内燃機関のシリンダヘッド
【課題】アッパーデッキを流動する潤滑油の温度上昇を抑制することのできる構造を有する内燃機関のシリンダヘッドを提供する。
【解決手段】アッパーデッキ21には内燃機関の潤滑油が流通するオイル流通面が設けられており、このオイル流通面は、隔壁22aによって吸気側領域のオイル流通面21aと排気側領域のオイル流通面21bとに気筒列方向の一方端部を残して仕切られている。このようなオイル流通面21a,21bは、オイル流通面21bの気筒列方向からオイル流通面21aの気筒列方向にかけた折り返しの下り傾斜面となる態様で設けられており、隔壁22aがない気筒列方向の一方端部がこのような下り傾斜面の折り返し点である中間経由点TPとなっている。そして、オイル流通面の最下流位置に潤滑油を回収する潤滑油回収口23を設けるようにする。
【解決手段】アッパーデッキ21には内燃機関の潤滑油が流通するオイル流通面が設けられており、このオイル流通面は、隔壁22aによって吸気側領域のオイル流通面21aと排気側領域のオイル流通面21bとに気筒列方向の一方端部を残して仕切られている。このようなオイル流通面21a,21bは、オイル流通面21bの気筒列方向からオイル流通面21aの気筒列方向にかけた折り返しの下り傾斜面となる態様で設けられており、隔壁22aがない気筒列方向の一方端部がこのような下り傾斜面の折り返し点である中間経由点TPとなっている。そして、オイル流通面の最下流位置に潤滑油を回収する潤滑油回収口23を設けるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関のシリンダヘッドに関し、特にそのアッパーデッキ上を流動する潤滑油を回収する上で有益なシリンダヘッド構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のシリンダヘッドとしては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。図11に、同文献1に記載のシリンダヘッドについてその縦断面構造の一部を模式的に示す。なお、この文献1に記載のシリンダヘッドは、いわゆるV型エンジンの片側バンクの構造に言及したものであるが、このアッパーデッキ構造の概念をいわゆる直列4気筒エンジンのシリンダヘッドに適用した場合のアッパーデッキの平面構造を図12に模式的に示す。
【0003】
まずは図11に示すように、この内燃機関では、シリンダブロック101の上にシリンダヘッド102が配設され、このシリンダヘッド102の上に筒状のカムジャーナル103が配設されている。そして、このカムジャーナル103の上に蓋状のヘッドカバー104が配設されており、これらカムジャーナル103とヘッドカバー104との間に、吸気弁及び排気弁(共に図示略)の動弁機構である吸気カム軸CSa及び排気カム軸CSbが、互いに平行に軸支されている。なお、シリンダヘッド102の内部には、ウォータージャケットWJの他に、吸気弁によって開閉される吸気ポートや、排気弁によって開閉される排気ポート等が設けられている(共に図示略)。
【0004】
また、シリンダヘッド102の上面、すなわちアッパーデッキ121には、吸気カム軸CSa及び排気カム軸CSbから滴下する潤滑油(エンジンオイル)を受け止めて流通させるオイル流通面121a,121bが設けられている。そして、この内燃機関にあっては、こうしたアッパーデッキ121に、吸気カム軸CSa及び排気カム軸CSbの延設方向に沿う隔壁122が設けられており、該隔壁122の基部に上記オイル流通面121a,121bを連通させる貫通孔122Hが形成されている。なお、排気側領域のオイル流通面121bには、潤滑油を回収する潤滑油回収口123が開口しており、シリンダヘッド102の内部にはこの潤滑油回収口123から鉛直方向下方に向けて潤滑油回収路123Pが形成されている。また、シリンダブロック101の内部には、前記潤滑油回収路123Pと連通しかつシリンダブロック101の鉛直方向下方に設けられているオイルパン(図示略)に至るように潤滑油回収路113Pが形成されている。
【0005】
一方、上記アッパーデッキ121は、その平面構造を図12に示すように、吸気側領域のオイル流通面121aと排気側領域のオイル流通面121bとをほぼ等分するように、上述した隔壁122と共々、プラグ挿入部124が延設されている。また、この例において、排気側領域のオイル流通面121bには、上記潤滑油回収口123が5つ設けられている。これにより、例えば吸気側領域のオイル流通面121aに滴下した潤滑油は、上記貫通孔122Hを介して排気側領域のオイル流通面121bに流動し、その過程で排気側領域のオイル流通面121bに滴下した潤滑油と共にウォータージャケットWJ(図11参照)内の冷却水と熱交換される。そして、このように熱交換された潤滑油は、上記潤滑油回収口123から上記潤滑油回収路123P,113Pを経てオイルパンに回収される。なお、このアッパーデッキ121において、上記各プラグ挿入部124近傍には吸気バルブのロッドを案内する一対の吸気ロッド案内孔125a、並びに排気バルブのロッドを案内する一対の排気ロッド案内孔125bがそれぞれ設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−98169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述のように排気側領域のオイル流通面121bを経てすべての潤滑油が回収される構造では、回収される潤滑油がウォータージャケットWJ内の冷却水との熱交換によって一旦は冷却されるものの、潤滑油回収口123に近づくにつれ、燃焼ガスによって加熱されるようになる。その結果、潤滑油回収口123からオイルパンには加熱された温度の高い潤滑油が回収されることになり、潤滑油としての特性劣化が加速される懸念がある。
【0008】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アッパーデッキを流動する潤滑油の温度上昇を抑制することのできる構造を有する内燃機関のシリンダヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関のシリンダヘッドが、内燃機関の潤滑油が流動するアッパーデッキの排気側領域と吸気側領域とが気筒列方向の一方端部を残して隔壁により仕切られているとともに、該隔壁により仕切られない気筒列方向の一方端部が中間経由点となる態様で、それら排気側領域の気筒列方向から吸気側領域の気筒列方向にかけた折り返しの下り傾斜面が当該アッパーデッキのオイル流通面に設けられており、同アッパーデッキのオイル流通面の最下流位置に前記潤滑油を回収する潤滑油回収口が設けられていることを要旨とする。
【0010】
