説明

凍結乾燥調理用食品及びその製造方法

【課題】卵原料、乳原料、甘味料などを予め秤量、混合した調味液を凍結乾燥処理し、調理の用時に用いることで、秤量、混合、調理液の小分けなどの調理作業の手間を省くことが可能となる調理用の食品であって、もとの風味や色を保ち、溶解・分散性にも優れたものを提供する。
【解決手段】卵原料、乳原料、及び甘味料からなる群から選ばれた少なくとも2種を含む調理用原料溶液を、凍結乾燥して調理用食品を得る。前記調理用原料溶液は、卵原料と乳原料とを含むものにおいては、両者合計の固形分が3〜30質量%、両者の固形分換算での質量比が3:7〜9:1であり、卵原料と糖質甘味料とを含むものにおいては、両者合計の固形分が5〜40質量%、両者の固形分換算での質量比が2:8〜9:1であり、乳原料と糖質甘味料とを含むものにおいては、両者合計の固形分が5〜35質量%、両者の固形分換算での質量比が9:1〜3:7であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原料として卵原料、乳原料、甘味料などを含み凍結乾燥してなる調理用食品及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
原料として卵原料、乳原料、甘味料などを含む調理品は多い。フレンチトースト、プリン、ミルクセーキ、クロックムッシュ、オムレツなどである。それらの調理品の調理では、通常、卵原料、乳原料、甘味料などを秤量して混合し、それらの材料を含む調理液を調製してから、フライパンでの加熱調理、オーブンでの焼成、蒸煮などの工程に進むことも多い。予め秤量、混合等をして凍結乾燥処理を施した調理用食品を、調理の用時に用いることで、その手間を省くことが可能である。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、豆乳、調整豆乳、豆乳飲料及び大豆蛋白飲料等の豆乳類を4〜20(W/W)%含有し、またグラニュー糖、上白糖、ブトウ糖、果糖、蔗糖、乳糖等の糖類を4〜20(W/W)%含有してなるフレンチトースト用調理液が記載されている。また、下記特許文献2には、パンプディング、フレンチトースト等の加熱調理食品を、簡便に調理することができる、保存性素材を提供することが記載されている。また、下記特許文献3には、フレンチトーストを手軽に家庭で味わえるように、パンに塗ってオーブントースター等で焼くだけで美味しいフレンチトースト風のトーストができるフレンチトースト用油脂食品を提供すること、さらに、常温で保存でき、必要な時に必要な分だけ使用できるフレンチトースト用油脂食品を提供することが記載されている。また、下記特許文献4には、簡便に短時間に卵や牛乳を含む混合液がしみ込んだ状態で熱凝固しているパンを製造することができる卵加工食品を提供することが記載されている。また、下記特許文献5には、フレンチトースト様食品を工業的に大量に安価に製造するために、パンに速く吸収される加工卵液を提供することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−191870号公報
【特許文献2】特開2004−8018号公報
【特許文献3】特開2003−180245号公報
【特許文献4】特開平11−290003号公報
【特許文献5】特開平11−215948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の液体の調味食材は、水分が多いと保存性確保のために比較的強い殺菌処理を施す必要があり、そのために卵原料や乳原料などの成分の一部が変性をきたし、風味が損なわれたり、着色が生じるという問題があった。また、ダマや液分離が生じるなどの溶解・分散性の問題があった。さらに、液体であるがゆえ、輸送コストや保管スペースを要するという問題があった。油脂成分を多く含むスプレッド状の形態のものでは、そのような問題を生じにくいのではあるが、スプレッド状の形態にするために油脂を添加するのでは、その添加する油脂により、もとの風味や、香りを損ねてしまうという問題や、パン上面に塗布して焼成するため、内部まで調味液が浸漬できないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、卵原料、乳原料、甘味料などを予め秤量、混合等をして凍結乾燥処理を施した調理用食品を、調理の用時に用いることで、調理作業の手間を省くことが可能となる調理用の食品であって、もとの風味や色を保ち、溶解・分散性にも優れ、軽量であるため輸送性や乾燥してあるため保存性にも優れたものを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の構成を有する調理用食品及び調理用食品の製造方法を提供する。
[1]卵原料、乳原料、及び甘味料からなる群から選ばれた少なくとも2種を含む調理用原料溶液を、凍結乾燥してなることを特徴とする調理用食品。
[2]前記調理用原料溶液は、下記(1)〜(5)のいずれかを満たすものである、前記[1]記載の調理用食品。
(1)前記調理用原料溶液は、卵原料と、甘味料として糖質甘味料とを含むものであり、両者合計の固形分が5〜40質量%、両者の固形分換算での質量比が2:8〜9:1である。
(2)前記調理用原料溶液は、卵原料と乳原料とを含むものであり、両者合計の固形分が3〜30質量%、両者の固形分換算での質量比が3:7〜9:1である。
(3)前記調理用原料溶液は、乳原料と、甘味料として糖質甘味料とを含むものであり、両者合計の固形分が5〜35質量%、両者の固形分換算での質量比が9:1〜3:7である。
(4)前記調理用原料溶液は、卵原料と、甘味料として高甘味度甘味料とを含むものであり、前記卵原料の固形分が1.7〜24質量%であり、前記高甘味度甘味料が3〜80質量%濃度のショ糖水溶液と同等の甘味度になる量で配合されたものである。
