説明

健康器具

【課題】適度な運動を行える健康器具であって、左右の足を独立して回転させたり、歩行のような足の前後運動をしたり、あるいはそれらを組み合わせた複合運動を行うことができ、より効果的に運動ができる健康器具を提供する。
【解決手段】健康器具Aは、基台1と、この基台1上に回動自在に支持された回動体2と、この回動体2上に回動自在に支持され一方の足を載せる第1の回動体3aと、回動体2上に回動自在に支持され他方の足を載せる第2の回動体3bとを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は身体を捻るような回転運動や歩行をするような足の前後運動またはその複合運動を行うことができる健康器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、身体の運動を行うことができる健康器具としては、一の回動自在な回動体に両足を載せて直立し、腰を軸として両足を回転させて運動を行う健康器具などが知られている(例えば、特許文献1など。)。このような健康器具にあっては専ら腰の回転運動を目的としたものであり、左右の足を独立して回転させたり、歩行のような足の前後運動をしたり、あるいはそれらを組み合わせた複合運動を行うことができなかった。
【特許文献1】実願2002−7154(実用新案登録第3093964号)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は前記したような問題を解決するためになされたものであり、左右の足を独立して回転させたり、歩行のような足の前後運動をしたり、あるいはそれらを組み合わせた複合運動を行うことができ、より効果的に運動ができる健康器具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の請求項1に係る手段は、基台と、この基台上に回動自在に支持された回動体と、この回動体上に回動自在に支持され一方の足を載せる第1の回動体と、前記回動体上に回動自在に支持され他方の足を載せる第2の回動体と、を備える健康器具である。
【0005】
本発明の請求項2に係る手段は、基台と、この基台上に回動自在に支持され上部に複数の載置部を有する回動体と、第1の支持台とこの第1の支持台上に回動自在に支持されて足を載せる第1の回動板とを有する第1の回動体と、第2の支持台とこの第2の支持台上に回動自在に支持されて足を載せる第2の回動板とを有する第2の回動体と、を備えた健康器具であって、前記第1の回動体および前記第2の回動体は前記回動体の載置部に載置される構成の健康器具である。
【0006】
本発明の請求項3に係る手段は、基台と、この基台上に回動自在に支持され上部に複数の載置部を有する回動体と、第1の支持台とこの第1の支持台上に回動自在に支持されて足を載せる第1の回動板とを有する第1の回動体と、第2の支持台とこの第2の支持台上に回動自在に支持されて足を載せる第2の回動板とを有する第2の回動体と、を備えた健康器具であって、前記第1の回動体および前記第2の回動体は前記回動体の載置部に着脱自在に載置される構成の健康器具である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に係る手段とすることで、左右の足を前後方向に動かしながら足首を回転させる運動ができるため、筋肉組織の付き方に沿って効果的に運動ができると共にバランス感覚を鍛えることが可能となる。
【0008】
また、請求項2に係る手段とすることで、前述した請求項1記載の発明の効果に加え、回動体上の第1の回動体および第2の回動体の載置位置を変更することができ、前記第1の回動体および第2の回動体の間隔を調整して体格に合わせたり、身体に掛かる負荷を調整したりすることができる。
【0009】
また、請求項3に係る手段とすることで、前述した請求項1記載の発明の効果に加え、回動体上の第1の回動体および第2の回動体の載置位置を変更することができ、前記第1の回動体および第2の回動体の間隔を調整して体格に合わせたり、身体に掛かる負荷を調整したりすることができる。更には第1の回動体および第2の回動体を回動体の載置部に着脱自在な構成とすることにより、第1の回動体および第2の回動体をより安定な状態で回動体上に載置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施の形態を、図1〜図8に基づき説明する。
【実施例1】
【0011】
本発明の一実施例を図1〜図5に示した。本発明は、図示のように健康器具A全体を支持するための基台1と、この基台1上に回動自在に設けられた回動体2と、この回動体2の上部に回動自在に取り付けられた第1の回動体3aおよび第2の回動体3bを備えている。
【0012】
まず、基台1について説明する。この基台1は、例えば基板10、マット12、ベアリング13およびコロ14を備えている。
【0013】
基板10は略平板状であり中央部には後記する回転軸71を支持するための軸孔11が穿設されている。
【0014】
また、基板10の底面にはマット12が設けられており、基台1の滑り止めや使用時の衝撃吸収を行う。
【0015】
更に、この基板10の上面には軸孔11に対応するようにベアリング13が設けられ、その周囲にはコロ14が所定間隔で複数個配設されている。これらのベアリング13およびコロ14は後記する回動体2を安定して支承しながら滑動させるものである。
【0016】
