説明

処理設備

【課題】搬送容器内の被処理物に対して順次処理を行う複数の工程室と、これらの工程室間において搬送容器の搬送を行うスタッカークレーンと、を備えた工場において、スタッカークレーンが故障した時には予備として機能し、故障していない時には搬送効率の低下を抑えて安全に搬送を行うスタッカークレーンを備えた処理設備を提供する。
【解決手段】相対向して並ぶ2列の工程室21間にスタッカークレーン2a,2bの軌道31を当該列に平行に2本近接させて敷設すると共に、これらのスタッカークレーン2a,2bの搬送路の一端側にスタッカークレーン2a,2b同士の間で搬送容器の受け渡しを行う受け渡し機構61を設ける。そして、故障していない時には2台のスタッカークレーン2a,2bが夫々の近接した側の工程室21の列に対して搬送容器の搬送を行い、一方が故障した時には当該一方の軌道31を横切って他方が予備として搬送を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理体に対して複数の工程室において順次処理を行って処理物を得る処理設備に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば医薬品などの固形製剤を製造する工場では、被処理物である粉体原料やこの粉体原料から得られた中間生成物などに対して、例えば秤量、造粒、篩過、錠剤への成形(打錠)、検査及び包装などの処理を行う複数の工程室が設けられており、上記の被処理物は、例えばコンテナなどの搬送容器内に収納されて、この被処理物に対して行われる処理の順序に応じてこれらの工程室に対して順次搬送される。
【0003】
このような工場では、上記の搬送容器が重量物であることから、例えば水平に敷設されたレール上を走行可能なスタッカークレーンと呼ばれている容器搬送機構を設置すると共に、このスタッカークレーンの搬送路に沿って両側に複数の工程室を配置して、このスタッカークレーンを用いて複数の工程室間において搬送容器を搬送する手法が知られている。このような工場では、このスタッカークレーンの搬送室(通路)と工程室の並びとからなる列を平行に複数列配置すると共に、例えば複数の搬送路の一端側同士を接続するように例えばコンベアなどの水平搬送機構を配置し、複数のスタッカークレーン同士の間ではこのコンベアにより搬送容器の受け渡しを行っている。従って、粉体原料は、搬送容器内において例えば複数のスタッカークレーン及びコンベアを介して順次各工程室へと搬送されて、中間生成物から最終製品(固形製剤)へと処理が行われていくことになる。
【0004】
そのため、例えば工場内の1台のスタッカークレーンが故障した場合には、当該スタッカークレーンが搬送を受け持つ工程室への搬送容器の搬送ができなくなるので、このスタッカークレーンの修理や交換を行うまでは、工場全体の生産が止まってしまう場合がある。そこで、スタッカークレーンの故障時においても工場全体の生産停止を防ぐ手法の一つとして、例えば複数のスタッカークレーンの各々に予備のスタッカークレーンを設ける方法が知られている。このように予備のスタッカークレーンを設置するにあたって、工場全体のスタッカークレーンの稼働率(搬送効率)を高めるために、スタッカークレーンが故障していない時においても予備のスタッカークレーンを用いて搬送容器の搬送を行い、スタッカークレーンが故障した時には予備のスタッカークレーンが受け持つ搬送に加えて、故障したスタッカークレーンの搬送についても受け持つようにする必要がある。
【0005】
このようなスタッカークレーンの運用方法として、例えば特許文献1には、荷を格納するためのラックの列を複数並べると共に、これらのラックの列の間に2本のレールを敷設し、これらのレール上を各々走行可能な2台のスタッカークレーンを配置した倉庫が記載されている。この倉庫では、通常時(スタッカークレーンが故障していない時)には各々のスタッカークレーンは各々の近接するラックに対して荷の受け渡しを行い、一方のスタッカークレーンの故障時には他方のスタッカークレーンにより当該一方のスタッカークレーンの搬送を受け持つようにしている。そのため、この倉庫では、故障したスタッカークレーンの受け持つラックに対して正常なスタッカークレーンがアクセスできるように、双方のスタッカークレーンのフォークの伸張長さ(ストローク)を長く取っている。
このようにスタッカークレーンを運用することによって、通常時においても予備のスタッカークレーンにより搬送容器の搬送を行っているので、倉庫全体におけるスタッカークレーンの稼働率を高く維持すると共に、一方のスタッカークレーンの故障時においても当該一方のスタッカークレーンが受け持つラックに対して荷の受け渡しを行うことができる。
【0006】
しかし、既述の工場においてこの倉庫と同じ構成で2台のスタッカークレーンを配置すると、例えば2本のレールを挟んで相対向する一方の並びの工程室に搬送容器を搬送した後、続いて当該搬送容器を搬送する工程室が他方の並びに配置されている場合には、スタッカークレーン同士の間では搬送容器の受け渡しができないことから、例えば一方の工程室から一方のスタッカークレーンにより搬送容器を取り出した後、当該一方のスタッカークレーンにより他方の工程室に搬送容器を搬入する必要がある。その場合には、一方のスタッカークレーンのフォークが他方のスタッカークレーンのレール上を横切っている時には、2台のスタッカークレーンが衝突するおそれがあるし、また衝突しないようにするためには例えば他方のスタッカークレーンの動作(移動範囲)を規制する必要があるので、搬送効率が低下するおそれがある。
【0007】
特許文献2、3には、2台のスタッカークレーンの間にコンベアを設けて、このコンベアによりスタッカークレーン同士の間で搬送容器の受け渡しを行う方法が記載されているが、同一の搬送室内において2台のスタッカークレーン間で搬送容器の受け渡しを行う技術については記載されていない。
特許文献4、5には、物品を搬送する設備において、1本のレール上に2台のスタッカークレーンを配置する例が記載されているが、各々のスタッカークレーンの移動範囲が規制されていることから、例えば一方のスタッカークレーンの移動領域からの他方のスタッカークレーンの移動領域への搬送容器の搬送が困難であり、そのため搬送効率が低いと言える。
【0008】
【特許文献1】特開平7−125810(段落0044〜0053、図1)
【特許文献2】特開2001−225906(段落0021〜0025、図2)
【特許文献3】特開2003−276804(段落0016〜0020、図1)
【特許文献4】特開2008−13307
【特許文献5】特開2007−210742
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、搬送容器内の被処理物に対して順次処理を行う複数の工程室と、これらの複数の工程室間において搬送容器の搬送を行うスタッカークレーンと、を備えた処理設備において、スタッカークレーンが故障した時には予備として機能し、スタッカークレーンが故障していない時には当該スタッカークレーンと同様に且つ搬送効率の低下を抑えて安全に搬送を行うスタッカークレーンを備えた処理設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の処理設備は、
被処理物に対して複数の工程室において順次処理を行って処理物を得る処理設備において、
互いに平行に前後方向に水平に伸びる左側搬送路及び右側搬送路を有する搬送室と、
この搬送室の左右両側に設けられ、搬送容器内の被処理物に対して処理を行うための複数の工程室と、
