説明

光源冷却機構およびプロジェクタ

【課題】光源装置交換時におけるコネクタの抜け難さを解消した光源冷却機構、および、光源冷却機構を備えたプロジェクタを提供することである。
【解決手段】光源冷却機構は、光束を射出する光源装置100と光源装置100を案内する光源装置案内枠体800とを有し、光源装置100は光源ランプ600と、光源ランプ600を収容する光源ランプ収容枠体700とを有し、光源ランプ600は、発光管610と、リフレクタ620と、発光管610に電力を供給する光源用ケーブル630と、光源用ケーブル630を駆動用コネクタ320と接続するための光源用コネクタ640とを有し、光源冷却用ファン900から吐出される空気に対して、光源ランプ収容枠体700は、流入用開口部740を介して発光管610に流通させる発光管冷却用ダクト760を有し、光源装置案内枠体800は、光源用コネクタ640に流通させるコネクタ冷却用ダクト820を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に光源冷却用のファンが設置されたプロジェクタに構成される光源冷却機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、会議、学会、展示会などでのプレゼンテーションや、家庭での映画鑑賞などにプロジェクタが用いられている。このようなプロジェクタは、外装ケース内に設けられた光源から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、この光学像を拡大投写している。近年のプロジェクタでは、投写される光学像を鮮明に表示するために、光源ランプの高輝度化が図られている。なお、プロジェクタの光源ランプとしては、高圧水銀ランプやメタルハライドランプなどが使用されているが、光輝度化が図られることにより、光源ランプの発熱量も増加している。
【0003】
そこで、特許文献1では、光源を冷却する空気を効率的に内部に導入できると共に、光源が破損した場合に光源の破片が飛散することも防止する構造を提示している。具体的には、光源装置は、光源と、リフレクタと、リフレクタの光束射出面を塞ぐ光透過性部材と、これらを収納する光源収納用筐体とを備えている。リフレクタには、冷却空気を導入する開口部が形成され、光源収納用筐体には、開口部に応じた位置に別開口部が形成されている。別開口部には、光束射出面側が開口したダクトが設けられている。光源装置が光学機器に装着されると、ダクトは、光束射出面側に突出し、ファンと連結される。これに伴い、別開口部は開口され、ファンからの空気がリフレクタ内に導入される構造である。
【0004】
【特許文献1】特開2004−258211号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、光源ランプの光輝度化が進み、また、プロジェクタの小型化が進んだことにより、光源ランプの光源(発光管)の発熱により、発光管のみならず、リフレクタも熱せられる。その影響により、リフレクタの背面側に位置して発光管に電力を供給するケーブルと接続されているコネクタも熱せられている。それにより、コネクタが変形し易くなる。このような状態で光源ランプを使用し続けた場合、光源装置を交換する際に、プロジェクタの内部に設置される電力供給装置から延びるコネクタに対して、光源装置のコネクタが抜け難くなるという問題(課題)が発生している。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、光源装置交換時におけるコネクタの抜け難さを解消した光源冷却機構、および、光源冷却機構を備えたプロジェクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した目的を達成するために、本発明の光源冷却機構は、内部に光源冷却用のファンが設置されたプロジェクタに構成される光源冷却機構であって、光束を射出する光源装置を有し、光源装置は光源ランプと、光源ランプを収容する光源ランプ収容枠体とを有し、光源ランプは、光束を射出する発光管と、発光管から射出された光束を反射するリフレクタと、発光管を駆動するための電力を供給するケーブルと、ケーブルを電力供給装置側のコネクタと接続するためのコネクタとを有し、光源ランプ収容枠体は、ファンから吐出される空気を、開口部を介して発光管に流通させる第1ダクトと、ファンから吐出される空気を、コネクタに流通させる第2ダクトとを有することを特徴とする。
【0008】
このような光源冷却機構によれば、光源冷却機構は、光源装置を有している。また、光源装置は光源ランプと光源ランプ収容枠体とを有している。また、光源ランプは、発光管とリフレクタとケーブルとコネクタとを有している。また、光源ランプ収容枠体は、第1ダクトと第2ダクトとを有している。そして、光源ランプ収容枠体が有する第1ダクトにより、ファンから吐出される空気を、開口部を介して発光管に流通させる、これにより、開口部を介して、光源装置を構成する光源ランプが有する発光管に空気が流通し、発光管を冷却できる。一方、光源ランプ収容枠体が有する第2ダクトにより、ファンから吐出される空気を、コネクタに流通させる。これにより、コネクタに空気が流通し、コネクタを冷却できる。このような光源冷却機構により、発光管を冷却することができると共に、コネクタも冷却することができることで、コネクタの熱による変形を防止することができる。従って、光源装置の交換時におけるコネクタの抜け難さを解消することができる。
【0009】
また、上述した目的を達成するために、本発明の光源冷却機構は、内部に光源冷却用のファンが設置されたプロジェクタに構成される光源冷却機構であって、光束を射出する光源装置と、光源装置を案内して収容する光源装置案内部とを有し、光源装置は光源ランプと、光源ランプを収容する光源ランプ収容枠体とを有し、光源ランプは、光束を射出する発光管と、発光管から射出された光束を反射するリフレクタと、発光管を駆動するための電力を供給するケーブルと、ケーブルを電力供給装置側のコネクタと接続するためのコネクタとを有し、光源ランプ収容枠体は、ファンから吐出される空気を開口部を介して発光管に流通させる第1ダクトを有し、光源装置案内部は、ファンから吐出される空気をコネクタに流通させる第2ダクトを有することを特徴とする。
