説明

内視鏡用冷却ポンプ機構

【課題】内視鏡と、内視鏡が接続する外部装置とが接続または分離する場合であっても、冷却のための流路に対して気密性を容易に確保できる内視鏡用冷却ポンプ機構を提供すること。
【解決手段】ポンプ機構71は、制御装置200の内部に配設され、駆動力を構成する駆動源81と、気密が確保されたコネクタ65aの内部に配設され、コネクタ65aが制御装置200と接続した際に駆動源81によって可動する可動部95とを有している。駆動源81と可動部95とは、コネクタ65aが制御装置200と接続した際に可動部95が駆動源81によって可動することで、冷媒を発熱源に供給するポンプ部91として機能する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、挿入部の先端部に配設されている発熱源を冷却するために、発熱源に冷媒を供給する内視鏡用冷却ポンプ機構に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡は、挿入部の先端部に例えばLED等の照明部を有している。照明部は、観察対象物に照明光を照明し、照明に伴い発熱する。この発熱量は、光電変換の損失のため発光光量に比例して、増加する。この熱は、例えば照明部の寿命や、光量の低下に影響を与える。なお、発熱源は、照明部の他に例えば撮像素子も考えられる。
【0003】
この影響を抑えるために、照明部を冷却し、発熱を抑える必要がある。このための冷却構造は、様々あるが、流体型の冷媒を内視鏡内部で強制的に循環させ、照明部に対して熱を奪う強制循環型が望ましい。このため、内視鏡は、冷媒を照明部に供給する冷却ポンプを有している。
【0004】
例えば特許文献1において、内視鏡は光源装置と接続し、光源装置はエアポンプを有している。このようにエアポンプは、内視鏡の外部に配設され、内視鏡とは分離されている。エアポンプは、エアポンプから噴出された空気を照明部に送気するための送気管路と連通している。この送気管路は、内視鏡側と光源装置側とにそれぞれ配設されている冷却のための流路である。内視鏡が光源装置と接続または分離することに応じて、内視鏡側の送気管路は光源装置側の送気管路と接続または分離する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−194094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1において、内視鏡は光源装置と分離すると、内視鏡側の送気管路と光源装置側の送気管路とは外部に連通し、内視鏡側の送気管路と光源装置側の送気管路とは気密を確保されない。この場合、内視鏡側の送気管路は、清潔性を確保するために、洗浄しなければならない。
【0007】
洗浄を省くためには、清潔性が確保された状態で、内視鏡側の送気管路が気密を確保される必要がある。しかし、この場合、内視鏡は、清潔性が確保された後、光源装置と接続し続けなければならず、使い勝手が悪い。
【0008】
このように内視鏡用冷却ポンプが利用されると、内視鏡と、内視鏡が接続する外部装置とが接続または分離する際、冷却のための流路において気密性の確保が容易ではない。
【0009】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、内視鏡と、内視鏡が接続する外部装置とが接続または分離する場合であっても、冷却のための流路に対して気密性を容易に確保できる内視鏡用冷却ポンプ機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は目的を達成するために、内視鏡の先端部に配設されている発熱源と前記発熱源を冷却する冷媒が流れる流路とコネクタとを有する内視鏡と、前記コネクタと接続することで前記内視鏡を制御する制御装置と、を含む内視鏡システムに配設され、前記流路を介して前記冷媒を前記発熱源に向けて供給する内視鏡用冷却ポンプ機構であって、前記制御装置の内部に配設され、駆動力を構成する駆動源と、気密が確保された前記コネクタの内部に配設され、前記コネクタが前記制御装置と接続した際に前記駆動源によって可動する可動部と、を具備し、前記駆動源と前記可動部とは、前記コネクタが前記制御装置と接続した際に前記可動部が前記駆動源によって可動することで、前記冷媒を前記発熱源に供給するポンプ部として機能することを特徴とする内視鏡用冷却ポンプ機構を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、内視鏡と、内視鏡が接続する外部装置とが接続または分離する場合であっても、冷却のための流路に対して気密性を容易に確保できる内視鏡用冷却ポンプ機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る内視鏡システムの概略構成図である。
【図2A】図2Aは、ポンプ機構を示し、コネクタが差込口に差し込まれる前の状態を示す図である。
【図2B】図2Bは、図2Aに示すコネクタが差込口に差し込まれた状態を示す図である。
【図3A】図3Aは、ポンプ機構の動作方法を示す図である。
【図3B】図3Bは、ポンプ機構の動作方法を示す図である。
【図3C】図3Cは、ポンプ機構の動作方法を示す図である。
【図3D】図3Dは、ポンプ機構の動作方法を示す図である。
【図4A】図4Aは、第1の実施形態の第1の変形例におけるポンプ機構を示し、コネクタが差込口に差し込まれる前の状態を示す図である。
【図4B】図4Bは、図4Aに示すコネクタが差込口に差し込まれた状態を示す図である。
【図5A】図5Aは、第1の実施形態の第2の変形例におけるポンプ機構を示し、コネクタが差込口に差し込まれる前の状態を示す図である。
【図5B】図5Bは、図5Aに示す5B−5B線における断面図である。
【図5C】図5Cは、図5Aに示すコネクタが差込口に差し込まれた状態を示す図である。
【図5D】図5Dは、図5Cに示す5D−5D線における断面図である。
【図6】図6は、第2の実施形態におけるポンプ機構を示し、コネクタが差込口に差し込まれる前の状態を示す図である。
