説明

光ファイバセンサ及びセンサシステム

【課題】
簡易な構造で、製造が容易で、測定感度が高い曲げ損失型光ファイバセンサを実現する。
【解決手段】
光ファイバ12は、部分的に細くした括れ12aを具備する。括れ12aを挟むように、光ファイバ12は、括れ12aの片側でベース14の起立部14aに固定され、括れ12aの反対側で、ベース14上に光ファイバ12の軸方向に可動に設置されるスライダ16に固定されている。スライダ16は、ベース14に固定されたストッパ18,20により、光ファイバ12を切断しない程度に可動範囲を制限されている。スライダ16は、コイルバネ24により起立部14aから離れる方向に付勢される。伝達棒28が、計測対象物の変位により、受け台26を介してスライダ16を起立部14aに向けて駆動する。これにより、光ファイバ12は、括れ12aで曲がり、曲げ損失が増加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバを用いて変位又は温度を測定する光ファイバセンサ及びセンサシステムに関し、より具体的には、光ファイバの曲げ損失を検出して変位又は温度等を測定する光ファイバセンサ及びセンサシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高架道路、トンネル、橋梁及びプラント等の構造物や、地滑りなどの効果的なモニタリングの要求から、各種の歪測定用ファイバセンサが開発されている。これらのファイバセンサには、ブリルアン散乱の変化を検出する分布型センサ、歪量を波長変化で検出するFBG(Fiber Bragg Grating)型センサ、及び、光ファイバの曲げ損失を検出するセンサがある。
【0003】
ブリルアン散乱を利用したセンサは、光ファイバ自体の物性を測定に使うため特殊なセンサヘッドを必要とせず、光ファイバを敷設した範囲の全てをモニタできる利点がある。しかし、局所的な変位を高精度に計測することはできない。
【0004】
FBG型センサは、非常に高感度で、10pmの校正精度が可能といわれている。しかし、歪量を波長変化として測定するので、非常に高価であり、これが普及の妨げになっている。
【0005】
曲げ損失型ファイバセンサは原理と構成が簡単であり、安価に製造できる。しかし、一般に感度が低く、局所的な微小変位の測定が難しく、用途が限られる。この方式によるセンサの感度は、変位に対して曲げ損失がどの程度起こるかによる。当然、小さな変位で大きな曲げ損失の起こるほうが、感度の良いセンサとなる。例えば、光ファイバのマイクロベンディングを利用した歪センサを、フランスのOSMOS社(http://www.osmos-group.com/eng/index.jsp)が製品化している。同社のセンサは、光ファイバを三つ編みにした構造になっており、伸縮に伴いマイクロベンディング損失が変化するようになっている。三つ編みにしてあるセンサ部分の長さは0.1〜10mが必要で、この長さ範囲の構造物の歪を測るのに適している。感度としては、3dBの損失を生じさせるのに3.7mmの変位を必要とする。
【0006】
また、特許文献1及び特許文献2には、マクロベンディング(緩やかな曲げ)による損失を利用したセンサが開示されている。この方式では、コア径の異なる長さ2〜10mmのファイバをシングルモードファイバの途中に融着接続して、曲げ損失が大きくなるようにしてある。このセンサの感度として、曲げ半径20mmで1.5dBの損失が起こることが特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2003−214906公報
【特許文献2】特許第3180959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
曲げ損失型ファイバセンサの感度を向上すれば、安価に高性能なセンサを実現できる。
【0008】
本発明は、検出感度の高い曲げ損失型の光ファイバセンサ及びセンサシステムを提示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る光ファイバセンサは、部分的に細くなった括れ部を具備する光ファイバと、計測物理量に応じた曲げを当該括れ部に与える曲げ付勢手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
本発明に係るセンサシステムは、計測物理量に応じて損失が変化する光ファイバセンサと、当該光ファイバセンサに供給すべき測定光を発生する発光手段と、当該光ファイバセンサで当該計測物理量による損失を受けた測定光を受光する受光手段と、当該受光手段の出力に従い当該計測物理量を示す情報を演算する演算手段を備えることを特徴とするセンサシステム。
【0011】
