説明

光源素子を複数備えたランプユニット及び該ランプユニットを備えた光照射装置

【課題】複数の光源素子を一方向に並べ、この光源素子列を必要に応じて複数列配置して構成されたランプユニットにおいて、各光源素子を効果的に冷却すること。
【解決手段】ショートアーク型のランプ14とリフレクタ15とから構成される複数の光源素子12を並べてランプユニットを構成する。リフレクタ15の光出射開口側に、空気取入口17a,17bを有する空気取入部材17を設け、防爆板固定用壁部103に空気流入口103fを設け、空気流入口103fから取り入れた空気を空気取入口17a,17bを介してリフレクタ15内部に流して、ランプ14を冷却する。また、防爆板固定用壁部103に空気流入口103hを設け、空気流入口103hから取り入れた空気を天板部102b及び底板部102cに設けた空気取入口102d,102eを介してリフレクタ15の外面に流し、リフレクタ15及びリフレクタベース16を冷却する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被照射物に線状光のパターン(ストライプ状のパターン)等を形成するに好適な光源素子を複数備えたランプユニット、及び当該ランプユニットを備えた光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
三次元立体映像を現出させる3D映像表示装置は、アミューズメント施設、店舗ディスプレイ、医療などの用途に利用されることが期待されており、近年脚光を浴びている。このような3D映像表示装置においては、右目用映像と左目用映像とを区別するために、パターン化位相差フィルムが用いられている。
パターン化位相差フィルムは、図18に示すように、フィルム基材90上に配向膜91を介して形成された光重合性液晶材料層92に対して、それぞれ線状の遮光部96および透光部97が交互に並んで形成されてなるマスク95を介して光を照射することにより、ストライプ状のパターンの液晶ポリマー層93を形成し、その後、残存する光重合性液晶材料層92を除去することによって得られる。
このようなパターン化位相差フィルム等の製造では、紫外光などの活性エネルギー線を被照射物に照射する光照射装置が用いられる。このような光照射装置としては、例えば、ロングアーク型の放電ランプを用いた光照射装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−144884号公報
【特許文献2】特開2001−307535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したパターン化位相差フィルム等の製造には、ロングアーク型の放電ランプを用いた光照射装置を用いることが考えられる。しかしながら、ロングアーク型の放電ランプは線光源であるため、光学系によって、放電ランプから放射される光を当該放電ランプの長手方向において互いに平行な平行光とすることができない。このため、図19に示すように、マスク95の透光部97を透過する光の一部が、マスク95の面方向に対して斜めから入射することにより、光重合性液晶材料層(図18に示す92)における遮光部96の縁部の直下に位置する領域に照射される。その結果、マスクのパターンに忠実で解像度の高いパターンを有する液晶ポリマー層93を形成することが困難である。
【0005】
このような問題を解決するため、ショートアーク型の放電ランプを並べて配置した多灯式の光照射装置を用いることが考えられる。
すなわち、発光管内にその管軸に沿って互いに対向するよう一対の電極が配置され、発光物質として封入量が0.08mg/mm〜0.30mg/mmの水銀が封入されたショートアーク型の放電ランプ(以下、ランプともいう)と、このランプを取り囲むよう設けられリフレクタとからなる複数の光源素子を一方向に並べた光源素子列を必要に応じて複数列配置し、光照射装置(ランプユニット)を構成する。
上記各光源素子のリフレクタを、その光軸を中心とする回転放物面状の光反射面を有するパラボラミラーにより構成し、当該リフレクタを、その光軸が放電ランプにおける発光管の管軸上に位置し、かつ、その焦点Fがランプにおける電極間の輝点に位置するよう配置することにより、各光源素子からは、基本的に上記光軸に平行な光が出射する。
このような光照射装置を用いれば、光源素子を並べた方向において、互いに平行な平行光とすることができ、図19に示すように、マスクの透光部を透過する光の一部が、マスクの面方向に対して斜めから入射するといった問題を解消することができる。
【0006】
上記のショートアーク型のランプは、点光源であるために、ロングアークランプに比べて輝度が高く、しかも、パラボラミラー等のリフレクタと組合わせて使用することにより、平行度の高い光を出射することができるといった利点があるため、マスクのパターンに忠実で解像度の高いパターンを形成するのに適している。
すなわち、上記のように複数の光源素子を一方向に並べた光源素子列を必要に応じて複数列配置し、該複数の光源素子を、光源素子支持枠体に収納してランプユニットを構成することで、前述したパターン化位相差フィルム等の製造に好適な光照射装置を得ることができるが、上記ランプユニットは、放電ランプを多数接近して並べたものであり、上記ランプの発光部は点灯時に極めて高温となるため、各ランプやリフレクタを効果的に冷却する必要がある。
上記ランプの冷却手段としては、従来から、例えば特許文献2に示されるような冷却手段が知られているが、上記のように複数の光源素子を並べて配置したランプユニットにおいて、各光源素子を一括して効果的に冷却する構造は知られていなかった。
【0007】
また、上記のランプは、定常時に交流電力が供給されることによって点灯される、所謂交流点灯方式のものが使用されるが、交流点灯方式のランプは、点灯初期において直流電力を供給することでグロー放電を発生させ、該グロー放電の後に交流電力を供給することでアーク放電へと移行するものである。
そして、グロー放電時に陰極動作する電極(以下、陰極という)の表面に水銀が付着した状態(以下、陰極ウェット状態という)にしておくと、グロー放電からアーク放電に速やかに移行させることができる。グロー放電が長く継続すると、電極材料がスパッタリングされることにより発光管内壁に付着し、発光部が黒化することによって、発光部の透過率が低下するという不具合を生じる。
つまり、点灯初期において陰極ウェット状態を達成しておくことにより、グロー放電の時間が短縮され、上記した発光部の黒化という不具合が発生することがない。
【0008】
以上の理由により、上記ランプは、点灯初期に陰極ウェット状態を達成しておくことが好ましい。かかる陰極ウェット状態を達成するためには、グロー放電時において、陰極温度を陽極温度に比して相対的に低温とすることにより、陰極表面に水銀を凝集させることが必要である。
また、発光部の両側の封止部に関しては、一般に光出射側の封止部の方が光出射側と逆側の封止部に比べて低温になり易い。よって、上記した陰極ウェット状態を実現するためには、グロー放電時における陰極を保持する封止部を光出射側に位置させるとともに、陰極周囲の発光部を効果的に冷却することによって陰極を間接的に冷却することで、陰極を陽極に比して相対的に低温とすることが必要である。
特に、光出射側に位置する封止部を効果的に冷却することで、封止部に埋設されたモリブデン箔の酸化等を防止することも期待できる。
【0009】
以上のように、複数の光源素子を一方向に並べ、この光源素子列を必要に応じて複数列配置し、各光源素子を収容する光源素子支持枠体を有するランプユニットにおいて、各ランプやリフレクタ等から構成される光源素子を一括して効果的に冷却する構造は知られていなかった。特に、上記ランプユニットにおいては、各ランプの陰極周囲の発光部、光出射側に位置する封止部、及びリフレクタ等を効果的に冷却することが望まれる。
