刈払機
【課題】梱包、保管又は搬送に際する操作棹とエンジンとを別梱包にすることを目的としたスロットルワイヤの接続分離構造を有する刈払機を提供する。
【解決手段】操作棹1に設けられたスロットル12から延びる操作棹側ワイヤ31が接続される操作棹側コネクタ3を、エンジン2から延びるエンジン側ワイヤ41が接続されるエンジン側コネクタ4に着脱自在としてなり、操作棹側コネクタ3は、操作棹側ワイヤ31の端部に、磁力を有する係合部を取り付け、下方を開放させた操作棹側コネクタ本体32の内側に前記係合部を自由状態で突出させて構成され、エンジン側コネクタ4は、エンジン側ワイヤ41の端部に、磁力吸着底部を有する凹部から操作棹側ワイヤ31の引き出し溝が延びる係合受部を取り付け、上方を開放したエンジン側コネクタ本体42の内側に前記係合受部を進退自在に突出させて構成される刈払機である。
【解決手段】操作棹1に設けられたスロットル12から延びる操作棹側ワイヤ31が接続される操作棹側コネクタ3を、エンジン2から延びるエンジン側ワイヤ41が接続されるエンジン側コネクタ4に着脱自在としてなり、操作棹側コネクタ3は、操作棹側ワイヤ31の端部に、磁力を有する係合部を取り付け、下方を開放させた操作棹側コネクタ本体32の内側に前記係合部を自由状態で突出させて構成され、エンジン側コネクタ4は、エンジン側ワイヤ41の端部に、磁力吸着底部を有する凹部から操作棹側ワイヤ31の引き出し溝が延びる係合受部を取り付け、上方を開放したエンジン側コネクタ本体42の内側に前記係合受部を進退自在に突出させて構成される刈払機である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先端に回転刃を取り付けた操作棹とエンジンとを接続分離自在にした刈払機に関する。
【背景技術】
【0002】
簡易な刈払機は、エンジンを利用者が背負い、動力伝達軸を内蔵する操作棹の先端に回転刃を取り付けて、前記操作棹をエンジンにフレキシブルシャフトを介して間接的に接続した構成(いわゆる背負い式刈払機)と、動力伝達軸を内蔵する操作棹の先端に回転刃を取り付け、後端にエンジンを直接接続し、前記操作棹を肩掛ベルトにより利用者の肩に吊り下げる構成(いわゆる肩掛け式刈払機)とに大別される。両者は、それぞれ操作棹にループハンドル、ツーグリップハンドル又は両手ハンドルのいずれかを備え、操作棹又は各ハンドルのグリップにスロットル(例えばスロットルレバー)が設けられる。利用者は、前記各ハンドルを持って操作棹の上下又は左右の姿勢を調整し、スロットルの操作により回転刃の回転及び停止を制御する。
【0003】
背負い式刈払機は、操作棹とエンジンとに対してフレキシブルシャフトが接続分離自在にできているため、工場からの出荷に際しては前記フレキシブルシャフトを操作棹とエンジンとからそれぞれ分離し、梱包、保管又は搬送に際して、必要な収納空間を小さくできる。この点、肩掛け式刈払機であっても、例えば特許文献1に見られるように、操作棹とエンジンとを接続分離自在にすることにより、工場からの出荷に際しては操作棹とエンジンとを分離し、梱包、保管又は搬送に際して、必要な収納空間を小さくできる。
【0004】
ところで、特許文献1には、スロットルとエンジンとを結ぶスロットルワイヤについて特に記載がない。操作棹とエンジンとを同一梱包とし、両者の配置を一定程度自由にできればよいとすれば、可撓性を有するスロットルワイヤはエンジンに繋げておいても構わない。しかし、接続分離自在とした操作棹とエンジンとは、完全に分離し、別梱包にできる方が好ましい。これから、操作棹とエンジンとを接続分離自在にした場合、スロットルワイヤも操作棹側ワイヤとエンジン側ワイヤとに分割し、操作棹とエンジンとの接続に際して併せて操作棹側ワイヤとエンジン側ワイヤとを接続する構成が採用される。これは、エンジンを緊急停止させる停止スイッチと前記エンジンとを結ぶ給電リード線についても同様である。
【0005】
スロットルワイヤの接続分離構造は、例えば特許文献2に開示されている接続分離構造を特許文献1に適用して構成される。特許文献2では、スロットルワイヤをスロットルに接続分離自在にした構成であるが、前記スロットルワイヤを操作棹側ワイヤ、スロットルをエンジン側ワイヤと考えれば、スロットルワイヤの接続分離構造となる。しかし、この場合、スロットルワイヤ(操作棹側ワイヤ)の係合部(索端金具15)をスロットル(エンジン側ワイヤ)の係合受部(インナーワイヤ連結部14)に嵌合させ、更にスロットルワイヤほかを覆い隠すケース(キャップ体13)の装着作業が別に必要なことから、単純に特許文献2を特許文献1に適用しても、スロットルワイヤの簡素な接続分離構造や容易な接続分離作業を実現できない。
【0006】
【特許文献1】特開平11-187738号公報([0014]〜[0018])
【特許文献2】実全昭62-060123号公報(第6頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
刈払機の梱包、保管又は搬送に必要な収納空間を小さくする目的から、接続分離自在とした操作棹とエンジンとを別梱包にできるように、両者を完全に分離するにはスロットルワイヤや給電リード線も接続分離自在にできることが望ましい。ところが、既述したように、特許文献2を特許文献1に適用するだけでは、スロットルワイヤの簡素な接続分離構造や容易な接続分離作業を実現できない。そこで、刈払機の梱包、保管又は搬送に際する操作棹とエンジンとを取り扱う自由度を高めること、すなわち別梱包を可能にすることを目的とし、操作棹とエンジンとを接続分離自在にした刈払機において、少なくともスロットルワイヤを接続分離自在とし、好ましくは給電リード線をも接続分離自在にするため、スロットルワイヤ又は給電リード線の簡素な接続分離構造や容易な接続分離作業について検討した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
検討の結果、先端に回転刃を取り付けた操作棹とエンジンとを接続分離自在にした刈払機において、操作棹に設けられたスロットルから延びる操作棹側ワイヤが接続される操作棹側コネクタを、エンジンから延びるエンジン側ワイヤが接続されるエンジン側コネクタに着脱自在としてなり、操作棹側コネクタは、操作棹側ワイヤの端部に、磁力を有する係合部を取り付け、下方を開放させた操作棹側コネクタ本体の内側に前記係合部を自由状態で突出させて構成され、エンジン側コネクタは、エンジン側ワイヤの端部に、磁力吸着底部を有する凹部から操作棹側ワイヤの引き出し溝が延びる係合受部を取り付け、上方を開放したエンジン側コネクタ本体の内側に前記係合受部を進退自在に突出させて構成される刈払機を開発した。
【0009】
操作棹側コネクタ本体の「内側」とは、例えば操作棹側コネクタ本体が箱状キャップ(少なくとも下方が開放された箱体)であれば前記箱状キャップに囲まれる空間内、操作棹側コネクタ本体が蓋状ベース(箱体の開放面を塞ぐ板体)であれば前記蓋状ベースの周縁に囲まれた範囲内を意味する。これは、エンジン側コネクタ本体の「内側」も同様である。こうした操作棹側コネクタ本体とエンジン側コネクタ本体とは、一方に掛止爪、他方に掛止溝を形成し、前記掛止爪を掛止溝に係合させることにより、相着後の一体性を容易に確保できる。
【0010】