このようにオイル流通面を構成することにより、燃焼ガスによって加熱されつつアッパーデッキの排気側領域を流通したすべての潤滑油がアッパーデッキの吸気側領域を経て潤滑油回収口に到達するようになる。すなわち、潤滑油回収口に到達する前に潤滑油の冷却(熱交換)を図ることのできる経路を確保することができるようになる。それゆえに、潤滑油回収口に到達した潤滑油の温度を十分に下げることができるようになり、ひいては潤滑油のオイル劣化を抑制することができるようになる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関のシリンダヘッドにおいて、前記アッパーデッキには、前記気筒列方向の前記中間経由点となる一方端部の逆方向に、前記吸気側領域の気筒列方向における下り傾斜面から更に前記排気側領域に下る傾斜面が設けられてなり、前記潤滑油回収口は、この排気側領域に下る傾斜面の最下流位置に設けられていることを要旨とする。
【0012】
このようにオイル流通面をあたかも螺旋を描くように形成することにより、潤滑油が流通する経路長を延伸することができるようになる。すなわち、潤滑油の冷却(熱交換)を図ることのできる経路をより長く確保することができるようになる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関のシリンダヘッドにおいて、前記吸気側領域の気筒列方向における下り傾斜面から更に前記排気側領域に下る傾斜面には、前記排気側領域からの前記潤滑油の短絡的な流れ込みを阻止する障壁が設けられていることを要旨とする。
【0014】
このように障壁を設けることにより、アッパーデッキの排気側領域を流通する潤滑油をもれなく吸気側領域に導くことができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関のシリンダヘッドにおいて、前記中間経由点となる前記気筒列方向の一方端部に至る前記排気側領域の下り傾斜面には、前記潤滑油の排気ポート付近への流入を規制する防御壁が当該傾斜面に沿って設けられていることを要旨とする。
【0015】
このように防御壁を設けることにより、アッパーデッキの排気側領域のうちで最も排気ポートに近い領域での潤滑油の流通を規制することができるようになる。すなわち、アッパーデッキの排気側領域を流通する潤滑油の燃焼ガスによる加熱を抑制することができるようになる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関のシリンダヘッドにおいて、前記アッパーデッキのオイル流通面裏面には、当該機関の冷却水が循環するウォータージャケットが設けられていることを要旨とする。
【0017】
このようにウォータージャケットが設けられていることにより、その中を流通する機関冷却水とアッパーデッキの排気領域及び吸気側領域を流れる潤滑油との好適な熱交換が図られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明にかかる内燃機関のシリンダヘッドの第1の実施の形態について、その平面構造を模式的に示す平面図。
【図2】図1のα1−α1線に沿った断面構造を模式的に示す断面図。
【図3】図1のα2−α2線に沿った断面構造を模式的に示す断面図。
【図4】図1のα3−α3線に沿った断面構造を模式的に示す断面図。
【図5】図1のα4−α4線に沿った断面構造を模式的に示す断面図。
【図6】本発明にかかる内燃機関のシリンダヘッドの第2の実施の形態について、その平面構造を模式的に示す平面図。
【図7】図6のβ1−β1線に沿った断面構造を模式的に示す断面図。
【図8】図6のβ2−β2線に沿った断面構造を模式的に示す断面図。
【図9】図6のβ3−β3線に沿った断面構造を模式的に示す断面図。
【図10】図6のβ4−β4線に沿った断面構造を模式的に示す断面図。
【図11】従来の内燃機関のシリンダヘッドについてその縦断面構造の一部を模式的に示す部分断面図。
【図12】図11のシリンダヘッドのアッパーデッキ構造の概念を直列4気筒エンジンのシリンダヘッドに適用した場合のアッパーデッキの平面構造を模式的に示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明にかかる内燃機関のシリンダヘッドの第1の実施の形態について、図1〜図5を参照して詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本実施の形態の内燃機関のシリンダヘッドの平面構造について説明する。
【0020】
シリンダヘッド2の上面、すなわちアッパーデッキ21には、吸気カム軸及び排気カム軸(共に図示略)から滴下する潤滑油(エンジンオイル)を受け止めて流通させるオイル流通面が設けられている。このオイル流通面には、図1に示すように、排気側領域にあって領域Aから領域Bに至るオイル流通面21bと、吸気側領域にあって領域Cから領域Dに至るオイル流通面21aとが、互いに並列する態様で設けられている。また、アッパーデッキ21には、これらオイル流通面21a,21bをほぼ等分するように仕切る態様で気筒列方向に沿う隔壁22aが設けられており、この隔壁22aの一方端部に、領域Bと領域Cとの間を連通する態様で中間経由点TPが設けられている。なお、同アッパーデッキ21には、このような隔壁22aに連結される態様で、点火プラグが挿入されるプラグ挿入部24が気筒数に応じて(この例では4箇所)設けられている。また、本実施の形態において、アッパーデッキ21の上記中間経由点TPが設けられた位置と逆方向には、障壁22cによって区画されて、領域Dを領域Eまで拡張する拡張面21cが設けられており、この拡張面21cの終端に上記潤滑油をオイルパン(図示略)に回収する潤滑油回収口(オイル落とし穴)23が開口している。
【0021】
一方、オイル流通面21bの図中右側にあたる排気ポート(図示略)寄りには、アッパーデッキ21の気筒列方向に沿う態様で防御壁22bが設けられている。このような防御壁22bにより、アッパーデッキ21の排気側領域の最も排気ポートに近い領域での潤滑油の流通を規制することができるようになる。
【0022】
次に、上述のような平面構造を備える内燃機関のシリンダヘッドの断面構造、特にオイル流通面21a,21bとこれらの中間経由点TP、並びに拡張面21c等の断面構造について説明する。
【0023】
まず、図2を参照して、オイル流通面21bを含む部分の断面構造について説明する。
図2に示すように、シリンダヘッド2の長手方向(気筒列方向)の両端部の間で領域Aから領域Bに向けて下り傾斜面をなす態様でオイル流通面21bが形成されている。また、領域Aとは障壁22cによって区切られるとともに、領域Bよりも鉛直方向下方に、上記領域Eを含む拡張面21cが形成されている。なお、オイル流通面21bの裏面(下側)には、同オイル流通面21bに沿ってウォータージャケットWJが設けられており、さらに該ウォータージャケットWJによって上方及び両側方が覆われる態様で気筒数に応じた数(ここでは4本)の排気ポートEPが設けられている。
【0024】
次に、図3を参照して、隔壁22aの一方端部において中間経由点TPを含んで領域Bから領域Cに連通している部分の断面構造について説明する。
図3に示すように、この部分では、領域Bから領域Cにかけてなだらかな段差をもって、すなわちオイル流通面21bからオイル流通面21aにかけて中間経由点TPを含むなだらかな段差をもってそれらオイル流通面21a,21bが連通されている。なお、中間経由点TPの傾斜面を含め、オイル流通面21a,21bの裏面(下側)にもウォータージャケットWJが設けられている。
【0025】
