説明

光モジュール

【課題】装置の更なる小型化を実現しつつ光ファイバの伝送損失を低減することができる光モジュールを提供する。
【解決手段】光モジュール20は、ケース本体210と、ケース本体210にヒンジ290を介して開閉可能に取り付けられ、ケース本体210を覆うように構成される本体カバー230とを備える。ケース本体210は、単一光ファイバ270及び光ファイバ群280をケース本体210に固定する固定部材211と、単一光ファイバ270をケース本体210に固定する固定部材212,213と、側面部210bと離隔して設けられ、単一光ファイバ270の曲げ半径をR15以上に規定する規定部材214,215と、PLC250をケース本体210の所定位置に固定する固定部材216とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光モジュールに関し、特に、受動光網(PON:Passive Optical Network)システム等のネットワークシステムにおいて通信局と加入者端末の間に配される光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの利用が普及し、ネットワーク経由で各種の情報サービスが提供することが可能となっていることから、通信ネットワークは社会インフラの重要な地位を占めている。一般家庭や、企業における各事業拠点からのインターネットアクセスの増加に伴って、これらの通信サイトとキャリアネットワークの通信局とを接続するアクセス回線に、更なる高速化と大容量化が必要となってきている。
【0003】
インターネットなどの広域網に接続されるアクセス網の1つとして、複数の加入者端末が光ファイバを共用できる受動光網(PON)システムがある。このPONシステムは、それぞれがユーザ宅側に設置され、1台あるいは複数台のユーザ端末を収容する複数の加入者接続装置(ONU:Optical Network Unit)と、これらのONUに光ファイバ網で接続された局側装置(OLT:Optical Line Terminal)とで構成されている。OLTに接続された光ファイバは、各ONUに接続された支線光ファイバと光スプリッタ装置(光モジュール)で結合されており、光スプリッタ装置とOLTとの間の光伝送路を複数のONUで共用することによって光ファイバの敷設コストの大幅な削減を可能にしている。
【0004】
図8は、従来の光モジュール装置の構成を示す側面図である。尚、図8は、モジュール装置の側面パネルを取り除いた状態を示す。
【0005】
図8に示すように、光モジュール装置800は、入力ポート801と複数のマルチファイバ出力ポート802との間に結合された光ファイバ・スプリッタ・デバイス810を有する。光ファイバ・スプリッタ・デバイス810は、少なくとも1つの単一光ファイバとして構成されて入力ポート801に結合された第1結合部材811を有する。また、光ファイバ・スプリッタ・デバイス810は、マルチファイバ群として構成されて対応する出力ポート802a〜802dに結合された第2結合部材812を更に有する。この構成によれば、モジュール装置の小型化を実現しつつ、モジュール装置内での光ファイバの縺れの発生を低減することが可能となる(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−209118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の光モジュール装置では、該装置の製造時において光ファイバ・スプリッタ・デバイスを内部に収容した状態で側面パネルを装置本体に装着する。近年の更なる装置の小型化の要望を考慮すると、光ファイバ・スプリッタ・デバイスの収容状態によっては光ファイバが許容曲げ半径未満となり、光ファイバの伝送損失が増大するという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、光モジュールの更なる小型化を実現しつつ光ファイバの伝送損失を低減することができる光モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る光モジュールは、平面部及び前記平面部の外周縁部の全体に亘って設けられた側面部で構成されるケース本体と、前記ケース本体に回動可能に取り付けられた本体カバーとを備え、光部品及び前記光部品に接続された光ファイバを内部に収容する光モジュールであって、前記側面部と離隔して設けられ、前記光ファイバの曲げ半径をR15以上に規定する少なくとも2つの規定部材を有することを特徴とする。
【0010】
また、好ましくは、前記規定部材は、前記平面部に略垂直に設けられた円柱部を有し、前記円柱部の外周面が、前記光ファイバの外周面と当接する。
【0011】
好ましくは、前記光モジュールは、前記平面部に形成され、前記光ファイバの配索位置を示すマーキング部を更に有する。
【0012】
好ましくは、前記光ファイバを前記ケース本体に固定する少なくとも1つの第1固定部材を更に有する。
【0013】
また、好ましくは、前記第1固定部材は、前記平面部に設けられた第1直立部と、前記第1直立部の上端に回動可能に設けられた棒状部と、前記第1直立部と対向するように前記平面部に設けられた第2直立部とを有し、前記棒状部は、回動範囲の全閉位置にて前記第2直立部の上端に係止される。