「磁力を有する係合部」は、係合部を構成する部材の全部又は一部に磁力を有すればよく、簡易には永久磁石により係合部の全体を構成する、又は係合部の一部に永久磁石を取り付けて構成する。係合受部は、磁力吸着底部を有する凹部に係合部を嵌合させ、係合部に接続される操作棹側ワイヤを引き出し溝から引き出す。「磁力吸着底部」は、係合部が磁力により吸着する部位であり、凹部の底面を構成する。具体的な磁力吸着底部は、永久磁石又は磁性金属(鉄、ニッケル、コバルト、マルテンサイト系ステンレス等)により構成される。係合部と磁力吸着底部とが共に永久磁石である場合、引き合う極性が対となるようにそれぞれの永久磁石を配置する。
【0011】
本発明の刈払機は、スロットルワイヤを、操作棹に設けられたスロットルから延びる操作棹側ワイヤと、エンジンから延びるエンジン側ワイヤとに分割し、操作棹側ワイヤが接続される操作棹側コネクタを、エンジン側ワイヤが接続されるエンジン側コネクタに着脱自在とする接続分離構造を構成する。操作棹側コネクタとエンジン側コネクタとの装着状態を保持する手段としては、一方に設けた掛止爪と他方に設けた掛止溝との掛止が最も簡易であるが、このほか従来公知の各種手段を用いることができる。操作棹側コネクタは、下方を開放させた操作棹側コネクタ本体の内側に、操作棹側ワイヤの端部に取り付けた係合部を自由状態で突出させた構成であり、またエンジン側コネクタは、上方を開放したエンジン側コネクタ本体の内側に、エンジン側ワイヤの端部に取り付けた係合受部を進退自在に突出させた構成であるから、本発明における接続分離構造は簡素である。
【0012】
操作棹側コネクタをエンジン側コネクタに被せるように装着すると、操作棹側ワイヤの端部に取り付けた係合部が、エンジン側ワイヤの端部に取り付けた係合受部の凹部の磁力吸着底部に向けて磁力により引きつけられ、引き出し溝から操作棹側ワイヤのみが引き出された状態で前記凹部に嵌まり込み、操作棹側ワイヤとエンジン側ワイヤとの機械的な接続が完了する。すなわち、操作棹側コネクタとエンジン側コネクタとに囲まれた範囲、例えば操作棹側コネクタ本体が下方を開放した箱状キャップ、エンジン側コネクタ本体が対応する蓋状ベースであれば、エンジン側コネクタ本体に操作棹側コネクタ本体を被せて形成される空間内で、利用者の手作業を要することなく、操作棹側ワイヤの端部に取り付けた係合部が、エンジン側ワイヤの端部に取り付けた係合受部の凹部に、確実に嵌合するようにして、容易な接続分離作業を実現している。
【0013】
嵌合関係にある係合部と係合受部の凹部とは、係合部が前記凹部に嵌合する対の関係にある限り、それぞれ構造又は大きさが特定されず、例えば特許文献2に見られる係合部及び係合受部でもよい。この場合、例えば球状の係合部は全体を永久磁石とし、係合受部は全体を磁力に吸着しない材質で構成して、凹部に磁力吸着底部を形成する構成が考えられる。しかし、球状の係合部に対して係合受部の凹部は円筒状にならざるを得ず、係合受部の凹部から係合部が外れる虞が否定できない。そこで、係合部は複数面を有するブロック状とし、係合受部の凹部は前記係合部の転写構造にするとよい。具体的には、係合部は円柱外形のブロック状とし、操作棹側ワイヤを前記円柱側面に接続し、係合受部の凹部は円筒外形の穴とし、前記円筒側面から半径方向に延びる引き出し溝を設ける構成を例示できる。この場合、係合部の下面に永久磁石で構成し、凹部の底面を磁性金属からなる磁力吸着底部とすれば、係合部は容易かつ正確に係合受部の凹部に嵌合できる。
【0014】
給電リード線は、従来から見られる雄プラグ及び雌プラグによる接続分離構造を用いてもよい。しかし、接続分離作業を容易にする観点から、給電リード線の接続分離構造も上記操作棹側コネクタ及びエンジン側コネクタを利用することが望ましい。具体的には、給電リード線を操作棹側リード線及びエンジン側リード線に分割し、操作棹側コネクタは、操作棹側ワイヤと共に、操作棹に取り付けられる停止スイッチから延びる操作棹側リード線を接続し、エンジン側コネクタは、エンジン側ワイヤと共に、エンジンから延びるエンジン側リード線を接続して、操作棹側コネクタは、操作棹側コネクタ本体の内側から下方に向けて突出させた接触端子に操作棹側リード線を接続させ、エンジン側コネクタは、エンジン側コネクタ本体の内側から上方に向けて突出させた受端子にエンジン側リード線を接続させた構成とする。
【0015】
接触端子は、操作棹側コネクタをエンジン側コネクタに装着することにより受端子に圧接させ、操作棹側リード線とエンジン側リード線との電気的な接続(導通)を完了させる。ここで、接触端子及び受端子は、対となる互いに平行な金属板から構成し、例えば接触端子に圧接する膨出部位を受端子に形成して、接触端子が受端子に接近することにより前記膨出部位が接触端子に圧接する構成を例示することができる。このほか、受端子を下方に向けて弾性変形する板バネ状とし、接触端子を前記受端子に対して上方から突き当てる板状又は棒状としてもよい。この場合、接触端子が受端子に突き当たる部位に、前記接触端子の先端が係合する凹部又は凸部を設けておくとよい。
【0016】
操作棹側コネクタ及びエンジン側コネクタは、それぞれ操作棹又はエンジンに固定されていても、逆に操作棹又はエンジンから自由状態であっても、操作棹側コネクタをエンジン側コネクタに装着できれば構わない。しかし、接続分離作業を容易にしながら、前記接続分離作業の自由度を高める観点から、操作棹側コネクタは、操作棹側コネクタ本体を操作棹側ワイヤに自由状態で支持されるようにし、逆にエンジン側コネクタは、エンジン側コネクタ本体をエンジン又は操作棹の接続部位に固定状態で設けられるようにすることが好ましい。これにより、利用者は操作棹側コネクタを手に持って、位置固定されたエンジン側コネクタに対して容易に装着できるようになる。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、操作棹とエンジンとを完全に接続分離自在にした刈払機を構成にして、操作棹とエンジンとを別梱包にすることができ、梱包、保管又は搬送に際する利便性を高めることができる。これは、スロットルワイヤ及び給電リード線の接続分離構造が簡素であり、スロットルワイヤ及び給電リード線の接続分離作業が容易であることによる効果であり、これにより利用者自身が容易に操作棹とエンジンとを接続分離できるようになる。また、本発明の接続分離構造は、操作棹をエンジンに直接接続する肩掛け式刈払機だけでなく、フレキシブルシャフトを介して操作棹とエンジンとを間接的に接続する背負い式刈払機にも適用でき、およそ簡易な刈払機における操作棹とエンジンとの取扱自由度を高める効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。図1は本発明を適用した肩掛け式刈払機の一部を表わす平面図、図2は本例の刈払機の一部を表わす側面図、図3は操作棹側コネクタ3をエンジン側コネクタ4に装着した状態にある接続分離構造を表わす部分断面平面図、図4は操作棹側コネクタ3をエンジン側コネクタ4に装着した状態にある接続分離構造を表わす部分断面側面図、図5は操作棹側コネクタ3の水平断面図、図6は操作棹側コネクタ3の側面図、図7は操作棹側コネクタ3の図5中A‐A断面拡大図、図8はエンジン側コネクタ4の平面図、図9はエンジン側コネクタ4の側面図(図9中紙面手前側の外仕切壁425の図示略)、図10はエンジン側コネクタ4の正面図である。
【0019】
