光源モジュール、及びそれを備えた液晶表示装置
【課題】導光板の加工を伴うことなく、光源から導光板への結合効率を高め、導光板の輝度ムラを低減し得る光源モジュール、及びそれを備えた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】LEDチップ23aと、導光板13と、LEDチップ23aからの光を導光板13に導く光結合部材30とからなる。光結合部材30は、導光板13側に光を入光させる頂部平坦面31と、頂部平坦面31部の両側に位置する2つの側面部と、LEDチップ23aの光を入光する入光面33aとを有している。2つの側面部のうちの一方の表面はその下方に位置する入光面33aからの光を曲面32aにて反射して頂部平坦面31に導く反射面となっている一方、2つの側面部のうちの他方の側面部である他方側面部36の表面は頂部平坦面31との境界を含む少なくとも一部が反射面よりも粗面に形成されている。
【解決手段】LEDチップ23aと、導光板13と、LEDチップ23aからの光を導光板13に導く光結合部材30とからなる。光結合部材30は、導光板13側に光を入光させる頂部平坦面31と、頂部平坦面31部の両側に位置する2つの側面部と、LEDチップ23aの光を入光する入光面33aとを有している。2つの側面部のうちの一方の表面はその下方に位置する入光面33aからの光を曲面32aにて反射して頂部平坦面31に導く反射面となっている一方、2つの側面部のうちの他方の側面部である他方側面部36の表面は頂部平坦面31との境界を含む少なくとも一部が反射面よりも粗面に形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源モジュール、及びそれを備えた液晶表示装置に関するものであり、光源モジュールは、例えば液晶表示装置のバックライト、又は室内若しくは屋外の照明等に適用される。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置においては、薄型化を図るために、光源からの光を導光板によって面状に出射させるサイドエッジ(サイドライトともいう)型導光板を備えたバックライトが多用されている。
【0003】
このようなサイドエッジ型導光板では、導光板の長手方向の例えば両端部にLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等の光源を配置し、導光板の長手方向の各端面から、光を入射させ、導光板の内部中央へその光を全反射させながら、導光板の表面に光を出射するようになっている。
【0004】
しかしながら、サイドエッジ型導光板においては、熱膨張により導光板が伸縮すると共に、特に、導光板の長手方向においては伸縮量が大きい。このため、導光板の端部においては、光源を導光板に密着させることはできず、熱膨張による伸縮量を見越した隙間を有する構造となっている。この結果、隙間の存在により光源の導光板への入射効率が悪くなるという問題点を有している。この問題は、液晶表示装置が大型になればなるほど、すなわち導光板が大型になればなるほど伸縮量が大きくなるので、光源と導光板との隙間を大きくしなければならず、その結果、入射効率がさらに低下する。
【0005】
そこで、この問題を解決するために、特許文献1に開示された表示装置用バックライト100では、図13に示すように、導光板110の下方に発光ダイオード101が、その光軸が導光板110に直交するようにして設けられている。そして、導光板110の表面における発光ダイオード101の直上においては、発光ダイオード101からの光を導光板110の両端部側へ反射すべく、曲面からなる反射面111・111が形成されている。また、発光ダイオード101の下側には反射シート102が設けられている。
【0006】
上記の構成により、導光板110の厚み方向の伸縮量は大きくないので、発光ダイオード101を導光板110に近接して配設することができる。また、発光ダイオード101の下側に設けられた反射シート102の存在とも相俟って、発光ダイオード101から出射された光の略全てが導光板210に導入される。この結果、サイドエッジ(サイドライトともいう)型導光板よりも光の導光板110への結合効率及び光利用効率を向上し得るものとなっている。
【0007】
尚、特許文献1の表示装置用バックライト100では導光板に加工を施す必要があるので、単なる平板状の導光板よりもコスト高になる欠点がある。また、発光ダイオード101の直上の輝度が周囲より明るくなり、輝線が発生するので、均一な輝度分布を作ることができないという欠点がある。
【0008】
ここで、一般的な直下型は、液晶パネルの下に、LEDをマトリックス状に配列させて液晶パネルを均一に照射する方式である。また、直下型には、LEDと拡散レンズ(光を拡散させるレンズ)を用いてLEDから出射される光を広げて液晶パネルを均一に照射する方式もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−49324号公報(2006年2月16日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の特許文献1に開示された光源モジュールでは、導光板に加工を施す必要があるので、単なる平板状の導光板よりもコスト高になるという問題点を有している。
【0011】
また、発光ダイオード101の直上の輝度が周囲より明るくなり、輝線が発生するので、均一な輝度分布を作ることができないという欠点がある。
【0012】
さらに、製造ばらつきにより、光源と導光板との相対的位置がずれた場合には、輝度ムラが発生する。
【0013】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、導光板の加工を伴うことなく、光源から導光板への結合効率を高め、導光板の輝度ムラを低減し得る光源モジュール、及びそれを備えた液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の光源モジュールは、上記課題を解決するために、光源と、導光板と、該光源からの光を導光板に導く光結合部材とからなる光源モジュールであって、上記光結合部材は、導光板側に光を入光させる頂部平坦部と、該頂部平坦部の両側に位置する2つの側面部と、光源の光を入光する入光部とを有していると共に、上記2つの側面部のうちの一方の表面はその下方に位置する入光部からの光を曲面にて反射して上記頂部平坦部に導く反射面となっている一方、上記2つの側面部のうちの他方の表面は上記頂部平坦部との境界を含む少なくとも一部が上記反射面よりも粗面に形成されていることを特徴としている。
【0015】
上記の発明によれば、導光板の下方の光源から出射された光は、入光部から光結合部材に入光し、光結合部材の曲面にて反射して頂部平坦部から導光板に入射される。導光板に入射された光は、該導光板の内部を全反射しながら一部の光は導光板の端部まで伝搬すると共に、その途中では適宜光路変換素子にて、全反射条件が破られ、導光板の上面から出射される。
【0016】
この結果、従来のサイドエッジ型導光板とは異なり、導光板直下型のバックライトとなっているので、サイドエッジ型導光板においては必要であった熱膨張を回避するための光源と導光板との隙間が不要となり、光源から導光板への結合効率を高め、光利用効率を向上することができる。
【0017】
また、本発明では、導光板とは別体の光結合部材を設けることにより、導光板の下面の入射部から光を入射させるので、導光板の内部では入射光が全反射しながら導光される。この結果、導光板を加工しなくても済み、光源から導光板への結合効率を高め、光利用効率を向上し得ると共に、製造コストも軽減される。
【0018】
ところで、このような構造の光源モジュールにおいては、光結合部材と光源との位置関係が所定の位置よりもずれると、詳細には光源が光結合部材に対する所定の位置よりも脚体部側にずれると、曲面からなる反射面を反射した光の一部が光結合部材の頂部平坦部に結合せず、曲面からなる反射面とは反対側である2つの側面部のうちの他方の表面から出射する迷光となる。このような迷光は、光源が光結合部材に対する所定の位置よりも2つの側面部のうちの他方の表面側に大きくずれればずれる程迷光の発生量が多くなる。
【0019】
そして、このような迷光が導光板に入射されると、導光板においては輝度ムラが発生する。
【0020】
そこで、本発明では、光結合部材における2つの側面部のうちの他方の表面は上記頂部平坦部との境界を含む少なくとも一部が上記反射面よりも粗面に形成されている。この結果、2つの側面部のうちの他方の表面の到達した光は、粗面にて乱反射を起こすので、導光板に入射しないことになる。
【0021】
したがって、導光板の加工を伴うことなく、光源から導光板への結合効率を高め、導光板の輝度ムラを低減し得る光源モジュールを提供することができる。
【0022】
本発明の光源モジュールでは、前記光結合部材における2つの側面部のうちの他方の表面における前記頂部平坦部との境界を含む少なくとも一部は、表面粗さRa≧0.2となっているとすることができる。
【0023】
これにより、2つの側面部のうちの他方の表面の到達した光が、粗面にて確実に乱反射を起こすので、導光板に入射しないことになる。
【0024】
本発明の光源モジュールでは、前記光結合部材における2つの側面部のうちの一方の表面である反射面は、表面粗さRa<0.2となっているとすることができる。
【0025】
これにより、光結合部材における曲面からなる反射面では確実に全反射して、該光結合部材の頂部平坦部から導光板に入射されることになる。
【0026】
本発明の光源モジュールでは、前記光結合部材は、断面形状アーチ状又は半円状にてなっているとすることができる。
【0027】
これにより、光結合部材の下方に位置する光源から入光部を介して入光した光の多くを曲面にて反射して上記頂部平坦部に導くことが可能となる。また、断面形状アーチ状又は半円状の光結合部材においては、外形表面形状が左右対称となるので、金型形成し易いメリットがある。
【0028】
本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、上記記載の光源モジュールをバックライトとして備えていることを特徴としている。
【0029】
上記の発明によれば、導光板の加工を伴うことなく、光源から導光板への結合効率を高め、導光板の輝度ムラを低減し得る光源モジュールを備えた液晶表示装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の光源モジュールは、以上のように、光結合部材は、導光板側に光を入光させる頂部平坦部と、該頂部平坦部の両側に位置する2つの側面部と、光源の光を入光する入光部とを有していると共に、上記2つの側面部のうちの一方の表面はその下方に位置する入光部からの光を曲面にて反射して上記頂部平坦部に導く反射面となっている一方、上記2つの側面部のうちの他方の表面は上記頂部平坦部との境界を含む少なくとも一部が上記反射面よりも粗面に形成されているものである。
【0031】
本発明の液晶表示装置は、以上のように、上記記載の光源モジュールをバックライトとして備えているものである。
【0032】
それゆえ、導光板の加工を伴うことなく、光源から導光板への結合効率を高め、導光板の輝度ムラを低減し得る光源モジュール、及びそれを備えた液晶表示装置を提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明における光源モジュールの実施の一形態を示すものであって、光源モジュールに備えられた光結合部材においてLEDチップからの入射光が導光板に結合しない場合に脚体部の表面で散乱する光路を示す断面図である。
【図2】上記光源モジュールを備えた液晶表示装置の構成を示す分解斜視図である。
【図3】(a)は上記液晶表示装置の全体構成を示す断面図であり、(b)は(a)に示す液晶表示装置における光源ユニットの構成を示す断面図である。