前記搬送室の左右両側の壁面部に夫々設けられ、前記工程室との間で搬送容器の受け渡しを行うための搬送口と、
前記左側搬送路及び前記右側搬送路に沿って夫々移動し、被処理物あるいは処理物を収納した搬送容器を搬送する第1のスタッカークレーン及び第2のスタッカークレーンと、
通常時には前記第1のスタッカークレーン及び第2のスタッカークレーンが前記搬送室の左側の壁面部に設けられた搬送口及び前記搬送室の右側の壁面部に設けられた搬送口に対して夫々搬送容器の受け渡しを行い、前記第1のスタッカークレーン及び第2のスタッカークレーンの一方が故障した時には、他方のスタッカークレーンが当該一方のスタッカークレーンの搬送を肩代わりするように制御信号を出力する制御部と、
前記搬送室の外側領域を介して前記第1のスタッカークレーン及び第2のスタッカークレーンの間で搬送容器の受け渡しを行う受け渡し機構と、
前記第1のスタッカークレーンと前記受け渡し機構との間、及び前記第2のスタッカークレーンと前記受け渡し機構との間で夫々搬送容器の受け渡しを行うために前記搬送室の壁面部に形成された第1の受け渡し口及び第2の受け渡し口と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
前記左側搬送路及び右側搬送路のうちの一方の搬送路の端部は他方の搬送路の端部よりも伸び出し、
伸び出した領域において、前記他方の搬送路の延長領域側の壁面部には、前記一方の搬送路に沿って走行するスタッカークレーンと前記受け渡し機構との間で搬送容器の受け渡しを行うための受け渡し口が形成され、
前記他方の搬送路の端部付近の領域において、前記一方の搬送路とは反対側の壁面部には、当該他方の搬送路に沿って走行するスタッカークレーンと前記受け渡し機構との間で搬送容器の受け渡しを行うための受け渡し口が形成されていることが好ましい。
前記工程室は、複数階層に亘って配置されていることが好ましい。
また、前記受け渡し機構は、これらの複数の階層の工程室の内の1つの階層に配置されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、搬送容器内の被処理物に対して複数の工程室において順次処理を行って処理物を得る処理設備において、互いに平行に前後方向に水平に伸びる左側搬送路及び右側搬送路を有する搬送室を設けると共に、搬送路の各々に沿って移動して水平方向及び上下方向に各々搬送容器を搬送する2台のスタッカークレーンを設置して、この搬送室の長さ方向に沿って当該搬送室の両側に複数の工程室を配置している。また、搬送室に沿って両側に並ぶ工程室に対して2台のスタッカークレーンが各々搬送容器の受け渡しを行うことができるようにすると共に、これら2台のスタッカークレーンの間において搬送容器の受け渡しを行うための受け渡し機構を搬送室の外側領域に設けている。そのため、一方のスタッカークレーンが故障した場合には、当該一方のスタッカークレーンが受け持つ搬送を他方のスタッカークレーンが肩代わりできるので、搬送容器内の被処理物に対して次の処理を行うために搬送室を介して相対向する工程室の列同士の間において搬送容器の受け渡しを行う場合でも、正常な(故障していない)スタッカークレーンにより搬送容器を直接搬送できる。また、スタッカークレーンが故障してない場合には、各々のスタッカークレーンに近接する側の工程室に対して各々搬送容器の受け渡しを行い、搬送室を介して相対向する工程室の列同士の間において搬送容器の受け渡しをする場合には受け渡し機構を介して搬送容器を搬送できるので、搬送効率の低下を抑えて安全に搬送容器の受け渡しを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の処理設備について、例えば被処理物である原料粉末から処理物である医薬品の固形製剤を製造する医薬品製造工場を例として図1〜図10を参照して説明する。先ず、この工場の全体構成について説明すると、図1に示すように、この工場は床11によって複数階層例えば2層に区画されており、この床11を貫通して複数階層に跨るように、後述のスタッカークレーン2の搬送室である通路12が前後方向(図1中X方向)に長く伸びるように水平に設けられている。
【0014】
この通路12の両側面には、図2にも示すように、複数階層に亘って当該通路12の長さ方向に沿うように、原料粉末やこの原料粉末から得られた中間生成物及び製品である処理物に対して例えば秤量、後述の搬送容器Cへの原料粉末の充填、造粒、篩過、錠剤への成形(打錠)、検査及び包装などの処理を行う複数の工程室21が複数階層に亘って配置されており、各々の工程室21は図示しない壁により区画されている。通路12と各々の工程室21との間には、搬送容器Cの搬入出を行うための搬送口であるドア22が設けられており、上記の被処理物及び処理物は、この搬送容器C内に収納されて搬送される。この例では、通路12を挟んで相対向する2列の工程室21の並びにおいて、一方の列の例えば複数箇所には例えば篩過処理を行う工程室21が設けられており、他方の列の例えば複数箇所には、この篩過処理の次に行われる処理である打錠処理を行うための工程室21が配置されている。また、これらの工程室21の2つの列には、上記の複数の処理を行う複数の工程室21が所定のレイアウトで配置されており、従って搬送容器Cは、後述するように、原料粉末に対して行われる処理の順番に応じて、複数の工程室21に対して順次搬送されることとなる。そのため、この搬送容器Cは、原料粉末から製品が製造されるまでの間に、通路12を介して相対向する工程室21の列同士の間において搬送されることがある。また、通路12の両側あるいは片側には、これらの工程室21の1つあるいは複数に代えて、被処理物や処理物が収納された搬送容器Cを保管するための図示しない保管庫が設けられており、被処理物は、スタッカークレーン2によりこの保管庫から取り出された後、上記のように複数の工程室21を介して順次処理が行われていくこととなる。
【0015】
これらの通路12及びこの通路12の両側の工程室21の2つの列をステーションと呼ぶこととすると、この工場内には、一つのフロア(階層)にこのステーションが並行に複数配置されており、またこのフロアが複数階層に亘って積層されていることが多い。また、この工場には、これらのステーション間において水平方向に搬送容器Cを搬送するためのコンベアなどの水平搬送装置が設けられており、またフロアが複数階層に亘って配置されている場合には各々のフロア間で搬送容器Cを搬送するためのスタッカークレーンなどの上下搬送装置(いずれも図示せず)が設置されている。そして、これらの水平搬送装置や上下搬送装置により、搬送容器C内の被処理物に対して行われる処理の順番に応じて、搬送容器Cが例えば工場内を順次搬送されるように構成されている。尚、図1中13は工場の外壁である。また、この図1においては通路12を模式的に示している。
【0016】
工程室21内には、図2にも示すように、ドア22に近接する位置と、搬送容器Cの内部から処理物や被処理物を取り出す処理位置と、の間において搬送容器Cを水平に搬送するための容器搬送機構であるコンベア搬送機構23が設けられている。このコンベア搬送機構23は、図3に示すように、搬送容器Cの搬送方向に対して離間して並ぶ2組のコンベア23a、23aが組み合わされて配置されており、これらのコンベア23a、23aの離間寸法は、搬送容器Cの幅寸法よりも狭く且つ後述の搬送台45の幅寸法よりも大きく設定されている。また、これらのコンベア23a、23aは、各々長さ方向(搬送容器Cの搬送方向)に隙間を介して2つずつ配置されており、当該隙間には、上記のドア22に近接する位置と処理位置との間を区画するように、図2に示すようにドア(図示せず)が形成された区画壁24が設けられている。そして、通路12との間で搬送容器Cの受け渡しを行う時には、処理位置よりもドア22側の領域が気密に区画されてエアロック室をなし、コンタミの混入が防止されることになる。尚、図2以外では、区画壁24の描画を省略している。また、このコンベア搬送機構23としては、例えば下面に車輪が設けられた搬送台である台車などであっても良い。
