説明

光ファイバケーブル、これを使用した光ファイバケーブルシステムおよび光ファイバケーブル敷設方法

【課題】特に架空光配線において、屋外での作業を減らしながら、一定しない電柱間距離に配線される光ファイバの加入者までの引落しを効率的に行うことを可能とし、工場における安価な大量生産を可能とする。
【解決手段】光ファイバケーブルに光ファイバケーブル方向に所定の間隔を置いて多数配設された分岐部と、各分岐部から分岐されて所定の長さを有して形成され、光ファイバケーブルに沿って配線され、端部に光コネクタを備えた分岐部側ケーブルと、分岐部に対応して設けられて光ファイバケーブルの任意の位置に支持されて前記分岐部との間の距離が異なるようにしてそれぞれ配置され、かつ該異なる距離に対応した長さをそれぞれ有するように形成された、端部に光コネクタを備えた接続ケーブルを有する配線ボックスと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバケーブル、これを使用した光ファイバケーブルシステムおよび光ファイバケーブル敷設方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数本の光ファイバコードからなるサブケーブルおよび複数本のこのサブケーブルからなるサブグループ化光ファイバケーブルと、建物の複数階の間に前記サブグループ化光ファイバケーブルをわたすケーブルスペースと、敷設が必要とされる階で切断された前記サブケーブルを各階に分岐する成端処理部とからなる光ファイバケーブル敷設構造が記載されている。
【0003】
また、この特許文献には、前記成端処理部は、前記サブケーブルの切断部を覆う、前記ケーブルスペースに収納される容器と、フェルールに仕込まれた一端面研磨済み光ファイバ素線の他端に、切断部の前記サブケーブルから引き出された前記光ファイバコードの光ファイバ素線の端部が融着接続される光コネクタと、この光コネクタが差し込まれる、前記容器に取り付けられたアダプタとから構成されることが記載されている。
【0004】
特許文献2には、配電線を利用して電力線搬送通信を行う第一家屋と、前記配電線と引き込み線とを介して前記第一家屋と接続されると共に、光ファイバケーブルが引き込まれた第二家屋と、前記引き込み線及び光ファイバケーブルの双方に接続される電力線搬送通信装置と具え、光ファイバケーブルからの光信号を電気信号に変換する変換器と、変換された電気信号を第一家屋と第二家屋とに分配する分配器とを具えることを特徴とする通信システムが記載されている。
【0005】
特許文献3には、テンションメンバの上に複数本の光ファイバコードが撚り合わされ、この上に押え巻きひもが巻回されてなる光ファイバケーブルから、分岐用の光ファイバコードを引き出し、この引き出し部にチューブ状の保護部材をかぶせ、この保護部材から前記引き出し部の先端を露出させて分岐用の光ファイバコードの接続を行うことを特徴とする光ファイバケーブルの分岐方法が記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開2000−258672号公報
【特許文献2】特開2003−318786号公報
【特許文献3】特開平11−194250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
電話サービスに加えて、CATV(Cable TV)、VOD(Video on Demand)及び映像サービス(各種情報サービス)を高速かつ広帯域に提供するには、アクセス系の全光化、すなわちFTTH(Fiber To The Home)が必要とされる。このFTTHを実現するには、架空光配線ケーブルから加入者までの光ファイバの引落しを経済的かつ効率的に行うことが求められる。
【0008】
本発明は、特に架空光配線において、屋外での作業を減らしながら、一定しない電柱間距離に配線される光ファイバの加入者までの引落しを効率的に行うことを可能とし、工場における安価な大量生産を可能とする光ファイバケーブルの構造およびこれを用いた光ファイバケーブルシステム、更に光ファイバケーブルの敷設方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、複数本の光ファイバ心線で構成された光ファイバケーブルと、該光ファイバケーブルに設けた分岐部と、配線ボックスと、前記分岐部と前記配線ボックスを接続する分岐ケーブルと、前記配線ボックスからユーザの光コネクタに接続される複数のドロップケーブルとからFTTHシステムを構成する光ファイバケーブルシステムにおいて、
