説明

光電変換装置およびその製造方法

【課題】回路層に対するIa族元素の拡散を防止しながら光電変換効率を向上する。
【解決手段】回路層20は、基板10の面上に形成されてトランジスター12を含む。光電変換素子14は、第1電極41および第2電極42との間に介在するカルコパイライト型半導体の光電変換層43を含む。供給層34は、回路層20と光電変換層43との間に形成されてIa族元素を含む。光電変換層43に対するIa族元素の拡散で光電変換効率が向上する。保護層32は、供給層34と回路層20との間に形成されて回路層20に対するIa族元素の拡散を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルコパイライト型半導体を利用した光電変換技術に関する。
【背景技術】
【0002】
カルコパイライト型の半導体を利用した光電変換技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、薄膜トランジスターを含む回路層と、カルコパイライト型半導体の光電変換層とを基板上に形成した撮像装置が開示されている。また、Ia族元素を拡散することでカルコパイライト型半導体の光電変換効率が向上することを考慮し、特許文献2では、Ia族元素を含む化合物層を光電変換層(光吸収層)に積層した構造が提案されている。化合物層は、例えばNa3AlF6等のアルカリ化合物で形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−259872号公報
【特許文献2】特開2005−086167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の撮像装置における光電変換効率を向上させるために回路層と光電変換層との間に特許文献2の化合物層を介在させた場合、化合物層に含まれるIa族元素が回路層内に拡散し、薄膜トランジスターの半導体層内で可動イオンとして作用する。したがって、薄膜トランジスターの特性の劣化や誤差が発生する(すなわち信頼性が低下する)という問題がある。以上の事情を考慮して、本発明は、回路層に対するIa族元素の拡散を防止しながら光電変換効率を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の光電変換装置は、半導体素子を含む回路層と、カルコパイライト型半導体で形成された光電変換層と、回路層と光電変換層との間に形成されてIa族元素を含む供給層と、供給層と回路層との間に形成されて回路層に対するIa族元素の拡散を防止する保護層とを具備する。以上の構成では、供給層に含まれるIa族元素が光電変換層に拡散することで光電変換効率が向上する。また、供給層と回路層との間には保護層が介在するから、供給層から回路層に対するIa族元素の拡散は防止される。Ia族元素としてはナトリウム(Na)やカリウム(K)やリチウム(Li)が好適である。
【0006】
本発明の好適な態様において、供給層は酸化珪素(SiOx)で形成され、保護層は窒化珪素(SiNx)で形成され、供給層と保護層とは相互に接触する。酸化珪素と窒化珪素とは密着性が高いから、以上の構成では、供給層が保護層から剥離することを防止できるという利点がある。
【0007】
本発明の光電変換装置の製造方法は、半導体素子を含む回路層を基板上に形成する工程(例えば工程P1)と、回路層に対するIa族元素の拡散を防止する保護層を回路層上に形成する工程(例えば工程P2)と、Ia族元素を含む供給層を保護層上に形成する工程(例えば工程P3および工程P4Aまたは工程P4B)と、カルコパイライト型半導体の光電変換層を供給層上に形成する工程(例えば工程P5)とを含む。以上の方法によれば、本発明の光電変換装置と同様の効果が実現される。
【0008】
本発明に係る製造方法の好適例において、保護層を形成する工程では、保護層を窒化珪素(SiNx)で形成し、供給層を形成する工程では、供給層を酸化珪素(SiOx)で形成する。以上の態様では、供給層の剥離を防止できるという利点がある。
【0009】