【0017】
既述の通路12内には、図4及び図5に示すように、工程室21の並びに沿って互いに平行にかつ離間して前後方向(図4中X方向)に伸びる2本の搬送路であるレール31、31が敷設されており、これらの左側のレール(左側搬送路)31及び右側のレール(右側搬送路)31上には、レール31、31に沿って水平に移動可能な2台の第1のスタッカークレーン2a及び第2のスタッカークレーン2bが各々配置されている。これらの2台のスタッカークレーン2a、2bは各々同じ構成である。尚、図5ではドア22の数を省略して描画している。
【0018】
これらのスタッカークレーン2(2a、2b)は、処理物や被処理物が収納された搬送容器Cを各工程室21に搬送するためのものであり、図6に示すように、互いに間隔を開けて鉛直方向に伸びる2本の柱部42、42及びこの柱部42、42を上下から支持する基部43、43を備えている。また、下側の基部43の下面には、車輪52が設けられており、スタッカークレーン2が工程室21の並びに沿って既述のレール31上を走行できるように構成されている。柱部42、42の間には、上面及び工程室21に相対向する両側面が矩形に切り欠かれた概略箱型のリフト44が設けられており、このリフト44は、当該柱部42に沿って昇降可能に構成されている。このリフト44上には、搬送容器Cを載置するための搬送台(フォーク)45が設置されており、この搬送台45は、例えば既述のコンベア23a、23aの離間寸法よりも狭く形成されると共に、工程室21の並びに対して水平方向に進退自在に構成されている。この搬送台45は、図6では簡略的に描画しているが、実際には図7に示すように、板状体からなる支持板46と、この支持板46上に積層された多数枚例えば3枚の進退板47と、この進退板47上に配置された搬送板48と、を備えており、スタッカークレーン2に近接する一方側の工程室21に加えて、このスタッカークレーン2から離れた他方側の工程室21に対しても搬送容器Cを搬送できるように、伸張長さ(ストローク)が設定されている。具体的には、例えばこれらの支持板46、進退板47及び搬送板48の両側面には、例えばスプロケットやローラなどの回転部材49が互いに間隔を空けて2箇所ずつに各々設けられており、これらの回転部材49には、例えばチェーンなどの進退部材50が蛇腹状に巻き付けられている。そして、図示しない回転機構により搬送台45の端部における回転部材49から進退部材50を引き込んだり巻き出したりすることにより、搬送台45は支持板46や進退板47の上下面に形成された図示しないガイドを介して、リフト44上に収納された状態から両側の工程室21に対して進退できるようになっている。
【0019】
そして、このスタッカークレーン2から工程室21に搬送容器Cを搬送する時には、例えばこの搬送台45上に搬送容器Cを載置して、既述のドア22を介してコンベア搬送機構23の上方位置にスタッカークレーン2から当該搬送台45を伸張させ、次いで搬送台45がコンベア23a、23a間を下側に通過するようにリフト44を下降させることにより、コンベア搬送機構23上に搬送容器Cが載置されることになる。また、工程室21から搬送容器Cを受け取る時には、この順番と逆の順序でスタッカークレーン2が動作することとなる。
【0020】
既述の通路12のX方向の端部は、図4に示すように、工程室21の並びから外れた領域まで伸び出して突出部14をなしている。そして、第1のスタッカークレーン2aが移動する領域側を第1の通路部分12a、第2のスタッカークレーン2bが移動する領域側を第2の通路部分12bと呼ぶことにすると、この突出部14における第2の通路部分12bの端部は、第1の通路部分12aの端部よりもX方向(レール31が伸びる方向)に伸び出している。そして、この第2の通路部分12bの伸び出した領域の側面部(図4中の左側面)には、ドアなどの開閉機構15bにより開閉される第2の受け渡し口16bが形成されている。また、第1の通路部分12aにおけるX方向の端部における左側面は、同様に開閉機構15aにより開閉される第1の受け渡し口16aが開口している。そして、これらの受け渡し口16a、16bの間には、例えばこの工場の複数階層のうちの少なくとも1つの階層例えば最下層において、平面のレイアウトがコ字型の連絡通路に沿って第1のスタッカークレーン2aと第2のスタッカークレーン2bとの間において搬送容器Cの受け渡しを行うための受け渡し機構61がこの通路12の外側領域に設けられている。
【0021】
この受け渡し機構61は、例えば水平に搬送容器Cを搬送するための例えばコンベアなどの複数の水平搬送機構62と、この水平搬送機構62、62間において搬送容器Cの搬送方向を90°変えるための2つの直交コンベア63と、が組み合わされて設けられている。受け渡し口16a、16bに近接する水平搬送機構62は、既述のコンベア23a、23aと同様に、搬送台45が当該水平搬送機構62の載置面に対して昇降できるように、搬送容器Cの搬送方向に対して離間して配置された1対のコンベアなどにより構成されている。また、直交コンベア63は、例えば図8(a)に示すように、互いに搬送容器Cの搬送方向が水平方向に直交すると共に、上下方向に重なるように配置された第1のコンベア64及び第2のコンベア65を備えている。これらのコンベア64、65は、既述のコンベア23a、23aと同様に各々搬送容器Cの搬送方向に対して離間するように設けられた各々1組のコンベアなどから構成されてされており、この例では第2のコンベア65が第1のコンベア64の載置面を介して昇降できるように構成されている。具体的には、図8(a)に示すように、第1のコンベア64は、例えば第2のコンベア65の昇降領域(搬送路)に隙間が形成されるように、長さ方向(搬送方向)に3つの搬送路に区画されており、各々の搬送路が図示しない駆動機構に各々接続されて搬送容器Cを搬送できるように構成されている。そして、第1のコンベア64における搬送容器Cの載置面が水平搬送機構62の載置面よりも僅かに低くなるように形成されている。
【0022】
そして、この図8(b)に示すように、例えば紙面手前側から奥側に向かって水平搬送機構62及び第1のコンベア64により搬送容器Cが搬送されて直交コンベア63の第1のコンベア64上に載置されると、第1のコンベア64の動作が停止して、第1のコンベア64の下方側から第2のコンベア65が上昇し、同図(c)に示すように第1のコンベア64から搬送容器Cを受け取る。次いで、同図(d)に示すように、第1のコンベア64による搬送方向と直交する方向(図8では右側)に、第2のコンベア65により搬送容器Cが後段側の水平搬送機構62へと搬送されていくことになる。これらの水平搬送機構62及び直交コンベア63(コンベア64、65)は、各々搬送容器Cの搬送方向を180度切り替えることができるように構成されており、従って搬送容器Cは、この受け渡し機構61により水平方向の搬送と搬送方向の変更とが繰り返されることによって、当該受け渡し機構61の一端側と他端側との間において搬送されて、スタッカークレーン2a、2b間で受け渡されることになる。
【0023】