次に、図4を参照して、オイル流通面21aを含む部分の断面構造について説明する。
図4に示すように、シリンダヘッド2の長手方向の両端部の間で領域Cから領域Dに向けて下り傾斜面をなす態様でオイル流通面21aが形成されている。このオイル流通面21bの裏面(下側)にも、同オイル流通面21bに沿ってウォータージャケットWJが設けられており、さらに該ウォータージャケットWJによって上方及び両側方が覆われる態様で気筒数に応じた数(ここでは4本)の吸気ポートIPが設けられている。
【0026】
そして、図5を参照して、上記領域Dから領域Eに至る拡張面21cを含む部分の断面構造について説明する。
図5に示すように、この拡張面21cにおいても、領域Dから領域Eにかけてなだらかな段差が形成されている。そして、この裏面(下側)にもウォータージャケットWJが設けられており、拡張面21cの終端部、すなわち当該シリンダヘッド2におけるオイル流通面の最下流位置に上述した潤滑油回収口23が開口している。
【0027】
次に、こうした構造を有するシリンダヘッドの作用について説明する。
図1〜図5に示したように、アッパーデッキ21の排気側領域にあるオイル流通面21bの気筒列方向から吸気側領域にあるオイル流通面21aの気筒列方向にかけて中間経由点TPを経由する折り返しの下り傾斜面を設けるとともに、これらオイル流通面21a,21bの最下流位置に潤滑油を回収する潤滑油回収口23を設けた。これにより、オイル流通面21b上に滴下された潤滑油(エンジンオイル)は、まず領域Bに向けて流れ落ち、そのまま中間経由点TPを経てオイル流通面21aの領域Cに流入した後、領域Dに向けて流れ落ちる。そして、領域Dに流れた潤滑油は、上記拡張面21cにおいてそのまま領域Eに至り、同領域Eに開口されている潤滑油回収口23から潤滑油回収路23Pを経てオイルパン(図示略)に回収される。
【0028】
すなわち、アッパーデッキ21に滴下され、その上を流通する潤滑油は、必ず吸気側領域にあるオイル流通面21aを経てオイルパンに回収される。その結果、潤滑油回収口23に到達する前に潤滑油の冷却(熱交換)を図ることのできる経路を確保することができるようになる。すなわち、オイル流通面21bを流通する過程で排気ポートEP内の燃焼ガスによって加熱された潤滑油が、オイル流通面21aを流通する過程で上記機関冷却水との熱交換によって冷却されるようになる。それゆえに、潤滑油回収口23から回収される潤滑油の温度上昇を抑制することができるようになる。しかも、上記オイル流通面21aの下流に拡張面21cをさらに設けたことにより、上記潤滑油の冷却(熱交換)を図ることのできる経路がより長く確保され、熱交換効率も助長される。
【0029】
また併せて、拡張面21cと排気領域側にあるオイル流通面21bとを区画する障壁22cを設けたことにより、該オイル流通面21bに滴下した潤滑油が上記潤滑油の冷却(熱交換)を図ることのできる経路を経ずに短絡的に拡張面21cに流れ込むことが規制される。これにより、排気側領域にあるオイル流通面21bを流通する潤滑油をもれなく吸気側領域にあるオイル流通面21aに導くことができるようになる。
【0030】
さらに、アッパーデッキ21の排気側領域にあるオイル流通面21bに防御壁22bを設けたことにより、該オイル流通面21bのうちで最も排気ポートEPに近い領域での潤滑油の流通を規制することができるようになる。すなわち、アッパーデッキ21のオイル流通面21bを流通する潤滑油の燃焼ガスによる加熱を抑制することができるようになるようになる。
【0031】
なお、内燃機関は排気側が吸気側よりも下になる態様で傾けて車載されることが多い。そのため、オイル流通面21aの領域Dから拡張面21cの領域Eに向かう下り傾斜面の斜度が車載時はさらに急になり、これによっても潤滑油回収口23を介した潤滑油の回収が促進されるようになる。
【0032】
以上説明したように、本実施の形態にかかる内燃機関のシリンダヘッドによれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)アッパーデッキ21の吸気側領域にあるオイル流通面21aを経て潤滑油が回収されるようにした。これにより、潤滑油の冷却(熱交換)を図ることのできる経路を確保することができるようになる。すなわち、ウォータージャケットWJ内の機関冷却水との熱交換を図る経路をより長く確保することができるようになり、ひいては潤滑油回収口23から回収される潤滑油の温度上昇を抑制することができるようになる。
【0033】
(2)拡張面21cを上記オイル流通面21aの下流、すなわち潤滑油の流通経路のうちで最下流位置に設けるようにした。これにより、上記潤滑油の冷却(熱交換)を図ることのできる経路をより長くすることができるようになる。
【0034】
(3)上記拡張面21cの領域Eとアッパーデッキ21の排気側領域にあるオイル流通面21bの領域Aとの間を区画する障壁22cを設けるようにした。これにより、上記オイル流通面21bに滴下した潤滑油の前記拡張面21cへの短絡的な流入が規制されるようになるため、前記オイル流通面21bを流通する潤滑油をもれなく前記オイル流通面21aに導くことができるようになる。
【0035】
(4)上記オイル流通面21bにアッパーデッキ21の気筒列方向に沿う態様で防御壁22bを設けるようにした。これにより、オイル流通面21bのうちで最も排気ポートEPに近い領域での潤滑油の流通が規制されるため、潤滑油の燃焼ガスによる加熱を抑制することができるようになる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明にかかる内燃機関のシリンダヘッドの第2の実施の形態について、図6〜図10を参照して詳細に説明する。なお、第2の実施の形態は、第1の実施の形態と異なり、拡張面21cが割愛されて、アッパーデッキ21の吸気側領域にあるオイル流通面21aの最下流位置に潤滑油回収口23が開口している。その他の基本的な構造は第1の実施の形態と同じであるため、以下ではその変更点について主に説明する。
【0036】
まず、図6を参照して、本実施の形態の内燃機関のシリンダヘッドの平面構造について説明する。
アッパーデッキ21には、図6に示すように、排気側領域にあって領域Fから領域Gに至るオイル流通面21bと、吸気側領域にあって領域Hから領域Iに至るオイル流通面21aとが、アッパーデッキ21の気筒列方向で互いに並列する態様で設けられている。さらに、これらオイル流通面21a,21bを仕切る態様で隔壁22aが設けられており、この隔壁22aの一方端部に、領域Gと領域Hとの間を連通する態様で中間経由点TPが設けられている。また、上記潤滑油回収口(オイル落とし穴)23は、領域Iの隔壁22a寄りの位置に開口している。なおここでも、オイル流通面21bの図中右側にあたる排気ポート(図示略)寄りには、上記気筒列方向に沿う態様で防御壁22bが設けられている。
【0037】
次に、上述のような平面構造を備える内燃機関のシリンダヘッドの断面構造、特にオイル流通面21a,21bとこれらの中間経由点TP等の断面構造について図7〜図10を参照して説明する。
【0038】