本発明に係る製造方法の第1例において、供給層を形成する工程は、保護層上に基礎層を形成する工程(例えば工程P3)と、Ia族元素が付加されたシャワープレートを介して供給される不活性ガスを利用したプラズマ処理で基礎層にIa族元素を拡散させる工程(例えば工程P4A)とを含む。また、本発明に係る製造方法の第2例において、供給層を形成する工程は、保護層上に基礎層を形成する工程(例えば工程P3)と、Ia族元素と不活性ガスとを含む混合ガスを利用したプラズマ処理で基礎層にIa族元素を拡散させる工程(例えば工程P4A)とを含む。第1例および第2例の何れにおいても、プラズマ処理によりIa族元素を基礎層に確実に拡散させることが可能である。また、第2例の製造方法によれば、基礎層に対するIa族元素の拡散濃度を容易かつ正確に制御できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態に係る光電変換装置の平面図である。
【図2】光電変換装置の断面図である。
【図3】光電変換装置の製造工程図である。
【図4】供給層の膜厚とIa族元素の拡散濃度との関係を示すグラフである。
【図5】第2実施形態における供給層の形成工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<A:第1実施形態>
<光電変換装置100の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る光電変換装置100の模式図である。光電変換装置100は、例えば認証処理のために生体の静脈像を撮像する撮像装置(静脈センサー)であり、図1に示すように基板10と複数の単位素子Uとを具備する。基板10は、ガラス基板等の板状部材である。複数の単位素子Uは、基板10の面上に行列状に配列される。
【0012】
1個の単位素子Uについて図1に代表的に図示した通り、各単位素子Uは、定電位線112と検出線114との交差に対応して配置され、トランジスター12とトランジスター132とトランジスター134と光電変換素子14とを含んで構成される。光電変換素子14は、受光量に応じた電荷を発生する。定電位線112と検出線114との間にトランジスター12とトランジスター134とが直列に接続される。トランジスター12のゲート電極は光電変換素子14に接続され、トランジスター132はトランジスター12のゲート電極と定電位線112との間に接続される。
【0013】
トランジスター12のゲート電極の電位は、トランジスター132がオン状態に制御されることで定電位線112の電位に初期化されてから光電変換素子14の受光量に応じた電位に変化する。したがって、トランジスター134がオン状態に制御されると、光電変換素子14の受光量(トランジスター12のゲート電極の電位)に応じた電流値の検出信号が定電位線112からトランジスター12とトランジスター134とを経由して検出線114に出力される。すなわち、単位回路U内の各トランジスター(12,132,134)は、検出信号の入出力の制御(光電変換素子14の駆動)に使用される半導体素子である。なお、単位素子Uの具体的な構成は任意である。
【0014】
図2は、光電変換装置100のうち1個の単位素子Uに対応する部分の断面図である。図2に示すように、光電変換装置100は、回路層20と保護層32と供給層34と受光層40とを基板10の面上に積層した構造である。供給層34は回路層20と受光層40との間に介在し、保護層32は回路層20と供給層34との間に介在する。
【0015】
回路層20は、下地層22と図1のトランジスター12と層間絶縁膜24とを含んで構成される。下地層22は、トランジスター12を形成する下地として機能する薄膜であり、例えば窒化珪素(SiNx)で基板10の表面に形成された第1層221と、例えば酸化珪素(SiOx)で第1層221の表面に形成された第2層223との積層で構成される。なお、下地層22を省略することも可能である。
【0016】
トランジスター12は、半導体層51とゲート絶縁膜52とゲート電極53と第1電極54(ソース電極およびドレイン電極の一方)と第2電極55(ソース電極およびドレイン電極の他方)とを含む薄膜トランジスターである。半導体層51は、ポリシリコン等の半導体材料で下地層22の面上に島状に形成される。ゲート電極53は、ゲート絶縁膜52を挟んで半導体層51のチャネル領域に対向する。層間絶縁膜24は、半導体層51とゲート電極53とを覆うように基板10の全域に形成される。第1電極54および第2電極55の各々は、層間絶縁膜24の面上に形成され、層間絶縁膜24およびゲート絶縁膜52を貫通する導通孔を介して半導体層51に導通する。
【0017】
図2の保護層32は、回路層20(層間絶縁膜24)を覆うように基板10の全域に形成され、供給層34は、保護層32を覆うように基板10の全域に形成される。保護層32と供給層34とは相連続する工程で順次に形成されて相互に接触する。