次に回動体2について説明する。回動体2は、例えば回動板20、キャスター25a、25b、ベアリング23a、23b及コロ24a、24bを備えている。
【0017】
回動板20は図示したように略矩形平板状にするのが好適であり、この回動板20の中央部には軸孔21、長手方向の各端部には軸孔22a、22bが穿設されている。また前記した二の軸孔22aおよび22bは軸孔21を挟んで直線x(図2参照)上の相対する位置であって軸孔21から等距離の位置に設けるのが好ましい。これは、使用時の荷重が軸孔21の中心軸の両側にできるだけ均等にかかるようにするためである。
【0018】
ベアリング23a、23bは例えばスラストベアリングが用いられ、それぞれ軸孔22a、22bに対応して設けられている。また、ベアリング23a、23bの周囲にはそれぞれコロ24a、24bが所定間隔で複数個配設されている。
【0019】
キャスター25a、25bは回動板20の各端部下面に配設され、床面に当接して使用時の荷重による回動板20のたわみを抑制し、回動体2の回動を補助する役目を果たす。
【0020】
ところで、基台1と回動体2は、軸孔21および軸孔11を通して回転軸71および接続部材72により軸支され、回動体2が回動自在となるように接続されている。なお、回転軸71および接続部材72には例えば通しボルトとナットの組み合わせが用いられる。
【0021】
次に第1の回動体3aについて説明する。第1の回動体3aは回動体2の回動板20の端部上方に回動自在に設けられるものであり、例えば第1の回動板30aとマット32aを備えている。
【0022】
この第1の回動板30aは使用時に第1の回動体3a上に足を載せて運動するため足の外形よりも大きな形状とするのが好ましく、例えば円盤状のものが用いられる。また、第1の回動板30aの中央部には軸孔31aが穿設されている。また、第1の回動体3aと回動体2は、軸孔31aおよび軸孔22aを通して回転軸73aおよび接続部材74aにより軸支され、第1の回動体3aが回動自在となるように接続されている。回転軸73aおよび接続部材74aには例えば通しボルトとナットの組み合わせが用いられる。この場合、回転軸73aの上端部が第1の回動板30aの上面から突出しないように軸孔31aにボルトの埋込み部を設けることが好ましい。これは、足を載せた時の違和感を無くしたり、足を引っ掛けたりしないようにするためである。
【0023】
また、第1の回動板30aの上面にはマット32aが設けられている。このマット32aは足を載せたときの滑り止めや衝撃を吸収するものであり、例えば低反発発泡ポリウレタンやゴム等のエラストマーが用いられる。なお、マット32aは図示したような平板状のマットの他に、足を容易に固定できるようなフットベッド形状(図示せず)や一または二以上の突起を設けて足裏のツボを刺激するような形状(図示せず)としてもよい。
【0024】
なお、第2の回動体3bは、回動板20上であって第1の回動体3aとは反対の端部上方に回動自在に設けられているものであり、前記した第1の回動体3aと同様な構成および回動板20とは同様な接続構造であるため、その詳細な説明については省略する。
【0025】
次に、本実施例の健康器具Aの使用方法について説明する。まず、一方の足を第1の回動体3a上に載せ、他方の足を第2の回動体3b上に載せて健康器具A上に直立する。そして、例えば図5(a)に示したように、一方の足を前方に移動させ他方の足を後方に移動させながら足首を内側や外側に回転させてストレッチ運動を行った後、足を入れ替えて同様なストレッチ運動を行う。この場合、図5(b)に示したように第1の回動体3aを第2の回動体3bを回動させて身体の向きを180°反転させれば容易に反対の足のストレッチ運動へ移行することも可能となる。また、例えば図5(c)および図5(d)に示したように直立状態で左右の足を同時にあるいは別々に内側や外側に回転させてストレッチ運動を行うこともできる。また更に、左右の足を回転させたり前後に移動させる際に左右の足にかかる体重を調整しながら運動するためバランス感覚を鍛えることもできる。なお、左右への身体の回転状態の差をチェックすることで関節や筋肉の対称性を把握することもできる。
【実施例2】
【0026】
次に本発明の他の実施例について図6〜図8に基づき説明する。本実施例においては回動体2および回動体3の構成が実施例1とは異なり、第1の回動体と回動体および第2の回動体および回動体はそれぞれ分離可能なものとなっている。なお、他は実施例1と同様であり共通部分についての詳細な説明は省略する。
【0027】
まず、本実施例の第1の回動体5aについて説明する。図6に示したように第1の回動体5aは、例えば第1の回動板50a、第1の支持台52a、ベアリング55a、コロ56aを備えている。
【0028】
第1の支持台52aは、その中央部に軸孔53aが穿設され、この軸孔53aに対応してベアリング55aが設置されている。更に、ベアリング55aの周囲にはコロ56aが所定間隔で複数個配設されている。なお、第1の支持台52aと第1の回動板50aは、軸孔51aおよび軸孔53aを通して回転軸75aおよび接続部材76aにより軸支されており、第1の回動板50aが回動自在となるように接続されている。
【0029】
また、本実施例では例えば図示したような係止手段Bが設けられている。この係止手段Bは、例えば第1の支持台52aの底部に等間隔に複数設けられた凹状の係止部54aと、対向する回動板40の上面に係止部54aに対応して複数設けられた凸状の被係止部41を有している。この係止手段Bにより回動板40上の選択した位置で係止部54aと被係止部41を係合させながら第1の回動体5aを載置部42に載置することができる。