【図4】上記液晶表示装置における光源モジュールの構成を示す斜視図である。
【図5】上記光源モジュールにおける光源ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図6】上記光源ユニットにおけるLED基板の構成を示す平面図である。
【図7】(a)はLEDチップから出射した光が放物面を有する光結合部材を介して導光板に入射するときの光路を示す断面図であり、(b)はLEDチップ近傍を示す要部断面図である。
【図8】上記導光板を取り除いた光源モジュールの構成を示す斜視図である。
【図9】図8において切断面Sで切断した断面図である。
【図10】図9のA側の要部構成を拡大して示す断面図である。
【図11】(a)は迷光の発生原理を説明するための光結合部材の光路を示す説明図であり、(b)は導光板の輝度分布を示す平面図である。
【図12】(a)は液晶表示装置の構成を示す正面図であり、(b)はその側面図である。
【図13】従来の光源モジュールの構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の一実施形態について図1〜図12に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0035】
(液晶表示装置の全体構成)
本実施の形態の光源モジュールを備えた液晶表示装置の構成について、図2に基づいて説明する。図2は、本実施の形態の液晶表示装置の構成を示す分解斜視図である。
【0036】
本実施の形態の液晶表示装置1は、図2に示すように、光源モジュールとしてのバックライト10、拡散板2A、プリズムシート3、拡散シート2B、液晶パネル4及びベゼル5がこの順に重ねられて配置されている。液晶表示装置1においては、バックライト10から出射された光が、拡散板2A、プリズムシート3、及び拡散シート2Bを通過して液晶パネル4に入射する。そして、液晶パネル4において光透過率を部分的に変化させることにより、所望の画像が表示されることになる。尚、液晶パネル4は、矩形の平板状であり、拡散板2A、プリズムシート3、及び拡散シート2Bも液晶パネル4と略同じ形状を有している。また、ここでは、液晶パネル4の長辺に平行な方向をX方向とし、液晶パネル4の短辺に平行な方向をY方向とし、X方向及びY方向の両方に垂直な方向をZ方向とする。X方向は、長手方向ともいう。また、Z方向は、液晶パネル4の法線方向ともいえる。
【0037】
(バックライトの構成)
バックライト10は、図2に示すように、下から順に、つまり液晶パネル4に対して遠い方から順に、光源ユニット20、一筋の開口11aを有するシャーシ11、シャーシ11と同様に一筋の開口12aを有する反射シート12、及び光学部材としての導光板13にて構成されている。シャーシ11は、例えば鉄等の材質により形成されており、バックライト10の強度を高めるものである。シャーシ11は、液晶パネル4と略同じサイズの矩形に形成されている。
【0038】
上記光源ユニット20は、凹部21aを有する光源ホルダー21を備えている。凹部21aはX方向に伸びた長尺状つまり帯状の溝である。光源ホルダー21は、液晶パネル4における長辺方向に沿って端部側に配置されている。
【0039】
反射シート12は、導光板13から漏れ出た光を反射し、導光板13に戻すために設けられている。反射シート12は、光源ユニット20内の後述する光学部材としての光結合部材30が導光板13に当接する部分で2つの区切られており、区切られた2つの反射シート間に一筋の開口12aが形成されている。すなわち、導光板13における、光源ユニット20側の下面には、光結合部材30と当接する領域、及び反射シート12が設けられた領域が存在する。そして、光は、導光板13における、光結合部材30と当接する領域を介して導光板13へ入射することとなる。
【0040】
導光板13は、入射してくる光を液晶パネル4側へ導くためのものであり、平板状である。
【0041】
(光源ユニットの構成)
次に、光源ユニット20の構成について、図3(a)(b)、図4〜図7(a)(b)に基づいて説明する。図3(a)は、液晶表示装置1の全体構成を示す断面図であり、図3(b)は、液晶表示装置1における光源ユニットの構成を示す断面図である。図4は、液晶表示装置1におけるバックライトの構成を示す斜視図である。図5は、バックライトにおける光源ユニットの構成を示す分解斜視図である。図6は、光源ユニットにおけるLED基板の構成を示す平面図である。図7(a)はLEDチップから出射した光が放物面を有する光結合部材を介して導光板に入射するときの光路を示す断面図であり、図7(b)はLEDチップ近傍を示す要部断面図である。
【0042】
上記光源ユニット20は、図3(a)(b)〜図5に示すように、光源としてのLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)チップを搭載した光源基板としてのLED基板24aと、長尺状の光結合部材30と、ヒートシンク22とを備えている。光結合部材30は、LEDチップから発せられた光を結合させ、導光板13に対して所定の角度で入射させるための光学素子である。また、板状部材としてのヒートシンク22には、LED基板24a及び光結合部材30が搭載されている。また、導光板13、光結合部材30、LED基板24a、及びヒートシンク22は、この順に重ねて配設されている。尚、半導体のLEDチップは非常に微細なサイズであるため、図3(a)(b)〜図5では、図面の煩雑さを防ぐための記載を割愛する。
【0043】
上記光結合部材30は、図4にも示すように、X方向の断面が二股形状(アーチ状)である透光部材からなっている。そして、この二股形状の一方側がLED基板24a上に配置されている。また、光結合部材30は、LED基板24aと反対側に頂部平坦面を有し、この頂部平坦面に導光板13が固定されている。尚、光結合部材30は、必ずしも断面形状アーチ状に限らず、断面形状半円状であってもよい。
【0044】
LED基板24a上のLEDチップから発した光は、光結合部材30における二股形状の一方の入光面から入光し、光結合部材30内部を伝搬し、導光板13との固定部分である頂部平坦面で、導光板13と光結合する。つまり導光板13に入射する。導光板13に入射した光は、導光板13内部を全反射しながらY方向に伝搬しつつ、その光の一部は、導光板13の裏面に形成された光取り出し手段である光散乱体により全反射条件が破られ、導光板13表面からZ方向上方である矢印Laに出射する。尚、上記光散乱体は、導光板13裏面に印刷等で形成された微小パターンである。このように、光源ユニット20は、LEDチップからの光を導光板13の凡そ全面から出射することができるので、面発光装置として利用することができる。光源ユニット20におけるLEDチップから導光板13までの光の詳細挙動については、後述する。
【0045】
本実施の形態では、光源としてLEDチップを用いているが、これは、半導体チップ状のLEDは形状が小さくかつ狭い領域に配置できるためである。これにより、安価な低出力のLEDチップを用いた場合にも、間隔を詰めて多くのLEDを配置することによって照度も向上し、高機能の、バックライトの光源として利用できる点で好ましい。ただし、これに限るものではなく、例えば、パッケージに収納されたLEDでもよく、有機EL発光素子又は無機EL発光素子を用いることも可能である。
【0046】
図5に示すように、LED基板24aの表面には、白色系樹脂からなるダム26aが形成されている。図6に示すように、ダム26aは、液晶表示装置1の幅方向(長手方向)に長尺に形成されている。また、ダム26aは、凹部状に形成されている(後述する図10参照)。そして、ダム26a内には、図6に示すように、LEDチップ23aが、ダム26aの長手方向に例えば数mmの間隔をあけて列状に配置されている。ダム26aの外周には、光結合部材30との位置調整のためのアライメントマーク27aが設けられている。アライメントマーク27aは、LEDチップ23aの実装位置を規定するために予めLED基板24aに準備されたものである。また、LED基板24aは、いわゆるプリント配線基板であり、アルミナ、セラミック、ガラスエポキシ樹脂等の材料から構成される。LED基板24aの厚さは、例えば2mmである。
【0047】
また、図6では示されていないが、ダム26a内には、複数のLEDチップ23aを封止する透明樹脂が充填されている。そして、この透明樹脂には、蛍光体が含まれている。蛍光体は、個々のLEDチップ23aに対し同一の種類のものが用いられている。
【0048】
また、LED基板24aには、ボス用穴28a・28aが形成されている。このボス用穴28a・28aは、後述するボス35a・35a(後述する図8参照)を挿入するための穴である。
【0049】
光結合部材30は、図4及び図5に示すように、X方向に垂直な断面形状が略U字形状つまりトンネル状又はアーチ状であり、X方向に長尺な棒状体である。そして、導光板13とLEDチップ23aとの間に設けられている。
【0050】
この結果、本実施の形態の液晶表示装置1は、液晶パネル4と、液晶パネル4に光を照射する導光板13と、導光板13に光を結合する光学部材としての光結合部材30と、上記光結合部材30に入射光を発するLEDチップ23aとを備え、上記液晶パネル4、導光板13、光結合部材30、LEDチップ23aがこの順に並んで配設された構成になっている。そして、液晶表示装置1におけるバックライト10は、LEDチップ23aが導光板13の下方に設けられた光源直下型のバックライト10となっている。そして、これらLEDチップ23aは、出射光の光軸方向つまり入射光における最も輝度の高い方向が、平板状の導光板13に対して直交するように配置されている。
【0051】
また、本実施の形態では、液晶表示装置1は、導光板の加工という技術思想を伴うことなく、光源としてのLEDチップ23aから導光板13への光結合効率を高め、光利用効率を向上し得る。以下、光結合部材30の詳細構造及び光路について説明する。
【0052】
光結合部材30は、上述したように、導光板13とLEDチップ23aとの間に設けられた断面略U字形状の帯状体つまり棒状体からなっている。光結合部材30の材質は、導光板13の材質と同じ樹脂からなっている。同じ材質であれば、屈折率を同じにすることができるので、光結合部材30から導光板13への光の入射が円滑に行われる。導光板13の屈折率が光結合部材30の屈折率より僅かに高い構成でも構わない。また樹脂に限るものではなく硝子等の材質でも構わない。
【0053】
詳細には、図7(a)に示すように、光結合部材30における導光板13側の表面は、平板状の導光板13に当接する頂部平坦部としての頂部平坦面31と、曲面32a・32bとからなっている。曲面32a・32bは、頂部平坦面31から両端側にそれぞれ導光板13から遠ざかるように伸びて形成されている。上記曲面32aは、本発明における光結合部材30の2つの側面部のうちの一方の表面の反射面としての機能を果たし、曲面32bは本発明における光結合部材30の2つの側面部のうちの他方の表面としての機能を果たしている。
【0054】
曲面32a・32bは、例えば、図7(a)に示す断面放物線とすることができる。すなわち、曲面32a・32bは、液晶パネル4の長手方向(X方向)に垂直な光結合部材30の断面形状において、放物線を構成する。ただし、必ずしもこれに限るものではなく、断面楕円、弓型等の湾曲形状、又は頂部平坦面31から斜めに傾斜する平面であっても、導光板に光を有効に結合できる形状であれば構わない。これにより、光結合部材30が、光源から出射された光を、光結合部材内部で曲げながら伝搬し、平板状の導光板13に対して斜めに入射させるように機能する。このため、光源からの光の殆どを導光板13に結合させることができる。
【0055】