本発明に係るセンサシステムは、計測物理量に応じて損失が変化する複数の光ファイバセンサと、当該複数の光ファイバセンサのそれぞれを透過した光を反射して当該光ファイバセンサに戻す複数の反射器と、測定光を発生する発光手段と、当該測定光を分割し、分割された各測定光を当該複数の光ファイバセンサのそれぞれに供給する光分波器と、当該反射器により当該各光ファイバセンサを往復した当該測定光を受光する受光手段と、当該受光手段の出力に従い、複数の光ファイバセンサにおける当該計測物理量を示す情報を演算する演算手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、検出感度が高くて安価な、変位、応力又は温度を計測する光ファイバセンサを実現できる。また、複数地点の物理量を一括して計測できるセンサシステムを簡易な構成で実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、変位センサに適用した本発明の一実施例の概略構成を示す側面図、図2は、その平面図である。
【0015】
本発明の一実施例である変位センサ10は、光ファイバ12の伝送損失の変化により変位を計測する。応力を変位に変換することで、応力も感知可能である。光ファイバ12は、部分的に細くした括れ12aを具備する。括れ12aを挟むように、光ファイバ12は、括れ12aの片側でベース14の起立部14aに固定され、括れ12aの反対側で、ベース14上に光ファイバ12の軸方向に可動に設置されるスライダ16に固定されている。スライダ16は、ベース14に固定されたストッパ18,20により、光ファイバ12を切断しない程度に可動範囲を制限されている。
【0016】
光ファイバ12自体は、例えば、光ファイバ伝送用に使用される単一モード光ファイバからなる。括れ12aは、光ファイバ12を局所加熱しながら、光ファイバ12を引き伸ばすことで、簡単に製造できる。例えば、一般に市販されている融着装置を使用すればよい。括れ12aでは、光ファイバ12の外径が徐々に細くなり、再び元の外径に戻れば良い。コア径も同様に変化しても良いが、同一径のままでもよい。後者の場合、無負荷時の損失を少なく維持できる。
【0017】
スライダ16には、光ファイバ12の軸と平行なバネ心棒22が、起立部14aに向かって固定されている。バネ心棒22の他端は、起立部14aに穿った孔を遊嵌している。バネ心棒22の長さは、スライダ16の可動範囲で、バネ心棒22が起立部14aの孔から外れない程度に設定されている。換言すると、バネ心棒22は、スライダ16を光ファイバ12の軸方向に案内する案内手段とも言える。バネ心棒22にはコイルバネ24を巻き付けてある。コイルバネ24は、常時、スライダ16を起立部14aから離れる方向に付勢するが、その付勢力は、スライダ16に変位が加わっていない状態(初期状態又は無負荷状態)で光ファイバ12を直線状態に維持する程度のごく弱いものである。この初期状態では、スライダ16は、ストッパ18とストッパ20の間で静止している。ストッパ20は、センサ10を持ち運ぶときなどにスライダ16の移動を制限する、いわば移動時の安全用である。
【0018】
本実施例では、熱膨張率の低い材料と、熱膨張率の高い材料を組み合わせることで、周囲温度の影響を低減又は補償する。具体的には、高熱膨張率の長い材料と、低熱膨張率の短い材料とを並置して、一端を相互に結合する。そして、高熱膨張率の材料の他端を感知対象物に接触又は固定し、低熱膨張率の材料の他端をセンサ10のスライダ16に接触又は固定するか、又は,逆に,低熱膨張率の材料の他端を感知対象物に接触又は固定し、高熱膨張率の材料の他端をセンサ10のスライダ16に接触又は固定する。高熱膨張率の材料と低熱膨張率の材料の長さを、それぞれの熱膨張率に応じて設定することで、感知対象物からセンサ10のスライダ16までの変位伝達部の温度依存性を無くすことができる。換言すると、低熱膨張率の長い材料の熱膨張を、高熱膨張率の短い材料の熱膨張で相殺する。
【0019】
この温度補償のために、本実施例では、スライダ16の上部に、光ファイバ12の軸方向に長い溝26aを切った、高熱膨張率材料からなる受け台26を、起立部14aに向かって突出するように固定する。伝達棒28は低熱膨張率の材料からなり、図示しない感知対象物の応力又は変位に応じて、光ファイバ12の軸方向に移動する。伝達棒28の一端は受け台26の溝26a内に入れられ、伝達棒28の端面が受け台26に固定される。伝達棒28の他端は、図示しない感知対象物に接触又は固定される。感知対象物の変位は、伝達棒28及び受け台26を介してスライダ16に伝達される。先に説明したように、受け台26は高熱膨張率の材料、例えばステンレスからなり、伝達棒28は、低熱膨張率の材料、例えばABS樹脂からなる。ステンレスの熱膨張係数は1.8×10−5/°Cであり、ABS樹脂の熱膨張係数は10×10−5/°Cであるので、伝達棒28の長さと、受け台26の伝達棒28と接する端面とスライダ16との間の距離の比を100:18とすることで、伝達棒28と受け台26からなる変位伝達部の、温度による位置変動を防止できる。
【0020】