【0010】
このような光源冷却機構によれば、光源冷却機構は、光源装置と光源装置案内部とを有している。また、光源装置は光源ランプと光源ランプ収容枠体とを有している。また、光源ランプは、発光管とリフレクタとケーブルとコネクタとを有している。そして、光源ランプ収容枠体が有する第1ダクトにより、ファンから吐出される空気を、開口部を介して発光管に流通させる、これにより、開口部を介して、光源装置を構成する光源ランプが有する発光管に空気が流通し、発光管を冷却できる。一方、光源装置を案内して収容する光源装置案内部が有する第2ダクトにより、ファンから吐出される空気を、コネクタに流通させる。これにより、コネクタに空気が流通し、コネクタを冷却できる。このような光源冷却機構により、発光管を冷却することができると共に、コネクタも冷却することができることで、コネクタの熱による変形を防止することができる。従って、光源装置の交換時におけるコネクタの抜け難さを解消することができる。
【0011】
また、上述した光源冷却機構において、光源冷却機構は、ファンから吐出される空気を、第1ダクトと第2ダクトとに流通する第3ダクトを有することが望ましい。
【0012】
このような光源冷却機構によれば、第3ダクトにより、ファンから吐出される空気を、第1ダクトと第2ダクトとに流通する。これにより、光源冷却用のファンと、第1ダクトおよび第2ダクトとの間に、設置位置による間隔を有する場合にも、ファンから吐出される空気を第1ダクトと第2ダクトとに流通することができるため、光源装置に対するファンの設置位置の自由度を向上させることができる。
【0013】
また、上述した光源冷却機構において、第3ダクトは、ファンから吐出される空気を、発光管に空気が流通するように分配して第1ダクトに吐出する第4ダクトと、コネクタに空気が流通するように分配して第2ダクトに吐出する第5ダクトとを有することが望ましい。
【0014】
このような光源冷却機構によれば、第3ダクトは、第4ダクトと第5ダクトとを有している。そして、第4ダクトは、ファンから吐出される空気を、発光管に空気が流通するように分配し、第1ダクトに吐出して発光管を冷却する。一方、第5ダクトは、ファンから吐出される空気を、コネクタに空気が流通するように分配し、第2ダクトに吐出してコネクタを冷却する。これにより、光源冷却用のファンと、第1ダクトおよび第2ダクトとの間に、設置位置による間隔を有する場合にも、ファンから吐出される空気を第3ダクトが有する第4ダクトと第5ダクトとにより、第1ダクトと第2ダクトとに流通することができるため、光源装置に対するファンの設置位置の自由度を向上させることができる。しかも、第4ダクトにより、ファンから吐出される空気を効率的に第1ダクトに流通できる。また、第5ダクトにより、ファンから吐出される空気を効率的に第2ダクトに流通できる。
【0015】
上述した目的を達成するために、本発明のプロジェクタは、上述したいずれかの光源冷却機構と、光源冷却用のファンと、光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光学装置と、形成された光学像を投写する投写レンズとを備えることを特徴とする。
【0016】
このようなプロジェクタによれば、上述したいずれかの光源冷却機構と光源冷却用のファンにより、発光管の冷却を行なうことができるだけでなく、併せてコネクタも冷却できるため、光学装置および投写レンズにより投写する光学像の品質を維持することができるだけでなく、光源装置の交換時におけるコネクタの抜け難さを解消することができるため、光源装置の交換をスムースに行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態)
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係る光源冷却機構を備えたプロジェクタの概略斜視図である。なお、図1は、プロジェクタ1の底面側を背面側から見た概略斜視図である。そして、後述する光源装置交換用蓋234を開放して、光源装置100を交換する場合の状態を図示している。
図1を参照して、プロジェクタ1の全体構成を説明する。
【0019】
本実施形態のプロジェクタ1は、光源としての光源ランプから出射された光束を赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色に分離し、これらの各色光束を光学装置を構成する液晶パネルを通して画像情報に対応させて変調する。そして、変調した後の各色光の変調光束を色合成光学系(プリズム)により合成して、投写レンズ3を介して投写面上(例えばスクリーン)に拡大表示する形式のものである。投写レンズ3の一部を除いて、各構成部品は、プロジェクタ1の外装を構成する略直方体形状の外装ケース2の内部に収容されている。
【0020】
外装ケース2は、プロジェクタ1の上面部を覆う上ケース21と、前面部を覆う前面ケース22と、底面部、側面部および背面部を覆う下ケース23とから構成されている。また、外装ケース2は、合成樹脂材料により形成されている。
【0021】
上ケース21の上面部において、図示は省略するが、その後方側(投写レンズ3と逆側)の中央には、プロジェクタ1の画質などを調整するための操作パネルが設けられている。また、上ケース21の上面部の前方側(投写レンズ3側)には、投写レンズ3を中心として左右の部位に、投写レンズ3の左右位置および上下位置を調整する投写レンズ位置調整部を構成する2つのダイヤルが露出して設置されている。そして、一方のダイヤルを回動することにより、投写レンズ3を上下に移動させることができる。また、他方のダイヤルを回動することにより、投写レンズ3を左右に移動させることができる。
【0022】
