説明

出没式筆記具

【課題】芯体のペン先を収納する際の音を低減できる出没式筆記具を、製造し易く構成することである。
【解決手段】筒体2の内部に摺動可能な一つ又は複数の芯体3を備え、筒体2から露出した芯体3のペン先9を筒体2内に収納する際に、芯体3側を筒体側に当接させることによってペン先9を筒体2内に停止させる出没式筆記具1において、筒体2の後部に芯体3の摺動方向にのびる貫通孔10を設け、芯体3側が筒体2側に当接する際に生じる音を低減する音低減部材7を、前記貫通孔10に外部から装着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露出した芯体のペン先を筒体内に収納する際に、芯体側と筒体側とが衝突して生じる音を軽減する出没式筆記具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数色の芯体を備えたボールペンでは、使用する色の芯体のペン先を露出させ、その他の色の芯体のペン先はボールペンの筒体内に収納される。各芯体は、ペン先を筒体内に収納させる方向にばねで付勢されている。ペン先が筆記可能に筒体外に露出しているときには、芯体側の一部を筒体側に係合させることによってばねの付勢力に抗している。よって、露出したペン先を筒体内に収納する際には、この係合を外し、ばねの付勢力でペン先は筒体内に収納される。
【0003】
その際、芯体がばねで付勢されているので、ペン先が筒体内に収納されると、芯体側が筒体側に衝突して音が生じる。この音は、必ずしも全ての人に不快感を与えるとは限らないが、会議中や静粛な状況下において発生させるのは好ましくない。そこで、特許文献1に開示されているように、ゴムチップを尾栓内に装着し、芯体側が筒体側に衝突することを防止し、発生する音を低減する構成が提案されている。
また、特許文献2に開示されている構成は、特許文献1に開示されている構成を改良したものであり、芯体側の一部が筒体側のスライド孔に沿って移動し、スライド孔の端部に設けた弾き音低減部材に衝突するので、衝突音は軽減される。
【特許文献1】実開平6−68883号公報
【特許文献2】特開2006−62100号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1や特許文献2に開示されている構成を採用すると、芯体側の部材が筒体側の部材に衝突した際に発生する音を低減することができる。
ところで、特許文献1や特許文献2に開示されている構成では、衝突の衝撃を和らげることができるが、消音効果は十分ではなかった。
【0005】
そこで本発明は、芯体のペン先を収納する際の音を十分に低減できる出没式筆記具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、筒体の内部に摺動可能な一つ又は複数の芯体を備え、筒体から露出した芯体のペン先を筒体内に収納する際に、芯体側を筒体側に当接させることによってペン先を筒体内に停止させる出没式筆記具であって、筒体の後部に芯体の摺動方向にのびる貫通孔を設け、芯体側が筒体側に当接する際に生じる音を低減する音低減部材が、前記貫通孔に装着されることを特徴とする出没式筆記具である。
ここで芯体側とは芯体及びペン先と一体に移動する部位を指し、筒体側とは筒体及び筒体に装着される音低減部材を指す。
【0007】
請求項1の発明では、芯体側が筒体側に当接する際に生じる音を低減する音低減部材が、筒体の後部に設けた貫通孔に装着されている。これにより、芯体側が音低減部材に当接すると音低減部材は露出方向に逃げ、衝突の衝撃が緩和されて音が生じにくくなる。ここで、筒体の貫通孔に装着された音低減部材は筒体側の部材であり、芯体側は、筒体側の部材である音低減部材に当接する。
【0008】
請求項2の発明は、筒体の内部に摺動可能な一つ又は複数の芯体を備え、筒体から露出した芯体のペン先を筒体内に収納する際に、芯体側を筒体側に当接させることによってペン先を筒体内に停止させる出没式筆記具であって、筒体は芯体の摺動方向にのびる貫通孔を有する尾栓を備えており、芯体側が筒体側に当接する際に生じる音を低減する音低減部材が、前記貫通孔に外部から装着されていることを特徴とする出没式筆記具である。
【0009】