【0014】
好ましくは、前記本体カバーに設けられ、前記本体カバーが閉じられる際に前記光ファイバを前記ケース本体方向にガイドするガイド部材を更に有する。
【0015】
好ましくは、前記光部品を前記ケース本体の所定位置に固定する第2固定部材を更に有する。
【0016】
また、好ましくは、前記第2固定部材は、前記側面部と対向するように前記平面部に設けられた壁部と、前記壁部の一部を構成し、前記壁部よりも小さい厚さを有する一対の薄肉壁部と、前記一対の薄肉壁部の各々に設けられ、前記側面部側に向かって突出した一対の突起部と、前記側面部に設けられ、前記壁部側に向かって突出した少なくとも1つの他の突起部とを有し、前記光部品が、前記一対の突起部及び前記他の突起部に挟持される。
【0017】
好ましくは、前記光部品は、光の分岐、光スイッチ、及び波長合分波のいずれかを実現する光導波回路を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、少なくとも2つの規定部材がケース本体の側面部と離隔して設けられ、光ファイバの曲げ半径がR15以上に規定される。これにより、外部から振動や衝撃等の機械的応力を受けた場合であっても、ケース本体内で光ファイバが所定位置からずれることがなく、光ファイバが許容曲げ半径未満になることを防止することができる。したがって、光モジュールの更なる小型化を実現しつつ光ファイバの伝送損失を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る光モジュールを備える光モジュール装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】図1における光モジュールの構成を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。
【図3】図2におけるケース本体の構成を示す平面図である。
【図4】図2における本体カバーの構成を示す平面図である。
【図5】図2の光モジュールの構成を示す斜視図である。
【図6】図2の光モジュールの各部材の構成を示す図であり、(a)は固定部材の斜視図、(b)はガイド部材の斜視図、(c)は本体カバーを閉じた状態におけるガイド部材と支持部材との位置関係を示す図である。
【図7】図3におけるPLCを固定する固定部材の構成を示す拡大平面図である。
【図8】従来の光モジュール装置の構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る光モジュールを備える光モジュール装置の構成を概略的に示す図である。
【0022】
図1において、光モジュール装置1は、外部から光信号が入力される入力ポート10と、入力ポート10の出力側に設けられ、該入力ポートと単一光ファイバ40を介して接続された光モジュール20と、該光モジュールと光ファイバ群50(本実施の形態では、光ファイバ群は8本の光ファイバで構成される)を介して接続され、外部に複数の光信号を出力する出力ポート30とを備える。入力ポート10に入力された光信号は、単一光ファイバ40を伝送して光モジュール20に入力され、該光モジュール20にて複数の光信号に分配される。分配された複数の光信号は、夫々光ファイバ群50を伝送し、出力ポート30から出力される。光モジュール20は、後述するPLC及び該PLCに接続される光ファイバを収容している。
【0023】
図2は、図1における光モジュールの構成を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。
【0024】
図2(a)及び(b)において、光モジュール20は、ケース本体210と、ケース本体210にヒンジ290を介して開閉可能に取り付けられ、ケース本体210を覆うように構成される本体カバー230と、単一光ファイバ270をケース本体210の内部に固定する固定部材240と、単一光ファイバ270の下流側に接続された平面光波回路(PLC:Planar Lightwave Circuit)(光部品)250と、PLC250の下流側に接続される光ファイバ群280と、光ファイバ群280をケース本体210の内部に固定する固定部材260とを備える。本実施の形態では、単一光ファイバ270は単一光ファイバ40と一体成形されている1本の光ファイバであるが、説明の便宜上、単一光ファイバ40と異なる符号を付している。同様に、光ファイバ群280の各ファイバは、光ファイバ群50の各ファイバと一体成形される1本の光ファイバである。
【0025】
この光モジュール20では、単一光ファイバ40及び光ファイバ群50が、ケース本体210の同一側面部に接続される。具体的には、光モジュール20は、ケース本体210に固定される単一光ファイバ270(単一光ファイバ40)の軸方向と、ケース本体210に固定される光ファイバ群280(光ファイバ群50)の軸方向とが略同一となるように構成される。
【0026】
光モジュール20の寸法は、103mm×42mm×5.3mmである。ケース本体210及び本体カバー230は、例えばポリプロピレンなどの樹脂で一体成形される。
【0027】
単一光ファイバ270の外径は、例えばφ31〜32であり、複数の光ファイバ群280の各ファイバの外径は、例えばφ33〜34である。
【0028】