【図7】図7は、第3の実施形態におけるポンプ機構を示し、コネクタが差込口に差し込まれる前の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1と図2Aと図2Bと図3Aと図3Bと図3Cと図3Dとを参照して第1の実施形態について説明する。
なお一部の図面では、図示の明瞭化のために一部の部材の図示を省略している。
【0014】
図1に示すように、内視鏡システム10は、内視鏡12と、内視鏡12のコネクタ65aと接続することで内視鏡12を制御する制御装置200とを有している。
【0015】
図1に示すような内視鏡12は、例えば図示しない観察対象物を撮像し、撮像のために観察対象物に照明光を照明する。観察対象物とは、被検体(例えば体腔)内における患部や病変部等である。
【0016】
図1に示すように内視鏡12は、患者の体腔内等に挿入される細長い挿入部20と、挿入部20の基端部と連結し、内視鏡12を操作する操作部60とを有している。
【0017】
挿入部20は、挿入部20の先端部側から基端部側に向かって、先端硬質部21と、湾曲部23と、可撓管部25とを有している。先端硬質部21の基端部は湾曲部23の先端部と連結し、湾曲部23の基端部は可撓管部25の先端部と連結している。
【0018】
先端硬質部21は、挿入部20の先端部及び内視鏡12の先端部であり、曲がらない。先端硬質部21は、観察対象物に照明光を照明する照明ユニット30を有している。照明ユニット30は、例えばLED素子などの照明部31を有している。照明部31は、照明光を照明する際に発熱する発熱源でもある。また照明部31は、挿入部20の先端部及び内視鏡12の先端部である先端硬質部21に配設されている電子部品でもある。
【0019】
湾曲部23は、後述する湾曲操作部67の操作によって、例えば上下左右といった所望の方向に湾曲する。湾曲部23が湾曲することにより、先端硬質部21の位置と向きとが変わり、観察対象物が観察視野内に捉えられ、観察対象物は照明光を照明される。湾曲部23は、図示しない節輪が挿入部20の長手軸方向に沿って回動可能に連結されていることで、構成されている。節輪は例えば網状管によって覆われ、網状管は例えば樹脂やゴム等の外皮によって覆われている。
【0020】
可撓管部25は、所望な可撓性を有しており、外力によって曲がる。可撓管部25は、操作部60の後述する本体部61から延出されている管状部材である。
【0021】
操作部60は、可撓管部25が延出している本体部61と、本体部61の基端部と連結し、内視鏡12を操作する操作者によって把持される把持部63と、把持部63と接続しているユニバーサルコード65とを有している。
【0022】
本体部61は、図示しない処置具挿入口を有している。処置具挿入口は、図示しない処置具挿通チャンネルの基端部と連結している。処置具挿通チャンネルは、挿入部20内において、可撓管部25から先端硬質部21に渡って配設されている。処置具挿入口は、図示しない内視鏡用処置具が処置具挿通チャンネルに挿入するための挿入口である。図示しない内視鏡用処置具は、処置具挿入口から処置具挿通チャンネルに挿入され、先端硬質部21側まで押し込まれる。そして内視鏡用処置具は、先端硬質部21に配設されている図示しない処置具挿通チャンネルの先端開口部から突出される。
【0023】
図1に示すように、把持部63は、湾曲部23を湾曲操作する湾曲操作部67を有している。また、把持部63は、把持部63が操作者に把持された際に、操作者の手によって操作される図示しないスイッチ部を有している。スイッチ部は、図示しない吸引スイッチと、送気・送水チャンネルのための図示しない送気・送水スイッチとを有する。また、把持部63は、撮像ユニットのための図示しない各種ボタンを有している。
【0024】
ユニバーサルコード65は、制御装置200に接続するコネクタ65aを端部に有している。コネクタ65aは、図示しない画像処理装置等とも接続する。
【0025】
また図1に示すように、内視鏡システム10は、発熱源である照明部31を冷却するために後述する流路を介して冷媒を照明部31に向けて供給する内視鏡用冷却ポンプ機構(以下、ポンプ機構71と称する)を有している。
ポンプ機構71は、制御装置200の内部に配設され、駆動力を構成する駆動源81と、気密が確保されたコネクタ65aの内部に配設され、コネクタ65aが制御装置200と接続した際に、駆動源81の駆動力によって可動する可動部95とを有している。コネクタ65aが制御装置200と接続した際に可動部95が駆動源81によって可動することで、駆動源81と可動部95とは、冷媒を発熱原である照明部31に供給するポンプ部91として機能する。駆動源81は制御装置200の内部に配設され、可動部95は気密が確保されたコネクタ65aの内部に配設されているため、駆動源81と可動部95とは別体となっている。
また、図2Aと図2Bとに示すように、ポンプ機構71は、コネクタ66aの内部に配設され、冷媒が充填される充填部93をさらに具備している。充填部93は、ポンプ部91に含まれていても良い。
以下において、駆動源81、充填部93、可動部95の順でそれぞれを説明する。
【0026】
制御装置200は、コネクタ65aが制御装置200と接続する際に、コネクタ65aが差し込まれる例えば凹形状の差込口201を有している。
【0027】
駆動源81は、この差込口201側に固定されている。詳細には、図2Aに示すように、駆動源81は、制御装置200の内部、且つ差込口201を形成する制御装置200の周壁部に配設されている。本実施形態では、駆動源81は、例えば差込口201の底部を形成する周壁部に配設されている。このように、駆動源81は、制御装置200の外部を示す差込口201の内部201aに配設されるのではない。また駆動源81は、外部に露出するように配設されていない。
【0028】
図2Aに示すように、駆動源81は、駆動力としての磁力を発生する磁力発生部83を有している。磁力発生部83は、例えばS極またはN極として機能する電磁石として形成されている。磁力は、磁力発生部83を中心に発生する。この磁力は、後述する磁性体95aに対する斥力または引力として機能する。
【0029】