尚、コンベア64、65間において搬送容器Cを受け渡す時には、第1のコンベア64を下降させて第2のコンベア65上に搬送容器Cを載置するようにしても良い。また、この直交コンベア63としては、このようにコンベア64、65を組み合わせた構成以外にも、例えばターンテーブルを用いても良く、その場合にはターンテーブルの載置面は水平搬送機構62の載置面と同じ高さとしても良い。このようにターンテーブルを設ける場合には、例えば搬送容器Cを水平に搬送するコンベアをターンテーブル上に配置して、水平搬送機構62によりターンテーブル上に搬送容器Cを載置した後、当該ターンテーブルの回転により搬送容器Cの搬送方向を90度変更して、後段側の水平搬送機構62へと搬送容器Cが搬送されることになる。尚、この図8は、既述の図4におけるA−A線で受け渡し機構61を切断した時の縦断面を示している。
【0024】
また、既述の工程室21内には、図9に示すように、ドア22に近接する位置において、例えば梁などの障害物30が設けられている場合がある。既述の図3及び図9では、例えば打錠処理を行う工程室21を示しており、この工程室21内は、既述の図2の左側にも示すように例えば床面21a、21bにより上下3層に区画されると共に、上層側の処理位置における床面21aには、開口部25が形成されている。この開口部25は、上記の障害物30と搬送容器Cとが干渉しない位置に形成されている。また、この開口部25の下方側の床面21b上には、例えば打錠処理を行う打錠機26が設けられており、この打錠機26から上方に向かって伸びる処理物供給管27の一端側が開口部25を介して上層側に開口している。この打錠機26は、容易にメンテナンスできるように、工程室21のドア22などの内壁から離間した位置に配置されている。また、この打錠機26の下方側には、当該打錠機26により打錠処理が行われた処理物を収納するための搬送容器Cが設置されており、当該搬送容器Cの側方における工程室21の側壁には、ドア22が形成されている。尚、図9中に点線で示した搬送容器Cは、後述するように、この工程室21から離れたスタッカークレーン2により当該搬送容器Cが載置される位置を示している。
【0025】
この工場は、図10に示すように、スタッカークレーン2、コンベア搬送機構23及び受け渡し機構61の動作を制御する制御部5を備えており、この制御部5はCPU6、メモリ7及びプログラム格納部8を備えている。プログラム格納部8は、スタッカークレーン2a、2bが夫々に近接する側の工程室21に対して搬送容器Cの搬送を行うようにスタッカークレーン2の各部を制御する命令が組まれた通常運転用プログラム8aと、スタッカークレーン2が故障した時に当該故障したスタッカークレーン2の受け持つ搬送動作を正常な(故障していない)スタッカークレーン2が肩代わりするように当該正常なスタッカークレーン2の動作を制御する命令が組まれたバックアップ用プログラム8bと、を備えている。
【0026】
また、この工場には、例えば表示部及び操作部を兼用したモード選択部である操作画面9が設けられている。この操作画面9は、例えば通常運転用プログラム8a及びバックアップ用プログラム8bのいずれかを選択できるように構成されており、例えば工場内の作業者が画面中の例えばソフトスイッチを操作することにより各モードが選択される。そして、選択された各モードに対応する通常運転用プログラム8aまたはバックアップ用プログラム8bがCPU6によって読み出されて、各ステップが実行される。このバックアップ用プログラム8bは、後述するように、例えば予め作業者により故障したスタッカークレーン2を正常なスタッカークレーン2の動作に干渉しない位置例えば受け渡し口16に近接する位置まで移動させた後で実行される。従って、この例では受け渡し機構61を介した搬送容器Cの受け渡し位置と、退避位置と、が共通化されていることになる。
これらの通常運転用プログラム8a及びバックアップ用プログラム8bは、例えばハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスクあるいはメモリーカードなどの図示しない記憶媒体から制御部5にインストールされる。
【0027】
続いて、この工場の作用について図11〜図12を参照して説明する。先ず、この工場において正常に処理が行われている場合について説明する。この工場には、既述のように、複数種類の処理を行うための複数の工程室21が設けられており、正常時(スタッカークレーン2が故障していない時)には、各々のスタッカークレーン2a、2bは、図11(a)及び図12(a)に示すように、各々に近接する側における工程室21の並びに対して搬送容器Cの搬送を行っている。この時は、操作画面9では通常運転用プログラム8aが選択されている。
具体的には、スタッカークレーン2は、例えば図示しない保管棚から例えば空の搬送容器Cを搬送台45上に受け取り、例えば秤量及び充填を行うための工程室21の正面に移動する。次いで、コンベア搬送機構23の載置面よりも僅かに高い位置においてドア22を介して搬送台45が工程室21内に進入し、コンベア23a、23aの上方側から搬送台45が下降して搬送容器Cをコンベア搬送機構23上に載置する。そして、搬送台45が通路12に退出してドア22を閉じると、例えば区画壁24に形成された図示しないドアが開放されて、搬送容器Cがコンベア搬送機構23により処理位置まで水平に搬送される。尚、図11においては、工程室21を略解的に描画している。
【0028】
次いで、エアロック室の区画壁24が閉じられて、例えば原料粉末が秤量されて搬送容器C内に収納される。そして、搬入された順序と逆の順番で工程室21から通路12へと搬送容器Cが搬出される。次に、搬送容器Cは、次の処理である例えば造粒処理を行う工程室21へ搬送されていく。こうして搬送容器Cは、その後篩過、成形、検査及び包装などの処理を行う複数の工程室21へと順次搬送されていく。
既述の打錠処理を行う場合には、工程室21では搬送容器Cの下面の図示しない取り出し口に処理物供給管27を接続し、この被処理物を下方側の打錠機26に投入して打錠処理を行う。処理が施された被処理物は、例えば工程室21の下方において搬送容器Cに収納されることになる。そして、処理が終了すると、この打錠機26よりも下方側に形成されたドア22を介して、搬送容器Cがスタッカークレーン2により通路12へと搬出される。こうして原料粉末から最終製品である医薬品の固形製剤が製造されていくことになる。
【0029】
この時、複数の工程室21間において搬送容器Cを搬送するにあたり、既述のように通路12を介して相対向する工程室21の並びへと搬送容器Cを搬送する場合例えば篩過処理を行った後打錠処理を行う場合には、例えば篩過処理を行った工程室21から搬送容器Cを搬出したスタッカークレーン2aは、図12(b)に示すように、受け渡し口16aに臨む位置に移動する。そして、受け渡し口16aを介して搬送台45が伸び出して、受け渡し機構61の水平搬送機構62の載置面の上方から搬送台45が下降して受け渡し機構61に搬送容器Cを載置する。このスタッカークレーン2aは、その後搬送台45を通路12内に引き戻して別の搬送を行うために移動していく。
【0030】
