説明

分析装置

【課題】検体分注機構における検体分注処理を効率よく行なうことができる分析装置を提供すること。
【解決手段】この発明にかかる分析装置1は、検体容器11a内に収容された検体を所定量吸引し吸引した検体を反応容器内に吐出する第1ノズルおよび第2ノズルと、分注ノズルごとに設けられ、各分注機構を検体吸引位置または検体吐出位置にそれぞれ移送する複数の第1アーム121aおよび第2アーム122aと、各ノズルにおける分注処理をそれぞれ独立して制御するとともに各アームの移送処理をそれぞれ独立して制御する検体分注制御部32と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、反応容器内に分析対象である検体を分注し該検体を分析する分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血液や体液等の検体を自動的に分析する装置として、試薬が分注された反応容器に検体を加え、反応容器内の試薬と検体の間で生じた反応を光学的に検出する分析装置が知られている。このような分析装置では、検体容器内の検体を反応テーブル上の反応容器に順次分注し、各試薬と検体とが反応した反応液の光学的特性をもとに検体の分析を行っている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特許第3152711号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、血液を分析する分析装置においては、通常検体である血清検体と全血検体との双方を分析する場合、血清検体を吸引するノズルを兼用して全血検体を吸引している。この全血検体には血球が含まれている必要があるため、検体容器から全血検体を吸引する場合、血球が浮遊していると思われる深さまでノズルを沈み込ませる必要がある。言い換えると、全血検体吸引時は、血清検体吸引時よりも深くまで血液内にノズルを下降させている。この結果、全血検体吸引後は、血清検体吸引後よりもノズル外壁が広い範囲で血球によって汚染される。このため、従来の分析装置においては、血清検体吸引後の洗浄槽とは別に、全血検体吸引後の広範囲のノズル外壁を洗浄できる全血検体専用の洗浄槽を備える。
【0005】
しかしながら、全血検体を吸引した場合、ノズル外壁の広い領域が汚染されるため、全血検体吸引後の洗浄時間は血清検体吸引後の洗浄時間の数倍以上となってしまっていた。言い換えると、全血検体吸引後の洗浄時間が血清検体吸引後の洗浄時間よりも長いため、全血検体を吸引した場合、血清検体を吸引した場合と比較し、次に検体を吸引可能となるまでの時間が長くなってしまう。この結果、血清検体分析中に全血検体の分析が行なわれる場合や全血検体が連続した場合、血清検体のみを順次分析する場合と比較して、分析時間が長くなってしまい、分析装置における処理能力が低下するという問題があった。また、液面検知の検知感度を決定する回路定数が通常検体と全血検体とで変動した場合であっても、一のノズルを通常検体と全血検体とで兼用するため、回路定数を検体ごとに変更することができず、液面検知の精度低下を招く可能性があった。
【0006】
本発明は、上記した従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、検体分注機構における検体分注処理を効率よく行なうことができる分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる分析装置は、反応容器内に分析対象である検体を分注し該検体を分析する分析装置において、検体容器内に収容された前記検体を所定量吸引し吸引した前記検体を前記反応容器内に吐出する複数の分注機構と、前記分注機構ごとに設けられ、各分注機構を検体吸引位置または検体吐出位置にそれぞれ移送する複数の移送機構と、各分注機構における分注処理をそれぞれ独立して制御するとともに各移送機構の移送処理をそれぞれ独立して制御する制御機構と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、この発明にかかる分析装置は、前記分注機構は、所定の分注タイミングで分注処理を行なう第1のノズルを有する第1の分注機構と、前記第1のノズルにおける分注処理タイミングと独立したタイミングで分注処理を行なう第2のノズルを有する第2の分注機構と、を備え、前記移送機構は、前記検体吸引位置および前記検体吐出位置を通る第1の経路にしたがって前記第1のノズルを移送する第1の移送機構と、前記第1の経路と少なくとも一部が異なる経路であって、前記検体吸引位置および前記検体吐出位置を通る第2の経路にしたがって前記第2のノズルを移送する第2の移送機構と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかる分析装置は、前記第1の経路のうち前記第1の経路と前記第2の経路とが重複する重複領域以外の領域に設けられ、検体分注後の前記第1のノズルを洗浄する第1の洗浄機構と、前記第2の経路のうち前記重複領域以外の領域に設けられ、前記第1の洗浄機構の洗浄タイミングと独立したタイミングで検体分注後の前記第2のノズルを洗浄する第2の洗浄機構と、を備え、前記制御機構は、前記第1の洗浄機構および前記第2の洗浄機構における洗浄処理をそれぞれ独立して制御することを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる分析装置は、前記制御機構は、前記第1の移送機構に対し、前記重複領域上を前記第2の移送機構が前記第2のノズルを移送する間、前記第1のノズルを前記重複領域以外の領域に移送させ、前記制御機構は、前記第2の移送機構に対し、前記重複領域上を前記第1の移送機構が前記第1のノズルを移送する間、前記第2のノズルを前記重複領域以外の領域に移送させることを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる分析装置は、前記第1の経路は、前記重複領域以外の領域に前記第1のノズルが待機できる第1の待機領域を有し、前記第2の経路は、前記重複領域以外の領域に前記第2のノズルが待機できる第2の待機領域を有し、前記制御機構は、前記第1の移送機構に対し、前記重複領域上を前記第2の移送機構が前記第2のノズルを移送する間、前記第1のノズルを前記第1の待機領域に移送させ、前記制御機構は、前記第2の移送機構に対し、前記重複領域上を前記第1の移送機構が前記第1のノズルを移送する間、前記第2のノズルを前記第2の待機領域に移送させることを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる分析装置は、前記制御機構は、前記第1の移送機構に対し、前記重複領域上を前記第2の移送機構が前記第2のノズルを移送する間、前記第1のノズルを前記第1の洗浄機構に移送させ、前記制御機構は、前記第2の移送機構に対し、前記重複領域上を前記第1の移送機構が前記第1のノズルを移送する間、前記第2のノズルを前記第2の洗浄機構に移送させることを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる分析装置は、前記第1の移送機構は、一端に前記第1のノズルが設けられるとともに他端を通過する鉛直線を中心軸とする回転および鉛直方向への昇降を行なう第1のアームを備え、前記第2の移送機構は、一端に前記第2のノズルが設けられるとともに他端を通過する鉛直線を中心軸とする回転および鉛直方向への昇降を行なう第2のアームを備え、前記制御機構は、前記第1のアームにおける回転処理および昇降処理と、前記第2のアームにおける回転処理および昇降処理とをそれぞれ独立して制御することを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる分析装置は、前記第1のアームと前記第2のアームとは、同一の中心軸で回転するとともに同一のアーム長を有し、前記検体吸引位置および前記検体吐出位置を通過する同一の円周上に前記第1のノズルと前記第2のノズルとをそれぞれ移送可能であることを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる分析装置は、前記第1のアームは、前記検体吸引位置および前記検体吐出位置を通過する第1の円弧上に前記第1のノズルを移送し、前記第2のアームは、前記第1の円弧とは異なる円弧であって前記検体吸引位置および前記検体吐出位置を通過する第2の円弧上に前記第2のノズルを移送することを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかる分析装置は、前記第1のアームは、前記検体吸引位置および前記検体吐出位置を接続する円弧を含み、該円弧の一端から延長させた第1の円弧上に前記第1のノズルを移送し、前記第2のアームは、前記検体吸引位置および前記検体吐出位置を接続する円弧を含み、該円弧の他端から延長させた第2の円弧上に前記第2のノズルを移送することを特徴とする。
【0017】
また、この発明にかかる分析装置は、前記第1のアームと前記第2のアームとは、それぞれ異なる回転中心軸を有し、前記第1のアームは、前記検体吸引位置および前記検体吐出位置を通過する第1の円周上に前記第1のノズルを移送し、前記第2のアームは、前記検体吸引位置および前記検体吐出位置を通過する第2の円周上に前記第2のノズルを移送することを特徴とする。
【0018】
また、この発明にかかる分析装置は、前記第1のアームは、前記第1の円周上であって前記第2の円周が形成する円外の周上である第1の円弧上に前記第1のノズルを移送し、前記第2のアームは、前記第2の円周上であって前記第1の円周が形成する円外の周上である第2の円弧上に前記第2のノズルを移送することを特徴とする。
【0019】
また、この発明にかかる分析装置は、前記第2のアームは、前記第1のアーム上端よりも少なくとも前記第2のノズルの高さ分高い位置に昇降でき、前記制御機構は、前記第1のアームと前記第2のアームとが交差する場合、前記第2のアームを前記第1のアーム上端よりも少なくとも前記第2のノズルの高さ分高い位置に昇降させた上で回転させることを特徴とする。