図1と図2Aとに示すように、コネクタ65aは、差込口201に差し込まれるように、コネクタ65aの本体から突出している例えば凸形状の突出部65bを有している。突出部65bは、差込口201に差し込まれ、差込口201と嵌合する。突出部65bは、差込口201と略同一の形状を有している。突出部65bは、コネクタ65aと例えば一体であってもよいし、コネクタ65aに対して着脱自在であっても良い。図2Aに示すように、突出部65bの内部は、コネクタ65aの内部と連通している。またコネクタ65a及び突出部65bは、密閉されており、気密と水密とを確保している。突出部65bは、コネクタ65aの外装の一部を示す。
【0030】
充填部93は、例えば筐体であり、この突出部65bの内部に配設されている。このため充填部93は、気密と水密とを確保された状態で配設されている。充填部93は、例えば枠部材である。充填部93の内部は、コネクタ65aの内部と連通しており、コネクタ65aの外部とは隔壁されている。充填部93は、非磁性体である。このような充填部93は、例えば、樹脂、または磁性を含まない金属によって形成されている。
【0031】
可動部95は、突出部65bの内部に配設される。前述したように、コネクタ65a及び突出部65bは、密閉されており、気密と水密とを確保している。このため可動部95は、気密と水密とを確保された状態で配設されている。
【0032】
可動部95は、冷媒を照明部31に供給するために充填部93の一部として構成されている。可動部95は、充填部93の内部に配設され、冷媒を照明部31に供給するために駆動力によって充填部93の内部にて可動する。言い換えると、可動部95は、充填部93の一部であるため、駆動源81によって充填部93を可動させることとなる。
【0033】
可動部95は、充填部93の内部に配設され、駆動力である磁力が作用する磁性体95aと、充填部93を封止するように充填部93の内部に配設され、磁性体95aを保持し、磁性体95aに対する磁力の作用状態に応じて差込方向に沿って往復に可動することで冷媒を圧送する圧送部95bとを有している。可動部95は、差込口201への突出部65bの差込方向において、後述する流動チューブ101a,101bと磁力発生部83との間に配設されており、流動チューブ101a,101bと磁力発生部83とに対して同一直線上に配設されている。この差込方向は、コネクタ65aと制御装置200との接続方向であることを示す。
【0034】
磁性体95aは、例えば永久磁石である。磁性体95aは、磁力発生部83を中心に発生する磁力が磁性体95aに作用するように、充填部93に配設されている。磁性体95aは、差込方向において、流動チューブ101a,101bと磁力発生部83とに対して同一直線上に配設されている。また磁性体95aは、差込方向において、例えば磁力発生部83と対向するように配設されている。
【0035】
磁性体95aにおいて、例えば磁力発生部83に対向する側がS極として形成され、流動チューブ101a,101bに対向する側がN極として形成されている。磁性体95aには、差込方向において、斥力または引力である磁力が作用する。図3Aに示すように、斥力である磁力が磁性体95aに作用すると、磁性体95aは差込方向において磁力発生部83から引き離される。また図3Cに示すように、引力である磁力が磁性体95aに作用すると、磁性体95aは差込方向において磁力発生部83に引き寄せられる。
【0036】
このように磁性体95aには、差込方向において磁力が作用する。そして磁性体95aは、差込方向に沿って、充填部93において駆動源81と流動チューブ101a,101bとの間を移動する。
【0037】
圧送部95bは、冷媒が充填部93から漏れることを防止するために、充填部93を封止する。圧送部95bは、例えば膜として形成されている。圧送部95bの平面方向は、差込方向に対して直交している。このような圧送部95bは、伸縮自在な弾性部材によって形成されており、撓むことが可能である。弾性部材は、例えば樹脂製のゴムである。圧送部95bは、非磁性体である。圧送部95bは、例えばダイアフラムである。
【0038】
圧送部95bの縁は、充填部93の内周面に例えば接着などによって固定されている。このため圧送部95bは、充填部93に対して位置を固定されている。また圧送部95bは、例えば、磁力発生部83を中心に発生する磁力が磁性体95aに作用し、磁性体95aが磁力発生部83に対向し、磁性体95aが圧送部95bに載置されるように、磁性体95aを例えば圧送部95bの中心にて保持している。これにより磁性体95aも、充填部93の内部に配設されることとなる。このように、差込方向において、例えば磁力発生部83と磁性体95aと圧送部95bと流動チューブ101a,101bとの順で配設されている。
【0039】
図3Aに示すように、斥力である磁力が磁性体95aに作用し、磁性体95aが差込方向において磁力発生部83から引き離される際、磁性体95aを保持する圧送部95bは、差込方向において磁力発生部83から引き離されるように撓む。なお圧送部95bの縁が充填部93の内周面に固定されているため、圧送部95bにおいて、磁性体95aが当接する部分が最も大きく磁力発生部83から引き離され、圧送部95bの縁側が小さく磁力発生部83から引き離される。言い換えると圧送部95bは、磁性体95aを中心に流動チューブ101a,101bに向かって圧送部95bの弾性力によって例えばV字状に撓むこととなる。このとき、圧送部95bは、流動チューブ101aを介して、充填部93に充填されている冷媒を照明部31に向かって圧送する。
【0040】
また図3Cに示すように、引力である磁力が磁性体95aに作用し、磁性体95aが差込方向において磁力発生部83に引き寄せられる際、磁性体95aを保持する圧送部95bは、差込方向において磁力発生部83に引き寄せられるように撓む。なお圧送部95bの縁が充填部93の内周面に固定されているため、圧送部95bにおいて、磁性体95aが当接する部分が最も大きく磁力発生部83に引き寄せられ、圧送部95bの縁側が小さく磁力発生部83に引き寄せられる。言い換えると圧送部95bは、磁性体95aを中心に磁力発生部83に向かって圧送部95bの弾性力によって例えばV字状に撓むこととなる。このとき、圧送部95bは、照明部31から流動チューブ101bを介して戻る冷媒を充填部93に向かって吸引する。