受け渡し機構61に載置された搬送容器Cは、既述のようにコンベア64、65による水平搬送と搬送方向の変更とにより他方側の受け渡し口16bに臨む位置に搬送されていく。そして、スタッカークレーン2bは、この受け渡し口16bの正面に移動して、水平搬送機構62の載置面よりも僅かに下方から受け渡し口16bを介して搬送台45を伸び出し、搬送容器Cを下方側から持ち上げると共に通路12へと引き戻すことにより搬送容器Cを受け取る。こうしてスタッカークレーン2aからスタッカークレーン2bへと、互いに動作を妨げることなく安全に(スタッカークレーン2a、2bが衝突することなく)受け渡し機構61を介して搬送容器Cが搬送される。その後、このスタッカークレーン2bは、この搬送容器Cを続いて打錠処理を行う工程室21例えば篩過処理を行う工程室21と同じ階層あるいは当該工程室21とは異なる階層の工程室21へと搬送することとなる。
【0031】
次に、一方のスタッカークレーン2が故障した時の作用について説明する。例えば通路12において一方のスタッカークレーン2aが故障した時には、例えば他方のスタッカークレーン2bの動作を一時的に停止させ、あるいはスタッカークレーン2bには通常の搬送を行わせたまま、図12(c)に示すように、例えば作業者により当該故障したスタッカークレーン2aをスタッカークレーン2bの動作に干渉しない位置例えば受け渡し口16aに近接する位置まで退避させる。そして、作業者は、操作画面9においてバックアップ用プログラム8bを選択する。正常なスタッカークレーン2bは、この図12(c)及び図11(b)に示すように、スタッカークレーン2bの搬送に加えて、故障したスタッカークレーン2aの搬送についても受け持つこととなる。即ち、スタッカークレーン2a、2bが受け持つ全ての搬送容器Cを正常なスタッカークレーン2bがまかなうように動作することになる。また、このスタッカークレーン2bの動作に合わせるように、外部からの搬送容器Cの搬入出などを行う図示しないコンベアなどの工場内の各設備についても動作することになる。
【0032】
スタッカークレーン2aの受け持つ搬送を行う場合には、当該スタッカークレーン2aのレール31を横切って(跨って)スタッカークレーン2bの搬送台45が伸び出すこととなる。また、通路12を介して相対向する工程室21の並び同士の間において搬送容器Cを搬送する場合には、正常なスタッカークレーン2bは、例えば一方側の工程室21から搬送容器Cを取り出した後、他方側の工程室21へと搬送台45を伸張させて搬送容器Cを搬送する。その後、例えばスタッカークレーン2bが相対向する工程室21の並びの両側に対して搬送容器Cの搬送を行っている間に、あるいは工場の操業が停止している例えば夜間に、例えば作業者が故障したスタッカークレーン2aを修理あるいは交換する。
【0033】
上述の実施の形態によれば、搬送容器C内の被処理物に対して複数の工程室21において順次処理を行って処理物を得る医薬品製造工場において、水平に長く伸びる通路12内に互いに平行な2本のレール31、31を設けると共に、このレール31、31の各々に沿って移動して搬送容器Cを水平方向及び上下方向に搬送する2台のスタッカークレーン2a、2bを設置して、この通路12の長さ方向に沿って当該通路12の両側に複数の工程室21を配置している。また、通路12に沿って両側に並ぶ工程室21の2列に対して2台のスタッカークレーン2a、2bが各々搬送容器Cの受け渡しを行うことができるように搬送台45を設けると共に、これら2台のスタッカークレーン2a、2bの間において搬送容器Cの受け渡しを行うための受け渡し機構61を通路12の一端側(手前側)の外側領域に設けている。そのため、一方のスタッカークレーンが故障した場合には、当該一方のスタッカークレーンが受け持つ搬送を他方のスタッカークレーンが肩代わりできるので、搬送容器C内の被処理物に対して次の処理を行うために通路12を介して相対向する工程室21の列同士の間において搬送容器Cの受け渡しを行う場合でも、正常な(故障していない)スタッカークレーン2により搬送容器Cを直接搬送できる。従って、スタッカークレーン2のいずれかが故障した場合でも、工場全体の生産停止を防ぐことができるので、このような工場における搬送容器Cの搬送の信頼性を向上させることができる。また、このような水平に搬送容器Cを搬送する受け渡し機構61を通路12に対して1箇所設けることによって、いわばスタッカークレーン2の上下搬送機構を利用して当該通路12の両側に複数階層に亘って配置されている複数の工程室21に対して搬送容器Cの受け渡しを行うことができるので、受け渡し機構61には搬送容器Cを昇降させる昇降装置が不要になることから、工場を安価に構成できる。
【0034】
また、スタッカークレーン2が故障してない場合には、各々のスタッカークレーン2に近接する側の工程室21に対して各々搬送容器Cの受け渡しを行い、通路12を介して相対向する工程室21の列同士の間において搬送容器Cの受け渡しをする場合には受け渡し機構61を介して搬送容器Cを搬送できる。そのため、相対向する工程室21の列同士の間で搬送容器Cを搬送する場合でも、2台のスタッカークレーン2a、2bの間では、受け渡し機構61において搬送容器Cの受け渡しを行うことができるので、スタッカークレーン2のレール31を横切らずに済むことから、例えばスタッカークレーン2同士の衝突を防止するためにスタッカークレーン2の動作(移動)を制限する必要がない。また、スタッカークレーン2は当該スタッカークレーン2の処理が終わってから受け渡し機構61により搬送された搬送容器Cを受け取りに移動できる。そのため、搬送効率の低下(スタッカークレーン2の待機時間や処理の中断の発生)を抑えることができ、またスタッカークレーン2同士の接触を防ぐことができることから、安全に搬送容器Cの受け渡しを行うことができる。
【0035】
また、通路12を介して相対向する工程室21の列のいずれに対しても搬送容器の受け渡しができるように搬送台45のストロークを長く取っているので、いずれのスタッカークレーン2a、2bについても他方の予備として搬送を肩代わりすることができる。
更に、通路12と受け渡し機構61との間で搬送容器Cの受け渡しを行うための2つの受け渡し口16a、16bを、当該通路12を外方の長さ方向(図4中Y方向)から見た時の一方側に形成しているので、受け渡し機構61を構成する水平搬送路を短くでき、また受け渡し機構61を簡素化でき、安価に構成することができる上、搬送容器Cを速やかに搬送できる。また、受け渡し機構61の連絡通路をスタッカークレーン2の通路12の一方側に配置できるので、他方側のスペースを有効に使用できるかあるいはそのスペースを無くすことができ、設備が簡素化できる。
【0036】
また、工程室21内にコンベア搬送機構23を設けているので、例えば一方のスタッカークレーン2の故障時に当該スタッカークレーン2のレール31を横切って搬送容器Cをドア22から搬入する場合に、例えば図13に点線で示すようにドア22に近接する位置までしか搬送容器Cを搬送できなくても、コンベア搬送機構23により処理位置まで当該搬送容器Cを搬送できる。そのため、既述のように工程室21内に障害物30などが設けられている場合でも、また処理位置がドア22から離れた位置に設定されている場合でも、故障したスタッカークレーン2の搬送を正常なスタッカークレーン2が肩代わりできる。尚、この図13は一方のスタッカークレーン2を省略して示しており、またコンベア搬送機構23を模式的に示している。
更に、1つの通路12内に2台のスタッカークレーン2を配置して、通常時には双方のスタッカークレーン2により搬送容器Cを搬送していることから、通路12内に1台のスタッカークレーン2を配置する場合よりも、搬送容器Cの搬送能力をおよそ2倍に増やすことができる。
【0037】