(5)前記調理用原料溶液は、乳原料と、甘味料として高甘味度甘味料とを含むものであり、前記乳原料の固形分が2〜35質量%であり、前記高甘味度甘味料が3〜80質量%濃度のショ糖水溶液と同等の甘味度になる量で配合されたものである。
[3]前記調理用原料溶液は、甘味料として糖質甘味料を含むものであり、該糖質甘味料が、単糖類、二糖類、3〜9糖類のオリゴ糖類、糖アルコール類及びこれらを含む組成物から選ばれた1種又は2種以上である、前記[1]又は[2]記載の調理用食品。
[4]前記調理用原料溶液は、甘味料として高甘味度甘味料を含むものであり、該高甘味度甘味料が、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビア、カンゾウ抽出物、サッカリン、ソーマチン、及びネオテームから選ばれた1種又は2種以上である、前記[1]又は[2]記載の調理用食品。
[5]前記調理用原料溶液は、甘味料として糖質甘味料と高甘味度甘味料とを含むものであり、3〜80質量%濃度のショ糖水溶液と同等の甘味度になるように調整されたものである、前記[3]又は[4]記載の調理用食品。
[6]前記調理用原料溶液は、卵原料と乳原料と甘味料とを含むものであり、三者合計の固形分が5〜50質量%、三者の固形分換算での質量比が1〜8:1〜8:1〜8である、前記[1]〜[5]のいずれか1つに記載の調理用食品。
[7]前記卵原料が、全卵、卵黄、卵白、凍結全卵、凍結卵黄、凍結卵白、乾燥全卵、乾燥卵黄、乾燥卵白、加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白、調味料含有全卵、調味料含有卵黄、調味料含有卵白から選ばれた1種又は2種以上である、前記[1]〜[6]のいずれか1つに記載の調理用食品。
[8]前記乳原料が、生乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、加工乳、濃縮ホエイ、濃縮乳、発酵乳、クリーム、脱脂粉乳、全粉乳、練乳、乳蛋白質、及び乳脂肪牛乳、クリーム、脱脂粉乳、全粉乳、練乳、乳蛋白質、及び乳脂肪から選ばれた1種又は2種以上である、前記[1]〜[7]のいずれか1つに記載の調理用食品。
[9]フレンチトースト、プリン、カスタード、ミルクセーキ、クロックムッシュ、茶碗蒸し、又はオムレツの調理に用いられる、前記[1]〜[8]のいずれか1つに記載の調理用食品。
[10]卵原料、乳原料、及び甘味料からなる群から選ばれた少なくとも2種を含む調理用原料溶液を、凍結乾燥することを特徴とする調理用食品の製造方法。
[11]前記調理用原料溶液は、下記(1)〜(5)のいずれかを満たすものである、前記[10]記載の調理用食品の製造方法。
(1)前記調理用原料溶液は、卵原料と、甘味料として糖質甘味料とを含むものであり、両者合計の固形分が5〜40質量%、両者の固形分換算での質量比が2:8〜9:1である。
(2)前記調理用原料溶液は、卵原料と乳原料とを含むものであり、両者合計の固形分が3〜30質量%、両者の固形分換算での質量比が3:7〜9:1である。
(3)前記調理用原料溶液は、乳原料と、甘味料として糖質甘味料とを含むものであり、両者合計の固形分が5〜35質量%、両者の固形分換算での質量比が9:1〜3:7である。
(4)前記調理用原料溶液は、卵原料と、甘味料として高甘味度甘味料とを含むものであり、前記卵原料の固形分が1.7〜24質量%であり、前記高甘味度甘味料が3〜80質量%濃度のショ糖水溶液と同等の甘味度になる量で配合されたものである。
(5)前記調理用原料溶液は、乳原料と、甘味料として高甘味度甘味料とを含むものであり、前記乳原料の固形分が2〜35質量%であり、前記高甘味度甘味料が3〜80質量%濃度のショ糖水溶液と同等の甘味度になる量で配合されたものである。
[12]前記調理用原料溶液は、甘味料として糖質甘味料を含むものであり、該糖質甘味料が、単糖類、二糖類、3〜9糖類のオリゴ糖類、糖アルコール類及びこれらを含む組成物から選ばれた1種又は2種以上である、前記[10]又は[11]記載の調理用食品の製造方法。
[13]前記調理用原料溶液は、甘味料として高甘味度甘味料を含むものであり、該高甘味度甘味料が、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビア、カンゾウ抽出物、サッカリン、ソーマチン、及びネオテームから選ばれた1種又は2種以上である、前記[10]又は[11]記載の調理用食品の製造方法。
[14]前記調理用原料溶液は、甘味料として糖質甘味料と高甘味度甘味料とを含むものであり、3〜80質量%濃度のショ糖水溶液と同等の甘味度になるように調整されたものである、前記[12]又は[13]記載の調理用食品の製造方法。
[15]前記調理用原料溶液は、卵原料と乳原料と甘味料とを含むものであり、三者合計の固形分が5〜50質量%、三者の固形分換算での質量比が1〜8:1〜8:1〜8である、前記[10]〜[14]のいずれか1つに記載の調理用食品の製造方法。
[16]前記卵原料が、全卵、卵黄、卵白、凍結全卵、凍結卵黄、凍結卵白、乾燥全卵、乾燥卵黄、乾燥卵白、加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白、調味料含有全卵、調味料含有卵黄、調味料含有卵白から選ばれた1種又は2種以上である、前記[10]〜[15]のいずれか1つに記載の調理用食品の製造方法。
[17]前記乳原料が、生乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、加工乳、濃縮ホエイ、濃縮乳、発酵乳、クリーム、脱脂粉乳、全粉乳、練乳、乳蛋白質、及び乳脂肪牛乳、クリーム、脱脂粉乳、全粉乳、練乳、乳蛋白質、及び乳脂肪から選ばれた1種又は2種以上である、前記[10]〜[16]のいずれか1つに記載の調理用食品の製造方法。