図3は、図2におけるケース本体210の構成を示す平面図である。
図3において、ケース本体210は、平面部210aと、該平面部の外周縁部の全体に亘って略垂直に設けられた側面部210bで構成される。ケース本体210は、単一光ファイバ270及び光ファイバ群280をケース本体210に固定する(第1固定部材)固定部材211と、単一光ファイバ270をケース本体210に固定する固定部材(第1固定部材)212,213と、側面部210bと離隔して設けられ、単一光ファイバ270の曲げ半径をR15以上に規定する規定部材214,215と、PLC250をケース本体210の所定位置に固定する固定部材(第2固定部材)216と、側面部210aに設けられ、本体カバー230に設けられた複数の平型凸状部(後述)とスナップ式で係合する複数の凹状部219と、後述する平型凸状部が凹状部219と係合する際に、該平型凸状部が光ファイバと干渉するのを防止する壁部217,218と、平面部210aに設けられ、本体カバー230に設けられた複数の丸型凸状部(後述)と係合する複数の丸型凹状部220とを有する。
【0029】
また、ケース本体210は、平面部210aに形成されたマーキング部221,222を有しており、マーキング部221,222は、夫々正方形状、長方形状の模様で構成される。マーキング部221は、単一光ファイバ270及び光ファイバ群280がケース本体210に固定される際に、固定部材211,212間における該ファイバの配設(配索)位置を示すものである。また、マーキング部222は、単一光ファイバ270が固定される際に、規定部材215及び固定部材213間における該ファイバの配設位置を示すものであるとともに、光ファイバ群280が固定される際に固定部材211及び固定部材260間における該ファイバの配設位置を示すものである。尚、マーキング部221,222は、ケース本体210の成型時に平面部210a上に一体形成されるが、これに限るものではなく、シール部材の貼着や、塗布材のマスキング等によって形成されてもよい。
【0030】
単一光ファイバ270は、平面矢視においてマーキング部221と単一光ファイバ270とが重なるように配設される(図2(b))。光モジュール20の製造時には、作業者は、マーキング部221を指標として、単一光ファイバ270がマーキング部221上を通るように該ファイバを配索する。これにより、固定部材211,212間における単一光ファイバ270が曲げ半径R15(30φ)以上で保持される。同様に、光ファイバ群280は、平面矢視においてマーキング部221と光ファイバ群280とが重なるように配設される。これにより、固定部材211,212間における光ファイバ群280の各光ファイバが曲げ半径R15(30φ)以上で保持される。
【0031】
規定部材214,215は、単一光ファイバ270の配設経路において固定部材212,213間に配置される。規定部材214,215の構成の詳細については後述する。
【0032】
図4は、図2における本体カバー230の構成を示す平面図である。
図4において、本体カバー230は、平面部230aと、平面部230aの外周縁部に略垂直に設けられた複数の平型凸状部233と、平面部230aに設けられた複数の丸型凸状部232と、平面部230aに設けられ、本体カバー230が閉じられる際に単一光ファイバ270を該ケース本体方向にガイドするガイド部材231a,231bとを有する。ガイド部材231a,231bの構成の詳細については後述する。
【0033】
本体カバー230が閉じられる際には、複数の平型凸状部233が複数の凹状部219とスナップ結合される。これにより、本体カバー230をケース本体210に確実に固定することができ、また、本体カバー230の反りを抑制することができる。
【0034】
図5は、図2の光モジュール20の構成を示す側面図である。
図5に示すように、本体カバー230を開けた状態では、固定部材211,212,213の各部材の一部が側面部210bから突出している。本体カバー230を閉じると、各固定部材の突出した一部がケース本体側に折り込まれ、これにより光ファイバが固定されることになる。
【0035】
図6は、図2の光モジュール20の各部材の構成を示す図であり、(a)は固定部材213の斜視図、(b)は規定部材214,215の斜視図、(c)は本体カバー230を閉じた状態における規定部材214,215とガイド部材231a,231bとの位置関係を示す図である。
【0036】
図6(a)において、固定部材213は、平面部210aに設けられた断面略弓形の直立部(第1直立部)213aと、直立部213aの上端に回動可能に設けられた棒状部213bと、直立部213aと対向するように平面部210aに設けられた直立部(第2直立部)213cとを備える。直立部213a,213cは、所定間隔で一対をなして設けられ、これら2つの部材間に単一光ファイバを通すことにより、単一光ファイバ270をPLC250に導くガイド部材の役割を果たす。また、直立部213cの上端には棒状部213bと係合する凹部が形成されている。棒状部213bは、平面部210aに対して略水平に位置したときに直立部213cの凹部と係合する。これにより、ケース本体210と本体カバー230の間に光ファイバを挟み込むのを防止することができる。
【0037】