まず、図7に示すように、シリンダヘッド2の長手方向(気筒列方向)の両端部の間で領域Fから領域Gに向けて下り傾斜面をなす態様でオイル流通面21bが形成されている。また、図8に示すように、オイル流通面21bの領域Gからオイル流通面21aの領域Hにかけて中間経由点TPを含むなだらかな段差をもってそれらオイル流通面21a,21bが連通されている。また、図9に示すように、シリンダヘッド2の長手方向の両端部の間で領域Hから領域Iに向けて下り傾斜面をなす態様でオイル流通面21aが形成されている。そして、図10に示すように、このオイル流通面21aの終端部である領域I、すなわち当該シリンダヘッド2におけるオイル流通面の最下流位置に上述した潤滑油回収口23が開口している。なお、上記オイル流通面21a,21b並びに中間経由点TPの裏面(下側)にはウォータージャケットWJ等が設けられている。
【0039】
次に、こうした構造を有するシリンダヘッドの作用について説明する。
図6〜図10に示したように、アッパーデッキ21の排気側領域にあるオイル流通面21bの気筒列方向から吸気側領域にあるオイル流通面21aの気筒列方向にかけて中間経由点TPを経由する折り返しの下り斜面を設けるとともに、オイル流通面21aの終端(領域I)に潤滑油回収口23を設けた。これにより、オイル流通面21aに滴下した潤滑油が短絡的に潤滑油回収口23に流れ込むことが隔壁22aによって規制されるため、上記第1の実施の形態と同様に、アッパーデッキ21に滴下され、その上を流通する潤滑油(エンジンオイル)は必ず吸気側領域にあるオイル流通面21aを経てオイルパンに回収される。その結果、本実施の形態においても潤滑油回収口23に到達する前に潤滑油の冷却(熱交換)を図ることのできる経路を確保することができるようになる。しかも、上記第1の実施の形態と同様に防御壁22bが設けられているため、アッパーデッキ21のオイル流通面21bを流通する潤滑油の燃焼ガスによる加熱を抑制することができるようにもなる。
【0040】
そして、このように第1の実施の形態で得られる効果と同じ効果を得ながらも、潤滑油回収口23を吸気側領域にあるオイル流通面21aに設けたことによって第1の実施の形態の拡張面21c、ひいては障壁22cを削除する等、アッパーデッキ21の構造の簡略化を図ることができるようになる。また、潤滑油回収路23Pが吸気側領域に設けられているために、該潤滑油回収路23P内を流れ落ちる潤滑油の燃焼ガスによる加熱を抑制することができるようにもなる。
【0041】
以上説明したように、第2の実施の形態にかかる内燃機関のシリンダヘッドによれば、上記(1)〜(4)の効果に加えて以下のような効果が得られるようになる。
(5)潤滑油回収口23をアッパーデッキ21の吸気側領域にあるオイル流通面21aの終端(領域I)で開口するようにしてアッパーデッキ21の構造を簡略化した。そのため、シリンダヘッド2の製造の容易化を図ることができるようになる。
【0042】
(6)上記オイル流通面21aに潤滑油回収口23が開口するようにしたため、該潤滑油回収口23から延びる潤滑油回収路23Pも吸気側領域に配設される。そのため、潤滑油回収路23P内を流れ落ちる潤滑油の燃焼ガスによる加熱を抑制することができるようにもなる。
(変形例)
なお、上記各実施の形態は、以下のような態様をもって実施することもできる。
【0043】
・上記各実施の形態においては、防御壁22bを設けたが、この配設を割愛するようにしてもよい。また、防御壁22bに代えて、オイル流通面21b側に流入するような傾斜面を設けるようにしてもよい。あるいはオイル流通面21bそのものに、吸気側よりも排気側が鉛直方向上方となる態様の傾斜を付けてもよい。これによっても、オイル流通面21bで隔壁22aに沿って、すなわちオイル流通面21bのうちの排気ポートから遠い領域を潤滑油が流通するようにその流動態様をコントロールすることができる。
【0044】
・上記第1の実施の形態においては、障壁22cを設けず、例えばオイル流通面21bの領域Aの斜度を先端に近づくほど急になるようにしてもよい。このようにしても、拡張面21cへのオイル流通面21bに滴下した潤滑油の短絡的な流入を抑制することができる。
【0045】
・上記各実施の形態においては、作図の便宜上、図2〜図5並びに図7〜図10に示したように、オイル流通面21bの領域B,G、オイル流通面21aの領域C,D,H,I、並びに拡張面21cである領域Eは水平面であるとしたが、これに限らない。例えば、領域B(G)においては、上記一方端部に向けて下る傾斜面でありかつ領域C(H)に向けて下る傾斜面であるねじれた斜面であってもよい。要は、オイル流通面21bからオイル流通面21aを経て潤滑油回収口23に到る態様で潤滑油が流通するようになっていればよい。なお、中間経由点TPの斜度は、排気側が吸気側よりも下になる態様で内燃機関が傾けて車載される場合であっても、領域B(G)から領域C(H)に向けて上り傾斜面とならないように形成されていることが望ましい。
【0046】
・中間経由点TPでは隔壁22aが設けられていないとしたが、これに限らない。例えば隔壁22aの一方端部にて貫通孔が設けられていてもよい。要は、アッパーデッキ21の一方端部でオイル流通面21a,21bが互いに連通していればよい。
【符号の説明】
【0047】
2,102…シリンダヘッド、21,121…アッパーデッキ、21a,21b,121a,121b…オイル流通面、21c…拡張面、22a,122…隔壁、22b…防御壁、22c…障壁、23,123…潤滑油回収口、23P,113P,123P…潤滑油回収路、24,124…プラグ挿入部、125a…吸気ロッド案内孔、125b…排気ロッド案内孔、101…シリンダブロック、103…カムジャーナル、104…ヘッドカバー、122H…貫通孔、A〜I…領域、CSa…吸気カム軸、CSb…排気カム軸、EP…排気ポート、IP…吸気ポート、TP…中間経由点、WJ…ウォータージャケット。
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関のシリンダヘッドに関し、特にそのアッパーデッキ上を流動する潤滑油を回収する上で有益なシリンダヘッド構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のシリンダヘッドとしては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。図11に、同文献1に記載のシリンダヘッドについてその縦断面構造の一部を模式的に示す。なお、この文献1に記載のシリンダヘッドは、いわゆるV型エンジンの片側バンクの構造に言及したものであるが、このアッパーデッキ構造の概念をいわゆる直列4気筒エンジンのシリンダヘッドに適用した場合のアッパーデッキの平面構造を図12に模式的に示す。
【0003】
まずは図11に示すように、この内燃機関では、シリンダブロック101の上にシリンダヘッド102が配設され、このシリンダヘッド102の上に筒状のカムジャーナル103が配設されている。そして、このカムジャーナル103の上に蓋状のヘッドカバー104が配設されており、これらカムジャーナル103とヘッドカバー104との間に、吸気弁及び排気弁(共に図示略)の動弁機構である吸気カム軸CSa及び排気カム軸CSbが、互いに平行に軸支されている。なお、シリンダヘッド102の内部には、ウォータージャケットWJの他に、吸気弁によって開閉される吸気ポートや、排気弁によって開閉される排気ポート等が設けられている(共に図示略)。