[18]調理用食品は、フレンチトースト、プリン、カスタード、ミルクセーキ、クロックムッシュ、茶碗蒸し、又はオムレツの調理に用いられるものである、前記[10]〜[17]のいずれか1つに記載の調理用食品の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、卵原料、乳原料、及び甘味料からなる群から選ばれた少なくとも2種を含む調理用原料溶液を凍結乾燥して調理用食品を提供するので、比較的弱い殺菌処理でも保存性を確保することができる。これにより卵原料や乳原料などの成分の一部が変性をきたし、沈殿が生じたり、風味が損なわれたり、着色が生じたりすることを防ぐことができる。また、溶解・分散性に優れ、水やお湯で戻したときにダマや液分離が生じることを防ぐことができる。更に、適当なサイズの軽いブロック状の形態で提供すれば、流通時の輸送にも適し、調理中の取り扱いにおいても、簡単に包装から取り出して、予め定められた、1人前、1カップ分、1皿分などの単位の目的分量のものを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】試験例1の評価結果について、卵原料とショ糖とを含むものに関し、卵原料とショ糖の固形分を縦軸に、固形分換算での質量比を横軸にとり、その評価結果をプロットした図である。
【図2】試験例1の評価結果について、卵原料と乳原料とを含むものに関し、卵原料と乳原料の固形分を縦軸に、固形分換算での質量比を横軸にとり、その評価結果をプロットした図である。
【図3】試験例1の評価結果について、乳原料とショ糖とを含むものに関し、乳原料とショ糖の固形分を縦軸に、固形分換算での質量比を横軸にとり、その評価結果をプロットした図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明で用いられる卵原料としては、全卵、卵黄、卵白、凍結全卵、凍結卵黄、凍結卵白、乾燥全卵、乾燥卵黄、乾燥卵白、加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白、調味料含有全卵、調味料含有卵黄、調味料含有卵白などを用いることができる。これらの卵原料は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0012】
本発明で用いられる乳原料としては、生乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、加工乳、濃縮ホエイ、濃縮乳、発酵乳、クリーム、脱脂粉乳、全粉乳、練乳、乳蛋白質、及び乳脂肪牛乳、クリーム、脱脂粉乳、全粉乳、練乳、乳蛋白質、及び乳脂肪などを用いることができる。これらの乳原料は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】
本発明で用いられる甘味料としては、糖質甘味料や高甘味度甘味料などを用いることができる。糖質甘味料としては、ブドウ糖、果糖などの単糖類、ショ糖、麦芽糖などの二糖類、オリゴ糖、糖アルコール等を挙げることができる。より詳細には、例えば、ブドウ糖(グルコース)、果糖(フラクトース)、キシロース、ソルボース、ガラクトース、異性化糖などの単糖類、ショ糖(シュークロース)、麦芽糖(マルトース)、乳糖(ラクトース)、異性化乳糖、パラチノースなどの二糖類、カップリングシュガー、ネオシュガーなどのオリゴ糖類(3〜9糖類のものをいう)、マルチトール、エリスリトール、ラクチトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、パラチニットなどの糖アルコール類、さらにはこれらを含有する組成物などを挙げることができる。これらの糖質甘味料は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】
また、高甘味度甘味料としては、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビア、カンゾウ抽出物、サッカリン、ソーマチン、ネオテーム等を挙げることができる。より詳細には、例えばショ糖の約200倍の甘味をもつアミノ酸系甘味料のアスパルテーム、ショ糖の約200倍の甘味をもつステビア抽出品、ショ糖を原料とし、三つの水酸基を選択的に塩素に置換してなる、ショ糖の約600倍の甘味をもつスクラロース、ショ糖の約200倍の甘味をもち、耐酸性、耐熱性、耐酵素性に優れるアセスルファムカリウムなどを挙げることができる。なお、カンゾウ抽出物はショ糖の約50倍の甘味を有する。サッカリンはショ糖の約500倍の甘味を有する。ソーマチンはショ糖の約3000〜8000倍の甘味を有する。、ネオテームはショ糖の約10000倍の甘味を有する。これらの高甘味度甘味料の一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0015】
本発明の調理用食品は、調理の用時に用いる調理用の食品である。具体的には、例えば、フレンチトースト、プリン、カスタード、ミルクセーキ、クロックムッシュ、茶碗蒸し、オムレツなどの調理に用いられるものである。これらの調理品は、その原料として、卵原料、乳原料、及び甘味料からなる群から選ばれた少なくとも2種を含む。そして通常は調理のときに原料や具材が調合されるものである。
【0016】
本発明の調理用食品は、卵原料、乳原料、及び甘味料からなる群から選ばれた少なくとも2種を予め秤量、混合した調味液を凍結乾燥処理し、その調理時に、水、お湯、又は牛乳等の水性可食液体に戻すことで、調理作業の手間を省くことが可能となる食品である。したがって、本発明の調理用食品の大きさや配合する卵原料、乳原料、及び甘味料からなる群から選ばれた少なくとも2種の含有量などは、上記調理品の種類や必要に応じて適宜調整することができる。また、卵原料、乳原料、及び甘味料以外の原料、例えば、デキストリン・澱粉・増粘剤・香料・酸味料・乳化安定剤・ビタミン・ミネラルなどを適宜配合することができる。更に、水性可食液体としては水、お湯、又は牛乳以外にも、例えば、豆乳、野菜果汁、果汁飲料、炭酸水、お茶、清涼飲料などを適宜用いることができる。