【0020】
また、この発明にかかる分析装置は、前記検体吐出位置は、複数設けられ、第1の移送機構は、一の前記検体吐出位置に前記第1のノズルを移送し、前記第2の移送機構は、前記第1のノズルが位置する前記検体吐出位置と異なる前記検体吐出位置に前記第2のノズルを移送することを特徴とする。
【0021】
また、この発明にかかる分析装置は、前記第2のノズルの開口径は、前記第1のノズルの開口径よりも大きいことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、検体に対する複数の分注機構と、分注機構ごとに設けられ各分注機構を検体吸引位置または検体吐出位置にそれぞれ移送する複数の移送機構とを備えることによって、各分注機構がそれぞれ独立したタイミングで分注できるとともに各分注機構をそれぞれ独立したタイミングで移送できるため、検体分注機構における検体分注処理を効率よく行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態である分析装置について、血清検体または全血検体の吸光度をもとに各検体を分析する分析装置を例に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。
【0024】
(実施の形態1)
まず、実施の形態1について説明する。実施の形態1においては、複数の検体分注用のノズルと、検体分注用のノズルごとに設けられ、各ノズルをそれぞれ移送する複数の移送機構と設けることによって、各ノズルにおける分注処理および各移送機構における移送処理をそれぞれ独立して実行可能としている。
【0025】
図1は、本実施の形態1にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる分析装置1は、分析対象である検体および試薬を反応容器21にそれぞれ分注し、分注した反応容器21内で生じる反応を光学的に測定する測定機構2と、測定機構2を含む分析装置1全体の制御を行なうとともに測定機構2における測定結果の分析を行なう制御機構3とを備える。分析装置1は、これらの二つの機構が連携することによって複数の検体の生化学分析などを自動的に行なう。
【0026】
測定機構2は、大別して検体移送部11、第1検体分注機構121、第2検体分注機構122、反応テーブル13、試薬庫14、読取部16、試薬分注機構17、攪拌部18、測光部19および洗浄部20を備える。
【0027】
検体移送部11は、血液や尿等、液体である検体を収容した複数の検体容器11aを保持し、図中の矢印方向に順次移送する複数の検体ラック11bを備える。検体移送部11上の所定位置に移送された検体容器11a内の検体は、第1検体分注機構121、第2検体分注機構122によって、反応テーブル13上に配列して搬送される反応容器21に分注される。
【0028】
第1検体分注機構121は、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なう第1アーム121aを備える。この第1アーム121aの先端部には、検体の吸引および吐出を行なう第1ノズルが取り付けられている。第1ノズルは、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構と接続する。第1検体分注機構121は、上述した検体移送部11上の検体吸引位置に移送された検体容器11a内から第1ノズルによって所定量の検体を吸引し、第1アーム121aを図中時計回りまたは反時計周りに旋回させ、反応テーブル13上の検体吐出位置に位置する反応容器21内に検体を吐出して分注を行なう。第1検体分注機構121は、通常検体である血清検体を分注する。第1検体分注機構121は、検体分注後の検体で汚染された第1ノズル外壁を洗浄する第1洗浄槽121bを備える。第1洗浄槽121bは、洗剤や洗浄水等の洗浄液を充填された一以上の槽を備え、汚染された第1ノズル121nは各槽内に所定深さまで浸入されて洗浄される。
【0029】
第2検体分注機構122は、鉛直方向への昇降および第1アーム121aと同一の中心軸で回転を自在に行なう第2アーム122aを備える。第2アーム122aは、第1アーム121aと同じアーム長である。この第2アーム122aの先端部には、検体の吸引および吐出を行なう第2ノズルが取り付けられている。第2ノズルは、図示しない吸排シリンジまたは圧電素子を用いた吸排機構と接続する。第2検体分注機構122は、上述した検体移送部11上の検体吸引位置に移送された検体容器11a内から第2ノズルによって検体を吸引し、第2アーム122aを図中時計回りまたは反時計周りに旋回させ、反応テーブル13上の検体吐出位置に位置する反応容器21内に検体を吐出して分注を行なう。第2検体分注機構122は、全血検体を分注する。なお、第2ノズルは粒子径が血清よりも大きい血球を詰りなく吸引するため、第2ノズルの開口径は、第1ノズルの開口径よりも大きく設定されている。第2検体分注機構122は、検体分注後の検体で汚染された第2ノズル外壁を洗浄する第2洗浄槽122bを備える。第2洗浄槽122bは、洗剤や洗浄水等の洗浄液を充填された一以上の槽を備え、汚染された第2ノズル122nは各槽内に所定深さまで浸入されて洗浄される。
【0030】
反応テーブル13は、反応容器21への検体や試薬の分注、反応容器21の攪拌、洗浄または測光を行なうために反応容器21を所定の位置まで移送する。この反応テーブル13は、制御部31の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、反応テーブル13の中心を通る鉛直線を回転軸として回転自在である。反応テーブル13の上方と下方には、図示しない開閉自在な蓋と恒温槽がそれぞれ設けられている。
【0031】
試薬庫14は、反応容器21内に分注される試薬が収容された試薬容器15を複数収納できる。試薬庫14には、複数の収納室が等間隔で配置されており、各収納室には試薬容器15が着脱自在に収納される。試薬庫14は、制御部31の制御のもと、図示しない駆動機構が駆動することによって、試薬庫14の中心を通る鉛直線を回転軸として時計回りまたは反時計回りに回動自在であり、所望の試薬容器15を試薬分注機構17による試薬吸引位置まで移送する。試薬庫14の上方には、開閉自在な蓋(図示せず)が設けられている。また、試薬庫14の下方には、恒温槽が設けられている。このため、試薬庫14内に試薬容器15が収納され、蓋が閉じられたときに、試薬容器15内に収容された試薬を恒温状態に保ち、試薬容器15内に収容された試薬の蒸発や変性を抑制することができる。
【0032】
試薬容器15の側面部には、試薬容器15に収容された試薬に関する試薬情報が記録された記録媒体が付されている。記録媒体は、符号化された各種の情報を表示しており、光学的に読み取られる。試薬庫14の外周部には、この記録媒体を光学的に読み取る読取部16が設けられている。読取部16は、記録媒体に対して赤外光または可視光を発し、記録媒体からの反射光を処理することによって、記録媒体の情報を読み取る。また、読取部16は、記録媒体を撮像処理し、撮像処理によって得られた画像情報を解読して、記録媒体の情報を取得してもよい。
【0033】
試薬分注機構17は、試薬の吸引および吐出を行なうノズルが先端部に取り付けられたアーム17aを備える。アーム17aは、鉛直方向への昇降および自身の基端部を通過する鉛直線を中心軸とする回転を自在に行なう。試薬分注機構17は、試薬庫14上の試薬吸引位置に移動された試薬容器15内の試薬をノズルによって吸引し、アーム17aを図中時計回りに旋回させ、反応テーブル13上の試薬吐出位置に搬送された反応容器21に分注する。攪拌部18は、反応容器21に分注された検体と試薬との攪拌を行ない、反応を促進させる。
【0034】
測光部19は、所定の測光位置に搬送された反応容器21に光を照射し、反応容器21内の液体を透過した光を受光して分光強度測定を行ない、液体の吸光度を測定する。この測光部19による測定結果は、制御部31に出力され、分析部34において分析される。
【0035】
洗浄部20は、図示しないノズルによって、測光部19による測定が終了した反応容器21内の混合液を吸引して排出するとともに、洗剤や洗浄水等の洗浄液を注入および吸引することで洗浄を行なう。この洗浄した反応容器21は再利用されるが、検査内容によっては1回の測定終了後に反応容器21を廃棄してもよい。
【0036】
つぎに、制御機構3について説明する。制御機構3は、制御部31、入力部33、分析部34、記憶部35および出力部36を備える。測定機構2および制御機構3が備えるこれらの各部は、制御部31に電気的に接続されている。
【0037】
制御部31は、CPU等を用いて構成され、分析装置1の各部の処理および動作を制御する。制御部31は、これらの各構成部位に入出力される情報について所定の入出力制御を行ない、かつ、この情報に対して所定の情報処理を行なう。制御部31は、第1検体分注機構121および第2検体分注機構122を制御する検体分注制御部32を備える。
【0038】
検体分注制御部32は、各検体分注機構における分注処理をそれぞれ独立して制御するとともに各検体分注機構を移送する移送機構の移送処理をそれぞれ独立して制御する。言い換えると、検体分注制御部32は、第1検体分注機構121における第1ノズルおよび第2検体分注機構122における第2ノズルの分注処理をそれぞれ独立して制御する。また、検体分注制御部32は、各検体分注機構を移送する移送機構を構成する第1アーム121aおよび第2アーム122aの昇降動作、回転動作などの移送処理をそれぞれ独立して制御する。検体分注制御部32は、第1洗浄槽121bおよび第2洗浄層122bにおける洗浄処理をそれぞれ独立して制御する。
【0039】
入力部33は、キーボード、マウス等を用いて構成され、検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得する。入力部33は、図示しない通信ネットワークを介して検体の分析に必要な諸情報や分析動作の指示情報等を外部から取得してもよい。分析部34は、測光部19から取得した吸光度測定結果などに基づいて検体の成分分析等を行なう。