また、光結合部材30における導光板13側とは反対側の表面、つまり光結合部材30の下端は、2つの下端平坦面となっている。この2つの下端平坦面のうち1つがLEDチップ23aからの光を入光する入光面33aとなっている。LEDチップ23aは、入光面33aの真下に配置されている。そして、入光面33aの一部に高さ0.5mm程度のスペーサ25aが形成され、LEDチップ23aと光結合部材30との衝突によるLEDチップ23aの破損を防いでいる。LEDチップ23aは、LED基板24aにボンディングされている。すなわち、LEDチップ23aは、スペーサ25a近傍に接着剤等を塗布することで、LED基板24aに接着固定される。
【0056】
さらに、光結合部材30の下端側の中央部には凹部34が形成されている。ただし、必ずしもこれに限らず、凹部34が存在しない断面かまぼこ状や断面半円状でもよい。すなわち、本実施の形態では、曲面32aにて反射する光の導光板13への光路が確保できればよいので、光路とならない部分は凹部34としてくり抜くことができる。これにより、コスト削減を図ることができる。尚、凹部34に図示しない反射シート等の反射手段を設けることも可能である。これにより、頂部平坦面31近傍で発生した迷光が発生する場合があっても迷光の一部を導光板13側に反射させ液晶パネル4への照射を向上させることができる。
【0057】
光結合部材30の入光面33aの下側には、LED基板24aにボンディングされたLEDチップ23aが近接して設けられている。LEDチップ23aは、図7(b)に示すように、例えば断面放物線からなる曲面32aの焦点位置Fよりも端部側に存在することが好ましい。これにより、図7(a)に示すように、例えばLEDチップ23aから出射された光は、光結合部材30の入光面33aから入光し、断面放物線の曲面32aにて反射される。そして、その反射光が光結合部材30の頂部平坦面31に到達し、到達方向を維持して導光板13に斜めに入射する。導光板13に入射した光は、図7(a)に示す導光板13の右側の内部を全反射して進みつつ、導光板13の裏面、つまり反射シート12側の面に設けられている図示しない光路変換部である光散乱体と衝突することにより、導光板13中を進む角度が変わる。そして、進む角度に応じて、全反射条件が破られた光と全反射条件を満たす光とになる。全反射条件が破られた光は、導光板13の液晶パネル4側表面から出射し、前記拡散シート2B及びプリズムシート3を通して液晶パネル4に向かう。一方、全反射条件を満たす光は、導光板13から出射せず、反射シート12で反射し、導光板13のさらに右側の内部(図4におけるY方向)を全反射して進みつつ、図示しない光路変換部である光散乱体と衝突することにより導光板13中を進む角度が変わる。
【0058】
すなわち、導光板13に入射した光は、導光板13内部を全反射し端部へ向かう光路中、導光板13の裏面に設けられた光散乱体の作用により、導光板13の液晶パネル4側表面に対する全反射条件が破れた光が生じ、この光が導光板13から出射する。一方、全反射条件を満たす光は、導光板13内部を全反射して端部へ向かい、この光路中、再び導光板13の裏面に設けられた光散乱体の作用により、導光板13から出射する光が生じる。このように、光源ユニット20では、導光板13内部において、入射光が全反射し端部へ向かう光路中に光散乱体を設けて入射光の進む角度を変えることにより、導光板13外部へ光を出射させている。
【0059】
このような光路は、断面楕円の曲面32aを有する光結合部材30においても同様である。そして、断面楕円の光結合部材30においても、LEDチップ23aは、例えば断面楕円からなる曲面32aの焦点位置Fよりも端部側に存在することが好ましい。
【0060】
(LED基板と光結合部材との固定)
次に、本実施の形態のLED基板24aと光結合部材30との固定について、図8〜図10に基づいて説明する。図8は、光源ユニット20における導光板13を取り除いた構成を示す斜視図である。図9は、図8の構成を切断面Sで切断したときの断面図を示す。図10は、図9の構成におけるA側の要部構成を拡大して示した断面図である。
【0061】
図8〜図10に示すように、光結合部材30は、X方向に長尺であり、X方向に垂直な断面が頂部平坦面31を根元とした二股形状(断面略U字形状)の帯状体である。頂部平坦面31からA側(一方の側)に延びる股部は、LED基板24a上に配置されている。LED基板24aは、ビス34aによりヒートシンク22に螺合されている。
【0062】
光結合部材30におけるLED基板24aと対向する部分には、光結合部材30とLED基板24aとを固定するための2つのボス35a・35a’が設けられている。これらボス35a・35a’は、LED基板24aのボス用穴28a・28aに挿入される。そして、これらボス35a・35a’は、LED基板24aに接着固定されたボス35a、及びLED基板24aに対し取り外し可能に取り付けられたボス35a’に割当てられている。すなわち、ボス35a・35a’のうちボス35aのみが、LED基板24aのボス用穴28aに挿入されると共に、接着剤等で固定されている。一方、ボス35a’は、LED基板24aのボス用穴28aに挿入されているだけである。
【0063】
さらに、図9に示すように、ヒートシンク22には、その上のLED基板24aのボス用穴28aと連通する貫通穴22aが設けられている。この貫通穴22aは、LED基板24aのボス用穴28aを貫通するボス35a・35a’を収容するための穴であると共に、余分な接着剤が溜まる部分になっている。また、この貫通穴22aは、ヒートシンク22を貫通しており、補修の際に利用される。
【0064】
光結合部材30における頂部平坦面31に対しB側(他方の側)には、LED基板が配置されていない。頂部平坦面31からB側に延びる股部には、ヒートシンク22と対向する部分に、光結合部材30とヒートシンク22とを固定するための2つのボス35b・35b’が設けられている。図9に示すように、ヒートシンク22には、これらボス35b・35b’を挿入するための貫通穴22b・22bが設けられている。そして、これらボス35b・35b’は、ヒートシンク22に接着固定されたボス35b、及びヒートシンク22に対して取り外し可能に取り付けられたボス35b’に割当てられている。すなわち、ボス35b・35b’のうちボス35bのみが、ヒートシンク22の貫通穴22bに挿入されると共に、接着剤で固定されている。ヒートシンク22の貫通穴22bは、補修の際に利用される。
【0065】
また、光結合部材30における導光板13と対向する部分には、頂部平坦面31が形成されている。導光板13は、この頂部平坦面31で接触固定されている。この頂部平坦面31が、LED基板24aからの光を導光板13へ光を結合する部分となっている。
【0066】
また、図8に示すように、光結合部材30における、頂部平坦面31からA側に延びる股部には、スペーサ25aが設けられている。このスペーサ25aは、光結合部材30の入光面33aとLED基板24aとのクリアランスを保つために設けられている。また、頂部平坦面31からB側に延びる股部には、ヒートシンク22と当接するスペーサ25bが設けられている。光結合部材30の入光面33aとLED基板24aとの平行度を保つ必要があるため、スペーサ25bは、スペーサ25aよりも、LED基板24aの厚さ分だけ高さが大きくなっている。
【0067】
また、図10に示すように、LED基板24a及び光結合部材30の接合部分では、環状のダム26aの内側に複数のLEDチップ23aが配置されている。このLEDチップは、スペーサ25aよりも外側に配置されている。また、LEDチップ23aは、スペーサ25aにより光結合部材30と離間している。このスペーサ25aにより、LEDチップ23aと光結合部材30との衝突によるLEDチップ23aの破損を防いでいる。すなわち、このスペーサ25aの存在によって、LED基板24aと、光結合部材30の入光面33aとの間にLEDチップ23aを配置しかつLEDチップ23aを破損させない隙間を設けることができる。
【0068】
このように、LEDチップ23aは、LED基板24a、スペーサ25a及び接着剤を介して、光結合部材30に固定されている。その結果、LEDチップ23aと光結合部材30とは一体化する。
【0069】
また、LEDチップ23aを封止する透明樹脂は、ダム26aにより堰き止められており、その硬化物は、発光部23cを構成する。LEDチップ23aから発した光は、この透明樹脂の硬化物により波長変換される。このため、発光部23c全体が発光する。発光部23cと光結合部材30の入光面33aとの間のクリアランスは、例えば0.1mmで設定される。そして、このクリアランスは、上述のスペーサ25aにより確保される。また、LEDチップ23aから出射した光は、入光面33aに入光し、光結合部材30内部を伝搬して、曲面32aで全反射して頂部平坦面31に到達し、導光板13に入射する。図10に示す矢印Lbは、LEDチップ23aから導光板13へ向かう代表的な光路の一例を示している。
【0070】
また、LED基板24a及び光結合部材30における接合部分の寸法の一例として、次の寸法が挙げられる。すなわち、ダム26aのY方向の幅が1.5mm、LED基板24aの厚さが2mm、発光部23cのY方向の幅が0.65mm、発光部23cと光結合部材30の入光面33aとの間のクリアランスが0.1mmである。
【0071】
(光結合部材の曲面の表面粗さ)
本実施の形態では、光結合部材30における頂部平坦面31の両側に向かって垂れ下がる2つの側面部のうちの一方の表面はその下方に位置する入光面33aからの光を曲面32aにて反射して頂部平坦面31に導く反射面となっている一方、2つの側面部のうちの他方の側面部である他方側面部36の表面である曲面32bは頂部平坦面31との境界を含む少なくとも一部が上記反射面よりも粗面に形成されている。この理由について、図11(a)(b)に基づいて説明する。図11(a)は迷光の発生原理を説明するための光結合部材の光路を示す説明図であり、図11(b)は導光板の輝度分布を示す平面図である。
【0072】
図10に示すように、光結合部材30の下側においてLED基板24aに設けられた発光部23cは、LEDチップ23aと、LEDチップ23aを封止する透明樹脂体から構成されることによって標準値で0.65mmの幅を持っている。この発光部23cの幅は、製造上寸法がばらつく。また、LED基板24aと光結合部材30との相対的な取り付け位置も製造上ばらつきが生じる。
【0073】
ここで、図11(a)に示すように、光結合部材30とLEDチップ23aとの位置関係が所定の位置よりもずれて取り付けられた場合、光結合部材30に入光した光が頂部平坦面31に到達せずに、迷光となる場合がある。特に、発光部23cが光結合部材30に対して相対的に内側(二股の内側)にずれて取り付けられた場合、図中矢印Lcのようなパスを通り、頂部平坦面31に達しないで、曲面32aに対向する曲面32b側から抜けてしまい、光漏れとなる。すなわち、光結合部材30の他方側面部36における曲面32bは反射面としての機能を有していない。このため、LEDチップ23aの位置ずれが生じた場合に、曲面32aからなる反射面で反射された光の光が頂部平坦面31からずれたときに、反射光の一部が反対側の側面である他方側面部36の曲面32bに当たるようになる。そして、その場所は、他方側面部36の曲面32bのうち頂部平坦面31に近い境界部近傍となる。
【0074】
このため、曲面32b側から抜けた光は、導光板13の下側から導光板13に入射し、迷光となる。より詳細には、導光板13の下側には反射シート12が設けられているが、この導光板13と反射シート12との隙間(例えば、反射シート12の垂れ等により隙間が生じる)に該光線が導かれ、さらに反射シート12によって反射された該光線が導光板13を通り貫けて液晶パネル4へと導かれることによって光漏れが生じる。
【0075】
このような挙動は、発光部23cが光結合部材30に対して相対的に内側(二股の内側)にずれて取り付けられた場合、顕著になる。