本発明は上記に基づきなされたものであって、複数の光源素子を一方向に並べ、この光源素子列を必要に応じて複数列配置して構成されたランプユニットにおいて、各光源素子を効果的に冷却することができ、特に、ランプの陰極周囲の発光部や光出射側に位置する封止部、リフレクタ等を効果的に冷却することが可能な、ランプユニットおよび該ランプユニットを備えた光照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を本発明においては、次のように解決する。
(1)その内部空間に一対の電極が対向するよう配置されるとともに、0.08mg/mm〜0.30mg/mmの封入量で水銀が封入された発光部、その両端に連設された封止部を有するショートアーク型のランプと、光出射開口を有し前記ランプの光を反射する凹面反射部、この凹面反射部の中央底部に設けられ、前記封止部が挿入された筒状頸部、及びこの筒状頸部の内外を連通する切り欠き部を備え、その光軸が前記ランプの管軸に一致するように配置されたリフレクタと、前記筒状頸部を支持するための筒状部、及びこの筒状部の前記筒状頸部の切り欠き部に対応した位置に切り欠き部が設けられたリフレクタベースと、を備える光源素子から構成され、その出射光の光軸が水平で、かつ、互いの光軸が平行になるように該光源素子の複数が、一方向に並んで配置されてなる光源素子列と、隣り合う各光源素子の間を仕切る隔壁部と、各光源素子からの光を遮ることのないよう各光源素子を挟んだ両側に対向配置される天板部及び底板部とで構成される光源素子収容部を有し、該光源素子収容部の複数が前記一方向に並んで設けられ、各光源素子収容部に各光源素子を収容したハニカム状構造体と、前記ハニカム状構造体の光出射側に設けられ、前記一方向に並ぶように設けられた各防爆板収容部に各防爆板が収容された防爆板固定用壁部とを備えたランプユニットを以下のように構成する。
前記光源素子列の複数を、互いに平行に前記一方向に伸びるように、前記一方向に直交する方向に並べて配置し、一の光源素子列における光源素子と他の光源素子列における光源素子とを前記一方向に対して互いに斜め方向にずらした位置に配置する。
前記リフレクタの光出射開口側に、前記リフレクタの内部に空気を流すための第1の空気取入口を有する空気取入部材を設け、前記防爆板固定用壁部に、該第1の空気取入口を介して前記リフレクタの内部に連通する第1の空気流入口を設け、また、前記ハニカム構造体の前記天板部及び前記底板部に、それぞれ前記リフレクタの外面に空気を流すための第2および第3の空気取入口を設け、前記防爆板固定用壁部に、該第2及び第3の空気取入口を介して、前記リフレクタの外面に連通する第2の空気流入口とを設ける。
(2)上記(1)において、前記光源素子を前記リフレクタの光軸を含む平面で切断した断面において、前記第1の空気取入口の上端縁及び下端縁のそれぞれの中央部を結ぶ直線の延長線上に、前記ランプの光出射側に位置する電極を配置する。
(3)上記(2)において、前記空気取入部材に、前記第1の空気取入口に加えて、該第1の空気取入口から独立した第4の空気取入口を設け、前記光源素子を前記リフレクタの光軸を含む平面で切断した断面において、前記第4の空気取入口の上端縁及び下端縁のそれぞれの中央部を結ぶ直線の延長線上に、前記ランプの光出射側に位置する封止部の外端部を配置する。
(4)上記(1)〜(3)において、前記ランプユニットを前記リフレクタの光軸を含む平面で切断した断面において、前記天板部及び底板部に設けられた第2、第3の空気取入口の上端縁及び下端縁のそれぞれの中央部を結ぶ直線が、前記リフレクタの光軸に対して交差するように構成する。
(5)上記(1)〜(4)のランプユニットからなる光出射部を有する光照射装置において、前記光出射部からの光を線状に集光する、前記一方向に伸びる集光部材を設ける。
【発明の効果】
【0011】
本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)ショートアーク型のランプとリフレクタとから構成される複数の光源素子を、互いの光軸が平行になるように一方向およびこれに直交する方向に並べてハニカム状構造体に収納してランプユニットを構成し、一の光源素子列における光源素子と他の光源素子列における光源素子とが、前記一方向に対して互いに斜め方向にずらした位置に配置しているので、
一の光源素子列における光源素子の照度分布曲線の頂部と頂部の間に、他の光源素子列における光源素子の照度分布曲線の頂部が配置されることとなり、光照射領域における照度分布の均一性を高くすることができる。
また、前記リフレクタの光出射開口側に、前記リフレクタの内部に空気を流すための第1の空気取入口を有する空気取入部材を設け、前記防爆板固定用壁部に、該第1の空気取入口を介して前記リフレクタの内部に連通する第1の空気流入口を設け、また、前記ハニカム構造体の前記天板部及び前記底板部に、それぞれ前記リフレクタの外面に空気を流すための第2および第3の空気取入口を設け、前記防爆板固定用壁部に、該第2及び第3の空気取入口を介して、前記リフレクタの外面に連通する第2の空気流入口とを設けたので、複数の光源素子を並べてハニカム構造体に収納したランプユニットにおいて、全てのランプ及びリフレクタを一括して効果的に冷却することができる。
(2)光源素子を前記リフレクタの光軸を含む平面で切断した断面において、前記第1の空気取入口の上端縁及び下端縁のそれぞれの中央部を結ぶ直線の延長線上に、前記ランプの光出射側に位置する電極を配置したので、陰極周囲の発光部を効果的に冷却することができ、点灯初期に陰極動作する電極の表面に水銀が付着した陰極ウェット状態を達成することができる。このため、グロー放電からアーク放電に移行する時間が短縮され、発光部が黒化することを抑制することができる。
(3)空気取入部材に、第1の空気取入口から独立した第4の空気取入口を設け、前記光源素子を前記リフレクタの光軸を含む平面で切断した断面において、前記第4の空気取入口の上端縁及び下端縁のそれぞれの中央部を結ぶ直線の延長線上に、前記ランプの光出射側に位置する封止部の外端部を配置したので、光出射側に位置する封止部を効果的に冷却することができ、該封止部に埋設されたモリブデン箔が酸化することを防止することができる。
(4)ランプユニットを前記リフレクタの光軸を含む平面で切断した断面において、前記天板部及び底板部に設けられた第2、第3の空気取入口の上端縁及び下端縁のそれぞれの中央部を結ぶ直線が、前記リフレクタの光軸に対して交差するように構成したので、リフレクタに向けて効率良く空気を流すことができ、リフレクタおよびリフレクタの筒状頸部が挿入されたリフレクタベースを効果的に冷却することができる。また、リフレクタの筒状頸部を介して、筒状頸部に挿入されたランプの封止部を間接的に冷却することができ、該封止部14bに埋設されたモリブデン箔14fが酸化することを防止することができる。
(5)光照射装置に、上記ランプユニットからなる光出射部を設け、この光出射部からの光を線状に集光する一方向に伸びる集光部材を設けることにより、マスクのパターンに忠実で解像度の高いストライプ状のパターンを被照射物に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例の光照射装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例の光照射装置の光学部材の配置を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例のランプユニットの正面図である
【図4】マスクの具体的な構成の一例を示す説明図である。
【図5】搬送手段のローラーとマスクと被照射物の近傍の拡大図である。
【図6】本発明の実施例のパターン化位相差フィルムの製造工程の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施例の光照射装置により照射される光の向きを説明する図である。
