光源モジュール、およびその点灯装置、ならびにそれらを用いた照明器具
【課題】製造コストの上昇と配線の複雑化を抑えつつ、電気特性が異なる複数種類の光源モジュールを共通の点灯装置で点灯させることを可能とする。
【解決手段】光源モジュールA1は、第1発光部1の発光ダイオード1a並びに第2発光部2の発光ダイオード2aの電気特性に関する情報を情報保持部3に保持し、当該情報に応じて点灯装置から適切な直流電流を供給させる。故に、使用される発光ダイオード1a,2aの電気特性に合わない過大な電流が流れることを防ぐことができる。また、情報保持部3が第1負極端子5と第2負極端子6との間に設けられた全波整流器DBを具備しており、点灯装置の補助電源部12が第1負極端子5と第2負極端子6の何れにも接続可能であるから、点灯装置並びに光源モジュールA1の配線の複雑化を抑えることができる。
【解決手段】光源モジュールA1は、第1発光部1の発光ダイオード1a並びに第2発光部2の発光ダイオード2aの電気特性に関する情報を情報保持部3に保持し、当該情報に応じて点灯装置から適切な直流電流を供給させる。故に、使用される発光ダイオード1a,2aの電気特性に合わない過大な電流が流れることを防ぐことができる。また、情報保持部3が第1負極端子5と第2負極端子6との間に設けられた全波整流器DBを具備しており、点灯装置の補助電源部12が第1負極端子5と第2負極端子6の何れにも接続可能であるから、点灯装置並びに光源モジュールA1の配線の複雑化を抑えることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードを光源とする光源モジュール、およびその点灯装置、ならびにそれらを用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光ダイオードを光源とする光源モジュール、およびその点灯装置、ならびにそれらを用いた照明器具が種々提供されている(例えば、特許文献1〜3参照)。従来の光源モジュールは、所望の明るさ(光束)を得るために複数個の発光ダイオードが直列接続されたり、あるいは複数個の発光ダイオードの直列回路が並列接続されている。そのため、点灯装置の出力(出力電圧や出力電流)は、直列接続又は直並列接続される発光ダイオードの個数に応じた出力とする必要がある。
【0003】
特許文献2に記載されている従来例では、直列接続される発光ダイオードの個数が異なる3種類の光源モジュールが用意され、何れかの光源モジュールが点灯装置に接続されたときに点灯装置から光源モジュールに微少な電流を流すとともに、そのときの光源モジュールにおける電圧降下に基づいて光源モジュールの種類を判別している。そして、その判別結果に応じて、点灯装置から光源モジュールに印加される出力が調整されるようになっている。
【0004】
また、特許文献3に記載されている従来例では、光源モジュールの種類に応じた電流情報を記憶する記憶部が光源モジュールに設けられ、点灯装置と光源モジュールが接続されたときに点灯装置の情報監視部が光源モジュールの記憶部から電流情報を読み出している。そして、点灯装置は、情報監視部で読み出した電流情報に応じて光源モジュールへの出力を調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−224046号公報
【特許文献2】特開2009−283281号公報
【特許文献3】特開2009−21175号公報(段落0030〜段落0032および図2参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、照明用の白色発光ダイオードにおいては、現在のところ、順電圧が3.5[V]、順電流が0.3[A]という電気特性が一般的である。しかしながら、今後の技術進歩によって、例えば、順電圧が3.0[V]、順電流が0.2[A]というような電気特性を有した発光ダイオードが実用化される可能性がある。そして、新規な電気特性を有する発光ダイオードが実用化された場合、特許文献2に記載されている従来例では、そのような発光ダイオードを搭載した光源モジュールを既存の点灯装置で問題なく点灯させることは困難である。例えば、順電圧が3.5[V]、順電流が0.3[A]の発光ダイオードを7個直列接続した光源モジュールの順電圧は3.5×7=24.5[V]となり、順電圧が3.0[V]、順電流が0.2[A]の発光ダイオードを8個直列接続した光源モジュールの順電圧は3.0×8=24[V]となって順電圧に実質的な差は生じないものの、順電流に0.1[A]の差が生じてしまう。つまり、順電流が0.2[A]である光源モジュールに0.3[A]の過電流を流してしまうと異常な発熱が生じて故障または寿命劣化などの問題を生じる虞がある。
【0007】
一方、特許文献3に記載されている従来例では、新規な電気特性の情報を記憶部に記憶しておくことにより、既存の点灯装置でも点灯させることができる可能性がある。
【0008】
しかしながら、特許文献3に記載されている従来例では、フラッシュメモリのように電気的に書換可能な不揮発性の半導体メモリを搭載しなければならないため、光源モジュールの製造コストが上昇するという問題がある。また、特許文献3に記載されている従来例では、記憶部に動作電源を供給するための給電路とは別に、記憶部から情報を読み出すための信号線路が必要であるから、光源モジュールと点灯装置を接続する配線が複雑化してしまうという問題もある。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、製造コストの上昇と配線の複雑化を抑えつつ、電気特性が異なる複数種類の光源モジュールを共通の点灯装置で点灯させることを可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の光源モジュールは、複数の発光ダイオードが順方向に直列接続されてなる第1発光部と、前記第1発光部における先頭の発光ダイオードのカソードにそれぞれのアノードが並列接続された複数の発光ダイオードからなる第2発光部と、前記第1発光部における最後尾の発光ダイオードのアノードに接続された正極端子と、前記第2発光部における少なくとも何れか1つの発光ダイオードのカソードに接続された第1負極端子と、前記第2発光部における複数の発光ダイオードのうちで前記第1負極端子に接続されていない発光ダイオードの少なくとも何れか1つのカソードに接続された第2負極端子と、前記第1負極端子と第2負極端子の間に接続されて前記発光ダイオードの電気特性に関する情報を保持する情報保持部とを備え、点灯装置の出力が前記正極端子と前記第1負極端子又は第2負極端子との間に印加されるとともに、前記第1負極端子と前記第2負極端子との間に外部の電源から直流電圧が印加され、前記情報保持部は、前記第1負極端子と前記第2負極端子との間に設けられた全波整流器を具備し、当該全波整流器を介して入力される電圧波形を前記情報に応じて整形することを特徴とする。
【0011】
この光源モジュールにおいて、前記第1発光部における最後尾の発光ダイオードのアノードにそれぞれのカソードが並列接続された複数の発光ダイオードからなる第3発光部と、前記正極端子の代わりに前記第3発光部における少なくとも何れか1つの発光ダイオードのアノードに接続された第1正極端子と、前記第3発光部における複数の発光ダイオードのうちで前記第1正極端子に接続されていない発光ダイオードの少なくとも何れか1つのアノードに接続された第2正極端子と、前記第1正極端子と第2正極端子の間に接続されて前記情報保持部と同じ情報を保持する第2情報保持部とを備え、前記第2発光部における複数の発光ダイオードのうちで前記第1負極端子及び前記第2負極端子の何れとも接続されていない少なくとも2つの発光ダイオードのカソードがそれぞれ前記第1正極端子又は前記第2正極端子と接続され、前記第3発光部における複数の発光ダイオードのうちで前記第1正極端子及び前記第2正極端子の何れとも接続されていない少なくとも2つの発光ダイオードのアノードがそれぞれ前記第1負極端子又は前記第2負極端子と接続されることが好ましい。
【0012】
本発明の点灯装置は、本発明の光源モジュールを点灯する点灯装置であって、電圧及び電流の双方が可変である直流出力を前記正極端子若しくは前記第1正極端子又は前記第2正極端子の何れか1つと前記第1負極端子又は前記第2負極端子の何れか1つとの間に印加する直流出力部と、前記第1負極端子と前記第2負極端子との間若しくは前記第1正極端子と前記第2正極端子との間に直流電圧を印加する補助電源部と、前記第1負極端子と前記第2負極端子との間若しくは前記第1正極端子と前記第2正極端子との間の電圧波形に基づいて前記情報保持部が保持する前記発光ダイオードの電気特性を判別する特性判別部と、前記第1負極端子と前記第2負極端子との間若しくは前記第1正極端子と前記第2正極端子との間の電圧に基づいて前記光源モジュールの接続の有無を判定する接続判定部と、前記接続判定部が前記光源モジュールの接続無しと判定した場合は前記直流出力部の直流出力を停止させるとともに、前記接続判定部が前記光源モジュールの接続有りと判定した場合は前記特性判別部で判別される前記電気特性に応じて前記直流出力部の直流出力における電圧又は電流の少なくとも何れか一方を調整する出力調整部とを備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明の照明器具は、本発明の点灯装置を保持する器具本体と、当該器具本体に設けられ、本発明の光源モジュールが着脱自在に装着されるソケットとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の光源モジュール、点灯装置、照明器具は、製造コストの上昇と配線の複雑化を抑えつつ、電気特性が異なる複数種類の光源モジュールを共通の点灯装置で点灯させることが可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態1の光源モジュールを示す回路構成図である。
【図2】同上の光源モジュールの斜視図である。
【図3】同上における情報保持部の回路構成図である。
【図4】同上の点灯装置の回路構成図である。
【図5】同上の点灯装置の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図6】同上の点灯装置の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図7】同上における電気特性の説明図である。
【図8】同上の点灯装置の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図9】実施形態2の光源モジュール並びに点灯装置の回路構成図である。
【図10】実施形態3の光源モジュール並びに点灯装置の回路構成図である。
【図11】同上における情報保持部の回路構成図である。
【図12】同上の点灯装置の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図13】実施形態4の光源モジュールを示す回路構成図である。
【図14】同上の光源モジュールの斜視図である。
【図15】同上の照明器具の斜視図である。
【図16】実施形態5の光源モジュール並びに点灯装置の回路構成図である。
【図17】同上の点灯装置の動作を説明するための説明図である。
【図18】同上における電気特性の説明図である。
【図19】同上の点灯装置の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図20】同上における電気特性の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態1)
本実施形態の光源モジュールA1は、図1に示すように第1発光部1、第2発光部2、情報保持部3、正極端子4、第1負極端子5、第2負極端子6を備えている。
【0017】
第1発光部1は、電気特性が同一である複数(図示例では5個以上)の発光ダイオード1aが順方向に直列接続されて構成されている。ただし、複数の発光ダイオード1aが順方向に直列接続された複数の直列回路を互いに並列接続して第1発光部1を構成しても構わない。第2発光部2は、第1発光部1における先頭の発光ダイオード1aのカソードにそれぞれのアノードが並列接続された複数(図示例では2個)の発光ダイオード2aで構成されている。なお、第2発光部2を構成する発光ダイオード2aの電気特性は同一である。ただし、第1発光部1を構成する発光ダイオード1aと第2発光部2を構成する発光ダイオード2aとは、光源モジュールA1の発光にむらがでないように電気特性及び光学特性が同一若しくは類似していることが望ましい。また、発光ダイオード1a,2aの個数は上記個数に限定されるものではない。情報保持部3は、発光ダイオード1a,2aの電気特性(順電圧又は順電流)に関する情報を保持するものであって、図3に示す回路構成を有している。ただし、情報保持部3の詳細な回路構成については後述する。
【0018】
第1発光部1及び第2発光部2は、図2に示すように長尺の矩形平板状に形成されたプリント配線板7の片面(図2における上面)に実装されている(ただし、発光ダイオード1aの図示は一部省略している)。また図示は省略しているが、プリント配線板7のもう片面(図2における下面)における長手方向の一端側に情報保持部3が実装されている。そして、透光性材料によって円筒形に形成された筐体8の内部にプリント配線板7が収納される。筐体8の両端が口金9で閉塞されており、プリント配線板7の両端部が口金9に支持されている。また、一方の口金9から丸ピン型の正極端子4が突設され、他方の口金9から同じく丸ピン型の第1負極端子5並びに第2負極端子6が突設されている。
【0019】
正極端子4は、第1発光部1における最後尾の発光ダイオード1aのアノードに電気的に接続されている。また第1負極端子5は、第2発光部2における複数の発光ダイオード2aのうちの一方の発光ダイオード2aのカソードに電気的に接続されている。さらに第2負極端子6は、第2発光部2における複数の発光ダイオード2aのうちで第1負極端子5に接続されていない他方の発光ダイオード2aのカソードに電気的に接続されている。
【0020】
一方、本実施形態の点灯装置は、図4に示すように交流電源ACから供給される交流電力を直流電力に変換して光源モジュールA1へ出力する直流出力部10を備えている。この直流出力部10は、従来周知の降圧チョッパ回路や昇降圧チョッパ回路などで構成されて、スイッチング素子のスイッチング周波数やオンデューティ比を制御することで出力電圧及び出力電流の双方が可変となっている。なお、直流出力部10の出力端の正極が光源モジュールA1の正極端子4に接続され、直流出力部10の出力端の負極が光源モジュールA1の第1負極端子5又は第2負極端子6の何れか一方に接続される。
【0021】
さらに本実施形態の点灯装置は、制御電源部11、補助電源部12、特性判別部13、接続判定部14、出力調整部15を備えている。制御電源部11は、例えば、交流電源ACから供給される交流電力より制御電源(例えば、3.3V又は5Vの直流電源)を生成して補助電源部12、特性判別部13、接続判定部14、出力調整部15に供給している。補助電源部12は、制御電源部11から供給される直流電流を定電流化する電流源からなり、光源モジュールA1の第1負極端子5又は第2負極端子6から直流電流を供給する。
【0022】