光ファイバ12の一端には、レーザダイオード又は発光ダイオード等の発光素子30が配置され、光ファイバ12の他端には、フォトダイオード等の受光素子32が配置される。発光素子30は、連続又はパルス発光して測定光を出力する。発光素子30は、出力パワー一定に制御されている。受光素子32は、光ファイバ12から出力される測定光を電気に変換する。演算装置34は、受光素子32の出力電流から変位又は応力に対する光ファイバ12の損失を計測する。損失と伝達棒26によりスライダ16に印加される変位又は応力との関係を予め計測して、演算装置34のメモリに格納してある。演算装置34は、予め計測したこの関係と、光ファイバ12の損失とから、伝達棒28からの変位又は応力の値を決定する。
【0021】
本実施例の動作を説明する。感知対象物からの変位(又は応力)が無い初期状態では、スライダ16は、コイルバネ24により、ストッパ18とストッパ20の間の位置で静止している。演算装置34は、この時点での受光素子32の出力電流値を無変位と解釈する。
【0022】
感知対象物が変位すると、その変位が伝達棒28及び受け台26を介してスライダ16に伝わり、スライダ16をバネ24に抗して起立部14aに向かって移動させる。スライダ16の移動により、スライダ16と起立部14a間の光ファイバ12が撓み、曲げ損失が発生し、全体の伝送損失が増加する。本実施例では、括れ12aがあることにより、ストレートの光ファイバの場合よりも、曲げ損失が顕著に増加する。スライダ16の微小な移動であっても、受光素子32に入射する光量が大幅に減少する。この結果、受光素子32の出力電流も減少する。演算装置34は、受光素子32の出力電流値の変化から光ファイバ12の損失を算出し、その損失を予め測定した関係に照合して、計測結果としての変位量を出力する。
【0023】
本実施例で、曲げ損失の感度を高めている要因は2つある。括れ12aにおけるモードフィールド径(以下、MFDと称す)の拡大と、微小な曲率の曲げの発生である。
【0024】
図3は、括れ12aの前後の電界強度分布の変化を示す。括れ12aでMFDが最大になる。図3では、光ファイバ12のコア3のみを図示してある。括れ12aでは、光の電界強度分布がクラッドに大きく入りこみ、曲げ損失が生じやすい状態となる。
【0025】
図4は、一般的な単一モード光ファイバ(SMF)について、ファイバ外径とMFDの関係を計算した結果である。コア径を8μm、NA(開口数)を0.12、波長を1.55μmとした。横軸は、ファイバ外径を示し、縦軸は、MFD(μm)とMFD/コア径を示す。曲げ損失は、MFDよりも、MFD/コア径に強く依存する。図4からわかるように、MFD/コア径は、ファイバ外径80μm以下で急激に大きくなる。ファイバ外径60μmにおけるMFDは、コア径の約6倍にもなる。従って、ファイバ外径80μm以下で、効果的な曲げ損失が生じると予想できる。
【0026】
コア径8μm、NA0.12の同一の光ファイバに加熱引っ張りにより4種類の外径の括れを作って、効果を実験により確認した。図5は、その実験結果を示す。波長は、1.55μmで測定した。横軸は曲げ半径(mm)を示し、縦軸は曲げ損失(dB)を示す。括れ12aの外径は、101μm、75μm、65μm及び56μmの4つである。括れ12aの外径101μmでは曲げ損失は殆ど生じないが、80μm以下では効果的な曲げ損失が得られた。56μmでは、20mmの曲率半径で12dBもの大きな曲げ損失が得られた。括れ12aの生成により、コア径も小さくなっている可能性もある。
【0027】
図5から、括れ12aの外径が小さくなるほど、曲げ半径に対して顕著に曲げ損失が増加することが分かる。括れ12aの外径を調節することにより、さまざまな感度をもつセンサを作ることが可能である。
【0028】
曲げ損失型センサでは、効果的な曲げ損失を起こさせる必要がある一方、直線状態での損失が低いことが要求される。一般に、光ファイバを伝播する光のMFDが変化すれば損失が変化し、MFDの変化が急激である程、損失の変化も大きくなる。この点、本実施例では、括れ12aの前後では、コア径が変化するにしても徐々に変化するので、MFDの変化も緩やかである。従って、直線状態又は無負荷状態では、損失を生じにくい。例えば、MFDがdのファイバとdのファイバの結合損失は、
Loss=10log(2d/(d+d))
で算出される。
【0029】
図5で示した括れ12aの外径75μm、65μm及び56μmにおけるMFDと、元の光ファイバ12におけるMFDを上式に当てはめると、損失は各々、-0.33dB、−1.08dB及び−2.64dBとなる。実測値はそれぞれ、−0.21dB、−0.57dBb及び−1.10dBであり、MFDが徐々に変化する効果が認められる。このように、括れ12aを利用したセンサ10は、曲げに対する曲げ損失の変化が大きいが、直線状態での損失が小さい。
【0030】
上述したように、効果的な曲げ損失を生じさせるためのもう一つの要因は、微小な曲率の曲げである。図6(a)は、括れを設けていない光ファイバの直線状態を示し、図6(b)は、縮み方向に外力をかけたときの変形の様子を示す。図7(a)は、括れ12aを設けた光ファイバ12の直線状態を示し、同(b)は、縮み方向に外力をかけたときの変形の様子を示す。
【0031】
図6(b)から分かるように、括れを設けていない場合、光ファイバがほぼ一様に曲がるので、曲率半径が大きい。これに対し、括れを設けた場合、括れの部分で曲率の大きい屈曲が生じるので、僅かな変位に対して大きな曲率半径、即ち大きな曲げ損失を得ることができる。