【図8】本発明の実施例の光照射装置による光照射領域におけるX方向における照度分布を示す図である。
【図9】本発明の実施例の光源素子の断面図である。
【図10】本発明の実施例の光源素子が備えるランプの正面図である。
【図11】本発明の実施例の光源素子が備えるリフレクタの前方方向からの斜視図である。
【図12】本発明の実施例のリフレクタの後方からの斜視図である。
【図13】リフレクタベースを説明する図である。
【図14】本発明の実施例のランプユニットの外観を示す斜視図である。
【図15】ハニカム構造体と防爆板固定用壁部とを離間して示す分解斜視図である。
【図16】防爆板固定用壁部と空気取入部材をハニカム構造体に取り付けた状態を示す部分拡大図である。
【図17】防爆板固定用壁部やリフレクタ等を取り外した状態のハニカム構造体を示す図である。
【図18】パターン化位相差フィルムの製造工程を示す図である。
【図19】従来の光照射装置を用いた場合のマスクの透光部を通過する光を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下本発明の具体的に実施例について説明する。
(1)光照射装置の全体構成
図1は、本発明の実施例の光照射装置の概略構成を示す。図2は本発明の実施例の光照射装置の光学部材の配置を示す斜視図、図3はランプユニットの正面図である。
光照射装置は、装置の外壁をなす箱状のランプハウス60と、図1、図2に示すように、複数の前記した光源素子を一方向(X方向)に配列してなる光源素子列11a、11bを、前記一方向に直交する方向(Y方向)に複数並べて配置してなり、光照射装置の光出射部を構成するランプユニット10と、ランプユニット10から放射された光をY方向に反射する反射ミラー25と、反射ミラー25の光を一軸方向のみに集光してX方向に伸びるライン状の集光光を形成する集光部材20と、例えばワイヤグリッド偏光素子45からなり集光部材20からの光を偏光光としてランプハウス外に透過させる偏光素子45とを備える(図2では偏光素子45は示されていない)。
また、ランプユニット10を冷却するため、一端がランプハウス60の内に挿入されてランプユニット10の背面側(光出射側)に連結され、他端がランプハウス60の外に伸び出した排気用ダクト50と、該排気用ダクト50に連結された排気手段55とが設けられている。
なお、ランプユニット10の下方には、各ランプ14に電力を供給するためのランプユニット電源70が配置されている。
光照射装置のランプハウス60の外部には、集光部材20からの偏光光をストライプ状に整形するマスク30と、被照射物Wを光源素子が並ぶ一方向に直交する方向(Y方向)に搬送するローラー状の搬送手段40と、搬送手段40のローラー41に接した状態でマスク30の直下に搬送されるフィルム状の被照射物Wとが配置される。
【0014】
ランプユニット10は、図3に示すように、複数の前記した光源素子が一方向(X方向に)並ぶように配置された光源素子列11a、11bを有し、この光源素子列11a、11bは、上記X方向に直交するY方向に並んで配列される。
光源素子列11aにおける光源素子12と、光源素子列11bにおける光源素子12は、上記X方向に対して斜め方向に配置されている。すなわち、各光源素子12は、光源素子列11aの光源素子12における放電ランプ14の電極間中心点A1と、当該光源素子12に最も接近する、他の光源素子列11bの光源素子12における放電ランプ14の電極間中心点A2とを結ぶ直線Tが、上記X方向に伸びる直線Xと斜交するように配置されている。
そして、光源素子列11aの各光源素子12の中心位置A1(放電ランプ14の電極間中心点)と、当該光源素子12に最も接近する光源素子列11bの光源素子12の中心位置A2(放電ランプ14の電極間中心点)とのX方向の離間距離をHとすると、Hは、以下の式1によって表される。
H=A/N・・・(式1)
ここでHは上記離間距離、Aは各光源素子のX方向における幅、Nは光源素子列の列数である。なお、ランプユニット10の光源素子列の列数は2列以上であってもよく、図1に示すように光源素子列の列数が2の場合、上記離間距離HはA/2となる。
なお、ランプユニット10については、後ほど詳述する。
【0015】
集光部材20は、X方向に垂直な断面が放物線状の光反射面を有する、X方向に沿って伸びるシリンドリカルパラボラミラーにより構成されている。該集光部材20は、ランプユニット10における各リフレクタ15の光軸Cに垂直な光出射面の前方において、その焦点fが被照射物Wの表面上に位置するように配置されている。この集光部材20は、目的とする波長の紫外光のみを反射させ、不要な可視光および赤外光を透過させるコールドミラーコーティングが施されているものであってもよい。
マスク30は、X方向に長尺な矩形の板状のものであって、集光部材20のZ方向前方において、当該集光部材20による反射光の光軸Lに対して垂直な平面に沿って配置されている。このマスク30は、それぞれX方向に垂直な方向であるY方向(図1において上下方向)に伸びる線状の多数の遮光部および多数の透光部がX方向に交互に並ぶよう配置されてなるものである。
【0016】
図4は、マスク30の具体的な構成の一例を示す説明図であり、同図(a〉は平面図、(b)は側面図である。このマスク30においては、例えば石英ガラスよりなる透光性基板31の一面に、例えばクロムよりなる多数の線状の遮光膜32が所要の間隔で離間して並ぶよう配置されており、遮光膜32が形成された領域によって線状の遮光部33が形成され、隣接する遮光膜32間の領域によって透光部34が形成されている。このマスク30には、図4(a)において破線Lbで示すように、遮光部33および透光部34が並ぶX方向に伸びる帯状の光が入射される。なお、dは有効照射幅である。
【0017】
図5に上記搬送手段40のローラー41とマスク30近傍の拡大図を示す。
搬送手段40は、被照射物Wに接して当該被照射物Wを搬送するローラー41を有する。具体的には、ローラー41は、被照射物Wに接する箇所がマスク30の直下(同図では真横)位置に位置されるよう、当該ローラー41の回転軸(図示省略)が前記X方向に伸びる姿勢で配置されており、当該ローラー41が回転することにより、被照射物WがY方向に搬送される。
なお、ローラー41に水冷機構を設けることにより、被照射物Wに高照度の紫外光が照射された場合でも、被照射物Wに接したローラー41により被照射物Wを冷却することができるので、被照射物Wのシュリンクなどの変形を防止することができる。
被照射物Wは、搬送手段40によってY方向に搬送され、マスク30は被照射物Wに対してギャップGだけ離間して配置される。マスク30と被照射物Wとの間の最小ギャップGは、例えば50〜1000μmである。なお、ローラー41の偏芯を少なくすることにより、マスク30と、ローラー41に接したフィルム状の被照射物Wとの間のギャップを一定に保つことができる。
【0018】
図5からわかるように、マスク30と被照射物Wとの間のギャップは、当該被照射物WがY方向に搬送されるにつれて変動する。すなわち、被照射物Wが搬送されてマスク30の直下領域を通過する際には、被照射物Wとマスク30との間のギャップは、先ず、被照射物WがY方向に移動するにつれて小さくなる。このため、有効照射幅dが大きい程、ギャップの変動幅も大きくなり、マスク30のパターンに忠実で高解像度のパターンを形成することができない。
そこで、マスク30における集光部材20からの光が入射される有効照射幅dを、マスク30と被照射物Wとの間のギャップの許容変動値や、ローラー41の半径を考慮して可能な範囲で小さく設定することが好ましい。
【0019】
