのみ取り出す場合に較べて作業性が向上する。取り出し後は、上述した方法と同様にして、箱体と内袋とを、嵩張らないように折り畳んで収容する。
【0051】
図23は、さらに他の内袋を斜めから見た図である。図15の内袋と同じく一つの側部26を横倒しすることが可能な仕様となっているが、図15の内袋とは開口部の形が異なっている。ここでは、側部26の側辺に連続して折り畳み部69,70が設けられており、側部27と折り畳み部69と蓋部31に連続して折り畳み部75が設けられており、側部29と折り畳み部70と蓋部33に連続して折り畳み部76が設けられている。
【0052】
図23は、側部26が横倒しになって開口が形成された状態を示すが、このとき折り畳み部69,70は側部26といっしょに倒れている。折り畳み部75,76は側部27,29から側方に開いた状態で立ち上がっている。
【0053】
図23の内袋の展開図は図22で示される。図22の展開図には、図14における直角三角形状の蓋部73,74は設けられていない。折り畳み部69と側部27の間には切れ目100があり、折り畳み部70と側部29との間にも切れ目101がある。これらの切れ目100,101を利用して、折り畳み部69と側部27の間に折り畳み部75と77が設けられ、折り畳み部70と側部29の間に折り畳み部76と78が設けられる。折り畳み部75と77は一枚のシートにて形成され、折り畳み部76と78も一枚のシートにて形成されている。折り畳み部75,76は、台形状に形成され、その下底の長さはそれぞれ、折り畳み部69,70の辺の長さに揃えられている。折り畳み部77,78は直角二等辺三角形状でその長さの等しい二つの辺が、折り畳み部75,76の台形の上底の長さおよび蓋部31,33の側辺の長さにそれぞれ揃えられている。折り畳み部75,76における折り畳み部69,70および側部27,29に対応した辺と、折り畳み部77,78における蓋部31,33に対応した辺とには、接着部79〜84が設けられている。これら接着部79〜84を利用して折り畳み部75、77および76、78を折り畳み部69、側部27、蓋部31および折り畳み部70、側部29、蓋部33と接する辺でそれぞれ接着することによって、これらを一体化させる。
【0054】
図23の内袋を形成させるためには、図22で示す底部25の辺59〜61につながった状態で設けられた三つの側部27〜29を図示の状態から底部25の辺59〜61に沿って谷折りし、その際三つの側部27〜29の側辺に設けられた接着部44と45、46と47同士を接着し、直角三角形状の蓋部37,38の斜辺に設けられた接着部52と53、直角三角形状の蓋部39,40の斜辺に設けられた接着部54と55同士を接着する。このとき、底部25と平行になるように図示の状態から蓋部31と直角三角形状の蓋部37,38、および蓋部32、および蓋部33と直角三角形状の蓋部39,40をそれぞれ側部27〜29の上辺に沿って図示のように山折りにする。これによって、図示のように、底部25に対して、三つの側部27〜29が立ち上がった姿勢となり蓋部31〜33、直角三角形状の蓋部37〜40からなる連続して接合された、側部27〜29の上端部分により形成される開口部の回りを囲む外側に向けられた蓋が得られる。また、このとき折り畳み部77,78を折り畳んで、折り畳み部75の上底が蓋部31の側辺85に沿うようにするとともに、折り畳み部76の上底が蓋部33の側辺88に沿うようにする。これにより、図23に示すように、折り畳み部75,76が側方に開いた状態で、内袋の側方に開く開口を形成することができる。
【0055】
図23の内袋を閉じた状態にするには、図23の状態から側部26、および折り畳み部69,70、および蓋部30、および直角三角形状の蓋部71,72を立ち上げた姿勢にし、互いに重なりあった折り畳み部69と75、互いに重なった折り畳み部70と76、連続面からなる蓋部31,37,38、連続面からなる蓋部33,39,40を底部25に対して垂直になるように立ち上げた姿勢にする。このとき、図23では示されていないが、上述のように折り畳まれていた折り畳み部77,78が立ち上がる。