内視鏡対物レンズ系
【課題】接合レンズを使用せず、諸収差を良好に補正し、長いバックフォーカスを確保し、良好なテレセントリック性を有して高画素数の撮影素子に対応することができる内視鏡対物レンズ系を得る。
【解決手段】物体側から順に、負の前群レンズ、絞り、及び正の後群レンズからなり、前群レンズは、1枚または複数枚の非接合レンズからなり、最も物体側のレンズは負のパワーを有し、後群レンズは、1枚の負レンズを含む複数枚の非接合レンズからなり、次の条件式(1)ないし(3)を満足する内視鏡対物レンズ系。(1)−1.45<f1/f<−0.6(2)0.7<|fF/fR|<1.35(3)−2.3<f(-)/f<−1.5但し、f1;前群レンズの最も物体側の負レンズの焦点距離、f;全系の焦点距離、fF;前群レンズの焦点距離(fF<0)、fR;後群レンズの焦点距離(fR>0)、f(-);後群レンズ中の負レンズの焦点距離。
【解決手段】物体側から順に、負の前群レンズ、絞り、及び正の後群レンズからなり、前群レンズは、1枚または複数枚の非接合レンズからなり、最も物体側のレンズは負のパワーを有し、後群レンズは、1枚の負レンズを含む複数枚の非接合レンズからなり、次の条件式(1)ないし(3)を満足する内視鏡対物レンズ系。(1)−1.45<f1/f<−0.6(2)0.7<|fF/fR|<1.35(3)−2.3<f(-)/f<−1.5但し、f1;前群レンズの最も物体側の負レンズの焦点距離、f;全系の焦点距離、fF;前群レンズの焦点距離(fF<0)、fR;後群レンズの焦点距離(fR>0)、f(-);後群レンズ中の負レンズの焦点距離。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡対物レンズ系に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡対物レンズ系では、従来、諸収差の補正のため、接合レンズが多く用いられている。しかし、内視鏡対物のように微小なレンズ同士を精度良く芯出し、接合することが必要な接合レンズは、コストが掛かる。また、内視鏡の滅菌方法として高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)が用いられることがあり、このオートクレーブでは、内視鏡内部に浸透した水蒸気と滅菌のための高温によって、接合レンズの接合面が剥離されたり、接着剤が変質されたりして、画像の劣化などの問題を生じさせる。
【0003】
そのため、例えば、以下のように、接合レンズを用いない内視鏡対物レンズ系が提案されている。特開平5−341185号公報には2枚の単レンズからなる内視鏡用対物光学系が提案されており、特開平5−107470号公報には3枚の単レンズからなる内視鏡対物レンズが提案されている。しかし、これらは倍率色収差、軸上色収差、及び像面湾曲の補正が不十分であり、テレセントリック性(テレセン性)が悪い。
特開平8−334688号公報には、4枚の単レンズで構成され、長いバックフォーカスを確保している内視鏡用対物レンズが提案されている。しかし、負レンズは第1レンズしか配置されていないため、倍率色収差が補正不足となり、テレセン性も悪い。特開2002−228926号公報には、4枚のレンズで構成され、前群と後群に負レンズがそれぞれ1枚配置される内視鏡対物レンズ系が提案されている。しかし、前群の負レンズのパワーが弱く、バックフォーカスが短い。また後群の負レンズのパワーが弱いため、倍率色収差の補正も不十分である。
特開昭62−173415号公報に提案される内視鏡対物レンズは、後群中の負レンズのパワーが小さいため、倍率色収差の補正が不十分である。特開平10−20189号公報には、3枚もしくは4枚の単レンズで構成される内視鏡対物レンズが提案されている。しかし、この内視鏡対物レンズは、後群が1枚または2枚のレンズ構成であるため、倍率色収差が大きく、テレセン性も悪い。また、後群を3枚または4枚の単レンズから構成することも提案されているが、後群中の負レンズのパワーが強いため、テレセン性が悪く、また、レンズ枠とレンズの隙間によって生じる組み立て時の偏芯によって、収差性能の変化(偏芯感度)が大きくなる。特開2004−117607号公報に提案される内視鏡対物レンズ系は、前群の負のパワーが後群のパワーに比べて強いため、テレセン性が悪く、後群中の負レンズの曲率半径が小さいため、高次の収差が発生する。さらに、非球面を用いているので加工のコストがかかる。
【0004】
また、内視鏡以外であって、接合レンズを用いない対物レンズとしては、例えば、デジタルカメラやビデオカメラ用があり、特開2002−303789号公報、特開2001−100091号公報、特開2002−277734号公報等が提案されている。しかし、これらは、第1レンズ(前群レンズ)の負のパワーが弱いため、視野角が内視鏡対物レンズ系に比べて狭い。
【特許文献1】特開平5−341185号公報
【特許文献2】特開平5−107470号公報
【特許文献3】特開平8−334688号公報
【特許文献4】特開2002−228926号公報
【特許文献5】特開昭62−173415号公報
【特許文献6】特開平10−20189号公報
【特許文献7】特開2004−117607号公報
【特許文献8】特開2002−303789号公報
【特許文献9】特開2001−100091号公報
【特許文献10】特開2002−277734号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子内視鏡の対物レンズでは、撮像素子の高画素化が進んでいるため、ファイバースコープ用の対物レンズよりも倍率色収差等の収差を良好に補正する必要がある。また、フィルタ類やカバーガラスを配置するため、長いバックフォーカスを確保する必要がある。そして、撮像素子周辺部のシェーディングを防ぐため、テレセントリック性を良くする必要がある。
【0006】
本発明は従って、内視鏡対物レンズ系において、接合レンズを使用せず、視野角が140°程度の広角であって、非球面を用いなくても諸収差を良好に補正し、長いバックフォーカスを確保し、良好なテレセントリック性を有して高画素数の撮影素子に対応することができる内視鏡対物レンズ系を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の内視鏡対物レンズ系は、物体側から順に、負の前群レンズ、絞り、及び正の後群レンズからなり、前群レンズは、1枚または複数枚の非接合レンズからなっていて、最も物体側のレンズは負レンズからなり、後群レンズは、1枚の負レンズを含む複数枚の非接合レンズからなり、次の条件式(1)ないし(3)を満足することを特徴としている。
(1)−1.45<f1/f<−0.6
(2)0.7<|fF/fR|<1.35
(3)−2.3<f(-)/f<−1.5
但し、
f1;前群レンズの最も物体側の負レンズの焦点距離、
f;全系の焦点距離、
fF;前群レンズの焦点距離(fF<0)、
fR;後群レンズの焦点距離(fR>0)、
f(-);後群レンズ中の負レンズの焦点距離、
である。
【0008】
本発明の内視鏡対物レンズ系の後群レンズ中の負レンズは、次の条件式(4)を満足することが好ましい。
(4)1.8<n(-)
但し、
n(-);後群レンズ中の負レンズの屈折率、
である。
【0009】