各図は、エンジン2から操作棹1が延びる方向を前方(図1〜図6,図8及び図9中紙面左側、図7及び図10中紙面直交手前側を前方)とし、操作棹1から見てエンジン2側を後方(図1〜図6,図8及び図9中紙面右側、図7及び図10中紙面直交奥側を後方)とし、刈払機を水平に置いた状態でエンジン2から見て操作棹1の右側を右方(図1、図3、図5及び図8中紙面上側、図2,図4,図6及び図9中紙面直交奥側、図7及び図10中紙面左側を右方)とし、そして刈払機を水平に置いた状態でエンジン2から見て操作棹1の左側を左方(図1、図3、図5及び図8中紙面下側、図2,図4,図6及び図9中紙面直交手前側、図7及び図10中紙面右側を左方)とする。
【0020】
本例の刈払機は、図1及び図2に見られるように、操作棹1とエンジン2とを接続分離自在とした肩掛け式刈払機である。操作棹1は、途中にグリップ11を有し、前記グリップ11にスロットル12及び停止スイッチ13を設けている。操作棹側ワイヤ31は前記スロットル12から、また操作棹側リード線34,34(正負2本ある)は前記停止スイッチ13から、それぞれエンジン2に向けて延びている。操作棹側ワイヤ31及び操作棹側リード線34,34は、可撓パイプ14で束ねてグリップ11後端から突出し、自由状態で操作棹側コネクタ3に接続される。エンジン2はエンジンカバー21が被せられ、前記エンジンカバー21の操作棹1が接続される部位にエンジン側コネクタ4を位置固定で設けている。エンジン2から延びるエンジン側ワイヤ41及びエンジン側リード線44,44(正負2本ある)は、前記エンジン側コネクタ4に接続される。
【0021】
操作棹側ワイヤ31及び操作棹側リード線34,34とエンジン側ワイヤ41及びエンジン側リード線44,44との接続分離構造は、図3及び図4に見られるように、操作棹側コネクタ3とエンジン側コネクタ4とから構成される。本例の接続分離構造は、エンジン2に対して操作棹1を接続した後、エンジン側コネクタ4に対して上方から操作棹側コネクタ3を被せて装着するだけで、操作棹側ワイヤ31とエンジン側ワイヤ41とを接続し、また操作棹側リード線34,34とエンジン側リード線44,44とを通電状態にできる。前記各接続状態を解除するには、エンジン側コネクタ4から操作棹側コネクタ3を取り外すだけでよい。このように、操作棹側ワイヤ31とエンジン側ワイヤ41との接続分離、そして操作棹側リード線34,34とエンジン側リード線44,44との接続分離が容易になる点に、本発明の効果が認められる。
【0022】
操作棹側コネクタ3は、図5〜図7に見られるように、操作棹側コネクタ本体32の内側に操作棹側ワイヤ31と操作棹側リード線34,34とを突出させている。操作棹側コネクタ本体32は、下面及び背面を開放した樹脂製の箱状キャップからなり、側面の内側に操作棹側掛止爪321と操作棹側掛止溝322とを前から順に設けているほか、上面の内側で左寄りの位置に下方に向けて突出させた接触端子支持部323を2基並べて設け、各接触端子支持部323にそれぞれ接触端子35を圧入して取り付けている。本例の接触端子35は、下方に向けて突出する平坦な金属板である。操作棹側ワイヤ31は、操作棹側コネクタ本体32の内側に突出させたままの自由状態で、先端に係合部33を接続している。また、操作棹側リード線34,34は、操作棹側コネクタ本体32の内側に突出させ、位置固定された接触端子35の前端に接続している。
【0023】
本例の係合部33は、円柱状の本体に、前記本体より高さの低い直方体状の接続部位を前記本体の底面と接続部位の底面とを面一にして一体に設けた非磁性金属からなるブロック状で、内部に永久磁石(図示略)を収め、前記磁石を底面に露出させている。これにより、係合部33の磁力は底面のみで発揮され、前記底面に接近する磁性金属に対して係合部33を吸着させることができる。また、本例の係合部33は、全体が上下に非対称なブロックとなっており、前記係合部33の転写構造である係合受部432の凹部432が円筒外形の穴に直方体外形の凹部を一体に設けた構造としていることから、係合部33が横向きで前記凹部432に嵌まることは考えられず、凹部432の磁力吸着底部431に底面を向けた姿勢で嵌め込むことができる。
【0024】
エンジン側コネクタ4は、図8〜図10に見られるように、エンジン側コネクタ本体42の内側にエンジン側ワイヤ41とエンジン側リード線44,44とを突出させている。エンジン側コネクタ本体42は、上記操作棹側コネクタ本体32の開放された下面を塞ぐ樹脂製の蓋状ベースからなり、前半分の範囲で前後方向に延びる左右一対の外仕切壁425,425と、前記外仕切壁425,425の間を区画して前後方向に延びる内仕切壁426と、前記外仕切壁425及び内仕切壁426の各後縁に直交して左右方向に横断する前後仕切壁424とを上面に形成している。これら外仕切壁425、内仕切壁426及び前後仕切壁424は、エンジン側コネクタ本体42を補強するリブの働きを有している。エンジン側コネクタ本体42は、エンジンカバー21にネジ止めしている(図3参照)。
【0025】
各外仕切壁425は、上述した操作棹側掛止爪321に対応するエンジン側掛止溝422と操作棹側掛止溝322に対応するエンジン側掛止爪421とを外側に設けている。操作棹側コネクタ3をエンジン側コネクタ4に装着した際、操作棹側コネクタ本体32の側面の内側が各外仕切壁425の外側に密着し、操作棹側掛止爪321がエンジン側掛止溝422に掛止されると共に、エンジン側掛止爪421が操作棹側掛止溝322に掛止されることで、操作棹側コネクタ3とエンジン側コネクタ4との一体性が確保される。エンジン側ワイヤ41とエンジン側リード線44,44とはそれぞれ前後仕切壁424に支持され、エンジン側ワイヤ41は左側の外仕切壁425と内仕切壁426との間に突出させ、またエンジン側リード線44,44は右側の外仕切壁425と内仕切壁426との間に突出させている。
【0026】
係合受部43は、左側の外仕切壁425と内仕切壁426との間に収められ、前記左側の外仕切壁425と内仕切壁426との対向する内側に設けられたガイドレール427,427に上縁を掛止され、逸脱することなく外仕切壁425及び内仕切壁426の間で前後方向にのみ移動する。前後仕切壁424から前方に向けて突出するエンジン側ワイヤ41は、先端に前記係合受部43を接続している。受端子支持部423,423は、右側の外仕切壁425と内仕切壁426との間に2基並べて設けられ、左側に凸な膨出部位を有する金属板からなる受端子45を各受端子支持部423に圧入して取り付けている。受端子45は、操作棹側コネクタ3をエンジン側コネクタ4に装着した際、膨出部位に接触端子35を圧接させ、導通する。本例は、万一受端子45が折れ曲がって短絡することを防止するため、受端子支持部423,423の間に絶縁壁428を設けている。前後仕切壁424から前方に向けて突出する操作棹側リード線34,34は、各受端子45の後端に接続している。
【0027】
本例の係合受部43は、係合部33の転写構造である凹部432を設けた断面長方形状の非磁性金属からなるブロック状で、前記凹部432の底面に磁性金属からなる円板状の金属板を嵌め込み、前記金属板を磁力吸着底部431としている。既述したように、係合部33は本体の底面と接続部位の底面とを面一にしているから、凹部432の前記接続部位に相当する底面と、磁力吸着底部431の表面とを面一にし、凹部432全体にわたって係合部33を接面させる。また、凹部432は、嵌め込まれた係合部33から延びる操作棹側ワイヤ31を引き出すため、前方に向けて延びる引き出し溝433を設けている。このほか、係合部33を凹部432に嵌め込むことにより接続される操作棹側ワイヤ31とエンジン側ワイヤ41とは、必ずしも同一直線上に揃わなくても構わないが、本例は操作棹側ワイヤ31の動きをできるだけそのままエンジン側ワイヤ41に伝達するため、操作棹側ワイヤ31とエンジン側ワイヤ41とを同一直線上に揃えている。