【0076】
このようにして発生した迷光がある光源モジュールを液晶表示装置1のバックライト等に適用した場合、図11(b)に示すように、迷光による輝度ムラが液晶表示装置1表面に発生して問題となる。
【0077】
そこで、本実施の形態のバックライト10では、図1に示すように、曲面32b、つまり光結合部材30の入光面側Aとは反対側Bの曲面32bを粗面に形成している。すなわち、光結合部材30における入光面側Aの曲面32aは、表面粗さRa<0.2の鏡面となっている一方、光結合部材30の曲面32aの対向面である光結合部材30における他方側面部36の曲面32bは、表面粗さRa≧0.2の粗面となっている。したがって、他方側面部36の曲面32bの表面粗さは、曲面32aの表面粗さよりも粗いものとなっている。
【0078】
尚、光の反射・拡散の点から、光結合部材30における入光面側Aの曲面32aは表面粗さRa=0.05程度の鏡面であるが好ましく、光結合部材30における他方側面部36の曲面32bは表面粗さRa≧0.4の粗面であることが好ましい。
【0079】
これにより、発光部23cが光結合部材30に対して相対的にずれて取り付けられた場合に生ずる矢印Lcのようなパスの光を曲面32bの粗面で散乱させ、曲面32bから光結合部材30の外側に抜ける光を減少させることができる。詳細には、導光板13と反射シート12との隙間に光が導かれる前に様々な方向に光線を散乱させる。これにより、光漏れの原因となる光の多くが導光板13と反射シート12との隙間に導かれることがない。このため、一か所に光が集中することがなく、光漏れを抑制することができる。
【0080】
その結果、導光板13における、光結合部材30の頂部平坦面31以外の下側から入る光を減少させ、バックライト10の光漏れを目立たなくすることができる。このようなバックライト10であれば、液晶表示装置1のバックライト等に適用した場合、迷光による輝度ムラが液晶表示装置1の表面に発生して問題となることはない。
【0081】
尚、LEDチップ23aが、光結合部材30の端部側(図1において左側)にずれた場合、光結合部材30の端部から、該光結合部材30の外側に出射される場合がある。しかし、その光の向かう方向には、導光板13が存在せず、かつ図示しないフレームとなっている。したがって、光結合部材30の端部から、該光結合部材30の外側に出射される光が存在しても迷光による輝度ムラが液晶表示装置1の表面に発生して問題となることはない。
【0082】
ここで、光結合部材30は、樹脂を金型等にて成型して形成するため、金型内の樹脂の流れ等を考慮すると、左右対称等の成型し易い形状であることが好ましい。
【0083】
曲面32a側は、鏡面に仕上げることが必要であるため、その部分に対応する金型の部分の面精度も高いことが要求される。しかし、本実施の形態のバックライト10の光結合部材30を成型する金型の場合は、曲面32bに対応する金型部分は、面精度を低く作成できるため、金型の鏡面加工箇所が少なくなる。その結果、金型が安価になるメリットがある。
【0084】
(液晶表示装置への適用)
上述したように、本実施形態の光源ユニット20は、図12(a)(b)に示すように、液晶表示装置1に適用することが可能である。この場合、図2に示す光源ユニット20をX方向に並べて配置して使用する。そして、これにより、導光板13も、X方向及びY方向の寸法が共に大きなものとして構成される。このような構成とすることにより、液晶表示装置の液晶パネル4の大面積化に対応して、導光板13の面積を大きし、大画面の液晶表示装置1の実用に適したバックライトを実現することができる。
【0085】
例えば、ヒートシンク22として、長さ110mm、幅100mm、厚さ2mmのものを8枚使用し、8組のヒートシンク22、光結合部材30及びLED基板24aのセットを配置し、その上に大型の導光板13を固定する方式の光源モジュールを構成し、液晶パネル4を背面から照明するバックライト方式の液晶表示装置1を構成することが可能である。
【0086】
尚、図12(a)(b)では、液晶パネル4の寸法が60型である場合が例示されているが、例えば60型以上のサイズである70型等といった60型と異なる寸法であってもよい。
【0087】
また、本実施の形態では、バックライト10を液晶表示装置1に適用していた。しかし、必ずしもこれに限らず、例えば、バックライト10を照明装置に適用することが可能である。すなわち、本実施の形態のバックライト10は、そのまま大型平面光源への適用が可能である。また、導光板13の周辺に部材が不要であることから、シームレスに並べることにより、さらに、大きな平面光源への適用が可能である。
【0088】
以上のように、本実施の形態のバックライト10は、LEDチップ23aと、導光板13と、LEDチップ23aからの光を導光板13に導く光結合部材30とからなっている。光結合部材30は、導光板13側に光を入光させる頂部平坦面31と、該頂部平坦面31の両側に位置する2つの側面部と、LEDチップ23aの光を入光する入光部としての入光面33aとを有している。2つの側面部のうちの一方の表面はその下方に位置する入光面33aからの光を曲面32aにて反射して頂部平坦面31に導く反射面となっている。一方、2つの側面部のうちの他方である他方側面部36の表面は頂部平坦面31との境界を含む少なくとも一部が曲面32aからなる反射面よりも粗面に形成されている。
【0089】
上記の構成によれば、導光板13の下方のLEDチップ23aから出射された光は、入光面33aから光結合部材30に入光し、光結合部材30の曲面32aにて反射して頂部平坦面31から導光板13に入射される。導光板13に入射された光は、該導光板13の内部を全反射しながら一部の光は導光板13の端部まで伝搬すると共に、その途中では適宜光路変換素子にて、全反射条件が破られ、導光板13の上面から出射される。
【0090】
この結果、従来のサイドエッジ型導光板とは異なり、導光板直下型のバックライトとなっているので、サイドエッジ型導光板においては必要であった熱膨張を回避するための光源と導光板との隙間が不要となり、LEDチップ23aから導光板13への結合効率を高め、光利用効率を向上することができる。
【0091】
また、本実施の形態では、導光板とは別体の光結合部材を設けることにより、導光板の下面の入射部から光を入射させるので、導光板の内部では入射光が全反射しながら導光される。この結果、導光板を加工しなくても済み、光源から導光板への結合効率を高め、光利用効率を向上し得ると共に、製造コストも軽減される。
【0092】
ところで、このような構造のバックライト10においては、光結合部材30とLEDチップ23aとの位置関係が所定の位置よりもずれると、詳細にはLEDチップ23aが光結合部材30に対する所定の位置よりも他方側面部36側にずれると、曲面32aからなる反射面を反射した光の一部が光結合部材30の頂部平坦面31に結合せず、曲面32aからなる反射面とは反対側である2つの側面部のうちの他方の他方側面部36の表面から出射する迷光となる。このような迷光は、LEDチップ23aが光結合部材30に対する所定の位置よりも他方側面部36側に大きくずれればずれる程迷光の発生量が多くなる。そして、このような迷光が導光板13に入射されると、導光板13においては輝度ムラが発生する。
【0093】
そこで、本実施の形態では、光結合部材30における2つの側面部のうちの他方の表面である他方側面部36の表面は、頂部平坦面31との境界を含む少なくとも一部が曲面32aからなる反射面よりも粗面に形成されている。この結果、他方側面部36の表面の到達した光は、粗面にて乱反射を起こすので、導光板13に入射しないことになる。
【0094】
したがって、導光板13の加工を伴うことなく、LEDチップ23aから導光板13への結合効率を高め、導光板13の輝度ムラを低減し得るバックライト10を提供することができる。
【0095】
尚、本実施の形態では、光結合部材30は、断面形状アーチ状又は半円状にてなっている。しかし、本発明においては、光結合部材30の形状は、必ずしもこれに限らない。すなわち、他方側面部36は反射面としての機能を有していないため、原理的には形状は自由に採れる。このため、他方側面部36は下面まで延ばして、光結合部材30の設置面に対する脚体部としての機能を持たせることが可能である。これにより、光結合部材30を安定して設置面に配置することができる。
【0096】
また、本実施の形態のバックライト10では、光結合部材30における2つの側面部のうちの他方の表面における頂部平坦面31との境界を含む少なくとも一部は、すなわち、他方側面部36の曲面32bの表面は、表面粗さRa≧0.2となっている。これにより、他方側面部36の表面の到達した光が、粗面にて確実に乱反射を起こすので、導光板13に入射しないことになる。
【0097】
また、本実施の形態のバックライト10では、光結合部材30における2つの側面部のうちの一方の表面である反射面は、表面粗さRa<0.2となっている。これにより、光結合部材30における曲面32aでは確実に全反射して、光結合部材30の頂部平坦面31から導光板13に入射されることになる。
【0098】
また、本実施の形態のバックライト10では、光結合部材30は、断面形状アーチ状又は半円状にてなっている。これにより、光結合部材30の下方に位置するLEDチップ23aから入光面33aを介して入光した光の多くを曲面にて反射して頂部平坦面31に導くことが可能となる。また、断面形状アーチ状又は半円状の光結合部材30においては、外形表面形状が左右対称となるので、金型形成し易いメリットがある。
【0099】
また、本実施の形態の液晶表示装置1は、本実施の形態の光源モジュールをバックライトとして備えている。それゆえ、導光板13の加工を伴うことなく、LEDチップ23aから導光板13への結合効率を高め、導光板13の輝度ムラを低減し得るバックライト10を備えた液晶表示装置1を提供することができる。
【0100】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、本実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、テレビ、モニター等の液晶表示装置のバックライトに用いることができ、特に、光源直下型のバックライトに適用可能である。また、そのバックライトは、大型平面光源として照明装置に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0102】
1 液晶表示装置
10 バックライト(光源モジュール)
13 導光板
20 光源ユニット
23a LEDチップ(光源)
24a LED基板(光源基板)
30 光結合部材
31 頂部平坦面(頂部平坦部)
32a 曲面
32b 曲面
33a 入光面(入光部)
36 他方側面部
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源モジュール、及びそれを備えた液晶表示装置に関するものであり、光源モジュールは、例えば液晶表示装置のバックライト、又は室内若しくは屋外の照明等に適用される。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置においては、薄型化を図るために、光源からの光を導光板によって面状に出射させるサイドエッジ(サイドライトともいう)型導光板を備えたバックライトが多用されている。
【0003】
このようなサイドエッジ型導光板では、導光板の長手方向の例えば両端部にLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等の光源を配置し、導光板の長手方向の各端面から、光を入射させ、導光板の内部中央へその光を全反射させながら、導光板の表面に光を出射するようになっている。
【0004】