本発明の内視鏡対物レンズ系の後群レンズは、より具体的には、2枚の正レンズと1枚の負レンズからなることが好ましい。
【0010】
後群レンズを構成するこの2枚の正レンズと1枚の負レンズは、さらに具体的には、物体側から順に、正レンズ、負レンズ、及び正レンズから構成するとよい。そして負レンズは、次の条件式(5)を満足することがより好ましい。
(5)1.95<|R(-)|/f<3
但し、
R(-);後群レンズ中の負レンズの曲率半径が小さい方の面の曲率半径、
である。
【0011】
本発明の内視鏡対物レンズ系の前群レンズは、物体側から順に、負レンズと正レンズから構成することができる。該正レンズは像面側が平面であることが好ましく、さらに次の条件式(6)を満足すると好適である。
(6)1.6<f2/f<7
但し、
f2;前群レンズ中の正レンズの焦点距離、
である。
【0012】
前群レンズは、他の態様としては、物体側から順に、負レンズと平行平面板から構成し、あるいは1枚の負レンズから構成することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、構成レンズ中に接合レンズを有さず、視野角が140°程度の広角であって、諸収差を良好に補正し、長いバックフォーカスを確保し、良好なテレセントリック性を有して高画素数の撮影素子に対応することができる内視鏡対物レンズ系を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本実施形態の内視鏡対物レンズ系は、図1、図3、図5、図7、図9、図11図13及び図15の各実施例のレンズ構成図に示すように、物体側から順に、負の前群レンズ10、絞りS、及び正の後群レンズ20からなっている。前群レンズ10は、図1、図3、図5、図7及び図9の実施例では、物体側から順に、負レンズ11と正レンズ12からなり、図11及び図13の実施例では、物体側から順に、負レンズ11と平行平面板12とからなり、図15の実施例では、1枚の負レンズ11からなっている。後群レンズ20は、物体側から順に、正レンズ21、負レンズ22、及び両凸正レンズ23からなっている。後群レンズ20の像側には、固体撮像素子の撮像面の前方に位置するフィルタ類(平行平面板)30が位置している。
【0015】
条件式(1)は、前群レンズの最も物体側の負レンズの焦点距離を規定する条件である。条件式(1)の上限を超えると、負のパワーが強くなり過ぎ、像面湾曲が過剰補正になる。また、負のパワーが強くなり過ぎるとそれに対応して正レンズのパワーが強くなるため、正レンズで発生するコマ収差や非点収差が大きくなる。条件式(1)の下限を超えると、負レンズのパワーが弱く、十分に広い画角が得られない。さらに、収差が大きくなる。
【0016】
条件式(2)は、全長の増大を抑えつつ良好なテレセン性を確保し、良好な収差補正を行うための前群レンズと後群レンズのパワーの比に関する条件である。条件式(2)の上限を超えると、前群レンズの負のパワーが小さいため、バックフォーカスが短くなる。また、後群レンズへの入射角が大きく、軸外光線の後群レンズでの光線高さが高くなり、コマ収差や非点収差が大きくなる。条件式(2)の下限を超えると、前群レンズの負のパワーが大きくなり、後群レンズへの軸外光線の入射角が小さくなるため、全長の増大を抑えつつテレセントリック性(テレセン性)を良好にすることができない。また、前群レンズ中の負レンズの曲率半径が小さくなり、コマ収差が大きくなる。さらに、後群レンズの光線高さが低くなるため、収差補正のための後群レンズ中の負レンズの曲率半径も小さくなり、高次の非点収差が発生する。
【0017】
条件式(3)は、後群レンズ中の負レンズの焦点距離に関する条件である。条件式(3)の上限を超えると、後群レンズ中の負レンズのパワーが強くなるため、後群レンズ中の他の正レンズのパワーが強くなり、それらの正レンズにおけるコマ収差や非点収差が大きくなる。また、レンズ枠とレンズの隙間によって生じる組み立て時の偏芯によって、収差性能の変化(偏芯感度)が大きくなる。条件式(3)の下限を超えると、倍率色収差や像面湾曲の補正が不足する。
【0018】
条件式(4)は、後群レンズ中の負レンズの屈折率に関する条件式である。条件式(4)の下限を超えると、屈折率が小さくなるため、曲率半径が小さくなる。そのため、偏芯による収差性能の変化が大きくなる。また、高次のコマ収差や非点収差が大きくなる。
【0019】
必要最低限のレンズ枚数で諸収差の補正を行い、かつテレセン性を良くするために、後群レンズは、正レンズ2枚と負レンズ1枚で構成するのが好ましい。さらに、後群レンズ中の負レンズによって収差補正を効果的に行うために、この正レンズ2枚と負レンズ1枚は、物体側から順に、正負正の順に配置するのが好ましい。
後群レンズ中の負レンズが最も物体側にある場合(物体側から順に、負正正)には、この負レンズの近くに絞りが配置されているため、負レンズの光軸近くを軸外光線が通ることになる。そうすると、軸外光線に対する収差補正が不足する。後群レンズ中の負レンズが最も像面側にある場合(物体側から順に、正正負)には、テレセン性を良くするために、負レンズ第2面(像面側の面)の負のパワーを強くすることができず、第1面(物体側の面)の負のパワーが強くなる。そのため、高次の収差が発生し、また、収差性能の変化(偏芯感度)が大きくなる。
【0020】
条件式(5)は、後群レンズを物体側から順に、正負正の順に構成し、真ん中の負レンズの曲率半径が小さい方の面の曲率半径に関する条件である。条件式(5)の上限を超えると、後群レンズ中の負レンズでの像面湾曲や倍率色収差の補正が不足する。条件式(5)の下限を超えると、曲率半径が小さくなり、高次のコマ収差や非点収差が発生し、収差性能の変化(偏芯感度)が大きくなる。
【0021】
前群レンズは、物体側から順に、負レンズと正レンズから構成すると、歪曲収差や倍率色収差を、より良好に補正することができる。このとき、この正レンズの像面側を平面とすることによって、正レンズと絞りの間のスペーサ等を省略することができ、光学性能のバラツキの低減及びコストダウンに有利となる。
この前群レンズ中の正レンズは、条件式(6)を満足することがよい。条件式(6)の上限を超えると、歪曲収差や倍率色収差の補正効果が小さくなる。条件式(6)の下限を超えると、正レンズのパワーが強くなり過ぎ、コマ収差の発生が大きくなる。
【0022】
次に具体的な実施例を示す。諸収差図及び表中、SAは球面収差、SCは正弦条件、球面収差で表される色収差(軸上色収差)図及び倍率色収差図中のd線、g線、C線はそれぞれの波長に対する収差、Sはサジタル、Mはメリディオナル、FEは実効Fナンバー、fは全系の焦点距離、Wは半画角(°)、fBはバックフォーカス、mは横倍率、rは曲率半径、dはレンズ厚またはレンズ間隔、Nd はd線の屈折率、νはアッベ数を示す。
【実施例1】
【0023】
図1及び図2と表1は本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例1を示している。図1はレンズ構成図、図2はその諸収差図、表1はその数値データである。負の前群レンズ10は、物体側から順に、負レンズ11と正レンズ12からなり、正の後群レンズ20は、物体側から順に、正レンズ21、両凹負レンズ22、及び両凸正レンズ23からなっている。絞りSは、第4面(前群レンズ10)の極から後方0.027にある。