【0032】
括れ12aにおける局所的な屈曲がどの程度起きるかは、起立部14aとスライダ16との間の光ファイバ12の長さに強く依存すると考えられる。この意味で、起立部14aとスライダ16の光ファイバ12が、センサ部となる。図8は、括れ12aの外径が78μmのファイバを使い、センサ部の長さに対する変位と曲げ損失の関係を調べた実験結果を示す。図8の横軸は変位(mm)を示し、縦軸は、曲げ損失(dB)を示す。図8から、センサ部の長さを変えることにより、様々な感度のセンサが得られることが分かる。
【0033】
図8から、センサ部の長さ10mmで極度に感度が上がっているようにみえる。これを確かめるために、0.1mmの変位で発生する曲げ損失をセンサ部の長さに対して計測した。図9は、その計測結果を示す。図9で、横軸はセンサ部の長さ(mm)を示し、縦軸は、曲げ損失(dB)を示す。図9から明らかなように、センサ部の長さが10mmで極端に感度が上がり、100μmの変位で4.7dBもの大きな曲げ損失が発生している。通常のパワーメータの測定分解能0.01dBに相当する変位は0.21μmであり、図9は、本実施例によりこの程度の微細な測定分解能を得られることを示している。極端に曲げ損失が大きくなった理由は、括れ12aで起こる曲率の小さい屈曲がセンサ部の長さ10mm以下で起こるためと考えられる。
【0034】
以上、説明したように、本実施例により、極めて高感度な変位センサを実現できる。また、目的に応じてダイナミックレンジと測定感度を広範囲に調節できる。また、バネ24の弾性定数を校正しておけば、そのまま圧力センサとして使用できる。また、応力を変位に変換して感知することで、応力センサを実現できる。
【0035】
伝達棒26でスライダ16を押す代わりに、バネ心棒22の、起立部14a側の端部を、例えばテンションワイヤ等で、引っ張るようにしても良い。このような構成も、請求項にいう伝達部材となりうる。この観点では、本実施例は、張力センサとなりうる。
【0036】
発光素子30の出力光を光カップラで複数に分割することにより、複数のセンサ10に同時に測定光を供給できる。即ち、複数地点の変位を同時に一括して測定できる。
【実施例2】
【0037】
図10は、温度センサとして使用される本発明の第2実施例の概略構成を示す側面図である。温度センサ110は、第1実施例と同様に、光ファイバ112の伝送損失の変化により温度を計測する。光ファイバ112は、部分的に細くした括れ112aを具備する。括れ112aを挟むように、光ファイバ112は、括れ112aの片側でベース114の起立部114aに軸方向に移動可能に保持され又は固定され、括れ112aの反対側で、ベース114の別の起立部114bに軸方向に移動可能に保持され又は固定される。
【0038】
ベース114上で括れ112aと起立部114aとの間にファイバ固定台116が置かれ、ファイバ固定台116はその一端面で起立部114aに接着されている。同様に、ベース114上で括れ112aと起立部114bとの間にファイバ固定台118が置かれ、ファイバ固定台118はその一端面で起立部114bに接着されている。光ファイバ112は、ファイバ固定台116,118に接する全面でファイバ固定台116,118に接着固定されている。
【0039】
周囲温度により、ベース114に対して相対的にファイバ固定台116,118が伸長すると、光ファイバ112は、括れ112aにおいて軸方向の収縮力をファイバ固定台116,118から受ける。逆に、周囲温度によりベース114に対して相対的にファイバ固定台116,118が収縮すると、光ファイバ112は、括れ112aにおいて軸方向の引張り力をファイバ固定台116,118から受ける。ベース114とファイバ固定台116,118の熱膨張係数の差は大きいのが望ましい。例えば、熱膨張係数が1.1×10−6/°Cのアンバー合金と、23.6×10−6/°Cのアルミニウムの組み合わせなどを選択できる。
【0040】
光ファイバ112のセンサ部を保護するために、起立部114a,114bにわたる蓋120を被せる。蓋120は、ベース114と同じ素材からなる。
【0041】
光ファイバ112の一端には、発光ダイオード等の発光素子130が配置され、光ファイバ112の他端には、フォトダイオード等の受光素子132が配置される。発光素子130は、連続又はパルス発光して、測定光を出力する。発光素子130は、出力パワー一定に制御されている。受光素子132は、光ファイバ112から出力される測定光を電気に変換する。演算装置134は、受光素子132の出力電流から光ファイバ112の損失を計測する。周囲温度と光ファイバ112の損失との関係を予め測定して、演算装置134のメモリに格納してある。演算装置134は、予め測定したこの関係と、受光素子132の出力電流から得られる損失とから、周囲温度を決定する。
【0042】
ベース114をアンバー合金とし、ファイバ固定台116,118をアルミニウムとした場合の動作を説明する。起立部114a,114b間の内寸を3cm,ファイバ固定台116,118の長さを1cm、ファイバ固定台116,118の間の間隔を1cmとする。
