説明

光ファイバ接続用補助具、及びメカニカルスプライスユニット

【課題】一方の光ファイバの余長がかなり短い場合でも、メカニカルスプライスによる光ファイバ接続を可能とする。
【解決手段】光ファイバ接続用補助具であるスライダ12は、メカニカルスプライス2を保持するメカニカルスプライス保持部を有し、第1の光ファイバと接続しようとする第2の光ファイバを固定した接続工具に形成される案内部に沿ってスライド可能な被案内部12aを有する。メカニカルスプライス2を保持したスライダ12を、位置を固定された第2の光ファイバ4に向けて前進させるだけで、第1の光ファイバ3と第2の光ファイバ4とが突合せ接続される。第2の光ファイバ4は動かさないので、第2の光ファイバ4が短余長であってもメカニカルスプライス2による光ファイバ接続が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、メカニカルスプライスにより光ファイバ同士を突合せ接続する際に用いる光ファイバ接続用補助具、及びメカニカルスプライスユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
メカニカルスプライスは一般に、光ファイバガイド溝を有するベースと前記ベースに被せられる蓋体と前記ベースと蓋体とを互いに合せた状態でクランプする板バネとを備えた構成であり、光ファイバ同士を光接続する際には、クサビ部材により蓋を僅かに開いた状態でメカニカルスプライスの一端側から光ファイバガイド溝(以下、場合により単にガイド溝という)に挿入した光ファイバと、他端側からガイド溝に挿入した光ファイバとをガイド溝上で突合せ接続する。
このメカニカルスプライスによる光ファイバ接続を行う場合、一般にメカニカルスプライス用接続工具を用いる。
従来は、図21に模式的に示した接続工具81のように、中央部にメカニカルスプライス2を固定するメカニカルスプライス固定部83を設け、その両側に光ファイバホルダ84、85をそれぞれスライド可能に案内する光ファイバホルダ案内部86、87を設けた構成であり、光ファイバ88、89同士の光ファイバ接続の際には、一方の光ファイバ88を保持した光ファイバホルダ84、及び他方の光ファイバ89を保持した光ファイバホルダ85を両側からそれぞれメカニカルスプライス2に向けて矢印のようにスライドさせることで、保持した光ファイバ88、89をメカニカルスプライス2のガイド溝内で突合せ接続する。
特許文献1に記載された接続工具も、図21の接続工具と同様に、メカニカルスプライスに対して両側の光ファイバホルダをメカニカルスプライスに向けてスライドさせる構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−71999
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、新たなユーザ家屋に光回線を導入するに際して、架空の光通信線路の光クロージャからユーザ家屋にドロップケーブルを引き落とす場合、光クロージャにおいて光ファイバ幹線から適宜の光ファイバを取り出して切断し、切断点の局側の光ファイバに光コネクタを取り付け、ドロップケーブル側の光コネクタと光接続するが、後に解約などでその光回線が不使用になった場合、その不使用になった光回線を活かすには、切断点の前記局側の光ファイバとその反対側の光ファイバとを再接続することが必要となる。
その際、ドロップケーブルの光コネクタと接続していた局側光コネクタと、前記光回線導入時の切断点の局と反対側の光ファイバとを光接続する必要がある。
この場合、一端側に光コネクタを取り付けた中継ぎ用の光コネクタ付き光ファイバを用い、光コネクタ付き光ファイバの光コネクタ(中継ぎ用の光コネクタ)と前記局側光コネクタとをコネクタ接続し、光コネクタ付き光ファイバの光ファイバ(中継ぎ用の光ファイバ)と前記切断点の局側と反対側の光ファイバとをメカニカルスプライスにより接続する場合がある。
このような場合、前記切断点の局側と反対側の光ファイバは、光クロージャ内に余長として延出している長さが例えば8cm程度などと短いので、メカニカルスプライスによる光ファイバ接続は極めて作業性が悪い、あるいは困難であるという問題がある。
【0005】
上記従来の接続工具81で、上記のように光ファイバの余長が少ない状況でのメカニカルスプライスによる光ファイバ接続を行なう場合、極めて作業性が悪い。
すなわち、光ファイバホルダ側をスライドさせる構造では、そのスライドさせる距離を考慮すると、接続工具81の長手方向寸法が例えば140mmなどと大きさサイズとなるので、この接続工具81を用いて、前述した光クロージャ内で余長が80mm程度という短余長の光ファイバをメカニカルスプライスで突合せ接続することは困難である。