(表1)
FE = 1: 5.7
f = 1.20
m = -0.115
W = 70.0
fB = 0.05
面NO. r d Nd ν
1 ∞ 0.417 1.88300 40.8
2 0.769 0.218 - -
3 2.564 0.925 1.92286 18.9
4 ∞ 0.054 - -
5 -3.192 0.689 1.77250 49.6
6 -0.981 0.535 - -
7 -9.790 0.272 1.92286 18.9
8 2.866 0.049 - -
9 3.886 0.980 1.80400 46.6
10 -1.956 1.233 - -
11 ∞ 0.500 1.51633 64.1
12 ∞ 0.300 - -
13 ∞ 0.300 1.53113 62.4
14 ∞ - - -
【実施例2】
【0024】
図3及び図4と表2は本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例2を示している。図3はレンズ構成図、図4はその諸収差図、表2はその数値データである。基本的なレンズ構成は実施例1と同様である。絞りSは、第4面(前群レンズ10)の極から後方0.000にある。
(表2)
FE = 1: 8.0
f = 1.20
m = -0.116
W = 70.1
fB = 0.05
面NO. r d Nd ν
1 ∞ 0.402 1.88300 40.8
2 0.748 0.180 - -
3 2.265 0.640 1.92286 18.9
4 ∞ 0.063 - -
5 -3.107 0.745 1.77250 49.6
6 -0.856 0.300 - -
7 -8.485 0.250 1.92286 18.9
8 2.631 0.073 - -
9 4.662 1.060 1.77250 49.6
10 -1.862 1.123 - -
11 ∞ 0.500 1.51633 64.1
12 ∞ 0.300 - -
13 ∞ 0.300 1.53113 62.4
14 ∞ - - -
【実施例3】
【0025】
図5及び図6と表3は本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例3を示している。図5はレンズ構成図、図6はその諸収差図、表3はその数値データである。基本的なレンズ構成は実施例1と同様である。絞りSは、第4面(前群レンズ10)の極から後方0.000にある。
(表3)
FE = 1: 8.2
f = 1.20
m = -0.116
W = 70.9
fB = 0.05
面NO. r d Nd ν
1 ∞ 0.394 1.88300 40.8
2 0.932 0.190 - -
3 2.677 0.730 1.92286 18.9
4 ∞ 0.050 - -
5 -1.614 0.716 1.77250 49.6
6 -0.880 0.220 - -
7 -8.207 0.240 1.92286 18.9
8 3.290 0.040 - -
9 4.507 0.930 1.72916 54.7
10 -1.624 0.500 - -
11 ∞ 1.000 1.51633 64.1
12 ∞ 0.842 - -
13 ∞ 0.300 1.53113 62.4
14 ∞ - - -
【実施例4】
【0026】
図7及び図8と表4は本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例4を示している。図7はレンズ構成図、図8はその諸収差図、表4はその数値データである。基本的なレンズ構成は実施例1と同様である。絞りSは、第4面(前群レンズ10)の極から後方0.000にある。
(表4)
FE = 1: 8.2
f = 1.20
m = -0.116
W = 70.1
fB = 0.05
面NO. r d Nd ν
1 ∞ 0.400 1.88300 40.8
2 0.785 0.180 - -
3 5.869 0.780 1.92286 18.9
4 ∞ 0.130 - -
5 -5.301 0.575 1.77250 49.6
6 -0.900 0.350 - -
7 -8.918 0.245 1.92286 18.9
8 2.464 0.090 - -
9 4.138 0.805 1.77250 49.6
10 -1.850 1.441 - -
11 ∞ 0.500 1.51633 64.1
12 ∞ 0.300 - -
13 ∞ 0.300 1.53113 62.4
14 ∞ - - -
【実施例5】
【0027】
図9及び図10と表5は本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例5を示している。図9はレンズ構成図、図10はその諸収差図、表5はその数値データである。基本的なレンズ構成は実施例1と同様である。絞りSは、第4面(前群レンズ10)の極から後方0.000にある。
(表5)
FE = 1: 8.0
f = 1.20
m = -0.116
W = 70.0
fB = 0.05
面NO. r d Nd ν
1 ∞ 0.400 1.88300 40.8
2 0.686 0.180 - -
3 1.674 0.715 1.84666 23.8
4 ∞ 0.060 - -
5 -2.036 0.700 1.69680 55.5
6 -0.831 0.200 - -
7 -7.679 0.255 1.84666 23.8
8 2.347 0.045 - -
9 2.955 0.900 1.60300 65.5
10 -1.371 1.197 - -
11 ∞ 0.700 1.51633 64.1
12 ∞ 0.500 - -
13 ∞ 0.300 1.53113 62.4
14 ∞ - - -
【実施例6】
【0028】
図11及び図12と表6は本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例6を示している。図11はレンズ構成図、図12はその諸収差図、表6はその数値データである。前群レンズ10は、物体側から順に、負レンズ11と平行平面板12からなる。その他の基本的なレンズ構成は実施例1と同様である。絞りSは、第4面(前群レンズ10)の極から後方0.000にある。
(表6)
FE = 1: 8.2
f = 1.20
m = -0.115
W = 69.9
fB = 0.05
面NO. r d Nd ν
1 ∞ 0.505 1.88300 40.8
2 1.442 0.110 - -
3 ∞ 0.580 1.92286 18.9
4 ∞ 0.055 - -
5 -2.956 0.880 1.77250 49.6
6 -0.883 0.157 - -
7 -5.947 0.235 1.92286 18.9
8 2.516 0.054 - -
9 3.359 0.753 1.72916 54.7
10 -1.565 1.179 - -
11 ∞ 0.500 1.51633 64.1
12 ∞ 0.300 - -
13 ∞ 0.300 1.53113 62.4
14 ∞ - - -
【実施例7】
【0029】