【0028】
図11〜図16は操作棹側コネクタ3とエンジン側コネクタ4との接続手順における各段階を表す部分断面正面図(図11、図13及び図15)及び部分拡大斜視図(図12、図14及び図16)であり、図11及び図12は操作棹側コネクタ3とエンジン側コネクタ4とが完全に分離している段階、図13及び図14は操作棹側コネクタ3をエンジン側コネクタ4に装着し始めた段階、そして図15及び図16は操作棹側コネクタ3をエンジン側コネクタ4に完全に装着し終えた段階を表わしている。各図における前後方向及び左右方向は、図1〜図10について説明したところと同じである。
【0029】
操作棹側コネクタ3とエンジン側コネクタ4とが完全に分離している段階では、図11及び図12に見られるように、接触端子35と受端子45とは離れて導通しておらず、また係合部33は係合受部43の凹部432から離れ、操作棹側コネクタ本体32の内側に操作棹側ワイヤ31の自由状態に従って宙に浮いた状態にある。このため、係合部33の姿勢は安定せず、例えば操作棹側ワイヤ31を軸として傾いた姿勢(図12参照)にあることも十分考えられる。従来は、こうして傾いた姿勢にある係合部33を作業者が手で修正し、係合受部43の凹部432に嵌め込んでいたのであるが、本発明によれば、作業者の手を煩らわせることなく、操作棹側コネクタ3をエンジン側コネクタ4に装着すれば、係合部33を係合受部43の凹部432に正確に嵌め込むことができる。
【0030】
操作棹側コネクタ3をエンジン側コネクタ4に装着し始めると、図13及び図14に見られるように、操作棹側コネクタ本体32の操作棹側掛止爪321がエンジン側コネクタ本体42の外仕切壁425に干渉し、またエンジン側コネクタ本体42のエンジン側掛止爪421が操作棹側コネクタ本体32の側面に干渉して、操作棹側コネクタ本体32の前記側面が押し開かれて、エンジン側コネクタ本体42に操作棹側コネクタ本体32が被せられていく。このとき、接触端子35は下方に突出しているため、早くに受端子45の膨出部位に圧接し、導通が測られる。しかし、自由状態にある係合部33は、上述のように傾いた姿勢にあると、係合受部43の凹部432に嵌まり込まず、むしろ前記凹部432の上縁に引っかかってしまう(図14参照)。
【0031】
しかし、係合部33は底面に永久磁石を覗かせており、非磁性金属で構成される係合受部43には吸着しないものの、唯一磁性金属で構成される磁力吸着底部431を吸着しようと、自ら傾けた姿勢を修正し、凹部432に嵌まり込もうとする(図13中凹部432内に図示された矢印参照)。こうして姿勢を修正した係合部33は、位置固定された磁力吸着底部431に対して相対的に引きつけられて、引き出し溝433から操作棹側ワイヤ31を引き出した状態で、凹部432に完全に嵌まり込む。係合部33が係合受部43の凹部432に嵌まり込む実際のタイミングは、係合部33の自由度と初期の姿勢とにより異なるが、操作棹側コネクタ3をエンジン側コネクタ4に装着する過程で、係合部33は姿勢を自ら修正して凹部432に嵌まり込んでいく。
【0032】
操作棹側コネクタ3をエンジン側コネクタ4に完全に装着し終えると、図15及び図16に見られるように、操作棹側掛止爪321がエンジン側掛止溝422に、またエンジン側掛止爪421が操作棹側掛止溝322にそれぞれ係合して、操作棹側コネクタ3がエンジン側コネクタ4から分離することが防止される。また、係合受部43の凹部432へ完全に嵌まり込んだ係合部33は、磁力吸着底部431に吸着しているため、多少の衝撃が加わっても凹部432から外れることなく、操作棹側ワイヤ31とエンジン側ワイヤ41との接続状態を維持する。しかし、係合部33と係合受部43との接続は、前記係合部33の磁力吸着底部431の吸着のみに頼っているので、操作棹側コネクタ3をエンジン側コネクタ4から取り外すと、容易に解除される。このように、本発明は磁力を有する係合部33と磁力吸着底部431を有する係合受部43との組み合わせにより、容易かつ正確な操作棹側ワイヤ31とエンジン側ワイヤ41との接続分離を実現している。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明を適用した肩掛け式刈払機の一部を表わす平面図である。
【図2】本例の刈払機の一部を表わす側面図である。
【図3】操作棹側コネクタをエンジン側コネクタに装着した状態にある接続分離構造を表わす部分断面平面図である。
【図4】操作棹側コネクタをエンジン側コネクタに装着した状態にある接続分離構造を表わす部分断面側面図である。
【図5】操作棹側コネクタの水平断面図である。
【図6】操作棹側コネクタの側面図である。
【図7】操作棹側コネクタの図5中A‐A断面拡大図である。
【図8】エンジン側コネクタの平面図である。
【図9】エンジン側コネクタの側面図である。
【図10】エンジン側コネクタの正面図である。
【図11】操作棹側コネクタとエンジン側コネクタとが完全に分離している段階を表す部分断面正面図である。
【図12】操作棹側コネクタとエンジン側コネクタとが完全に分離している段階を表す部分拡大斜視図である。
【図13】操作棹側コネクタをエンジン側コネクタに装着し始めた段階を表す部分断面正面図である。
【図14】操作棹側コネクタをエンジン側コネクタに装着し始めた段階を表す部分拡大斜視図である。
【図15】操作棹側コネクタをエンジン側コネクタに完全に装着し終えた段階を表す部分断面正面図である。
【図16】操作棹側コネクタをエンジン側コネクタに完全に装着し終えた段階を表す部分拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0034】
1 操作棹
11 グリップ
12 スロットル
13 停止スイッチ
2 エンジン
21 エンジンカバー
3 操作棹側コネクタ
31 操作棹側ワイヤ
32 操作棹側コネクタ本体
33 係合部
34 操作棹側リード線
35 接触端子
4 エンジン側コネクタ
41 エンジン側ワイヤ
42 エンジン側コネクタ本体
43 係合受部
431 磁力吸着底部
432 凹部
433 引き出し溝
44 エンジン側リード線
45 受端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、先端に回転刃を取り付けた操作棹とエンジンとを接続分離自在にした刈払機に関する。
【背景技術】
【0002】
簡易な刈払機は、エンジンを利用者が背負い、動力伝達軸を内蔵する操作棹の先端に回転刃を取り付けて、前記操作棹をエンジンにフレキシブルシャフトを介して間接的に接続した構成(いわゆる背負い式刈払機)と、動力伝達軸を内蔵する操作棹の先端に回転刃を取り付け、後端にエンジンを直接接続し、前記操作棹を肩掛ベルトにより利用者の肩に吊り下げる構成(いわゆる肩掛け式刈払機)とに大別される。両者は、それぞれ操作棹にループハンドル、ツーグリップハンドル又は両手ハンドルのいずれかを備え、操作棹又は各ハンドルのグリップにスロットル(例えばスロットルレバー)が設けられる。利用者は、前記各ハンドルを持って操作棹の上下又は左右の姿勢を調整し、スロットルの操作により回転刃の回転及び停止を制御する。
【0003】