【0040】
記憶部35は、情報を磁気的に記憶するハードディスクと、分析装置1が処理を実行する際にその処理にかかわる各種プログラムをハードディスクからロードして電気的に記憶するメモリとを用いて構成され、検体の分析結果等を含む諸情報を記憶する。記憶部35は、CD−ROM、DVD−ROM、PCカード等の記憶媒体に記憶された情報を読み取ることができる補助記憶装置を備えてもよい。
【0041】
出力部36は、ディスプレイ、プリンタ、スピーカー等を用いて構成され、検体の分析結果を含む諸情報を出力する。また、出力部36は、図示しない通信ネットワークを介して検体の分析結果を含む緒情報を外部装置に出力してもよい。
【0042】
以上のように構成された分析装置1では、列をなして順次搬送される複数の反応容器21に対して、第1検体分注機構121または第2検体分注機構122が検体容器11a中の検体を分注し、試薬分注機構17が試薬容器15中の試薬を分注した後、測光部19が検体と試薬とを反応させた状態の試料の分光強度測定を行ない、この測定結果を分析部34が分析することで、検体の成分分析等が自動的に行われる。また、洗浄部20が測光部19による測定が終了した後に搬送される反応容器21を搬送させながら洗浄することで、一連の分析動作が連続して繰り返し行われる。
【0043】
つぎに、第1検体分注機構121および第2検体分注機構122について説明する。図2は、第1検体分注機構121および第2検体分注機構122の要部の側面図である。図3は、図2におけるAA線断面図である。図4は、第1検体分注機構121および第2検体分注機構122の要部を示す斜視図である。
【0044】
図2に示すように、第1検体分注機構121において、第1アーム121aは、一端に第1ノズル121nが取り付けられており、他端に第1の軸柱121cが接続されている。また、第2検体分注機構122においても、第1検体分注機構121と同様に、第2アーム122aは、一端に第2ノズル122nが取り付けられており、他端に第2の軸柱122cが接続されている。
【0045】
図3に示すように、第2の軸柱122cは中空であり、第2の軸柱122c内部に第1の軸柱121cが貫通している。第2の軸柱122cの内径は、第1の軸柱121cの外径よりも大きいため、第1の軸柱121cは第2の軸柱122c内を自在に昇降および回転が可能である。また、図2および図3に示すように、第1の軸柱121cは中空であり、第1の軸柱121cの下端から、図示しない吸排シリンジに一端が接続する第1チューブ121m、第1チューブ121mが接続する吸排シリンジとは異なる図示しない吸排シリンジに一端が接続する第2チューブ122mが挿入されている。第1の軸柱121cの上端から伸出された第1チューブ121mは、第1アーム121aの第1ノズル121nに接続する。また、第1の軸柱121cの上端から伸出された第2チューブ122mは、第2アーム122aの第2ノズル122nに接続する。このため、第1ノズル121nおよび第2ノズル122nは、検体分注制御部32の制御のもと、それぞれ独立したタイミングで分注処理を行なうことが可能である。
【0046】
第1の軸柱121cには、検体分注制御部32の制御のもと、第1の軸柱121cの昇降処理を駆動する第1の昇降機構121pと、第1の軸柱121cの回転処理を駆動する第1の回転機構121qとが接続する。第1の軸柱121cが昇降することによって、第1アーム121aも昇降し、第1の軸柱121cが回転することによって、第1アーム121aも回転する。
【0047】
第2の軸柱122cにおいても、検体分注制御部32の制御のもと、第2の軸柱122cの昇降処理を駆動する第2の昇降機構122pと、第2の軸柱122cの回転処理を駆動する第2の回転機構122qとが接続する。第2の軸柱122cが昇降することによって、第2アーム122aも昇降し、第2の軸柱122cが回転することによって、第2アーム122aも回転する。
【0048】
このように、図4に示すように、第1アーム121aおよび第2アーム122aは、第1の軸柱121cと第2の軸柱122cとにおける各昇降処理および各回転処理によって、それぞれ独立して昇降および回転が可能である。
【0049】
なお、第1の昇降機構121pは、プーリ121eと接続する昇降用モータ121dと、第1の軸柱121cと並行に配置されプーリ121e,121fが掛け渡された昇降用ベルト121gと、昇降用ベルト121gの所定位置に固定されるとともに第1の軸柱121cと一体に昇降可能に設けられた移動板121hとを備える。検体分注制御部32の制御のもと昇降用モータ121dが上昇方向または下降方向に対応する向きで回転した場合、昇降用モータ121dの回転がプーリ121e、昇降用ベルト121g、移動板121hに順次伝達することによって第1の軸柱121cが上昇または下降する。また、第1の回転機構121qは、第1の軸柱121cに設けられたプーリ121iと、プーリ121iおよびプーリ121jが掛け渡された回転用ベルト121kと、プーリ121jに接続するとともに装置本体の不動部分に固定された回転用モータ121lとを備える。検体分注制御部32の制御のもと回転用モータ121lが時計回りまたは反時計回りに対応する向きで回転した場合、回転用モータ121lの回転がプーリ121j、回転用ベルト121k、プーリ121iに順次伝達することによって第1の軸柱121cが時計回りまたは反時計周りに回転する。
【0050】
また、第2の昇降機構122pは、第1の昇降機構121pと同様に、プーリ122eと接続する昇降用モータ122dと、第2の軸柱122cと並行に配置されプーリ122e,122fが掛け渡された昇降用ベルト122gと、昇降用ベルト122gの所定位置に固定されるとともに第2の軸柱122cと一体に昇降可能に設けられた移動板122hとを備える。また、第2の回転機構122qは、第1の回転機構121qと同様に、第2の軸柱122cに設けられたプーリ122iと、プーリ122iおよびプーリ122jが掛け渡された回転用ベルト122kと、プーリ122jに接続するとともに装置本体の不動部分に固定された回転用モータ122lとを備える。
【0051】
つぎに、図5を参照して、第1アーム121aと第2アーム122aとが第1ノズル121nと第2ノズル122nとをそれぞれ移送する移送経路について説明する。第1アーム121aと第2アーム122aとは、同一の中心軸で回転する。また、第1アーム121aと第2アーム122aとは、同一のアーム長を有する。このため、第1アーム121aの先端部と第2アーム122aの先端部とは、同一の円周上を移動可能である。言い換えると、第1アーム121aと第2アーム122aとは、検体移送部11における検体吸引位置および反応テーブル13上における検体吐出位置を通過する同一の円周上に、それぞれ取り付けられている第1ノズル121nおよび第2ノズル122nをそれぞれ移送可能である。したがって、第1アーム121aが第1ノズル121nを移送する第1の経路と第2アーム122aが第1ノズル122nを移送する第2の経路とは、検体移送部11における検体吸引位置および反応テーブル13上における検体吐出位置を通過する同一の円周上に設けられることとなる。
【0052】
ここで、実施の形態1においては、図5に示すように、第1の経路として、検体吸引位置である位置P0および検体吐出位置である位置P1を通過する円周のうち、位置P0および位置P1を通過する第1の円弧である経路T1が設定されている。第1アーム121aは、この経路T1上に第1ノズル121nを移送する。
【0053】
そして、第2の経路として、位置P0および位置P1を通過する円周のうち、第1の円弧とは異なる円弧であって位置P0および位置P1を通過する第2の円弧である経路T2が設定されている。第2アーム122aは、この経路T2上に第2ノズル122nを移送する。
【0054】
経路T1および経路T2においては、位置P0および位置P1のみで重複する。このため、第1アーム121aは、第2アーム122aによって位置P0または位置P1に第2ノズル122nが配置される間、経路T1上における第2ノズル122nの配置以外の領域に第1ノズル121nを自由に移送可能である。また、第2アーム122aは、第1アーム121aによって位置P0または位置P1に第1ノズル121nが配置される間、経路T2上における第1ノズル121nの配置以外の領域に第2ノズル122nを自由に移送可能である。もちろん、第1アーム121aおよび第2アーム122aは、一方のアーム端部が位置P0または位置P1に位置しない場合には、各経路T1,T2にしたがって自由に各ノズルを移送できる。
【0055】
そして、図5に示すように、第1洗浄槽121bは、経路T1上の位置P0および位置P1以外の位置であるたとえば位置P2に設けられる。言い換えると、第1洗浄槽121bは、経路T1のうち経路T1と経路T2とが重複する重複領域以外の領域に設けられる。また、そして、図5に示すように、第2洗浄槽122bは、経路T2上の位置P0および位置P1以外の位置であるたとえば位置P4に設けられる。言い換えると、第2洗浄槽122bは、経路T2のうち経路T1と経路T2とが重複する重複領域以外の領域に設けられる。なお、第1洗浄槽121bは、経路T1のうち経路T1と経路T2とが重複する重複領域以外の領域であればいずれに設置されてもよく、また、第2洗浄槽122bは、経路T2のうち経路T1と経路T2とが重複する重複領域以外の領域であればいずれに設置されてもよい。
【0056】
このため、第1アーム121aは、第2検体分注機構122における第2アーム122aの移送処理に影響を受けることなく、第1洗浄槽121bに第1ノズル121nを移送することが可能である。また、第2アーム122aも第1アーム121aと同様に、第1検体分注機構121における第1アーム121aの移送処理に影響を受けることなく、第2洗浄槽122bに第2ノズル122nを移送することが可能である。したがって、第1アーム121aおよび第2アーム122aは、接続する各ノズルを第1洗浄槽121bまたは第2洗浄槽122bにそれぞれ独立して移送することができる。この結果、第1洗浄槽121bおよび第2洗浄層122bは、検体分注制御部32の制御のもと、それぞれ独立したタイミングで各ノズルを洗浄することが可能になる。また、各洗浄槽は、各ノズルが分注した検体の種別に対応した洗浄処理をそれぞれ行なうことができるため、適量の洗浄水で各ノズルをそれぞれ洗浄でき、洗浄水量の無駄をなくすことができる。