次に、互いに重なりあった折り畳み部69と75および直角三角形状の蓋部72と折り畳み部77を側部27、蓋部31に沿って配置されるように折り畳み、同様に互いに重なった折り畳み部70と76および直角三角形状の蓋部71と折り畳み部78とを側部29、蓋部33に沿って配置されるよう折り畳む。こうすることで、同時に蓋部30が折り畳まれる。次に、直角三角形状の蓋部37〜40を内側に折り畳みながら、蓋部32を底部25に対して垂直になるように立ち上げた姿勢にする。このとき、直角三角形状の蓋部37〜40は、蓋部32の内側に折り畳まれて配置される。最後に、蓋部71,折り畳み部78が折り畳まれて配置された蓋部33および蓋部72,折り畳み部77が折り畳まれて配置された蓋部31を内側に折り畳み、蓋部37〜40が内側に配置された蓋部32を折り畳む。これにより、閉止状態となった内袋が得られる。
【0056】
図23の内袋は、図15の内袋と同様の構成によって、箱体に取り付けられて一体化される。被運搬物を収容する際には、図15の場合と同様に、組み立てられた箱体の蓋6を取りはずし、箱体の側板2および内袋の側部26を横倒し、内袋の蓋部31〜33、直角三角形状の蓋部37〜40を箱体の外側に向けて広げ、折り畳み部75,76を箱体の側方に向けて広げた状態にする。折り畳み部75,76が側方に開くため、図15のように前方の開口に前方に向かう立ち上がり壁69〜72が形成されることがない。このため、この立ち上がった壁が内袋の内外間での被運搬物の出し入れ作業の邪魔になるようなことがない。被運搬物を収容したあとは、上述した方法で被運搬物の上面を覆うように内袋の蓋部を折り畳み、被運搬物の六面全体を覆ったあと、上述と同様の方法で箱体を固定する。
【0057】
被運搬物を取り出す際には、上述した方法と同様に、箱体の蓋6を取り外し、箱体の側板2および内袋の側部26を横倒しし、内袋の蓋部31〜33、直角三角形状の蓋部37〜40を箱体の外側に向けて広げ、折り畳み部75,76を箱体の側方に向けて広げた状態にして開口部の上方および前方から被運搬物を取り出す。箱体と内袋とは、上述した方法と同様にして嵩張らないように折り畳んで収容することができる。
【0058】
図25は、さらに他の内袋の斜視図である。図15の内袋と異なり隣接する二つの側部26,27を横倒しすることにより、隣接する立ち上がった姿勢の側部28,29の側部に設けられた折り畳み部91、70も同時に立ち上がった姿勢となるため、内袋の前方と側方とに開口部が設けられる仕様となっている。
【0059】
図25の内袋の展開図は図24で示される。図24の展開図は、図14の展開図と、側部27,28の側部に挟まれる形で、四辺形における一つの角部を取り除いた折り畳み部91が設けられ、また折り畳み部91には直角三角形状の接着部のない向きの異なる蓋部92,93が連続して設けられている点で相違する。
【0060】
図25の内袋を形成させるためには、図24で示す底部25の辺60,61につながった状態で設けられた二つの側部28、29を図示の状態から底部25の辺60、61に沿って谷折りし、その際二つの側部28,29の側辺に設けられた接着部46と47同士を接着し、直角三角形状の蓋部39,40の斜辺に設けられた接着部54と55同士を接着する。このとき、底部25と平行になるように図示の状態から蓋部32,39,93、および蓋部33,40,74をそれぞれ側部28,29の上辺に沿って図示のように山折りにする。これによって、図25に示すように,底部25に対して、二つの側部28,29が立ち上がった姿勢となり蓋部32,33,39,40,74,93からなる連続して接合された、側部28,29の上端部分により形成される開口部の回りを囲む外側に向けられた蓋を有し、横倒しされた側部26,27および折り畳み部69,70,91および蓋部30,31および直角三角形状の蓋部71〜74,92,93により形成される開口部が設けられた図25の内袋が得られる。
【0061】