背負い式刈払機は、操作棹とエンジンとに対してフレキシブルシャフトが接続分離自在にできているため、工場からの出荷に際しては前記フレキシブルシャフトを操作棹とエンジンとからそれぞれ分離し、梱包、保管又は搬送に際して、必要な収納空間を小さくできる。この点、肩掛け式刈払機であっても、例えば特許文献1に見られるように、操作棹とエンジンとを接続分離自在にすることにより、工場からの出荷に際しては操作棹とエンジンとを分離し、梱包、保管又は搬送に際して、必要な収納空間を小さくできる。
【0004】
ところで、特許文献1には、スロットルとエンジンとを結ぶスロットルワイヤについて特に記載がない。操作棹とエンジンとを同一梱包とし、両者の配置を一定程度自由にできればよいとすれば、可撓性を有するスロットルワイヤはエンジンに繋げておいても構わない。しかし、接続分離自在とした操作棹とエンジンとは、完全に分離し、別梱包にできる方が好ましい。これから、操作棹とエンジンとを接続分離自在にした場合、スロットルワイヤも操作棹側ワイヤとエンジン側ワイヤとに分割し、操作棹とエンジンとの接続に際して併せて操作棹側ワイヤとエンジン側ワイヤとを接続する構成が採用される。これは、エンジンを緊急停止させる停止スイッチと前記エンジンとを結ぶ給電リード線についても同様である。
【0005】
スロットルワイヤの接続分離構造は、例えば特許文献2に開示されている接続分離構造を特許文献1に適用して構成される。特許文献2では、スロットルワイヤをスロットルに接続分離自在にした構成であるが、前記スロットルワイヤを操作棹側ワイヤ、スロットルをエンジン側ワイヤと考えれば、スロットルワイヤの接続分離構造となる。しかし、この場合、スロットルワイヤ(操作棹側ワイヤ)の係合部(索端金具15)をスロットル(エンジン側ワイヤ)の係合受部(インナーワイヤ連結部14)に嵌合させ、更にスロットルワイヤほかを覆い隠すケース(キャップ体13)の装着作業が別に必要なことから、単純に特許文献2を特許文献1に適用しても、スロットルワイヤの簡素な接続分離構造や容易な接続分離作業を実現できない。
【0006】
【特許文献1】特開平11-187738号公報([0014]〜[0018])
【特許文献2】実全昭62-060123号公報(第6頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
刈払機の梱包、保管又は搬送に必要な収納空間を小さくする目的から、接続分離自在とした操作棹とエンジンとを別梱包にできるように、両者を完全に分離するにはスロットルワイヤや給電リード線も接続分離自在にできることが望ましい。ところが、既述したように、特許文献2を特許文献1に適用するだけでは、スロットルワイヤの簡素な接続分離構造や容易な接続分離作業を実現できない。そこで、刈払機の梱包、保管又は搬送に際する操作棹とエンジンとを取り扱う自由度を高めること、すなわち別梱包を可能にすることを目的とし、操作棹とエンジンとを接続分離自在にした刈払機において、少なくともスロットルワイヤを接続分離自在とし、好ましくは給電リード線をも接続分離自在にするため、スロットルワイヤ又は給電リード線の簡素な接続分離構造や容易な接続分離作業について検討した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
検討の結果、先端に回転刃を取り付けた操作棹とエンジンとを接続分離自在にした刈払機において、操作棹に設けられたスロットルから延びる操作棹側ワイヤが接続される操作棹側コネクタを、エンジンから延びるエンジン側ワイヤが接続されるエンジン側コネクタに着脱自在としてなり、操作棹側コネクタは、操作棹側ワイヤの端部に、磁力を有する係合部を取り付け、下方を開放させた操作棹側コネクタ本体の内側に前記係合部を自由状態で突出させて構成され、エンジン側コネクタは、エンジン側ワイヤの端部に、磁力吸着底部を有する凹部から操作棹側ワイヤの引き出し溝が延びる係合受部を取り付け、上方を開放したエンジン側コネクタ本体の内側に前記係合受部を進退自在に突出させて構成される刈払機を開発した。
【0009】
操作棹側コネクタ本体の「内側」とは、例えば操作棹側コネクタ本体が箱状キャップ(少なくとも下方が開放された箱体)であれば前記箱状キャップに囲まれる空間内、操作棹側コネクタ本体が蓋状ベース(箱体の開放面を塞ぐ板体)であれば前記蓋状ベースの周縁に囲まれた範囲内を意味する。これは、エンジン側コネクタ本体の「内側」も同様である。こうした操作棹側コネクタ本体とエンジン側コネクタ本体とは、一方に掛止爪、他方に掛止溝を形成し、前記掛止爪を掛止溝に係合させることにより、相着後の一体性を容易に確保できる。
【0010】
「磁力を有する係合部」は、係合部を構成する部材の全部又は一部に磁力を有すればよく、簡易には永久磁石により係合部の全体を構成する、又は係合部の一部に永久磁石を取り付けて構成する。係合受部は、磁力吸着底部を有する凹部に係合部を嵌合させ、係合部に接続される操作棹側ワイヤを引き出し溝から引き出す。「磁力吸着底部」は、係合部が磁力により吸着する部位であり、凹部の底面を構成する。具体的な磁力吸着底部は、永久磁石又は磁性金属(鉄、ニッケル、コバルト、マルテンサイト系ステンレス等)により構成される。係合部と磁力吸着底部とが共に永久磁石である場合、引き合う極性が対となるようにそれぞれの永久磁石を配置する。
【0011】
本発明の刈払機は、スロットルワイヤを、操作棹に設けられたスロットルから延びる操作棹側ワイヤと、エンジンから延びるエンジン側ワイヤとに分割し、操作棹側ワイヤが接続される操作棹側コネクタを、エンジン側ワイヤが接続されるエンジン側コネクタに着脱自在とする接続分離構造を構成する。操作棹側コネクタとエンジン側コネクタとの装着状態を保持する手段としては、一方に設けた掛止爪と他方に設けた掛止溝との掛止が最も簡易であるが、このほか従来公知の各種手段を用いることができる。操作棹側コネクタは、下方を開放させた操作棹側コネクタ本体の内側に、操作棹側ワイヤの端部に取り付けた係合部を自由状態で突出させた構成であり、またエンジン側コネクタは、上方を開放したエンジン側コネクタ本体の内側に、エンジン側ワイヤの端部に取り付けた係合受部を進退自在に突出させた構成であるから、本発明における接続分離構造は簡素である。
【0012】
操作棹側コネクタをエンジン側コネクタに被せるように装着すると、操作棹側ワイヤの端部に取り付けた係合部が、エンジン側ワイヤの端部に取り付けた係合受部の凹部の磁力吸着底部に向けて磁力により引きつけられ、引き出し溝から操作棹側ワイヤのみが引き出された状態で前記凹部に嵌まり込み、操作棹側ワイヤとエンジン側ワイヤとの機械的な接続が完了する。すなわち、操作棹側コネクタとエンジン側コネクタとに囲まれた範囲、例えば操作棹側コネクタ本体が下方を開放した箱状キャップ、エンジン側コネクタ本体が対応する蓋状ベースであれば、エンジン側コネクタ本体に操作棹側コネクタ本体を被せて形成される空間内で、利用者の手作業を要することなく、操作棹側ワイヤの端部に取り付けた係合部が、エンジン側ワイヤの端部に取り付けた係合受部の凹部に、確実に嵌合するようにして、容易な接続分離作業を実現している。
【0013】
嵌合関係にある係合部と係合受部の凹部とは、係合部が前記凹部に嵌合する対の関係にある限り、それぞれ構造又は大きさが特定されず、例えば特許文献2に見られる係合部及び係合受部でもよい。この場合、例えば球状の係合部は全体を永久磁石とし、係合受部は全体を磁力に吸着しない材質で構成して、凹部に磁力吸着底部を形成する構成が考えられる。しかし、球状の係合部に対して係合受部の凹部は円筒状にならざるを得ず、係合受部の凹部から係合部が外れる虞が否定できない。そこで、係合部は複数面を有するブロック状とし、係合受部の凹部は前記係合部の転写構造にするとよい。具体的には、係合部は円柱外形のブロック状とし、操作棹側ワイヤを前記円柱側面に接続し、係合受部の凹部は円筒外形の穴とし、前記円筒側面から半径方向に延びる引き出し溝を設ける構成を例示できる。この場合、係合部の下面に永久磁石で構成し、凹部の底面を磁性金属からなる磁力吸着底部とすれば、係合部は容易かつ正確に係合受部の凹部に嵌合できる。