【0041】
このように圧送部95bの振幅は、縁側よりも中心側にて大きくなる。またこのような圧送部95bは、磁性体95aに対する磁力の作用状態に応じて、つまり、斥力と引力とが交互に磁性体95aに作用することで、振動することとなる。このように圧送部95bは、充填部93の内部、且つ磁力発生部83と流動チューブ101a,101bとの間で差込方向に沿って振動する。言い換えると、圧送部95bは、充填部93の内部、且つ磁力発生部83と流動チューブ101a,101bとの間で、差込方向に沿って往復運動する。圧送部95bは、振動することで、冷媒を充填部93から照明部31に圧送し、冷媒を照明部31から充填部93に向かって吸引する。
【0042】
また図2Aと図2Bとに示すように、ポンプ機構71は、冷媒を照明部31にまで供給するための供給用の流動チューブ101aと、照明部31から冷媒を戻すために冷媒を吸引するための吸引用の流動チューブ101bとを有している。
流動チューブ101aの一端部は、充填部93と接続している。流動チューブ101aは、コネクタ65aとユニバーサルコード65と操作部60と挿入部とを挿通している。流動チューブ101aの他端部は、先端硬質部21における照明部31と接続している。
また流動チューブ101bの一端部は、充填部93と接続している。流動チューブ101bは、コネクタ65aとユニバーサルコード65と操作部60と挿入部とを挿通している。流動チューブ101bの他端部は、先端硬質部21における照明部31と接続している。
【0043】
このように流動チューブ101a,101bは、図1に示すように内視鏡12の内部にのみ配設されており、制御装置200側には配設されていない。また流動チューブ101a,101bは、内視鏡12によって気密と水密とを確保された状態で配設されている。また流動チューブ101a,101bは、内視鏡12が制御装置200と分離しても、外部と連通しない。また流動チューブ101aは、流動チューブ101bと別体である。流動チューブ101aは、流動チューブ101bと離れて配設されていることが好適である。
【0044】
流動チューブ101a,101bは、例えば樹脂によって形成されている。流動チューブ101a,101bと充填部93との接続位置は、差込方向において、例えば磁力発生部83と同一直線上に配設されている。またこれら接続位置は、差込方向に直交する方向において、例えば、互いに同一平面上に配設されている。流動チューブ101a,101bは、充填部93に対して例えば着脱自在となっている。
【0045】
また図2Aと図2Bとに示すように、ポンプ機構71は、流動チューブ101aと充填部93との接続部に配設されている開閉弁103aを有している。開閉弁103aは、逆止弁となっている。詳細には、開閉弁103aは、図1と図3Aとに示すようにポンプ部91が冷媒を充填部93から流動チューブ101aを介して照明部31に供給する際に開き、図1と図3Cとに示すようにポンプ部91が冷媒を照明部31から流動チューブ101bを介して充填部93に吸引する際に閉じる。この開閉弁103aは、図3Cに示すようにポンプ部91が冷媒を照明部31から流動チューブ101bを介して充填部93に吸引する際に、ポンプ部91が冷媒を流動チューブ101aから充填部93に吸引することを防止し、冷媒が流動チューブ101aから充填部93に逆流することを防止する。
【0046】
また図2Aと図2Bとに示すように、ポンプ機構71は、流動チューブ101bと充填部93との接続部に配設されている開閉弁103bを有している。開閉弁103bは、逆止弁となっている。開閉弁103bは、図1と図3Aとに示すようにポンプ部91が冷媒を充填部93から流動チューブ101aを介して照明部31に供給する際に閉じ、図1と図3Cとに示すようにポンプ部91が冷媒を照明部31から流動チューブ101bを介して充填部93に吸引する際に開く。この開閉弁103bは、ポンプ部91が冷媒を充填部93から流動チューブ101aに供給する際に、ポンプ部91が冷媒を充填部93から流動チューブ101bに供給することを防止し、冷媒が充填部93から流動チューブ101bに逆流することを防止する。
【0047】
開閉弁103aと開閉弁103bとは、差込方向に直交する方向において、例えば、同一平面上に配設されている。
【0048】
このように充填部93と流動チューブ101a,101bとは、開閉弁103a,103bによって、図1に示すように一方向にのみ冷媒を循環させる循環経路を形成する。そしてこの循環経路は、外部と連通せず、内視鏡12の内部にのみ配設されており、内視鏡12によって気密と水密とを確保された状態で配設されている。またこの循環経路は、発熱源である照明部31を冷却する冷媒が流れる冷却のための流路となる。そしてポンプ機構71は、ポンプ部91と充填部93と流動チューブ101a,101bとによって、内視鏡12の内部で冷媒を循環させることとなる。
【0049】
次に図2Aと図2Bとを参照して、制御装置200について説明する。制御装置200は、コネクタ65aが制御装置200と接続することで内視鏡12を制御する。制御装置200は、上述した駆動源81(磁力発生部83)と、駆動源81(磁力発生部83)を制御する制御部203とを有している。駆動源81と制御部203とは、制御装置200の内部に配設されている。
【0050】
制御部203は、突出部65bが差込口201に差し込まれると同時に、磁力発生部83が磁力を発生するように駆動源81を制御する。また制御部203は、突出部65bが差込口201に差し込まれている間、磁力発生部83が磁力を発生するように駆動源81を制御する。また制御部203は、突出部65bが差込口201から抜き取られると、磁力発生部83が停止するように駆動源81を制御する。このとき、制御部203は、磁力発生部83がS極またはN極として機能し、斥力である磁力と引力である磁力とが磁力発生部83と磁性体95aとの間にて交互に発生し、斥力である磁力と引力である磁力とが磁性体95aに対して交互に作用するように、磁力発生部83を制御する。