【0018】
供給層34は、光電変換素子14にIa族元素(アルカリ金属)を供給する要素である。酸化珪素(SiO2)の薄膜にIa族元素を拡散することで形成される。供給層34に拡散されるIa族元素(すなわち光電変換素子14の変換効率を上昇させる物質)としては、ナトリウム(Na)やカリウム(K)やリチウム(Li)が好適である。
【0019】
回路層20と供給層34との間に介在する保護層(パシベーション層)32は、供給層34から回路層20(トランジスター12)に対するIa族元素の拡散を防止する。例えば、Ia族元素の拡散を阻止する機能を備えた窒化珪素(Si34)が保護層32の材料として好適である。
【0020】
図2の受光層40は、図1の光電変換素子14を含む。光電変換素子14は、第1電極41と第2電極42との間に光電変換層43を介在させた受光素子である。第1電極41は、例えばモリブデン(Mo)等の低抵抗な導電材料で形成され、供給層34と保護層32と層間絶縁層24とを貫通する導通孔を介してトランジスター12のゲート電極53に導通する。
【0021】
光電変換層43は、カルコパイライト型半導体で形成された光吸収層であり、受光量に応じた電荷を発生させる。カルコパイライト型半導体としては、例えばCuInSe2(CIS)やCu(In,Ga)Se2(CIGS)等が好適である。第1電極41および光電変換層43が形成された供給層34の表面は絶縁層45で覆われる。第2電極42は、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)等の光透過性の導電材料で形成されて複数の単位素子Uにわたって連続する。第2電極42は、絶縁層45に形成された開口部46を介して光電変換層43に接触する。
【0022】
以上の構成では、供給層34に含まれるIa族元素が受光層40の形成中に光電変換層43に拡散することで光電変換効率が向上する。他方、供給層34と回路層20との間には保護層32が介在するから、供給層34から回路層20に対するIa族元素の拡散は保護層32で阻止される。したがって、半導体層51に対するIa族元素の拡散に起因したトランジスター12の特性の劣化や誤差を有効に防止することが可能である。すなわち、第1実施形態によれば、回路層20に対するIa族元素の拡散の防止と光電変換素子14の光電変換効率の向上とを両立できるという利点がある。
【0023】
<光電変換装置100の製造方法>
図3は、以上に説明した光電変換装置100の製造工程図である。最初の工程P1では、トランジスター12を含む回路層20が基板10の面上に形成される。回路層20の形成には公知の技術が任意に採用される。
【0024】
工程P1の実行後の工程P2では、回路層20を覆う保護層32が窒化珪素(Si34)で形成される。保護層32の形成には公知の成膜技術(例えばスパッタリングや真空蒸着等)が任意に採用され得るが、特にプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)が好適である。回路層20に対するIa族元素の拡散が有効に防止されるように、保護層32は、例えば30nm〜1000nm程度の膜厚に形成される。
【0025】
工程P2の実行後の工程P3および工程P4Aでは供給層34が形成される。工程P3では、保護層32を覆う基礎層36が酸化珪素(SiO2)で形成される。基礎層36(供給層34)は、例えば200nm〜2000nm程度の膜厚に形成される。基礎層36の形成には公知の成膜技術(例えばスパッタリングや真空蒸着等)が任意に採用され得るが、保護層32と同様にプラズマCVDが特に好適である。保護層32および基礎層36は、基板10を加工室(チャンバー)から取出さずに連続的に形成することが可能である。
【0026】
工程P3の実行後の工程P4Aでは、工程P3で形成した基礎層36にIa族元素を拡散させることで供給層34を形成する。基礎層36に対するIa族元素の拡散にはプラズマ処理が好適である。具体的には、図3に示すように、Ia族元素が付着されたシャワープレート70を介して不活性ガス(例えば水素,ヘリウム,アルゴン)を基板10に噴射しながらプラズマを発生させるプラズマ処理で、基礎層36の内部にIa族元素が導入される。
【0027】