前記分岐部は、前記光ファイバケーブルに、光ファイバケーブル方向に所定の間隔を置いて多数配設され、
前記配線ボックスは、前記分岐部に対応して設けられて前記光ファイバケーブルに該光ファイバケーブルを固定保持する電柱の近傍にて支持され、
前記分岐部と前記配線ボックスを接続する各分岐ケーブルは、前記分岐部と前記配線ボックスとの間の距離に対応した長さにそれぞれ調整された長さを有して光コネクタによって接続され、前記光ファイバケーブルに沿って配線されたことを特徴とする光ファイバケーブルシステムを提供する。
【0010】
上述の光ファイバケーブルシステムは、それぞれ長さが異なる複数の分岐ケーブルから選択されたものであることを特徴とする。
上述の光ファイバケーブルシステムは、前記分岐ケーブルは単心分岐ケーブルとして形成され、前記配線ボックスで複数のドロップケーブルに分岐されることを特徴とする。
上述の光ファイバケーブルシステムは、前記分岐ケーブルは複心分岐ファイバケーブルとして形成され、前記配線ボックスで各ドロップケーブルは各分岐ケーブルに接続されることを特徴とする。
【0011】
本発明は、また、複数本の光ファイバ心線で構成された光ファイバケーブルと、該光ファイバケーブルに設けた分岐部と、該分岐部を介して分岐した分岐ケーブルと、該分岐ケーブルが接続された配線ボックスと、該配線ボックスからユーザの光コネクタに接続される複数のドロップケーブルとからFTTHシステムを構成する光ファイバケーブルシステムに使用される光ファイバケーブルであって、
該光ファイバケーブルは、該光ファイバケーブルに光ファイバケーブル方向に所定の間隔を置いて多数配設された分岐部と、各分岐部から分岐されて所定の長さを有して形成され、前記光ファイバケーブルに沿って配線され、端部に光コネクタを備えた分岐部側ケーブルと、前記分岐部に対応して設けられて前記光ファイバケーブルの任意の位置に支持されて前記分岐部との間の距離が異なるようにしてそれぞれ配置され、かつ該異なる距離に対応した長さをそれぞれ有するように形成された、端部に光コネクタを備えた接続ケーブルを有する配線ボックスと、を備えることを特徴とする光ファイバケーブルを提供する。
【0012】
上述の光ファイバケーブルは、それぞれ長さが異なる複数の接続ケーブルから選択されたものであることを特徴とする。
【0013】
本発明は、また、複数本の光ファイバ心線で構成された光ファイバケーブルと、該光ファイバケーブルに設けた分岐部と、該分岐部を介して分岐した分岐ケーブルと、該分岐ケーブルが接続された配線ボックスと、該配線ボックスからユーザの光コネクタに接続される複数のドロップケーブルとからFTTHシステムを構成する光ファイバケーブルシステムに使用する光ファイバケーブルの敷設方法において、
前記光ファイバケーブルに光ファイバケーブル方向に所定の間隔を置いて多数配線された分岐部と、各分岐部から分岐されて所定の長さを有して形成され、端部に光コネクタを備えた分岐部側ケーブルと、前記分岐部に対応して設けられて前記光ファイバケーブルの任意の位置に支持され、端部に光コネクタを備えた接続ケーブルを有する配線ボックスを備えた光ファイバケーブルを敷設し、
前記光ファイバケーブルを固定保持する電柱の近傍に位置して前記配線ボックスを前記光ファイバケーブルに支持し、前記接続ケーブルの長さを調整して前記分岐部側ケーブルと前記接続ケーブルとの長さが、前記分岐部と前記配線ボックス間の距離に対応するように調整し、
固定長さの前記分岐部側ケーブルと長さの調整された前記接続ケーブルとを前記光ファイバケーブルに沿って配線し、前記分岐部側ケーブルと前記接続ケーブルのそれぞれの端部に設けた光コネクタを接続し、
前記配線ボックスとユーザの光コネクタとを接続したこと
を特徴とする光ファイバケーブルの敷設方法を提供する。
【0014】
上述の光ファイバケーブルの敷設方法は、それぞれ長さの異なる複数の接続ケーブルから選択されて配線されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、分岐部が光ファイバケーブルに予め工場にて所定の間隔を置いて多数個取り付けられ、固定長の光コネクタ付分岐ケーブルが形成され、調整長の接続ケーブルが形成されるようにしており、従って、従来のように光ファイバケーブルから分岐用の光ファイバコードを引き出す作業を要せず、かつ光ファイバケーブルに可撓的に一体化保持の分岐構成としているために工場において予め製造、更には運搬に便利な構造の分岐部コネクタ付ケーブルとすることができ、更に配線ボックスの一体化保持構造によって電柱間距離配線における引落しを容易にするメリットがある。