【0051】
またポンプ機構71は、突出部65bが差込口201に差し込まれた際に、冷媒が充填されている充填部93を冷却する冷却部205と、駆動源81と冷却部205とから発生した熱を制御装置200の外部に放出する放熱部207とをさらに有している。冷却部205と放熱部207とは、制御装置200の内部に配設されている。
【0052】
冷却部205は、密閉された制御装置200の内部、且つ差込口201を形成する制御装置200の周壁部に配設されている。本実施形態では、冷却部205は、例えば差込口201の周面を形成する周壁部に配設されている。また冷却部205は、差込方向に直交する方向に沿って、1対配設されている。また冷却部205は、コネクタ65aが差込口201に差し込まれた際に、差込方向において、圧送部95bと開閉弁103a,103bとの間に配設されている。冷却部205は、例えば板状の半導体素子である。より詳細には、冷却部205は、例えばペルチェ素子などである。
【0053】
冷却部205は、突出部65bと差込口201の周面を形成する周壁部とを介して充填部93を冷却し、充填部93に充填されている冷媒を間接的に冷却する。
【0054】
放熱部207は、駆動源81と冷却部205とに対して例えばヒートパイプなどの伝熱部材209によって接続している。放熱部207は、制御装置200の内部且つ制御装置200の外周壁に配設されている。
【0055】
次に本実施形態の動作方法について図2Aと図2Bと図3Aと図3Bと図3Cと図3Dとを参照して説明する。
図2Bに示すように、コネクタ65a(突出部65b)は差込口201に差し込まれ、内視鏡12は制御装置200と接続する。これにより可動部95(磁性体95aと圧送部95b)は、差込方向において、流動チューブ101a,101bと磁力発生部83との間に配設され、流動チューブ101a,101bと磁力発生部83とに対して同一直線上に配設される。また充填部93の側面は、突出部65bと差込口201の周面を形成する周壁部とを介して冷却部205に対向するように配設される。
【0056】
内視鏡12が制御装置200と接続した際、照明部31は、照明する。同時に、制御部203は、磁力発生部83がS極またはN極として機能し、斥力である磁力と引力である磁力とが磁力発生部83と磁性体95aとの間にて交互に発生し、斥力である磁力と引力である磁力とが磁性体95aに対して交互に作用するように、磁力発生部83を制御する。
【0057】
図3Aに示すように、例えば磁力発生部83がS極となるように制御部203によって制御されると、磁性体95aには、差込方向において、斥力である磁力が作用する。斥力である磁力が磁性体95aに作用すると、磁性体95aは差込方向において磁力発生部83から引き離される。
そして磁性体95aを保持する圧送部95bは、差込方向において磁力発生部83から引き離されるように撓む。なお圧送部95bの縁が充填部93の内周面に固定されているため、圧送部95bにおいて、磁性体95aが当接する部分が最も大きく磁力発生部83から引き離され、圧送部95bの縁側が小さく磁力発生部83から引き離される。このとき開閉弁103aは圧送部95bの動作に応じて開き、開閉弁103bは圧送部95bの動作に応じて閉じる。よって、圧送部95bは、流動チューブ101aを介して、充填部93に充填されている冷媒を照明部31に向かって圧送する(Step1)。
【0058】
なおStep1において、開閉弁103bが閉じているために、ポンプ部91が冷媒を充填部93から流動チューブ101bに供給することが防止され、冷媒が充填部93から流動チューブ101bに逆流することが防止される。
【0059】
次に図3Bに示すように、磁力発生部83がS極からN極に切り替わるように制御部203によって制御されると、磁性体95aを保持する圧送部95bは、圧送部95bの弾性力によって元の位置に戻る。つまり、圧送部95bは、撓まず、平面状態に戻る。同時に、開閉弁103a,103bは、圧送部95bの動作に応じて閉じる(Step2)。
【0060】
次に図3Cに示すように、磁力発生部83がN極となるように制御部203によって制御されると、磁性体95aには、差込方向において、引力である磁力が作用する。引力である磁力が磁性体95aに作用すると、磁性体95aは差込方向において磁力発生部83に引き寄せられる。
そして磁性体95aを保持する圧送部95bは、差込方向において磁力発生部83に引き寄せられるように撓む。なお圧送部95bの縁が充填部93の内周面に固定されているため、圧送部95bにおいて、磁性体95aが当接する部分が最も大きく磁力発生部83に引き寄せられ、圧送部95bの縁側が小さく磁力発生部83に引き寄せられる。このとき開閉弁103aは圧送部95bの動作に応じて閉じ、開閉弁103bは圧送部95bの動作に応じて開く。よって、圧送部95bは、照明部31から流動チューブ101bを介して熱を含む冷媒を充填部93に向かって吸引する(Step3)。
【0061】
なおStep3において、開閉弁103aが閉じているために、ポンプ部91が冷媒を流動チューブ101aから充填部93に吸引することが防止され、冷媒が流動チューブ101aから充填部93に逆流することが防止される。
【0062】
次に図3Dに示すように、磁力発生部83がN極からS極に切り替わるように制御部203によって制御されると、磁性体95aを保持する圧送部95bは、圧送部95bの弾性力によって元の位置に戻る。つまり、圧送部95bは、撓まず、平面状態に戻る。同時に、開閉弁103a,103bは、圧送部95bの動作に応じて閉じる(Step4)。
この後、前述したStep1の動作に戻る。
【0063】
Step1の動作とStep2の動作とStep3の動作とStep4の動作とが順に繰り返されることで、圧送部95bは、充填部93の内部、且つ磁力発生部83と流動チューブ101a,101bとの間で振動、つまり往復に可動することとなる。また圧送部95bは、振動することで、冷媒を充填部93から照明部31に圧送し、冷媒を照明部31から充填部93に向かって吸引する。そして充填部93と流動チューブ101a,101bとは、開閉弁103a,103bによって、一方向にのみ冷媒を循環させる循環経路を形成する。そしてポンプ機構71は、ポンプ部91と充填部93と流動チューブ101a,101bとによって、図1に示すように、内視鏡12の内部で冷媒を循環させることとなる。