図25の内袋を閉じた状態にするには、連続面からなる蓋部32、39、93、および蓋部33,40,74を側部28、29の上辺に沿って、底部25と垂直になるように立ち上げる。このとき、蓋部39,40は互いに重なり合って、折り畳まれる。次に、横倒しされた側部26、蓋部30、三角形状の蓋部71,72〜74、折り畳み部69を、図示の状態から底部25の側辺58に沿って、折り畳み部70を内側に折り畳みながら立ち上がった姿勢にする。このとき、折り畳み部70は、側部26または29の内側に折り畳まれて配置され、直角三角形状の蓋部71,74は互いに重なった状態で、蓋部30に沿って配置される。あわせて、横倒しされた側部27、蓋部31を、折り畳み部69,91および直角三角形状の蓋部73,92を内側に折り畳みながら立ち上がった姿勢にする。このとき、折り畳み部69,91および直角三角形状の蓋部73,92は、側部27および蓋部31に沿って折り畳まれた状態で配置される。最後に、折り畳み部69,91の一部、および直角三角形状の蓋部73,92が配置された蓋部31、そして蓋部33をそれぞれ内側に折り畳みながら、直角三角形状の蓋部71,74が配置された蓋部30および直角三角形状の蓋部39,40が配置された蓋部32を側部26,28の上辺に沿って、図25の状態から内側に折り畳む。これにより、閉止状態となった直方体状の内袋が得られる。
【0062】
図25の内袋は、図15の内袋と同様の構成によって、箱体に取り付けられて一体化される。
【0063】
被運搬物を収容する際には、図15の場合と同様に、組み立てられた箱体の蓋6を取り外し、箱体の側板2、4および内袋の側部26、27を横倒しし、内袋の蓋部32,39,93、および蓋部33,40,74を箱体の外側に向けて広げ、横倒しされた側部26、27および折り畳み部69,70,91および蓋部30,31および直角三角形状の蓋部71〜74,92,93により形成される開口部が設けられた状態にする。図15の内袋では、被運搬物の出し入れは、前方と上方のみしかできなかった。これに対し、図25の内袋は、側方からも被運搬物の出し入れが可能となるため、作業性が更に向上する。被運搬物を収容したあとは、上述した方法で被運搬物の上面を覆うように内袋の蓋部を折り畳み、被運搬物の六面全体を覆ったあと、蓋6を取り付け、面ファスナーによる固定とベルトによる固定とを併用する。
【0064】
被運搬物を取り出す際には、上述した方法と同様に、箱体の蓋6を取り外し、箱体の側板2、3および内袋の側部26,27を横倒し、内袋の蓋部32,33および直角三角形状の蓋部38〜41を箱体の外側に向けて広げ、横倒しされた側部26,27および折り畳み部69,70,91および蓋部30,31および直角三角形状の蓋部34〜37により形成される開口部を設けた状態にし、上述した方法と同様にして、箱体と内袋とを、嵩張らないように折り畳んで収容する。
【0065】
また、本発明の保冷性運搬容器に用いられる内袋は、被運搬物の全面を覆い尽くすことが可能なため、密閉性が高い。そのため、内袋に覆われた被運搬物が、たとえばドライアイスの場合、昇華により発生する炭酸ガスは、内袋の内部から折り畳まれた蓋部の隙間を経て、内袋の外側へ移動する場合がある。このとき、移動しようとする炭酸ガスと大気との温度差に起因して、折り畳まれた蓋部の一部に霜が付着したり凍結したりすると、折り畳まれた蓋部同士の接する部分が凍結一体化された状態になり、内袋の開閉が不自由になってしまう。また、凍結により内袋の風合いが硬化すると、硬化が著しい場合は折り曲げによって内袋にひび割れが発生してしまう。そのため、内袋の蓋部には、図26に示すように被運搬物の昇華により生じた炭酸ガスが外部へ排出するための筒状のガス抜き通路86を設けることができる。または図27,28に示すように閉ざされた内袋にガス抜き通路87を有するキャップ89を設けることもできる。内袋の蓋部にガス抜き通路を設けると、炭酸ガスと大気とが接する箇所がガス抜き通路となり、折り畳まれた蓋部同士の接する部分が凍結一体化されることがなく、内袋の開閉が妨げられることがない。
【0066】
一方、断熱性を付与させる材料として、ガスバリア性を有するアルミ箔とプラスチックフィルムの積層体により外装された真空断熱性シートを用いることができる。図29に示すように、真空断熱性シートは、ガラス繊維の集合体からなる芯材94と、芯材を被覆するアルミ箔とプラスチックフィルムの積層体からなる外装材95で構成されている。真空断熱性シートは、芯材94を外装材95で覆ったあと、内部を減圧して密閉した状態で使用される。
【0067】
