冷凍装置の集中管理装置
【課題】同一配管グループ内の室内ユニットの運転状態や警報を容易に確認することができる冷凍装置の集中管理装置を提供する。
【解決手段】店舗レイアウトに関する情報を管理する店舗レイアウト情報管理手段と、室内ユニット(ショーケースA1〜A4)から収集したデータを管理するデータ管理手段と、同一配管で冷凍機に接続された室内ユニットの配管グループを管理する配管グループ管理手段と、店舗レイアウトを表示し、且つ、室内ユニットから収集したデータを当該店舗レイアウト上に表示する表示制御手段とを備え、この表示制御手段は、特定の配管グループに属する全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、特定の配管グループに属する室内ユニットのデータのみを店舗レイアウト上に表示する機能を有する。
【解決手段】店舗レイアウトに関する情報を管理する店舗レイアウト情報管理手段と、室内ユニット(ショーケースA1〜A4)から収集したデータを管理するデータ管理手段と、同一配管で冷凍機に接続された室内ユニットの配管グループを管理する配管グループ管理手段と、店舗レイアウトを表示し、且つ、室内ユニットから収集したデータを当該店舗レイアウト上に表示する表示制御手段とを備え、この表示制御手段は、特定の配管グループに属する全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、特定の配管グループに属する室内ユニットのデータのみを店舗レイアウト上に表示する機能を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗に設置されたショーケースの冷却装置や空気調和機等の冷凍装置の運転状態を一括して管理するための集中管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗には、複数台のショーケース(室内ユニット)が設置されているが、近年ではこれらショーケースのコントローラと統合管理コントローラや遠隔管理システムをネットワークで接続し、各ショーケースの運転状態を一括して管理する集中管理装置が使用されるようになってきている(特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
この場合、各ショーケースには冷凍機(室外ユニット)から冷媒が分配供給されるが、設定温度や陳列物等の特性において関連性のあるショーケースは、同一の冷凍機に配管接続され、これら複数台のショーケースと冷凍機とで配管グループ(群)が構成される。そして、上記統合管理コントローラは店舗に設置され、これらショーケースや冷凍機からデータを収集する。収集したデータはこの統合管理コントローラにおいても表示可能とされるが、統合管理コントローラは、収集したデータをLAN等のネットワークを介して管理会社の遠隔管理システムに送信する。
【0004】
遠隔管理システムでは、受信したデータを元に各ショーケースや冷凍機の運転状態を監視することができるように構成されている。また、遠隔管理システムで設定された設定温度等のデータは統合管理コントローラに送信され、統合管理コントローラを経由して各ショーケース等に送信される。このデータは統合管理コントローラにおいても設定し、各ショーケース等に送信可能とされる。また、各ショーケース等において障害(故障)が発生した場合には、警報に関するデータが統合管理コントローラや遠隔管理システムに送信される。
【0005】
これらによって複数台のショーケースを一括管理可能とされている。また、店舗の統合管理コントローラは、店舗の空気調和機や店舗照明ともネットワークで接続され、これら空気調和機や店舗照明の制御も行えるように構成されたものも開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平4−363569号公報
【特許文献2】特開2001−194044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、前述したように同一の冷凍機に配管接続されて冷媒供給を受けるショーケースは、運転状態に関連性を持つことが多いが、従来では各ショーケース毎にデータを表示するのみであったため、同一配管グループ内の各ショーケースの運転状態を関連づけて確認することが困難であった。
【0008】
また、例えば前記特許文献1では、監視中のショーケースを順番に切換ながら各ショーケースの計測データを監視装置上に表示し、ショーケースに障害が発生した場合には監視装置上のLEDを点滅させ、且つ、ブザーを鳴動させて障害発生を通知しているが、このような従来のシステムでは監視装置に障害が発生したショーケース名や警報名が表示される程度であったため、ショーケースに障害が発生して警報が生じた場合に、実際の店舗内のどのショーケースに警報が生じているか分かり難い。
【0009】
特に、ショーケースに警報が生じた場合には、同一配管グループ内の他のショーケースにおいても何らかの障害が発生している可能性が高いが、従来のシステムでは係る配管グループ毎の障害(故障)の確認が容易にできないという問題もあった。そして、このことは店舗に設置された空気調和機の複数台の室内機(室内ユニット)と、それらが配管接続された室外機(室外ユニット)においても同様であった。
【0010】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、同一配管グループ内の室内ユニットの運転状態や警報を容易に確認することができる冷凍装置の集中管理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明は、店舗に設置された室内ユニットと室外ユニットから成る冷凍装置の運転状態を一括して管理する集中管理装置において、店舗レイアウトに関する情報を管理する店舗レイアウト情報管理手段と、室内ユニットから収集したデータを管理するデータ管理手段と、同一配管で室外ユニットに接続された室内ユニットの配管グループを管理する配管グループ管理手段と、店舗レイアウトを表示し、且つ、室内ユニットから収集したデータを当該店舗レイアウト上に表示する表示制御手段とを備え、この表示制御手段は、特定の配管グループに属する全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、特定の配管グループに属する室内ユニットのデータのみを店舗レイアウト上に表示する機能を有することを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明の冷凍装置の集中管理装置は、上記において表示制御手段は、室内ユニットから収集したデータに警報に関する情報が含まれている場合、当該室内ユニットが属する配管グループの全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、当該配管グループに属する室内ユニットのデータのみを店舗レイアウト上に表示することを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明の冷凍装置の集中管理装置は、上記において表示制御手段は、警報が同一配管グループ内の他の室内ユニットに影響を及ぼす警報ではない場合、当該室内ユニットのデータの表示状態のみを変更し、若しくは、当該室内ユニットのデータのみを店舗レイアウト上に表示すると共に、警報が同一配管グループ内の他の室内ユニットにも影響を及ぼす可能性のある警報である場合に、当該室内ユニットが属する配管グループの全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、当該配管グループに属する室内ユニットのデータのみを店舗レイアウト上に表示することを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明の冷凍装置の集中管理装置は、請求項2又は請求項3の発明において表示制御手段は、収集したデータに警報に関する情報が含まれている室内ユニットと同一の配管グループの他の室内ユニットのデータの表示状態を変更する場合、収集したデータに警報に関する情報が含まれている室内ユニットのデータの表示状態とは区別できるかたちで変更することを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明の冷凍装置の集中管理装置は、上記各発明において表示制御手段は、特定の配管グループに属する全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、特定の配管グループに属する室内ユニットのデータのみを店舗レイアウト上に表示する場合、当該配管グループの室内ユニットが位置する部分の店舗レイアウトの背景表示状態もあわせて変更することを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明の冷凍装置の集中管理装置は、上記各発明において冷凍装置はショーケース冷却装置であり、室外ユニットは冷凍機、室内ユニットは当該冷凍機に配管接続されたショーケースであることを特徴とする。
【0017】
請求項7の発明の冷凍装置の集中管理装置は、請求項1乃至請求項5の発明において冷凍装置は空気調和機であり、室外ユニットは室外機、室内ユニットは当該室外機に配管接続された室内機であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、店舗に設置された室内ユニットと室外ユニットから成る冷凍装置の運転状態を一括して管理する集中管理装置において、店舗レイアウトに関する情報を管理する店舗レイアウト情報管理手段と、室内ユニットから収集したデータを管理するデータ管理手段と、同一配管で室外ユニットに接続された室内ユニットの配管グループを管理する配管グループ管理手段と、店舗レイアウトを表示し、且つ、室内ユニットから収集したデータを当該店舗レイアウト上に表示する表示制御手段とを備え、この表示制御手段は、特定の配管グループに属する全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、特定の配管グループに属する室内ユニットのデータのみを店舗レイアウト上に表示する機能を有するので、運転状態に関連性をもつ同一配管グループ内の室内ユニットの運転状態を極めて容易に確認することが可能となる。