【0043】
この寸法条件でセンサ110の周囲温度を上昇させると、ファイバ固定台116,118と光ファイバ112の伸びが、括れ112aに曲げを与えるように作用する。しかし、ベース114は、固定台116,118に比べて伸びが小さいので、固定台116,118に対して相対的に縮むように作用する。石英ファイバの熱膨張係数は5.5×10−7/°Cである。従って、温度上昇により差し引き約0.44μm/°Cの変位が発生する。この変位が光ファイバ112を括れ112aの部分で屈曲させて、曲げ損失を増加させる。
【0044】
曲げ損失の増加により、受光素子132の入射光量が減少する。演算装置134は、受光素子132の出力電流の減少に対応する温度を出力する。
【0045】
図10に示す構成の温度センサ110で実際に温度を計測した結果を図11に示す。横軸は周囲温度(°C)を示し、縦軸は曲げ損失(dB)と曲げ損失(%)を示す。この実験では、ベース114を鉄、ファイバ固定台116,118を樹脂とした。これらの熱膨張係数の差による変位量は、約1.3μm/°Cである。センサ部の長さ、即ち、ファイバ固定台116,118間の距離は8mmとした。
【0046】
図11に示すように、20°Cの温度上昇(26μmの変位)に対して2.55dB(44.4%)の大きな曲げ損失を生じた。受光系の測定分解能0.01dBを考慮すると、これは、温度で0.08°Cの分解能、変位では0.1μmの分解能に相当し、極めて高感度である。
【0047】
本実施例では、本質的に光ファイバ112に軸方向に圧縮力を作用させることによる曲げ損失の増加で、温度を計測する。上記実施例では、低熱膨張率の材料と高熱膨張率の材料を組み合わせることで、温度上昇で光ファイバ112に圧縮力を作用させることができ、かつまた、初期温度で光ファイバ112を無負荷状態にできる。
【0048】
例えば、温度低下を測定する場合には、ファイバ固定台116,118を省略し、光ファイバ112をベース114の起立部114a,114bに固定しても良い。起立部114a,114bで光ファイバ112をベース114に固定せずに,括れ112aとその周囲を除いて、ベース114を光ファイバ112に固着しても良い。この場合、ベース114の熱収縮により括れ112aの部分で曲げが発生する。この曲げによる損失増加で温度低下を計測でき、初期温度で光ファイバ112を無負荷状態にできる。熱収縮による長さの変化が大きいほど、曲げ損失が大きくなり、温度検出感度が向上する。
【0049】
発光素子130の出力光を光カップラで複数に分割することにより、複数のセンサ110に同時に測定光を供給できる。即ち、複数地点の温度を同時に一括して測定できる。
【実施例3】
【0050】
上記実施例では、光ファイバ12,112を透過する光量で光ファイバ12,112の損失を測定したが、後方散乱光の光強度を測定することでも、光ファイバ12,112の損失、特に、光ファイバ12,112の括れ12a,112aの部分の損失を測定できる。これを利用すると、センサ10,110をシリアルに配置して、複数箇所の変位又は温度を一括して測定できる。
【0051】
図12は、図1に示すセンサ10を使って、複数箇所の変位等を一括して測定するシステムの実施例の概略構成図を示す。図1と同じ構成要素には同じ符号を付してある。
【0052】
発光ダイオード等の発光素子40は、パルス発光して測定光を出力する。その測定光は、光カップラ42を介して光ファイバ12に入力する。光ファイバ12の光軸上には複数のセンサ10a,10b,10c,・・・が配置されている。各センサ10a,10b,10cは、図1に示すセンサ10と同じ構成からなる。各センサ10a,10b,10cの伝達棒28の先端は、感知対象物に固定されている。
【0053】
光ファイバ12の後方散乱光は、その一部が光カップラ42により分岐されて、受光素子44に入射する。受光素子44は、光カップラ42からの後方散乱光を電気に変換する。公知のOTDR(Optical Time DomainReflectmetry)技術に従い、受光素子32の出力電流値の時間変化は、光ファイバ12の軸方向での損失の変化を示す。演算装置46は、受光素子32の出力電流値の時間変化から各センサ10a,10b,10cの括れ12aにおける損失を決定する。そして、演算装置46は、演算装置34と同様に、決定された損失から、各センサ10a,10b,10cが感知した変位等を決定する。
【0054】
このように、本実施例では、1本の光ファイバ12上にシリアルにセンサ10を配置することで、複数の点の変位等を一括して測定することができる。
【0055】
図12に示す構成は、図10に示す温度センサ110にも適用可能である。即ち、1本の光ファイバ112上にシリアルに図10に示す温度センサ110を配置することで、複数の点の温度を一括して測定できる。
【実施例4】
【0056】
光ファイバ12,112の一端に反射器を配置し、測定光がセンサ10,110を往復するようにしてもよい。これにより、感度が2倍になる。
【0057】