真空断熱性シートは、断熱性を有することから、図29に示すように略同程度の厚さのフォームボード66と90の間に、厚さ5mm〜1cm程度の真空断熱性シートを芯材とし、その周囲に真空断熱性シートと同程度の厚さの粋形状のフォームボード68を設ける。図示のように、真空断熱性シートとフォームボード68とをフォームボード66と90によって上下から挟みこんで使用することにより、フォームボードの断熱性を向上させることができる。反対に、同じ断熱性を発現させるのであれば、真空断熱性シートを芯材の内部に用いることは、芯材の厚みを減少させる手法として有効であることが期待される。真空断熱性シートは、以下のような断熱ボードの形状に成形して用いられる。
【0068】
使用する真空断熱性シートは、パナソニック社製U−VacuaやS−Vacua(何れも商品名)や旭ファイバーグラス社製ビップエース(商品名)などを、入手可能シートとして用いることができる。当該真空断熱性シートは、それ自体で使用する際には運搬容器を形成する構造体として自立性はなく、針や釘、刃物などに対する抵抗性がない。このため、直方体形状をなす運搬容器の壁板を形成するために、当該真空断熱性シートは発泡体であるフォームボードの内部に収容して、板の形状に成形して自立性と針や釘、刃物などに対する抵抗性を付与するものである。発泡体は、独立発泡のポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリスチレン並びにこれらの混合または共重合にて構成することができる。
【0069】
第2の態様として、独立発泡体成形用の中空型の中央に該真空断熱性シートを芯として保持した上で、その周囲に2液発泡性ポリウレタンを注入し発泡硬化させて成形することができる。第3の態様として、発泡用の中空成形金型の中央に該真空断熱性シートを芯として、周囲に発泡性ビーズを充填した上で水蒸気等の手段で加熱発泡させて成形することができる。
【0070】
真空断熱性シートを用いて独立発泡のフォームボード複合体を形成するための方法としては、その他の公知の方法を使用してもよいし、これらを組み合わせて成形してもよい。該真空断熱性シートを内部に収容してなる該独立発泡のフォームボード複合体は、断熱材の組成と発泡倍率、厚みを、運搬容器に求める断熱性能に応じて設計すればよいが、目安として、約1m角の直方体の運搬容器を成形する場合は、発泡倍率が20〜50倍の範囲であって、厚み50mm〜100mm程度が好ましい。発泡倍率が低すぎると断熱効率が低下し、高すぎると脆く壊れやすい。厚みが薄すぎると自立困難となり、ボードが割れやすく耐久性に劣る。厚すぎると内容量に較べて外形の体積が大きくなり、車両での輸送効率や倉庫での貯蔵効率が著しく悪くなる。
【0071】
真空断熱性シートを覆って構成される独立発泡のフォームボード複合体は、ドライアイスの運搬容器の側板、底板、および蓋板の芯材となる断熱材料として自立し、かつ前記真空断熱性シートを外力からの損傷から護る物として好適である。針や釘などの進入を阻止することと、外力による破損を防止する目的で成形時に鋼板、金網、繊維層などを発泡層の内部に含有させ、または積層させることも可能である。
【0072】
フォームボード複合体は、外装用シートにより覆ったあと、断熱板状に成形し、蓋板、底板および側板として用いることができる。図29に示すように、フォームボード複合体は、外装用シート24で覆われている。
【実施例】
【0073】
次に、本発明の実施例、比較例について説明する。以下の実施例、比較例における成形法、評価法を以下に示す。
【0074】
(1)フォームボードのみを用いた箱体
外側寸法が巾127cm、高さ96cm、奥行100cmの箱体を使用した。断熱材は発泡倍率30倍の発泡ポリプロピレンフォームボード(厚み80mm カネカ社製 商品名エペラン−PP)を用い、前記フォームボードを包囲する外装用シートは平織のポリエステル繊維布を基材としてポリエチレンフィルムを両面に積層加工した防水シート(厚み0.5mm 重量360g/m2カンボウプラス社製 商品名アップルスターLL800PET)を用いて、熱板溶着機で接合して成形した。図2,3,4に示すように、側板、蓋板には容器を組み立てるときに接続すべき各辺端部に該外装に用いたのと同じ防水シートでシート状の張り出し部9,12,18を設け、面ファスナー10,19,20を用いて固定できるようにした。運搬、吊り上げに用いるベルト等は配置しなかった。上面の蓋板と前面の側板を開放することによってドライアイスを収容することができるようにした。
