説明

光学フィルム及びそれを用いた光学装置

【課題】面発光光学デバイスに適用して高い光取り出し効率及び高い法線輝度を実現できる光学フィルムを提供する。
【解決手段】複数の凸曲面12aから構成される凹凸構造部12を有する光学フィルム1であって、凹凸構造部12の複数の凸曲面12aのそれぞれは、底面部最長径Aに対する高さBの比であるアスペクト比(B/A)が0.5を超え且つ1.4以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学フィルムに係るものであり、とくに、照明装置または表示装置等の光学装置において光学デバイスから発せられる光の取り出し効率の向上に寄与する光学フィルム、及びそれを用いた光学装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
薄型化が可能な面発光光学デバイスとして、エレクトロルミネッセント(EL)素子が提案されている。EL素子による面発光の効率を高めるためには、EL素子において発光層から発せられ透明電極を経て透明基材へと進行した光を該透明基材の表面から効率良く取り出すことが必要である。
【0003】
このようなEL素子からの光取り出しの効率を向上させるために、EL素子の透明基材の表面にマイクロレンズシートを隣接して配置することが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2010−524153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1には、光取り出し用のマイクロレンズシートのレンズ形状については特に記載がなく、更にその光学性能についても格別の記載はない。
【0006】
本発明の1つの目的は、面発光光学デバイスに適用して高い光取り出し効率を実現できる光学フィルムを提供することにある。また、本発明の他の1つの目的は、該光学フィルムを用いた光学装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、上記の目的のいずれかを達成するものとして、
複数の凸曲面から構成される凹凸構造部を有する光学フィルムであって、
前記凹凸構造部の複数の凸曲面のそれぞれは、底面部最長径Aに対する高さBの比であるアスペクト比(B/A)が0.5を超え且つ1.4以下であることを特徴とする光学フィルム、
が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、上記の目的のいずれかを達成するものとして、
以上のような光学フィルムと、前記凹凸構造部と反対側の面において前記光学フィルムに隣接して配置された面発光光学デバイスと、を備えており、
前記面発光光学デバイスから発せられる光を前記光学フィルムの前記凹凸構造部の複数の凸曲面を含む表面から出射させるようにしてなることを特徴とする光学装置、
が提供される。
【発明の効果】
【0009】
以上のような本発明によれば、面発光光学デバイスに適用して光取り出し効率向上が可能な光取り出し用光学フィルム、およびそれを用いた光学装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明による光学フィルム及びそれを用いた光学装置の一実施形態を示す模式図である。
【図2】図1の実施形態の光学フィルムにおける凹凸構造部の単位凸曲面の形状の一例を示す模式図である。
【図3】図1の実施形態の光学フィルムにおける凹凸構造部の単位凸曲面の配列の一例を示す模式図である。
【図4】光学フィルムの製造装置を示す模式図である。
【図5】本発明の実施例で用いた光学装置の素子構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1は本発明による光学フィルム及びそれを用いた光学装置の一実施形態を示す模式図である。
【0013】
本実施形態の光学装置は、光学フィルム1と面発光光学デバイス(以下、単に「光学デバイス」ということがある)2とを備えている。光学デバイス2は、公知の有機EL発光素子であり、透明基材層22、透明電極層24、有機発光層26および金属電極層28をこの順に積層したものからなる。図1はボトムエミッション構造の有機EL発光素子の例であるが、本発明においては、トップエミッション構造の有機EL発光素子も同様に光学デバイス2として用いることが出来る。
【0014】