【0016】
本発明によれば、特に架空光配線において、屋外での作業を減らしながら、一定しない電柱間距離に配線される光ファイバの加入者までの引落しを効率的に行うことを可能にし、工場における安価な大量生産を可能とする光ファイバケーブル、これを用いた光ファイバケーブルおよび簡便な光ファイバケーブルの敷設方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、本発明の実施例である光ファイバケーブルおよび光ファイバケーブルシステム100を示す図である。図1において、1は光ファイバケーブル、すなわち複数本の光ファイバ心線で構成された光ファイバケーブル、2はこの光ファイバケーブルに、光ファイバケーブル方向に設けられる分岐部で多数個設けられる。3は分岐部2に接続される配線ボックス、例えば8分岐部スプリッタ入りのスプリットボックスであり、図では5つの分岐部2に対応して接続されている。従って、いくつかの分岐部2はいずれの配線ボックスには未接続で、いわば防水状態下で遊び状態とされている。これは一部に、任意の距離を含んだ所定の距離で分岐部2が配設され、敷設時においてその内のいくつかについては使用とされることを意味する。また、配線ボックス3は、光ファイバケーブル1に配線支持、例えば固定されて、ドロップケーブル7に対する接続函として機能する。
【0019】
4は多数の電柱を示す。電柱間は地域によって、場所によっては一定であり、他の地域、場所によっては一定しないで周知の通り電線を固定保持している。4の内、4Aは光ファイバケーブル1の立上り点における光ファイバケーブル1を立上げるための電柱である。スプリットボックス3Aは、この電柱4A上に設けられる。
【0020】
5は、各種情報サービスを発信する建屋であり、各種情報サービスは建屋5内の光ファイバケーブル1Aを介し、更に地下光ファイバケーブル1B(WBB)を介してスプリットボックス3Aに接続される。
【0021】
6は、加入者の住居(以下、加入者という)であり、各加入者の接続端(光コネクタ部)はドロップケーブル7を介して配線ボックス3に接続される。
【0022】
配線ボックス3は、分岐部2に対応して配置され、光コードケーブルあるいはカールコードで接続される。
【0023】
8は、電柱4と分岐部2との間の距離に対応した長さ、すなわち配線ボックス3と分岐部との間の距離に対応した長さにそれぞれ調整された長さを有して、光ファイバケーブル1に沿って配線された分岐ケーブルであり、後述するように分岐部側ケーブル、接続ケーブルから構成され、両ケーブルは光コネクタ10によって接続される。
【0024】
図2は、図1の構成を配線図として示す。
図2において、光ファイバケーブル1は、例えば24心ケーブルとして構成してあり、複数の分岐部2を備えている。各分岐部2で各光ファイバ心線は分岐される。そして、この分岐部2は分岐部側ケーブル11を備え、分岐部側ケーブル11の端部に単純作業で接続可能な一方のコネクタ部を備え、接続ケーブル12の端部に設けた他方のコネクタ部と共にコネクタ部10を形成する。ここでは分岐部側ケーブル11と接続ケーブル12を合わせて分岐ケーブル10と称する。
【0025】
上述の例において、光ファイバケーブル1は、長手方向に延びる光ファイバケーブルには可撓的に一体化保持された分岐部2が光ファイバケーブル1に予め工場にて所定の間隔を置いて多数個取り付けられて形成される。そして、光ファイバケーブル1が敷設されて任意の分岐部2に分岐部側ケーブル11、コネクタ部10および接線ケーブル12を介してスプリッタを内蔵した配線ボックス3、例えばクロージャボックスが接続可能とされる。
【0026】