【0075】
(2)内袋
箱体の外装に用いた外装用シートと同じ平織のポリエステル繊維布を基材としてポリエチレンフィルムを両面に積層加工した防水シート(厚み0.5mm 重量360g/m2 カンボウプラス社製 商品名アップルスターLL800PET)を用いて、図9の展開図で示される図14の態様となる内袋を成形した。内袋は底面において、箱体の底板の四つの辺のうち対向する二つのに沿った位置において、シート状の張り出し部を介して底板の内側の外装用シートと一体に接合した。その他、内袋の折畳みにより生じるシート部分をドライアイスの収容作業のじゃまにならないように箱体の内面に面ファスナーを用いて接離可能に仮固定した。
【0076】
(3)フォームボード複合体
真空断熱性シートは、旭ファイバークラス社製ビップエース(商品名)厚み7.5mmを使用した。真空断熱性シートを挟みこむフォームボードは、箱体の断熱材と同じ発泡倍率30倍の発泡ポリプロピレンフォームボード(カネカ社製 商品名エペラン−PP)を使用し、厚み40mmのフォームボード、厚み7.5mmの真空断熱性シート、厚み32.5mmのフォームボードの順に両面粘着テープでの仮固定を介して積層した。真空断熱性シートの周辺は、真空断熱性シートの厚みに応じて生じた隙間を、前記発泡ポリプロピレンフォームボード、厚み7.5mmを用いて同じ方法で封鎖した。外周を補強のために粘着テープで固定した。
【0077】
(4)フォームボード複合体を用いた箱体の成形
側板、底板、蓋板の芯材として発泡ポリプロピレンフォームボードにかえて前記断熱ボードを用いたほかは、断熱ボードを包囲する外装用シート材料、成形方法、寸法、接離可能な接続手段を配置し、並びに運搬、吊り上げに用いるベルト等を配置しなかったことも含めて全て同じに成形した。
【0078】
実施例1
クラフト紙で個別包装した商用に利用される直方体状のドライアイス36個(4行3列3段)を内袋に収容し、内袋の前面と上面を折り畳んだ上でフォームボードのみを用いた箱体の前側の側板と蓋板を閉じ、シート状の貼り出し部を面ファスナーで固定した。箱体と内袋の重量を除いた初期重量は、927kg(個別包装のクラフト紙の重量を含む)であった。24時間経過後の同重量を測定し、初期重量との差を求め、これを初期重量で除して減量率(%)とした。結果を表1に示す。なお、実施例1でのドライアイスの減量の測定は、下記の比較例1、実施例2での測定と同場所で同時におこなった。
【0079】
【表1】

【0080】
比較例1
箱体は実施例1のものと同じものを使用したが、内袋を使用しなかった。実施例1と同じくクラフト紙で個別包装した商用に利用される直方体状のドライアイス36個(4行3列3段)を前記箱体内に収容し、前側の側板と蓋板を閉じ、シート状の張り出し部を面ファスナーで固定した。箱体と内袋の重量を除いた初期重量は、935kgであった。24時間経過後の同重量を測定し、初期重量との差を求め、これを初期重量で除して減量率(%)とした。結果を表1に示す。
【0081】
実施例2
断熱材としてフォームボード複合体を使用した以外は、実施例1と同様にして箱体を成形した。また、実施例1と同じくクラフト紙で個別包装した商用に利用される直方体状のドライアイス36個(4行3列3段)を前記箱体内に収容し、前側の側板と蓋板を閉じ、シート状の張り出し部を面ファスナーで固定した。箱体と内袋の重量を除いた初期重量は、928kgであった。24時間経過後の同重量を測定し、初期重量との差を求め、これを初期重量で除して減量率(%)とした。結果を表1に示す。
【0082】
実施例1では、ドライアイスの収容に本発明の保冷性運搬容器および内袋を用いたため、24時間後のドライアイス減少率が2.6%となり、内袋を使用しない比較例1の減少率4.2%に較べて38%抑制されていた。また、実施例2では、真空断熱性シートを用いた断熱材で成形した保冷性運搬容器および内袋を使用してドライアイスを収容したため、実施例1に較べてよりさらに断熱効果が高くなった。実施例2における24時間後のドライアイスの減少率は1.8%となり、比較例1の減少率4.2%に較べて56%抑制されていた。