図13及び図14と表7は本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例7を示している。図13はレンズ構成図、図14はその諸収差図、表7はその数値データである。基本的なレンズ構成は、実施例6と同様である。絞りSは、第4面(前群レンズ10)の極から後方0.000にある。
(表7)
FE = 1: 5.8
f = 1.20
m = -0.115
W = 70.3
fB = 0.05
面NO. r d Nd ν
1 ∞ 0.540 1.88300 40.8
2 1.360 0.125 - -
3 ∞ 0.625 1.84666 23.8
4 ∞ 0.055 - -
5 -2.795 0.870 1.80400 46.6
6 -0.922 0.235 - -
7 -7.467 0.250 1.92286 18.9
8 2.629 0.035 - -
9 3.193 0.800 1.72916 54.7
10 -1.716 0.844 - -
11 ∞ 0.700 1.51633 64.1
12 ∞ 0.500 - -
13 ∞ 0.300 1.53113 62.4
14 ∞ - - -
【実施例8】
【0030】
図15及び図16と表8は本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例8を示している。図15はレンズ構成図、図16はその諸収差図、表8はその数値データである。前群レンズ10は、1枚の負レンズ11からなる。その他の基本的なレンズ構成は、実施例1と同様である。絞りSは、第2面(前群レンズ10)の極から後方0.160にある。
(表8)
FE = 1: 6.9
f = 1.20
m = -0.116
W = 69.8
fB = 0.05
面NO. r d Nd ν
1 ∞ 0.600 1.74100 52.7
2 1.121 0.220 - -
3 -1.790 0.820 1.72916 54.7
4 -0.732 0.220 - -
5 -7.876 0.230 1.92286 18.9
6 2.541 0.046 - -
7 3.384 0.765 1.72916 54.7
8 -1.537 0.260 - -
9 ∞ 0.600 1.51633 64.1
10 ∞ 0.952 - -
11 ∞ 0.360 1.53113 62.4
12 ∞ - - -
【0031】
各実施例の各条件式に対する値を表9に示す。
(表9)
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4
条件式(1) -0.726 -0.706 -0.880 -0.740
条件式(2) 0.912 1.012 1.296 0.757
条件式(3) -1.982 -1.795 -2.100 -1.724
条件式(4) 1.923 1.923 1.923 1.923
条件式(5) 2.389 2.194 2.742 2.051
条件式(6) 2.316 2.047 2.417 5.294
実施例5 実施例6 実施例7 実施例8
条件式(1) -0.649 -1.363 -1.281 -1.262
条件式(2) 1.022 1.264 1.166 1.286
条件式(3) -1.753 -1.577 -1.732 -1.719
条件式(4) 1.847 1.923 1.923 1.923
条件式(5) 1.961 2.100 2.187 2.120
条件式(6) 1.652 − − −
【0032】
表9から明らかなように、実施例1ないし5は条件式(1)〜(6)を満足し、実施例6ないし8は条件式(1)〜(5)を満足しており、また諸収差図から明らかなように諸収差も比較的よく補正されている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例1のレンズ構成図である。
【図2】図1の構成における諸収差図である。
【図3】本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例2のレンズ構成図である。
【図4】図3の構成における諸収差図である。
【図5】本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例3のレンズ構成図である。
【図6】図5の構成における諸収差図である。
【図7】本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例4のレンズ構成図である。
【図8】図7の構成における諸収差図である。
【図9】本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例5のレンズ構成図である。
【図10】図9の構成における諸収差図である。
【図11】本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例6のレンズ構成図である。
【図12】図11の構成における諸収差図である。
【図13】本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例7のレンズ構成図である。
【図14】図13の構成における諸収差図である。
【図15】本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例8のレンズ構成図である。
【図16】図15の構成における諸収差図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡対物レンズ系に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡対物レンズ系では、従来、諸収差の補正のため、接合レンズが多く用いられている。しかし、内視鏡対物のように微小なレンズ同士を精度良く芯出し、接合することが必要な接合レンズは、コストが掛かる。また、内視鏡の滅菌方法として高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)が用いられることがあり、このオートクレーブでは、内視鏡内部に浸透した水蒸気と滅菌のための高温によって、接合レンズの接合面が剥離されたり、接着剤が変質されたりして、画像の劣化などの問題を生じさせる。
【0003】
そのため、例えば、以下のように、接合レンズを用いない内視鏡対物レンズ系が提案されている。特開平5−341185号公報には2枚の単レンズからなる内視鏡用対物光学系が提案されており、特開平5−107470号公報には3枚の単レンズからなる内視鏡対物レンズが提案されている。しかし、これらは倍率色収差、軸上色収差、及び像面湾曲の補正が不十分であり、テレセントリック性(テレセン性)が悪い。
特開平8−334688号公報には、4枚の単レンズで構成され、長いバックフォーカスを確保している内視鏡用対物レンズが提案されている。しかし、負レンズは第1レンズしか配置されていないため、倍率色収差が補正不足となり、テレセン性も悪い。特開2002−228926号公報には、4枚のレンズで構成され、前群と後群に負レンズがそれぞれ1枚配置される内視鏡対物レンズ系が提案されている。しかし、前群の負レンズのパワーが弱く、バックフォーカスが短い。また後群の負レンズのパワーが弱いため、倍率色収差の補正も不十分である。