図3は、図1の一部詳細を示す図である。図1において、光ファイバケーブル1は、24心単心光ファイバケーブル(24心単心光ファイバSSケーブル)21および支持線22から形成されており、両者を合わせてここでは光ファイバケーブルと呼び、24心単心光ファイバケーブル21を複心光ファイバケーブルと呼ぶ。光ファイバケーブル1は電柱4に固定保持される。なお、ここでは他の目的で使用される電柱状の柱も電柱として統一して呼ぶ。光ファイバケーブル1には所定の間隔で被覆材が合成樹脂で形成された可撓性の分岐部2が設けられる。この分岐部2の一方の端部からは分岐部側ケーブル11が導出される。この例の場合、分岐部側ケーブル11は、単心分岐ケーブルとして形成され、1.5mの長さを備え、光ファイバケーブル1に沿って配線され、端部は光コネクタ部を備える。上述の長さの1.5mは工場で生産された時のものであり固定長さであることを示す。なお、分岐部2の導出部に光コネクタを設けて分岐部側ケーブル11の長さを実施的に零にしてもよい。光コネクタを2個以上使用した場合、ここではこれらのケーブルを接続ケーブル12と呼ぶ。
【0027】
電柱4の近傍には配線ボックス3(本例の場合スプリットボックス)が配置され、光ファイバケーブル1、すなわち支持線22に支持される。電柱4と配線ボックス3の対向面との間隔は、例えば70cmに設定されるが、これに限定されず、電柱4の近傍支持することのできる距離であればよい。
【0028】
配線ボックス3は、分岐部2に対向する側に接続ケーブル12を備える。この接続ケーブル12は単心接続ケーブルとされ、長さが調整される。調整方法としては2つある。その1つは敷設した作業時に分岐部2と配線ボックス3との間の距離、分岐部側ケーブル11の長さを考慮して接続ケーブル12は任意の長さに調整するものである。この場合に、固定長の分岐部側ケーブルの長さを考慮に入れて、分岐部2と配線ボックス3との間の距離に対応してと、称する。他の方法は、作業上の使い勝手をよくするために、例えば1,3,5および10mの長さの複数の長さを予め準備しておいて、使用時に適宜選択する方法である。従って、分岐部2と配線ボックス3との間の距離に対応してとは、両者間の距離を差に応じていくつかに分けて、分岐ケーブル8の長さを調整することを含む概念となる。接続ケーブル12は端部に光コネクタ部を備えており、分岐部側ケーブル11の光コネクタ部と接続されて光コネクタ10を構成する。従って、分岐部側ケーブル11、接続ケーブル12および光コネクタ10によって分岐ケーブル8が形成されることになる。
【0029】
このように、光ファイバケーブル1を固定する電柱4の近傍に位置して配線ボックス3を光ファイバケーブル1に支持し、接続ケーブル12の長さを調整して固定長さの分岐部側ケーブル11と接続ケーブル12との長さが、分岐部2と配線ボックス3間の距離に対応するように調整する。前述のように分岐部側ケーブルの長さを零にすることができるが、固定長としておくことによって作業性がよくなる。なお、いずれの光コネクタも防水コネクタとして構成される。
【0030】
配線ボックス3は、スプリットボックスとして構成され、単心接続ケーブルは8つの導出部23に分けられる。導出部23にはそれぞれ光コネクタ24が設けられ、ドロップケーブル7が接続され、ドロップケーブル7はユーザである加入者の住居に設けた屋外キャビネット26の光コネクタ25に接続され、宅内コード27を介して室内へと導かれる。
【0031】
分岐ケーブル8は、図に示すように、単心分岐部側ケーブルと単心接続ケーブルおよびそれぞれの端部に設けた光コネクタから構成され、その構造は被覆体に抗張力体および0.5mm光ファイバ心線を配したものとなる。この構造自体はよく知られている。
【0032】
ドロップケーブル7は、図に示すように、ドロップケーブルと両端に設けた光コネクタからなり、分岐ケーブル8と同様の構造のものが鋼線によって補強された構造のものとされる。この構造自体はよく知られている。
【実施例2】
【0033】
図4は、本発明の第二の実施例を示す。先の実施例と同日の構成については同一の番号を付し、先の実施例の説明を援用する。この例にあってはスプリッタは上流側に配置される。
【0034】
この例で使用される光ファイバケーブル1は、例えばSSW,ANSケーブルであり、分岐ケーブル8は8心分岐ケーブル11Aとされる。従って、分岐部側ケーブルは8心分岐部側11A、接続側ケーブルは8心接続ケ−ブル12A、光コネクタは8心タイプコネクタ8Aとして構成される。そして、配線ボックス3は、ファンナウトボックスとして構成され、それぞれの8心接続ケーブルは分岐されることなく、導出部23を介して光コネクタ24に接続される。配線ボックス3は電柱4に対してこの例の場合、20cm離して配置してある。
【0035】
