説明

加工板の番付け加工装置

【課題】 従来の加工板の加工装置では、番付け装置を稼働している間は加工装置が稼働せず、又、加工板を加工している間は番付け装置は停止しているので、作業時間が非常に長くなるという問題があった。
【解決手段】 供給機フレーム1の上部に供給機支持部材2が固着され、供給機支持部材2の上に供給機移動用レール3が固着され、供給機移動用レール3の上に係合された移動用ベアリング4は搬送供給機の供給機支持台5の下面に装着され、供給機支持台5の上にブロアー6,供給機移動用モータ7,パッド昇降用シリンダ8、及び吸着用パイプ9が装着され、供給機支持台5の下に吸着パッド10が供給機支持部材2の下方に装着され、吸着パッド10の間に被加工材確認センサ11が装着され、供給機支持フレーム1の間の底部にテーブルリフター12が装着され、このテーブルリフター12の上に被加工材受けバー13が装着され、この被加工材受けバー13に多数の被加工板14が積み重ねられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工板に番付けをするテーブルと加工装置とを離して装着し、番付けをした後で、加工板を加工するようにした加工板の番付け加工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、加工板に番付けをして加工する加工装置としては、NCルータを装着したヘッドに番付け装置を装着し、被加工板をテーブルに位置決めした後、ヘッドに装着した番付け装置で、ヘッドを移動しながら被加工板に番付けを施し、この番付けを施した被加工板をヘッドに装着したNCルータで加工するようにしている。
【0003】
しかしながら、この従来の加工板の加工装置では、被加工板をテーブルに位置決めした後、加工板に番付けを施している間は加工板の加工をすることができず、番付けを施した後に加工するので、作業時間が非常に長くなるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−127108
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、従来の加工板の加工装置では、番付け装置を稼働している間は加工装置が稼働せず、作業時間が非常に長くなるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、多数の被加工板を積載して、1番上の被加工板が除去されたときに順次1枚分上上昇するように構成したテーブルリフターと、該テーブルリフター上の最上部の被加工板を確認する被加工板確認センサと、被加工板確認センサで確認した後、インクヘッド昇降用シリンダで番付け用インクヘッドが下降され、縦移動用モータと横移動モータで番付け用インクヘッドが移動され、前記テーブルリフター上の最上部の被加工板の上面に番付けを施す番付ユニットと、該番付けユニットで番付けされた被加工板を吸着パッドで吸引して供給機フレーム上を搬送し、吸着テーブル上に搬送する搬送供給機と、該搬送供給機で搬送された被加工板を前記吸着テーブルに装着された縦押しシリンダと前記吸着テーブルの側部に装着された被加工板セット用兼被加工板払い出し用シリンダで位置決めし、位置決めされた被加工板を切断用鋸及びNCルータで加工する加工装置とからなるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、被加工板を番付け装置で番付けを施している間に、加工装置では、先に位置決めされた被加工板を加工することができるので、被加工板の番付けと加工が並列に行われ、作業が非常に早くなるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は本発明の実施例の加工板の番付け加工装置の平面図である。
【図2】図2は図1の加工板の番付け加工装置の側面図である。
【図3】図3は図1の加工板の番付け加工装置のNCルータの右側面図である。
【図4】図4は図2の加工板の番付け加工装置の矢印Aから見た図である。
【図5】図5は図2の加工板の番付け加工装置の矢印Bから見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明では、加工板積載部で多数の被加工板を積載し、番付装置で1番上の被加工板に番付けを施して、搬送装置で搬送されたときに、順次1枚分上に上昇するように構成した被加工板を積載し、搬送装置で番付けされた1番上の被加工板を吸引して搬送し、吸着テーブルに位置決めし、加工装置で吸着テーブルに位置決めされた被加工板を加工するものである。