特開昭62−173415号公報に提案される内視鏡対物レンズは、後群中の負レンズのパワーが小さいため、倍率色収差の補正が不十分である。特開平10−20189号公報には、3枚もしくは4枚の単レンズで構成される内視鏡対物レンズが提案されている。しかし、この内視鏡対物レンズは、後群が1枚または2枚のレンズ構成であるため、倍率色収差が大きく、テレセン性も悪い。また、後群を3枚または4枚の単レンズから構成することも提案されているが、後群中の負レンズのパワーが強いため、テレセン性が悪く、また、レンズ枠とレンズの隙間によって生じる組み立て時の偏芯によって、収差性能の変化(偏芯感度)が大きくなる。特開2004−117607号公報に提案される内視鏡対物レンズ系は、前群の負のパワーが後群のパワーに比べて強いため、テレセン性が悪く、後群中の負レンズの曲率半径が小さいため、高次の収差が発生する。さらに、非球面を用いているので加工のコストがかかる。
【0004】
また、内視鏡以外であって、接合レンズを用いない対物レンズとしては、例えば、デジタルカメラやビデオカメラ用があり、特開2002−303789号公報、特開2001−100091号公報、特開2002−277734号公報等が提案されている。しかし、これらは、第1レンズ(前群レンズ)の負のパワーが弱いため、視野角が内視鏡対物レンズ系に比べて狭い。
【特許文献1】特開平5−341185号公報
【特許文献2】特開平5−107470号公報
【特許文献3】特開平8−334688号公報
【特許文献4】特開2002−228926号公報
【特許文献5】特開昭62−173415号公報
【特許文献6】特開平10−20189号公報
【特許文献7】特開2004−117607号公報
【特許文献8】特開2002−303789号公報
【特許文献9】特開2001−100091号公報
【特許文献10】特開2002−277734号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子内視鏡の対物レンズでは、撮像素子の高画素化が進んでいるため、ファイバースコープ用の対物レンズよりも倍率色収差等の収差を良好に補正する必要がある。また、フィルタ類やカバーガラスを配置するため、長いバックフォーカスを確保する必要がある。そして、撮像素子周辺部のシェーディングを防ぐため、テレセントリック性を良くする必要がある。
【0006】
本発明は従って、内視鏡対物レンズ系において、接合レンズを使用せず、視野角が140°程度の広角であって、非球面を用いなくても諸収差を良好に補正し、長いバックフォーカスを確保し、良好なテレセントリック性を有して高画素数の撮影素子に対応することができる内視鏡対物レンズ系を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の内視鏡対物レンズ系は、物体側から順に、負の前群レンズ、絞り、及び正の後群レンズからなり、前群レンズは、1枚または複数枚の非接合レンズからなっていて、最も物体側のレンズは負レンズからなり、後群レンズは、1枚の負レンズを含む複数枚の非接合レンズからなり、次の条件式(1)ないし(3)を満足することを特徴としている。
(1)−1.45<f1/f<−0.6
(2)0.7<|fF/fR|<1.35
(3)−2.3<f(-)/f<−1.5
但し、
f1;前群レンズの最も物体側の負レンズの焦点距離、
f;全系の焦点距離、
fF;前群レンズの焦点距離(fF<0)、
fR;後群レンズの焦点距離(fR>0)、
f(-);後群レンズ中の負レンズの焦点距離、
である。
【0008】
本発明の内視鏡対物レンズ系の後群レンズ中の負レンズは、次の条件式(4)を満足することが好ましい。
(4)1.8<n(-)
但し、
n(-);後群レンズ中の負レンズの屈折率、
である。
【0009】
本発明の内視鏡対物レンズ系の後群レンズは、より具体的には、2枚の正レンズと1枚の負レンズからなることが好ましい。
【0010】
後群レンズを構成するこの2枚の正レンズと1枚の負レンズは、さらに具体的には、物体側から順に、正レンズ、負レンズ、及び正レンズから構成するとよい。そして負レンズは、次の条件式(5)を満足することがより好ましい。
(5)1.95<|R(-)|/f<3
但し、
R(-);後群レンズ中の負レンズの曲率半径が小さい方の面の曲率半径、
である。
【0011】
本発明の内視鏡対物レンズ系の前群レンズは、物体側から順に、負レンズと正レンズから構成することができる。該正レンズは像面側が平面であることが好ましく、さらに次の条件式(6)を満足すると好適である。
(6)1.6<f2/f<7
但し、
f2;前群レンズ中の正レンズの焦点距離、
である。
【0012】
前群レンズは、他の態様としては、物体側から順に、負レンズと平行平面板から構成し、あるいは1枚の負レンズから構成することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、構成レンズ中に接合レンズを有さず、視野角が140°程度の広角であって、諸収差を良好に補正し、長いバックフォーカスを確保し、良好なテレセントリック性を有して高画素数の撮影素子に対応することができる内視鏡対物レンズ系を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本実施形態の内視鏡対物レンズ系は、図1、図3、図5、図7、図9、図11図13及び図15の各実施例のレンズ構成図に示すように、物体側から順に、負の前群レンズ10、絞りS、及び正の後群レンズ20からなっている。前群レンズ10は、図1、図3、図5、図7及び図9の実施例では、物体側から順に、負レンズ11と正レンズ12からなり、図11及び図13の実施例では、物体側から順に、負レンズ11と平行平面板12とからなり、図15の実施例では、1枚の負レンズ11からなっている。後群レンズ20は、物体側から順に、正レンズ21、負レンズ22、及び両凸正レンズ23からなっている。後群レンズ20の像側には、固体撮像素子の撮像面の前方に位置するフィルタ類(平行平面板)30が位置している。
【0015】
条件式(1)は、前群レンズの最も物体側の負レンズの焦点距離を規定する条件である。条件式(1)の上限を超えると、負のパワーが強くなり過ぎ、像面湾曲が過剰補正になる。また、負のパワーが強くなり過ぎるとそれに対応して正レンズのパワーが強くなるため、正レンズで発生するコマ収差や非点収差が大きくなる。条件式(1)の下限を超えると、負レンズのパワーが弱く、十分に広い画角が得られない。さらに、収差が大きくなる。
【0016】
条件式(2)は、全長の増大を抑えつつ良好なテレセン性を確保し、良好な収差補正を行うための前群レンズと後群レンズのパワーの比に関する条件である。条件式(2)の上限を超えると、前群レンズの負のパワーが小さいため、バックフォーカスが短くなる。また、後群レンズへの入射角が大きく、軸外光線の後群レンズでの光線高さが高くなり、コマ収差や非点収差が大きくなる。条件式(2)の下限を超えると、前群レンズの負のパワーが大きくなり、後群レンズへの軸外光線の入射角が小さくなるため、全長の増大を抑えつつテレセントリック性(テレセン性)を良好にすることができない。また、前群レンズ中の負レンズの曲率半径が小さくなり、コマ収差が大きくなる。さらに、後群レンズの光線高さが低くなるため、収差補正のための後群レンズ中の負レンズの曲率半径も小さくなり、高次の非点収差が発生する。