【0064】
これにより冷媒は照明部31に流れ、照明部31は冷媒によって冷却される。また冷媒は、照明部31において、照明部31から発生した熱を有することとなる。この熱を有する冷媒は、照明部31から流動チューブ101bを介して充填部93に戻るまでに放熱し、冷えた冷媒に戻る。
【0065】
なおコネクタ65a(突出部65b)が差込口201に差し込まれると同時に、冷却部205は、充填部93を冷却し、充填部93を介して冷媒を冷却する。これによりポンプ部91は、確実に冷えた冷媒を照明部31に供給することとなる。
また冷媒が照明部31から発生した熱を有する状態で充填部93に戻ってきたとしても、前述したように、冷媒は充填部93において冷却部205によって冷却される。よって冷媒は、確実に冷却され、冷えた冷媒に戻る。
【0066】
また冷却部205は、冷媒と充填部93とを冷却するために熱を発生する。しかし冷却部205は、伝熱部材209によって放熱部207と接続している。よって、冷却部205で生じた熱は、伝熱部材209を通じて放熱部207に伝達され、放熱部207によって制御装置200の外部に放出される。
また駆動源81は、駆動力を発生させるために、熱を発生する。しかし駆動源81は、伝熱部材209によって放熱部207と接続している。よって、駆動源81で生じた熱は、伝熱部材209を通じて放熱部207に伝達され、放熱部207によって制御装置200の外部に放出される。
【0067】
また発熱する冷却部205と駆動源81とは制御装置200に配設されており、充填部93と可動部95とは内視鏡12の内部に配設されており、内視鏡12と制御装置200とは別体である。よって冷却部205と駆動源81から発生した熱は、内視鏡12が制御装置200から分離することで、充填部93に伝達されることが防止される。
【0068】
なお冷却部205と放熱部207とは、ポンプ機構71の熱対策のための構造である。この冷却部205と放熱部207とは、制御装置200に配設されており、コネクタ65aを含む内視鏡12には配設されていない。よって、内視鏡12は、ポンプ機構71の熱対策のための構造である冷却部205と放熱部207とよって大型化することが防止される。
【0069】
また突出部65bが差込口201から抜き取られ、内視鏡12が制御装置200から分離すると、磁力発生部83は停止する。この状態において、駆動源81は制御装置200の内部に配設され、充填部93と可動部95とは気密を確保されたコネクタ65aの内部に配設されている。また流動チューブ101a,101bは、内視鏡12の内部にのみ配設されている。よって、内視鏡12が制御装置200から分離しても、内視鏡12において気密性が確保されているために、冷却のための流路である充填部93と流動チューブ101a,101bとに対して気密性が確保される。
この点は、内視鏡12が制御装置200と接続しても同様である。
【0070】
このように本実施形態では、駆動源81を制御装置200の内部に配設し、コネクタ65aの内部を気密に確保し、充填部93と可動部95とをコネクタ65aの内部に配設し、可動部95が駆動源81の駆動力によって冷媒を照明部31に供給する。これにより本実施形態では、内視鏡12が制御装置200に対して接続または分離する場合であっても、冷却のための流路である充填部93と流動チューブ101a,101bとに対して気密性を容易に確保できる。
【0071】
また本実施形態では、充填部93と流動チューブ101a,101bとに対して気密性を確保できるために、これらに対して洗浄作業を不要にでき、洗浄作業を考慮することなく内視鏡12を制御装置200に対して自在に接続または分離できる。
【0072】
また本実施形態では、充填部93と可動部95とを、本体部61と把持部63とではなく、コネクタ65aに配設している。よって本実施形態では、本体部61と把持部63との大型化を防止することができ、内視鏡12の操作性と可搬性との低下を防止することができる。
【0073】
また本実施形態では、磁力発生部83が磁力を発生し、この磁力は周壁部と突出部65bとを介して磁性体95aに作用し、圧送部95bは磁性体95aに対する磁力の作用状態に応じて振動する。これにより本実施形態では、駆動源81と、充填部93と可動部95とを別体にでき、駆動源81を制御装置200の内部に配設でき、充填部93と可動部95とをコネクタ65aの内部に配設できる。よって本実施形態では、上述した効果を実施でき、さらに簡易な構成で冷媒を照明部31に供給することができる。
【0074】
また本実施形態では、可動部95(磁性体95aと圧送部95b)は、差込方向において、流動チューブ101a,101bと磁力発生部83との間に配設され、流動チューブ101a,101bと磁力発生部83とに対して同一直線上に配設される。これにより本実施形態では、磁力を磁性体95aに無駄なく作用させることができ、圧送部95bは無駄なく駆動力(磁力)を得ることができる。また本実施形態では、ポンプ部91は冷媒を無駄なく充填部93から流動チューブ101aに供給でき、ポンプ部91は冷媒を無駄なく流動チューブ101bから充填部93に吸引できる。
【0075】
また本実施形態では、圧送部95bは磁性体95aを圧送部95bの中心に保持している。これにより本実施形態では、圧送部95bは滑らかに振動することができ、ポンプ部91は冷媒を無駄なく充填部93から流動チューブ101aに供給でき、ポンプ部91は冷媒を無駄なく流動チューブ101bから充填部93に吸引できる。
【0076】
また本実施形態では、充填部93と可動部95とはコネクタ65a(突出部65b)によって覆われている。よって本実施形態では、外力から充填部93と可動部95とを保護することができる。
【0077】
また本実施形態では、流動チューブ101aによって冷媒を照明部31にまで確実に供給でき、流動チューブ101bによって確実に冷媒を吸引できる。