また、保持した光ファイバの余長が短いので、その短余長の光ファイバを保持した光ファイバホルダを動かす操作自体の作業性が悪い。このため、そのような短余長の光ファイバをメカニカルスプライスで接続可能にすることが望まれている。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、接続しようとする光ファイバのうちの一方の光ファイバの余長がかなり短い場合でも、メカニカルスプライスによる光ファイバ接続を可能とする光ファイバ接続用補助具、及びメカニカルスプライスユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する請求項1の発明の光ファイバ接続用補助具は、ベースと蓋体との二つ割構造で両者の合せ面に光ファイバガイド溝が形成され前記蓋体の一端側に第1の光ファイバを把持し蓋体の他端側を開いた状態としたメカニカルスプライスを保持するメカニカルスプライス保持部を有し、前記第1の光ファイバと接続しようとする第2の光ファイバを固定した接続工具に形成される案内部に沿ってスライド可能な被案内部を有することを特徴とする。
【0008】
請求項2は請求項1の光ファイバ接続用補助具において、前記第1の光ファイバのメカニカルスプライスから後方に延出する部分を収容するためのケースを前記メカニカルスプライス保持部に取り付けたことを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明のメカニカルスプライスユニットは、ベースと蓋体との二つ割構造で両者の合せ面に光ファイバガイド溝が形成され前記蓋体の一端側に第1の光ファイバを把持し蓋体の他端側を開いた状態としたメカニカルスプライスと、このメカニカルスプライスをメカニカルスプライス保持部に保持した請求項1の光ファイバ接続用補助具とからなることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明のメカニカルスプライスユニットは、ベースと蓋体との二つ割構造で両者の合せ面に光ファイバガイド溝が形成され前記蓋体の一端側に第1の光ファイバを把持し蓋体の他端側を開いた状態としたメカニカルスプライスと、このメカニカルスプライスを前記メカニカルスプライス保持部に保持した請求項1の光ファイバ接続用補助具と、前記光ファイバ接続用補助具に先端部を固定されてメカニカルスプライスから後方に延出する第1の光ファイバを収容するケースとからなることを特徴とする。
【0011】
請求項5は請求項3又は4記載のメカニカルスプライスユニットにおいて、前記メカニカルスプライスに、当該メカニカルスプライスの蓋体の他端側を開いた状態とするクサビを取り付けたことを特徴とする。
【0012】
請求項6は、請求項5のメカニカルスプライスユニットにおいて、前記クサビを、前記光ファイバ接続用補助具の両側の壁部に係脱可能に係合する係合爪を持つクサビユニットに取り付けたことを特徴とするニット。
【0013】
請求項7は、請求項3〜6のいずれか1項のメカニカルスプライスユニットにおいて、 前記第1の光ファイバが、メカニカルスプライスへの挿入側と反対端に光コネクタを取り付けた光コネクタ付き光ファイバであることを特徴とする。
【0014】
請求項8は、請求項4のメカニカルスプライスユニットにおいて、メカニカルスプライスの一端側部分もケース内に収容されていることを特徴とする。
【0015】
請求項9は、請求項3〜8のいずれか1項のメカニカルスプライスユニットにおいて、第1光ファイバがホーリーファイバであることを特徴とする。
【0016】
請求項10は、請求項1又は2記載の光ファイバ接続用補助具において、前記メカニカルスプライス保持部の前端部に、第2の光ファイバを導入する導入口に向けて第2の光ファイバを円滑に導入するための半円錐面状の案内面を設けたことを特徴とする。
【0017】
請求項11は、請求項1、2又は10のいずれかの光ファイバ接続用補助具において、前記メカニカルスプライス保持部を形成する両側の側壁部の外面に突部を備え、この突部が、接続工具側に設けられた光ファイバ接続用補助具係合片に形成された係合凹所に係合することで、光ファイバ接続用補助具が接続工具側に固定されるようになっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の光ファイバ接続用補助具によれば、そのメカニカルスプライス保持部に第1の光ファイバを把持したメカニカルスプライスを保持して、当該光ファイバ接続用補助具を案内する案内部を設けた接続工具の前記案内部に沿ってスライドさせるだけで、接続工具に固定した第2の光ファイバとの突合せ接続を行うことができる。
また、メカニカルスプライスを直接スライドさせるのでなく光ファイバ接続用補助具をスライドさせることで、メカニカルスプライスを精度よく直線的にかつ円滑に前進させることができ、メカニカルスプライス側を移動させて光ファイバどうしの突合せ接続する接続方法が円滑に行なわれる。
このように、第2の光ファイバを動かす必要がないので、第2の光ファイバの余長が短くても、特に問題なくメカニカルスプライスによる突合せ接続を行うことができ、第2の光ファイバの余長が短いことで作業性が悪い、あるいは困難であるという問題は解消される。
また、短余長の光ファイバを動かす操作は作業性が悪いが、突合せ接続時に第2の光ファイバは位置固定なので、この点でも作業性が悪い問題は解消される。
【0019】
請求項2のように、第1の光ファイバを収容するケースを取り付けた光ファイバ接続用補助具によれば、メカニカルスプライスから延出している第1の光ファイバが作業の支障になることがなく、光ファイバ接続作業の作業性が向上する。