尚、上記の例では、受け渡し機構61として受け渡し口16a、16b間で搬送容器Cをいずれの方向にも進退自在に構成したが、この受け渡し機構61としては、互いに搬送方向が逆向きの一方通行の通路を2本設けても良い。また、2台のスタッカークレーン2のうち一方のスタッカークレーン2が故障した場合に他方のスタッカークレーン2が当該一方のスタッカークレーン2の搬送を肩代わりする例について説明したが、例えば一方のスタッカークレーン2のメンテナンスを行う場合についても同様に他方のスタッカークレーン2がこの一方のスタッカークレーン2の搬送を肩代わりすることができる。この場合においても、メンテナンスを受ける一方のスタッカークレーン2は、他方のスタッカークレーン2の動作に干渉しない位置に退避することになる。
【0038】
上記の例においては、受け渡し機構61を用いる場合として通路12を介して相対向する工程室21の並びの間において搬送容器Cの受け渡しを行う例について説明したが、このような場合以外にも、例えば一方のスタッカークレーン2a(2b)が受け持つ搬送量が他方のスタッカークレーン2b(2a)よりも例えば突発的に増加した時に、当該一方のスタッカークレーン2a(2b)の搬送を他方のスタッカークレーン2b(2a)に受け持たせる場合に適用しても良い。そして、例えばスタッカークレーン2b(2a)により受け渡し機構61から取り出された搬送容器Cは、当該スタッカークレーン2b(2a)に近接する並びに配置された次の処理を行う工程室21へと搬送されていくことになる。
このように搬送容器Cの搬送を行うことによって、2台のスタッカークレーン2a、2b同士の間で搬送容器Cの搬送量を均すことができるので、搬送容器Cを効率的に搬送することができる。このように突発的に一方のスタッカークレーン2の搬送量が増加する場合としては、例えば一方のスタッカークレーン2が受け持つ複数の工程室21において同時に処理が終了した時などが挙げられる。
【0039】
また、例えば図14に示すように、通路12の外部との間において搬送容器Cの受け渡しを行う場合に受け渡し機構61を用いても良い。この例では、複数の搬送容器Cを保管するための倉庫71を示しており、この倉庫71は受け渡し機構61に近接する位置において、通路12に対して直交するように長く配置されている。そして、この倉庫71と当該倉庫71に近接する直交コンベア63との間には、例えばコンベアなどの水平搬送手段72が設けられており、倉庫71のドア73から搬出された搬送容器Cがこの水平搬送手段72及び受け渡し機構61を介して、いずれかの受け渡し口16(スタッカークレーン2)に向かって搬送されるように構成されている。また、例えば複数の処理を終えた最終製品や、次の処理が行われるまで保管される中間生成物などの処理物が収納された搬送容器Cは、いずれかのスタッカークレーン2から受け渡し機構61及び水平搬送手段72を介して倉庫71に保管される場合もある。この図14中74、75、76は夫々スタッカークレーン、既述のコンベア搬送機構23と同様に搬送台45が昇降できるように構成されたコンベア及び棚であり、このスタッカークレーン74によりコンベア75を介して受け渡し機構61と棚76との間において搬送容器Cの受け渡しが行われる。
【0040】
このように搬送容器Cを保管する倉庫71と受け渡し機構61とを水平搬送手段72を介して接続することにより、別途大掛かりな搬送装置を設けることなく、いずれのスタッカークレーン2に対しても倉庫71との間において搬送容器Cの受け渡しを容易に行うことができる。
【0041】
このような倉庫71を配置した工場のレイアウトの一例を図15に示す。この例では、倉庫71と複数の通路12(受け渡し機構61)との間において搬送容器Cを搬送できるように、受け渡し機構61と水平搬送手段72との間には、複数の受け渡し機構61に跨って水平に走行できるスタッカークレーンやコンベアなどの搬送装置81を設置している。このように倉庫71を配置することで、倉庫71と複数の通路12との間において搬送容器Cを搬送することができるし、また搬送装置81により複数の通路12間において搬送容器Cを搬送できる。
尚、このように受け渡し機構61を用いて通路12の外部との間で搬送容器Cの受け渡しを行う例としては、このような倉庫71以外にも、例えば当該通路12と同じフロア(階層)に設けられた別の通路12(工程室21)などであっても良い。
【0042】
また、受け渡し機構61を設置するにあたり、スタッカークレーン2bのレール31をスタッカークレーン2aのレール31よりも長く配置して、通路12の一方側(図4中左側)に2つの受け渡し口16、16を形成するようにしたが、図16に示すように、手前側におけるレール31、31の端部位置を揃えると共に、夫々のスタッカークレーン2a、2bに近接する壁面に受け渡し口16、16を形成しても良い。この場合には、受け渡し機構61は、手前側における通路12の先端部を迂回するように複数の水平搬送機構62及び直交コンベア63が組み合わされることになる。
図16のように受け渡し機構61を配置する場合には、倉庫71と通路12とを接続するためには、例えば図17に示すように、受け渡し口16、16から伸びる水平搬送機構62、62の端部を倉庫71のドア73、73に各々近接させるようにしても良い。この場合には、2台のスタッカークレーン2a、2b間で搬送容器Cの受け渡しを行うときには、例えば倉庫71内のスタッカークレーン74及びコンベア75、75を介して搬送容器Cが搬送されることになる。
【0043】
上記の各例では、一方のスタッカークレーン2のレール31を横切って搬送台45を伸張させて工程室21へ搬送容器Cの受け渡しを行う例としては、いずれかのスタッカークレーン2が故障した場合について説明したが、双方のスタッカークレーン2が正常に動作している時においてもこのように搬送容器Cを搬送しても良い。つまり、通路12を介して相対向する工程室21の並びの間で搬送容器Cの受け渡しを行うときに、受け渡し機構61を介さずに直接搬送容器Cの受け渡し(ダブル搬送)を行っても良い。
この場合には、例えば2台のスタッカークレーン2a、2b同士の動作が互いに干渉しないように、ダブル搬送を行わないスタッカークレーン2については水平移動を停止させるか、あるいは干渉しない位置まで退避させることになる。また、既述の通常運転用プログラム8aには、図18に示すように、受け渡し機構61を介して搬送容器Cの受け渡しを行う受け渡し方法固定モード91aと、受け渡し機構61を介した搬送とダブル搬送とを適宜切り替えて搬送を行う受け渡し方法選択モード91bと、が設けられることになる。受け渡し固定モード91aでは、相対向する工程室21の列同士の間において搬送容器Cを搬送する時には、既述のように受け渡し機構61だけが用いられる。一方、受け渡し方法調整モード91bでは、工場の処理の進み具合や処理の優先度に応じて、制御部5により適宜いずれかの受け渡し方法が自動で選択されることになる。
【0044】
そして、ダブル搬送を行う場合には、ダブル搬送を行わない(レール31を横切られる)スタッカークレーン2aは水平移動を停止し、あるいはダブル搬送を行うスタッカークレーン2bに干渉しない位置まで移動する。次いで、ダブル搬送を行うスタッカークレーン2bは、通路12の両側の一方側例えば当該スタッカークレーン2bに近接する並びの例えば篩過処理を行った工程室21から搬送容器Cを取り出して、次の打錠処理を行う他方側の工程室21に臨む位置に移動すると共に、リフト44を当該工程室21と同じ高さ位置まで昇降させる。次いで、搬送台45を他方のスタッカークレーン2aのレール31を介して伸び出して、打錠処理を行う工程室21内に搬送容器Cを直接搬入する。そして、空になった(搬送容器Cを載置していない)搬送台45をリフト44上に収納すると、このスタッカークレーン2bは次の処理に移り、また動作の規制されていた(退避していた)スタッカークレーン2aについても動作の規制や退避の指示が解除されて、その後の処理を行うこととなる。尚、この打錠処理を行う工程室21において処理が終了した場合には、例えば当該工程室21に近接するスタッカークレーン2aにより搬送容器Cが取り出される。