前面ケース22には、変調された光束を拡大投写する投写レンズ3が前面ケース22に形成される開口部から突出して取付けられている。さらに、図示は省略するが、前面ケース22の中央には、リモートコントローラ(図示省略)からの信号を受信するリモコン受光部が設けられている。また、前面ケース22には、プロジェクタ1の内部の温まった空気をプロジェクタ1の外部に排気するための排気用ダクトが設けられている。
【0023】
下ケース23の底面部の後方側(投写レンズ3と逆側)には、プロジェクタ1の内部を冷却するための空気をプロジェクタ1の外部から取り入れるための空気取入口231が設けられている。空気取入口231は、樹脂製のフィルタ交換用蓋232に設けられており、このフィルタ交換用蓋232を着脱することで、内部のフィルタ(図示省略)を交換することが可能となる。
【0024】
図示を省略するが、下ケース23の内部には、空気取入口231から空気を取入れ、本発明の光源冷却機構におけるファンとしての光源冷却用ファンが設置されている。そして、この光源冷却用ファンの吸気口を空気取入口231に連接させる連接用ダクトも設けられている(詳細は後述する)。なお、後述する光学ユニット50に収容される光変調素子である液晶パネルや、射出側偏光板調整板や、偏光変換素子などの光学素子を冷却するための光学素子冷却用ファンなども設置され、光学素子冷却用ファンの吸気口を空気取入口231に連接させる連接用ダクトも設けられている。また、電源ユニットを冷却する電源冷却用ファンなども設置され、電源冷却用ファンの吸気口を空気取入口231に連接させる連接用ダクトも設けられている。なお、空気取入口231から空気を取入れ、本体内部の各々の構成部品を冷却して温まった空気は、同様に内部に設置される排気用ファンにより、前面ケース22に形成された排気用ダクトからプロジェクタ1外部に排気される。
【0025】
また、下ケース23の底面部のフィルタ交換用蓋232の横方向には、開口部233が形成されている。この開口部233は、後述する光源装置100を本体内部に設置するための開口である。また、開口部233には、光源装置100の交換時に開放される光源装置交換用蓋234が設けられている。これにより、光源装置交換用蓋234を着脱することにより、開口部233を介して、内部に着脱可能に設置される光源装置100を着脱(取外し/挿入)して交換することが可能となる。
【0026】
また、下ケース23の底面部には、3ヶ所の脚部235が設けられ、前方側端部となる左右の角部に調整脚部235R,235Lが設けられ、後方側端部の略中央部に固定脚部235Cが設けられている。なお、調整脚部235R,235Lの上下の進退量を調整することによって、投写される表示画面の傾きを変更することが可能となる。
【0027】
また、下ケース23の背面部には、外部電力供給用のACインレット24や各種の入出力端子群25が配置されている。ACインレット24の横方向には、主電源のON/OFF動作を行なう主電源スイッチ26が配置されている。そして、この下ケース23の背面部にも、前面ケース22と同様にリモコン受光部221が設けられている。
【0028】
図2は、光学ユニットの光学系を示す模式図である。
光学ユニット50に関して概略説明する。
光学ユニット50は、光学部品収容筐体55を構成する上収容枠体55Aと下収容枠体55Bとにより、光学系5を構成する光学素子などを収容して固定したユニットである。
【0029】
なお、光学部品収容筐体55は、平面略L字状をなしている。そして、下収容枠体55Bは、光学系5を構成する光学素子を上方からスライド式に嵌め込む図示しない溝部が各々設けられている。図示は省略するが、上収容枠体55Aは、下収容枠体55Bの上部の開口側を閉塞するように載置して、下収容枠体55Bにネジ固定される。
【0030】
また、光学部品収容筐体55の一端側(図面左側)には、光源装置100を下面側から収容する開口(図示省略)が形成されている。この開口の位置は、下ケース23に形成される開口部233の位置に対応している。これにより、光源装置100は、開口部233から下収容枠体55Bに着脱可能とされている。また、他端側には、光学装置54が固定され、その後段には投写レンズ3が固定されている。
【0031】
また、光学ユニット50は、光源から射出された光束を、光学的に処理して画像情報に応じた光学像を形成し、この光学像を拡大して投写するユニットである。
光学ユニット50は、光学系5を構成する発光管610およびリフレクタ620などを備えた光源ランプ600と光源ランプ600を収納する光源ランプ収容枠体700から構成される光源装置100、インテグレータ照明光学系51、色分離光学系52、リレー光学系53、光学装置54および投写レンズ3と、これらの光学系5を構成する光学部品を収納する合成樹脂製の光学部品収容筐体55とを備える。また、光源装置100の詳細な構造については後述する。
【0032】
光学系5の構成と動作の説明を行なう。
インテグレータ照明光学系51は、光源から射出された光束を照明光軸Lに直交する面内における輝度分布を均一にするための光学系である。このインテグレータ照明光学系51は、光源ランプ600、平行化レンズ(凹レンズ)511、第1レンズアレイ512、第2レンズアレイ513、偏光変換素子514、および重畳レンズ515を備えて構成される。
【0033】
放射光源としての発光管610から放射状に射出された光線は、リフレクタ620の反射面621で、照明光軸Lに収束するように所定の角度で反射される。この反射光が収束する途中において、インテグレータ照明光学系51の平行化レンズ(凹レンズ)511に入射する。平行化レンズ511を透過した光束は、照明光軸Lに略平行な平行光束として第1レンズアレイ512に射出される。なお、本実施形態では、平行化レンズ511は光源装置100の光源ランプ収容枠体700に収容されている。
なお、本実施形態では、光源ランプ600として、高圧水銀ランプを用いているが、ハロゲンランプやメタルハライドランプなどを使用しても良い。また、本実施形態では、リフレクタ620として、楕円面鏡を用いているが、楕円面鏡のほか、放物面鏡を用いても良い。その場合、平行化レンズ511は使用しなくても良い。
【0034】
平行化レンズ511を透過して光源装置100から射出された光束は、第1レンズアレイ512に入射する。