【0019】
これにより、例えば請求項6の発明の如きショーケース冷却装置における室内ユニットであるショーケースや、請求項7の如き空気調和機における室内ユニットである室内機の運転状態を監視する際に、運転状態に関連性をもつ同一配管グループ内のショーケースや室内機の運転状態を極めて容易に確認することができるようになる。
【0020】
また、請求項2の発明によれば、上記に加えて表示制御手段は、室内ユニットから収集したデータに警報に関する情報が含まれている場合、当該室内ユニットが属する配管グループの全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、当該配管グループに属する室内ユニットのデータのみを店舗レイアウト上に表示するので、警報が発生した室内ユニットと同一の配管グループ内の室内ユニットの運転状態に障害が発生し、或いは、発生する可能性があるか否かを極めて容易に確認することが可能となる。
【0021】
特にこの場合、請求項3の発明の如く表示制御手段が、警報が同一配管グループ内の他の室内ユニットに影響を及ぼす警報ではない場合、当該室内ユニットのデータの表示状態のみを変更し、若しくは、当該室内ユニットのデータのみを店舗レイアウト上に表示すると共に、警報が同一配管グループ内の他の室内ユニットにも影響を及ぼす可能性のある警報である場合に、当該室内ユニットが属する配管グループの全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、当該配管グループに属する室内ユニットのデータのみを店舗レイアウト上に表示するようにすれば、他の室内ユニットに影響を及ぼす可能性のある警報であった場合のみ、同一配管グループの全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更、若しくは、その配管グループのデータのみ表示することができるようになり、同一配管グループ内でも影響が生じない警報については、同一配管グループ内の全室内ユニットのデータの表示状態の変更等は行われなくなる。これにより、無用な表示変更に伴う混乱も未然に回避することが可能となる。
【0022】
更にそれに加えて請求項4の発明の如く表示制御手段が、収集したデータに警報に関する情報が含まれている室内ユニットと同一の配管グループの他の室内ユニットのデータの表示状態を変更する場合、収集したデータに警報に関する情報が含まれている室内ユニットのデータの表示状態とは区別できるかたちで変更するようにすれば、実際に警報が発生している室内ユニットと同一配管グループの他の室内ユニットとを一目で区別することが可能となり、確認が更に容易となるものである。
【0023】
また、請求項5の発明の如く表示制御手段が、特定の配管グループに属する全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、特定の配管グループに属する室内ユニットのデータのみを店舗レイアウト上に表示する場合、当該配管グループの室内ユニットが位置する部分の店舗レイアウトの背景表示状態もあわせて変更するようにすれば、警報が生じた室内ユニット及び配管グループの実際の店舗内における位置確認をより一層的確に行えるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明を適用した一実施例の集中管理装置の構成図である。
【図2】図1の集中管理装置の遠隔管理システムで表示される店舗レイアウト画面の一例を示す図である。
【図3】本発明を適用した一実施例の店舗におけるショーケースと店内照明の空間的位置関係を示す図である。
【図4】図1の集中管理装置の各データベースに構成された同一配管にあるショーケースを管理するための配管グループデータベーステーブルの一例を示す図である。
【図5】図1の集中管理装置の各データベースに構成された表示グループと背景画像の対応関係を管理するための背景画像データベーステーブルの一例を示す図である。
【図6】図1の集中管理装置の各データベースに構成された表示グループと表示項目の対応関係を管理するための表示項目データベーステーブルの一例を示す図である。
【図7】図1の集中管理装置の各データベースに構成されたショーケースと店舗照明の対応関係を管理するための店舗照明位置データベーステーブルの一例を示す図である。
【図8】図1の集中管理装置の各データベースに構成されたショーケースの警報種別と他のショーケースに影響を及ぼす可能性の対応関係を管理するための警報種別データベーステーブルの一例を示す図である。
【図9】図1の集中管理装置の遠隔管理システムの店舗レイアウト画面表示に関する配管グループ表示動作を説明するフローチャートである。
【図10】図1の集中管理装置の統合管理コントローラの警報発生時の照明制御動作を説明するフローチャートである。
【図11】図1の集中管理装置の遠隔管理システムの店舗レイアウト画面表示に関する警報発生時の表示動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。実施例の集中管理装置1は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗STに設置された室内ユニットとしてのショーケースA1、A2・・や室外ユニットとしての冷凍機Rから構成される冷凍装置の実施例としてのショーケース冷却装置Fの他、店舗STの空気調和機や店内を照明する店舗照明(グループ)LG1、LG2・・の制御を統合して実行する店舗統合管理システムと称されるものである。
【0026】
図1において、店舗STの店内(売場内)には複数台のショーケース(室内ユニット)A1、A2(図1では二台のみ示す)が設置されており、更にこれらショーケースA1、A2に冷媒を供給する冷凍機(室外ユニット)Rが店外、或いは、店舗の機械室等に設置されている。冷凍機Rは冷媒を圧縮して吐出するコンプレッサ2や、該コンプレッサ2から吐出された高温高圧の冷媒を空冷等により凝縮するコンデンサ3等を備えている。ショーケースA1、A2には図示しない蒸発器や減圧装置が設けられ、それらは冷媒配管により冷凍機Rに接続され、周知の冷媒回路を構成する。そして、この蒸発器で冷媒が蒸発することで、ショーケースA1、A2の陳列室内を所定の温度に冷却するものである。
【0027】
冷凍機Rは実際には更に複数台設置されており、各冷凍機に同一の用途や温度毎に分けられたショーケースが複数接続される。そして、これら冷凍機とそれに接続された複数台のショーケースとで後述する配管グループPG1・・が構成される。
【0028】
これらショーケースA1、A2や冷凍機R、店舗照明LG1、LG2は、汎用機器コントローラ4をそれぞれ有しており、これら汎用機器コントローラ4により運転や点/消灯が制御される。各汎用機器コントローラ4は通信線により統合管理コントローラ6に接続され、これらにより店舗内システムのネットワークが構成される。
【0029】
この統合管理コントローラ6は店舗STに設置されており、店舗ローカルデータベース7を有している。統合管理コントローラ6は更にLAN等のネットワーク11を介して外部の遠隔管理システム8に接続されている。この遠隔管理システム8は、例えば複数の店舗に設置された各機器の管理を行う管理センターに設置されたもので、センターデータベース9を有している。
【0030】
これら遠隔管理システム8及び統合管理コントローラ6では各ショーケースA1、A2や冷凍機R、店舗照明LG1、LG2の制御を行うための各種設定値等(温度設定、警報設定等)のデータを入力可能とされており、これらのデータはセンターデータベース9及び店舗ローカルデータベース7に格納されると共に、遠隔管理システム8で設定されたデータはネットワーク11を介して統合管理コントローラ6に送られ、この統合管理コントローラ6を介して各ショーケースA1、A2や冷凍機R、店舗照明LG1、LG2の汎用機器コントローラ4にそれぞれ配信される。尚、統合管理コントローラ6で入力されたデータは上記店舗ST内の各機器に同様に配信され、遠隔管理システム8にもネットワーク11を介して通知される。
【0031】
そして、店舗STの各汎用機器コントローラ4は受信したデータに基づいて各ショーケースA1、A2、冷凍機Rの運転を制御し、店舗照明LG1、LG2の点/消灯を制御する。更に、統合管理コントローラ6は定期的に各汎用機器コントローラ4にポーリングを行い、各汎用機器コントローラ4は、これに応えて各ショーケースA1、A2や冷凍機Rの運転状態に関するデータ(計測データ、警報データ)、店舗照明LG1、LG2の点灯状態に関するデータを統合管理コントローラ6に送信する。統合管理コントローラ6はこのようにして収集したデータを店舗ローカルデータベース7に保存すると共に、遠隔管理システム8からの要求により、収集したデータをネットワーク11を介して遠隔管理システム8に送信する。遠隔管理システム8はこれをセンターデータベース9に保存する。
【0032】
尚、各ショーケースA1、A2等で障害が生じて警報が発生した場合、定期的なポーリングによらず、警報が発生した時点で汎用機器コントローラ4から統合管理コントローラ6に警報データが通知される。統合管理コントローラ6では簡易なモニタ(表示手段)によりこれらのデータを表示することができるので、これにより、統合管理コントローラ6は店舗ST内の各機器の状態監視と制御を実行し、複数の機器を一括して管理することができるように構成されている。
【0033】
また、遠隔管理システム8も統合管理コントローラ6を管理し、任意の機器の現在の計測データや警報データを統合管理コントローラ6に要求して収集し、モニタ画面(表示手段)に表示することができる。これにより、遠隔管理システム8も統合管理コントローラ6を介して店舗ST内の各機器の状態監視と制御を実行し、複数の機器を一括して管理することができるように構成されている。
【0034】