特性判別部13はマイクロコンピュータを主構成要素とし、後述するように光源モジュールA1の第1負極端子5と第2負極端子6との間の電圧波形に基づいて、光源モジュールA1の情報保持部3が保持している発光ダイオード1a,2aの電気特性(例えば、順電流)を判別する。接続判定部14は、後述するように光源モジュールA1の第1負極端子5と第2負極端子6との間の電圧波形に基づいて点灯装置に対する光源モジュールA1の接続の有無を判定する。
【0023】
出力調整部15は、接続判定部14で光源モジュールA1の接続無しと判定されている場合は直流出力部10を停止させるとともに、接続判定部14で光源モジュールA1の接続有りと判定されている場合は特性判別部13で判別される電気特性に応じて直流出力部10の出力電圧又は出力電流の少なくとも何れか一方を調整する。
【0024】
一方、光源モジュールA1の情報保持部3は、図3に示すように交流入力端が第1負極端子5と第2負極端子6にそれぞれ接続された全波整流器(ダイオードブリッジ)DBと、全波整流器DBの高電位側の直流出力端にアノードが接続されたダイオードD1と、ダイオードD1のカソードと全波整流器DBの低電位側の直流出力端との間に接続された平滑コンデンサC2並びにツェナーダイオードZDの並列回路とを具備している。つまり、全波整流器DBの直流出力端間の電圧がツェナーダイオードZDのツェナー電圧Vzにクランプされるとともに平滑コンデンサC2で平滑化されており、補助電源部12を定電流源とすることによってツェナーダイオードZDに流れるツェナー電流が適正値に制限されている。なお、図3では第1負極端子5に補助電源部12が接続されているが、第2負極端子6に補助電源部12が接続されていても、全波整流器DBの整流作用によって平滑コンデンサC2の両端にツェナー電圧Vzが出力される。
【0025】
平滑コンデンサC2の両端には、2つの抵抗分圧回路が互いに並列接続されている。一方の抵抗分圧回路は2つの抵抗R2,R3の直列回路からなり、第1の基準電圧Vref1を生成する。また、他方の抵抗分圧回路は2つの抵抗R4,R5の直列回路からなり、第1の基準電圧Vref1よりも低い第2の基準電圧Vref2を生成する(Vref2<Vref1)。第1の基準電圧Vref1と第2の基準電圧Vref2は、トランスファゲートTGを介して択一的に比較器CPの非反転入力端子に入力される。この比較器CPでは、第1の基準電圧Vref1又は第2の基準電圧Vref2をコンデンサC1の両端電圧Vc1と比較している。このコンデンサC1は、第1のミラー回路M1から出力される第1のミラー電流I1で充電される。なお、第1のミラー電流I1の電流値は、第1のミラー回路M1に外付けされている抵抗R1の抵抗値によって決まる。
【0026】
また、コンデンサC1の充電電荷は、第2のミラー回路M2によって放電される。すなわち、第2のミラー回路M2にはスイッチング素子Q1が接続され、スイッチング素子Q1のオフ時に第1のミラー電流I1よりも大きい第2のミラー電流I2(I2>I1)をコンデンサC1から出力させてコンデンサC1の充電電荷を放電する。一方、スイッチング素子Q1のオン時には第2のミラー電流I2がゼロになるために第1のミラー電流I1でコンデンサC1が充電される。なお、スイッチング素子Q1のゲートには比較器CPの出力端が接続されており、比較器CPの出力がHレベルのときにスイッチング素子Q1がオンとなり、比較器CPの出力がLレベルのときにスイッチング素子Q1がオフとなる。
【0027】
ここで、全波整流器DBの高電位側の出力端とダイオードD1のアノードとの間にスイッチング素子Q2と、抵抗R0及びスイッチング素子Q3の直列回路とが接続され、抵抗R0とスイッチング素子Q3の接続点(スイッチング素子Q3のドレイン)にスイッチング素子Q2のゲートが接続されている。スイッチング素子Q3のゲートには比較器CPの出力端が接続されており、比較器CPの出力がHレベルのときにスイッチング素子Q3がオンとなってスイッチング素子Q2がオフとなり、比較器CPの出力がLレベルのときにスイッチング素子Q3がオフとなってスイッチング素子Q2がオンとなる。
【0028】
次に、図5のタイムチャートを参照して、情報保持部3の動作を説明する。後述するように点灯装置の補助電源部12から定電流が供給されると、第1のミラー回路M1が動作して第1のミラー電流I1によりコンデンサC1が充電されてコンデンサC1の両端電圧Vc1が直線的に上昇する(図5(a)参照)。このとき、トランスファゲートTGは第1の基準電圧Vref1を比較器CPの非反転入力端子に入力しており、コンデンサC1の両端電圧Vc1が第1の基準電圧Vref1よりも低いために比較器CPの出力がHレベルとなり(図5(b)参照)、第2のミラー電流I2がゼロになるとともに、スイッチング素子Q3がオン、スイッチング素子Q2がオフとなる。そして、スイッチング素子Q2のドレインに接続されている第1負極端子5の第2負極端子6に対する電位(以下、「情報保持電圧」と呼ぶ。)Voutは、全波整流器DBを構成するダイオードのオン電圧と、ダイオードD1のオン電圧と、ツェナー電圧Vzとを合成した電圧に等しくなる(図5(c)参照)。
【0029】
コンデンサC1の両端電圧Vc1が上昇して第1の基準電圧Vref1を超えると(図5(a)参照)、比較器CPの出力がLレベルに反転し(図5(b)参照)、第2のミラー回路M2が動作してコンデンサC1が放電されるためにコンデンサC1の両端電圧Vc1が徐々に低下する(図5(a)参照)。ここで、トランスファゲートTGは、比較器CPの出力がHレベルからLレベルに切り換わったときに比較器CPの非反転入力端子に出力する基準電圧を第1の基準電圧Vref1から第2の基準電圧Vref2に切り換える(図5(b)参照)。そして、コンデンサC1の両端電圧Vc1が第2の基準電圧Vref2よりも高いために比較器CPの出力がLレベルに維持される(図5(b)参照)。また、比較器CPの出力がLレベルとなるから、スイッチング素子Q3がオフになってスイッチング素子Q2がオンとなり、第1負極端子5の第2負極端子6に対する情報保持電圧Voutがほぼゼロとなる(図5(c)参照)。
【0030】
コンデンサC1の両端電圧Vc1が低下して第2の基準電圧Vref2を下回ると(図5(a)参照)、比較器CPの出力がHレベルに反転し(図5(b)参照)、第2のミラー回路M2が停止してコンデンサC1が再び充電されるためにコンデンサC1の両端電圧Vc1が徐々に上昇する(図5(a)参照)。トランスファゲートTGは、比較器CPの出力がLレベルからHレベルに切り換わったときに比較器CPの非反転入力端子に出力する基準電圧を第2の基準電圧Vref2から第1の基準電圧Vref1に切り換える(図5(b)参照)。そして、コンデンサC1の両端電圧Vc1が第1の基準電圧Vref1よりも低いために比較器CPの出力がHレベルに維持される(図5(b)参照)。また、比較器CPの出力がHレベルとなるから、スイッチング素子Q3がオンになってスイッチング素子Q2がオフとなり、第1負極端子5の第2負極端子6に対する情報保持電圧Voutが全波整流器DBを構成するダイオードのオン電圧と、ダイオードD1のオン電圧と、ツェナー電圧Vzとを合成した電圧に等しくなる(図5(c)参照)。なお、比較器CPの出力がLレベルとなってスイッチング素子Q2がオンしている間は、平滑コンデンサC2から放電される電力によって比較器CPなどの各回路が引き続き動作することができる。
【0031】
ここで、図5からも明らかなように、第1負極端子5の第2負極端子6に対する情報保持電圧Voutは、コンデンサC1の両端電圧Vc1が上昇する期間T1に同期して相対的に高い電圧となり、コンデンサC1の両端電圧Vc1が低下する期間に同期して相対的に低い電圧となるが、第1の基準電圧Vref1と第2の基準電圧Vref2の大きさを変えることで期間T1を調整することができる。例えば、分圧抵抗R2,R3の抵抗比(分圧比)を変更して第1の基準電圧Vref1'(<Vref1)を低くすれば、図6に示すように情報保持電圧Voutが高電圧となる期間T1’が短くなる(T1’<T1)。したがって、本実施形態の光源モジュールA1における情報保持部3では、分圧抵抗R2,R3の抵抗比又は分圧抵抗R4,R5の抵抗比の少なくとも何れか一方によって、発光ダイオード1a,2aの電気特性に関する情報を保持している。なお、本実施形態における情報保持部3では、第1負極端子5と第2負極端子6の間に全波整流器DBを接続しているから、補助電源部12を第2負極端子6に接続した場合にも、上述したように第1負極端子5に接続した場合と同様に動作することは明らかである。
【0032】
例えば、順電圧が3.5V,順電流が0.3Aの電気特性を有する49個の発光ダイオード1aが順方向に直列接続されてなる第1発光部1と、同一の電気特性を有する2個の発光ダイオード2aが並列接続されてなる第2発光部2とを備える光源モジュールA1においては、情報保持部3の情報保持電圧Voutが高電圧となる期間をT1に設定する。その一方、順電圧が3.5V,順電流が0.25Aの電気特性を有する49個の発光ダイオード1aが順方向に直列接続されてなる第1発光部1と、同一の電気特性を有する2個の発光ダイオード2aが並列接続されてなる第2発光部2とを備える光源モジュールA1’においては、情報保持部3の情報保持電圧Voutが高電圧となる期間をT1’に設定する。
【0033】
点灯装置の特性判別部13は、光源モジュールA1,A1’の第1負極端子5と第2負極端子6の間に印加される情報保持電圧Voutが高電圧となる期間を検出し、その期間がT1又はT1'の何れであるかによって、接続されている光源モジュールA1又はA1'の電気特性(実際は発光ダイオード1a,2aの電気特性)を判別する。ここで、特性判別部13では、前記期間T1,T1’と発光ダイオード1a,2aの電気特性(例えば、順電流値)との対応関係を表すデータテーブルをメモリ(図示せず)に記憶しており、検出した期間T1,T1’に対応する順電流値を前記データテーブルから読み出すとともに、直流出力部10の出力電流を読み出した順電流値に等しくするように出力調整部15に指示する。ただし、期間T1,T1’と発光ダイオード1a,2aの電気特性との対応関係をデータテーブルで表す代わりに、図7に示すような1次関数としてメモリに記憶しておき、当該1次関数を利用して期間T1,T1’から発光ダイオード1a,2aの電気特性を演算してもよい。また、本実施形態では情報保持部3が保持する電気特性の情報を順電流値としたが、これに限定する趣旨ではなく、順電圧値又は順電流値と順電圧値の両方を電気特性の情報として保持してもよい。
【0034】
ところで、点灯装置において光源モジュールA1又はA1’の第1負極端子5及び第2負極端子6と接続される端子(図示せず)間の電圧は、光源モジュールA1又はA1’が接続されていないときは制御電源部11の制御電圧Vccに等しく、光源モジュールA1又はA1’が接続されているときはツェナー電圧Vzにクランプされて制御電圧よりも低い電圧(情報保持電圧Vout)となる。そこで、制御電圧Vccよりも低く且つ情報保持電圧Voutよりも高いしきい値電圧Vref3と、光源モジュールA1又はA1’の第1負極端子5及び第2負極端子6と接続される端子間の電圧(以下、検出電圧と呼ぶ。)とを接続判定部14で比較し、検出電圧がしきい値電圧Vref3を超えていれば光源モジュールA1又はA1’が接続されていない(接続無し)と判定し、検出電圧がしきい値電圧Vref3を下回っていれば光源モジュールA1又はA1’が接続されている(接続有り)と判定することができる(図8(a)参照)。そして、接続判定部14では、接続無しと判定した場合に出力調整部15に停止信号を出力して直流出力部10の動作を停止させるとともに、特性判別部13にも停止信号を出力して特性判別の動作を停止させる。
【0035】
次に、図8のタイムチャートを参照して、点灯装置の接続判定部14の動作を具体的に説明する。図8に示すように、時刻t=t0までは点灯装置に光源モジュールA1又はA1’が接続されていないため、接続判定部14から出力調整部15に停止信号が出力されて直流出力部10が停止している。そして、時刻t=t0で点灯装置に光源モジュールA1又はA1’が接続されると、点灯装置の補助電源部12から第1負極端子5又は第2負極端子6を介して光源モジュールA1又はA1’に定電流が供給されて平滑コンデンサC2が充電される。このとき、平滑コンデンサC2の両端電圧Vc2がツェナー電圧Vzに達する時点(時刻t=t1)までは情報保持部3の動作が過渡状態にあるので、情報保持部3が保持している電気特性の情報を特性判別部13が誤判別する虞がある。そこで接続判定部14では、接続有りと判定した時点から所定期間(時刻t=t0から時刻t=t1までの期間)には出力調整部15並びに特性判別部13に対する停止信号の出力を継続し、情報保持部3の動作が安定した後(時刻t=t1以降)、出力調整部15並びに特性判別部13に対する停止信号の出力を中止している。これにより、特性判別部13の誤判別によって直流出力部10から過大な直流出力が光源モジュールA1又はA1’に印加されることを防止できる。
【0036】
所定期間の経過後に接続判定部14が停止信号の出力を止めると、その時点では情報保持部3が正常に動作しているので、特性判別部13は情報保持部3が保持している電気特性の情報を正しく判別することができる。そして、特性判別部13において電気特性の情報が判別されると(時刻t=t2)、出力調整部15から直流出力部10に駆動信号(直流出力部10を構成するチョッパ回路のスイッチング素子を駆動する信号)が出力され、光源モジュールA1又はA1’の電気特性に適した直流出力が直流出力部10から供給される。
【0037】
上述のように本実施形態の光源モジュールA1(又はA1’)は、第1発光部1の発光ダイオード1a並びに第2発光部2の発光ダイオード2aの電気特性に関する情報を情報保持部3に保持し、当該情報に応じて点灯装置から適切な直流電流を供給させるので、使用される発光ダイオード1a,2aの電気特性に合わない過大な電流が流れることを防ぐことができる。また、情報保持部3が第1負極端子5と第2負極端子6との間に設けられた全波整流器DBを具備しており、点灯装置の補助電源部12が第1負極端子5と第2負極端子6の何れにも接続可能であるから、点灯装置並びに光源モジュールA1(又はA1’)の配線の複雑化を抑えることができる。さらに、情報保持部3では第1負極端子5と第2負極端子6との間に印加される情報保持電圧Voutが高電圧となる期間(T1又はT1’)を伸縮することにより、全波整流器DBを介して入力される電圧波形を電気特性に関する情報に応じて整形している。よって、従来例のように、フラッシュメモリなどの電気的に書換可能な不揮発性の半導体メモリを搭載する必要が無いから、光源モジュールA1,A1’の製造コストの上昇を抑えることができる。しかも、特性判別部13では、補助電源部12から電源供給される端子(第1負極端子5及び第2負極端子6)を利用して情報保持部3の電気特性に関する情報を判別するので、省配線化が図れるという利点もある。
【0038】
さらに本実施形態では、第1負極端子5と第2負極端子6との間に印加される電圧に基づいて、点灯装置の接続判定部14で光源モジュールA1,A1’の接続の有無を判定し、接続無しと判定されたときには直流出力部10を停止している。故に、接続の有無を判定するために別配線を設ける必要が無いことから省配線化が図れるとともに、光源モジュールA1,A1’が接続されていないときには直流出力部10を停止することで省電力化も図れる。
【0039】