【0014】
給電リード線は、従来から見られる雄プラグ及び雌プラグによる接続分離構造を用いてもよい。しかし、接続分離作業を容易にする観点から、給電リード線の接続分離構造も上記操作棹側コネクタ及びエンジン側コネクタを利用することが望ましい。具体的には、給電リード線を操作棹側リード線及びエンジン側リード線に分割し、操作棹側コネクタは、操作棹側ワイヤと共に、操作棹に取り付けられる停止スイッチから延びる操作棹側リード線を接続し、エンジン側コネクタは、エンジン側ワイヤと共に、エンジンから延びるエンジン側リード線を接続して、操作棹側コネクタは、操作棹側コネクタ本体の内側から下方に向けて突出させた接触端子に操作棹側リード線を接続させ、エンジン側コネクタは、エンジン側コネクタ本体の内側から上方に向けて突出させた受端子にエンジン側リード線を接続させた構成とする。
【0015】
接触端子は、操作棹側コネクタをエンジン側コネクタに装着することにより受端子に圧接させ、操作棹側リード線とエンジン側リード線との電気的な接続(導通)を完了させる。ここで、接触端子及び受端子は、対となる互いに平行な金属板から構成し、例えば接触端子に圧接する膨出部位を受端子に形成して、接触端子が受端子に接近することにより前記膨出部位が接触端子に圧接する構成を例示することができる。このほか、受端子を下方に向けて弾性変形する板バネ状とし、接触端子を前記受端子に対して上方から突き当てる板状又は棒状としてもよい。この場合、接触端子が受端子に突き当たる部位に、前記接触端子の先端が係合する凹部又は凸部を設けておくとよい。
【0016】
操作棹側コネクタ及びエンジン側コネクタは、それぞれ操作棹又はエンジンに固定されていても、逆に操作棹又はエンジンから自由状態であっても、操作棹側コネクタをエンジン側コネクタに装着できれば構わない。しかし、接続分離作業を容易にしながら、前記接続分離作業の自由度を高める観点から、操作棹側コネクタは、操作棹側コネクタ本体を操作棹側ワイヤに自由状態で支持されるようにし、逆にエンジン側コネクタは、エンジン側コネクタ本体をエンジン又は操作棹の接続部位に固定状態で設けられるようにすることが好ましい。これにより、利用者は操作棹側コネクタを手に持って、位置固定されたエンジン側コネクタに対して容易に装着できるようになる。
【発明の効果】
【0017】
本発明により、操作棹とエンジンとを完全に接続分離自在にした刈払機を構成にして、操作棹とエンジンとを別梱包にすることができ、梱包、保管又は搬送に際する利便性を高めることができる。これは、スロットルワイヤ及び給電リード線の接続分離構造が簡素であり、スロットルワイヤ及び給電リード線の接続分離作業が容易であることによる効果であり、これにより利用者自身が容易に操作棹とエンジンとを接続分離できるようになる。また、本発明の接続分離構造は、操作棹をエンジンに直接接続する肩掛け式刈払機だけでなく、フレキシブルシャフトを介して操作棹とエンジンとを間接的に接続する背負い式刈払機にも適用でき、およそ簡易な刈払機における操作棹とエンジンとの取扱自由度を高める効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。図1は本発明を適用した肩掛け式刈払機の一部を表わす平面図、図2は本例の刈払機の一部を表わす側面図、図3は操作棹側コネクタ3をエンジン側コネクタ4に装着した状態にある接続分離構造を表わす部分断面平面図、図4は操作棹側コネクタ3をエンジン側コネクタ4に装着した状態にある接続分離構造を表わす部分断面側面図、図5は操作棹側コネクタ3の水平断面図、図6は操作棹側コネクタ3の側面図、図7は操作棹側コネクタ3の図5中A‐A断面拡大図、図8はエンジン側コネクタ4の平面図、図9はエンジン側コネクタ4の側面図(図9中紙面手前側の外仕切壁425の図示略)、図10はエンジン側コネクタ4の正面図である。
【0019】
各図は、エンジン2から操作棹1が延びる方向を前方(図1〜図6,図8及び図9中紙面左側、図7及び図10中紙面直交手前側を前方)とし、操作棹1から見てエンジン2側を後方(図1〜図6,図8及び図9中紙面右側、図7及び図10中紙面直交奥側を後方)とし、刈払機を水平に置いた状態でエンジン2から見て操作棹1の右側を右方(図1、図3、図5及び図8中紙面上側、図2,図4,図6及び図9中紙面直交奥側、図7及び図10中紙面左側を右方)とし、そして刈払機を水平に置いた状態でエンジン2から見て操作棹1の左側を左方(図1、図3、図5及び図8中紙面下側、図2,図4,図6及び図9中紙面直交手前側、図7及び図10中紙面右側を左方)とする。
【0020】
本例の刈払機は、図1及び図2に見られるように、操作棹1とエンジン2とを接続分離自在とした肩掛け式刈払機である。操作棹1は、途中にグリップ11を有し、前記グリップ11にスロットル12及び停止スイッチ13を設けている。操作棹側ワイヤ31は前記スロットル12から、また操作棹側リード線34,34(正負2本ある)は前記停止スイッチ13から、それぞれエンジン2に向けて延びている。操作棹側ワイヤ31及び操作棹側リード線34,34は、可撓パイプ14で束ねてグリップ11後端から突出し、自由状態で操作棹側コネクタ3に接続される。エンジン2はエンジンカバー21が被せられ、前記エンジンカバー21の操作棹1が接続される部位にエンジン側コネクタ4を位置固定で設けている。エンジン2から延びるエンジン側ワイヤ41及びエンジン側リード線44,44(正負2本ある)は、前記エンジン側コネクタ4に接続される。
【0021】
操作棹側ワイヤ31及び操作棹側リード線34,34とエンジン側ワイヤ41及びエンジン側リード線44,44との接続分離構造は、図3及び図4に見られるように、操作棹側コネクタ3とエンジン側コネクタ4とから構成される。本例の接続分離構造は、エンジン2に対して操作棹1を接続した後、エンジン側コネクタ4に対して上方から操作棹側コネクタ3を被せて装着するだけで、操作棹側ワイヤ31とエンジン側ワイヤ41とを接続し、また操作棹側リード線34,34とエンジン側リード線44,44とを通電状態にできる。前記各接続状態を解除するには、エンジン側コネクタ4から操作棹側コネクタ3を取り外すだけでよい。このように、操作棹側ワイヤ31とエンジン側ワイヤ41との接続分離、そして操作棹側リード線34,34とエンジン側リード線44,44との接続分離が容易になる点に、本発明の効果が認められる。
【0022】
操作棹側コネクタ3は、図5〜図7に見られるように、操作棹側コネクタ本体32の内側に操作棹側ワイヤ31と操作棹側リード線34,34とを突出させている。操作棹側コネクタ本体32は、下面及び背面を開放した樹脂製の箱状キャップからなり、側面の内側に操作棹側掛止爪321と操作棹側掛止溝322とを前から順に設けているほか、上面の内側で左寄りの位置に下方に向けて突出させた接触端子支持部323を2基並べて設け、各接触端子支持部323にそれぞれ接触端子35を圧入して取り付けている。本例の接触端子35は、下方に向けて突出する平坦な金属板である。操作棹側ワイヤ31は、操作棹側コネクタ本体32の内側に突出させたままの自由状態で、先端に係合部33を接続している。また、操作棹側リード線34,34は、操作棹側コネクタ本体32の内側に突出させ、位置固定された接触端子35の前端に接続している。