次に、係る遠隔管理システム8と統合管理コントローラ6における実際の監視動作について図2以降を参照して説明する。尚、実施例ではこれら遠隔管理システム8とセンターデータベース9、統合管理コントローラ6と店舗ローカルデータベース7がこの集中管理装置1における店舗レイアウト情報管理手段、データ管理手段、配管グループ管理手段、照明位置情報管理手段、表示制御手段、照明制御手段を構成する。
【0035】
図2は遠隔管理システム8のモニタ画面に表示される店舗レイアウト画面を示している。遠隔管理システム8は自らが有するモニタ画面に図2の如く店舗レイアウトを表示する。この店舗レイアウト画面は、遠隔管理システム8のセンターデータベース9に格納された背景画像データベーステーブル(店舗レイアウト情報管理手段を構成する)に基づいて表示される。この背景画像データベーステーブルには、図5に示す如く表示グループMG1、MG2に対応して店舗1と店舗2の店舗レイアウトの背景画像データjpgが格納され、管理されている。例えば、確認したい店舗STが店舗1の場合には、店舗1の背景画像が選択されてモニタ画面に背景として表示される。
【0036】
更に、この背景画像上には各ショーケースA1、A2の計測データが併せて表示される。この場合の対応関係は、図6の表示項目データベーステーブル(表示制御手段を構成する)に基づいて確認される。即ち、この表示項目データベーステーブルには、表示グループ名MG1と、ショーケース名A1、A2と計測データ名(庫内温度)から成る表示項目と、表示座標(X,Y)が格納され、管理されており、背景画像が店舗1であれば、表示グループMG1に属するショーケースA1、A2の庫内温度(統合管理コントローラ6から送信された計測データ)が、それぞれの表示座標上に表示されることになる。実施例では図2に示すように吹出形式で各ショーケースの庫内温度(計測データ)を表示する(−35℃等。尚、実施例のショーケースの庫内温度の設定は−35℃であるものとする)。
【0037】
尚、この表示項目の表示座標(背景画像上の表示位置)はモニタ画面上においてマウスのドラッグ・ドロップ等により、手動で決定しても良いが、CAD等で作成したレイアウト図から自動的に設定できるようにしても良い。
【0038】
また、遠隔管理システム8のセンターデータベース9と統合管理コントローラ6の店舗ローカルデータベース7には、図4に示す配管グループデータベーステーブル(配管グループ管理手段を構成する)が格納されている。この配管グループデータベーステーブルには、同一の冷凍機Rに配管接続されたショーケースが一つの配管グループとして管理されており、実施例の場合、ショーケースA1〜A4(例えば冷凍食品用)は配管グループPG1、ショーケースA5〜A8(例えば日配品用)は配管グループPG2、ショーケースA9、A10(例えば飲料用)は配管グループPG3とされている。
【0039】
また、遠隔管理システム8のセンターデータベース9と統合管理コントローラ6の店舗ローカルデータベース7には、図7に示す店舗照明位置データベーステーブル(照明位置情報管理手段を構成する)が格納されている。この店舗照明位置データベーステーブルには、図3に示すようにショーケースA1〜A5(実際にはA10まである)とそれらの直上(空間的位置関係)において対応する店舗照明LG1〜LG5の対応関係が管理されており、実施例ではショーケースA1の直上に店舗照明LG1が、ショーケースA2の直上に店舗照明LG2が、ショーケースA3の直上に店舗照明LG3が、ショーケースA4の直上に店舗照明LG4が、ショーケースA5の直上に店舗照明LG5がそれぞれ対応している。
【0040】
更に、遠隔管理システム8のセンターデータベース9と統合管理コントローラ6の店舗ローカルデータベース7には、図8に示す警報種別データベーステーブルが格納されている。この警報種別データベーステーブルには、ショーケースの警報種別と当該警報が同一配管グループ内の他のショーケースにも影響を及ぼす可能性の警報(障害)であるか否かの対応関係が格納されており、実施例では高温警報と低温警報は可能性「有」、通信異常、センサ断線、センサ短絡は可能性「無」で登録されている。
【0041】
(1)遠隔管理システムによる配管グループの表示動作
次に、遠隔管理システム8による配管グループの表示動作について図9のフローチャートを参照しながら説明する。遠隔管理システム8は、マウスやキー入力によって特定の配管グループPG1〜PG3が選択された場合、図9のステップS1で表示すべき配管グループを取得し、ステップS2で当該ショーケースが表示すべき配管グループのショーケースか否か判断し、当該配管グループのショーケースであればステップS3に進んで計測データ(表示項目)をモニタ画面上に表示する。また、ステップS2で表示すべき配管グループのショーケースでは無い場合、ステップS5で計測データを非表示とする。そして、ステップS4で全ての計測データについて確認したか否か確認し、確認していなければステップS1に戻り、確認していれば終了する。
【0042】
これにより、遠隔管理システム8のモニタ画面の店舗レイアウト上には、選択した配管グループ、例えば配管グループPG1の場合には、それに属するショーケースA1〜A4の計測データのみが表示されるようになる。これにより、運転状態に関連性をもつ同一配管グループPG1内のショーケースA1〜A4の運転状態を極めて容易に確認することが可能となる。
【0043】
尚、実施例では該当するショーケースA1〜A4の計測データのみ表示するようにしたが、図2のモニタ画面上の左側に示すように、当該選択された配管グループ(例えばPG1)に属するショーケースA1〜A4の計測データの表示状態を変更するようにしても良い。図2のモニタ画面上では計測データの表示を点滅ブリンクさせている。また、それらを他の計測データとは区別できる程に強調して表示しても良い。更に、それらに併せて当該ショーケースA1〜A4が設置された位置の店舗レイアウト画面の背景表示状態を変更しても良い。実施例では遠隔管理システム8は、図2のモニタ画面上の左側の囲い線で示す範囲の背景色を変更する。これにより、同一配管グループPG1内のショーケースA1〜A4の実際の店舗内における位置を確認しながらそれらの計測データを的確に確認することができるようになる。
【0044】
次に、各汎用機器コントローラ4から収集したデータ中に警報データが含まれていた場合の動作について説明する。図10は統合管理コントローラ6の警報発生時の照明制御動作を説明するフローチャート、図11は遠隔管理システム8の警報発生時の表示動作を説明するフローチャートである。
【0045】
(2)統合管理コントローラの警報発生時の照明制御動作
店舗内システムを構成する統合管理コントローラ6は、図10のステップS11で店舗STに設置されたショーケース(最初にA1)から前述の如くデータ(計測データ、警報データ)を収集する。次に、ステップS12で該ショーケースA1に障害が発生し、収集したデータ中に警報データが含まれているか否かを判断し、障害が発生していなければステップS15に進み、今度は同一配管グループPG1内の他のショーケースA2〜A4に障害が発生して警報データが含まれているか否か判断し、障害が発生していなければステップS18に進んで対応する店舗照明LG1の点灯状態を通常状態とする。そして、ステップS14に進み、全てのショーケースのデータを収集していなければステップS11に戻る。
【0046】
一方、ショーケースA1に障害が発生しており、警報データが含まれている場合にはステップS12からステップS13に進み、当該ショーケースA1の直上で対応する店舗照明LG1の点灯状態を障害通知状態に変更する。この障害通知状態とは、店舗照明LG1を消灯し、或いは、点滅させ、若しくは、その照度を変更し、又は、発光色を変更することを意味する。
【0047】
また、ステップS12で当該ショーケースA1に障害が発生していないが、ステップS15で同一配管グループPG1内の他のショーケースに障害が発生している場合、ステップS15からステップS16に進んで、当該他のショーケースで発生している障害(警報)が他のショーケースに影響を及ぼすものか否か判断する。この判断は図8の警報種別データベーステーブルに基づいて行われ、例えば警報の種類が高温警報であった場合には、ステップS17に進んで当該ショーケースA1の直上で対応する店舗照明LG1の点灯状態を配管グループ通知状態に変更する。この配管グループ通知状態は、上記障害通知状態と同一でも良く、区別した状態でも良い。例えば、区別する場合には、点滅の間隔や、照度、発光色を異なるものとする。そのように区別すれば、実際に警報が発生しているショーケースと同一配管グループの他のショーケースとを一目で区別することが可能となる。
【0048】
尚、ステップS16で判断した他のショーケースの障害が、例えば通信異常などの他のショーケースに影響を及ぼす可能性の無い警報であった場合は、ステップS16からステップS18に進んで対応する店舗照明LG1の点灯状態は通常状態とする。これを設置された全てのショーケースA1〜A10に対して実行する。
【0049】
即ち、何れかのショーケース(例えばA1)に障害が生じて警報データが送信された場合、統合管理コントローラ6は当該ショーケースA1の直上に対応する店舗照明LG1の点灯状態を障害通知状態に変更する。また、当該ショーケースA1に生じた警報(障害)が同一配管グループPG1内の他のショーケースA2〜A4にも影響を及ぼす警報であった場合は、当該同一配管グループPG1内の全ての他のショーケースA2〜A4それぞれの直上に対応する店舗照明LG2〜LG4を配管グループ通知状態に変更する。
【0050】
これにより、統合管理コントローラ6のモニタを常時監視していなくとも、比較的広範囲で状態変化を確認することができる店舗照明の点灯状態の変化、若しくは、消灯によってショーケースに障害が発生していることを容易に確認できるようになる。この場合、点灯状態が変化、若しくは、消灯する店舗照明は、位置的にショーケースに対応しているので、障害が発生しているショーケースの識別も容易となる。
【0051】