なお、本実施形態の光源モジュールA1は、直管形の蛍光ランプに類似した形状を有しているが、これに限定する趣旨ではない。例えば、円盤状のプリント配線板に第1発光部1と第2発光部2並びに情報保持部3を実装し、円筒形の筐体内に収納してもよい。
【0040】
(実施形態2)
本実施形態の点灯装置は、図9に示すように複数(図示例では2つ)の光源モジュールA1,A1が接続可能であって、これら複数の光源モジュールA1,A1を同時に点灯させることができる点に特徴がある。ただし、本実施形態の点灯装置の基本構成は実施形態1の点灯装置と共通であるから、実施形態1の点灯装置と共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。なお、本実施形態の光源モジュールA1は実施形態1の光源モジュールA1と同一である。
【0041】
本実施形態の点灯装置は、それぞれ異なる光源モジュールA1,A1の第1負極端子5又は第2負極端子6に直流電流を供給する複数(図示例では2つ)の補助電源部12,12を備えている点と、2つの光源モジュールA1,A1の情報保持部3,3が保持する電気特性に関する情報を特性判別部13がそれぞれ個別に判別する点と、2つの光源モジュールA1,A1の接続の有無を接続判定部14が個別に判定する点とが実施形態1の点灯装置と異なる。
【0042】
ここで、本実施形態の点灯装置では、1つの直流出力部10から2つの光源モジュールA1,A1に直流出力を供給するので、接続される全ての光源モジュールA1,A1の電気特性が同一であることが望ましい。以下では、実施形態1で説明したように電気特性が異なる2種類の光源モジュールA1,A1’が点灯装置に接続された場合の動作について説明する。
【0043】
一方の光源モジュールA1の電気特性と、他方の光源モジュールA1’の電気特性とが異なっていた場合、特性判別部13は、出力調整部15に停止信号を出力することで直流出力部10を停止させる。この場合、2つの光源モジュールA1,A1’は何れも点灯しない。あるいは、一方の光源モジュールA1’の順電流(0.25A)が他方の光源モジュールA1の順電流(0.3A)よりも低いので、直流出力部10の出力電流を低い方の順電流値(0.25A)と等しくするように、特性判別部13が出力調整部15に指示してもよい。この場合、直流出力部10の出力電流が2つの光源モジュールA1,A1’に分流されるので、光源モジュールA1’に流れる電流は電気特性の順電流値(0.25A)よりも低くなるが、2つの光源モジュールA1,A1’を双方とも点灯させることができる。なお、接続判定部14の判定動作は実施形態1と共通であるから説明を省略する。
【0044】
上述のように本実施形態の点灯装置では、複数の光源モジュールA1,A1(又はA1‘,A1’)を点灯することができるとともに、電気特性が異なる光源モジュールA1,A1’が誤って接続された場合においても、過大な電流を光源モジュールA1,A1’に流すことがなく、光源モジュールA1,A1’に不具合を生じさせる虞がない。
【0045】
(実施形態3)
本実施形態の点灯装置は、図10に示すように複数(図示例では2つ)の光源モジュールA2,A2が接続可能であって、これら複数の光源モジュールA2,A2を同時に点灯させることができる点で実施形態2の点灯装置と共通である。本実施形態の点灯装置は、補助電源部12が1つである点と、特性判別部13及び接続判定部14に対して光源モジュールA2,A2の第1負極端子5並びに第2負極端子6が並列接続されている点と、補助電源部12の回路構成とが実施形態2の点灯装置と異なっている。ただし、本実施形態の点灯装置の基本構成は実施形態2の点灯装置と共通であるから、実施形態2の点灯装置と共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。また、本実施形態の光源モジュールA2は、情報保持部3の回路構成のみが実施形態1の光源モジュールA1と異なっている。
【0046】
本実施形態の点灯装置における補助電源部12は、図11に示すように抵抗12aとスイッチング素子12bの直列回路で構成されている。スイッチング素子12bは、特性判別部13によってスイッチング制御される。つまり、特性判別部13がスイッチング素子12bをオンしている間だけ補助電源部12から光源モジュールA2,A2に直流電流が供給される。
【0047】
一方、光源モジュールA2の情報保持部3においては、図11に示すようにスイッチング素子Q2のドレインが抵抗R9を介してダイオードD1のアノード並びに全波整流器DBの高電位側の出力端に接続されている。ここで、ツェナーダイオードZDに流れるツェナー電流は、補助電源部12の抵抗12aによって所定値に制限されている。なお、図11では第1負極端子5に補助電源部12が接続されているが、第2負極端子6に補助電源部12が接続されていても、全波整流器DBの整流作用によって平滑コンデンサC2の両端にツェナー電圧Vzが出力される。
【0048】
平滑コンデンサC2の両端間には、ミラー回路M3とコンデンサC3の直列回路が接続されている。このコンデンサC3は、ミラー回路M3から出力されるミラー電流(定電流)で充電される。なお、このミラー電流の電流値は、ミラー回路M3に外付けされた抵抗R8の抵抗値によって決まる。
【0049】
また、ミラー回路M3とコンデンサC3の接続点が比較器CPの反転入力端子に接続されている。この比較器CPでは、ツェナー電圧Vzを2つの分圧抵抗R6,R7で分圧して生成された基準電圧Vref4と、コンデンサC3の両端電圧Vc3とを比較している。そして、比較器CPの出力端がスイッチング素子Q3のゲートに接続され、比較器CPの出力がHレベルのとき(Vref4>Vc3)、スイッチング素子Q3がオンとなってスイッチング素子Q2がオフとなり、比較器CPの出力がLレベルのとき(Vref4≦Vc3)、スイッチング素子Q3がオフとなってスイッチング素子Q2がオンとなる。
【0050】
次に、図12のタイムチャートを参照して、情報保持部3の動作を説明する。点灯装置の特性判別部13は、図12(a)に示すように所定期間T2だけスイッチング素子12bをオンして補助電源部12から光源モジュールA2,A2の情報保持部3に直流電流を供給する。情報保持部3では、所定期間だけツェナー電圧Vzが発生してミラー回路M3が動作し、ミラー電流によってコンデンサC3が充電されてコンデンサC3の両端電圧Vc3が直線的に上昇する(図12(c)参照)。このとき、コンデンサC3の両端電圧Vc3が基準電圧Vref4よりも低いために比較器CPの出力がHレベルとなり(図12(d)参照)、スイッチング素子Q3がオン、スイッチング素子Q2がオフとなる。そして、スイッチング素子Q2のドレインに接続されている第1負極端子5の第2負極端子6に対する電位(情報保持電圧Vout)は、全波整流器DBを構成するダイオードのオン電圧と、ダイオードD1のオン電圧と、ツェナー電圧Vzとを合成した電圧に等しくなる(図12(e)参照)。
【0051】
コンデンサC3の両端電圧Vc3が上昇して基準電圧Vref4を超えると(図12(c)参照)、比較器CPの出力がLレベルに反転し(図12(d)参照)、スイッチング素子Q3がオフになってスイッチング素子Q2がオンとなる。このとき、情報保持電圧Voutは、制御電源部11から出力される制御電圧を、補助電源部12の抵抗12aとスイッチング素子Q2のドレインに接続された抵抗R9とで分圧した電圧に低下する(図12(e)参照)。
【0052】
ここで、情報保持電圧Voutが所定期間T2内で相対的に高い電圧となる期間(高電圧期間)T3は、基準電圧Vref4の大きさによって変化する。例えば、分圧抵抗R6,R7の抵抗比(分圧比)を変更して基準電圧Vref4を低くすれば、高電圧期間T3を短縮することができる。したがって、本実施形態の光源モジュールA2における情報保持部3では、分圧抵抗R6,R7の抵抗比によって、発光ダイオード1a,2aの電気特性に関する情報を保持している。なお、本実施形態における情報保持部3では、第1負極端子5と第2負極端子6の間に全波整流器DBを接続しているから、補助電源部12を第2負極端子6に接続した場合にも、上述したように第1負極端子5に接続した場合と同様に動作することは明らかである。
【0053】
一方、点灯装置の特性判別部13は、情報保持電圧Voutを所定のしきい値電圧Vref5と比較することで高電圧期間T3を検出し、検出した高電圧期間T3の長さに基づいて光源モジュールA2の電気特性を判別している(図12(e)参照)。
【0054】
ところで、実施形態2でも説明したように、電気特性が異なる2種類の光源モジュールA2,A2’が本実施形態の点灯装置に誤って接続される場合が考えられる。例えば、一方の光源モジュールA2の電気特性が順電圧3.5V,順電流0.3Aであり、他方の光源モジュールA2’の電気特性が順電圧3.5V,順電流0.25Aであって、電気特性に関する情報として順電流値に正比例した高電圧期間T3が設定されているものとする。この場合、2種類の光源モジュールA2,A2’の第1負極端子5並びに第2負極端子6が特性判別部13に対して並列接続されているので、高電圧期間T3が相対的に短い方の種類の光源モジュールA2’の電気特性が優先的に特性判別部13で判別されることになる。よって、直流出力部10の出力電流を低い方の順電流値(0.25A)と等しくするように、特性判別部13が出力調整部15に指示して、2つの光源モジュールA2,A2’を双方とも点灯させることができる。なお、接続判定部14の判定動作は実施形態1と共通であるから説明を省略する。
【0055】
上述のように本実施形態の点灯装置においても、複数の光源モジュールA2,A2(又はA2‘,A2’)を点灯することができるとともに、電気特性が異なる光源モジュールA2,A2’が誤って接続された場合においても、過大な電流を光源モジュールA2,A2’に流すことがなく、光源モジュールA2,A2’に不具合を生じさせる虞がない。しかも、本実施形態では光源モジュールA2,A2’が備える情報保持部3の回路構成並びに点灯装置と光源モジュールA2,A2を接続する配線を、実施形態1,2よりも簡素化することができる。
【0056】
(実施形態4)
本実施形態の光源モジュールA3の回路構成を図13に示す。この光源モジュールA3は、第1発光部1における最後尾の発光ダイオード1aのアノードにそれぞれのカソードが並列接続された複数(図示例では4個)の発光ダイオード2a1’〜2a4’からなる第3発光部2’と、第3発光部2’の1つの発光ダイオード2a1’のアノードに接続された第1正極端子4aと、第1正極端子4aに接続されていない別の1つの発光ダイオード2a2’のアノードに接続された第2正極端子4bと、第1正極端子4aと第2正極端子4bの間に接続されて情報保持部3と同じ情報を保持する第2情報保持部3’とを備えている。また、第3発光部2’における複数の発光ダイオード2a1’〜2a4’のうちで第1正極端子4a及び第2正極端子4bの何れとも接続されていない2つの発光ダイオード2a3‘,2a4’のアノードがそれぞれ第1負極端子5又は第2負極端子6と接続されている。さらに、第2発光部2における複数(図示例では4個)の発光ダイオード2a1〜2a4のうちで第1負極端子5及び第2負極端子6の何れとも接続されていない2つの発光ダイオード2a3,2a4のカソードがそれぞれ第1正極端子4a又は第2正極端子4bと接続されている。ただし、第1発光部1の発光ダイオード1aと第2発光部2の発光ダイオード2a1〜2a4と第3発光部2’の発光ダイオード2a1’〜2a4’は、光源モジュールA3の発光にむらがでないように電気特性及び光学特性が同一若しくは類似していることが望ましい。また、発光ダイオード1a,2a1〜2a4,2a1’〜2a4’の個数は上記個数に限定されるものではない。なお、情報保持部3及び第2情報保持部3’の回路構成は、実施形態1,2又は実施形態3の光源モジュールA1,A2と共通であるから図示並びに説明を省略する。
【0057】
ここで、第1正極端子4aから第2負極端子6に至る経路では、第3発光部2’の発光ダイオード2a1’と、第1発光部1の発光ダイオード1aと、第2発光部2の発光ダイオード2a1とが順方向に接続されている。また、第1正極端子4aから第1負極端子5に至る経路では、第3発光部2’の発光ダイオード2a1’と、第1発光部1の発光ダイオード1aと、第2発光部2の発光ダイオード2a2とが順方向に接続されている。したがって、点灯装置の出力端の正極を第1正極端子4aに接続するとともに出力端の負極及び補助電源部12の出力端子をそれぞれ第1負極端子5又は第2負極端子6に接続すれば、点灯装置の特性判別部13が第1及び第2負極端子5,6間に接続されている情報保持部3の電気特性を判別し、光源モジュールA3に適切な直流出力を供給して点灯させることができる。
【0058】
同様に、第2正極端子4bから第2負極端子6に至る経路では、第3発光部2’の発光ダイオード2a2’と、第1発光部1の発光ダイオード1aと、第2発光部2の発光ダイオード2a1とが順方向に接続されている。また、第2正極端子4bから第1負極端子5に至る経路では、第3発光部2’の発光ダイオード2a2’と、第1発光部1の発光ダイオード1aと、第2発光部2の発光ダイオード2a2とが順方向に接続されている。したがって、点灯装置の出力端の正極を第2正極端子4bに接続するとともに出力端の負極及び補助電源部12の出力端子をそれぞれ第1負極端子5又は第2負極端子6に接続しても、点灯装置の特性判別部13が第1及び第2負極端子5,6間に接続されている情報保持部3の電気特性を判別し、光源モジュールA3に適切な直流出力を供給して点灯させることができる。
【0059】
一方、第1負極端子5から第2正極端子4bに至る経路では、第3発光部2’の発光ダイオード2a3’と、第1発光部1の発光ダイオード1aと、第2発光部2の発光ダイオード2a3とが順方向に接続されている。また、第1負極端子5から第1正極端子4aに至る経路では、第3発光部2’の発光ダイオード2a3’と、第1発光部1の発光ダイオード1aと、第2発光部2の発光ダイオード2a4とが順方向に接続されている。したがって、点灯装置の出力端の正極を第1負極端子5に接続するとともに出力端の負極及び補助電源部12の出力端子をそれぞれ第1正極端子4a又は第2正極端子4bに接続すれば、点灯装置の特性判別部13が第1及び第2正極端子4a,4b間に接続されている第2情報保持部3’の電気特性を判別し、光源モジュールA3に適切な直流出力を供給して点灯させることができる。
【0060】
同様に、第2負極端子6から第2正極端子4bに至る経路では、第3発光部2’の発光ダイオード2a4’と、第1発光部1の発光ダイオード1aと、第2発光部2の発光ダイオード2a3とが順方向に接続されている。また、第2負極端子6から第1正極端子4aに至る経路では、第3発光部2’の発光ダイオード2a4’と、第1発光部1の発光ダイオード1aと、第2発光部2の発光ダイオード2a4とが順方向に接続されている。したがって、点灯装置の出力端の正極を第2負極端子6に接続するとともに出力端の負極及び補助電源部12の出力端子をそれぞれ第1正極端子4a又は第2正極端子4bに接続しても、点灯装置の特性判別部13が第1及び第2正極端子4a,4b間に接続されている第2情報保持部3’の電気特性を判別し、光源モジュールA3に適切な直流出力を供給して点灯させることができる。
【0061】