【0020】
請求項3のように、光ファイバ接続用補助具にメカニカルスプライスを取り付けたメカニカルスプライスユニットによれば、施工現場で光ファイバ接続を行なう際に、メカニカルスプライスユニットをそのまま接続工具の前記案内部に沿ってスライドさせるだけで第2の光ファイバとの突合せ接続を行うことができるので、施工現場での作業性が向上する。
【0021】
請求項4のように、光ファイバ接続用補助具にメカニカルスプライスを取り付けかつケースを取り付けたメカニカルスプライスユニットによれば、施工現場で光ファイバ接続を行なう際に、メカニカルスプライスから延出している第1の光ファイバが作業の支障になることがなく、メカニカルスプライスユニットをそのまま接続工具の前記案内部に沿ってスライドさせるだけで第2の光ファイバとの突合せ接続を行うことができるので、施工現場での光ファイバ接続作業が極めて簡単になり、短余長の光ファイバの接続の作業性が向上することと相俟って、現場施工の作業性が大きく向上する。
また、メカニカルスプライスユニットという単体部品として扱うことができ、接続作業をする段階だけでなく、部品の管理、現場への持ち込みその他、種々の面での煩雑さがなく取り扱いが容易であり、種々の場面で能率が向上する。
【0022】
請求項5のように、メカニカルスプライスに予めクサビが取り付けられていることで、施工現場での作業性が向上する。
また、請求項6のように、クサビを、光ファイバ接続用補助具の両側の壁部に係脱可能に係合する係合爪を持つクサビユニットに取り付けた構造により、クサビの操作が容易になる。
【0023】
請求項7のように、第1の光ファイバが光コネクタ付き光ファイバである場合、光クロージャ内における、ユーザ家屋への光回線導入の際に切断した光ファイバの局側光ファイバに取り付けられた光コネクタと、切断点の局側と反対側の短余長の光ファイバとの接続に適用すると、一方の光ファイバの余長が短く済むという本発明の効果が極めて有効に活かされる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施例の光ファイバ接続用補助具を用いて、メカニカルスプライスによる光ファイバ同士の突合せ接続を行った状態の斜視図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の正面図である。
【図4】図2の接続工具近傍の拡大図である。
【図5】図4の正面図である。
【図6】図5の右側面図である。
【図7】図2のA−A断面図である。
【図8】図7の接続工具近傍の拡大図である。
【図9】図7における光コネクタ付き光ファイバの光コネクタ近傍の拡大図である。
【図10】上記実施例で用いるメカニカルスプライスを示すもので、(a)は正面図、(b)は拡大した右側面図、(c)は(b)のB−B断面図である。
【図11】図1等における接続工具とスライダと光ファイバホルダとのみを示した斜視図である。
【図12】図11における接続工具の平面図である。
【図13】(a)は図12のC−C断面図、(b)は同D−D断面図である。
【図14】図11におけるスライダの平面図である。
【図15】図14の正面図である。
【図16】クサビユニットのスライダへの取り付け状況を説明する図である。
【図17】本発明の一実施例の光ファイバ接続工法及びメカニカルスプライス用接続工具を用いてメカニカルスプライスによる第1の光ファイバと第2の光ファイバとを突合せ接続する際の工程を説明するもので、準備段階を終えて突合せ接続する際の初期の状態を示す斜視図である。
【図18】図17の段階に続いて、光ファイバホルダを接続工具に装着した状態の斜視図である。
【図19】図18の段階に続いて、ケースとともにスライダに固定したクサビ付きメカニカルスプライスを接続工具にセットした状態の斜視図である。
【図20】図19の段階に続いて、ケースとともにスライダに固定したクサビ付きメカニカルスプライスを接続工具上をスライドさせて内蔵の第1の光ファイバと、光ファイバホルダで保持された第2の光ファイバとを突合せ接続した状態の斜視図(図1の状態)である。
【図21】従来の一般的なメカニカルスプライス用接続工具及びその使用状態を簡略化して示したもので、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施した光ファイバ接続用補助具、メカニカルスプライスユニット、及び光ファイバ接続工法について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0026】
図1〜図3は本発明の一実施例の光ファイバ接続用補助具12を用いて、メカニカルスプライス2による光ファイバ同士の突合せ接続を行った状態(但し作業終了ではない)を示すもので、図1は斜視図、図2は平面図、図3は正面図である。図4は図2における接続工具近傍の拡大図、図5は図4の正面図、図6は図5の右側面図である。また、図7は図2のA−A断面図、図8は図7における接続工具近傍の拡大図、図9は図7における光コネクタ付き光ファイバの光コネクタの近傍の拡大図である。
【0027】