光学フィルム1は、層状の凹凸構造部12を有する。光学フィルム1は、更に、凹凸構造部12に接合された透明基材フィルム14を有する。透明基材フィルム14としては、活性エネルギー線を透過するものであれば特に限定はなく、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂等の樹脂やガラスからなるフィルム、シートまたは板等が使用できる。透明基材フィルム14が本発明で云う透光性部材に該当する。また、透明基材フィルム14の一方の面(図1では上側の表面)が本発明で云う透光性フィルム部材の第一面に該当し、透明基材フィルム14の他方の面(図1では下側の表面)が本発明で云う透光性フィルム部材の第二面に該当する。透明基材フィルム14の厚さは、100μm以下のものが好ましく、50μm以下のものが更に好ましい。透明基材フィルム14の厚さがこの範囲であると、光取り出し効率が良好になるという点で優れている。また、透明基材フィルム14の厚さは、ハンドリングの便宜の観点から、16μm以上のものが好ましく、38μm以上のものが更に好ましい。
【0015】
凹凸構造部12は、透明基材フィルム14の上側に配置されており、一方の面(図1では上側の表面)に形成された凹凸構造を持つ。この凹凸構造側の面は、複数の凸曲面を含む表面からなる。すなわち、光学フィルム1は、複数の凸曲面から構成される凹凸構造部を有する。この複数の凸曲面は、とくに同等の寸法及び形状を持つ複数の単位凸曲面12aであるのが好ましい。すなわち、凹凸構造部12の凹凸構造側の面は、好ましくは、凹凸単位形状としての単位凸曲面12aを上側表面に沿って少なくとも2つの方向に繰り返し配列してなる形状を有する。単位凸曲面12aとしては、たとえば透明基材フィルム14の上側の表面(第一面)の法線(すなわち光学フィルム1の面法線)の方向の軸に関して対称性を持つ回転面が好ましく例示される。このような単位凸曲面12aとしては、具体的には、透明基材フィルム14の上側の表面(第一面)の法線方向の対称軸を持つ回転楕円面の一部からなるものが例示される。以上のように、凹凸構造部12は複数の単位凸曲面12aを含む表面(上側の表面)の反対側の表面(下側の表面)が透明基材フィルム14の第一面と対向するように配置されている。
【0016】
図2は凹凸構造部の凹凸単位形状としての単位凸曲面の一例を示す模式図である。
【0017】
凹凸構造部12の単位凸曲面12aは、底面部の最長径(以下、単に最長径という。)Aと高さBとから求められるアスペクト比(B/A)が、0.5を超え且つ1.4以下であることが好ましく、0.52〜1.0であることが更に好ましい。なお、底面部とは、底部外周縁により囲まれる仮想的な面状部分をいう。アスペクト比(B/A)がこの範囲内にある単位凸曲面12aを用いて構成される凹凸構造部は、光取り出し効率だけでなく、法線輝度が高いという点で有利である。ここで図2を参照して、このアスペクト比(B/A)を説明する。図2に示す通り、凹凸構造部12の単位凸曲面12aにおいては、その底面部において中心点を通る複数の線を引いたとき該複数の線の中で最も長いものが最長径Aであり、単位凸曲面12aの底面部から最も高い部位までの距離が高さBである。アスペクト比(B/A)は、高さBを最長径Aで除した値である。単位凸曲面12aが上記のような回転楕円面の一部からなるものである場合には、最長径Aは円形状底面部の直径に等しい。なお、単位凸曲面12aとしては、最長径Aが5μm〜150μmのものが好ましく、10μm〜50μmのものが更に好ましい。
【0018】
図3は凹凸構造部の単位凸曲面の配列の一例を示す模式図である。
【0019】
凹凸構造部12において、全ての単位凸曲面12aの底面部面積の総和は、透明基材フィルム14の第一面の面積に対して、図3に示されるような六方配列(3つの方向に繰り返し配列)の場合が最大である。図3の場合、凹凸構造部12の単位凸曲面12aの底面部面積の総和は、透明基材フィルム14の第一面の面積に対して、最大(最密充填)で91%程度となる。すなわち、凹凸構造部12の単位凸曲面12aを含む表面を光学フィルム1の面法線方向と直交する面へ投影した投影面の面積に対する、全ての単位凸曲面12aの底面部の面積の合計の比である凸曲面充填率は、91%程度である。凸曲面充填率が20%〜100%となるように単位凸曲面12aを構成及び配列することで、光取り出し効率を一層向上させることができる。但し、本発明は、これに限定されるものではなく、単位凸曲面12aの配列は、矩形配列、ランダム配列など、どのような配列にすることもできる。
【0020】
透明基材フィルム14は、凹凸構造部12の単位凸曲面12aの形成された面の反対側の面に接合されている。従って、本実施形態の光学装置において、光学デバイス2は、凹凸構造部12の単位凸曲面12aの形成された面の反対側に位置する、光学フィルム1の面に接合されていることになる。
【0021】
尚、光学フィルム1において、凹凸構造部12のみで形状保持が可能な場合には、透明基材フィルム14を省略してもよい。