【0004】
また、シリンダヘッド102の上面、すなわちアッパーデッキ121には、吸気カム軸CSa及び排気カム軸CSbから滴下する潤滑油(エンジンオイル)を受け止めて流通させるオイル流通面121a,121bが設けられている。そして、この内燃機関にあっては、こうしたアッパーデッキ121に、吸気カム軸CSa及び排気カム軸CSbの延設方向に沿う隔壁122が設けられており、該隔壁122の基部に上記オイル流通面121a,121bを連通させる貫通孔122Hが形成されている。なお、排気側領域のオイル流通面121bには、潤滑油を回収する潤滑油回収口123が開口しており、シリンダヘッド102の内部にはこの潤滑油回収口123から鉛直方向下方に向けて潤滑油回収路123Pが形成されている。また、シリンダブロック101の内部には、前記潤滑油回収路123Pと連通しかつシリンダブロック101の鉛直方向下方に設けられているオイルパン(図示略)に至るように潤滑油回収路113Pが形成されている。
【0005】
一方、上記アッパーデッキ121は、その平面構造を図12に示すように、吸気側領域のオイル流通面121aと排気側領域のオイル流通面121bとをほぼ等分するように、上述した隔壁122と共々、プラグ挿入部124が延設されている。また、この例において、排気側領域のオイル流通面121bには、上記潤滑油回収口123が5つ設けられている。これにより、例えば吸気側領域のオイル流通面121aに滴下した潤滑油は、上記貫通孔122Hを介して排気側領域のオイル流通面121bに流動し、その過程で排気側領域のオイル流通面121bに滴下した潤滑油と共にウォータージャケットWJ(図11参照)内の冷却水と熱交換される。そして、このように熱交換された潤滑油は、上記潤滑油回収口123から上記潤滑油回収路123P,113Pを経てオイルパンに回収される。なお、このアッパーデッキ121において、上記各プラグ挿入部124近傍には吸気バルブのロッドを案内する一対の吸気ロッド案内孔125a、並びに排気バルブのロッドを案内する一対の排気ロッド案内孔125bがそれぞれ設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−98169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述のように排気側領域のオイル流通面121bを経てすべての潤滑油が回収される構造では、回収される潤滑油がウォータージャケットWJ内の冷却水との熱交換によって一旦は冷却されるものの、潤滑油回収口123に近づくにつれ、燃焼ガスによって加熱されるようになる。その結果、潤滑油回収口123からオイルパンには加熱された温度の高い潤滑油が回収されることになり、潤滑油としての特性劣化が加速される懸念がある。
【0008】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アッパーデッキを流動する潤滑油の温度上昇を抑制することのできる構造を有する内燃機関のシリンダヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関のシリンダヘッドが、内燃機関の潤滑油が流動するアッパーデッキの排気側領域と吸気側領域とが気筒列方向の一方端部を残して隔壁により仕切られているとともに、該隔壁により仕切られない気筒列方向の一方端部が中間経由点となる態様で、それら排気側領域の気筒列方向から吸気側領域の気筒列方向にかけた折り返しの下り傾斜面が当該アッパーデッキのオイル流通面に設けられており、同アッパーデッキのオイル流通面の最下流位置に前記潤滑油を回収する潤滑油回収口が設けられていることを要旨とする。
【0010】
このようにオイル流通面を構成することにより、燃焼ガスによって加熱されつつアッパーデッキの排気側領域を流通したすべての潤滑油がアッパーデッキの吸気側領域を経て潤滑油回収口に到達するようになる。すなわち、潤滑油回収口に到達する前に潤滑油の冷却(熱交換)を図ることのできる経路を確保することができるようになる。それゆえに、潤滑油回収口に到達した潤滑油の温度を十分に下げることができるようになり、ひいては潤滑油のオイル劣化を抑制することができるようになる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関のシリンダヘッドにおいて、前記アッパーデッキには、前記気筒列方向の前記中間経由点となる一方端部の逆方向に、前記吸気側領域の気筒列方向における下り傾斜面から更に前記排気側領域に下る傾斜面が設けられてなり、前記潤滑油回収口は、この排気側領域に下る傾斜面の最下流位置に設けられていることを要旨とする。
【0012】
このようにオイル流通面をあたかも螺旋を描くように形成することにより、潤滑油が流通する経路長を延伸することができるようになる。すなわち、潤滑油の冷却(熱交換)を図ることのできる経路をより長く確保することができるようになる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関のシリンダヘッドにおいて、前記吸気側領域の気筒列方向における下り傾斜面から更に前記排気側領域に下る傾斜面には、前記排気側領域からの前記潤滑油の短絡的な流れ込みを阻止する障壁が設けられていることを要旨とする。
【0014】
このように障壁を設けることにより、アッパーデッキの排気側領域を流通する潤滑油をもれなく吸気側領域に導くことができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関のシリンダヘッドにおいて、前記中間経由点となる前記気筒列方向の一方端部に至る前記排気側領域の下り傾斜面には、前記潤滑油の排気ポート付近への流入を規制する防御壁が当該傾斜面に沿って設けられていることを要旨とする。
【0015】
このように防御壁を設けることにより、アッパーデッキの排気側領域のうちで最も排気ポートに近い領域での潤滑油の流通を規制することができるようになる。すなわち、アッパーデッキの排気側領域を流通する潤滑油の燃焼ガスによる加熱を抑制することができるようになる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関のシリンダヘッドにおいて、前記アッパーデッキのオイル流通面裏面には、当該機関の冷却水が循環するウォータージャケットが設けられていることを要旨とする。
【0017】
このようにウォータージャケットが設けられていることにより、その中を流通する機関冷却水とアッパーデッキの排気領域及び吸気側領域を流れる潤滑油との好適な熱交換が図られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明にかかる内燃機関のシリンダヘッドの第1の実施の形態について、その平面構造を模式的に示す平面図。
【図2】図1のα1−α1線に沿った断面構造を模式的に示す断面図。
【図3】図1のα2−α2線に沿った断面構造を模式的に示す断面図。
【図4】図1のα3−α3線に沿った断面構造を模式的に示す断面図。