この光ファイバ接続用補助具12は、メカニカルスプライス2により第1の光ファイバ3と第2の光ファイバ4とを突合せ接続する際に用いるもので、例えば、前述したように、光通信線路に設けられた光クロージャにおいて、特に突合せ接続される一方の光ファイバの余長が短い場合に極めて有効な光ファイバ接続用補助具である。
【0028】
対象とするメカニカルスプライスは一般的ものであり、図10(a)、(b)、(c)にも示すように、光ファイバガイド溝(以下、場合により単にガイド溝という)6を有するベース7と、前記ベース7に被せられる蓋体8と、前記ベース7と蓋体8とを互いに合せた状態でクランプするC形板バネ9とからなる。なお、光ファイバガイド溝はベース7又は蓋体8の少なくとも一方に形成されていればよい。6aは0.125mm径の裸ファイバを収納する溝、6bは0.25mm径の被覆部分を収納する溝である。
なお、この実施例では対象とする第1の光ファイバ3及び第2光ファイバ4はいずれも、0.125mmφの裸ファイバに0.25mmφのUV樹脂被覆を施し、その上に0.5mmφのUV樹脂被覆を施した光ファイバ心線である。各図面ではそれらの区別を明示していないが、メカニカルスプライス2の入口までは0.5mmφの光ファイバ心線、メカニカルスプライス2内のガイド溝6bの部分は0.25mmφの光ファイバ心線、ガイド溝6aの部分は0.125mm径の裸ファイバである。
図示例のメカニカルスプライス2は、蓋8が一端側(第1の光ファイバ3が挿入される側)の分割蓋体8aと他端側(第2の光ファイバが挿入される側)の分割蓋体cと中央の分割蓋体bとに3分割されている。C形板バネ9は、前記3つの蓋体8a、8b、8cにそれぞれ対応して、スリットで分けられた3つの部分9a、9b、9cを持つ。但し、蓋体8は必ずしも分割されていなくてもよい。
メカニカルスプライス2には、ベース7と蓋体8との間に形成されるクサビ差込凹所10が4箇所に設けられている。
【0029】
図1〜図9において、符号11はこの実施例で用いるメカニカルスプライス用接続工具、12は本発明の一実施例の光ファイバ接続用補助具であるスライダ、13は第2の光ファイバ4を保持する光ファイバホルダ、14はクサビユニット、35はケースである。
実施例のメカニカルスプライス用接続工具(以下、場合により単に接続工具という)11は、図4〜図8、図11、図12などに示すように、単独の部材からなり、光ファイバ接続用補助具であるスライダ12を直線状にスライド可能に案内することでメカニカルスプライス2を直線状にスライド可能に案内するメカニカルスプライス案内部16と、前記メカニカルスプライス2のスライド方向に対向する位置に設けられた、前記第2の光ファイバ4を保持した光ファイバホルダ13を固定するホルダ固定部17とを備えている。
前記メカニカルスプライス案内部16は、平坦なスライド面16aの両側に背の低い壁状のガイド面16bを形成して構成している。
メカニカルスプライス案内部16とホルダ固定部17との境界部に、光ファイバホルダ13の位置決めをする突部状のストッパ18を持つ。なお、この実施例では、スライダ12の前進限の規定は、図5、図8など示すように、スライダ12の前端面12bが、ストッパ18に当たった光ファイバホルダ13の前端側の位置決め面13aに当たることによる(当たった位置が前進限)。
なお、前記ストッパ18の工具長手方向寸法を適切に設定することで、ストッパ18の光ファイバホルダ13側と反対側の面を、スライダ12の前進限の規定するストッパとすることもできる。また、スライダ12の前進限を規定するストッパを、前記ストッパ18とは別個に設けることもできる。
図8に示すように、ホルダ固定部17の長手方向寸法Lは、光ファイバホルダ13の長手方向寸法(同じくLで示す)と略同じとしている。
メカニカルスプライス案内部16の概ね長手方向中間部付近の幅方向両側に、図13(a)の断面図にも示すように、スライダ12の浮き上がりを防止するための溝部19aを形成したスライダ浮き防止部19を持つ。この溝部19aにスライダ12の後述する左右両端部の被案内部12aがスライド可能に嵌合して、スライダ12が浮き上がるのを防止する(脱落防止する)。
メカニカルスプライス案内部16の前記ストッパ18に近い部分の両側に、スライダ12を係合させるスライダ係合片20を持ち、ホルダ固定部17の前記ストッパ18に近い部分の両側に、光ファイバホルダ13を係合させるホルダ係合片21を持つ。
前記スライダ係合片20は図13(b)の断面図に示すように、接続工具11の先端側幅広部11aの両側部に繋がるU字状湾曲部20a、及びその内側立上り部上端から工具幅方向中央側に延出する延出部20bを有し、この延出部20bに形成した略三角形状の係合凹所20cが、スライダ12の両側面に形成した後述する三角形突部28を係合させて、スライダ12をその位置に固定する。U字状湾曲部20aはバネ作用を持ち、スライダ12を弾性的に挟持可能とする。
ホルダ係合部21も同じ構造であり、U字状湾曲部21a、延出部21b、係合凹所21cを持つ。
【0030】