【0057】
具体的には、図6に例示するタイムチャートのように、時間t1から時間t4の間、経路T2にしたがって、第2検体分注機構122が第2アーム122aを昇降および回転させることによって位置P4に位置する第2洗浄槽122b内に第2ノズル122nを配置させて洗浄処理を行なわせる。これに対し、第1検体分注機構121は、経路T1にしたがって、第1アーム121aを昇降および回転させることによって、時間t1から時間t2の間に位置P0から位置P1に第1ノズル121nを移送して分注処理を行なわせる。そして、第1検体分注機構121は、経路T1にしたがって、時間t2から時間t3の間に位置P1から位置P2に第1ノズル121nを移送して第1ノズル121nの洗浄処理を行なわせる。そして、第1検体分注機構121は、経路T1にしたがって、時間t3から時間t5の間、位置P2から位置P0に第1ノズル121nを移送して再度分注処理を行なわせている。第2アーム122aは、第2洗浄槽122bにおける洗浄処理の間、位置P4に位置するため、第1アーム121aは、経路T1にしたがって第1ノズル121nを自由に移送可能である。第1検体分注機構121は、全血検体を吸引した後の第2ノズル122nの洗浄に長い時間を要する場合であっても、第2検体分注機構122とは別個に分注処理、洗浄処理を行なうことが可能である。
【0058】
そして、第2アーム122aは、位置P0および位置P1における第1ノズル121nと第2ノズル122nとの衝突を避けるため、第1検体分注機構121における分注処理が終了する時間t5まで、第2洗浄槽122b上でそのまま停止し、第2ノズル122nを待機させる。なお、第2ノズル122nの待機位置は、位置P4における第2洗浄槽122b上に限らず、経路T2における位置P0および位置P1以外の位置であれば足りる。すなわち、位置P0および位置P1における第1ノズル121nと第2ノズル122nとの衝突を避けるには、検体分注制御部32は、第2アーム122aに対し、経路T1と経路T2とが重複する重複領域上を第1アーム121aが第1ノズル121nを移送する間、第2ノズル122nを重複領域以外の領域に移送させればよい。
【0059】
次いで、第2検体分注機構122は、経路T2にしたがって、第1検体分注機構121における分注処理が終了した時間t5から時間t8の間、位置P0から位置P1に第2ノズル122nを移送して分注処理を行なわせた後、時間t8から時間t11の間に位置P1から位置P4に第2ノズル122nを移送して第2ノズル122nの洗浄処理を行なわせる。
【0060】
これに対し、第1アーム121aは、位置P0および位置P1における第1ノズル121nと第2ノズル122nとの衝突を避けるため、第1ノズル121nの洗浄が終了した時間t7から第2検体分注機構122における分注処理が終了する時間t8まで、たとえば位置P2における第1洗浄槽121b上で停止し、そのまま第1ノズル121nを待機させる。なお、第1アーム121aの待機位置は、位置P2における第1洗浄槽121b上に限らず、経路T1における位置P0および位置P1以外の位置であれば足りる。すなわち、位置P0および位置P1における第1ノズル121nと第2ノズル122nとの衝突を避けるには、検体分注制御部32は、第1アーム121aに対し、経路T1と経路T2とが重複する重複領域上を第2アーム122aが第2ノズル122nを移送する間、第1ノズル121nを重複領域以外の領域に移送させればよい。
【0061】
そして、第1検体分注機構121は、第2検体分注機構122が洗浄処理を行なう時間t8から時間t11の間、経路T1にしたがって、時間t8から時間t9において分注処理を行なった後、時間t9から時間t10において洗浄処理を行なう。
【0062】
このように、実施の形態1においては、通常検体である血清検体を分注する第1検体分注機構とは別に全血検体専用の第2検体分注機構を設け、各検体分注機構における移送処理、検体の吸引吐出処理および洗浄処理を独立して制御している。このため、第1検体分注機構は、全血検体吸引後の第2ノズル122n洗浄処理に長い時間を要する場合であっても、第2検体分注機構122とは別個に第1ノズル121nの分注処理、洗浄処理を行なうことが可能である。したがって、分析装置1においては、血清検体分析中に全血検体の分析が行なわれる場合や全血検体が連続した場合であっても、第1検体分注機構121は、第2検体分注機構122が分注した全血検体の次に分注される血清検体を吸引および吐出できる。この結果、分析装置1においては、血清検体を吸引するノズルを兼用して全血検体を吸引していた従来と比較して、検体における移送処理、検体の吸引吐出処理および洗浄処理を短縮でき、第1検体分注機構121および第2検体分注機構122における検体分注処理を効率よく行なうことが可能になるため、分析装置における処理能力低下の抑制を図ることができる。
【0063】
また、分析装置1においては、液面検知の検知感度を決定する回路定数が通常検体と全血検体とで変動した場合であっても、通常検体および全血検体にそれぞれ対応する専用のプローブを設けているため、回路定数を検体ごとに変更することができ、液面検知の精度維持を図ることが可能になる。
【0064】
また、全血検体を分注する第2ノズル122nの開口径は、全血内に含まれる血球径に対応させて、血清検体を分注する第1ノズル121nの開口径よりも大きく設定されている。このため、第2ノズル122nは、粒子径が血清よりも大きい血球を詰りなく吸引でき、血球の詰まりによる分注精度の劣化を回避できるため、正確な分注処理を連続して行なうことができる。
【0065】
さらに、図7を参照して、分析装置1における検体分注制御部32における制御処理を具体的に説明する。図7に示すように、検体分注制御部32は、検体容器11a内の検体の分注指示があるまで、検体の分注指示があるか否かを判断する(ステップS2)。検体分注制御部32は、検体の分注指示があると判断した場合(ステップS2:Yes)、指示された分析項目に応じて、分注する検体分注機構は、第1検体分注機構121または第2検体分注機構122のいずれであるかを判断する(ステップS4)。
【0066】
検体分注制御部32は、分注する検体分注機構が第1検体分注機構121であると判断した場合(ステップS4:第1検体分注機構)、第2検体分注機構122における第2ノズル122nが検体吸引位置である位置P0または検体吐出位置である位置P1のいずれかに位置するか否かを判断する(ステップS6)。検体分注制御部32は、第2ノズル122nが位置P0または位置P1のいずれかに位置すると判断した場合(ステップS6:Yes)、第2ノズル122nにおける分注処理が終了した後に第2ノズル122nを経路T2上における位置P0および位置P1以外の位置に移動させる(ステップS8)。
【0067】
検体分注制御部32は、ステップS8における第2ノズル122nの移動処理が終了した場合または第2ノズル122nが位置P0、位置P1のいずれにも位置しないと判断した場合(ステップS6:No)、第1アーム121aを制御して、第1ノズル121nを検体吸引位置である位置P0に移動させ(ステップS10)、第1ノズル121nに検体を吸引させた後(ステップS12)、第1ノズル121nを検体吐出位置である位置P1に移動させて(ステップS14)、第1ノズル121nに位置P1に位置する反応容器21内に検体を吐出させる(ステップS16)。そして、検体分注制御部32は、第1アーム121aを制御して、検体分注後の第1ノズル121nを第1洗浄槽121bに移動させ(ステップS18)、第1ノズル121nを洗浄させ(ステップS20)、次に第1検体分注機構121に分注指示があった場合には位置P0に第1ノズル121nを移動させ、また、次に第2検体分注機構122に分注指示があった場合には経路T1における位置P0および位置P1以外の位置に第1ノズル121nを移動させる(ステップS22)。
【0068】
一方、検体分注制御部32は、分注する検体分注機構が第2検体分注機構122であると判断した場合(ステップS4:第2検体分注機構)、第1検体分注機構121における第1ノズル121nが検体吸引位置である位置P0または検体吐出位置である位置P1のいずれかに位置するか否かを判断する(ステップS26)。検体分注制御部32は、第1ノズル121nが位置P0または位置P1のいずれかに位置すると判断した場合(ステップS26:Yes)、第1アーム121aを制御して、第1ノズル121nにおける分注処理が終了した後に第1ノズル121nを経路T1上における位置P0および位置P1以外の位置に移動させる(ステップS28)。
【0069】
検体分注制御部32は、ステップS28における第1ノズル121nの移動処理が終了した場合または第1ノズル121nが位置P0、位置P1のいずれにも位置しないと判断した場合(ステップS26:No)、第2アーム122aを制御して、第2ノズル122nを検体吸引位置である位置P0に移動させ(ステップS30)、第2ノズル122nに検体を吸引させた後(ステップS32)、第2ノズル122nを検体吐出位置である位置P1に移動させて(ステップS34)、第2ノズル122nに位置P1に位置する反応容器21内に検体を吐出させる(ステップS36)。そして、検体分注制御部32は、第2アーム122aを制御して、検体分注後の第2ノズル122nを第2洗浄槽122bに移動させ(ステップS38)、第2ノズル122nを洗浄させ(ステップS40)、次に第2検体分注機構122に分注指示があった場合には位置P0に第2ノズル122nを移動させ、また、次に第1検体分注機構121に分注指示があった場合には経路T2における位置P0および位置P1以外の位置に第2ノズル122nを移動させる(ステップS42)。
【0070】