請求項2の発明では、芯体側が筒体側に当接する際に生じる音を低減する音低減部材が、尾栓の貫通孔に外部から装着されている。よって、音低減部材は筆記具の外部に露出した状態で尾栓に装着される。その結果、請求項1の発明と同様の効果を奏することができる。
【0010】
請求項3の発明は、音低減部材には円錐状の当接面が設けてあり、前記当接面に芯体側が面で当接することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の出没式筆記具である。
【0011】
請求項3の発明では、音低減部材の円錐状の当接面に芯体側が面で当接するので、音低減部材の局部的な損耗を回避することができる。
【0012】
請求項4の発明は、音低減部材は、弾性体で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちのいずれかに記載の出没式筆記具である。
【0013】
請求項4の発明では、音低減部材が弾性体で構成されているので、振動を吸収し易い。よって、芯体側が筒体側に当接した際の当接音が低減され易い。
【0014】
請求項5の発明は、音低減部材が貫通孔に圧入されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちのいずれかに記載の出没式筆記具である。
【0015】
請求項5の発明では、音低減部材が尾栓の貫通孔に圧入されている。よって、組立ての簡素化を図ることができる。
【0016】
請求項6の発明は、貫通孔がねじ孔であり、音低減部材が貫通孔にねじ込まれていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちのいずれかに記載の出没式筆記具である。
【0017】
請求項6の発明では、貫通孔がねじ孔であり、音低減部材が貫通孔にねじ込まれているので、音低減部材が出没式筆記具から外れにくい。特に、圧入しながらねじ込むと、音低減部材をよりしっかりと出没式筆記具に固定することができる。
【0018】
請求項7の発明は、ペン先から塗布されたインキを摩擦することによって消去できる素材で音低減部材が構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちのいずれかに記載の出没式筆記具である。
【0019】
請求項7の発明では、ペン先から塗布されたインキを摩擦することによって消去できる素材で音低減部材が構成されているので、音低減部材は、芯体側が当接する当接音を低減すると共に、塗布されたインキを消去することもできる。
【発明の効果】
【0020】
本発明を実施すると、出没式筆記具に音低減部材を設けて、芯体のペン先を収納する際の音を十分に低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら本発明の出没式筆記具の構成を説明する。
図1は、本発明を実施したボールペン1(出没式筆記具)の部分断面正面図である。図1(a)は筒体に尾栓を装着する直前の状態を示しており、図1(b)は筒体に尾栓を装着した状態を示している。また、図1(c)は図1(a)の部分拡大図であり、図1(d)は図1(b)の部分拡大図である。また、図2(a)はボールペンを筆記可能な状態にした部分断面正面図であり、図2(b)は図2(a)の部分拡大図であり、図2(c)は図2(b)のc−c断面矢視図である。
【0022】
図1(a)に示すように、ボールペン1は、本体である筒体2、インキを収容した複数(図1では2つ)の芯体3a,3b、芯体と一体の操作部4a,4b、コイルばね5a,5b、尾栓6、及び音低減部材7を備えている。
【0023】
筒体2の頂部は開口しており、また、筒体2には前後方向(図1(a)で見て上下方向)にのびるスリット8a,8bが設けられている。また、筒体2の前方(図1(a)で見て下方)には、芯体3a(又は芯体3b)の先端に設けられたペン先9aを通過させるための孔13が設けられている。また、筒体2の後方(図1(a)で見て上方)には、尾栓6が固着されている。尾栓6については後述する。
【0024】
筒体2のスリット8aには、ボールペン1の使用者が操作可能な操作部4aが配置されている。操作部4aの下部には芯体3aが固定されている。また、操作部4aの下部には段部11aが形成されており、この段部11aには圧縮されたコイルばね5aの上端が当接している。コイルばね5aの下端は筒体2の内周面に設けられた突出部(図示せず)と係合しており、段部11a(操作部4a)が下降するとコイルばね5aはさらに圧縮される。