具体的には、図5に示すようにマスク30と被照射物Wとの間のギャップの許容変動値をa、ローラー41の半径をrとしたとき、有効照射幅dは、d=√{r2−(r−a)2}×2により求めることができる。なお、理論上は、被照射物Wの厚みを勘案することが必要であるが、被照射物Wの厚みは、ローラー41の半径に比較して極めて小さいため、無視することができる。
具体例をあげると、マスク30と被照射物Wとの間のギャップの許容変動値が50μm、ローラー41の半径rが300mmである場合には、有効照射幅dは約11mm以下であることが好ましい。
【0020】
図1、図2、図3に示す光照射装置において、ランプユニット10の各光源素子12の放電ランプ14から放射された光は、リフレクタ15の光反射面によって反射されて、リフレクタ15の光軸Cに沿った平行光とされて反射ミラー25に向かって出射される。
このランプユニット10から出射する平行光は、反射ミラー25により図1の紙面の上方に向かって反射され、集光部材20によりX方向に伸びる線状に集光され、偏光素子45を介してマスク30に入射する。マスク30に入射される光は、X方向において互いに平行な平行光である。
マスク30に入射した光は、マスク30の遮光部33および透光部34によってストライプ状に整形され、被照射物Wに照射されることにより、被照射物Wにおけるローラー41が接する箇所の表面には、マスク30における遮光部および透光部のパターンに対応するストライプ状の光照射領域が形成される。そして、被照射物Wが搬送手段40によってY方向に搬送されることにより、当該被照射物Wに対して、所要の光照射処理が達成される。
このような光照射装置においては、光配向膜用材料を用い、以下のようにしてパターン化位相差フィルムを製造することができる。
【0021】
先ず、図6(a)に示すように、フィルム基材81上に、液状の光配向膜用材料を塗布して乾燥または硬化することによって光配向膜用材料層85Aを形成する。
次いで、光配向膜用材料層85Aに対して、上記の光照射装置によって直線偏光光による選択的露光処理を行うことにより、図6(b)に示すように、フィルム基材81上にストライプ状にパターニングされた第1の光配向膜85を形成する。
更に、適宜の光照射装置によって、上記図6(b)で照射した偏光光と90°偏光方向が異なる直線偏光光により全面露光処理を行うことにより、図6(c)に示すように隣接する第1の光配向膜85間に第2の光配向膜86を形成する。
次いで、図6(d)に示すように、第1の光配向膜85および第2の光配向膜86の表面上に、適宜の光照射装置によって全面露光処理を行って、当該光重合性液晶材料層87Aを硬化させることにより、図6(e)に示すように、第1の光配向膜85上に形成された第1の液晶ポリマー層部分87およびこの第1の液晶ポリマー層部分87とは液晶の配向状態が異なる第2の液晶ポリマー層部分88がストライプ状にパターン化されてなる液晶ポリマー層89が形成され、以て、パターン化位相差フィルムが得られる。
【0022】
図1、図2、図3に示す光照射装置では、点光源であるショートアーク型の放電ランプ14と回転放物面状の光反射面を有するリフレクタ15とよりなる複数の光源素子12を一方向(X方向)に沿って並ぶよう配置されてなる光源素子列11a,11bによって、ランプユニット10が構成されている。
したがって、当該光源素子列11を構成する光源素子12の各々における放電ランプ14から放射される光が、当該光源素子12の各々におけるリフレクタ15によって、光源素子12が並ぶ一方向(X方向)において互いに平行な平行光とされ、これにより、集光部材20からの光は、図7に示すように、マスク30の透光部34にその面方向に対して直交若しくは略直交して入射して当該透光部34を透過する。従って、被照射物Wにおけるマスク30の遮光部33の直下に位置する領域に光が照射されることが防止または抑制され、マスク30のパターンに忠実で解像度の高いパターンを形成することができる。
【0023】
また、上記ランプユニットの2つの光源素子列11a,11bは、図3に示すように、一方の光源素子列11aに係る光源素子12における放電ランプ14の電極間中心点A1と、当該光源素子12に最も接近する、他方の光源素子列11bに係る光源素子12における放電ランプ14の電極間中心点A2とを結ぶ直線Tが、X方向に伸びる直線Xと斜交するよう配置されている。このため、被照射領域において、均一な照度分布が得られる。
図8は、光照射領域におけるX方向の照度分布を示す曲線図である。この図において、縦軸は相対照度、横軸はX方向における相対的な位置を示し、実線は一方の光源素子列11aからの光による光照射領域の照度分布曲線、点線は他方の光源素子列11bからの光による光照射領域の照度分布曲線を示す。
同図に示すように、一の光源素子列11aに係る光源素子12からの光の照射領域の照度のボトム位置に対して、当該光源素子に最も接近する、他の光源素子列11bに係る光源素子12からの光の照射領域の照度のピーク位置が重畳すると共に、光源素子列11bに係る光源素子12からの光の照射領域の照度のボトム位置に対して、光源素子列11aに係る光源素子12からの光の照射領域のピーク位置が重畳する結果、均一な照度分布が得られる。
【0024】
上記ランプユニット10によれば、集光部材20により集光された光照射領域では、各光源素子列11a,11bにおける各光源素子12からの出射光の照度ピークの山および谷が、各光源素子列毎に、光源素子12が並ぶ一方向において前述したA/2ずつ異なる位置に表れる。
従って、一の光源素子列11aにおける各光源素子12の照度ピークの谷の部分が、他の光源素子列11bにおける各光源素子12の照度ピークの山の部分によって補償される。即ち、一の光源素子列11aにおける各光源素子12の照度ピークの山および谷と、他の光源素子列11bにおける各光源素子12の照度ピークの山および谷とが、相補的な関係となるように、各光源素子12からの集光光が重畳する。以上により、本発明のランプユニットを備える光照射装置は、照度分布が均一になる。
【0025】
(2)光源素子の具体的な構成例
図9、図10、図11、図12、図13は本発明の実施例の光源素子の構成を示す図である。図9は光源素子の断面図、図10は光源素子が備えるランプの正面図、図11は光源素子が備えるリフレクタの前方方向からの斜視図、図12は同リフレクタの後方からの斜視図である。また、図13はリフレクタベースを示す説明図であり、図13(a)はリフレクタベースを上方(Y方向)から見た図、(b)は光出射方向の反対側(Z方向)からみた図である。
本実施例の光源素子12は、前記したように被照射物Wにマスク30のパターンに忠実なストライプ状のパターンを形成するための光照射装置の光出射部として用いられる。
光源素子12は、図9に示すように、球状の発光部14aの両端にそれぞれ円柱状の封止部14b、14cが連設されてなるショートアーク型の放電ランプ14(以下、ランプ)と、ランプ14の周囲を取り囲むように配置されたリフレクタ15と、リフレクタ15の凹面反射部15aの中央底部15bに形成された円筒状の筒状頸部15cの周囲に配置されたリフレクタベース16とを備えて構成される。
上記光源素子12の周囲には、光源素子12を取り囲むようにしてランプユニット100を構成する光源素子支持枠体101が配置されている。光源素子支持枠体101の詳細については後述するので、ここでは光源素子12に関係する構成についての説明に留める。
【0026】
リフレクタ15は、ガラスまたはセラミックスにより構成されたものであり、平行光を取出すために、例えば回転放物面状に形成された凹面反射部15aを有するパラボラミラーである。この凹面反射部15aの内面には、紫外光のみを選択的に反射するための誘電体多層膜が積層されている。即ち、ランプから出射した紫外、可視及び赤外の波長域の光のうち、紫外光のみが凹面反射部15aによって前方側に平行光として反射され、その他の可視光、赤外光は凹面反射部の後方側へと透過する。