【0023】
本例の係合部33は、円柱状の本体に、前記本体より高さの低い直方体状の接続部位を前記本体の底面と接続部位の底面とを面一にして一体に設けた非磁性金属からなるブロック状で、内部に永久磁石(図示略)を収め、前記磁石を底面に露出させている。これにより、係合部33の磁力は底面のみで発揮され、前記底面に接近する磁性金属に対して係合部33を吸着させることができる。また、本例の係合部33は、全体が上下に非対称なブロックとなっており、前記係合部33の転写構造である係合受部432の凹部432が円筒外形の穴に直方体外形の凹部を一体に設けた構造としていることから、係合部33が横向きで前記凹部432に嵌まることは考えられず、凹部432の磁力吸着底部431に底面を向けた姿勢で嵌め込むことができる。
【0024】
エンジン側コネクタ4は、図8〜図10に見られるように、エンジン側コネクタ本体42の内側にエンジン側ワイヤ41とエンジン側リード線44,44とを突出させている。エンジン側コネクタ本体42は、上記操作棹側コネクタ本体32の開放された下面を塞ぐ樹脂製の蓋状ベースからなり、前半分の範囲で前後方向に延びる左右一対の外仕切壁425,425と、前記外仕切壁425,425の間を区画して前後方向に延びる内仕切壁426と、前記外仕切壁425及び内仕切壁426の各後縁に直交して左右方向に横断する前後仕切壁424とを上面に形成している。これら外仕切壁425、内仕切壁426及び前後仕切壁424は、エンジン側コネクタ本体42を補強するリブの働きを有している。エンジン側コネクタ本体42は、エンジンカバー21にネジ止めしている(図3参照)。
【0025】
各外仕切壁425は、上述した操作棹側掛止爪321に対応するエンジン側掛止溝422と操作棹側掛止溝322に対応するエンジン側掛止爪421とを外側に設けている。操作棹側コネクタ3をエンジン側コネクタ4に装着した際、操作棹側コネクタ本体32の側面の内側が各外仕切壁425の外側に密着し、操作棹側掛止爪321がエンジン側掛止溝422に掛止されると共に、エンジン側掛止爪421が操作棹側掛止溝322に掛止されることで、操作棹側コネクタ3とエンジン側コネクタ4との一体性が確保される。エンジン側ワイヤ41とエンジン側リード線44,44とはそれぞれ前後仕切壁424に支持され、エンジン側ワイヤ41は左側の外仕切壁425と内仕切壁426との間に突出させ、またエンジン側リード線44,44は右側の外仕切壁425と内仕切壁426との間に突出させている。
【0026】
係合受部43は、左側の外仕切壁425と内仕切壁426との間に収められ、前記左側の外仕切壁425と内仕切壁426との対向する内側に設けられたガイドレール427,427に上縁を掛止され、逸脱することなく外仕切壁425及び内仕切壁426の間で前後方向にのみ移動する。前後仕切壁424から前方に向けて突出するエンジン側ワイヤ41は、先端に前記係合受部43を接続している。受端子支持部423,423は、右側の外仕切壁425と内仕切壁426との間に2基並べて設けられ、左側に凸な膨出部位を有する金属板からなる受端子45を各受端子支持部423に圧入して取り付けている。受端子45は、操作棹側コネクタ3をエンジン側コネクタ4に装着した際、膨出部位に接触端子35を圧接させ、導通する。本例は、万一受端子45が折れ曲がって短絡することを防止するため、受端子支持部423,423の間に絶縁壁428を設けている。前後仕切壁424から前方に向けて突出する操作棹側リード線34,34は、各受端子45の後端に接続している。
【0027】
本例の係合受部43は、係合部33の転写構造である凹部432を設けた断面長方形状の非磁性金属からなるブロック状で、前記凹部432の底面に磁性金属からなる円板状の金属板を嵌め込み、前記金属板を磁力吸着底部431としている。既述したように、係合部33は本体の底面と接続部位の底面とを面一にしているから、凹部432の前記接続部位に相当する底面と、磁力吸着底部431の表面とを面一にし、凹部432全体にわたって係合部33を接面させる。また、凹部432は、嵌め込まれた係合部33から延びる操作棹側ワイヤ31を引き出すため、前方に向けて延びる引き出し溝433を設けている。このほか、係合部33を凹部432に嵌め込むことにより接続される操作棹側ワイヤ31とエンジン側ワイヤ41とは、必ずしも同一直線上に揃わなくても構わないが、本例は操作棹側ワイヤ31の動きをできるだけそのままエンジン側ワイヤ41に伝達するため、操作棹側ワイヤ31とエンジン側ワイヤ41とを同一直線上に揃えている。
【0028】
図11〜図16は操作棹側コネクタ3とエンジン側コネクタ4との接続手順における各段階を表す部分断面正面図(図11、図13及び図15)及び部分拡大斜視図(図12、図14及び図16)であり、図11及び図12は操作棹側コネクタ3とエンジン側コネクタ4とが完全に分離している段階、図13及び図14は操作棹側コネクタ3をエンジン側コネクタ4に装着し始めた段階、そして図15及び図16は操作棹側コネクタ3をエンジン側コネクタ4に完全に装着し終えた段階を表わしている。各図における前後方向及び左右方向は、図1〜図10について説明したところと同じである。
【0029】
操作棹側コネクタ3とエンジン側コネクタ4とが完全に分離している段階では、図11及び図12に見られるように、接触端子35と受端子45とは離れて導通しておらず、また係合部33は係合受部43の凹部432から離れ、操作棹側コネクタ本体32の内側に操作棹側ワイヤ31の自由状態に従って宙に浮いた状態にある。このため、係合部33の姿勢は安定せず、例えば操作棹側ワイヤ31を軸として傾いた姿勢(図12参照)にあることも十分考えられる。従来は、こうして傾いた姿勢にある係合部33を作業者が手で修正し、係合受部43の凹部432に嵌め込んでいたのであるが、本発明によれば、作業者の手を煩らわせることなく、操作棹側コネクタ3をエンジン側コネクタ4に装着すれば、係合部33を係合受部43の凹部432に正確に嵌め込むことができる。
【0030】
操作棹側コネクタ3をエンジン側コネクタ4に装着し始めると、図13及び図14に見られるように、操作棹側コネクタ本体32の操作棹側掛止爪321がエンジン側コネクタ本体42の外仕切壁425に干渉し、またエンジン側コネクタ本体42のエンジン側掛止爪421が操作棹側コネクタ本体32の側面に干渉して、操作棹側コネクタ本体32の前記側面が押し開かれて、エンジン側コネクタ本体42に操作棹側コネクタ本体32が被せられていく。このとき、接触端子35は下方に突出しているため、早くに受端子45の膨出部位に圧接し、導通が測られる。しかし、自由状態にある係合部33は、上述のように傾いた姿勢にあると、係合受部43の凹部432に嵌まり込まず、むしろ前記凹部432の上縁に引っかかってしまう(図14参照)。
【0031】
しかし、係合部33は底面に永久磁石を覗かせており、非磁性金属で構成される係合受部43には吸着しないものの、唯一磁性金属で構成される磁力吸着底部431を吸着しようと、自ら傾けた姿勢を修正し、凹部432に嵌まり込もうとする(図13中凹部432内に図示された矢印参照)。こうして姿勢を修正した係合部33は、位置固定された磁力吸着底部431に対して相対的に引きつけられて、引き出し溝433から操作棹側ワイヤ31を引き出した状態で、凹部432に完全に嵌まり込む。係合部33が係合受部43の凹部432に嵌まり込む実際のタイミングは、係合部33の自由度と初期の姿勢とにより異なるが、操作棹側コネクタ3をエンジン側コネクタ4に装着する過程で、係合部33は姿勢を自ら修正して凹部432に嵌まり込んでいく。