第1レンズアレイ512は、照明光軸L方向から見て略矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源ランプ600から射出された光束を部分光束に分割し、照明光軸L方向に射出する。
第2レンズアレイ513は、第1レンズアレイ512と略同様の構成であり、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有する。この第2レンズアレイ513は、重畳レンズ515と共に、第1レンズアレイ512の各小レンズの像を光学装置54を構成する光変調素子(液晶パネル541)上に結像させる機能を有する。
【0035】
偏光変換素子514は、第2レンズアレイ513からの光を略1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、光学装置54での光の利用効率が高められている。偏光変換素子514によって略1種類の偏光光に変換された各部分光束は、重畳レンズ515によって最終的に光学装置54を構成する液晶パネル541上に略重畳される。
【0036】
色分離光学系52は、2枚のダイクロイックミラー521,522と、反射ミラー523とを備える。インテグレータ照明光学系51から射出された複数の部分光束は、2枚のダイクロイックミラー521,522により赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光に分離される。
【0037】
リレー光学系53は、入射側レンズ531と、リレーレンズ533と、反射ミラー532,535とを備えている。このリレー光学系53は、色分離光学系52で分離された色光である青色光を、光学装置54を構成する青色光用の液晶パネル541まで導く機能を有している。
【0038】
この際、色分離光学系52のダイクロイックミラー521では、インテグレータ照明光学系51から射出された光束のうち、緑色光成分と青色光成分とは透過し、赤色光成分は反射する。ダイクロイックミラー521によって反射した赤色光は、反射ミラー523で反射し、平行化レンズ519を通って、赤色光用の液晶パネル541に到達する。この平行化レンズ519は、第2レンズアレイ513から射出された各部分光束を照明光軸Lに対して平行な光束に変換する。青色光および緑色光用の液晶パネル541の光入射側に設けられた平行化レンズ519も同様である。
【0039】
ダイクロイックミラー521を透過した青色光と緑色光のうち、緑色光は、ダイクロイックミラー522によって反射し、平行化レンズ519を通って、緑色光用の液晶パネル541に到達する。一方、青色光は、ダイクロイックミラー522を透過してリレー光学系53を通り、さらに平行化レンズ519を通って、青色光用の液晶パネル541に到達する。なお、青色光にリレー光学系53が用いられているのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ531に入射した部分光束をそのまま、平行化レンズ519に伝えるためである。なお、リレー光学系53には、3つの色光の中で、青色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、赤色光を通す構成としても良い。
【0040】
光学装置54は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成する。この光学装置54は、色分離光学系52で分離された各色光が入射される光学素子としての3つの入射側偏光板542(赤色光用をR光用入射側偏光板542R、緑色光用をG光用入射側偏光板542G、青色光用をB光用入射側偏光板542Bとする)を備える。また、各入射側偏光板542の後段に設置される光変調素子としての3つの液晶パネル541(赤色光用をR光用液晶パネル541R、緑色光用をG光用液晶パネル541G、青色光用をB光用液晶パネル541Bとする)を備える。また、各液晶パネル541の後段に設置される3つの射出側偏光板543(赤色光用をR光用射出側偏光板543R、緑色光用をG光用射出側偏光板543G、青色光用をB光用射出側偏光板543Bとする)と色合成光学系を構成する1つのクロスダイクロイックプリズム545とを備える。
【0041】
なお、本実施形態での光学装置54において、3つの入射側偏光板542R,542G,542Bは、光学装置54として一体に構成されてはおらず、リレー光学系53の後段で、光学部品収容筐体55に収容され固定される。
【0042】
液晶パネル541(541R,541G,541B)は、例えば、ポリシリコンTFT(Thin Film Transistor)をスイッチング素子として用いたものであり、対向配置される一対の透明基板内に液晶が密封封入されている。そして、この液晶パネル541は、入射側偏光板542を介して入射する光束を画像情報に応じて変調して射出する。
【0043】
入射側偏光板542は、色分離光学系52で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。また、射出側偏光板543も、入射側偏光板542と略同様に構成され、液晶パネル541から射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。また、射出側偏光板543が透過させる偏光光の偏光軸は、入射側偏光板542で透過させる偏光光の偏光軸に対して直交するように設定されている。
【0044】
色合成光学素子としてのクロスダイクロイックプリズム545は、射出側偏光板543から射出される色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。このクロスダイクロイックプリズム545には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に設けられ、これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成される。クロスダイクロイックプリズム545によって合成された色光は、投写レンズ3の方向に射出される。そして、クロスダイクロイックプリズム545から射出された映像光はカラー画像として、投写レンズ3により拡大され、スクリーンに投写される。