凹面反射部15aの中央底部15bには、当該リフレクタ15の光軸方向に延ばされた円筒状の筒状頸部15cが設けられている。この筒状頸部15cには、図11、図12に示すように、後述のリフレクタベース16に設けられた切り欠き部16c(後述する)に連通する、少なくとも1つの切り欠き部15dが設けられている。
【0027】
筒状頸部15c内には、当該筒状頸部15cの端部から突出するように、ランプの一方の封止部14bがリフレクタ15の光軸方向に沿って所定の隙間をおいて挿入されている。これにより、封止部14bの外周面と筒状頸部15cの内周面との間の隙間15eが、凹面反射部15aの内部空間から外部に空気を流すための風路部として機能し、ランプ14及び凹面反射部15aを効率良く冷却することができる。
すなわち、ランプ14及び凹面反射部15aを冷却した空気は、リフレクタの筒状頸部15cに流入し、上記リフレクタの筒状頸部15cに設けられた切り欠き部15dと、上記リフレクタベース16に設けられた切り欠き部16cを介して、図9の矢印の経路で排出される。
【0028】
凹面反射部15aの前面側には、例えば方形状に開口した光出射開口15fが設けられ、さらにその前面側には光出射開口15fを密閉するように、透明な耐衝撃性ガラスからなる防爆板13が設けられている。この防爆板13は、後述するランプユニットに固定され、ランプ14が破損した場合でもその破片が前面に飛散することを防止することができる。
凹面反射部15aの光出射開口15fには、図11に示すように、上記X、Y方向におけるリフレクタ15の幅を小さくする目的により、等間隔にて4箇所に切り欠き部15m、15n、15o、15pが設けられている。これら切り欠き部は、凹面反射部15aを、円形状の光出射開口15fの円周上の4箇所において、リフレクタ15の光軸と平行な平面によって光出射開口15fをカットして形成され、カットされた切断面が半円状に形成されている。
【0029】
リフレクタベース16は、例えばセラミックスなどの耐熱性絶縁材料により構成され、図9に示すように、リフレクタ15の筒状頸部15cを支持するための円筒状の大径筒状部16aと、ランプの一方の封止部14cを挿入するための円筒状の小径筒状部16bとが、段差を介して連続して一体的に構成されたものである。
大径筒状部16aは、リフレクタ15の筒状頸部15cの外径に適合する内径を有して、無機系接着剤により筒状頸部15cと互いに固定されている。同様に、小径筒状部16bは、一方の封止部14bの外径に適合する内径を有して、無機系接着剤により一方の封止部14bと互いに固定されている。リフレクタベース16は光源素子支持枠体101に設けられた支持部材102pにより支持される。
大径筒状部16aには、図13に示すように、少なくとも1つの切り欠き部16cが設けられるとともに、この切り欠き部16cを塞ぐように金網状のメッシュ部材16dが設けられる。この切り欠き部16cは、リフレクタ15の筒状頸部15cに設けられた前記切り欠き部15dに連通しており、ランプ1及び凹面反射部15aを冷却した冷却風をメッシュ部材16dを通じてリフレクタベース16の外方に排出する。
【0030】
ショートアーク型のランプ14は、図10に示すように、球状の発光部14a内に配置された一対の電極14d、14eの間の中間点が、回転放物面形状を有するリフレクタ15の凹面反射面15aの焦点に一致するように配置される。ランプ14は、好ましくは発光部14a内に封入量が0.08mg/mm〜0.30mg/mmの水銀が封入された超高圧水銀ランプによって構成され、管軸(発光部14aの中心点を通過して延伸する各封止部14b及び14cの中心軸)がリフレクタ15の光軸Cと一致するとともに、管軸が大地と平行となるよう水平姿勢にて配置されている。
ランプ14は、球状の発光部14aと当該発光部の両端のそれぞれに連設された円柱状の封止部14b、14cとを備えている。発光部14a及び封止部14b、14cは、ガラスまたはセラミックスにより一体的に形成された封体であり、発光部14a内には一対の電極14d、14e、水銀、アルゴンガスなどのバッファガス、ハロゲンサイクルを実行するための微量のハロゲンガスが封入されている。各封止部14b、14cの内部には、一対の各電極14d、14eの端部に接続された薄板状の各モリブデン箔14f、14gが封止されるとともに、各モリブデン箔14f、14gに接続されて各封止部14b、14cの外方に伸び出す各外部リード14h、14iが設けられている。
【0031】
上記光源素子12には、内外に連通する第1の空気取入口17a及び第4の空気取入口17bを有する空気取入部材17が、凹面反射部の光出射開口側の切り欠き部15m〜15pの1つを塞ぐように設けられる(図11では空気取入部材17は切り欠き部15pに配置されている)。
空気取入部材17は、図9に示すように、大地と平行に水平姿勢で配置されたランプの発光部の、リフレクタ15の光軸Cよりも鉛直方向上方側の領域に対向して配置され、該発光部の領域に各空気取入口17a、17bが対向している。空気取入部材17と、リフレクタベース16のメッシュ部材16dとは、図9に示す断面において、リフレクタ15の光軸を挟んだ両側に形成される紙面上方側の領域と紙面下方側の領域のうち、紙面上方側の領域に揃って配置されている。
空気取入部材17は、図11に示すように、第1の空気取入口17aが設けられた平板部17cと、その左右に広がるように伸び出すとともに第4の空気取入口17bが設けられた鍔部17dとで構成される。鍔部17dの前端面にはネジ穴が形成されており、平板部17cの上端面が、リフレクタ15の切り欠き部15pの切断面と同一平面上に位置された状態で、鍔部17dの前端面が後述するランプユニット10の防爆板固定用壁部103にネジ止めによって固定される。このように、リフレクタ15の切り欠き部15pのスペースを有効活用して空気取入部材17を設置することにより、光源素子12を小型化することができる。
【0032】
上記の光源素子12は、図9に示す切断面において、第1の空気取入口17aの上端縁の中央部171aと下端縁の中央部172aとを結ぶ直線T1が、リフレクタ15の光軸Cに交差し、且つ、該直線T1の延長線上に上記ランプの陰極14eが位置する。さらに、同図の断面において、第4の空気取入口17bの上端縁の中央部171bと下端縁の中央部172bとを結ぶ直線T2が、リフレクタ15の光軸Cに交差し、且つ、該直線T2の延長線上に上記ランプ15の光出射側の封止部14cの外端部141cが位置する。
また、第1の空気取入口17aは、空気取入部材17の外方から内方に向うに従って次第に幅が広がるように形成されている。これにより、発光部14aの光出射側の電極14e(点灯始動時に陰極として動作する)の周囲の発光部14aの領域141aを流れる空気の流量が増えるため、当該領域141aを効果的に冷却することができる。
【0033】
前記した光源素子支持枠体101は、後述する図14、図15に示すように、隣り合う光源素子の間を隔てる隔壁部102aと、光源素子12が並ぶX方向に互いに平行に伸びるとともに隔壁部102aを挟んで対向する天板部102b及び底板部102cとで区画される光源素子収容部102sとから構成され、これらによりハニカム構造体102が構成される。
図9に示すように、天板部102b及び底板部102cには、各々の天板部102b若しくは底板部102cと各リフレクタ15の外面との間に空気を流すため、それぞれ空気取入口102d、102eが設けられている。この各空気取入口102d、102eを介してリフレクタベース16に向けてリフレクタ15の外面に空気が流れ込み、リフレクタ15外面とリフレクタベース16とが直接的に冷却される。リフレクタベース16が冷却されるため、リフレクタベース16を介してリフレクタ15の筒状頸部15c及び該筒状頸部15cに挿入されたランプの一方の封止部14bが間接的に冷却される。
【0034】