【0022】
光学デバイス2から発せられる光の分布は実質上等方的であるので、光学デバイス2から発せられる光は、光学フィルム1の凹凸構造部12の凹凸単位形状12aの形成された面により、高い効率で取り出される。
【0023】
凹凸構造部12は、透明基材フィルム14の表面に直接設けてもよい。また、透明基材フィルム14との密着性を向上させるために、透明基材フィルム14の表面に密着性向上のための表面処理を施して表面処理層を形成してから凹凸構造部12を設けてもよい。この表面処理としては、例えば、透明基材フィルム14の表面にポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂などからなる易接着層を形成する方法や、透明基材フィルム14の表面を粗面化処理するなどの方法が挙げられる。更に、透明基材フィルム14の凹凸構造部12と反対側に、光の取り出し効率をさらに向上させるため、あるいは、透過光の出射角度による波長依存性を低減して、より均一にするために光拡散層を設けても良い。この光拡散層は、例えば活性エネルギー線硬化性樹脂に屈折率の異なる有機系微粒子やシリカ微粒子等の拡散剤を配合することで形成することができる。
【0024】
また、透明基材フィルム14には、帯電防止、反射防止、基材同士の密着防止など他の処理を施すこともできる。
【0025】
図4に、光学フィルム1の製造装置を示す。図4を参照して、光学フィルム1の製造方法につき、以下に説明する。
【0026】
光学フィルム1の凹凸構造部12の単位凸曲面12aの形成された面を転写形成するための転写面を有する例えば銅製の薄膜を外周に巻き付けた円筒形金型7と、ゴム製ニップロール6との間に、透明シート状基材5(即ち上記透明基材フィルム14)を導入する。透明シート状基材5が導入された状態において、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物10をタンク8から先端にノズルを取り付けた配管9を通して、円筒形金型7と透明シート状基材との間に供給しながら、透明シート状基材5を移動させる。この時、円筒形金型7はこれに合わせて回転しており、円筒形金型7と透明シート状基材5との間に挟まれた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物10は、高圧水銀灯等を光源とした紫外線照射装置11付近に来たところで、紫外線照射により硬化する。ランプ通過後、円筒形金型7から離型し、光学フィルム12’(即ち光学フィルム1)を得る。
【0027】
なお、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を貯蔵するタンク8および円筒形金型7の内部あるいは外部には、温度を一定に制御するためシーズヒータや温水ジャケットなどの熱源設備が配置されており、タンク8内の樹脂温度および円筒形金型7の表面温度を適宜維持する。
【0028】
光学フィルム1の製造に用いる金型(型部材)としては、例えば、アルミニウム、黄銅、鋼などの金属製の型、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ABS樹脂、フッ素樹脂、ポリメチルペンテン樹脂などの合成樹脂製の型、これらの材料にメッキを施したものや各種金属粉を混合した材料より作製した型などが挙げられる。特に、金属製の型は、耐熱性や強度の面から好ましく、また、連続生産に適している。より具体的には、金属製の型は、重合発熱に強い、変形しにくい、傷が付きにくい、温度制御が可能である、精密成形に適しているなどの利点がある。
【0029】
これらの金型において、光学フィルム1の凹凸構造部12の単位凸曲面12aの形成された面を転写形成するための転写面を作成する方法としては、ダイヤモンドバイトによる切削、或いはWO2008/069324号公報に記載されるようなエッチングが挙げられる。また、これらの転写面形状の凹凸が反転した形状の転写面を有するマスター型から電鋳法を用いて作製した金属薄膜をロール芯部材に巻きつけて、円筒形金型を作製する方法も用いることができる。また、転写面をブラスト処理により、単位構造が完全に失われない程度に粗面化し、粗面による光拡散効果により、光学装置からの出射光波長の出射角度依存性を低減することもできる。
【0030】