前記スライダ12はメカニカルスプライス2を保持して接続工具11のメカニカルスプライス案内部16をスライドする部材であり、メカニカルスプライス2とこれを保持する光ファイバ接続用補助具であるスライダ12と第1の光ファイバを収容してスライダ12に取り付けられたケース35とはメカニカルスプライスユニット1を構成する。
なお、ケース35を用いないことも可能であり、その場合は、メカニカルスプライス2とこれを保持する光ファイバ接続用補助具であるスライダ12とがメカニカルスプライスユニットを構成する。
スライダ12は、図11、図14、図15などに示すように、接続工具11のメカニカルスプライス案内部16のスライド面16a上を両側の案内面16bに沿って案内される被案内部12aを両側に有し、両側の被案内部12a間に、メカニカルスプライス2を収容し保持するメカニカルスプライス保持部25を形成する両側の側壁部26を有し、先端近傍にメカニカルスプライス2の先端を当てる前壁面27を有する。両側の側壁部26の前記前面壁27の付近の外面に、接続工具11に形成した前記スライダ係合部20の係合凹所20cに係合する前述の三角形突部28が形成されている。
また、両側の側壁部26のそれぞれ外側に上下に貫通する長方形孔29が形成され、その長方形孔29の前後にそれぞれ幅方向外側に突出する突出部30、31が形成されている。
前記クサビユニット14は、後述する両側の取付片46が前記両側の前後の突出部30、31間において前記長方形孔29に挿入されその下端の爪部46aが側壁部26の下面に係合することで、スライダ12に取り付けられる。
また、スライダ前端面12bと前記メカニカルスプライス保持部25の前壁面27との間の部分に前壁面27に向かって、第2の光ファイバ4をスムーズに導入するための先窄まりとなる半円錐面32が形成されている。
また、後部にケース35の後述のケース本体36の前端部を載せる後方平坦部33を有している。メカニカルスプライス2の後部はケース本体36を介して前記後方平端部33に載る。
【0031】
実施例の前記ケース35は、図示の通りケース本体36とカバー37とからなり、いずれも、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂のシートなどから成形されたものである。但し、製造方法は任意である。
図8にも示すように、ケース本体36の前端部36aがメカニカルスプライス2の後ろ半分を載せる部分である。また、カバー37の先端部の上面を窪ませて形成した下向き突出部37aでメカニカルスプライス2を押えるようになっている。
また、図9にも示すように、ケース本体36の後端部に、光コネクタ付き光ファイバ40における光コネクタ39の部分を収納する光コネクタ収納部36bを有している。また、カバー37の後端部の上面を窪ませて形成した下向き突出部37bで光コネクタ39を押えるようになっている。
【0032】
図8、図10、図16などに示すように、前記クサビユニット14は、メカニカルスプライス2の2箇所のクサビ差込凹所10に差し込まれて蓋体8を開く2つのクサビ41を備えており、スライダ12に取り付けられている。
クサビユニット14は、前記2つのクサビ41と、スライダ12の上面に当接する当接部42と、当接部42と対向する上部の昇降部43と、当接部42と昇降部43とを連結して撓み変形可能な左右のクサビ抜取り操作部44と、昇降部43から垂下して前記クサビ41を把持するクサビ把持部45と、当接部42の両側から下方に延出して、スライダ12の両側の壁部26に外側から係合する爪部46aを持つ取付片46とを有している。
クサビ41がメカニカルスプライス2の差込口10に挿入されて、ベース7と蓋体8と間に隙間を形成する。光ファイバどうしが突き合わされた後、クサビ抜取り操作部44を両側から手で内側に押し込むと、クサビ把持部45とともにクサビ41が上昇して差込口10から抜き取られ、C形板バネ9の弾性挟持力で光ファイバがベース7と蓋体8とで把持される。
【0033】
前記光ファイバホルダ13は、図1〜図8、図11などに示すように、ホルダ本体51と蓋体52とからなる。なお、ホルダ本体51と蓋体52とがヒンジ機構を介して一体化された一体成型品でもよい。ホルダ本体51は、蓋体52の前後の位置にV溝51a、51bを持ちかつ先端側にも突起部で形成したV溝51cを有する。光ファイバホルダ13は、第2の光ファイバ4のホルダ幅方向の位置決めをする前記V溝51a、51b、51cを通してホルダ本体51上に載せた第2の光ファイバ4を、蓋体52を閉じて保持する。
また、両側部に、接続工具11側のホルダ係合片21の係合凹所21cに係合する三角形突部53を持つ。
【0034】
上述した通り、接続工具11におけるホルダ固定部17の長手方向寸法Lを、光ファイバホルダ13の長手方向寸法Lと略同じにしたのは、後述するように、光ファイバ同士の突き合わせ時に光ファイバホルダ13側を動かさないので、接続工具11上に、第2の光ファイバ4を保持した状態での光ファイバホルダ13のスライド距離を考慮する必要がないからであり、接続工具11の長手方向寸法を小さくすることができる。
図21に示した従来の接続工具81の長手方向寸法が約140mmであるのに対して、この実施例の接続工具11の長手方向寸法は例えば70mm程度で済み、十分短尺化されている。