しかしながら、サイドエッジ型導光板においては、熱膨張により導光板が伸縮すると共に、特に、導光板の長手方向においては伸縮量が大きい。このため、導光板の端部においては、光源を導光板に密着させることはできず、熱膨張による伸縮量を見越した隙間を有する構造となっている。この結果、隙間の存在により光源の導光板への入射効率が悪くなるという問題点を有している。この問題は、液晶表示装置が大型になればなるほど、すなわち導光板が大型になればなるほど伸縮量が大きくなるので、光源と導光板との隙間を大きくしなければならず、その結果、入射効率がさらに低下する。
【0005】
そこで、この問題を解決するために、特許文献1に開示された表示装置用バックライト100では、図13に示すように、導光板110の下方に発光ダイオード101が、その光軸が導光板110に直交するようにして設けられている。そして、導光板110の表面における発光ダイオード101の直上においては、発光ダイオード101からの光を導光板110の両端部側へ反射すべく、曲面からなる反射面111・111が形成されている。また、発光ダイオード101の下側には反射シート102が設けられている。
【0006】
上記の構成により、導光板110の厚み方向の伸縮量は大きくないので、発光ダイオード101を導光板110に近接して配設することができる。また、発光ダイオード101の下側に設けられた反射シート102の存在とも相俟って、発光ダイオード101から出射された光の略全てが導光板210に導入される。この結果、サイドエッジ(サイドライトともいう)型導光板よりも光の導光板110への結合効率及び光利用効率を向上し得るものとなっている。
【0007】
尚、特許文献1の表示装置用バックライト100では導光板に加工を施す必要があるので、単なる平板状の導光板よりもコスト高になる欠点がある。また、発光ダイオード101の直上の輝度が周囲より明るくなり、輝線が発生するので、均一な輝度分布を作ることができないという欠点がある。
【0008】
ここで、一般的な直下型は、液晶パネルの下に、LEDをマトリックス状に配列させて液晶パネルを均一に照射する方式である。また、直下型には、LEDと拡散レンズ(光を拡散させるレンズ)を用いてLEDから出射される光を広げて液晶パネルを均一に照射する方式もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−49324号公報(2006年2月16日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来の特許文献1に開示された光源モジュールでは、導光板に加工を施す必要があるので、単なる平板状の導光板よりもコスト高になるという問題点を有している。
【0011】
また、発光ダイオード101の直上の輝度が周囲より明るくなり、輝線が発生するので、均一な輝度分布を作ることができないという欠点がある。
【0012】
さらに、製造ばらつきにより、光源と導光板との相対的位置がずれた場合には、輝度ムラが発生する。
【0013】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、導光板の加工を伴うことなく、光源から導光板への結合効率を高め、導光板の輝度ムラを低減し得る光源モジュール、及びそれを備えた液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の光源モジュールは、上記課題を解決するために、光源と、導光板と、該光源からの光を導光板に導く光結合部材とからなる光源モジュールであって、上記光結合部材は、導光板側に光を入光させる頂部平坦部と、該頂部平坦部の両側に位置する2つの側面部と、光源の光を入光する入光部とを有していると共に、上記2つの側面部のうちの一方の表面はその下方に位置する入光部からの光を曲面にて反射して上記頂部平坦部に導く反射面となっている一方、上記2つの側面部のうちの他方の表面は上記頂部平坦部との境界を含む少なくとも一部が上記反射面よりも粗面に形成されていることを特徴としている。
【0015】
上記の発明によれば、導光板の下方の光源から出射された光は、入光部から光結合部材に入光し、光結合部材の曲面にて反射して頂部平坦部から導光板に入射される。導光板に入射された光は、該導光板の内部を全反射しながら一部の光は導光板の端部まで伝搬すると共に、その途中では適宜光路変換素子にて、全反射条件が破られ、導光板の上面から出射される。
【0016】
この結果、従来のサイドエッジ型導光板とは異なり、導光板直下型のバックライトとなっているので、サイドエッジ型導光板においては必要であった熱膨張を回避するための光源と導光板との隙間が不要となり、光源から導光板への結合効率を高め、光利用効率を向上することができる。
【0017】
また、本発明では、導光板とは別体の光結合部材を設けることにより、導光板の下面の入射部から光を入射させるので、導光板の内部では入射光が全反射しながら導光される。この結果、導光板を加工しなくても済み、光源から導光板への結合効率を高め、光利用効率を向上し得ると共に、製造コストも軽減される。
【0018】
ところで、このような構造の光源モジュールにおいては、光結合部材と光源との位置関係が所定の位置よりもずれると、詳細には光源が光結合部材に対する所定の位置よりも脚体部側にずれると、曲面からなる反射面を反射した光の一部が光結合部材の頂部平坦部に結合せず、曲面からなる反射面とは反対側である2つの側面部のうちの他方の表面から出射する迷光となる。このような迷光は、光源が光結合部材に対する所定の位置よりも2つの側面部のうちの他方の表面側に大きくずれればずれる程迷光の発生量が多くなる。
【0019】
そして、このような迷光が導光板に入射されると、導光板においては輝度ムラが発生する。
【0020】
そこで、本発明では、光結合部材における2つの側面部のうちの他方の表面は上記頂部平坦部との境界を含む少なくとも一部が上記反射面よりも粗面に形成されている。この結果、2つの側面部のうちの他方の表面の到達した光は、粗面にて乱反射を起こすので、導光板に入射しないことになる。
【0021】
したがって、導光板の加工を伴うことなく、光源から導光板への結合効率を高め、導光板の輝度ムラを低減し得る光源モジュールを提供することができる。
【0022】
本発明の光源モジュールでは、前記光結合部材における2つの側面部のうちの他方の表面における前記頂部平坦部との境界を含む少なくとも一部は、表面粗さRa≧0.2となっているとすることができる。
【0023】
これにより、2つの側面部のうちの他方の表面の到達した光が、粗面にて確実に乱反射を起こすので、導光板に入射しないことになる。
【0024】
本発明の光源モジュールでは、前記光結合部材における2つの側面部のうちの一方の表面である反射面は、表面粗さRa<0.2となっているとすることができる。
【0025】
これにより、光結合部材における曲面からなる反射面では確実に全反射して、該光結合部材の頂部平坦部から導光板に入射されることになる。
【0026】
本発明の光源モジュールでは、前記光結合部材は、断面形状アーチ状又は半円状にてなっているとすることができる。
【0027】
これにより、光結合部材の下方に位置する光源から入光部を介して入光した光の多くを曲面にて反射して上記頂部平坦部に導くことが可能となる。また、断面形状アーチ状又は半円状の光結合部材においては、外形表面形状が左右対称となるので、金型形成し易いメリットがある。
【0028】
本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、上記記載の光源モジュールをバックライトとして備えていることを特徴としている。
【0029】
上記の発明によれば、導光板の加工を伴うことなく、光源から導光板への結合効率を高め、導光板の輝度ムラを低減し得る光源モジュールを備えた液晶表示装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の光源モジュールは、以上のように、光結合部材は、導光板側に光を入光させる頂部平坦部と、該頂部平坦部の両側に位置する2つの側面部と、光源の光を入光する入光部とを有していると共に、上記2つの側面部のうちの一方の表面はその下方に位置する入光部からの光を曲面にて反射して上記頂部平坦部に導く反射面となっている一方、上記2つの側面部のうちの他方の表面は上記頂部平坦部との境界を含む少なくとも一部が上記反射面よりも粗面に形成されているものである。
【0031】
本発明の液晶表示装置は、以上のように、上記記載の光源モジュールをバックライトとして備えているものである。
【0032】
それゆえ、導光板の加工を伴うことなく、光源から導光板への結合効率を高め、導光板の輝度ムラを低減し得る光源モジュール、及びそれを備えた液晶表示装置を提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明における光源モジュールの実施の一形態を示すものであって、光源モジュールに備えられた光結合部材においてLEDチップからの入射光が導光板に結合しない場合に脚体部の表面で散乱する光路を示す断面図である。
【図2】上記光源モジュールを備えた液晶表示装置の構成を示す分解斜視図である。
【図3】(a)は上記液晶表示装置の全体構成を示す断面図であり、(b)は(a)に示す液晶表示装置における光源ユニットの構成を示す断面図である。
【図4】上記液晶表示装置における光源モジュールの構成を示す斜視図である。
【図5】上記光源モジュールにおける光源ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図6】上記光源ユニットにおけるLED基板の構成を示す平面図である。
【図7】(a)はLEDチップから出射した光が放物面を有する光結合部材を介して導光板に入射するときの光路を示す断面図であり、(b)はLEDチップ近傍を示す要部断面図である。
【図8】上記導光板を取り除いた光源モジュールの構成を示す斜視図である。
【図9】図8において切断面Sで切断した断面図である。
【図10】図9のA側の要部構成を拡大して示す断面図である。
【図11】(a)は迷光の発生原理を説明するための光結合部材の光路を示す説明図であり、(b)は導光板の輝度分布を示す平面図である。
【図12】(a)は液晶表示装置の構成を示す正面図であり、(b)はその側面図である。
【図13】従来の光源モジュールの構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の一実施形態について図1〜図12に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0035】
(液晶表示装置の全体構成)
本実施の形態の光源モジュールを備えた液晶表示装置の構成について、図2に基づいて説明する。図2は、本実施の形態の液晶表示装置の構成を示す分解斜視図である。
【0036】
本実施の形態の液晶表示装置1は、図2に示すように、光源モジュールとしてのバックライト10、拡散板2A、プリズムシート3、拡散シート2B、液晶パネル4及びベゼル5がこの順に重ねられて配置されている。液晶表示装置1においては、バックライト10から出射された光が、拡散板2A、プリズムシート3、及び拡散シート2Bを通過して液晶パネル4に入射する。そして、液晶パネル4において光透過率を部分的に変化させることにより、所望の画像が表示されることになる。尚、液晶パネル4は、矩形の平板状であり、拡散板2A、プリズムシート3、及び拡散シート2Bも液晶パネル4と略同じ形状を有している。また、ここでは、液晶パネル4の長辺に平行な方向をX方向とし、液晶パネル4の短辺に平行な方向をY方向とし、X方向及びY方向の両方に垂直な方向をZ方向とする。X方向は、長手方向ともいう。また、Z方向は、液晶パネル4の法線方向ともいえる。
【0037】
(バックライトの構成)