上記光源素子12は、発光部14a内の一対の電極14d、14eに給電し、電極間を絶縁破壊することによって点灯し、一対の電極間14d、14eに輝点が形成される。この輝点からは、紫外光のほか可視光及び赤外光が放射される。リフレクタ15は所謂コールドミラーであるため、紫外光のみが凹面反射部15aによって前方側に選択的にリフレクタの光軸に平行な平行光として反射され、該平行光が光出射開口15fから出射され、可視光及び赤外光はリフレクタ15の後方側に透過する。
光源素子のリフレクタ15内部には、図1の排気手段55を駆動してリフレクタ15の後方側からリフレクタ15内部を負圧にすることによって、上記空気取入部材17の第1の空気取入口17a及び第4の空気取入口17bを介して、リフレクタ15の内部に空気を流入させる。
第1の空気取入口17aから流入した空気は、発光部14aにおける光出射側の電極14eの周囲の領域141aを流れた後に、リフレクタ15の筒状頸部15cと該筒状頸部15cに挿入された封止部14bとの間の隙間15eを通過して、筒状頸部15cの切り欠き部15dとリフレクタベース15の切り欠き部16cを塞ぐメッシュ部材16dの網目とを通過してリフレクタ15の後方に排気される。第4の空気取入口17bから流入した空気は、光出射側の封止部14cの外端部141cの付近を流れた後に、上記第1の空気取入口17aから流入した空気と同様の風路を経て排気される。
【0035】
上記光源素子12は、第1の空気取入口17aが光出射側の電極14eの周囲に向けられているため、発光部14aにおける光出射側の電極14e(陰極)の周囲の領域141aを空気が流れることにより、該領域141aを確実に冷却することができる。これにより、ランプ14の点灯始動時において、陰極14eが低温状態となり、陰極14eの周囲に水銀が確実に付着する。
したがって、ランプ14の始動初期において、グロー放電からアーク放電に速やかに移行させることができ、グロー放電時間を短縮することができるので、電極材料がスパッタされて発光部14aが黒化することがなく、発光部14aの光透過率が低下することを防止することができる。なお、陰極14eを光出射側に配置するのは、リフレクタの光出射側から空気を流入させる関係で、光出射側の電極14eの方がリフレクタ15の筒状頸部15c側の電極14dに比べ効率良く冷却されるからである。
しかも、上記光源素子12は、第4の空気取入口17bが光出射側に位置する封止部14cの外端部141cの領域に向けられているので、該領域141cを確実に冷却することができる。これにより、封止部14cに埋設されたモリブデン箔14gが酸化して封止部14cの気密状態が損なわれることを防止することができる。
【0036】
さらに、上記光源素子12によれば次の効果が得られる。
図9に示す断面において、空気取入部材17とリフレクタベース16のメッシュ部材16dとが、リフレクタ15の光軸Cよりも鉛直方向上方側の領域に揃って配置された構成であるため、水平姿勢で(ランプ14の管軸がリフレクタ15光軸と平行)点灯されたランプにおいて最も高温になり易い発光部14aの鉛直方向上部側の領域142aを、第1の空気取入口17aからリフレクタ15内部に流入した冷却風によって効果的に冷却することができる。
第1の空気取入口17a及び第4の空気取入口17bのそれぞれの長手方向軸(直線T1及びT2)が、同図に示す断面において、リフレクタ15の光軸Cに対して交差する構成であるため、上記した発光部14aの領域141a及び光出射側の封止部14cの外端部141cの周囲に空気を確実に流入させることができる。
【0037】
第1の空気取入口17aがリフレクタ15の光軸Cに向かうに従って次第に広がる構成であるため、上記領域141aがより冷却され易くなり、陰極14eをより一層効果的に冷却することができるので、ランプ14の点灯始動初期に陰極14eに確実に水銀が付着していることにより、ランプ14の点灯始動初期における発光部14aの黒化を防止することができる。
リフレクタ15の光出射開口15fが、円形状の光出射開口の4隅に切り欠き部を設けることによって方形状に形成され、しかも、空気取入部材17がリフレクタ15の切り欠き部15m〜15pのうちの1つを塞ぐように設けられているので、光源素子12を小型化することができる。よって、後述のランプユニット10のように光源素子を多数並べて配置した場合でも、ランプユニットを小型化することができ、ひいては光照射装置を小型化することができる。
【0038】
(3)ランプユニットの構造
図14、図15、図16、図17は、本発明のランプユニットの構成を説明するための図である。図14は一方向に並んだ8個の光源素子からなる光源素子列を、一方向と直交する方向に2列並べて構成されるランプユニットの斜視図、図15は光源素子支持枠体を構成するハニカム構造体と防爆板固定用壁部とを離間して示す分解斜視図、図16、図17は光源素子支持枠体の部分拡大図であり、図16は防爆板固定用壁部と空気取入部材をハニカム構造体に取り付けた状態を示し(リフレクタは示されていない)、図17は、防爆板固定用壁部やリフレクタ等を取り外した状態を示している。なお、図14、図15はランプユニットの一部を示したものであり、例えば前記図3に示したように、8個×2列の光源素子群で構成される。
図14に示すランプユニットは、単一でも使用できるが、複数のランプユニットを光源素子の並び方向(X方向)に連結することにより、より長いランプユニットを構成することができる。
【0039】
本実施例のランプユニット10は、上記したように、ショートアーク型の放電ランプ14とリフレクタ15とよりなるそれぞれ8つの光源素子12を、一方向(X)に並べて配置して光源素子列11a、11bを構成し、この2つの光源素子列11a、11bを上記一方向に直交する方向(Y)に、光源素子12のX方向の幅1/2だけX方向にずらして並べたものである。つまり、本実施例の光照射装置では、光源素子列11aにおける光源素子12と、光源素子列11bにおける光源素子12とを、X方向に対して互いに斜め方向にずらした位置に配置している。各光源素子12は、光源素子収容部を有する光源素子支持枠体101に収納されている。つまり、ランプユニット10は合計16個の光源素子12から構成され、一方向における全長は約500mmである。
【0040】
図14、図15に示すように、光源素子支持枠体101は、例えばアルミニウムなどの材料によって構成され、隔壁部102aによって光源素子12と同数の光源素子収容部102sが区画されたハニカム構造体102と、ハニカム構造体102の前端面に例えばネジ止めにより固定された、前記防爆板13と同数の防爆板収容部103sを有する枠状の防爆板固定用壁部103とを備えている。
ハニカム構造体102は、光源素子列11aの各光源素子12を収容する各光源素子収容部102sがX方向に並んで配置される光源素子収容部列102s1と、光源素子列11bの各光源素子12を収容する各光源素子収容部102sがX方向に並んで配置される光源素子収容部列102s2とが、互いに平行にX方向に伸びるようY方向に2列並んで形成されている。光源素子収容部列102s1と、102s2とは、各光源素子収容部102sが光源素子12のX方向の幅の1/2だけX方向にずれて配置されるように、X方向の両端のそれぞれに段差部102wが設けられている。
【0041】
ハニカム構造体102の各光源素子収容部102sの直上の壁面には、図17に示すように、光源素子12における各前記空気取入部材17を配置するために、光源素子12と同数の有底開口部102mが設けられているほか、防爆板固定用壁部103をネジ止めするためのネジ穴102nがX方向に沿って所定の間隔で設けられている。
各光源素子収容部102sは、X方向において隣り合う光源素子12の間を仕切る隔壁部102aが設けられている。隔壁部102aには、各光源素子12からの光を遮ることのないように、各光源素子12を挟んだ両側に対向して配置され、互いに平行にX方向に伸びる天板部102b及び底板部102cが設けられている。天板部102b及び底板部103cの各々には、前記リフレクタ15の外面と前記天板部102b若しくは底板部102cとの間に冷却風を流すための第2及び第3の空気取入口102dと102eが、それぞれ8個ずつX方向に沿って並ぶように設けられている。また、ハニカム構造体102の背面側には、リフレクタベース16を支持する支持部材102pが設けられている。