【0017】
すなわち、本発明の調理用食品は、卵原料、乳原料、及び甘味料からなる群から選ばれた少なくとも2種を含む調理用原料溶液を凍結乾燥してなる。凍結乾燥の方法は公知の方法で行うことができる。好ましい態様としては、例えば、上記調理用原料溶液をブリックス5〜50程度に調整し、所定の大きさの、例えばポリプロピレン製等の容器に注ぐ。これを予備凍結として、通常−20〜−40℃の範囲の温度において、急速凍結する方法が好ましく用いられ、凍結乾燥処理としては、前記−20〜−40℃の予備凍結品を、0.0005〜2Torr程度の真空下に載置し、該凍結品中の氷を昇華させ、最終的には室温〜70℃程度まで昇温して乾燥させる方法を用いることができる。
【0018】
本発明の調理用食品においては、その形状に特に制限はなく、直方体状、円柱状、長方体状、顆粒状、粉末、ペレット状などであることができるが、製造の簡便性の観点からは、直方体状、円柱状、長方体状であることが好ましい。特に、縦20〜200mm×横20〜200mm×高さ10〜100mmの長方体状であることが好ましい。これによれば、調理中の取り扱いにおいて、作業性に優れている。
【0019】
本発明の調理用食品の調製においては、上記卵原料、乳原料、及び甘味料からなる群から選ばれた少なくとも2種を含む調理用原料溶液を殺菌処理してから凍結乾燥に供することが好ましい。これによれば、得られる調理用食品の保存性を高めることができる。その殺菌処理は、50〜85℃の温度で加熱殺菌することが好ましく、55〜70℃の温度で加熱殺菌することがより好ましい。90℃以上の温度で加熱殺菌すると、卵原料や乳原料などの成分の一部が変性をきたし、沈殿が生じたり、風味が損なわれたり、着色が生じたりする傾向があるので好ましくない。
【0020】
本発明の調理用食品の調製においては、上記の各調理品に応じた原料を、目的とする製品に応じた組成となるように配合して、上記卵原料、乳原料、及び甘味料からなる群から選ばれた少なくとも2種を含む調理用原料溶液を調製すればよいが、好ましい態様においては、下記のいずれかの通りである。
(1)上記調理用原料溶液が、卵原料と、甘味料として糖質甘味料とを含むものにおいては、両者合計の固形分が5〜40質量%、両者の固形分換算での質量比が2:8〜9:1であるように配合されていることが好ましい。
(2)上記調理用原料溶液が、卵原料と乳原料とを含むものにおいては、両者合計の固形分が3〜30質量%、両者の固形分換算での質量比が3:7〜9:1であるように配合されていることが好ましい。
(3)上記調理用原料溶液が、乳原料と、甘味料として糖質甘味料とを含むものにおいては、両者合計の固形分が5〜35質量%、両者の固形分換算での質量比が9:1〜3:7であるように配合されていることが好ましい。
(4)上記調理用原料溶液が、卵原料と、甘味料として高甘味度甘味料とを含むものにおいては、上記卵原料の固形分が1.7〜24質量%であり、上記高甘味度甘味料が3〜80質量%濃度のショ糖水溶液と同等の甘味度になる量で配合されていることが好ましい。
(5)上記調理用原料溶液が、乳原料と、甘味料として高甘味度甘味料とを含むものにおいては、上記乳原料の固形分が2〜35質量%であり、上記高甘味度甘味料が3〜80質量%濃度のショ糖水溶液と同等の甘味度になる量で配合されていることが好ましい。
【0021】
また、上記調理用原料溶液が、甘味料として糖質甘味料と高甘味度甘味料とを含むものにおいては、3〜80質量%濃度のショ糖水溶液と同等の甘味度になるように配合されていることが好ましい。
【0022】
また、上記調理用原料溶液が、卵原料と乳原料と甘味料とを含むものにおいては、三者合計の固形分が5〜50質量%、三者の固形分換算での質量比が1〜8:1〜8:1〜8であるように配合されていることが好ましい。
【0023】
上記調理用原料溶液を調製するにあたり、それぞれの原料の固形分及び固形分換算の配合割合を、上記のように特定のものに調製することで、後述の実施例で示すように、得られる調理用食品が溶解・分散性により優れ、水、お湯、又は牛乳等の水性可食液体で戻したときにダマや液分離がより生じにくくなる。また、凍結乾燥する際の膨化が生じにくくなる。
【0024】
ここで、上記調理用原料溶液が、甘味料として糖質甘味料と高甘味度甘味料とを含むものにおいては、甘味料が3〜80質量%濃度のショ糖水溶液と同等の甘味度になるように配合されているとともに、上記調理用原料溶液が、卵原料を含むものにおいては、卵原料とショ糖等の糖質甘味料との固形分換算での固形分が5〜40質量%、両者の固形分換算での質量比が2:8〜9:1であるように配合されていることが好ましい。また、上記調理用原料溶液が、乳原料を含むものにおいては、乳原料とショ糖等の糖質甘味料との固形分換算での固形分が5〜40質量%、両者の固形分換算での質量比が2:8〜9:1であるように配合されていることが好ましい。これによれば、甘味料として糖質甘味料と高甘味度甘味料とを含むものにおいても、上記調理用原料溶液を調製するにあたり、ショ糖等の糖質甘味料の固形分換算の配合割合を、上記のように特定のものに調製することで、凍結乾燥する際の膨化が生じにくくなる。
【0025】
本発明の調理用食品は、予め定められた、1人前、1カップ分、1皿分などの単位の目的分量のものを、1包装ごとに分包して提供されることが好ましい。これによれば、調理時に簡単に包装から取り出して、使用することができる。
【実施例】
【0026】
以下に例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0027】
以下の例では、表1に示す食品原料素材を用いて調理用食品を製造した。
【0028】
【表1】