図13は、そのように変更した実施例の概略構成ブロック図を示す。発光ダイオード等の発光素子50は、連続又はパルス発光して測定光を出力する。その測定光は、光カップラ52を介して光ファイバ12に入力する。光ファイバ12の上にはセンサ10が配置されている。センサ10の伝達棒28の先端は、感知対象物に固定されている。
【0058】
光ファイバ12の反対端は、適当な反射率の反射器58で終端されている。従って、センサ10を減衰した測定光は、反射器58で反射され、再度、センサ10に入射する。センサ10に再入射した測定光は、センサ10で再度、減衰し、光カップラ52に入射する。光カップラ52は、センサ10からの反射測定光の一部を受光素子54に供給する。受光素子54は、光カップラ52からの測定光を電気に変換する。演算装置56は、受光素子44の出力電流によりセンサ10からの反射測定光の強度変化を決定する。この強度変化が、光センサ10における損失を示す。演算装置56は、決定された損失からセンサ10が感知した変位等を決定する。
【0059】
このようにして、本実施例では、光の入出力を一本の光フアイバで行なえる。更には、測定光がセンサ10を往復するので、感度が2倍になるという利点がある。
【0060】
センサ10の代わりに、図10に示す温度センサ110を配置できることは明らかである。
【実施例5】
【0061】
図14は、図13に示す実施例を発展させた実施例の概略構成ブロック図を示す。
【0062】
発光ダイオード等の発光素子60は、パルス発光して測定光を出力する。その測定光は、光カップラ62を介して光ファイバ64に入力する。光ファイバ64上には、複数の2分岐の光分岐カップラ66−1,66−2,66−3がシリアルに配置されている。各光分岐カップラ66−1,66−2,66−3で分岐された測定光は、それぞれ、分岐光ファイバ12−1,12−2、12−3,12−4に入射する。分岐光ファイバ12−1,12−2、12−3,12−4上には、それぞれ、センサ10−1,10−2,10−3,10−4が配置されている。各センサ10−1,10−2,10−3,10−4は、図1に示すセンサ10と同じ構成からなり、分岐光ファイバ12−1,12−2、12−3,12−4は、光ファイバ12に対応する。各センサ10−1〜10−4の伝達棒28の先端は、感知対象物に固定されている。
【0063】
各分岐光ファイバ12−1,12−1,12−3,12−4の反対端は、適当な反射率の反射器68−1,68−2,68−3,68−4で終端されている。従って、各センサ10−1〜10−4を減衰した測定光は、反射器68−1〜68−4で反射され、再度、センサ10−1〜10−4に入射する。センサ10−1〜10−4に再入射した測定光は、センサ10−1〜10−4で再度、減衰し、光カップラ66−1,66−2,66−3に入射する。光カップラ66−1,66−2,66−3は、センサ10−1〜10−4からの各反射測定光を光ファイバ64に供給する。各反射測定光は、光カップラ62を介して受光素子70に入射する。受光素子70は、光カップラ62からの反射測定光を電気に変換する。演算装置72は、演算装置56と同様に、受光素子70の出力電流により各センサ10−1〜10−4からの反射測定光の強度変化を決定し、強度変化から損失を決定し、決定した損失から各センサ10−1〜10−4が感知した変位等を決定する。
【0064】
発光素子60から各センサ10−1〜10−4までの光ファイバ64,12−1〜12−4を介した距離を互いに異なるようにしておき、予め測定しておく。演算装置72は、発光素子60からの測定光の光ファイバ64への入射から、反射測定光の受光素子70への入射までの時間から、各反射測定光がどの光センサ10−1〜10−4からのものかを識別できる。演算装置72は、各センサ10−1〜10−4からの反射測定光の強度変化から、各センサ10−1〜10−4における損失を分離して測定でき、各センサ10−1〜10−4における変位を決定できる。演算装置72には、OTDRの測定技術を利用できる。
【0065】
このようにして、本実施例では、光の入出力を一本の光フアイバで行なえる。更には、測定光がセンサ10を往復するので、感度が2倍になるという利点がある。更には、複数の地点の変位等を一括して測定できる。
【0066】
2分岐の光分岐カップラ66−1〜66−3をシリアルに接続することで、数kmにわたる長距離の範囲の多地点を一括して測定できる。何れかの光ファイバセンサが故障しても、全部が使用不可になることはない。勿論、各光分岐カップラ66−1〜66−3の分岐比と反射器68−1〜68−4の反射率を適切に設定する。
【0067】
センサ10の代わりに、図10に示す温度センサ110を配置できることは明らかである。
【0068】
配置可能なセンサの数は、例えば、以下のように計算される。受光素子70から見てn番目のセンサ10−nからの反射測定光の損失は、光カップラ62の分岐損、センサ10−nにおける曲げ損、光分岐カップラ66−1〜66−nの往復損、及び、光ファイバ12の往復損の和からなる。
【0069】