なお、光ファイバホルダ13を光ファイバ同士の突合せ接続時にスライドさせることはしないが、この実施例では、準備段階では光ファイバホルダ13の先端側部分を接続工具11のホルダ固定部17の平坦面上をスライドさせて所定の位置にセットする。
【0035】
光ファイバ接続用補助具であるスライダ12及び接続工具11を用いて第1の光ファイバ3と第2の光ファイバ4とを突合せ接続する作業について説明する。
以下の光ファイバ接続作業の説明では、第1の光ファイバ3及び第2光ファイバ4がいずれも、0.125mmφの裸ファイバに0.25mmφのUV樹脂被覆を施し、その上に0.5mmφのUV樹脂被覆を施した光ファイバ心線である。
また、第1の光ファイバ3は、メカニカルスプライス2への挿入側と反対端に光コネクタ39を取り付けた光コネクタ付き光ファイバ40における光ファイバ3である。
(1)予め、メカニカルスプライス2の一端側の2つのクサビ差込凹所10及び他端側の2つのクサビ差込凹所10にそれぞれクサビを差し込んで蓋を開いておき、先端部の被覆を除去して裸ファイバを露出させた第1の光ファイバ3をメカニカルスプライス2のガイド溝6に挿入し、その先端をメカニカルスプライス2の突き合わせ接続点まで送り込んだ後、一端側のクサビを抜いて、C型板バネ9でメカニカルスプライス2のベース7と蓋8とを一端側において挟持し、第1の光ファイバ3を把持する。他端側のクサビ41は各図に示された通り差し込まれたままであり、メカニカルスプライス2の他端側の蓋8bは僅かに開いた状態である。
また、この実施例ではケース35のケース本体36の前端部36aがスライダ12に予め接着剤等で固定されており、メカニカルスプライス2及び光コネクタ付き光ファイバ40を予めケース35に収容している。なお、メカニカルスプライス2の前方半分はスライダ12のメカニカルスプライス保持部25に直接収容されている。
(2)光ファイバホルダ13の先端部を、蓋体52を開けた状態で接続工具11のホルダ固定部17上に載せ、ストッパ18に突き当たるまでスライドさせる。
(3)接続しようとする第2の光ファイバ4を、光ファイバホルダ13のV溝51a、5
1b、51cに通してホルダ本体51上に載せ、先端が接続工具11に印した所定位置(例えば、ホルダ固定部17に固定した状態の光ファイバホルダ13の前端から例えば47mmの位置にくるようにして蓋体52を閉じて保持する。
(4)0.5mm用メカニカルストリッパで光ファイバホルダ13から延出している部分の0.5mm被覆を除去して、0.25mm光ファイバ心線を露出させる。
(5)光ファイバホルダ13の蓋体52を開け、前記第2の光ファイバ4を後退させて、先端が接続工具11に別に印した所定位置(例えば35mm位置)にくるようにして蓋体52を閉じて保持する。なお、この第2の光ファイバ4を後退させる工程は、ホルダの構造によっては、後退をさせずに済ませることも可能である。
(6)0.25mm用メカニカルストリッパで光ファイバホルダ13から延出している部分の0.25mm被覆を除去して、0.125mmの裸ファイバを露出させる。
(7)光ファイバホルダ13を接続工具11から外し、光ファイバ(裸ファイバ)の清掃、スクリーニングを行い、ファイバカッターで光ファイバをカットする。その際、光ファイバカッターに専用のスペーサをセットすることで、その専用スペーサで規定される所定の長さで光ファイバを切断することができる。
(8)図17は以上の作業を済ませた状態を示すもので、次いで、光ファイバホルダ13の先端部を再び、接続工具11のホルダ固定部17に載せ、ストッパ18に突き当たるまでスライドさせる。この時、光ファイバホルダ13の両側の三角形突部53が接続工具11のホルダ固定部17の係合凹所21cに係合して、光ファイバホルダ13がその位置から後退しないように保持される(図18の状態)。
(9)前記のように予めメカニカルスプライス2及びケース本体36を取り付けたスライダ12を、接続工具11のメカニカルスプライス案内部16にセットし、その前端面12bが、既に接続工具11に固定された光ファイバホルダ13の位置決め面13aに当たるまで前方にスライドさせる(図19はスライドさせている途中状態を示す)。
スライダ12とともに前進するメカニカルスプライス2の前進により、光ファイバホルダ13に保持され第2の光ファイバ4がメカニカルスプライス2のガイド溝6内に挿入され、第1の光ファイバ3と第2の光ファイバ4とがガイド溝6の突き合わせ接続点において突き合わせられる(図20はこの段階を示す)。
(10)前記の第1の光ファイバ3と第2の光ファイバ4とを突き合わせた状態で、光ファイバホルダ13から延出している第2の光ファイバ4が撓んでいることを確認した後、クサビユニット14の左右のクサビ抜き取り操作部44を左右からつまんで内側に寄せ昇降部43を上昇させてクサビ41をクサビ差込凹所10から抜くと、ベース7と蓋体8とがC形板バネ9の弾性でクランプされ光ファイバ4を把持する。これにより、第1の光ファイバ3と第2の光ファイバ4とが適切に突合せ接続される。
以上の作業により、第1の光ファイバ3と第2の光ファイバ4とのメカニカルスプライス2による突合せ接続自体は完了するが、実際にはさらに次の作業をする。
(11)クサビユニット14をスライダ12から取り外す。