工程P4Aの実行後の工程P5では、工程P4Aで形成した供給層34の面上に受光層40が形成される。受光層40の形成には、公知の技術(成膜技術やパターニング技術)が任意に採用される。前述の通り、光電変換層43はカルコパイライト型半導体(CIS,CIGS)で形成される。光電変換層43が形成されると、供給層34内のIa族元素が光電変換層43内に拡散する。他方、回路層20に対するIa族元素の拡散は保護層32で阻止される。
【0028】
図4は、基礎層36(供給層34)の膜厚と工程P4Aで基礎層36に拡散されるIa族元素の濃度(以下「拡散濃度」という)との関係を、工程P4Aのシャワープレート70に対するIa族元素の付着量S(S0〜S3)を変化させた複数の場合(S0<S1<S2<S3)の各々について図示したグラフである。図4の縦軸には、1秒毎のIa族元素の計数値(Counts Per Second)が拡散濃度の指標として図示されている。図4の部分(A)は、ナトリウム(Na)を基礎層36に拡散した場合に対応し、図4の部分(B)は、カリウム(K)を基礎層36に拡散した場合に対応する。シャワープレート70に対するIa族元素の付着量Sが多いほど、基礎層36に対するIa族元素の拡散濃度が高いという傾向が図4から把握される。
【0029】
図4の部分(A)から理解されるように、Ia族元素のうちのナトリウム(Na)を基礎層36に拡散させた場合、基礎層36の膜厚が大きいほど拡散濃度は高くなる。したがって、拡散濃度を高めて光電変換素子14の光電変換効率を充分に向上させるという観点からは、基礎層36を充分に厚く形成することが望ましい。ただし、基礎層36の膜厚を過度に増加させると、基礎層36の膜応力で基板10が変形する可能性がある。また、拡散濃度を過度に上昇させると、保護層32を相当に厚く形成しなければ回路層20に対するIa族元素の拡散を完全には阻止できない可能性がある。
【0030】
以上の事情を考慮すると、前述のように保護層32を30nm〜1000nm程度の膜厚に形成するという条件のもとでは、基礎層36(供給層34)を200nmから2000nm程度の膜厚に形成し、拡散濃度が1×1010〜1×1016cm-2程度(更に好適には1×1012cm-2)となるようにシャワープレート70に対するIa族元素の付着量Sを制御することが望ましい。図4の部分(B)に図示されたカリウムの場合も、保護層32および基礎層36(供給層34)の膜厚やIa族元素の拡散濃度は同様に選定される。
【0031】
ところで、光電変換層43にIa族元素を拡散させるという観点からすると、特許文献2に開示されたNa3AlF6等のアルカリ化合物で供給層34を形成することも可能である。しかし、保護層32を構成する窒化珪素とアルカリ化合物とでは膜応力等の特性が顕著に相違するから、供給層34(基礎層36)が保護層32から剥離する可能性がある。他方、第1実施形態では、窒化珪素で形成された保護層32との密着性(親和性)が高い酸化珪素で供給層34が形成されるから、供給層34の剥離を有効に防止することが可能である。また、潮解性を持つアルカリ化合物は取扱いが困難であるのに対して、酸化珪素は物質的に安定で形成が容易である。したがって、酸化珪素で供給層34を形成する第1実施形態によれば、光電変換装置100の製造工程が簡素化されるという利点もある。
【0032】
<B:第2実施形態>
本発明の第2実施形態を以下に説明する。第2実施形態では、第1実施形態の工程P4Aに代えて図5の工程P4Bが実行される。図5に示すように、工程P4Bでは、不活性のキャリアガス(例えば水素,ヘリウム,アルゴン)とIa族元素との混合ガスを基板10に噴射しながらプラズマを発生させるプラズマ処理により、工程P3で形成された基礎層36に対してIa族元素が拡散される。混合ガスにおけるIa族元素の濃度は、供給層34に対するIa族元素の拡散濃度が、第1実施形態と同様に1×1010〜1×1016cm-2程度(更に好適には1×1012cm-2)となるように選定される。
【0033】
第2実施形態でも第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態では、Ia族元素を含有する混合ガスがプラズマ処理に利用されるから、シャワープレート70にIa族元素を付加する第1実施形態と比較してIa族元素の拡散濃度を容易かつ正確に制御できるという利点がある。
【0034】
<C:変形例>
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を適宜に併合することも可能である。
【0035】
(1)変形例1