そして、検体分注制御部32は、ステップS22における第1ノズル移動処理およびステップS42における第2ノズル移動処理が終了した後、分析処理が終了したか否かを判断する(ステップS44)。検体分注制御部32は、分析処理が終了したと判断した場合(ステップS44:Yes)、分析処理を終了し、分析処理が終了していないと判断した場合(ステップS44:No)、ステップS2に戻り、検体分注指示の有無について判断を行なう。
【0071】
なお、図7においては、一の検体分注指示があった場合の処理手順を示すが、分析装置1は、前回指示に対する検体分注処理が行なわれている間に検体分注指示があった場合には、位置P0および位置P1における各ノズルの衝突さえ回避できるのであれば、並行して図7に示す各処理動作を行なうことが可能である。
【0072】
(変形例1)
つぎに、実施の形態1における変形例1について説明する。図8は、本変形例1にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図9は、図8に示す第1アーム121aおよび第2アーム122aにおける移送経路を説明する図である。
【0073】
図8に示すように、変形例1にかかる分析装置1aにおいては、制御機構3aは、制御部31に代えて、検体分注制御部32aを有する制御部31aを備える。この検体分注制御部32aは、検体分注制御部32と同様に、第1検体分注機構121および第2検体分注機構122の移送処理、吸引吐出処理、洗浄処理をそれぞれ独立して行なわせるように制御する。なお、制御部31aは、制御部31と同様の機能を有する。
【0074】
また、測定機構2aにおいては、第1洗浄槽121bが、時計回り方向に検体吐出位置である位置P1を越えた位置P12に設けられている。第1アーム121aは、図9に示すように、位置P0と位置P1を接続する円弧を含み、該円弧の一端から延長させた端部が位置P12である第1の円弧に対応する経路T11上に第1ノズル121nを移送する。また、図8に示すように、分析装置1aにおいては、第2洗浄槽122bが、反時計回り方向に位置P1を越えた位置P14に設けられる。第2アーム122aは、図9に示すように、第2アーム122aは、図9に示すように、位置P0と位置P1を接続する円弧を含み、該円弧の他端から延長させた端部が位置P14である第2の円弧に対応する経路T12上に第2ノズル122nを移送する。
【0075】
この経路T11と経路T12は、位置P1と位置P0の間で重複している。経路T11においては、経路T11と経路T12とが重複しない領域における位置P11が第1ノズル121nの待機領域として設定されている。検体分注制御部32aは、第1アーム121aに対し、経路T11と経路T12とにおける重複領域上を第2アーム122aが第2ノズル122nを移送する間、第1ノズル121nを待機領域である位置P11に移送させ待機させる。また、経路T12においても、経路T11と経路T12とが重複しない領域に第2ノズル122nの待機領域が設定されている。経路T12における待機領域は、たとえば、第2洗浄槽122bが位置する位置P14である。検体分注制御部32aは、第2アーム122aに対し、経路T11と経路T12とにおける重複領域上を第1アーム121aが第1ノズル121nを移送する間、第2ノズル122nを待機領域である位置P14の第2洗浄層122bに移送させて待機させる。
【0076】
また、分析装置1と同様に、第1洗浄槽121bは、経路T11のうち経路T11と経路T12とが重複しない位置P12に設けられており、第2洗浄槽122bは、経路T12のうち経路T11と経路T12とが重複しない位置P12に設けられている。このため、第1洗浄槽121bにおける第1ノズル121nの洗浄処理と第2洗浄層122bにおける第2ノズル122nの洗浄処理とは、独立して処理可能である。
【0077】
具体的には、図10に例示するタイムチャートのように、時間t11から時間t12において、第2検体分注機構122が経路T12にしたがって位置P0から位置P1に第2アーム122aを回転させて分注処理を行なう間、第1検体分注機構121は、第1アーム121aを位置P11に待機させて、第2アーム122a、第2ノズル122nとの衝突を回避する。そして、時間t12から時間t14において、第2検体分注機構122が位置P14の第2洗浄槽122bにおいて第2ノズル122nの洗浄処理を行なう間、第1検体分注機構121は、経路T11にしたがって、時間t12から時間t13の間に位置P0から位置P1に第1アーム121aを回転させて分注処理を行なうとともに、時間t13から時間t14において位置P12の第1洗浄槽121bによる第1ノズル121nの洗浄処理を行なっている。
【0078】
さらに、時間t14から時間t15において第1検体分注機構121が分注処理を行っている間および時間t15から時間t16において第1検体分注機構121が洗浄処理を行っている間、第2検体分注機構122は、第2洗浄層122b上で待機し、第1アーム121a、第1ノズル121nとの衝突を回避している。なお、位置P11を経路T11における待機領域とした場合について説明したが、もちろんこれに限らず、経路T11と経路T12とが重複しない領域のいずれかに設ければ足り、たとえば第1洗浄槽が位置する位置P12を待機領域として設定してもよい。この場合、検体分注制御部32aは、第1アーム121aに対し、経路T11および経路T12における重複領域を第2アーム122aが第2ノズル122nを移送する間、第1ノズル121nを位置P12における第1洗浄槽121bに移送して待機させる。同様に、経路T12における待機領域も、経路T11と経路T12とが重複しない領域のいずれかに設ければ足りる。この場合も、検体分注制御部32aは、第2アーム122aに対し、経路T11と経路T12とにおける重複領域上を第1アーム121aが第1ノズル121nを移送する間、第2ノズル122nを待機領域に移送させて待機させればよい。
【0079】
このように、分析装置1aは、第1検体分注機構121における経路T11と第2検体分注機構122における経路T12とに位置P0および位置P1以外で重複していた場合であっても、経路T11および経路T12の重複領域以外の領域に待機領域をそれぞれ設けることによって各検体分注機構の構成部材が衝突することを回避でき、分析装置1と同様に、各検体分注機構における移送処理、検体の吸引吐出処理および洗浄処理を独立して制御して検体分注処理の効率化を図ることができる。
【0080】
さらに、図11を参照して、検体分注制御部32aにおける制御処理を具体的に説明する。図11に示すように、検体分注制御部32aは、図7に示すステップS2と同様に、検体分注指示有無判断処理(ステップS52)、分注する検体分注機構判断処理(ステップS54)を行なう。
【0081】
検体分注制御部32aは、分注する検体分注機構が第1検体分注機構121であると判断した場合(ステップS54:第1検体分注機構)、第2ノズル122nが経路T11と経路T12との重複領域上に位置するか否かを判断する(ステップS56)。検体分注制御部32aは、第2ノズル122nが重複領域上に位置すると判断した場合(ステップS56:Yes)、第2アーム122aを制御して、第2ノズル122nにおける分注処理が終了した後に第2ノズル122nを経路T12上の待機位置、たとえば位置P14における第2洗浄槽122bに移動させて待機させる(ステップS58)。
【0082】
検体分注制御部32aは、ステップS58における第2ノズル122nの移動処理が終了した場合または第2ノズル122nが重複領域上に位置しないと判断した場合(ステップS56:No)、第1ノズル121nを検体吸引位置である位置P0に移動させ(ステップS60)、第1アーム121aを制御して、第1ノズル121nに検体を吸引させた後(ステップS62)、第1ノズル121nを検体吐出位置である位置P1に移動させて(ステップS64)、第1ノズル121nに位置P1に位置する反応容器21内に検体を吐出させる(ステップS66)。そして、検体分注制御部32aは、第1アーム121aを制御して、検体分注後の第1ノズル121nを位置P12における第1洗浄槽121bに移動させ(ステップS68)、第1ノズル121nを洗浄させ(ステップS70)、次に第1検体分注機構121に分注指示があった場合には位置P0に第1アーム121aを移動させ、また、次に第2検体分注機構122に分注指示があった場合には経路T11における待機位置である位置P11に第1アーム121aを移動させる(ステップS72)。
【0083】
一方、検体分注制御部32aは、分注する検体分注機構が第2検体分注機構122であると判断した場合(ステップS54:第2検体分注機構)、第1ノズル121nが経路T11と経路T12との重複領域上に位置するか否かを判断する(ステップS76)。検体分注制御部32aは、第1ノズル121nが重複領域上に位置すると判断した場合(ステップS76:Yes)、第1アーム121aを制御して、第1ノズル121nにおける分注処理が終了した後に第1ノズル121nを経路T11上の待機領域である位置P11に移動させて待機させる(ステップS78)。
【0084】
検体分注制御部32aは、ステップS78における第1ノズル121nの移動処理が終了した場合または第1ノズル121nが重複領域上に位置しないと判断した場合(ステップS76:No)、第2ノズル122nを検体吸引位置である位置P0に移動させ(ステップS80)、第2アーム122aを制御して、第2ノズル122nに検体を吸引させた後(ステップS82)、第2ノズル122nを検体吐出位置である位置P1に移動させて(ステップS84)、第2ノズル122nに位置P1に位置する反応容器21内に検体を吐出させる(ステップS86)。そして、検体分注制御部32aは、第2アーム122aを制御して、検体分注後の第2ノズル122nを位置P14における第2洗浄槽122bに移動させ(ステップS88)、第2ノズル122nを洗浄させ(ステップS90)、次に第2検体分注機構122に分注指示があった場合には位置P0に第2ノズル122nを移動させる(ステップS92)。なお、次に第1検体分注機構121に分注指示があった場合には、検体分注制御部32aは、位置P14の第2洗浄槽122b上にそのまま第2ノズル122nを待機させる。
【0085】