バックライト10は、図2に示すように、下から順に、つまり液晶パネル4に対して遠い方から順に、光源ユニット20、一筋の開口11aを有するシャーシ11、シャーシ11と同様に一筋の開口12aを有する反射シート12、及び光学部材としての導光板13にて構成されている。シャーシ11は、例えば鉄等の材質により形成されており、バックライト10の強度を高めるものである。シャーシ11は、液晶パネル4と略同じサイズの矩形に形成されている。
【0038】
上記光源ユニット20は、凹部21aを有する光源ホルダー21を備えている。凹部21aはX方向に伸びた長尺状つまり帯状の溝である。光源ホルダー21は、液晶パネル4における長辺方向に沿って端部側に配置されている。
【0039】
反射シート12は、導光板13から漏れ出た光を反射し、導光板13に戻すために設けられている。反射シート12は、光源ユニット20内の後述する光学部材としての光結合部材30が導光板13に当接する部分で2つの区切られており、区切られた2つの反射シート間に一筋の開口12aが形成されている。すなわち、導光板13における、光源ユニット20側の下面には、光結合部材30と当接する領域、及び反射シート12が設けられた領域が存在する。そして、光は、導光板13における、光結合部材30と当接する領域を介して導光板13へ入射することとなる。
【0040】
導光板13は、入射してくる光を液晶パネル4側へ導くためのものであり、平板状である。
【0041】
(光源ユニットの構成)
次に、光源ユニット20の構成について、図3(a)(b)、図4〜図7(a)(b)に基づいて説明する。図3(a)は、液晶表示装置1の全体構成を示す断面図であり、図3(b)は、液晶表示装置1における光源ユニットの構成を示す断面図である。図4は、液晶表示装置1におけるバックライトの構成を示す斜視図である。図5は、バックライトにおける光源ユニットの構成を示す分解斜視図である。図6は、光源ユニットにおけるLED基板の構成を示す平面図である。図7(a)はLEDチップから出射した光が放物面を有する光結合部材を介して導光板に入射するときの光路を示す断面図であり、図7(b)はLEDチップ近傍を示す要部断面図である。
【0042】
上記光源ユニット20は、図3(a)(b)〜図5に示すように、光源としてのLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)チップを搭載した光源基板としてのLED基板24aと、長尺状の光結合部材30と、ヒートシンク22とを備えている。光結合部材30は、LEDチップから発せられた光を結合させ、導光板13に対して所定の角度で入射させるための光学素子である。また、板状部材としてのヒートシンク22には、LED基板24a及び光結合部材30が搭載されている。また、導光板13、光結合部材30、LED基板24a、及びヒートシンク22は、この順に重ねて配設されている。尚、半導体のLEDチップは非常に微細なサイズであるため、図3(a)(b)〜図5では、図面の煩雑さを防ぐための記載を割愛する。
【0043】
上記光結合部材30は、図4にも示すように、X方向の断面が二股形状(アーチ状)である透光部材からなっている。そして、この二股形状の一方側がLED基板24a上に配置されている。また、光結合部材30は、LED基板24aと反対側に頂部平坦面を有し、この頂部平坦面に導光板13が固定されている。尚、光結合部材30は、必ずしも断面形状アーチ状に限らず、断面形状半円状であってもよい。
【0044】
LED基板24a上のLEDチップから発した光は、光結合部材30における二股形状の一方の入光面から入光し、光結合部材30内部を伝搬し、導光板13との固定部分である頂部平坦面で、導光板13と光結合する。つまり導光板13に入射する。導光板13に入射した光は、導光板13内部を全反射しながらY方向に伝搬しつつ、その光の一部は、導光板13の裏面に形成された光取り出し手段である光散乱体により全反射条件が破られ、導光板13表面からZ方向上方である矢印Laに出射する。尚、上記光散乱体は、導光板13裏面に印刷等で形成された微小パターンである。このように、光源ユニット20は、LEDチップからの光を導光板13の凡そ全面から出射することができるので、面発光装置として利用することができる。光源ユニット20におけるLEDチップから導光板13までの光の詳細挙動については、後述する。
【0045】
本実施の形態では、光源としてLEDチップを用いているが、これは、半導体チップ状のLEDは形状が小さくかつ狭い領域に配置できるためである。これにより、安価な低出力のLEDチップを用いた場合にも、間隔を詰めて多くのLEDを配置することによって照度も向上し、高機能の、バックライトの光源として利用できる点で好ましい。ただし、これに限るものではなく、例えば、パッケージに収納されたLEDでもよく、有機EL発光素子又は無機EL発光素子を用いることも可能である。
【0046】
図5に示すように、LED基板24aの表面には、白色系樹脂からなるダム26aが形成されている。図6に示すように、ダム26aは、液晶表示装置1の幅方向(長手方向)に長尺に形成されている。また、ダム26aは、凹部状に形成されている(後述する図10参照)。そして、ダム26a内には、図6に示すように、LEDチップ23aが、ダム26aの長手方向に例えば数mmの間隔をあけて列状に配置されている。ダム26aの外周には、光結合部材30との位置調整のためのアライメントマーク27aが設けられている。アライメントマーク27aは、LEDチップ23aの実装位置を規定するために予めLED基板24aに準備されたものである。また、LED基板24aは、いわゆるプリント配線基板であり、アルミナ、セラミック、ガラスエポキシ樹脂等の材料から構成される。LED基板24aの厚さは、例えば2mmである。
【0047】
また、図6では示されていないが、ダム26a内には、複数のLEDチップ23aを封止する透明樹脂が充填されている。そして、この透明樹脂には、蛍光体が含まれている。蛍光体は、個々のLEDチップ23aに対し同一の種類のものが用いられている。
【0048】
また、LED基板24aには、ボス用穴28a・28aが形成されている。このボス用穴28a・28aは、後述するボス35a・35a(後述する図8参照)を挿入するための穴である。
【0049】
光結合部材30は、図4及び図5に示すように、X方向に垂直な断面形状が略U字形状つまりトンネル状又はアーチ状であり、X方向に長尺な棒状体である。そして、導光板13とLEDチップ23aとの間に設けられている。
【0050】
この結果、本実施の形態の液晶表示装置1は、液晶パネル4と、液晶パネル4に光を照射する導光板13と、導光板13に光を結合する光学部材としての光結合部材30と、上記光結合部材30に入射光を発するLEDチップ23aとを備え、上記液晶パネル4、導光板13、光結合部材30、LEDチップ23aがこの順に並んで配設された構成になっている。そして、液晶表示装置1におけるバックライト10は、LEDチップ23aが導光板13の下方に設けられた光源直下型のバックライト10となっている。そして、これらLEDチップ23aは、出射光の光軸方向つまり入射光における最も輝度の高い方向が、平板状の導光板13に対して直交するように配置されている。
【0051】
また、本実施の形態では、液晶表示装置1は、導光板の加工という技術思想を伴うことなく、光源としてのLEDチップ23aから導光板13への光結合効率を高め、光利用効率を向上し得る。以下、光結合部材30の詳細構造及び光路について説明する。
【0052】
光結合部材30は、上述したように、導光板13とLEDチップ23aとの間に設けられた断面略U字形状の帯状体つまり棒状体からなっている。光結合部材30の材質は、導光板13の材質と同じ樹脂からなっている。同じ材質であれば、屈折率を同じにすることができるので、光結合部材30から導光板13への光の入射が円滑に行われる。導光板13の屈折率が光結合部材30の屈折率より僅かに高い構成でも構わない。また樹脂に限るものではなく硝子等の材質でも構わない。
【0053】
詳細には、図7(a)に示すように、光結合部材30における導光板13側の表面は、平板状の導光板13に当接する頂部平坦部としての頂部平坦面31と、曲面32a・32bとからなっている。曲面32a・32bは、頂部平坦面31から両端側にそれぞれ導光板13から遠ざかるように伸びて形成されている。上記曲面32aは、本発明における光結合部材30の2つの側面部のうちの一方の表面の反射面としての機能を果たし、曲面32bは本発明における光結合部材30の2つの側面部のうちの他方の表面としての機能を果たしている。
【0054】
曲面32a・32bは、例えば、図7(a)に示す断面放物線とすることができる。すなわち、曲面32a・32bは、液晶パネル4の長手方向(X方向)に垂直な光結合部材30の断面形状において、放物線を構成する。ただし、必ずしもこれに限るものではなく、断面楕円、弓型等の湾曲形状、又は頂部平坦面31から斜めに傾斜する平面であっても、導光板に光を有効に結合できる形状であれば構わない。これにより、光結合部材30が、光源から出射された光を、光結合部材内部で曲げながら伝搬し、平板状の導光板13に対して斜めに入射させるように機能する。このため、光源からの光の殆どを導光板13に結合させることができる。
【0055】
また、光結合部材30における導光板13側とは反対側の表面、つまり光結合部材30の下端は、2つの下端平坦面となっている。この2つの下端平坦面のうち1つがLEDチップ23aからの光を入光する入光面33aとなっている。LEDチップ23aは、入光面33aの真下に配置されている。そして、入光面33aの一部に高さ0.5mm程度のスペーサ25aが形成され、LEDチップ23aと光結合部材30との衝突によるLEDチップ23aの破損を防いでいる。LEDチップ23aは、LED基板24aにボンディングされている。すなわち、LEDチップ23aは、スペーサ25a近傍に接着剤等を塗布することで、LED基板24aに接着固定される。
【0056】
さらに、光結合部材30の下端側の中央部には凹部34が形成されている。ただし、必ずしもこれに限らず、凹部34が存在しない断面かまぼこ状や断面半円状でもよい。すなわち、本実施の形態では、曲面32aにて反射する光の導光板13への光路が確保できればよいので、光路とならない部分は凹部34としてくり抜くことができる。これにより、コスト削減を図ることができる。尚、凹部34に図示しない反射シート等の反射手段を設けることも可能である。これにより、頂部平坦面31近傍で発生した迷光が発生する場合があっても迷光の一部を導光板13側に反射させ液晶パネル4への照射を向上させることができる。
【0057】
光結合部材30の入光面33aの下側には、LED基板24aにボンディングされたLEDチップ23aが近接して設けられている。LEDチップ23aは、図7(b)に示すように、例えば断面放物線からなる曲面32aの焦点位置Fよりも端部側に存在することが好ましい。これにより、図7(a)に示すように、例えばLEDチップ23aから出射された光は、光結合部材30の入光面33aから入光し、断面放物線の曲面32aにて反射される。そして、その反射光が光結合部材30の頂部平坦面31に到達し、到達方向を維持して導光板13に斜めに入射する。導光板13に入射した光は、図7(a)に示す導光板13の右側の内部を全反射して進みつつ、導光板13の裏面、つまり反射シート12側の面に設けられている図示しない光路変換部である光散乱体と衝突することにより、導光板13中を進む角度が変わる。そして、進む角度に応じて、全反射条件が破られた光と全反射条件を満たす光とになる。全反射条件が破られた光は、導光板13の液晶パネル4側表面から出射し、前記拡散シート2B及びプリズムシート3を通して液晶パネル4に向かう。一方、全反射条件を満たす光は、導光板13から出射せず、反射シート12で反射し、導光板13のさらに右側の内部(図4におけるY方向)を全反射して進みつつ、図示しない光路変換部である光散乱体と衝突することにより導光板13中を進む角度が変わる。