上述のように本実施形態の光源モジュールA3では、第1正極端子4a、第2正極端子4b、第1負極端子5、第2負極端子6と点灯装置の出力端との接続関係が規制されていないので、点灯装置に対して誤った向きに接続されるという不具合が生じない。
【0062】
第1発光部1及び第2発光部2、第3発光部2’は、図14に示すように長尺の矩形平板状に形成されたプリント配線板7の片面(図14における上面)に実装されている(ただし、発光ダイオードの図示は一部省略している)。また図示は省略しているが、プリント配線板7のもう片面(図14における下面)における長手方向の一端側(第1負極端子5及び第2負極端子6が設けられている側)に情報保持部3が実装され、その他端側に第2情報保持部3’が実装されている。そして、透光性材料によって円筒形に形成された筐体8の内部にプリント配線板7が収納される。筐体8の両端を閉塞する口金9の一方から丸ピン型の第1正極端子4a並びに第2正極端子4bが突設され、他方の口金9から同じく丸ピン型の第1負極端子5並びに第2負極端子6が突設されている。なお、第1正極端子4a並びに第2正極端子4bと、第1負極端子5並びに第2負極端子6とは、同一の形状、寸法、間隔に形成されている。
【0063】
本実施形態の光源モジュールA3は、例えば、図15に示す照明器具に装着される。この照明器具は、天井に直付けされる器具本体20と、器具本体20に設けられて光源モジュールA3が着脱自在に装着される一対のソケット21,21とを備えている。
【0064】
器具本体20は、長手方向から見た側面形状が台形である長尺の角筒状に形成され、その内部に点灯装置を収納している。そして、器具本体20の下面における長手方向両端部にそれぞれソケット21,21が配設されている。このソケット21,21は、従来周知である直管形の蛍光ランプ用のソケットと同一構造を有している。そして、光源モジュールA3の第1正極端子4a、第2正極端子4b、第1負極端子5、第2負極端子6がそれぞれソケット21,21を介して点灯装置と接続される。
【0065】
而して、本実施形態の光源モジュールA3は第1正極端子4a、第2正極端子4b、第1負極端子5、第2負極端子6と点灯装置の出力端との接続関係が規制されておらず、しかも、上述のように第1正極端子4a並びに第2正極端子4bと、第1負極端子5並びに第2負極端子6とは、同一の形状、寸法、間隔に形成されている。そのため、照明器具のソケット21,21に対する接続関係が規制されず、光源モジュールA3の装着作業や器具本体20内に収納された点灯装置とソケット21,21との配線作業などが容易になるという利点がある。
【0066】
(実施形態5)
本実施形態の点灯装置の回路構成を図16に示す。ただし、実施形態1〜4の点灯装置と共通の構成には同一の符号を付して説明を省略する。また、本実施形態の光源モジュールA4は、情報保持部3が抵抗3aで構成されている点を除けば、実施形態1の光源モジュールA1と共通の構成を有している。
【0067】
点灯装置の直流出力部10は、ドレインが直流電源DCの正極に接続されたスイッチング素子10aと、スイッチング素子10aのソースに一端が接続されたインダクタ10bと、スイッチング素子10aのソースにカソードが接続されるとともにアノードがグランドに接続されたダイオード10cと、インダクタ10bの他端に高電位側が接続されるとともに低電位側が検出抵抗Rxを介してダイオード10cのアノードに接続された平滑コンデンサ10dとを備えた従来周知の降圧チョッパ回路で構成されている。なお、直流電源DCは、交流電源が整流平滑されるか、あるいは昇圧チョッパ回路などを用いて構成される。
【0068】
出力調整部15は、直流出力部10のスイッチング素子10aのゲートに駆動信号を出力するドライバ回路15aと、ドライバ回路15aから出力される駆動信号のオン時間Tonを制御するフィードバック制御回路15bとを具備している。フィードバック制御回路15bは、オペアンプOPと、オペアンプOPの反転入力端子に接続された抵抗R11と、オペアンプOPの反転入力端子と出力端子の間に挿入接続されたコンデンサC10と、オペアンプOPの出力端子にカソードが接続されたダイオードD10と、ダイオードD10のアノードに一端が接続された抵抗R12とを有している。オペアンプOPは、検出抵抗Rxの検出電圧(直流出力部10の出力電流に比例した電圧)が抵抗R11を介して反転入力端子に入力され、特性判別部13から出力される電流設定信号が非反転入力端子に入力される。オペアンプOPと抵抗R11とコンデンサC10によって、従来周知の積分回路が構成されている。ただし、オペアンプOPの非反転入力端子は、通常接地されているのであるが、本実施形態では特性判別部13の出力端子に接続されている。したがって、オペアンプOPの出力端子には検出電圧を単純に積分した電圧ではなく、検出電圧に電流設定信号(オフセット電圧)を加えた電圧が出力される。つまり、光源モジュールA4の情報保持部3が保持している順電流値に応じて電流設定信号が大きくなるほど、オペアンプOPの出力電圧が低くなる。
【0069】
ドライバ回路15aは汎用の集積回路からなり、駆動信号を出力する出力端子Hout、オン期間Tonを制御するためのオンパルス幅制御端子Pls、制御電源部11から制御電源が供給される制御電源端子Vcc、駆動信号の出力を停止させるためのリセット端子Resetなどを有している。ドライバ回路15a内において、オンパルス幅制御端子Plsに接続される回路は、例えば定電圧バッファ回路、カレントミラー回路、駆動信号設定用コンデンサなどで構成されている。定電圧バッファ回路の出力端に接続されたオンパルス幅制御端子Plsが外付けの抵抗R13を介してグランドに接続されており、オンパルス幅制御端子Plsから抵抗R13を介して流れる電流Iplsと等しい電流がカレントミラー回路から出力される。そして、カレントミラー回路の出力電流で充電される駆動信号設定用コンデンサの両端電圧が所定電圧に達するまでの時間がオン期間Tonとなる。ここで、オンパルス幅制御端子Plsと抵抗R13の接続点が抵抗R12とダイオードD10を介してオペアンプOPの出力端子に接続されている。したがって、オペアンプOPの出力電圧が低下するにつれてオンパルス幅制御端子Plsから出力される電流Iplsが増大し、その結果、オン期間Tonが短縮される(図17参照)。
【0070】
而して、直流出力部10の出力電流が増大すると検出抵抗Rxの検出電圧が上昇し、フィードバック制御回路15bのオペアンプOPの出力電圧が低下するので、ドライバ回路15aの出力端子Houtから出力される駆動信号のオン期間Tonが短縮されて直流出力部10の出力電流が減少することになる。
【0071】
なお、ドライバ回路15aにおいては、制御電源端子Vccと昇圧制御電源端子HVccの間に整流用のダイオードD11が外付けされるとともに、直流出力部10のスイッチング素子10aのソースに接続された昇圧制御電源グランド端子HgndとダイオードD11のカソードの間にコンデンサC11が外付けされている。そして、外付けされたコンデンサC11に充電される充電電圧により、出力端子Houtから出力される駆動信号用の電源が作成される。
【0072】
次に、本実施形態における情報保持部3、特性判別部13、接続判定部14の動作を説明する。
【0073】
ここで、点灯装置に光源モジュールA4が接続され、直流出力部10が停止している場合、検出抵抗Rxの抵抗値を数オーム以下とし、情報保持部3を構成する抵抗3aの抵抗値を数十キロオーム以上とすれば、第1負極端子5と第2負極端子6の間に印加される情報保持電圧Voutに対する検出抵抗Rxの影響を無視することができる。すなわち、情報保持電圧Voutは、補助電源部12から供給される直流電流の電流値と、情報保持部3を構成する抵抗3aの抵抗値のみで決まるとみなしてよい。したがって、情報保持電圧Voutの電圧値が抵抗3aの抵抗値に比例して変化するとすれば、図18に示すように電気特性の情報(順電流値Iout)を抵抗3aの抵抗値として情報保持部3に保持させることができる。
【0074】
一方、点灯装置に光源モジュールA4が接続され、直流出力部10が動作している場合、例えば、光源モジュールA4の順電流値Ioutを0.35Aとすると、直流出力部10のインダクタ10bに流れる電流のピーク値は約0.7Aとなる。このとき、検出抵抗Rxの抵抗値を1Ωとすれば、検出電圧は0Vから0.7Vまで変化し、情報保持電圧Voutもスイッチング素子10aのスイッチング動作に応じて変動してしまう。したがって、特性判別部13が情報保持電圧Voutに基づいて光源モジュールA4の電気特性を正しく判別するためには、直流出力部10が停止しているときに判別処理を行う必要がある。
【0075】
点灯装置に光源モジュールA4が接続されていない場合、補助電源部12から供給される直流電流が、補助電源部12の出力端とグランドの間に接続されている抵抗R14に流れるため、この抵抗R14の両端電圧(情報保持電圧Vout)が上昇する。故に、接続判定部14では、情報保持電圧Voutが所定のしきい値電圧Vref6を超えていれば、光源モジュールA4の接続無しと判定して停止信号を出力するが、情報保持電圧Voutがしきい値電圧Vref6以下であれば、光源モジュールA4の接続有りと判定して停止信号を出力しない。停止信号は出力調整部15のドライバ回路15aのリセット端子Resetに入力されており、停止信号が入力されている間、ドライバ回路15aの出力端子Houtから駆動信号が出力されずに直流出力部10が停止する。
【0076】
以下、図19に示すタイムチャートを参照し、直流電源DCの投入から光源モジュールA4が点灯するまでの動作を詳細に説明する。
【0077】
直流電源DCの投入後、制御電源部11の制御電圧が徐々に上昇し(図19(a),(b)参照)、時刻t=t0において所定レベルに達すると、補助電源部12から一定の直流電流が出力される(図19(c)参照)。時刻t=t0より、特性判別部13並びに接続判定部14が動作を開始するが、接続判定部14は、時刻t=t0から所定期間が経過するまでの間(時刻t=t0〜t2の間)、光源モジュールA4の接続有無に関係なく、停止信号を出力する(図19(d)参照)。
【0078】
一方、特性判別部13は、前記所定期間よりも短い判別期間が経過するまでの間(時刻t=t0〜t1の間)に、情報保持電圧Voutに基づいて電気特性の情報(例えば、順電流値)を判別し、判別した順電流値に対応した電流設定信号を出力する(図19(e)参照)。
【0079】
時刻t=t2の時点で点灯装置に光源モジュールA4が接続されている場合、接続判定部14が接続有りと判定して停止信号を出力しなくなるので(図19(d)参照)、出力調整部15から駆動信号が出力されて直流出力部10が動作を開始する(図19(f)参照)。
【0080】
また、時刻t=t2の時点で点灯装置に光源モジュールA4が接続されていない場合、接続判定部14が接続無しと判定して停止信号の出力を継続するので、出力調整部15から駆動信号が出力されずに直流出力部10が動作を開始しない。ただし、特性判別部13では繰り返し特性判別の処理を行う。
【0081】
ところで、情報保持部3の故障等によって光源モジュールA4の第1負極端子5と第2負極端子6が短絡すると、情報保持電圧Voutがゼロボルト付近まで低下する。したがって、接続判定部14において、しきい値電圧Vref6よりも十分に低い値に設定されたしきい値電圧Vref7と情報保持電圧Voutを比較し、情報保持電圧Voutがしきい値電圧Vref7以下となったときに停止信号を出力して直流出力部10の動作を停止させることが望ましい。
【0082】
なお、特性判別部13は出力調整部15から駆動信号が出力された後に特性判別の処理を中止してもよい。また、図20に示すように、情報保持電圧Voutに対して電気特性の情報(順電流値Iout)を段階的に設定するようにしても構わない。
【0083】
上述のように本実施形態の点灯装置では、出力調整部15が直流出力部10の出力電流をフィードバック制御しているため、光源モジュールA4に供給される直流電流をより安定化することができる。
【符号の説明】
【0084】
A1 光源モジュール
1 第1発光部
1a 発光ダイオード
2 第2発光部
2a 発光ダイオード
3 情報保持部
4 正極端子
5 第1負極端子
6 第2負極端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードを光源とする光源モジュール、およびその点灯装置、ならびにそれらを用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発光ダイオードを光源とする光源モジュール、およびその点灯装置、ならびにそれらを用いた照明器具が種々提供されている(例えば、特許文献1〜3参照)。従来の光源モジュールは、所望の明るさ(光束)を得るために複数個の発光ダイオードが直列接続されたり、あるいは複数個の発光ダイオードの直列回路が並列接続されている。そのため、点灯装置の出力(出力電圧や出力電流)は、直列接続又は直並列接続される発光ダイオードの個数に応じた出力とする必要がある。
【0003】
特許文献2に記載されている従来例では、直列接続される発光ダイオードの個数が異なる3種類の光源モジュールが用意され、何れかの光源モジュールが点灯装置に接続されたときに点灯装置から光源モジュールに微少な電流を流すとともに、そのときの光源モジュールにおける電圧降下に基づいて光源モジュールの種類を判別している。そして、その判別結果に応じて、点灯装置から光源モジュールに印加される出力が調整されるようになっている。
【0004】
また、特許文献3に記載されている従来例では、光源モジュールの種類に応じた電流情報を記憶する記憶部が光源モジュールに設けられ、点灯装置と光源モジュールが接続されたときに点灯装置の情報監視部が光源モジュールの記憶部から電流情報を読み出している。そして、点灯装置は、情報監視部で読み出した電流情報に応じて光源モジュールへの出力を調整している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−224046号公報
【特許文献2】特開2009−283281号公報
【特許文献3】特開2009−21175号公報(段落0030〜段落0032および図2参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、照明用の白色発光ダイオードにおいては、現在のところ、順電圧が3.5[V]、順電流が0.3[A]という電気特性が一般的である。しかしながら、今後の技術進歩によって、例えば、順電圧が3.0[V]、順電流が0.2[A]というような電気特性を有した発光ダイオードが実用化される可能性がある。そして、新規な電気特性を有する発光ダイオードが実用化された場合、特許文献2に記載されている従来例では、そのような発光ダイオードを搭載した光源モジュールを既存の点灯装置で問題なく点灯させることは困難である。例えば、順電圧が3.5[V]、順電流が0.3[A]の発光ダイオードを7個直列接続した光源モジュールの順電圧は3.5×7=24.5[V]となり、順電圧が3.0[V]、順電流が0.2[A]の発光ダイオードを8個直列接続した光源モジュールの順電圧は3.0×8=24[V]となって順電圧に実質的な差は生じないものの、順電流に0.1[A]の差が生じてしまう。つまり、順電流が0.2[A]である光源モジュールに0.3[A]の過電流を流してしまうと異常な発熱が生じて故障または寿命劣化などの問題を生じる虞がある。
【0007】