【0029】
なお、以下の試験では、表2に示す全卵液、牛乳、クリームのそれぞれの固形分含量は、下記表2に示す値を用いた。
【0030】
【表2】

【0031】
また、以下の試験では、表3に示すショ糖、エリスリトール、ソルビトール、ラクチトール、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテームのそれぞれの甘味度は、下記表3に示す値を用いた。なお、甘味度とは、ショ糖溶液に対する甘さの程度を表す指標である。例えば、ショ糖濃度1質量%の水溶液の甘さを1(甘味度1)としたとき、200分の1の濃度でその甘さと同程度の甘さを呈する甘味成分の甘味度は200となる。
【0032】
【表3】

【0033】
<製造例1>
下記表4〜表30の例1〜例124の欄に示す各原料について、それぞれの配合割合でビーカーに入れ、撹拌機にて800rpmで約5分間撹拌した。これらを30gずつ凍結乾燥した。具体的には、44mm×65mm×20mmのポリプロピレン製容器に注ぎ、−20℃で24時間凍結させた。この凍結物を凍結乾燥製造装置に供し、0.03〜0.3Torrに減圧後、品温が50℃となるように加温し、その後、減圧開始から24時間後に常温常圧に戻して、例1〜例124のフレンチトースト用の調理用食品を製造した。なお、例115〜例124において乾燥全卵を用いた場合は、乾燥全卵24質量部あたり76質量部の水でもどして全卵仕込として配合した。
【0034】
【表4】