【0042】
第2の空気取入口102dは、図9に示す光源素子12の断面において、上端縁の中央部102d1と下端縁の中央部102d2とを結ぶ直線T3が、リフレクタ15の光軸Cに交差し、且つ、該直線T3の延長線上に上記リフレクタベース16が位置する。第2の空気取入口102dと同様に、第3の空気取入口102eは、図9に示す光源素子12の断面において、上端縁の中央部102e1と下端縁の中央部102e2とを結ぶ直線T4が、リフレクタ15の光軸Cに交差し、且つ、該直線T4の延長線上に上記リフレクタベース16が位置する。
【0043】
防爆板固定用壁部103は、図15に示すように、例えばアルミニウムなどの材料によって、光源素子が並ぶX方向の両端のそれぞれに段差部103wを有する枠状に一体的に形成される。図15の紙面上方に示すように、光源素子列11aにおける各防爆板13を収容する各防爆板収容部103sが、X方向に並んで設けられることにより、一方の防爆板収容部列103s1が構成されている。同図の紙面下方に示すように、光源素子列11bにおける各防爆板13を収容する各防爆板収容部103sが、X方向に並んで設けられることにより、他方の防爆板収容部列103s2が構成されている。
防爆板収容部103sは、防爆板固定用壁部103の前方壁面103aをZ方向の内外に連通する開口103bからなり、図16に示すように、この開口103bには環状内底部103cが形成される(図15には不図示)。この環状内底部103cに防爆板13の周方向のエッジ部が当接することで、防爆板収容部103sに防爆板13が固定される。
前方壁面103aの開口103bの直上には、上記空気取入部材17を収容するための開口103dが、前方壁面103aをZ方向に連通するとともに、X方向の幅が開口103bよりも小さくなるように、開口103bに連続して形成されている。環状内底部103cには、図16に示すように、その周方向の一部を切り欠くことによって、段差部103eが設けられている。
【0044】
前方壁面103aの開口103dの真上には、空気取入部材17における第1及び第4の空気取入口に連通する第1の空気流入口103fが形成されている。該第1の空気流入口103fは、前方壁面103aをZ方向に連通するとともに、X方向の幅が開口103dよりも小さくなるように、開口103dに連続して形成されている。
空気取入部材17は、次のようにして、光源素子支持枠体101に固定される。図16、に示すように、空気取入部材17の平板部17cを開口103dに挿入し、該平板部17cの端部をハニカム構造体102の有底開口102m(図17参照)に当接させる。このとき、前記図11に示すように、平板部17cがリフレクタ15の切り欠き部15pを塞ぐようにする。さらに、空気取入部材17の鍔部17dを段差部103eに当接させ、鍔部17dの端面が環状内底部103cと同一平面上に位置するようにする。この状態で、空気取入部材17が例えばネジ止めによって段差部103eに固定される。
【0045】
さらに、図15に示すように上記防爆板固定用壁部103は、Y方向において一方の防爆板収容部列103s1と他方の防爆板収容部列103s2との間に位置する壁面103gに、X方向に広がる長穴状の第2の空気流入口103hが設けられている。この第2の空気流入口103hは、X方向に並んで配置される防爆板収容部103sの概ね2つを跨いでいる。
【0046】
上記ハニカム構造体102と上記防爆板固定用壁部103とは、次のようにして連結される。防爆板収容部列103s1及び103s2を、前記光源素子列11a(102S1)及び11b(102S2)に一致するように配置する。且つ、空気取入部材17を収容する開口103dを、ハニカム構造体102の有底開口102mに一致させる。且つ、空気流入口103fを空気取入部材17のやや上方に位置させ、第1の空気流入口103fの下端を空気取入部材17の上端面と略同一平面上に配置する。尚且つ、長穴状の第2の空気流入口103hを、ハニカム構造体102の光源素子収容部列102s1側の底板102cと、光源素子収容部列102s2側の天板部102bとの中間に配置する。上記の状態で、防爆板固定用壁部103をハニカム構造体102に例えばネジ止めによって固定する。
【0047】
図14に示すように、防爆板固定用壁部103の前方には、上記した各光源素子12の個数と同数の環状枠部18sを備える防爆板固定用金具18が設けられている。防爆板固定用金具18は、上記光源素子列11a、11bに対応して、複数の環状枠部18sがX方向に並んで形成される環状枠部列18s1、18s2を有し、一方の環状枠部列18s1と他方の環状枠部列18s2とは、互いに平行にX方向に伸びるとともにY方向に配列されている。各環状枠部18sは、そのX方向及びY方向の大きさが、各防爆板13のX方向及びY方向の大きさよりもやや小さく形成され、各防爆板13が脱落しないようになっている。
かかる防爆板固定用金具18は、各環状枠部18sと防爆板固定用壁部103における各環状内底部103cとの間に各防爆板13を挟持した状態で、防爆板固定用壁部103の前方壁面103aに対して、例えばネジ止めにより固定される。なお、防爆板固定用金具18は、防爆板固定用壁部103の第1及び第2の空気流入口103f及び103hを塞ぐことのないように固定される。
【0048】
上記のランプユニット10においては、以下に説明するようにランプユニット10内に空気が流れ込むことにより、各光源素子12を効率良く冷却することができる。以下、「前方」とは光出射方向を意味し、「後方」はその反対を意味する。
図1に示す排気手段55を駆動することにより、ランプユニットの後方側の空気が排気用ダクト50を介して排気され、図9の矢印で示すような光源素子12の前方から後方に向う空気の流れが発生する。すなわち、防爆板固定用壁部103における第1の空気流入口103fからランプユニット10内に流入した空気は、図9に示すように、各光源素子12の空気取入部材におけるそれぞれの第1の空気取入口17a及び第4の空気取入口17bを通過して各リフレクタ15の内部に流入する。
同図に示すように、第1の空気流入口103fを介して第1の空気取入口17aから流入した空気は、ランプ14の発光部14aにおける光出射側の電極14e(ランプの始動時に陰極動作する電極)の周囲を流れ、リフレクタ15の筒状頸部15cと封止部14bとの間の隙間15eを通過し、リフレクタ15の筒状頸部15cの切り欠き部15d、並びにリフレクタベース16の切り欠き部16c及びメッシュ部16dを通過して、各リフレクタ15の後方側に排出される。これにより、発光部14aにおける光出射側の電極14eの周囲の領域141aが効果的に冷却されるため、該領域141aを介して光出射側の電極14eを効果的に冷却することができる。
【0049】
従って、前記したように、ランプ14の始動時において陰極動作する電極14eの表面に水銀が付着した状態を実現することができ、グロー放電からアーク放電に移行する時間が短縮され、発光部14aが黒化することを抑制することができる。
空気流入口103fを介して第4の空気取入口17bから流入した空気は、光出射側に位置する封止部14cの外端部141cを通過して、上記と同様にリフレクタ15の筒状頸部15cの切り欠き部15d、並びにリフレクタベース16の切り欠き部16c及びメッシュ部16dを通過してリフレクタ15の後方側に排出される。これにより、光出射側の封止部14cが効果的に冷却され、該封止部14cに埋設されたモリブデン箔14gが酸化するといった不具合を解消することができる。
【0050】