保護層32の材料は窒化珪素(SiNx)に限定されない。すなわち、Ia族元素の拡散を防止し得る性質の任意の材料を保護層32の形成に採用することが可能である。同様に、供給層34の材料は酸化珪素(SiOx)に限定されない。例えば、特許文献2に開示されたNa3AlF6等のアルカリ化合物で供給層34を形成することも可能である。ただし、製造工程での取扱いの容易性という前述の観点からすると、供給層34の材料には酸化珪素が好適である。また、保護層32を窒化珪素で形成した場合には、保護層32との密着性という前述の観点からも、供給層34の材料には酸化珪素が格別に好適である。
【0036】
(2)変形例2
光電変換装置100の各層(回路層20,保護層32,供給層34,受光層40)の層間には適宜に他層が介挿される。例えば、保護層32と供給層34との間に他層を介在させることも可能である。ただし、保護層32を窒化珪素で形成するとともに供給層34を酸化珪素で形成する構成では、保護層32と供給層34との密着性という前述の観点から、各形態での例示の通り、保護層32と供給層34とを連続的に形成して相互に接触させた構成が好適である。
【0037】
(3)変形例3
前述の各形態では、トランジスター12のゲート電極53に光電変換素子14(第1電極41)を接続したが、光電変換素子14の接続先は適宜に変更される。例えば、トランジスター12の第1電極54や第2電極55に光電変換素子14を接続した構成も採用され得る。もっとも、回路層20に形成される半導体素子はトランジスター12に限定されない。例えばダイオード等の半導体素子を回路層20に形成した構成にも本発明は適用される。また、前述の各形態では、基板10の表面に形成されたトランジスター12(薄膜トランジスター)を例示したが、半導体基板を基板10として利用した構成では、トランジスター12を基板10に直接に形成することが可能である。
【符号の説明】
【0038】
100……光電変換装置、10……基板、U……単位素子、12……トランジスター、14……光電変換素子、20……回路層、32……保護層、34……供給層、36……基礎層、40……受光層、41……第1電極、42……第2電極、43……光電変換層、70……シャワープレート。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子を含む回路層と、
カルコパイライト型半導体で形成された光電変換層と、
前記回路層と前記光電変換層との間に形成されてIa族元素を含む供給層と、
前記供給層と前記回路層との間に形成されて前記回路層に対する前記Ia族元素の拡散を防止する保護層と
を具備する光電変換装置。
【請求項2】
前記供給層は、酸化珪素で形成され、
前記保護層は、窒化珪素で形成される
請求項1の光電変換装置。
【請求項3】
前記供給層と前記保護層とは相互に接触する
請求項1または請求項2の光電変換装置。
【請求項4】
半導体素子を含む回路層を基板上に形成する工程と、
前記回路層に対するIa族元素の拡散を防止する保護層を前記回路層上に形成する工程と、
Ia族元素を含む供給層を前記保護層上に形成する工程と、
カルコパイライト型半導体の光電変換層を前記供給層上に形成する工程と
を含む光電変換装置の製造方法。
【請求項5】
前記保護層を形成する工程では、前記保護層を窒化珪素で形成し、
前記供給層を形成する工程では、前記供給層を酸化珪素で形成する
請求項4の光電変換装置の製造方法。
【請求項6】
前記供給層を形成する工程は、
前記保護層上に基礎層を形成する工程と、
前記Ia族元素が付加されたシャワープレートを介して供給される不活性ガスを利用したプラズマ処理で前記基礎層に前記Ia族元素を拡散させる工程とを含む
請求項4または請求項5の光電変換装置の製造方法。
【請求項7】
前記供給層を形成する工程は、
前記保護層上に基礎層を形成する工程と、
前記Ia族元素と不活性ガスとを含む混合ガスを利用したプラズマ処理で前記基礎層に前記Ia族元素を拡散させる工程とを含む
請求項4または請求項5の光電変換装置の製造方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−199485(P2012−199485A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63894(P2011−63894)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】