【0025】
操作部4aは、スリット8aに沿って上下方向に移動可能である。ボールペン1には、芯体3aの先端のペン先9aが筒体2の孔13から突出する位置(図2(a))で操作部4aを停止させる周知の停止手段(図示せず)が設けられている。停止手段はワンタッチで解除可能であり、停止手段が解除されると、操作部4aはコイルばね5aの弾性力によって上方へ移動し、操作部4aの上端部14は尾栓6に接近する。
【0026】
操作部4aの上下移動に伴い、操作部4aと一体の芯体3a,ペン先9aは、操作部4aと共に上下移動する。その結果、操作部4aが下がると、ペン先9aが筒体2の孔13から露出し、逆に操作部4aが上がると、ペン先9aは筒体2内に収納される。
【0027】
操作部4bも操作部4aと同様に芯体3b,コイルばね5bを備えており、操作部4bは筒体2に設けられたスリット8bから外部に露出している。操作部4bと一体の芯体3bは、芯体3aとは異なる色のインキが収納されており、使用者は、操作部4aと操作部4bのいずれかを選択して操作し、所望の色のインキを使用する。図2(c)に示すように、操作部4b(操作部4aも同じ)は寸法wの厚みを有しており、音低減部材7の円錐部16に対して面で接触する。
【0028】
次に、本発明の特徴部分である音低減部材7について説明する。
音低減部材7は、例えばシリコン,エラストマや、周知の弾性部材で形成されており、図1(a)に示すように円筒側壁部15と、円錐部16(円錐状の当接面)と、頭部17とを有している。円筒側壁部15の直径は、尾栓6の貫通孔10の内径よりもわずかに大きく設定されており、音低減部材7の円筒側壁部15は貫通孔10内に圧入できるようになっている。すなわち、音低減部材7は尾栓6よりも柔軟性を有している。
【0029】
図1(b)に示すように音低減部材7が尾栓6に装着されると、音低減部材7の円錐部16は、筒体2内に突出する。その結果、操作部4a(4b)が上方へ移動すると、操作部4a(4b)の上端部14a(14b)は、音低減部材7の円錐部16に当接し、上端部14a(14b)と尾栓6の間には図1(d)に示すような隙間18ができる。すなわち、操作部4a(4b)と尾栓6とは接触しない。そのため、両者が当接することによる当接音は生じない。ちなみに、尾栓6に音低減部材7が設けられていないと、図1(c)に示すように操作部4a(4b)の上端部14a(14b)は、尾栓6に当接し、当接時には当接音が生じる。
【0030】
操作部4a(4b)には傾斜面12a(12b)が設けられている。尾栓6に音低減部材7を装着すると、ペン先9a(9b;図示せず)を収納した際に、傾斜面12a(12b)と音低減部材7の円錐部16とが面接触(当接)する。その結果、操作部4a(4b)が上昇する際の円錐部16との衝突は面で行われ、円錐部16の部分的(局所的)な損耗が回避される。
【0031】
ちなみに、音低減部材7の円筒側壁15と貫通孔10の間に作用する摩擦力の大きさは、操作部4a(4b)が円錐部16に当接する際の衝撃を十分に支え得る大きさであり、操作部4a(4b)が円錐部16に当接しても、微視的に歪むことはあっても、音低減部材7の尾栓6に対する装着位置は変わらない。
【0032】
図1,図2では、2色のインキを切換えて使用可能なボールペン1を示したが、本発明は、1色,或いは3色以上の操作部(芯体)を備える場合にも実施可能である。すなわち、操作部がいくつ備えられていても、いずれの操作部の上端部も、音低減部材7の円錐部16に対して対向配置することができる。
【0033】
以上説明したボールペン1では、音低減部材7の頭部17は、筒体2の外部に露出している。そのため、頭部17を別の用途で使用することができる。すなわち、昨今は、塗布されたインキを、摩擦によって消去することができるものが開発されている。例えば、ボールペン1に、エラストマ製の部材で摩擦することによって消去可能なインキを採用し、音低減部材7の頭部17をエラストマ製とする。これにより、ボールペン1によって塗布されたインキは、頭部17を摩擦することによって消去することができる。