【0035】
【表5】

【0036】
【表6】

【0037】
【表7】

【0038】
【表8】

【0039】
【表9】

【0040】
【表10】

【0041】
【表11】

【0042】
【表12】

【0043】
【表13】

【0044】
【表14】

【0045】
【表15】

【0046】
【表16】

【0047】
【表17】

【0048】
【表18】

【0049】
【表19】

【0050】
【表20】

【0051】
【表21】

【0052】
【表22】

【0053】
【表23】

【0054】
【表24】

【0055】
【表25】

【0056】
【表26】

【0057】
【表27】

【0058】
【表28】

【0059】
【表29】

【0060】
【表30】

【0061】
<試験例1>
製造例1で得られたフレンチトースト用の調理用食品について、凍結乾燥工程における発泡の有無、及び保形性を評価した。また調理用食品に対して30gまで加水し、攪拌溶解したときの溶解性、液分離、及び皮膜形成を評価した。更に、その溶液で6枚切り食パン1/2枚を浸漬し、そのまま油、バター等をひかずにフッ素加工処理したフライパンで焼成してフレンチトーストを得た。その色づき、水抜け、粉っぽさ、及び風味を評価した。その評価結果は、下記表31に示す各評価項目についての基準で、○;△;×の別に区分した。
【0062】
【表31】

【0063】
その結果を下記表32〜表57に示す。
【0064】
【表32】

【0065】
【表33】

【0066】
【表34】

【0067】
【表35】

【0068】
【表36】

【0069】
【表37】

【0070】
【表38】

【0071】
【表39】

【0072】
【表40】

【0073】
【表41】

【0074】
【表42】

【0075】
【表43】

【0076】
【表44】

【0077】
【表45】

【0078】
【表46】

【0079】
【表47】

【0080】
【表48】

【0081】
【表49】

【0082】
【表50】

【0083】
【表51】

【0084】
【表52】

【0085】
【表53】

【0086】
【表54】

【0087】
【表55】

【0088】
【表56】

【0089】
【表57】

【0090】
<結果1>(卵原料とショ糖の固形分及び固形分換算での質量比)
図1には、上記評価結果について、卵原料とショ糖とを含むものに関し、卵原料とショ糖の固形分を縦軸に、固形分換算での質量比を横軸にとり、その評価結果をプロットした。その結果、縦軸の固形分がおよそ5〜40%の時、また、横軸の質量比がおよそ2:8〜9:1の時に好ましい調理用食品が得られた。
【0091】
<結果2>(卵原料と乳原料の固形分及び固形分換算での質量比)
図2には、上記評価結果について、卵原料と乳原料とを含むものに関し、卵原料と乳原料の固形分を縦軸に、固形分換算での質量比を横軸にとり、その評価結果をプロットした。その結果、縦軸の固形分がおよそ3〜30%の時、また、横軸の質量比がおよそ3:7〜9:1の時に好ましい調理用食品が得られた。
【0092】
<結果3>(乳原料とショ糖の固形分及び固形分換算での質量比)
図3には、上記評価結果について、乳原料とショ糖とを含むものに関し、乳原料とショ糖の固形分を縦軸に、固形分換算での質量比を横軸にとり、その評価結果をプロットした。その結果、縦軸の固形分がおよそ5〜35%の時、また、横軸の質量比がおよそ9:1〜3:7の時に好ましい調理用食品が得られた。
【0093】
<結果4>(甘味料の種類の影響)
例73−例76の結果、ショ糖と同等の甘味度の各種糖アルコールに置換した場合においても、凍結乾燥工程、溶解性、風味面で良好な調理用食品が得られることが明らかとなった。
【0094】
例77−例80の結果、ショ糖と同等の固形分を各種糖アルコールに置換した場合においても、凍結乾燥工程、溶解性、風味面で良好な調理用食品が得られることが明らかとなった。
【0095】
例81−例99の結果、甘味料として各種糖アルコールを使用した場合において、凍結乾燥工程、溶解性、風味面で良好な調理用食品が得られることが明らかとなった。
【0096】
例100−例114の結果、ショ糖と同等の甘味度の各種高甘味度甘味料に置換した場合においても、凍結乾燥工程、溶解性、風味面で良好な調理用食品が得られることが明らかとなった。
【0097】
<結果5>(卵・乳・糖の組合せでの評価)
例115−例124の結果、卵、乳、糖の三者合計の固形分が5〜50質量%、三者の固形分換算での質量比が1〜8:1〜8:1〜8である場合、凍結乾燥工程、溶解性、風味面で良好な調理用食品が得られることが明らかとなった。
【0098】
<製造例2>
下記表58に示す原料を用いて、製造例1と同様にして、プリン用の調理用食品を製造した。
【0099】
【表58】

【0100】
このプリン用の調理用食品を、凍結乾燥処理前の質量まで加水し、攪拌溶解した。この調理用原料溶液を用いてプリンを得た。具体的には、耐熱容器(カップ)にカラメルソースを入れ、更に前記調理用食品を攪拌溶解した溶液を注ぎ入れた。このカップをオーブンの天板に置き、その天板に水を注ぎ、150℃で45-50分蒸し焼きにした。粗熱を取ってから、冷蔵庫で冷やして、プリンを得ることができた。
【0101】
<製造例3>
下記表59に示す原料を用いて、製造例1と同様にして、ミルクセーキ用の調理用食品した。
【0102】
【表59】