【実施例】
【0010】
図1は本発明の実施例の加工板の番付け加工装置の平面図、図2は図1の加工板の番付け加工装置の側面図、図3は図1の実施例の加工板の番付け加工装置のNCルータの右側面図で、図2に示すように、供給機フレーム1の上部に供給機支持部材2が固着され、供給機支持部材2は供給機フレーム1より長く形成され、供給機支持部材2の上に供給機移動用レール3が固着され、供給機移動用レール3の上に移動用ベアリング4が移動可能に係合され、移動用ベアリング4は搬送供給機の供給機支持台5の下面に装着され、又、供給機支持台5の上にブロアー6,供給機移動用モータ7,パッド昇降用シリンダ8、及び吸着用パイプ9が装着され、供給機支持台5の下に2つの吸着パッド10が供給機支持部材2の下方に突出して装着され、吸着パッド10の間に被加工材確認センサ11が装着され、供給機支持フレーム1の間の底部にテーブルリフター12が装着され、このテーブルリフター12の上に被加工材受けバー13が装着され、この被加工材受けバー13に多数の被加工板14が積み重ねられている。
【0011】
供給機フレーム1の近傍にルータフレーム16が設置され、このルータフレーム16の両側に支柱17が固着され、この支柱17の頂部にクロスビーム18が装着され、クロスビーム18の前面にヘッド横移動レール19が装着され、ヘッド横移動レール19にヘッド支持部材20が横移動可能に支持され、ヘッド支持部材20にヘッド上下移動用モータ21が装着され、又、ヘッド支持部材20の前面に昇降用レール22が固着され、昇降用レール22にベアリング23が係合され、ベアリンク23はヘッド24に固着され、又、ヘッド24は旋回用モータ25で旋回され、さらに、切断用モータ26で回転される切断用鋸27及びルータ主軸28が装着され、ルータ主軸28はルータ昇降用シリンダ29で昇降される。
【0012】
さらに、支柱17の間のルータフレーム16の上にテーブル台30が装着され、テーブル台30の側部にテーブル移動用レール31とテーブル移動用ラック32が固着され、テーブル移動用レール31にテーブルベアリング33が係合され、テーブルベアリング33は吸着テーブル34に固着され、又、吸着テーブル34を移動するテーブル移動用モータ48は吸着テーブル34に固着され、吸着テーブル34の移動方向の端部に被加工板セット用の縦押しシリンダ35が装着され、さらに、吸着テーブル34の側部に被加工板セット用兼被加工板払い出し用シリンダ36が装着され、被加工板セット用兼被加工板払い出し用シリンダ36の対向位置に加工板受けテーブル15が装着されている。
【0013】
図4は図2の本実施例の加工板の番付け加工装置の矢印Aから見た図、図5は図2の加工板の番付け加工装置の矢印Bから見た図で、供給機支持部材2の下面に縦移動レール37が固着され、縦移動レール37にベアリング39が係合され、ベアリング39は番付けユニット40の支持部材41に固着され、支持部材41は縦移動用モータ42で移動され、さらに、支持部材41に縦移動レール37と直交方向に横移動レール43と横移動ラック44が固着され、この横レール43と横移動ラック44によって番付け用インクヘッド45が横移動用モータ46で横方向に移動可能に装着され、支持部材41にインクヘッド昇降用シリンダ47が装着されている。
【0014】
このように構成された本実施例の加工板の番付け加工装置では、予め供給機支持台5は加工機側で待機させ、テーブルリフター12の上の被加工材受けバー13に被加工板14が多数積載され、被加工板14の最上部の被加工板14を被加工板確認センサで確認すると、番付け用インクヘッド45がインクヘッド昇降用シリンダ47で下降され、縦移動用モータ42と横移動モータ46で番付け用インクヘッド45が移動されて番付けが行われ、番付けがされた被加工板14は吸着パッド10で吸着されて供給機移動用モータ7で供給機支持台5が移動され、吸着パッド10で吸着された被加工板14がNCルータ15の吸着テーブル34の上に来ると、パッド昇降用シリンダ8で吸着パッド10を下降し、被加工板14を吸着テーブル34の上に置くと、吸着パッド10は被加工板14を離して上昇するので、吸着テーブル34上で、被加工板セット用の縦押しシリンダ35と被加工板セット用兼被加工板払い出し用シリンダ36で被加工板14を吸着テーブル34の上に位置決めする。