また、統合管理コントローラ6はショーケースに障害が生じた場合、当該ショーケースが属する配管グループのショーケースと位置的に対応する全ての店舗照明の点灯状態を変更、若しくは、消灯するので、障害が発生したショーケースと同一グループであって、影響を受けやすいショーケースの位置も店舗照明によって容易に確認できる。
【0052】
特に、他のショーケースに影響を及ぼす可能性のある警報であった場合のみ、同一配管グループのショーケースと位置的に対応する全ての店舗照明の点灯状態を変更、若しくは、消灯するので、配管グループ内でも影響を受けない警報については、配管グループ内全ショーケースに対応する店舗照明の変更、若しくは、消灯は行われない。これにより、無用な混乱の発生を回避することができるようになる。
【0053】
尚、統合管理コントローラ6は、店内放送等の店員にのみ把握可能な通知方法で警報が発生していることを通知することも可能である。これにより、警報発生自体は店内放送で店員に通知し、発生箇所、即ち、どのショーケースで警報が発生しているかは店舗照明で確認することができるようになる。
【0054】
(3)遠隔管理システムの警報発生時の表示動作
一方、遠隔管理システム8は、図11のステップS19で店舗STに設置された統合管理コントローラ6から前述の如く例えばショーケースA1のデータ(計測データ、警報データ)を受信する。次に、ステップS20で当該ショーケースA1に障害が発生し、収集したデータ中に警報データが含まれているか否かを判断し、障害が発生していなければステップS23に進み、今度は同一配管グループPG1内の他のショーケースA2〜A4に障害が発生して警報データが含まれているか否か判断し、障害が発生していなければステップS26に進んで対応するモニタ画面の店舗レイアウトの該当機器(ショーケースA1)の表示を通常表示状態とする。そして、ステップS22に進み、全てのショーケースのデータを収集していなければステップS19に戻る。
【0055】
一方、ショーケースA1に例えば高温警報の障害が発生しており、警報データが含まれている場合にはステップS20からステップS21に進み、モニタ画面のショーケースA1の計測データの表示状態を図2の如く警報表示状態に変更する。この警報表示状態は図2にA1で示す0℃の計測データを太線でブリンク表示しているものがそれに該当するが、実際にはこの計測データの枠の色が赤色等に変更される。
【0056】
また、ステップS20で当該ショーケースA1に障害が発生していないが、ステップS23で同一配管グループPG1内の他のショーケースに障害が発生している場合、ステップS23からステップS24に進んで、当該他のショーケースで発生している障害(警報)が他のショーケースに影響を及ぼすものか否か判断する。この判断も図8の警報種別データベーステーブルに基づいて行われ、例えば警報の種類が高温警報であった場合には、ステップS25に進んで当該ショーケースA1の計測データの表示状態を強調表示状態に変更する。図2ではショーケースA2〜A4の計測データを細線でブリンク表示しているが、この表示状態がそれに該当する。この強調表示状態は、上記警報表示状態と同一でも良く、区別した状態でも良い。但し、実施例のように区別すれば、実際に警報が発生しているショーケースと同一配管グループの他のショーケースとを一目で区別することが可能となる。
【0057】
尚、ステップS24で判断した他のショーケースの障害が、例えば通信異常などの他のショーケースに影響を及ぼす可能性の無い警報であった場合は、ステップS24からステップS26に進んで対応するショーケースA1の計測データの表示状態は通常状態とする。これを設置された全てのショーケースA1〜A10に対して実行する。
【0058】
即ち、何れかのショーケース(例えばA1)に障害が生じて警報データが送信された場合、遠隔管理システム8はモニタ画面における当該ショーケースA1の計測データの表示状態を警報表示状態に変更する。また、当該ショーケースA1に生じた警報(障害)が同一配管グループPG1内の他のショーケースA2〜A4にも影響を及ぼす警報であった場合は、当該同一配管グループPG1内の全ての他のショーケースA2〜A4それぞれの計測データの表示状態を強調表示状態に変更する。
【0059】
併せて遠隔管理システム8は当該配管グループPG1のショーケースA1〜A4が位置する部分の店舗レイアウトの背景表示状態も変更する。実施例では遠隔管理システム8は、図2のモニタ画面上の左側の囲い線Cで示す範囲の背景色を変更しており、警報が生じているショーケースA1の属する配管グループPG1内の全ショーケースA1〜A4の実際の店舗内における位置を確認しながらそれらの計測データを的確に確認することができるようにしている。
【0060】
このような構成としたことにより、警報が発生したショーケースと同一の配管グループ内のショーケースの運転状態に障害が発生し、或いは、発生する可能性があるか否かを遠隔管理システム8のモニタ画面において極めて容易に確認することが可能となる。
【0061】
特に、他のショーケースに影響を及ぼす可能性のある警報であった場合のみ、同一配管グループの全てのショーケースのデータの表示状態を変更、若しくは、その配管グループのデータのみ表示することができるようになり、同一配管グループ内でも影響が生じない警報については、同一配管グループ内の全ショーケースのデータの表示状態の変更等は行われなくなる。これにより、無用な表示変更に伴う混乱も未然に回避することが可能となる。
【0062】
更にそれに加えて該当する配管グループのショーケースが位置する部分の店舗レイアウトの背景表示状態も変更するようにすれば、警報が生じたショーケース及び配管グループの実際の店舗内における位置確認をより一層的確に行えるようになる。
【0063】
尚、上述した実施例では冷凍装置の実施例として室内ユニットとしてのショーケースと室外ユニットとしての冷凍機から成るショーケース冷却装置Fの集中管理に本発明を適用したが、それに限らず、冷凍装置としては室内ユニットとして店内の天井等に複数設置される室内機と、店外に設置されて各室内機が配管接続される室外ユニットとしての室外機から成る空気調和機にも本発明は有効である。
【0064】
その場合、図1のFは空気調和機、A1、A2は室内機となり、Rは室外機となる。また、室内機と位置的に対応する店舗照明LG1、LG2としては、当該室内機に隣接して店内の天井等に取り付けられた店舗照明が採用されることになる。
【符号の説明】
【0065】
1 集中管理装置
4 汎用機器コントローラ
6 統合管理コントローラ
8 遠隔管理システム
A1〜A10 ショーケース(室内ユニット)
F ショーケース冷却装置(冷凍装置)
LG1〜LG5 店舗照明
R 冷凍機(室外ユニット)
ST 店舗
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗に設置されたショーケースの冷却装置や空気調和機等の冷凍装置の運転状態を一括して管理するための集中管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗には、複数台のショーケース(室内ユニット)が設置されているが、近年ではこれらショーケースのコントローラと統合管理コントローラや遠隔管理システムをネットワークで接続し、各ショーケースの運転状態を一括して管理する集中管理装置が使用されるようになってきている(特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
この場合、各ショーケースには冷凍機(室外ユニット)から冷媒が分配供給されるが、設定温度や陳列物等の特性において関連性のあるショーケースは、同一の冷凍機に配管接続され、これら複数台のショーケースと冷凍機とで配管グループ(群)が構成される。そして、上記統合管理コントローラは店舗に設置され、これらショーケースや冷凍機からデータを収集する。収集したデータはこの統合管理コントローラにおいても表示可能とされるが、統合管理コントローラは、収集したデータをLAN等のネットワークを介して管理会社の遠隔管理システムに送信する。
【0004】
遠隔管理システムでは、受信したデータを元に各ショーケースや冷凍機の運転状態を監視することができるように構成されている。また、遠隔管理システムで設定された設定温度等のデータは統合管理コントローラに送信され、統合管理コントローラを経由して各ショーケース等に送信される。このデータは統合管理コントローラにおいても設定し、各ショーケース等に送信可能とされる。また、各ショーケース等において障害(故障)が発生した場合には、警報に関するデータが統合管理コントローラや遠隔管理システムに送信される。
【0005】
これらによって複数台のショーケースを一括管理可能とされている。また、店舗の統合管理コントローラは、店舗の空気調和機や店舗照明ともネットワークで接続され、これら空気調和機や店舗照明の制御も行えるように構成されたものも開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平4−363569号公報
【特許文献2】特開2001−194044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、前述したように同一の冷凍機に配管接続されて冷媒供給を受けるショーケースは、運転状態に関連性を持つことが多いが、従来では各ショーケース毎にデータを表示するのみであったため、同一配管グループ内の各ショーケースの運転状態を関連づけて確認することが困難であった。
【0008】
また、例えば前記特許文献1では、監視中のショーケースを順番に切換ながら各ショーケースの計測データを監視装置上に表示し、ショーケースに障害が発生した場合には監視装置上のLEDを点滅させ、且つ、ブザーを鳴動させて障害発生を通知しているが、このような従来のシステムでは監視装置に障害が発生したショーケース名や警報名が表示される程度であったため、ショーケースに障害が発生して警報が生じた場合に、実際の店舗内のどのショーケースに警報が生じているか分かり難い。
【0009】