【0017】
条件式(3)は、後群レンズ中の負レンズの焦点距離に関する条件である。条件式(3)の上限を超えると、後群レンズ中の負レンズのパワーが強くなるため、後群レンズ中の他の正レンズのパワーが強くなり、それらの正レンズにおけるコマ収差や非点収差が大きくなる。また、レンズ枠とレンズの隙間によって生じる組み立て時の偏芯によって、収差性能の変化(偏芯感度)が大きくなる。条件式(3)の下限を超えると、倍率色収差や像面湾曲の補正が不足する。
【0018】
条件式(4)は、後群レンズ中の負レンズの屈折率に関する条件式である。条件式(4)の下限を超えると、屈折率が小さくなるため、曲率半径が小さくなる。そのため、偏芯による収差性能の変化が大きくなる。また、高次のコマ収差や非点収差が大きくなる。
【0019】
必要最低限のレンズ枚数で諸収差の補正を行い、かつテレセン性を良くするために、後群レンズは、正レンズ2枚と負レンズ1枚で構成するのが好ましい。さらに、後群レンズ中の負レンズによって収差補正を効果的に行うために、この正レンズ2枚と負レンズ1枚は、物体側から順に、正負正の順に配置するのが好ましい。
後群レンズ中の負レンズが最も物体側にある場合(物体側から順に、負正正)には、この負レンズの近くに絞りが配置されているため、負レンズの光軸近くを軸外光線が通ることになる。そうすると、軸外光線に対する収差補正が不足する。後群レンズ中の負レンズが最も像面側にある場合(物体側から順に、正正負)には、テレセン性を良くするために、負レンズ第2面(像面側の面)の負のパワーを強くすることができず、第1面(物体側の面)の負のパワーが強くなる。そのため、高次の収差が発生し、また、収差性能の変化(偏芯感度)が大きくなる。
【0020】
条件式(5)は、後群レンズを物体側から順に、正負正の順に構成し、真ん中の負レンズの曲率半径が小さい方の面の曲率半径に関する条件である。条件式(5)の上限を超えると、後群レンズ中の負レンズでの像面湾曲や倍率色収差の補正が不足する。条件式(5)の下限を超えると、曲率半径が小さくなり、高次のコマ収差や非点収差が発生し、収差性能の変化(偏芯感度)が大きくなる。
【0021】
前群レンズは、物体側から順に、負レンズと正レンズから構成すると、歪曲収差や倍率色収差を、より良好に補正することができる。このとき、この正レンズの像面側を平面とすることによって、正レンズと絞りの間のスペーサ等を省略することができ、光学性能のバラツキの低減及びコストダウンに有利となる。
この前群レンズ中の正レンズは、条件式(6)を満足することがよい。条件式(6)の上限を超えると、歪曲収差や倍率色収差の補正効果が小さくなる。条件式(6)の下限を超えると、正レンズのパワーが強くなり過ぎ、コマ収差の発生が大きくなる。
【0022】
次に具体的な実施例を示す。諸収差図及び表中、SAは球面収差、SCは正弦条件、球面収差で表される色収差(軸上色収差)図及び倍率色収差図中のd線、g線、C線はそれぞれの波長に対する収差、Sはサジタル、Mはメリディオナル、FEは実効Fナンバー、fは全系の焦点距離、Wは半画角(°)、fBはバックフォーカス、mは横倍率、rは曲率半径、dはレンズ厚またはレンズ間隔、Nd はd線の屈折率、νはアッベ数を示す。
【実施例1】
【0023】
図1及び図2と表1は本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例1を示している。図1はレンズ構成図、図2はその諸収差図、表1はその数値データである。負の前群レンズ10は、物体側から順に、負レンズ11と正レンズ12からなり、正の後群レンズ20は、物体側から順に、正レンズ21、両凹負レンズ22、及び両凸正レンズ23からなっている。絞りSは、第4面(前群レンズ10)の極から後方0.027にある。
(表1)
FE = 1: 5.7
f = 1.20
m = -0.115
W = 70.0
fB = 0.05
面NO. r d Nd ν
1 ∞ 0.417 1.88300 40.8
2 0.769 0.218 - -
3 2.564 0.925 1.92286 18.9
4 ∞ 0.054 - -
5 -3.192 0.689 1.77250 49.6
6 -0.981 0.535 - -
7 -9.790 0.272 1.92286 18.9
8 2.866 0.049 - -
9 3.886 0.980 1.80400 46.6
10 -1.956 1.233 - -
11 ∞ 0.500 1.51633 64.1
12 ∞ 0.300 - -
13 ∞ 0.300 1.53113 62.4
14 ∞ - - -
【実施例2】
【0024】
図3及び図4と表2は本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例2を示している。図3はレンズ構成図、図4はその諸収差図、表2はその数値データである。基本的なレンズ構成は実施例1と同様である。絞りSは、第4面(前群レンズ10)の極から後方0.000にある。
(表2)
FE = 1: 8.0
f = 1.20
m = -0.116
W = 70.1
fB = 0.05
面NO. r d Nd ν
1 ∞ 0.402 1.88300 40.8
2 0.748 0.180 - -
3 2.265 0.640 1.92286 18.9
4 ∞ 0.063 - -
5 -3.107 0.745 1.77250 49.6
6 -0.856 0.300 - -
7 -8.485 0.250 1.92286 18.9
8 2.631 0.073 - -
9 4.662 1.060 1.77250 49.6
10 -1.862 1.123 - -
11 ∞ 0.500 1.51633 64.1
12 ∞ 0.300 - -
13 ∞ 0.300 1.53113 62.4
14 ∞ - - -
【実施例3】
【0025】
図5及び図6と表3は本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例3を示している。図5はレンズ構成図、図6はその諸収差図、表3はその数値データである。基本的なレンズ構成は実施例1と同様である。絞りSは、第4面(前群レンズ10)の極から後方0.000にある。
(表3)
FE = 1: 8.2
f = 1.20
m = -0.116
W = 70.9
fB = 0.05
面NO. r d Nd ν
1 ∞ 0.394 1.88300 40.8
2 0.932 0.190 - -
3 2.677 0.730 1.92286 18.9
4 ∞ 0.050 - -
5 -1.614 0.716 1.77250 49.6
6 -0.880 0.220 - -
7 -8.207 0.240 1.92286 18.9
8 3.290 0.040 - -
9 4.507 0.930 1.72916 54.7
10 -1.624 0.500 - -
11 ∞ 1.000 1.51633 64.1
12 ∞ 0.842 - -
13 ∞ 0.300 1.53113 62.4
14 ∞ - - -
【実施例4】
【0026】