分岐ケーブル8Aは、図に示すように、8心分岐部側ケーブルと8心接続ケーブルおよびそれぞれの端部に設けた8心タイプコネクタから構成され、その構造は被覆体に抗張力体および4心テープ×2枚の光ファイバ心線を配したものとなる。この構造自体はよく知られている。配線ボックス3は8心分岐ケーブル11Aを分配する機能を有することになる。ドロップケーブル7は、図に示すように、ドロップケーブルと両端に設けた光コネクタからなり、分岐ケーブル8と構造のものが鋼線によって補強された構造のものとされる。この構造自体はよく知られている。
【0036】
以上のように、分岐部2は、光ファイバケーブル1に光ファイバケーブル方向に所定の間隔を置いて多数配設され、配線ボックス3は、分岐部2に対応して設けられて光ファイバケーブル1に光ファイバケーブル1を固定保持する電柱4の近傍にて支持され、分岐部2と配線ボックス3を接続する各分岐ケーブルは、電柱4と分岐部2との間の距離に対応した長さに、対応する配線ボックス3と分岐部2との間の距離に対応した長さにそれぞれ調整された長さを有して光コネクタ8によって接続され、光ファイバケーブル1に沿って配線されて光ファイバケーブルシステム100が構成される。
【0037】
前述したように、対応した長さには予め定めた複数の長さから選択された1つの長さを含む。
【0038】
また、光ファイバケーブル1は、光ファイバケーブル1に光ファイバケーブル方向に所定の間隔を置いて多数配設された分岐部2と、各分岐部から分岐されて所定の長さを有して形成され、光ファイバケーブル1に沿って配線され、端部に光コネクタ10を備えた分岐部側ケーブル11と分岐部2に対応して設けられて光ファイバケーブル1の任意の位置に支持されて分岐部2との間の距離が異なるようにしてそれぞれ配置され、かつ該異なる距離に対応した長さをそれぞれ有するように形成された、端部に光コネクタ10を備えた接続ケーブル12を有する配線ボックス3と、を備えた光ファイバケーブルが構成される。そして、接続ケーブル12は、それぞれ長さが異なる複数の接続ケーブルから選択され得る。
【0039】
光ファイバケーブルの敷設方法は図5に示すように次のようなステップで構成され得る。
光ファイバケーブル1に光ファイバケーブル方向に所定の間隔を置いて多数配線された分岐部2と、各分岐部から分岐されて所定の長さを有して形成され、端部に光コネクタ1を備えた分岐部側ケーブル11と、分岐部2に対応して設けられて光ファイバケーブル1の任意の位置に支持され、端部に光コネクタ10を備えた接続ケーブル12を有する配線ボックス3を備えた光ファイバケーブル1を敷設し、光ファイバケーブル1を固定保持する電柱4の近傍に位置して配線ボックス3を光ファイバケーブル1に支持し、接続ケーブル12の長さを調整して分岐部側ケーブル11と接続ケーブル12との長さが、分岐部2と配線ボックス3間の距離に対応するように調整し、固定長さの分岐部側ケーブル11と長さの調整された接続ケーブル12とを光ファイバケーブルに沿って配線し、分岐部側ケーブル11と接続ケーブル12のそれぞれの端部に設けた光コネクタ10を接続し、配線ボックス3とユーザの光コネクタ10とを接続する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施例の構成図。
【図2】図1に示す構成をブロックで示す図。
【図3】図1の一部詳細図。
【図4】本発明の第二の実施例で図1の一部詳細図。
【図5】敷設方法を示す図。
【符号の説明】
【0041】
1…光ファイバケーブル、2…分岐部、3…配線ボックス、4…電柱、6…加入者、7…ドロップケーブル、8,8A…分岐ケーブル、10…光コネクタ、11,11A…分岐部側ケーブル、12,12B…接続ケーブル、100…光ファイバケーブルシステム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の光ファイバ心線で構成された光ファイバケーブルと、該光ファイバケーブルに設けた分岐部と、配線ボックスと、前記分岐部と前記配線ボックスを接続する分岐ケーブルと、前記配線ボックスからユーザの光コネクタに接続される複数のドロップケーブルとからFTTH(Fiber To The Home)システムを構成する光ファイバケーブルシステムにおいて、
前記分岐部は、前記光ファイバケーブルに、光ファイバケーブル方向に所定の間隔を置いて多数配設され、
前記配線ボックスは、前記分岐部に対応して設けられて前記光ファイバケーブルに該光ファイバケーブルを固定保持する電柱の近傍にて支持され、