【0045】
上述した液晶パネル541(541R,541G,541B)および射出側偏光板543(543R,543G,543B)は、固定部(図示省略)を介在してクロスダイクロイックプリズム545に固定されて光学装置54を形成する。その光学装置54は、別の固定部(図示省略)により、光学部品収容筐体55の下収容枠体55Bに固定される構造となる。
【0046】
図3は、光源冷却機構の概略断面図である。図4は、光源冷却機構における光源装置と光源冷却用ファンの斜視図である。図5は、光源装置案内部に光源装置を設置した斜視図である。
【0047】
図3に示す断面図は、図5に示す光源冷却機構を構成する光源装置100と、光源冷却用ファン900と、光源装置案内部を構成する光源装置案内枠体800とを、XY平面で切断した断面図となっている。図3、図4、図5を参照して光源冷却機構を説明する。
【0048】
光源装置100は、前述したように、光源ランプ600と光源ランプ収容枠体700とから構成されている。なお、本実施形態の光源装置100は、インテグレータ照明光学系51を構成する平行化レンズ511を含んで構成されている。また、光源ランプ600は、発光管610およびリフレクタ620に加えて、発光管610を駆動(発光)するための電力を供給するケーブルとしての光源用ケーブル630と、光源用ケーブル630を電力供給装置側のコネクタと接続するためのコネクタとしての光源用コネクタ640とを有して構成されている。
【0049】
ここで、電力供給装置(図示省略)に関して概略説明する。
電源供給装置は、光源装置100(光源ランプ600)や、プロジェクタ1の動作を統括制御する制御基板(図示省略)などに電力を供給するものであり、電源ブロック(図示省略)と、ランプ駆動ブロック(図示省略)とを備えている。
【0050】
電源ブロックは、ACインレット24に接続された電源ケーブル(図示省略)を通して外部から供給された電力を、光源装置100を駆動するランプ駆動ブロックおよび制御基板などに供給する。電源ブロックは、入力される交流を低電圧の直流に変換するトランスや、このトランスからの出力を所定の電圧に変換する変換回路などが実装された回路基板などを備える。
【0051】
ランプ駆動ブロックは、光源装置100(光源ランプ600)に安定した電圧で電力を供給するための変換回路などが実装された回路基板を備え、電源ブロックから入力した商用交流電流は、このランプ駆動ブロックによって整流、変換されて、直流電流や交流矩形波電流となって光源装置100に供給される。
【0052】
そして、このランプ駆動ブロックには、電力を供給するための駆動用ケーブル310および駆動用ケーブル310を接続する駆動用コネクタ320が接続されている(図4参照)。なお、駆動用コネクタ320は、光学部品収容筐体55に固定されている。ここで、光源装置100をプロジェクタ1の開口部233から光源装置案内部としての光源装置案内枠体800の内部に挿入し、押圧することにより、この駆動用コネクタ320が光源ランプ600の光源用コネクタ640に挿入されて接続される(図1、図4参照)。これにより、光源ランプ600の光源用コネクタ640にランプ駆動ブロックから出力される駆動用の電力を光源用ケーブル630を介して発光管610に供給することができる。発光管610は、この電力を供給されることにより駆動(発光)して光束を射出することができる。
【0053】
光源ランプ収容枠体700は、略六角柱状の筒形状を有する収容枠本体710を有している。そして、光源ランプ収容枠体700の一方の端部には、光源ランプ600の発光管610を光源ランプ収容枠体700の内部に向けて、リフレクタ620のフランジ部(図示省略)をクリップ780により固定する(図4、図5参照)。これにより、光源ランプ600が光源ランプ収容枠体700に固定される。
【0054】
また、図3に示すように、光源ランプ収容枠体700の他方の端部(光束射出側)には、平行化レンズ511を設置して固定するための平行化レンズ案内部720が略円形状の射出用開口部725を有して形成されている。この平行化レンズ案内部720に平行化レンズ511を挿入し、レンズ固定枠785を平行化レンズ案内部720に係合することにより、平行化レンズ511が、平行化レンズ案内部720に固定される。
【0055】
なお、レンズ固定枠785は、板状の金属部材で形成され、両端部に係合用の係合片785A(図4、図5参照)が略垂直に曲折して形成され、中央には射出用開口部725に対応した孔部(図示省略)を有する部材である。
【0056】
図3に示すように、光源ランプ収容枠体700に、光源ランプ600と平行化レンズ511を収容して固定することにより、収容枠本体710の内部に略密閉された空間領域726が形成される。
【0057】
また、図3に示すように、光源ランプ収容枠体700(収容枠本体710)は、筒形状の延びる方向における側面の略中央部に光源冷却用ファン900からの空気を空間領域726内に流入させる流入用開口部740が略矩形状に形成されている。また、流入用開口部740と略対称の側面には、空間領域726内の空気を排気させる排気用開口部750が形成されている。
【0058】
なお、流入用開口部740には、流入用開口部740の開口縁部から突出して設置される第1ダクトとしての発光管冷却用ダクト760が形成されている。なお、発光管冷却用ダクト760の横には、光源用コネクタ640を固定するコネクタ固定部731(図4参照)が形成され、その横には、光源用ケーブル630を案内して固定するケーブル案内部730(図3、図4参照)が形成されている。
【0059】
また、図4、図5に示すように、光源ランプ収容枠体700は、収容枠本体710の上面部に、把持部787とカバー部788とを有している。把持部787は、光源装置100を交換する際、この把持部787を指で把持して、プロジェクタ1の開口部233から光源装置100を着脱する。また、カバー部788は、収容枠本体710の端部に光源ランプ600が固定された場合、リフレクタ620の背面側や光源用ケーブル630などが露出される形態となるのであるが、この露出された部分を覆う板状の部材として収容枠本体710が固定された時に光源装置交換用蓋234に対向するように形成されている。