一方、特許文献3に記載されている従来例では、新規な電気特性の情報を記憶部に記憶しておくことにより、既存の点灯装置でも点灯させることができる可能性がある。
【0008】
しかしながら、特許文献3に記載されている従来例では、フラッシュメモリのように電気的に書換可能な不揮発性の半導体メモリを搭載しなければならないため、光源モジュールの製造コストが上昇するという問題がある。また、特許文献3に記載されている従来例では、記憶部に動作電源を供給するための給電路とは別に、記憶部から情報を読み出すための信号線路が必要であるから、光源モジュールと点灯装置を接続する配線が複雑化してしまうという問題もある。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、その目的は、製造コストの上昇と配線の複雑化を抑えつつ、電気特性が異なる複数種類の光源モジュールを共通の点灯装置で点灯させることを可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の光源モジュールは、複数の発光ダイオードが順方向に直列接続されてなる第1発光部と、前記第1発光部における先頭の発光ダイオードのカソードにそれぞれのアノードが並列接続された複数の発光ダイオードからなる第2発光部と、前記第1発光部における最後尾の発光ダイオードのアノードに接続された正極端子と、前記第2発光部における少なくとも何れか1つの発光ダイオードのカソードに接続された第1負極端子と、前記第2発光部における複数の発光ダイオードのうちで前記第1負極端子に接続されていない発光ダイオードの少なくとも何れか1つのカソードに接続された第2負極端子と、前記第1負極端子と第2負極端子の間に接続されて前記発光ダイオードの電気特性に関する情報を保持する情報保持部とを備え、点灯装置の出力が前記正極端子と前記第1負極端子又は第2負極端子との間に印加されるとともに、前記第1負極端子と前記第2負極端子との間に外部の電源から直流電圧が印加され、前記情報保持部は、前記第1負極端子と前記第2負極端子との間に設けられた全波整流器を具備し、当該全波整流器を介して入力される電圧波形を前記情報に応じて整形することを特徴とする。
【0011】
この光源モジュールにおいて、前記第1発光部における最後尾の発光ダイオードのアノードにそれぞれのカソードが並列接続された複数の発光ダイオードからなる第3発光部と、前記正極端子の代わりに前記第3発光部における少なくとも何れか1つの発光ダイオードのアノードに接続された第1正極端子と、前記第3発光部における複数の発光ダイオードのうちで前記第1正極端子に接続されていない発光ダイオードの少なくとも何れか1つのアノードに接続された第2正極端子と、前記第1正極端子と第2正極端子の間に接続されて前記情報保持部と同じ情報を保持する第2情報保持部とを備え、前記第2発光部における複数の発光ダイオードのうちで前記第1負極端子及び前記第2負極端子の何れとも接続されていない少なくとも2つの発光ダイオードのカソードがそれぞれ前記第1正極端子又は前記第2正極端子と接続され、前記第3発光部における複数の発光ダイオードのうちで前記第1正極端子及び前記第2正極端子の何れとも接続されていない少なくとも2つの発光ダイオードのアノードがそれぞれ前記第1負極端子又は前記第2負極端子と接続されることが好ましい。
【0012】
本発明の点灯装置は、本発明の光源モジュールを点灯する点灯装置であって、電圧及び電流の双方が可変である直流出力を前記正極端子若しくは前記第1正極端子又は前記第2正極端子の何れか1つと前記第1負極端子又は前記第2負極端子の何れか1つとの間に印加する直流出力部と、前記第1負極端子と前記第2負極端子との間若しくは前記第1正極端子と前記第2正極端子との間に直流電圧を印加する補助電源部と、前記第1負極端子と前記第2負極端子との間若しくは前記第1正極端子と前記第2正極端子との間の電圧波形に基づいて前記情報保持部が保持する前記発光ダイオードの電気特性を判別する特性判別部と、前記第1負極端子と前記第2負極端子との間若しくは前記第1正極端子と前記第2正極端子との間の電圧に基づいて前記光源モジュールの接続の有無を判定する接続判定部と、前記接続判定部が前記光源モジュールの接続無しと判定した場合は前記直流出力部の直流出力を停止させるとともに、前記接続判定部が前記光源モジュールの接続有りと判定した場合は前記特性判別部で判別される前記電気特性に応じて前記直流出力部の直流出力における電圧又は電流の少なくとも何れか一方を調整する出力調整部とを備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明の照明器具は、本発明の点灯装置を保持する器具本体と、当該器具本体に設けられ、本発明の光源モジュールが着脱自在に装着されるソケットとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の光源モジュール、点灯装置、照明器具は、製造コストの上昇と配線の複雑化を抑えつつ、電気特性が異なる複数種類の光源モジュールを共通の点灯装置で点灯させることが可能になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態1の光源モジュールを示す回路構成図である。
【図2】同上の光源モジュールの斜視図である。
【図3】同上における情報保持部の回路構成図である。
【図4】同上の点灯装置の回路構成図である。
【図5】同上の点灯装置の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図6】同上の点灯装置の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図7】同上における電気特性の説明図である。
【図8】同上の点灯装置の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図9】実施形態2の光源モジュール並びに点灯装置の回路構成図である。
【図10】実施形態3の光源モジュール並びに点灯装置の回路構成図である。
【図11】同上における情報保持部の回路構成図である。
【図12】同上の点灯装置の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図13】実施形態4の光源モジュールを示す回路構成図である。
【図14】同上の光源モジュールの斜視図である。
【図15】同上の照明器具の斜視図である。
【図16】実施形態5の光源モジュール並びに点灯装置の回路構成図である。
【図17】同上の点灯装置の動作を説明するための説明図である。
【図18】同上における電気特性の説明図である。
【図19】同上の点灯装置の動作を説明するためのタイムチャートである。
【図20】同上における電気特性の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施形態1)
本実施形態の光源モジュールA1は、図1に示すように第1発光部1、第2発光部2、情報保持部3、正極端子4、第1負極端子5、第2負極端子6を備えている。
【0017】
第1発光部1は、電気特性が同一である複数(図示例では5個以上)の発光ダイオード1aが順方向に直列接続されて構成されている。ただし、複数の発光ダイオード1aが順方向に直列接続された複数の直列回路を互いに並列接続して第1発光部1を構成しても構わない。第2発光部2は、第1発光部1における先頭の発光ダイオード1aのカソードにそれぞれのアノードが並列接続された複数(図示例では2個)の発光ダイオード2aで構成されている。なお、第2発光部2を構成する発光ダイオード2aの電気特性は同一である。ただし、第1発光部1を構成する発光ダイオード1aと第2発光部2を構成する発光ダイオード2aとは、光源モジュールA1の発光にむらがでないように電気特性及び光学特性が同一若しくは類似していることが望ましい。また、発光ダイオード1a,2aの個数は上記個数に限定されるものではない。情報保持部3は、発光ダイオード1a,2aの電気特性(順電圧又は順電流)に関する情報を保持するものであって、図3に示す回路構成を有している。ただし、情報保持部3の詳細な回路構成については後述する。
【0018】
第1発光部1及び第2発光部2は、図2に示すように長尺の矩形平板状に形成されたプリント配線板7の片面(図2における上面)に実装されている(ただし、発光ダイオード1aの図示は一部省略している)。また図示は省略しているが、プリント配線板7のもう片面(図2における下面)における長手方向の一端側に情報保持部3が実装されている。そして、透光性材料によって円筒形に形成された筐体8の内部にプリント配線板7が収納される。筐体8の両端が口金9で閉塞されており、プリント配線板7の両端部が口金9に支持されている。また、一方の口金9から丸ピン型の正極端子4が突設され、他方の口金9から同じく丸ピン型の第1負極端子5並びに第2負極端子6が突設されている。
【0019】
正極端子4は、第1発光部1における最後尾の発光ダイオード1aのアノードに電気的に接続されている。また第1負極端子5は、第2発光部2における複数の発光ダイオード2aのうちの一方の発光ダイオード2aのカソードに電気的に接続されている。さらに第2負極端子6は、第2発光部2における複数の発光ダイオード2aのうちで第1負極端子5に接続されていない他方の発光ダイオード2aのカソードに電気的に接続されている。
【0020】
一方、本実施形態の点灯装置は、図4に示すように交流電源ACから供給される交流電力を直流電力に変換して光源モジュールA1へ出力する直流出力部10を備えている。この直流出力部10は、従来周知の降圧チョッパ回路や昇降圧チョッパ回路などで構成されて、スイッチング素子のスイッチング周波数やオンデューティ比を制御することで出力電圧及び出力電流の双方が可変となっている。なお、直流出力部10の出力端の正極が光源モジュールA1の正極端子4に接続され、直流出力部10の出力端の負極が光源モジュールA1の第1負極端子5又は第2負極端子6の何れか一方に接続される。
【0021】
さらに本実施形態の点灯装置は、制御電源部11、補助電源部12、特性判別部13、接続判定部14、出力調整部15を備えている。制御電源部11は、例えば、交流電源ACから供給される交流電力より制御電源(例えば、3.3V又は5Vの直流電源)を生成して補助電源部12、特性判別部13、接続判定部14、出力調整部15に供給している。補助電源部12は、制御電源部11から供給される直流電流を定電流化する電流源からなり、光源モジュールA1の第1負極端子5又は第2負極端子6から直流電流を供給する。
【0022】
特性判別部13はマイクロコンピュータを主構成要素とし、後述するように光源モジュールA1の第1負極端子5と第2負極端子6との間の電圧波形に基づいて、光源モジュールA1の情報保持部3が保持している発光ダイオード1a,2aの電気特性(例えば、順電流)を判別する。接続判定部14は、後述するように光源モジュールA1の第1負極端子5と第2負極端子6との間の電圧波形に基づいて点灯装置に対する光源モジュールA1の接続の有無を判定する。
【0023】
出力調整部15は、接続判定部14で光源モジュールA1の接続無しと判定されている場合は直流出力部10を停止させるとともに、接続判定部14で光源モジュールA1の接続有りと判定されている場合は特性判別部13で判別される電気特性に応じて直流出力部10の出力電圧又は出力電流の少なくとも何れか一方を調整する。
【0024】
一方、光源モジュールA1の情報保持部3は、図3に示すように交流入力端が第1負極端子5と第2負極端子6にそれぞれ接続された全波整流器(ダイオードブリッジ)DBと、全波整流器DBの高電位側の直流出力端にアノードが接続されたダイオードD1と、ダイオードD1のカソードと全波整流器DBの低電位側の直流出力端との間に接続された平滑コンデンサC2並びにツェナーダイオードZDの並列回路とを具備している。つまり、全波整流器DBの直流出力端間の電圧がツェナーダイオードZDのツェナー電圧Vzにクランプされるとともに平滑コンデンサC2で平滑化されており、補助電源部12を定電流源とすることによってツェナーダイオードZDに流れるツェナー電流が適正値に制限されている。なお、図3では第1負極端子5に補助電源部12が接続されているが、第2負極端子6に補助電源部12が接続されていても、全波整流器DBの整流作用によって平滑コンデンサC2の両端にツェナー電圧Vzが出力される。
【0025】
平滑コンデンサC2の両端には、2つの抵抗分圧回路が互いに並列接続されている。一方の抵抗分圧回路は2つの抵抗R2,R3の直列回路からなり、第1の基準電圧Vref1を生成する。また、他方の抵抗分圧回路は2つの抵抗R4,R5の直列回路からなり、第1の基準電圧Vref1よりも低い第2の基準電圧Vref2を生成する(Vref2<Vref1)。第1の基準電圧Vref1と第2の基準電圧Vref2は、トランスファゲートTGを介して択一的に比較器CPの非反転入力端子に入力される。この比較器CPでは、第1の基準電圧Vref1又は第2の基準電圧Vref2をコンデンサC1の両端電圧Vc1と比較している。このコンデンサC1は、第1のミラー回路M1から出力される第1のミラー電流I1で充電される。なお、第1のミラー電流I1の電流値は、第1のミラー回路M1に外付けされている抵抗R1の抵抗値によって決まる。
【0026】
また、コンデンサC1の充電電荷は、第2のミラー回路M2によって放電される。すなわち、第2のミラー回路M2にはスイッチング素子Q1が接続され、スイッチング素子Q1のオフ時に第1のミラー電流I1よりも大きい第2のミラー電流I2(I2>I1)をコンデンサC1から出力させてコンデンサC1の充電電荷を放電する。一方、スイッチング素子Q1のオン時には第2のミラー電流I2がゼロになるために第1のミラー電流I1でコンデンサC1が充電される。なお、スイッチング素子Q1のゲートには比較器CPの出力端が接続されており、比較器CPの出力がHレベルのときにスイッチング素子Q1がオンとなり、比較器CPの出力がLレベルのときにスイッチング素子Q1がオフとなる。
【0027】
ここで、全波整流器DBの高電位側の出力端とダイオードD1のアノードとの間にスイッチング素子Q2と、抵抗R0及びスイッチング素子Q3の直列回路とが接続され、抵抗R0とスイッチング素子Q3の接続点(スイッチング素子Q3のドレイン)にスイッチング素子Q2のゲートが接続されている。スイッチング素子Q3のゲートには比較器CPの出力端が接続されており、比較器CPの出力がHレベルのときにスイッチング素子Q3がオンとなってスイッチング素子Q2がオフとなり、比較器CPの出力がLレベルのときにスイッチング素子Q3がオフとなってスイッチング素子Q2がオンとなる。
【0028】
次に、図5のタイムチャートを参照して、情報保持部3の動作を説明する。後述するように点灯装置の補助電源部12から定電流が供給されると、第1のミラー回路M1が動作して第1のミラー電流I1によりコンデンサC1が充電されてコンデンサC1の両端電圧Vc1が直線的に上昇する(図5(a)参照)。このとき、トランスファゲートTGは第1の基準電圧Vref1を比較器CPの非反転入力端子に入力しており、コンデンサC1の両端電圧Vc1が第1の基準電圧Vref1よりも低いために比較器CPの出力がHレベルとなり(図5(b)参照)、第2のミラー電流I2がゼロになるとともに、スイッチング素子Q3がオン、スイッチング素子Q2がオフとなる。そして、スイッチング素子Q2のドレインに接続されている第1負極端子5の第2負極端子6に対する電位(以下、「情報保持電圧」と呼ぶ。)Voutは、全波整流器DBを構成するダイオードのオン電圧と、ダイオードD1のオン電圧と、ツェナー電圧Vzとを合成した電圧に等しくなる(図5(c)参照)。