そして、検体分注制御部32aは、ステップS72における第1ノズル移動処理およびステップS92における第2ノズル移動処理が終了した後、図7におけるステップS44と同様に、分析処理終了判断処理を行なう(ステップS94)。図11においては、一の検体分注指示があった場合の処理手順を示すが、分析装置1aは、前回指示に対する検体分注処理が行なわれている場合に検体分注指示があった場合には、位置P0および位置P1における各ノズルの衝突さえ回避できるのであれば、並行して図11に示す各処理動作を行なうことが可能である。
【0086】
(実施の形態2)
つぎに、実施の形態2について説明する。実施の形態2においては、第1アームおよび第2アームをそれぞれ異なる中心軸をもとに回転させて検体分注処理の効率化を図っている。
【0087】
図12は、本実施の形態2にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図12に示すように、実施の形態2にかかる分析装置201においては、測定機構202は、図1に示す第1検体分注機構121および第2検体分注機構122に代えて、所定の中心軸をもとにそれぞれ回転可能である第1アーム221aを備えた第1検体分注機構221と、第1アーム221aの中心軸とは異なる中心軸をもとに回転可能である第2アーム222aを備えた第2検体分注機構222を備える。第1アーム221aは、実施の形態1における第1アーム121aと同様に、先端に第1ノズル121nが取り付けられている。また、第2アーム222aは、実施の形態1における第2アーム122aと同様に、先端に第2ノズル122nが取り付けられている。また、制御機構203は、図1に示す制御部31に代えて、第1検体分注機構221および第2検体分注機構222における分注処理を制御する検体分注制御部232を備えた制御部231を備える。
【0088】
つぎに、図13を参照して、図12に示す第1アーム221aと第2アーム222aとが第1ノズル121nと第2ノズル122nとをそれぞれ移送する移送経路について説明する。
【0089】
第1アーム221aと第2アーム222aとは、それぞれ異なる回転中心軸を有する。このため、第1アーム221aの先端部と第2アーム222aの先端部とは、それぞれ異なる円周上を移動可能である。第1アーム221aは、検体吸引位置である位置P0および検体吐出位置である位置P1を通過する円周C1にしたがって、取り付けられている第1ノズル121nを移送可能である。また、第2アーム222aは、位置P0および位置P1を通過する円周C2にしたがって、取り付けられている第2ノズル122nを移送可能である。なお、図12および図13に示す場合においては、全血検体よりも分析処理数が多い通常検体である血清検体を分注する第1ノズル121nが取り付けられた第1アーム221aのアーム長を第2アーム222aのアーム長よりも短く設定することによって、第1ノズル121nの移送経路を短くし、通常検体の分析処理時間の短縮を図っている。もちろん、第1アーム221aのアーム長を第2アーム222aのアーム長と同等の長さに設定してもよい。
【0090】
ここで、実施の形態2においては、図13に示すように、第1アーム221aが第1ノズル121nを移送する第1の経路として、経路T21、すなわち円周C1上であって、第2アーム222aが第2ノズル122nを移送可能である円周C2が形成する円外の周上である第1の円弧が設定されている。第1アーム221aは、この経路T21上に第1ノズル121nを移送する。
【0091】
そして、第2アーム222aが第1ノズル122nを移送する第2の経路として、経路T22、すなわち、円周C2上であって、第1アーム221aが第1ズル121nを移送可能である円周C1が形成する円外の周上である円弧が設定されている。第2アーム222aは、この経路T22上に第2ノズル122nを移送する。
【0092】
経路T21および経路T22においては、位置P0および位置P1のみで重複する。このため、第1アーム221aは、第2アーム222aによって位置P0または位置P1に第2ノズル122nが配置される間、経路T21上における第2ノズル122nの配置位置以外の領域に第1ノズル121nを自由に移送可能である。また、第2アーム222aは、第1アーム121aによって位置P0または位置P1に第1ノズル121nが配置される間、経路T22上における第1ノズル121nの配置位置以外の領域に第2ノズル122nを自由に移送可能である。もちろん、第1アーム221aおよび第2アーム222aは、一方のアーム端部が位置P0または位置P1に位置しない場合には、各経路T21,T22にしたがって自由に各ノズルを移送できる。
【0093】
そして、図13に示すように、第1洗浄槽121bは、経路T21上のうち、経路T21および経路T22における重複領域である位置P0および位置P1以外の位置である、たとえば位置P22に設けられる。また、図13に示すように、第2洗浄槽122bは、経路T22上のうち、位置P0および位置P1以外の位置である、たとえば位置P24に設けられる。なお、第1洗浄槽121bは、経路T21のうち経路T21と経路T22とが重複する重複領域以外の領域であればいずれに設置されてもよく、また、第2洗浄槽122bは、経路T22のうち経路T21と経路T22とが重複する重複領域以外の領域であればいずれに設置されてもよい。
【0094】
このため、第1アーム221aは、第2検体分注機構222における第2アーム222aの移送処理に影響を受けることなく、第1洗浄槽121bに第1ノズル121nを移送することが可能である。また、第2アーム222aも第1アーム221aと同様に、第1検体分注機構221における第1アーム221aの移送処理に影響を受けることなく、第2洗浄槽122bに第2ノズル122nを移送することが可能である。したがって、第1アーム221aおよび第2アーム222aは、接続する各ノズルを第1洗浄槽121bまたは第2洗浄槽122bにそれぞれ独立して移送することができる。
【0095】
具体的には、図14に例示するタイムチャートのように、第2検体分注機構222においては、時間t21から時間t24の間、第2アーム222aは、経路T22にしたがって、位置P24に位置する第2洗浄槽122b内に第2ノズル122nを配置させて洗浄処理を行なわせる。
【0096】
これに対し、第1検体分注機構221においては、第1アーム221aは、経路T21にしたがって、時間t21から時間t22の間に位置P0から位置P1に第1ノズル121nを移送して分注処理を行なわせる。そして、第1アーム221aは、経路T21にしたがって、時間t22から時間t23の間に位置P1から位置P22に第1ノズル121nを移送して第1ノズル121nの洗浄処理を行なわせ、時間t23から時間t25の間、位置P22から位置P0に第1ノズル121nを移送して再度分注処理を行なわせている。そして、第1アーム221aは、経路T21にしたがって、時間t25から時間t26の間に第1ノズル121nを移送して第1ノズル121nの洗浄処理を行なわせ、位置P0に第1ノズル121nを移送して、時間t26から再度分注処理を行なわせている。時間t21から時間t24の間、第2ノズル122nは、ノズル洗浄のため位置P24に位置するため、第1アーム221aは、第1ノズル121nを経路T21にしたがって自由に移送可能である。このように、第1検体分注機構221は、第2検体分注機構222において全血検体を吸引した後の第2ノズル122nの洗浄に長い時間を要する場合であっても、第2検体分注機構222とは別個に分注処理、洗浄処理を行なうことが可能である。
【0097】
次いで、第2アーム222aは、経路T22にしたがって、第1ノズル121nが位置P0における検体吸引処理を終了した時間t24に、位置P24から位置P0に第2ノズル122nを移送して検体吸引処理を行なわせる。そして、第2アーム222aは、経路T22にしたがって、第1ノズル121nが位置P1における検体吐出処理を終了した時間t25に、位置P0から位置P1に第2ノズル122nを移送して検体吐出処理を行なわせる。そして、第2アーム222aは、時間t27において、経路T22にしたがって、位置P1から位置P24に第2ノズル122nを移送して第2ノズル122nの洗浄処理を行なわせる。第2アーム222aは、第1アーム221aが位置P0または位置P1に位置するタイミングに合わせて、第2ノズル122nを経路T22にしたがって自由に移送可能である。このように、第2検体分注機構222は、第1検体分注機構221とは別個に分注処理、洗浄処理を行なうことが可能である。
【0098】
なお、第1アーム221aは、位置P0および位置P1における第1ノズル121nと第2ノズル122nとの衝突を避けるため、第2ノズル122nが位置P0または位置P1に位置する場合には、経路T21における位置P0および位置P1以外の位置に第1ノズル121nを移動させて待機させる。たとえば、第1アーム221aは、第2ノズル122nが位置P0または位置P1に位置する場合には、位置P22の第1洗浄槽121b上に第1ノズル121nを移動させて待機させる。また、第2アーム222aは、位置P0および位置P1における第1ノズル121nと第2ノズル122nとの衝突を避けるため、第1ノズル121nが位置P0および位置P1に位置する場合には、経路T22における位置P0および位置P1以外の位置に第2ノズル122nを移動させて待機させる。たとえば、第2アーム221aは、第1ノズル121nが位置P0または位置P1に位置する場合には、位置P24の第2洗浄槽122b上に第2ノズル122nを移動させて待機させる。
【0099】
このように、実施の形態2においては、第1アーム221aおよび第2アーム222aがそれぞれ異なる中心軸をもとに回転する場合であっても、第1アーム221aの移送経路と第2アーム222aの移送経路とが重複する位置P0および位置P1以外の領域にそれぞれ第1洗浄槽121b、第2洗浄槽122bを設けることによって、第1検体分注機構221と第2検体分注機構222とは、それぞれ独立して、検体吸引吐出処理、移送処理、洗浄処理を行なうことが可能である。このため、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様に、第1検体分注機構221および第2検体分注機構222における検体分注処理を効率よく行なうことが可能になるため、分析装置における処理能力低下の抑制を図ることができる。