特に、ショーケースに警報が生じた場合には、同一配管グループ内の他のショーケースにおいても何らかの障害が発生している可能性が高いが、従来のシステムでは係る配管グループ毎の障害(故障)の確認が容易にできないという問題もあった。そして、このことは店舗に設置された空気調和機の複数台の室内機(室内ユニット)と、それらが配管接続された室外機(室外ユニット)においても同様であった。
【0010】
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、同一配管グループ内の室内ユニットの運転状態や警報を容易に確認することができる冷凍装置の集中管理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明は、店舗に設置された室内ユニットと室外ユニットから成る冷凍装置の運転状態を一括して管理する集中管理装置において、店舗レイアウトに関する情報を管理する店舗レイアウト情報管理手段と、室内ユニットから収集したデータを管理するデータ管理手段と、同一配管で室外ユニットに接続された室内ユニットの配管グループを管理する配管グループ管理手段と、店舗レイアウトを表示し、且つ、室内ユニットから収集したデータを当該店舗レイアウト上に表示する表示制御手段とを備え、この表示制御手段は、特定の配管グループに属する全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、特定の配管グループに属する室内ユニットのデータのみを店舗レイアウト上に表示する機能を有することを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明の冷凍装置の集中管理装置は、上記において表示制御手段は、室内ユニットから収集したデータに警報に関する情報が含まれている場合、当該室内ユニットが属する配管グループの全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、当該配管グループに属する室内ユニットのデータのみを店舗レイアウト上に表示することを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明の冷凍装置の集中管理装置は、上記において表示制御手段は、警報が同一配管グループ内の他の室内ユニットに影響を及ぼす警報ではない場合、当該室内ユニットのデータの表示状態のみを変更し、若しくは、当該室内ユニットのデータのみを店舗レイアウト上に表示すると共に、警報が同一配管グループ内の他の室内ユニットにも影響を及ぼす可能性のある警報である場合に、当該室内ユニットが属する配管グループの全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、当該配管グループに属する室内ユニットのデータのみを店舗レイアウト上に表示することを特徴とする。
【0014】
請求項4の発明の冷凍装置の集中管理装置は、請求項2又は請求項3の発明において表示制御手段は、収集したデータに警報に関する情報が含まれている室内ユニットと同一の配管グループの他の室内ユニットのデータの表示状態を変更する場合、収集したデータに警報に関する情報が含まれている室内ユニットのデータの表示状態とは区別できるかたちで変更することを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明の冷凍装置の集中管理装置は、上記各発明において表示制御手段は、特定の配管グループに属する全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、特定の配管グループに属する室内ユニットのデータのみを店舗レイアウト上に表示する場合、当該配管グループの室内ユニットが位置する部分の店舗レイアウトの背景表示状態もあわせて変更することを特徴とする。
【0016】
請求項6の発明の冷凍装置の集中管理装置は、上記各発明において冷凍装置はショーケース冷却装置であり、室外ユニットは冷凍機、室内ユニットは当該冷凍機に配管接続されたショーケースであることを特徴とする。
【0017】
請求項7の発明の冷凍装置の集中管理装置は、請求項1乃至請求項5の発明において冷凍装置は空気調和機であり、室外ユニットは室外機、室内ユニットは当該室外機に配管接続された室内機であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、店舗に設置された室内ユニットと室外ユニットから成る冷凍装置の運転状態を一括して管理する集中管理装置において、店舗レイアウトに関する情報を管理する店舗レイアウト情報管理手段と、室内ユニットから収集したデータを管理するデータ管理手段と、同一配管で室外ユニットに接続された室内ユニットの配管グループを管理する配管グループ管理手段と、店舗レイアウトを表示し、且つ、室内ユニットから収集したデータを当該店舗レイアウト上に表示する表示制御手段とを備え、この表示制御手段は、特定の配管グループに属する全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、特定の配管グループに属する室内ユニットのデータのみを店舗レイアウト上に表示する機能を有するので、運転状態に関連性をもつ同一配管グループ内の室内ユニットの運転状態を極めて容易に確認することが可能となる。
【0019】
これにより、例えば請求項6の発明の如きショーケース冷却装置における室内ユニットであるショーケースや、請求項7の如き空気調和機における室内ユニットである室内機の運転状態を監視する際に、運転状態に関連性をもつ同一配管グループ内のショーケースや室内機の運転状態を極めて容易に確認することができるようになる。
【0020】
また、請求項2の発明によれば、上記に加えて表示制御手段は、室内ユニットから収集したデータに警報に関する情報が含まれている場合、当該室内ユニットが属する配管グループの全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、当該配管グループに属する室内ユニットのデータのみを店舗レイアウト上に表示するので、警報が発生した室内ユニットと同一の配管グループ内の室内ユニットの運転状態に障害が発生し、或いは、発生する可能性があるか否かを極めて容易に確認することが可能となる。
【0021】
特にこの場合、請求項3の発明の如く表示制御手段が、警報が同一配管グループ内の他の室内ユニットに影響を及ぼす警報ではない場合、当該室内ユニットのデータの表示状態のみを変更し、若しくは、当該室内ユニットのデータのみを店舗レイアウト上に表示すると共に、警報が同一配管グループ内の他の室内ユニットにも影響を及ぼす可能性のある警報である場合に、当該室内ユニットが属する配管グループの全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、当該配管グループに属する室内ユニットのデータのみを店舗レイアウト上に表示するようにすれば、他の室内ユニットに影響を及ぼす可能性のある警報であった場合のみ、同一配管グループの全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更、若しくは、その配管グループのデータのみ表示することができるようになり、同一配管グループ内でも影響が生じない警報については、同一配管グループ内の全室内ユニットのデータの表示状態の変更等は行われなくなる。これにより、無用な表示変更に伴う混乱も未然に回避することが可能となる。
【0022】
更にそれに加えて請求項4の発明の如く表示制御手段が、収集したデータに警報に関する情報が含まれている室内ユニットと同一の配管グループの他の室内ユニットのデータの表示状態を変更する場合、収集したデータに警報に関する情報が含まれている室内ユニットのデータの表示状態とは区別できるかたちで変更するようにすれば、実際に警報が発生している室内ユニットと同一配管グループの他の室内ユニットとを一目で区別することが可能となり、確認が更に容易となるものである。
【0023】
また、請求項5の発明の如く表示制御手段が、特定の配管グループに属する全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、特定の配管グループに属する室内ユニットのデータのみを店舗レイアウト上に表示する場合、当該配管グループの室内ユニットが位置する部分の店舗レイアウトの背景表示状態もあわせて変更するようにすれば、警報が生じた室内ユニット及び配管グループの実際の店舗内における位置確認をより一層的確に行えるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明を適用した一実施例の集中管理装置の構成図である。
【図2】図1の集中管理装置の遠隔管理システムで表示される店舗レイアウト画面の一例を示す図である。
【図3】本発明を適用した一実施例の店舗におけるショーケースと店内照明の空間的位置関係を示す図である。
【図4】図1の集中管理装置の各データベースに構成された同一配管にあるショーケースを管理するための配管グループデータベーステーブルの一例を示す図である。
【図5】図1の集中管理装置の各データベースに構成された表示グループと背景画像の対応関係を管理するための背景画像データベーステーブルの一例を示す図である。
【図6】図1の集中管理装置の各データベースに構成された表示グループと表示項目の対応関係を管理するための表示項目データベーステーブルの一例を示す図である。
【図7】図1の集中管理装置の各データベースに構成されたショーケースと店舗照明の対応関係を管理するための店舗照明位置データベーステーブルの一例を示す図である。
【図8】図1の集中管理装置の各データベースに構成されたショーケースの警報種別と他のショーケースに影響を及ぼす可能性の対応関係を管理するための警報種別データベーステーブルの一例を示す図である。
【図9】図1の集中管理装置の遠隔管理システムの店舗レイアウト画面表示に関する配管グループ表示動作を説明するフローチャートである。
【図10】図1の集中管理装置の統合管理コントローラの警報発生時の照明制御動作を説明するフローチャートである。