【図5】図1のα4−α4線に沿った断面構造を模式的に示す断面図。
【図6】本発明にかかる内燃機関のシリンダヘッドの第2の実施の形態について、その平面構造を模式的に示す平面図。
【図7】図6のβ1−β1線に沿った断面構造を模式的に示す断面図。
【図8】図6のβ2−β2線に沿った断面構造を模式的に示す断面図。
【図9】図6のβ3−β3線に沿った断面構造を模式的に示す断面図。
【図10】図6のβ4−β4線に沿った断面構造を模式的に示す断面図。
【図11】従来の内燃機関のシリンダヘッドについてその縦断面構造の一部を模式的に示す部分断面図。
【図12】図11のシリンダヘッドのアッパーデッキ構造の概念を直列4気筒エンジンのシリンダヘッドに適用した場合のアッパーデッキの平面構造を模式的に示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明にかかる内燃機関のシリンダヘッドの第1の実施の形態について、図1〜図5を参照して詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本実施の形態の内燃機関のシリンダヘッドの平面構造について説明する。
【0020】
シリンダヘッド2の上面、すなわちアッパーデッキ21には、吸気カム軸及び排気カム軸(共に図示略)から滴下する潤滑油(エンジンオイル)を受け止めて流通させるオイル流通面が設けられている。このオイル流通面には、図1に示すように、排気側領域にあって領域Aから領域Bに至るオイル流通面21bと、吸気側領域にあって領域Cから領域Dに至るオイル流通面21aとが、互いに並列する態様で設けられている。また、アッパーデッキ21には、これらオイル流通面21a,21bをほぼ等分するように仕切る態様で気筒列方向に沿う隔壁22aが設けられており、この隔壁22aの一方端部に、領域Bと領域Cとの間を連通する態様で中間経由点TPが設けられている。なお、同アッパーデッキ21には、このような隔壁22aに連結される態様で、点火プラグが挿入されるプラグ挿入部24が気筒数に応じて(この例では4箇所)設けられている。また、本実施の形態において、アッパーデッキ21の上記中間経由点TPが設けられた位置と逆方向には、障壁22cによって区画されて、領域Dを領域Eまで拡張する拡張面21cが設けられており、この拡張面21cの終端に上記潤滑油をオイルパン(図示略)に回収する潤滑油回収口(オイル落とし穴)23が開口している。
【0021】
一方、オイル流通面21bの図中右側にあたる排気ポート(図示略)寄りには、アッパーデッキ21の気筒列方向に沿う態様で防御壁22bが設けられている。このような防御壁22bにより、アッパーデッキ21の排気側領域の最も排気ポートに近い領域での潤滑油の流通を規制することができるようになる。
【0022】
次に、上述のような平面構造を備える内燃機関のシリンダヘッドの断面構造、特にオイル流通面21a,21bとこれらの中間経由点TP、並びに拡張面21c等の断面構造について説明する。
【0023】
まず、図2を参照して、オイル流通面21bを含む部分の断面構造について説明する。
図2に示すように、シリンダヘッド2の長手方向(気筒列方向)の両端部の間で領域Aから領域Bに向けて下り傾斜面をなす態様でオイル流通面21bが形成されている。また、領域Aとは障壁22cによって区切られるとともに、領域Bよりも鉛直方向下方に、上記領域Eを含む拡張面21cが形成されている。なお、オイル流通面21bの裏面(下側)には、同オイル流通面21bに沿ってウォータージャケットWJが設けられており、さらに該ウォータージャケットWJによって上方及び両側方が覆われる態様で気筒数に応じた数(ここでは4本)の排気ポートEPが設けられている。
【0024】
次に、図3を参照して、隔壁22aの一方端部において中間経由点TPを含んで領域Bから領域Cに連通している部分の断面構造について説明する。
図3に示すように、この部分では、領域Bから領域Cにかけてなだらかな段差をもって、すなわちオイル流通面21bからオイル流通面21aにかけて中間経由点TPを含むなだらかな段差をもってそれらオイル流通面21a,21bが連通されている。なお、中間経由点TPの傾斜面を含め、オイル流通面21a,21bの裏面(下側)にもウォータージャケットWJが設けられている。
【0025】
次に、図4を参照して、オイル流通面21aを含む部分の断面構造について説明する。
図4に示すように、シリンダヘッド2の長手方向の両端部の間で領域Cから領域Dに向けて下り傾斜面をなす態様でオイル流通面21aが形成されている。このオイル流通面21bの裏面(下側)にも、同オイル流通面21bに沿ってウォータージャケットWJが設けられており、さらに該ウォータージャケットWJによって上方及び両側方が覆われる態様で気筒数に応じた数(ここでは4本)の吸気ポートIPが設けられている。
【0026】
そして、図5を参照して、上記領域Dから領域Eに至る拡張面21cを含む部分の断面構造について説明する。
図5に示すように、この拡張面21cにおいても、領域Dから領域Eにかけてなだらかな段差が形成されている。そして、この裏面(下側)にもウォータージャケットWJが設けられており、拡張面21cの終端部、すなわち当該シリンダヘッド2におけるオイル流通面の最下流位置に上述した潤滑油回収口23が開口している。
【0027】
次に、こうした構造を有するシリンダヘッドの作用について説明する。
図1〜図5に示したように、アッパーデッキ21の排気側領域にあるオイル流通面21bの気筒列方向から吸気側領域にあるオイル流通面21aの気筒列方向にかけて中間経由点TPを経由する折り返しの下り傾斜面を設けるとともに、これらオイル流通面21a,21bの最下流位置に潤滑油を回収する潤滑油回収口23を設けた。これにより、オイル流通面21b上に滴下された潤滑油(エンジンオイル)は、まず領域Bに向けて流れ落ち、そのまま中間経由点TPを経てオイル流通面21aの領域Cに流入した後、領域Dに向けて流れ落ちる。そして、領域Dに流れた潤滑油は、上記拡張面21cにおいてそのまま領域Eに至り、同領域Eに開口されている潤滑油回収口23から潤滑油回収路23Pを経てオイルパン(図示略)に回収される。
【0028】
すなわち、アッパーデッキ21に滴下され、その上を流通する潤滑油は、必ず吸気側領域にあるオイル流通面21aを経てオイルパンに回収される。その結果、潤滑油回収口23に到達する前に潤滑油の冷却(熱交換)を図ることのできる経路を確保することができるようになる。すなわち、オイル流通面21bを流通する過程で排気ポートEP内の燃焼ガスによって加熱された潤滑油が、オイル流通面21aを流通する過程で上記機関冷却水との熱交換によって冷却されるようになる。それゆえに、潤滑油回収口23から回収される潤滑油の温度上昇を抑制することができるようになる。しかも、上記オイル流通面21aの下流に拡張面21cをさらに設けたことにより、上記潤滑油の冷却(熱交換)を図ることのできる経路がより長く確保され、熱交換効率も助長される。
【0029】
また併せて、拡張面21cと排気領域側にあるオイル流通面21bとを区画する障壁22cを設けたことにより、該オイル流通面21bに滴下した潤滑油が上記潤滑油の冷却(熱交換)を図ることのできる経路を経ずに短絡的に拡張面21cに流れ込むことが規制される。これにより、排気側領域にあるオイル流通面21bを流通する潤滑油をもれなく吸気側領域にあるオイル流通面21aに導くことができるようになる。