【0100】
なお、分析装置201においては、図7に示す処理手順と同様の処理手順を行なうことによって、検体分注制御部232における各検体分注機構に対する制御処理を行なうことが可能である。
【0101】
また、図13においては、各ノズルの衝突と移送処理の自由度を図るため、位置P0および位置P1のみで重複する経路T21と経路T22とについて説明したが、これに限らない。たとえば、図15に示すように、第2アーム222aは、第1アーム221a上端よりも少なくとも第2ノズル122nの高さ分高い位置に昇降できる場合には、検体分注制御部232は、第1アーム221aと第2アーム222aとが交差時に第2アーム222aを第1アーム221a上端よりも少なくとも第2ノズル122nの高さ分高い位置に昇降させた上で回転させて、第1ノズル121nと第2ノズル122nの衝突を回避することができる。具体的には、第2アーム222aが取り付けられた第2の軸柱222cにおける昇降可能である高さH2が、第1アーム221aが取り付けられた第1の軸柱221cにおける昇降可能である高さH1よりも、少なくとも第2ノズル122nの高さL2分高い場合には、第1ノズル121nと第2ノズル122nの衝突することなく第1アーム221aと第2アーム222aとは交差可能である。
【0102】
この場合、図16に示すように、第1アーム221aは、円周C1全周にわたる経路T21a上に第1ノズル121nを移送できる。また、第2アーム222aは、円周C2全周にわたる経路T22a上に第2ノズル122nを移送できる。そして、たとえば経路T21aにおける位置P261および経路T22aにおける位置P262において、第1アーム221aと第2アーム222aとが交差する場合には、検体分注制御部232は、第2アーム222aを第1アーム221aの高さH1よりも少なくとも第2ノズル122nの高さL2分高い高さH2に昇降させた上で回転させる。この結果、第1アーム221aおよび第2アーム222aは、第1ノズル121nおよび第2ノズル122nを衝突させることなく円滑に交差することが可能になる。このように、第1アーム221aおよび第2アーム222aは、図13に示す経路T21および経路T22にしたがった場合と比較し、各ノズルの衝突を回避できるとともに、さらに移送経路を自由に選択することができる。
【0103】
(実施の形態3)
つぎに、実施の形態3について説明する。実施の形態3においては、反応テーブル上における検体吐出位置を複数設定し、第1検体分注機構における検体吐出処理と第2検体分注機構における検体吐出処理とを同時に実行可能とすることによって、検体分注処理の効率化を図っている。
【0104】
図17は、本実施の形態3にかかる分析装置の構成を示す模式図である。図17に示すように、実施の形態3にかかる分析装置301においては、反応テーブル13上における検体吐出位置として第1の検体吐出位置である位置P1とともに第2の検体吐出位置である位置P31が設定されている。また、分析装置301においては、制御機構303は、図1に示す制御部31に代えて、第1検体分注機構121および第2検体分注機構122における位置P1および位置P31での検体吐出処理を含む分注処理を制御する検体分注制御部332を備えた制御部331を備える。
【0105】
つぎに、図18を参照して、図17に示す第1アーム121aと第2アーム122aとが第1ノズル121nと第2ノズル122nとをそれぞれ移送する移送経路について説明する。
【0106】
図18に示すように、第1アーム121aが第1ノズル121nを移送する第1の経路として、第1洗浄槽121b配置位置である位置P2を通過し位置P0および第1の検体吐出位置である位置P1を接続する第1の円弧である経路T31が設定されている。第1アーム121aは、第1ノズル121nを位置P1に移送し、第1ノズル121nは、位置P1に位置する反応容器21内に吸引した検体を吐出する。また、第2アーム122aが第2ノズル122nを移送する第2の経路として、第2洗浄槽122b配置位置である位置P4を通過し位置P0および第2の検体吐出位置である位置P31を接続する第2の円弧である経路T32が設定されている。第2アーム122aは、第1ノズル121nが位置する位置P0とは異なる検体吐出位置である位置P31に第2ノズル122nを移送し、第2ノズル122nは、位置P31に位置する反応容器21内に吸引した検体を吐出する。
【0107】
このように、第1アーム121aと第2アーム122aとは、それぞれ異なる検体吐出位置に各ノズルを移送するため、各検体吐出位置に各ノズルを同時に移送できる。この結果、検体分注制御部332は、第1ノズル121nおよび第2ノズル122nにおける検体吐出タイミングをずらす必要がない。また、経路T31および経路T32は、位置P0のみにおいて重複するため、第1アーム121aおよび第2アーム122aは、位置P0でのノズルの衝突を回避さえすれば、それぞれの経路にしたがって各ノズルを自由に移送可能である。
【0108】
具体的に、図19に示すタイミングチャートを参照して、第1検体分注機構121および第2検体分注機構122における分注処理を説明する。図19に示すように、第1検体分注機構121は、第1ノズル121nの洗浄後の時間t32から時間t33にかけて分注処理を行ない、また、第2検体分注機構122は、時間t31から時間t33にかけて分注処理を行なっている。
【0109】
このように、各検体分注機構は、それぞれ異なる検体吐出位置に検体を吐出するため、同時に検体吐出処理を行なうことができる。したがって、第1検体分注機構121および第2検体分注機構122は、同時に分注処理を終了させることができる。また、第1アーム121aおよび第2アーム122aは、経路T31および経路T32は位置P0以外では重複しないため、一方のアームの移送処理に影響を受けることなく、各洗浄槽に各ノズルを移送させることができる。また、各洗浄槽は、独立してそれぞれの洗浄処理を行なうことができる。
【0110】
このため、図19に示すように、第1検体分注機構121は、時間t33から時間t34の間に第1ノズル121nの洗浄処理を行ない、時間t34から分注処理を行なうのに対し、第2検体分注機構122は、第1検体分注機構121における各処理とは独立して、時間t33から洗浄処理を行なうことが可能である。
【0111】
このように、実施の形態3においては、第1アーム121aと第2アーム122aとは、それぞれ異なる検体吐出位置に各ノズルを移送するため、検体吐出位置における各ノズルの衝突を確実に回避することが可能になる。また、実施の形態3においては、第1アーム121aと第2アーム122aとは、各検体吐出位置に各ノズルを同時に移送できる。このため、実施の形態3においては、第1検体分注機構121における検体吐出処理と第2検体分注機構122における検体吐出処理とを同時に実行することができ、実施の形態1と比較し、さらに検体分注処理の効率化を図ることが可能になる。
【0112】
もちろん、検体吐出位置は、位置P1および位置P31に限らず、さらに設けてもよく、第2アーム122aは、第1ノズル121nおよび第2ノズル122nが衝突しないように、第1ノズル121nが位置する検体吐出位置と異なる検体吐出位置に第2ノズルを移送すればよい。
【0113】
なお、本実施の形態1〜3においては、粒子径が血清よりも大きい血球を詰りなく吸引できるようにするため、第2ノズル122nの開口径を第1ノズル121nの開口径よりも大きく設定した場合について説明したが、もちろんこれに限らず、第1ノズル121nと第2ノズル122nとを同等の開口径とし、第1ノズル121nと第2ノズル122nとにおける分注精度をほぼ同等に保持し分注処理を管理してもよい。また、第2ノズル122nは、全血検体専用のノズルとして説明したが、もちろん第1ノズル121nと同じ血清検体を吸引吐出するノズルであってもよい。この場合には、第1ノズル121nがノズル洗浄を行なっている間、第2ノズル122nが通常検体を吸引吐出し、また、第2ノズル122nがノズル洗浄を行なっている間、第1ノズル121nが通常検体を吸引吐出し、さらに検体分注処理における効率化を図ってもよい。
【0114】
また、上記実施の形態で説明した分析装置1,1a,201,301は、あらかじめ用意されたプログラムをコンピュータシステムで実行することによって実現することができる。このコンピュータシステムは、所定の記録媒体に記録されたプログラムを読み出して実行することで分析装置の処理動作を実現する。ここで、所定の記録媒体とは、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MOディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」の他に、コンピュータシステムの内外に備えられるハードディスクドライブ(HDD)などのように、プログラムの送信に際して短期にプログラムを保持する「通信媒体」など、コンピュータシステムによって読み取り可能なプログラムを記録する、あらゆる記録媒体を含むものである。また、このコンピュータシステムは、ネットワーク回線を介して接続した管理サーバや他のコンピュータシステムからプログラムを取得し、取得したプログラムを実行することで分析装置の処理動作を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】実施の形態1にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す第1検体分注機構および第2検体分注機構の要部の側面図である。
【図3】図2におけるAA線断面図である。
【図4】図1に示す第1検体分注機構および第2検体分注機構の要部を示す斜視図である。
【図5】図1に示す第1アームと第2アームの移送経路を説明する図である。
【図6】図1に示す第1検体分注機構および第2検体分注機構における処理の一例を示すタイムチャートである。