【0078】
また本実施形態では、開閉弁103a,103bによって、充填部93と流動チューブ101a,101bとにおいて一方向にのみ冷媒を循環させることができる。また本実施形態では、開閉弁103a,103bによって冷媒が充填部93と流動チューブ101a,101bとを逆流することを防止できる。
【0079】
また本実施形態では、冷却部205によって、冷媒を確実に冷やすことができる。また本実施形態では、冷媒が照明部31から発生した熱を有する状態で充填部93に戻ってきたとしても、冷却部205によって冷媒を充填部93にて冷却できる。
【0080】
また本実施形態では、放熱部207によって、駆動源81と冷却部205との熱を制御装置200の外部に放出できる。なお放熱部207は、伝熱部材209を介して制御部203と接続し、制御部203から発生した熱を制御装置200の外部に放出してもよい。
【0081】
また本実施形態では、発熱する冷却部205と駆動源81とを制御装置200に配設し、充填部93と可動部95とを内視鏡12に配設し、内視鏡12と制御装置200とは別体である。よって本実施形態では、内視鏡12が制御装置200から分離することで、冷却部205と駆動源81から発生した熱が充填部93と可動部95とに伝達されることを抑制できる。
【0082】
また本実施形態では、ポンプ機構71の熱対策のための構造である冷却部205と放熱部207とを、制御装置200に配設し、コネクタ65aを含む内視鏡12には配設していない。よって本実施形態では、内視鏡12がポンプ機構71の熱対策のための構造である冷却部205と放熱部207とよって大型化することを防止できる。
【0083】
また本実施形態では、ポンプ機構71の熱対策のための構造である冷却部205と放熱部207とを内視鏡12に比べて比較的スペースに余裕のある制御装置200に配設する。よって本実施形態では、冷却部205と放熱部207との設計の自由度を向上させることができる。
【0084】
なお本実施形態では、冷媒とは、例えば液体や気体といった流体である。冷媒が気体の場合、流動チューブ101bは、配設されていなくても良い。
【0085】
また本実施形態では、コネクタ65aは差込口201に差し込まれたが、磁力が磁性体95aに作用すればこれに限定される必要は無い。例えば、差込口201が配設されておらず、コネクタ65aは制御装置200の駆動源81付近に当接してもよい。
【0086】
次に本実施形態の第1の変形例について図4Aと図4Bとを参照して説明する。
本変形例の駆動源81において、磁力発生部83は、例えばボイスコイルとして形成されている。この場合、磁力発生部83は、差込方向に対して直交する方向に沿って、複数例えば1対配設されている。このような磁力発生部83は、例えば差込口201の周面を形成する周壁部に配設されている。このため磁力発生部83は、例えば冷却部205と同一平面上に配設されている。
【0087】
また本変形例では、磁力発生部83の磁束密度が最も高い位置に磁性体95aが配設されるように、磁性体95aと圧送部95bとは配設されている。また、本変形例では、磁性体95aと圧送部95bとが差し込み方向に対して直交する方向において磁力発生部83同士に挟み込まれるように、磁性体95aと圧送部95bとは配設されている。つまり、磁性体95aと圧送部95bとは、直交する方向において、磁力発生部83に対して同一直線上に配設されている。このとき磁性体95aは、各磁力発生部83から等距離離れている。
【0088】
本変形例では圧送部95bの平面方向は、差込方向に対して直交している。また圧送部95bは、差込方向に沿って振動、つまり往復に可動する。
【0089】
このように本変形例では、磁力発生部83の磁束密度が最も高い位置に磁性体95aが配設されている。これにより本変形例では、磁性体95aは大きな駆動力(磁力)を得ることができ、圧送部95bは高い圧力で冷媒を圧送できる。
【0090】
また本変形例では、磁性体95aと圧送部95bとは磁力発生部83によって挟み込まれる。よって本変形例では、磁力が常に磁性体95aに確実に作用することができ、圧送部95bは高い圧力で冷媒を圧送できる。
【0091】
次に本実施形態の第2の変形例について図5Aと図5Bと図5Cと図5Dとを参照して説明する。
本変形例の駆動源81は、第1の変形例と同様に配設されている。
本変形例の1対の冷却部205は、差込方向と、1対の駆動源81同士を結ぶ方向とに対して直交するように配設されている。
【0092】
本変形例の圧送部95bは、例えば充填部93の中心軸上に配設されており、各駆動源81とは等距離離れている。また圧送部95bの平面方向は、差込方向に対して略平行となっている。このため、圧送部95bの一面部側と他端面側とには、駆動源81が配設されている。よって圧送部95bは、直交する方向に沿って振動つまり、往復に可動する。
【0093】
これにより本変形例では、圧送部95bを一方の駆動源81から引き離しても、圧送部95bを確実に他方の駆動源81に引き寄せることができる。よって本変形例では、磁力が常に磁性体95aに確実に作用することができ、圧送部95bが高い圧力で冷媒を圧送できる。
【0094】
次に本発明に係る第2の実施形態について図6を参照して説明する。
本実施形態の圧送部95bは、磁性体95aを内部に保持し、磁性体95aに対する磁力の作用状態に応じて充填部93を摺動することで冷媒を圧送する。圧送部95bは、例えば差込方向に沿って摺動する。
【0095】
これにより本実施形態では、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また本実施形態では、圧送部95b全体が充填部93を摺動することで、より確実に冷媒を循環させることができる。
【0096】
次に本発明に係る第3の実施形態について図7を参照して説明する。
駆動源81は、駆動力を発生させる駆動発生源85と、駆動力によって駆動する駆動体であるピストン87とを有している。駆動発生源85は、例えばモータである。ピストン87は、駆動発生源85を介して差込方向に対して往復に可動する。つまりピストン87は、差込方向に沿って駆動力によって往復運動する。ピストン87は、底部に配設されている凹部201bに配設されている。ピストン87は、凹部201bから突出、または凹部201bに収容されるように駆動する。