【0103】
このミルクセーキ用の調理用食品1個に対して、凍結乾燥処理前の質量まで加水し、攪拌溶解した。この調理用原料溶液を鍋に入れて、焦がさないように弱火で加温し、ミルクセーキを得ることができた。
【0104】
<製造例4>
下記表60に示す原料を用いて、製造例1と同様にして、クロックムッシュ用の調理用食品を製造した。
【0105】
【表60】

【0106】
このクロックムッシュ用の調理用食品に対して、凍結乾燥処理前の質量まで加水し、攪拌溶解した。この調理用原料溶液を用いてクロックムッシュを得た。具体的には、食パンに切れ込みを入れて、具材が入るようにしておき、前記調理用食品を攪拌溶解した溶液に浸した。切れ込みに、ハム・チーズ・ケチャップを挟み、バターを溶かし入れたフライパンに加えて、程よい焦げ目がつくまで焼いて、クロックムッシュを得ることができた。
【0107】
<製造例5>
下記表61に示す原料を用いて、製造例1と同様にして、オムレツ用の調理用食品を製造した。
【0108】
【表61】

【0109】
このオムレツ用の調理用食品に対して、凍結乾燥処理前の質量まで加水し、攪拌溶解した。この調理用原料溶液をバターを溶かし入れたフライパンに加えて、常法に従い加熱し、オムレツを得ることができた。
【0110】
<製造例6>
下記表62に示す原料を用いて、製造例1と同様にして、茶碗蒸し用の調理用食品を製造した。
【0111】
【表62】