【図7】図1に示す検体分注制御部における制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態1における変形例1にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図9】図8に示す第1アームと第2アームの移送経路を説明する図である。
【図10】図8に示す第1検体分注機構および第2検体分注機構における処理の一例を示すタイムチャートである。
【図11】図8に示す検体分注制御部における制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態2にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図13】図12に示す第1アームと第2アームの移送経路を説明する図である。
【図14】図12に示す第1検体分注機構および第2検体分注機構における処理の一例を示すタイムチャートである。
【図15】図12に示す第1アームと第2アームの昇降高さを説明する図である。
【図16】図12に示す第1アームと第2アームの他の移送経路を説明する図である。
【図17】実施の形態3にかかる分析装置の構成を示す模式図である。
【図18】図17に示す第1アームと第2アームの移送経路を説明する図である。
【図19】図17に示す検体分注制御部における制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0116】
1,1a、201,301 分析装置
2,2a,202 測定機構
3,3a,203,303 制御機構
11 検体移送部
11a 検体容器
11b 検体ラック
121,221 第1検体分注機構
121a,221a 第1アーム
121b 第1洗浄槽
121c,221c 第1の軸柱
121d,122d 昇降用モータ
121e,121f,121i,121j,122e,122f,122i,122j プーリ
121g,122g 昇降用ベルト
121h,122h 移動板
121k,122k 回転用ベルト
121l,122l 回転用モータ
121m 第1チューブ
121n 第1ノズル
121p 第1の昇降機構
121q 第1の回転機構
122,222 第2検体分注機構
122a,222a 第2アーム
122b 第2洗浄槽
122c,222c 第2の軸柱
122m 第2チューブ
122n 第2ノズル
122p 第2の昇降機構
122q 第2の回転機構
17a アーム
13 反応テーブル
14 試薬庫
15 試薬容器
16 読取部
17 試薬分注機構
18 攪拌部
19 測光部
20 洗浄部
21 反応容器
31,31a,231,331 制御部
32,32a,232,332 検体分注制御部
33 入力部
34 分析部
35 記憶部
36 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応容器内に分析対象である検体を分注し該検体を分析する分析装置において、
検体容器内に収容された前記検体を所定量吸引し吸引した前記検体を前記反応容器内に吐出する複数の分注機構と、
前記分注機構ごとに設けられ、各分注機構を検体吸引位置または検体吐出位置にそれぞれ移送する複数の移送機構と、
各分注機構における分注処理をそれぞれ独立して制御するとともに各移送機構の移送処理をそれぞれ独立して制御する制御機構と、
を備えたことを特徴とする分析装置。
【請求項2】
前記分注機構は、
所定の分注タイミングで分注処理を行なう第1のノズルを有する第1の分注機構と、
前記第1のノズルにおける分注処理タイミングと独立したタイミングで分注処理を行なう第2のノズルを有する第2の分注機構と、
を備え、
前記移送機構は、
前記検体吸引位置および前記検体吐出位置を通る第1の経路にしたがって前記第1のノズルを移送する第1の移送機構と、
前記第1の経路と少なくとも一部が異なる経路であって、前記検体吸引位置および前記検体吐出位置を通る第2の経路にしたがって前記第2のノズルを移送する第2の移送機構と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記第1の経路のうち前記第1の経路と前記第2の経路とが重複する重複領域以外の領域に設けられ、検体分注後の前記第1のノズルを洗浄する第1の洗浄機構と、
前記第2の経路のうち前記重複領域以外の領域に設けられ、前記第1の洗浄機構の洗浄タイミングと独立したタイミングで検体分注後の前記第2のノズルを洗浄する第2の洗浄機構と、
を備え、
前記制御機構は、前記第1の洗浄機構および前記第2の洗浄機構における洗浄処理をそれぞれ独立して制御することを特徴とする請求項2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記制御機構は、前記第1の移送機構に対し、前記重複領域上を前記第2の移送機構が前記第2のノズルを移送する間、前記第1のノズルを前記重複領域以外の領域に移送させ、
前記制御機構は、前記第2の移送機構に対し、前記重複領域上を前記第1の移送機構が前記第1のノズルを移送する間、前記第2のノズルを前記重複領域以外の領域に移送させることを特徴とする請求項3に記載の分析装置。
【請求項5】
前記第1の経路は、前記重複領域以外の領域に前記第1のノズルが待機できる第1の待機領域を有し、
前記第2の経路は、前記重複領域以外の領域に前記第2のノズルが待機できる第2の待機領域を有し、
前記制御機構は、前記第1の移送機構に対し、前記重複領域上を前記第2の移送機構が前記第2のノズルを移送する間、前記第1のノズルを前記第1の待機領域に移送させ、
前記制御機構は、前記第2の移送機構に対し、前記重複領域上を前記第1の移送機構が前記第1のノズルを移送する間、前記第2のノズルを前記第2の待機領域に移送させることを特徴とする請求項4に記載の分析装置。
【請求項6】
前記制御機構は、前記第1の移送機構に対し、前記重複領域上を前記第2の移送機構が前記第2のノズルを移送する間、前記第1のノズルを前記第1の洗浄機構に移送させ、
前記制御機構は、前記第2の移送機構に対し、前記重複領域上を前記第1の移送機構が前記第1のノズルを移送する間、前記第2のノズルを前記第2の洗浄機構に移送させることを特徴とする請求項5に記載の分析装置。
【請求項7】
前記第1の移送機構は、一端に前記第1のノズルが設けられるとともに他端を通過する鉛直線を中心軸とする回転および鉛直方向への昇降を行なう第1のアームを備え、
前記第2の移送機構は、一端に前記第2のノズルが設けられるとともに他端を通過する鉛直線を中心軸とする回転および鉛直方向への昇降を行なう第2のアームを備え、
前記制御機構は、前記第1のアームにおける回転処理および昇降処理と、前記第2のアームにおける回転処理および昇降処理とをそれぞれ独立して制御することを特徴とする請求項2〜6のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項8】
前記第1のアームと前記第2のアームとは、同一の中心軸で回転するとともに同一のアーム長を有し、前記検体吸引位置および前記検体吐出位置を通過する同一の円周上に前記第1のノズルと前記第2のノズルとをそれぞれ移送可能であることを特徴とする請求項7に記載の分析装置。
【請求項9】
前記第1のアームは、前記検体吸引位置および前記検体吐出位置を通過する第1の円弧上に前記第1のノズルを移送し、
前記第2のアームは、前記第1の円弧とは異なる円弧であって前記検体吸引位置および前記検体吐出位置を通過する第2の円弧上に前記第2のノズルを移送することを特徴とする請求項8に記載の分析装置。
【請求項10】
前記第1のアームは、前記検体吸引位置および前記検体吐出位置を接続する円弧を含み、該円弧の一端から延長させた第1の円弧上に前記第1のノズルを移送し、
前記第2のアームは、前記検体吸引位置および前記検体吐出位置を接続する円弧を含み、該円弧の他端から延長させた第2の円弧上に前記第2のノズルを移送することを特徴とする請求項8に記載の分析装置。
【請求項11】
前記第1のアームと前記第2のアームとは、それぞれ異なる回転中心軸を有し、
前記第1のアームは、前記検体吸引位置および前記検体吐出位置を通過する第1の円周上に前記第1のノズルを移送し、
前記第2のアームは、前記検体吸引位置および前記検体吐出位置を通過する第2の円周上に前記第2のノズルを移送することを特徴とする請求項7に記載の分析装置。
【請求項12】
前記第1のアームは、前記第1の円周上であって前記第2の円周が形成する円外の周上である第1の円弧上に前記第1のノズルを移送し、
前記第2のアームは、前記第2の円周上であって前記第1の円周が形成する円外の周上である第2の円弧上に前記第2のノズルを移送することを特徴とする請求項11に記載の分析装置。
【請求項13】
前記第2のアームは、前記第1のアーム上端よりも少なくとも前記第2のノズルの高さ分高い位置に昇降でき、
前記制御機構は、前記第1のアームと前記第2のアームとが交差する場合、前記第2のアームを前記第1のアーム上端よりも少なくとも前記第2のノズルの高さ分高い位置に昇降させた上で回転させることを特徴とする請求項11に記載の分析装置。
【請求項14】
前記検体吐出位置は、複数設けられ、
第1の移送機構は、一の前記検体吐出位置に前記第1のノズルを移送し、
前記第2の移送機構は、前記第1のノズルが位置する前記検体吐出位置と異なる前記検体吐出位置に前記第2のノズルを移送することを特徴とする請求項2〜13のいずれか一つに記載の分析装置。
【請求項15】
前記第2のノズルの開口径は、前記第1のノズルの開口径よりも大きいことを特徴とする請求項2〜14のいずれか一つに記載の分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−180538(P2008−180538A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−12687(P2007−12687)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】