【図11】図1の集中管理装置の遠隔管理システムの店舗レイアウト画面表示に関する警報発生時の表示動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。実施例の集中管理装置1は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗STに設置された室内ユニットとしてのショーケースA1、A2・・や室外ユニットとしての冷凍機Rから構成される冷凍装置の実施例としてのショーケース冷却装置Fの他、店舗STの空気調和機や店内を照明する店舗照明(グループ)LG1、LG2・・の制御を統合して実行する店舗統合管理システムと称されるものである。
【0026】
図1において、店舗STの店内(売場内)には複数台のショーケース(室内ユニット)A1、A2(図1では二台のみ示す)が設置されており、更にこれらショーケースA1、A2に冷媒を供給する冷凍機(室外ユニット)Rが店外、或いは、店舗の機械室等に設置されている。冷凍機Rは冷媒を圧縮して吐出するコンプレッサ2や、該コンプレッサ2から吐出された高温高圧の冷媒を空冷等により凝縮するコンデンサ3等を備えている。ショーケースA1、A2には図示しない蒸発器や減圧装置が設けられ、それらは冷媒配管により冷凍機Rに接続され、周知の冷媒回路を構成する。そして、この蒸発器で冷媒が蒸発することで、ショーケースA1、A2の陳列室内を所定の温度に冷却するものである。
【0027】
冷凍機Rは実際には更に複数台設置されており、各冷凍機に同一の用途や温度毎に分けられたショーケースが複数接続される。そして、これら冷凍機とそれに接続された複数台のショーケースとで後述する配管グループPG1・・が構成される。
【0028】
これらショーケースA1、A2や冷凍機R、店舗照明LG1、LG2は、汎用機器コントローラ4をそれぞれ有しており、これら汎用機器コントローラ4により運転や点/消灯が制御される。各汎用機器コントローラ4は通信線により統合管理コントローラ6に接続され、これらにより店舗内システムのネットワークが構成される。
【0029】
この統合管理コントローラ6は店舗STに設置されており、店舗ローカルデータベース7を有している。統合管理コントローラ6は更にLAN等のネットワーク11を介して外部の遠隔管理システム8に接続されている。この遠隔管理システム8は、例えば複数の店舗に設置された各機器の管理を行う管理センターに設置されたもので、センターデータベース9を有している。
【0030】
これら遠隔管理システム8及び統合管理コントローラ6では各ショーケースA1、A2や冷凍機R、店舗照明LG1、LG2の制御を行うための各種設定値等(温度設定、警報設定等)のデータを入力可能とされており、これらのデータはセンターデータベース9及び店舗ローカルデータベース7に格納されると共に、遠隔管理システム8で設定されたデータはネットワーク11を介して統合管理コントローラ6に送られ、この統合管理コントローラ6を介して各ショーケースA1、A2や冷凍機R、店舗照明LG1、LG2の汎用機器コントローラ4にそれぞれ配信される。尚、統合管理コントローラ6で入力されたデータは上記店舗ST内の各機器に同様に配信され、遠隔管理システム8にもネットワーク11を介して通知される。
【0031】
そして、店舗STの各汎用機器コントローラ4は受信したデータに基づいて各ショーケースA1、A2、冷凍機Rの運転を制御し、店舗照明LG1、LG2の点/消灯を制御する。更に、統合管理コントローラ6は定期的に各汎用機器コントローラ4にポーリングを行い、各汎用機器コントローラ4は、これに応えて各ショーケースA1、A2や冷凍機Rの運転状態に関するデータ(計測データ、警報データ)、店舗照明LG1、LG2の点灯状態に関するデータを統合管理コントローラ6に送信する。統合管理コントローラ6はこのようにして収集したデータを店舗ローカルデータベース7に保存すると共に、遠隔管理システム8からの要求により、収集したデータをネットワーク11を介して遠隔管理システム8に送信する。遠隔管理システム8はこれをセンターデータベース9に保存する。
【0032】
尚、各ショーケースA1、A2等で障害が生じて警報が発生した場合、定期的なポーリングによらず、警報が発生した時点で汎用機器コントローラ4から統合管理コントローラ6に警報データが通知される。統合管理コントローラ6では簡易なモニタ(表示手段)によりこれらのデータを表示することができるので、これにより、統合管理コントローラ6は店舗ST内の各機器の状態監視と制御を実行し、複数の機器を一括して管理することができるように構成されている。
【0033】
また、遠隔管理システム8も統合管理コントローラ6を管理し、任意の機器の現在の計測データや警報データを統合管理コントローラ6に要求して収集し、モニタ画面(表示手段)に表示することができる。これにより、遠隔管理システム8も統合管理コントローラ6を介して店舗ST内の各機器の状態監視と制御を実行し、複数の機器を一括して管理することができるように構成されている。
【0034】
次に、係る遠隔管理システム8と統合管理コントローラ6における実際の監視動作について図2以降を参照して説明する。尚、実施例ではこれら遠隔管理システム8とセンターデータベース9、統合管理コントローラ6と店舗ローカルデータベース7がこの集中管理装置1における店舗レイアウト情報管理手段、データ管理手段、配管グループ管理手段、照明位置情報管理手段、表示制御手段、照明制御手段を構成する。
【0035】
図2は遠隔管理システム8のモニタ画面に表示される店舗レイアウト画面を示している。遠隔管理システム8は自らが有するモニタ画面に図2の如く店舗レイアウトを表示する。この店舗レイアウト画面は、遠隔管理システム8のセンターデータベース9に格納された背景画像データベーステーブル(店舗レイアウト情報管理手段を構成する)に基づいて表示される。この背景画像データベーステーブルには、図5に示す如く表示グループMG1、MG2に対応して店舗1と店舗2の店舗レイアウトの背景画像データjpgが格納され、管理されている。例えば、確認したい店舗STが店舗1の場合には、店舗1の背景画像が選択されてモニタ画面に背景として表示される。
【0036】
更に、この背景画像上には各ショーケースA1、A2の計測データが併せて表示される。この場合の対応関係は、図6の表示項目データベーステーブル(表示制御手段を構成する)に基づいて確認される。即ち、この表示項目データベーステーブルには、表示グループ名MG1と、ショーケース名A1、A2と計測データ名(庫内温度)から成る表示項目と、表示座標(X,Y)が格納され、管理されており、背景画像が店舗1であれば、表示グループMG1に属するショーケースA1、A2の庫内温度(統合管理コントローラ6から送信された計測データ)が、それぞれの表示座標上に表示されることになる。実施例では図2に示すように吹出形式で各ショーケースの庫内温度(計測データ)を表示する(−35℃等。尚、実施例のショーケースの庫内温度の設定は−35℃であるものとする)。
【0037】
尚、この表示項目の表示座標(背景画像上の表示位置)はモニタ画面上においてマウスのドラッグ・ドロップ等により、手動で決定しても良いが、CAD等で作成したレイアウト図から自動的に設定できるようにしても良い。
【0038】
また、遠隔管理システム8のセンターデータベース9と統合管理コントローラ6の店舗ローカルデータベース7には、図4に示す配管グループデータベーステーブル(配管グループ管理手段を構成する)が格納されている。この配管グループデータベーステーブルには、同一の冷凍機Rに配管接続されたショーケースが一つの配管グループとして管理されており、実施例の場合、ショーケースA1〜A4(例えば冷凍食品用)は配管グループPG1、ショーケースA5〜A8(例えば日配品用)は配管グループPG2、ショーケースA9、A10(例えば飲料用)は配管グループPG3とされている。
【0039】
また、遠隔管理システム8のセンターデータベース9と統合管理コントローラ6の店舗ローカルデータベース7には、図7に示す店舗照明位置データベーステーブル(照明位置情報管理手段を構成する)が格納されている。この店舗照明位置データベーステーブルには、図3に示すようにショーケースA1〜A5(実際にはA10まである)とそれらの直上(空間的位置関係)において対応する店舗照明LG1〜LG5の対応関係が管理されており、実施例ではショーケースA1の直上に店舗照明LG1が、ショーケースA2の直上に店舗照明LG2が、ショーケースA3の直上に店舗照明LG3が、ショーケースA4の直上に店舗照明LG4が、ショーケースA5の直上に店舗照明LG5がそれぞれ対応している。
【0040】
更に、遠隔管理システム8のセンターデータベース9と統合管理コントローラ6の店舗ローカルデータベース7には、図8に示す警報種別データベーステーブルが格納されている。この警報種別データベーステーブルには、ショーケースの警報種別と当該警報が同一配管グループ内の他のショーケースにも影響を及ぼす可能性の警報(障害)であるか否かの対応関係が格納されており、実施例では高温警報と低温警報は可能性「有」、通信異常、センサ断線、センサ短絡は可能性「無」で登録されている。
【0041】
(1)遠隔管理システムによる配管グループの表示動作
次に、遠隔管理システム8による配管グループの表示動作について図9のフローチャートを参照しながら説明する。遠隔管理システム8は、マウスやキー入力によって特定の配管グループPG1〜PG3が選択された場合、図9のステップS1で表示すべき配管グループを取得し、ステップS2で当該ショーケースが表示すべき配管グループのショーケースか否か判断し、当該配管グループのショーケースであればステップS3に進んで計測データ(表示項目)をモニタ画面上に表示する。また、ステップS2で表示すべき配管グループのショーケースでは無い場合、ステップS5で計測データを非表示とする。そして、ステップS4で全ての計測データについて確認したか否か確認し、確認していなければステップS1に戻り、確認していれば終了する。
【0042】
これにより、遠隔管理システム8のモニタ画面の店舗レイアウト上には、選択した配管グループ、例えば配管グループPG1の場合には、それに属するショーケースA1〜A4の計測データのみが表示されるようになる。これにより、運転状態に関連性をもつ同一配管グループPG1内のショーケースA1〜A4の運転状態を極めて容易に確認することが可能となる。