(12)光ファイバホルダ13の蓋52を開ける。
(13)ケース35の蓋37を開け、ケース本体36から光コネクタ39を取り出す。
(14)光コネクタ39を持ちながら、メカニカルスプライス2をケース本体36及びスライダ12から取り出す。
以上により、第1の光ファイバ3と第2の光ファイバ4とのメカニカルスプライス2による光ファイバ接続が完了する。
【0036】
上述のスライダ(光ファイバ接続用補助具)12、ないしメカニカルスプライスユニット1は、第2の光ファイバ4が光クロージャ内での短余長の光ファイバである場合に特に有効である。
前述した通り、例えば、新たなユーザ家屋に光回線を導入するに際して、架空の光通信線路の光クロージャからユーザ家屋にドロップケーブルを引き落とす場合、光クロージャにおいて光ファイバ幹線から適宜の光ファイバを取り出して切断し、切断点の局側の光ファイバに光コネクタを取り付け、ドロップケーブル側の光コネクタと光接続するが、後に解約などでその光回線が不使用になった場合、その不使用になった光回線を活かすには、切断点の前記局側の光ファイバとその反対側の光ファイバとを再接続することが必要となる。
その際、ドロップケーブルの光コネクタと接続していた局側光コネクタと、前記光回線導入時の切断点の局と反対側の光ファイバとを光接続する必要がある。
この場合、一端側に光コネクタを取り付けた中継ぎ用の光コネクタ付き光ファイバを用い、光コネクタ付き光ファイバの光コネクタ(中継ぎ用の光コネクタ)と前記局側光コネクタとをコネクタ接続し、光コネクタ付き光ファイバの光ファイバ(中継ぎ用の光ファイバ)と前記切断点の局側と反対側の光ファイバとをメカニカルスプライスにより接続する場合がある。
このような場合、前記切断点の局側と反対側の光ファイバは、光クロージャ内に余長として延出している長さが例えば8cm程度などと短いので、接続工具の長手方向寸法が大きいと、メカニカルスプライスによる光ファイバ接続は極めて作業性が悪い、あるいは困難であるという問題がある。
しかし、上記の接続工具11は、その長手方向寸法が短尺化されているので、余長が短くても、メカニカルスプライスによる光ファイバ接続を容易に行なうことができ、作業性が悪い、あるいは困難であるという問題が解消される。
また、光ファイバ同士の突合せ接続時には、中継ぎ用の光コネクタ付き光ファイバの光ファイバ(第1の光ファイバ3)を把持したメカニカルスプライス2をスライドさせればよく、前記切断点の局側と反対側の短余長の光ファイバ(第2の光ファイバ4)を保持した光ファイバホルダ13は動かす必要がないので、その点でも作業性が悪い、あるいは困難であるという問題は解消される。
【0037】
なお、上述の光ファイバ接続作業が、実際の光クロージャ内での中継ぎ用の光コネクタ付き光ファイバの光ファイバ接続である場合、前述の作業に引き続いて、光コネクタ付き光ファイバ40の光コネクタ39を、ドロップケーブルの光コネクタと接続していた局側光コネクタと接続し、その光コネクタ接続部を光クロージャ内の収納トレイ上の光コネクタ装着部に装着する。
【実施例2】
【0038】
上述の実施例では、第2の光ファイバを保持する光ファイバホルダを接続工具に着脱可能な別部材として設けたが、、光ファイバホルダ部分が接続工具に固定的に設けられたものでもよく、また、接続工具上に直接光ファイバ保持部を直接設けてもよい。
上述した光ファイバ接続作業は、光ファイバ幹線の光クロージャ内でのメカニカルスプライスによる光ファイバ接続の場合であるが、例えば複数階のマンション等の集合住宅において、各階毎に分岐接続箱を設置する場合にも、その分岐接続箱においてやはり短余長の光ファイバとのメカニカルスプライスによる光ファイバ接続が必要となる場合がある。そのような場合にも適用できる。
【0039】
また、一般に、第1の光ファイバ及び第2の光ファイバのいずれも余長に余裕がある場合であっても、光ファイバ接続作業時に一度の作業で良好な接続性能が得られずに光ファイバを再切断あるいは再再切断するなどして、余長が短くなる場合が多々あるが、その場合、余長に余裕のある光ファイバを第1の光ファイバとし短余長となった光ファイバを第2の光ファイバとすることで、余長が短すぎて突合せ接続が困難になることを回避できる。
【0040】
本発明は、第1の光ファイバが光コネクタ付き光ファイバの光ファイバであるに限らず、光コネクタの付いていない単なる短尺の光ファイバである場合にも当然適用できるし、また、光ファイバの長さに限定されず、長い光ファイバである場合にも適用できる。
また、対象とする光ファイバが、クラッドのコアに隣接する部分にコアに沿う管状の空孔を複数形成した構造を有し、低損失、波長分散特性等の点で優れた特性を持つホーリーファイバ(フォトニッククリスタル光ファイバ(Photonic Crystal Fiber))である場合にも、同様に適用できる。
この場合、メカニカルスプライス内の光ファイバどうしの突き合わせ部に、屈折率整合性を有するシリコーン樹脂またはアクリル樹脂からなるの固形の粘着性接続部材を単一層として介在させるとよい。
【符号の説明】
【0041】
1 メカニカルスプライスユニット
2 メカニカルスプライス
3 第1の光ファイバ