【0045】
このように受け渡し方法調整モード91bにおいて搬送容器Cの受け渡し方法を切り替える(選択する)にあたって、例えば工場の処理の進み具合や処理の優先度に応じて、例えば優先的に処理を進行させる(優先度が高いか、あるいは進み具合が遅れている)搬送容器Cについては、速やかに搬送するために他方のスタッカークレーン2の動作を一時的に停止させてでもダブル搬送で搬送し、それ以外の搬送容器Cについては受け渡し機構61を介して(経由して)搬送するようにしても良い。また、例えば長時間を要する処理や早急に開始(終了)する必要のある処理を行う工程室21対しては少しでも早く処理を開始できるようにダブル搬送で搬送容器Cを搬送し、短時間で終了する処理や緊急性の低い処理を行う工程室21に対しては受け渡し機構61を介して搬送容器Cを搬送しても良い。一方、ダブル搬送を行うことで(一方のスタッカークレーン2の動作を規制することで)例えば工場全体の処理が遅れるおそれのある場合などには、受け渡し機構61を介して搬送容器Cが受け渡される。また、工程室21内のドア22から離れた位置まで搬送容器Cを搬入する必要のある場合例えば打錠機や、検査機など粉体を供給する機械(処理装置)が工程室21内の中央に位置する場合、粉体を供給する搬送容器(コンテナ)Cをこの機械の真上に置くためには、受け渡し機構61を介して当該工程室21に近接するスタッカークレーン2により搬送容器Cを搬入させるようにしても良い。
【0046】
このように2つのモード91a、91bを設けることにより、工場の処理の進み具合や処理の優先度に応じて搬送方法を適宜選択できるので、工場の操業の自由度が増すことになる。また、ダブル搬送を行うにあたり、レール31を横切られるスタッカークレーン2については水平移動を規制したり、退避させたりすることによって、安全に搬送容器Cを搬送できる。更に、ダブル搬送を行うことにより、処理の終了した搬送容器Cを速やかに搬送できるので、優先度の高い処理を優先して進めることができる。尚、既述のように一方のスタッカークレーン2aの搬送量が突発的に増加した場合に、他方のスタッカークレーン2bにより受け渡し機構61を介して受け取った搬送容器Cを、ダブル搬送を行うことにより当該一方のスタッカークレーン2に近接する工程室21に搬送するようにしても良い。
【0047】
また、このダブル搬送を行うにあたり、例えば2台のスタッカークレーン2a、2bの距離が十分に離れていて干渉するおそれが無い時には、ダブル搬送しないスタッカークレーン2についても動作の停止や退避をさせることなく通常の搬送を行わせるようにしても良いし、あるいは図19に示すように当該スタッカークレーン2にもダブル搬送を行わせても良い。また、例えば2台のスタッカークレーン2a、2b同士が干渉しなくなる程度に十分に互いの距離が離れるまで、ダブル搬送を行うスタッカークレーン2が例えば搬送容器Cを搬入する工程室21に臨む位置において待機するようにしても良い。この時、例えばレール31を横切られる(ダブル搬送しない)一方のスタッカークレーン2aの搬送量(移動量)が多いために、当該一方のスタッカークレーン2aが他方のスタッカークレーン2bの待機している位置の近傍を頻繁に行き来している時には、ダブル搬送を行う他方のスタッカークレーン2の待機時間が長くなってしまう場合がある。そこで、このような場合には、図20に示すように、例えば既述の突出部14における通路12の側方位置に、搬送容器Cを一時的に載置するバッファ領域100を設けても良い。図20中102、102は、図21に示すように、既述のコンベア23a、23aと同様に、搬送台45の幅寸法よりも広く且つ搬送容器Cの幅寸法よりも狭くなるように当該搬送台45の進退方向に互いに離間する1組のコ字型部材であり、このコ字型部材102、102の上面(載置面)に対して搬送台45が昇降することにより、バッファ領域100に対して搬送容器Cが受け渡されるように構成されている。
【0048】
このバッファ領域100を設けることで、例えば一方のスタッカークレーン2bがダブル搬送するために待機する必要のある場合でも、搬送容器Cをバッファ領域100に一時的に載置(保管)しておくことができる。そのため、この一方のスタッカークレーン2bは、ダブル搬送できるようになる(例えば他方のスタッカークレーン2aの移動量が少なくなる)まで、他の搬送容器Cの搬送を行うことができるので、無駄な時間(待機時間)が少なくなり、搬送容器Cを効率的に搬送できる。また、工程室21の並びから外れた領域である突出部14つまり通常の搬送動作を行うスタッカークレーン2とは干渉しない位置にこのバッファ領域100を設けているので、いずれのスタッカークレーン2の移動量が多い場合でも、ダブル搬送を行うスタッカークレーン2はこの一つのバッファ領域100に対してアクセスすることができる。尚、このバッファ領域100を通路12の両側に設けても良いし、通路12の両側に各々複数箇所に設けても良い。
【0049】
また、このような工場において、各工程室21において処理を行った被処理物や処理物の重量(出来高)を計測する場合がある。この場合には、上記の図20及び図21に示すように、既述のコ字型部材102、102の下方側に、この工場あるいはフロアに共通の重量測定部として、当該コ字型部材102、102及び搬送容器Cと共に搬送容器C内の被処理物や処理物の重量を秤量する秤量計103を設けても良い。そして、例えば所定の処理が終わった後に、あるいは各々の処理が終わる度に、いずれかのスタッカークレーン2a、2bにより搬送容器Cはこのバッファ領域100に搬送されて内部の被処理物または処理物の重量が秤量されることになる。
【0050】
このように、工場あるいはフロアに共通の秤量計103を設けると共に、2台のスタッカークレーン2のいずれについてもこの秤量計103(バッファ領域100)にアクセスできるようにすることにより、例えば工程室21毎に各々秤量計103を設ける場合に比べて、この秤量計103の例えばゼロ点合わせといったキャリブレーションなどのメンテナンスの作業を簡略化することができる。この秤量計103についても、バッファ領域100と共に通路12の両側あるいは複数箇所に設けても良い。尚、この図20においては、バッファ領域100を模式的に大きく描画している。
【0051】
また、このバッファ領域100(秤量計103)を設けるにあたり、図22に示すように、バッファ領域100を受け渡し機構61(受け渡し口16に近接する水平搬送機構62)と兼用しても良い。秤量計103については、例えば既述のコ字型部材102、102に図示しない昇降機構を設けて昇降自在に構成し、水平搬送機構62の載置面に対してコ字型部材102、102の載置面が昇降するように構成される。
【0052】
この場合には、例えば一方のスタッカークレーン2aにより受け渡し機構61に引き渡された搬送容器Cは、その後ダブル搬送できるようになると、当該スタッカークレーン2aにより搬出されることになる。また、搬送容器Cの重量を計測する場合には、搬送容器Cが受け渡し機構61に載置されると、この搬送容器Cの下方側からコ字型部材102、102が上昇して、水平搬送機構62から搬送容器Cを持ち上げて当該搬送容器Cを秤量することになる。このように、バッファ領域100と受け渡し機構61とを兼用することによって、別途バッファ領域100を設ける必要がなくなることから、工場の設置スペースを小さくすることができる。この場合においても、受け渡し口16a、16bの一方側あるいは双方にバッファ領域100(秤量計103)を設けても良い。また、水平搬送機構62の下側に秤量計103を組み込んでも良い。