【0043】
尚、実施例では該当するショーケースA1〜A4の計測データのみ表示するようにしたが、図2のモニタ画面上の左側に示すように、当該選択された配管グループ(例えばPG1)に属するショーケースA1〜A4の計測データの表示状態を変更するようにしても良い。図2のモニタ画面上では計測データの表示を点滅ブリンクさせている。また、それらを他の計測データとは区別できる程に強調して表示しても良い。更に、それらに併せて当該ショーケースA1〜A4が設置された位置の店舗レイアウト画面の背景表示状態を変更しても良い。実施例では遠隔管理システム8は、図2のモニタ画面上の左側の囲い線で示す範囲の背景色を変更する。これにより、同一配管グループPG1内のショーケースA1〜A4の実際の店舗内における位置を確認しながらそれらの計測データを的確に確認することができるようになる。
【0044】
次に、各汎用機器コントローラ4から収集したデータ中に警報データが含まれていた場合の動作について説明する。図10は統合管理コントローラ6の警報発生時の照明制御動作を説明するフローチャート、図11は遠隔管理システム8の警報発生時の表示動作を説明するフローチャートである。
【0045】
(2)統合管理コントローラの警報発生時の照明制御動作
店舗内システムを構成する統合管理コントローラ6は、図10のステップS11で店舗STに設置されたショーケース(最初にA1)から前述の如くデータ(計測データ、警報データ)を収集する。次に、ステップS12で該ショーケースA1に障害が発生し、収集したデータ中に警報データが含まれているか否かを判断し、障害が発生していなければステップS15に進み、今度は同一配管グループPG1内の他のショーケースA2〜A4に障害が発生して警報データが含まれているか否か判断し、障害が発生していなければステップS18に進んで対応する店舗照明LG1の点灯状態を通常状態とする。そして、ステップS14に進み、全てのショーケースのデータを収集していなければステップS11に戻る。
【0046】
一方、ショーケースA1に障害が発生しており、警報データが含まれている場合にはステップS12からステップS13に進み、当該ショーケースA1の直上で対応する店舗照明LG1の点灯状態を障害通知状態に変更する。この障害通知状態とは、店舗照明LG1を消灯し、或いは、点滅させ、若しくは、その照度を変更し、又は、発光色を変更することを意味する。
【0047】
また、ステップS12で当該ショーケースA1に障害が発生していないが、ステップS15で同一配管グループPG1内の他のショーケースに障害が発生している場合、ステップS15からステップS16に進んで、当該他のショーケースで発生している障害(警報)が他のショーケースに影響を及ぼすものか否か判断する。この判断は図8の警報種別データベーステーブルに基づいて行われ、例えば警報の種類が高温警報であった場合には、ステップS17に進んで当該ショーケースA1の直上で対応する店舗照明LG1の点灯状態を配管グループ通知状態に変更する。この配管グループ通知状態は、上記障害通知状態と同一でも良く、区別した状態でも良い。例えば、区別する場合には、点滅の間隔や、照度、発光色を異なるものとする。そのように区別すれば、実際に警報が発生しているショーケースと同一配管グループの他のショーケースとを一目で区別することが可能となる。
【0048】
尚、ステップS16で判断した他のショーケースの障害が、例えば通信異常などの他のショーケースに影響を及ぼす可能性の無い警報であった場合は、ステップS16からステップS18に進んで対応する店舗照明LG1の点灯状態は通常状態とする。これを設置された全てのショーケースA1〜A10に対して実行する。
【0049】
即ち、何れかのショーケース(例えばA1)に障害が生じて警報データが送信された場合、統合管理コントローラ6は当該ショーケースA1の直上に対応する店舗照明LG1の点灯状態を障害通知状態に変更する。また、当該ショーケースA1に生じた警報(障害)が同一配管グループPG1内の他のショーケースA2〜A4にも影響を及ぼす警報であった場合は、当該同一配管グループPG1内の全ての他のショーケースA2〜A4それぞれの直上に対応する店舗照明LG2〜LG4を配管グループ通知状態に変更する。
【0050】
これにより、統合管理コントローラ6のモニタを常時監視していなくとも、比較的広範囲で状態変化を確認することができる店舗照明の点灯状態の変化、若しくは、消灯によってショーケースに障害が発生していることを容易に確認できるようになる。この場合、点灯状態が変化、若しくは、消灯する店舗照明は、位置的にショーケースに対応しているので、障害が発生しているショーケースの識別も容易となる。
【0051】
また、統合管理コントローラ6はショーケースに障害が生じた場合、当該ショーケースが属する配管グループのショーケースと位置的に対応する全ての店舗照明の点灯状態を変更、若しくは、消灯するので、障害が発生したショーケースと同一グループであって、影響を受けやすいショーケースの位置も店舗照明によって容易に確認できる。
【0052】
特に、他のショーケースに影響を及ぼす可能性のある警報であった場合のみ、同一配管グループのショーケースと位置的に対応する全ての店舗照明の点灯状態を変更、若しくは、消灯するので、配管グループ内でも影響を受けない警報については、配管グループ内全ショーケースに対応する店舗照明の変更、若しくは、消灯は行われない。これにより、無用な混乱の発生を回避することができるようになる。
【0053】
尚、統合管理コントローラ6は、店内放送等の店員にのみ把握可能な通知方法で警報が発生していることを通知することも可能である。これにより、警報発生自体は店内放送で店員に通知し、発生箇所、即ち、どのショーケースで警報が発生しているかは店舗照明で確認することができるようになる。
【0054】
(3)遠隔管理システムの警報発生時の表示動作
一方、遠隔管理システム8は、図11のステップS19で店舗STに設置された統合管理コントローラ6から前述の如く例えばショーケースA1のデータ(計測データ、警報データ)を受信する。次に、ステップS20で当該ショーケースA1に障害が発生し、収集したデータ中に警報データが含まれているか否かを判断し、障害が発生していなければステップS23に進み、今度は同一配管グループPG1内の他のショーケースA2〜A4に障害が発生して警報データが含まれているか否か判断し、障害が発生していなければステップS26に進んで対応するモニタ画面の店舗レイアウトの該当機器(ショーケースA1)の表示を通常表示状態とする。そして、ステップS22に進み、全てのショーケースのデータを収集していなければステップS19に戻る。
【0055】
一方、ショーケースA1に例えば高温警報の障害が発生しており、警報データが含まれている場合にはステップS20からステップS21に進み、モニタ画面のショーケースA1の計測データの表示状態を図2の如く警報表示状態に変更する。この警報表示状態は図2にA1で示す0℃の計測データを太線でブリンク表示しているものがそれに該当するが、実際にはこの計測データの枠の色が赤色等に変更される。
【0056】
また、ステップS20で当該ショーケースA1に障害が発生していないが、ステップS23で同一配管グループPG1内の他のショーケースに障害が発生している場合、ステップS23からステップS24に進んで、当該他のショーケースで発生している障害(警報)が他のショーケースに影響を及ぼすものか否か判断する。この判断も図8の警報種別データベーステーブルに基づいて行われ、例えば警報の種類が高温警報であった場合には、ステップS25に進んで当該ショーケースA1の計測データの表示状態を強調表示状態に変更する。図2ではショーケースA2〜A4の計測データを細線でブリンク表示しているが、この表示状態がそれに該当する。この強調表示状態は、上記警報表示状態と同一でも良く、区別した状態でも良い。但し、実施例のように区別すれば、実際に警報が発生しているショーケースと同一配管グループの他のショーケースとを一目で区別することが可能となる。
【0057】
尚、ステップS24で判断した他のショーケースの障害が、例えば通信異常などの他のショーケースに影響を及ぼす可能性の無い警報であった場合は、ステップS24からステップS26に進んで対応するショーケースA1の計測データの表示状態は通常状態とする。これを設置された全てのショーケースA1〜A10に対して実行する。
【0058】
即ち、何れかのショーケース(例えばA1)に障害が生じて警報データが送信された場合、遠隔管理システム8はモニタ画面における当該ショーケースA1の計測データの表示状態を警報表示状態に変更する。また、当該ショーケースA1に生じた警報(障害)が同一配管グループPG1内の他のショーケースA2〜A4にも影響を及ぼす警報であった場合は、当該同一配管グループPG1内の全ての他のショーケースA2〜A4それぞれの計測データの表示状態を強調表示状態に変更する。
【0059】
併せて遠隔管理システム8は当該配管グループPG1のショーケースA1〜A4が位置する部分の店舗レイアウトの背景表示状態も変更する。実施例では遠隔管理システム8は、図2のモニタ画面上の左側の囲い線Cで示す範囲の背景色を変更しており、警報が生じているショーケースA1の属する配管グループPG1内の全ショーケースA1〜A4の実際の店舗内における位置を確認しながらそれらの計測データを的確に確認することができるようにしている。
【0060】
このような構成としたことにより、警報が発生したショーケースと同一の配管グループ内のショーケースの運転状態に障害が発生し、或いは、発生する可能性があるか否かを遠隔管理システム8のモニタ画面において極めて容易に確認することが可能となる。
【0061】
特に、他のショーケースに影響を及ぼす可能性のある警報であった場合のみ、同一配管グループの全てのショーケースのデータの表示状態を変更、若しくは、その配管グループのデータのみ表示することができるようになり、同一配管グループ内でも影響が生じない警報については、同一配管グループ内の全ショーケースのデータの表示状態の変更等は行われなくなる。これにより、無用な表示変更に伴う混乱も未然に回避することが可能となる。