前記分岐部と前記配線ボックスを接続する各分岐ケーブルは、前記分岐部と配線ボックスとの間の距離に対応した長さにそれぞれ調整された長さを有して光コネクタによって接続され、前記光ファイバケーブルに沿って配線されたことを特徴とする光ファイバケーブルシステム。
【請求項2】
請求項1において、各分岐ケーブルは、それぞれ長さが異なる複数の分岐ケーブルから選択されたものであることを特徴とする光ファイバケーブルシステム。
【請求項3】
請求項1または2において、前記分岐ケーブルは単心分岐ケーブルとして形成され、前記配線ボックスで複数のドロップケーブルに分岐されることを特徴とする光ファイバケーブルシステム。
【請求項4】
請求項1または2において、前記分岐ケーブルは複心分岐ファイバケーブルとして形成され、前記配線ボックスで各ドロップケーブルは各分岐ケーブルに接続されることを特徴とする光ファイバケーブルシステム。
【請求項5】
複数本の光ファイバ心線で構成された光ファイバケーブルと、該光ファイバケーブルに設けた分岐部と、該分岐部を介して分岐した分岐ケーブルと、該分岐ケーブルが接続された配線ボックスと、該配線ボックスからユーザの光コネクタに接続される複数のドロップケーブルとからFTTHシステムを構成する光ファイバケーブルシステムに使用される光ファイバケーブルであって、
該光ファイバケーブルは、該光ファイバケーブルに光ファイバケーブル方向に所定の間隔を置いて多数配設された分岐部と、各分岐部から分岐されて所定の長さを有して形成され、前記光ファイバケーブルに沿って配線されるもので、端部に光コネクタを備えた分岐部側ケーブルと、前記分岐部に対応して設けられて前記光ファイバケーブルの任意の位置に支持されて前記分岐部との間の距離が異なるようにしてそれぞれ配置され、かつ該異なる距離に対応した長さをそれぞれ有するように形成された、端部に光コネクタを備えた接続ケーブルを有する配線ボックスと、を備えることを特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項6】
請求項5において、接続ケーブルは、それぞれ長さが異なる複数の接続ケーブルから選択されたものであることを特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項7】
複数本の光ファイバ心線で構成された光ファイバケーブルと、該光ファイバケーブルに設けた分岐部と、該分岐部を介して分岐した分岐ケーブルと、該分岐ケーブルが接続された配線ボックスと、該配線ボックスからユーザの光コネクタに接続される複数のドロップケーブルとからFTTHシステムを構成する光ファイバケーブルシステムに使用する光ファイバケーブルの敷設方法において、
前記光ファイバケーブルに光ファイバケーブル方向に所定の間隔を置いて多数配線された分岐部と、各分岐部から分岐されて所定の長さを有して形成され、端部に光コネクタを備えた分岐部側ケーブルと、前記分岐部に対応して設けられて前記光ファイバケーブルの任意の位置に支持され、端部に光コネクタを備えた接続ケーブルを有する配線ボックスを備えた光ファイバケーブルを敷設し、
前記光ファイバケーブルを固定保持する電柱の近傍に位置して前記配線ボックスを前記光ファイバケーブルに支持し、前記接続ケーブルの長さを調整して前記分岐部側ケーブルと前記接続ケーブルとの長さが、前記分岐部と前記配線ボックス間の距離に対応するように調整し、
固定長さの前記分岐部側ケーブルと長さの調整された前記接続ケーブルとを前記光ファイバケーブルに沿って配線し、前記分岐部側ケーブルと前記接続ケーブルのそれぞれの端部に設けた光コネクタを接続し、
前記配線ボックスとユーザの光コネクタとを接続したこと
を特徴とする光ファイバケーブルの敷設方法。
【請求項8】
請求項7において、前記接続ケーブルは、それぞれ長さの異なる複数の接続ケーブルから選択されて配線されることを特徴とする光ファイバケーブルの敷設方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−129170(P2008−129170A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−311679(P2006−311679)
【出願日】平成18年11月17日(2006.11.17)
【出願人】(504026856)株式会社アドバンスト・ケーブル・システムズ (64)
【Fターム(参考)】