一方、ハニカム構造体102に設けられた第2の空気取入口102dからランプユニット10内に流入した空気、及び、ハニカム構造体102における第3の空気取入口102eと、防爆板固定用壁部103に設けられた第2の空気流入口103hとを介してランプユニット10内に流入した空気は、図9に示すようにして、リフレクタ15の外面に沿って流れ、リフレクタベース16を通過してリフレクタ15の後方側に排出される。これにより、リフレクタベース16が効果的に冷却され、リフレクタベース16に挿入されたリフレクタ15の筒状頸部15cを介して、筒状頸部15cに挿入されたランプの封止部14bを間接的に冷却することができる。よって、該封止部14bに埋設されたモリブデン箔14fが酸化することを防止することができる。
【0051】
本発明のランプユニット10は、前記したように、ショートアーク型のランプ14を有する光源素子12の複数をX方向とY方向に並べて配置し、図8に示すように、光源素子列11aにおける各光源素子12の照度分布曲線の頂部と、光源素子列11bにおける各光源素子12の照度分布曲線の頂部とが相補的に配置されるため、光照射領域における照度分布の均一性が高いことを特徴とする。本発明のランプユニットは、光源素子12が上記のように特徴的に配置されたものにおいて、全てのランプ14を一括して冷却することができるものである。
【符号の説明】
【0052】
10 ランプユニット
11a,11b 光源素子列
12 光源素子
12a リード線
13 防爆板
14 ショートアーク型の放電ランプ
14a 発光部
14b、14c 封止部
14d、14e 電極
14f、14g モリブデン箔
14h、14i 外部リード
15 リフレクタ
15a 凹面反射部
15b 中央底部
15c 筒状頸部
15d 切り欠き部
15e 隙間
15f 光出射開口
15m、15n、15o、15p 切り欠き部
16 リフレクタベース
16a 大径筒状部
16b 小径筒状部
16c 切り欠き部
16d メッシュ部材
17 空気取入部材
17a 第1の空気取入口
17b 第4の空気取入口
17c 平板部
17d 鍔部
18 防爆板固定用金具
18s 環状枠部
18s1、18s2 環状枠部列
20 集光部材
25 反射ミラー
30 マスク
31 透光性基板
32 遮光膜
45 偏光素子
40 搬送手段
41 ローラー
50 排気ダクト
55 排気手段
60 ランプハウス
70 ランプユニット電源
81 フィルム基材
85 第1の光配向膜
85A 光配向膜用材料層
86 第2の光配向膜
87 第1の液晶ポリマー層部分
87A 光重合性液晶材料層
88 第2の液晶ポリマー層部分
89 液晶ポリマー層
101 光源素子支持枠体
102 ハニカム構造体
102a 隔壁部
102b 天板部
102c 底板部
102d 第2の空気取入口
102e 第3の空気取入口
102m 有底開口(部)
102n ネジ穴
102p 支持部材
102s 光源素子収容部
102s 光源素子収容部
102s1 光源素子収容部列
102s2 光源素子収容部列
102w 段差部
103 防爆板固定用壁部
103a 前方壁面
103b 開口
103c 環状内底部
103d 開口
103e 段差部
103f 第1の空気流入口
103g 壁面
103h 第2の空気流入口
103s 防爆板収容部
103s1 防爆板収容部列
103s2 防爆板収容部列
103w 段差部
C 光軸
T1 上端縁の中央部171aと下端縁の中央部172aとを結ぶ直線
T2 上端縁の中央部171bと下端縁の中央部172bとを結ぶ直線
T3 上端縁の中央部102d1と下端縁の中央部102d2とを結ぶ直線
T4 上端縁の中央部102e1と下端縁の中央部102e2とを結ぶ直線
W 被照射物(ワーク)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
その内部空間に一対の電極が対向するよう配置されるとともに、0.08mg/mm〜0.30mg/mmの封入量で水銀が封入された発光部、その両端に連設された封止部を有するショートアーク型のランプと、
光出射開口を有し前記ランプの光を反射する凹面反射部、この凹面反射部の中央底部に設けられ、前記封止部が挿入された筒状頸部、及びこの筒状頸部の内外を連通する切り欠き部を備え、その光軸が前記ランプの管軸に一致するように配置されたリフレクタと、
前記筒状頸部を支持するための筒状部、及びこの筒状部の前記筒状頸部の切り欠き部に対応した位置に切り欠き部が設けられたリフレクタベースと、を備える光源素子から構成され、その出射光の光軸が水平で、かつ、互いの光軸が平行になるように該光源素子の複数が、一方向に並んで配置されてなる光源素子列と、
隣り合う各光源素子の間を仕切る隔壁部と、各光源素子からの光を遮ることのないよう各光源素子を挟んだ両側に対向配置される天板部及び底板部とで構成される光源素子収容部を有し、該光源素子収容部の複数が前記一方向に並んで設けられ、各光源素子収容部に各光源素子を収容したハニカム状構造体と、
前記ハニカム状構造体の光出射側に設けられ、前記一方向に並ぶように設けられた各防爆板収容部に各防爆板が収容された防爆板固定用壁部と、を備えたランプユニットであって、
前記光源素子列の複数は、互いに平行に前記一方向に伸びるように、前記一方向に直交する方向に並べて配置されており、一の光源素子列における光源素子と他の光源素子列における光源素子とを前記一方向に対して互いに斜め方向にずらした位置に配置され、
前記リフレクタの光出射開口側には、前記リフレクタの内部に空気を流すための第1の空気取入口を有する空気取入部材が設けられ、前記防爆板固定用壁部には、該第1の空気取入口を介して前記リフレクタの内部に連通する第1の空気流入口が設けられ、
また、前記ハニカム構造体の前記天板部及び前記底板部には、それぞれ前記リフレクタの外面に空気を流すための第2および第3の空気取入口が設けられ、前記防爆板固定用壁部には、該第2及び第3の空気取入口を介して、前記リフレクタの外面に連通する第2の空気流入口と、が設けられている
ことを特徴とするランプユニット。
【請求項2】
前記光源素子を前記リフレクタの光軸を含む平面で切断した断面において、前記第1の空気取入口の上端縁及び下端縁のそれぞれの中央部を結ぶ直線の延長線上に、前記ランプの光出射側に位置する電極が配置される
ことを特徴とするランプユニット。
【請求項3】
前記空気取入部材は、前記第1の空気取入口に加えて、該第1の空気取入口から独立した第4の空気取入口を備え、
前記光源素子を前記リフレクタの光軸を含む平面で切断した断面において、前記第4の空気取入口の上端縁及び下端縁のそれぞれの中央部を結ぶ直線の延長線上に、前記ランプの光出射側に位置する封止部の外端部が配置される
ことを特徴とする請求項2記載のランプユニット。
【請求項4】
前記ランプユニットを前記リフレクタの光軸を含む平面で切断した断面において、前記天板部及び底板部に設けられた第2、第3の空気取入口の上端縁及び下端縁のそれぞれの中央部を結ぶ直線が、前記リフレクタの光軸に対して交差する
ことを特徴とする請求項1,2または請求項3に記載のランプユニット。
【請求項5】
請求項1,2,3または請求項4に記載のランプユニットからなる光出射部を有する光照射装置であって、前記光出射部からの光を線状に集光する、前記一方向に伸びる集光部材を備える
ことを特徴とする光照射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−12434(P2013−12434A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145596(P2011−145596)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000102212)ウシオ電機株式会社 (1,414)
【Fターム(参考)】