【0083】
個別包装したドライアイスを直方体状に段積みした場合、ドライアイスの減量は通常、外気との接触面積が大きくなるため、最上段の四隅で大きく中段の内部では少ない傾向にある。表2は、実施例1、2と比較例1における最上段の四隅に積載したドライアイスの個包装について、各個包装の重量の減量を初期と24時間後で比較したものである。
【0084】
【表2】

【0085】
表2に示すように、最上段の四隅の24時間後のドライアイス減少率は、実施例1が5.0〜5.6%、実施例2が3.5〜4.3%、比較例1が7.8〜8.6%となり、表1で示したドライアイス全体の24時間後の減少率に較べて高かった。しかし、全体に対する四隅の減少割合の比率は、実施例1、2、比較例1ともに2.0程度で同程度となった。このことから、本発明の保冷性運搬容器および内袋は、ドライアイスの減量抑制効果について、全体と上段の四隅とで差がなく、四隅は減少率が高いながらも本発明の効果を全体と同様に享受しており、ドライアイス六面全体にわたって均等に、減量抑制効果を有していることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明の保冷性運搬容器は、従来の保冷容器に較べて、収容した被運搬物であるドライアイスの一次貯蔵と運搬の際におけるドライアイスの昇華による減量を抑制することができるため、産業分野に広く提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】内袋が収容された箱体を斜めから見た図
【図2】箱体の展開図(箱体の内側)
【図3】蓋を斜めから見た図
【図4】箱体の展開図(箱体の外側)
【図5】折り畳まれた箱体と蓋を斜めから見た図
【図6】折り畳まれた箱体に蓋をかぶせて収容した図
【図7】つなぎ部を介して箱体の底板と側板とがつながれた図
【図8】側部を固定した箱体を斜めから見た図
【図9】蓋をかぶせて固定した箱体を斜めから見た図
【図10】内袋の展開図
【図11】蓋部を外側に広げた内袋を斜めから見た図
【図12】閉止状態の内袋を斜めから見た図
【図13】箱体の底板と内袋の底部との接合部分を示す図
【図14】別の内袋の展開図
【図15】蓋部を外側に広げた図14の内袋を斜めから見た図
【図16】図14の内袋蓋部の折り畳み中の様子を斜めから見た図
【図17】図14の内袋蓋部の折り畳み中の様子を斜めから見た図
【図18】図14の内袋蓋部の折り畳み中の様子を斜めから見た図
【図19】図14の内袋蓋部の折り畳み中の様子を斜めから見た図
【図20】閉止状態の図14の内袋を斜めから見た図
【図21】被運搬物を収容する際の図14の内袋が収容された箱体を斜めから見た図
【図22】さらに別の内袋の展開図
【図23】図22の内袋を組み立てた状態の図
【図24】さらに別の内袋の展開図
【図25】図24の内袋を組み立てた状態の図
【図26】ガス抜き部を有する閉ざされた内袋を斜めから見た図
【図27】ガス抜き部を有するキャップをかぶせた内袋を斜めから見た図
【図28】ガス抜き部を有するキャップをかぶせた内袋の断面図
【図29】フォームボード複合体の断面図
【符号の説明】
【0088】
1.底板
2.側板
3.側板
4.側板
5.側板
6.蓋
7.つなぎ部
8.つなぎ部
9.シート状の張り出し部
10.面ファスナー
11.止め具
12.シート張り出し部
13.ベルト
14.ベルト
15.止め具
16.面ファスナー固定部
17.面ファスナー固定部
18.シート張り出し部
19.面ファスナー
20.面ファスナー
21.面ファスナー固定部
22.ベルト
23.フォームボード
24.外装用シート
25.底部
26.側部
27.側部
28.側部
29.側部
30.蓋部
31.蓋部
32.蓋部
33.蓋部
34.直角三角形状の蓋部
35.直角三角形状の蓋部
36.直角三角形状の蓋部
37.直角三角形状の蓋部
38.直角三角形状の蓋部
39.直角三角形状の蓋部
40.直角三角形状の蓋部
41.直角三角形状の蓋部
42.接着部
43.接着部
44.接着部
45.接着部
46.接着部
47.接着部
48.接着部
49.接着部
50.接着部
51.接着部