4 第2の光ファイバ
6 溝
7 ベース
8 蓋体
8a、8b、8c 分割蓋体
9 C形板バネ
10 クサビ差込凹所
11 接続工具(メカニカルスプライス用接続工具)
11a 先端側幅広部
12 スライダ(光ファイバ接続用補助具)
12a 被案内部
12b 前端面
13 光ファイバホルダ
13a 位置決め面
14 クサビユニット
16 メカニカルスプライス案内部
16a スライド面
16b ガイド面
17 ホルダ固定部
18 ストッパ
19 スライダ浮き防止部
19a 溝部
20 スライダ係合片(光ファイバ接続用補助具係合片)
21 ホルダ係合片
20a、21a U字状湾曲部
20b、21b 延出部
20c、21c 係合凹所
25 メカニカルスプライス保持部
26 側壁部
27 前壁面
28 三角形突部
29 長方形孔
30、31 突出部
32 半円錐面
33 後方平坦部
35 ケース
36 ケース本体
37 カバー
39 光コネクタ
40 光コネクタ付き光ファイバ
41 クサビ
42 当接部
43 昇降部
44 クサビ抜取り操作部
45 クサビ把持部
46 取付片
46a 爪部
51 ホルダ本体
51a、51b、51c V溝
52 蓋体
53 三角形突部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと蓋体との二つ割構造で両者の合せ面に光ファイバガイド溝が形成され前記蓋体の一端側に第1の光ファイバを把持し蓋体の他端側を開いた状態としたメカニカルスプライスを保持するメカニカルスプライス保持部を有し、前記第1の光ファイバと接続しようとする第2の光ファイバを固定した接続工具に形成される案内部に沿ってスライド可能な被案内部を有することを特徴とする光ファイバ接続用補助具。
【請求項2】
前記第1の光ファイバのメカニカルスプライスから後方に延出する部分を収容するためのケースを前記メカニカルスプライス保持部に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の光ファイバ接続用補助具。
【請求項3】
ベースと蓋体との二つ割構造で両者の合せ面に光ファイバガイド溝が形成され前記蓋体の一端側に第1の光ファイバを把持し蓋体の他端側を開いた状態としたメカニカルスプライスと、このメカニカルスプライスを前記メカニカルスプライス保持部に保持した請求項1の光ファイバ接続用補助具とからなることを特徴とするメカニカルスプライスユニット。
【請求項4】
ベースと蓋体との二つ割構造で両者の合せ面に光ファイバガイド溝が形成され前記蓋体の一端側に第1の光ファイバを把持し蓋体の他端側を開いた状態としたメカニカルスプライスと、このメカニカルスプライスを前記メカニカルスプライス保持部に保持した請求項1の光ファイバ接続用補助具と、前記光ファイバ接続用補助具に先端部を固定されてメカニカルスプライスから後方に延出する第1の光ファイバを収容するケースとからなることを特徴とするメカニカルスプライスユニット。
【請求項5】
前記メカニカルスプライスに、当該メカニカルスプライスの蓋体の他端側を開いた状態とするクサビを取り付けたことを特徴とする請求項3又は4記載のメカニカルスプライスユニット。
【請求項6】
前記クサビを、前記光ファイバ接続用補助具の両側の壁部に係脱可能に係合する係合爪を持つクサビユニットに取り付けたことを特徴とする請求項5に記載のメカニカルスプライスユニット。
【請求項7】
前記第1の光ファイバが、メカニカルスプライスへの挿入側と反対端に光コネクタを取り付けた光コネクタ付き光ファイバであることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載のメカニカルスプライスユニット。
【請求項8】
メカニカルスプライスの一端側部分もケース内に収容されていることを特徴とする請求項4記載のメカニカルスプライスユニット。
【請求項9】
第1光ファイバがホーリーファイバであることを特徴とする請求項3〜8のいずれか1項に記載のメカニカルスプライスユニット。
【請求項10】
前記メカニカルスプライス保持部の前端部に、第2の光ファイバを導入する導入口に向けて第2の光ファイバを円滑に導入するための半円錐面状の案内面を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の光ファイバ接続用補助具。
【請求項11】
前記メカニカルスプライス保持部を形成する両側の側壁部の外面に突部を備え、この突部が、接続工具側に設けられた光ファイバ接続用補助具係合片に形成された係合凹所に係合することで、光ファイバ接続用補助具が接続工具側に固定されるようになっていることを特徴とする請求項1、2又は10のいずれか1項に記載の光ファイバ接続用補助具。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2013−37232(P2013−37232A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174048(P2011−174048)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】