【0029】
コンデンサC1の両端電圧Vc1が上昇して第1の基準電圧Vref1を超えると(図5(a)参照)、比較器CPの出力がLレベルに反転し(図5(b)参照)、第2のミラー回路M2が動作してコンデンサC1が放電されるためにコンデンサC1の両端電圧Vc1が徐々に低下する(図5(a)参照)。ここで、トランスファゲートTGは、比較器CPの出力がHレベルからLレベルに切り換わったときに比較器CPの非反転入力端子に出力する基準電圧を第1の基準電圧Vref1から第2の基準電圧Vref2に切り換える(図5(b)参照)。そして、コンデンサC1の両端電圧Vc1が第2の基準電圧Vref2よりも高いために比較器CPの出力がLレベルに維持される(図5(b)参照)。また、比較器CPの出力がLレベルとなるから、スイッチング素子Q3がオフになってスイッチング素子Q2がオンとなり、第1負極端子5の第2負極端子6に対する情報保持電圧Voutがほぼゼロとなる(図5(c)参照)。
【0030】
コンデンサC1の両端電圧Vc1が低下して第2の基準電圧Vref2を下回ると(図5(a)参照)、比較器CPの出力がHレベルに反転し(図5(b)参照)、第2のミラー回路M2が停止してコンデンサC1が再び充電されるためにコンデンサC1の両端電圧Vc1が徐々に上昇する(図5(a)参照)。トランスファゲートTGは、比較器CPの出力がLレベルからHレベルに切り換わったときに比較器CPの非反転入力端子に出力する基準電圧を第2の基準電圧Vref2から第1の基準電圧Vref1に切り換える(図5(b)参照)。そして、コンデンサC1の両端電圧Vc1が第1の基準電圧Vref1よりも低いために比較器CPの出力がHレベルに維持される(図5(b)参照)。また、比較器CPの出力がHレベルとなるから、スイッチング素子Q3がオンになってスイッチング素子Q2がオフとなり、第1負極端子5の第2負極端子6に対する情報保持電圧Voutが全波整流器DBを構成するダイオードのオン電圧と、ダイオードD1のオン電圧と、ツェナー電圧Vzとを合成した電圧に等しくなる(図5(c)参照)。なお、比較器CPの出力がLレベルとなってスイッチング素子Q2がオンしている間は、平滑コンデンサC2から放電される電力によって比較器CPなどの各回路が引き続き動作することができる。
【0031】
ここで、図5からも明らかなように、第1負極端子5の第2負極端子6に対する情報保持電圧Voutは、コンデンサC1の両端電圧Vc1が上昇する期間T1に同期して相対的に高い電圧となり、コンデンサC1の両端電圧Vc1が低下する期間に同期して相対的に低い電圧となるが、第1の基準電圧Vref1と第2の基準電圧Vref2の大きさを変えることで期間T1を調整することができる。例えば、分圧抵抗R2,R3の抵抗比(分圧比)を変更して第1の基準電圧Vref1'(<Vref1)を低くすれば、図6に示すように情報保持電圧Voutが高電圧となる期間T1’が短くなる(T1’<T1)。したがって、本実施形態の光源モジュールA1における情報保持部3では、分圧抵抗R2,R3の抵抗比又は分圧抵抗R4,R5の抵抗比の少なくとも何れか一方によって、発光ダイオード1a,2aの電気特性に関する情報を保持している。なお、本実施形態における情報保持部3では、第1負極端子5と第2負極端子6の間に全波整流器DBを接続しているから、補助電源部12を第2負極端子6に接続した場合にも、上述したように第1負極端子5に接続した場合と同様に動作することは明らかである。
【0032】
例えば、順電圧が3.5V,順電流が0.3Aの電気特性を有する49個の発光ダイオード1aが順方向に直列接続されてなる第1発光部1と、同一の電気特性を有する2個の発光ダイオード2aが並列接続されてなる第2発光部2とを備える光源モジュールA1においては、情報保持部3の情報保持電圧Voutが高電圧となる期間をT1に設定する。その一方、順電圧が3.5V,順電流が0.25Aの電気特性を有する49個の発光ダイオード1aが順方向に直列接続されてなる第1発光部1と、同一の電気特性を有する2個の発光ダイオード2aが並列接続されてなる第2発光部2とを備える光源モジュールA1’においては、情報保持部3の情報保持電圧Voutが高電圧となる期間をT1’に設定する。
【0033】
点灯装置の特性判別部13は、光源モジュールA1,A1’の第1負極端子5と第2負極端子6の間に印加される情報保持電圧Voutが高電圧となる期間を検出し、その期間がT1又はT1'の何れであるかによって、接続されている光源モジュールA1又はA1'の電気特性(実際は発光ダイオード1a,2aの電気特性)を判別する。ここで、特性判別部13では、前記期間T1,T1’と発光ダイオード1a,2aの電気特性(例えば、順電流値)との対応関係を表すデータテーブルをメモリ(図示せず)に記憶しており、検出した期間T1,T1’に対応する順電流値を前記データテーブルから読み出すとともに、直流出力部10の出力電流を読み出した順電流値に等しくするように出力調整部15に指示する。ただし、期間T1,T1’と発光ダイオード1a,2aの電気特性との対応関係をデータテーブルで表す代わりに、図7に示すような1次関数としてメモリに記憶しておき、当該1次関数を利用して期間T1,T1’から発光ダイオード1a,2aの電気特性を演算してもよい。また、本実施形態では情報保持部3が保持する電気特性の情報を順電流値としたが、これに限定する趣旨ではなく、順電圧値又は順電流値と順電圧値の両方を電気特性の情報として保持してもよい。
【0034】
ところで、点灯装置において光源モジュールA1又はA1’の第1負極端子5及び第2負極端子6と接続される端子(図示せず)間の電圧は、光源モジュールA1又はA1’が接続されていないときは制御電源部11の制御電圧Vccに等しく、光源モジュールA1又はA1’が接続されているときはツェナー電圧Vzにクランプされて制御電圧よりも低い電圧(情報保持電圧Vout)となる。そこで、制御電圧Vccよりも低く且つ情報保持電圧Voutよりも高いしきい値電圧Vref3と、光源モジュールA1又はA1’の第1負極端子5及び第2負極端子6と接続される端子間の電圧(以下、検出電圧と呼ぶ。)とを接続判定部14で比較し、検出電圧がしきい値電圧Vref3を超えていれば光源モジュールA1又はA1’が接続されていない(接続無し)と判定し、検出電圧がしきい値電圧Vref3を下回っていれば光源モジュールA1又はA1’が接続されている(接続有り)と判定することができる(図8(a)参照)。そして、接続判定部14では、接続無しと判定した場合に出力調整部15に停止信号を出力して直流出力部10の動作を停止させるとともに、特性判別部13にも停止信号を出力して特性判別の動作を停止させる。
【0035】
次に、図8のタイムチャートを参照して、点灯装置の接続判定部14の動作を具体的に説明する。図8に示すように、時刻t=t0までは点灯装置に光源モジュールA1又はA1’が接続されていないため、接続判定部14から出力調整部15に停止信号が出力されて直流出力部10が停止している。そして、時刻t=t0で点灯装置に光源モジュールA1又はA1’が接続されると、点灯装置の補助電源部12から第1負極端子5又は第2負極端子6を介して光源モジュールA1又はA1’に定電流が供給されて平滑コンデンサC2が充電される。このとき、平滑コンデンサC2の両端電圧Vc2がツェナー電圧Vzに達する時点(時刻t=t1)までは情報保持部3の動作が過渡状態にあるので、情報保持部3が保持している電気特性の情報を特性判別部13が誤判別する虞がある。そこで接続判定部14では、接続有りと判定した時点から所定期間(時刻t=t0から時刻t=t1までの期間)には出力調整部15並びに特性判別部13に対する停止信号の出力を継続し、情報保持部3の動作が安定した後(時刻t=t1以降)、出力調整部15並びに特性判別部13に対する停止信号の出力を中止している。これにより、特性判別部13の誤判別によって直流出力部10から過大な直流出力が光源モジュールA1又はA1’に印加されることを防止できる。
【0036】
所定期間の経過後に接続判定部14が停止信号の出力を止めると、その時点では情報保持部3が正常に動作しているので、特性判別部13は情報保持部3が保持している電気特性の情報を正しく判別することができる。そして、特性判別部13において電気特性の情報が判別されると(時刻t=t2)、出力調整部15から直流出力部10に駆動信号(直流出力部10を構成するチョッパ回路のスイッチング素子を駆動する信号)が出力され、光源モジュールA1又はA1’の電気特性に適した直流出力が直流出力部10から供給される。
【0037】
上述のように本実施形態の光源モジュールA1(又はA1’)は、第1発光部1の発光ダイオード1a並びに第2発光部2の発光ダイオード2aの電気特性に関する情報を情報保持部3に保持し、当該情報に応じて点灯装置から適切な直流電流を供給させるので、使用される発光ダイオード1a,2aの電気特性に合わない過大な電流が流れることを防ぐことができる。また、情報保持部3が第1負極端子5と第2負極端子6との間に設けられた全波整流器DBを具備しており、点灯装置の補助電源部12が第1負極端子5と第2負極端子6の何れにも接続可能であるから、点灯装置並びに光源モジュールA1(又はA1’)の配線の複雑化を抑えることができる。さらに、情報保持部3では第1負極端子5と第2負極端子6との間に印加される情報保持電圧Voutが高電圧となる期間(T1又はT1’)を伸縮することにより、全波整流器DBを介して入力される電圧波形を電気特性に関する情報に応じて整形している。よって、従来例のように、フラッシュメモリなどの電気的に書換可能な不揮発性の半導体メモリを搭載する必要が無いから、光源モジュールA1,A1’の製造コストの上昇を抑えることができる。しかも、特性判別部13では、補助電源部12から電源供給される端子(第1負極端子5及び第2負極端子6)を利用して情報保持部3の電気特性に関する情報を判別するので、省配線化が図れるという利点もある。
【0038】
さらに本実施形態では、第1負極端子5と第2負極端子6との間に印加される電圧に基づいて、点灯装置の接続判定部14で光源モジュールA1,A1’の接続の有無を判定し、接続無しと判定されたときには直流出力部10を停止している。故に、接続の有無を判定するために別配線を設ける必要が無いことから省配線化が図れるとともに、光源モジュールA1,A1’が接続されていないときには直流出力部10を停止することで省電力化も図れる。
【0039】
なお、本実施形態の光源モジュールA1は、直管形の蛍光ランプに類似した形状を有しているが、これに限定する趣旨ではない。例えば、円盤状のプリント配線板に第1発光部1と第2発光部2並びに情報保持部3を実装し、円筒形の筐体内に収納してもよい。
【0040】
(実施形態2)
本実施形態の点灯装置は、図9に示すように複数(図示例では2つ)の光源モジュールA1,A1が接続可能であって、これら複数の光源モジュールA1,A1を同時に点灯させることができる点に特徴がある。ただし、本実施形態の点灯装置の基本構成は実施形態1の点灯装置と共通であるから、実施形態1の点灯装置と共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。なお、本実施形態の光源モジュールA1は実施形態1の光源モジュールA1と同一である。
【0041】
本実施形態の点灯装置は、それぞれ異なる光源モジュールA1,A1の第1負極端子5又は第2負極端子6に直流電流を供給する複数(図示例では2つ)の補助電源部12,12を備えている点と、2つの光源モジュールA1,A1の情報保持部3,3が保持する電気特性に関する情報を特性判別部13がそれぞれ個別に判別する点と、2つの光源モジュールA1,A1の接続の有無を接続判定部14が個別に判定する点とが実施形態1の点灯装置と異なる。
【0042】
ここで、本実施形態の点灯装置では、1つの直流出力部10から2つの光源モジュールA1,A1に直流出力を供給するので、接続される全ての光源モジュールA1,A1の電気特性が同一であることが望ましい。以下では、実施形態1で説明したように電気特性が異なる2種類の光源モジュールA1,A1’が点灯装置に接続された場合の動作について説明する。
【0043】
一方の光源モジュールA1の電気特性と、他方の光源モジュールA1’の電気特性とが異なっていた場合、特性判別部13は、出力調整部15に停止信号を出力することで直流出力部10を停止させる。この場合、2つの光源モジュールA1,A1’は何れも点灯しない。あるいは、一方の光源モジュールA1’の順電流(0.25A)が他方の光源モジュールA1の順電流(0.3A)よりも低いので、直流出力部10の出力電流を低い方の順電流値(0.25A)と等しくするように、特性判別部13が出力調整部15に指示してもよい。この場合、直流出力部10の出力電流が2つの光源モジュールA1,A1’に分流されるので、光源モジュールA1’に流れる電流は電気特性の順電流値(0.25A)よりも低くなるが、2つの光源モジュールA1,A1’を双方とも点灯させることができる。なお、接続判定部14の判定動作は実施形態1と共通であるから説明を省略する。
【0044】
上述のように本実施形態の点灯装置では、複数の光源モジュールA1,A1(又はA1‘,A1’)を点灯することができるとともに、電気特性が異なる光源モジュールA1,A1’が誤って接続された場合においても、過大な電流を光源モジュールA1,A1’に流すことがなく、光源モジュールA1,A1’に不具合を生じさせる虞がない。
【0045】
(実施形態3)
本実施形態の点灯装置は、図10に示すように複数(図示例では2つ)の光源モジュールA2,A2が接続可能であって、これら複数の光源モジュールA2,A2を同時に点灯させることができる点で実施形態2の点灯装置と共通である。本実施形態の点灯装置は、補助電源部12が1つである点と、特性判別部13及び接続判定部14に対して光源モジュールA2,A2の第1負極端子5並びに第2負極端子6が並列接続されている点と、補助電源部12の回路構成とが実施形態2の点灯装置と異なっている。ただし、本実施形態の点灯装置の基本構成は実施形態2の点灯装置と共通であるから、実施形態2の点灯装置と共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。また、本実施形態の光源モジュールA2は、情報保持部3の回路構成のみが実施形態1の光源モジュールA1と異なっている。
【0046】
本実施形態の点灯装置における補助電源部12は、図11に示すように抵抗12aとスイッチング素子12bの直列回路で構成されている。スイッチング素子12bは、特性判別部13によってスイッチング制御される。つまり、特性判別部13がスイッチング素子12bをオンしている間だけ補助電源部12から光源モジュールA2,A2に直流電流が供給される。
【0047】
一方、光源モジュールA2の情報保持部3においては、図11に示すようにスイッチング素子Q2のドレインが抵抗R9を介してダイオードD1のアノード並びに全波整流器DBの高電位側の出力端に接続されている。ここで、ツェナーダイオードZDに流れるツェナー電流は、補助電源部12の抵抗12aによって所定値に制限されている。なお、図11では第1負極端子5に補助電源部12が接続されているが、第2負極端子6に補助電源部12が接続されていても、全波整流器DBの整流作用によって平滑コンデンサC2の両端にツェナー電圧Vzが出力される。