【0015】
そして、位置決めされた被加工板14は吸着テーブル34の移動によって、加工位置に移動されると、クロスビーム18の内部に装着されたボールネジ(図示せず)によってヘッド支持部材20が横移動し、加工位置でヘッド上下移動用モータ21でヘッド24が下降され、ルータ主軸28による加工又は切断用鋸27による切断が行われ、加工板は被加工板セット用兼被加工板払い出し用シリンダ36で加工板受けテーブル15に押し出される。
【0016】
被加工板14がNCルータ28による加工又は切断用鋸27による切断が行われている間に、テーブルリフター12の上の被加工材受けバー13に多数積載された被加工板14の最上部の被加工板14は、被加工板確認センサ11で確認されて、番付け用インクヘッド45がインクヘッド昇降用シリンダ47で下降され、縦移動用モータ42と横移動モータ46で番付け用インクヘッド45が移動されて番付けが行われており、その間に、吸着テーブル34に被加工板14を解放した吸着パッド10は吸着テーブル34の上部で待機しており、番付けが終わると、番付けの終わった被加工板14を吸着するために移動する。
【0017】
このように構成した本実施例では、番付けユニット40で被加工板に番付けを施している間に、吸着パッド10で先に搬送された被加工板14を、切断用鋸27による切断及びNCルータ28による加工が行われるので、番付け操作と加工操作が平行して行われ、作業効率が非常に良いという利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0018】
なお、上記実施例では、番付け操作と加工操作が平行して行われるようにしたが、他の作業を平行して行うことができる。
【符号の説明】
【0019】
1 供給機フレーム
2 供給機支持部材
3 供給機移動用レール
4 移動用ベアリング
5 供給機支持台
6 ブロアー
7 供給機移動用モータ
8 パッド昇降用シリンダ
9 吸着用パイプ
10 吸着パッド
11 被加工材確認センサ
12 テーブルリフター
13 被加工材受けバー
14 被加工板
15 加工板受けテーブル
16 ルータフレーム
17 支柱
18 クロスビーム
19 ヘッド横移動レール
20 ヘッド支持部材
21 ヘッド上下移動用モータ
22 昇降用レール
23 ベアリング
24 ヘッド
25 旋回用モータ
26 切断用モータ
27 切断用鋸
28 NCルータ
29 ルータ昇降用シリンダ
30 テーブル台
31 テーブル移動用レール
32 テーブル移動用ラック
33 テーブルベアリング
34 吸着テーブル
35 縦押しシリンダ
36 被加工板セット用兼被加工板払い出し用シリンダ
37 縦移動レール
38 ラック
40 番付けユニット
41 支持部材
42 縦移動用モータ
43 横移動レール
44 横移動ラック
45 番付け用インクヘッド
46 横移動用モータ
47 インクヘッド昇降用シリンダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の被加工板を積載して、1番上の被加工板が除去されたときに順次1枚分上上昇するように構成したテーブルリフターと、該テーブルリフター上の最上部の被加工板を確認する被加工板確認センサと、被加工板確認センサで確認した後、インクヘッド昇降用シリンダで番付け用インクヘッドが下降され、縦移動用モータと横移動モータで番付け用インクヘッドが移動され、前記テーブルリフター上の最上部の被加工板の上面に番付けを施す番付ユニットと、該番付けユニットで番付けされた被加工板を吸着パッドで吸引して供給機フレーム上を搬送し、吸着テーブル上に搬送する搬送供給機と、該搬送供給機で搬送された被加工板を前記吸着テーブルに装着された縦押しシリンダと前記吸着テーブルの側部に装着された被加工板セット用兼被加工板払い出し用シリンダで位置決めし、位置決めされた被加工板を切断用鋸及びNCルータで加工する加工装置とからなること特徴とする加工板の番付け加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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