図7及び図8と表4は本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例4を示している。図7はレンズ構成図、図8はその諸収差図、表4はその数値データである。基本的なレンズ構成は実施例1と同様である。絞りSは、第4面(前群レンズ10)の極から後方0.000にある。
(表4)
FE = 1: 8.2
f = 1.20
m = -0.116
W = 70.1
fB = 0.05
面NO. r d Nd ν
1 ∞ 0.400 1.88300 40.8
2 0.785 0.180 - -
3 5.869 0.780 1.92286 18.9
4 ∞ 0.130 - -
5 -5.301 0.575 1.77250 49.6
6 -0.900 0.350 - -
7 -8.918 0.245 1.92286 18.9
8 2.464 0.090 - -
9 4.138 0.805 1.77250 49.6
10 -1.850 1.441 - -
11 ∞ 0.500 1.51633 64.1
12 ∞ 0.300 - -
13 ∞ 0.300 1.53113 62.4
14 ∞ - - -
【実施例5】
【0027】
図9及び図10と表5は本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例5を示している。図9はレンズ構成図、図10はその諸収差図、表5はその数値データである。基本的なレンズ構成は実施例1と同様である。絞りSは、第4面(前群レンズ10)の極から後方0.000にある。
(表5)
FE = 1: 8.0
f = 1.20
m = -0.116
W = 70.0
fB = 0.05
面NO. r d Nd ν
1 ∞ 0.400 1.88300 40.8
2 0.686 0.180 - -
3 1.674 0.715 1.84666 23.8
4 ∞ 0.060 - -
5 -2.036 0.700 1.69680 55.5
6 -0.831 0.200 - -
7 -7.679 0.255 1.84666 23.8
8 2.347 0.045 - -
9 2.955 0.900 1.60300 65.5
10 -1.371 1.197 - -
11 ∞ 0.700 1.51633 64.1
12 ∞ 0.500 - -
13 ∞ 0.300 1.53113 62.4
14 ∞ - - -
【実施例6】
【0028】
図11及び図12と表6は本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例6を示している。図11はレンズ構成図、図12はその諸収差図、表6はその数値データである。前群レンズ10は、物体側から順に、負レンズ11と平行平面板12からなる。その他の基本的なレンズ構成は実施例1と同様である。絞りSは、第4面(前群レンズ10)の極から後方0.000にある。
(表6)
FE = 1: 8.2
f = 1.20
m = -0.115
W = 69.9
fB = 0.05
面NO. r d Nd ν
1 ∞ 0.505 1.88300 40.8
2 1.442 0.110 - -
3 ∞ 0.580 1.92286 18.9
4 ∞ 0.055 - -
5 -2.956 0.880 1.77250 49.6
6 -0.883 0.157 - -
7 -5.947 0.235 1.92286 18.9
8 2.516 0.054 - -
9 3.359 0.753 1.72916 54.7
10 -1.565 1.179 - -
11 ∞ 0.500 1.51633 64.1
12 ∞ 0.300 - -
13 ∞ 0.300 1.53113 62.4
14 ∞ - - -
【実施例7】
【0029】
図13及び図14と表7は本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例7を示している。図13はレンズ構成図、図14はその諸収差図、表7はその数値データである。基本的なレンズ構成は、実施例6と同様である。絞りSは、第4面(前群レンズ10)の極から後方0.000にある。
(表7)
FE = 1: 5.8
f = 1.20
m = -0.115
W = 70.3
fB = 0.05
面NO. r d Nd ν
1 ∞ 0.540 1.88300 40.8
2 1.360 0.125 - -
3 ∞ 0.625 1.84666 23.8
4 ∞ 0.055 - -
5 -2.795 0.870 1.80400 46.6
6 -0.922 0.235 - -
7 -7.467 0.250 1.92286 18.9
8 2.629 0.035 - -
9 3.193 0.800 1.72916 54.7
10 -1.716 0.844 - -
11 ∞ 0.700 1.51633 64.1
12 ∞ 0.500 - -
13 ∞ 0.300 1.53113 62.4
14 ∞ - - -
【実施例8】
【0030】
図15及び図16と表8は本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例8を示している。図15はレンズ構成図、図16はその諸収差図、表8はその数値データである。前群レンズ10は、1枚の負レンズ11からなる。その他の基本的なレンズ構成は、実施例1と同様である。絞りSは、第2面(前群レンズ10)の極から後方0.160にある。
(表8)
FE = 1: 6.9
f = 1.20
m = -0.116
W = 69.8
fB = 0.05
面NO. r d Nd ν
1 ∞ 0.600 1.74100 52.7
2 1.121 0.220 - -
3 -1.790 0.820 1.72916 54.7
4 -0.732 0.220 - -
5 -7.876 0.230 1.92286 18.9
6 2.541 0.046 - -
7 3.384 0.765 1.72916 54.7
8 -1.537 0.260 - -
9 ∞ 0.600 1.51633 64.1
10 ∞ 0.952 - -
11 ∞ 0.360 1.53113 62.4
12 ∞ - - -
【0031】
各実施例の各条件式に対する値を表9に示す。
(表9)
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4
条件式(1) -0.726 -0.706 -0.880 -0.740
条件式(2) 0.912 1.012 1.296 0.757
条件式(3) -1.982 -1.795 -2.100 -1.724
条件式(4) 1.923 1.923 1.923 1.923
条件式(5) 2.389 2.194 2.742 2.051
条件式(6) 2.316 2.047 2.417 5.294
実施例5 実施例6 実施例7 実施例8
条件式(1) -0.649 -1.363 -1.281 -1.262
条件式(2) 1.022 1.264 1.166 1.286
条件式(3) -1.753 -1.577 -1.732 -1.719
条件式(4) 1.847 1.923 1.923 1.923
条件式(5) 1.961 2.100 2.187 2.120
条件式(6) 1.652 − − −
【0032】