【0060】
プロジェクタ1の光源装置交換用蓋234を開放した場合、このカバー部788により、指などが、光源装置100のリフレクタ620の背面側や光源用ケーブル630などに接触することを防止している。
【0061】
図3に示すように、光源冷却用ファン900は、光源装置100とは別にプロジェクタ1の本体に設置され固定されている。前述したように、光源冷却用ファン900は、光源冷却用ファン900の吸気口910を空気取入口231に連接させる連接用ダクト990が設けられ、空気取入口231から空気を取り入れる。
【0062】
また、図3、図4に示すように、光源冷却用ファン900の吐出口920の縁部には、吐出口920を覆う形態で、第3ダクトとしての分配用ダクト950が連結されている。分配用ダクト950は、第4ダクトとしての発光管用分配ダクト970と第5ダクトとしてのコネクタ用分配ダクト980とで構成されている。そして、発光管用分配ダクト970は、光源冷却用ファン900の吐出口920から吐出される空気が、発光管610に流通するように分配して吐出させる。また、コネクタ用分配ダクト980は、光源冷却用ファン900の吐出口920から吐出される空気が、光源用コネクタ640に流通するように分配して吐出する。
【0063】
なお、発光管用分配ダクト970とコネクタ用分配ダクト980は、分配用ダクト950の内部を仕切る分配用リブ960により仕切られることにより構成されている。そして、その分配用リブ960の設置する位置により、発光管用分配ダクト970とコネクタ用分配ダクト980との双方に吐出する空気の吐出量を変化させている。
【0064】
また、図3、図5に示す光源装置案内部を構成する光源装置案内枠体800は、光学部品収容筐体55の下収容枠体55Bの内部に設置されている。プロジェクタ1の下ケース23に設置される光源装置交換用蓋234を開放した場合に表れる開口部233からは、この光源装置案内枠体800が見えることになる(図1参照)。そして、光源装置100をプロジェクタ1に挿入して設置する際には、光源装置100を、開口部233から、この光源装置案内枠体800の内部に挿入することで、光源装置100を所定の位置に設置することができる。
【0065】
また、光源装置案内枠体800は、光源装置100の側面側を囲むように形成されて、光源装置100を所定の位置に固定する機構(図示省略)も設置されている。また、光源装置案内枠体800は、第2ダクトとしてのコネクタ冷却用ダクト820を有している。コネクタ冷却用ダクト820は、光源装置100を光源装置案内枠体800に設置した場合に、発光管冷却用ダクト760の外側に位置するように形成されている。詳細には、発光管冷却用ダクト760の−Y方向の外面側と、光源装置案内枠体800のコネクタ冷却用ダクト820とで囲まれることにより、コネクタ冷却用の冷却流路が構成される。また、コネクタ冷却用ダクト820の端部は、分配用ダクト950の分配用リブ960により構成されるコネクタ用分配ダクト980に相対する位置に配設されることになる。
【0066】
なお、光源装置100を光源装置案内枠体800内部に設置した場合に、光源装置100の収容枠本体710に形成される発光管冷却用ダクト760の端部は、分配用ダクト950の分配用リブ960により構成される発光管用分配ダクト970に相対する位置に配設されることになる。
【0067】
光源冷却機構における発光管610の冷却および光源用コネクタ640の冷却に関して説明する。なお、図中の実線矢印は、空気の概略の流通方向を示している。
図3に示すように、光源冷却機構において、光源冷却用ファン900が駆動することにより、連接用ダクト990を介して、空気取入口231から外気(空気)を吸気する(矢印で示す)。そして、その吸気した空気を吐出口920から吐出する。吐出された空気は、吐出口920に連結する分配用ダクト950に構成される発光管用分配ダクト970とコネクタ用分配ダクト980とにより分配されて吐出される。
【0068】
発光管用分配ダクト970により分配されて吐出された空気は、光源ランプ収容枠体700に有する発光管冷却用ダクト760に流入する。そして、流入用開口部740から空間領域726に流入する。流入した空気は、発光管610に流通して発光管610を冷却する。なお、発光管冷却用ダクト760は、発光管用分配ダクト970により分配されて吐出された空気を発光管610に効率よく流通するような向き(角度)で、光源ランプ収容枠体700に形成されている。
【0069】
発光管610を冷却することで温まった空気は、排気用開口部750から光源ランプ収容枠体700の外部に排気される。なお、光源ランプ収容枠体700の外部に排気された空気は、光源ランプ収容枠体700と光源装置案内枠体800との隙間からプロジェクタ1内部に流通し、図示しない排気用ファンにより排気用ダクトからプロジェクタ1外部に排気される。
【0070】
一方、コネクタ用分配ダクト980により分配されて吐出された空気は、光源装置案内枠体800に構成されるコネクタ冷却用ダクト820に流入する。流入した空気は、詳細には、コネクタ冷却用ダクト820の内面と発光管冷却用ダクト760の横方向の外面により構成される冷却流路を流通する。その流通する空気により、光源用コネクタ640および光源用ケーブル630が冷却される。なお、コネクタ冷却用ダクト820は、コネクタ用分配ダクト980により分配されて吐出された空気を光源用コネクタ640に効率よく流通するような向き(角度)で、光源装置案内枠体800に形成されている。
【0071】
光源用コネクタ640を冷却することで温まった空気は、光源装置案内枠体800の内面とリフレクタ620の背面で囲まれる空間領域を流通する。そして、図示しない排気用ファンにより排気用ダクトからプロジェクタ1外部に排気される。
【0072】