【0058】
すなわち、導光板13に入射した光は、導光板13内部を全反射し端部へ向かう光路中、導光板13の裏面に設けられた光散乱体の作用により、導光板13の液晶パネル4側表面に対する全反射条件が破れた光が生じ、この光が導光板13から出射する。一方、全反射条件を満たす光は、導光板13内部を全反射して端部へ向かい、この光路中、再び導光板13の裏面に設けられた光散乱体の作用により、導光板13から出射する光が生じる。このように、光源ユニット20では、導光板13内部において、入射光が全反射し端部へ向かう光路中に光散乱体を設けて入射光の進む角度を変えることにより、導光板13外部へ光を出射させている。
【0059】
このような光路は、断面楕円の曲面32aを有する光結合部材30においても同様である。そして、断面楕円の光結合部材30においても、LEDチップ23aは、例えば断面楕円からなる曲面32aの焦点位置Fよりも端部側に存在することが好ましい。
【0060】
(LED基板と光結合部材との固定)
次に、本実施の形態のLED基板24aと光結合部材30との固定について、図8〜図10に基づいて説明する。図8は、光源ユニット20における導光板13を取り除いた構成を示す斜視図である。図9は、図8の構成を切断面Sで切断したときの断面図を示す。図10は、図9の構成におけるA側の要部構成を拡大して示した断面図である。
【0061】
図8〜図10に示すように、光結合部材30は、X方向に長尺であり、X方向に垂直な断面が頂部平坦面31を根元とした二股形状(断面略U字形状)の帯状体である。頂部平坦面31からA側(一方の側)に延びる股部は、LED基板24a上に配置されている。LED基板24aは、ビス34aによりヒートシンク22に螺合されている。
【0062】
光結合部材30におけるLED基板24aと対向する部分には、光結合部材30とLED基板24aとを固定するための2つのボス35a・35a’が設けられている。これらボス35a・35a’は、LED基板24aのボス用穴28a・28aに挿入される。そして、これらボス35a・35a’は、LED基板24aに接着固定されたボス35a、及びLED基板24aに対し取り外し可能に取り付けられたボス35a’に割当てられている。すなわち、ボス35a・35a’のうちボス35aのみが、LED基板24aのボス用穴28aに挿入されると共に、接着剤等で固定されている。一方、ボス35a’は、LED基板24aのボス用穴28aに挿入されているだけである。
【0063】
さらに、図9に示すように、ヒートシンク22には、その上のLED基板24aのボス用穴28aと連通する貫通穴22aが設けられている。この貫通穴22aは、LED基板24aのボス用穴28aを貫通するボス35a・35a’を収容するための穴であると共に、余分な接着剤が溜まる部分になっている。また、この貫通穴22aは、ヒートシンク22を貫通しており、補修の際に利用される。
【0064】
光結合部材30における頂部平坦面31に対しB側(他方の側)には、LED基板が配置されていない。頂部平坦面31からB側に延びる股部には、ヒートシンク22と対向する部分に、光結合部材30とヒートシンク22とを固定するための2つのボス35b・35b’が設けられている。図9に示すように、ヒートシンク22には、これらボス35b・35b’を挿入するための貫通穴22b・22bが設けられている。そして、これらボス35b・35b’は、ヒートシンク22に接着固定されたボス35b、及びヒートシンク22に対して取り外し可能に取り付けられたボス35b’に割当てられている。すなわち、ボス35b・35b’のうちボス35bのみが、ヒートシンク22の貫通穴22bに挿入されると共に、接着剤で固定されている。ヒートシンク22の貫通穴22bは、補修の際に利用される。
【0065】
また、光結合部材30における導光板13と対向する部分には、頂部平坦面31が形成されている。導光板13は、この頂部平坦面31で接触固定されている。この頂部平坦面31が、LED基板24aからの光を導光板13へ光を結合する部分となっている。
【0066】
また、図8に示すように、光結合部材30における、頂部平坦面31からA側に延びる股部には、スペーサ25aが設けられている。このスペーサ25aは、光結合部材30の入光面33aとLED基板24aとのクリアランスを保つために設けられている。また、頂部平坦面31からB側に延びる股部には、ヒートシンク22と当接するスペーサ25bが設けられている。光結合部材30の入光面33aとLED基板24aとの平行度を保つ必要があるため、スペーサ25bは、スペーサ25aよりも、LED基板24aの厚さ分だけ高さが大きくなっている。
【0067】
また、図10に示すように、LED基板24a及び光結合部材30の接合部分では、環状のダム26aの内側に複数のLEDチップ23aが配置されている。このLEDチップは、スペーサ25aよりも外側に配置されている。また、LEDチップ23aは、スペーサ25aにより光結合部材30と離間している。このスペーサ25aにより、LEDチップ23aと光結合部材30との衝突によるLEDチップ23aの破損を防いでいる。すなわち、このスペーサ25aの存在によって、LED基板24aと、光結合部材30の入光面33aとの間にLEDチップ23aを配置しかつLEDチップ23aを破損させない隙間を設けることができる。
【0068】
このように、LEDチップ23aは、LED基板24a、スペーサ25a及び接着剤を介して、光結合部材30に固定されている。その結果、LEDチップ23aと光結合部材30とは一体化する。
【0069】
また、LEDチップ23aを封止する透明樹脂は、ダム26aにより堰き止められており、その硬化物は、発光部23cを構成する。LEDチップ23aから発した光は、この透明樹脂の硬化物により波長変換される。このため、発光部23c全体が発光する。発光部23cと光結合部材30の入光面33aとの間のクリアランスは、例えば0.1mmで設定される。そして、このクリアランスは、上述のスペーサ25aにより確保される。また、LEDチップ23aから出射した光は、入光面33aに入光し、光結合部材30内部を伝搬して、曲面32aで全反射して頂部平坦面31に到達し、導光板13に入射する。図10に示す矢印Lbは、LEDチップ23aから導光板13へ向かう代表的な光路の一例を示している。
【0070】
また、LED基板24a及び光結合部材30における接合部分の寸法の一例として、次の寸法が挙げられる。すなわち、ダム26aのY方向の幅が1.5mm、LED基板24aの厚さが2mm、発光部23cのY方向の幅が0.65mm、発光部23cと光結合部材30の入光面33aとの間のクリアランスが0.1mmである。
【0071】
(光結合部材の曲面の表面粗さ)
本実施の形態では、光結合部材30における頂部平坦面31の両側に向かって垂れ下がる2つの側面部のうちの一方の表面はその下方に位置する入光面33aからの光を曲面32aにて反射して頂部平坦面31に導く反射面となっている一方、2つの側面部のうちの他方の側面部である他方側面部36の表面である曲面32bは頂部平坦面31との境界を含む少なくとも一部が上記反射面よりも粗面に形成されている。この理由について、図11(a)(b)に基づいて説明する。図11(a)は迷光の発生原理を説明するための光結合部材の光路を示す説明図であり、図11(b)は導光板の輝度分布を示す平面図である。
【0072】
図10に示すように、光結合部材30の下側においてLED基板24aに設けられた発光部23cは、LEDチップ23aと、LEDチップ23aを封止する透明樹脂体から構成されることによって標準値で0.65mmの幅を持っている。この発光部23cの幅は、製造上寸法がばらつく。また、LED基板24aと光結合部材30との相対的な取り付け位置も製造上ばらつきが生じる。
【0073】
ここで、図11(a)に示すように、光結合部材30とLEDチップ23aとの位置関係が所定の位置よりもずれて取り付けられた場合、光結合部材30に入光した光が頂部平坦面31に到達せずに、迷光となる場合がある。特に、発光部23cが光結合部材30に対して相対的に内側(二股の内側)にずれて取り付けられた場合、図中矢印Lcのようなパスを通り、頂部平坦面31に達しないで、曲面32aに対向する曲面32b側から抜けてしまい、光漏れとなる。すなわち、光結合部材30の他方側面部36における曲面32bは反射面としての機能を有していない。このため、LEDチップ23aの位置ずれが生じた場合に、曲面32aからなる反射面で反射された光の光が頂部平坦面31からずれたときに、反射光の一部が反対側の側面である他方側面部36の曲面32bに当たるようになる。そして、その場所は、他方側面部36の曲面32bのうち頂部平坦面31に近い境界部近傍となる。
【0074】
このため、曲面32b側から抜けた光は、導光板13の下側から導光板13に入射し、迷光となる。より詳細には、導光板13の下側には反射シート12が設けられているが、この導光板13と反射シート12との隙間(例えば、反射シート12の垂れ等により隙間が生じる)に該光線が導かれ、さらに反射シート12によって反射された該光線が導光板13を通り貫けて液晶パネル4へと導かれることによって光漏れが生じる。
【0075】
このような挙動は、発光部23cが光結合部材30に対して相対的に内側(二股の内側)にずれて取り付けられた場合、顕著になる。
【0076】
このようにして発生した迷光がある光源モジュールを液晶表示装置1のバックライト等に適用した場合、図11(b)に示すように、迷光による輝度ムラが液晶表示装置1表面に発生して問題となる。
【0077】
そこで、本実施の形態のバックライト10では、図1に示すように、曲面32b、つまり光結合部材30の入光面側Aとは反対側Bの曲面32bを粗面に形成している。すなわち、光結合部材30における入光面側Aの曲面32aは、表面粗さRa<0.2の鏡面となっている一方、光結合部材30の曲面32aの対向面である光結合部材30における他方側面部36の曲面32bは、表面粗さRa≧0.2の粗面となっている。したがって、他方側面部36の曲面32bの表面粗さは、曲面32aの表面粗さよりも粗いものとなっている。
【0078】
尚、光の反射・拡散の点から、光結合部材30における入光面側Aの曲面32aは表面粗さRa=0.05程度の鏡面であるが好ましく、光結合部材30における他方側面部36の曲面32bは表面粗さRa≧0.4の粗面であることが好ましい。
【0079】
これにより、発光部23cが光結合部材30に対して相対的にずれて取り付けられた場合に生ずる矢印Lcのようなパスの光を曲面32bの粗面で散乱させ、曲面32bから光結合部材30の外側に抜ける光を減少させることができる。詳細には、導光板13と反射シート12との隙間に光が導かれる前に様々な方向に光線を散乱させる。これにより、光漏れの原因となる光の多くが導光板13と反射シート12との隙間に導かれることがない。このため、一か所に光が集中することがなく、光漏れを抑制することができる。
【0080】
その結果、導光板13における、光結合部材30の頂部平坦面31以外の下側から入る光を減少させ、バックライト10の光漏れを目立たなくすることができる。このようなバックライト10であれば、液晶表示装置1のバックライト等に適用した場合、迷光による輝度ムラが液晶表示装置1の表面に発生して問題となることはない。
【0081】
尚、LEDチップ23aが、光結合部材30の端部側(図1において左側)にずれた場合、光結合部材30の端部から、該光結合部材30の外側に出射される場合がある。しかし、その光の向かう方向には、導光板13が存在せず、かつ図示しないフレームとなっている。したがって、光結合部材30の端部から、該光結合部材30の外側に出射される光が存在しても迷光による輝度ムラが液晶表示装置1の表面に発生して問題となることはない。
【0082】
ここで、光結合部材30は、樹脂を金型等にて成型して形成するため、金型内の樹脂の流れ等を考慮すると、左右対称等の成型し易い形状であることが好ましい。