【0030】
さらに、アッパーデッキ21の排気側領域にあるオイル流通面21bに防御壁22bを設けたことにより、該オイル流通面21bのうちで最も排気ポートEPに近い領域での潤滑油の流通を規制することができるようになる。すなわち、アッパーデッキ21のオイル流通面21bを流通する潤滑油の燃焼ガスによる加熱を抑制することができるようになるようになる。
【0031】
なお、内燃機関は排気側が吸気側よりも下になる態様で傾けて車載されることが多い。そのため、オイル流通面21aの領域Dから拡張面21cの領域Eに向かう下り傾斜面の斜度が車載時はさらに急になり、これによっても潤滑油回収口23を介した潤滑油の回収が促進されるようになる。
【0032】
以上説明したように、本実施の形態にかかる内燃機関のシリンダヘッドによれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)アッパーデッキ21の吸気側領域にあるオイル流通面21aを経て潤滑油が回収されるようにした。これにより、潤滑油の冷却(熱交換)を図ることのできる経路を確保することができるようになる。すなわち、ウォータージャケットWJ内の機関冷却水との熱交換を図る経路をより長く確保することができるようになり、ひいては潤滑油回収口23から回収される潤滑油の温度上昇を抑制することができるようになる。
【0033】
(2)拡張面21cを上記オイル流通面21aの下流、すなわち潤滑油の流通経路のうちで最下流位置に設けるようにした。これにより、上記潤滑油の冷却(熱交換)を図ることのできる経路をより長くすることができるようになる。
【0034】
(3)上記拡張面21cの領域Eとアッパーデッキ21の排気側領域にあるオイル流通面21bの領域Aとの間を区画する障壁22cを設けるようにした。これにより、上記オイル流通面21bに滴下した潤滑油の前記拡張面21cへの短絡的な流入が規制されるようになるため、前記オイル流通面21bを流通する潤滑油をもれなく前記オイル流通面21aに導くことができるようになる。
【0035】
(4)上記オイル流通面21bにアッパーデッキ21の気筒列方向に沿う態様で防御壁22bを設けるようにした。これにより、オイル流通面21bのうちで最も排気ポートEPに近い領域での潤滑油の流通が規制されるため、潤滑油の燃焼ガスによる加熱を抑制することができるようになる。
(第2の実施の形態)
以下、本発明にかかる内燃機関のシリンダヘッドの第2の実施の形態について、図6〜図10を参照して詳細に説明する。なお、第2の実施の形態は、第1の実施の形態と異なり、拡張面21cが割愛されて、アッパーデッキ21の吸気側領域にあるオイル流通面21aの最下流位置に潤滑油回収口23が開口している。その他の基本的な構造は第1の実施の形態と同じであるため、以下ではその変更点について主に説明する。
【0036】
まず、図6を参照して、本実施の形態の内燃機関のシリンダヘッドの平面構造について説明する。
アッパーデッキ21には、図6に示すように、排気側領域にあって領域Fから領域Gに至るオイル流通面21bと、吸気側領域にあって領域Hから領域Iに至るオイル流通面21aとが、アッパーデッキ21の気筒列方向で互いに並列する態様で設けられている。さらに、これらオイル流通面21a,21bを仕切る態様で隔壁22aが設けられており、この隔壁22aの一方端部に、領域Gと領域Hとの間を連通する態様で中間経由点TPが設けられている。また、上記潤滑油回収口(オイル落とし穴)23は、領域Iの隔壁22a寄りの位置に開口している。なおここでも、オイル流通面21bの図中右側にあたる排気ポート(図示略)寄りには、上記気筒列方向に沿う態様で防御壁22bが設けられている。
【0037】
次に、上述のような平面構造を備える内燃機関のシリンダヘッドの断面構造、特にオイル流通面21a,21bとこれらの中間経由点TP等の断面構造について図7〜図10を参照して説明する。
【0038】
まず、図7に示すように、シリンダヘッド2の長手方向(気筒列方向)の両端部の間で領域Fから領域Gに向けて下り傾斜面をなす態様でオイル流通面21bが形成されている。また、図8に示すように、オイル流通面21bの領域Gからオイル流通面21aの領域Hにかけて中間経由点TPを含むなだらかな段差をもってそれらオイル流通面21a,21bが連通されている。また、図9に示すように、シリンダヘッド2の長手方向の両端部の間で領域Hから領域Iに向けて下り傾斜面をなす態様でオイル流通面21aが形成されている。そして、図10に示すように、このオイル流通面21aの終端部である領域I、すなわち当該シリンダヘッド2におけるオイル流通面の最下流位置に上述した潤滑油回収口23が開口している。なお、上記オイル流通面21a,21b並びに中間経由点TPの裏面(下側)にはウォータージャケットWJ等が設けられている。
【0039】
次に、こうした構造を有するシリンダヘッドの作用について説明する。
図6〜図10に示したように、アッパーデッキ21の排気側領域にあるオイル流通面21bの気筒列方向から吸気側領域にあるオイル流通面21aの気筒列方向にかけて中間経由点TPを経由する折り返しの下り斜面を設けるとともに、オイル流通面21aの終端(領域I)に潤滑油回収口23を設けた。これにより、オイル流通面21aに滴下した潤滑油が短絡的に潤滑油回収口23に流れ込むことが隔壁22aによって規制されるため、上記第1の実施の形態と同様に、アッパーデッキ21に滴下され、その上を流通する潤滑油(エンジンオイル)は必ず吸気側領域にあるオイル流通面21aを経てオイルパンに回収される。その結果、本実施の形態においても潤滑油回収口23に到達する前に潤滑油の冷却(熱交換)を図ることのできる経路を確保することができるようになる。しかも、上記第1の実施の形態と同様に防御壁22bが設けられているため、アッパーデッキ21のオイル流通面21bを流通する潤滑油の燃焼ガスによる加熱を抑制することができるようにもなる。
【0040】
そして、このように第1の実施の形態で得られる効果と同じ効果を得ながらも、潤滑油回収口23を吸気側領域にあるオイル流通面21aに設けたことによって第1の実施の形態の拡張面21c、ひいては障壁22cを削除する等、アッパーデッキ21の構造の簡略化を図ることができるようになる。また、潤滑油回収路23Pが吸気側領域に設けられているために、該潤滑油回収路23P内を流れ落ちる潤滑油の燃焼ガスによる加熱を抑制することができるようにもなる。
【0041】
以上説明したように、第2の実施の形態にかかる内燃機関のシリンダヘッドによれば、上記(1)〜(4)の効果に加えて以下のような効果が得られるようになる。
(5)潤滑油回収口23をアッパーデッキ21の吸気側領域にあるオイル流通面21aの終端(領域I)で開口するようにしてアッパーデッキ21の構造を簡略化した。そのため、シリンダヘッド2の製造の容易化を図ることができるようになる。
【0042】
(6)上記オイル流通面21aに潤滑油回収口23が開口するようにしたため、該潤滑油回収口23から延びる潤滑油回収路23Pも吸気側領域に配設される。そのため、潤滑油回収路23P内を流れ落ちる潤滑油の燃焼ガスによる加熱を抑制することができるようにもなる。