表9から明らかなように、実施例1ないし5は条件式(1)〜(6)を満足し、実施例6ないし8は条件式(1)〜(5)を満足しており、また諸収差図から明らかなように諸収差も比較的よく補正されている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例1のレンズ構成図である。
【図2】図1の構成における諸収差図である。
【図3】本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例2のレンズ構成図である。
【図4】図3の構成における諸収差図である。
【図5】本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例3のレンズ構成図である。
【図6】図5の構成における諸収差図である。
【図7】本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例4のレンズ構成図である。
【図8】図7の構成における諸収差図である。
【図9】本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例5のレンズ構成図である。
【図10】図9の構成における諸収差図である。
【図11】本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例6のレンズ構成図である。
【図12】図11の構成における諸収差図である。
【図13】本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例7のレンズ構成図である。
【図14】図13の構成における諸収差図である。
【図15】本発明による内視鏡対物レンズ系の実施例8のレンズ構成図である。
【図16】図15の構成における諸収差図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に、負の前群レンズ、絞り、及び正の後群レンズからなり、
前群レンズは、1枚または複数枚の非接合レンズからなっていて、最も物体側のレンズは負レンズからなり、
後群レンズは、1枚の負レンズを含む複数枚の非接合レンズからなり、
次の条件式(1)ないし(3)を満足することを特徴とする内視鏡対物レンズ系。
(1)−1.45<f1/f<−0.6
(2)0.7<|fF/fR|<1.35
(3)−2.3<f(-)/f<−1.5
但し、
f1;前群レンズの最も物体側の負レンズの焦点距離、
f;全系の焦点距離、
fF;前群レンズの焦点距離(fF<0)、
fR;後群レンズの焦点距離(fR>0)、
f(-);後群レンズ中の負レンズの焦点距離。
【請求項2】
請求項1記載の内視鏡対物レンズ系において、後群レンズ中の負レンズは、次の条件式(4)を満足する内視鏡対物レンズ系。
(4)1.8<n(-)
但し、
n(-);後群レンズ中の負レンズの屈折率。
【請求項3】
請求項1または2記載の内視鏡対物レンズ系において、後群レンズは、2枚の正レンズと1枚の負レンズからなる内視鏡対物レンズ系。
【請求項4】
請求項3の内視鏡対物レンズ系において、後群レンズは、物体側から順に、正レンズ、負レンズ、及び正レンズからなる内視鏡対物レンズ系。
【請求項5】
請求項4の内視鏡対物レンズ系において、後群レンズ中の負レンズは、次の条件式(5)を満足する内視鏡対物レンズ系。
(5)1.95<|R(-)|/f<3
但し、
R(-);後群レンズ中の負レンズの曲率半径が小さい方の面の曲率半径。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項記載の内視鏡対物レンズ系において、前群レンズは、物体側から順に、負レンズと正レンズからなり、該正レンズは像面側が平面であり、次の条件式(6)を満足する内視鏡対物レンズ系。
(6)1.6<f2/f<7
但し、
f2;前群レンズ中の正レンズの焦点距離。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれか1項記載の内視鏡対物レンズ系において、前群レンズは、物体側から順に、負レンズと平行平面板からなっている内視鏡対物レンズ系。
【請求項8】
請求項1ないし5のいずれか1項記載の内視鏡対物レンズ系において、前群レンズは、1枚の負レンズからなっている内視鏡対物レンズ系。
【請求項1】
物体側から順に、負の前群レンズ、絞り、及び正の後群レンズからなり、
前群レンズは、1枚または複数枚の非接合レンズからなっていて、最も物体側のレンズは負レンズからなり、
後群レンズは、1枚の負レンズを含む複数枚の非接合レンズからなり、
次の条件式(1)ないし(3)を満足することを特徴とする内視鏡対物レンズ系。
(1)−1.45<f1/f<−0.6
(2)0.7<|fF/fR|<1.35
(3)−2.3<f(-)/f<−1.5
但し、
f1;前群レンズの最も物体側の負レンズの焦点距離、
f;全系の焦点距離、
fF;前群レンズの焦点距離(fF<0)、
fR;後群レンズの焦点距離(fR>0)、
f(-);後群レンズ中の負レンズの焦点距離。
【請求項2】
請求項1記載の内視鏡対物レンズ系において、後群レンズ中の負レンズは、次の条件式(4)を満足する内視鏡対物レンズ系。
(4)1.8<n(-)
但し、
n(-);後群レンズ中の負レンズの屈折率。
【請求項3】
請求項1または2記載の内視鏡対物レンズ系において、後群レンズは、2枚の正レンズと1枚の負レンズからなる内視鏡対物レンズ系。
【請求項4】
請求項3の内視鏡対物レンズ系において、後群レンズは、物体側から順に、正レンズ、負レンズ、及び正レンズからなる内視鏡対物レンズ系。
【請求項5】
請求項4の内視鏡対物レンズ系において、後群レンズ中の負レンズは、次の条件式(5)を満足する内視鏡対物レンズ系。
(5)1.95<|R(-)|/f<3
但し、
R(-);後群レンズ中の負レンズの曲率半径が小さい方の面の曲率半径。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項記載の内視鏡対物レンズ系において、前群レンズは、物体側から順に、負レンズと正レンズからなり、該正レンズは像面側が平面であり、次の条件式(6)を満足する内視鏡対物レンズ系。
(6)1.6<f2/f<7
但し、
f2;前群レンズ中の正レンズの焦点距離。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれか1項記載の内視鏡対物レンズ系において、前群レンズは、物体側から順に、負レンズと平行平面板からなっている内視鏡対物レンズ系。
【請求項8】
請求項1ないし5のいずれか1項記載の内視鏡対物レンズ系において、前群レンズは、1枚の負レンズからなっている内視鏡対物レンズ系。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−276779(P2006−276779A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−99930(P2005−99930)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】
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