【0048】
平滑コンデンサC2の両端間には、ミラー回路M3とコンデンサC3の直列回路が接続されている。このコンデンサC3は、ミラー回路M3から出力されるミラー電流(定電流)で充電される。なお、このミラー電流の電流値は、ミラー回路M3に外付けされた抵抗R8の抵抗値によって決まる。
【0049】
また、ミラー回路M3とコンデンサC3の接続点が比較器CPの反転入力端子に接続されている。この比較器CPでは、ツェナー電圧Vzを2つの分圧抵抗R6,R7で分圧して生成された基準電圧Vref4と、コンデンサC3の両端電圧Vc3とを比較している。そして、比較器CPの出力端がスイッチング素子Q3のゲートに接続され、比較器CPの出力がHレベルのとき(Vref4>Vc3)、スイッチング素子Q3がオンとなってスイッチング素子Q2がオフとなり、比較器CPの出力がLレベルのとき(Vref4≦Vc3)、スイッチング素子Q3がオフとなってスイッチング素子Q2がオンとなる。
【0050】
次に、図12のタイムチャートを参照して、情報保持部3の動作を説明する。点灯装置の特性判別部13は、図12(a)に示すように所定期間T2だけスイッチング素子12bをオンして補助電源部12から光源モジュールA2,A2の情報保持部3に直流電流を供給する。情報保持部3では、所定期間だけツェナー電圧Vzが発生してミラー回路M3が動作し、ミラー電流によってコンデンサC3が充電されてコンデンサC3の両端電圧Vc3が直線的に上昇する(図12(c)参照)。このとき、コンデンサC3の両端電圧Vc3が基準電圧Vref4よりも低いために比較器CPの出力がHレベルとなり(図12(d)参照)、スイッチング素子Q3がオン、スイッチング素子Q2がオフとなる。そして、スイッチング素子Q2のドレインに接続されている第1負極端子5の第2負極端子6に対する電位(情報保持電圧Vout)は、全波整流器DBを構成するダイオードのオン電圧と、ダイオードD1のオン電圧と、ツェナー電圧Vzとを合成した電圧に等しくなる(図12(e)参照)。
【0051】
コンデンサC3の両端電圧Vc3が上昇して基準電圧Vref4を超えると(図12(c)参照)、比較器CPの出力がLレベルに反転し(図12(d)参照)、スイッチング素子Q3がオフになってスイッチング素子Q2がオンとなる。このとき、情報保持電圧Voutは、制御電源部11から出力される制御電圧を、補助電源部12の抵抗12aとスイッチング素子Q2のドレインに接続された抵抗R9とで分圧した電圧に低下する(図12(e)参照)。
【0052】
ここで、情報保持電圧Voutが所定期間T2内で相対的に高い電圧となる期間(高電圧期間)T3は、基準電圧Vref4の大きさによって変化する。例えば、分圧抵抗R6,R7の抵抗比(分圧比)を変更して基準電圧Vref4を低くすれば、高電圧期間T3を短縮することができる。したがって、本実施形態の光源モジュールA2における情報保持部3では、分圧抵抗R6,R7の抵抗比によって、発光ダイオード1a,2aの電気特性に関する情報を保持している。なお、本実施形態における情報保持部3では、第1負極端子5と第2負極端子6の間に全波整流器DBを接続しているから、補助電源部12を第2負極端子6に接続した場合にも、上述したように第1負極端子5に接続した場合と同様に動作することは明らかである。
【0053】
一方、点灯装置の特性判別部13は、情報保持電圧Voutを所定のしきい値電圧Vref5と比較することで高電圧期間T3を検出し、検出した高電圧期間T3の長さに基づいて光源モジュールA2の電気特性を判別している(図12(e)参照)。
【0054】
ところで、実施形態2でも説明したように、電気特性が異なる2種類の光源モジュールA2,A2’が本実施形態の点灯装置に誤って接続される場合が考えられる。例えば、一方の光源モジュールA2の電気特性が順電圧3.5V,順電流0.3Aであり、他方の光源モジュールA2’の電気特性が順電圧3.5V,順電流0.25Aであって、電気特性に関する情報として順電流値に正比例した高電圧期間T3が設定されているものとする。この場合、2種類の光源モジュールA2,A2’の第1負極端子5並びに第2負極端子6が特性判別部13に対して並列接続されているので、高電圧期間T3が相対的に短い方の種類の光源モジュールA2’の電気特性が優先的に特性判別部13で判別されることになる。よって、直流出力部10の出力電流を低い方の順電流値(0.25A)と等しくするように、特性判別部13が出力調整部15に指示して、2つの光源モジュールA2,A2’を双方とも点灯させることができる。なお、接続判定部14の判定動作は実施形態1と共通であるから説明を省略する。
【0055】
上述のように本実施形態の点灯装置においても、複数の光源モジュールA2,A2(又はA2‘,A2’)を点灯することができるとともに、電気特性が異なる光源モジュールA2,A2’が誤って接続された場合においても、過大な電流を光源モジュールA2,A2’に流すことがなく、光源モジュールA2,A2’に不具合を生じさせる虞がない。しかも、本実施形態では光源モジュールA2,A2’が備える情報保持部3の回路構成並びに点灯装置と光源モジュールA2,A2を接続する配線を、実施形態1,2よりも簡素化することができる。
【0056】
(実施形態4)
本実施形態の光源モジュールA3の回路構成を図13に示す。この光源モジュールA3は、第1発光部1における最後尾の発光ダイオード1aのアノードにそれぞれのカソードが並列接続された複数(図示例では4個)の発光ダイオード2a1’〜2a4’からなる第3発光部2’と、第3発光部2’の1つの発光ダイオード2a1’のアノードに接続された第1正極端子4aと、第1正極端子4aに接続されていない別の1つの発光ダイオード2a2’のアノードに接続された第2正極端子4bと、第1正極端子4aと第2正極端子4bの間に接続されて情報保持部3と同じ情報を保持する第2情報保持部3’とを備えている。また、第3発光部2’における複数の発光ダイオード2a1’〜2a4’のうちで第1正極端子4a及び第2正極端子4bの何れとも接続されていない2つの発光ダイオード2a3‘,2a4’のアノードがそれぞれ第1負極端子5又は第2負極端子6と接続されている。さらに、第2発光部2における複数(図示例では4個)の発光ダイオード2a1〜2a4のうちで第1負極端子5及び第2負極端子6の何れとも接続されていない2つの発光ダイオード2a3,2a4のカソードがそれぞれ第1正極端子4a又は第2正極端子4bと接続されている。ただし、第1発光部1の発光ダイオード1aと第2発光部2の発光ダイオード2a1〜2a4と第3発光部2’の発光ダイオード2a1’〜2a4’は、光源モジュールA3の発光にむらがでないように電気特性及び光学特性が同一若しくは類似していることが望ましい。また、発光ダイオード1a,2a1〜2a4,2a1’〜2a4’の個数は上記個数に限定されるものではない。なお、情報保持部3及び第2情報保持部3’の回路構成は、実施形態1,2又は実施形態3の光源モジュールA1,A2と共通であるから図示並びに説明を省略する。
【0057】
ここで、第1正極端子4aから第2負極端子6に至る経路では、第3発光部2’の発光ダイオード2a1’と、第1発光部1の発光ダイオード1aと、第2発光部2の発光ダイオード2a1とが順方向に接続されている。また、第1正極端子4aから第1負極端子5に至る経路では、第3発光部2’の発光ダイオード2a1’と、第1発光部1の発光ダイオード1aと、第2発光部2の発光ダイオード2a2とが順方向に接続されている。したがって、点灯装置の出力端の正極を第1正極端子4aに接続するとともに出力端の負極及び補助電源部12の出力端子をそれぞれ第1負極端子5又は第2負極端子6に接続すれば、点灯装置の特性判別部13が第1及び第2負極端子5,6間に接続されている情報保持部3の電気特性を判別し、光源モジュールA3に適切な直流出力を供給して点灯させることができる。
【0058】
同様に、第2正極端子4bから第2負極端子6に至る経路では、第3発光部2’の発光ダイオード2a2’と、第1発光部1の発光ダイオード1aと、第2発光部2の発光ダイオード2a1とが順方向に接続されている。また、第2正極端子4bから第1負極端子5に至る経路では、第3発光部2’の発光ダイオード2a2’と、第1発光部1の発光ダイオード1aと、第2発光部2の発光ダイオード2a2とが順方向に接続されている。したがって、点灯装置の出力端の正極を第2正極端子4bに接続するとともに出力端の負極及び補助電源部12の出力端子をそれぞれ第1負極端子5又は第2負極端子6に接続しても、点灯装置の特性判別部13が第1及び第2負極端子5,6間に接続されている情報保持部3の電気特性を判別し、光源モジュールA3に適切な直流出力を供給して点灯させることができる。
【0059】
一方、第1負極端子5から第2正極端子4bに至る経路では、第3発光部2’の発光ダイオード2a3’と、第1発光部1の発光ダイオード1aと、第2発光部2の発光ダイオード2a3とが順方向に接続されている。また、第1負極端子5から第1正極端子4aに至る経路では、第3発光部2’の発光ダイオード2a3’と、第1発光部1の発光ダイオード1aと、第2発光部2の発光ダイオード2a4とが順方向に接続されている。したがって、点灯装置の出力端の正極を第1負極端子5に接続するとともに出力端の負極及び補助電源部12の出力端子をそれぞれ第1正極端子4a又は第2正極端子4bに接続すれば、点灯装置の特性判別部13が第1及び第2正極端子4a,4b間に接続されている第2情報保持部3’の電気特性を判別し、光源モジュールA3に適切な直流出力を供給して点灯させることができる。
【0060】
同様に、第2負極端子6から第2正極端子4bに至る経路では、第3発光部2’の発光ダイオード2a4’と、第1発光部1の発光ダイオード1aと、第2発光部2の発光ダイオード2a3とが順方向に接続されている。また、第2負極端子6から第1正極端子4aに至る経路では、第3発光部2’の発光ダイオード2a4’と、第1発光部1の発光ダイオード1aと、第2発光部2の発光ダイオード2a4とが順方向に接続されている。したがって、点灯装置の出力端の正極を第2負極端子6に接続するとともに出力端の負極及び補助電源部12の出力端子をそれぞれ第1正極端子4a又は第2正極端子4bに接続しても、点灯装置の特性判別部13が第1及び第2正極端子4a,4b間に接続されている第2情報保持部3’の電気特性を判別し、光源モジュールA3に適切な直流出力を供給して点灯させることができる。
【0061】
上述のように本実施形態の光源モジュールA3では、第1正極端子4a、第2正極端子4b、第1負極端子5、第2負極端子6と点灯装置の出力端との接続関係が規制されていないので、点灯装置に対して誤った向きに接続されるという不具合が生じない。
【0062】
第1発光部1及び第2発光部2、第3発光部2’は、図14に示すように長尺の矩形平板状に形成されたプリント配線板7の片面(図14における上面)に実装されている(ただし、発光ダイオードの図示は一部省略している)。また図示は省略しているが、プリント配線板7のもう片面(図14における下面)における長手方向の一端側(第1負極端子5及び第2負極端子6が設けられている側)に情報保持部3が実装され、その他端側に第2情報保持部3’が実装されている。そして、透光性材料によって円筒形に形成された筐体8の内部にプリント配線板7が収納される。筐体8の両端を閉塞する口金9の一方から丸ピン型の第1正極端子4a並びに第2正極端子4bが突設され、他方の口金9から同じく丸ピン型の第1負極端子5並びに第2負極端子6が突設されている。なお、第1正極端子4a並びに第2正極端子4bと、第1負極端子5並びに第2負極端子6とは、同一の形状、寸法、間隔に形成されている。
【0063】
本実施形態の光源モジュールA3は、例えば、図15に示す照明器具に装着される。この照明器具は、天井に直付けされる器具本体20と、器具本体20に設けられて光源モジュールA3が着脱自在に装着される一対のソケット21,21とを備えている。
【0064】
器具本体20は、長手方向から見た側面形状が台形である長尺の角筒状に形成され、その内部に点灯装置を収納している。そして、器具本体20の下面における長手方向両端部にそれぞれソケット21,21が配設されている。このソケット21,21は、従来周知である直管形の蛍光ランプ用のソケットと同一構造を有している。そして、光源モジュールA3の第1正極端子4a、第2正極端子4b、第1負極端子5、第2負極端子6がそれぞれソケット21,21を介して点灯装置と接続される。
【0065】
而して、本実施形態の光源モジュールA3は第1正極端子4a、第2正極端子4b、第1負極端子5、第2負極端子6と点灯装置の出力端との接続関係が規制されておらず、しかも、上述のように第1正極端子4a並びに第2正極端子4bと、第1負極端子5並びに第2負極端子6とは、同一の形状、寸法、間隔に形成されている。そのため、照明器具のソケット21,21に対する接続関係が規制されず、光源モジュールA3の装着作業や器具本体20内に収納された点灯装置とソケット21,21との配線作業などが容易になるという利点がある。
【0066】
(実施形態5)
本実施形態の点灯装置の回路構成を図16に示す。ただし、実施形態1〜4の点灯装置と共通の構成には同一の符号を付して説明を省略する。また、本実施形態の光源モジュールA4は、情報保持部3が抵抗3aで構成されている点を除けば、実施形態1の光源モジュールA1と共通の構成を有している。
【0067】
点灯装置の直流出力部10は、ドレインが直流電源DCの正極に接続されたスイッチング素子10aと、スイッチング素子10aのソースに一端が接続されたインダクタ10bと、スイッチング素子10aのソースにカソードが接続されるとともにアノードがグランドに接続されたダイオード10cと、インダクタ10bの他端に高電位側が接続されるとともに低電位側が検出抵抗Rxを介してダイオード10cのアノードに接続された平滑コンデンサ10dとを備えた従来周知の降圧チョッパ回路で構成されている。なお、直流電源DCは、交流電源が整流平滑されるか、あるいは昇圧チョッパ回路などを用いて構成される。
【0068】
出力調整部15は、直流出力部10のスイッチング素子10aのゲートに駆動信号を出力するドライバ回路15aと、ドライバ回路15aから出力される駆動信号のオン時間Tonを制御するフィードバック制御回路15bとを具備している。フィードバック制御回路15bは、オペアンプOPと、オペアンプOPの反転入力端子に接続された抵抗R11と、オペアンプOPの反転入力端子と出力端子の間に挿入接続されたコンデンサC10と、オペアンプOPの出力端子にカソードが接続されたダイオードD10と、ダイオードD10のアノードに一端が接続された抵抗R12とを有している。オペアンプOPは、検出抵抗Rxの検出電圧(直流出力部10の出力電流に比例した電圧)が抵抗R11を介して反転入力端子に入力され、特性判別部13から出力される電流設定信号が非反転入力端子に入力される。オペアンプOPと抵抗R11とコンデンサC10によって、従来周知の積分回路が構成されている。ただし、オペアンプOPの非反転入力端子は、通常接地されているのであるが、本実施形態では特性判別部13の出力端子に接続されている。したがって、オペアンプOPの出力端子には検出電圧を単純に積分した電圧ではなく、検出電圧に電流設定信号(オフセット電圧)を加えた電圧が出力される。つまり、光源モジュールA4の情報保持部3が保持している順電流値に応じて電流設定信号が大きくなるほど、オペアンプOPの出力電圧が低くなる。