光分岐カップラ66−1〜66−3の分岐比を99:1、最大曲げ損を10dB、ファイバ損失を0.2dB/km、光ファイバ12の距離50m、反射率調整ミラー68−1〜68−4の反射率を100%とする。この場合、最大曲げ損失が起きた場合に、反射測定光の損失(dB)は、
−50−0.107×(n−1)
となる。発光素子60のレーザ出力を0dBm、受光素子70の最低受光レベルを−60dBmとすると、最低受光レベルを下回るのは93番目のセンサである。マージンをみても、50台以上のセンサを設置できる。受光側のダイナミックレンジが広ければ、さらに台数は増加する。
【0070】
FBG型センサで1ラインに配置可能なセンサ数は実質5〜6個であり、本システムの配置数は1桁以上多く、その分、センサあたりの単価を下げることができる。また、1ラインあたりのセンサの設置可能台数が多いので、敷設時には全ての光ファイバ12−1〜12−4にセンサを接続せず、必要に応じて随時、センサを増やすといった実用上の利便性もある。
【0071】
この試算のように、光分岐カップラ66−1〜66−3の分岐比と反射器66−1〜66−4の反射率を固定すると、遠方から戻る光ほど弱くなるが、遠方にいくに従って、光分岐カップラ66−1〜66−3の分岐比又は反射器66−1〜66−4の反射率を調整すれば、各センサから同程度の強度の反射測定光が戻るようにすることもできる。
【0072】
特定の説明用の実施例を参照して本発明を説明したが、特許請求の範囲に規定される本発明の技術的範囲を逸脱しないで、上述の実施例に種々の変更・修整を施しうることは、本発明の属する分野の技術者にとって自明であり、このような変更・修整も本発明の技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1実施例の概略構成を示す側面図を示す。
【図2】第1実施例の平面図である。
【図3】括れ12aの前後の電界強度分布の変化を示す模式図である。
【図4】単一モード光ファイバ(SMF)について、ファイバ外径とMFDの関係の計算結果を示す図である。
【図5】括れ12aの効果を確認する実験結果を示すグラフである。
【図6】括れを設けていない光ファイバに縮み方向の外力をかけたときの変形の様子を示す模式図である。
【図7】光ファイバ12に縮み方向の外力をかけたときの変形の様子を示す模式図である。
【図8】変位と曲げ損失の関係の実験結果である。
【図9】センサ部の長さと損失の関係の実験結果である。
【図10】本発明の第2実施例の概略構成を示す側面図である。
【図11】第2実施例による温度計測結果の一例である。
【図12】図1に示すセンサ10を使うセンサシステムの実施例の概略構成部ブロック図を示す。
【図13】センサシステムの別の実施例の概略構成ブロック図である。
【図14】センサシステムの更に別の実施例の概略構成ブロック図である。
【符号の説明】
【0074】
10:応力変位センサ
10a,10b,10c:センサ
10−1,10−2,10−3,10−4:センサ
12,12−1〜12−4:光ファイバ
12a:括れ
14:ベース
14a:起立部
16:スライダ
18,20:ストッパ
22:バネ心棒
24:コイルバネ
26:受け台
26a:溝
28:伝達棒
30:発光素子
32:受光素子
34:演算装置
40:発光素子
42:光カップラ
44:受光素子
46:演算装置
50:発光素子
52:光カップラ
54:受光素子
56:演算装置
58:反射器
60:発光素子
62:光カップラ
64:光ファイバ
66−1,66−2,66−3:光分岐カップラ
68−1〜68−4:反射器
70:受光素子
72:演算装置
110:温度センサ
112:光ファイバ
112a:括れ
114:ベース
114a,114b:起立部
116,118:ファイバ固定台
120:蓋
130:発光素子
132:受光素子
134:演算装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部分的に細くなった括れ部(12a,112a)を具備する光ファイバ(12,112)と、
計測物理量に応じた曲げを当該括れ部(12a,112a)に与える曲げ付勢手段(16,26,28;116,118)
とを備えることを特徴とする光ファイバセンサ。
【請求項2】
当該曲げ付勢手段が、
当該括れ部(12a)の一側で当該光ファイバ(12)を固定的に保持する保持部材(14a)と、
当該括れ部(12a)の他側で当該光ファイバ(12)を固定的に保持し、当該光ファイバ(12)の軸方向に可動の可動部材(16)と、
当該可動部材(16)を所定の初期位置に付勢する付勢部材(24)と、
当該計測物理量である変位に応じて、当該可動部材(16)を当該保持部材(14a)に向けて移動させる伝達部材(26,28)
とを具備し、
当該光ファイバセンサが変位センサである
ことを特徴とする光ファイバセンサ。
【請求項3】
当該伝達部材が、第1の熱膨張率の第1の部材(28)と、当該第1の熱膨張率よりも高い第2の熱膨張率を有し、当該第1及び第2の熱膨張率の比に応じて当該第1の部材(28)よりも短い長さの第2の部材(26)とからなり、当該第1及び第2の部材が、当該第1の部材(28)の熱膨張を当該第2の部材(26)の熱膨張で相殺するように結合されていることを特徴とする請求項2に記載の光ファイバセンサ。