(変形例)
なお、上記各実施の形態は、以下のような態様をもって実施することもできる。
【0043】
・上記各実施の形態においては、防御壁22bを設けたが、この配設を割愛するようにしてもよい。また、防御壁22bに代えて、オイル流通面21b側に流入するような傾斜面を設けるようにしてもよい。あるいはオイル流通面21bそのものに、吸気側よりも排気側が鉛直方向上方となる態様の傾斜を付けてもよい。これによっても、オイル流通面21bで隔壁22aに沿って、すなわちオイル流通面21bのうちの排気ポートから遠い領域を潤滑油が流通するようにその流動態様をコントロールすることができる。
【0044】
・上記第1の実施の形態においては、障壁22cを設けず、例えばオイル流通面21bの領域Aの斜度を先端に近づくほど急になるようにしてもよい。このようにしても、拡張面21cへのオイル流通面21bに滴下した潤滑油の短絡的な流入を抑制することができる。
【0045】
・上記各実施の形態においては、作図の便宜上、図2〜図5並びに図7〜図10に示したように、オイル流通面21bの領域B,G、オイル流通面21aの領域C,D,H,I、並びに拡張面21cである領域Eは水平面であるとしたが、これに限らない。例えば、領域B(G)においては、上記一方端部に向けて下る傾斜面でありかつ領域C(H)に向けて下る傾斜面であるねじれた斜面であってもよい。要は、オイル流通面21bからオイル流通面21aを経て潤滑油回収口23に到る態様で潤滑油が流通するようになっていればよい。なお、中間経由点TPの斜度は、排気側が吸気側よりも下になる態様で内燃機関が傾けて車載される場合であっても、領域B(G)から領域C(H)に向けて上り傾斜面とならないように形成されていることが望ましい。
【0046】
・中間経由点TPでは隔壁22aが設けられていないとしたが、これに限らない。例えば隔壁22aの一方端部にて貫通孔が設けられていてもよい。要は、アッパーデッキ21の一方端部でオイル流通面21a,21bが互いに連通していればよい。
【符号の説明】
【0047】
2,102…シリンダヘッド、21,121…アッパーデッキ、21a,21b,121a,121b…オイル流通面、21c…拡張面、22a,122…隔壁、22b…防御壁、22c…障壁、23,123…潤滑油回収口、23P,113P,123P…潤滑油回収路、24,124…プラグ挿入部、125a…吸気ロッド案内孔、125b…排気ロッド案内孔、101…シリンダブロック、103…カムジャーナル、104…ヘッドカバー、122H…貫通孔、A〜I…領域、CSa…吸気カム軸、CSb…排気カム軸、EP…排気ポート、IP…吸気ポート、TP…中間経由点、WJ…ウォータージャケット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の潤滑油が流動するアッパーデッキの排気側領域と吸気側領域とが気筒列方向の一方端部を残して隔壁により仕切られてなるとともに、該隔壁により仕切られない気筒列方向の一方端部が中間経由点となる態様で、それら排気側領域の気筒列方向から吸気側領域の気筒列方向にかけた折り返しの下り傾斜面が当該アッパーデッキのオイル流通面に設けられてなり、同アッパーデッキのオイル流通面の最下流位置に前記潤滑油を回収する潤滑油回収口が設けられてなる内燃機関のシリンダヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載の内燃機関のシリンダヘッドにおいて、
前記アッパーデッキには、前記気筒列方向の前記中間経由点となる一方端部の逆方向に、前記吸気側領域の気筒列方向における下り傾斜面から更に前記排気側領域に下る傾斜面が設けられてなり、前記潤滑油回収口は、この排気側領域に下る傾斜面の最下流位置に設けられてなる
ことを特徴とする内燃機関のシリンダヘッド。
【請求項3】
前記吸気側領域の気筒列方向における下り傾斜面から更に前記排気側領域に下る傾斜面には、前記排気側領域からの前記潤滑油の短絡的な流れ込みを阻止する障壁が設けられてなる
請求項2に記載の内燃機関のシリンダヘッド。
【請求項4】
前記中間経由点となる前記気筒列方向の一方端部に至る前記排気側領域の下り傾斜面には、前記潤滑油の排気ポート付近への流入を規制する防御壁が当該傾斜面に沿って設けられてなる
請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関のシリンダヘッド。
【請求項5】
前記アッパーデッキのオイル流通面裏面には、当該機関の冷却水が循環するウォータージャケットが設けられてなる
請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関のシリンダヘッド。
【請求項1】
内燃機関の潤滑油が流動するアッパーデッキの排気側領域と吸気側領域とが気筒列方向の一方端部を残して隔壁により仕切られてなるとともに、該隔壁により仕切られない気筒列方向の一方端部が中間経由点となる態様で、それら排気側領域の気筒列方向から吸気側領域の気筒列方向にかけた折り返しの下り傾斜面が当該アッパーデッキのオイル流通面に設けられてなり、同アッパーデッキのオイル流通面の最下流位置に前記潤滑油を回収する潤滑油回収口が設けられてなる内燃機関のシリンダヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載の内燃機関のシリンダヘッドにおいて、
前記アッパーデッキには、前記気筒列方向の前記中間経由点となる一方端部の逆方向に、前記吸気側領域の気筒列方向における下り傾斜面から更に前記排気側領域に下る傾斜面が設けられてなり、前記潤滑油回収口は、この排気側領域に下る傾斜面の最下流位置に設けられてなる
ことを特徴とする内燃機関のシリンダヘッド。
【請求項3】
前記吸気側領域の気筒列方向における下り傾斜面から更に前記排気側領域に下る傾斜面には、前記排気側領域からの前記潤滑油の短絡的な流れ込みを阻止する障壁が設けられてなる
請求項2に記載の内燃機関のシリンダヘッド。
【請求項4】
前記中間経由点となる前記気筒列方向の一方端部に至る前記排気側領域の下り傾斜面には、前記潤滑油の排気ポート付近への流入を規制する防御壁が当該傾斜面に沿って設けられてなる
請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関のシリンダヘッド。
【請求項5】
前記アッパーデッキのオイル流通面裏面には、当該機関の冷却水が循環するウォータージャケットが設けられてなる
請求項1〜4のいずれか一項に記載の内燃機関のシリンダヘッド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−19273(P2013−19273A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150771(P2011−150771)
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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