【0030】
ところで、係止手段Bを設けて載置するようにしたのは、足の間隔に合うように第1の回動体5aと第2の回動体5bの位置を段階的に調整し、この係止手段Bを目印として第1の回動体5aと第2の回動体5bを回転軸71に対して対称な位置となるように容易に載置できるためである。また、係止手段Bを設けることで使用中に第1の回動体5aと第2の回動体5bが回動板40上を移動するのを防止することもできる。
【0031】
なお、第2の回動体5bについては前述した第1の回動体5aと同様な構成および同様な載置方法であるため、その詳細な説明は省略する。
【0032】
ここで、本実施例の健康器具Aの使用方法について説明する。まず、体格あるいは身体への負荷の掛け方に応じて第1の回動体5aと第2の回動体5bの間隔を調整し、係止部54aと被係止部41を係合させて回動板40の上面に載置する。このとき前記した係止手段Bを目印として第1の回動体5aと第2の回動体5bを回転軸71に対して対称な位置に載置することにより回転軸71を中心にして安定して回動体4を回動させることができる。
【0033】
次に、一方の足を第1の回動体5a上に載せ、他方の足を第2の回動体5bに載せて健康器具A上に直立する。そして左右の足の前後運動、回転運動あるいはそれらを組み合わせ前述した実施例1と同様な運動を行う(図5参照)。
【0034】
ところで、本実施例では係止手段Bとして凹状の係止部54a、54bを第1の支持台52aおよび第2の支持台52bに設け、凸状の被係止部41を回動板40に設ける構成を示したが、他の係止手段であっても構わない。また、図示はしていないが、係止手段を設けずに平らな回動板40上に第1の回動体5aおよび第2の回動体5bを載置する構成としてもよい。
【0035】
また、図7に示したように第1の回動体5aの下面および第1の回動体5bの下面に着脱部材62a、62bを設け、回動体4の上面に着脱部材61を設けて着脱自在な構成としてもよい。この着脱部材61、62a、62bには例えば面ファスナー等が用いられる。
【0036】
なお、本実施例においては第1の回動体5aと第2の回動体5bを回動体4からそれぞれ分離できる構成としたため、第1の回動体5aと第2の回動体5bを取り外して使用することもできる。つまり、例えば図8(a)に示したように健康器具Aから取り外した第1の回動体5aと第2の回動体5bを適当な距離Lに離して床に置いて運動したり、図8(b)に示したように第1の回動体5aまたは第2の回動体5bのうち一個を用いて運動をすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図2のx’−x’線による断面図である。
【図4】図1の分解斜視図である。
【図5】本発明に係る健康器具の使用状態を説明するための図である。
【図6】本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【図7】本発明の他の実施形態を示す断面図である。
【図8】図6または図7の一使用状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
A 健康器具
1 基台
10 基板
2、4 回動体
20、40 回動板
3a、5a 第1の回動体
3b、5b 第2の回動体
30a、50a 第1の回動板
30b、50b 第2の回動板
52a 第1の支持台
52b 第2の支持台
B 係止手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、
この基台上に回動自在に支持された回動体と、
この回動体上に回動自在に支持され一方の足を載せる第1の回動体と、
前記回動体上に回動自在に支持され他方の足を載せる第2の回動体と、
を備えていることを特徴とする健康器具。
【請求項2】
基台と、
この基台上に回動自在に支持され上部に複数の載置部を有する回動体と、
第1の支持台とこの第1の支持台上に回動自在に支持されて足を載せる第1の回動板とを有する第1の回動体と、
第2の支持台とこの第2の支持台上に回動自在に支持されて足を載せる第2の回動板とを有する第2の回動体と、
を備えた健康器具であって、
前記第1の回動体および前記第2の回動体は前記回動体の載置部に載置されることを特徴とする健康器具。
【請求項3】
基台と、
この基台上に回動自在に支持され上部に複数の載置部を有する回動体と、
第1の支持台とこの第1の支持台上に回動自在に支持されて足を載せる第1の回動板とを有する第1の回動体と、
第2の支持台とこの第2の支持台上に回動自在に支持されて足を載せる第2の回動板とを有する第2の回動体と、
を備えた健康器具であって、
前記第1の回動体および前記第2の回動体は前記回動体の載置部に着脱自在に載置される構成としたことを特徴とする健康器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−197960(P2006−197960A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−9725(P2005−9725)
【出願日】平成17年1月18日(2005.1.18)
【出願人】(591169445)株式会社 AKAISHI (3)