【請求項4】
当該曲げ付勢手段が、
当該括れ部(112a)の一方の側で当該光ファイバ(112)を固定的に保持する第1のファイバ固定台(116)と、
当該括れ部(112a)の他方の側で当該光ファイバ(112)を固定的に保持する第2のファイバ固定台(118)と、
当該第1及び台2のファイバ固定台(116,118)を固定的に保持するベース(114)
とを具備し、
当該光ファイバセンサが温度センサである
ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバセンサ。
【請求項5】
当該第1及び第2の光ファイバ固定台(116,118)が、同じ熱膨張率の材料からなることを特徴とする請求項4に記載の光ファイバセンサ。
【請求項6】
当該ベース(114)の熱膨張率が、当該第1及び第2の光ファイバ固定台(116,118)の熱膨張率とは異なることを特徴とする請求項4又は5に記載の光ファイバセンサ。
【請求項7】
当該曲げ付勢手段が、
当該括れ部(112a)を挟む第1及び第2保持部(114a,114b)で当該光ファイバ(112)を保持するベース(114)と、
当該括れ部(112a)と当該ベース(114)の当該第1の保持部(114a)との間に配置され、当該第1の保持部(114a)と当該光ファイバ(112)とに固着される第1のファイバ固定台(116)と、
当該括れ部(112a)と当該ベース(114)の当該第2の保持部(114b)との間に配置され、当該第2の保持部(114b)と当該光ファイバ(112)とに固着される第2のファイバ固定台(118)
とを具備し、
当該光ファイバセンサが温度センサである
ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバセンサ。
【請求項8】
当該曲げ付勢手段が、当該括れ部(112a)を挟む第1及び第2保持部(114a,114b)で当該光ファイバ(112)を固定的に保持し、当該計測物理量である温度により伸縮するベース(114)からなり、
当該光ファイバセンサが温度センサである
ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバセンサ。
【請求項9】
計測物理量に応じて損失が変化する光ファイバセンサ(10)と、
当該光ファイバセンサに供給すべき測定光を発生する発光手段(30,40,50)と、
当該光ファイバセンサで当該計測物理量による損失を受けた測定光を受光する受光手段(32,44,54)と、
当該受光手段の出力に従い当該計測物理量を示す情報を演算する演算手段(34,46,56)
を備えることを特徴とするセンサシステム。
【請求項10】
複数の当該光ファイバセンサ(10a,10b,10c)がシリアルに接続されていることを特徴とする請求項9に記載のセンサシステム。
【請求項11】
当該演算手段が、OTDR測定装置(46)であることを特徴とする請求項10に記載のセンサシステム。
【請求項12】
更に、当該光ファイバセンサを透過した光を反射して当該光ファイバセンサに戻す反射器(58)を具備することを特徴とする請求項9に記載のセンサシステム。
【請求項13】
当該光ファイバセンサが請求項1乃至8の何れか1項に記載の光ファイバセンサであることを特徴とする請求項9乃至12の何れか1項に記載のセンサシステム。
【請求項14】
計測物理量に応じて損失が変化する複数の光ファイバセンサ(10−1〜10−4)と、
当該複数の光ファイバセンサ(10−1〜10−4)のそれぞれを透過した光を反射して当該光ファイバセンサに戻す複数の反射器(68−1〜68−4)と、
測定光を発生する発光手段(60)と、
当該測定光を分割し、分割された各測定光を当該複数の光ファイバセンサのそれぞれに供給する光分波器(66−1〜66−3)と、
当該反射器により当該各光ファイバセンサを往復した当該測定光を受光する受光手段(70)と、
当該受光手段(70)の出力に従い、複数の光ファイバセンサ(10−1〜10−4)における当該計測物理量を示す情報を演算する演算手段(72)
とを備えることを特徴とするセンサシステム。
【請求項15】
当該光分波器が、シリアルに接続された複数の2分岐光カップラからなることを特徴とする請求項14に記載のセンサシステム。
【請求項16】
当該光ファイバセンサが請求項1乃至8の何れか1項に記載の光ファイバセンサであることを特徴とする請求項14又は15に記載のセンサシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−24527(P2007−24527A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−203093(P2005−203093)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【出願人】(300053656)ファイバーラボ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】