活性エネルギー線発光光源としては、例えば、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極UVランプ(フュージョンUVシステムズ社製)、可視光ハロゲンランプ、キセノンランプ、太陽光等が使用できる。活性エネルギー線照射時の雰囲気は、空気中でもよいし、窒素、アルゴン等の不活性ガス中でもよい。照射エネルギーとしては、例えば、200〜600nm、好ましくは320〜390nmの波長の波長範囲における積算エネルギーが、例えば、0.01〜10J/cm、好ましくは0.5〜8J/cmとなるように照射することが適当である。
【0031】
[光取り出し効率]
次に、本発明の光学フィルムを光学デバイスである有機EL素子と組み合わせてなる光学装置における光取り出し効率の評価方法に関し説明する。本発明の光学フィルム1を備えた光学装置構成と、光学フィルム1を備えない有機EL素子のみからなる光学装置構成とで、出射した光の量を以下に示すような計算手法により計算して、光取り出し効率を求めることができる。
【0032】
光線追跡法を用いることで、本発明の光学フィルムにおける光の伝播をシミュレートすることができる。ここでいう光線追跡法とは、光の進行・反射・屈折を幾何光学的に追いかけることにより光の振る舞いを計算する手法である。本発明における光取り出し効率は、本発明の光学フィルム1を備えない光学装置構成の出射光量を100%としたときの、本発明の光学フィルム1を備えた光学装置構成の出射光量で表すこととする。
【実施例】
【0033】
以下、実施例及び比較例によって本発明を説明する。
【0034】
[光学シミュレーション]
実施例及び比較例では、本発明の効果を検証するにあたり、光線追跡ソフトウェアLightTools(Optical Research Associates社)を用いたシミュレーションを行い、法線輝度と、出射した光の量より算出した光取り出し効率を比較した。
【0035】
シミュレーションに際して、市販の有機EL素子(Philips社製、LUMIBLADE EXPERIENCE KIT、発光部寸法:30.5mm×38mm)を素子構成モデルとした。実施例1の光学装置構成を図5に示す。光学装置構成モデルは金属電極層28、光源層29、透明基材層22、光学フィルム1の順に積層したものとし、各層は光学密着している。金属電極層28は寸法30.5mm×38mmで厚み1mmの平板状とし、光源層29と接する面の反射率を90%と設定した。光源層29は発光面積が寸法30.5mm×38mmで厚み0.001mmの平板状とした。透明基材層22は寸法30.5mm×38mmで厚み0.7mmのガラス(BK7ガラス製)とした。光学フィルム1の透明基材フィルム14は屈折率1.52の寸法30.5mm×38mmで厚み0.038mmのフィルムとした。光学フィルム1の凹凸構造部12は屈折率1.51の光硬化性樹脂を想定し、透明基材フィルム14上に配置した。光は光源層29から発して、光学装置構成モデルの各層を通過して、光学フィルム1から出射するものとし、該モデルにおける出射面以外の外壁は全て光を吸収する面とした。光源層29から発する光の量は1W、光線本数を500万本に設定し、該出射面から放出される光の量を計算した。
【0036】
[発光分布測定方法]
光源層29から発光される光の角度分布について説明する。市販の有機EL素子(Philips社製、LUMIBLADE EXPERIENCE KIT、発光部寸法:30.5mm×38mm)のガラス表面に、直径2mmの穴の空いた厚み0.1mmの遮光シートを屈折率1.52の屈折液(Cargille社製)を用いて光学密着させた。次いで、直径23.6mm、高さ11.8mmの半球状レンズ(BK7ガラス製)を同様の方法で遮光シートの上に光学密着させ、半球状レンズの頂部が遮光シートの穴の真上にくるよう配置した。この状態で有機EL素子に48.4mAの電流を通電して点灯し、輝度計(トプコン社製、BM−7)を用いて0度から90度の範囲の光の角度分布を測定した。測定により得られた角度分布データを、シミュレーションの光源層29から発光される光の角度分布に設定した。
【0037】
[参考例]
本発明の光学フィルム1を備えない光学装置構成の法線輝度、出射する光の量をシミュレーションしたところ、法線輝度は0.135(W/sr)、出射する光の量は0.356(W)であった。
【0038】
[実施例1]
光学フィルムの凹凸構造部に、底面の最長径Aが30μm、高さBが15.6μm、アスペクト比0.52の単位凸曲面12aを凸曲面充填率が91%となるように六方配列で最密充填となるよう配置してシミュレーションを実施し、参考例の場合を基準(100%)とした法線輝度比と光取り出し効率とを求めた。その結果を表1に示す。
【0039】
[実施例2]
単位凸曲面12aのアスペクト比を0.6(最長径A:30μm、高さB:18μm)とし、凸曲面充填率が84%となるように六方配列で配置した以外は実施例1と同じ手法により法線輝度と光取り出し効率を求めた。その結果を表1に示す。