【0034】
次に、本発明の出没式筆記具の別の実施の形態を、図3を参照しながら説明する。
図3は本発明を実施したボールペンの尾栓部分の部分拡大正面図であり、図3(a)は音低減部材を完全にねじ込んだ状態を示しており、図3(b)は音低減部材のねじ込みを若干控えた状態を示している。ボールペン20は、尾栓21と音低減部材7以外はボールペン1と同じ構成を備えており、重複する説明は省略する。
【0035】
尾栓21には、ねじ孔22が設けてある。また、音低減部材23の円筒側面にはねじ孔22と螺合するねじ24が設けてある。よって、尾栓21のねじ孔22に音低減部材23をねじ込むと、尾栓21(ボールペン20)に音低減部材23を装着することができる。なお、音低減部材23がねじ孔22の形状に応じて変形可能な弾性体で構成されていれば、音低減部材23の円筒側面にねじ24を設ける必要はない。すなわちこの場合には、ねじ孔22内に音低減部材23をねじ込みながら圧入すると、円筒側面がねじ孔22の凹凸に沿って変形し、音低減部材23はねじ孔22内に確実に固定される。
【0036】
図3(a)に示すように、ねじ構造で尾栓21に音低減部材23を装着すると、音低減部材23が確実に尾栓21(ボールペン20)に固定される。また、仮に音低減部材23が破損した場合には、容易に新品と交換することができる。
【0037】
図3(a)に示すように、音低減部材23を完全にねじ込むと、円錐部25に操作部4bが当接し、操作部4bと尾栓21の間に隙間19が生じる。すなわち、ペン先が筒体内に収納されて操作部4bが上昇しても、操作部4bは尾栓21に当接せず、音低減部材23の円錐部25に当接する。その結果、当接音はほとんど発生しない。
【0038】
また、図3(b)に示すように、音低減部材23のねじ込みを若干控えると、操作部4bの上端は尾栓21に当接可能となる。すなわち、操作部4bは、音低減部材23の円錐部25に当接せず、尾栓21に当接し、明瞭な当接音が発生する。よって、音低減部材23のねじ込み加減を調整するだけで、使用者の好みや使用環境(周囲の状況)に応じて当接音を生じさせるか否かを選択することができる。
【0039】
以上では、ボールペン(出没式筆記具)の筒体と尾栓とが別体の場合を示したが、本発明は、筒体と尾栓とが一体のボールペン(出没式筆記具)においても実施することができる。
【0040】
また、上述の例では、筒体側に対して操作部の最後部(上部)が当接する場合を示したが、操作部の別の部位が筒体側に当接するタイプのボールペン(出没式筆記具)に本発明を実施した場合を、図4を参照しながら説明する。図4は本発明を実施したボールペンの部分断面斜視図であり、(a)は芯収納時において操作部が音低減部材に当接している状態を示しており、(b)は、筆記可能に芯を突出させ、筒体に対して操作部がスライド移動した状態を示している。
【0041】
図4(b)に示すように、ボールペン30の筒体32にはスリット33が設けられており、このスリット33に沿って操作部34が摺動可能に設置されている。操作部34は、図示しないペン先と一体化されており、図示しないコイルばねで常時後方へ付勢されている。
【0042】
スリット33の下部には段35が形成されており、操作部34の下部にはフランジ部36が設けてある。
また、フランジ部36の下面側(先端側)には前述のコイルばね(図示せず)を係合させる係合部38が設けてある。図示しないコイルばねの付勢力によってスリット33に沿って操作部34が摺動し、仮に操作部34のフランジ部36がスリット33の段35に当接すると、カチッという当接音が生じる。ちなみに図4(b)では、音低減部材31の描写を省略している。
【0043】
ところで、筒体32の後部(上部)には孔37が設けられており、この孔37に音低減部材31が装着される。音低減部材31は、筒体32の内部に侵入しており、図4(a)に示すように操作部34がスリット33に沿って後退すると、操作部34の後端部(上端部)は音低減部材31に当接する。すなわち、前述のスリット33の段35に操作部34のフランジ部36が当接する前に操作部34が音低減部材31に当接するようになっている。
【0044】