直立部213aは、単一光ファイバ270の外周面と当接する面に曲面部(反り)を設けている。これにより、単一光ファイバ270の外周面を損傷することなく該光ファイバをガイドすることができる。
【0038】
棒状部213bは、本体カバー230の閉方向の回動に伴って下方(平面部210aに向かう方向)に押圧され、下方に回動する。そして、棒状部213bは、回動範囲の全閉位置にて直立部213cの凹部に係止される。これにより、単一光ファイバ270は、平面部210a,直立部213a,213c及び棒状部213bによってケース本体210に固定される。尚、固定部材211は、直立部213aがケース本体210の側面部210bと一体成形される以外は、その構成が固定部材213と同じであるため、その説明を省略する。また、固定部材212は、直立部213aが固定部材216の後述する壁部と一体成形される以外は、その構成が固定部材213と同じであるため、その説明を省略する。
【0039】
図6(b)において、規定部材214は、平面部210aに略垂直に設けられた円柱部214bと、平面部210aに略垂直に設けられ、円柱部214bと一体的に形成される平板部214aとを有する。同様に、規定部材215は、平面部210aに略垂直に設けられた円柱部215bと、平面部210aに略垂直に設けられ、円柱部215bと一体的に設けられた平板部215aとを有する。円柱部215a,215bの高さは、例えば3.5mmであり、その外径は、例えばφ1.0mmである。
【0040】
円柱部215bは、単一光ファイバ270を支持する際に、その外周面が単一光ファイバ270の外周面と当接する。これにより、単一光ファイバ270の外周面を損傷することなく該光ファイバを支持することができる。
【0041】
規定部材214,215は、該2つのガイド部材間に配設される単一光ファイバ270の曲げ半径をR15(30φ)以上に規定するように配置される。すなわち、本実施の形態では、単一光ファイバの配線を点で規定する規定部材214,215を設け、これら2つの規定部材の各円柱部側を単一光ファイバ270が通過することにより、単一光ファイバ270が規定のR(R15)以上になることが保証される。この構成により、単一光ファイバ270に余分な応力が発生せず、伝送損失が低く、断線の可能性が低い配線を実現することができる。また、単一光ファイバ270の配線を点で規定するので、ケース本体210内部の空間が確保され、配線の自由度を向上させることができる。
【0042】
また、単一光ファイバ270は、平面矢視においてマーキング部222と単一光ファイバ270とが重ならないように配設される(図2(b))。具体的には、光モジュール20の製造時には、作業者は、マーキング部222を指標として、単一光ファイバ270をマーキング部222と側面部210bとの間に配索する。これにより、規定部材215からPLC250まで配設される単一光ファイバ270が曲げ半径R15(30φ)以上で保持される。
【0043】
図6(c)に示すように、ガイド部材231a,231bは、本体カバー230を閉じた状態において、単一光ファイバ270の軸方向に対して略垂直に配置されている。ガイド部材231aの長さ、幅、高さは、夫々1.0mm、1.0mm、10mmであり、ガイド部材231bの長さ、幅、高さは、夫々1.0mm、1.0mm、7.0mmである。本実施の形態では、ガイド部材231aの長手方向の寸法がガイド部材231bよりも長くなるように設計されている。
【0044】
本体カバー230を閉じた状態では、ガイド部材231a,231bは下方に突出しているため、規定部材214,215間に配設された単一光ファイバ270は、平面部210aの方向にガイドされる。これにより、ケース本体210が外部から振動等を受けた場合であっても単一光ファイバ270が規定部材214,215の各円柱部から離間せず、単一光ファイバ270を確実に支持することができる。
【0045】
図7は、図3におけるPLC250を固定する固定部材216の構成を示す拡大平面図である。
図7において、固定部材216は、ケース本体210の側面部210bと対向するように平面部210aに設けられた壁部216aと、壁部216aの一部を構成し、壁部216aよりも小さい厚さを有する一対の薄肉壁部216bと、一対の薄肉壁部216bの各々に設けられ、平面部210a側に向かって突出した一対の突起部216cと、側面部210bに設けられ、壁部216a側に向かって突出した一対の突起部216dとを有する。
【0046】
突起部216c,216dの先端部間の寸法は、PLC250の幅寸法よりも小さくなるように設計されている。PLC250が側面部210bと壁部216aとの間に挿入されると、一対の薄肉壁部216bが撓んで、一対の突起部216c及び一対の突起部216dに挟持される。これによりPLC250がケース本体210に確実に固定される。壁部216aの高さは側面部210bの高さより低く設計されており、PLC250の側面が露出している。これにより、PLC250をケース本体210から容易に着脱することができる。
【0047】