【0040】
[実施例3]
単位凸曲面12aのアスペクト比を0.8(最長径A:30μm、高さB:24μm)とした以外は実施例1と同じ手法により法線輝度と光取り出し効率を求めた。その結果を表1に示す。
【0041】
[実施例4]
単位凸曲面12aのアスペクト比を1.0(最長径A:30μm、高さB:30μm)とした以外は実施例1と同じ手法により法線輝度と光取り出し効率を求めた。その結果を表1に示す。
【0042】
[実施例5]
単位凸曲面12aのアスペクト比を1.2(最長径A:30μm、高さB:36μm)とした以外は実施例1と同じ手法により法線輝度と光取り出し効率を求めた。その結果を表1に示す。
【0043】
[実施例6]
単位凸曲面12aのアスペクト比を1.4(最長径A:30μm、高さB:42μm)とした以外は実施例1と同じ手法により法線輝度と光取り出し効率を求めた。その結果を表1に示す。
【0044】
[比較例1]
単位凸曲面12aのアスペクト比を0.4(最長径A:30μm、高さB:12μm)とした以外は実施例1と同じ手法により法線輝度と光取り出し効率を求めた。その結果を表1に示す。
【0045】
[比較例2]
単位凸曲面12aのアスペクト比を0.2(最長径A:30μm、高さB:6μm)とした以外は実施例1と同じ手法により法線輝度と光取り出し効率を求めた。その結果を表1に示す。
【0046】
[比較例3]
単位凸曲面12aのアスペクト比を1.5(最長径A:30μm、高さB:45μm)とした以外は実施例1と同じ手法により法線輝度と光取り出し効率を求めた。その結果を表1に示す。
【0047】
【表1】

【符号の説明】
【0048】
1 光学フィルム
12 凹凸構造部
12a 単位凸曲面
14 透明基材フィルム
2 光学デバイス
22 透明基材層
24 透明電極層
26 有機発光層
28 金属電極層
29 光源層
5 透明シート状基材
6 ゴム製ニップロール
7 円筒形金型
8 タンク
9 配管
10 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
11 紫外線照射装置
12’ 光学フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の凸曲面から構成される凹凸構造部を有する光学フィルムであって、
前記凹凸構造部の複数の凸曲面のそれぞれは、底面部最長径Aに対する高さBの比であるアスペクト比(B/A)が0.5を超え且つ1.4以下であることを特徴とする光学フィルム。
【請求項2】
前記光学フィルムは、透光性フィルム部材の一方の面に前記凹凸構造部が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項3】
前記複数の凸曲面のそれぞれは、互いに同等の寸法及び形状を持つ単位凸曲面であることを特徴とする、請求項1または2に記載の光学フィルム。
【請求項4】
前記凸曲面のそれぞれは、前記光学フィルムの面法線方向の軸に関して対称性を持つ回転面であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学フィルム。
【請求項5】
前記凸曲面のそれぞれは、前記光学フィルムの面法線方向の対称軸を持つ回転楕円面の一部からなることを特徴とする、請求項4に記載の光学フィルム。
【請求項6】
前記凸曲面のそれぞれは、前記底面部最長径Aが5μm〜150μmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学フィルム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学フィルムと、前記凹凸構造部と反対側の面において前記光学フィルムに隣接して配置された面発光光学デバイスと、を備えており、
前記面発光光学デバイスから発せられる光を前記光学フィルムの前記凹凸構造部の複数の凸曲面を含む表面から出射させるようにしてなることを特徴とする光学装置。
【請求項8】
前記面発光光学デバイスは前記光学フィルムに接合されていることを特徴とする、請求項7に記載の光学装置。
【請求項9】
前記面発光光学デバイスは有機EL発光素子であることを特徴とする、請求項7または8に記載の光学装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−57736(P2013−57736A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194950(P2011−194950)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】