上述した、実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)本実施形態の光源冷却機構によれば、光源冷却機構は、光源装置100と光源装置案内枠体800とを有している。そして、光源ランプ収容枠体700が有する発光管冷却用ダクト760により、光源冷却用ファン900から吐出される空気を、流入用開口部740を介して発光管610に流通させる、これにより、流入用開口部740を介して、光源装置100を構成する光源ランプ600が有する発光管610に空気が流通し、発光管610を冷却できる。一方、光源装置100を案内して収容する光源装置案内枠体800が有するコネクタ冷却用ダクト820により、光源冷却用ファン900から吐出される空気を、光源用コネクタ640に流通させる。これにより、光源用コネクタ640に空気が流通し、光源用コネクタ640を冷却できる。このような光源冷却機構により、発光管610を冷却することができると共に、光源用コネクタ640も冷却することができることで、光源用コネクタ640の熱による変形を防止することができる。従って、光源装置100の交換時における光源用コネクタ640の抜け難さを解消することができる。
【0073】
(2)本実施形態の光源冷却機構によれば、第3ダクトとしての分配用ダクト950は、第4ダクトとしての発光管用分配ダクト970と第5ダクトとしてのコネクタ用分配ダクト980とを有している。そして、発光管用分配ダクト970は、光源冷却用ファン900から吐出される空気を、発光管610に空気が流通するように分配し、発光管冷却用ダクト760に吐出して発光管610を冷却する。一方、コネクタ用分配ダクト980は、光源冷却用ファン900から吐出される空気を、光源用コネクタ640に空気が流通するように分配し、コネクタ冷却用ダクト820に吐出して光源用コネクタ640を冷却する。
これにより、光源冷却用ファン900と、発光管冷却用ダクト760およびコネクタ冷却用ダクト820との間に、設置位置による間隔を有していても、光源冷却用ファン900から吐出される空気を分配用ダクト950が有する発光管用分配ダクト970とコネクタ用分配ダクト980とにより、発光管冷却用ダクト760とコネクタ冷却用ダクト820とに流通することができる。従って、光源装置100に対する光源冷却用ファン900の設置位置の自由度を向上させることができる。しかも、発光管用分配ダクト970により、光源冷却用ファン900から吐出される空気を効率的に発光管冷却用ダクト760に流通できる。また、コネクタ用分配ダクト980により、光源冷却用ファン900から吐出される空気を効率的にコネクタ冷却用ダクト820に流通できる。
【0074】
(3)本実施形態のプロジェクタ1によれば、上述した光源冷却機構と光源冷却用ファン900により、発光管610の冷却を行なうことができるだけでなく、併せて光源用コネクタ640も冷却できる。従って、光学装置54および投写レンズ3により投写する光学像の品質を維持することができるだけでなく、光源装置100の交換時における光源用コネクタ640の抜け難さを解消することができるため、光源装置100の交換をスムースに行なうことができ、プロジェクタの長寿命化を図ることができる。
【0075】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
【0076】
(変形例1)前記実施形態の光源冷却機構において、光源装置案内部としての光源装置案内枠体800が第2ダクトとしてのコネクタ冷却用ダクト820を有している。しかし、これに限らず、光源ランプ収容枠体700に第2ダクトとしてのコネクタ冷却用ダクトを有して、第5ダクトとしてのコネクタ用分配ダクト980から吐出される空気を光源用コネクタ640に流通しても良い。このような光源冷却機構によれば、光源ランプ収容枠体700が、コネクタ冷却用ダクトを有することにより、コネクタ用分配ダクト980から吐出される空気を効率的に光源用コネクタ640に流通することができる。また、光源装置100にコネクタ冷却用ダクトを有することになるため、光源装置案内枠体800にコネクタ冷却用ダクト820を有さなくても良く、光源装置100を交換する場合にも、光源装置案内枠体800との隙間関係に自由度が出るため、設計上の自由度が向上する。
【0077】
(変形例2)前記実施形態の光源冷却機構において、第3ダクトとしての分配用ダクト950は、第4ダクトとしての発光管用分配ダクト970と第5ダクトとしてのコネクタ用分配ダクト980とを有している。しかし、これに限らず、第3ダクトは、光源冷却用ファン900から吐出された空気を、分配せずにそのまま、第1ダクトとしての発光管冷却用ダクト760と第2ダクトとしてのコネクタ冷却用ダクト820とに流通することも可能である。これにより、光源冷却用ファン900と、発光管冷却用ダクト760およびコネクタ冷却用ダクト820との間に、設置位置による間隔を有していても、光源冷却用ファン900から吐出される空気を発光管冷却用ダクト760およびコネクタ冷却用ダクト820に確実に流通することができる。従って、光源装置100に対する光源冷却用ファン900の設置位置の自由度を向上させることができる。なお、光源ランプ収容枠体700に、第2ダクトとしてのコネクタ冷却用ダクト820を有する場合であっても、同様の効果を奏することができる。
【0078】
(変形例3)前記実施形態の光源冷却機構において、第3ダクトとしての分配用ダクト950を用いている。しかし、これに限らず、光源装置100を光源装置案内枠体800に設置したとき、発光管冷却用ダクト760およびコネクタ冷却用ダクト820の端部が、光源冷却用ファン900の吐出口920に相対して位置(設置)できる構造であるならば、分配用ダクト950を用いる必要はない。
【0079】
(変形例4)前記実施形態の光源冷却機構において、光源冷却用ファン900には、光源冷却用ファン900の吸気口910を空気取入口231に連接させる連接用ダクト990が設けられ、空気取入口231から空気を取り入れていたが、連接用ダクト990を省略してプロジェクタ1内部の空気を取り入れるようにしても良い。
【0080】