上述したように、本実施の形態によれば、規定部材214,215がケース本体210の側面部210bと離隔して設けられ、単一光ファイバ270の曲げ半径がR15以上に規定される。これにより、外部から振動や衝撃等の機械的応力を受けた場合であっても、ケース本体210内で単一光ファイバ270が所定位置からずれることがなく、単一光ファイバ270が許容曲げ半径未満になることを防止することができる。また、規定部材214,215がケース本体210の側面部210bと離隔して設けられるので、単一光ファイバ270が側面部210bに乗り上げてケース本体210と本体カバー230の間に挟み込まれるのを防止することができる。また、単一光ファイバ270及び光ファイバ群280の配索位置を示すマーキング部を有しているので、単一光ファイバ270及び光ファイバ群280を曲げ半径R15以上で保持することができる。したがって、光モジュールの更なる小型化を実現しつつ光ファイバの伝送損失を低減することができる。
【0048】
本実施の形態では、マーキング部221,222は、夫々正方形状、長方形状の模様で構成されるが、これに限るものではなく、作業者の指標となるものであれば如何なる形状の模様で構成されてもよい。
【0049】
また、本実施の形態では、ケース本体210は、規定部材214,215を有するが、これに限るものではなく、少なくとも2つの規定部材を有していてもよい。
【0050】
また、本実施の形態では、ケース本体210は、単一光ファイバ270及び/又は光ファイバ群280をケース本体に固定する固定部材(211,212,213)を3つ有しているが、これに限るものではなく、少なくとも1つの固定部材を有するものであってもよい。
【0051】
また、本実施の形態では、光部品はPLCであるが、これに限るものではなく、光の分岐、光スイッチ、及び波長合分波のいずれかを実現する光導波回路を有するものであってもよい。
【符号の説明】
【0052】
1 光モジュール装置
10 入力ポート
20光モジュール
30出力ポート
40,270 単一光ファイバ
50,280 光ファイバ群
210 ケース本体
210a 平面部
210b 側面部
230 本体カバー
211,212,213,216 固定部材
214,215 規定部材
231a,231b ガイド部材
250 平面光波回路(PLC)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面部及び前記平面部の外周縁部の全体に亘って設けられた側面部で構成されるケース本体と、前記ケース本体に回動可能に取り付けられた本体カバーとを備え、光部品及び前記光部品に接続された光ファイバを内部に収容する光モジュールであって、
前記側面部と離隔して設けられ、前記光ファイバの曲げ半径をR15以上に規定する少なくとも2つの規定部材を有することを特徴とする光モジュール。
【請求項2】
前記規定部材は、前記平面部に略垂直に設けられた円柱部を有し、
前記円柱部の外周面が、前記光ファイバの外周面と当接することを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項3】
前記平面部に形成され、前記光ファイバの配索位置を示すマーキング部を更に有することを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項4】
前記光ファイバを前記ケース本体に固定する少なくとも1つの第1固定部材を更に有することを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項5】
前記第1固定部材は、前記平面部に設けられた第1直立部と、前記第1直立部の上端に回動可能に設けられた棒状部と、前記第1直立部と対向するように前記平面部に設けられた第2直立部とを有し、
前記棒状部は、回動範囲の全閉位置にて前記第2直立部の上端に係止されることを特徴とする請求項4記載の光モジュール。
【請求項6】
前記本体カバーに設けられ、前記本体カバーが閉じられる際に前記光ファイバを前記ケース本体方向にガイドするガイド部材を更に有することを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項7】
前記光部品を前記ケース本体の所定位置に固定する第2固定部材を更に有することを特徴とする請求項1記載の光モジュール。
【請求項8】
前記第2固定部材は、前記側面部と対向するように前記平面部に設けられた壁部と、前記壁部の一部を構成し、前記壁部よりも小さい厚さを有する一対の薄肉壁部と、前記一対の薄肉壁部の各々に設けられ、前記側面部側に向かって突出した一対の突起部と、前記側面部に設けられ、前記壁部側に向かって突出した少なくとも1つの他の突起部とを有し、
前記光部品が、前記一対の突起部及び前記他の突起部に挟持されることを特徴とする請求項7記載の光モジュール。
【請求項9】
前記光部品は、光の分岐、光スイッチ、及び波長合分波のいずれかを実現する光導波回路を有すること特徴とする請求項1記載の光モジュール。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−75900(P2011−75900A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−228238(P2009−228238)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(593200593)株式会社成和技研 (15)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】