【0083】
曲面32a側は、鏡面に仕上げることが必要であるため、その部分に対応する金型の部分の面精度も高いことが要求される。しかし、本実施の形態のバックライト10の光結合部材30を成型する金型の場合は、曲面32bに対応する金型部分は、面精度を低く作成できるため、金型の鏡面加工箇所が少なくなる。その結果、金型が安価になるメリットがある。
【0084】
(液晶表示装置への適用)
上述したように、本実施形態の光源ユニット20は、図12(a)(b)に示すように、液晶表示装置1に適用することが可能である。この場合、図2に示す光源ユニット20をX方向に並べて配置して使用する。そして、これにより、導光板13も、X方向及びY方向の寸法が共に大きなものとして構成される。このような構成とすることにより、液晶表示装置の液晶パネル4の大面積化に対応して、導光板13の面積を大きし、大画面の液晶表示装置1の実用に適したバックライトを実現することができる。
【0085】
例えば、ヒートシンク22として、長さ110mm、幅100mm、厚さ2mmのものを8枚使用し、8組のヒートシンク22、光結合部材30及びLED基板24aのセットを配置し、その上に大型の導光板13を固定する方式の光源モジュールを構成し、液晶パネル4を背面から照明するバックライト方式の液晶表示装置1を構成することが可能である。
【0086】
尚、図12(a)(b)では、液晶パネル4の寸法が60型である場合が例示されているが、例えば60型以上のサイズである70型等といった60型と異なる寸法であってもよい。
【0087】
また、本実施の形態では、バックライト10を液晶表示装置1に適用していた。しかし、必ずしもこれに限らず、例えば、バックライト10を照明装置に適用することが可能である。すなわち、本実施の形態のバックライト10は、そのまま大型平面光源への適用が可能である。また、導光板13の周辺に部材が不要であることから、シームレスに並べることにより、さらに、大きな平面光源への適用が可能である。
【0088】
以上のように、本実施の形態のバックライト10は、LEDチップ23aと、導光板13と、LEDチップ23aからの光を導光板13に導く光結合部材30とからなっている。光結合部材30は、導光板13側に光を入光させる頂部平坦面31と、該頂部平坦面31の両側に位置する2つの側面部と、LEDチップ23aの光を入光する入光部としての入光面33aとを有している。2つの側面部のうちの一方の表面はその下方に位置する入光面33aからの光を曲面32aにて反射して頂部平坦面31に導く反射面となっている。一方、2つの側面部のうちの他方である他方側面部36の表面は頂部平坦面31との境界を含む少なくとも一部が曲面32aからなる反射面よりも粗面に形成されている。
【0089】
上記の構成によれば、導光板13の下方のLEDチップ23aから出射された光は、入光面33aから光結合部材30に入光し、光結合部材30の曲面32aにて反射して頂部平坦面31から導光板13に入射される。導光板13に入射された光は、該導光板13の内部を全反射しながら一部の光は導光板13の端部まで伝搬すると共に、その途中では適宜光路変換素子にて、全反射条件が破られ、導光板13の上面から出射される。
【0090】
この結果、従来のサイドエッジ型導光板とは異なり、導光板直下型のバックライトとなっているので、サイドエッジ型導光板においては必要であった熱膨張を回避するための光源と導光板との隙間が不要となり、LEDチップ23aから導光板13への結合効率を高め、光利用効率を向上することができる。
【0091】
また、本実施の形態では、導光板とは別体の光結合部材を設けることにより、導光板の下面の入射部から光を入射させるので、導光板の内部では入射光が全反射しながら導光される。この結果、導光板を加工しなくても済み、光源から導光板への結合効率を高め、光利用効率を向上し得ると共に、製造コストも軽減される。
【0092】
ところで、このような構造のバックライト10においては、光結合部材30とLEDチップ23aとの位置関係が所定の位置よりもずれると、詳細にはLEDチップ23aが光結合部材30に対する所定の位置よりも他方側面部36側にずれると、曲面32aからなる反射面を反射した光の一部が光結合部材30の頂部平坦面31に結合せず、曲面32aからなる反射面とは反対側である2つの側面部のうちの他方の他方側面部36の表面から出射する迷光となる。このような迷光は、LEDチップ23aが光結合部材30に対する所定の位置よりも他方側面部36側に大きくずれればずれる程迷光の発生量が多くなる。そして、このような迷光が導光板13に入射されると、導光板13においては輝度ムラが発生する。
【0093】
そこで、本実施の形態では、光結合部材30における2つの側面部のうちの他方の表面である他方側面部36の表面は、頂部平坦面31との境界を含む少なくとも一部が曲面32aからなる反射面よりも粗面に形成されている。この結果、他方側面部36の表面の到達した光は、粗面にて乱反射を起こすので、導光板13に入射しないことになる。
【0094】
したがって、導光板13の加工を伴うことなく、LEDチップ23aから導光板13への結合効率を高め、導光板13の輝度ムラを低減し得るバックライト10を提供することができる。
【0095】
尚、本実施の形態では、光結合部材30は、断面形状アーチ状又は半円状にてなっている。しかし、本発明においては、光結合部材30の形状は、必ずしもこれに限らない。すなわち、他方側面部36は反射面としての機能を有していないため、原理的には形状は自由に採れる。このため、他方側面部36は下面まで延ばして、光結合部材30の設置面に対する脚体部としての機能を持たせることが可能である。これにより、光結合部材30を安定して設置面に配置することができる。
【0096】
また、本実施の形態のバックライト10では、光結合部材30における2つの側面部のうちの他方の表面における頂部平坦面31との境界を含む少なくとも一部は、すなわち、他方側面部36の曲面32bの表面は、表面粗さRa≧0.2となっている。これにより、他方側面部36の表面の到達した光が、粗面にて確実に乱反射を起こすので、導光板13に入射しないことになる。
【0097】
また、本実施の形態のバックライト10では、光結合部材30における2つの側面部のうちの一方の表面である反射面は、表面粗さRa<0.2となっている。これにより、光結合部材30における曲面32aでは確実に全反射して、光結合部材30の頂部平坦面31から導光板13に入射されることになる。
【0098】
また、本実施の形態のバックライト10では、光結合部材30は、断面形状アーチ状又は半円状にてなっている。これにより、光結合部材30の下方に位置するLEDチップ23aから入光面33aを介して入光した光の多くを曲面にて反射して頂部平坦面31に導くことが可能となる。また、断面形状アーチ状又は半円状の光結合部材30においては、外形表面形状が左右対称となるので、金型形成し易いメリットがある。
【0099】
また、本実施の形態の液晶表示装置1は、本実施の形態の光源モジュールをバックライトとして備えている。それゆえ、導光板13の加工を伴うことなく、LEDチップ23aから導光板13への結合効率を高め、導光板13の輝度ムラを低減し得るバックライト10を備えた液晶表示装置1を提供することができる。
【0100】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、本実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、テレビ、モニター等の液晶表示装置のバックライトに用いることができ、特に、光源直下型のバックライトに適用可能である。また、そのバックライトは、大型平面光源として照明装置に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0102】
1 液晶表示装置
10 バックライト(光源モジュール)
13 導光板
20 光源ユニット
23a LEDチップ(光源)
24a LED基板(光源基板)
30 光結合部材
31 頂部平坦面(頂部平坦部)
32a 曲面
32b 曲面
33a 入光面(入光部)
36 他方側面部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、導光板と、該光源からの光を導光板に導く光結合部材とからなる光源モジュールであって、
上記光結合部材は、
導光板側に光を入光させる頂部平坦部と、該頂部平坦部の両側に位置する2つの側面部と、光源の光を入光する入光部とを有していると共に、
上記2つの側面部のうちの一方の表面はその下方に位置する入光部からの光を曲面にて反射して上記頂部平坦部に導く反射面となっている一方、上記2つの側面部のうちの他方の表面は上記頂部平坦部との境界を含む少なくとも一部が上記反射面よりも粗面に形成されていることを特徴とする光源モジュール。
【請求項2】
前記光結合部材における2つの側面部のうちの他方の表面における前記頂部平坦部との境界を含む少なくとも一部は、表面粗さRa≧0.2となっていることを特徴とする請求項1記載の光源モジュール。
【請求項3】
前記光結合部材における2つの側面部のうちの一方の表面である反射面は、表面粗さRa<0.2となっていることを特徴とする1又は2記載の光源モジュール。
【請求項4】
前記光結合部材は、断面形状アーチ状又は半円状にてなっていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の光源モジュール。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の光源モジュールをバックライトとして備えていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項1】
光源と、導光板と、該光源からの光を導光板に導く光結合部材とからなる光源モジュールであって、
上記光結合部材は、
導光板側に光を入光させる頂部平坦部と、該頂部平坦部の両側に位置する2つの側面部と、光源の光を入光する入光部とを有していると共に、
上記2つの側面部のうちの一方の表面はその下方に位置する入光部からの光を曲面にて反射して上記頂部平坦部に導く反射面となっている一方、上記2つの側面部のうちの他方の表面は上記頂部平坦部との境界を含む少なくとも一部が上記反射面よりも粗面に形成されていることを特徴とする光源モジュール。
【請求項2】
前記光結合部材における2つの側面部のうちの他方の表面における前記頂部平坦部との境界を含む少なくとも一部は、表面粗さRa≧0.2となっていることを特徴とする請求項1記載の光源モジュール。
【請求項3】
前記光結合部材における2つの側面部のうちの一方の表面である反射面は、表面粗さRa<0.2となっていることを特徴とする1又は2記載の光源モジュール。
【請求項4】
前記光結合部材は、断面形状アーチ状又は半円状にてなっていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の光源モジュール。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の光源モジュールをバックライトとして備えていることを特徴とする液晶表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図11】
【公開番号】特開2013−58353(P2013−58353A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−195276(P2011−195276)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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