【0032】
操作棹側コネクタ3をエンジン側コネクタ4に完全に装着し終えると、図15及び図16に見られるように、操作棹側掛止爪321がエンジン側掛止溝422に、またエンジン側掛止爪421が操作棹側掛止溝322にそれぞれ係合して、操作棹側コネクタ3がエンジン側コネクタ4から分離することが防止される。また、係合受部43の凹部432へ完全に嵌まり込んだ係合部33は、磁力吸着底部431に吸着しているため、多少の衝撃が加わっても凹部432から外れることなく、操作棹側ワイヤ31とエンジン側ワイヤ41との接続状態を維持する。しかし、係合部33と係合受部43との接続は、前記係合部33の磁力吸着底部431の吸着のみに頼っているので、操作棹側コネクタ3をエンジン側コネクタ4から取り外すと、容易に解除される。このように、本発明は磁力を有する係合部33と磁力吸着底部431を有する係合受部43との組み合わせにより、容易かつ正確な操作棹側ワイヤ31とエンジン側ワイヤ41との接続分離を実現している。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明を適用した肩掛け式刈払機の一部を表わす平面図である。
【図2】本例の刈払機の一部を表わす側面図である。
【図3】操作棹側コネクタをエンジン側コネクタに装着した状態にある接続分離構造を表わす部分断面平面図である。
【図4】操作棹側コネクタをエンジン側コネクタに装着した状態にある接続分離構造を表わす部分断面側面図である。
【図5】操作棹側コネクタの水平断面図である。
【図6】操作棹側コネクタの側面図である。
【図7】操作棹側コネクタの図5中A‐A断面拡大図である。
【図8】エンジン側コネクタの平面図である。
【図9】エンジン側コネクタの側面図である。
【図10】エンジン側コネクタの正面図である。
【図11】操作棹側コネクタとエンジン側コネクタとが完全に分離している段階を表す部分断面正面図である。
【図12】操作棹側コネクタとエンジン側コネクタとが完全に分離している段階を表す部分拡大斜視図である。
【図13】操作棹側コネクタをエンジン側コネクタに装着し始めた段階を表す部分断面正面図である。
【図14】操作棹側コネクタをエンジン側コネクタに装着し始めた段階を表す部分拡大斜視図である。
【図15】操作棹側コネクタをエンジン側コネクタに完全に装着し終えた段階を表す部分断面正面図である。
【図16】操作棹側コネクタをエンジン側コネクタに完全に装着し終えた段階を表す部分拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0034】
1 操作棹
11 グリップ
12 スロットル
13 停止スイッチ
2 エンジン
21 エンジンカバー
3 操作棹側コネクタ
31 操作棹側ワイヤ
32 操作棹側コネクタ本体
33 係合部
34 操作棹側リード線
35 接触端子
4 エンジン側コネクタ
41 エンジン側ワイヤ
42 エンジン側コネクタ本体
43 係合受部
431 磁力吸着底部
432 凹部
433 引き出し溝
44 エンジン側リード線
45 受端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に回転刃を取り付けた操作棹とエンジンとを接続分離自在にした刈払機において、操作棹に設けられたスロットルから延びる操作棹側ワイヤが接続される操作棹側コネクタを、エンジンから延びるエンジン側ワイヤが接続されるエンジン側コネクタに着脱自在としてなり、操作棹側コネクタは、操作棹側ワイヤの端部に、磁力を有する係合部を取り付け、下方を開放させた操作棹側コネクタ本体の内側に前記係合部を自由状態で突出させて構成され、エンジン側コネクタは、エンジン側ワイヤの端部に、磁力吸着底部を有する凹部から操作棹側ワイヤの引き出し溝が延びる係合受部を取り付け、上方を開放したエンジン側コネクタ本体の内側に前記係合受部を進退自在に突出させて構成されたことを特徴とする刈払機。
【請求項2】
操作棹側コネクタは、操作棹側ワイヤと共に、操作棹に取り付けられる停止スイッチから延びる操作棹側リード線を接続し、エンジン側コネクタは、エンジン側ワイヤと共に、エンジンから延びるエンジン側リード線を接続してなり、操作棹側コネクタは、操作棹側コネクタ本体の内側から下方に向けて突出させた接触端子に操作棹側リード線を接続させ、エンジン側コネクタは、エンジン側コネクタ本体の内側から上方に向けて突出させた受端子にエンジン側リード線を接続させた請求項1記載の刈払機。
【請求項3】
操作棹側コネクタは、操作棹側コネクタ本体を操作棹側ワイヤに自由状態で支持される請求項1又は2いずれか記載の刈払機。
【請求項4】
エンジン側コネクタは、エンジン側コネクタ本体をエンジン又は操作棹の接続部位に固定状態で設けられる請求項1又は2いずれか記載の刈払機。
【請求項1】
先端に回転刃を取り付けた操作棹とエンジンとを接続分離自在にした刈払機において、操作棹に設けられたスロットルから延びる操作棹側ワイヤが接続される操作棹側コネクタを、エンジンから延びるエンジン側ワイヤが接続されるエンジン側コネクタに着脱自在としてなり、操作棹側コネクタは、操作棹側ワイヤの端部に、磁力を有する係合部を取り付け、下方を開放させた操作棹側コネクタ本体の内側に前記係合部を自由状態で突出させて構成され、エンジン側コネクタは、エンジン側ワイヤの端部に、磁力吸着底部を有する凹部から操作棹側ワイヤの引き出し溝が延びる係合受部を取り付け、上方を開放したエンジン側コネクタ本体の内側に前記係合受部を進退自在に突出させて構成されたことを特徴とする刈払機。
【請求項2】
操作棹側コネクタは、操作棹側ワイヤと共に、操作棹に取り付けられる停止スイッチから延びる操作棹側リード線を接続し、エンジン側コネクタは、エンジン側ワイヤと共に、エンジンから延びるエンジン側リード線を接続してなり、操作棹側コネクタは、操作棹側コネクタ本体の内側から下方に向けて突出させた接触端子に操作棹側リード線を接続させ、エンジン側コネクタは、エンジン側コネクタ本体の内側から上方に向けて突出させた受端子にエンジン側リード線を接続させた請求項1記載の刈払機。
【請求項3】
操作棹側コネクタは、操作棹側コネクタ本体を操作棹側ワイヤに自由状態で支持される請求項1又は2いずれか記載の刈払機。
【請求項4】
エンジン側コネクタは、エンジン側コネクタ本体をエンジン又は操作棹の接続部位に固定状態で設けられる請求項1又は2いずれか記載の刈払機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−161059(P2008−161059A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−350643(P2006−350643)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000104065)カーツ株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000104065)カーツ株式会社 (14)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]