【0097】
圧送部95bは、往復に可動するピストン87によって押圧されることで冷媒を圧送する。圧送部95bは、充填部93を封止するように充填部93に配設されている。圧送部95bは、例えばシリンダである。圧送部95bは、ピストン87を受ける例えば金属製の受け部95cを有している。
【0098】
これにより本実施形態では、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。また本実施形態では、受け部95cにより、ピストン87によって圧送部95bが破壊されることを防止することができる。
【0099】
また本実施形態では、ピストン87と圧送部95bとは硬質の素材によって構成でき、送気時の圧力で変形しないために、確実に圧送部95bに押圧力を伝達でき、より高い圧力で冷媒を循環させることができる。
【0100】
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。
【符号の説明】
【0101】
10…内視鏡システム、12…内視鏡、30…照明ユニット、31…照明部、71…ポンプ機構、81…駆動源、83…磁力発生部、91…ポンプ部、93…充填部、95…可動部、95a…磁性体、95b…圧送部、101a,101b…流動チューブ、103a,103b…開閉弁、200…制御装置、201…差込口、203…制御部、205…冷却部、207…放熱部、209…伝熱部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡の先端部に配設されている発熱源と前記発熱源を冷却する冷媒が流れる流路とコネクタとを有する内視鏡と、
前記コネクタと接続することで前記内視鏡を制御する制御装置と、
を含む内視鏡システムに配設され、前記流路を介して前記冷媒を前記発熱源に向けて供給する内視鏡用冷却ポンプ機構であって、
前記制御装置の内部に配設され、駆動力を構成する駆動源と、
気密が確保された前記コネクタの内部に配設され、前記コネクタが前記制御装置と接続した際に前記駆動源によって可動する可動部と、
を具備し、
前記駆動源と前記可動部とは、前記コネクタが前記制御装置と接続した際に前記可動部が前記駆動源によって可動することで、前記冷媒を前記発熱源に供給するポンプ部として機能することを特徴とする内視鏡用冷却ポンプ機構。
【請求項2】
前記コネクタの内部に配設され、前記冷媒が充填される充填部をさらに具備し、
前記可動部は、前記冷媒を前記発熱源に供給するために前記充填部の一部として構成され、前記駆動源によって前記充填部を可動させることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用冷却ポンプ機構。
【請求項3】
前記駆動源は、前記駆動力としての磁力を発生する磁力発生部を有し、
前記可動部は、
前記磁力が作用する磁性体と、
前記磁性体を保持し、前記磁性体に対する前記磁力の作用状態に応じて往復に可動することで前記冷媒を圧送する圧送部と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用冷却ポンプ機構。
【請求項4】
前記磁性体は、前記コネクタと前記制御装置との接続方向において、前記磁力発生部に対して同一直線上に配設され、
前記圧送部は、前記接続方向に沿って往復に可動することを特徴とする請求項3に記載の内視鏡用冷却ポンプ機構。
【請求項5】
前記磁力発生部は、前記コネクタと前記制御装置との接続方向に対して直交する方向に沿って配設され、
前記磁性体と前記圧送部とは、前記直交する方向において前記磁力発生部に挟み込まれるように配設され、
前記圧送部は、前記接続方向に沿って往復に可動することを特徴とする請求項3に記載の内視鏡用冷却ポンプ機構。
【請求項6】
前記磁力発生部は、前記コネクタと前記制御装置との接続方向に対して直交する方向に沿って配設され、
前記磁性体と前記圧送部とは、前記直交する方向において前記磁力発生部に挟み込まれるように配設され、
前記圧送部は、前記直交する方向に沿って往復に可動することを特徴とする請求項3に記載の内視鏡用冷却ポンプ機構。
【請求項7】
前記駆動源は、前記駆動力としての磁力を発生する磁力発生部を有し、
前記可動部は、
前記磁力が作用する磁性体と、
前記充填部を封止するように前記充填部の内部に配設され、前記磁性体に対する前記磁力の作用状態に応じて前記充填部を摺動することで前記冷媒を圧送する圧送部と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用冷却ポンプ機構。
【請求項8】
前記駆動源は、駆動発生源と、前記駆動発生源を介して前記コネクタと前記制御装置との接続方向に対して往復に可動する駆動体とを有し、
前記可動部は、往復に可動する前記駆動体によって押圧されることで前記冷媒を圧送する圧送部を有することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用冷却ポンプ機構。
【請求項9】
前記制御装置の前記内部に配設され、前記コネクタが前記制御装置と接続した際に前記冷媒を冷却する冷却部をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の内視鏡用冷却ポンプ機構。
【請求項10】
前記制御装置の前記内部に配設され、前記駆動源と前記冷却部とから発生した熱を前記制御装置の外部に放出する放熱部とをさらに具備することを特徴とする請求項9に記載の内視鏡用冷却ポンプ機構。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−27622(P2013−27622A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167079(P2011−167079)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】