52.接着部
53.接着部
54.接着部
55.接着部
56.接着部
57.接着部
58.底部の辺
59.底部の辺
60.底部の辺
61.底部の辺
62.側部の辺
63.側部の辺
64.側部の辺
65.側部の辺
66.フォームボード
67.シート張り出し部
68.フォームボード
69.折り畳み部
70.折り畳み部
71.直角三角形状の蓋部
72.直角三角形状の蓋部
73.直角三角形状の蓋部
74.直角三角形状の蓋部
75.折り畳み部
76.折り畳み部
77.直角三角形状の折り畳み部
78.直角三角形状の折り畳み部
79.接着部
80.接着部
81.接着部
82.接着部
83.接着部
84.接着部
85.蓋部の辺
86.ガス抜き部
87.ガス抜き部
88.蓋部の辺
89.ガス抜き部を有するキャップ
90.フォームボード
91.折り畳み部
92.直角三角形状の蓋部
93.直角三角形状の蓋部
94.繊維の芯材
95.外装材
96.側部の辺
97.側部の辺
98.側部の辺
99.側部の辺
100.切れ目
101.切れ目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保冷性運搬容器であって、断熱材にて形成された折り畳み可能な蓋付き箱体と、箱体の内部に収容される内袋とを備え、前記内袋は、底部と四つの側部と蓋部からなり、かつ被運搬物を直方体状に包み込むことができ、かつ前記被運搬物の六面全体を覆うように構成されていることを特徴とする保冷性運搬容器。
【請求項2】
内袋は、横倒し可能な側部を有するとともに、この横倒し可能な側部と、この横倒し可能な側部に隣り合う他の側部との縁部同士を連結する折り畳み部を有し、前記折り畳み部は横倒し可能な側部が立ち上がった姿勢では、折り畳まれて側部に沿って配置され、横倒し可能な側部が横倒しになった姿勢では、立ち上がった姿勢に広げられることを特徴とする請求項1に記載の保冷性運搬容器。
【請求項3】
内袋は、隣り合う二つの側部が、直接または折り畳み部を介して連続していることを特徴とする請求項1または2に記載の保冷性運搬容器。
【請求項4】
内袋は、側部の上辺を介して設けられた第1蓋部と、前記第1蓋部の側辺の片側又は両側に設けられた第2蓋部とを有し、前記第1蓋部と第2蓋部とは側部の上辺に沿って外側に広げられることが可能であり、かつ側部の上辺に沿って外側に広げられた前記第1蓋部と前記第2蓋部は共に、底部と平行な姿勢をとることが可能である請求項1〜3のいずれか1項に記載の保冷性運搬容器。
【請求項5】
第1蓋部が、第2蓋部及び折り畳み部のうち少なくとも一方を介して他の第1蓋部と連続していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の保冷性運搬容器。
【請求項6】
箱体は、一つの側板又は隣り合う二つの側板を選択的に横倒しすることが可能であり、かつ内袋は横倒し可能な箱体の側板に対応する一つの側部又は隣り合う二つの側部が、立ち上がった状態から横倒しされることにより、その横倒しされた箇所に開口部を作ることが可能であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の保冷性運搬容器。
【請求項7】
内袋の底部が、箱体の底板と固定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の保冷性運搬容器。
【請求項8】
断熱材が、真空断熱性材料を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の保冷性運搬容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2010−143617(P2010−143617A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−323413(P2008−323413)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【出願人】(000104412)カンボウプラス株式会社 (15)
【出願人】(000002923)ダイワボウホールディングス株式会社 (173)
【Fターム(参考)】