【0112】
この茶碗蒸し用の調理用食品1個に対して、凍結乾燥処理前の質量まで加水し、攪拌溶解した。この調理用原料溶液を茶碗蒸しの容器に流し入れ、蒸し器で5〜15分程度加熱した。三つ葉を添え、茶碗蒸しを得ることができた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
卵原料、乳原料、及び甘味料からなる群から選ばれた少なくとも2種を含む調理用原料溶液を、凍結乾燥してなることを特徴とする調理用食品。
【請求項2】
前記調理用原料溶液は、下記(1)〜(5)のいずれかを満たすものである、請求項1記載の調理用食品。
(1)前記調理用原料溶液は、卵原料と、甘味料として糖質甘味料とを含むものであり、両者合計の固形分が5〜40質量%、両者の固形分換算での質量比が2:8〜9:1である。
(2)前記調理用原料溶液は、卵原料と乳原料とを含むものであり、両者合計の固形分が3〜30質量%、両者の固形分換算での質量比が3:7〜9:1である。
(3)前記調理用原料溶液は、乳原料と、甘味料として糖質甘味料とを含むものであり、両者合計の固形分が5〜35質量%、両者の固形分換算での質量比が9:1〜3:7である。
(4)前記調理用原料溶液は、卵原料と、甘味料として高甘味度甘味料とを含むものであり、前記卵原料の固形分が1.7〜24質量%であり、前記高甘味度甘味料が3〜80質量%濃度のショ糖水溶液と同等の甘味度になる量で配合されたものである。
(5)前記調理用原料溶液は、乳原料と、甘味料として高甘味度甘味料とを含むものであり、前記乳原料の固形分が2〜35質量%であり、前記高甘味度甘味料が3〜80質量%濃度のショ糖水溶液と同等の甘味度になる量で配合されたものである。
【請求項3】
前記調理用原料溶液は、甘味料として糖質甘味料を含むものであり、該糖質甘味料が、単糖類、二糖類、3〜9糖類のオリゴ糖類、糖アルコール類及びこれらを含む組成物から選ばれた1種又は2種以上である、請求項1又は2記載の調理用食品。
【請求項4】
前記調理用原料溶液は、甘味料として高甘味度甘味料を含むものであり、該高甘味度甘味料が、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビア、カンゾウ抽出物、サッカリン、ソーマチン、及びネオテームから選ばれた1種又は2種以上である、請求項1又は2記載の調理用食品。
【請求項5】
前記調理用原料溶液は、甘味料として糖質甘味料と高甘味度甘味料とを含むものであり、3〜80質量%濃度のショ糖水溶液と同等の甘味度になるように調整されたものである、請求項3又は4記載の調理用食品。
【請求項6】
前記調理用原料溶液は、卵原料と乳原料と甘味料とを含むものであり、三者合計の固形分が5〜50質量%、三者の固形分換算での質量比が1〜8:1〜8:1〜8である、請求項1〜5のいずれか1つに記載の調理用食品。
【請求項7】
前記卵原料が、全卵、卵黄、卵白、凍結全卵、凍結卵黄、凍結卵白、乾燥全卵、乾燥卵黄、乾燥卵白、加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白、調味料含有全卵、調味料含有卵黄、及び調味料含有卵白から選ばれた1種又は2種以上である、請求項1〜6のいずれか1つに記載の調理用食品。
【請求項8】
前記乳原料が、生乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、加工乳、濃縮ホエイ、濃縮乳、発酵乳、クリーム、脱脂粉乳、全粉乳、練乳、乳蛋白質、及び乳脂肪から選ばれた1種又は2種以上である、請求項1〜7のいずれか1つに記載の調理用食品。
【請求項9】
フレンチトースト、プリン、カスタード、ミルクセーキ、クロックムッシュ、茶碗蒸し、又はオムレツの調理に用いられる、請求項1〜8のいずれか1つに記載の調理用食品。
【請求項10】
卵原料、乳原料、及び甘味料からなる群から選ばれた少なくとも2種を含む調理用原料溶液を、凍結乾燥することを特徴とする調理用食品の製造方法。
【請求項11】
前記調理用原料溶液は、下記(1)〜(5)のいずれかを満たすものである、請求項10記載の調理用食品の製造方法。
(1)前記調理用原料溶液は、卵原料と、甘味料として糖質甘味料とを含むものであり、両者合計の固形分が5〜40質量%、両者の固形分換算での質量比が2:8〜9:1である。
(2)前記調理用原料溶液は、卵原料と乳原料とを含むものであり、両者合計の固形分が3〜30質量%、両者の固形分換算での質量比が3:7〜9:1である。
(3)前記調理用原料溶液は、乳原料と、甘味料として糖質甘味料とを含むものであり、両者合計の固形分が5〜35質量%、両者の固形分換算での質量比が9:1〜3:7である。
(4)前記調理用原料溶液は、卵原料と、甘味料として高甘味度甘味料とを含むものであり、前記卵原料の固形分が1.7〜24質量%であり、前記高甘味度甘味料が3〜80質量%濃度のショ糖水溶液と同等の甘味度になる量で配合されたものである。
(5)前記調理用原料溶液は、乳原料と、甘味料として高甘味度甘味料とを含むものであり、前記乳原料の固形分が2〜35質量%であり、前記高甘味度甘味料が3〜80質量%濃度のショ糖水溶液と同等の甘味度になる量で配合されたものである。
【請求項12】
前記調理用原料溶液は、甘味料として糖質甘味料を含むものであり、該糖質甘味料が、単糖類、二糖類、3〜9糖類のオリゴ糖類、糖アルコール類及びこれらを含む組成物から選ばれた1種又は2種以上である、請求項10又は11記載の調理用食品の製造方法。
【請求項13】
前記調理用原料溶液は、甘味料として高甘味度甘味料を含むものであり、該高甘味度甘味料が、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビア、カンゾウ抽出物、サッカリン、ソーマチン、及びネオテームから選ばれた1種又は2種以上である、請求項10又は11記載の調理用食品の製造方法。
【請求項14】
前記調理用原料溶液は、甘味料として糖質甘味料と高甘味度甘味料とを含むものであり、3〜80質量%濃度のショ糖水溶液と同等の甘味度になるように調整されたものである、請求項12又は13記載の調理用食品の製造方法。
【請求項15】
前記調理用原料溶液は、卵原料と乳原料と甘味料とを含むものであり、三者合計の固形分が5〜50質量%、三者の固形分換算での質量比が1〜8:1〜8:1〜8である、請求項10〜14のいずれか1つに記載の調理用食品の製造方法。
【請求項16】
前記卵原料が、全卵、卵黄、卵白、凍結全卵、凍結卵黄、凍結卵白、乾燥全卵、乾燥卵黄、乾燥卵白、加糖全卵、加糖卵黄、加糖卵白、調味料含有全卵、調味料含有卵黄、及び調味料含有卵白から選ばれた1種又は2種以上である、請求項10〜15のいずれか1つに記載の調理用食品の製造方法。
【請求項17】
前記乳原料が、生乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、加工乳、濃縮ホエイ、濃縮乳、発酵乳、クリーム、脱脂粉乳、全粉乳、練乳、乳蛋白質、及び乳脂肪牛乳、クリーム、脱脂粉乳、全粉乳、練乳、乳蛋白質、及び乳脂肪から選ばれた1種又は2種以上である、請求項10〜16のいずれか1つに記載の調理用食品の製造方法。
【請求項18】
前記調理用食品は、フレンチトースト、プリン、カスタード、ミルクセーキ、クロックムッシュ、茶碗蒸し、又はオムレツの調理に用いられるものである、請求項10〜17のいずれか1つに記載の調理用食品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−211923(P2011−211923A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81044(P2010−81044)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000006116)森永製菓株式会社 (130)
【Fターム(参考)】