仮に、音低減部材31の筒体32への装着を浅くする(筒体32への侵入長さを少なくする)と、操作部34が音低減部材31に当接する前に、段35をフランジ部36に当接させてカチッという当接音を生じさせることができる。よって音低減部材31の筒体32への装着の仕方を変更することによって、当接音を生じさせるか否かを適宜選定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明を実施したボールペン(出没式筆記具)の部分断面正面図であり、(a)は筒体に尾栓を装着する直前の状態を示しており、(b)は筒体に尾栓を装着した状態を示しており、(c)は(a)の部分拡大図であり、(d)は(b)の部分拡大図である。
【図2】(a)はボールペンを筆記可能な状態にした部分断面正面図であり、(b)は(a)の部分拡大図であり、(c)は(b)のc−c断面矢視図である。
【図3】図1とは別の、本発明を実施したボールペンの尾栓部分の部分拡大正面図であり、(a)は音低減部材を完全にねじ込んだ状態を示しており、(b)は音低減部材のねじ込みを若干控えた状態を示している。
【図4】図1,図3とは別の、本発明を実施したボールペンの部分断面斜視図であり、(a)は芯収納時において操作部が音低減部材に当接している状態を示しており、(b)は、芯突出時において筒体に対して操作部がスライド移動した状態を示している。
【符号の説明】
【0046】
1 ボールペン(出没式筆記具)
2 筒体
3a,3b 芯体
4a,4b 操作部
5a,5b コイルばね
6 尾栓
7 音低減部材
10 貫通孔
14a,14b 操作部の上端部
15a,15b 音低減部材の円筒側壁部
16a,16b 音低減部材の円錐部
17a,17b 音低減部材の頭部
18 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒体の内部に摺動可能な一つ又は複数の芯体を備え、筒体から露出した芯体のペン先を筒体内に収納する際に、芯体側を筒体側に当接させることによってペン先を筒体内に停止させる出没式筆記具であって、筒体の後部に芯体の摺動方向にのびる貫通孔を設け、芯体側が筒体側に当接する際に生じる音を低減する音低減部材が、前記貫通孔に装着されることを特徴とする出没式筆記具。
【請求項2】
筒体の内部に摺動可能な一つ又は複数の芯体を備え、筒体から露出した芯体のペン先を筒体内に収納する際に、芯体側を筒体側に当接させることによってペン先を筒体内に停止させる出没式筆記具であって、筒体は芯体の摺動方向にのびる貫通孔を有する尾栓を備えており、芯体側が筒体側に当接する際に生じる音を低減する音低減部材が、前記貫通孔に装着されていることを特徴とする出没式筆記具。
【請求項3】
音低減部材には円錐状の当接面が設けてあり、前記当接面に芯体側が面で当接することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の出没式筆記具。
【請求項4】
音低減部材は、弾性体で構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の出没式筆記具。
【請求項5】
音低減部材は、貫通孔に圧入されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちのいずれかに記載の出没式筆記具。
【請求項6】
貫通孔はねじ孔であり、音低減部材は、貫通孔にねじ込まれていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうちのいずれかに記載の出没式筆記具。
【請求項7】
ペン先から塗布されたインキを摩擦することによって消去できる素材で音低減部材が構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のうちのいずれかに記載の出没式筆記具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−285927(P2009−285927A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−139386(P2008−139386)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(390039734)株式会社サクラクレパス (211)
【Fターム(参考)】