(変形例5)前記実施形態におけるプロジェクタ1は、フロントタイプのプロジェクタ1であるが、リアタイプのプロジェクタとしても適用できる。
【0081】
(変形例6)前記実施形態において、光学系5は、光源ランプ600に白色光を射出する単体の光源を用い、この白色光をR光、G光、B光の3原色の光に分離(分光)している。しかし、これに限らず、R光、G光、B光の3原色にそれぞれ対応した、赤色光を射出する光源、緑色光を射出する光源および青色光を射出する光源の3つの光源を用い、白色光を分離する手段(色分離光学系52)を取り除いた構成としても良い。
【0082】
(変形例7)前記実施形態において、光学系5は、3つの液晶パネル541R,541G,541Bを用いる、いわゆる3板方式を採用しているが、これに限らず、単板方式を採用しても良い。
【0083】
(変形例8)前記実施形態において、液晶パネル541(541R,541G,541B)は、透過型の液晶パネルを用いているが、反射型の液晶パネル等、反射型の光変調素子を用いることも可能である。また、入射した光の出射方向を、画素としてのマイクロミラー毎に制御することにより、光源から出射した光を変調する微小ミラーアレイデバイス等を用いても良い。
【0084】
本発明を実施するための最良の形態を、上記記載で開示しているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して図示し、かつ、説明しているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、上述した実施形態に対し、詳細な構成部材や、構成部材の形状・材質・数量などにおいて、当業者が様々な変形(変更ならびに改良)を加えることができるものである。従って、詳細な構成部材や、構成部材の形状・材質・数量などにおいて、当業者が様々な変形を加えることにより実施する場合も本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の実施形態に係る光源冷却機構を備えたプロジェクタの概略斜視図。
【図2】光学ユニットの光学系を示す模式図。
【図3】光源冷却機構の概略断面図。
【図4】光源冷却機構における光源装置と光源冷却用ファンの斜視図。
【図5】光源装置案内部に光源装置を設置した斜視図。
【符号の説明】
【0086】
1…プロジェクタ、2…外装ケース、5…光学系、23…下ケース、55…光学部品収容筐体、55B…下収容枠体、100…光源装置、233…開口部、234…光源装置交換用蓋、600…光源ランプ、610…発光管、620…リフレクタ、630…光源用ケーブル、640…光源用コネクタ、700…光源ランプ収容枠体、710…収容枠本体、740…流入用開口部、760…発光管冷却用ダクト、800…光源装置案内枠体、820…コネクタ冷却用ダクト、900…光源冷却用ファン、920…吐出口、950…分配用ダクト、970…発光管用分配ダクト、980…コネクタ用分配ダクト。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に光源冷却用のファンが設置されたプロジェクタに構成される光源冷却機構であって、
光束を射出する光源装置を有し、
前記光源装置は光源ランプと、当該光源ランプを収容する光源ランプ収容枠体とを有し、
前記光源ランプは、光束を射出する発光管と、当該発光管から射出された光束を反射するリフレクタと、前記発光管を駆動するための電力を供給するケーブルと、当該ケーブルを電力供給装置側のコネクタと接続するためのコネクタとを有し、
前記光源ランプ収容枠体は、前記ファンから吐出される空気を開口部を介して前記発光管に流通させる第1ダクトと、前記ファンから吐出される空気を前記コネクタに流通させる第2ダクトとを有することを特徴とする光源冷却機構。
【請求項2】
内部に光源冷却用のファンが設置されたプロジェクタに構成される光源冷却機構であって、
光束を射出する光源装置と、当該光源装置を案内する光源装置案内部とを有し、
前記光源装置は光源ランプと、当該光源ランプを収容する光源ランプ収容枠体とを有し、
前記光源ランプは、光束を射出する発光管と、当該発光管から射出された光束を反射するリフレクタと、前記発光管を駆動するための電力を供給するケーブルと、当該ケーブルを電力供給装置側のコネクタと接続するためのコネクタとを有し、
前記光源ランプ収容枠体は、前記ファンから吐出される空気を開口部を介して前記発光管に流通させる第1ダクトを有し、
前記光源装置案内部は、前記ファンから吐出される空気を前記コネクタに流通させる第2ダクトを有することを特徴とする光源冷却機構。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の光源冷却機構であって、
前記ファンから吐出される空気を、前記第1ダクトと前記第2ダクトとに流通する第3ダクトを有することを特徴とする光源冷却機構。
【請求項4】
請求項3に記載の光源冷却機構であって、
前記第3ダクトは、前記ファンから吐出される空気を、前記発光管に空気が流通するように分配して前記第1ダクトに吐出する第4ダクトと、前記コネクタに空気が流通するように分配して前記第2ダクトに吐出する第5ダクトとを有することを特徴とする光源冷却機構。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の光源冷却機構と、
光源冷却用の前記ファンと、
前記光源装置から射出された光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成する光学装置と、
前記形成された前記光学像を投写する投写レンズとを備えることを特徴とするプロジェクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−91052(P2008−91052A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−267603(P2006−267603)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】