【0069】
ドライバ回路15aは汎用の集積回路からなり、駆動信号を出力する出力端子Hout、オン期間Tonを制御するためのオンパルス幅制御端子Pls、制御電源部11から制御電源が供給される制御電源端子Vcc、駆動信号の出力を停止させるためのリセット端子Resetなどを有している。ドライバ回路15a内において、オンパルス幅制御端子Plsに接続される回路は、例えば定電圧バッファ回路、カレントミラー回路、駆動信号設定用コンデンサなどで構成されている。定電圧バッファ回路の出力端に接続されたオンパルス幅制御端子Plsが外付けの抵抗R13を介してグランドに接続されており、オンパルス幅制御端子Plsから抵抗R13を介して流れる電流Iplsと等しい電流がカレントミラー回路から出力される。そして、カレントミラー回路の出力電流で充電される駆動信号設定用コンデンサの両端電圧が所定電圧に達するまでの時間がオン期間Tonとなる。ここで、オンパルス幅制御端子Plsと抵抗R13の接続点が抵抗R12とダイオードD10を介してオペアンプOPの出力端子に接続されている。したがって、オペアンプOPの出力電圧が低下するにつれてオンパルス幅制御端子Plsから出力される電流Iplsが増大し、その結果、オン期間Tonが短縮される(図17参照)。
【0070】
而して、直流出力部10の出力電流が増大すると検出抵抗Rxの検出電圧が上昇し、フィードバック制御回路15bのオペアンプOPの出力電圧が低下するので、ドライバ回路15aの出力端子Houtから出力される駆動信号のオン期間Tonが短縮されて直流出力部10の出力電流が減少することになる。
【0071】
なお、ドライバ回路15aにおいては、制御電源端子Vccと昇圧制御電源端子HVccの間に整流用のダイオードD11が外付けされるとともに、直流出力部10のスイッチング素子10aのソースに接続された昇圧制御電源グランド端子HgndとダイオードD11のカソードの間にコンデンサC11が外付けされている。そして、外付けされたコンデンサC11に充電される充電電圧により、出力端子Houtから出力される駆動信号用の電源が作成される。
【0072】
次に、本実施形態における情報保持部3、特性判別部13、接続判定部14の動作を説明する。
【0073】
ここで、点灯装置に光源モジュールA4が接続され、直流出力部10が停止している場合、検出抵抗Rxの抵抗値を数オーム以下とし、情報保持部3を構成する抵抗3aの抵抗値を数十キロオーム以上とすれば、第1負極端子5と第2負極端子6の間に印加される情報保持電圧Voutに対する検出抵抗Rxの影響を無視することができる。すなわち、情報保持電圧Voutは、補助電源部12から供給される直流電流の電流値と、情報保持部3を構成する抵抗3aの抵抗値のみで決まるとみなしてよい。したがって、情報保持電圧Voutの電圧値が抵抗3aの抵抗値に比例して変化するとすれば、図18に示すように電気特性の情報(順電流値Iout)を抵抗3aの抵抗値として情報保持部3に保持させることができる。
【0074】
一方、点灯装置に光源モジュールA4が接続され、直流出力部10が動作している場合、例えば、光源モジュールA4の順電流値Ioutを0.35Aとすると、直流出力部10のインダクタ10bに流れる電流のピーク値は約0.7Aとなる。このとき、検出抵抗Rxの抵抗値を1Ωとすれば、検出電圧は0Vから0.7Vまで変化し、情報保持電圧Voutもスイッチング素子10aのスイッチング動作に応じて変動してしまう。したがって、特性判別部13が情報保持電圧Voutに基づいて光源モジュールA4の電気特性を正しく判別するためには、直流出力部10が停止しているときに判別処理を行う必要がある。
【0075】
点灯装置に光源モジュールA4が接続されていない場合、補助電源部12から供給される直流電流が、補助電源部12の出力端とグランドの間に接続されている抵抗R14に流れるため、この抵抗R14の両端電圧(情報保持電圧Vout)が上昇する。故に、接続判定部14では、情報保持電圧Voutが所定のしきい値電圧Vref6を超えていれば、光源モジュールA4の接続無しと判定して停止信号を出力するが、情報保持電圧Voutがしきい値電圧Vref6以下であれば、光源モジュールA4の接続有りと判定して停止信号を出力しない。停止信号は出力調整部15のドライバ回路15aのリセット端子Resetに入力されており、停止信号が入力されている間、ドライバ回路15aの出力端子Houtから駆動信号が出力されずに直流出力部10が停止する。
【0076】
以下、図19に示すタイムチャートを参照し、直流電源DCの投入から光源モジュールA4が点灯するまでの動作を詳細に説明する。
【0077】
直流電源DCの投入後、制御電源部11の制御電圧が徐々に上昇し(図19(a),(b)参照)、時刻t=t0において所定レベルに達すると、補助電源部12から一定の直流電流が出力される(図19(c)参照)。時刻t=t0より、特性判別部13並びに接続判定部14が動作を開始するが、接続判定部14は、時刻t=t0から所定期間が経過するまでの間(時刻t=t0〜t2の間)、光源モジュールA4の接続有無に関係なく、停止信号を出力する(図19(d)参照)。
【0078】
一方、特性判別部13は、前記所定期間よりも短い判別期間が経過するまでの間(時刻t=t0〜t1の間)に、情報保持電圧Voutに基づいて電気特性の情報(例えば、順電流値)を判別し、判別した順電流値に対応した電流設定信号を出力する(図19(e)参照)。
【0079】
時刻t=t2の時点で点灯装置に光源モジュールA4が接続されている場合、接続判定部14が接続有りと判定して停止信号を出力しなくなるので(図19(d)参照)、出力調整部15から駆動信号が出力されて直流出力部10が動作を開始する(図19(f)参照)。
【0080】
また、時刻t=t2の時点で点灯装置に光源モジュールA4が接続されていない場合、接続判定部14が接続無しと判定して停止信号の出力を継続するので、出力調整部15から駆動信号が出力されずに直流出力部10が動作を開始しない。ただし、特性判別部13では繰り返し特性判別の処理を行う。
【0081】
ところで、情報保持部3の故障等によって光源モジュールA4の第1負極端子5と第2負極端子6が短絡すると、情報保持電圧Voutがゼロボルト付近まで低下する。したがって、接続判定部14において、しきい値電圧Vref6よりも十分に低い値に設定されたしきい値電圧Vref7と情報保持電圧Voutを比較し、情報保持電圧Voutがしきい値電圧Vref7以下となったときに停止信号を出力して直流出力部10の動作を停止させることが望ましい。
【0082】
なお、特性判別部13は出力調整部15から駆動信号が出力された後に特性判別の処理を中止してもよい。また、図20に示すように、情報保持電圧Voutに対して電気特性の情報(順電流値Iout)を段階的に設定するようにしても構わない。
【0083】
上述のように本実施形態の点灯装置では、出力調整部15が直流出力部10の出力電流をフィードバック制御しているため、光源モジュールA4に供給される直流電流をより安定化することができる。
【符号の説明】
【0084】
A1 光源モジュール
1 第1発光部
1a 発光ダイオード
2 第2発光部
2a 発光ダイオード
3 情報保持部
4 正極端子
5 第1負極端子
6 第2負極端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光ダイオードが順方向に直列接続されてなる第1発光部と、前記第1発光部における先頭の発光ダイオードのカソードにそれぞれのアノードが並列接続された複数の発光ダイオードからなる第2発光部と、前記第1発光部における最後尾の発光ダイオードのアノードに接続された正極端子と、前記第2発光部における少なくとも何れか1つの発光ダイオードのカソードに接続された第1負極端子と、前記第2発光部における複数の発光ダイオードのうちで前記第1負極端子に接続されていない発光ダイオードの少なくとも何れか1つのカソードに接続された第2負極端子と、前記第1負極端子と第2負極端子の間に接続されて前記発光ダイオードの電気特性に関する情報を保持する情報保持部とを備え、
点灯装置の出力が前記正極端子と前記第1負極端子又は第2負極端子との間に印加されるとともに、前記第1負極端子と前記第2負極端子との間に外部の電源から直流電圧が印加され、
前記情報保持部は、前記第1負極端子と前記第2負極端子との間に設けられた全波整流器を具備し、当該全波整流器を介して入力される電圧波形を前記情報に応じて整形することを特徴とする光源モジュール。
【請求項2】
前記第1発光部における最後尾の発光ダイオードのアノードにそれぞれのカソードが並列接続された複数の発光ダイオードからなる第3発光部と、前記正極端子の代わりに前記第3発光部における少なくとも何れか1つの発光ダイオードのアノードに接続された第1正極端子と、前記第3発光部における複数の発光ダイオードのうちで前記第1正極端子に接続されていない発光ダイオードの少なくとも何れか1つのアノードに接続された第2正極端子と、前記第1正極端子と第2正極端子の間に接続されて前記情報保持部と同じ情報を保持する第2情報保持部とを備え、
前記第2発光部における複数の発光ダイオードのうちで前記第1負極端子及び前記第2負極端子の何れとも接続されていない少なくとも2つの発光ダイオードのカソードがそれぞれ前記第1正極端子又は前記第2正極端子と接続され、
前記第3発光部における複数の発光ダイオードのうちで前記第1正極端子及び前記第2正極端子の何れとも接続されていない少なくとも2つの発光ダイオードのアノードがそれぞれ前記第1負極端子又は前記第2負極端子と接続されたことを特徴とする請求項1記載の光源モジュール。
【請求項3】
請求項1又は請求項2の光源モジュールを点灯する点灯装置であって、
電圧及び電流の双方が可変である直流出力を前記正極端子若しくは前記第1正極端子又は前記第2正極端子の何れか1つと前記第1負極端子又は前記第2負極端子の何れか1つとの間に印加する直流出力部と、前記第1負極端子と前記第2負極端子との間若しくは前記第1正極端子と前記第2正極端子との間に直流電圧を印加する補助電源部と、前記第1負極端子と前記第2負極端子との間若しくは前記第1正極端子と前記第2正極端子との間の電圧波形に基づいて前記情報保持部が保持する前記発光ダイオードの電気特性を判別する特性判別部と、前記第1負極端子と前記第2負極端子との間若しくは前記第1正極端子と前記第2正極端子との間の電圧に基づいて前記光源モジュールの接続の有無を判定する接続判定部と、前記接続判定部が前記光源モジュールの接続無しと判定した場合は前記直流出力部の直流出力を停止させるとともに、前記接続判定部が前記光源モジュールの接続有りと判定した場合は前記特性判別部で判別される前記電気特性に応じて前記直流出力部の直流出力における電圧又は電流の少なくとも何れか一方を調整する出力調整部とを備えたことを特徴とする点灯装置。
【請求項4】
請求項3の点灯装置を保持する器具本体と、当該器具本体に設けられ、請求項1又は請求項2の光源モジュールが着脱自在に装着されるソケットとを備えたことを特徴とする照明器具。
【請求項1】
複数の発光ダイオードが順方向に直列接続されてなる第1発光部と、前記第1発光部における先頭の発光ダイオードのカソードにそれぞれのアノードが並列接続された複数の発光ダイオードからなる第2発光部と、前記第1発光部における最後尾の発光ダイオードのアノードに接続された正極端子と、前記第2発光部における少なくとも何れか1つの発光ダイオードのカソードに接続された第1負極端子と、前記第2発光部における複数の発光ダイオードのうちで前記第1負極端子に接続されていない発光ダイオードの少なくとも何れか1つのカソードに接続された第2負極端子と、前記第1負極端子と第2負極端子の間に接続されて前記発光ダイオードの電気特性に関する情報を保持する情報保持部とを備え、
点灯装置の出力が前記正極端子と前記第1負極端子又は第2負極端子との間に印加されるとともに、前記第1負極端子と前記第2負極端子との間に外部の電源から直流電圧が印加され、
前記情報保持部は、前記第1負極端子と前記第2負極端子との間に設けられた全波整流器を具備し、当該全波整流器を介して入力される電圧波形を前記情報に応じて整形することを特徴とする光源モジュール。
【請求項2】
前記第1発光部における最後尾の発光ダイオードのアノードにそれぞれのカソードが並列接続された複数の発光ダイオードからなる第3発光部と、前記正極端子の代わりに前記第3発光部における少なくとも何れか1つの発光ダイオードのアノードに接続された第1正極端子と、前記第3発光部における複数の発光ダイオードのうちで前記第1正極端子に接続されていない発光ダイオードの少なくとも何れか1つのアノードに接続された第2正極端子と、前記第1正極端子と第2正極端子の間に接続されて前記情報保持部と同じ情報を保持する第2情報保持部とを備え、
前記第2発光部における複数の発光ダイオードのうちで前記第1負極端子及び前記第2負極端子の何れとも接続されていない少なくとも2つの発光ダイオードのカソードがそれぞれ前記第1正極端子又は前記第2正極端子と接続され、
前記第3発光部における複数の発光ダイオードのうちで前記第1正極端子及び前記第2正極端子の何れとも接続されていない少なくとも2つの発光ダイオードのアノードがそれぞれ前記第1負極端子又は前記第2負極端子と接続されたことを特徴とする請求項1記載の光源モジュール。
【請求項3】
請求項1又は請求項2の光源モジュールを点灯する点灯装置であって、
電圧及び電流の双方が可変である直流出力を前記正極端子若しくは前記第1正極端子又は前記第2正極端子の何れか1つと前記第1負極端子又は前記第2負極端子の何れか1つとの間に印加する直流出力部と、前記第1負極端子と前記第2負極端子との間若しくは前記第1正極端子と前記第2正極端子との間に直流電圧を印加する補助電源部と、前記第1負極端子と前記第2負極端子との間若しくは前記第1正極端子と前記第2正極端子との間の電圧波形に基づいて前記情報保持部が保持する前記発光ダイオードの電気特性を判別する特性判別部と、前記第1負極端子と前記第2負極端子との間若しくは前記第1正極端子と前記第2正極端子との間の電圧に基づいて前記光源モジュールの接続の有無を判定する接続判定部と、前記接続判定部が前記光源モジュールの接続無しと判定した場合は前記直流出力部の直流出力を停止させるとともに、前記接続判定部が前記光源モジュールの接続有りと判定した場合は前記特性判別部で判別される前記電気特性に応じて前記直流出力部の直流出力における電圧又は電流の少なくとも何れか一方を調整する出力調整部とを備えたことを特徴とする点灯装置。
【請求項4】
請求項3の点灯装置を保持する器具本体と、当該器具本体に設けられ、請求項1又は請求項2の光源モジュールが着脱自在に装着されるソケットとを備えたことを特徴とする照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2011−198821(P2011−198821A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−61132(P2010−61132)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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