【0053】
また、バッファ領域100を工程室21の並びから外れた領域(突出部14)に設けずに、工程室21の並びの途中または上部に設けても良い。この場合には、ダブル搬送できない時(一方のスタッカークレーン2の搬送量が多い時)には、各々に近接する並びのバッファ領域100に搬送容器Cを保管するために、図23に示すように、通路12の両側にバッファ領域100、100を設けることになる。尚、この図23では通路12を挟んで相対向するように2つのバッファ領域100、100を配置しているが、互いに離れた位置となるように各々を配置しても良い。
また、上記の例では、ダブル搬送する場合として工程室21内に搬送容器Cを搬入する場合について説明したが、例えば一方のスタッカークレーン2aにより他方のスタッカークレーン2bのレール31を横切って搬送容器Cを搬出し、この搬送容器Cを当該スタッカークレーン2aに近接する並びの工程室21に搬入しても良い。
【0054】
上記の例では、工程室21内に区画壁24を設けたが、この区画壁24を設けなくとも良い。その場合には、既述のように搬送台45のストロークを長く取っていることから、工程室21に近接するスタッカークレーン2により搬送容器Cを搬送する時には、スタッカークレーン2により直接処理位置におけるコンベア搬送機構23上に搬送容器Cを載置しても良い。また、工程室21内にドア22に近接する位置と処理位置との間で水平に搬送容器Cを搬送可能なコンベア搬送機構23を設けたが、例えば既述の障害物30が設けられていない場合には、あるいはドア22に近接した位置に処理位置を設定できる例えば包装などの処理を行う工程室21の場合には、図24に示すように、コンベア搬送機構23をドア22に近接させて配置しても良い。
【0055】
また、上記の例では固形製剤を製造する医薬品工場を例に本発明について説明したが、例えばこのような固形製剤以外にも、複数の工程室21間で順次処理を行う工場であって、複数の工程室21間ではスタッカークレーン2などの自動搬送装置により搬送容器Cを搬送する設備例えば食品、化学品を製造する工場などに本発明を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の生産工場の一例を示す斜視図である。
【図2】上記の工場を示す縦断面図である。
【図3】上記の工場の工程室内の一部を示す斜視図。
【図4】上記の工場を示す平面図である。
【図5】上記の工場を示す側面図である。
【図6】上記の工場で用いられるスタッカークレーンを示す斜視図である。
【図7】上記のスタッカークレーンの搬送台の一例を示す側面図である。
【図8】上記の工場の作用の一例を示す側面図である。
【図9】上記の工程室の一例を示す縦断面図である。
【図10】上記の工場の制御部の一例を示す模式図である。
【図11】上記の工場の作用の一例を示す側面図である。
【図12】上記の工場の作用の一例を示す側面図である。
【図13】上記の工場において得られる効果を説明する説明図である。
【図14】上記の工場の他の例を示す平面図である。
【図15】上記の工場の他の例を示す概略図である。
【図16】上記の工場の他の例を示す平面図である。
【図17】上記の工場の他の例を示す平面図である。
【図18】上記の工場の他の例における制御部のプログラムの一例を示す模式図である。
【図19】上記の他の例の工場における作用を示す概略図である。
【図20】上記の工場の他の例を示す平面図である。
【図21】上記の他の例におけるバッファ領域の一例を示す斜視図である。
【図22】上記の工場の他の例を示す平面図である。
【図23】上記の工場の他の例を示す平面図である。
【図24】上記の工場の他の例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0057】
C 搬送容器
2 スタッカークレーン
12 通路
16 受け渡し口
21 工程室
23 載置台
45 搬送台
61 受け渡し機構
71 倉庫

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理物に対して複数の工程室において順次処理を行って処理物を得る処理設備において、
互いに平行に前後方向に水平に伸びる左側搬送路及び右側搬送路を有する搬送室と、
この搬送室の左右両側に設けられ、搬送容器内の被処理物に対して処理を行うための複数の工程室と、
前記搬送室の左右両側の壁面部に夫々設けられ、前記工程室との間で搬送容器の受け渡しを行うための搬送口と、
前記左側搬送路及び前記右側搬送路に沿って夫々移動し、被処理物あるいは処理物を収納した搬送容器を搬送する第1のスタッカークレーン及び第2のスタッカークレーンと、
通常時には前記第1のスタッカークレーン及び第2のスタッカークレーンが前記搬送室の左側の壁面部に設けられた搬送口及び前記搬送室の右側の壁面部に設けられた搬送口に対して夫々搬送容器の受け渡しを行い、前記第1のスタッカークレーン及び第2のスタッカークレーンの一方が故障した時には、他方のスタッカークレーンが当該一方のスタッカークレーンの搬送を肩代わりするように制御信号を出力する制御部と、
前記搬送室の外側領域を介して前記第1のスタッカークレーン及び第2のスタッカークレーンの間で搬送容器の受け渡しを行う受け渡し機構と、
前記第1のスタッカークレーンと前記受け渡し機構との間、及び前記第2のスタッカークレーンと前記受け渡し機構との間で夫々搬送容器の受け渡しを行うために前記搬送室の壁面部に形成された第1の受け渡し口及び第2の受け渡し口と、を備えたことを特徴とする処理設備。
【請求項2】
前記左側搬送路及び右側搬送路のうちの一方の搬送路の端部は他方の搬送路の端部よりも伸び出し、
伸び出した領域において、前記他方の搬送路の延長領域側の壁面部には、前記一方の搬送路に沿って走行するスタッカークレーンと前記受け渡し機構との間で搬送容器の受け渡しを行うための受け渡し口が形成され、
前記他方の搬送路の端部付近の領域において、前記一方の搬送路とは反対側の壁面部には、当該他方の搬送路に沿って走行するスタッカークレーンと前記受け渡し機構との間で搬送容器の受け渡しを行うための受け渡し口が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の処理設備。
【請求項3】
前記工程室は、複数階層に亘って配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の処理設備。
【請求項4】
前記受け渡し機構は、複数の階層に配置された前記工程室の内の1つの階層に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の処理設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2010−137965(P2010−137965A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−316161(P2008−316161)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(000004411)日揮株式会社 (94)
【Fターム(参考)】