【0062】
更にそれに加えて該当する配管グループのショーケースが位置する部分の店舗レイアウトの背景表示状態も変更するようにすれば、警報が生じたショーケース及び配管グループの実際の店舗内における位置確認をより一層的確に行えるようになる。
【0063】
尚、上述した実施例では冷凍装置の実施例として室内ユニットとしてのショーケースと室外ユニットとしての冷凍機から成るショーケース冷却装置Fの集中管理に本発明を適用したが、それに限らず、冷凍装置としては室内ユニットとして店内の天井等に複数設置される室内機と、店外に設置されて各室内機が配管接続される室外ユニットとしての室外機から成る空気調和機にも本発明は有効である。
【0064】
その場合、図1のFは空気調和機、A1、A2は室内機となり、Rは室外機となる。また、室内機と位置的に対応する店舗照明LG1、LG2としては、当該室内機に隣接して店内の天井等に取り付けられた店舗照明が採用されることになる。
【符号の説明】
【0065】
1 集中管理装置
4 汎用機器コントローラ
6 統合管理コントローラ
8 遠隔管理システム
A1〜A10 ショーケース(室内ユニット)
F ショーケース冷却装置(冷凍装置)
LG1〜LG5 店舗照明
R 冷凍機(室外ユニット)
ST 店舗
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に設置された室内ユニットと室外ユニットから成る冷凍装置の運転状態を一括して管理する集中管理装置において、
前記店舗レイアウトに関する情報を管理する店舗レイアウト情報管理手段と、
前記室内ユニットから収集したデータを管理するデータ管理手段と、
同一配管で前記室外ユニットに接続された前記室内ユニットの配管グループを管理する配管グループ管理手段と、
前記店舗レイアウトを表示し、且つ、前記室内ユニットから収集したデータを当該店舗レイアウト上に表示する表示制御手段とを備え、
該表示制御手段は、特定の前記配管グループに属する全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、特定の配管グループに属する室内ユニットのデータのみを前記店舗レイアウト上に表示する機能を有することを特徴とする冷凍装置の集中管理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記室内ユニットから収集したデータに警報に関する情報が含まれている場合、当該室内ユニットが属する前記配管グループの全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、当該配管グループに属する室内ユニットのデータのみを前記店舗レイアウト上に表示することを特徴とする請求項1に記載の冷凍装置の集中管理装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記警報が同一配管グループ内の他の室内ユニットに影響を及ぼす警報ではない場合、当該室内ユニットのデータの表示状態のみを変更し、若しくは、当該室内ユニットのデータのみを前記店舗レイアウト上に表示すると共に、
前記警報が同一配管グループ内の他の室内ユニットにも影響を及ぼす可能性のある警報である場合に、当該室内ユニットが属する前記配管グループの全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、当該配管グループに属する室内ユニットのデータのみを前記店舗レイアウト上に表示することを特徴とする請求項2に記載の冷凍装置の集中管理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記収集したデータに警報に関する情報が含まれている室内ユニットと同一の配管グループの他の室内ユニットのデータの表示状態を変更する場合、前記収集したデータに警報に関する情報が含まれている室内ユニットのデータの表示状態とは区別できるかたちで変更することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の冷凍装置の集中管理装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、特定の前記配管グループに属する全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、特定の配管グループに属する室内ユニットのデータのみを前記店舗レイアウト上に表示する場合、当該配管グループの室内ユニットが位置する部分の前記店舗レイアウトの背景表示状態もあわせて変更することを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちの何れかに記載の冷凍装置の集中管理装置。
【請求項6】
前記冷凍装置はショーケース冷却装置であり、前記室外ユニットは冷凍機、前記室内ユニットは当該冷凍機に配管接続されたショーケースであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちの何れかに記載の冷凍装置の集中管理装置。
【請求項7】
前記冷凍装置は空気調和機であり、前記室外ユニットは室外機、前記室内ユニットは当該室外機に配管接続された室内機であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちの何れかに記載の冷凍装置の集中管理装置。
【請求項1】
店舗に設置された室内ユニットと室外ユニットから成る冷凍装置の運転状態を一括して管理する集中管理装置において、
前記店舗レイアウトに関する情報を管理する店舗レイアウト情報管理手段と、
前記室内ユニットから収集したデータを管理するデータ管理手段と、
同一配管で前記室外ユニットに接続された前記室内ユニットの配管グループを管理する配管グループ管理手段と、
前記店舗レイアウトを表示し、且つ、前記室内ユニットから収集したデータを当該店舗レイアウト上に表示する表示制御手段とを備え、
該表示制御手段は、特定の前記配管グループに属する全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、特定の配管グループに属する室内ユニットのデータのみを前記店舗レイアウト上に表示する機能を有することを特徴とする冷凍装置の集中管理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記室内ユニットから収集したデータに警報に関する情報が含まれている場合、当該室内ユニットが属する前記配管グループの全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、当該配管グループに属する室内ユニットのデータのみを前記店舗レイアウト上に表示することを特徴とする請求項1に記載の冷凍装置の集中管理装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記警報が同一配管グループ内の他の室内ユニットに影響を及ぼす警報ではない場合、当該室内ユニットのデータの表示状態のみを変更し、若しくは、当該室内ユニットのデータのみを前記店舗レイアウト上に表示すると共に、
前記警報が同一配管グループ内の他の室内ユニットにも影響を及ぼす可能性のある警報である場合に、当該室内ユニットが属する前記配管グループの全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、当該配管グループに属する室内ユニットのデータのみを前記店舗レイアウト上に表示することを特徴とする請求項2に記載の冷凍装置の集中管理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記収集したデータに警報に関する情報が含まれている室内ユニットと同一の配管グループの他の室内ユニットのデータの表示状態を変更する場合、前記収集したデータに警報に関する情報が含まれている室内ユニットのデータの表示状態とは区別できるかたちで変更することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の冷凍装置の集中管理装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、特定の前記配管グループに属する全ての室内ユニットのデータの表示状態を変更し、若しくは、特定の配管グループに属する室内ユニットのデータのみを前記店舗レイアウト上に表示する場合、当該配管グループの室内ユニットが位置する部分の前記店舗レイアウトの背景表示状態もあわせて変更することを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちの何れかに記載の冷凍装置の集中管理装置。
【請求項6】
前記冷凍装置はショーケース冷却装置であり、前記室外ユニットは冷凍機、前記室内ユニットは当該冷凍機に配管接続されたショーケースであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちの何れかに記載の冷凍装置の集中管理装置。
【請求項7】
前記冷凍装置は空気調和機であり、前記室外ユニットは室外機、前記室内ユニットは当該室外機に配管接続された室内機であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちの何れかに記載の冷凍装置の集中管理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−72632(P2013−72632A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214320(P2011−214320)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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